JP2004177084A - 可燃性ガスを用いた冷凍装置、および可燃性ガスを用いた冷凍装置を有する自動販売機、および可燃性ガスを用いた冷凍装置を有する冷蔵庫 - Google Patents

可燃性ガスを用いた冷凍装置、および可燃性ガスを用いた冷凍装置を有する自動販売機、および可燃性ガスを用いた冷凍装置を有する冷蔵庫 Download PDF

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Koichi Nishimura
晃一 西村
Nobuhiro Nakagawa
信博 中川
Takayuki Takatani
隆幸 高谷
Masaharu Kamei
正治 亀井
Yoshitaka Kubota
吉孝 窪田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Refrigeration Co
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2400/00General features or devices for refrigeration machines, plants or systems, combined heating and refrigeration systems or heat-pump systems, i.e. not limited to a particular subgroup of F25B
    • F25B2400/12Inflammable refrigerants

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Abstract

【課題】蒸発器を複数個持ち、可燃性ガスを冷媒として用いた冷凍装置に関し、全ての蒸発器に冷媒を同時に流さないことにより必要な封入冷媒量を少なくし、冷媒がもし漏洩しても爆発する確率を低くする。
【解決手段】蒸発器13,14,15と切替弁19,20,21を直列に組み合わせたものを複数組並列に接続し、さらに圧縮機6と、凝縮器11と、減圧器12とを環状に接続した構成を有し、前記切替弁19,20,21の開閉及び前記圧縮機6の運転を制御する制御部25を備え、冷媒として可燃性ガスを使用し、前記切替弁19,20,21の開閉により前記複数の蒸発器13,14,15全てに同時に冷媒を流さないことにより、封入冷媒量を少なくできる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、封入ガスとして可燃性ガスを用いた冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、冷凍業界では環境への配慮から、冷媒の脱フロン化が進んでおり、冷却装置の冷凍サイクルに使用されていた冷媒CFC(クロロフルオロカーボン)−12あるいはHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)−22といった塩素原子を含んだ冷媒の使用が規制され、塩素原子を含まず、オゾン層を破壊しないHFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒への転換が進行している。
【0003】
また、さらに可燃性はあるが地球温暖化係数の低い、イソブタンやプロパンなどの炭化水素系ガスの利用も進められている。
【0004】
従来のフロンを使用した冷凍装置の例としては、複数の蒸発器を流れる冷媒を1つの電磁弁で切り替える自動販売機の冷凍装置(例えば、特許文献1参照)がある。
【0005】
以下、図面を参照しながら上記従来の冷凍装置を説明する。
【0006】
図9は従来の冷凍装置のシステム図である。図9に示すように、従来の冷凍装置は、第1の商品収納室1と、第2の商品収納室2と、第1の商品収納室1を冷却する第1の蒸発器3と、第2の商品収納室2を冷却する第2の蒸発器4と、第2の商品収納室2内に設置されたヒーター5と、第1の蒸発器3及び第2の蒸発器4に個別に冷媒を供給する圧縮機6と、閉とすることにより第2の蒸発器4へ流れる冷媒を遮断する電磁弁7と、第1の冷却室1の室内の温度を検出する第1の室温センサ8と、第2の冷却室2の室内の温度を検出する第2の室温センサ9と、第1の室温センサ8及び第2の室温センサ9の検出した温度をもとに、電磁弁7の開閉及び圧縮機6のオンオフを制御する制御部10とから構成されている。
【0007】
以上のように構成された自動販売機の冷凍装置について、以下その動作を説明する。
【0008】
第2の収納室2が冷却設定の時、制御部10は電磁弁7を開にし、圧縮機6を起動させる。圧縮機6が起動すると、高温高圧の冷媒が凝縮器(図示せず)へと流れ放熱、液化し、減圧器(図示せず)で減圧され、第1の蒸発器3及び第2の蒸発器4へと流れ、液冷媒の蒸発気化熱により第1の冷却室1及び第2の冷却室2を冷却する。
【0009】
冷却運転中、第2の冷却室2の温度が目標温度であるT1以下に達すると、制御部10により電磁弁7が閉される。そしてその後、第1の冷却室1の温度が目標温度であるT2以下に達すると制御部10により圧縮機6が停止される。
【0010】
また、第2の冷却室2が目標温度であるT1以下に達するよりも早く第1の冷却室1の温度が目標温度であるT2よりも低い低温限界温度T3以下に達すると、制御部10により圧縮機6が停止される。そして第1の冷却室1の温度が目標温度T2よりも高くなると制御部10が再び圧縮機6を起動させる。
【0011】
【特許文献1】
特許第2932848号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のようにすべての冷却器を同時に動作させるように構成した自動販売機の冷媒に、プロパンやイソブタンなどの可燃性ガスを用いると、もし可燃性ガスが冷凍装置外に漏洩した時には、その漏洩量が多くなり、可燃性ガスの空気中の濃度が高まり、不安全になる恐れがあった。
【0013】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、冷凍装置への冷媒封入量を少なくすることにより、もし可燃性ガスが漏洩しても不安全になる確率を低くすることを目的とする。
【0014】
また、運転する蒸発器の数が変化しても、圧縮機6及び凝縮器の能力が同じため、運転する蒸発器の数が少ないときには能力が過剰となり、無駄な運転をするだけでなく、過剰な液冷媒が圧縮機6に吸い込まれ、圧縮機6の故障の原因となる液圧縮を発生させる恐れがあった。
【0015】
本発明の他の目的は、運転する蒸発器の数によって圧縮機6及び凝縮器の能力を制御することにより、過剰な能力での運転や圧縮機6の故障を防止することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、蒸発器と切替弁を直列に組み合わせたものを複数組並列に接続し、さらに圧縮機と、凝縮器と、減圧器とを環状に接続した構成を有し、前記切替弁の開閉及び前記圧縮機の運転を制御する制御部を備え、冷媒として可燃性ガスを使用し、前記切替弁の開閉により前記複数の蒸発器全てに同時に冷媒を流さないことを特徴としたものであり、蒸発器に組み合わされた切替弁によって蒸発器に流れ込む冷媒を制限し、同時に冷媒を流す蒸発器の個数を制限することで、冷凍装置内に封入される冷媒量を少なくすることができ、もし冷媒が漏洩しても、漏洩した冷媒により不安全になる確率を低くすることができるという作用を有する。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、冷媒の流れに対して蒸発器の上流側に切替弁を設けたものであり、使用しない蒸発器内の圧力は圧縮機の運転とともに圧縮機吸込圧力相当となり、その結果、使用しない蒸発器内の冷媒は圧縮機に戻り、使用しない蒸発器に残った冷媒を無くすことにより、冷凍装置内に封入される冷媒量をより少なくすることができ、もし冷媒が漏洩しても、漏洩した冷媒により不安全になる確率をより低くすることができるという作用を有する。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、さらに冷媒の流れに対して蒸発器の下流側に複数の制御弁を設け、制御弁の開閉と、切替弁の開閉と、圧縮機の運転を制御する制御部を備え、冷媒を流す蒸発器を切り替える時に、冷媒を流さない蒸発器から冷媒をポンプダウンすることを特徴としたものであり、冷却動作を停止する時は、まず冷却器の上流側の切替弁を閉じて、圧縮機の運転を一定時間行い、その後下流側の制御弁を閉じることで、冷却しない蒸発器が切替弁及び制御弁により遮断され、蒸発器内に冷媒が再び溜まり込むことがなく、冷凍装置内に封入される冷媒量をよりいっそう少なくすることができ、もし冷媒が漏洩しても、漏洩した冷媒により不安全になる確率をよりいっそう低くすることができるという作用を有する。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、回転数が可変の凝縮ファンと、凝縮ファンの回転数を制御する制御部とを備え、冷媒を流す蒸発器の大きさによって凝縮器の放熱能力を可変することを特徴としたものであり、凝縮ファンの回転数を可変し凝縮器への風量を調節することで、過剰な凝縮を防ぐことができ、安全性が高く、圧縮機信頼性も高く、さらに効率の高い可燃性ガスを用いた冷凍装置とすることができるという作用を有する。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明において、能力が可変の圧縮機と、圧縮機の能力を制御する制御部を備え、冷媒を流す蒸発器の大きさによって圧縮機の能力を可変することを特徴としたものであり、動作させる蒸発器の数が少ないときは、圧縮機の能力を下げて、動作させる蒸発器の数が多いときは、圧縮機の能力を上げことにより、過剰な圧縮機仕事を無くすことができ、安全性が高く、さらに圧縮機信頼性も高く、よりいっそう効率の高い可燃性ガスを用いた冷凍装置とすることができるという作用を有する。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の可燃性ガスを用いた冷凍装置を利用したものであり、安全性の高い自動販売機とすることができるという作用を有する。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の可燃性ガスを用いた冷凍装置を利用したものであり、安全性の高い冷凍冷蔵庫とすることができるという作用を有する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による可燃性ガスを用いた冷凍装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による可燃性ガスを用いた冷凍装置のシステム図である。図2は、同実施の形態の可燃性ガスを用いた冷凍装置の動作を示すフローチャートである。
【0025】
図1に示すように、凝縮器11は、圧縮機6から吐出された高温、高圧の冷媒(可燃性ガス)を冷却、液化する。キャピラリー(減圧器)12は凝縮器11から出た高圧の液冷媒を減圧する。
【0026】
第1の蒸発器13,第2の蒸発器14,第3の蒸発器15はそれぞれ、キャピラリー12から出た液冷媒を含んだ冷媒の蒸発気化熱により冷却を行い、それぞれ第1の冷却室16,第2の冷却室17,第3の冷却室18内を冷却している。
【0027】
第1の冷却室16,第2の冷却室17,第3の冷却室18には、冷却室の冷却が完了した時の温度TLと、冷却を開始する時の温度THが設定されている。また、第1の冷却室16,第2の冷却室17,第3の冷却室18にはヒーター(図示せず)が設置されており、室内を加温することができる。
【0028】
第1の切替弁19,第2の切替弁20,第3の切替弁21はそれぞれ、第1の蒸発器13,第2の蒸発器14,第3の蒸発器15の冷媒の流れに対して上流側に設けられており、開閉することにより冷媒を流したり遮断したりする。
【0029】
第1の温度検出手段22,第2の温度検出手段23,第3の温度検出手段24はそれぞれ、第1の冷却室16,第2の冷却室17,第3の冷却室18内の温度を検出する。
【0030】
制御部25は、第1の温度検出手段22の検出した温度T1,第2の温度検出手段23の検出した温度T2,第3の温度検出手段24の検出した温度T3を比較して第1の切替弁19,第2の切替弁20,第3の切替弁21を動作させ、第1の蒸発器13,第2の蒸発器14,第3の蒸発器15を流れる冷媒を制御する。
【0031】
以上のように構成された冷凍装置について、以下その要部動作を図2のフローチャートを参照して説明する。
【0032】
まずstep1で圧縮機6が運転し、冷却運転を開始する。
【0033】
次にstep2で第1,第2,第3の冷却室16,17,18全てが冷却設定になっているかどうかをチェックし、全室冷却設定ならばstep3へ、1室でも加温設定となっている場合はホット&コールド運転を行う。
【0034】
ホット&コールド運転では、コールド設定にされている冷却室について、その冷却室の温度検出手段の検出する温度がTLよりも低くなれば切替弁を閉にし、THよりも高くなれば切替弁を開にし、冷却運転を行う。
【0035】
但し、ホット&コールド運転中に全室冷却運転に運転モードが切り替わった時には、step3へ進む。
【0036】
step3では、第1,第2,第3の冷却室16,17,18の温度を第1,第2,第3の温度検出手段22,23,24により検出し、全ての温度がTLよりも高い時にはstep4へ、1室でもTLよりも低ければ通常冷却運転を行う。
【0037】
通常冷却運転では、温度検出手段の検出した温度がTLよりも高い冷却室について、その冷却室の温度検出手段の検出する温度がTLよりも低くなれば切替弁を閉にし、温度検出手段の検出した温度がTLよりも低い冷却室について、その冷却室の温度検出手段の検出する温度がTHよりも高くなれば切替弁を開にし、冷却運転を行う。
【0038】
また、切替弁が閉となっている冷却室の温度検出手段の検出する温度が全てTHよりも高くなった時にはstep4へ進む。
【0039】
step4、step5では、第1,第2,第3の温度検出手段22,23,24の検出した温度を比較して、一番温度の低い冷却室の冷却を停止するべく、対応した切替弁のみを閉にし、冷却運転を行う。
【0040】
これにより、第1の蒸発器13,第2の蒸発器14,第3の蒸発器15全てに同時に冷媒が流れることはなく、温度の高い2室のみが冷却される。冷凍装置内に封入する冷媒は、冷凍装置の内容積が大きくなると多く必要となり、内容積が小さくなると少なくても能力を確保することが可能である。本実施の形態においては、見た目の冷凍装置内容積に比べて実際の冷凍装置内容積が小さくなるため、全室を同時冷却する時に比べて冷媒封入量は少なくなる。
【0041】
また、冷却を行わない蒸発器内の圧力は圧縮機6の吸い込み圧力と同等となり、冷却を行わない蒸発器内に残留している冷媒は、徐々に圧縮機6に回収される。
【0042】
従って、全室を冷却する時に比べて少ない冷媒量で冷却運転を行うことができるため、もし冷凍装置内の可燃性冷媒が漏洩しても、その漏洩量を少なくすることができ、不安全になる確率が低くなり、安全性の高い冷凍装置とすることができる。
【0043】
なお、本実施の形態において、減圧器であるキャピラリー12は一つとして説明したが、減圧器が複数個ある構成においても同様の効果が得られる。
【0044】
また、本実施の形態においては、冷却室を3つとして説明を行ったが、冷却室は2室以上であれば同様の動作で同様の効果が得られる。
【0045】
また、本実施の形態においては、冷却室温度の一番低い冷却室のみ冷却をしない制御としたが、冷却室温度の低い2つの冷却室を冷却せず、常に1つの冷却室のみを冷却する制御とすることにより、さらに封入する冷媒量を減らすことができ、大きな効果が得られる。
【0046】
また、本実施の形態においては、冷却室内の温度を用いて冷媒を流さない蒸発器を決めたが、冷却室の広さによって冷媒を流さない蒸発器を決めるなど、どのような方法によって冷媒を流さない蒸発器を決めても同様の効果が得られる。
【0047】
また、本実施の形態においては、室内を加温することが可能なシステムとして説明したが、ヒーターを持たないシステムにおいては、フローチャートのstep2を無くすことで同様の効果が得られる。
【0048】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2による冷凍装置のシステム図である。図4は同実施の形態の冷凍装置の要部動作を示すフローチャートである。
【0049】
図3に示すように、第1の制御弁26,第2の制御弁27,第3の制御弁28はそれぞれ第1の蒸発器13,第2の蒸発器14,第3の蒸発器15の冷媒の流れに対して下流側に設けられており、開閉することにより冷媒を流したり遮断したりする。
【0050】
制御部29は第1の温度検出手段22の検出した温度T1,第2の温度検出手段23の検出した温度T2,第3の温度検出手段24の検出した温度T3を比較して圧縮機6,第1の切替弁19,第2の切替弁20,第3の切替弁21,第1の制御弁26,第2の制御弁27,第3の制御弁28を動作させ、第1の蒸発器13,第2の蒸発器14,第3の蒸発器15を流れる冷媒を制御する。
【0051】
以上のように構成された冷凍装置について、以下その動作を図4のフローチャートを参照して説明する。
【0052】
なお、本実施の形態において、step3までは実施の形態3と同様の動作であるため、その説明を省略する。
【0053】
step4、step5において、第1,第2,第3の冷却室16,17,18の温度を比較する。この時、一番温度の低い冷却室が、前回温度を比較した時と同じ冷却室の場合には、一番温度の低い冷却室の冷却を停止するべく対応した切替弁及び制御弁のみを閉にし、圧縮機6を運転し冷却運転を行う。
【0054】
一番温度の低い冷却室が、前回温度を比較した時と異なる場合には、一番温度の低い冷却室のみの制御弁を開にし、その他の2つの制御弁及び全ての切替弁を閉にし、圧縮機6を一定時間tだけ運転し、ポンプダウン運転を行った後、一番温度の低い冷却室の冷却を停止するべく対応した切替弁及び制御弁のみを閉にし、圧縮機6を運転し冷却運転を行う。
【0055】
ここで、ポンプダウン運転を行わない場合(実施の形態1)と行う場合(本実施の形態)を比べる。
【0056】
まずポンプダウン運転を行わない場合は、冷媒は冷却を行っている2つの蒸発器を流れるため、冷却を行わない蒸発器の出口圧力は圧縮機6の吸い込み圧力までしか低下しない。また、冷却を行っていない冷却室は温度が低いため、ある程度冷媒が凝縮し、溜まり込んでしまう。
【0057】
これに対し、ポンプダウン運転を行う場合は、徐々に圧縮機6の吸い込み圧力が低くなり、蒸発器からより多くの冷媒を回収できるとともに、第1,第2,第3の制御弁26,27,28があり、冷却を行わない蒸発器はシステムと完全に遮断されているため、冷却運転中に冷媒が冷却を行わない蒸発器内に溜まり込むことはない。
【0058】
これにより、冷却運転中、冷却を行っていない冷却室の蒸発器内には冷媒が存在していない状態となり、ポンプダウン運転を行わない時に比べると、冷却していない冷却室の蒸発器内に冷媒が残留していない分、冷媒量をさらに少なくすることができる。
【0059】
従って、より少ない冷媒量で冷却運転を行うことができ、もし冷凍装置内の可燃性冷媒が漏洩しても、その漏洩量をより少なくすることができ、不安全になる確率が低くなり、さらに安全性の高い冷凍装置とすることができる。
【0060】
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態4による冷凍装置のシステム図である。図6は同実施の形態の冷凍装置の動作を示すフローチャートである。
【0061】
図5に示すように、圧縮機30は電動機(図示せず)の回転数を変化させ、冷媒循環量を変化させることにより能力制御が可能となっている。凝縮ファン31は凝縮器を冷却し、その回転数を変化させることにより、風量制御が可能となっている。
【0062】
制御部32は、第1の温度検出手段22の検出した温度T1,第2の温度検出手段23の検出した温度T2,第3の温度検出手段24の検出した温度T3を比較して第1の切替弁19,第2の切替弁20,第3の切替弁21を動作させ、第1の蒸発器13,第2の蒸発器14,第3の蒸発器15を流れる冷媒を制御するとともに、圧縮機30の能力及び凝縮ファン31の回転数を制御する。
【0063】
以上のように構成された冷凍装置について、以下その要部動作を図6のフローチャートを参照して説明する。
【0064】
なお、本実施の形態において、step3までは実施の形態3と同様の動作であるため、その説明を省略する。
【0065】
step4、step5では、第1,第2,第3の冷却室16,17,18の温度を比較して、一番温度の低い冷却室の冷却を停止するべく対応した切替弁のみを閉にし、残り2つの蒸発器の大きさによって圧縮機30の能力及び凝縮ファン31の回転数を変化させ、冷却運転を行う。
【0066】
ここで、第1の蒸発器13,第2の蒸発器14,第3の蒸発器15の大きさは、同じ場合もあるが、冷却室の大きさにより異なることがほとんどである。このため、運転する蒸発器の組み合わせにより、必要能力も様々に変化する。一般的には運転する蒸発器の大きさが小さいほど圧縮機6と凝縮器11の必要な能力も小さくなる。
【0067】
もし、圧縮機30の能力及び凝縮ファン31の回転数が一定であるとすると、3つの蒸発器のうち一番大きい蒸発器以外を運転する時には、圧縮機30及び凝縮器11の能力が過剰となり、消費電力を無駄に使ったり、液冷媒を蒸発器で全て蒸発させることができなくなり、液冷媒を圧縮機30が吸い込み、圧縮機30が液圧縮を起こし、破損するおそれがある。
【0068】
しかしながら本実施の形態においては、小さい能力しか必要がない時には圧縮機30の能力及び凝縮ファン31の回転数を制御し能力を小さくできるため、常に適正な能力で運転することができる。
【0069】
従って、圧縮機30及び凝縮器11の能力過剰運転を防ぐことができ、安全性が高く、圧縮機信頼性が高く、より効率の高い冷凍装置とすることができる。
【0070】
なお、本実施の形態において、圧縮機30の能力を制御する方法としては、電動機の回転数を変化させることとして説明したが、圧縮機30の能力を変化させることができれば、斜板式圧縮機の容量制御やリニア圧縮機の振幅を制御するなど、いかなる能力制御方法を用いても同様の効果が得られる。
【0071】
また、本実施の形態において、凝縮器11の能力を制御する方法としては、凝縮ファン31の回転数を変化させることとして説明したが、凝縮器11の途中の配管とキャピラリー12をバイパスさせるなど、凝縮能力を制御できればいかなる方法を用いても同様の効果が得られる。
【0072】
また、本実施の形態において、冷凍装置は切替弁のみで蒸発器を切り替える実施の形態1を基本に構成したが、ポンプダウンを行う実施の形態2を基本に冷凍装置を構成しても同様の効果が得られる。
【0073】
(実施の形態4)
図7は本発明の実施の形態4による自動販売機の縦断面図である。
【0074】
図7に示すように、自動販売機33は、冷却室を複数個有し、内部に蒸発器を複数個有した冷凍装置34を収納する。
【0075】
以上の構成における冷凍装置34の動作については、実施の形態1から3のいずれか1つに示した冷凍装置の動作と同一であるため省略する。
【0076】
本実施の形態の自動販売機33には、実施の形態1から3のいずれか1つに示した冷凍装置34を用いているので、全ての蒸発器に同時に冷媒が流れることはない。
【0077】
従って、より少ない冷媒量で冷却運転を行うことができ、もし冷凍装置34内の可燃性冷媒が漏洩しても、その漏洩量をより少なくすることができ、不安全になる確率が低くなり、安全性の高い自動販売機33とすることができる。
【0078】
(実施の形態5)
図8は本発明の実施の形態5による冷凍冷蔵庫の縦断面図である。
【0079】
図8に示すように、冷凍冷蔵庫本体35は、冷却室を複数個有し、内部に蒸発器を複数個有した冷凍装置36を収納する。
【0080】
以上の構成における冷凍装置36の動作については、実施の形態1から3のいずれか1つに示した冷凍装置の動作と同一であるため省略する。
【0081】
本実施の形態の冷凍冷蔵庫35には、実施の形態1から3のいずれか1つに示した冷凍装置36を用いているので、全ての蒸発器に同時に冷媒が流れることはない。
【0082】
従って、より少ない冷媒量で冷却運転を行うことができ、もし冷凍装置36内の可燃性冷媒が漏洩しても、その漏洩量をより少なくすることができ、不安全になる確率が低くなり、安全性の高い冷凍冷蔵庫35とすることができる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の可燃性ガスを用いた冷凍装置の発明は、圧縮機と、凝縮器と、減圧器と、冷媒の流れに対して並列に設けた複数の蒸発器及び複数の切替弁とを環状に接続し、切替弁の開閉及び圧縮機の運転を制御する制御部を備え、冷媒として可燃性ガスを使用し、切替弁の開閉により複数の蒸発器全てに同時に冷媒を流さないことを特徴としたので、冷凍装置に封入する可燃性ガス量を少なくすることができ、不安全になる確率が低く、安全性の高い冷凍装置とすることができる。
【0084】
また、請求項2に記載の可燃性ガスを用いた冷凍装置の発明は、請求項1に記載の発明において、冷媒の流れに対して蒸発器の上流側に切替弁を設けたことを特徴としたので、冷却を行わない蒸発器内の冷媒は圧縮機の運転とともに徐々に回収され、冷凍装置に封入する可燃性ガス量をより少なくすることができ、不安全になる確率がより低く、より安全性の高い冷凍装置とすることができる。
【0085】
また、請求項3に記載の可燃性ガスを用いた冷凍装置の発明は、請求項2に記載の発明において、冷媒の流れに対して蒸発器の下流側に複数の制御弁を設け、制御弁の開閉と、切替弁の開閉と、圧縮機の運転を制御する制御部を備え、冷媒を流す蒸発器を切り替える時に、冷媒を流さない蒸発器から冷媒をポンプダウンすることを特徴としたものであり、冷却運転中、冷却を行っていない冷却室の蒸発器内には冷媒が存在していない状態であり、ポンプダウン運転を行わない時に比べると、冷却していない冷却室の蒸発器内に冷媒が残留していない分、冷媒量をよりいっそう少なくすることができ、よりいっそう安全性が高い冷凍装置とすることができる。
【0086】
また、請求項4に記載の可燃性ガスを用いた冷凍装置の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、回転数が可変の凝縮ファンと、凝縮ファンの回転数を制御する制御部とを備え、冷媒を流す蒸発器の大きさによって凝縮器の放熱能力を可変することを特徴としたものであり、無駄な凝縮を防ぐことにより消費電力を低くでき、さらに液圧縮による圧縮機の信頼性低下を防ぎ、安全性が高く、信頼性が高く、より効率の高い冷凍装置とすることができる。
【0087】
また、請求項5に記載の可燃性ガスを用いた冷凍装置の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明において、能力が可変の圧縮機と、圧縮機の能力を制御する制御部を備え、冷媒を流す蒸発器の大きさによって圧縮機の能力を可変することを特徴としたものであり、無駄な圧縮機の運転を省くことにより消費電力を低くでき、液圧縮による圧縮機の信頼性低下を防ぎ、安全性が高く、より信頼性が高く、より効率の高い冷凍装置とすることができる。
【0088】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の冷凍装置を用いた自動販売機であり、安全性の高い自動販売機とすることができる。
【0089】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の冷凍装置を用いた冷凍冷蔵庫であり、安全性の高い冷凍冷蔵庫とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷凍装置の実施の形態1のシステム図
【図2】同実施の形態の冷凍装置の動作を示すフローチャート
【図3】本発明による冷凍装置の実施の形態2のシステム図
【図4】同実施の形態の冷凍装置の動作を示すフローチャート
【図5】本発明による冷凍装置の実施の形態3のシステム図
【図6】同実施の形態の冷凍装置の動作を示すフローチャート
【図7】本発明による自動販売機の実施の形態4の縦断面図
【図8】本発明による冷凍冷蔵庫の実施の形態5の縦断面図
【図9】従来の冷凍装置のシステム図
【符号の説明】
6 圧縮機
11 凝縮器
12 キャピラリー(減圧器)
13 第1の蒸発器
14 第2の蒸発器
15 第3の蒸発器
19 第1の切替弁
20 第2の切替弁
21 第3の切替弁
25 制御部
26 第1の制御弁
27 第2の制御弁
28 第3の制御弁
29 制御部
30 圧縮機
31 凝縮ファン
32 制御部
33 自動販売機
34 冷凍装置
35 冷凍冷蔵庫
36 冷凍装置

Claims (7)

  1. 蒸発器と切替弁を直列に組み合わせたものを複数組並列に接続し、さらに圧縮機と、凝縮器と、減圧器とを環状に接続した構成を有し、前記切替弁の開閉及び前記圧縮機の運転を制御する制御部を備え、冷媒として可燃性ガスを使用し、前記切替弁の開閉により前記複数の蒸発器全てに同時に冷媒を流さないことを特徴とした可燃性ガスを用いた冷凍装置。
  2. 冷媒の流れに対して蒸発器の上流側に切替弁を設けたことを特徴とした請求項1に記載の可燃性ガスを用いた冷凍装置。
  3. 冷媒の流れに対して蒸発器の下流側に複数の制御弁を設け、前記制御弁の開閉と、切替弁の開閉と、圧縮機の運転を制御する制御部を備え、冷媒を流す前記蒸発器を切り替える時に、冷媒を流さない前記蒸発器から冷媒をポンプダウンすることを特徴とした請求項2に記載の可燃性ガスを用いた冷凍装置。
  4. 回転数が可変の凝縮ファンと、前記凝縮ファンの回転数を制御する制御部とを備え、冷媒を流す蒸発器の大きさによって凝縮器の放熱能力を可変することを特徴とした請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の可燃性ガスを用いた冷凍装置。
  5. 能力が可変の圧縮機と、前記圧縮機の能力を制御する制御部を備え、冷媒を流す蒸発器の大きさによって前記圧縮機の能力を可変することを特徴とした請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の可燃性ガスを用いた冷凍装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の可燃性ガスを用いた冷凍装置を有する自動販売機。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の可燃性ガスを用いた冷凍装置有する冷蔵庫。
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JP2021124272A (ja) * 2020-02-07 2021-08-30 株式会社富岡電子工業 冷凍回路

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