JP2004175441A - 商品の運送箱 - Google Patents

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【課題】運搬時の振れや振動から形状、形態が崩れ易い商品を有効に保護する。
【解決手段】外箱1と、つり板2と、袋3との組合せからなっている。運送される商品4は、商品包装箱5に収納されており、運送される商品4の商品包装箱5を袋3内に格納する。商品包装箱5が収納された袋を自由回転しないようにつり板に吊り下げて外箱内に保持させ、外箱は、つり板を縣架し、商品包装箱を収納してつり板から吊り下げられた袋を宙吊り状態で格納する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洋生菓子、特に形状や形態が崩れやすい商品を宅配便として運送する場合に使用する商品の運送箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
洋生菓子、特にスポンジケーキを台にしたデコレーションケーキはクリスマス、誕生日などの贈り物としての需要は多いが、デコレーションケーキのような洋生菓子の最大の問題は、運送が難しいという点である。スポンジケーキを台にしたデコレーションケーキが乱暴に取り扱われると、ケーキに盛り付けられた生クリームなどによるデコレーションが崩れてしまうからである。勿論、土産として家庭に持ち帰られるときには、ケーキ箱に箱詰めされ、そのケーキ箱は傾けないように、振動を与えないように丁寧に持ち運ばれるため、店頭から、家庭内に運ばれても通常の場合、ケーキの形状が崩れるようなことはない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ケーキ箱を宅配便として運送を依頼された業者がケーキ箱を傾けないように、振動を与えないように持ち運ぶことは実際上不可能である。割れものなどの商品を運搬中の破損から防止するための保護用の外箱、緩衝材などは従来から知られているが、デコレーションケーキは、運搬中に衝撃が加えられたときには勿論のこと、必ずしも強い衝撃が加わらなくても、ケーキ箱が傾けられたり、振られたりすると形状が崩れることがあるため、保護用の外箱、緩衝材を用いても運搬中の破損を防止できることにはならない。
【0004】
このようにデコレーションケーキのような形状が崩れやすい商品を運搬するときには、傾きや衝撃による破損を防止する対策が講じられなければならないが、従来このような対策が講じられた運搬用容器は無く、したがって、デコレーションケーキ類の宅配の要望がありながら、これに対応することは出来ないのが実情であった。このような問題は、デコレーションケーキのように形状が壊れやすい商品だけでなく、多数品の調理品が寄せ集められ、これらの調理品が箱の中に体裁よく詰められた正月のおせち料理のように、形態が崩れやすい商品についてもそのまま当てはまる。
【0005】
本発明の目的は、振れや振動から内容物を有効に保護できる商品の運送箱を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による商品の運送箱においては、外箱と、つり板と、袋との組合せを有する商品の運送箱であって、
運送される商品は、商品包装箱に収納され、
袋は、運送される商品の商品包装箱を格納する袋であり、
つり板は、商品包装箱が収納された袋が自由回転しないように吊り下げて外箱内に保持させるものであり、
外箱は、つり板を縣架し、商品包装箱を収納してつり板から吊り下げられた袋を宙吊り状態で格納するものである。
【0007】
また、外箱は、蓋を有する角形の中空容器であり、
袋は、その開口縁に対の取っ手部分を有するものであり、
つり板は、通し穴と、引掛け部とを有し、
通し穴は、つり板の板面中央に開口された孔であり、
引掛け部は、つり板の対向縁に張り出して形成された突縁であり、
商品包装箱が収納された袋の取っ手部分はつり板の開口内から上方に引き出され、さらにつり板の板面を両側方に折り返して引掛け部に引掛けられるものである。
【0008】
また、前記引掛け部は、板面に対し、直角に折り曲げて外箱の開口縁に設けられた差込孔内に挿入されるものである。
【0009】
また、商品が収納された袋の取っ手部分を前記引掛け部に引掛けることにより、袋は商品包装箱の形状に沿って絞られて商品包装箱に定着するものである。
【0010】
また、つり板の通し穴は角型でその開口縁に対の湾曲縁が形成され、湾曲縁は、袋の取っ手部分を受け入れて商品が収納された袋の自由回転を阻止するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図によって説明する。図1において、本発明による商品の運搬箱は、外箱1と、つり板2と、袋3とを組み合わせたものである。運搬される商品4は、例えばケーキ、さらに具体的にはデコレーションケーキであり、その商品4に専用の商品包装箱5内に収納されている。通常の場合、ケーキは、商品包装箱5の底板に固定されている。ここに、商品包装箱5とは、店頭で商品4を販売するときに用いられる商品のケースである。おせち料理は、通常角型の重箱が用いられ、デコレーションケーキは、丸型の箱が用いられることが多い。本発明において、商品包装箱5は、角型の箱でも、あるいは丸型であってもよく、その形状は問わない。
【0012】
以上商品ケースを商品包装箱5として説明したが、商品包装箱5は必ずしも商品ケースに限らず、運送用に特別に用意された箱であってもよいが、ある程度の自己保形性と、強度を有していることが必要である。
【0013】
また、本発明において、商品とは、ケーキに限らず、傾きや振動によって形状が崩れやすい商品および2以上の調理品が体裁よく1つの容器内につめられた商品、例えば正月のおせち料理のような形態が崩れやすい商品を云うものとする。
【0014】
図2において、袋3は、運送される商品の商品包装箱5を格納する袋であり、通常はポリエチレンでつくられた柔軟性を有する袋、いわゆる「レジ袋」であるが、紙袋であってもよい。袋3には、手提げ用の対の取っ手部分6が袋3の開口縁に形成されている。取っ手部分6は、特別に袋に付加されているのではなく、袋3のシートの一部を切り欠いて形成されているものである。
【0015】
つり板2は、角型の段ボール紙であり、板面に通し穴7を有し、対向縁に引掛け部8と突縁10とを有している。つり板2の通し穴7は、つり板2の板面中央に開口された孔であり、角型を基本とし、図示のようにその開口縁に対の湾曲縁9、9が向き合わせに形成されている。通し穴7は、袋3の取っ手部分6を相通する穴である。前記引掛け部8は、後述するように通し穴7に通された袋3の取っ手部分6を引掛けるための切欠きである。切欠きは、突縁10を挟んでその両側に2以上形成され、いずれかの切欠きを選定し、取っ手部分6に緊張を保たせて引掛けるものである。突縁10は、つり板2の板面に対し、直角に折り曲げて外箱1の開口縁に設けられたスリット12内に挿入される。
【0016】
外箱1は、外箱1を開閉する蓋11を有する角形の中空容器であり、この実施形態においては、ダンボール紙を用いて組み立てられた角型の容器を用いている。外箱1の開口縁の両側縁には、スリット12が開口されている。このスリット12は、図3(a)に示すように外箱1の両側縁に付加され、図3(b)に示すように外箱1の両側内面に折り返す折返し縁13の基部に開けられたものである。
【0017】
同様に外箱1の正面の内面に折り返す折返し縁14にもスリット15が形成され、これが外箱1の開口縁の正面に開口されて蓋11の差込縁16を受容れる長孔になる。
【0018】
図3(a)において、ダンボール紙によって組み立てられた外箱1の両側及び正面の折り返し縁13および14が図3(b)のように外箱1の開口縁内側に折り返され、その開口縁にスリット12、15が形成される。一方、ケーキ、おせち料理のような形状あるいは形態が崩れやすい商品4を運搬するときには、図3(c)のように、商品4を入れた商品包装箱5を袋3に入れる。
【0019】
次に、図3(d)のように、袋3の対をなす取っ手部分6、6をつり板2の通し穴7内に下方から差込み、図3(e)のように、つり板2の上面で対の取っ手部分6、6を左右に振り分け、これを最大限に引っ張った上体で引掛け部8、8の左右の切欠きのいずれかを選定して引掛ける。
【0020】
これによって、袋3は、左右に振り分けられた取っ手部分6、6に引っ張られ、商品包装箱5の形状に沿って絞られ、緊張状態で商品包装箱5に定着する。また、取っ手部分6の立上り部分は、通し穴7の湾曲縁9に引掛けられ、通し穴7の湾曲縁9は、袋3の取っ手部分6を受け入れて商品4が収納された袋3の自由回転を阻止する。
【0021】
図3(f)において、つり板2を、外箱1内に中蓋として収納し、外箱1の開口縁に保持させ、前記引掛け部8を、つり板2の板面に対し、直角に下向きに折り曲げて外箱1の開口縁の両即に設けられたスリット12内に挿入してつり板2を安定に固定する。ついで、図3(g)のように、外箱1を蓋11でふさぎ、蓋11の差込縁16を外箱1正面のスリット15内に差し込んで商品4の梱包を完了し、この外箱1を宅配業者に委託し、委託を受けた宅配業者は、これを目的地に向けて運送する。
【0022】
本発明において、つり板2は、外箱1の中蓋となって外箱1内に安定に保持され、外箱1は、つり板2を縣架し、商品包装箱5を収納してつり板2から吊り下げられた袋3を宙吊り状態で格納する。すなわち、商品包装箱5は、つり板2から吊り下げられた袋3に入れられ、宙吊りとなって外箱1内に格納されるのである。
【0023】
また、袋3の開口縁に有する対の取っ手部分6,6は、つり板2の通し穴7を通して絞られ、さらにつり板2上で左右に振り分けられて両側の引掛け部8、8に引っかけられるために、袋3は緊張して商品包装箱5に密着してこれを安定に支持し、しかも、袋3の取っ手部分6を形成する対の立ち上がり部は、つり板2の通し穴7の開口縁に形成された湾曲縁9にそれぞれ受け入れられて緊張するため、袋3の自由回転が阻止され、外箱1に振動や振れが生じても商品包装箱5を回転させることがない。
【0024】
さらに、突縁10は、つり板2の板面に対し、直角に折り曲げられ、外箱1の両側の開口縁に設けられたスリット12内に挿入されるため、つり板2は、外箱1内に安定に支持され、また、つり板2から袋3を落下させることがない。
【0025】
商品4は、商品包装箱5内に収容されたまま、外箱1内に宙吊りに支持されるため、外箱1に衝撃が加えられても、その衝撃が商品包装箱5内の商品4を直撃することがなく、また、運搬中に外箱1の姿勢が傾いても、図4に示すように商品包装箱5は、袋3に吊られてその姿勢が大きく崩れることがない。
【0026】
また、袋3の取っ手部分6は、つり板3の通し穴7の大きさの範囲に絞られ、さらに左右に振り分けられ、湾曲縁9に支えられて緊張状態でつり板2の引掛け部8に固定されるため、外箱1内で商品包装箱5が自由回転することがなく、したがって商品包装箱5内の商品4を破損させることなく、したがって、商品価値を下げることなく運搬することができる。本発明は、ケーキのように傾きや振動によって形状が崩れやすい商品や正月のおせち料理のような形態が崩れやすい商品の運搬用として開発したのであるが、勿論、ガラス器、陶磁器のような、衝撃によって破損しやすい商品、いわゆる易損品の商品価値を損なうことなく運搬できる。
【0027】
なお、運搬中、あるいは取り扱い中に、外箱1が横積みされたり、あるいは正逆反対の姿勢で詰まれることがあるかもしれない。このような事態を可及的避けるためには、図5に示すように外箱1の各側面隅部に底面から上面までの立上り高さの全範囲にわたって逆直角三角形の暗色の着色模様17を付し、外箱1の上面にも同様に、側面隅部の3角形の模様に連なる2等辺三角形の暗色の着色模様18を付しておくのが好ましい。このような模様17、18を付すことによって、立方体、あるいは直方体の外箱1の形状は、底面積に比べて上面の面積が小さい、いわば台形であるかのように見えるため、面積の大きい底面を着座させて安定に載置させようという心理が働き、横積みされたり、倒立姿勢に置かれたりする危険がなくなる。
【0028】
また、外箱1の両側面には、運搬時の把手19となる手穴が開けられるが、手穴形状を下弦の円弧状とすることによって、差し込んだ手指が円弧部分にかかって外箱1を水平姿勢に保持することになるため、運搬時、積み替え時の外箱1の傾きを極力阻止することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明によるときには、商品を収納した商品包装箱を袋に入れ、その袋を外箱内に宙吊り状態で安定に収容し、運搬中に受ける衝撃や傾き、振れなどのから有効に保護できるため、易損品の運搬は、言うまでも無く、特にケーキ類、生菓子などのように商品の形状が崩れ安い商品、さらにはおせち料理のような盛り付けの形態が崩れやすい商品を宅配便として安全に運送することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明による運搬箱を構成する部品の組合せ例を示す図である。
【図3】本発明の運搬箱の組み立て要領を示す図である。
【図4】外箱が傾けられたときの状態を示す図である。
【図5】外箱を台形に見せる模様を施した例を示す図である。
【符号の説明】
1 外箱
2 つり板
3 袋
4 商品
5 商品包装箱
6 取っ手部分
7 通し穴
8 引掛け部分
9 湾曲縁
10 突縁
10 差込孔
11 蓋
12、15 スリット
13 、14 折返し縁
16 差込縁
17、18 着色模様
119 把手

Claims (5)

  1. 外箱と、つり板と、袋との組合せを有する形状や形態が崩れやすい商品の運送箱であって、
    運送される商品は、商品包装箱に収納され、
    袋は、運送される商品の商品包装箱を格納する袋であり、
    つり板は、商品包装箱が収納された袋が自由回転しないように吊り下げて外箱内に保持させるものであり、
    外箱は、つり板を縣架し、商品包装箱を収納してつり板から吊り下げられた袋を宙吊り状態で格納するものであることを特徴とする商品の運送箱。
  2. 外箱は、蓋を有する角形の中空容器であり、
    袋は、その開口縁に対の取っ手部分を有するものであり、
    つり板は、通し穴と、引掛け部とを有し、
    通し穴は、つり板の板面中央に開口された孔であり、
    引掛け部は、つり板の対向縁に張り出して形成された突縁であり、
    商品包装箱が収納された袋の取っ手部分はつり板の通し穴内から上方に引き出され、さらにつり板の板面を両側方に折り返して引掛け部に引掛けられるものであることを特徴とする請求項1に記載の商品の運送箱。
  3. 前記引掛け部は、板面に対し、直角に折り曲げて外箱の開口縁に設けられた差込孔内に挿入されるものであることを特徴とする請求項1に記載の商品の運送箱。
  4. 商品が収納された袋の取っ手部分を前記引掛け部に引掛けることにより、袋は商品包装箱の形状に沿って絞られて商品包装箱に定着するものであることを特徴とする請求項1に記載の商品の運送箱。
  5. つり板の通し穴は角型でその開口縁に対の湾曲縁が形成され、湾曲縁は、袋の取っ手部分を受け入れて商品が収納された袋の自由な回転を阻止するものであることを特徴とする請求項1に記載の商品の運送箱。
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