JP2004177222A - 検出センサ - Google Patents

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Takayuki Ochiai
隆幸 落合
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Abstract

【課題】センサの検出感度の低下を招くことなく、高周波ノイズの影響を抑制することが可能な検出センサを提供する。
【解決手段】信号線Lに積層ハイロスインダクタ26を配したから、CPU23には高周波成分が除去された電位V3 レベルを読み込ませることができる。しかも、積層ハイロスインダクタ26の出力側の電位V2 のレベル変化を、コンデンサ25を介してCPU23に読み込ませる構成としたから、高周波ノイズの影響を受けて電位V3 のレベルが上昇してしまうことを防止でき、もって高周波ノイズの影響の有無にかかわらず共通の閾値に基づいて物体検出を正確に行うことが可能になる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検出領域内の被検出物体に応じたアナログ信号を出力する物理量検知手段と、そこから信号線を介して受けた交流のアナログ信号に基づき検出信号を出力する検出手段とを備えた検出センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、アンプ分離型光電センサは、投光素子及び受光素子を備えたセンサヘッド部と、そこから導出された接続ラインが接続されるアンプ部とからなる。アンプ部から接続ラインを介してセンサヘッド部の投光素子に駆動信号を与えて投光させると共に、受光素子から出力される受光量に応じたレベルの受光信号を接続ラインを介してアンプ部内の検出手段に与えて、この検出手段にて受けた受光信号レベルが所定の閾値と比較され、その比較結果に基づき検出信号が出力される。
【0003】
ところで、このようなアンプ分離型光電センサでは、センサヘッド部とアンプ部とを接続する接続ラインに高周波ノイズが乗ることがある。そうすると、検出手段に与えられる受光信号レベルが不安定となって検出感度が低下し、例えば検出領域に物体が存在するにもかかわらず、物体なしとの誤検出を引き起こすおそれがあった。
【0004】
そこで、このような問題を解決するものとして、センサヘッド部の受光素子にコンデンサを並列接続したものがある(特許文献1参照)。これによれば、受光素子を挟む電源線の電位とシールド線の電位は、たとえ高周波ノイズの影響を受けても、上記コンデンサの容量に対応した一定の電位差を保ちながら変動することになり、もって高周波ノイズの影響を抑制することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−92279号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来のものにおいては、検出手段には上記コンデンサの両端電圧として受光信号レベルが伝えられるために、その受光信号レベルになまりが生じ、やはりセンサの検出感度の低下を招くといった問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、センサの検出感度の低下を招くことなく、高周波ノイズの影響を抑制することが可能な検出センサを提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る検出センサは、被検出対象の圧力,光,磁界等の物理量に応じた交流のアナログ信号を出力する物理量検知手段と、物理量検知手段から信号線を介して伝送されるアナログ信号に応じた信号を受けて、その信号レベルに基づいて検出信号を出力する検出手段とを備えた検出センサにおいて、信号線の途中にはフェライトコアが配されるとともに、信号線のうちフェライトコアと検出手段との間にはコンデンサが直列に接続されているところに特徴を有する。
なお、本発明でいう「物理量検知手段」には、被検出対象(被検出物体、検出領域)の材質、大きさ、位置や状態によって変化し得る光量、温度、磁気などの物理量に応じたアナログ信号を出力するものすべてを含む。
【0009】
請求項2の発明に係るヘッド分離型の検出センサは、被検出対象の圧力,光,磁界等の物理量に応じた交流のアナログ信号を出力する物理量検知手段を有するセンサヘッド部と、センサヘッド部から信号線を介して伝送されるアナログ信号に応じた信号を受けて、その信号レベルに基づいて検出信号を出力する検出手段を有するアンプ部とを、信号線を覆うケーブルを介して接続して構成されるヘッド分離型の検出センサにおいて、信号線の途中にはフェライトコアが配されるとともに、信号線のうちフェライトコアと検出手段との間にはコンデンサが直列に接続されているところに特徴を有する。
【0010】
請求項3の発明に係るヘッド分離型の検出センサは、検出領域に向けて光を出射する投光手段、及び、投光手段からの光を受光し、その受光量に応じた交流のアナログ信号を出力する受光手段を有するセンサヘッド部と、センサヘッド部から信号線を介して伝送されるアナログ信号に応じた信号を受けて、その信号レベルに基づいて検出信号を出力する検出手段を有するアンプ部とを、信号線を覆うケーブルを介して接続して構成されるヘッド分離型の検出センサにおいて、信号線の途中にはフェライトコアが配されるとともに、信号線のうちフェライトコアと検出手段との間にはコンデンサが直列に接続されているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の検出センサにおいて、検出手段は、アナログ信号に応じた信号を予め設定された閾値と比較し、その比較結果に基づき検出信号を出力するところに特徴を有する。
【0011】
【発明の作用及び効果】
本発明の構成によれば、物理量検知手段から出力される交流のアナログ信号を検出手段に伝送するための信号線の途中には、フェライトコアが配されている。ここで、フェライトコアは、高周波帯域に対して高いインピーダンスを示す性質を持っている。従って、たとえ物理量検知手段とフェライトコアの配置箇所との間の信号線に高周波ノイズが乗っても、フェライトコアを通過したアナログ信号は高周波成分が除去されて検出手段に与えられることになる。
【0012】
また、上記のように信号線途中にフェライトコアを設けると、そのインピーダンスは高周波ノイズの有無によって変わることがあり、それに応じて検出手段側に与えられる信号(アナログ信号或いはデジタル信号)のレベルが変動してしまう。そうすると、例えば検出手段が信号線を介して受ける上記信号のレベルを予め設定された所定の閾値と比較し、その比較結果に基づき所定の判定(例えば物体の有無判定)を行う構成(上記請求項4の構成に相当)である場合、その判定感度を一定に保つには、上記判定動作における閾値を、高周波ノイズの有無に対応して変える必要が生じ得る。しかしながら、本発明の構成によれば、フェライトコアと検出手段との間の信号線にコンデンサが直列に接続され、このコンデンサを介してアナログ信号に応じた信号が検出手段に与えられるよう構成されているから、信号線に高周波ノイズが乗ることによるレベル変動分を相殺することができ、検出手段に与えられる信号レベルを一定に保つことが可能になる。
【0013】
このような構成であれば、受光素子にコンデンサを並列接続した従来の構成で問題となった受光信号のなまりといった問題が生じることはなく、検出感度の低下を防止しつつ、高周波ノイズの影響を抑制して安定した検出を行うことができる。
なお、高周波成分を除去するものとしては、フェライトコアの代わりにローパスフィルタ回路も考えられるが、ローパスフィルタ回路を適用した構成では、上述の従来技術と同様に受光素子に対して並列接続されるコンデンサを含む構成となるために、やはり受光信号レベルになまりが生じ検出感度の低下を招くおそれがある。これに対して本発明の構成であれば、受光信号レベルのなまりは生じず、検出感度の安定化を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1及び図2によって説明する。
本実施形態に係るアンプ分離型光電センサ(以下、「光電センサ10」という)は、投光素子12(例えば発光ダイオード)を備えて、その投光素子12に連なる信号線Lを包む図示しないケーブルを導出してなる投光ヘッド部11と、受光素子14(例えば、フォトダイオード)を備えて、その受光素子14に連なる信号線Lを導出してなる受光ヘッド部13と、両ヘッド部11,13からの信号線Lがそれぞれ接続される投光用及ぶ受光用の2組の接続端子部21,22を備えたアンプ部20とから構成されている。なお、投光ヘッド部11及び受光ヘッド部13は、例えば所定の検出領域に向けて並設され、それらの前方に存在する物体Wでの反射によって変化する受光素子14からの受光信号(本発明の「アナログ信号」に相当)レベルに基づいて物体Wの有無を検出する。また、本実施形態では、受光ヘッド部13内において受光素子14の出力側に図示しない増幅回路が設けられており、上記受光信号レベル変化に対して後述の電位V3 のレベル変化が大きくなるようになっている。
【0015】
アンプ部20には、本発明の検出手段として機能するCPU23が備えられている。前述の投光用接続端子部21のうち、一方の接続端子21Aは、コレクタ側がバイアス用の抵抗を介して直流電源Vccに接続されると共にCPU23からの駆動パルスPを受けてスイッチング動作を行うトランジスタ24のエミッタ側に接続されており、他方の接続端子21Bはグランドラインに接続されている。また、受光用接続端子部22のうち、一方の接続端子22Aは、バイアス用の抵抗を介して直流電源Vccに接続されると共にコンデンサ25を介してCPU23に接続されており、他方の接続端子22Bはグランドラインに接続されている。そして、上記一方の接続端子22Aとコンデンサ25との間の信号線Lには、積層ハイロスインダクタ26が直列接続されている。なお、コンデンサ25は、直流電圧除去としての役割の果たす。
【0016】
また、CPU23は、前記トランジスタ24に対して所定のタイミングで駆動パルスPを与える。これにより、投光用接続端子部21に接続された投光ヘッド部11の投光素子12が発光し投光動作を行う。また、CPU23は、上記駆動パルスPの出力タイミングに同期してコンデンサ25との接続点の電位V3 を読み込んで予め定めた閾値と大小比較する。ここで、閾値は、例えば検出領域に物体Wがないときの電位V3 のレベルと、物体Wがあるときの電位V3 のレベルとの中間レベルに設定されている。そして、CPU23は、読込んだ電位V3 のレベルが上記閾値を超えたときに例えば図示しない出力回路を介して検出信号を出力する。
【0017】
次に、本実施形態の作用について、上記の光電センサ10を、例えば物体Wが通過する経路の傍らにその経路に向けて配置して、通過物体Wを検出するために使用する場合を例に挙げて説明する。
【0018】
まず、光電センサ10を起動して物体検出のためのモードを実行させると、CPU23によって投光ヘッド部11の投光素子12が所定のタイミングで発光し、その発光動作に同期して電位V3 のレベルがCPU23に読み込まれる。上記通過物体Wが投光ヘッド部11及び受光ヘッド部13の前方に進行する前は、投光ヘッド部11の投光素子12から出射された光のほとんどは受光ヘッド部13の受光素子14に至らず電位V3 は低いレベルを示す。
一方、通過物体Wが投光ヘッド部11及び受光ヘッド部13の前方に位置すると、投光ヘッド部11の投光素子12からの光が通過物体Wにて反射して受光ヘッド部13の受光素子14に至る。そうすると、その受光素子14での受光量が増加し、電位V1 及び電位V2 のレベルが高くなるとともに電位V3 は相対的に高いレベルを示すことになる。上述したようにCPU23における閾値は、物体Wがあるときの電位V3 のレベルと、ないときの電位V3 のレベルとの中間に設定されているから、通過物体Wの有無によって電位V3 のレベルと閾値との大小関係が反転し、もって通過物体Wの存在を検出することができる。
【0019】
次に、信号線Lに高周波ノイズが乗ると、図2の右側図に示すように電位V1 のレベルが高周波状に乱れるが、この高周波成分は積層ハイロスインダクタ26によって除去されるから、電位V2 のレベルは上述した高周波ノイズが乗らないときと同様に安定した波形で変化する。ここで、積層ハイロスインダクタ26は、高周波帯域に対して高いインピーダンスを示すため、コンデンサ25を設けない構成とすると、高周波ノイズが乗らない場合に比べて電位V2 及び電位V3 のレベルが高くなってしまい、上記の1つの閾値では安定した感度で物体検出を行えなくなってしまう(図2中、二点破線で示したグラフ)。しかしながら、本実施形態では、積層ハイロスインダクタ26とCPU23との間にコンデンサ25を直列接続して、この受光素子14からの受光信号レベル変化をコンデンサ25を介してCPU23に伝えるよう構成されているのである。従って、高周波ノイズの影響を受けて電位V2 のレベルが上昇すると、それに伴ってコンデンサ25のインピーダンスも高くなるから、電位V3 のレベル上昇を抑えることができる。
【0020】
このように、信号線Lに積層ハイロスインダクタ26を配したから、CPU23には高周波成分が除去された電位V3 レベルを読み込ませることができる。しかも、積層ハイロスインダクタ26の出力側の電位V2 のレベル変化を、コンデンサ25を介してCPU23に読み込ませる構成としたから、高周波ノイズの影響を受けて電位V3 のレベルが上昇してしまうことを防止でき、もって高周波ノイズの影響の有無にかかわらず共通の閾値に基づいて物体検出を正確に行うことが可能になる。
【0021】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、本発明をいわゆる反射型光電センサに適用した例を説明したが、これに限らず、検出領域を挟むように投光手段及び受光手段が配される、いわゆる透過型光電センサであっても同様の効果を得ることができる。
【0022】
(2)また、光電センサに限らず、検出領域内に存在する物体による周囲雰囲気変化に応じたアナログ信号を出力し、このアナログ信号を所定の基準値と比較するものであれば、例えば検出コイルを備えて、金属体の近接状態に応じた信号を信号線Lを介して検出手段に伝送する磁気センサ、温度センサ、圧力センサや超音波センサなどであってもよい。
【0023】
(3)更に、センサヘッド部とアンプ部とに分離されたヘッド分離型のものに限らず、物理量検知手段と検出手段とを1つのケース内に収めた一体型であっても、両者間の信号線Lに高周波ノイズが乗る可能性があり、本発明を適用することで高周波ノイズによる影響を排除することができる。ただし、上記実施形態のようなヘッド分離型では、センサヘッド部11,13とアンプ部20とを接続する信号線Lに対して外部からの高周波ノイズが乗りやすく、特に本発明を適用することでより高い効果を得ることができる。
【0024】
(4)上記実施形態では、チップタイプのフェライトコア(積層ハイロスインダクタ)を使用したが、これに限らず、例えば信号線Lの外周を包囲するように配される環状のフェライトコアを使用してもよい。なお、この場合、環状のフェライトコアは、例えばセンサヘッド部及びアンプ部間を繋ぐ上記ケーブルを包囲するように設けることができる。
【0025】
(5)上記実施形態では、制御手段の動作の一例として受光信号レベルに応じて変化する電位V3 のレベルを、予め設定された閾値と比較する構成を説明したが、これに限らず、上記比較動作を行わずに、単に電位V3 のレベルに応じた出力信号を出力する構成であってもよい。このような構成であっても、コンデンサ25を設けることでを高周波ノイズによる影響を除去した出力信号を出力することが可能になる。
【0026】
(6)上記実施形態では、電位V3 の変化を大きくして感度を上げるために受光ヘッド部13側に増幅回路を設けたが、これに限らず、例えばアンプ部20内においてコンデンサ25とCPU23との間に増幅回路を接続した構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るヘッド分離型光電センサの回路図
【図2】高周波ノイズの影響の有無による各電位レベルの波形図
【符号の説明】
10…光電センサ(ヘッド分離型光電センサ)
11…投光ヘッド部
13…受光ヘッド部
20…アンプ部
23…CPU(検出手段)
25…コンデンサ
26…積層ハイロスインダクタ(フェライトコア)
L…信号線
W…(通過)物体

Claims (4)

  1. 被検出対象の圧力,光,磁界等の物理量に応じた交流のアナログ信号を出力する物理量検知手段と、
    前記物理量検知手段から信号線を介して伝送される前記アナログ信号に応じた信号を受けて、その信号レベルに基づいて検出信号を出力する検出手段とを備えた検出センサにおいて、
    前記信号線の途中にはフェライトコアが配されるとともに、前記信号線のうち前記フェライトコアと前記検出手段との間にはコンデンサが直列に接続されていることを特徴とする検出センサ。
  2. 被検出対象の圧力,光,磁界等の物理量に応じた交流のアナログ信号を出力する物理量検知手段を有するセンサヘッド部と、
    前記センサヘッド部から信号線を介して伝送される前記アナログ信号に応じた信号を受けて、その信号レベルに基づいて検出信号を出力する検出手段を有するアンプ部とを、前記信号線を覆うケーブルを介して接続して構成されるヘッド分離型の検出センサにおいて、
    前記信号線の途中にはフェライトコアが配されるとともに、前記信号線のうち前記フェライトコアと前記検出手段との間にはコンデンサが直列に接続されていることを特徴とするヘッド分離型の検出センサ。
  3. 検出領域に向けて光を出射する投光手段、及び、前記投光手段からの光を受光し、その受光量に応じた交流のアナログ信号を出力する受光手段を有するセンサヘッド部と、
    前記センサヘッド部から信号線を介して伝送される前記アナログ信号に応じた信号を受けて、その信号レベルに基づいて検出信号を出力する検出手段を有するアンプ部とを、前記信号線を覆うケーブルを介して接続して構成されるヘッド分離型の検出センサにおいて、
    前記信号線の途中にはフェライトコアが配されるとともに、前記信号線のうち前記フェライトコアと前記検出手段との間にはコンデンサが直列に接続されていることを特徴とするヘッド分離型の検出センサ。
  4. 前記検出手段は、前記アナログ信号に応じた信号を予め設定された閾値と比較し、その比較結果に基づき前記検出信号を出力することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の検出センサ。
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