JP2004177353A - 水素吸収材料の特性評価装置及び特性評価方法 - Google Patents

水素吸収材料の特性評価装置及び特性評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】室温や気圧などの外部環境の影響をなくし、測定中の温度変化及び圧力変化を安定に水素吸蔵材料の評価測定を行う。
【解決手段】水素吸蔵材料の特性評価装置は、試料容器49、蓄圧器50、圧力センサー47、それらを接続する配管、バルブ52〜57、温度センサー46を備え、水素圧力の変化を圧力センサー47で測定し、試料容器49、蓄圧器50、圧力センサー47、それらを接続する配管、バルブ52〜57、温度センサー46のすべてを温度制御可能な同一の恒温槽43内に設置する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素吸蔵材料の水素吸蔵及び放出特性を測定するための評価装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来知られている水素吸蔵材料の水素吸蔵・放出特性の測定技術について説明する。水素貯蔵タンク内の水素量を正確に測定することができる技術は公知である(特許文献1参照。)。特に、大容量の蓄圧器を用いて圧力変化を小さくした水素吸蔵合金測定装置において、温度変化による圧力変化の影響を小さくして高精度に測定する技術は公知である(特許文献2参照。)。又、ジーベルツ式水素吸蔵合金のPCT特性値測定装置における測定の自動化を図り、夜間等を利用して効率よく測定する技術が公知である(特許文献3参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−206073号公報
【特許文献2】
特開平11−101729号公報
【特許文献3】
特開平09−178732号公報
【0004】
さらに、従来より行われている水素吸蔵材料の水素吸蔵・放出特性の測定について、図1〜3に示すジーベルツ(容量)式装置の従来例1〜3を用いて以下説明する。
【0005】
(従来例1)
図1に示す従来例1では、測定する際には、開閉弁9、11を閉じ、開閉弁12を開いて真空ポンプへの接続部5から真空引きする。そして、開閉弁10、12を閉じ、開閉弁9を開いて水素ガス導入管1から水素ガスを蓄圧器3に所定量供給する。
【0006】
試料容器8内の試料の水素吸蔵特性を測定する場合は、開閉弁9、10、12を閉じ、開閉弁10を開き、蓄圧器3からフィルタ7を備えた試料容器8内に水素ガスを供給する。そして、供給開始からの時間経過と圧力計2による蓄圧器3内の圧力の変化を測定する。この所定時間内における圧力の変動分により単位時間あたりの水素吸蔵特性が測定できる。
【0007】
試料容器8内の試料の水素放出特性を測定する場合は、開閉弁11を開き、試料容器8から水素ガスを一次圧調整弁を通して水素排気管4から放出する。そして、放出開始からの時間経過と圧力計2による試料容器8内の圧力の変化を測定する。この所定時間内における圧力の変動分により単位時間あたりの水素放出特性が測定できる。
【0008】
この従来例1では、測定の際の試料容器8内の温度変動に基づく圧力変動による吸蔵、放出特性の測定誤差を防止するために、試料容器8を恒温槽6内に浸している。
【0009】
(従来例2)
図2に示す従来例2では、測定する際には、不活性ガス導入管14から蓄圧器17及び試料容器21内に不活性ガスを充填後、開閉弁24、25を閉じ、開閉弁26を開いて真空ポンプへの接続部18から真空引きする。そして、開閉弁26、27を閉じ、開閉弁25を開いて水素ガス導入管15から水素ガスを蓄圧器17に所定量供給する。
【0010】
試料容器21内の試料の水素吸蔵特性を測定する場合は、開閉弁24、25、26を閉じ、開閉弁27を開き、蓄圧器17からフィルタ20を備えた試料容器21内に水素ガスを供給する。そして、供給開始からの時間経過と圧力計16による蓄圧器17内の圧力の変化を測定する。この所定時間内における圧力の変動分により単位時間あたりの水素吸蔵特性が測定できる。
【0011】
試料容器21内の試料の水素放出特性を測定する場合は、開閉弁25を閉じ、開閉弁26を開き、試料容器21から水素ガスを水素排気管18から放出する。そして、放出開始からの時間経過と圧力計16による試料容器21内の圧力の変化を測定する。この所定時間内における圧力の変動分により単位時間あたりの水素放出特性が測定できる。
【0012】
この従来例2では、測定の際の試料容器21内の温度変動に基づく圧力変動による吸蔵、放出特性の測定誤差を防止するために、試料容器21を温度計23により常時温度監視された恒温槽19内に浸している。
【0013】
(従来例3)
図3に示す従来例3では、測定する際には、開閉弁37を閉じ、開閉弁36を開いて開いて水素導入兼排気管28から水素ガスを蓄圧器30に所定量供給する。試料容器34内の試料33の水素吸蔵特性を測定する場合は、開閉弁36を閉じ、開閉弁37を開き、蓄圧器から試料容器34内に水素ガスを供給する。そして、供給開始からの時間経過と圧力センサー29による蓄圧器内の圧力の変化を測定する。この所定時間内における圧力の変動分により単位時間あたりの水素吸蔵特性が測定できる。
【0014】
試料容器34内の試料の水素放出特性を測定する場合は、開閉弁36及び開閉弁37を開き、試料容器34から水素ガスを水素導入兼排気管28を通して放出する。そして、放出開始からの時間経過と圧力センサー29による試料容器34内の圧力の変化を圧力センサー29で測定する。この所定時間内における圧力の変動分により単位時間あたりの水素放出特性が測定できる。
【0015】
この従来例3では、測定の際の試料容器34内の温度変動に基づく圧力変動による吸蔵特性の測定誤差を防止するために、試料容器34を恒温槽31内に浸している。この恒温槽31は加熱ヒータ32により加熱されており、温度センサー35で検知して温度コントローラを介して加熱ヒーター32を制御している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
従来のジーベルツ式評価装置(図1〜3)では、次のような問題がある。
(1)恒温槽内に配置され温度管理されているのは試料容器、蓄圧器のみであるので、配管等は、室温や気圧等の環境に影響され、安定した測定を行うことができない。又、試料容器と、圧力測定器や配管とは別々に温度測定され、これらの温度測定の結果を考慮し、圧力等の測定データの補正が必要であり、測定データの処理がきわめて面倒である。
(2)温度による圧力の変動を抑えるため大容量の蓄圧器を使用しており、その場合、蓄圧器の精密な温度管理が難しく、圧力測定には高価で高精度の圧力センサーが必要となる。
(3)試料容器、蓄圧器は水素ガスを導入あるいは放出すると、ガス圧力の急激な変動によるガス温度の変化が生じるため、保温チャンバーを設けるなどして温度安定化手段を講じても正確な水素化速度曲線を求めることはできない。
(4)水素ガスの分子はÅと極めて小さいため、装置配管、試料容器及び蓄圧器等からのリークを100%防ぐことはできない。そこで、従来の測定装置では、測定に際してリークチェックを行う必要があるが、リーク箇所を特定するには石鹸水又はスプレー等を用いて配管の全てを調べなければならない。このようなリークチェックは、困難であり、測定中における水素ガスのリークチェックは危険性を伴う。
【0017】
本発明は、上記従来のジーベルツ式評価装置の問題を解決する水素吸収材料の特性評価装置を実現するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、水素ガス導入管から導入される水素ガスをいったん蓄積する蓄圧器と、試料である水素吸蔵材料を装入するとともに上記蓄圧器から水素ガスが供給可能な試料容器と、上記蓄圧器の圧力を測定できる圧力センサーと、上記水素ガス導入管、上記蓄圧器及び上記試料容器を互いに接続する配管と、該配管に設けられた開閉弁と、温度センサーとを備えており、上記蓄圧器の水素圧力の変化を上記圧力計で測定することにより水素吸蔵材料の特性評価装置において、上記試料容器、上記蓄圧器、上記圧力センサーの検出部、上記開閉弁、上記配管及び上記温度センサーのすべてを、温度制御可能な同一の恒温槽内に設置していることを特徴とする水素吸蔵材料の特性評価装置を提供する。
【0019】
上記試料容器と上記蓄圧器の内部にそれぞれ上記温度センサー設けていることを特徴とする。
【0020】
上記配管における水素ガス導入管の接続部に隣接して圧力制御弁を設けたことを特徴とする。
【0021】
本発明は上記課題を解決するために、上記水素吸蔵材料の特性評価装置の試料容器に水素吸蔵材料を装入し、上記恒温槽を同一温度条件下で保持、あるいは変化させつつ、上記蓄圧器から一定量導入された水素の圧力の変化及び温度変化を測定し、この導入過程における時間に対する圧力及び温度の変化曲線に基づいて水素吸蔵材料の水素吸蔵特性を評価することを特徴とする水素吸収材料の特性評価方法を提供する。
【0022】
本発明は上記課題を解決するために、上記水素吸蔵材料の特性評価装置の試料容器に水素吸蔵材料を装入し、上記恒温槽を同一温度条件下で保持、あるいは変化させつつ、上記蓄圧器から試料容器内に水素ガスを導入しつつ、又は該水素ガスを上記試料容器から外部に放出しつつ水素の圧力の変化及び温度変化を測定し、この導入・放出過程における時間に対する圧力及び温度の変化曲線に基づいて水素吸蔵材料の水素放出特性を評価することを特徴とする水素吸収材料の特性評価方法を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に係る水素吸収材料の特性評価装置の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して以下説明する。
【0024】
(実施例)
図4は、本発明に係る水素吸収材料の特性評価装置の実施例を示す図である。不活性ガス導入管38、水素排気管39、水素ガス導入管40、真空ポンプ42、試料容器49及び蓄圧器50は、配管60を介して接続されている。配管60には、水素ガス導入管40に隣接して圧力制御弁41及び開閉弁52〜57が設けられている。
【0025】
不活性ガス導入管38は、開閉弁52を介して蓄圧器50に接続されているとともに、開閉弁52及び開閉弁56を介して水密性の試料容器49に接続されている。
【0026】
水素ガス導入管40は、圧力制御弁41及び開閉弁52を介して蓄圧器50に接続されているとともに、さらに圧力制御弁41、開閉弁52及び開閉弁56を介して水密性の試料容器49に接続されている。
【0027】
水素ガス排気管39は、開閉弁53、開閉弁55を介して蓄圧器50に接続されるとともに、開閉弁53、開閉弁55及び開閉弁56を介して試料容器49に接続されている。さらに、水素ガス排気管39’は、開閉弁57を介して蓄圧器50に接続されるとともに、開閉弁57及び開閉弁56を介して試料容器49に接続されている。
【0028】
真空ポンプ42は、開閉弁54、開閉弁55を介して蓄圧器50に接続されるとともに、開閉弁54、開閉弁55及び開閉弁56を介して試料容器49に接続されている。
【0029】
試料容器49は、その入口にフィルタ48が設けられており、水素吸収合金等の被測定材料が収容されるように構成されている。さらに、試料容器49及び蓄圧器50にはそれぞれ温度センサ46が設けられており、温度コントローラにその出力が入力されるように構成されている。
【0030】
圧力センサー47の検出部47’が配管60に設けられており、蓄圧器50の圧力を測定ができる。この圧力センサー47は、少なくとも開閉弁52、55、56、57で囲まれる配管60の部分の圧力が測定できるとともに、開閉弁56を開いた際には、試料容器49内の圧力も測定できる。なお、圧力センサー47は歪ゲージ圧力計等を用いる。
【0031】
図4に示すように、試料容器49、蓄圧器50、開閉弁52、55、56、57、61及び少なくとも開閉弁52、55、56、57で囲まれる配管60の部分が、恒温槽43内に配設されている。さらに、恒温槽43内には、攪拌機51、ヒーター45、温度センサ46が配置されている。恒温槽43内には、油類等(例えば、シリコンオイル、水)の加熱溶媒44が充填されている。ヒータ45は、今度コントローラに接続されており、温度センサー46で恒温槽43内の温度を検出して、温度制御される。
【0032】
攪拌機51は、恒温槽43内で加熱溶媒44を常に循環させるものであり、これにより目標温度±0.1度以内の温度分布を得ることができる。また、ヒーター45と冷却器を併用することにより−100℃〜3000℃までの測定温度領域を実現することができる。実験に使用する加熱溶媒は粘度が100CPS以下の液体が望ましい。
【0033】
(作用)
以上の構成から成る作用について、水素吸収材料を水素吸収特性を測定する(1)〜(10)の順序に沿って、以下説明する。
(1)試料容器49内に試料を収納し、恒温槽43内に加熱溶媒44を充填する。
(2)温度コントローラで制御し、ヒーター45で加熱溶媒を加熱し、温度センサー46により、恒温槽43、試料容器49、蓄圧器50内の温度のモニタを開始する。加熱溶媒44は、攪拌機51で攪拌し、恒温槽43内の温度を均一となるようにする。
【0034】
(3)開閉弁52を開き、開閉弁55、57を閉じ、不活性ガス導入管38から試料容器49及び蓄圧器50内に不活性ガスを供給する。その後、開閉弁57を開いて不活性ガス排気管39から不活性ガスを放出してから、開閉弁57を閉じるとともに、開閉弁54、55、56を開として真空ポンプ42で真空引きをする。
【0035】
(4)開閉弁54、55、56、57を閉じ、開閉弁52を開とし、水素ガス導入管40から蓄圧器50内に水素ガスを予め決められた量供給して充填する。そして、この状態の蓄圧器50内の圧力を圧力センサー47で測定し記録装置で記録する。
【0036】
(5)開閉弁52を閉じ、開閉弁56を開き、蓄圧器50から試料容器49内に水素ガスを送り、時間の経過と圧力センサー47による蓄圧器50内の圧力を経時的に測定する。
【0037】
(6)このようにして一定時間の蓄圧器50内の圧力変動を測定して、蓄圧器50内水素ガスの減量から試料に貯蔵された一定時間における水素吸収量を測定することができる。要するに、蓄圧器50内の減量は、「試料の水素吸収量」(正確には「試料の水素吸収量」及び「開閉弁56から試料容器49内のスペース内に相当する量」)に相当するから、「蓄圧器50内の水素の減量」から「開閉弁56から試料容器49内のスペース内に相当する量」を差し引くと試料に貯蔵された水素吸収量を測定することができる。
【0038】
(7)次に試料の放出特性を測定する場合は、開閉弁52、54を閉じた状態で、開閉弁53、55、57を開き、蓄圧器50及び配管60を所定の圧力まで下げた後、開閉弁55、53を閉じ、開閉弁56を開とし、時間の経過と圧力センサー47による蓄圧器50及び試料容器49内の圧力を経時的に測定する。このようにして一定時間の蓄圧器50及び試料容器49内の圧力変動を測定して、蓄圧器50及び試料容器49内の水素ガスの減量から試料に貯蔵された一定時間における水素ガスの放出量を測定することができる。
【0039】
(8)以上の水素ガスの吸蔵量及び放出量の測定期間中、温度センサー46により、恒温槽43、試料容器49、蓄圧器50内の温度をモニタし、温度変化を常時、確認する。
【0040】
このように、本発明では、試料容器49、蓄圧器50、配管60、開閉弁52、55、56、57、61が、恒温槽43内に配設されており、温度を常時一定状態となるようにコントロールされる構成としているから、蓄圧器50から試料容器49内に水素ガスを供給する期間、及び試料容器49と蓄圧器50から水素ガスを放出する期間に、圧力センサ47による圧力測定を行う際に、温度変化による圧力変動分のノイズを排除することができ、試料に吸収される水素の吸収量を正確に測定することができる。
【0041】
本発明に係る水素吸蔵特性の評価方法は、試料容器49に試料(水素吸蔵材料)を装入し、恒温槽43を同一温度条件下で保持、あるいは変化させつつ、蓄圧器50から一定量導入された水素の圧力の変化及び温度変化を測定し、この導入過程における時間に対する圧力及び温度の変化曲線に基づいて、水素吸蔵材料の水素吸蔵特性を評価するものである。
【0042】
そして、本発明に係る水素吸蔵特性の評価方法は、試料容器49に試料(水素吸蔵材料)を装入し、恒温槽43を同一温度条件下で保持、あるいは変化させつつ、蓄圧器50から試料容器49内に水素ガスを導入しつつ、又は水素ガスを試料容器49から外部に放出しつつ水素の圧力の変化及び温度変化を測定し、この導入・放出過程における時間に対する圧力及び温度の変化曲線に基づいて水素吸蔵材料の水素放出特性を評価するものである。
【0043】
(測定例)
図4に示す評価装置を用いた測定例として、水素吸蔵合金(CaNi5、LaNi5)の水素化速度を図5、図6に示す。図5、6は、横軸は開閉弁56を開いてからの経過時間(秒)を示し、縦軸は水素吸蔵量(重量%)と試料温度(℃)及び蓄圧器内温度(℃)を示す。
【0044】
図5、6によると、CaNi5は、試料容器49に水素導入後であって、300〜1500秒後にかけて水素吸蔵が確認された。その際、試料に水素吸蔵に伴う発熱反応を確認することができた。この発熱ピークから従来評価装置では不可能であった水素化物の生成過程及び生成量、生成エネルギー△Eを同時に求めることができた。
【0045】
2000秒以後は水素吸蔵及びそれに伴う発熱反応もなく、試料温度も測定温度と同じであった。この時の水素吸蔵量は1.8wt%であった。LaNi5は、試料容器49に水素導入後、100〜300秒後にかけて合金の水素化反応及びそれに伴う発熱反応が確認された。CaNi5に比べ、水素化に要する時間は短く、その生成エネルギー△Eは大きいことがわかる。水素吸蔵量は1.6wt%であった。
【0046】
なお、ここでは図示しないが、同じ評価装置を用いてPCT曲線とそれに伴う反応熱を求めることができる。さらに、熱溶媒の温度を変化させて、温度−吸蔵量(圧力変化)−反応熱の関係を求めることも可能である。
【0047】
以上、実施例により本発明に係る水素吸収材料の特性評価装置及び特性評価方法を説明したが、このような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術事項の範囲内でいろいろ実施例があることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】
以上の構成から成る本発明に係る水素吸蔵材料の評価装置及び評価方法によれば、内部に温度センサー設けた小容量の試料容器、蓄圧器、圧力センサの検出部及び配管の全てを同時に温度制御可能な恒温槽を備えており、さらに圧力制御弁で圧力制御可能なような構成としているから、室温や気圧などの外部環境の影響をなくし、測定中の温度変化及び圧力変化を安定状態として、正確な測定評価をすることができる。
【0049】
又、本発明では、試料容器、蓄圧器、圧力センサの検出部及び配管の全てが恒温槽中に配置されているから、リークした箇所の特定は瞬時に行えるから、測定前や測定中のリークチェックは不要となり、作業性は改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例1を説明する図である。
【図2】従来例2を説明する図である。
【図3】従来例3を説明する図である。
【図4】本発明の構成を説明する図である。
【図5】本発明の測定例を説明する図である。
【図6】本発明の測定例を説明する図である。
【符号の説明】
38 不活性ガス導入管
39 水素ガス排気管
40 水素ガス導入管
41 圧力制御弁
42 真空ポンプ
43 恒温槽
44 加熱溶媒
45 ヒータ(又は冷却器)
46 温度センサー
47 圧力センサー
48 フィルター
49 試料容器
50 蓄圧器
51 攪拌機
52〜57 開閉弁

Claims (5)

  1. 水素ガス導入管から導入される水素ガスをいったん蓄積する蓄圧器と、試料である水素吸蔵材料を装入するとともに上記蓄圧器から水素ガスが供給可能な試料容器と、上記蓄圧器の圧力を測定できる圧力センサーと、上記水素ガス導入管、上記蓄圧器及び上記試料容器を互いに接続する配管と、該配管に設けられた開閉弁と、温度センサーとを備えており、上記蓄圧器の水素圧力の変化を上記圧力計で測定することにより水素吸蔵材料の特性評価装置において、
    上記試料容器、上記蓄圧器、上記圧力センサーの検出部、上記開閉弁、上記配管及び上記温度センサーのすべてを、温度制御可能な同一の恒温槽内に設置していることを特徴とする水素吸蔵材料の特性評価装置。
  2. 上記試料容器と上記蓄圧器の内部にそれぞれ上記温度センサー設けていることを特徴とする請求項1記載の水素吸蔵材料の特性評価装置。
  3. 上記配管における水素ガス導入管の接続部に隣接して圧力制御弁を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の水素吸蔵材料の特性評価装置。
  4. 請求項1記載の水素吸蔵材料の特性評価装置の試料容器に水素吸蔵材料を装入し、上記恒温槽を同一温度条件下で保持、あるいは変化させつつ、上記蓄圧器から一定量導入された水素の圧力の変化及び温度変化を測定し、この導入過程における時間に対する圧力及び温度の変化曲線に基づいて水素吸蔵材料の水素吸蔵特性を評価することを特徴とする水素吸収材料の特性評価方法。
  5. 請求項1記載の水素吸蔵材料の特性評価装置の試料容器に水素吸蔵材料を装入し、上記恒温槽を同一温度条件下で保持、あるいは変化させつつ、上記蓄圧器から試料容器内に水素ガスを導入した後、該水素ガスを上記試料容器から外部に放出しつつ水素の圧力の変化及び温度変化を測定し、この放出過程における時間に対する圧力及び温度の変化曲線に基づいて水素吸蔵材料の水素放出特性を評価することを特徴とする水素吸収材料の特性評価方法。
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