JP2004175327A - 連動式後輪ブレーキツイン自転車 - Google Patents
連動式後輪ブレーキツイン自転車 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004175327A JP2004175327A JP2002378362A JP2002378362A JP2004175327A JP 2004175327 A JP2004175327 A JP 2004175327A JP 2002378362 A JP2002378362 A JP 2002378362A JP 2002378362 A JP2002378362 A JP 2002378362A JP 2004175327 A JP2004175327 A JP 2004175327A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rear wheel
- interlocking
- wheel brake
- brake
- shift
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Steering Devices For Bicycles And Motorcycles (AREA)
Abstract
【課題】連動式後輪ブレーキを装備した、およびシフト即ち変速装置を併備した、二台の自転車を平行にフレキシブルかつ着脱自在に連結した二人乗り四輪車であるツイン自転車を提供する。
【解決手段】二台の自転車の連動性のない独立の後輪ブレーキ系統相互を、連動用ブレーキレバーのブレーキワイヤーを介して連結し、いずれの自転車の乗員の後輪ブレーキレバー操作によっても両自転車の後輪ブレーキが同時または個別に作動する連動式後輪ブレーキ系統を装備したツイン自転車、および略同様構成の連動式シフト系統を併備したツイン自転車である。従来の独立の後輪ブレーキ系統を装備する四輪自転車のに伴った走行上の不具合や危険性をなくし、安全快適な走行を可能とする。
【選択図】 図2
【解決手段】二台の自転車の連動性のない独立の後輪ブレーキ系統相互を、連動用ブレーキレバーのブレーキワイヤーを介して連結し、いずれの自転車の乗員の後輪ブレーキレバー操作によっても両自転車の後輪ブレーキが同時または個別に作動する連動式後輪ブレーキ系統を装備したツイン自転車、および略同様構成の連動式シフト系統を併備したツイン自転車である。従来の独立の後輪ブレーキ系統を装備する四輪自転車のに伴った走行上の不具合や危険性をなくし、安全快適な走行を可能とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連動式の後輪ブレーキを装備した、およびシフト即ち変速装置を併備した、左右の自転車を平行に前後のフレーム連結装置、ハンドル連携装置により着脱自在に連結した二人乗り四輪車であるツイン自転車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
既存のツイン自転車は、二台の自転車を、間隔1m弱で左右平行に連結した二人乗り四輪車であり、車体フレームおよびハンドルの連結装置により着脱自在に連結され、随時分離、単車使用可能な、「道路交通法」上の軽車両であり、車道及び自転車専用道路を低速走行することを旨とする。そして、この四輪自転車の装備した後輪ブレーキは、左右自転車本来のものであり独立しており、減速、カーブ、停車の際、二名の乗員の同時的ブレーキ操作を要求され、これを誤ると、直進走行が蛇行走行となり、またカーブを充分切れない等の危険性を伴った。
なお、以下ツイン自転車とは、発明名称「ツイン自転車」、出願番号:特願2002−267376、のツイン自転車を意味し、連結装置等の解体外しと接続分離により、二車を分離して単車として使用できるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来の四輪自転車の独立の後輪ブレーキ系統が走行上の不具合や危険性を伴うという問題点である。そこで、左右自転車の連動性のない独立の後輪ブレーキ系統を連携し、いずれの自転車の乗員の後輪ブレーキ操作によっても両自転車の後輪ブレーキが同時に作動する連動式後輪ブレーキ系統を装備したツイン自転車を、さらに、連動式シフト系統を併備した走行性の良いツイン自転車を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するため、請求項1のツイン自転車は、本体車と相手車の装備する、後輪ブレーキレバー、分岐具、可緩合流具、ブレーキ部をブレーキワイヤが一連に繋ぐ正規後輪ブレーキ系統相互を、中間連結を含むブレーキワイヤである分岐系統を介して本体車の前記分岐具と相手車の前記可緩合流具との間を連結することにより、繋いでなる分岐系統連動式後輪ブレーキ系統を装備したツイン自転車であり、
又は本体車の左側後輪ブレーキレバーに着脱自在に装着されるせ専用後輪ブレーキレバーとこのレバーに接続するブレーキワイヤとでなる分離系統が、後輪ブレーキレバー、可緩合流具、ブレーキ部をブレーキワイヤが一連に繋ぐ両車装備の正規後輪ブレーキ系統の前記可緩合流具に互いに接合してなる分離系統連動式後輪ブレーキ系統を装備したツイン自転車をであり、これらは、安全快適な走行が出来る。さらに請求項2以下の、後輪ブレーキ系統と略同様構成の連動式シフト系統を併備した優れた走行性の多様なツイン自転車である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実用車によるツイン自転車における実施の状態を図面を参照して詳述するが、まず、ブレーキおよびシフトを作動させる、後輪ブレーキ系統およびシフト系統の全般について記す。なお、これら系統装備以前のツイン自転車1の構造概要を[図1]に示す。
系統とは、操作レバーと、後輪ブレーキ部またはシフト部とがブレーキワイヤ、シフトワイヤを介して諸部品を含めて繋がる一連の構成物であり、単車本来の後輪ブレーキを作動させる、またはツイン自転車において連動用レバーを装着した自転車自体の後輪ブレーキまたはシフトを作動させる、後輪ブレーキ系統、シフト系統を、正規後輪ブレーキ系統、正規シフト系統と称する。
なお、前記ブレーキワイヤは、外被可撓管のアウタと内芯金属ワイヤのインナワイヤで構成されている。また、ブレーキワイヤ、シフトワイヤと、これらのアウタとインナワイヤとを説明毎に符号により区別しないことがある。
【0006】
ツイン自転車に装備する後輪ブレーキ系統およびシフト系統に関わる原則は、▲1▼後輪ブレーキはバンドブレーキ、シフトはハブギヤシフトとする、▲2▼連動式の後輪ブレーキ系統を両自転車に、シフト系統を左側車に装備する、▲3▼前輪ブレーキ系統は連動式としない、▲4▼ハンドルの左側に後輪ブレーキレバーを装着する、▲5▼両自転車は同一仕様とする、▲6▼両系統はどちらも、車間分離・移設を可能とする、である。
なお、後記する着脱自在という言葉は▲6▼の意味であり、系統全体の着脱自在ではない。また、本体車Aとは、自車および他車の後輪ブレーキを操作するレバーを装備するまたはブレーキとシフトの操作レバーをともに装備する左側自転車であり、相手車Bとは、他車に装備するレバーにより後輪ブレーキおよびシフトを操作される右側自転車である、ことを原則とする[図1]。
【0007】
二自転車のフレーム相互を前後のフレーム連結装置等で着脱自在に連結、連繋してなるツイン自転車1の後輪ブレーキ系統は、両自転車の後輪ブレーキ系統が互いに相手車の後輪ブレーキ系統に着脱自在に連結し、どちらか一方の後輪ブレーキレバー操作によっても両車のブレーキが作動する連動式後輪ブレーキ系統が走行安全上必須である。この相互連結の方法は、本体車の後輪ブレーキレバーが本体車および相手車の後輪ブレーキを作動させる兼用レバー2aの系統[図2]と、または相手車の後輪ブレーキ系統にブレーキワイヤ7を介して繋がる専用ブレーキレバー2bを、本体車の正規後輪ブレーキレバー3aに装着する専用レバーの系統[図3]を基本にする。
【0008】
兼用レバー方法と専用レバー方法の前記二連結方法に対応して、ツイン自転車両車の正規後輪ブレーキ系統は、自転車単体の正規後輪ブレーキ系統に、レバー側から順に分岐具4および可緩合流具5が組み込まれる系統、可緩合流具5のみが組み込まれる系統の二となる。
前記のようにブレーキワイヤ7はアウタ7aとインナワイヤ7bで構成されており、ブレーキレバー2a、2bと相手車の後輪ブレーキ部6は実質、インナワイヤで繋がっており、アウタは、インナワイヤの保護とともに、ブレーキワイヤのどの曲り部でもその両端で取付けバンドとワイヤ受けブラケットで固着されることにより、即ち両固着点間のワイヤ長さが一定に保持され、レバーの引き量が後輪ブレーキ部にそのまま伝達する機能を果たす。そして、以下のワイヤに関連する説明において、原則として、これらのことは既存自転車と同様乃至多少の変形された形でなされているものとし、繰り返し記さない。序でながら、曲り部端のアウタ受けから次の曲り部端のアウタ受けまでの直線部は、アウタがなくてもよい。
【0009】
さて、前記分岐具4は、レバーに接合する一本のブレーキワイヤ7が二本に分岐し、ブレーキ操作のレバー引き量を分岐伝達する既製のものである。
また、前記可緩合流具5[図4]は、下フレーム9の中央より大ギヤ寄りにあり、分岐具は、逆に二本のブレーキワイヤが一本に合流合体するものである。
即ち、後輪ブレーキ部6に至るブレーキワイヤ7の一端のインナワイヤ7bに接合した主長リング5aに、両自転車のブレーキレバーからのインナワイヤ7b夫々に接合している二の従長リング5bが立体交差連結する鎖部である。この可緩合流具は、一方のブレーキレバーの操作による一方の従長リングが引かれた場合、引き量が長リングの長さより小さく、他方の従長リングは引かれずにあり、従ってそれに接合するインナワイヤは弛み曲がることはない。他方が引かれる逆の場合も同様であり、可緩合流具と称する所以である。
【0010】
なお、前記長リングは、直径2mmの線材の、長さ30mm、幅10mmの閉リングであり、長リングとインナワイヤは、長リングを通したワイヤ先端部をワイヤ自体に曲げ戻し並接し、その部分を金属材料で包みかしめ接合する。また、前記可緩合流具は、その閉長リングを、一定長さの線材の両端から略1/3に曲り部に形成し中間部に平行な各端までの部分が並接触のクリップ類似の開長リングに替えた着脱型可緩合流具としてもよい。
【0011】
なお、本体車の分岐具4から相手車の合流具5に至る後記する中間連結8を含む連動用の系統を、正規後輪ブレーキ系統に対応する分岐系統と称し、この系統で構成する連動式系統を分岐系統連動式後輪ブレーキ系統B1[図2]とする。また、相手車の合流具5に接続するブレーキワイヤ7の他端の後輪ブレーキレバー2bが、前部フレーム連結装置10を経由して、本体車の後輪ブレーキレバー3aに重ね装着される系統を分離系統と称し、この系統で構成する連動式系統を分離系統連動式後輪ブレーキ系統[図3]B3−1とする。
【0012】
即ち、連動式後輪ブレーキ系統は、本体車と相手車の装備する、兼用後輪ブレーキレバー2a、分岐具4、可緩合流具5、ブレーキ部6をブレーキワイヤ7が一連に繋ぐ正規後輪ブレーキ系統1a相互を、中間連結8を含むブレーキワイヤ7である分岐系統を介する本体車の前記分岐具4と相手車の前記可緩合流具5との間の連結により、繋いでなる分岐系統連動式後輪ブレーキ系統B1[図2]、および両車の左側正規後輪ブレーキレバー3aに着脱自在に近接して装着される専用後輪ブレーキレバー2bとこのレバーに接続するブレーキワイヤ7とでなる分離系統が、正規後輪ブレーキレバー3a、可緩合流具5、ブレーキ部6をブレーキワイヤ7により一連に繋がれる両車装備の正規後輪ブレーキ系統の前記可緩合流具5に、互いに接合してなる分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−1[図3]との二である。これらは、いずれも片手で操作するものである。
【0013】
また、前記中間連結8[図5]は、前記分岐系統を着脱自在に連結または断絶する手段であり、分岐系統の合流する合流具近傍に組み込まれるものであり、ブレーキレバー側のインナワイヤ7bおよび可緩合流具側のインナワイヤ7b両方の先端に接合された互いに逆ねじ切りした連結キャップ8bが、一定長さの円筒内面に正逆のねじ切りした連結スリーブ8aの両端部にほぼ同時にねじ接合されることになる。なお、この連結スリーブは、その正逆ねじ切り長さが両連結キャップのねじ切り長さ以上であり、ねじ締め加減により両インナワイヤの連結長さの調整が可能である。これゆえ、正規系統への中間連結の組込みもよい。
【0014】
上記の連動式後輪ブレーキ系統をツイン両自転車に装着する方法は、以下に記すごとくであり、分岐系統連動式後輪ブレーキ系統B1が、本体車の分岐具4から分岐し、前部フレーム連結装置10を経由して相手車の下フレーム9に至る分岐系統のブレーキワイヤ7を、そのワイヤ端近傍に取り付けたワイヤ受けブラケットにより前記直線状下フレーム9の上端部近傍に着脱自在に固定するとともに、ブレーキワイヤのアウタから延伸するインナワイヤ端の連結キャップ8bと、可緩合流具に接続するインナワイヤ端の連結キャップ8bとを前記連結スリーブ8aを介して前記[図5]のごとく連結して、なるのである。なお、インナワイヤは、貫通するねじ切りパイプである連結キャップの一端がかしめられ、かつ接着剤により、連結キャップと接合されている。
【0015】
また他方、分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−1が、分離系統の専用後輪ブレーキレバー2bが本体車の正規左側後輪ブレーキレバー3aに、後記のごとく着脱自在にずらし装着され、このレバーからのブレーキワイヤ7が、前部フレーム連結装置10および相手車の下フレーム9を経由して可緩合流具5に接合して、なるのである。単車の状態で見れば、専用ブレーキレバーと長いワイヤが、ツイン化部品として予め合流具に接合していることである。
そして、前記のずらし装着は、専用後輪ブレーキレバー2bを、ハンドルバー外周に取付けレバーバンドにより装着されている厚さ1cm強の前記正規ブレーキレバー3aに、この正規取付けレバーバンドに近接配置した専用後輪ブレーキレバーの取付けレバーバンドを介しねじとナットで固定し、相互に最大限近接して、なる。二のレバー体の左手四指による略同時操作が可能である。また、ブレーキレバー相互を重ねてもよい。
なお、以下の各様の系統の説明においても、系統B1、B3−1の構成部品と同じ部品は同一符号とすることを原則とする。
【0016】
二の連動式後輪ブレーキ系統B1、B3−1は、左片手による一又は二のブレーキレバーの同時操作であるが、さらに、一人の左右両手の操作による両手操作連動式後輪ブレーキ系統もよい。このため、分岐系統連動ブレーキ系統B1では、本体車の右側の正規前輪ブレーキレバー3b近傍に装着する相手車後輪用の専用ブレーキレバー2bと、これに接続したブレーキワイヤ7とからなる新規の分離系統を、既設分岐系統の中間連結8を切り不作動化して、この中間連結に切替え連結して、両手操作新規分離系統連動式ブレーキ系統B2[図6]とする。この場合、本体車前輪ブレーキレバー3bと相手車後輪用ブレーキレバー2bを個別操作可能に角度ずれ装着する。
【0017】
即ち、
【0015】記載の二のブレーキレバーずらし装着と同様に行うが、これら二のブレーキレバー相互は、装着したハンドルバーの断面円の中心に対して一定角度ずらしてあり、各レバー体を人差し指、中指および薬指、小指による個別操作が可能である。なお、緊急停止の場合、全指同時の強力操作を行う。
他方、分離系統ブレーキ系統B3−1では、両車において左側の既設専用連動ブレーキレバー2bを、前記同様に右側の前輪ブレーキレバー3b近傍に移設して、両手操作分離系統連動式ブレーキ系統B4−1[図7]とする。
【0018】
なお、前記分離系統連動式ブレーキ系統において、分岐系統の中間連結と同様の位置に、中間連結を組み入れて中間連結分離系統としてもよく、この場合ツイン化に際し、分離系統連動式ブレーキ系統B3−1を、連結キャップからブレーキレバーまでのブレーキワイヤを新規な分離連動式系統として、前記中間連結に連結し、中間連結分離系統連動式ブレーキ系統B3−3[図略]とする。
また、
【0017】記載の両手操作の分離系統連動式後輪ブレーキ系統B4−1も、中間連結を組み入れて両手操作中間連結分離系統の連動式ブレーキ系統B4−2[図略]としてもよい。
【0019】
【0011】に記載の分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−1および、
【0018】に記載の中間連結分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−3は、ずらし装着の後輪ブレーキレバーの同時片手操作であるが、個別操作の連動後輪ブレー
キ系統としてもよい。即ち、連動用後輪ブレーキレバーを
【0017】記載と同様、右側に移動し角度ずれ装着し、個別操作可能の個別操作分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−2[図略]、個別操作中間連結分離連動後輪ブレーキ系統B3−4[図略]としてよい。
【0020】
また、連動式、分離連動式の後輪ブレーキツイン自転車の本体車のみまたは双方のに、連動式の変速装置系統、特にハブギヤシフト系統を併備してもよい。
この場合、単車のシフトレバーとシフト部をシフトワイヤが繋ぐ、正規シフト系統を、正規後輪ブレーキ系統と同様に必要部品を組み込むことになり、兼用シフトレバー22a、分岐具24、可緩合流具25、シフト部26をシフトワイヤ27が繋ぐ両車の正規シフト系統20aを、前記本体車の分岐具24と相手車の可緩合流具25を繋ぐ、中間連結28を含むシフトワイヤ27である分岐系統を介して、繋いでなる分岐系統連動式シフト系統S1[図8]と、又は本体車の右側前輪ブレーキレバー3b近傍に着脱自在に装着されるシフトレバー22bとこのレバーからのシフトワイヤ27とでなる分離系統が、正規シフトレバー23a、可緩合流具25、シフト部26を繋ぐシフトワイヤ27でなる正規シフト系統20bを装備した相手車の前記可緩合流具25に接合してなる分離系統連動式シフト系統S3−1[図9]との二がある。
【0021】
なお、前記分岐系統連動式シフト系統S1を、前記両手操作分岐系統連動ブレーキ系統B2と同様に、本体車の右側の前輪ブレーキレバー3b近傍に装着する相手車後輪用のシフトレバー22bと、これに接続したシフトワイヤ27とからなる新規の分離系統を、既設分岐系統の中間連結28を切り不作動化して、この中間連結に切替え連結して、なる両手操作新規分離系統連動シフト系統S2[図10]としてもよい。なお、本体車のみ併備の場合、相手車の正規シフト系統は、そのレバー体を固定し不作動とする。
【0022】
以上の連動式シフト系統S1、S2は、可緩合流具を必須とするが、シフトレバー23とシフト部26をシフトワイヤ27で繋ぐ単車の正規シフト系統そのままで、相手車の正規シフトレバー23aを本体車の右側の前輪ブレーキレバー近傍に着脱自在に車間移設してなる車間移設分離連動式シフト系統S4−1[図11]がある。この場合、移設シフトレバーに接続するシフトワイヤは、相手車の前輪ブレーキレバーへの車間移設に十分な長さとするためループ状の余裕部を作っておく必要があり、また、相手車のシフト系統は不作動となる。
【0023】
さらに、同様に、
【0020】記載の分離系統連動式シフト系統S3−1も中間連結分離系統連動式シフト系統S3−2[図略]としてもよく、また、シフトレバー23、中間連結28とシフト部26をシフトワイヤ27で繋ぐ単車の正規シフト系統で、本体車の右側の前輪ブレーキレバー近傍に着脱自在に装着する新規のシフトレバー22bからのシフトワイヤ27を相手車の中間連結28に切り替え連結してなる中間連結正規連動式シフト系統S4−2[図12]もよい。
なお、連動式シフト系統は、S1を除き、
【0026】に後記するように差動装置と類似の差動機能を発現し、また、連動式ブレーキ系統も、B1、B3−1、B3−3を除き、同様に差動機能を発現する。
【0024】
上記のように、ブレーキ系統の連動式と分離連動式は八方式あり、連動式ブレーキ系統のみ装備する八方式の単備ツイン自転車、およびこれら連動式ブレーキ系統八方式と連動式シフト系統六方式との四十八組合せの一を装備する四十八方式の併備ツイン自転車がある。B1ブレーキ系統単備の模式図と組合せの一部、B1×S1、B3−2×S4−1を例示する[図13]。この場合、連動式シフト系統は本体車のみの併備、系統の不作動化した部分と前ブレーキ系統を除いた模式図である。
【0025】
なお、ブレーキ系統のB2、B4−1、B4−2とシフト系統のS2、S3−1、S3−2、S4−1、S4−2との十五の組合せの場合、左側本体車の右側ハンドルには、正規前輪ブレーキレバー、連動後輪ブレーキレバーおよび連動シフトレバーが装着される。系統の組合せB4−1×S3−1、B2×S2の模式図[図13]を例示する。この場合、右側ハンドルにおける本体車の前輪ブレーキと相手車の連動後輪ブレーキの右手による誤操作を避けるため、減速機能上従である前輪ブレーキレバー3bを右側相手車の前輪ブレーキレバー近傍に、
【0022】記載と同様のシフトレバーの車間移設と、
【0017】記載と同様の片車毎の個別操作を可能とする着脱自在角度ずれ装着するのもよい。なお、移設前輪ブレーキレバーに接続するブレーキワイヤは、相手車の前輪ブレーキレバーへの車間移設に十分な長さを、前記のシフトワイヤと同様に確保しておく。
なお、B2とシフト系統五との組合せおよびB2単備の場合、本体車と相手車のハンドル右側の連動ブレーキレバー夫々の一方または両方の、ハンドル左側への移設[図略]による正規後輪ブレーキレバーと角度ずれ装着もよく、左手で個別操作即ち差動操作が可能となる。この五の組合せと前記四十八組合せの五十三方式の併備ツイン自転車があり、単備ツイン自転車は九方式となる。
【0026】
また、連動式ブレーキ系統B1、B3−1、B3−3のおよびB1、B3−1、B3−3と分岐連動式シフト系統S1の併備のツイン自転車は、左右車の速度を後輪ブレーキレバー又は/およびシフトレバーの操作による個別の制御が不可能である。ただし、非連動の前輪ブレーキにより可能ではある。そして、前記以外のツイン自転車は、原則として、本体車の乗員が、自動車の場合の運転手の役割を果たすことになり、カーブ走行において、運転手が、カーブする側の自転車のブレーキ減速を図り、または内側車の、ブレーキ減速、シフト装置のギヤ比を下げ、小さくしての減速、外側車のギヤ比上げ操作と外側車の乗員のペダル踏み込み加速、の一または組み合わせによる、差動装置と類似の機能を発現させ、ハンドル操作のみの場合よりカーブ走行性を向上させる。なお、緊急停車時、運転手が責任をもって両車の後輪ブレーキを操作し、相手車の乗員も連動式後輪ブレーキを操作でき、両前輪ブレーキも適宜減速操作される。
【0027】
なお、両自転車の後輪ブレーキ系統が中間連結を有する場合、同時作動化具により両自転車のどちらの後輪ブレーキレバーの片手操作によっても両ブレーキが連動作動する同時作動化連結系統とするのもよい。この連結系統は、同時作動化具と、これに繋がるブレーキインナワイヤーを介して左右車の二ブレーキレバーと、および前記同時作動化具に繋がるワイヤーと、このワイヤー一定長さから先が分岐し、両自転車の正規後輪ブレーキ系統に中間連結で切り替え連結するそれぞれの分岐ワイヤーとから、なる。
【0028】
そして、前記同時作動化具は、前記二ブレーキレバーを繋ぐブレーキワイヤのインナワイヤーが、直方箱体上部側面から他側面に連通しており、このインナワイヤーは、左右内面近傍で表裏面に接合する二の丸棒の間を下方向にU字状に下面近傍まで曲り、このU字底曲部において前記同時作動ブレーキインナワイヤーが、動滑車を介して連携して、なり、フレームのヘッドチューブに装着される。分岐インナワイヤーそれぞれは、中間連結に至るまでに、分岐点近くから下フレームの上部までの曲り部の両端で固定されたアウタを経由する、即ちブレーキワイヤとして存在する。なお、ブレーキの戻りを促進するため、前記同時作動ブレーキインナワイヤーに、ばね受けを接合し、これと同時作動化具の下面との間のインナワイヤーにばねを貫通装着してもよい。
【0029】
以上の構成になる同時作動化連結系統において、一方のブレーキレバーの操作でも、U字底曲部の動滑車に連結する同時作動ブレーキインナワイヤーが上方へ引かれ、このワイヤーから分岐する前記各分岐ワイヤーが、左右車の後輪ブレーキを同時に作動させる。なお、両車の正規後輪ブレーキ系統は、中間連結切替えのゆえ不作動となる。また、同時作動化連結系統をシフト系統に適用してもよい。ただし、同後輪ブレーキ系統との併備には、前記同様、各レバーの個別操作可能な角度ずれ装着とする。
【0030】
また、分岐連動式の後輪ブレーキ系統のレバーを、ブレーキレバー一個による連動ブレーキ操作を可能にするダブルワイヤ型レバーにして、分岐具を省いてもよい。このダブルワイヤ型の一例は、現行のブレーキレバーを拡幅し、本体用と連動用のブレーキワイヤから延伸するインナワイヤ先端のニップルを、レバー体の左右のニップル孔に、嵌め込み、インナワイヤをレバー体およびブラケットの下端の溝夫々に平行に通し、前記二本のブレーキワイヤを前記ブラケット溝をかしめて接合しておき、取付けバンドを介してハンドルバーに接合するものである。
シフトレバーも略同様に、インナワイヤ付きニップルの嵌込み孔を並列二個にし、シフトワイヤ二本のインナワイヤを接合するダブルワイヤ型もよい。
【0031】
また、前記連動式の後輪ブレーキ系統は可緩合流具を必須とするが、この合流具をチェーンステーに設置してもよく、さらにこの合流具に替えてブレーキブラケット近傍で、二本のブレーキワイヤのインナワイヤを金属板で平行に包みかしめるかしめ接合合流部としてもよい。この場合も、一方のインナワイヤの作動で他方が引かれるが、ブレーキワイヤのアウタを固定するアウタ受けを大ギヤ側に設置し、かしめ合流部との間隔を大きくし、ブレーキ作動で引かれるワイヤに引かれるインナワイヤの弛緩曲りが小さいゆえ、かしめ接合部のインナワイヤに損傷を発生しない。分岐系統の場合は、中間連結をアウタ受けとかしめ接合部の間に組み込めばよい。なお、かしめ接合合流部を前記連動式のブレーキ系統とシフト系統の下フレーム部にある可緩合流具と置換も可能である。
【0032】
また、分岐系統、分離系統の連動用インナワイヤを正規ブレーキ系統のブレーキクランクに併接合するのもよい。この場合、これらインナワイヤの先端夫々に接合した、可緩合流具の二の従長リングの一を除去してなる可緩連結端の各主長リングそれぞれを、ブレーキクランクの両側に一のねじと二のナットで接合する。可緩合流具と同様、片作動において可緩作用が発現する。
なお、チェーンステーに接合しているブレーキブラケットは、二本のブレーキワイヤが接合する必要があり、既設のワイヤー本用のブレーキブラケットと、これと略対称形のブラケットとを背中合わせにねじナット接合され、二本のワイヤブレーキのアウタを固定するダブルブラケットであり、そしてブレーキクランクの前記接合用ねじは略1cm長いものが使用さる。 またブレーキワイヤ曲り部分が長くなるとアウタとインナワイヤの摩擦が増大し、ブレーキレバーの戻りが重くなるので、後輪ブレーキ部のブレーキクランク戻しばねを強いものに替える。
【0033】
なお、中間連結組入れ分離系統分離連動式ブレーキ系統と中間連結を有する分岐系統連動式ブレーキ系統とを装備する異種ブレーキ系統相互連結ツイン自転車も成立し、これには連動式と分離連動式のシフト系統を併備出来る。
また、連動用ブレーキ系統は、バンドブレーキに限定されず、他形式ブレーキのリムブレーキ等にも適用してよく、連動用シフト系統は多段フリーホイールディレーラ系統もよい。また、連動用シフト系統の操作レバーを回転グリップ式を分岐連動式と分離連動式の後輪ブレーキ系統に適用し、片手の一グリップ、二レバー操作方式もよい。
【0034】
また、電動アシスト自転車のツイン自転車にも前記連動式後輪ブレーキを装備してもよく、この場合、左右の電動モータ発停スイッチに並列のスイッチを相手車のハンドルに着脱自在に配設する。また、前記各種ブレーキ系統とシフト系統を、非着脱自在連結型の四輪自転車に適用することも、勿論よい。
また、スリーブ中間連結部等に柔軟保護カバーを付するのもよい。
【0035】
また、連動式の後輪ブレーキ系統、シフト系統の装着には、現行単車の後輪ブレーキ系統、シフト系統になされる必要諸処置がなされるものとする。
また、自転車本体および諸部品の現形状、製作方法に倣うことを前提にし、諸接合・装着各部品の材質、形状、方法は、記載省略の場合もあり、例えば、下フレームや前フレーム連結装置に付けたブレーキワイヤの拘束具であり、また自転車等の現形状を変更する場合は、上記のものに限定されず、多少の改変したもの、例えば、装着位置がハンドルグリップより離れる場合、長レバーベル、の使用があり、諸部品の接合・装着の左右車、左右側の転換をしてもよく、さらに表記した数値も概略値である。また、ツイン化を目的とする単車は、予め必要部品等の装着、改造の必要があることは、上記から明白である。
なお、本発明のブレーキおよびシフト系統装備のツイン自転車の図は、添付図面を参照することで把握可能ゆえ、省略した。
【0036】
【発明の効果】
連動式後輪ブレーキ装備の、および連動式シフト系統併備のツイン自転車は、その走行が正確、安全、快適であり、高齢者の利用を促進し、新しい自転車文化を創造する。また、ツイン自転車は、単車に分離また復元することも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレーキとシフトの系統装備以前のツイン自転車の概要斜視図
【図2】分岐系統連動式後輪ブレーキ系統B1の概略図
【図3】分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−1の概略図
【図4】可緩合流具の斜視図
【図5】中間連結の斜視図
【図6】両手操作新規分離系統連動式後輪ブレーキ系統B2の概略図
【図7】両手操作分離系統連動式後輪ブレーキ系統B4−1の概略図
【図8】分岐系統連動式シフト系統S1の概略図
【図9】分離系統連動式シフト系統S3−1の概略図
【図10】両手操作新規分離系統連動式シフト系統S2の概略図
【図11】車間移設分離系統連動式シフト系統S4−1の概略図
【図12】中間連結正規連動式シフト系統S4−2の概略図
【図13】連動式後輪ブレーキ系統B1単備およびブレーキ系統とシフト系統併備四例の模式図。a)はB1、b)はB1×S1、c)はB3−2×S4−1、d)はB4−1×S3−1、e)はB2×S2である。
【符号の説明】
1 ブレーキとシフトの系統装備以前のツイン自転車
2a 兼用ブレーキレバー、 2b 専用ブレーキレバー
3a 正規後輪ブレーキレバー 3b 正規前輪ブレーキレバー
4 分岐具 5 可緩合流具
6 ブレーキ部 7 ブレーキワイヤー
7a アウタ 7b インナワイヤー
8 中間連結 8a 連結スリーブ
8b 連結キャップ 9 下フレーム
10 前部フレーム連結装置 22a兼用シフトレバー
22b専用シフトレバー 23a正規シフトレバー
24 分岐具 25 可緩合流具
26 シフト部 27 シフトワイヤー
28 中間連結
【発明の属する技術分野】
本発明は、連動式の後輪ブレーキを装備した、およびシフト即ち変速装置を併備した、左右の自転車を平行に前後のフレーム連結装置、ハンドル連携装置により着脱自在に連結した二人乗り四輪車であるツイン自転車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
既存のツイン自転車は、二台の自転車を、間隔1m弱で左右平行に連結した二人乗り四輪車であり、車体フレームおよびハンドルの連結装置により着脱自在に連結され、随時分離、単車使用可能な、「道路交通法」上の軽車両であり、車道及び自転車専用道路を低速走行することを旨とする。そして、この四輪自転車の装備した後輪ブレーキは、左右自転車本来のものであり独立しており、減速、カーブ、停車の際、二名の乗員の同時的ブレーキ操作を要求され、これを誤ると、直進走行が蛇行走行となり、またカーブを充分切れない等の危険性を伴った。
なお、以下ツイン自転車とは、発明名称「ツイン自転車」、出願番号:特願2002−267376、のツイン自転車を意味し、連結装置等の解体外しと接続分離により、二車を分離して単車として使用できるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来の四輪自転車の独立の後輪ブレーキ系統が走行上の不具合や危険性を伴うという問題点である。そこで、左右自転車の連動性のない独立の後輪ブレーキ系統を連携し、いずれの自転車の乗員の後輪ブレーキ操作によっても両自転車の後輪ブレーキが同時に作動する連動式後輪ブレーキ系統を装備したツイン自転車を、さらに、連動式シフト系統を併備した走行性の良いツイン自転車を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するため、請求項1のツイン自転車は、本体車と相手車の装備する、後輪ブレーキレバー、分岐具、可緩合流具、ブレーキ部をブレーキワイヤが一連に繋ぐ正規後輪ブレーキ系統相互を、中間連結を含むブレーキワイヤである分岐系統を介して本体車の前記分岐具と相手車の前記可緩合流具との間を連結することにより、繋いでなる分岐系統連動式後輪ブレーキ系統を装備したツイン自転車であり、
又は本体車の左側後輪ブレーキレバーに着脱自在に装着されるせ専用後輪ブレーキレバーとこのレバーに接続するブレーキワイヤとでなる分離系統が、後輪ブレーキレバー、可緩合流具、ブレーキ部をブレーキワイヤが一連に繋ぐ両車装備の正規後輪ブレーキ系統の前記可緩合流具に互いに接合してなる分離系統連動式後輪ブレーキ系統を装備したツイン自転車をであり、これらは、安全快適な走行が出来る。さらに請求項2以下の、後輪ブレーキ系統と略同様構成の連動式シフト系統を併備した優れた走行性の多様なツイン自転車である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実用車によるツイン自転車における実施の状態を図面を参照して詳述するが、まず、ブレーキおよびシフトを作動させる、後輪ブレーキ系統およびシフト系統の全般について記す。なお、これら系統装備以前のツイン自転車1の構造概要を[図1]に示す。
系統とは、操作レバーと、後輪ブレーキ部またはシフト部とがブレーキワイヤ、シフトワイヤを介して諸部品を含めて繋がる一連の構成物であり、単車本来の後輪ブレーキを作動させる、またはツイン自転車において連動用レバーを装着した自転車自体の後輪ブレーキまたはシフトを作動させる、後輪ブレーキ系統、シフト系統を、正規後輪ブレーキ系統、正規シフト系統と称する。
なお、前記ブレーキワイヤは、外被可撓管のアウタと内芯金属ワイヤのインナワイヤで構成されている。また、ブレーキワイヤ、シフトワイヤと、これらのアウタとインナワイヤとを説明毎に符号により区別しないことがある。
【0006】
ツイン自転車に装備する後輪ブレーキ系統およびシフト系統に関わる原則は、▲1▼後輪ブレーキはバンドブレーキ、シフトはハブギヤシフトとする、▲2▼連動式の後輪ブレーキ系統を両自転車に、シフト系統を左側車に装備する、▲3▼前輪ブレーキ系統は連動式としない、▲4▼ハンドルの左側に後輪ブレーキレバーを装着する、▲5▼両自転車は同一仕様とする、▲6▼両系統はどちらも、車間分離・移設を可能とする、である。
なお、後記する着脱自在という言葉は▲6▼の意味であり、系統全体の着脱自在ではない。また、本体車Aとは、自車および他車の後輪ブレーキを操作するレバーを装備するまたはブレーキとシフトの操作レバーをともに装備する左側自転車であり、相手車Bとは、他車に装備するレバーにより後輪ブレーキおよびシフトを操作される右側自転車である、ことを原則とする[図1]。
【0007】
二自転車のフレーム相互を前後のフレーム連結装置等で着脱自在に連結、連繋してなるツイン自転車1の後輪ブレーキ系統は、両自転車の後輪ブレーキ系統が互いに相手車の後輪ブレーキ系統に着脱自在に連結し、どちらか一方の後輪ブレーキレバー操作によっても両車のブレーキが作動する連動式後輪ブレーキ系統が走行安全上必須である。この相互連結の方法は、本体車の後輪ブレーキレバーが本体車および相手車の後輪ブレーキを作動させる兼用レバー2aの系統[図2]と、または相手車の後輪ブレーキ系統にブレーキワイヤ7を介して繋がる専用ブレーキレバー2bを、本体車の正規後輪ブレーキレバー3aに装着する専用レバーの系統[図3]を基本にする。
【0008】
兼用レバー方法と専用レバー方法の前記二連結方法に対応して、ツイン自転車両車の正規後輪ブレーキ系統は、自転車単体の正規後輪ブレーキ系統に、レバー側から順に分岐具4および可緩合流具5が組み込まれる系統、可緩合流具5のみが組み込まれる系統の二となる。
前記のようにブレーキワイヤ7はアウタ7aとインナワイヤ7bで構成されており、ブレーキレバー2a、2bと相手車の後輪ブレーキ部6は実質、インナワイヤで繋がっており、アウタは、インナワイヤの保護とともに、ブレーキワイヤのどの曲り部でもその両端で取付けバンドとワイヤ受けブラケットで固着されることにより、即ち両固着点間のワイヤ長さが一定に保持され、レバーの引き量が後輪ブレーキ部にそのまま伝達する機能を果たす。そして、以下のワイヤに関連する説明において、原則として、これらのことは既存自転車と同様乃至多少の変形された形でなされているものとし、繰り返し記さない。序でながら、曲り部端のアウタ受けから次の曲り部端のアウタ受けまでの直線部は、アウタがなくてもよい。
【0009】
さて、前記分岐具4は、レバーに接合する一本のブレーキワイヤ7が二本に分岐し、ブレーキ操作のレバー引き量を分岐伝達する既製のものである。
また、前記可緩合流具5[図4]は、下フレーム9の中央より大ギヤ寄りにあり、分岐具は、逆に二本のブレーキワイヤが一本に合流合体するものである。
即ち、後輪ブレーキ部6に至るブレーキワイヤ7の一端のインナワイヤ7bに接合した主長リング5aに、両自転車のブレーキレバーからのインナワイヤ7b夫々に接合している二の従長リング5bが立体交差連結する鎖部である。この可緩合流具は、一方のブレーキレバーの操作による一方の従長リングが引かれた場合、引き量が長リングの長さより小さく、他方の従長リングは引かれずにあり、従ってそれに接合するインナワイヤは弛み曲がることはない。他方が引かれる逆の場合も同様であり、可緩合流具と称する所以である。
【0010】
なお、前記長リングは、直径2mmの線材の、長さ30mm、幅10mmの閉リングであり、長リングとインナワイヤは、長リングを通したワイヤ先端部をワイヤ自体に曲げ戻し並接し、その部分を金属材料で包みかしめ接合する。また、前記可緩合流具は、その閉長リングを、一定長さの線材の両端から略1/3に曲り部に形成し中間部に平行な各端までの部分が並接触のクリップ類似の開長リングに替えた着脱型可緩合流具としてもよい。
【0011】
なお、本体車の分岐具4から相手車の合流具5に至る後記する中間連結8を含む連動用の系統を、正規後輪ブレーキ系統に対応する分岐系統と称し、この系統で構成する連動式系統を分岐系統連動式後輪ブレーキ系統B1[図2]とする。また、相手車の合流具5に接続するブレーキワイヤ7の他端の後輪ブレーキレバー2bが、前部フレーム連結装置10を経由して、本体車の後輪ブレーキレバー3aに重ね装着される系統を分離系統と称し、この系統で構成する連動式系統を分離系統連動式後輪ブレーキ系統[図3]B3−1とする。
【0012】
即ち、連動式後輪ブレーキ系統は、本体車と相手車の装備する、兼用後輪ブレーキレバー2a、分岐具4、可緩合流具5、ブレーキ部6をブレーキワイヤ7が一連に繋ぐ正規後輪ブレーキ系統1a相互を、中間連結8を含むブレーキワイヤ7である分岐系統を介する本体車の前記分岐具4と相手車の前記可緩合流具5との間の連結により、繋いでなる分岐系統連動式後輪ブレーキ系統B1[図2]、および両車の左側正規後輪ブレーキレバー3aに着脱自在に近接して装着される専用後輪ブレーキレバー2bとこのレバーに接続するブレーキワイヤ7とでなる分離系統が、正規後輪ブレーキレバー3a、可緩合流具5、ブレーキ部6をブレーキワイヤ7により一連に繋がれる両車装備の正規後輪ブレーキ系統の前記可緩合流具5に、互いに接合してなる分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−1[図3]との二である。これらは、いずれも片手で操作するものである。
【0013】
また、前記中間連結8[図5]は、前記分岐系統を着脱自在に連結または断絶する手段であり、分岐系統の合流する合流具近傍に組み込まれるものであり、ブレーキレバー側のインナワイヤ7bおよび可緩合流具側のインナワイヤ7b両方の先端に接合された互いに逆ねじ切りした連結キャップ8bが、一定長さの円筒内面に正逆のねじ切りした連結スリーブ8aの両端部にほぼ同時にねじ接合されることになる。なお、この連結スリーブは、その正逆ねじ切り長さが両連結キャップのねじ切り長さ以上であり、ねじ締め加減により両インナワイヤの連結長さの調整が可能である。これゆえ、正規系統への中間連結の組込みもよい。
【0014】
上記の連動式後輪ブレーキ系統をツイン両自転車に装着する方法は、以下に記すごとくであり、分岐系統連動式後輪ブレーキ系統B1が、本体車の分岐具4から分岐し、前部フレーム連結装置10を経由して相手車の下フレーム9に至る分岐系統のブレーキワイヤ7を、そのワイヤ端近傍に取り付けたワイヤ受けブラケットにより前記直線状下フレーム9の上端部近傍に着脱自在に固定するとともに、ブレーキワイヤのアウタから延伸するインナワイヤ端の連結キャップ8bと、可緩合流具に接続するインナワイヤ端の連結キャップ8bとを前記連結スリーブ8aを介して前記[図5]のごとく連結して、なるのである。なお、インナワイヤは、貫通するねじ切りパイプである連結キャップの一端がかしめられ、かつ接着剤により、連結キャップと接合されている。
【0015】
また他方、分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−1が、分離系統の専用後輪ブレーキレバー2bが本体車の正規左側後輪ブレーキレバー3aに、後記のごとく着脱自在にずらし装着され、このレバーからのブレーキワイヤ7が、前部フレーム連結装置10および相手車の下フレーム9を経由して可緩合流具5に接合して、なるのである。単車の状態で見れば、専用ブレーキレバーと長いワイヤが、ツイン化部品として予め合流具に接合していることである。
そして、前記のずらし装着は、専用後輪ブレーキレバー2bを、ハンドルバー外周に取付けレバーバンドにより装着されている厚さ1cm強の前記正規ブレーキレバー3aに、この正規取付けレバーバンドに近接配置した専用後輪ブレーキレバーの取付けレバーバンドを介しねじとナットで固定し、相互に最大限近接して、なる。二のレバー体の左手四指による略同時操作が可能である。また、ブレーキレバー相互を重ねてもよい。
なお、以下の各様の系統の説明においても、系統B1、B3−1の構成部品と同じ部品は同一符号とすることを原則とする。
【0016】
二の連動式後輪ブレーキ系統B1、B3−1は、左片手による一又は二のブレーキレバーの同時操作であるが、さらに、一人の左右両手の操作による両手操作連動式後輪ブレーキ系統もよい。このため、分岐系統連動ブレーキ系統B1では、本体車の右側の正規前輪ブレーキレバー3b近傍に装着する相手車後輪用の専用ブレーキレバー2bと、これに接続したブレーキワイヤ7とからなる新規の分離系統を、既設分岐系統の中間連結8を切り不作動化して、この中間連結に切替え連結して、両手操作新規分離系統連動式ブレーキ系統B2[図6]とする。この場合、本体車前輪ブレーキレバー3bと相手車後輪用ブレーキレバー2bを個別操作可能に角度ずれ装着する。
【0017】
即ち、
【0015】記載の二のブレーキレバーずらし装着と同様に行うが、これら二のブレーキレバー相互は、装着したハンドルバーの断面円の中心に対して一定角度ずらしてあり、各レバー体を人差し指、中指および薬指、小指による個別操作が可能である。なお、緊急停止の場合、全指同時の強力操作を行う。
他方、分離系統ブレーキ系統B3−1では、両車において左側の既設専用連動ブレーキレバー2bを、前記同様に右側の前輪ブレーキレバー3b近傍に移設して、両手操作分離系統連動式ブレーキ系統B4−1[図7]とする。
【0018】
なお、前記分離系統連動式ブレーキ系統において、分岐系統の中間連結と同様の位置に、中間連結を組み入れて中間連結分離系統としてもよく、この場合ツイン化に際し、分離系統連動式ブレーキ系統B3−1を、連結キャップからブレーキレバーまでのブレーキワイヤを新規な分離連動式系統として、前記中間連結に連結し、中間連結分離系統連動式ブレーキ系統B3−3[図略]とする。
また、
【0017】記載の両手操作の分離系統連動式後輪ブレーキ系統B4−1も、中間連結を組み入れて両手操作中間連結分離系統の連動式ブレーキ系統B4−2[図略]としてもよい。
【0019】
【0011】に記載の分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−1および、
【0018】に記載の中間連結分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−3は、ずらし装着の後輪ブレーキレバーの同時片手操作であるが、個別操作の連動後輪ブレー
キ系統としてもよい。即ち、連動用後輪ブレーキレバーを
【0017】記載と同様、右側に移動し角度ずれ装着し、個別操作可能の個別操作分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−2[図略]、個別操作中間連結分離連動後輪ブレーキ系統B3−4[図略]としてよい。
【0020】
また、連動式、分離連動式の後輪ブレーキツイン自転車の本体車のみまたは双方のに、連動式の変速装置系統、特にハブギヤシフト系統を併備してもよい。
この場合、単車のシフトレバーとシフト部をシフトワイヤが繋ぐ、正規シフト系統を、正規後輪ブレーキ系統と同様に必要部品を組み込むことになり、兼用シフトレバー22a、分岐具24、可緩合流具25、シフト部26をシフトワイヤ27が繋ぐ両車の正規シフト系統20aを、前記本体車の分岐具24と相手車の可緩合流具25を繋ぐ、中間連結28を含むシフトワイヤ27である分岐系統を介して、繋いでなる分岐系統連動式シフト系統S1[図8]と、又は本体車の右側前輪ブレーキレバー3b近傍に着脱自在に装着されるシフトレバー22bとこのレバーからのシフトワイヤ27とでなる分離系統が、正規シフトレバー23a、可緩合流具25、シフト部26を繋ぐシフトワイヤ27でなる正規シフト系統20bを装備した相手車の前記可緩合流具25に接合してなる分離系統連動式シフト系統S3−1[図9]との二がある。
【0021】
なお、前記分岐系統連動式シフト系統S1を、前記両手操作分岐系統連動ブレーキ系統B2と同様に、本体車の右側の前輪ブレーキレバー3b近傍に装着する相手車後輪用のシフトレバー22bと、これに接続したシフトワイヤ27とからなる新規の分離系統を、既設分岐系統の中間連結28を切り不作動化して、この中間連結に切替え連結して、なる両手操作新規分離系統連動シフト系統S2[図10]としてもよい。なお、本体車のみ併備の場合、相手車の正規シフト系統は、そのレバー体を固定し不作動とする。
【0022】
以上の連動式シフト系統S1、S2は、可緩合流具を必須とするが、シフトレバー23とシフト部26をシフトワイヤ27で繋ぐ単車の正規シフト系統そのままで、相手車の正規シフトレバー23aを本体車の右側の前輪ブレーキレバー近傍に着脱自在に車間移設してなる車間移設分離連動式シフト系統S4−1[図11]がある。この場合、移設シフトレバーに接続するシフトワイヤは、相手車の前輪ブレーキレバーへの車間移設に十分な長さとするためループ状の余裕部を作っておく必要があり、また、相手車のシフト系統は不作動となる。
【0023】
さらに、同様に、
【0020】記載の分離系統連動式シフト系統S3−1も中間連結分離系統連動式シフト系統S3−2[図略]としてもよく、また、シフトレバー23、中間連結28とシフト部26をシフトワイヤ27で繋ぐ単車の正規シフト系統で、本体車の右側の前輪ブレーキレバー近傍に着脱自在に装着する新規のシフトレバー22bからのシフトワイヤ27を相手車の中間連結28に切り替え連結してなる中間連結正規連動式シフト系統S4−2[図12]もよい。
なお、連動式シフト系統は、S1を除き、
【0026】に後記するように差動装置と類似の差動機能を発現し、また、連動式ブレーキ系統も、B1、B3−1、B3−3を除き、同様に差動機能を発現する。
【0024】
上記のように、ブレーキ系統の連動式と分離連動式は八方式あり、連動式ブレーキ系統のみ装備する八方式の単備ツイン自転車、およびこれら連動式ブレーキ系統八方式と連動式シフト系統六方式との四十八組合せの一を装備する四十八方式の併備ツイン自転車がある。B1ブレーキ系統単備の模式図と組合せの一部、B1×S1、B3−2×S4−1を例示する[図13]。この場合、連動式シフト系統は本体車のみの併備、系統の不作動化した部分と前ブレーキ系統を除いた模式図である。
【0025】
なお、ブレーキ系統のB2、B4−1、B4−2とシフト系統のS2、S3−1、S3−2、S4−1、S4−2との十五の組合せの場合、左側本体車の右側ハンドルには、正規前輪ブレーキレバー、連動後輪ブレーキレバーおよび連動シフトレバーが装着される。系統の組合せB4−1×S3−1、B2×S2の模式図[図13]を例示する。この場合、右側ハンドルにおける本体車の前輪ブレーキと相手車の連動後輪ブレーキの右手による誤操作を避けるため、減速機能上従である前輪ブレーキレバー3bを右側相手車の前輪ブレーキレバー近傍に、
【0022】記載と同様のシフトレバーの車間移設と、
【0017】記載と同様の片車毎の個別操作を可能とする着脱自在角度ずれ装着するのもよい。なお、移設前輪ブレーキレバーに接続するブレーキワイヤは、相手車の前輪ブレーキレバーへの車間移設に十分な長さを、前記のシフトワイヤと同様に確保しておく。
なお、B2とシフト系統五との組合せおよびB2単備の場合、本体車と相手車のハンドル右側の連動ブレーキレバー夫々の一方または両方の、ハンドル左側への移設[図略]による正規後輪ブレーキレバーと角度ずれ装着もよく、左手で個別操作即ち差動操作が可能となる。この五の組合せと前記四十八組合せの五十三方式の併備ツイン自転車があり、単備ツイン自転車は九方式となる。
【0026】
また、連動式ブレーキ系統B1、B3−1、B3−3のおよびB1、B3−1、B3−3と分岐連動式シフト系統S1の併備のツイン自転車は、左右車の速度を後輪ブレーキレバー又は/およびシフトレバーの操作による個別の制御が不可能である。ただし、非連動の前輪ブレーキにより可能ではある。そして、前記以外のツイン自転車は、原則として、本体車の乗員が、自動車の場合の運転手の役割を果たすことになり、カーブ走行において、運転手が、カーブする側の自転車のブレーキ減速を図り、または内側車の、ブレーキ減速、シフト装置のギヤ比を下げ、小さくしての減速、外側車のギヤ比上げ操作と外側車の乗員のペダル踏み込み加速、の一または組み合わせによる、差動装置と類似の機能を発現させ、ハンドル操作のみの場合よりカーブ走行性を向上させる。なお、緊急停車時、運転手が責任をもって両車の後輪ブレーキを操作し、相手車の乗員も連動式後輪ブレーキを操作でき、両前輪ブレーキも適宜減速操作される。
【0027】
なお、両自転車の後輪ブレーキ系統が中間連結を有する場合、同時作動化具により両自転車のどちらの後輪ブレーキレバーの片手操作によっても両ブレーキが連動作動する同時作動化連結系統とするのもよい。この連結系統は、同時作動化具と、これに繋がるブレーキインナワイヤーを介して左右車の二ブレーキレバーと、および前記同時作動化具に繋がるワイヤーと、このワイヤー一定長さから先が分岐し、両自転車の正規後輪ブレーキ系統に中間連結で切り替え連結するそれぞれの分岐ワイヤーとから、なる。
【0028】
そして、前記同時作動化具は、前記二ブレーキレバーを繋ぐブレーキワイヤのインナワイヤーが、直方箱体上部側面から他側面に連通しており、このインナワイヤーは、左右内面近傍で表裏面に接合する二の丸棒の間を下方向にU字状に下面近傍まで曲り、このU字底曲部において前記同時作動ブレーキインナワイヤーが、動滑車を介して連携して、なり、フレームのヘッドチューブに装着される。分岐インナワイヤーそれぞれは、中間連結に至るまでに、分岐点近くから下フレームの上部までの曲り部の両端で固定されたアウタを経由する、即ちブレーキワイヤとして存在する。なお、ブレーキの戻りを促進するため、前記同時作動ブレーキインナワイヤーに、ばね受けを接合し、これと同時作動化具の下面との間のインナワイヤーにばねを貫通装着してもよい。
【0029】
以上の構成になる同時作動化連結系統において、一方のブレーキレバーの操作でも、U字底曲部の動滑車に連結する同時作動ブレーキインナワイヤーが上方へ引かれ、このワイヤーから分岐する前記各分岐ワイヤーが、左右車の後輪ブレーキを同時に作動させる。なお、両車の正規後輪ブレーキ系統は、中間連結切替えのゆえ不作動となる。また、同時作動化連結系統をシフト系統に適用してもよい。ただし、同後輪ブレーキ系統との併備には、前記同様、各レバーの個別操作可能な角度ずれ装着とする。
【0030】
また、分岐連動式の後輪ブレーキ系統のレバーを、ブレーキレバー一個による連動ブレーキ操作を可能にするダブルワイヤ型レバーにして、分岐具を省いてもよい。このダブルワイヤ型の一例は、現行のブレーキレバーを拡幅し、本体用と連動用のブレーキワイヤから延伸するインナワイヤ先端のニップルを、レバー体の左右のニップル孔に、嵌め込み、インナワイヤをレバー体およびブラケットの下端の溝夫々に平行に通し、前記二本のブレーキワイヤを前記ブラケット溝をかしめて接合しておき、取付けバンドを介してハンドルバーに接合するものである。
シフトレバーも略同様に、インナワイヤ付きニップルの嵌込み孔を並列二個にし、シフトワイヤ二本のインナワイヤを接合するダブルワイヤ型もよい。
【0031】
また、前記連動式の後輪ブレーキ系統は可緩合流具を必須とするが、この合流具をチェーンステーに設置してもよく、さらにこの合流具に替えてブレーキブラケット近傍で、二本のブレーキワイヤのインナワイヤを金属板で平行に包みかしめるかしめ接合合流部としてもよい。この場合も、一方のインナワイヤの作動で他方が引かれるが、ブレーキワイヤのアウタを固定するアウタ受けを大ギヤ側に設置し、かしめ合流部との間隔を大きくし、ブレーキ作動で引かれるワイヤに引かれるインナワイヤの弛緩曲りが小さいゆえ、かしめ接合部のインナワイヤに損傷を発生しない。分岐系統の場合は、中間連結をアウタ受けとかしめ接合部の間に組み込めばよい。なお、かしめ接合合流部を前記連動式のブレーキ系統とシフト系統の下フレーム部にある可緩合流具と置換も可能である。
【0032】
また、分岐系統、分離系統の連動用インナワイヤを正規ブレーキ系統のブレーキクランクに併接合するのもよい。この場合、これらインナワイヤの先端夫々に接合した、可緩合流具の二の従長リングの一を除去してなる可緩連結端の各主長リングそれぞれを、ブレーキクランクの両側に一のねじと二のナットで接合する。可緩合流具と同様、片作動において可緩作用が発現する。
なお、チェーンステーに接合しているブレーキブラケットは、二本のブレーキワイヤが接合する必要があり、既設のワイヤー本用のブレーキブラケットと、これと略対称形のブラケットとを背中合わせにねじナット接合され、二本のワイヤブレーキのアウタを固定するダブルブラケットであり、そしてブレーキクランクの前記接合用ねじは略1cm長いものが使用さる。 またブレーキワイヤ曲り部分が長くなるとアウタとインナワイヤの摩擦が増大し、ブレーキレバーの戻りが重くなるので、後輪ブレーキ部のブレーキクランク戻しばねを強いものに替える。
【0033】
なお、中間連結組入れ分離系統分離連動式ブレーキ系統と中間連結を有する分岐系統連動式ブレーキ系統とを装備する異種ブレーキ系統相互連結ツイン自転車も成立し、これには連動式と分離連動式のシフト系統を併備出来る。
また、連動用ブレーキ系統は、バンドブレーキに限定されず、他形式ブレーキのリムブレーキ等にも適用してよく、連動用シフト系統は多段フリーホイールディレーラ系統もよい。また、連動用シフト系統の操作レバーを回転グリップ式を分岐連動式と分離連動式の後輪ブレーキ系統に適用し、片手の一グリップ、二レバー操作方式もよい。
【0034】
また、電動アシスト自転車のツイン自転車にも前記連動式後輪ブレーキを装備してもよく、この場合、左右の電動モータ発停スイッチに並列のスイッチを相手車のハンドルに着脱自在に配設する。また、前記各種ブレーキ系統とシフト系統を、非着脱自在連結型の四輪自転車に適用することも、勿論よい。
また、スリーブ中間連結部等に柔軟保護カバーを付するのもよい。
【0035】
また、連動式の後輪ブレーキ系統、シフト系統の装着には、現行単車の後輪ブレーキ系統、シフト系統になされる必要諸処置がなされるものとする。
また、自転車本体および諸部品の現形状、製作方法に倣うことを前提にし、諸接合・装着各部品の材質、形状、方法は、記載省略の場合もあり、例えば、下フレームや前フレーム連結装置に付けたブレーキワイヤの拘束具であり、また自転車等の現形状を変更する場合は、上記のものに限定されず、多少の改変したもの、例えば、装着位置がハンドルグリップより離れる場合、長レバーベル、の使用があり、諸部品の接合・装着の左右車、左右側の転換をしてもよく、さらに表記した数値も概略値である。また、ツイン化を目的とする単車は、予め必要部品等の装着、改造の必要があることは、上記から明白である。
なお、本発明のブレーキおよびシフト系統装備のツイン自転車の図は、添付図面を参照することで把握可能ゆえ、省略した。
【0036】
【発明の効果】
連動式後輪ブレーキ装備の、および連動式シフト系統併備のツイン自転車は、その走行が正確、安全、快適であり、高齢者の利用を促進し、新しい自転車文化を創造する。また、ツイン自転車は、単車に分離また復元することも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレーキとシフトの系統装備以前のツイン自転車の概要斜視図
【図2】分岐系統連動式後輪ブレーキ系統B1の概略図
【図3】分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−1の概略図
【図4】可緩合流具の斜視図
【図5】中間連結の斜視図
【図6】両手操作新規分離系統連動式後輪ブレーキ系統B2の概略図
【図7】両手操作分離系統連動式後輪ブレーキ系統B4−1の概略図
【図8】分岐系統連動式シフト系統S1の概略図
【図9】分離系統連動式シフト系統S3−1の概略図
【図10】両手操作新規分離系統連動式シフト系統S2の概略図
【図11】車間移設分離系統連動式シフト系統S4−1の概略図
【図12】中間連結正規連動式シフト系統S4−2の概略図
【図13】連動式後輪ブレーキ系統B1単備およびブレーキ系統とシフト系統併備四例の模式図。a)はB1、b)はB1×S1、c)はB3−2×S4−1、d)はB4−1×S3−1、e)はB2×S2である。
【符号の説明】
1 ブレーキとシフトの系統装備以前のツイン自転車
2a 兼用ブレーキレバー、 2b 専用ブレーキレバー
3a 正規後輪ブレーキレバー 3b 正規前輪ブレーキレバー
4 分岐具 5 可緩合流具
6 ブレーキ部 7 ブレーキワイヤー
7a アウタ 7b インナワイヤー
8 中間連結 8a 連結スリーブ
8b 連結キャップ 9 下フレーム
10 前部フレーム連結装置 22a兼用シフトレバー
22b専用シフトレバー 23a正規シフトレバー
24 分岐具 25 可緩合流具
26 シフト部 27 シフトワイヤー
28 中間連結
Claims (9)
- 本体車と相手車の装備する、後輪ブレーキレバー、分岐具、可緩合流具、ブレーキ部をブレーキワイヤが一連に繋ぐ正規後輪ブレーキ系統相互を、中間連結を含むブレーキワイヤである分岐系統を介して本体車の前記分岐具と相手車の前記可緩合流具との間を連結することにより、繋いでなる分岐系統連動式後輪ブレーキ系統B1を装備する、又は本体車の後輪ブレーキレバーに着脱自在に近接装着される専用後輪ブレーキレバーと該レバーからのブレーキワイヤとでなる分離系統が、後輪ブレーキレバー、可緩合流具、ブレーキ部をブレーキワイヤが一連に繋ぐ両車装備の正規後輪ブレーキ系統の前記可緩合流具に互いに接合してなる分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−1を、装備することを特徴とするツイン自転車。
- 請求項1記載のツイン自転車の本体車の正規ブレーキ系統の分岐具に接合する分岐系統をその中間連結で外し、これに替えて新規の分離系統を前記中間連結に連結し、該系統の他端のブレーキレバーを本体車の前輪ブレーキレバー近傍に着脱自在に装着してなる新規分離系統両手操作連動ブレーキ系統B2、又は請求項1記載の専用後輪ブレーキレバーを本体車の前輪ブレーキレバーに着脱自在に移設装着してなるB4−1両手操作分離連動ブレーキ系統を、双方の自転車に装備することを特徴とするツイン自転車。
- 請求項1記載の分離系統連動式後輪ブレーキ系統の分離系統に中間連結を組み入れてなる中間連結分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−3、または請求項2記載の両手操作分離連動ブレーキ系統の分離系統に中間連結を組み入れてなる両手操作中間連結分離連動ブレーキ系統B4−2を、双方の自転車に装備することを特徴とするツイン自転車。
- 請求項1記載の分離系統連動式後輪ブレーキ系統の専用後輪ブレーキレバーを本体車の後輪ブレーキレバーに着脱自在に一定形状の個別操作用スペーサとともに装着する個別操作分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−2、または請求項3記載の両手操作中間連結分離連動ブレーキ系統の専用後輪ブレーキレバーを本体車の後輪ブレーキレバー近傍に着脱自在に装着する個別操作中間連結分離連動後輪ブレーキ系統B3−4を、双方の自転車に装備することを特徴とするツイン自転車。
- 請求項1に記載のツイン自転車の連動式後輪ブレーキ系統のブレーキレバーをシフトレバーに、後輪ブレーキ部をシフト部に置換してなる分岐系統連動式シフト系統S1を、請求項1から請求項4に記載の八の連動式後輪ブレーキ系統を装備した自転車の一方または双方に、併備することを特徴とするツイン自転車。
- 請求項2記載の分離連動ブレーキ系統B4−1のブレーキレバーをシフトレバーに、後輪ブレーキ部をシフト部に置換した分離系統連動シフト系統S3−1を、又は相手車の正規シフト系統のシフトレバーを本体車の前輪ブレーキレバーに着脱自在に車間移設装着する分離連動式シフト系統S4−1を、請求項1記載の二、請求項3の中間連結分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−3および請求項4記載の二、合計五の連動式後輪ブレーキ系統夫々を装備した自転車の一方または双方に、併備することを特徴とするツイン自転車。
- 請求項5記載のツイン自転車の本体車の正規シフト系統の分岐具に接合する分岐系統をその中間連結で外し、これに替えて新規の分離系統を前記中間連結に連結し、該系統の他端のシフトレバーを本体車の前輪ブレーキレバー近傍に着脱自在に装着してなる両手操作新規分離系統連動シフト系統S2を、請求項1記載の二、請求項3の中間連結分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−3および請求項4記載の二、合計五の連動式後輪ブレーキ系統夫々B5を装備した自転車の一方または双方に、併備することを特徴とするツイン自転車。
- 請求項6記載の分離系統連動シフト系統S3−1の分離系統に中間連結を組み込む中間連結分離系統連動シフト系統S3−2、又は相手車の正規シフト系統に中間連結を組み込む中間連結正規連動シフト系統S4−2を、請求項1記載の二、請求項3の中間連結分離系統連動式後輪ブレーキ系統B3−3および請求項4記載の二、合計五の連動式後輪ブレーキ系統夫々を装備した自転車の一方または双方に、併備することを特徴とするツイン自転車。
- 請求項2記載の新規分離系統両手操作連動ブレーキ系統B2、両手操作分離連動ブレーキ系統B4−1または請求項3記載の両手操作中間連結分離連動ブレーキ系統B4−2の一を双車に装備し、請求項6記載の分離系統連動式シフト系統S3−1、車間移設分離連動式シフト系統S4−1、請求項7記載の分離系統連動式シフト系統S3−1、請求項8記載の中間連結分離系統連動シフト系統S3−2または中間連結正規連動式シフト系統S4−2の一を本体車のみ、または双方に併備し、かつ本体車の前ブレーキレバーを相手車の前ブレーキレバーに一定形状の個別操作用スペーサとともに着脱自在に装着してなることを特徴とするツイン自転車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002378362A JP2004175327A (ja) | 2002-11-22 | 2002-11-22 | 連動式後輪ブレーキツイン自転車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002378362A JP2004175327A (ja) | 2002-11-22 | 2002-11-22 | 連動式後輪ブレーキツイン自転車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004175327A true JP2004175327A (ja) | 2004-06-24 |
Family
ID=32708308
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002378362A Pending JP2004175327A (ja) | 2002-11-22 | 2002-11-22 | 連動式後輪ブレーキツイン自転車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004175327A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008133401A1 (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-06 | Min-Sik Park | 互いに連結可能な自転車 |
JP2015023907A (ja) * | 2013-07-24 | 2015-02-05 | 紫朗 高梨 | 車椅子連結具 |
JP2015209177A (ja) * | 2014-04-30 | 2015-11-24 | ▲福衛▼ 澤田 | 人動車 |
KR101648300B1 (ko) * | 2015-04-09 | 2016-08-16 | 한양대학교 에리카산학협력단 | 다인승 자전거용 무선 브레이크 시스템 |
JPWO2015034201A1 (ja) * | 2013-09-03 | 2017-03-02 | 株式会社ビックバディー | 互いに連結可能な自転車 |
-
2002
- 2002-11-22 JP JP2002378362A patent/JP2004175327A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008133401A1 (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-06 | Min-Sik Park | 互いに連結可能な自転車 |
JP5021726B2 (ja) * | 2007-04-27 | 2012-09-12 | ミンシク パク | 互いに連結可能な自転車 |
US8550482B2 (en) | 2007-04-27 | 2013-10-08 | Min-Sik Park | Bicycles that can be connected to each other |
JP2015023907A (ja) * | 2013-07-24 | 2015-02-05 | 紫朗 高梨 | 車椅子連結具 |
JPWO2015034201A1 (ja) * | 2013-09-03 | 2017-03-02 | 株式会社ビックバディー | 互いに連結可能な自転車 |
JP2015209177A (ja) * | 2014-04-30 | 2015-11-24 | ▲福衛▼ 澤田 | 人動車 |
KR101648300B1 (ko) * | 2015-04-09 | 2016-08-16 | 한양대학교 에리카산학협력단 | 다인승 자전거용 무선 브레이크 시스템 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101219698B (zh) | 自行车用制动及变速操作装置 | |
TWI460092B (zh) | Bicycle electrical system | |
TWI464088B (zh) | 自行車制動及換檔操作裝置 | |
US11493008B2 (en) | Straddle-type vehicle | |
CN101624083A (zh) | 机动二轮车的车身罩结构 | |
US6725978B2 (en) | Cable joining system for cycles | |
EP1868877A1 (en) | Vehicle axle mounting | |
CN103085911A (zh) | 把座开关 | |
JP2004175327A (ja) | 連動式後輪ブレーキツイン自転車 | |
US11407473B2 (en) | Operating device and assist driving system for human-powered vehicle | |
EP3366564B1 (en) | Straddled vehicle | |
CN110316304B (zh) | 操作装置及操作系统 | |
US11407474B2 (en) | Operating device for human-powered vehicle | |
AU783949B2 (en) | Contact support for cycle safety device | |
EP2868542B1 (en) | Saddle-ride type vehicle | |
EP3480094B1 (en) | Saddle-riding type vehicle | |
US11787506B2 (en) | Derailleur for human-powered vehicle | |
JP4140196B2 (ja) | 自動二輪車のフロントフェンダ構造 | |
EP2436556B1 (en) | Wiring structure of combination rear light | |
US11999440B2 (en) | Drive train and sprocket arrangement for human-powered vehicle | |
EP1612129B1 (en) | Headlight for astride riding type vehicles | |
US11964729B2 (en) | Operated component and communication system for human-powered vehicle | |
CN217945288U (zh) | 车辆的制动系统和车辆 | |
JPH0729034Y2 (ja) | ブレーキワイヤ連結装置 | |
CN2565739Y (zh) | 一种脚踏小三轮车的手把式制动机构 |