JP2004174779A - 静電型アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びその製造方法、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、マイクロポンプ、光学デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクチュエータ基板11は、振動板22と、振動板22に空隙23を介して対向する電極24とを有し、空隙23は犠牲層エッチングで形成されて、犠牲層を除去するための犠牲層除去孔41を振動板22を構成する樹脂膜38の一部38aで、樹脂膜38の一部38aが空隙23に入り込むことなく封止している。
【選択図】 図4
Description
【産業上の利用分野】
本発明は静電型アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びその製造方法、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、マイクロポンプ、光学デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平6−71882号公報
【特許文献2】特開2001−18383号公報
【特許文献3】再公表特許WO99/34979
【0003】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置或いは画像形成装置として用いるインクジェット記録装置において使用する液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドは、インク滴を吐出する単一又は複数のノズル孔と、このノズル孔が連通する吐出室(加圧室、インク室、液室、加圧液室、圧力室、インク流路等とも称される。)と、吐出室内のインクを加圧する圧力を発生する圧力発生手段とを備えて、圧力発生手段で発生した圧力で吐出室内インクを加圧することによってノズル孔からインク滴を吐出させる。
【0004】
なお、液滴吐出ヘッドとしては、例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドなどもあるが、以下ではインクジェットヘッドを中心に説明する。また、液滴吐出ヘッドのアクチュエータを構成するマイクロアクチュエータは、例えばマイクロポンプ、マイクロ光変調デバイスなどの光学デバイス、マイクロスイッチ(マイクロリレー)、マルチ光学レンズのアクチュエータ(光スイッチ)、マイクロ流量計、圧力センサなどにも適用することができる。
【0005】
ところで、液滴吐出ヘッドとしては、圧力発生手段として圧電素子などの電気機械変換素子を用いて吐出室の壁面を形成している振動板を変形変位させることでインク滴を吐出させるピエゾ型のもの、吐出室内に配設した発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いてインクの膜沸騰でバブルを発生させてインク滴を吐出させるサーマル型のもの、吐出室の壁面を形成する振動板を静電力で変形させることでインク滴を吐出させる静電型のものなどがある。
【0006】
近年、環境問題から鉛フリーであるバブル型、静電型が注目を集め、鉛フリーに加え、低消費電力の観点からも環境に影響が少ない、静電型のものが複数提案されている。
【0007】
この静電型インクジェットヘッドとしては、例えば、
【特許文献1】に記載されているように、一対の電極対がエアギャップを介して設けられており、片方の電極が振動板として働き、振動板の対向する電極と反対側にインクが充填されるインク室が形成され、電極間(振動板−電極間)に電圧を印加することによって電極間に静電引力が働き、電極(振動板)が変形し、電圧を除去すると振動板が弾性力によってもとの状態に戻り、その力を用いてインク滴を吐出するものがある。
【0008】
このような、静電型インクジェットヘッドにおいては、振動板と電極間隔、すなわち空隙の寸法精度がその性能に大きく影響を及ぼす。特に、インクジェットヘッドの場合、各アクチュエータの特性のバラツキが大きければ印字精度、画質の再現性が著しく低下することとなる。また、低電圧化を図るためには、空隙間隔が0.2〜2.0μm程度となり、より寸法精度が求められる。
【0009】
そこで、
【特許文献2】あるいは
【特許文献3】には振動板と電極との微小な空隙を犠牲層プロセスを適用することにより(犠牲層エッチングにより)形成して、その上に流路基板を接合することでヘッドを構成することが開示されている。この方法により、空隙寸法は、ほぼ犠牲層成膜工程のバラツキのみで決まることになって、寸法バラツキを抑えることができ、高精度で信頼性の高いアクチュエータないしヘッドを得ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように犠牲層プロセスで空隙を形成した場合、犠牲層を除去するため
の犠牲層除去孔を封止する必要が生じる。そこで、
【特許文献3】には犠牲層除去を行った後の犠牲層抜き孔を真空装置を用いたPVD法或いはCVD法を用いてNi、SiO2等で塞ぐことが開示されているが、このような成膜製法で封止すると、成膜成分が空隙内に侵入する可能性がある。また、犠牲層除去孔は隔壁の強度確保することを兼ねており、あまり小さくできないことから、高密度化には適さない。これらのことから、アクチュエータの動作特性、および信頼性に悪影響を及ぼし、高密度化に対応できないと考えられる。
【0011】
また、
【特許文献2】に記載のヘッドでは、隔壁部と振動板部にその構成上段差が生じており、流路基板の接合に高い精度が要求されるとともに、薄い振動板が犠牲層を除去した段階で周囲から浮いた状態になるため、後工程におけるダメージを受ける可能性があり、歩留まり良く製造することが困難である。
【0012】
しかも、犠牲層除去孔を真空装置を用いた成膜方法で形成した膜で封止しているが、真空装置での成膜の場合、処理が真空中のため、空隙が真空封止されることになる。したがって、大気暴露すると空隙内が負圧のため、振動板が撓み、所望する変位量が得られない不具合が生ずるばかリでなく、撓みにバラツキがあると変位バラツキを生じる。加えて、真空封止では、空隙内の気体のダンパー効果が無いので、振動板厚さバラツキに対する振動変位のバラツキが大きくなる。このような不具合を解決するためには、大気開放する構造やプロセスが必要となり、コストアップ、歩留まり低下等をもたらす要因となる。
【0013】
このように、従来の犠牲層プロセスを適用したアクチュエータ、ヘッドにあっては、安価で高精度、且つ高信頼性な静電力を用いたアクチュエータを得ることが困難であるという課題がある。
【0014】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、安定した動作特性が得られる静電型アクチュエータ、安定した滴吐出特性が得られて高画質記録が可能な液滴吐出ヘッド、この液滴吐出ヘッドを一体化したインクカートリッジ、この液滴吐出ヘッド又はインクカートリッジを搭載したインクジェット記録装置、及びこのアクチュエータを用いたマイクロポンプ、光学デバイスを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る静電型アクチュエータは、振動板と電極との間の空隙は犠牲層エッチングにより形成され、犠牲層を除去するための犠牲層除去孔は空隙に入り込まない状態の封止材で封止されている構成とした。
【0016】
ここで、犠牲層除去孔の平面形状が、多角形、円、又は楕円であり、その断面積は10μm2以下であることが好ましい。また、犠牲層除去孔の厚さは0.1μm以上であることが好ましい。
【0017】
さらに、封止材は振動板を構成する膜の一部であることが好ましく、この場合、振動板を構成する膜は大気中で形成できる樹脂膜であることが好ましく、樹脂膜はポリベンゾオキサドール(PBO)膜が好ましい。さらにまた、振動板の樹脂膜を成膜する膜の表面にフッ素を含むことが好ましく、あるいは、振動板の樹脂膜を成膜する膜の表面にプラズマ処理が施されていることが好ましい。
【0018】
本発明に係る静電型アクチュエータの製造方法は、振動板の樹脂膜を成膜する膜の表面をフッ素化合物ガスに晒す構成としたものである。この場合、フッ素化合物ガスに二弗化キセノン(XeF2)ガスを用いることが好ましい。
【0019】
また、本発明に係る静電型アクチュエータの製造方法は、振動板の樹脂膜を成膜する膜の表面に六弗化硫黄(SF6)ガスでプラズマ処理を施す構成としたものである。
【0020】
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出するノズルが連通する加圧液室内の液体を加圧するための本発明に係る静電型アクチュエータを備えたものである。
【0021】
本発明に係るインクカートリッジは、本発明に係る液滴吐出ヘッドとこの液滴吐出ヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したものである。
【0022】
本発明に係るインクジェット記録装置は、インク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッド、または本発明に係るインクカートリッジを搭載したものである。
【0023】
本発明に係るマイクロポンプは、流路の液体を加圧する本発明に係る静電型アクチュエータを備えているものである。
【0024】
本発明に係る光学デバイスは、光を反射するミラーを変形させるための本発明に係る静電型アクチュエータを備えているものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は本発明の液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドの分解斜視図で、一部断面図で示している。図2は同ヘッドのアクチュエータ基板の平面説明図、図3は図2のX1−X1線に沿う断面説明図、図4は図2のX2−X2線に沿う断面説明図、図5はY1−Y1線に沿う断面説明図、図6は図2のY2−Y2線に沿う断面説明図である。
【0026】
このインクジェットヘッドは、インク液滴を基板の面部に設けたノズル孔から吐出させるサイドシュータタイプのものであり、2枚の第1、第2基板1、2を重ねて接合した積層構造となっており、第1基板1と第2基板2とを接合することで、インク滴を吐出する複数のノズル孔4が連通する吐出室6、各吐出室6に流体抵抗部7を介してインクを供給する共通液室(共通インク室)8などの流路を形成している。なお、基板の端部に設けたノズル孔からインク滴を吐出させるエッジシュータタイプとすることもできる。
【0027】
第1基板1は、本発明に係る静電型アクチュエータを構成するアクチュエータ基板11上に吐出室6、共通液室8等の流路を形成する流路形成部材12を接合したものである。
【0028】
アクチュエータ基板11は、単結晶シリコン基板からなるベース基板21に、変形可能な振動板22と、この振動板22に空隙(ギャップ)23を介して対向する電極(下部電極)24とを有している。
【0029】
ここで、電極24はベース基板21上に形成した絶縁膜25上に形成され、各チャンネル毎に分離溝で分離され、この分離溝は電極24の表面(振動板22側表面)に形成した絶縁膜27で埋め込んでいる。なお、電極24を形成する材料(電極材料又は電極部材という。)は隔壁部26としても残存させている。
【0030】
電極24の材料(電極部材)としては、ポリシリコンや化合物シリサイドを用いることができ、これらの材料は安定した品質で成膜及び加工が可能であり、また高温プロセスにも耐え得る構造にできるため、他のプロセスにおいて温度に対する制約が少なくなり、絶縁膜27として例えば信頼性の高い絶縁膜(HTO膜)を積層することができるようになって、プロセスの選択幅を広げることができ、低コスト化、高信頼性化を図れる。
【0031】
また、電極24の材料(電極部材)として、金属又は高融点金属を使用することができ、これにより、大幅な低抵抗化を図れ、駆動電圧の低電圧化を図れるとともに、何れの材料も安定した品質で成膜及び加工が可能であるので、低コスト化、高信頼性化を図れる。
【0032】
空隙23は、後述するように振動板22と電極24との間に形成される犠牲層をエッチング除去して形成した(犠牲層プロセスを適用して形成した)もので、このギャップ形成に用いた犠牲層のうち少なくとも複数の空隙23、23間の犠牲層は隔壁部28を形成するために残存させている。
【0033】
このように、空隙23を犠牲層エッチングで形成することにより、犠牲層の厚さでギャップ間隔(ギャップ長)を精度規定することができるのでバラツキが低減し、ギャップ内への異物などの侵入を防ぐことができて歩留まりが向上する。また、隔壁部28となる部分にも犠牲層を残しているので、ギャップ段差を作らずにアクチュエータ基板11の表面をより平坦に作り込むことができ、例えば耐インク接液膜の成膜や流路形成部材12の接合工程などの後工程のプロセス設計が容易となり、低コスト化、信頼性の向上を図れる。
【0034】
ここで、犠牲層としては、ポリシリコン又はアモルファスシリコンを使用することが好ましい。これらの材料は、エッチングによる除去が可能であり、また犠牲層の上下に耐エッチング選択性の高いシリコン酸化膜を成膜することでバラツキの少ない製造プロセスとすることができ、低コストに大量生産が可能となる。
【0035】
また、振動板22を形成する振動板領域31は、図2に示すように、分離溝32で隔壁部33から分離されている。分離溝32は、隔壁部33と振動板領域31で段差が生じないように形成している。また、振動板領域31の短辺長及び長辺長については、例えば短辺長a:120μm、長辺長b:800μmとしている。
【0036】
振動板22は、電極側(下層)から絶縁膜(保護膜)35、上部電極膜36、膜撓み防止膜37及び樹脂膜38で構成している。なお、絶縁膜35の一部はギャップ間隔壁部28に犠牲層を残存するための保護膜を兼ねている。この隔壁部28の壁面の絶縁膜35は、製造プロセスにおいて犠牲層に形成する分離溝を埋め込んだものである。また、電極膜36を形成する電極材料は、電極膜36と隔壁部39とに分離している。
【0037】
また、図2に示すように、振動板22の保護膜35には犠牲層を除去するための犠牲層除去孔41が形成され、上部電極膜36にはこの犠牲層除去孔41よりも大きな開口部42が形成されている。犠牲層除去孔41は、長辺長に等間隔に振動板領域31の短辺長以下の間隔で配置されており、対向する辺の同位置に犠牲層除去孔41が形成されている。このように、犠牲層除去孔41を複数配置することにより、効率良く犠牲層をエッチングすることができ空隙23を形成することができる。
【0038】
そして、この犠牲層除去孔41は、振動板22を構成する膜である樹脂膜38の一部(封止部38aという。)で封止されており、この樹脂膜38による封止部38a(即ち、封止材)は空隙23に入り込まない状態で犠牲層除去孔41を封止している。このように、振動板を構成する膜の一部で犠牲層除去孔の封止を行うことで、封止のみの工程が不要となり、工数を削減でき、低コスト化を図れる。
【0039】
また、振動板22を構成する膜として樹脂材料(樹脂膜)を用いて犠牲層除去孔41を封止することで、大気中で封止を行うことができるので、封止後も空隙を大気圧に保つことがでる。したがって、真空中での封止のように空隙23ないが負圧になって所望の振動板変位量が得られなくなったり、振動板変位にバラツキが生じるようなことをも防止できる。
【0040】
ここで、犠牲層除去孔41の配置、大きさ等について説明する。
インクジェットヘッドの場合、インク滴を吐出するアクチュエータは細長い長方形であり、この長辺側には隔壁部33を挟んで隣りのアクチュエータが並んでいるのが一般的である。犠牲層エッチングは、等方性のため、犠牲層中央に犠牲層除去孔41が並んでいる方が犠牲層の除去効率が高くなる。しかし、振動板の変位領域に犠牲層除去孔41があるとアクチュエータの振動特性に影響を及ぼす可能性があるため、犠牲層除去孔41は振動板長辺端に配置することが好ましい。ただし、犠牲層除去孔41は振動板変位への影響を避けるため、振動領域外に配置することが好ましい。
【0041】
また、犠牲層除去孔41の大きさは、犠牲層エッチングの観点からは、大きい方がよいが、犠牲層除去孔41を振動板長辺部に配置する場合、振動板変位領域への影響、隔壁部33の強度の確保、樹脂膜による犠牲層除去孔封止の観点からは、小さい方が好ましい。この相反する条件を満たす犠牲層除去孔41の大きさを決める必要がある。しかし、犠牲層の除去性からは、小さい場合、複数の犠牲層除去孔41を多列に配置する等で対応できるため、犠牲層除去孔封止性で犠牲層除去孔41の大きさは決まる。
【0042】
本実施形態のように樹脂膜38により犠牲層除去孔41を封止するためには、犠牲層除去孔41の振動板平面から見た断面積は10μm2以下にすることが好ましい。このように、犠牲層除去孔41の振動板平面から見た断面積を10μm2以下にすることで、樹脂材料による犠牲層除去孔41の封止において、樹脂材料が空隙23内に入り込むことが確実に防止される。
【0043】
また、このように、犠牲層除去孔41の断面積を10μm2以下にすることで、犠牲層除去孔の平面形状にかかわらず、断面積で封止性確保が決まるため、犠牲層除去孔の平面形状は多角形、円形、楕円形のいずれでもよくなり、プロセス面や構成面の設計自由度が十分確保できる。
【0044】
また、犠牲層除去孔41の厚さとなる絶縁膜35の膜厚は0.1μm以上にすることが好ましい。犠牲層除去孔が開口している振動板構成膜の膜厚が0.1μmより薄いと、この部分の強度が十分でなく樹脂材料塗布時の衝撃で、犠牲層除去孔周辺が破壊され、樹脂膜が空隙内へ染み込むおそれがある。構成膜の膜厚を0.1μm以上とすることにより、樹脂材料塗布時に犠牲層除去孔周辺が破壊されることなく、封止が可能となり、製造工程の歩留まりが向上する。
【0045】
振動板22の一部を構成する電極膜(上部電極)36の材料としては、ポリシリコンや化合物シリサイドを用いることができ、これらの材料は安定した品質で成膜及び加工が可能であり、また高温プロセスにも耐え得る構造にできる。
【0046】
また、振動板22の一部を構成する電極膜36の材料としては、金属又は高融点金属を使用することができ、これにより、大幅な低抵抗化を図れ、駆動電圧の低電圧化を図れるとともに、何れの材料も安定した品質で成膜及び加工が可能であるので、、低コスト化、高信頼性化を図れる。
【0047】
以上のようにして構成されるアクチュエータ基板11は振動板22側表面が略平坦に形成される。このように、アクチュエータ基板11の振動板22側表面が略平坦に形成されていることで、流路形成部材の接合、形成工程が容易になるので、特性バラツキが少なく且つ信頼性の高い静電型アクチュエータを低コストで作製することができる。
【0048】
流路形成部材12は、略平坦面であるアクチュエータ基板11の振動板22側表面に接合して吐出室6等に対応する部分をエッチング除去して形成したものである。
【0049】
この第1基板1の流路形成部材12上面に接合される第2基板2には、厚さ50ミクロンのニッケル基板を用い、基板2の面部に、吐出室6と連通するようにそれぞれノズル孔4、共通液室8と吐出室6を連通させる流体抵抗となる溝7を設け、また共通液室8と連通するようにインク供給口9を設けている。
【0050】
このように構成したインクジェットヘッドの動作を説明する。吐出室6がインクにより満たされた状態で電極(下部電極)24に発振回路(駆動回路)から40Vのパルス電位を印加すると、電極24の表面がプラス電位に帯電し、振動板22の上部電極膜36との間に静電力が作用して、振動板22が個別電極24側に撓むことになる。これにより、吐出室6内の圧力が低下して、共通液室8から流体抵抗部7を介して吐出室6内にインクが流入する。
【0051】
その後、電極24へのパルス電圧を0Vにすると静電気力により下方へ撓んだ振動板22が自身の剛性により元に戻る。その結果、吐出室6内の圧力が急激に上昇し、ノズル孔4よりインク液滴を吐出する。これを繰り返すことによりインク滴を連続的に吐出することができる。
【0052】
ここで、電極である振動板22の上部電極膜36と下部電極24との間に働く力Fは、次の(1)式に示すように電極間距離dの2乗に反比例して大きくなる。低電圧で駆動するためには電極24と振動板22の空隙(ギャップ)23の間隔(ギャップ長)を狭く形成することが重要となる。
【0053】
【数1】
【0054】
なお、(1)式において、F:電極間に働く力、ε:誘電率、S:電極の対向する面の面積、d:電極間距離、V:印加電圧である。
【0055】
そこで、前述したように犠牲層エッチングで空隙23を形成することにより、高精度に微小なギャップを形成することができる。そして、この犠牲層エッチングで犠牲層を除去するための犠牲層除去孔を封止材が空隙に入り込まない状態で封止することにより、アクチュエータの特性バラツキが少なくなって安定した動作特性が得られ、これにより安定した滴吐出特性を得ることができる。
【0056】
さらに、空隙を形成するため振動板に形成されている犠牲層除去孔がアクチュエータを構成する材料で封止されることで、空隙内への異物、汚染物質の侵入を製造工程で防ぐことができ、信頼性の高いアクチュエータを得ることができる。
【0057】
これにより、性能バラツキがなく、高精度で高信頼性を具備した液滴吐出ヘッド或いはアクチュエータを低コストで得ることができるようになる。
【0058】
次に、本発明に係る製造方法を実施したこのインクジェットヘッドの製造工程の第1例について図7及び図8を参照して説明する。なお、両図は同ヘッドのアクチュエータ基板の製造工程の説明に供する断面説明図である。
先ず、図7(a)に示すように、厚さ400μmのベース基板であるSi基板21上に絶縁膜(熱酸化膜)25を1.6μm厚に形成する。そして、下部電極材としてPドープポリシリコンを0.4μm厚に成膜し、リソエッチ法で分離溝を形成して電極24と隔壁部26とに分離する。
【0059】
その後、電極24と隔壁部26上にCVD酸化膜である保護膜27を0.2μm堆積させる。この保護膜27は、犠牲層プロセスでの電極24を保護するマスク材となるとともに、電極24と振動板22を構成する電極膜36との短絡を防止する保護膜として機能する。
【0060】
次に、同図(b)に示すように、犠牲層(ノンドープポリシリコン)を空隙間隔となる0.2μm厚で、CVD法によって成膜し、リソエッチ法により空隙23となる領域と隔壁部28となる領域に分離する。なお、電極24の配線層として隔壁部26を用いる場合は、隔壁部28のみをリソ法でレジストパターニングで開口しイオン注入とデンシファイ法を用いて低抵抗化させておく。
【0061】
その後、保護膜(CVD酸化膜)35を0.1μm厚に堆積させる。この保護膜35は、犠牲層プロセスでの振動板22を構成する電極膜36を保護するマスク材となるとともに、電極24と電極膜36との短絡を防止する保護膜として機能する。
【0062】
次いで、同図(c)に示すように、電極材料としてPドープドポリシリコンを0.2μm厚に堆積させ、リソエッチ法で電極膜36となる領域と隔壁部39となる領域に分離する。このとき、同時に、犠牲層除去時に犠牲層と同じ材質の電極膜36がエッチングされないように保護孔(開口部)42を、犠牲層除去孔41より大きく開口する。そして、電極膜36上に振動板22を構成する撓み防止膜37としての窒化膜をCVD法で0.2μm厚に堆積させる。
【0063】
その後、図8(a)に示すように、窒化膜(撓み防止膜)37および絶縁膜35にリソエッチ法で犠牲層除去孔41を形成する。レジストを除去した後、同図(b)に示すように、犠牲層51と窒化膜(撓み防止膜)37および絶縁膜35のエッチレート選択性の高い処理方法、例えばSF6の等方性ドライエッチ法や、あるいはXeF2ドライエッチ法で犠牲層51を完全除去し、空隙23を形成する。
【0064】
そして、同図(c)に示すように、接液膜となる樹脂膜38としてのPBO膜(ポリベンゾオキサゾール)をスピンコート法で1μm厚で形成する。このとき、犠牲層除去孔41は、PBO膜(樹脂膜)38で完全に封止される。その後、電極配線取りだしパッド部のみリソエッチ法で開口する。
【0065】
以上で、アクチュエータ基板11が完成するので、これに流路板12及びノズル板2を接合して液滴吐出ヘッドを完成する。
【0066】
なお、樹脂膜(ここでは、接液膜となる。)として、PBO膜を例に挙げたが、インクに対して耐腐食性があり、かつ犠牲層除去孔を封止できる膜、例えばポリイミド膜などでもよい。
【0067】
PBO膜のような樹脂膜は、大気中で犠牲層除去孔41を封止できるため、真空装置を用いたPVD法やCVD法で成膜した膜のように空隙が真空封止され、大気暴露することにより空隙内が負圧になり振動板が撓み所望する変位量が得られないというような不具合が生ずることはない。
【0068】
次に、このインクジェットヘッドの製造工程の第2例について図9及び図10を参照して説明する。なお、両図は同ヘッドのアクチュエータ基板の製造工程の説明に供する断面説明図である。
先ず、図9(a)〜(c)に示す工程は前記第1例の図7(a)〜(c)に示す工程と同様である。すなわち、図9(a)に示すように、厚さ400μmのベース基板であるSi基板21上に絶縁膜(熱酸化膜)25を1.6μm厚に形成する。そして、下部電極材としてPドープポリシリコンを0.4μm厚に成膜し、リソエッチ法で分離溝を形成して電極24と隔壁部26とに分離する。
【0069】
その後、電極24と隔壁部26上にCVD酸化膜である保護膜27を0.2μm堆積させる。この保護膜27は、犠牲層プロセスでの電極24を保護するマスク材となるとともに、電極24と振動板22を構成する電極膜36との短絡を防止する保護膜として機能する。
【0070】
次に、同図(b)に示すように、犠牲層(ノンドープポリシリコン)を空隙間隔となる0.2μm厚で、CVD法によって成膜し、リソエッチ法により空隙23となる領域と隔壁部28となる領域に分離する。なお、電極24の配線層として隔壁部26を用いる場合は、隔壁部28のみをリソ法でレジストパターニングで開口しイオン注入とデンシファイ法を用いて低抵抗化させておく。
【0071】
その後、保護膜(CVD酸化膜)35を0.1μm厚に堆積させる。この保護膜35は、犠牲層プロセスでの振動板22を構成する電極膜36を保護するマスク材となるとともに、電極24と電極膜36との短絡を防止する保護膜として機能する。
【0072】
次いで、同図(c)に示すように、電極材料としてPドープドポリシリコンを0.2μm厚に堆積させ、リソエッチ法で電極膜36となる領域と隔壁部39となる領域に分離する。このとき、同時に、犠牲層除去時に犠牲層と同じ材質の電極膜36がエッチングされないように保護孔(開口部)42を、犠牲層除去孔41より大きく開口する。そして、電極膜36上に振動板22を構成する撓み防止膜37としての窒化膜をCVD法で0.2μm厚に堆積させる。
【0073】
その後、図10(a)に示すように、レジスト52でマスクを形成して、窒化膜(撓み防止膜)37および絶縁膜35にリソエッチ法で犠牲層除去孔41を形成する。そして、レジスト52を除去しないまま、同図(b)に示すように、犠牲層51と窒化膜(撓み防止膜)37および絶縁膜35のエッチレート選択性の高い処理方法、例えばSF6の等方性ドライエッチ法や、あるいはXeF2ドライエッチ法で犠牲層51を完全除去し、空隙23を形成する。
【0074】
そして、同図(c)に示すように、レジスト52を除去した後、樹脂膜38としてのPBO膜(ポリベンゾオキサゾール)を塗布する。このとき、PBO膜(樹脂膜)38が犠牲層除去孔41から空隙23内に入り込む可能性があるため、PBO膜(樹脂膜)38を形成する前に、窒化膜(撓み防止膜)37の表面を改質する。
【0075】
この樹脂膜38を形成する膜である撓み防止膜37の表面の改質は、例えば、SF6プラズマに晒すことにより行う。これにより、PBO膜38に対する濡れ性が低下して、PBO膜(樹脂膜)38が犠牲層除去孔41から空隙23内に入り込むことが防止され、犠牲層除去孔41を空隙23内に入り込むことなく封止できる。
【0076】
以上で、アクチュエータ基板11が完成するので、これに流路板12及びノズル板2を接合して液滴吐出ヘッドを完成する。
【0077】
これらの第1例及び第2例は、いずれも、樹脂膜38であるPBO膜を塗布するときの塗布面は、撓み防止膜37である窒化膜である。この窒化膜は、レジスト除去時の酸素プラズマに曝されると、PBO膜38との濡れ性が向上し、犠牲層除去孔41よりPBO膜38が空隙23内へ染込む傾向にある。
【0078】
そこで、この窒化膜表面、すなわち、樹脂膜を形成する膜の表面をSF6等のフッ素を含むプラズマに曝すことにより、PBO膜38との濡れ性が低下し、PBO膜38の空隙23内ヘの染込みを防止できる。この場合、第1例では、犠牲層除去時にSF6等のガスに曝すようにして、犠牲層除去と表面改質を同時に行なっている。また、第2例では、レジスト除去後に表面改質処理を行なっている。
【0079】
いずれも、樹脂膜を形成する膜の表面にフッ素が含まれることにより、樹脂膜との濡れ性を低下して、犠牲層除去孔の封止マージンが向上して歩留まりが向上し、品質が向上する。そして、このように、樹脂膜を形成する膜表面にフッ素が含まれる状態にするには、半導体製造で一般的に用いられているフッ素化合物ガス及び装置を用いることで行うことができ、特別な装置は必要でなく、既存の設備で対応が可能なため、安定した表面改質処理が可能となる。
【0080】
この他、PBO膜との濡れ性を低下させる手段として、二弗化キセノンガス雰囲気化に曝す方法もある。この場合は、ガス雰囲気に曝すだけなので、プラズマ処理のような高価な装置が必要でなく、表面改質処理が行なえる利点がある。
【0081】
また、第1例では、空隙23を形成する犠牲層エッチング時に振動板表面である窒化膜(撓み防止膜)37が露出しているため、100nm前後エッチングされることを考慮し、成膜時の窒化膜の膜厚を設定する必要がある。また、窒化膜の膜厚バラツキが犠牲層エッチンング時に生ずるため、精度良くアクチュエータを形成する上では不利となり得る。
【0082】
これに対し、第2例では、犠牲層除去時振動板表面がレジスト52で保護されており、レジスト除去後の表面処理では、窒化膜がほとんど エッチングされることはなく形成されるため、第1例に比べ精度良くアクチュエータを形成することができる。
【0083】
次に、このインクジェットヘッドの製造工程の第3例について図11及び図12を参照して説明する。なお、両図は同ヘッドのアクチュエータ基板の製造工程の説明に供する断面説明図である。
先ず、図11(a)、(b)に示す工程は前記第1例の図7(a)〜(c)に示す工程と同様である。すなわち、図11(a)に示すように、厚さ400μmのベース基板であるSi基板21上に絶縁膜(熱酸化膜)25を1.6μm厚に形成する。そして、下部電極材としてPドープポリシリコンを0.4μm厚に成膜し、リソエッチ法で分離溝を形成して電極24と隔壁部26とに分離する。
【0084】
その後、電極24と隔壁部26上にCVD酸化膜である保護膜27を0.2μm堆積させる。この保護膜27は、犠牲層プロセスでの電極24を保護するマスク材となるとともに、電極24と振動板22を構成する電極膜36との短絡を防止する保護膜として機能する。
【0085】
次に、同図(b)に示すように、犠牲層(ノンドープポリシリコン)を空隙間隔となる0.2μm厚で、CVD法によって成膜し、リソエッチ法により空隙23となる領域と隔壁部28となる領域に分離する。なお、電極24の配線層として隔壁部26を用いる場合は、隔壁部28のみをリソ法でレジストパターニングで開口しイオン注入とデンシファイ法を用いて低抵抗化させておく。
【0086】
その後、保護膜(CVD酸化膜)35を0.1μm厚に堆積させる。この保護膜35は、犠牲層プロセスでの振動板22を構成する電極膜36を保護するマスク材となるとともに、電極24と電極膜36との短絡を防止する保護膜として機能する。
【0087】
次いで、同図(c)に示すように、電極材料としてPドープドポリシリコンを0.2μm厚に堆積させ、リソエッチ法で電極膜36となる領域と隔壁部39となる領域に分離する。このとき、同時に、犠牲層除去時に犠牲層と同じ材質の電極膜36がエッチングされないように保護孔(開口部)42を、犠牲層除去孔41より大きく開口する。そして、電極膜36上に振動板22を構成する撓み防止膜37としての窒化膜をCVD法で0.2μm厚に堆積させる。さらに、窒化膜(撓み防止膜)37上に保護膜(CVD酸化膜)53を0.05μm厚に堆積させる。
【0088】
その後、図12(a)に示すように、レジスト52でマスクを形成して、窒化膜(撓み防止膜)37および絶縁膜35にリソエッチ法で犠牲層除去孔41を形成する。そして、レジスト52を除去しないまま、同図(b)に示すように、犠牲層51と窒化膜(撓み防止膜)37および絶縁膜35のエッチレート選択性の高い処理方法、例えばSF6の等方性ドライエッチ法や、あるいはXeF2ドライエッチ法で犠牲層51を完全除去し、空隙23を形成する。
【0089】
そして、同図(c)に示すように、レジスト52を除去した後、樹脂膜38としてのPBO膜(ポリベンゾオキサゾール)を塗布する。PBO膜38は犠牲層除去孔41から空隙23内へ染込むことは無く、犠牲層除去孔41を封止する。
【0090】
この第3例では、PBO膜38を塗布する面は、CVD酸化膜53であり、前記第1、第2例の窒化膜と異なり、表面改質処理を行なわずとも、PBO膜38が空隙23内へ染込むことはなく、表面改質の工程を必要としない。
【0091】
次に、本発明に係るインクカートリッジついて図13を参照して説明する。
このインクカートリッジ100は、ノズル孔101等を有する本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッド102と、このインクジェットヘッド101に対してインクを供給するインクタンク103とを一体化したものである。
【0092】
このように本発明に係る液滴吐出ヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化することにより、滴吐出特性のバラツキが少なく、信頼性の高い液滴吐出ヘッドを一体化したインクカートリッジ(インクタンク一体型ヘッド)が低コストで得られる。
【0093】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置の機構の一例について図14及び図15を参照して説明する。なお、図14は同記録装置の斜視説明図、図15は同記録装置の機構部の側面説明図である。
【0094】
このインクジェット記録装置は、記録装置本体111の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した本発明に係るインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部112等を収納し、装置本体111の下方部には前方側から多数枚の用紙113を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)114を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙113を手差しで給紙するための手差しトレイ115を開倒することができ、給紙カセット114或いは手差しトレイ115から給送される用紙113を取り込み、印字機構部112によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ116に排紙する。
【0095】
印字機構部112は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド121と従ガイドロッド122とでキャリッジ123を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ123にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなるヘッド124を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。またキャリッジ123にはヘッド124に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ125を交換可能に装着している。なお、本発明に係るインクカートリッジ100を搭載する構成とすることもできる。
【0096】
インクカートリッジ125は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
【0097】
また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド124を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
【0098】
ここで、キャリッジ123は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド121に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド122に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ123を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ127で回転駆動される駆動プーリ128と従動プーリ129との間にタイミングベルト130を張装し、このタイミングベルト130をキャリッジ123に固定しており、主走査モーター127の正逆回転によりキャリッジ123が往復駆動される。
【0099】
一方、給紙カセット114にセットした用紙113をヘッド124の下方側に搬送するために、給紙カセット114から用紙113を分離給装する給紙ローラ131及びフリクションパッド132と、用紙113を案内するガイド部材133と、給紙された用紙113を反転させて搬送する搬送ローラ134と、この搬送ローラ134の周面に押し付けられる搬送コロ135及び搬送ローラ134からの用紙113の送り出し角度を規定する先端コロ136とを設けている。搬送ローラ134は副走査モータ137によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0100】
そして、キャリッジ123の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ134から送り出された用紙113を記録ヘッド124の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材139を設けている。この印写受け部材139の用紙搬送方向下流側には、用紙113を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ141、拍車142を設け、さらに用紙113を排紙トレイ116に送り出す排紙ローラ143及び拍車144と、排紙経路を形成するガイド部材145,146とを配設している。
【0101】
記録時には、キャリッジ123を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド124を駆動することにより、停止している用紙113にインクを吐出して1行分を記録し、用紙113を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙113の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙113を排紙する。
【0102】
また、キャリッジ123の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド124の吐出不良を回復するための回復装置147を配置している。回復装置147はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ123は印字待機中にはこの回復装置147側に移動されてキャッピング手段でヘッド124をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0103】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド124の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0104】
このように、このインクジェット記録装置においては本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドを搭載しているので、インク滴の吐出特性のバラツキが少なく、高い画像品質の画像を記録できる記録装置が得られる。
【0105】
次に、本発明に係る静電型アクチュエータを備えたマイクロデバイスとしてのマイクロポンプについて図16を参照して説明する。なお、同図は同マイクロポンプの要部断面説明図である。
このマイクロポンプは、流路基板201と本発明に係る静電型アクチュエータを構成するアクチュエータ基板202とを有している。流路基板201には流体が流れる流路203を形成している。アクチュエータ基板202は、ベース基板221上に設けた、流路201の壁面を形成する変形可能な振動板(可動板)222と、この振動板222の変形可能部222aに所定のギャップ223を置いて対向する電極224とを含み、表面が略平坦面に形成されている。なお、アクチュエータ基板202の詳細な図示及び説明は省略するが、前記インクジェットヘッドの実施形態で説明したと同様である。
【0106】
このマイクロポンプの動作原理を説明すると、前述したインクジェットヘッドの場合と同様に、電極224に対して選択的にパルス電位を与えることによって振動板222との間で静電吸引力が生じるので、振動板222の変形可能部222aが電極224側に変形する。ここで、振動板222の変形可能部222aを図中右側から順次駆動することによって流路201内の流体は、矢印方向へ流れが生じ、流体の輸送が可能となる。
【0107】
この場合、本発明に係る静電型アクチュエータを備えることで、特性バラツキが少なく、安定した液体輸送を可能な小型で低消費電力のマイクロポンプを得られる。なお、ここでは振動板の変形可能部が複数ある例を示したが、変形可能部は1つでも良い。また、輸送効率を上げるために、変形可能部間に1又は複数の弁、例えば逆止弁などを設けることもできる。
【0108】
次に、本発明に係る静電型アクチュエータを備えた光学デバイスの一例について図17を参照して説明する。なお、同図は同デバイスの概略構成図である。
この光学デバイスは、表面が光を反射可能でかつ変形可能なミラー301を含むアクチュエータ基板302を有している。ミラー301の表面は反射率を増加させるため誘電体多層膜や金属膜を形成する(これらは樹脂膜表面に形成する)と良い。
【0109】
アクチュエータ基板302は、ベース基板321上に設けた、変形可能なミラー301(ヘッドの振動板に相当する。)と、このミラー301の変形可能部301に所定のギャップ323を介して対向する電極324とを含む。このアクチュエータ基板302についても、振動板がミラー面を有する構成となっている点が前記インクジェットヘッドの実施形態で説明したものと異なるだけであるので、詳細な図示及び説明を省略する。
【0110】
この光学デバイスの原理を説明すると、前述したインクジェットヘッドの場合と同様に、電極324に対して選択的にパルス電位を与えることによって、電極324と対向するミラー301の変形可能部301a間で静電吸引力が生じるので、ミラー301の変形可能部301が凹状に変形して凹面ミラーとなる。したがって、光源310からの光がレンズ311を介してミラー301に照射した場合、ミラー301を駆動しないときには、光は入射角と同じ角度で反射するが、ミラー301を駆動した場合は駆動された変形可能部301が凹面ミラーとなるので反射光は発散光となる。これにより光変調デバイスが実現できる。
【0111】
そして、本発明に係る静電型アクチュエータを備えることで、特性バラツキの少ない小型で低消費電力の光学デバイスを得ることができる。
【0112】
そこで、この光学デバイスを応用した例を図18をも参照して説明する。この例は、上述した光学デバイスを2次元に配列し、各ミラー301の変形可能部301aを独立して駆動するようにしたものである。なお、ここでは、4×4の配列を示しているが、これ以上配列することも可能である。
【0113】
したがって、前述した図17と同様に、光源310からの光はレンズ311を介してミラー301に照射され、ミラー301を駆動していないところに入射した光は、投影用レンズ312へ入射する。一方、電極324に電圧を印加してミラー301の変形可能部301aを変形させている部分は凹面ミラーとなるので光は発散し投影用レンズ312にほとんど入射しない。この投影用レンズ312に入射した光はスクリーン(図示しない)などに投影され、スクリーンに画像を表示することができる。
【0114】
なお、上記実施形態においては、液滴吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドに適用した例で説明したが、インクジェットヘッド以外の液滴吐出ヘッドとして、例えば、液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドなどの他の液滴吐出ヘッドにも適用できる。また、静電型アクチュエータは、マイクロポンプ、光学デバイス(光変調デバイス)以外にも、マイクロスイッチ(マイクロリレー)、マルチ光学レンズのアクチュエータ(光スイッチ)、マイクロ流量計、圧力センサなどにも適用することができる。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る静電型アクチュエータによれば、振動板と電極との間の空隙は犠牲層エッチングにより形成され、犠牲層を除去するための犠牲層除去孔は空隙に入り込まない状態の封止材で封止されているので、安定した動作特性が得られる。
【0116】
本発明に係る静電型アクチュエータの製造方法は、振動板の樹脂膜を成膜する膜の表面をフッ素化合物ガスに晒す構成とし、或いは振動板の樹脂膜を成膜する膜の表面に六弗化硫黄(SF6)ガスでプラズマ処理を施す構成としたので、樹脂材料で犠牲層除去孔を封止する場合に、封止材が空隙に入り込まない状態で犠牲層除去孔を封止することができる。
【0117】
本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、液滴を吐出するノズルが連通する加圧液室内の液体を加圧するための本発明に係る静電型アクチュエータを備えている構成としたので、滴吐出特性のバラツキが少なく、安定した滴吐出を行うことができ、また低コスト化を図れ、信頼性が向上する。
【0118】
本発明に係るインクカートリッジによれば、本発明に係る液滴吐出ヘッドとこの液滴吐出ヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したので、滴吐出特性のバラツキが少なく、安定した滴吐出を行うことができ、また低コスト化を図れ、信頼性が向上する。
【0119】
本発明に係るインクジェット記録装置によれば、インク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッド、または本発明に係るインクカートリッジを搭載したので、高画質記録が可能になる。
【0120】
本発明に係るマイクロポンプによれば、流路の液体を加圧する本発明に係る静電型アクチュエータを構成するアクチュエータ基板と流路を形成する流路形成部材とを備えているので、小型で低消費電力のマイクロポンプが得られる。
【0121】
本発明に係る光学デバイスによれば、光を反射するミラーを変形させるための本発明に係る静電型アクチュエータを構成するアクチュエータ基板を備えているので、小型で低消費電力の光学デバイスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出ヘッドの第1実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視図
【図2】同ヘッドのアクチュエータ基板の平面説明図
【図3】図2のX1−X1線に沿う断面説明図
【図4】図2のX2−X2線に沿う断面説明図
【図5】図2のY1−Y1線に沿う断面説明図
【図6】図2のY2−Y2線に沿う断面説明図
【図7】本発明に係る製造方法を含むインクジェットヘッドの製造工程の第1例の説明に供する断面説明図
【図8】図7に続く工程を説明する断面説明図
【図9】同じく第2例の説明に供する断面説明図
【図10】図9に続く工程を説明する断面説明図
【図11】同じく第3例の説明に供する断面説明図
【図12】図11に続く工程を説明する断面説明図
【図13】本発明に係るインクカートリッジの説明に供する斜視説明図
【図14】本発明に係るインクジェット記録装置の一例を説明する斜視説明図
【図15】同記録装置の機構部の説明図
【図16】本発明に係るマイクロポンプの一例を説明する説明図
【図17】本発明に係る光学デバイスの一例を説明する説明図
【図18】同光学デバイスを用いた光変調デバイスの一例を説明する斜視説明図
【符号の説明】
1…第1基板、2…第2基板(ノズル板)、4…ノズル孔、6…吐出室、7…流体抵抗部、8…共通液室、11…アクチュエータ基板、12…流路形成部材、21…ベース基板、22…振動板、23…空隙、24…電極、28…樹脂膜、41…犠牲層除去孔、100…インクカートリッジ、124…記録ヘッド、201…流路基板、203…流路、202…アクチュエータ基板、222a…変形可能部、246…電極、301…ミラー、301a…変形可能部、302…アクチュエータ基板、324…電極。
Claims (16)
- 変形可能な振動板とこれに空隙を介して対向する電極とを備え、前記振動板を静電力で変形させる静電型アクチュエータにおいて、前記振動板と電極との間の空隙は犠牲層エッチングにより形成され、犠牲層を除去するための犠牲層除去孔は前記空隙に入り込まない状態の封止材で封止されていることを特徴とする静電型アクチュエータ。
- 請求項1に記載の静電型アクチュエータにおいて、前記犠牲層除去孔の平面形状が、多角形、円、又は楕円であり、その断面積は10μm2以下であることを特徴とする静電型アクチュエータ。
- 請求項1又は2に記載の静電型アクチュエータにおいて、前記犠牲層除去孔の厚さは0.1μm以上であることを特徴とする静電型アクチュエータ。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の静電型アクチュエータにおいて、前記封止材は前記振動板を構成する膜の一部であることを特徴とする静電型アクチュエータ。
- 請求項4に記載の静電型アクチュエータにおいて、前記振動板を構成する膜は大気中で形成できる樹脂膜であることを特徴とする静電型アクチュエータ。
- 請求項5に記載の静電型アクチュエータにおいて、前記樹脂膜はポリベンゾオキサドール(PBO)膜であることを特徴とする静電型アクチュエータ。
- 請求項5又は6に記載の静電型アクチュエータにおいて、前記振動板の前記樹脂膜を成膜する膜の表面にフッ素を有することを特徴とする静電型アクチュエータ。
- 請求項5又は6に記載の静電型アクチュエータにおいて、前記振動板の前記樹脂膜を成膜する膜の表面にプラズマ処理が施されていることを特徴とする静電型アクチュエータ。
- 請求項7に記載の静電型アクチュエータを製造する方法において、前記振動板の前記樹脂膜を成膜する膜の表面をフッ素化合物ガスに晒すことを特徴とする静電型アクチュエータの製造方法。
- 請求項9に記載の静電型アクチュエータの製造方法において、前記フッ素化合物ガスに二弗化キセノン(XeF2)ガスを用いることを特徴とする静電型アクチュエータの製造方法。
- 請求項8に記載の静電型アクチュエータを製造する方法において、前記振動板の前記樹脂膜を成膜する膜の表面に六弗化硫黄(SF6)ガスでプラズマ処理を施すことを特徴とする静電型アクチュエータの製造方法。
- 液滴を吐出するノズルが連通する加圧液室内の液体を静電型アクチュエータで加圧して前記液滴を吐出させる液滴吐出ヘッドにおいて、請求項1ないし11のいずれかに記載の静電型アクチュエータを備えていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- インク滴を吐出する液滴吐出ヘッドとこの液滴吐出ヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したインクカートリッジにおいて、前記液滴吐出ヘッドが請求項12に記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とするインクカートリッジ。
- インク滴を吐出するインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドが請求項12に記載の液滴吐出ヘッド又は請求項13に記載のインクカートリッジの液滴吐出ヘッドであることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 流路の液体を静電型アクチュエータで加圧して前記液体を輸送するマイクロポンプにおいて、請求項1ないし11のいずれかに記載の静電型アクチュエータを備えていることを特徴とするマイクロポンプ。
- 光を反射するミラーを静電型アクチュエータで変形させて前記光の反射方向を変化させる光学デバイスにおいて、請求項1ないし11のいずれかに記載の静電型アクチュエータを備えていることを備えていることを特徴とする光学デバイス。
Priority Applications (8)
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