JP2004174978A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、被記録材の外側に打ち捨てられた顔料インクをプラテンの吸収材に充分に染み込ませることが可能なインクジェット式記録装置を提供すること。
【解決手段】同色の顔料インクを吐出するノズル(21,22,23)が主走査方向に延在するガイド軸12と同方向に配列され、かつ、ガイド軸12に沿って往復移動しながら被記録材に向けて顔料インク19を吐出する記録ヘッド13と、記録ヘッド13と対向して配置され、縁無印刷時に被記録材の外側に打ち捨てられた顔料インクを吸収する吸収材30を備えたプラテン15と、を有するインクジェット式記録装置であって、吸収材30に、顔料インクの色種に対応したインク浸透溶剤を選択的に含浸させたことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット式記録装置に係り、より詳しくは、記録ヘッドから顔料インクを被記録材に向けて吐出することによって縁無印刷を実行可能なインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のインクジェット式記録装置においては、被記録材としての記録用紙における縁を余白無く印刷する、いわゆる「縁無印刷」を実行可能に構成されたものがある(例えば、特許文献1)。このようなインクジェット式記録装置において縁無印刷を実行する場合には、キャリッジに搭載された記録ヘッドを記録用紙の範囲より外側の位置まで移動させつつインクを吐出するように設定されている。
【0003】
具体的には、記録用紙が紙送り手段によって副走査方向(紙送り方向)に搬送され、該記録用紙の前縁が記録ヘッドの下方に位置したとき、記録ヘッドが主走査方向(副走査方向と直交する方向。すなわち、記録用紙幅方向。)に往復移動しつつインクを吐出させて記録用紙への印刷を開始する。このとき、記録用紙の前縁を余白無く印刷するために、記録用紙の前縁の外側にもインクが打ち捨てられる。
【0004】
また、記録用紙が副走査方向に搬送されることによって、該記録用紙の前記前縁に続く中央部が記録ヘッドの下方に位置したとき、記録用紙の側縁を余白無く印刷するために、記録用紙の側縁の外側にもインクが打ち捨てられる。
【0005】
さらに記録用紙が副走査方向に搬送されることによって、該記録用紙の後縁が記録ヘッドの下方に位置したとき、記録用紙の後縁を余白無く印刷するために、記録用紙の後縁の外側にもインクが打ち捨てられる。
【0006】
記録用紙の外側に打ち捨てられたインクは、プラテンに設けられた吸収材に染みこまれるように構成されている。しかし、着色剤として顔料成分を含有する顔料インクを使用した場合には、顔料インクに含まれる溶媒が蒸発して顔料成分が析出し、縁無印刷を繰り返すことによって顔料成分がプラテンの吸収材の上に山状に堆積することがある。
【0007】
特に前記記録ヘッドの構成が、同色の顔料インクを吐出するノズルを主走査方向に配列したものであると、同色の顔料インクは吸収材の同じ部分に打ち捨てられるため、色種ごとに顔料成分の析出程度が異なる場合がある。
【0008】
ところで、インクの堆積を防止する手段として、記録ヘッドのノズルを清浄にするサービスステーション(非印刷領域)で使用する痰壺手段において、吸収材を液体で濡らす方法が開示されている(例えば、特許文献2)。しかしこの文献には、縁無印刷時における印刷領域についての記載が無く、また、インクの色種による対応についても記載がされていない。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−351205号公報
【特許文献2】
特開平7−309019号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、顔料成分がプラテンの吸収材上に山状に堆積することによって後発の記録用紙と接触し、この記録用紙を汚損させるという問題があった。
本発明は上記従来技術に鑑みなされたものであって、その課題は、被記録材の外側に打ち捨てられた顔料インクをプラテンの吸収材に充分に染み込ませることが可能なインクジェット式記録装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、同色の顔料インクを吐出するノズルが主走査方向に延在するガイド軸と同方向に配列され、かつ、前記ガイド軸に沿って往復移動しながら被記録材に向けて顔料インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドと対向して配置され、縁無印刷時に被記録材の外側に打ち捨てられた顔料インクを吸収する吸収材を備えたプラテンと、を有するインクジェット式記録装置であって、前記吸収材に、顔料インクの色種に対応したインク浸透溶剤を選択的に含浸させたことを特徴とする。
【0012】
この特徴によれば、被記録材の外側に打ち捨てられた顔料インクを吸収する吸収材に、顔料インクの色種(例えば、ブラック色、シアン色、マゼンダ色、イエロー色など)ごとに異なる顔料成分の析出程度に対応した、顔料インクと相性のよいインク浸透溶剤を選択的に含浸させることができる。これにより、吸収材に着地した顔料インクを効率よく吸収材に浸透させて顔料成分の析出を防止することができる。
【0013】
すなわち、同色の顔料インクを吐出するノズルがガイド軸と同方向に配列された記録ヘッドにおいては、この記録ヘッドがガイド軸に沿って往復移動してもノズルとプラテンとの相対位置が変化しないため、縁無印刷実行時には吸収材の同じ部分には同じ色の顔料インクが打ち捨てられる。従って、吸収材のその部分に、着地する顔料インクと相性のよいインク浸透溶剤を選択して含浸させることによって、顔料インクを効率よく吸収材に染み込ませることができる。よって、顔料インクに含有する顔料成分が析出して堆積することがなく、後に続く被記録材が堆積した顔料成分と接触することによる汚損の発生を確実に防止できる。
【0014】
なお、ここで「選択的」とは、インク浸透溶剤を顔料インクの色種ごとにインク浸透性を向上する相性の良いものを選択することはもちろん、インク浸透溶剤を吸収材に含浸させるか否かについて選択することをも含むものである。
【0015】
また、本発明の第2の態様は、前記第1の態様において、前記インク浸透溶剤として、シアン色および/またはブラック色の顔料インクが着地する吸収材部分にはグリセリンを、マゼンダ色および/またはイエロー色の顔料インクが着地する吸収材部分にはポリエチレングリコールを含浸させたことを特徴とする。
【0016】
この特徴によれば、インク浸透溶剤として、シアン色および/またはブラック色の顔料インクが着地する吸収材部分においてはグリセリンを、また、マゼンダ色および/またはイエロー色の顔料インクが着地する吸収材部分においてはポリエチレングリコールを吸収材に含浸させることによって、それぞれの顔料インクとの相性がより高くなり、打ち捨てられた顔料インクをより一層効率的に吸収材に染み込ませることができる。従って、顔料成分の析出・堆積をより一層確実に防止することができる。
【0017】
また、本発明の第3の態様は、前記第1の態様または第2の態様において、前記インク浸透溶剤は、吸収材をインク浸透溶剤に浸す浸積工程の後、含浸量を調整する減量工程を経て、該吸収材に対して所定量が含浸させられることを特徴とする。
【0018】
この特徴によれば、吸収材に対して所定量のインク浸透溶剤を確実に含浸させることができ、もって顔料インクの色種ごとに顔料成分の析出を防止するのに適した含浸量に調整することができる。また、インク浸透溶剤が粘性の高いものであっても吸収材の内部にまで充分に浸透させることができるので、顔料インクを確実に吸収材の内部にまで染み込ませることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施形態について図面に沿って説明する。
ここで、図1は、本実施形態に係るインクジェット式記録装置の要部拡大斜視図であって、(A)は用紙前縁を印刷している状態を示し、(B)は用紙側縁を印刷している状態を示し、(C)は用紙後縁を印刷している状態を示す。図2は、図1(B)に示す状態の要部正面図である。図3は、縁無印刷終了後の状態を示す。図4は、記録ヘッドに係るノズル形成面の一例を示す平面図である。また、図5は、プラテンの一例を示す平面図である。
【0020】
本実施形態に係るインクジェット式記録装置10は、主走査方向(すなわち、用紙11の幅方向である矢印B方向)に延びるガイド軸12に沿って往復移動するキャリッジ14に搭載された記録ヘッド13と、この記録ヘッド13の下方に対向して配置されたプラテン15を有している。
【0021】
本実施形態に係る記録ヘッド13は、図4に示す如く、その移動方向である主走査方向(矢印B方向)に同色の顔料インクを吐出するノズルが配置された構成となっており、このように構成されたノズル部分が複数色分、平行に設けられている。より具体的には図4に示す如く、符合21はシアン色とブラック色を吐出するノズル部分として、符合22はマゼンダ色を吐出するノズル部分として、符合23はイエロー色を吐出するノズル部分として構成されている。
【0022】
プラテン15には吸収材30が設けられており、後述する縁無印刷実行時に、用紙11の外側に打ち捨てられた顔料インク19を吸収できるようになっている。尚、図面を単純化するため、各図において、プラテン15の本体部分は図示を省略され、該プラテン本体に設けられる吸収材30だけが図示されている。吸収材30としては特に限定されないが、例えば、布、綿、スポンジ等の材料を用いることができる。
【0023】
このようなインクジェット式記録装置10において、用紙11の縁を余白無く印刷する縁無印刷を実行する場合には、記録ヘッド13は、顔料インク19を吐出つつ用紙11のサイズより外側の位置まで移動するように設定される。
【0024】
ここで、図1から図3に基づき縁無印刷時の動作について説明する。図示しない紙送り手段によって用紙11を副走査方向(矢印A方向)に搬送することにより、図1(A)に示す如く、その用紙11の前縁11aが記録ヘッド13の下方に位置する。この状態において、記録ヘッド13がガイド軸12に沿って主走査方向(矢印B方向)に往復移動しつつ用紙11に向けて顔料インク19を吐出することにより印刷が開始される。このとき、用紙11の前縁11aを余白無く印刷するために前縁11aの外側にも顔料インク19が吐出され、用紙11に着地しなかった顔料インク19は、プラテン15の吸収材30部分に打ち捨てられる。
【0025】
また、用紙11が副走査方向(矢印A方向)に搬送されることにより、図1(B)および図2に示す如く、用紙11の前縁に続く中央部が記録ヘッド13の下方に位置する。この状態において、用紙11の側縁11bを余白無く印刷するために側端11bの外側にも顔料インク19が吐出され、用紙11に着地しなかった顔料インク19は、プラテン15の吸収材30部分に打ち捨てられる。
【0026】
また、さらに用紙11が副走査方向Aに搬送されることにより、図1(C)に示す如く、用紙11の後縁11cが記録ヘッド13の下方に位置する。この状態において、用紙11の後縁11cを余白無く印刷するために後縁11cの外側にも顔料インク19が吐出され、用紙11に着地しなかった顔料インク19は、プラテン15の吸収材30部分に打ち捨てられる。
【0027】
プラテン15の吸収材30部分に打ち捨てられた顔料インク19は、図2および図3に示すように当該吸収材30に浸透し、吸収されるようになっている。この吸収材30には、打ち捨てられる顔料インクの色種に対応し、インクの浸透性を高める相性の良いインク浸透溶剤が含浸されている。
【0028】
ここで、図4および図5に基づいて本実施形態に係るプラテン15について説明する。プラテン15には吸収材30が備え付けられ、この吸収材30は、3つの吸収材部分(31,32,33)に区分けされている。符合31に係る吸収材部分は、記録ヘッド13においてシアン色とブラック色を吐出するノズル部分21の下方に位置する。従って、縁無印刷時において吸収材部分31にはシアン色とブラック色の顔料インクが打ち捨てられる。また、符合32に係る吸収材部分は、記録ヘッド13においてマゼンダ色を吐出するノズル部分22の下方に位置する。従って、縁無印刷時において吸収材部分32にはマゼンダ色の顔料インクが打ち捨てられる。さらに、符合33に係る吸収材部分は、記録ヘッド13においてイエロー色を吐出するノズル部分23の下方に位置する。従って、縁無印刷時において吸収材33にはイエロー色の顔料インクが打ち捨てられる。
【0029】
それぞれの吸収材部分(31,32,33)に含浸させるインク浸透溶剤としては、揮発性が低く(すなわち、蒸気圧が低く)、化学的に安定であるとともに、安全性の高いものが好ましい。例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。なお、インク浸透溶剤としてはこれらに限られるものではなく、対応する顔料インクと相性の良いものを選択して使用できる。また、顔料インクの色種等によっては、吸収材にインク浸透溶剤を含浸させないこととすることも選択できる。これは、顔料インクとインク浸透溶剤との相性が悪く、吸収剤にインク浸透溶剤を含浸させることにより顔料成分の析出が促進されてしまう場合や、ある一の色種に係る顔料インクがインク浸透溶剤無くとも吸収材に充分に浸透し、他の色種に係る顔料インクがインク浸透溶剤による働きによってもなお、前記ある一の色種に係る顔料インクより吸収材への浸透程度が悪い場合等があるためである。
【0030】
吸収材にインク浸透溶剤を含浸させることにより、インク浸透溶剤の保湿性によって吸収材を濡らした状態として維持することができ、吸収材に着地した顔料インクを吸収材の内部へと誘導し、効率よく染み込ませることができる。従って、顔料インクに含有する顔料成分が吸収材上に析出して堆積することがなく、後に続く用紙が堆積した顔料成分と接触することによる汚損の発生を確実に防止することができる。
【0031】
このインク浸透溶剤は、顔料インクの色種に対応した種類のものを吸収材に含浸させることが好ましい。本実施形態においては、吸収材部分31にはグリセリンを、吸収材部分32および33にはポリエチレングリコール400(ここで、「400」は平均分子量を示す。なお、以下「PEG400」と記すときがある。)を含浸させることができる。グリセリンはシアン色およびブラック色の顔料インクとの相性がよく、また、ポリエチレングリコール400はマゼンダ色およびイエロー色との相性がよいため、上記した顔料インクの色種とインク浸透溶剤との組合せにおいては顔料インクを吸収材により一層効率よく染み込ませることができ、顔料成分の析出・堆積を確実に抑制することができる。なお、顔料インクの色種とインク浸透溶剤との組合せはこれらに限られるものではなく、相互の相性によって適宜設定することが可能である。
【0032】
ここで、インク浸透溶剤を選択する際の根拠の一例について説明する。
ここで図6から図10は、インク浸透溶剤として、グリセリンおよびPEG400を選択し、縁無印刷を実行した印刷枚数に対して顔料成分の堆積高さ(mm)を顔料インク色ごとに表したものであり、堆積高さが1mmに達した際に用紙と接触して汚損を生じさせるものである。図6は吸収材のみである(すなわち、インク浸透溶剤をなんら用いていない)場合を示し、図7は吸収材の容積に対して約20%のグリセリンを含浸させた場合を示し、図8は吸収材の容積に対して約5%のPEG400を含浸させた場合を示し、図9はシアン色及びブラック色部分は吸収材のみであり、マゼンタ色及びイエロー色部分の吸収材の容積に対して約20%のPEG400を含浸させた場合を示し、図10は吸収材の容積に対して約20%のPEG400を含浸させた場合を示す。
【0033】
なお、ここでは顔料インク色として、セイコーエプソン株式会社製の市販のインクのシアン色、ブラック色、マゼンダ色、およびイエロー色を対象とし、シアン色およびブラック色については同一の挙動を示すのでこれらはまとめて示した。図中、丸印はシアン・ブラック色を、四角印はマゼンダ色を、三角印はイエロー色を示す。
【0034】
図6に示すように、インク浸透溶剤を用いていない吸収材のみである場合には、マゼンダ色については印刷枚数300枚程度から顔料成分の堆積が生じ、印刷枚数900枚程度で堆積高さが1mmに達して用紙に汚損を生じさせる。一方、イエロー色およびシアン・ブラック色については印刷枚数500枚程度から堆積が生じ、1000枚となっても汚損を生じさせる程まで堆積は進行していないことが判る。
【0035】
また図7に示すように、インク浸透溶剤としてグリセリンを用いることにより図6と比し顔料成分の堆積程度は全ての色について抑制されており、特にシアン・ブラック色については印刷枚数が1000枚となってもほとんど堆積を生じることがなく、これらの相性が良いことが判る。一方、マゼンダ色およびイエロー色については印刷枚数500枚程度から堆積が生じていることが判る。このことから、グリセリンはここで使用した全ての顔料インク色について堆積抑制効果がみられるものの、特にシアン・ブラック色との相性が高いので顔料インク色がシアン・ブラック色である場合にはグリセリンをインク浸透溶剤として使用することにより、高い堆積抑制効果が得られることが判る。
【0036】
図8から図10に示すように、PEG400を用いることにより、マゼンダ色およびイエロー色については印刷枚数800枚程度までほとんど堆積を生じることがなく、これらの相性が良いことが判る。このことから、顔料インク色がマゼンダ色またはイエロー色である場合にはPEG400をインク浸透溶剤として使用することにより、高い堆積抑制効果が得られることが判る。
【0037】
また、シアン・ブラック色については、図8に示すようにPEG400の使用量が少ない場合には高い堆積抑制効果がみられるが、図10に示すように使用量が多い場合には顔料成分が堆積してしまい、印刷枚数650枚程度で用紙の汚損を発生させる堆積高さ(1mm)となってしまう。これは、インク浸透溶剤を用いない場合(図6)と比べても顔料成分の堆積が促進されていることから、所定の条件ではこれらの相性が悪いことが判る。このことから、顔料インク色がシアン・ブラック色である場合には、インク浸透溶剤を使用しないこと、またはグリセリンをインク浸透溶剤として使用することを選択することが好ましいと判る。
【0038】
次に、図11および図12を用いてグリセリンおよびPEG400の特性について説明する。ここで図11はグリセリンおよびPEG400における吸湿性を説明するためのグラフ図面であり、平均環境(温度27℃、湿度40%)での経時変化に対する重量変化を示したものであり、四角印はグリセリンを、三角印はPEG400を示す。図12はグリセリンおよびPEG400の特性一覧表図である。
【0039】
図11に示すように、グリセリンは、8時間程度まで吸湿による重量の増加がみられるが、その後は吸湿が収まり大きな重量変化が無いことが判る。一方、PEG400は、長期間にわたって吸湿がほとんどないために重量変化もほとんど無いことが判る。また、図12からグリセリンおよびPEG400は毒性がほとんど無く、極めて安全であることが判る。
【0040】
次に、インク浸透溶剤の含浸量としては、顔料インクを吸収材に染み込ませて顔料成分の析出を規制するのに充分な量であり、かつ、吸収材から漏れ出ることがない程度が好ましい。具体的には、例えば吸収材の容積に対して数%〜20%程度に設定することができる。
【0041】
インク浸透溶剤は、吸収材をインク浸透溶剤液中に浸す浸漬工程の後、複数のローラ間を通して所定の圧力を付与すること等により含浸量を調整する減量工程において余分なインク浸透溶剤をしぼり取ることにより所定量を吸収材に含浸させることができる。
【0042】
このようにしてインク浸透溶剤を含浸させた吸収材は、インク浸透溶剤が粘性の高いものであっても吸収材内部にまで充分にインク浸透溶剤が行き届いているため、顔料インクを吸収材の内部にまで確実に染み込ませることができる。また、インク浸透溶剤に浸漬した吸収材に付与する圧力を調整すること等によって、インク浸透溶剤の含浸量を適宜設定することができ、顔料インクの色種ごとに適当な含浸量に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式記録装置における縁無印刷に係る説明図。
【図2】用紙側縁における印刷状態を示す正面図。
【図3】縁無印刷終了後の状態を示す正面図。
【図4】記録ヘッドのノズル形成面の一例を示す平面図。
【図5】プラテンの一例を示す平面図。
【図6】顔料インク色による堆積程度を示すグラフ図面。
【図7】顔料インク色による堆積程度を示すグラフ図面。
【図8】顔料インク色による堆積程度を示すグラフ図面。
【図9】顔料インク色による堆積程度を示すグラフ図面。
【図10】顔料インク色による堆積程度を示すグラフ図面。
【図11】インク浸透溶剤の吸湿性を示すグラフ図面。
【図12】インク浸透溶剤の特性を示す表図面。
【符号の説明】
10 インクジェット式記録装置、11 用紙、11a 用紙前縁、11b 用紙側縁、11c 用紙後縁、12 ガイド軸、13 記録ヘッド、14 キャリッジ、15 プラテン、19 顔料インク、21 シアン色およびブラック色を吐出するノズル部分、22 マゼンダ色を吐出するノズル部分、23 イエロー色を吐出するノズル部分、30 吸収材、31 シアン色およびブラック色の顔料インクが打ち捨てられる吸収材部分、32 マゼンダ色が打ち捨てられる吸収材部分、33 イエロー色が打ち捨てられる吸収材部分

Claims (3)

  1. 同色の顔料インクを吐出するノズルが主走査方向に延在するガイド軸と同方向に配列され、かつ、前記ガイド軸に沿って往復移動しながら被記録材に向けて顔料インクを吐出する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドと対向して配置され、縁無印刷時に被記録材の外側に打ち捨てられた顔料インクを吸収する吸収材を備えたプラテンと、
    を有するインクジェット式記録装置であって、
    前記吸収材に、顔料インクの色種に対応したインク浸透溶剤を選択的に含浸させたことを特徴とする、インクジェット式記録装置。
  2. 請求項1において、前記インク浸透溶剤として、シアン色および/またはブラック色の顔料インクが着地する吸収材部分にはグリセリンを、マゼンダ色および/またはイエロー色の顔料インクが着地する吸収材部分にはポリエチレングリコールを含浸させたことを特徴とする、インクジェット式記録装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記インク浸透溶剤は、吸収材をインク浸透溶剤に浸す浸漬工程の後、含浸量を調整する減量工程を経て、該吸収材に対して所定量が含浸させられることを特徴とする、インクジェット式記録装置。
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