JP2004175451A - 段ボール箱 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粘着テープTの近傍に、爪等を引っ掛けて段ボールの表ライナと共に粘着テープTを起こすための切れ目2を形成した。また、先に貼着してある粘着テープを切ってテープ裏側の段ボールに切れ目を形成した。そして、必要に応じて、これら切れ目2に接して窪み23又は貫通孔24を形成した。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、段ボール箱、より詳しくは、封函するために貼着された粘着テープ
を簡単に引き剥がすことのできる段ボール箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種物品の梱包搬送に用いる段ボール箱は、予め底部を形成した状態で箱内部に物品を収容した後、矩形筒状の胴部の上縁に連設された一対の内フラップと一対の外フラップとを順次折り込み、そして、外フラップ同士の突き合せ部分から胴部にかけて粘着テープを貼着することによって、封函するのが一般的である。
【0003】
ところが、従来の段ボール箱の場合、これを開封するには、粘着テープの端部に爪等をたてて端部を起こしてテープを引き剥がさなければならず、手間がかかる難点があった。とりわけ、安価なために最近多用されているOPP(延伸ポリプロピレン)粘着テープは、強度的に優れているため比較的薄く形成され、更にその接着力も向上していることから、爪等をたてて粘着テープの端部を引き起こすことは頗る困難であった。
【0004】
勿論、従来では、カッターナイフで粘着テープを切断して段ボール箱を開封することも行われている。しかしながら、この場合、カッターナイフの取り扱いに注意を要する他、カッターナイフで内容物を傷付けてしまう恐れがあり、丁寧な作業を心掛けねばならなかった。また、このようにカッターナイフで開封したとしても、資源リサイクルのために段ボール箱を再パルプ化する際には、結局のところ、段ボール箱に残った粘着テープをきれいに除去する必要があり、粘着テープを引き剥がす手間がかかることには変わりはなかった。
【0005】
そこで、従来では、粘着テープを簡単に引き剥がすことができるものとして、粘着テープの端部にタブを形成し、このタブを摘んで粘着テープを剥がすことを可能にするタブ形成装置(例えば、特許文献1参照。)や、テープ側縁に沿って非粘着部を設け、この非粘着部からテープを引き剥がすようにした粘着テープ(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。しかしながら、これらは何れもそのための特別な装置や特別な粘着テープを使用する必要があり、大幅なコスト高を招く難点があった。また、これら粘着テープのタブや非粘着部が、例えば、搬送中に段ボール箱の表面上で突出してしまい、搬送途中でこれらタブや非粘着部が外部に引っ掛かって意図しないときに剥がれてしまう恐れがあった。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−58636号公報
【特許文献2】
特開平7−11207号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の段ボール箱に上記のような問題があったことに鑑みて為されたもので、封函するために貼着された粘着テープを簡単に引き剥がすことができる段ボール箱を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、粘着テープが貼着されて封函される段ボール箱において、前記粘着テープの近傍に切れ目が形成されていることを特徴とする。ここに、粘着テープの近傍とは、粘着テープの端縁または側縁から0〜30mmの範囲、好ましくは、0〜10mmの範囲であるのが良く、切れ目が粘着テープの端縁または側縁に接していても良い。
【0009】
また、本発明は、粘着テープが貼着されて封函される段ボール箱において、前記貼着された粘着テープが切られて段ボールに切れ目が形成されていることを特徴とする。
【0010】
更に本発明は、前記段ボールにおける切れ目が、段ボールの表ライナにのみ形成されていることを特徴とする。このように、段ボールに形成された切れ目は、段ボールの表ライナにのみ形成されて段ボールの中芯には達していないものが好ましいが、本発明における切れ目は、段ボールの中芯に達しているもの、或いは段ボールを貫通しているものも含む。
【0011】
更に本発明は、前記切れ目が粘着テープの一端側又は両端側に形成されていることを特徴とする。
【0012】
更に本発明は、前記切れ目が角部を備えていることを特徴とする。
【0013】
更に本発明は、前記切れ目に接して窪み又は貫通孔が形成されていることを特徴とする。なお、この貫通孔は、段ボール箱の内容物が飛び出さないようなるべく小さい方が良く、指先を入れることが可能な大きさであることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本実施形態の段ボール箱1は、図4に示すように、波形に形成された中芯1aの両面に表ライナ1b及び裏ライナ1cを張った両面段ボールから構成されている。そして、図1に示すように、矩形筒状に形成される胴部10の上縁部および下縁部にそれぞれ、互いに対向する一対の内フラップ11と、一対の外フラップ12とが連設されている。この胴部10の上下縁部において、一対の内フラップ11を内側へ折り込んだ後、外フラップ12を内側へ折り込んで外フラップ12の先端縁同士を突き合せ、そして、この突き合せ部分から胴部10の幅面にかけて粘着テープTを貼着することにより段ボール箱1が封函される(図2参照)。
なお、この段ボール箱1は、波形中芯の片面にのみ表ライナを張った片面段ボールで構成しても良く、複両面段ボールで構成しても良い。
【0015】
図1及び図2において、符号2で指示するものは、段ボール箱1の胴部10の幅面に封函のために貼着されるべき粘着テープTの両端部の近傍に予め形成された切れ目である。この切れ目2は、図4に示すように、段ボールの表ライナ1bにのみ形成され、その中芯1a及び裏ライナ1cには達していない。この切れ目2は、段ボールシートを段ボール箱1の展開形状にトムソン抜き加工する際に同時形成しているが、例えば、封函装置を用いて粘着テープを貼着する際に切れ目を形成しても良く、また、粘着テープを貼着した後、切れ目を形成しても良い。
また、この切れ目は、段ボール箱1の強度面から表ライナ1bにのみ形成されているのが好ましいが、実用上必要な強度を確保できるのであれば、切れ目が段ボールの中芯に達していても良く、また、段ボールを貫通していても構わない。
【0016】
また、各切れ目2は、図3に示すように、粘着テープTの端縁と略平行な直線部21とこの直線部21の両端に形成された直角の角部22とを備え、略コ字形状を成しており、粘着テープTの端部から約5mmの間隔を空けて該粘着テープTの端部を取り囲むように形成されている。
【0017】
しかして、図2及び図3に示すように、粘着テープTで封函された段ボール箱1を開封するときには、切れ目2の角部22に爪等を掛けて、そのまま表ライナ1bを摘んで引けば、切れ目2に沿って表ライナ1bが剥がれ、この剥がれた表ライナ1bと共に粘着テープTの端部が起こされる。そして、このまま表ライナ1bと共に粘着テープTを引けば、表ライナ1bは途中で破れて粘着テープTだけが剥がれることになり、段ボール箱1が開封されるのである。
【0018】
このように、本実施形態の段ボール箱1は、粘着テープTの近傍に切れ目2が形成されているので、この切れ目2から表ライナ1bを剥がして簡単に粘着テープTの端部を起こすことができ、たとえ薄くて粘着力に優れたOPP粘着テープで封函した場合でも、カッターナイフを使わずに簡単に粘着テープTを引き剥がして段ボール箱1を開封することができる。
【0019】
また、本実施形態の段ボール箱1は、このように粘着テープTの端部を段ボールの表ライナ1bと共に起こすことができるので、この表ライナ1bが粘着テープTの端部を補強することにもなり、テープ端部を確実に起こすことができる。
従来、特にクラフト粘着テープ等においては、手で簡単に切ることが可能である反面、粘着テープに爪を掛けて端部を起こす際に、テープ端部が先割れして粘着テープが部分的に残ってしまい全てのテープをきれいに剥がすのに手間取ることが多かった。しかし、本実施形態では、表ライナが粘着テープの端部を補強するので、テープ端部の先割れも発生し難く、粘着テープの端部全体をより確実に起こすことができ、粘着テープをきれいに引き剥がすことが可能となる。
【0020】
また、本実施形態では、切れ目2が角部22を備えているので、この角部22において簡単に爪等を引っ掛けて表ライナ1bを剥がすことができ、より簡単にテープ端部を起こして粘着テープTを引き剥がすことができる。更にまた、本実施形態のように、切れ目2の形状を、両端に角部22を備えた略コ字形状にすれば、これら二つの角部22にそれぞれ爪等を引っ掛けて確実に粘着テープTの端部全体を起こすことが可能となる。
【0021】
また、本実施形態では、段ボールシートを段ボール箱1の展開形状に打ち抜き加工する際に同時に切れ目2を形成しているので、切れ目形成によるコスト上昇も殆どない。また、粘着テープTを手貼りする際には、この切れ目2の位置を粘着テープTの貼着開始位置および終了位置の目安とすることができ、正確かつ迅速な封函作業を行うことができる。
【0022】
また、本実施形態の段ボール箱1は、粘着テープTの近傍に切れ目2を形成するだけで簡単に構成することができるので、極めて低コストに市場に提供することができる。しかも、この切れ目2が段ボール箱1の表面上で突出することはないので、搬送途中でこの切れ目2が外部に引っ掛かって意図しないときに粘着テープTが剥がれてしまう恐れもない。
【0023】
以上、本発明に係る段ボール箱の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0024】
例えば、上記実施形態では、段ボールの表ライナ1bに単に切れ目2を形成しているが、図5に示すように、この切れ目2に接して粘着テープTの反対側に窪み23を設けても良い。この窪み23は、図6に示すように段ボールの表ライナ1bを外側から押圧し、中芯1aを潰して表ライナ1bを凹ませることによって形成されている。この窪み23は切れ目2と同時に形成しても良く、また、切れ目2を形成した後、窪み23を形成しても良い。この窪み23によって、切れ目2に爪等を引っ掛け易くなり、より簡単に表ライナ1bを剥がすことが可能となる。なお、この窪み23は、図5に示すように切れ目2の角部22の外側部分に設ければ、角部22による引っ掛かり効果と相俟って更に切れ目2に爪等を引っ掛け易くなるが、例えば切れ目2の直線部など、角部22以外の部分に接するように設けても良い。
【0025】
また、図7及び図8に示すように、切れ目2に接して粘着テープTの反対側に段ボールを貫通する貫通孔24を設けても良い。上述した窪み23と同様、この貫通孔24により切れ目2に爪等を引っ掛け易くなり、より簡単に表ライナ1bを剥がすことが可能となる。なお、この貫通孔24は、段ボール箱1の内容物が飛び出さないようなるべく小さい方が好ましく、指先を入れることが可能な大きさがあれば足りる。また、この貫通孔24についても、切れ目2と同時形成しても良く、切れ目2を形成した後に形成しても良い。また、この貫通孔24を切れ目2の角部22以外の部分に接するように設けても良い。
【0026】
また、上述した実施形態では、切れ目2を粘着テープTの端部から約5mmの間隔を空けて形成しているが、図9に示すように、粘着テープTの端縁及び側縁に対して隙間を空けずに粘着テープTに接するように切れ目3を形成しても良い。
この場合でも、切れ目3に爪等を引っ掛けて表ライナと共に簡単にテープ端部を起こして粘着テープTを引き剥がすことができる。
【0027】
また、上述した実施形態では、切れ目2を略コ字形状に形成しているが、例えば、図10に示すように、粘着テープTの端縁に対して傾斜した直線部41と、この直線部41の両端部に形成された鋭角の角部42及び鈍角の角部43とから成る切れ目4を、粘着テープTの近傍に形成しても良い。この切れ目4の直線部41が粘着テープTの端縁に対して傾斜しているので、この切れ目4の鋭角角部42を摘んで引けば、この傾斜直線部41によって無理なく粘着テープTの端部全体を起こすことが可能となる。
【0028】
また、図11に示すように、中間部に直角の屈曲角部51を一つ備えた略L字形状の切れ目5を形成しても良く、また、図12に示すように、中間部に湾曲角部61を一つ備えた略U字形状の切れ目6を形成しても良い。更にまた、図13に示すように、二つの直線部71が互いに交差してこの交差部分に交差角部72を備えた略X字形状の切れ目7を形成しても良い。これら角部51、61、72により各切れ目に爪等を引っ掛け易くなることは勿論、更にこれら略L字形状、略U字形状、略X字形状の切れ目の方向を、テープ端部を引き剥がす方向に近づけることができるので、これら角部を摘んで引けば、無理なく粘着テープTの端部全部を起こすことが可能となる。
【0029】
また、上述した実施形態では、粘着テープTの各端部の近傍に一つの切れ目2を形成しているが、粘着テープTの一端部の近傍に複数の切れ目を形成するようにしても良い。図14に示す変形例では、中間部に直角の屈曲角部25を一つ備えた略L字形状の切れ目26を、粘着テープTの端部の角部にそれぞれ対向させるように二つ形成している。
【0030】
また、上述した実施形態では、折り込んだ外フラップ12同士の突き合せ部分から胴部10の幅面にかけて所謂I貼り式に粘着テープTを貼着し、この粘着テープTの両端部の近傍にそれぞれ切れ目2を形成しているが、この粘着テープTの片方の端部の近傍にだけ切れ目を形成しても良い。切れ目がテープの片方の端部の近傍にさえ形成されていれば、粘着テープTを引き剥がすことができる。
【0031】
また、図15に示すように、粘着テープTをI貼り式に貼着した後、さらに外フラップ12から胴部10の幅面の上縁にかけて粘着テープT1を貼着する、所謂H貼り式に段ボール箱1を封函した場合、この外フラップ12及び胴部10の幅面上縁から胴部10の稜線部にかけて貼着された粘着テープT1の端部を剥がすため、粘着テープT1の端部の近傍において、胴部10の稜線部を跨ぐように切れ目27を形成しても良い。
【0032】
また、上述した実施形態では、粘着テープTの端部の近傍に切れ目2を形成しているが、図16に示すように、粘着テープTの側縁部の近傍に切れ目8を形成しても良い。この切れ目8は、粘着テープTの側縁部に略平行な直線部81から構成されている。クラフト粘着テープ等を使用する場合、テープを手で簡単に切断することができるので、この切れ目8に爪等を引っ掛けて粘着テープTの中間部を起こしながら切断し、その後、切断した粘着テープTを両サイドへ引き剥がしてゆけば、段ボール箱1を開封することができる。なお、この切れ目8は、粘着テープTの側縁部に対して間隔を空けずに形成しても良く、また、粘着テープTの側縁の全体に沿って形成しても良い。
【0033】
また、図17に示すように、粘着テープTの側縁部に略平行な第一直線部91と、この第一直線部91の中間部に接続され、外フラップ12の先端縁まで延びる第二直線部92とから構成され、この接続部分に直角角部93を備えた略T字形状を成す切れ目9を形成しても良い。このように、切れ目の一部が粘着テープTによって覆われていても、粘着テープTの近傍において切れ目の一部が露出しておりさえすれば、この切れ目の露出部分に爪等を掛けて表ライナと共に粘着テープTを起こして引き剥がすことができる。この切れ目9は、角部93を備えているので爪等を引っ掛け易くなり、しかも、第二直線部92が粘着テープTの裏側に延びているので、この角部93を摘んで表ライナを引いたとき、粘着テープTの中間部分がこの第二直線部92に沿って切断され易くなり、粘着テープTをより簡単に、かつ、きれいに引き剥がすことが可能となる。
【0034】
また、上述した実施形態では、予め段ボール箱1に切れ目2が形成され、この切れ目2を覆うことなく粘着テープTが貼着されて段ボール箱1が封函される例を説明しているが、図18に示すように、予め段ボール箱1に形成された切れ目31を部分的に覆うように粘着テープTが貼着されても良い。切れ目31は、粘着テープTの端縁に対し傾斜する直線部32と、この直線部32の両端部に形成された一対の鋭角角部33とから成り、予め段ボール箱1の胴部10の幅面に形成されている。この切れ目31の直線部32の中程部を覆うように粘着テープTが貼着されている。
【0035】
この場合でも、切れ目31の角部33が粘着テープTの近傍に露出しているので、この角部33に爪等を掛けて段ボール1の表ライナと共に粘着テープTを起こすことができ、簡単に粘着テープTを引き剥がすことができる。切れ目31の直線部32の中程部が粘着テープTの裏側に延びているので、例えばクラフト粘着テープを用いた場合など、角部33を摘んで表ライナを引いたとき、粘着テープTが直線部32に沿って切断されることがある。この場合でも、直線部32の下方に部分的に残った粘着テープも、他方の角部33に爪等を掛けて簡単に引き剥がすことができる。
【0036】
また、上述した実施形態では、段ボール箱1に切れ目2を形成した後、粘着テープTを貼着して段ボール箱1を封函しているが、図19に示すように、先に貼着してある粘着テープTを切って、テープ裏側の段ボールに切れ目44を形成しても良い。切れ目44は、粘着テープTの端縁に対し傾斜した直線部45から成り、この直線部45の中程部においては、粘着テープTと共に段ボールが切られて切れ目が形成され、直線部45の両端側は粘着テープTのテープ面からはみ出て、段ボールに直接切れ目が形成されている。この場合でも、切れ目44の直線部45に爪等を引っ掛けて、表ライナと共に粘着テープTを起こすことができ、簡単に粘着テープTを引き剥がすことができる。そして、切れ目44の下方に部分的に残った粘着テープも、同様に切れ目44に爪等を掛けて簡単に引き剥がすことができる。なお、切れ目44の直線部45を粘着テープTの端縁に略平行に形成しても勿論良い。
【0037】
また、図20に示すように、先に貼着してある粘着テープTを切って段ボールに形成する切れ目52を、粘着テープTのテープ面からはみ出さないように設けても良い。切れ目52は、粘着テープTの端縁に対し傾斜した直線部53から成り、この直線部53の両端部は粘着テープTの周縁部に位置している。切れ目52全体が、粘着テープTと共に段ボールが切られて形成されている。この場合でも、切れ目52が粘着テープTのテープ面内で露出することになるので、切れ目52の直線部53に爪等を引っ掛けて、表ライナと共に粘着テープTを起こすことができ、簡単に粘着テープTを引き剥がすことができる。そして、切れ目52の下方に部分的に残った粘着テープも、同様に切れ目52に爪等を掛けて簡単に引き剥がすことができる。
【0038】
更にまた、図21に示すように、先に貼着してある粘着テープTを切って段ボールに形成する切れ目62を、粘着テープTのテープ面内だけに設けても良い。
切れ目62は、中間部に直角の角部63を備えた略L字形状に形成され、切れ目62の両端部は粘着テープTのテープ面内に位置している。切れ目62もまた、その全体が、粘着テープTと共に段ボールが切られて形成されている。この場合でも、切れ目62が粘着テープTのテープ面内で露出することになるので、切れ目62の角部63に爪等を引っ掛けて、表ライナと共に粘着テープTを起こすことができ、簡単に粘着テープTを引き剥がすことができる。そして、切れ目62の下方に部分的に残った粘着テープも、同様に切れ目62に爪等を掛けて簡単に引き剥がすことができる。
【0039】
以上、本発明に係る段ボール箱の実施例を図面に基づいて種々説明したが、これらの図示は例示であって、これらに限定されるものではない。例えば、切れ目の変形例について図9〜図21を参照しながら種々説明したが、これら切れ目に接して一つ又は複数の窪みや貫通孔を形成することも勿論可能であり、また、切れ目や貫通孔を段ボールの断面方向において傾斜させて形成することも可能である。
【0040】
また、先に貼着してある粘着テープTを切ってテープ裏側の段ボールに切れ目を形成する場合においても、この段ボールにおける切れ目は、段ボール箱1の強度面から段ボールの表ライナにのみ形成されているのが好ましいが、実用上必要な強度を確保できるのであれば、切れ目が段ボールの中芯に達していても良く、段ボールを貫通していても良い。段ボールを貫通する切れ目を形成する場合、先に貼着してある粘着テープTの表側から切れ目を形成するのが好ましいが、段ボールの裏側から粘着テープTに達する切れ目を形成することも可能である。
【0041】
また、この切れ目は、先に貼着してある粘着テープTの両端側に形成しても良いが、一端側にのみ形成するようにしても良い。また、粘着テープTの端部側に形成する他、粘着テープTの側縁部に形成しても勿論良い。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内で当業者の知識に基づき、種々の改良、変更、修正を加えた態様で実施し得るものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明の段ボール箱は、粘着テープの近傍に切れ目が形成されているか、或いは先に貼着した粘着テープを切って段ボールに切れ目が形成されているので、この切れ目から段ボールの表ライナを剥がしてこの表ライナと共に簡単に粘着テープを起こすことができ、たとえ、薄くて粘着力に優れたOPP粘着テープで封函した場合でも、カッターナイフを使わずに簡単に粘着テープを引き剥がして段ボール箱を開封することができる。
【0043】
しかも、この切れ目から剥がした表ライナが、粘着テープを補強することにもなるので、たとえ手で簡単に切ることができるクラフト粘着テープを用いた場合でも、粘着テープの端部の先割れも生じ難く、テープの端部全体をより確実に起こすことができ、粘着テープをきれいに引き剥がすことができる。
【0044】
また、角部を備えた切れ目を形成したり、切れ目に接して窪み又は貫通孔を形成すれば、これら角部や窪み又は貫通孔を利用して簡単に切れ目に爪等を引っ掛けて表ライナを剥がすことが可能となり、より簡単に粘着テープを起こして引き剥がすことができる。
【0045】
また、本発明に係る段ボール箱は、段ボールに切れ目を形成するだけで簡単に構成することができるので、極めて低コストに市場に提供することができる。しかも、この切れ目が段ボール箱の表面上で突出することはないので、搬送途中でこの切れ目が外部に引っ掛かって意図しないときに粘着テープが剥がれてしまう恐れもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の段ボール箱を封函する前の状態の斜視図である。
【図2】同段ボール箱を封函した状態の斜視図である。
【図3】同段ボール箱を封函した状態の側面図である。
【図4】同段ボール箱を構成する段ボールの断面図である。
【図5】本発明の変形例の段ボール箱を封函した状態の側面図である。
【図6】この変形例の段ボール箱の段ボールの断面図である。
【図7】本発明の他の変形例の段ボール箱を封函した状態の側面図である。
【図8】この他の変形例の段ボール箱の段ボールの側面図である。
【図9】本発明の更に他の変形例の段ボール箱を封函した状態の側面図である。
【図10】本発明の更に他の変形例の段ボール箱を封函した状態の側面図である。
【図11】本発明の更に他の変形例の段ボール箱を封函した状態の側面図である。
【図12】本発明の更に他の変形例の段ボール箱を封函した状態の側面図である。
【図13】本発明の更に他の変形例の段ボール箱を封函した状態の側面図である。
【図14】本発明の更に他の変形例の段ボール箱を封函した状態の側面図である。
【図15】本発明の更に他の変形例の段ボール箱を封函した状態の斜視図である。
【図16】本発明の更に他の変形例の段ボール箱を封函した状態の斜視図である。
【図17】本発明の更に他の変形例の段ボール箱を封函した状態の斜視図である。
【図18】本発明の更に他の変形例の段ボール箱を封函した状態の斜視図である。
【図19】本発明の更に他の変形例の段ボール箱を封函した状態の斜視図である。
【図20】本発明の更に他の変形例の段ボール箱を封函した状態の斜視図である。
【図21】本発明の更に他の変形例の段ボール箱を封函した状態の斜視図である。
【符号の説明】
T、T1 粘着テープ
1 段ボール箱
1a 中芯
1b 表ライナ
1c 裏ライナ
10 胴部
11 内フラップ
12 外フラップ
2、3、4、5、6、7、8、9、26、27、31、44、52、62 切れ目
21、32、41、45、53、71、81、91、92 直線部
22、25、33、42、43、51、61、63、72、93 角部
23 窪み
24 貫通孔
Claims (6)
- 粘着テープが貼着されて封函される段ボール箱において、
前記粘着テープの近傍に切れ目が形成されている段ボール箱。 - 粘着テープが貼着されて封函される段ボール箱において、
前記貼着された粘着テープが切られて段ボールに切れ目が形成されている段ボール箱。 - 前記段ボールにおける切れ目が、段ボールの表ライナにのみ形成されている請求項1または請求項2記載の段ボール箱。
- 前記切れ目が、粘着テープの一端側又は両端側に形成されている請求項1ないし請求項3の何れかに記載の段ボール箱。
- 前記切れ目が、角部を備えている請求項1ないし請求項4の何れかに記載の段ボール箱。
- 前記切れ目に接して窪み又は貫通孔が形成されている請求項1ないし請求項5の何れかに記載の段ボール箱。
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JP2014162498A (ja) * | 2013-02-22 | 2014-09-08 | Kyocera Document Solutions Inc | 段ボール箱の開封構造及び段ボール箱 |
US9701434B2 (en) | 2014-01-22 | 2017-07-11 | Kotaro KUNINOBU | Easily openable box |
-
2003
- 2003-06-11 JP JP2003166116A patent/JP2004175451A/ja active Pending
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