JP2004176451A - 融雪装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】家庭の駐車場やアプローチに降り積もる雪を融かす融雪装置において、表面プレートを誘導加熱する加熱コイルを流れる電流値が正常でないと判断されたとき、融雪系統への電力供給を停止し、安全性と信頼性を向上する。
【解決手段】金属製の表面プレートと表面プレートを誘導加熱する加熱コイルで形成される加熱ユニット5を接続して融雪系統10を形成し、融雪系統10への供給電力を電力供給手段11により制御し、系統電力制御手段13により融雪系統10を形成する加熱ユニット5の接続数に応じて、電力供給手段11への電力供給量を指示することで、加熱ユニット1個あたりの電力が所定量となるように制御する。系統電力制御手段13は、コイル電流検知手段16により検知した加熱コイルを流れる電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、融雪系統10への電力供給を停止するよう電力供給手段11へ指示する。
【選択図】 図1
【解決手段】金属製の表面プレートと表面プレートを誘導加熱する加熱コイルで形成される加熱ユニット5を接続して融雪系統10を形成し、融雪系統10への供給電力を電力供給手段11により制御し、系統電力制御手段13により融雪系統10を形成する加熱ユニット5の接続数に応じて、電力供給手段11への電力供給量を指示することで、加熱ユニット1個あたりの電力が所定量となるように制御する。系統電力制御手段13は、コイル電流検知手段16により検知した加熱コイルを流れる電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、融雪系統10への電力供給を停止するよう電力供給手段11へ指示する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭の駐車場やアプローチに降り積もる雪を融かす融雪装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の融雪装置として、加熱素子と、その加熱素子を装着するケースと、その加熱素子によって加熱される表面プレートからなる加熱ユニットを複数個組み合わせたものを地表に設置することによって、融雪領域を自在に設定できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、加熱素子に高周波電流を通電することにより、金属製の表面プレートを誘導加熱して、高速に表面温度を上昇させて、短時間で効率よく融雪することができるものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−227115号公報(第4頁)
【特許文献2】
特開2002−227113号公報(第5頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来の装置の特徴を組み合わせることによって、使用者のニーズに応じて融雪領域を自在に設定することができ、なおかつエネルギー効率のよい融雪装置を作ることが可能である。
【0006】
しかしながら、加熱ユニットを地表に設置することから、何らかの衝撃が加わることによって(例えば、車の出入りなど)、表面プレートが外れてしまうなどの異常が発生する可能性がある。そのような状態のまま動作を続けると、装置の故障やプレートの外れているところにエネルギーを供給するという無駄が発生してしまう。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、表面プレートを誘導加熱する加熱コイルを流れる電流値が正常でないと判断されたとき、融雪系統への電力供給を停止することで、安全で信頼性の高い融雪装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、金属製の表面プレートとこの表面プレートを誘導加熱する加熱コイルで形成される加熱ユニットを少なくとも1個電気的に接続して融雪系統を形成し、この融雪系統への供給電力を電力供給手段により制御し、この電力供給手段への電源を電源供給手段により供給し、系統電力制御手段により融雪系統を形成する加熱ユニットの接続数に応じて、電力供給手段への電力供給量を指示することで、加熱ユニット1個あたりの電力が所定量となるように制御するよう構成し、系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知した加熱コイルを流れる電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、融雪系統への電力供給を停止するよう電力供給手段へ指示するように構成したものである。
【0009】
これにより、車の出入りの際の衝撃などで表面プレートが外れたり、表面プレートを誘導加熱する加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生して、加熱コイルを流れる電流値が正常でないと判断されたとき、融雪系統への電力供給を停止することでき、安全で信頼性の高い融雪装置を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、金属製の表面プレートとこの表面プレートを誘導加熱する加熱コイルで形成される加熱ユニットと、この加熱ユニットを少なくとも1個電気的に接続して形成した融雪系統と、この融雪系統への供給電力を制御する電力供給手段と、この電力供給手段に電源を供給する電源供給手段と、前記加熱コイルを流れる電流を検知するコイル電流検知手段と、前記融雪系統を形成する加熱ユニットの接続数に比例した電力供給量となるように前記電力供給手段に指示することにより加熱ユニット1個あたりの電力が所定量となるように制御する系統電力制御手段とを備え、前記系統電力制御手段は、前記コイル電流検知手段により検知したコイル電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、前記融雪系統への電力供給を停止するよう前記電力供給手段へ指示するようにしたものであり、車の出入りの際の衝撃などで表面プレートが外れたり、表面プレートを誘導加熱する加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生して、加熱コイルを流れる電流値が正常でないと判断された場合に、融雪系統への電力供給を停止することできるため、安全で信頼性の高い運転を行うことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、融雪系統を複数個組み合わせて任意の融雪領域を形成し、系統電力制御手段は、各融雪系統毎にコイル電流検知手段により検知したコイル電流の内のいずれかが予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、すべての融雪系統への電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにしたものであり、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常がどの融雪系統で発生した場合に、すべての融雪系統への電力供給を停止することができるため、より安全性の高い運転を行うことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、融雪系統を複数個組み合わせて任意の融雪領域を形成し、系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にある融雪系統のみ電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにしたものであり、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生した融雪系統のみ電力供給を停止し、正常な融雪系統には電力供給を継続することができるため、安全性を確保しつつ、より効率的な運転を行うことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3に記載の発明において、系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が正常条件値の範囲外にあるために融雪系統への電力供給を停止した場合でも、一定時間経過後に再度電力を供給し、そのときコイル電流が正常条件値の範囲内にあれば、そのまま電力の供給を継続するよう電力供給手段へ指示するようにしたものであり、ノイズなどによりコイル電流の誤検知を行い、運転を停止した場合でも、運転を再開させることができるため、異常は発生していないのに融雪運転が停止したままという事態を防ぐことができ、信頼性の高い運転を行うことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜4に記載の発明において、電源電圧を検知する電源電圧検知手段を備え、前記電源電圧検知手段により検知した電源電圧に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにしたものであり、電源電圧が変動しても、それに応じてコイル電流の条件値を変更することができるため、異常は発生していないのに融雪運転を停止してしまうという事態を防ぐことができ、信頼性の高い運転を行うことができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1〜5に記載の発明において、融雪系統を形成する加熱ユニットの接続数を入力する加熱ユニット数入力手段を備え、前記加熱ユニット数入力手段の入力結果に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにしたものであり、電流の損失があっても、加熱ユニット数入力手段の入力結果により条件値を変更することができるため、異常は発生していないのに融雪運転を停止してしまうという事態を防ぐことができる。
また、一度施工した後でも、使用者のニーズに応じて融雪領域を自在に変更することができる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、上記請求項1〜6に記載の発明において、報知動作をする報知手段を備え、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、前記報知手段によりその旨を報知するようにしたものであり、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生した場合に、使用者へ異常が発生していることを速やかに知らせることができるため、使用者が異常に気づかないまま運転を継続することによって生じる故障やエネルギーの浪費を防ぐことができる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、上記請求項1〜6に記載の発明において、表示動作をする表示手段を備え、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、前記表示手段によりその旨を表示するようにしたものであり、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生した場合に、使用者へ異常が発生していることを速やかに知らせることができるため、使用者が異常に気づかないまま運転を継続することによって生じる故障やエネルギーの浪費を防ぐことができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施例1)
本発明の融雪装置は、複数個の加熱ユニットを路面の上面に設置して、降雪を融雪するものであって、図3に示すように、歩道2から玄関3および駐車スペース4に至るアプローチを含めた融雪装置敷設部1を形成するものである。
【0020】
加熱ユニット5は、図2に示すように、車両等の荷重に十分耐え得る金属製の表面プレート6と、この表面プレート6で保護される加熱コイル7とから構成し、アスファルト9の上に設置される。加熱コイル7は、高周波電源から供給される高周波電流により交番磁界を発生し、この交番磁界で表面プレート6を誘導加熱するものである。加熱ユニット間の接続は、電気接続線8で電気的に直列接続を行うようにしている。
【0021】
融雪系統10は、図1に示すように、加熱ユニット5を複数個接続して構成し、融雪系統10を複数個組み合わせて任意の融雪領域を自在に設定できるようにしている。
【0022】
系統電力制御手段13は、マイクロコンピュータで構成し、加熱ユニット5の接続数に比例した電力供給量となるように電力供給手段11に指示するように構成している。電力供給手段11は、高周波電源で構成され、融雪系統10へ接続している。そして、商用電源を供給する電源供給手段12からの電源電流を検知して、融雪系統10への供給電力が系統電力制御手段13から指示された供給電力量となるように電源電流を制御するように構成している。
【0023】
電力供給手段11を構成する高周波電源は、電源と加熱コイル7との間に設けたIGBT等の半導体パワー素子をスイッチングにより加熱コイル7へ電力を供給するもので、スイッチング周波数によって供給電力を制御できるように構成している。
【0024】
降雪検知手段14は、降雪の有無に応じた信号を系統電力制御手段13に入力するもので、この降雪検知手段14は、発光素子と受光素子で構成し、発光素子から放たれた光が雪に反射して受光素子で検出されることにより降雪の有無を検知するようにしている。
【0025】
自動・手動選択手段15は、降雪検知手段14の検出結果に基づいて、自動で加熱を行うか、強制的に加熱を行うかを使用者が選択入力するものである。
【0026】
コイル電流検知手段16は、加熱コイル7を流れる電流を検知するするもので、カレントトランスにより加熱コイル7を流れる電流を電圧に変換し、系統電力制御手段13に入力する。系統電力制御手段13は、この入力値とマイクロコンピュータの記憶領域内に予め記憶してある正常動作の条件値を比較し、その比較結果を基に、電力供給手段11へ供給電力量を指示する。
【0027】
電源電圧検知手段17は、電源電圧を検知するもので、商用電源のAC電圧をダイオードで整流した後、抵抗で分圧したものを系統電力制御手段13に入力する。系統電力制御手段13は、この入力値に応じて、マイクロコンピュータの記憶領域内に記憶してある正常動作の条件値を書き換える。
【0028】
図4は、この実施例の融雪装置の表示及び操作部を示した図である。図4に示すように、この融雪装置には、加熱ユニット数入力手段18である系統選択スイッチ21や加熱ユニット数入力スイッチ22、自動・手動選択手段15である自動・手動選択スイッチ23が配置されている。また、選択した融雪系統番号、入力した加熱ユニット数、選択した運転コースおよびコイル電流が異常かどうかを表示する表示手段20である液晶表示器が配置されている。
【0029】
報知手段19は、ブザーで構成され、操作部において操作を受け付けたときや、加熱コイル電流が異常と判断された場合に鳴動するように制御される。
【0030】
上記構成において動作を説明する。まず、使用者は、自動・手動選択手段15により、自動運転を行うか、手動運転を行うかを選択する。自動運転を選択した場合は、系統電力制御手段13は、降雪検知手段14の検知結果に基づいて、雪が降っている間は加熱を行い、雪が降っていない間は加熱を行わないように制御する。手動運転を選択した場合は、系統電力制御手段13は、降雪の有無に関わらず、強制的に加熱を行うように制御する。
【0031】
加熱を行うときには、加熱コイル7に電力供給手段11を構成する高周波電源から高周波電流を供給することによって生じる交番磁界により、表面プレート6を誘導加熱するが、このとき、加熱コイル7を流れる電流をコイル電流検知手段16により検知する。図5は電源電流とコイル電流の関係を示す図である。
【0032】
図5に示すように、電力供給手段11は、加熱ユニット数が3個のときは、電源電流が目標値Aになるように制御し、加熱ユニット数が6個のときは、電源電流が目標値Bになるように制御する。このとき、電源電流の目標値A、Bは、加熱ユニット数に応じて、系統電力制御手段13から指示された値である。
【0033】
そして、一定時間が経過して、動作が安定すると、加熱ユニット数に関わらず、コイル電流は一定となる。したがって、加熱ユニット5が6個接続されているという設定をしているのに、実際には3個しか接続されていないといった状態では、系統電力制御手段13は、加熱ユニット6個分の電力になるように指示を出すことから、電力供給手段11は、電源電流が目標値Bになるように制御するため、コイル電流はγとなり、正常時に比べて増加することになる。
【0034】
また、表面プレート6が外れるという異常が発生した場合、加熱対象がなくなってしまうことから、コイル電流は正常時に比べて減少することになる。また、加熱コイル7がショートした場合には、コイル電流は正常時に比べて増加し、断線した場合には、コイル電流は流れなくなる。そこで、正常状態か異常状態かを判定するための条件値α、βを予め設定しておき、その条件値と検知したコイル電流値の比較を行う。
【0035】
このとき、検知したコイル電流値が条件値α以下、またはβ以上であれば、異常状態であると判定し、系統電力制御手段13は、融雪系統10への電力供給を停止するように電力供給手段11へ指示し、加熱を行わないように制御する。
【0036】
これにより、車の出入りの際の衝撃などで表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生した場合に、融雪系統10への電力供給を停止することができるので、安全で信頼性の高い融雪装置を提供することができる。
【0037】
(実施例2)
図6に示すように、第1融雪系統25は加熱ユニット5を5個接続して形成し、第2融雪系統26は加熱ユニット5を4個接続して形成し、第3融雪系統27は加熱ユニット5を3個接続して形成し、第4融雪系統28は加熱ユニット5を3個接続して形成し、これら第1融雪系統25、第2融雪系統26、第3融雪系統27および第4融雪系統28を組み合わせて融雪領域を形成している。
【0038】
ここで、各融雪系統には、高周波電源で構成した第1電力供給手段29、第2電力供給手段30、第3電力供給手段31、第4電力供給手段32を接続し、商用電源を供給する電源供給手段12からの供給電力を制御するように構成している。
【0039】
系統電力制御手段13は、各融雪系統毎にコイル電流検知手段16により検知したコイル電流の内のいずれかが予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、すべての融雪系統への電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにしている。他の構成は上記実施例1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、各融雪系統に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にコイル電流の異常を判定するが、そのとき、異常状態であると判定されれば、系統電力制御手段13は、すべての融雪系統への電力供給を停止するように各電力供給手段へ指示し、加熱を行わないように制御する。
【0041】
これにより、車の出入りの際の衝撃などで表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生した場合に、すべての融雪系統への電力供給を停止することができるので、より安全性の高い融雪装置を提供することができる。
【0042】
(実施例3)
図6に示す系統電力制御手段13は、コイル電流検知手段16により検知したコイル電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にある融雪系統のみ電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにしている。他の構成は上記実施例2と同じである。
【0043】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、各融雪系統に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にコイル電流の異常を判定するが、そのとき、異常状態であると判定されれば、系統電力制御手段13は、異常であると判定された融雪系統のみ、電力供給を停止するように各電力供給手段へ指示し、加熱を行わないように制御する。
【0044】
これにより、車の出入りの際の衝撃などで表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生した場合に、異常の起こった融雪系統のみ電力供給を停止することができるので、一箇所でも異常が発生すると、全く融雪運転がなされないという事態を防ぐことができ、安全性を確保しつつ、より効率的な融雪運転を行うことができる。
【0045】
(実施例4)
図1に示す系統電力制御手段13は、コイル電流検知手段16により検知したコイル電流が正常条件値の範囲外にあるために融雪系統10への電力供給を停止した場合でも、一定時間経過後に再度電力を供給し、そのときコイル電流が正常条件値の範囲内にあれば、そのまま電力の供給を継続するよう電力供給手段11へ指示するようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0046】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、融雪系統10に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にして、コイル電流の異常を判定するが、そのとき、異常状態であると判定されれば、系統電力制御手段13は、融雪系統10への電力供給を停止するように電力供給手段11へ指示し、加熱を行わないように制御する。そして、一定時間経過後、再度電力の供給を行い、コイル電流の異常判定を行う。そのとき、正常であると判定されれば、そのまま電力供給を継続するように制御する。
【0047】
これにより、表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生していないのに、商用電源を介して機器に侵入する雷サージやインパルスノイズなどにより異常と判定した場合に、再度異常判定を行うことにより、誤動作を防ぐことができるため、より信頼性の高い融雪装置を提供することができる。
【0048】
(実施例5)
図1に示す系統電力制御手段13は、電源電圧検知手段17により検知した電源電圧に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0049】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、融雪系統10に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にして、コイル電流の異常を判定するが、加熱コイル7を流れる電流は、正常状態でも電力供給手段11に供給する電源電圧の変動に応じて変化するので、予め設定しておいた正常条件値の範囲から外れ、異常だと誤判定することがある。そこで、電源電圧検知手段17により電源電圧を随時検知し、その値に応じて、予め設定しておいた条件値を変更する。
【0050】
これにより、表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生していないのに、予め設定しておいた条件値では、電源電圧の変動によって異常と判定してしまうような場合に、電源電圧により随時条件値を変更することにより、異常の誤判定を防ぐことができるため、より信頼性の高い融雪装置を提供することができる。
【0051】
(実施例6)
図1に示す系統電力制御手段13は、加熱ユニット数入力手段18の入力結果に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0052】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、融雪系統10に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にして、コイル電流の異常を判定する。加熱コイル7を流れる電流は、上記実施例1で説明したように、融雪系統10を形成する加熱ユニット5の接続数に関わらず、一定となるはずである。
【0053】
一方、接続数が増えると、加熱ユニット5を接続するための電気接続線8が長くなってしまうため、途中での損失が大きくなってしまい、予め設定しておいた正常条件値の範囲から外れ、異常だと誤判定することがある。そこで、加熱ユニット数入力手段18を構成する加熱ユニット数入力スイッチ22により入力した加熱ユニット5の接続数に応じて、予め設定しておいた条件値を変更する。
【0054】
これにより、表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生していないのに、予め設定しておいた条件値では、電流の損失によって異常と判定してしまうような場合に、加熱ユニット数入力スイッチ22により入力した値により条件値を変更することにより、異常の誤判定を防ぐことができる。
【0055】
また、一度施工した後でも、使用者のニーズに応じて融雪領域を自在に変更することができるため、より柔軟で信頼性の高い融雪装置を提供することができる。
【0056】
(実施例7)
図1に示す系統電力制御手段13は、コイル電流検知手段16により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、報知手段19によりその旨を報知するようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0057】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、融雪系統10に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にして、コイル電流の異常を判定するが、そのとき、異常状態であると判定されれば、系統電力制御手段13は、融雪系統10への電力供給を停止するように電力供給手段11へ指示し、加熱を行わないように制御するとともに、報知手段19であるブザーに信号を出力する。
【0058】
これにより、車の出入りの際の衝撃などで表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生した場合に、使用者へ異常が発生していることを速やかに知らせることができ、使用者が異常に気づかないまま運転を継続することによって生じる故障やエネルギーの浪費を防ぐことができる。
【0059】
なお、本実施例では、報知手段19にブザーを用いたが、これは使用者に異常が発生していることを聴覚的に知らせることができる構成であれば何でもよい。
【0060】
(実施例8)
図1に示す系統電力制御手段13は、コイル電流検知手段16により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、表示手段20によりその旨を表示するようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0061】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、融雪系統10に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にして、コイル電流の異常を判定するが、そのとき、異常状態であると判定されれば、系統電力制御手段13は、融雪系統10への電力供給を停止するように電力供給手段11へ指示し、加熱を行わないように制御するとともに、表示手段20である液晶表示器に異常状態であることを表示するための信号を出力する。
【0062】
これにより、車の出入りの際の衝撃などで表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生した場合に、使用者へ異常が発生していることを速やかに知らせることができ、使用者が異常に気づかないまま運転を継続することによって生じる故障やエネルギーの浪費を防ぐことができる。
【0063】
なお、本実施例では、表示手段20に液晶表示器を用いたが、使用者に異常が発生していることを視覚的に知らせることができる構成であれば何でもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、系統電力制御手段により融雪系統を形成する加熱ユニットの接続数に応じて、電力供給手段への電力供給量を指示することで、加熱ユニット1個あたりの電力が所定量となるように制御するよう構成し、系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知した加熱コイルを流れる電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、融雪系統への電力供給を停止するよう電力供給手段へ指示するように構成したから、車の出入りの際の衝撃などで表面プレートが外れたり、表面プレートを誘導加熱する加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生して、加熱コイルを流れる電流値が正常でないと判断された場合に、融雪系統への電力供給を停止することできるため、安全で信頼性の高い運転を行うことができる。
【0065】
また、請求項2に記載の発明によれば、融雪系統を複数個組み合わせて任意の融雪領域を形成し、系統電力制御手段は、各融雪系統毎にコイル電流検知手段により検知したコイル電流の内のいずれかが予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、すべての融雪系統への電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにしたから、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常がどの融雪系統で発生した場合に、すべての融雪系統への電力供給を停止することができるため、より安全性の高い運転を行うことができる。
【0066】
また、請求項3に記載の発明によれば、融雪系統を複数個組み合わせて任意の融雪領域を形成し、系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にある融雪系統のみ電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにしたから、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生した融雪系統のみ電力供給を停止し、正常な融雪系統には電力供給を継続することができるため、安全性を確保しつつ、より効率的な運転を行うことができる。
【0067】
また、請求項4に記載の発明によれば、系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が正常条件値の範囲外にあるために融雪系統への電力供給を停止した場合でも、一定時間経過後に再度電力を供給し、そのときコイル電流が正常条件値の範囲内にあれば、そのまま電力の供給を継続するよう電力供給手段へ指示するようにしたから、ノイズなどによりコイル電流の誤検知を行い、運転を停止した場合でも、運転を再開させることができるため、異常は発生していないのに融雪運転が停止したままという事態を防ぐことができ、信頼性の高い運転を行うことができる。
【0068】
また、請求項5に記載の発明によれば、電源電圧検知手段により検知した電源電圧に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにしたから、電源電圧が変動しても、それに応じてコイル電流の条件値を変更することができるため、異常は発生していないのに融雪運転を停止してしまうという事態を防ぐことができ、信頼性の高い運転を行うことができる。
【0069】
また、請求項6に記載の発明によれば、融雪系統を形成する加熱ユニットの接続数を入力する加熱ユニット数入力手段の入力結果に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにしたから、電流の損失があっても、加熱ユニット数入力手段の入力結果により条件値を変更することができるため、異常は発生していないのに融雪運転を停止してしまうという事態を防ぐことができる。また、一度施工した後でも、使用者のニーズに応じて融雪領域を自在に変更することができる。
【0070】
また、請求項7に記載の発明によれば、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、報知手段によりその旨を報知するようにしたから、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生した場合に、使用者へ異常が発生していることを速やかに知らせることができるため、使用者が異常に気づかないまま運転を継続することによって生じる故障やエネルギーの浪費を防ぐことができる。
【0071】
また、請求項8に記載の発明によれば、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、表示手段によりその旨を表示するようにしたから、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生した場合に、使用者へ異常が発生していることを速やかに知らせることができるため、使用者が異常に気づかないまま運転を継続することによって生じる故障やエネルギーの浪費を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の融雪装置のブロック図
【図2】(a)同融雪装置の加熱ユニットの平面図
(b)同融雪装置の加熱ユニットの断面図
【図3】同融雪装置の設置状態を示す斜視図
【図4】同融雪装置の表示操作部の正面図
【図5】同融雪装置の電源電流とコイル電流の関係を示す図
【図6】本発明の第2の実施例の融雪装置のブロック図
【符号の説明】
5 加熱ユニット
6 表面プレート
7 加熱コイル
10 融雪系統
11 電力供給手段
12 電源供給手段
13 系統電力制御手段
16 コイル電流検知手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭の駐車場やアプローチに降り積もる雪を融かす融雪装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の融雪装置として、加熱素子と、その加熱素子を装着するケースと、その加熱素子によって加熱される表面プレートからなる加熱ユニットを複数個組み合わせたものを地表に設置することによって、融雪領域を自在に設定できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、加熱素子に高周波電流を通電することにより、金属製の表面プレートを誘導加熱して、高速に表面温度を上昇させて、短時間で効率よく融雪することができるものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−227115号公報(第4頁)
【特許文献2】
特開2002−227113号公報(第5頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来の装置の特徴を組み合わせることによって、使用者のニーズに応じて融雪領域を自在に設定することができ、なおかつエネルギー効率のよい融雪装置を作ることが可能である。
【0006】
しかしながら、加熱ユニットを地表に設置することから、何らかの衝撃が加わることによって(例えば、車の出入りなど)、表面プレートが外れてしまうなどの異常が発生する可能性がある。そのような状態のまま動作を続けると、装置の故障やプレートの外れているところにエネルギーを供給するという無駄が発生してしまう。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、表面プレートを誘導加熱する加熱コイルを流れる電流値が正常でないと判断されたとき、融雪系統への電力供給を停止することで、安全で信頼性の高い融雪装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、金属製の表面プレートとこの表面プレートを誘導加熱する加熱コイルで形成される加熱ユニットを少なくとも1個電気的に接続して融雪系統を形成し、この融雪系統への供給電力を電力供給手段により制御し、この電力供給手段への電源を電源供給手段により供給し、系統電力制御手段により融雪系統を形成する加熱ユニットの接続数に応じて、電力供給手段への電力供給量を指示することで、加熱ユニット1個あたりの電力が所定量となるように制御するよう構成し、系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知した加熱コイルを流れる電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、融雪系統への電力供給を停止するよう電力供給手段へ指示するように構成したものである。
【0009】
これにより、車の出入りの際の衝撃などで表面プレートが外れたり、表面プレートを誘導加熱する加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生して、加熱コイルを流れる電流値が正常でないと判断されたとき、融雪系統への電力供給を停止することでき、安全で信頼性の高い融雪装置を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、金属製の表面プレートとこの表面プレートを誘導加熱する加熱コイルで形成される加熱ユニットと、この加熱ユニットを少なくとも1個電気的に接続して形成した融雪系統と、この融雪系統への供給電力を制御する電力供給手段と、この電力供給手段に電源を供給する電源供給手段と、前記加熱コイルを流れる電流を検知するコイル電流検知手段と、前記融雪系統を形成する加熱ユニットの接続数に比例した電力供給量となるように前記電力供給手段に指示することにより加熱ユニット1個あたりの電力が所定量となるように制御する系統電力制御手段とを備え、前記系統電力制御手段は、前記コイル電流検知手段により検知したコイル電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、前記融雪系統への電力供給を停止するよう前記電力供給手段へ指示するようにしたものであり、車の出入りの際の衝撃などで表面プレートが外れたり、表面プレートを誘導加熱する加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生して、加熱コイルを流れる電流値が正常でないと判断された場合に、融雪系統への電力供給を停止することできるため、安全で信頼性の高い運転を行うことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、融雪系統を複数個組み合わせて任意の融雪領域を形成し、系統電力制御手段は、各融雪系統毎にコイル電流検知手段により検知したコイル電流の内のいずれかが予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、すべての融雪系統への電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにしたものであり、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常がどの融雪系統で発生した場合に、すべての融雪系統への電力供給を停止することができるため、より安全性の高い運転を行うことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、融雪系統を複数個組み合わせて任意の融雪領域を形成し、系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にある融雪系統のみ電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにしたものであり、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生した融雪系統のみ電力供給を停止し、正常な融雪系統には電力供給を継続することができるため、安全性を確保しつつ、より効率的な運転を行うことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3に記載の発明において、系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が正常条件値の範囲外にあるために融雪系統への電力供給を停止した場合でも、一定時間経過後に再度電力を供給し、そのときコイル電流が正常条件値の範囲内にあれば、そのまま電力の供給を継続するよう電力供給手段へ指示するようにしたものであり、ノイズなどによりコイル電流の誤検知を行い、運転を停止した場合でも、運転を再開させることができるため、異常は発生していないのに融雪運転が停止したままという事態を防ぐことができ、信頼性の高い運転を行うことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜4に記載の発明において、電源電圧を検知する電源電圧検知手段を備え、前記電源電圧検知手段により検知した電源電圧に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにしたものであり、電源電圧が変動しても、それに応じてコイル電流の条件値を変更することができるため、異常は発生していないのに融雪運転を停止してしまうという事態を防ぐことができ、信頼性の高い運転を行うことができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1〜5に記載の発明において、融雪系統を形成する加熱ユニットの接続数を入力する加熱ユニット数入力手段を備え、前記加熱ユニット数入力手段の入力結果に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにしたものであり、電流の損失があっても、加熱ユニット数入力手段の入力結果により条件値を変更することができるため、異常は発生していないのに融雪運転を停止してしまうという事態を防ぐことができる。
また、一度施工した後でも、使用者のニーズに応じて融雪領域を自在に変更することができる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、上記請求項1〜6に記載の発明において、報知動作をする報知手段を備え、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、前記報知手段によりその旨を報知するようにしたものであり、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生した場合に、使用者へ異常が発生していることを速やかに知らせることができるため、使用者が異常に気づかないまま運転を継続することによって生じる故障やエネルギーの浪費を防ぐことができる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、上記請求項1〜6に記載の発明において、表示動作をする表示手段を備え、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、前記表示手段によりその旨を表示するようにしたものであり、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生した場合に、使用者へ異常が発生していることを速やかに知らせることができるため、使用者が異常に気づかないまま運転を継続することによって生じる故障やエネルギーの浪費を防ぐことができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施例1)
本発明の融雪装置は、複数個の加熱ユニットを路面の上面に設置して、降雪を融雪するものであって、図3に示すように、歩道2から玄関3および駐車スペース4に至るアプローチを含めた融雪装置敷設部1を形成するものである。
【0020】
加熱ユニット5は、図2に示すように、車両等の荷重に十分耐え得る金属製の表面プレート6と、この表面プレート6で保護される加熱コイル7とから構成し、アスファルト9の上に設置される。加熱コイル7は、高周波電源から供給される高周波電流により交番磁界を発生し、この交番磁界で表面プレート6を誘導加熱するものである。加熱ユニット間の接続は、電気接続線8で電気的に直列接続を行うようにしている。
【0021】
融雪系統10は、図1に示すように、加熱ユニット5を複数個接続して構成し、融雪系統10を複数個組み合わせて任意の融雪領域を自在に設定できるようにしている。
【0022】
系統電力制御手段13は、マイクロコンピュータで構成し、加熱ユニット5の接続数に比例した電力供給量となるように電力供給手段11に指示するように構成している。電力供給手段11は、高周波電源で構成され、融雪系統10へ接続している。そして、商用電源を供給する電源供給手段12からの電源電流を検知して、融雪系統10への供給電力が系統電力制御手段13から指示された供給電力量となるように電源電流を制御するように構成している。
【0023】
電力供給手段11を構成する高周波電源は、電源と加熱コイル7との間に設けたIGBT等の半導体パワー素子をスイッチングにより加熱コイル7へ電力を供給するもので、スイッチング周波数によって供給電力を制御できるように構成している。
【0024】
降雪検知手段14は、降雪の有無に応じた信号を系統電力制御手段13に入力するもので、この降雪検知手段14は、発光素子と受光素子で構成し、発光素子から放たれた光が雪に反射して受光素子で検出されることにより降雪の有無を検知するようにしている。
【0025】
自動・手動選択手段15は、降雪検知手段14の検出結果に基づいて、自動で加熱を行うか、強制的に加熱を行うかを使用者が選択入力するものである。
【0026】
コイル電流検知手段16は、加熱コイル7を流れる電流を検知するするもので、カレントトランスにより加熱コイル7を流れる電流を電圧に変換し、系統電力制御手段13に入力する。系統電力制御手段13は、この入力値とマイクロコンピュータの記憶領域内に予め記憶してある正常動作の条件値を比較し、その比較結果を基に、電力供給手段11へ供給電力量を指示する。
【0027】
電源電圧検知手段17は、電源電圧を検知するもので、商用電源のAC電圧をダイオードで整流した後、抵抗で分圧したものを系統電力制御手段13に入力する。系統電力制御手段13は、この入力値に応じて、マイクロコンピュータの記憶領域内に記憶してある正常動作の条件値を書き換える。
【0028】
図4は、この実施例の融雪装置の表示及び操作部を示した図である。図4に示すように、この融雪装置には、加熱ユニット数入力手段18である系統選択スイッチ21や加熱ユニット数入力スイッチ22、自動・手動選択手段15である自動・手動選択スイッチ23が配置されている。また、選択した融雪系統番号、入力した加熱ユニット数、選択した運転コースおよびコイル電流が異常かどうかを表示する表示手段20である液晶表示器が配置されている。
【0029】
報知手段19は、ブザーで構成され、操作部において操作を受け付けたときや、加熱コイル電流が異常と判断された場合に鳴動するように制御される。
【0030】
上記構成において動作を説明する。まず、使用者は、自動・手動選択手段15により、自動運転を行うか、手動運転を行うかを選択する。自動運転を選択した場合は、系統電力制御手段13は、降雪検知手段14の検知結果に基づいて、雪が降っている間は加熱を行い、雪が降っていない間は加熱を行わないように制御する。手動運転を選択した場合は、系統電力制御手段13は、降雪の有無に関わらず、強制的に加熱を行うように制御する。
【0031】
加熱を行うときには、加熱コイル7に電力供給手段11を構成する高周波電源から高周波電流を供給することによって生じる交番磁界により、表面プレート6を誘導加熱するが、このとき、加熱コイル7を流れる電流をコイル電流検知手段16により検知する。図5は電源電流とコイル電流の関係を示す図である。
【0032】
図5に示すように、電力供給手段11は、加熱ユニット数が3個のときは、電源電流が目標値Aになるように制御し、加熱ユニット数が6個のときは、電源電流が目標値Bになるように制御する。このとき、電源電流の目標値A、Bは、加熱ユニット数に応じて、系統電力制御手段13から指示された値である。
【0033】
そして、一定時間が経過して、動作が安定すると、加熱ユニット数に関わらず、コイル電流は一定となる。したがって、加熱ユニット5が6個接続されているという設定をしているのに、実際には3個しか接続されていないといった状態では、系統電力制御手段13は、加熱ユニット6個分の電力になるように指示を出すことから、電力供給手段11は、電源電流が目標値Bになるように制御するため、コイル電流はγとなり、正常時に比べて増加することになる。
【0034】
また、表面プレート6が外れるという異常が発生した場合、加熱対象がなくなってしまうことから、コイル電流は正常時に比べて減少することになる。また、加熱コイル7がショートした場合には、コイル電流は正常時に比べて増加し、断線した場合には、コイル電流は流れなくなる。そこで、正常状態か異常状態かを判定するための条件値α、βを予め設定しておき、その条件値と検知したコイル電流値の比較を行う。
【0035】
このとき、検知したコイル電流値が条件値α以下、またはβ以上であれば、異常状態であると判定し、系統電力制御手段13は、融雪系統10への電力供給を停止するように電力供給手段11へ指示し、加熱を行わないように制御する。
【0036】
これにより、車の出入りの際の衝撃などで表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生した場合に、融雪系統10への電力供給を停止することができるので、安全で信頼性の高い融雪装置を提供することができる。
【0037】
(実施例2)
図6に示すように、第1融雪系統25は加熱ユニット5を5個接続して形成し、第2融雪系統26は加熱ユニット5を4個接続して形成し、第3融雪系統27は加熱ユニット5を3個接続して形成し、第4融雪系統28は加熱ユニット5を3個接続して形成し、これら第1融雪系統25、第2融雪系統26、第3融雪系統27および第4融雪系統28を組み合わせて融雪領域を形成している。
【0038】
ここで、各融雪系統には、高周波電源で構成した第1電力供給手段29、第2電力供給手段30、第3電力供給手段31、第4電力供給手段32を接続し、商用電源を供給する電源供給手段12からの供給電力を制御するように構成している。
【0039】
系統電力制御手段13は、各融雪系統毎にコイル電流検知手段16により検知したコイル電流の内のいずれかが予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、すべての融雪系統への電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにしている。他の構成は上記実施例1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、各融雪系統に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にコイル電流の異常を判定するが、そのとき、異常状態であると判定されれば、系統電力制御手段13は、すべての融雪系統への電力供給を停止するように各電力供給手段へ指示し、加熱を行わないように制御する。
【0041】
これにより、車の出入りの際の衝撃などで表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生した場合に、すべての融雪系統への電力供給を停止することができるので、より安全性の高い融雪装置を提供することができる。
【0042】
(実施例3)
図6に示す系統電力制御手段13は、コイル電流検知手段16により検知したコイル電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にある融雪系統のみ電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにしている。他の構成は上記実施例2と同じである。
【0043】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、各融雪系統に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にコイル電流の異常を判定するが、そのとき、異常状態であると判定されれば、系統電力制御手段13は、異常であると判定された融雪系統のみ、電力供給を停止するように各電力供給手段へ指示し、加熱を行わないように制御する。
【0044】
これにより、車の出入りの際の衝撃などで表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生した場合に、異常の起こった融雪系統のみ電力供給を停止することができるので、一箇所でも異常が発生すると、全く融雪運転がなされないという事態を防ぐことができ、安全性を確保しつつ、より効率的な融雪運転を行うことができる。
【0045】
(実施例4)
図1に示す系統電力制御手段13は、コイル電流検知手段16により検知したコイル電流が正常条件値の範囲外にあるために融雪系統10への電力供給を停止した場合でも、一定時間経過後に再度電力を供給し、そのときコイル電流が正常条件値の範囲内にあれば、そのまま電力の供給を継続するよう電力供給手段11へ指示するようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0046】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、融雪系統10に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にして、コイル電流の異常を判定するが、そのとき、異常状態であると判定されれば、系統電力制御手段13は、融雪系統10への電力供給を停止するように電力供給手段11へ指示し、加熱を行わないように制御する。そして、一定時間経過後、再度電力の供給を行い、コイル電流の異常判定を行う。そのとき、正常であると判定されれば、そのまま電力供給を継続するように制御する。
【0047】
これにより、表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生していないのに、商用電源を介して機器に侵入する雷サージやインパルスノイズなどにより異常と判定した場合に、再度異常判定を行うことにより、誤動作を防ぐことができるため、より信頼性の高い融雪装置を提供することができる。
【0048】
(実施例5)
図1に示す系統電力制御手段13は、電源電圧検知手段17により検知した電源電圧に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0049】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、融雪系統10に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にして、コイル電流の異常を判定するが、加熱コイル7を流れる電流は、正常状態でも電力供給手段11に供給する電源電圧の変動に応じて変化するので、予め設定しておいた正常条件値の範囲から外れ、異常だと誤判定することがある。そこで、電源電圧検知手段17により電源電圧を随時検知し、その値に応じて、予め設定しておいた条件値を変更する。
【0050】
これにより、表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生していないのに、予め設定しておいた条件値では、電源電圧の変動によって異常と判定してしまうような場合に、電源電圧により随時条件値を変更することにより、異常の誤判定を防ぐことができるため、より信頼性の高い融雪装置を提供することができる。
【0051】
(実施例6)
図1に示す系統電力制御手段13は、加熱ユニット数入力手段18の入力結果に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0052】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、融雪系統10に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にして、コイル電流の異常を判定する。加熱コイル7を流れる電流は、上記実施例1で説明したように、融雪系統10を形成する加熱ユニット5の接続数に関わらず、一定となるはずである。
【0053】
一方、接続数が増えると、加熱ユニット5を接続するための電気接続線8が長くなってしまうため、途中での損失が大きくなってしまい、予め設定しておいた正常条件値の範囲から外れ、異常だと誤判定することがある。そこで、加熱ユニット数入力手段18を構成する加熱ユニット数入力スイッチ22により入力した加熱ユニット5の接続数に応じて、予め設定しておいた条件値を変更する。
【0054】
これにより、表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生していないのに、予め設定しておいた条件値では、電流の損失によって異常と判定してしまうような場合に、加熱ユニット数入力スイッチ22により入力した値により条件値を変更することにより、異常の誤判定を防ぐことができる。
【0055】
また、一度施工した後でも、使用者のニーズに応じて融雪領域を自在に変更することができるため、より柔軟で信頼性の高い融雪装置を提供することができる。
【0056】
(実施例7)
図1に示す系統電力制御手段13は、コイル電流検知手段16により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、報知手段19によりその旨を報知するようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0057】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、融雪系統10に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にして、コイル電流の異常を判定するが、そのとき、異常状態であると判定されれば、系統電力制御手段13は、融雪系統10への電力供給を停止するように電力供給手段11へ指示し、加熱を行わないように制御するとともに、報知手段19であるブザーに信号を出力する。
【0058】
これにより、車の出入りの際の衝撃などで表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生した場合に、使用者へ異常が発生していることを速やかに知らせることができ、使用者が異常に気づかないまま運転を継続することによって生じる故障やエネルギーの浪費を防ぐことができる。
【0059】
なお、本実施例では、報知手段19にブザーを用いたが、これは使用者に異常が発生していることを聴覚的に知らせることができる構成であれば何でもよい。
【0060】
(実施例8)
図1に示す系統電力制御手段13は、コイル電流検知手段16により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、表示手段20によりその旨を表示するようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0061】
上記構成において動作を説明する。系統電力制御手段13は、融雪系統10に対して、上記実施例1と同様にして加熱制御を行う。また、上記実施例1と同様にして、コイル電流の異常を判定するが、そのとき、異常状態であると判定されれば、系統電力制御手段13は、融雪系統10への電力供給を停止するように電力供給手段11へ指示し、加熱を行わないように制御するとともに、表示手段20である液晶表示器に異常状態であることを表示するための信号を出力する。
【0062】
これにより、車の出入りの際の衝撃などで表面プレート6が外れたり、加熱コイル7の断線やショート、加熱ユニット5の接続数誤りなどの異常が発生した場合に、使用者へ異常が発生していることを速やかに知らせることができ、使用者が異常に気づかないまま運転を継続することによって生じる故障やエネルギーの浪費を防ぐことができる。
【0063】
なお、本実施例では、表示手段20に液晶表示器を用いたが、使用者に異常が発生していることを視覚的に知らせることができる構成であれば何でもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、系統電力制御手段により融雪系統を形成する加熱ユニットの接続数に応じて、電力供給手段への電力供給量を指示することで、加熱ユニット1個あたりの電力が所定量となるように制御するよう構成し、系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知した加熱コイルを流れる電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、融雪系統への電力供給を停止するよう電力供給手段へ指示するように構成したから、車の出入りの際の衝撃などで表面プレートが外れたり、表面プレートを誘導加熱する加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生して、加熱コイルを流れる電流値が正常でないと判断された場合に、融雪系統への電力供給を停止することできるため、安全で信頼性の高い運転を行うことができる。
【0065】
また、請求項2に記載の発明によれば、融雪系統を複数個組み合わせて任意の融雪領域を形成し、系統電力制御手段は、各融雪系統毎にコイル電流検知手段により検知したコイル電流の内のいずれかが予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、すべての融雪系統への電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにしたから、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常がどの融雪系統で発生した場合に、すべての融雪系統への電力供給を停止することができるため、より安全性の高い運転を行うことができる。
【0066】
また、請求項3に記載の発明によれば、融雪系統を複数個組み合わせて任意の融雪領域を形成し、系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にある融雪系統のみ電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにしたから、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生した融雪系統のみ電力供給を停止し、正常な融雪系統には電力供給を継続することができるため、安全性を確保しつつ、より効率的な運転を行うことができる。
【0067】
また、請求項4に記載の発明によれば、系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が正常条件値の範囲外にあるために融雪系統への電力供給を停止した場合でも、一定時間経過後に再度電力を供給し、そのときコイル電流が正常条件値の範囲内にあれば、そのまま電力の供給を継続するよう電力供給手段へ指示するようにしたから、ノイズなどによりコイル電流の誤検知を行い、運転を停止した場合でも、運転を再開させることができるため、異常は発生していないのに融雪運転が停止したままという事態を防ぐことができ、信頼性の高い運転を行うことができる。
【0068】
また、請求項5に記載の発明によれば、電源電圧検知手段により検知した電源電圧に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにしたから、電源電圧が変動しても、それに応じてコイル電流の条件値を変更することができるため、異常は発生していないのに融雪運転を停止してしまうという事態を防ぐことができ、信頼性の高い運転を行うことができる。
【0069】
また、請求項6に記載の発明によれば、融雪系統を形成する加熱ユニットの接続数を入力する加熱ユニット数入力手段の入力結果に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにしたから、電流の損失があっても、加熱ユニット数入力手段の入力結果により条件値を変更することができるため、異常は発生していないのに融雪運転を停止してしまうという事態を防ぐことができる。また、一度施工した後でも、使用者のニーズに応じて融雪領域を自在に変更することができる。
【0070】
また、請求項7に記載の発明によれば、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、報知手段によりその旨を報知するようにしたから、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生した場合に、使用者へ異常が発生していることを速やかに知らせることができるため、使用者が異常に気づかないまま運転を継続することによって生じる故障やエネルギーの浪費を防ぐことができる。
【0071】
また、請求項8に記載の発明によれば、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、表示手段によりその旨を表示するようにしたから、表面プレートが外れたり、加熱コイルの断線やショート、加熱ユニットの接続数誤りなどの異常が発生した場合に、使用者へ異常が発生していることを速やかに知らせることができるため、使用者が異常に気づかないまま運転を継続することによって生じる故障やエネルギーの浪費を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の融雪装置のブロック図
【図2】(a)同融雪装置の加熱ユニットの平面図
(b)同融雪装置の加熱ユニットの断面図
【図3】同融雪装置の設置状態を示す斜視図
【図4】同融雪装置の表示操作部の正面図
【図5】同融雪装置の電源電流とコイル電流の関係を示す図
【図6】本発明の第2の実施例の融雪装置のブロック図
【符号の説明】
5 加熱ユニット
6 表面プレート
7 加熱コイル
10 融雪系統
11 電力供給手段
12 電源供給手段
13 系統電力制御手段
16 コイル電流検知手段
Claims (8)
- 金属製の表面プレートとこの表面プレートを誘導加熱する加熱コイルで形成される加熱ユニットと、この加熱ユニットを少なくとも1個電気的に接続して形成した融雪系統と、この融雪系統への供給電力を制御する電力供給手段と、この電力供給手段に電源を供給する電源供給手段と、前記加熱コイルを流れる電流を検知するコイル電流検知手段と、前記融雪系統を形成する加熱ユニットの接続数に比例した電力供給量となるように前記電力供給手段に指示することにより加熱ユニット1個あたりの電力が所定量となるように制御する系統電力制御手段とを備え、前記系統電力制御手段は、前記コイル電流検知手段により検知したコイル電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、前記融雪系統への電力供給を停止するよう前記電力供給手段へ指示するようにした融雪装置。
- 融雪系統を複数個組み合わせて任意の融雪領域を形成し、系統電力制御手段は、各融雪系統毎にコイル電流検知手段により検知したコイル電流の内のいずれかが予め設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、すべての融雪系統への電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにした請求項1記載の融雪装置。
- 融雪系統を複数個組み合わせて任意の融雪領域を形成し、系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が予め設定されている正常条件値の範囲外にある融雪系統のみ電力供給を停止するよう各電力供給手段へ指示するようにした請求項1記載の融雪装置。
- 系統電力制御手段は、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が正常条件値の範囲外にあるために融雪系統への電力供給を停止した場合でも、一定時間経過後に再度電力を供給し、そのときコイル電流が正常条件値の範囲内にあれば、そのまま電力の供給を継続するよう電力供給手段へ指示するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の融雪装置。
- 電源電圧を検知する電源電圧検知手段を備え、前記電源電圧検知手段により検知した電源電圧に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の融雪装置。
- 融雪系統を形成する加熱ユニットの接続数を入力する加熱ユニット数入力手段を備え、前記加熱ユニット数入力手段の入力結果に応じて、予め設定されているコイル電流の正常条件値を変更するようにした請求項1〜5のいずれか1項に記載の融雪装置。
- 報知動作をする報知手段を備え、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、前記報知手段によりその旨を報知するようにした請求項1〜6のいずれか1項に記載の融雪装置。
- 表示動作をする表示手段を備え、コイル電流検知手段により検知したコイル電流が設定されている正常条件値の範囲外にあるとき、前記表示手段によりその旨を表示するようにした請求項1〜6のいずれか1項に記載の融雪装置。
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JP2002345500A JP2004176451A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 融雪装置 |
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JP2002345500A Pending JP2004176451A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | 融雪装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101838976A (zh) * | 2010-04-16 | 2010-09-22 | 张东省 | 一种磁能融冰化雪的装置 |
CN117935528A (zh) * | 2024-03-20 | 2024-04-26 | 安徽领云物联科技有限公司 | 一种基于人工智能的区域车辆管控系统 |
-
2002
- 2002-11-28 JP JP2002345500A patent/JP2004176451A/ja active Pending
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