JP2004174484A - 電界利用による水中のスケール等の析出物質、錆、又は細菌等の異物除去、発生回避を図る装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の、スケール等の析出物質除去装置は、磁力(磁力式)を用いて、その磁界を横切る流水中に微弱電流を発生せしめるか、又は正負の各々の電極(正負電極式)を水中に没した後に電圧をその電極間に掛けて、その電気的効果によりスケール等の生成に関与するイオン成分の化学反応を電気的に阻害する方式であった。磁力式では、微弱電流が変化するために、安定した効果が期待できない。正負電極式では、ランニンク゛・・塔eナンスコストが嵩むばかりで無く、感電の危険が有った。
【構成】本発明は、交流変圧器の二次側に配した他方の端子を水中に没する絶縁電極に接続し、また一方の端子を開放し、絶縁電極の周りに電界を発生させ、水中、又は流動する水系に発生するスケール等の析出物質、錆、又は細菌等の異物除去、発生回避を図る装置である。水中での化学反応に干渉して、スケール等の生成を阻害し、新たな析出物が発生しにくくなる。
【選択図】 図1
【構成】本発明は、交流変圧器の二次側に配した他方の端子を水中に没する絶縁電極に接続し、また一方の端子を開放し、絶縁電極の周りに電界を発生させ、水中、又は流動する水系に発生するスケール等の析出物質、錆、又は細菌等の異物除去、発生回避を図る装置である。水中での化学反応に干渉して、スケール等の生成を阻害し、新たな析出物が発生しにくくなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流水および溜り水中に発生するスケール等の析出物質、錆、又は細菌等の異物除去、発生回避を図る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の、スケール等の析出物質除去装置は、磁力を用いて、その磁界を横切る流水中に微弱電流を発生せしめるか、又は正負の各々の電極を水中に没した後に電圧をその電極間に掛けて、その電気的効果によりスケール等の生成に関与するイオン成分の化学反応を電気的に阻害する方式であった。
【0003】
しかし、この磁力を利用した方式の装置では、流水が設置した磁石より発生する磁力線を横切ることによる微弱電流の発生を利用しているが、この場合には流水の量及び速度によって発生する微弱電流が変化するために、安定した効果が期待できなかった。
【0004】
そして、これに関する文献として、特開2000-167591のサヒ゛・スケールの除去または付着防止方法がある。その内容は、配水管内の水中に、対の放電電極を配置し、この放電電極に電力供給の電源ケーフ゛ルを接続し、この放電電極より水の絶縁破壊電圧以上の電圧条件でハ゜ルス放電を行う構造である。その特徴は、薬品を使用した従来技術に比べ、瞬間的に処理が行え、かつ低コストで、処理後のサヒ゛・スケールが細かく粉砕され配水管を閉塞させない、また薬品を使用しない等の特徴を持つ装置であり、配水管内のサヒ゛・スケールの除去方法及び付着防止方法を提供することにある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の磁力を利用した方式の装置では、流水が設置した磁石より発生する磁力線を横切ることによる微弱電流の発生を利用して処理する方法である。しかし、この方法では、流水の量及び速度によって発生する微弱電流が変化することから、安定した効果が期待できなかった。
【0006】
一方、電極間に電圧を掛けて電流を流す方式では、水中に電流が流れるため、配管等の金属製の設備に電気による腐蝕が発生する虞があり、あまりに高い電流を流すことから、例えば、ランニンク゛コストが嵩み、また・塔eナンスの頻度増大等の上で問題が有った。
【0007】
また文献の発明は、ハ゜ルス放電であり、水中に高電圧を掛け電流を発生させるために、感電事故の危険性がある。
【0008】
上記に鑑み本発明は、水中に電流を流す事なく、水中に発生するスケール等の析出物の分解及び再析出の防止を行うスケール等の析出物質、錆、又は細菌等(以下、原則として、スケール等の析出物質とする)の異物除去、発生回避を図る装置の提供を意図する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、強力な交流電界を水中に発生させて、水中に起きる化学反応を制御すること、又は交流変圧器の二次側の一方の端子には配線を設けず、また他方の端子には配線を設け、この配線を絶縁電極に接続し、この絶縁電極を循環している水中に沈める構成を採用して、前述の効果を発揮することを意図する。
【0010】
この請求項1は、高電圧を発生させる交流変圧器の二次側に配した他方の端子を水中に没する絶縁電極に接続し、また一方の端子を開放し、前記絶縁電極の周りに電界を発生させ、前記水中、又は流動する水系に発生するスケール等の析出物質、錆、又は細菌等の異物除去、発生回避を図る装置である。
【0011】
また本発明の他の目的は、水中で使用する電極の保護と、耐久性の向上とを図ることを意図する。
【0012】
この請求項2は、請求項1に記載の絶縁電極であって、この電極は、耐水耐絶縁材で被覆したことを特徴とするスケール等の析出物質、錆、又は細菌等の異物除去、発生回避を図る装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1のような電気回路において、交流変圧器の二次側に設けた一方の端子5を開放する。そして望ましくは、この一方の端子5(配線)を絶縁物で覆い、電流が流れないようにする。
【0014】
また図1のように交流変圧器二次側(片側)に配線し、漏電などに注意して、電圧供給電線9を介して絶縁電極1に接続する。尚、電源は、一般電源AC100V(海外では、115V、200V、220V等)より電圧昇圧装置(電源トランス)にて電界発生電圧以上〜放電電圧未満に昇圧して使用する。例えば、交流変圧器4で、トランスのインフ゜ットAC100V〜アウトフ゜ットAC10000Vで、インフ゜ットとアウト フ゜ットが一対のトランスが理想である。尚、各回路系統(配線)は、漏電対策をする。
【0015】
尚、この絶縁電極1は、図2のように金属等の導電性のある電流を良く流す材料で製作された内部電極6と、この内部電極6を覆う電気を絶縁する材料7とで構成する。
【0016】
そして、使用する時には、図2の電極部分を水(冷却水:水系)の循環している管路(図示せず)に挿入するか、或いは水系の途中に備わっていることが多いクーリンク゛タワー、水浴フ゜ール、又は温泉水等の水槽8に沈めて使用する。この一例では、電源を交流変圧器4の一次側3にかけると、二次側2に高い交流電圧が発生し、この交流電圧は、二次側2の片側から絶縁電極1に至り、この絶縁電極1周辺の水中に交流電界の影響が発生し、その交流電界は、水槽8の水、又は他の水、温水等に対して、以下に示す作用(1)〜(4)がある。
: 作用(1) 水塊の微細化
交流電界により水塊を細かく(所謂クラスター)し、浸透性の高い水を作る。この水は配管にスケールが有るとすれば、このスケールの中に浸透し、当該スケールを剥がれやすくすること、又は水中溶解物(過飽和)の析出を促進することができる。
: 作用(2) 殺菌
絶縁電極付近を細菌等の微生物が通過する場合、微生物はそれ自身が代謝活動をしている。そして、この代謝活動は、微弱な電気現象を伴うものであり規則性を持っている。これに対して、交流電界は生物の代謝(電気現象)に直接影響を及ぼすことになり、この結果、微生物(生物)の生命維持機能を阻害し、当該微生物を死滅させる。従って、交流電界は微生物に対し内部被爆を与える。これに対して、従来の如く、アルカリ等の薬剤で殺菌する場合は、微生物の細胞皮膜を破壊するに留まる。しかしながら、前述の如く、交流電界は微生物に対し内部被爆を与えることから、本発明は、その原理(機能)が全く相違する。
: 作用(3) 電気的特性の喪失(電子の授受)
周知の如く、水が電極付近を通過しようとする際に、例えば、イオン化物質等の如く、極性を帯びた物は、交流電界で弾かれ引き寄せられる。この挙動を繰返すことで、余剰な電子の授受は、絶縁電極1を介して行い電気的性質を失うものと考えられる。この作用により、次のことが考えられる。例えば、▲1▼ スケール(炭酸カルシウムが主成分)が壁面に固着する現象は静電吸着である。このスケールに、浸透性が高くなり、かつ中性化した物質(水及び水中の微量成分)が入って行くことで、水は当該スケールの余剰電子を取り込む。この取り込まれた水と電界影響を受けた水が常に入れ替わることで、スケール片が排出されるという挙動を示す。この作用が絶えず繰返されることから、スケールは固着した壁面から剥がされていくことが判明した。▲2▼ 金属(配管等)が錆びる現象は、金属から電子が放出される現象であることは、既に知られている。そして、電子を受け取る物があり、その間にある程度以上の電位差が生ずることにより、錆びの進行を促進すると考えられている。従って、前述の如く、水を含めたイオン化物質又は帯電物(流動摩擦等により生ずる)は中性化されるために、電子を受け取る物となり得ないことから、この種の金属の錆びの進行は停止できる。また電極近傍の強電界影響部では、錆びた金属の還元作用も起こることが実験報告されている。そして、電極上にて細菌を死滅させることができるのは、作用(2)の説明の通りであるが、10000V電界電圧ではその影響範囲が電極上から数十・[トル離れた所までも残留したとする実験報告も有り、性質が水に転写(又は性質の残留)すると考えられる。この転写した水を解除するには転写エネルキ゛ーの放出が必要であって、その方法は時間的要素(エネルキ゛ーの自己消費)の他には、例えば、帯電物質と反応させるか、又は直流電界により瞬時に転写エネルキ゛ー双方向(交流)を、片方向(直流)のみにする機構を介して遮断すること等も考えられる。尚、永久磁石式水質改善器(マク゛ネタイサ゛ー)で殺菌効果が現れないことは、マク゛ネタイサ゛ー導入者からの実施報告があった。そして、この装置では、静電誘導作用を使用しており、電流を積極的に消費する構造ではないので、通常の電気設備のような電力消費は無いことが利点である。
: 作用(4) 飲料水等への適用
10000Vの電界電圧に水中の遊離塩素が晒されると、トリハロ・^ン等の生成が観察された実験報告が有ることから、分子分解や再合成を誘発しない電界電圧に抑える等により、適用が可能になる。考えられる使用例としては、飲料水としての利用の場合には、体内の活性酵素(老廃物)を消して、細胞・血液・腸内微生物・皮膚・毛髪等の治癒効果、又は活性化等に寄与できる。また病気、機能障害等の根源となる活性酵素を消して、健康な生活を満喫できること、病気の治癒に役立つこと、便秘の解消に役立つこと等の特徴も考えられる。さらに料理用、洗顔用、花瓶用等としての利用も可能である。この料理では、味・臭い等の本来の特徴と、まろやかさ、また口当たり、日持ち等の向上が図れる。また洗顔では、肌のはり、艶、化粧ののり、或いは肌の手入れ等の向上が図れる。さらに花瓶では、花の日持ちがよくなり、また色目の美しさは格別である等の利点がある。
: 作用(5) 水浴フ゜ールや温泉水への適用
殺菌効果とその転写について前項で記述したように、クーリンク゛タワー等の閉鎖系では効果が持続した方が望ましい。しかし、この系外では殺菌作用が害になることもある。その手当てとして、例えば、系外への出口には、殺菌効果遮断機能を付設することが望ましい。一例としては、前述した出口の配管部に強力永久磁石を設置し、交流電界による影響を減衰及び直流成分のみと成す、又は水晶粒等圧電効果素子を流路に置くことで、交流電界効果を圧電素子から発せられる単一極性で打ち消すことにより水の生物に対する影響を遮断することが可能と考えられる。
本発明は温水中で生存する細菌(レシ゛オネラ)の消滅にも有効であり、例えば、病院等の比較的体力が劣り、また幼児等の生活する居住施設には、是非とも設置が望まれる処である。
: 作用(6) その他の適用
洗濯槽又は濯ぎ水、また洗濯水に利用できると考えられる。即ち、この例の如く、洗濯槽で水だけの空運転をすることでト゛ラム裏側の滑り等のカヒ゛を一掃できる。
また洗濯水に使えば、洗剤を少なくしても同等の洗浄効果が期待できると考えられる。尚、スケール除去装置は水のpHに影響を与えないので、柄物の色落ち等の心配が無いと思われる。
フィールト゛テスト協力会社と実施時期を表1、表2として表示する。
【0017】
添付の表に対する説明
表1 比較的大きなクーリンク゛タワー装置稼動にて一般細菌が470から76、溶解性残渣が202から81に減少している。従って、総括すると、本発明の導入によって、クーリンク゛タワー及び配管内の汚染物質が、水中に溶解してきたために、わずか数日で水質が変化したことが明らかになった。
【0018】
表2 溶解性残渣が1087から85まで変化している。また一般性細菌と大腸菌のみ検査し、スケール除去装置稼動4日間目で大腸菌は0、一般細菌もその後0となる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、絶縁電極1を水中に没して、電源を変圧器の一次側3にかけると、二次側に高い交流電圧が発生する構成である。従って、以下に記載した効果を奏する。
【0020】
この変圧器の二次側に発生した電圧が、絶縁電極にかかると水中に交流電界が発生し、水中での化学反応に干渉して、スケール等の生成を阻害し、析出物が発生しにくくなる特徴がある。
【0021】
従って、この装置を、冷却水の水系に挿入、又は吊下等して設置すると、管路内のスケールを徐々に除去できること、また内部の清掃の手間が省けること、さらに清掃が困難なこの管路内のスケール等も除去できるため、管路内がスケール等の析出物によって閉塞することを回避できること、金属溶出の停止が図れること、管路の耐久性の向上が図れること等の実益がある。また水槽等のタンクにおいて、剥離したスケールや有機物は、フロック、スラッシ゛等として分離又は沈降促進が図れる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本的な電気回路である。
【図2】絶縁電極1の内部構造で、断面の模式図である。
【図3】内部電極6と電圧供給電線9を接続した模式図である。
【図4】絶縁電極1を水槽8に入れた様子を示す模式図である。
【符号の説明】
1 絶縁電極
2 交流変圧器二次側
3 交流変圧器一次側
4 交流変圧器
5 一方の端子
6 内部電極
7 絶縁材料部
8 水槽
9 電圧供給電線
【発明の属する技術分野】
本発明は、流水および溜り水中に発生するスケール等の析出物質、錆、又は細菌等の異物除去、発生回避を図る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の、スケール等の析出物質除去装置は、磁力を用いて、その磁界を横切る流水中に微弱電流を発生せしめるか、又は正負の各々の電極を水中に没した後に電圧をその電極間に掛けて、その電気的効果によりスケール等の生成に関与するイオン成分の化学反応を電気的に阻害する方式であった。
【0003】
しかし、この磁力を利用した方式の装置では、流水が設置した磁石より発生する磁力線を横切ることによる微弱電流の発生を利用しているが、この場合には流水の量及び速度によって発生する微弱電流が変化するために、安定した効果が期待できなかった。
【0004】
そして、これに関する文献として、特開2000-167591のサヒ゛・スケールの除去または付着防止方法がある。その内容は、配水管内の水中に、対の放電電極を配置し、この放電電極に電力供給の電源ケーフ゛ルを接続し、この放電電極より水の絶縁破壊電圧以上の電圧条件でハ゜ルス放電を行う構造である。その特徴は、薬品を使用した従来技術に比べ、瞬間的に処理が行え、かつ低コストで、処理後のサヒ゛・スケールが細かく粉砕され配水管を閉塞させない、また薬品を使用しない等の特徴を持つ装置であり、配水管内のサヒ゛・スケールの除去方法及び付着防止方法を提供することにある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の磁力を利用した方式の装置では、流水が設置した磁石より発生する磁力線を横切ることによる微弱電流の発生を利用して処理する方法である。しかし、この方法では、流水の量及び速度によって発生する微弱電流が変化することから、安定した効果が期待できなかった。
【0006】
一方、電極間に電圧を掛けて電流を流す方式では、水中に電流が流れるため、配管等の金属製の設備に電気による腐蝕が発生する虞があり、あまりに高い電流を流すことから、例えば、ランニンク゛コストが嵩み、また・塔eナンスの頻度増大等の上で問題が有った。
【0007】
また文献の発明は、ハ゜ルス放電であり、水中に高電圧を掛け電流を発生させるために、感電事故の危険性がある。
【0008】
上記に鑑み本発明は、水中に電流を流す事なく、水中に発生するスケール等の析出物の分解及び再析出の防止を行うスケール等の析出物質、錆、又は細菌等(以下、原則として、スケール等の析出物質とする)の異物除去、発生回避を図る装置の提供を意図する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、強力な交流電界を水中に発生させて、水中に起きる化学反応を制御すること、又は交流変圧器の二次側の一方の端子には配線を設けず、また他方の端子には配線を設け、この配線を絶縁電極に接続し、この絶縁電極を循環している水中に沈める構成を採用して、前述の効果を発揮することを意図する。
【0010】
この請求項1は、高電圧を発生させる交流変圧器の二次側に配した他方の端子を水中に没する絶縁電極に接続し、また一方の端子を開放し、前記絶縁電極の周りに電界を発生させ、前記水中、又は流動する水系に発生するスケール等の析出物質、錆、又は細菌等の異物除去、発生回避を図る装置である。
【0011】
また本発明の他の目的は、水中で使用する電極の保護と、耐久性の向上とを図ることを意図する。
【0012】
この請求項2は、請求項1に記載の絶縁電極であって、この電極は、耐水耐絶縁材で被覆したことを特徴とするスケール等の析出物質、錆、又は細菌等の異物除去、発生回避を図る装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1のような電気回路において、交流変圧器の二次側に設けた一方の端子5を開放する。そして望ましくは、この一方の端子5(配線)を絶縁物で覆い、電流が流れないようにする。
【0014】
また図1のように交流変圧器二次側(片側)に配線し、漏電などに注意して、電圧供給電線9を介して絶縁電極1に接続する。尚、電源は、一般電源AC100V(海外では、115V、200V、220V等)より電圧昇圧装置(電源トランス)にて電界発生電圧以上〜放電電圧未満に昇圧して使用する。例えば、交流変圧器4で、トランスのインフ゜ットAC100V〜アウトフ゜ットAC10000Vで、インフ゜ットとアウト フ゜ットが一対のトランスが理想である。尚、各回路系統(配線)は、漏電対策をする。
【0015】
尚、この絶縁電極1は、図2のように金属等の導電性のある電流を良く流す材料で製作された内部電極6と、この内部電極6を覆う電気を絶縁する材料7とで構成する。
【0016】
そして、使用する時には、図2の電極部分を水(冷却水:水系)の循環している管路(図示せず)に挿入するか、或いは水系の途中に備わっていることが多いクーリンク゛タワー、水浴フ゜ール、又は温泉水等の水槽8に沈めて使用する。この一例では、電源を交流変圧器4の一次側3にかけると、二次側2に高い交流電圧が発生し、この交流電圧は、二次側2の片側から絶縁電極1に至り、この絶縁電極1周辺の水中に交流電界の影響が発生し、その交流電界は、水槽8の水、又は他の水、温水等に対して、以下に示す作用(1)〜(4)がある。
: 作用(1) 水塊の微細化
交流電界により水塊を細かく(所謂クラスター)し、浸透性の高い水を作る。この水は配管にスケールが有るとすれば、このスケールの中に浸透し、当該スケールを剥がれやすくすること、又は水中溶解物(過飽和)の析出を促進することができる。
: 作用(2) 殺菌
絶縁電極付近を細菌等の微生物が通過する場合、微生物はそれ自身が代謝活動をしている。そして、この代謝活動は、微弱な電気現象を伴うものであり規則性を持っている。これに対して、交流電界は生物の代謝(電気現象)に直接影響を及ぼすことになり、この結果、微生物(生物)の生命維持機能を阻害し、当該微生物を死滅させる。従って、交流電界は微生物に対し内部被爆を与える。これに対して、従来の如く、アルカリ等の薬剤で殺菌する場合は、微生物の細胞皮膜を破壊するに留まる。しかしながら、前述の如く、交流電界は微生物に対し内部被爆を与えることから、本発明は、その原理(機能)が全く相違する。
: 作用(3) 電気的特性の喪失(電子の授受)
周知の如く、水が電極付近を通過しようとする際に、例えば、イオン化物質等の如く、極性を帯びた物は、交流電界で弾かれ引き寄せられる。この挙動を繰返すことで、余剰な電子の授受は、絶縁電極1を介して行い電気的性質を失うものと考えられる。この作用により、次のことが考えられる。例えば、▲1▼ スケール(炭酸カルシウムが主成分)が壁面に固着する現象は静電吸着である。このスケールに、浸透性が高くなり、かつ中性化した物質(水及び水中の微量成分)が入って行くことで、水は当該スケールの余剰電子を取り込む。この取り込まれた水と電界影響を受けた水が常に入れ替わることで、スケール片が排出されるという挙動を示す。この作用が絶えず繰返されることから、スケールは固着した壁面から剥がされていくことが判明した。▲2▼ 金属(配管等)が錆びる現象は、金属から電子が放出される現象であることは、既に知られている。そして、電子を受け取る物があり、その間にある程度以上の電位差が生ずることにより、錆びの進行を促進すると考えられている。従って、前述の如く、水を含めたイオン化物質又は帯電物(流動摩擦等により生ずる)は中性化されるために、電子を受け取る物となり得ないことから、この種の金属の錆びの進行は停止できる。また電極近傍の強電界影響部では、錆びた金属の還元作用も起こることが実験報告されている。そして、電極上にて細菌を死滅させることができるのは、作用(2)の説明の通りであるが、10000V電界電圧ではその影響範囲が電極上から数十・[トル離れた所までも残留したとする実験報告も有り、性質が水に転写(又は性質の残留)すると考えられる。この転写した水を解除するには転写エネルキ゛ーの放出が必要であって、その方法は時間的要素(エネルキ゛ーの自己消費)の他には、例えば、帯電物質と反応させるか、又は直流電界により瞬時に転写エネルキ゛ー双方向(交流)を、片方向(直流)のみにする機構を介して遮断すること等も考えられる。尚、永久磁石式水質改善器(マク゛ネタイサ゛ー)で殺菌効果が現れないことは、マク゛ネタイサ゛ー導入者からの実施報告があった。そして、この装置では、静電誘導作用を使用しており、電流を積極的に消費する構造ではないので、通常の電気設備のような電力消費は無いことが利点である。
: 作用(4) 飲料水等への適用
10000Vの電界電圧に水中の遊離塩素が晒されると、トリハロ・^ン等の生成が観察された実験報告が有ることから、分子分解や再合成を誘発しない電界電圧に抑える等により、適用が可能になる。考えられる使用例としては、飲料水としての利用の場合には、体内の活性酵素(老廃物)を消して、細胞・血液・腸内微生物・皮膚・毛髪等の治癒効果、又は活性化等に寄与できる。また病気、機能障害等の根源となる活性酵素を消して、健康な生活を満喫できること、病気の治癒に役立つこと、便秘の解消に役立つこと等の特徴も考えられる。さらに料理用、洗顔用、花瓶用等としての利用も可能である。この料理では、味・臭い等の本来の特徴と、まろやかさ、また口当たり、日持ち等の向上が図れる。また洗顔では、肌のはり、艶、化粧ののり、或いは肌の手入れ等の向上が図れる。さらに花瓶では、花の日持ちがよくなり、また色目の美しさは格別である等の利点がある。
: 作用(5) 水浴フ゜ールや温泉水への適用
殺菌効果とその転写について前項で記述したように、クーリンク゛タワー等の閉鎖系では効果が持続した方が望ましい。しかし、この系外では殺菌作用が害になることもある。その手当てとして、例えば、系外への出口には、殺菌効果遮断機能を付設することが望ましい。一例としては、前述した出口の配管部に強力永久磁石を設置し、交流電界による影響を減衰及び直流成分のみと成す、又は水晶粒等圧電効果素子を流路に置くことで、交流電界効果を圧電素子から発せられる単一極性で打ち消すことにより水の生物に対する影響を遮断することが可能と考えられる。
本発明は温水中で生存する細菌(レシ゛オネラ)の消滅にも有効であり、例えば、病院等の比較的体力が劣り、また幼児等の生活する居住施設には、是非とも設置が望まれる処である。
: 作用(6) その他の適用
洗濯槽又は濯ぎ水、また洗濯水に利用できると考えられる。即ち、この例の如く、洗濯槽で水だけの空運転をすることでト゛ラム裏側の滑り等のカヒ゛を一掃できる。
また洗濯水に使えば、洗剤を少なくしても同等の洗浄効果が期待できると考えられる。尚、スケール除去装置は水のpHに影響を与えないので、柄物の色落ち等の心配が無いと思われる。
フィールト゛テスト協力会社と実施時期を表1、表2として表示する。
【0017】
添付の表に対する説明
表1 比較的大きなクーリンク゛タワー装置稼動にて一般細菌が470から76、溶解性残渣が202から81に減少している。従って、総括すると、本発明の導入によって、クーリンク゛タワー及び配管内の汚染物質が、水中に溶解してきたために、わずか数日で水質が変化したことが明らかになった。
【0018】
表2 溶解性残渣が1087から85まで変化している。また一般性細菌と大腸菌のみ検査し、スケール除去装置稼動4日間目で大腸菌は0、一般細菌もその後0となる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、絶縁電極1を水中に没して、電源を変圧器の一次側3にかけると、二次側に高い交流電圧が発生する構成である。従って、以下に記載した効果を奏する。
【0020】
この変圧器の二次側に発生した電圧が、絶縁電極にかかると水中に交流電界が発生し、水中での化学反応に干渉して、スケール等の生成を阻害し、析出物が発生しにくくなる特徴がある。
【0021】
従って、この装置を、冷却水の水系に挿入、又は吊下等して設置すると、管路内のスケールを徐々に除去できること、また内部の清掃の手間が省けること、さらに清掃が困難なこの管路内のスケール等も除去できるため、管路内がスケール等の析出物によって閉塞することを回避できること、金属溶出の停止が図れること、管路の耐久性の向上が図れること等の実益がある。また水槽等のタンクにおいて、剥離したスケールや有機物は、フロック、スラッシ゛等として分離又は沈降促進が図れる特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本的な電気回路である。
【図2】絶縁電極1の内部構造で、断面の模式図である。
【図3】内部電極6と電圧供給電線9を接続した模式図である。
【図4】絶縁電極1を水槽8に入れた様子を示す模式図である。
【符号の説明】
1 絶縁電極
2 交流変圧器二次側
3 交流変圧器一次側
4 交流変圧器
5 一方の端子
6 内部電極
7 絶縁材料部
8 水槽
9 電圧供給電線
Claims (2)
- 高電圧を発生させる交流変圧器の二次側に配した他方の端子を水中に没する絶縁電極に接続し、また一方の端子を開放し、前記絶縁電極の周りに電界を発生させ、前記水中、又は流動する水系に発生するスケール等の析出物質、錆、又は細菌等の異物除去、発生回避を図る装置。
- 請求項1に記載の絶縁電極であって、この電極は、耐水耐絶縁材で被覆したことを特徴とするスケール等の析出物質、錆、又は細菌等の異物除去、発生回避を図る装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003163960A JP2004174484A (ja) | 2002-09-30 | 2003-06-09 | 電界利用による水中のスケール等の析出物質、錆、又は細菌等の異物除去、発生回避を図る装置 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2002323191 | 2002-09-30 | ||
JP2003163960A JP2004174484A (ja) | 2002-09-30 | 2003-06-09 | 電界利用による水中のスケール等の析出物質、錆、又は細菌等の異物除去、発生回避を図る装置 |
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JP2004174484A true JP2004174484A (ja) | 2004-06-24 |
Family
ID=32716011
Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006167687A (ja) * | 2004-12-20 | 2006-06-29 | Masao Iizuka | 電界発生装置の絶縁性電極 |
CN107605434A (zh) * | 2017-10-18 | 2018-01-19 | 上海兴全电力技术有限公司 | 一种油田高压注水管除垢系统及除垢方法 |
CN107925112A (zh) * | 2015-08-24 | 2018-04-17 | 凯米罗总公司 | 减少微生物燃料电池的污垢的方法、清洁剂组合物及其用途 |
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2003
- 2003-06-09 JP JP2003163960A patent/JP2004174484A/ja active Pending
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