JP2004176598A - 筒内圧検出装置および筒内圧センサ - Google Patents

筒内圧検出装置および筒内圧センサ Download PDF

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Abstract

【課題】筒内圧センサのダイナミックレンジを広く設定しつつ、分解能を良好に向上させ、広範囲にわたる筒内圧力の高精度な検出を可能にする。
【解決手段】エンジンの筒内圧力を検出するための筒内圧検出装置1は、加えられる圧力に応じた抵抗値の変化に基づいて筒内圧力を検出する筒内圧センサ2と、筒内圧センサ2に電流を供給するための電源3と、電源3から筒内圧センサ2に供給される電流の値を変化させるための可変抵抗器5および制御ユニット10とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの筒内圧力を検出するための筒内圧検出装置および筒内圧センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エンジンの筒内圧力を検出するための筒内圧センサとして、環状(管状)の圧電素子を含むものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この種の筒内圧センサは、筒内圧力を受けるダイアフラムと、ダイアフラムによって受けられた筒内圧力を圧電素子に伝達する伝達部材とを有し、圧電素子には、固定ネジ等により予備荷重が加えられるのが一般的である。また、筒内圧力の検出に用いられる圧電素子としては、シリンダヘッドと点火プラグとの間に配置され得るように、環状(ワッシャ状)に形成されたものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
更に、筒内圧センサとして、圧電素子の代わりに、半導体素子を含むものも知られている。この場合、半導体素子としては、加えられる圧力に応じた抵抗値が変化する特性をもったものが採用される。この種の筒内圧センサも、一般に、筒内圧力を受けるダイアフラムと、ダイアフラムによって受けられた筒内圧力を半導体素子に伝達する伝達部材とを有する。また、半導体素子の出力を増幅するために、半導体素子等を収容するハウジング内に増幅器が組み込まれている筒内圧センサも知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−049283号公報
【特許文献2】
実開平5−045542号公報
【特許文献3】
特開平5−126667号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、筒内圧を検出する装置のダイナミックレンジ(検出可能な圧力の範囲)は、例えばおよそ0〜20MPaという広い範囲に対応している必要がある。
しかしながら、ダイナミックレンジを広げようとすればするほど、分解能が低下してしまう。このため、上述されたような従来の筒内圧センサを用いたとしても、筒内圧力を高精度に検出することは困難であった。すなわち、従来の筒内圧センサにおいてダイナミックレンジと分解能との双方を両立させることは容易ではなく、両者を良好に満足させる筒内圧検出装置は、これまで提案されていないのが実情である。
【0006】
そこで、本発明は、広いダイナミックレンジと高い分解能とを有し、広範囲にわたる筒内圧力の高精度な検出を可能にする筒内圧検出装置および筒内圧センサの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による筒内圧検出装置は、エンジンの筒内圧力を検出するための筒内圧検出装置において、加えられる圧力に応じた抵抗値の変化に基づいて筒内圧力を検出する筒内圧センサと、筒内圧センサに電流を供給するための電源と、電源から筒内圧センサに供給される電流の値を変化させるための電流値設定手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
この筒内圧検出装置では、筒内圧力を検出する際に、半導体素子等を含む筒内圧センサに対して、電源から電流が供給される。これにより、筒内圧センサは、筒内圧力に応じて変化した半導体素子等の抵抗値と電源からの電流の値とに基づいて、筒内圧力に対応した電圧信号を出力する。この際、本発明による筒内圧検出装置では、筒内圧センサに供給される電流の値が電流値設定手段によって適宜変化させられる。
【0009】
電流値設定手段により、筒内圧センサに供給される電流がより大きな値に設定されれば、筒内圧センサの出力は、電源からの電流の値に応じて増幅されることになる。従って、この筒内圧検出装置を用いれば、検出対象となる筒内圧力が相対的に低い場合であっても、筒内圧センサに供給される電流の値を適切に設定することにより、筒内圧力の変動幅(脈動)を十分に識別することが可能となる。
この結果、本発明による筒内圧検出装置によれば、筒内圧センサのダイナミックレンジを広く設定しつつ、分解能を良好に向上させることが可能となり、広範囲にわたる筒内圧力を極めて高精度に検出することができる。
【0010】
また、この筒内圧検出装置では、電源や電流値設定手段等を筒内圧センサから容易に離隔させることができるので、エンジンに近接して配置される要素である筒内圧センサを極めてコンパクトに構成することが可能となる。この結果、エンジンに対して筒内圧検出装置を設置するに際して、筒内圧センサと点火装置や燃料噴射装置とが干渉し合ってしまうことを防止可能となり、筒内圧センサの存在によりバルブの大径化が妨げられてしまうといったような事態を容易に回避することができる。
【0011】
更に、電流値設定手段は、エンジンのクランク角度に基づいて電源から筒内圧センサに供給される電流の値を設定すると好ましい。
【0012】
一般に、エンジン動作中における筒内圧力の高低は、クランク角度をモニタすることにより把握することができる。従って、このような構成を採用すれば、筒内圧力が相対的に低くなるタイミングを的確に把握した上で、電源から筒内圧センサに供給される電流の値を変化させることが可能となる。
【0013】
また、電流値設定手段は、筒内圧センサの出力が圧縮行程および膨張行程と比較して排気行程および吸気行程で増幅されるように、電源から筒内圧センサに供給される電流の値を設定すると好ましい。
【0014】
一般に、エンジンの筒内圧力は、圧縮行程および膨張行程で高まる一方、排気行程および吸気行程で低下することになる。従って、筒内圧センサの出力が圧縮行程および膨張行程と比較して排気行程および吸気行程で増幅されるように筒内圧センサへの電流の値を設定することにより、エンジン動作中における筒内圧力の検出精度を向上させることが可能となる。
【0015】
更に、電流値設定手段は、エンジンの負荷に応じて電源から筒内圧センサに供給される電流の値を設定可能であると好ましい。
【0016】
エンジンの動作中、筒内圧力は、エンジンの負荷率によっても変化し、例えば低負荷時における筒内圧力の最大値は、高負荷時と比較して低下する。従って、エンジンの負荷に応じて電源から筒内圧センサに供給される電流の値を変化させることにより、低負荷時に筒内圧センサの出力を増幅させることが可能となるので、エンジン動作中における筒内圧力の検出精度をより一層向上させることができる。
【0017】
本発明による筒内圧センサは、エンジンの筒内圧力を検出するために用いられる筒内圧センサにおいて、それぞれ筒内圧力を検出可能な複数の筒内圧検出手段を備えており、複数の筒内圧検出手段の圧力検出範囲が互いに異なっていることを特徴とする。
【0018】
この筒内圧センサは、半導体素子や圧電素子といった筒内圧検出手段を複数含むものであり、複数の筒内圧検出手段は、互いに異なる圧力検出範囲を有している。従って、この筒内圧センサでは、想定される筒内圧力の範囲を複数の筒内圧検出手段に予め分割して受け持たせておくことができる。これにより、センサ全体のダイナミックレンジを十分に広く確保しつつ、分解能を実用上良好な範囲に設定することができるので、広範囲にわたる筒内圧力を極めて高精度に検出することが可能となる。
【0019】
この場合、複数の筒内圧検出手段には、主として圧縮行程および膨張行程における筒内圧力を検出するための検出手段と、主として排気行程および吸気行程における筒内圧力を検出するための検出手段とが含まれていると好ましい。
【0020】
また、複数の筒内圧検出手段は、互いに一体化されていると好ましい。これにより、筒内圧センサのエンジンに対する搭載性(取付性)を向上させることができる。
【0021】
更に、複数の筒内圧検出手段は、それぞれの受圧面と略直交する方向に沿って配列されているとよく、また、複数の筒内圧検出手段には、筒内に臨むセンサ受圧面に対応する検出手段と、エンジンの一部と当接するセンサ受圧面に対応する検出手段とが含まれていてもよい。更に、複数の筒内圧検出手段のそれぞれに対応する筒内圧センサの受圧面(センサ受圧面)は、概ね同一平面内に含まれていてもよい。
【0022】
また、複数の筒内圧検出手段の少なくとも何れか一つは、圧電素子であり、圧電素子に接触するように配置されて応力を圧電素子に対して集中させるスペーサを更に備えると好ましい。このような構成を採用すれば、圧電素子の感度を容易かつ確実に向上させることができると共に、圧電素子に対する予備荷重を容易かつ自在に設定可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による筒内圧検出装置および筒内圧センサの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0024】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明による筒内圧検出装置を示すブロック構成図であり、図2は、図1の筒内圧検出装置の一部を示す拡大部分断面図である。これらの図面に示される筒内圧検出装置1は、例えば多気筒ガソリンエンジンを始めとする各種エンジンに適用可能なものであり、エンジンの燃焼室CR(図2参照)における筒内圧力を検出する筒内圧センサ2と、筒内圧センサ2に電流を供給するための電源3とを含む。なお、図1には、説明をわかりやすくするために、1体の筒内圧センサ2のみが記載されている。
【0025】
本実施形態では、筒内圧センサ2として、いわゆる半導体圧力センサが採用されており、筒内圧センサ2は、加えられる圧力に応じてその抵抗値が変化する特性をもった半導体素子(筒内圧検出手段)20と、ステンレス等により筒状に形成された筐体21とを含む。半導体素子20は、例えば、シリコン基板等と、この基板上にブリッジを構成するように拡散技術等により形成された4体のピエゾ抵抗体とを有する。図2に示されるように、半導体素子20は、筐体21の内部に配置された内部固定部材22に取り付けられ、筐体21の内部に収容される。
半導体素子20の2本のリード線は、内部固定部材22に形成された孔部に挿通され、図示されないコネクタ部に装着された端子にそれぞれ接続される。
【0026】
筐体21の外周面には、エンジンのシリンダヘッドCHの孔部に螺合させる雄ねじが形成されている。また、筐体21の先端には、ダイヤフラム23が固定されている。そして、半導体素子20とダイヤフラム23との間には、ダイヤフラム23側から順番に、ヒートインシュレータ(伝達部材)24、半球状部材25およびガラスブロック26が配置されている。筒内圧センサ2は、エンジンの各気筒ごとに、ダイヤフラム23が燃焼室CRの内部に臨むようにシリンダヘッドCHの孔部に取り付けられ、ダイヤフラム23の燃焼室CR側の表面は、筒内圧センサ2の受圧面(センサ受圧面)となる。
【0027】
燃焼室CR内の筒内圧力がダイヤフラム23に作用すると、筒内圧力は、ヒートインシュレータ24、半球状部材25およびガラスブロック26を介して半導体素子20に伝えられることになる。そして、筒内圧センサ2に電源3から電流が供給されると、筒内圧センサ2(半導体素子20)は、燃焼室CR内の筒内圧力に応じて変化した抵抗値と電源3からの電流値とに基づいて、筒内圧力に対応した電圧信号Voutを出力する。筒内圧センサ2の出力は、図1に示されるように、作動増幅器4を介して取り出される。なお、エンジンの作動中、燃焼室CR内の熱はダイヤフラム23に加わるが、ダイヤフラム23から半導体素子20への熱の伝達は、ヒートインシュレータ24によって遮断される。
【0028】
一方、本実施形態において、上述の筒内圧センサ2に電流を供給する電源3は、定電圧電源として構成されており、筒内圧センサ2を構成する半導体素子20の一方の端子には、一定の電圧Vcが印加される。そして、筒内圧センサ2を構成する半導体素子20の接地側端子には、可変抵抗器5が直列に接続されている。この可変抵抗器5は、並列接続された複数(本実施形態では、3体)の抵抗Rf,RfおよびRfと、トランジスタTrおよびTrとを含む。トランジスタTrは、可変抵抗器5の入力端子と抵抗Rfとの間に組み込まれる一方、トランジスタTrは、可変抵抗器5の入力端子と抵抗Rfとの間に組み込まれており、両者は、可変抵抗器5の抵抗値Rを変化させるスイッチング素子として機能する。
【0029】
すなわち、トランジスタTrおよびTrの双方がオフされると、可変抵抗器5の全抵抗値Rは、最大となり、
R=Rf
となる。また、トランジスタTrがオンされる一方、トランジスタTrがオフされると、可変抵抗器5の全抵抗値Rは、
R=Rf・Rf/(Rf+Rf
となる。更に、トランジスタTrがオフされる一方、トランジスタTrがオンされると、可変抵抗器5の全抵抗値Rは、
R=Rf・Rf/(Rf+Rf
となる。
そして、トランジスタTrおよびトランジスタTrの双方がオンされると、可変抵抗器5の全抵抗値Rは、最小となり、
R=Rf・Rf・Rf/(Rf・Rf+Rf・Rf+Rf・Rf
となる。なお、可変抵抗器5の抵抗の数や、各抵抗Rf,RfおよびRfの値は任意に定めることができる。
【0030】
このような可変抵抗器5の全抵抗値Rの設定、すなわち、トランジスタTrおよびTrのオン/オフ制御は、筒内圧検出装置1に含まれる制御ユニット10によって行なわれる。この制御ユニット10は、図示されないCPU,ROM,RAM、記憶装置等を含むと共に、可変抵抗器5のトランジスタTrおよびTrのゲートにパルス電圧信号を印加するパルス発生装置(図示省略)を有する。制御ユニット10は、トランジスタTrおよびTrを適宜オン/オフさせて可変抵抗器5の全抵抗値Rを変化させることにより、筒内圧センサ2(半導体素子20)に供給される電流の値を設定するものである。すなわち、可変抵抗器5と制御ユニット10とは、電源3から筒内圧センサ2に供給される電流の値を変化させるための電流値設定手段として機能する。
【0031】
また、制御ユニット10には、図1に示されるように、それぞれエンジンに対して設けられているクランク角センサ6およびエアフローメータ7が接続されている。更に、筒内圧検出装置1の適用対象であるエンジンに可変バルブタイミング機構が備えられている場合、当該可変バルブタイミング機構に含まれるカム角センサ8が制御ユニット10に接続される。
【0032】
次に、上述の筒内圧検出装置1の動作について説明する。
【0033】
エンジンが作動している間、クランク角センサ6は、エンジンのクランク角度を各気筒ごとに検知し、クランク角度を示す信号を制御ユニット10に与える。
制御ユニット10は、クランク角センサ6からの信号に基づいて、各気筒ごとにピストンが下死点BDCに位置するタイミングと上死点TDCに位置するタイミングとを求め、各ピストンが吸気、圧縮、膨張および排気の何れの行程にあるかを判別する。
【0034】
ここで、図3に示されるように、筒内圧力は、一般に、圧縮行程および膨張行程で高まる一方、排気行程および吸気行程で低下し(図3における二点鎖線参照)、排気行程および吸気行程では、筒内圧力の脈動も認められる。従って、クランク角度に基づいて各ピストンが吸気、圧縮、膨張および排気の何れの行程にあるかを判別することにより、エンジン動作中に筒内圧力が相対的に低くなるタイミングを的確に把握することができる。
【0035】
制御ユニット10は、各ピストンが吸気、圧縮、膨張および排気の何れの行程にあるかを判別し、判別した行程に応じるように、電源3から筒内圧センサ2に供給される電流を設定する。本実施形態の場合、半導体素子20の抵抗値をRsとすれば、筒内圧センサ2の半導体素子20を流れる電流の値Isは、
Is=Vc/(Rs+R)
となり、筒内圧センサ2(半導体素子20)の出力Voutは、
Vout=Rs・Is=Vc・Rs/(Rs+R)
となる。このため、制御ユニット10は、各ピストンが排気行程および吸気行程にある際には、例えば可変抵抗器5のトランジスタTrおよびTrの何れか一方またはすべてをオンさせることにより、可変抵抗器5の全抵抗値Rを圧縮行程および吸気行程と比較して小さい値に設定する。
【0036】
これにより、筒内圧検出装置1では、排気行程および吸気行程において、筒内圧センサ2(半導体素子20)に供給される電流が、圧縮行程および膨張行程と比較して大きな値に設定される。従って、排気行程および吸気行程では、図3において実線で示されるように、筒内圧センサ2の出力Voutが、電源3から筒内圧センサ2に常時一定の値の電流を供給した場合(図3における二点鎖線参照)と比較して増幅されることになる。
【0037】
この結果、筒内圧検出装置1を用いれば、排気行程および吸気行程のように検出対象となる筒内圧力が相対的に低くなる場合であっても、筒内圧センサ2に供給される電流の値を適切に設定することにより、排気行程および吸気行程における筒内圧力の脈動等を十分に識別することが可能となる。従って、筒内圧検出装置1によれば、筒内圧センサ2のダイナミックレンジを広く設定しつつ、分解能を良好に向上させることが可能となり、広範囲にわたる筒内圧力を極めて高精度に検出することができる。
【0038】
また、筒内圧検出装置1では、電源3、作動増幅器4、可変抵抗器5、制御ユニット10等を筒内圧センサ2から容易に離隔させることができる。従って、エンジンに近接して配置される要素である筒内圧センサ2それ自体を極めてコンパクトに構成することが可能となる。この結果、エンジンに対して筒内圧検出装置1を設置するに際して、筒内圧センサ2と点火装置や燃料噴射装置とが干渉し合ってしまうことを防止可能となり、筒内圧センサ2の存在によりバルブの大径化が妨げられてしまうといったような事態を容易に回避することができる。
【0039】
ところで、エンジンの筒内圧力の高低は、基本的にクランク角度から概ね把握することが可能ではあるが、エンジンの動作中、筒内圧力は、エンジンの負荷率によっても変化し、低負荷時における筒内圧力の最大値は高負荷時と比較して低下する。このため、何ら対策を施さなければ、低負荷時における筒内圧センサの出力Voutも、図4において破線で示されるように、高負荷時と比較して低下する。この点に鑑みて、筒内圧検出装置1の制御ユニット10は、エンジンの負荷に応じて電源3から筒内圧センサ2に供給される電流の値を変化させる(補正する)ように構成されている。
【0040】
すなわち、エンジンが動作している間、制御ユニット10は、エアフローメータ7から受け取った信号に基づき、各燃焼室CRにおける空気充填率等からエンジンの負荷率を求める。そして、制御ユニット10は、求めたエンジンの負荷率と、図5に示されるようなエンジンの負荷率と筒内圧センサ2に供給される電流の値との関係を示すマップ等とに基づいて、可変抵抗器5の全抵抗値Rを変化させて筒内圧センサ2への電流の値を調節する。
【0041】
図5に示される電流値設定用のマップは、電源3から筒内圧センサ2への電流の値をエンジン負荷率の増加に伴って所定の幅で段階的に小さくすると共に、エンジン負荷率の低下に伴って段階的に大きくするように作成されたものである。
これにより、筒内圧検出装置1では、図4において実線で示されるように、低負荷時において筒内圧センサの出力Voutが増幅されることになる。このように、エンジンの負荷率をも考慮しながら、電源3から筒内圧センサ2に供給される電流の値を変化させることにより、エンジン動作中における筒内圧力の検出精度をより一層向上させることが可能となる。
【0042】
また、エンジンに対して可変バルブタイミング機構(VVT)が備えられている場合、電源3から筒内圧センサ2に供給される電流の値を変化させるタイミングは、排気バルブと吸気バルブとのオーバーラップ(進角)に基づいて補正されると好ましい。すなわち、可変バルブタイミング機構によって、吸気バルブを開くタイミングが早められた場合、吸気行程の終了タイミングは、排気バルブと吸気バルブとのオーバーラップに応じて変化し、それに応じて圧縮行程および膨張行程の終了タイミングも変化することになる。従って、このような場合、筒内圧センサ2による筒内圧力の検出精度を向上させるためには、排気バルブと吸気バルブとのオーバーラップを考慮する必要がある。
【0043】
このため、筒内圧検出装置1が可変バルブタイミング機構を備えたエンジンに適用される場合には、図1に示されるように、制御ユニット10に対して、可変バルブタイミング機構に含まれるカム角センサ8からの信号が与えられる。そして、制御ユニット10は、カム角センサ8からの信号に基づいて、排気バルブと吸気バルブとの進角を求め、図6に示されるように、求めた進角分だけ、可変バルブタイミング機構の非作動時(図6における破線参照)よりも、可変抵抗器5の全抵抗値Rを切り換える(大きくする)タイミング(電源3から筒内圧センサ2に供給される電流の値を小さくするタイミング)を早める。これにより、可変バルブタイミング機構を備えるエンジンについても、その動作中における筒内圧力の検出精度をより一層向上させることが可能となる。
【0044】
図7は、本発明による筒内圧検出装置の第1実施形態における変形例を示す概略構成図である。同図に示される筒内圧検出装置1Aでは、筒内圧センサ2に電流を供給するための電源3として、一定の電流Icを供給可能な定電流電源が採用されている。この場合、可変抵抗器5は、筒内圧センサ2と並列に接続され、制御ユニット10Aによって制御される。制御ユニット10Aは、クランク角センサ6からの信号に基づいてピストンが排気行程および吸気行程にあると判別した際、筒内圧センサ2の出力Voutが増幅されるように可変抵抗器5の全抵抗値Rを圧縮および膨張行程と比較して大きな値に設定する。
【0045】
また、図8に示される筒内圧検出装置1Bのように、筒内圧センサ2に電流を供給するための電源として、制御ユニット10Bに接続される(若しくは、制御ユニット10Bに含まれる)D/A変換器9が採用されてもよい。この場合、制御ユニット10Bは、クランク角度に基づいて筒内圧センサ2に供給すべき電流値を定め、その電流値を示すデジタル信号をD/A変換器9に与える。電源としてのD/A変換器9は、制御ユニット10Bからのデジタル信号をアナログ信号(電流)に変換し、そのアナログ信号を筒内圧センサ2に与える。
【0046】
これらの構成を採用しても、筒内圧センサ2に供給される電流の値を適切に変化させることができる。また、これらの筒内圧検出装置1Aおよび1Bにおいても、エンジンの負荷に応じて、電源3やD/A変換器9から筒内圧センサ2に供給される電流の値が調節されると好ましい。更に、これらの筒内圧検出装置1Aおよび1Bが可変バルブタイミング機構を備えるエンジンに適用される場合、筒内圧センサ2に供給される電流の値を変化させるタイミングは、排気バルブと吸気バルブとのオーバーラップ(進角)に基づいて補正されると好ましい。
【0047】
〔第2実施形態〕
図9は、本発明による筒内圧センサを示す要部拡大部分断面図である。同図に示される筒内圧センサ2Aは、図2の筒内圧センサ2と基本的には類似しているが、筒内圧を検出する手段として、複数(2体)の半導体素子20aおよび20bを有する点で図2の筒内圧センサ2と異なっている。2体の半導体素子20aおよび20bのうち、第1の半導体素子20aは、筐体21の内部に配置された内部固定部材22Aに取り付けられる。また、第2の半導体素子20bは、第1の半導体素子20aの受圧面(図9における下面)に対してガラスブロック26aを介して固定される。
【0048】
このように、筒内圧センサ2Aでは、2体の半導体素子(筒内圧検出手段)20aおよび20bは、それぞれの受圧面と略直交する方向(ダイヤフラム23の表面と略直交する方向)に配列されると共に互いに一体化されている。これにより、筐体21の外径を小さくすることが可能となり、筒内圧センサ2Aのコンパクト化を図ると共に、エンジンに対する搭載性(取付性)を向上させることができる。なお、各半導体素子20aおよび20bのリード線は、内部固定部材22Aの対応する孔部にそれぞれ挿通され、図示されないコネクタ部に装着された端子にそれぞれ接続される。また、第2の半導体素子20bとダイヤフラム23との間には、ヒートインシュレータ24、半球状部材25およびガラスブロック26bが順番に配置される。
【0049】
ここで、筒内圧センサ2Aに含まれる第1の半導体素子20aと第2の半導体素子20bとは、互いに異なる圧力検出範囲を有している。すなわち、第1の半導体素子(高圧側半導体素子)20aは、主として圧縮行程および膨張行程における高い筒内圧力(例えば、およそ10〜20MPa)を検出するために用いられ、第1の半導体素子20aよりも燃焼室CR側に配置される第2の半導体素子(低圧側半導体素子)20bは、主として排気行程および吸気行程における低い筒内圧力(例えば、およそ0〜300kPa)を検出するために用いられる。
【0050】
上述のように構成される筒内圧センサ2Aは、ダイヤフラム23が燃焼室CRの内部に臨むようにシリンダヘッドCHの孔部に取り付けられる。各半導体素子20aおよび20bには、図示されない電源から電流が供給され、燃焼室CR内の筒内圧力がダイヤフラム23に作用すると、半導体素子20aおよび20bの何れか一方が、燃焼室CR内の筒内圧力に応じて変化した抵抗値と供給された電流の値とに基づいて、検知した筒内圧力に対応する電圧信号を出力する。
【0051】
すなわち、ダイヤフラム23に作用した筒内圧力は、ヒートインシュレータ24、半球状部材25およびガラスブロック26bを介して低圧側の半導体素子20bに伝えられ、更に、ガラスブロック26aを介して高圧側の半導体素子20aにも伝えられるが、排気行程や吸気行程のように筒内圧力が低い場合(筒内圧力が低圧側の半導体素子20bの検出範囲内にある場合)、筒内圧力に対応した電圧信号は、低圧側の半導体素子20bから取り出される。一方、圧縮行程や膨張行程のように筒内圧力が高い場合(筒内圧力が高圧側の半導体素子20aの検出範囲内にある場合)、筒内圧力に対応した電圧信号は、高圧側の半導体素子20aから取り出される。
【0052】
このように、筒内圧センサ2Aでは、複数の半導体素子(筒内圧検出手段)20aおよび20bが互いに異なる圧力検出範囲を有しているので、想定される筒内圧力の範囲を複数の半導体素子20aおよび20bに予め分割して受け持たせておくことができる。従って、センサ全体のダイナミックレンジを十分に広く確保しつつ、分解能を実用上良好な範囲に設定することができるので、広範囲にわたる筒内圧力を極めて高精度に検出することが可能となる。
【0053】
なお、第2実施形態に係る筒内圧センサ2Aに対して第1実施形態に関連して説明した構成を適用して、筒内圧センサ2Aの半導体素子20aおよび20bの何れか一方または双方に供給される電流の値をクランク角度やエンジンの負荷率に基づいて変化させてもよい。これにより、筒内圧センサ2Aによる筒内圧力の検出精度をより一層向上させることが可能となる。また、筒内圧センサ2Aが可変バルブタイミング機構を備えるエンジンに適用される場合、筒内圧センサ2Aに供給される電流の値を変化させるタイミングは、排気バルブと吸気バルブとのオーバーラップに基づいて補正されると好ましい。
【0054】
図10は、本発明による筒内圧センサの変形例を示す要部拡大部分断面図である。同図に示される筒内圧センサ30は、複数(本例では、2体)の筒内圧検出手段を有しており、2体の筒内圧検出手段として、加えられる圧力に応じた抵抗値が変化する特性をもった半導体素子31と、加えられる圧力に応じて静電荷を生じる圧電素子32とが採用されている。また、半導体素子31と圧電素子32とは、互いに異なる圧力検出範囲を有しており、半導体素子31は、主として排気行程および吸気行程における低い筒内圧力を検出するために用いられ、圧電素子32は、主として圧縮行程および膨張行程における高い筒内圧力を検出するために用いられる。
【0055】
半導体素子31は、筐体33の内部に配置された内部固定部材(図示省略)に取り付けられる。また、筐体33の先端には、ダイヤフラム34が固定されており、ダイヤフラム34の燃焼室CR側の表面は、筒内圧センサ30の第1の受圧面(センサ受圧面)となる。そして、半導体素子31とダイヤフラム34との間には、ヒートインシュレータ35、半球状部材36およびガラスブロック37が順番に配置される。
【0056】
一方、圧電素子32としては、筐体33の外周に装着することができるように環状(ワッシャ状)に形成されたものが採用されている。圧電素子32を筐体33の外周に固定することにより、圧電素子32と筐体33内の半導体素子31とは、それぞれの受圧面と略直交する方向(ダイヤフラム34の表面と直交する方向)に並んだ状態で互いに一体化される。これにより、筒内圧センサ30のエンジンに対する搭載性を向上させることができる。また、圧電素子32の受圧面(図10における下面)は、シリンダヘッドCHに形成された段部CHSの表面と当接し、圧電素子32の受圧面は、筒内圧センサ30の第2の受圧面(センサ受圧面)となる。圧電素子32には、シリンダヘッドCHに螺合される締付部材38により予備荷重が加えられる。
【0057】
上述のように構成される筒内圧センサ30では、第1のセンサ受圧面を定めるダイヤフラム34に作用した筒内圧力が、ヒートインシュレータ35、半球状部材36およびガラスブロック37を介して半導体素子31に伝えられ、エンジンを構成するシリンダヘッドCHを介して圧電素子32に伝えられる。そして、排気行程や吸気行程のように筒内圧力が低い場合(筒内圧力が半導体素子31の検出範囲内にある場合)、筒内圧力に対応した電圧信号が、半導体素子31から取り出される。一方、圧縮行程や膨張行程のように筒内圧力が高い場合(筒内圧力が圧電素子32の検出範囲内にある場合)、筒内圧力に対応した信号は、圧電素子32から取り出される。
【0058】
このように、筒内圧センサ30においても、半導体素子31と圧電素子32とが互いに異なる圧力検出範囲を有しているので、想定される筒内圧力の範囲を半導体素子31と圧電素子32とに予め分割して受け持たせておくことができる。
従って、センサ全体のダイナミックレンジを十分に広く確保しつつ、分解能を実用上良好な範囲に設定することができるので、広範囲にわたる筒内圧力を極めて高精度に検出することが可能となる。
【0059】
なお、上述の筒内圧センサ30の半導体素子31には、図示されない電源から電流が供給されるが、半導体素子31に供給される電流の値をクランク角度やエンジンの負荷率に基づいて変化させてもよい。これにより、筒内圧センサ30による筒内圧力の検出精度をより一層向上させることが可能となる。また、筒内圧センサ30が可変バルブタイミング機構を備えるエンジンに適用される場合、半導体素子31に供給される電流の値を変化させるタイミングは、排気バルブと吸気バルブとのオーバーラップに基づいて補正されるとよい。
【0060】
ところで、図10に示される筒内圧センサ30では、筒内圧検出手段の一方として圧電素子32が含まれているが、このような場合、図11に示されるように、圧電素子32に対してスペーサ39を設けると好ましい。図11のスペーサ39は、圧電素子32に接触するように配置され、応力を圧電素子32に対して集中させるものである。スペーサ39は、図11に示されるように、平板上の環状部材として形成されてもよく、シリンダヘッドCH等や、締付部材38と一体化されていてもよい。
【0061】
図11に示される筒内圧センサ30Aにおいて、スペーサ39は、シリンダヘッドCHと圧電素子32との間、および、締付部材38と圧電素子32との間に配置されている。このように、スペーサ39をシリンダヘッドCHと圧電素子32との間に配置することにより、圧電素子32の感度を容易かつ確実に向上させることができる。また、スペーサ39を締付部材38と圧電素子32との間に配置することにより、圧電素子32に対する予備荷重を容易かつ自在に設定可能となる。
【0062】
なお、図11に示される筒内圧センサ30Aでは、半導体素子31を収容する筐体33に、シリンダヘッドCHの段部CHSと当接すると共に圧電素子32を受けるフランジ33fが固定されており、フランジ33fの図11における下面が筒内圧センサ30Aの第2の受圧面(センサ受圧面)とされる。このような構成のもとでは、シリンダヘッドCHと圧電素子32との間に配置されるスペーサ39は、フランジ33fと一体化されていてもよい。
【0063】
図10の筒内圧センサ30や図11の筒内圧センサ30Aでは、筒内圧検出手段として、半導体素子31と圧電素子32とが組み合わされていたが、図12に示される筒内圧センサ30Bのように、筒内圧検出手段として、互いに圧力検出範囲が異なる複数(2体)の圧電素子32aおよび32bが用いられてもよい。
この場合、各圧電素子32aおよび32bには、伝達部材40によって筒内圧力が伝えられる。伝達部材40は、一端が燃焼室CRの内部に臨む本体41と、本体41に固定されたフランジ42aおよび42bとを含む。本例では、外側のフランジ42aと締付部材38Bとにより挟持される圧電素子32aが、低い筒内圧力を検出するために用いられ、外側のフランジ42aと燃焼室CR側のフランジ42bとにより挟持されて燃焼室CR側に位置する圧電素子32bが高い筒内圧力を検出するために用いられる。また、締付部材38Bは、圧電素子32aおよび32bの双方を収容可能な有底筒状に形成されている。
【0064】
このように構成される筒内圧センサ30Bによっても、広範囲にわたる筒内圧力を極めて高精度に検出することが可能となる。また、筒内圧センサ30Bのように、複数の筒内圧検出手段として圧電素子のみを採用した場合、圧電素子の感度を向上させると共に、圧電素子に対する予備荷重の設定を容易にする上で、各圧電素子32aおよび32bに対してスペーサ39を設けると有効である。なお、伝達部材40として、グロープラグのヒータハウジングや点火プラグの碍子が利用されてもよい。
【0065】
図13は、本発明による筒内圧センサの他の変形例を示す要部拡大部分断面図である。同図に示される筒内圧センサ50は、互いに圧力検出範囲の異なる複数(2体)の半導体圧力センサを平行(横方向)に並べて一体化させたものと実質的に等しい構成を有する。すなわち、筒内圧センサ50の筐体51の先端には、2枚のダイヤフラム52aおよび52bが取り付けられている。各ダイヤフラム52aおよび52bは、それぞれの外面(燃焼室側の表面)が同一平面内に含まれるように筐体51に取り付けられ、各ダイヤフラム52aおよび52bの外面は、それぞれ筒内圧センサ50の受圧面(センサ受圧面)となる。
【0066】
そして、筒内圧センサ50では、各ダイヤフラム52aおよび52bに対して、互いに圧力検出範囲が異なる半導体素子53aおよび53bが設けられている。各半導体素子53aおよび53bは、筐体51の内部に配置された内部固定部材54に取り付けられ、半導体素子53aとダイヤフラム52aとの間、および、半導体素子53aとダイヤフラム52aとの間には、ヒートインシュレータ55、半球状部材56およびガラスブロック57が順番に配置される。
【0067】
このように構成される筒内圧センサ50も、複数の半導体素子(筒内圧検出手段)53aおよび53bが互いに異なる圧力検出範囲を有しているので、想定される筒内圧力の範囲を複数の半導体素子53aおよび53bに予め分割して受け持たせておくことができる。従って、センサ全体のダイナミックレンジを十分に広く確保しつつ、分解能を実用上良好な範囲に設定することができるので、広範囲にわたる筒内圧力を極めて高精度に検出することが可能となる。
【0068】
また、図13の筒内圧センサ50のように筒内圧検出手段として、複数の半導体素子を用いる代わりに、図14に示される筒内圧センサ50Aのように、筒内圧検出手段の少なくとも何れか一つとして、光ファイバセンサ58が用いられてもよい。この場合、光ファイバセンサ58は、図示されない発光素子および受光素子を含み、筒内圧力に応じたダイヤフラム52bの変位を検出して、筒内圧力に応じた信号を出力する。このように構成される筒内圧センサ50Aによっても、広範囲にわたる筒内圧力を極めて高精度に検出することが可能となる。
【0069】
なお、上述の筒内圧センサ50,50Aの半導体素子53a,53bには、図示されない電源から電流が供給されるが、半導体素子53a,53bに供給される電流の値をクランク角度やエンジンの負荷率に基づいて変化させてもよい。これにより、筒内圧センサ50,50Aによる筒内圧力の検出精度をより一層向上させることが可能となる。また、筒内圧センサ50,50Aが可変バルブタイミング機構を備えるエンジンに適用される場合、半導体素子53a,53bに供給される電流の値を変化させるタイミングは、排気バルブと吸気バルブとのオーバーラップに基づいて補正されるとよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明されたように、本発明によれば、筒内圧検出装置や筒内圧センサのダイナミックレンジを広く設定しつつ、分解能を良好に向上させることが可能となり、広範囲にわたる筒内圧力の高精度な検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による筒内圧検出装置を示す概略構成図である。
【図2】図1の筒内圧検出装置の一部を示す筒内圧センサの拡大部分断面図である。
【図3】図1の筒内圧検出装置の動作を説明するためのグラフである。
【図4】図1の筒内圧検出装置の動作を説明するためのグラフである。
【図5】図1の筒内圧検出装置の動作を説明するためのグラフである。
【図6】図1の筒内圧検出装置の動作を説明するためのグラフである。
【図7】本発明による筒内圧検出装置の変形例を示す概略構成図である。
【図8】本発明による筒内圧検出装置の他の変形例を示す概略構成図である。
【図9】本発明による筒内圧センサを示す要部拡大部分断面図である。
【図10】本発明による筒内圧センサの変形例を示す要部拡大部分断面図である。
【図11】本発明による筒内圧センサの変形例を示す要部拡大部分断面図である。
【図12】本発明による筒内圧センサの変形例を示す要部拡大部分断面図である。
【図13】本発明による筒内圧センサの変形例を示す要部拡大部分断面図である。
【図14】本発明による筒内圧センサの変形例を示す要部拡大部分断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 筒内圧検出装置
2,2A,30,30A,30B、50,50A 筒内圧センサ
3 電源
5 可変抵抗器
6 クランク角センサ
7 エアフローメータ
8 カム角センサ
9 D/A変換器
10,10A,10B 制御ユニット
20,20a,20b,31,53a,53b 半導体素子
23,34,52a,52b ダイヤフラム
32,32a,32b 圧電素子
39 スペーサ
58 光ファイバセンサ
CH シリンダヘッド
CR 燃焼室

Claims (11)

  1. エンジンの筒内圧力を検出するための筒内圧検出装置において、
    加えられる圧力に応じた抵抗値の変化に基づいて筒内圧力を検出する筒内圧センサと、
    前記筒内圧センサに電流を供給するための電源と、
    前記電源から前記筒内圧センサに供給される電流の値を変化させるための電流値設定手段とを備えることを特徴とする筒内圧検出装置。
  2. 前記電流値設定手段は、前記エンジンのクランク角度に基づいて前記電源から前記筒内圧センサに供給される電流の値を設定することを特徴とする請求項1に記載の筒内圧検出装置。
  3. 前記電流値設定手段は、前記筒内圧センサの出力が圧縮行程および膨張行程と比較して排気行程および吸気行程で増幅されるように、前記電源から前記筒内圧センサに供給される電流の値を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の筒内圧検出装置。
  4. 前記電流値設定手段は、前記エンジンの負荷に応じて前記電源から前記筒内圧センサに供給される電流の値を設定可能であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の筒内圧検出装置。
  5. エンジンの筒内圧力を検出するために用いられる筒内圧センサにおいて、
    それぞれ筒内圧力を検出可能な複数の筒内圧検出手段を備えており、前記複数の筒内圧検出手段の圧力検出範囲が互いに異なっていることを特徴とする筒内圧センサ。
  6. 前記複数の筒内圧検出手段には、主として圧縮行程および膨張行程における筒内圧力を検出するための検出手段と、主として排気行程および吸気行程における筒内圧力を検出するための検出手段とが含まれていることを特徴とする請求項5に記載の筒内圧センサ。
  7. 前記複数の筒内圧検出手段は、互いに一体化されていることを特徴とする請求項5または6に記載の筒内圧センサ。
  8. 前記複数の筒内圧検出手段は、それぞれの受圧面と略直交する方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の筒内圧センサ。
  9. 前記複数の筒内圧検出手段には、筒内に臨むセンサ受圧面に対応する検出手段と、前記エンジンの一部と当接するセンサ受圧面に対応する検出手段とが含まれていることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の筒内圧センサ。
  10. 前記複数の筒内圧検出手段のそれぞれに対応するセンサ受圧面を概ね同一平面内に含んでいることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の筒内圧センサ。
  11. 前記複数の筒内圧検出手段の少なくとも何れか一つは、圧電素子であり、前記圧電素子に接触するように配置されて応力を前記圧電素子に対して集中させるスペーサを更に備えることを特徴とする請求項5〜9の何れかに記載の筒内圧センサ。
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