JP2004173468A - 磁気軸受を利用したガス循環ファン装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】主軸の軽量化、モータロータの小型化などにより主軸を含めた回転体重量を軽量化すること、軸受構造を変更して主軸を短軸化することなどによって主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する装置を提供する。
【解決手段】主軸1の軸芯に貫通穴20を設ける、主軸の両端面または片端面から深穴を開けるなどによって主軸を軽量化すること、モータロータキャン14を磁性材料にしてモータロータを小型化すること、タッチダウンベアリング24およびラジアル磁気軸受位置検出センサ26の一方または両方を主軸の先端に取り付けたコップ型の磁気軸受ロータの内周側に配置して主軸軸長を短軸化することなどの構成によって、磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動数による曲げ振動を低減し高速回転化する装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】主軸1の軸芯に貫通穴20を設ける、主軸の両端面または片端面から深穴を開けるなどによって主軸を軽量化すること、モータロータキャン14を磁性材料にしてモータロータを小型化すること、タッチダウンベアリング24およびラジアル磁気軸受位置検出センサ26の一方または両方を主軸の先端に取り付けたコップ型の磁気軸受ロータの内周側に配置して主軸軸長を短軸化することなどの構成によって、磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動数による曲げ振動を低減し高速回転化する装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、エキシマレーザ装置のガス循環ファンを高速回転して、レーザ発振周波数を高める循環ファン装置の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体露光装置の光源において、短波長であるエキシマレーザ装置の性能向上に期待が大きい。高スループットを実現のために、ガス循環ファンを高速回転して、将来、例えば レーザ発振周波数を現状の2000Hzから4000Hzに、さらに6000Hzに高めることが不可欠である。
【0003】
エキシマレーザ装置の循環ファンは、主軸の軸方向に長いクロスフローファンが使用され、主軸はファンの軸中心部分を貫通している。現状よりも高速回転化するためには、ファン負荷が大きくなって大出力モータが必要となり、現状よりも装置のサイズが大きくなる。
【0004】
図2は、主軸が中実で(軽量化していない)主軸曲げ固有振動数が低下する従来技術のガス循環ファン装置(以下、従来装置という)の構成を示す断面図である。この図2の構造のような従来装置では、モータ出力の増加に伴って、モータロータの質量が増加して主軸曲げ固有振動数が低下するために高速回転化することが困難であった。通常、主軸曲げ固有振動数の70〜80%程度が常時使用可能な回転数の上限とされているために、主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するために重要な課題である。
[図2の従来装置の説明]
図2において、レーザガス12を密封するチャンバ3の両側に、ハウジング(A)10とハウジング(B)11とが取り付けられている。チャンバ3内にはレーザガス12を循環するためのファン2が設置され、ファン2の中央には主軸1が貫通している。ファン2に対して主軸1の一端(図では主軸1の中間部分)は、ラジアル電磁石4およびラジアル磁気軸受位置検出センサ25から形成される第1のラジアル磁気軸受によって非接触で軸支されている。また、ファン2に対して主軸1の一端(図では主軸1の右部分)は、ラジアル電磁石5およびラジアルラジアル磁気軸受位置検出センサ26から形成される第2のラジアル磁気軸受によって非接触で軸支されている。
【0005】
さらに、上記ラジアル電磁石4およびラジアル磁気軸受位置検出センサ25とラジアル電磁石5およびラジアルラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが、レーザガス12内のフッ素ガスに腐食されないように、金属性(通常は非磁性のステンレス)磁気軸受キャン(隔壁)17および磁気軸受キャン18が取り付けられる。これらのキャンはハウジング10およびハウジング11にそれぞれ隙間なく溶接される。
【0006】
スラスト磁気軸受は、スラスト電磁石6とスラスト磁気軸受位置検出センサ27とから形成される。このスラスト磁気軸受と主軸1に固定されたスラスト板15との間に軸受・スラスト板間吸引力が作用する。また、主軸1の右端と永久磁石7との間に主軸・磁石間吸引力が作用する。
【0007】
スラスト方向は、上記軸受・スラスト板間吸引力と上記主軸・磁石間吸引力とが平衡するようにスラスト磁気軸受によって制御される。すべての軸受部が非接触で軸支されるので、ゴミ、油などの発生がなく、レーザガス12が劣化しない。
【0008】
また、主軸1の両端付近の磁気軸受近傍にそれぞれ接触軸支可能なタッチダウンベアリング23およびタッチダウンベアリング24が配置されている。これらのタッチダウンベアリングは、非接触で軸支する磁気軸受の機能に異常が生じたときに、主軸1と電磁石4またはラジアル電磁石5とが接触して磁気軸受が破損することを防止している。
【0009】
主軸1は、主軸1に取り付けられたモータロータ9とハウジング10内に格納されたモータステータ8とによって回転駆動する。モータロータ9およびモータステータ8がエキシマレーザ装置に使用される場合は、モータロータ9およびモータステータ8がレーザガス12内のフッ素ガスに腐食されないように、金属性(通常は非磁性のステンレス)のモータステータキャン(隔壁)13およびモータロータキャン14が主軸1の外周に取り付けられる。これらのキャンはハウジング10、主軸1にそれぞれ溶接によって密着接合され、モータロータ9およびモータステータ8はフッ素ガス雰囲気から完全に隔離され保護されている。
【0010】
図3は、モータロータとモータステータとの両側にフッ素ガスに腐食されないように非磁性のステンレスのキャンを使用したエアーギャップの拡大図である。エキシマレーザ装置では、モータロータ9とモータステータ8とのそれぞれ両側にモータステータキャン13およびモータロータキャン14が必要となる。
【0011】
同図において、モータステータキャン13およびモータロータキャン14が非磁性体であるので、モータステータキャン13およびモータロータキャン14の厚み(Lc)は磁性体として機能しないでモータエアーギャップ(Da1)となる。したがって、モータの所定の磁束を確保するためにはより大きなモータが必要となる。以下の説明は、図10に示す(本発明の)第5の実施例と対比して後述する。
【0012】
図4は、タッチダウンベアリングおよび磁気軸受位置検出センサの両者を電磁石の両端に配置した従来技術の磁気軸受部詳細図である。主軸1に磁性材料の磁気軸受ロータ28が取り付けられ、磁気軸受ロータ28と対向する位置に、ラジアル電磁石5とラジアルラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが配置されている。このラジアル磁気軸受位置検出センサ26が主軸1の位置を検出し、あらかじめ設定された位置に主軸1を微調整するようにラジアル電磁石5が作用する。
【0013】
図5は、ターゲット材料に非磁性材料を使用した従来装置の磁気軸受部詳細図である。ラジアル磁気軸受位置検出センサ26にコイルのインダクタンス変化を利用した磁気式センサが利用されるが、磁気軸受ロータ28に磁性材料を使用し、ラジアル磁気軸受位置検出センサ26が、ラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受ける可能性があるときは、図5のように、センサターゲット29だけを別体とし、ターゲット材料に非磁性材料(例えば、オーステナイト系ステンレス、アルミニウムなど)を使用する場合もある。
【0014】
【特許文献1】
特開平11−303793
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ファンを高速回転化するためには、主軸曲げ固有振動数の低下を防ぐことが不可欠であり、そのためには、(a)主軸を含めた回転体重量を軽量化する構成を備えることおよび(b)主軸軸長を短軸化する構成を備えることである。
【0016】
高速回転化するためにはモータ出力を増加しなければならないが、それに伴うモータロータ9の外形寸法(例えば軸長)および重量が増加して主軸曲げ固有振動数が低下する。そのために、前述した図2の従来装置では、高速回転化することは困難であった。
【0017】
エキシマレーザ装置の循環ファンは、主軸の軸方向に長いクロスフローファンが使用され、主軸はファンの軸中心部分を貫通している。現状よりも高速回転化するためには、ファン負荷が大きくなって大出力モータが必要となり、現状よりも装置のサイズが大になる。
【0018】
図3で前述したように、エキシマレーザ装置では、モータロータ9とモータステータ8とのそれぞれ両側にモータステータキャン13およびモータロータキャン14が必要となるために、モータエアーギャップ31が通常より大きくなり、所要のモータ出力を得るためには、通常の用途のモータよりも大きなサイズのモータが必要である。これはモータロータ9の重量の増加を意味しており、主軸曲げ固有固有振動数を低下させ高速回転化には不利となっていた。
【0019】
また、前述した図2ないし図6の従来技術の磁気軸受では、ラジアル電磁石5とラジアル磁気軸受位置検出センサ26のターゲットとが一体であるために、ラジアル磁気軸受位置検出センサ26がラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受けやすい。
【0020】
前述した図5の従来装置の磁気軸受構造では、ラジアル電磁石5とラジアルラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが軸方向に直列に並んで配置されているために、これに対向する磁気軸受ロータ28の軸方向長さが長くなって主軸1の主軸長が長くなり、主軸曲げ固有振動数が低下する。
【0021】
一般に回転機械では、常時使用可能な回転数の上限は主軸曲げ固有振動数の70ないし80%程度とされているが、前述した図2の従来装置では、主軸長が長くなると、主軸曲げ固有振動数がかなり低下して、高速回転化することが困難であった。
【0022】
また図5において、磁気軸受ロータ28に磁性材料を使用し、ラジアル磁気軸受位置検出センサ26が、ラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受ける可能性があるときは、図5のように、センサターゲット29だけを別体とし、ターゲット材料に非磁性材料を使用している。しかし、前述した図4の従来技術の磁気軸受では、ラジアル電磁石5とラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが一体であったために、ラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受ける課題は、完全に除去されていない。
【0023】
図6は、主軸に歯車34、検出穴などを設けて外部からセンシングする従来装置の構成を示す断面図である。通常の回転機械では回転数検出センサ33が必要なために、主軸に歯車34、検出穴などを設けて外部からセンシングしている。ところが、歯車、検出穴などを設けると、それだけ主軸長が長くなり主軸曲げ固有振動数が低下する。
[本発明の目的]
第1の発明は、上記の(a)主軸を含めた回転体重量を軽量化する第1の構成として、主軸を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する構成を備えたガス循環ファン装置であり、第2の発明は、上記の(a)主軸を含めた回転体重量を軽量化する第2の構成として、モータロータ9を小型化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する構成を備えたガス循環ファン装置であり、第3の発明は、上記の(b)主軸を短軸化する構成として、軸受構造を変更して主軸を短軸化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する構成を備えたガス循環ファン装置である。
【0024】
特開平11−303793[特許文献1]には、上記第1の発明ないし第3の発明の構成に関する記載がない。
【0025】
【課題を解決するための手段】
実施態様1の発明は、後述する第1の発明の実施の形態であって、図1に示す第1の実施例のように主軸1の軸芯に貫通穴20を設ける、図7に示す第2の実施例のように主軸の両端面または片端面から深穴16を開けるなどによって主軸を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するガス循環ファン装置である。
【0026】
第1の発明の実施の形態を具体化した実施態様1の発明は、レーザガス12を循環するファン2を回転駆動する主軸1を備えたモータと、上記モータを内部に設置したチャンバ3と、上記チャンバ3の両側に取り付けられた第1のハウジング10および第2のハウジング11の内部に主軸1を非接触で軸支する一対のラジアル電磁石4およびラジアル電磁石5からなる第1磁気軸受および第2磁気軸受と、上記主軸1を非接触で軸支する磁気軸受の機能に異常が生じたときに、主軸1とラジアル電磁石4またはラジアル電磁石5とが接触することを回避する一対のタッチダウンベアリング23およびタッチダウンベアリング24とを備えたガス循環装置において、上記ファン2を回転駆動する主軸1を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0027】
実施態様2の発明は、図1に示す第1の実施例のように、主軸内に貫通穴20を設けて主軸1を軽量化した実施態様1に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0028】
実施態様3の発明は、図7に示す第2の実施例のように、主軸内の両端面または片端面から深穴16を開けて主軸1を軽量化した実施態様1に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0029】
実施態様4の発明は、図8に示す第3の実施例または図9に示す第4の実施例のように、主軸内に穴部を設けて主軸1を軽量化するとともに主軸内の貫通穴20または端面から開けた深穴16の全体または一部に振動減衰部材を充填または挿入して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する実施態様2または実施態様3に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0030】
実施態様5の発明は、図8に示す第3の実施例のように、主軸内穴部の全体または一部に充填した振動減衰部材が粉材である実施態様4に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0031】
実施態様6の発明は、図9に示す第4の実施例のように、主軸内穴部の全体または一部に挿入した振動減衰部材がゴムである実施態様4に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0032】
実施態様7の発明は、主軸部材が重量に対して曲げモーメント強度が大のパイプ材である実施態様1に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0033】
実施態様8の発明は、後述する第2の発明の実施の形態であって、図10に示す第5の実施例のように、図1に示した装置、すなわち、レーザガス12を循環するファン2を回転駆動するモータロータ13の主軸1を備えたモータと、上記モータを内部に設置したチャンバ3と、上記チャンバ3の両側に取り付けられた第1のハウジング10および第2のハウジング11の内部に主軸1を非接触で軸支する一対のラジアル電磁石4およびラジアル電磁石5からなる第1磁気軸受および第2磁気軸受と、上記主軸1を非接触で軸支する磁気軸受の機能に異常が生じたときに、主軸1とラジアル電磁石4またはラジアル電磁石5とが接触することを回避する一対のタッチダウンベアリング23およびタッチダウンベアリング24とを備えたガス循環装置において、上記モータロータの外周の隔壁となるモータロータキャン14を磁性材料にしてモータエアギャップを小さくしても所定の磁束を確保することによってモータサイズを小型化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するガス循環ファン装置である。
【0034】
実施態様9の発明は、後述する第3の発明の実施の形態であって、後述する図11に示す第6の実施例、図12に示す第7の実施例、図13に示す第8の実施例および図14に示す第9の実施例のように、図1に示した装置、すなわち、レーザガス12を循環するファン2を回転駆動する主軸1を備えたモータと、上記モータを内部に設置したチャンバ3と、上記チャンバ3の両側に取り付けられた第1のハウジング10および第2のハウジング11の内部に主軸1を非接触で軸支する一対のラジアル電磁石4およびラジアル電磁石5からなる第1磁気軸受および第2磁気軸受と、ラジアル磁気軸受位置検出センサ26と、上記主軸1を非接触で軸支する磁気軸受の機能に異常が生じたときに、主軸1とラジアル電磁石4またはラジアル電磁石5とが接触することを回避する一対のタッチダウンベアリング23およびタッチダウンベアリング24とを備えたガス循環装置において、主軸の先端に取り付けたコップ型の磁気軸受ロータ28の内周側に、主軸端部側のタッチダウンベアリング24およびラジアル磁気軸受位置検出センサ26の一方または両方を配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するガス循環ファン装置である。
【0035】
実施態様10の発明は、図11に示す第6の実施例に示すように、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の外周側にタッチダウンベアリング24を配置し、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する実施態様9に記載のガス循環ファン装置である。
【0036】
実施態様11の発明は、図12に示す第7の実施例に示すように、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にタッチダウンベアリング24およびラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する実施態様9に記載のガス循環ファン装置である。
【0037】
実施態様12の発明は、図13に示す第8の実施例に示すように、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の外周側にタッチダウンベアリング24を配置し、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化するとともに、主軸1を非接触で軸支するラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受けるコップ型の磁気軸受ロータ28の開放側端部をコップ型の磁気軸受ロータ28から分割して非磁性材料を使用した磁気軸受センサターゲット32にした磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する実施態様9に記載のガス循環ファン装置である。
【0038】
実施態様13の発明は、図14に示す第9の実施例に示すように、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にタッチダウンベアリング24を配置し、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の外周側にラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する実施態様9に記載のガス循環ファン装置である。
【0039】
実施態様14の発明は、回転数検出をラジアル磁気軸受位置検出センサ26の回転数に同期したセンサ出力から行う磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する実施態様9に記載のガス循環ファン装置である。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明のガス循環装置は従来装置と比較して高速回転が可能であり、例えば半導体露光装置の光源に使用されるエキシマレーザなどに応用された場合、高スループットでの生産を期待することができる。
【0041】
ファンを高速回転化するためには、主軸曲げ固有振動数の低下を防ぐことが不可欠であり、その構成として主として次の2通りが考えられる。本発明は、(a)主軸を含めた回転体重量を軽量化する構成を備えることおよび(b)主軸を短軸化する構成を備えることである。本発明を具体化した発明の実施の形態は次のとおりである。
[第1の発明]
第1の発明は、上記の(a)主軸を含めた回転体重量を軽量化する第1の構成として、主軸を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する構成を備えたガス循環ファン装置である。
[第2の発明]
第2の発明は、上記の(a)主軸を含めた回転体重量を軽量化する第2の構成として、モータロータ9を小型化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する構成を備えたガス循環ファン装置である。
[第3の発明]
第3の発明は、上記の(b)主軸を短軸化する構成として、軸受構造を変更して主軸を短軸化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する構成を備えたガス循環ファン装置である。
[第1の発明の実施の形態]
第1の発明の実施の形態は、上記第1の発明の主軸を軽量化する構成として、後述する図1に示す第1の実施例のように主軸1の軸芯に貫通穴20を設ける、図7に示す第2の実施例のように主軸の両端面または片端面から深穴16を開けるなどによって主軸を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するガス循環ファン装置である。
[第2の発明の実施の形態]
第2の発明の実施の形態は、上記第2の発明のモータロータ9を小型化する構成として、後述する図10に示す第5の実施例のように、モータロータキャン14を磁性材料にしてモータエアギャップを小さくしても所定の磁束を確保してモータロータの外径を小径にするか、モータロータの軸方向の長さを短くして、すなわち、モータロータの外径の小径化およびモータロータの短軸化の少なくとも一方によってモータロータを小型化して軽量化することによって主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するガス循環ファン装置である。
[第3の発明の実施の形態]
第3の発明の実施の形態は、上記第3の発明の軸受構造を変更して主軸を短軸化する構成として、後述する図11に示す第6の実施例、図12に示す第7の実施例、図13に示す第8の実施例および図14に示す第9の実施例のように、タッチダウンベアリング24およびラジアル磁気軸受位置検出センサ26の一方または両方を主軸の先端に取り付けたコップ型の磁気軸受ロータ28の内周側に配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するガス循環ファン装置である。
【0042】
【実施例】
[第1の実施例]
ガス循環装置の具体的な構造について図1を参照して説明する。前述した図2の従来装置で説明した同様の構成および機能の説明は省略する。図1に示す本発明のガス循環ファン装置(以下、本発明の装置という)の構成と前述した図2の従来装置の構成との差異は次のとおりである。
【0043】
図1は、第1の実施例であって、主軸を中空にして軽量化した本発明の装置の構成断面図である。
【0044】
図1に示す第1の実施例の発明は、主軸が中実で軽量化していない従来装置の主軸1軸芯に貫通穴20を設けることよって、主軸1を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化することができる。
【0045】
図1に示す第1の実施例の発明は、レーザガス12を循環するファン2を回転駆動する主軸1を備えたモータと、上記モータを内部に設置したチャンバ3と、上記チャンバ3の両側に取り付けられた第1のハウジング10および第2のハウジング11の内部に主軸1を非接触で軸支する一対のラジアル電磁石4およびラジアル電磁石5からなる第1磁気軸受および第2磁気軸受と、上記主軸1を非接触で軸支する磁気軸受の機能に異常が生じたときに、主軸1とラジアル電磁石4またはラジアル電磁石5とが接触することを回避する一対のタッチダウンベアリング23およびタッチダウンベアリング24とを備えたガス循環装置において、上記ファン2を回転駆動する主軸1を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0046】
以下、図1の[第1の実施例]に続く図7[第2の実施例]ないし図14の[第9の実施例]について説明する。
[第2の実施例]
図7は、第2の実施例であって、主軸の両端面または片端面から深穴16を開けて主軸を軽量化した本発明の装置の構成断面図である。図7に示す第2の実施例の発明は、主軸が中実で(軽量化していない)従来装置の主軸1の両端面または片端面から深穴16を開けて主軸1を軽量化した磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
[第3の実施例]
図8は、第3の実施例であって、本発明に係る主軸の貫通穴または深穴に連続的に減衰部材を充填して軽量化と同時に主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減する本発明の装置の構成断面図である。
【0047】
図8の第3の実施例は、主軸内に穴部を設けて主軸1を軽量化するとともに主軸内の貫通穴20または端面から開けた深穴16の全体または一部に、例えばセラミック、鉛などの粉状の物質21を充填して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減する磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0048】
上記の図8の第3の実施例は、減衰部材の充填により、曲げ固有振動による主軸の振動を低減することができるので、回転体(主軸1とファン2)を軸支するラジアル磁気軸受の制御が非常に容易となる。また、減衰部材21または減衰ゴム22は主軸1の曲げ振動の振れ具合に応じて軸方向の挿入位置を調整することができる構造であり、振動低減に有効である。
[第4の実施例]
図9は、第4の実施例であって、本発明に係る主軸の貫通穴または深穴に断片的に減衰部材を挿入して軽量化と同時に主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減する本発明の装置の構成断面図である。
【0049】
上記の図9の第4の実施例は、主軸内に穴部を設けて主軸1を軽量化するとともに主軸内の貫通穴20または端面から開けた深穴16の全体または一部に減衰ゴム22を挿入して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減する磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0050】
上記の図9の第4の実施例は、図8と同様に、減衰部材の挿入により、曲げ固有振動による主軸の振動を低減することができるので、回転体(主軸1とファン2)を軸支するラジアル磁気軸受の制御が非常に容易となる。また、減衰部材21または減衰ゴム22は主軸1の曲げ振動の振れ具合に応じて軸方向の挿入位置を調整することができる構造であり、振動低減に有効である。
[第5の実施例]
図10は第5の実施例であって、モータロータとモータステータとの両側にフッ素ガスに腐食されないように密着接合され図3に示す非磁性のステンレスのキャンの代わりに、磁性材料のキャンを使用してモータエアーギャップを小さくしたエアーギャップの拡大図である。
【0051】
フッ素ガスで使用可能な磁性材料としてはパーマロイ(ニッケル含有量40〜85%)が考えられる。モータロータ9のモータロータキャン14を磁性材料にすると、モータエアーギャップ31をモータロータキャン14の厚さ分小さくすることができるので、前述した図3の従来技術に比較して、モータ効率が増加する。この場合、ある所定出力を得るためのモータサイズがコンパクトになり、主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減でき高速回転が可能となる。
【0052】
上記の図10の第5の実施例は、モータステータキャン13およびモータロータキャン14として、図3に示す非磁性のステンレスのキャンの代わりに、磁性材料のキャンを使用しているので、モータロータキャン14の厚み(Lc)もモータロータ9の磁性体として機能する。そこで、モータロータキャン14の厚みだけ小径化してもモータロータ9の所定の磁束を確保することができる。したがって、モータロータキャン14の厚み(Lc)だけ、従来品よりもモータサイズを小型化することができる。
【0053】
したがって、図10に示す構造では、図3に示す非磁性のステンレスのキャンの代わりに、磁性材料のキャンを使用し、モータロータの外径の小径化およびモータロータの短軸化の少なくとも一方によってモータロータを小型化し軽量化して軽量化している。
[第6の実施例]
図11は、第6の実施例であって、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの外周側にタッチダウンベアリングを配置し、磁気軸受ロータの内周側に磁気軸受位置検出センサを配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【0054】
上記の図11の第6の実施例は、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の外周側にタッチダウンベアリング24を配置し、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えている。
【0055】
また、上記の図11の第6の実施例は、ラジアル電磁石5とラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが磁気軸受ロータ28の反対面に配置されているので、前述した図4の従来技術よりもラジアル磁気軸受位置検出センサ26がラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を低減している。
[第7の実施例]
図12は、第7の実施例であって、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの内周側にタッチダウンベアリングおよび磁気軸受位置検出センサの両者を配置して主軸軸長を図11の実施例よりもさらに短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【0056】
上記の図12の第7の実施例は、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にタッチダウンベアリング24およびラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えている。
【0057】
また、上記の図12の第7の実施例は、上記の図11の第6の実施例と同様に、ラジアル電磁石5とラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが磁気軸受ロータ28の反対面に配置されているので、前述した図4の従来技術よりもラジアル磁気軸受位置検出センサ26がラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受けにくい。
[第8の実施例]
図13は、第8の実施例であって、図11の第6の実施例と同様に、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの外周側にタッチダウンベアリングを配置し、磁気軸受ロータの内周側に磁気軸受位置検出センサを配置するとともに、図5のセンサターゲット部だけを非磁性材料に変更して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【0058】
上記の図13の第8の実施例は、前述した図5の主軸1を非接触で軸支するラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受ける磁気軸受ロータ28の開放側端部を磁気軸受ロータ28から分割して非磁性材料(例えばSUS)にした磁気軸受である。センサターゲット29部だけを非磁性材料(例えばSUS)にすることによって、図11の第6の実施例よりもラジアル磁気軸受位置検出センサ26がラジアル電磁石5から発生する磁束の影響をさらに受けにくくなる。
【0059】
上記の図13の第8の実施例は、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の外周側にタッチダウンベアリング24を配置し、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化するとともに、主軸1を非接触で軸支するラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受けるコップ型の磁気軸受ロータ28の開放側端部をコップ型の磁気軸受ロータ28から分割して非磁性材料を使用した磁気軸受センサターゲット32にした磁気軸受部を備えている。
【0060】
また、上記の図13の第8の実施例は、上記の図11の第6の実施例と同様に、ラジアル電磁石5とラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが磁気軸受ロータ28の反対面に配置されているので、前述した図4の従来技術よりもラジアル磁気軸受位置検出センサ26がラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受けにくい。
[第9の実施例]
図14は、第9の実施例であって、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの内周側にタッチダウンベアリングを配置し、磁気軸受ロータの外周側に磁気軸受位置検出センサを配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【0061】
上記の図14の第9の実施例は、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にタッチダウンベアリング24を配置し、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の外周側にラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えている。
(本発明の主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減)
前述した図6において、主軸に歯車34、検出穴などを設けて外部からセンシングする従来装置の構成を示したが、本発明においては、回転中に磁気軸受位置検出センサ25、26、27などの出力に現われる回転数に同期した信号を利用して回転数を検出する方法を採用する。この方法では、新たな回転数検出センサ33が不必要であり、主軸の短軸化ができ主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減することができる。
【0062】
以上、主軸固有振動の低下を防止する構成について説明したが、これらの構成は単独で使用しても十分な効果が得られるが、異なる機能を有する構成を組み合わせることによって、単独の構成の機能よりも高度な機能
(効果)が得られる。また、本実施例はエキシマレーザガス循環装置を例に説明したが、他のガス循環装置にも応用可能である。
【0063】
今回開示された実施の形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0064】
【発明の効果】
本発明の各装置が、以下に記載する本発明の効果のすべてを同時に有している必要はなく、本発明の一つ以上の効果が公知技術に有していなければよい。
【0065】
第1の発明は、主軸1の軸芯に貫通穴20を設ける、主軸の両端面または片端面から深穴16を開けるなどによって主軸を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化することができる。
【0066】
第2の発明は、モータロータキャン14を磁性材料にしてモータエアギャップをモータロータキャンの厚みだけ小さくしても所定の磁束を確保することによってモータロータの外径を小径にするか、モータロータの軸方向の長さを短くして、すなわち、モータロータの外径の小径化およびモータロータの短軸化の少なくとも一方によってモータロータを小型化して軽量化するして主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化することができる。
【0067】
第3の発明は、タッチダウンベアリング24およびラジアル磁気軸受位置検出センサ26の一方または両方を主軸の先端に取り付けたコップ型の磁気軸受ロータ28の内周側に配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(本発明の)第1の実施例であって、主軸を中空にして軽量化した本発明の装置の構成断面図である。
【図2】主軸が中実で(軽量化していない)主軸曲げ固有振動数が低下する従来装置の構成を示す断面図である。
【図3】モータロータとモータステータとの両側にフッ素ガスに腐食されないように非磁性のステンレスのキャンを使用したエアーギャップの拡大図である。
【図4】タッチダウンベアリングおよび磁気軸受位置検出センサの両者を電磁石の両端に配置した従来技術の磁気軸受部詳細図である。
【図5】センサターゲットだけを別体とし、ターゲット材料に非磁性材料を使用した従来装置の磁気軸受部詳細図である。
【図6】主軸に歯車、検出穴などを設けて外部からセンシングする従来装置の構成を示す断面図である。
【図7】第2の実施例であって、主軸の両端面または片端面から深穴を開けて主軸を軽量化した本発明の装置の構成断面図である。
【図8】第3の実施例であって、本発明に係る主軸の貫通穴または深穴に連続的に減衰部材を充填して軽量化と同時に主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減した本発明の装置の構成断面図である。
【図9】第4の実施例であって、本発明に係る主軸の貫通穴または深穴に断片的に減衰部材を挿入して軽量化と同時に主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減した本発明の装置の構成断面図である。
【図10】第5の実施例であって、モータロータとモータステータとの両側にフッ素ガスに腐食されないように密着接合され図3に示す非磁性のステンレスのキャンの代わりに、磁性材料のキャンを使用してモータエアギャップを小さくしたエアーギャップの拡大図である。
【図11】第6の実施例であって、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの外周側にタッチダウンベアリングを配置し、磁気軸受ロータの内周側に磁気軸受位置検出センサを配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【図12】第7の実施例であって、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの内周側にタッチダウンベアリングおよび磁気軸受位置検出センサの両者を配置して主軸軸長を図12よりもさらに短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【図13】第8の実施例であって、図11の第6の実施例と同様に、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの外周側にタッチダウンベアリングを配置し、磁気軸受ロータの内周側に磁気軸受位置検出センサを配置するとともに、図5のセンサターゲット部だけを非磁性材料に変更して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【図14】第9の実施例であって、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの内周側にタッチダウンベアリングを配置し、磁気軸受ロータの外周側に磁気軸受位置検出センサを配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【符号の説明】
1 主軸、2 ファン、3 チャンバ、4 ラジアル電磁石、5 ラジアル電磁石、6 スラスト電磁石、7 永久磁石、8 モータステータ、9 モータロータ、10 ハウジング(A)、11 ハウジング(B)、12 レーザガス、13 モータステータキャン、14 モータロータキャン、15 スラスト板、16 深穴、17、18 磁気軸受キャン、20 貫通穴、21 粉状減衰部材、22 減衰ゴム、23、24 タッチダウンベアリング、25 ラジアル磁気軸受位置検出センサ、26 ラジアル磁気軸受位置検出センサ、27 スラスト磁気軸受位置検出センサ、28 磁気軸受ロータ、29 センサターゲット、30 永久磁石ターゲット、31 モータエアギャップ、32 磁気軸受センサターゲット、33 回転数検出センサ、34 歯車。
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、エキシマレーザ装置のガス循環ファンを高速回転して、レーザ発振周波数を高める循環ファン装置の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体露光装置の光源において、短波長であるエキシマレーザ装置の性能向上に期待が大きい。高スループットを実現のために、ガス循環ファンを高速回転して、将来、例えば レーザ発振周波数を現状の2000Hzから4000Hzに、さらに6000Hzに高めることが不可欠である。
【0003】
エキシマレーザ装置の循環ファンは、主軸の軸方向に長いクロスフローファンが使用され、主軸はファンの軸中心部分を貫通している。現状よりも高速回転化するためには、ファン負荷が大きくなって大出力モータが必要となり、現状よりも装置のサイズが大きくなる。
【0004】
図2は、主軸が中実で(軽量化していない)主軸曲げ固有振動数が低下する従来技術のガス循環ファン装置(以下、従来装置という)の構成を示す断面図である。この図2の構造のような従来装置では、モータ出力の増加に伴って、モータロータの質量が増加して主軸曲げ固有振動数が低下するために高速回転化することが困難であった。通常、主軸曲げ固有振動数の70〜80%程度が常時使用可能な回転数の上限とされているために、主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するために重要な課題である。
[図2の従来装置の説明]
図2において、レーザガス12を密封するチャンバ3の両側に、ハウジング(A)10とハウジング(B)11とが取り付けられている。チャンバ3内にはレーザガス12を循環するためのファン2が設置され、ファン2の中央には主軸1が貫通している。ファン2に対して主軸1の一端(図では主軸1の中間部分)は、ラジアル電磁石4およびラジアル磁気軸受位置検出センサ25から形成される第1のラジアル磁気軸受によって非接触で軸支されている。また、ファン2に対して主軸1の一端(図では主軸1の右部分)は、ラジアル電磁石5およびラジアルラジアル磁気軸受位置検出センサ26から形成される第2のラジアル磁気軸受によって非接触で軸支されている。
【0005】
さらに、上記ラジアル電磁石4およびラジアル磁気軸受位置検出センサ25とラジアル電磁石5およびラジアルラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが、レーザガス12内のフッ素ガスに腐食されないように、金属性(通常は非磁性のステンレス)磁気軸受キャン(隔壁)17および磁気軸受キャン18が取り付けられる。これらのキャンはハウジング10およびハウジング11にそれぞれ隙間なく溶接される。
【0006】
スラスト磁気軸受は、スラスト電磁石6とスラスト磁気軸受位置検出センサ27とから形成される。このスラスト磁気軸受と主軸1に固定されたスラスト板15との間に軸受・スラスト板間吸引力が作用する。また、主軸1の右端と永久磁石7との間に主軸・磁石間吸引力が作用する。
【0007】
スラスト方向は、上記軸受・スラスト板間吸引力と上記主軸・磁石間吸引力とが平衡するようにスラスト磁気軸受によって制御される。すべての軸受部が非接触で軸支されるので、ゴミ、油などの発生がなく、レーザガス12が劣化しない。
【0008】
また、主軸1の両端付近の磁気軸受近傍にそれぞれ接触軸支可能なタッチダウンベアリング23およびタッチダウンベアリング24が配置されている。これらのタッチダウンベアリングは、非接触で軸支する磁気軸受の機能に異常が生じたときに、主軸1と電磁石4またはラジアル電磁石5とが接触して磁気軸受が破損することを防止している。
【0009】
主軸1は、主軸1に取り付けられたモータロータ9とハウジング10内に格納されたモータステータ8とによって回転駆動する。モータロータ9およびモータステータ8がエキシマレーザ装置に使用される場合は、モータロータ9およびモータステータ8がレーザガス12内のフッ素ガスに腐食されないように、金属性(通常は非磁性のステンレス)のモータステータキャン(隔壁)13およびモータロータキャン14が主軸1の外周に取り付けられる。これらのキャンはハウジング10、主軸1にそれぞれ溶接によって密着接合され、モータロータ9およびモータステータ8はフッ素ガス雰囲気から完全に隔離され保護されている。
【0010】
図3は、モータロータとモータステータとの両側にフッ素ガスに腐食されないように非磁性のステンレスのキャンを使用したエアーギャップの拡大図である。エキシマレーザ装置では、モータロータ9とモータステータ8とのそれぞれ両側にモータステータキャン13およびモータロータキャン14が必要となる。
【0011】
同図において、モータステータキャン13およびモータロータキャン14が非磁性体であるので、モータステータキャン13およびモータロータキャン14の厚み(Lc)は磁性体として機能しないでモータエアーギャップ(Da1)となる。したがって、モータの所定の磁束を確保するためにはより大きなモータが必要となる。以下の説明は、図10に示す(本発明の)第5の実施例と対比して後述する。
【0012】
図4は、タッチダウンベアリングおよび磁気軸受位置検出センサの両者を電磁石の両端に配置した従来技術の磁気軸受部詳細図である。主軸1に磁性材料の磁気軸受ロータ28が取り付けられ、磁気軸受ロータ28と対向する位置に、ラジアル電磁石5とラジアルラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが配置されている。このラジアル磁気軸受位置検出センサ26が主軸1の位置を検出し、あらかじめ設定された位置に主軸1を微調整するようにラジアル電磁石5が作用する。
【0013】
図5は、ターゲット材料に非磁性材料を使用した従来装置の磁気軸受部詳細図である。ラジアル磁気軸受位置検出センサ26にコイルのインダクタンス変化を利用した磁気式センサが利用されるが、磁気軸受ロータ28に磁性材料を使用し、ラジアル磁気軸受位置検出センサ26が、ラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受ける可能性があるときは、図5のように、センサターゲット29だけを別体とし、ターゲット材料に非磁性材料(例えば、オーステナイト系ステンレス、アルミニウムなど)を使用する場合もある。
【0014】
【特許文献1】
特開平11−303793
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ファンを高速回転化するためには、主軸曲げ固有振動数の低下を防ぐことが不可欠であり、そのためには、(a)主軸を含めた回転体重量を軽量化する構成を備えることおよび(b)主軸軸長を短軸化する構成を備えることである。
【0016】
高速回転化するためにはモータ出力を増加しなければならないが、それに伴うモータロータ9の外形寸法(例えば軸長)および重量が増加して主軸曲げ固有振動数が低下する。そのために、前述した図2の従来装置では、高速回転化することは困難であった。
【0017】
エキシマレーザ装置の循環ファンは、主軸の軸方向に長いクロスフローファンが使用され、主軸はファンの軸中心部分を貫通している。現状よりも高速回転化するためには、ファン負荷が大きくなって大出力モータが必要となり、現状よりも装置のサイズが大になる。
【0018】
図3で前述したように、エキシマレーザ装置では、モータロータ9とモータステータ8とのそれぞれ両側にモータステータキャン13およびモータロータキャン14が必要となるために、モータエアーギャップ31が通常より大きくなり、所要のモータ出力を得るためには、通常の用途のモータよりも大きなサイズのモータが必要である。これはモータロータ9の重量の増加を意味しており、主軸曲げ固有固有振動数を低下させ高速回転化には不利となっていた。
【0019】
また、前述した図2ないし図6の従来技術の磁気軸受では、ラジアル電磁石5とラジアル磁気軸受位置検出センサ26のターゲットとが一体であるために、ラジアル磁気軸受位置検出センサ26がラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受けやすい。
【0020】
前述した図5の従来装置の磁気軸受構造では、ラジアル電磁石5とラジアルラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが軸方向に直列に並んで配置されているために、これに対向する磁気軸受ロータ28の軸方向長さが長くなって主軸1の主軸長が長くなり、主軸曲げ固有振動数が低下する。
【0021】
一般に回転機械では、常時使用可能な回転数の上限は主軸曲げ固有振動数の70ないし80%程度とされているが、前述した図2の従来装置では、主軸長が長くなると、主軸曲げ固有振動数がかなり低下して、高速回転化することが困難であった。
【0022】
また図5において、磁気軸受ロータ28に磁性材料を使用し、ラジアル磁気軸受位置検出センサ26が、ラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受ける可能性があるときは、図5のように、センサターゲット29だけを別体とし、ターゲット材料に非磁性材料を使用している。しかし、前述した図4の従来技術の磁気軸受では、ラジアル電磁石5とラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが一体であったために、ラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受ける課題は、完全に除去されていない。
【0023】
図6は、主軸に歯車34、検出穴などを設けて外部からセンシングする従来装置の構成を示す断面図である。通常の回転機械では回転数検出センサ33が必要なために、主軸に歯車34、検出穴などを設けて外部からセンシングしている。ところが、歯車、検出穴などを設けると、それだけ主軸長が長くなり主軸曲げ固有振動数が低下する。
[本発明の目的]
第1の発明は、上記の(a)主軸を含めた回転体重量を軽量化する第1の構成として、主軸を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する構成を備えたガス循環ファン装置であり、第2の発明は、上記の(a)主軸を含めた回転体重量を軽量化する第2の構成として、モータロータ9を小型化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する構成を備えたガス循環ファン装置であり、第3の発明は、上記の(b)主軸を短軸化する構成として、軸受構造を変更して主軸を短軸化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する構成を備えたガス循環ファン装置である。
【0024】
特開平11−303793[特許文献1]には、上記第1の発明ないし第3の発明の構成に関する記載がない。
【0025】
【課題を解決するための手段】
実施態様1の発明は、後述する第1の発明の実施の形態であって、図1に示す第1の実施例のように主軸1の軸芯に貫通穴20を設ける、図7に示す第2の実施例のように主軸の両端面または片端面から深穴16を開けるなどによって主軸を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するガス循環ファン装置である。
【0026】
第1の発明の実施の形態を具体化した実施態様1の発明は、レーザガス12を循環するファン2を回転駆動する主軸1を備えたモータと、上記モータを内部に設置したチャンバ3と、上記チャンバ3の両側に取り付けられた第1のハウジング10および第2のハウジング11の内部に主軸1を非接触で軸支する一対のラジアル電磁石4およびラジアル電磁石5からなる第1磁気軸受および第2磁気軸受と、上記主軸1を非接触で軸支する磁気軸受の機能に異常が生じたときに、主軸1とラジアル電磁石4またはラジアル電磁石5とが接触することを回避する一対のタッチダウンベアリング23およびタッチダウンベアリング24とを備えたガス循環装置において、上記ファン2を回転駆動する主軸1を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0027】
実施態様2の発明は、図1に示す第1の実施例のように、主軸内に貫通穴20を設けて主軸1を軽量化した実施態様1に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0028】
実施態様3の発明は、図7に示す第2の実施例のように、主軸内の両端面または片端面から深穴16を開けて主軸1を軽量化した実施態様1に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0029】
実施態様4の発明は、図8に示す第3の実施例または図9に示す第4の実施例のように、主軸内に穴部を設けて主軸1を軽量化するとともに主軸内の貫通穴20または端面から開けた深穴16の全体または一部に振動減衰部材を充填または挿入して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する実施態様2または実施態様3に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0030】
実施態様5の発明は、図8に示す第3の実施例のように、主軸内穴部の全体または一部に充填した振動減衰部材が粉材である実施態様4に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0031】
実施態様6の発明は、図9に示す第4の実施例のように、主軸内穴部の全体または一部に挿入した振動減衰部材がゴムである実施態様4に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0032】
実施態様7の発明は、主軸部材が重量に対して曲げモーメント強度が大のパイプ材である実施態様1に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0033】
実施態様8の発明は、後述する第2の発明の実施の形態であって、図10に示す第5の実施例のように、図1に示した装置、すなわち、レーザガス12を循環するファン2を回転駆動するモータロータ13の主軸1を備えたモータと、上記モータを内部に設置したチャンバ3と、上記チャンバ3の両側に取り付けられた第1のハウジング10および第2のハウジング11の内部に主軸1を非接触で軸支する一対のラジアル電磁石4およびラジアル電磁石5からなる第1磁気軸受および第2磁気軸受と、上記主軸1を非接触で軸支する磁気軸受の機能に異常が生じたときに、主軸1とラジアル電磁石4またはラジアル電磁石5とが接触することを回避する一対のタッチダウンベアリング23およびタッチダウンベアリング24とを備えたガス循環装置において、上記モータロータの外周の隔壁となるモータロータキャン14を磁性材料にしてモータエアギャップを小さくしても所定の磁束を確保することによってモータサイズを小型化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するガス循環ファン装置である。
【0034】
実施態様9の発明は、後述する第3の発明の実施の形態であって、後述する図11に示す第6の実施例、図12に示す第7の実施例、図13に示す第8の実施例および図14に示す第9の実施例のように、図1に示した装置、すなわち、レーザガス12を循環するファン2を回転駆動する主軸1を備えたモータと、上記モータを内部に設置したチャンバ3と、上記チャンバ3の両側に取り付けられた第1のハウジング10および第2のハウジング11の内部に主軸1を非接触で軸支する一対のラジアル電磁石4およびラジアル電磁石5からなる第1磁気軸受および第2磁気軸受と、ラジアル磁気軸受位置検出センサ26と、上記主軸1を非接触で軸支する磁気軸受の機能に異常が生じたときに、主軸1とラジアル電磁石4またはラジアル電磁石5とが接触することを回避する一対のタッチダウンベアリング23およびタッチダウンベアリング24とを備えたガス循環装置において、主軸の先端に取り付けたコップ型の磁気軸受ロータ28の内周側に、主軸端部側のタッチダウンベアリング24およびラジアル磁気軸受位置検出センサ26の一方または両方を配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するガス循環ファン装置である。
【0035】
実施態様10の発明は、図11に示す第6の実施例に示すように、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の外周側にタッチダウンベアリング24を配置し、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する実施態様9に記載のガス循環ファン装置である。
【0036】
実施態様11の発明は、図12に示す第7の実施例に示すように、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にタッチダウンベアリング24およびラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する実施態様9に記載のガス循環ファン装置である。
【0037】
実施態様12の発明は、図13に示す第8の実施例に示すように、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の外周側にタッチダウンベアリング24を配置し、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化するとともに、主軸1を非接触で軸支するラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受けるコップ型の磁気軸受ロータ28の開放側端部をコップ型の磁気軸受ロータ28から分割して非磁性材料を使用した磁気軸受センサターゲット32にした磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する実施態様9に記載のガス循環ファン装置である。
【0038】
実施態様13の発明は、図14に示す第9の実施例に示すように、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にタッチダウンベアリング24を配置し、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の外周側にラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する実施態様9に記載のガス循環ファン装置である。
【0039】
実施態様14の発明は、回転数検出をラジアル磁気軸受位置検出センサ26の回転数に同期したセンサ出力から行う磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する実施態様9に記載のガス循環ファン装置である。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明のガス循環装置は従来装置と比較して高速回転が可能であり、例えば半導体露光装置の光源に使用されるエキシマレーザなどに応用された場合、高スループットでの生産を期待することができる。
【0041】
ファンを高速回転化するためには、主軸曲げ固有振動数の低下を防ぐことが不可欠であり、その構成として主として次の2通りが考えられる。本発明は、(a)主軸を含めた回転体重量を軽量化する構成を備えることおよび(b)主軸を短軸化する構成を備えることである。本発明を具体化した発明の実施の形態は次のとおりである。
[第1の発明]
第1の発明は、上記の(a)主軸を含めた回転体重量を軽量化する第1の構成として、主軸を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する構成を備えたガス循環ファン装置である。
[第2の発明]
第2の発明は、上記の(a)主軸を含めた回転体重量を軽量化する第2の構成として、モータロータ9を小型化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する構成を備えたガス循環ファン装置である。
[第3の発明]
第3の発明は、上記の(b)主軸を短軸化する構成として、軸受構造を変更して主軸を短軸化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する構成を備えたガス循環ファン装置である。
[第1の発明の実施の形態]
第1の発明の実施の形態は、上記第1の発明の主軸を軽量化する構成として、後述する図1に示す第1の実施例のように主軸1の軸芯に貫通穴20を設ける、図7に示す第2の実施例のように主軸の両端面または片端面から深穴16を開けるなどによって主軸を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するガス循環ファン装置である。
[第2の発明の実施の形態]
第2の発明の実施の形態は、上記第2の発明のモータロータ9を小型化する構成として、後述する図10に示す第5の実施例のように、モータロータキャン14を磁性材料にしてモータエアギャップを小さくしても所定の磁束を確保してモータロータの外径を小径にするか、モータロータの軸方向の長さを短くして、すなわち、モータロータの外径の小径化およびモータロータの短軸化の少なくとも一方によってモータロータを小型化して軽量化することによって主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するガス循環ファン装置である。
[第3の発明の実施の形態]
第3の発明の実施の形態は、上記第3の発明の軸受構造を変更して主軸を短軸化する構成として、後述する図11に示す第6の実施例、図12に示す第7の実施例、図13に示す第8の実施例および図14に示す第9の実施例のように、タッチダウンベアリング24およびラジアル磁気軸受位置検出センサ26の一方または両方を主軸の先端に取り付けたコップ型の磁気軸受ロータ28の内周側に配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するガス循環ファン装置である。
【0042】
【実施例】
[第1の実施例]
ガス循環装置の具体的な構造について図1を参照して説明する。前述した図2の従来装置で説明した同様の構成および機能の説明は省略する。図1に示す本発明のガス循環ファン装置(以下、本発明の装置という)の構成と前述した図2の従来装置の構成との差異は次のとおりである。
【0043】
図1は、第1の実施例であって、主軸を中空にして軽量化した本発明の装置の構成断面図である。
【0044】
図1に示す第1の実施例の発明は、主軸が中実で軽量化していない従来装置の主軸1軸芯に貫通穴20を設けることよって、主軸1を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化することができる。
【0045】
図1に示す第1の実施例の発明は、レーザガス12を循環するファン2を回転駆動する主軸1を備えたモータと、上記モータを内部に設置したチャンバ3と、上記チャンバ3の両側に取り付けられた第1のハウジング10および第2のハウジング11の内部に主軸1を非接触で軸支する一対のラジアル電磁石4およびラジアル電磁石5からなる第1磁気軸受および第2磁気軸受と、上記主軸1を非接触で軸支する磁気軸受の機能に異常が生じたときに、主軸1とラジアル電磁石4またはラジアル電磁石5とが接触することを回避する一対のタッチダウンベアリング23およびタッチダウンベアリング24とを備えたガス循環装置において、上記ファン2を回転駆動する主軸1を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0046】
以下、図1の[第1の実施例]に続く図7[第2の実施例]ないし図14の[第9の実施例]について説明する。
[第2の実施例]
図7は、第2の実施例であって、主軸の両端面または片端面から深穴16を開けて主軸を軽量化した本発明の装置の構成断面図である。図7に示す第2の実施例の発明は、主軸が中実で(軽量化していない)従来装置の主軸1の両端面または片端面から深穴16を開けて主軸1を軽量化した磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
[第3の実施例]
図8は、第3の実施例であって、本発明に係る主軸の貫通穴または深穴に連続的に減衰部材を充填して軽量化と同時に主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減する本発明の装置の構成断面図である。
【0047】
図8の第3の実施例は、主軸内に穴部を設けて主軸1を軽量化するとともに主軸内の貫通穴20または端面から開けた深穴16の全体または一部に、例えばセラミック、鉛などの粉状の物質21を充填して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減する磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0048】
上記の図8の第3の実施例は、減衰部材の充填により、曲げ固有振動による主軸の振動を低減することができるので、回転体(主軸1とファン2)を軸支するラジアル磁気軸受の制御が非常に容易となる。また、減衰部材21または減衰ゴム22は主軸1の曲げ振動の振れ具合に応じて軸方向の挿入位置を調整することができる構造であり、振動低減に有効である。
[第4の実施例]
図9は、第4の実施例であって、本発明に係る主軸の貫通穴または深穴に断片的に減衰部材を挿入して軽量化と同時に主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減する本発明の装置の構成断面図である。
【0049】
上記の図9の第4の実施例は、主軸内に穴部を設けて主軸1を軽量化するとともに主軸内の貫通穴20または端面から開けた深穴16の全体または一部に減衰ゴム22を挿入して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減する磁気軸受を利用したガス循環ファン装置である。
【0050】
上記の図9の第4の実施例は、図8と同様に、減衰部材の挿入により、曲げ固有振動による主軸の振動を低減することができるので、回転体(主軸1とファン2)を軸支するラジアル磁気軸受の制御が非常に容易となる。また、減衰部材21または減衰ゴム22は主軸1の曲げ振動の振れ具合に応じて軸方向の挿入位置を調整することができる構造であり、振動低減に有効である。
[第5の実施例]
図10は第5の実施例であって、モータロータとモータステータとの両側にフッ素ガスに腐食されないように密着接合され図3に示す非磁性のステンレスのキャンの代わりに、磁性材料のキャンを使用してモータエアーギャップを小さくしたエアーギャップの拡大図である。
【0051】
フッ素ガスで使用可能な磁性材料としてはパーマロイ(ニッケル含有量40〜85%)が考えられる。モータロータ9のモータロータキャン14を磁性材料にすると、モータエアーギャップ31をモータロータキャン14の厚さ分小さくすることができるので、前述した図3の従来技術に比較して、モータ効率が増加する。この場合、ある所定出力を得るためのモータサイズがコンパクトになり、主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減でき高速回転が可能となる。
【0052】
上記の図10の第5の実施例は、モータステータキャン13およびモータロータキャン14として、図3に示す非磁性のステンレスのキャンの代わりに、磁性材料のキャンを使用しているので、モータロータキャン14の厚み(Lc)もモータロータ9の磁性体として機能する。そこで、モータロータキャン14の厚みだけ小径化してもモータロータ9の所定の磁束を確保することができる。したがって、モータロータキャン14の厚み(Lc)だけ、従来品よりもモータサイズを小型化することができる。
【0053】
したがって、図10に示す構造では、図3に示す非磁性のステンレスのキャンの代わりに、磁性材料のキャンを使用し、モータロータの外径の小径化およびモータロータの短軸化の少なくとも一方によってモータロータを小型化し軽量化して軽量化している。
[第6の実施例]
図11は、第6の実施例であって、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの外周側にタッチダウンベアリングを配置し、磁気軸受ロータの内周側に磁気軸受位置検出センサを配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【0054】
上記の図11の第6の実施例は、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の外周側にタッチダウンベアリング24を配置し、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えている。
【0055】
また、上記の図11の第6の実施例は、ラジアル電磁石5とラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが磁気軸受ロータ28の反対面に配置されているので、前述した図4の従来技術よりもラジアル磁気軸受位置検出センサ26がラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を低減している。
[第7の実施例]
図12は、第7の実施例であって、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの内周側にタッチダウンベアリングおよび磁気軸受位置検出センサの両者を配置して主軸軸長を図11の実施例よりもさらに短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【0056】
上記の図12の第7の実施例は、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にタッチダウンベアリング24およびラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えている。
【0057】
また、上記の図12の第7の実施例は、上記の図11の第6の実施例と同様に、ラジアル電磁石5とラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが磁気軸受ロータ28の反対面に配置されているので、前述した図4の従来技術よりもラジアル磁気軸受位置検出センサ26がラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受けにくい。
[第8の実施例]
図13は、第8の実施例であって、図11の第6の実施例と同様に、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの外周側にタッチダウンベアリングを配置し、磁気軸受ロータの内周側に磁気軸受位置検出センサを配置するとともに、図5のセンサターゲット部だけを非磁性材料に変更して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【0058】
上記の図13の第8の実施例は、前述した図5の主軸1を非接触で軸支するラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受ける磁気軸受ロータ28の開放側端部を磁気軸受ロータ28から分割して非磁性材料(例えばSUS)にした磁気軸受である。センサターゲット29部だけを非磁性材料(例えばSUS)にすることによって、図11の第6の実施例よりもラジアル磁気軸受位置検出センサ26がラジアル電磁石5から発生する磁束の影響をさらに受けにくくなる。
【0059】
上記の図13の第8の実施例は、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の外周側にタッチダウンベアリング24を配置し、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化するとともに、主軸1を非接触で軸支するラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受けるコップ型の磁気軸受ロータ28の開放側端部をコップ型の磁気軸受ロータ28から分割して非磁性材料を使用した磁気軸受センサターゲット32にした磁気軸受部を備えている。
【0060】
また、上記の図13の第8の実施例は、上記の図11の第6の実施例と同様に、ラジアル電磁石5とラジアル磁気軸受位置検出センサ26とが磁気軸受ロータ28の反対面に配置されているので、前述した図4の従来技術よりもラジアル磁気軸受位置検出センサ26がラジアル電磁石5から発生する磁束の影響を受けにくい。
[第9の実施例]
図14は、第9の実施例であって、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの内周側にタッチダウンベアリングを配置し、磁気軸受ロータの外周側に磁気軸受位置検出センサを配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【0061】
上記の図14の第9の実施例は、主軸1の先端にコップ型の磁気軸受ロータ28を取付け、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の内周側にタッチダウンベアリング24を配置し、上記コップ型の磁気軸受ロータ28の外周側にラジアル磁気軸受位置検出センサ26を配置して磁気軸受ロータ28を含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えている。
(本発明の主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減)
前述した図6において、主軸に歯車34、検出穴などを設けて外部からセンシングする従来装置の構成を示したが、本発明においては、回転中に磁気軸受位置検出センサ25、26、27などの出力に現われる回転数に同期した信号を利用して回転数を検出する方法を採用する。この方法では、新たな回転数検出センサ33が不必要であり、主軸の短軸化ができ主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減することができる。
【0062】
以上、主軸固有振動の低下を防止する構成について説明したが、これらの構成は単独で使用しても十分な効果が得られるが、異なる機能を有する構成を組み合わせることによって、単独の構成の機能よりも高度な機能
(効果)が得られる。また、本実施例はエキシマレーザガス循環装置を例に説明したが、他のガス循環装置にも応用可能である。
【0063】
今回開示された実施の形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0064】
【発明の効果】
本発明の各装置が、以下に記載する本発明の効果のすべてを同時に有している必要はなく、本発明の一つ以上の効果が公知技術に有していなければよい。
【0065】
第1の発明は、主軸1の軸芯に貫通穴20を設ける、主軸の両端面または片端面から深穴16を開けるなどによって主軸を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化することができる。
【0066】
第2の発明は、モータロータキャン14を磁性材料にしてモータエアギャップをモータロータキャンの厚みだけ小さくしても所定の磁束を確保することによってモータロータの外径を小径にするか、モータロータの軸方向の長さを短くして、すなわち、モータロータの外径の小径化およびモータロータの短軸化の少なくとも一方によってモータロータを小型化して軽量化するして主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化することができる。
【0067】
第3の発明は、タッチダウンベアリング24およびラジアル磁気軸受位置検出センサ26の一方または両方を主軸の先端に取り付けたコップ型の磁気軸受ロータ28の内周側に配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(本発明の)第1の実施例であって、主軸を中空にして軽量化した本発明の装置の構成断面図である。
【図2】主軸が中実で(軽量化していない)主軸曲げ固有振動数が低下する従来装置の構成を示す断面図である。
【図3】モータロータとモータステータとの両側にフッ素ガスに腐食されないように非磁性のステンレスのキャンを使用したエアーギャップの拡大図である。
【図4】タッチダウンベアリングおよび磁気軸受位置検出センサの両者を電磁石の両端に配置した従来技術の磁気軸受部詳細図である。
【図5】センサターゲットだけを別体とし、ターゲット材料に非磁性材料を使用した従来装置の磁気軸受部詳細図である。
【図6】主軸に歯車、検出穴などを設けて外部からセンシングする従来装置の構成を示す断面図である。
【図7】第2の実施例であって、主軸の両端面または片端面から深穴を開けて主軸を軽量化した本発明の装置の構成断面図である。
【図8】第3の実施例であって、本発明に係る主軸の貫通穴または深穴に連続的に減衰部材を充填して軽量化と同時に主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減した本発明の装置の構成断面図である。
【図9】第4の実施例であって、本発明に係る主軸の貫通穴または深穴に断片的に減衰部材を挿入して軽量化と同時に主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減した本発明の装置の構成断面図である。
【図10】第5の実施例であって、モータロータとモータステータとの両側にフッ素ガスに腐食されないように密着接合され図3に示す非磁性のステンレスのキャンの代わりに、磁性材料のキャンを使用してモータエアギャップを小さくしたエアーギャップの拡大図である。
【図11】第6の実施例であって、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの外周側にタッチダウンベアリングを配置し、磁気軸受ロータの内周側に磁気軸受位置検出センサを配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【図12】第7の実施例であって、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの内周側にタッチダウンベアリングおよび磁気軸受位置検出センサの両者を配置して主軸軸長を図12よりもさらに短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【図13】第8の実施例であって、図11の第6の実施例と同様に、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの外周側にタッチダウンベアリングを配置し、磁気軸受ロータの内周側に磁気軸受位置検出センサを配置するとともに、図5のセンサターゲット部だけを非磁性材料に変更して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【図14】第9の実施例であって、図4の磁気軸受ロータをコップ型に変更して主軸の先端に取り付け磁気軸受ロータの内周側にタッチダウンベアリングを配置し、磁気軸受ロータの外周側に磁気軸受位置検出センサを配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部詳細図である。
【符号の説明】
1 主軸、2 ファン、3 チャンバ、4 ラジアル電磁石、5 ラジアル電磁石、6 スラスト電磁石、7 永久磁石、8 モータステータ、9 モータロータ、10 ハウジング(A)、11 ハウジング(B)、12 レーザガス、13 モータステータキャン、14 モータロータキャン、15 スラスト板、16 深穴、17、18 磁気軸受キャン、20 貫通穴、21 粉状減衰部材、22 減衰ゴム、23、24 タッチダウンベアリング、25 ラジアル磁気軸受位置検出センサ、26 ラジアル磁気軸受位置検出センサ、27 スラスト磁気軸受位置検出センサ、28 磁気軸受ロータ、29 センサターゲット、30 永久磁石ターゲット、31 モータエアギャップ、32 磁気軸受センサターゲット、33 回転数検出センサ、34 歯車。
Claims (14)
- レーザガスを循環するファンを回転駆動する主軸を備えたモータと、前記モータを内部に設置したチャンバと、前記チャンバの両側に取り付けられた第1のハウジングおよび第2のハウジングの内部に主軸を非接触で軸支する一対の電磁石からなる一対の磁気軸受と、前記主軸を非接触で軸支する磁気軸受の機能に異常が生じたときに、主軸と第1の電磁石または第2の電磁石とが接触することを回避する一対のタッチダウンベアリングとを備えたガス循環装置において、
前記ファンを回転駆動する主軸を軽量化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する磁気軸受を利用したガス循環ファン装置。 - 主軸内に貫通穴を設けて主軸を軽量化した請求項1に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置。
- 主軸内の両端面または片端面から深穴を開けて主軸を軽量化した請求項1に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置。
- 主軸内に穴部を設けて主軸を軽量化するとともに主軸内の貫通穴または端面から開けた深穴の全体または一部に振動減衰部材を充填または挿入して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する請求項2または請求項3に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置。
- 主軸内穴部の全体または一部に充填した振動減衰部材が粉材である請求項4に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置。
- 主軸内穴部の全体または一部に挿入した振動減衰部材がゴムである請求項4に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置。
- 主軸部材がパイプ材である請求項1に記載の磁気軸受を利用したガス循環ファン装置。
- レーザガスを循環するファンを回転駆動するモータロータの主軸を備えたモータと、前記モータを内部に設置したチャンバと、前記チャンバの両側に取り付けられた第1のハウジングおよび第2のハウジングの内部に主軸を非接触で軸支する一対の電磁石からなる一対の磁気軸受と、前記主軸を非接触で軸支する磁気軸受の機能に異常が生じたときに、主軸と第1の電磁石または第2の電磁石とが接触することを回避する一対のタッチダウンベアリングとを備えたガス循環装置において、
前記モータロータの外周の隔壁となるモータロータキャンを磁性材料にしてモータエアギャップを小さくしても所定の磁束を確保することによってモータロータサイズを小型化して主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減して高速回転化するガス循環ファン装置。 - レーザガスを循環するファンを回転駆動する主軸を備えたモータと、前記モータを内部に設置したチャンバと、前記チャンバの両側に取り付けられた第1のハウジングおよび第2のハウジングの内部に主軸を非接触で軸支する一対の電磁石からなる一対の磁気軸受と、磁気軸受位置検出センサと、前記主軸を非接触で軸支する磁気軸受の機能に異常が生じたときに、主軸と第1の電磁石または第2の電磁石とが接触することを回避する一対のタッチダウンベアリングとを備えたガス循環装置において、
主軸の先端に取り付けたコップ型の磁気軸受ロータの内周側に、主軸端部側のタッチダウンベアリングおよび磁気軸受位置検出センサの一方または両方を配置して主軸軸長を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化するガス循環ファン装置。 - 主軸の先端にコップ型の磁気軸受ロータを取付け、前記コップ型の磁気軸受ロータの外周側にタッチダウンベアリングを配置し、前記コップ型の磁気軸受ロータの内周側に磁気軸受位置検出センサを配置して磁気軸受ロータを含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する請求項9に記載のガス循環ファン装置。
- 主軸の先端にコップ型の磁気軸受ロータを取付け、前記コップ型の磁気軸受ロータの内周側にタッチダウンベアリングおよび磁気軸受位置検出センサを配置して磁気軸受ロータを含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する請求項9に記載のガス循環ファン装置。
- 主軸の先端にコップ型の磁気軸受ロータを取付け、前記コップ型の磁気軸受ロータの外周側にタッチダウンベアリングを配置し、前記コップ型の磁気軸受ロータの内周側に磁気軸受位置検出センサを配置して磁気軸受ロータを含めた主軸を短軸化するとともに、主軸を非接触で軸支する電磁石から発生する磁束の影響を受けるコップ型の磁気軸受ロータの開放側端部をコップ型の磁気軸受ロータから分割して非磁性材料を使用した磁気軸受センサターゲットにした磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する請求項9に記載のガス循環ファン装置。
- 主軸の先端にコップ型の磁気軸受ロータを取付け、前記コップ型の磁気軸受ロータの内周側にタッチダウンベアリングを配置し、前記コップ型の磁気軸受ロータの外周側に磁気軸受位置検出センサを配置して磁気軸受ロータを含めた主軸を短軸化した磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する請求項9に記載のガス循環ファン装置。
- 回転数検出を磁気軸受位置検出センサの回転数に同期したセンサ出力から行う磁気軸受部を備えて主軸曲げ固有振動による曲げ振動を低減し高速回転化する請求項9に記載のガス循環ファン装置。
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WO2016143135A1 (ja) * | 2015-03-12 | 2016-09-15 | ギガフォトン株式会社 | 放電励起式ガスレーザ装置 |
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2002
- 2002-11-22 JP JP2002339338A patent/JP2004173468A/ja not_active Withdrawn
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CN107210573A (zh) * | 2015-03-12 | 2017-09-26 | 极光先进雷射株式会社 | 放电激励式气体激光装置 |
JPWO2016143135A1 (ja) * | 2015-03-12 | 2017-12-28 | ギガフォトン株式会社 | 放電励起式ガスレーザ装置 |
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