JP2004172328A - 投影光学系、投影光学系の調整方法、投影光学系の製造方法、露光装置及び露光方法 - Google Patents

投影光学系、投影光学系の調整方法、投影光学系の製造方法、露光装置及び露光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複屈折起因でない収差状態を変化させること無く、複屈折起因の結像性能を調整可能にした投影光学系を提供する。
【解決手段】波長が200nm以下の光を実質的に透過させる複数の屈折部材を含み、レチクルRの像をウェハW上に投影する投影光学系PLにおいて、結晶光学材料により形成され、レチクルとウェハとの間の光路中における最もウェハ側に配置されて、パワーを有しない第1の屈折部材Aと、結晶光学材料により形成され、第1の屈折部材のレチクル側の光路中で第1の屈折部材と隣接して配置されて、第1の屈折部材側にパワーを有しない面を持つ第2の屈折部材Bとを備え、第1の屈折部材の結晶軸と第2の屈折部材の結晶軸とが所定の関係で位置決めされる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長が200nm以下の光を実質的に透過させる複数の屈折部材を含み、第1面の像を第2面に投影する投影光学系、該投影光学系の調整方法、該投影光学系の製造方法、該投影光学系を備えた露光装置、該露光装置を用いた露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子の製造や半導体チップ実装基板の製造では、微細化がますます進んでおり、パターンを焼き付ける露光装置ではより解像力の高い投影光学系が要求されてきている。この高解像の要求を満足するには、露光光を短波長化するとともに、NA(投影光学系の開口数)を大きくしなければならない。しかしながら、露光光の波長が短くなると、光の吸収のため実用に耐える光学ガラスの種類が限られてくる。
【0003】
たとえば波長が200nm以下の真空紫外域の光、特にFレーザ光(波長157nm)を露光光として用いる場合、投影光学系を構成する光透過性光学材料としては、フッ化カルシウム(蛍石:CaF)やフッ化バリウム(BaF)等のフッ化物結晶を多用せざるを得ない。実際には、露光光としてFレーザ光を用いる露光装置では、基本的に蛍石だけで投影光学系を形成する設計が想定されている。蛍石は、立方晶系に属する結晶であり、光学的には等方的で、複屈折が実質的にないと思われていた。また、従来の可視光域の実験では、蛍石について小さい複屈折(内部応力起因のランダムなもの)しか観測されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2001年5月15日に開かれたリソグラフィに関するシンポジュウム(2nd International Symposium on 157nm Lithography)において、米国NISTのJohn H. Burnettらにより、蛍石には固有複屈折(intrinsic birefringence)が存在することを実験および理論の両面から確認したことが発表された。
【0005】
この発表によれば、蛍石の複屈折は、結晶軸[111]方向およびこれと等価な結晶軸[−111],[1−11],[11−1]方向、並びに結晶軸[100]方向およびこれと等価な結晶軸[010],[001]方向ではほぼ零であるが、その他の方向では実質的に零でない値を有する。特に、結晶軸[110],[−110],[101],[−101],[011],[01−1]の6方向では、波長157nmに対して最大で6.5nm/cm、波長193nmに対して最大で3.6nm/cmの複屈折の値を有する。
【0006】
これらの複屈折の値はランダムな複屈折の許容値とされる1nm/cmよりも実質的に大きい値であり、しかもランダムでない分だけ複数のレンズを通して複屈折の影響が蓄積する可能性がある。従来技術では、投影光学系の設計において蛍石の複屈折性を考慮していないので、加工の容易さなどの観点から結晶軸[111]と光軸とを一致させるのが一般的である。この場合、投影光学系では、NA(開口数)が比較的大きいため、結晶軸[111]からある程度傾いた光線もレンズを通過するので、複屈折の影響により結像性能が悪化する可能性がある。
【0007】
従って、投影光学系を構成するレンズの結晶方位を様々に組み合わせて、複屈折の影響を相殺する必要があり、投影光学系の結像状態を計測した結果に基づいて複屈折の微調整をする必要もあるが、複屈折起因の結像性能を向上させるための安易な調整は、複屈折と無関係な投影光学系の収差状態を変化させることになる。
【0008】
この発明の課題は、複屈折起因でない収差状態を変化させること無く、複屈折起因の結像性能を調整可能にした投影光学系、該投影光学系の調整方法、該投影光学系の製造方法、該投影光学系を備えた露光装置、該露光装置を用いた露光方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の投影光学系は、波長が200nm以下の光を実質的に透過させる複数の屈折部材を含み、第1面の像を第2面上に投影する投影光学系において、結晶光学材料により形成され、前記第1面と前記第2面との間の光路中における最も前記第2面側に配置されて、パワーを有しない第1の屈折部材と、結晶光学材料により形成され、前記第1の屈折部材の前記第1面側の光路中で前記第1の屈折部材と隣接して配置されて、前記第1の屈折部材側にパワーを有しない面を持つ第2の屈折部材とを備え、前記第1の屈折部材の結晶軸と前記第2の屈折部材の結晶軸とが所定の関係で位置決めされることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載の投影光学系は、前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材のうちの少なくとも一方が、前記投影光学系の光軸に対して前記第1の屈折部材とは異なる結晶軸を有する第3の屈折部材と、前記投影光学系の光軸に対して前記第2の屈折部材とは異なる結晶軸を有する第4の屈折部材との何れか一方と交換可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
この請求項2記載の投影光学系によれば、第1の屈折部材及び第2の屈折部材のうちの少なくとも一方を、投影光学系の光軸に対して第1の屈折部材とは異なる結晶軸を有する第3の屈折部材と、投影光学系の光軸に対して第2の屈折部材とは異なる結晶軸を有する第4の屈折部材との何れか一方と交換することにより、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0012】
また、請求項3記載の投影光学系は、前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材が、前記第1の屈折部材と前記第2の屈折部材との総厚を保ちながら、前記第1の屈折部材とは異なる厚さを有する第5の屈折部材と、前記第2の屈折部材とは異なる厚さを有する第6の屈折部材とに交換可能に構成されていることを特徴とする。
【0013】
この請求項3記載の投影光学系によれば、第1の屈折部材及び第2の屈折部材を、第1の屈折部材と第2の屈折部材との総厚を保ちながら、第1の屈折部材とは異なる厚さを有する第5の屈折部材と第2の屈折部材とは異なる厚さを有する第6の屈折部材とに交換することにより、複屈折起因でない収差状態を変化させること無く、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0014】
また、請求項4記載の投影光学系は、前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材の少なくとも一方が、前記投影光学系の光軸周りに回転可能に構成されていることを特徴とする。
【0015】
この請求項4記載の投影光学系によれば、第1の屈折部材及び第2の屈折部材の少なくとも一方を投影光学系の光軸周りに回転させることにより、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0016】
また、請求項5記載の投影光学系は、前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材が、前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材を形成する結晶材料の結晶軸[111]若しくは該結晶軸[111]と光学的に等価な結晶軸、又は結晶軸[100]若しくは該結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸と光軸がほぼ一致するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
この請求項5記載の投影光学系によれば、第1の屈折部材の結晶軸と光軸とを一致させ、第2の屈折部材の結晶軸と光軸とを一致させているため、第1の屈折部材とこの第1の屈折部材と対になる屈折部材とが有する複屈折の影響及び第2の屈折部とこの第2の屈折部材と対になる屈折部材とが有する複屈折の影響を低減させることができる。
【0018】
また、請求項6記載の投影光学系は、前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材のうちの少なくとも一方が、前記投影光学系の光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する第7の屈折部材と交換可能に構成されていることを特徴とする。
【0019】
この請求項6記載の投影光学系によれば、第1の屈折部材及び第2の屈折部材のうちの少なくとも一方を投影光学系の光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する第7の屈折部材と交換することにより、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0020】
また、請求項7記載の投影光学系は、前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材のうちの少なくとも一方が、前記第1の屈折部材とは異なる応力ひずみ量を有する第8の屈折部材と、前記第2の屈折部材とは異なる応力ひずみ量を有する第9の屈折部材との何れか一方と交換可能に構成されていることを特徴とする。
【0021】
この請求項7記載の投影光学系によれば、第1の屈折部材及び第2の屈折部材のうちの少なくとも一方を第1の屈折部材とは異なる応力ひずみ量を有する第8の屈折部材と第2の屈折部材とは異なる応力ひずみ量を有する第9の屈折部材との何れか一方と交換することにより、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0022】
また、請求項8記載の投影光学系の調整方法は、波長が200nm以下の光を実質的に透過させる少なくとも1つの結晶光学材料からなる屈折部材を含み、第1面の像を第2面上に投影する投影光学系の調整方法において、偏光状態の異なる光を用いて前記投影光学系の偏光収差を計測する偏光収差計測工程と、前記偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、前記結晶光学材料からなる屈折部材の結晶軸を調整する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0023】
また、請求項9記載の投影光学系の調整方法は、前記調整工程が、前記偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、前記結晶光学材料からなる屈折部材を、前記屈折部材とは異なる結晶軸を有する別の屈折部材に交換する工程を含むことを特徴とする。
【0024】
この請求項9記載の投影光学系の調整方法によれば、偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、結晶光学材料からなる屈折部材を、この屈折部材とは異なる結晶軸を有する別の屈折部材に交換することにより、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0025】
また、請求項10記載の投影光学系の調整方法は、前記結晶光学材料からなる屈折部材が、前記結晶光学材料からなる第1及び第2の屈折部材を備え、前記調整工程は、前記偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材を、前記第1の屈折部材と前記第2の屈折部材との総厚を保ちながら、前記第1の屈折部材とは異なる厚さを有する第5の屈折部材と、前記第2の屈折部材とは異なる厚さを有する第6の屈折部材とに交換する工程を含むことを特徴とする。
【0026】
この請求項10記載の投影光学系の調整方法によれば、偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、第1の屈折部材及び第2の屈折部材を、第1の屈折部材と第2の屈折部材との総厚を保ちながら、第1の屈折部材とは異なる厚さを有する第5の屈折部材と第2の屈折部材とは異なる厚さを有する第6の屈折部材とに交換することにより、複屈折起因でない収差状態を変化させること無く、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0027】
また、請求項11記載の投影光学系の調整方法は、前記第1の屈折部材が、前記第1面と前記第2面との間の光路中における最も前記第2面側に配置されて、パワーを有さず、前記第2の屈折部材は、前記第1の屈折部材の前記第1面側の光路中で前記第1の屈折部材と隣接して配置されて、前記第1の屈折部材側にパワーを有しない面を持つことを特徴とする。
【0028】
この請求項11記載の投影光学系の調整方法によれば、第1の屈折部材が第1面と第2面との間の光路中における最も第2面側に配置されており、第2の屈折部材が第1の屈折部材の第1面側の光路中で第1の屈折部材と隣接して配置されていることから、投影光学系の光学性能の調整を容易に行うことができる。
【0029】
また、請求項12記載の投影光学系の調整方法は、前記調整工程が、前記偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、前記結晶光学材料からなる屈折部材を、前記投影光学系の光軸周りに回転させる工程を含むことを特徴とする。
【0030】
この請求項12記載の投影光学系の調整方法によれば、偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、結晶光学材料からなる屈折部材を投影光学系の光軸周りに回転させることにより、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0031】
また、請求項13記載の投影光学系の調整方法は、前記結晶光学材料からなる屈折部材が、結晶軸[111]若しくは該結晶軸[111]と光学的に等価な結晶軸、又は結晶軸[100]若しくは該結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸とほぼ一致した光軸を備えることを特徴とする。
【0032】
また、請求項14記載の投影光学系の調整方法は、前記調整工程が、前記偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、前記結晶光学材料からなる屈折部材を、前記投影光学系の光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する別の屈折部材と交換する工程を含むことを特徴とする。
【0033】
この請求項14記載の投影光学系の調整方法によれば、偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、結晶光学材料からなる屈折部材を投影光学系の光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する別の屈折部材と交換することにより、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0034】
また、請求項15記載の投影光学系の調整方法は、前記調整工程が、前記偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、前記結晶光学材料からなる屈折部材を、前記屈折部材とは異なる応力ひずみ量を有する別の屈折部材と交換する工程を含むことを特徴とする。
【0035】
この請求項15記載の投影光学系の調整方法によれば、偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、結晶光学材料からなる屈折部材を異なる応力ひずみ量を有する別の屈折部材と交換することにより、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0036】
また、請求項16記載の投影光学系の製造方法は、波長が200nm以下の光を実質的に透過させる結晶光学材料からなる結晶光学部材を含む複数の屈折部材を備え、第1面の像を第2面上に投影する投影光学系の製造方法において、前記投影光学系を構成する前記複数の屈折部材のそれぞれについての複屈折率を計測する複屈折率計測工程と、前記複屈折率計測工程により計測された複屈折率に基づいて、前記結晶光学部材の結晶軸を調整する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0037】
また、請求項17記載の投影光学系の製造方法は、前記調整工程が、前記複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値に基づいて、前記結晶光学部材を、前記結晶光学部材とは異なる結晶軸を有する別の結晶光学部材に交換する工程を含むことを特徴とする。
【0038】
この請求項17記載の投影光学系の製造方法によれば、複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値に基づいて、結晶光学部材を、この結晶光学部材とは異なる結晶軸を有する別の結晶光学部材に交換することにより、複屈折起因の結像性能を調整した投影光学系を製造することができる。
【0039】
また、請求項18記載の投影光学系の製造方法は、前記結晶光学部材が、前記結晶光学材料からなる第1及び第2の結晶光学部材を備え、前記調整工程は、前記複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値に基づいて、前記第1の結晶光学部材及び前記第2の結晶光学部材を、前記第1の結晶光学部材と前記第2の結晶光学部材との総厚を保ちながら、前記第1の結晶光学部材とは異なる厚さを有する第5の結晶光学部材と、前記第2の結晶光学部材とは異なる厚さを有する第6の結晶光学部材とに交換する工程を含むことを特徴とする。
【0040】
この請求項18記載の投影光学系の製造方法によれば、複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値に基づいて、第1の結晶光学部材及び第2の結晶光学部材を、第1の結晶光学部材と第2の結晶光学部材との総厚を保ちながら、第1の結晶光学部材とは異なる厚さを有する第5の結晶光学部材と、第2の結晶光学部材とは異なる厚さを有する第6の結晶光学部材とに交換することにより、複屈折起因でない収差状態を変化させること無く、複屈折起因の結像性能を調整した投影光学系を製造することができる。
【0041】
また、請求項19記載の投影光学系の製造方法は、前記第1の結晶光学部材が、前記第1面と前記第2面との間の光路中における最も前記第2面側に配置されて、パワーを有さず、前記第2の結晶光学部材は、前記第1の屈折部材の前記第1面側の光路中で前記第1の屈折部材と隣接して配置されて、前記第1の屈折部材側にパワーを有しない面を持つことを特徴とする。
【0042】
この請求項19記載の投影光学系の製造方法によれば、第1の屈折部材が第1面と第2面との間の光路中における最も第2面側に配置されており、第2の屈折部材が第1の屈折部材の第1面側の光路中で第1の屈折部材と隣接して配置されていることから、投影光学系を製造する際に、投影光学系の光学性能の調整を容易に行うことができる。
【0043】
また、請求項20記載の投影光学系の製造方法は、前記調整工程が、前記複屈折率計測工程により計測された複屈折の値に基づいて、前記結晶光学部材を、前記投影光学系の光軸周りに回転させる工程を含むことを特徴とする。
【0044】
この請求項20記載の投影光学系の製造方法によれば、複屈折率計測工程により計測された複屈折の値に基づいて、結晶光学部材を投影光学系の光軸周りに回転させることにより、複屈折起因の結像性能を調整した投影光学系を製造することができる。
【0045】
また、請求項21記載の投影光学系の製造方法は、前記結晶光学部材が、結晶軸[111]若しくは該結晶軸[111]と光学的に等価な結晶軸、又は結晶軸[100]若しくは該結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸とほぼ一致した光軸を備えることを特徴とする。
【0046】
また、請求項22記載の投影光学系の製造方法は、前記調整工程が、前記複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値に基づいて、前記結晶光学部材を、前記投影光学系の光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する別の結晶光学部材と交換する工程を含むことを特徴とする。
【0047】
この請求項22記載の投影光学系の製造方法によれば、複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値に基づいて、結晶光学部材を投影光学系の光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する別の結晶光学部材と交換することにより、複屈折起因の結像性能を調整した投影光学系を製造することができる。
【0048】
また、請求項23記載の投影光学系の製造方法は、前記調整工程が、前記複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値に基づいて、前記結晶光学部材を、前記結晶光学部材とは異なる応力ひずみ量を有する別の結晶光学部材と交換する工程を含むことを特徴とする。
【0049】
この請求項23記載の投影光学系の製造方法によれば、複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値に基づいて、結晶光学部材を、この結晶光学部材とは異なる応力ひずみ量を有する別の結晶光学部材と交換することにより、複屈折起因の結像性能を調整した投影光学系を製造することができる。
【0050】
また、請求項24記載の投影光学系は、請求項8乃至請求項15の何れか一項に記載の調整方法によって調整されたことを特徴とする。
【0051】
また、請求項25記載の投影光学系は、請求項16乃至請求項23の何れか一項に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
【0052】
また、請求項26記載の露光装置は、前記第1面に設定されたマスクを照明するための照明系と、前記マスクに形成されたパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に形成するために請求項1乃至請求項7、請求項24及び請求項25の何れか一項に記載の投影光学系とを備えることを特徴とする。
【0053】
この請求項26記載の露光装置によれば、複屈折の影響を実質的に受けることなく良好な光学性能を有する投影光学系を用いて、高解像で高精度な投影露光を行うことができる。
【0054】
また、請求項27記載の露光方法は、前記第1面に設定されたマスクを照明し、請求項1乃至請求項7、請求項24及び請求項25の何れか一項に記載の投影光学系を介して前記マスクに形成されたパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に投影露光することを特徴とする。
【0055】
この請求項27記載の露光方法によれば、複屈折の影響を実質的に受けることなく良好な光学性能を有する投影光学系を用いて、高解像で高精度な投影露光を行うことができる。
【0056】
また、本発明は、波長が200nm以下の光を実質的に透過させる結晶光学材料からなる結晶光学部材を含む複数の屈折部材を備え、第1面の像を第2面上に投影する投影光学系の製造方法であって、前記投影光学系を構成する前記複数の屈折光学部材のそれぞれについての複屈折率を計測する複屈折率計測工程と、前記複屈折率計測工程により計測された複屈折率に基づいて、前記結晶光学部材の結晶軸の調整の要否を判断する判断工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明は、波長が200nm以下の光を実質的に透過させる結晶光学材料からなる結晶光学部材を含む複数の屈折部材を備え、第1面の像を第2面上に投影する投影光学系の製造方法であって、偏光状態の異なる光を用いて前記投影光学系の偏光収差を計測する偏光収差計測工程と、前記偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、前記結晶光学部材の結晶軸の調整の要否を判断する判断工程とを含むことを特徴とする。
【0057】
【発明の実施の形態】
図1は、蛍石の結晶軸方位について説明する図である。図1を参照すると、蛍石の結晶軸は、立方晶系のXYZ座標系に基づいて規定される。すなわち、+X軸に沿って結晶軸[100]が、+Y軸に沿って結晶軸[010]が、+Z軸に沿って結晶軸[001]がそれぞれ規定される。
【0058】
また、XZ平面において結晶軸[100]および結晶軸[001]と45度をなす方向に結晶軸[101]が、XY平面において結晶軸[100]および結晶軸[010]と45度をなす方向に結晶軸[110]が、YZ平面において結晶軸[010]および結晶軸[001]と45度をなす方向に結晶軸[011]がそれぞれ規定される。さらに、+X軸、+Y軸および+Z軸に対して等しい鋭角をなす方向に結晶軸[111]が規定される。
【0059】
なお、図1では、+X軸、+Y軸および+Z軸で規定される空間における結晶軸のみを図示しているが、他の空間においても同様に結晶軸が規定される。前述したように、蛍石では、図1中実線で示す結晶軸[111]方向、およびこれと等価な不図示の結晶軸[−111],[1−11],[11−1]方向では、複屈折がほぼ零(最小)である。
【0060】
同様に、図1中実線で示す結晶軸[100],[010],[001]方向においても、複屈折がほぼ零(最小)である。一方、図1中破線で示す結晶軸[110],[101],[011],およびこれと等価な不図示の結晶軸[−110],[−101],[01−1]方向では、複屈折が最大である。
【0061】
ところで、Burnettらは前述の発表において、複屈折の影響を低減する手法を開示している。図2は、Burnettらの手法を説明する図であって、光線の入射角(光線と光軸とのなす角度)に対する複屈折率の分布を示している。図2では、図中破線で示す5つの同心円が1目盛り10度を表している。したがって、最も内側の円が光軸に対して入射角10度の領域を、最も外側の円が光軸に対して入射角50度の領域を表している。
【0062】
また、黒丸は比較的大きな屈折率を有する複屈折のない領域を、白丸は比較的小さな屈折率を有する複屈折のない領域を表している。一方、太い円および長い両矢印は複屈折のある領域における比較的大きな屈折率の方向を、細い円および短い両矢印は複屈折のある領域における比較的小さな屈折率の方向を表している。以降の図3においても、上述の表記は同様である。
【0063】
Burnettらの手法では、一対の蛍石レンズ(蛍石で形成されたレンズ)の光軸と結晶軸[111]とを一致させ、且つ光軸を中心として一対の蛍石レンズを約60度だけ相対的に回転させる。したがって、一方の蛍石レンズにおける複屈折率の分布は図2(a)に示すようになり、他方の蛍石レンズにおける複屈折率の分布は図2(b)に示すようになる。その結果、一対の蛍石レンズ全体における複屈折率の分布は、図2(c)に示すようになる。
【0064】
この場合、図2(a)および(b)を参照すると、光軸と一致している結晶軸[111]に対応する領域は、比較的小さな屈折率を有する複屈折のない領域となる。また、結晶軸[100],[010],[001]に対応する領域は、比較的大きな屈折率を有する複屈折のない領域となる。さらに、結晶軸[110],[101],[011]に対応する領域は、周方向の偏光に対する屈折率が比較的小さく径方向の偏光に対する屈折率が比較的大きい複屈折領域となる。このように、個々の蛍石レンズでは、光軸から35.26度(結晶軸[111]と結晶軸[110]とのなす角度)の領域において、複屈折の影響を最大に受けることがわかる。
【0065】
一方、図2(c)を参照すると、一対の蛍石レンズを60度だけ相対的に回転させることにより、一対の蛍石レンズ全体では、複屈折が最大である結晶軸[110],[101],[011]の影響が薄められることがわかる。そして、光軸から35.26度の領域において、径方向の偏光に対する屈折率よりも周方向の偏光に対する屈折率が小さい複屈折領域が残ることになる。換言すれば、Burnettらの手法を用いることにより、光軸に関して回転対称な分布が残るが、複屈折の影響をかなり低減することができる。
【0066】
さて、本願出願人は、特願2002−114209号において、−一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材(例えば蛍石レンズ)の光軸と結晶軸[100](または該結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸)とを一致させ、且つ光軸を中心として一対の結晶透過部材を約45度だけ相対的に回転させて、複屈折の影響を低減する第1の手法を提案した。ここで、結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸とは、結晶軸[010],[001]である。
【0067】
図3は、上記第1の手法を説明する図であって、光線の入射角(光線と光軸とのなす角度)に対する複屈折率の分布を示している。本発明の手法では、一方の蛍石レンズにおける複屈折率の分布は図3(a)に示すようになり、他方の蛍石レンズにおける複屈折率の分布は図3(b)に示すようになる。その結果、一対の蛍石レンズ全体における複屈折率の分布は、図3(c)に示すようになる。
【0068】
図3(a)および(b)を参照すると、第1の手法では、光軸と一致している結晶軸[100]に対応する領域は、比較的大きな屈折率を有する複屈折のない領域となる。また、結晶軸[111],[1−11],[−11−1],[11−1]に対応する領域は、比較的小さな屈折率を有する複屈折のない領域となる。さらに、結晶軸[101],[10−1],[110],[1−10]に対応する領域は、周方向の偏光に対する屈折率が比較的大きく径方向の偏光に対する屈折率が比較的小さい複屈折領域となる。このように、個々の蛍石レンズでは、光軸から45度(結晶軸[100]と結晶軸[101]とのなす角度)の領域において、複屈折率の影響を最大に受けることがわかる。
【0069】
一方、図3(c)を参照すると、一対の蛍石レンズを45度だけ相対的に回転させることにより、一対の蛍石レンズ全体では、複屈折が最大である結晶軸[101],[10−1],[110],[1−10]の影響がかなり薄められ、光軸から45度の領域において径方向の偏光に対する屈折率よりも周方向の偏光に対する屈折率が大きい複屈折領域が残ることになる。換言すれば、本発明の手法を用いることにより、光軸に関して回転対称な分布が残るが、複屈折の影響をかなり低減することができる。
【0070】
なお、第1の手法において、一方の蛍石レンズと他方の蛍石レンズとを光軸を中心として約45度だけ相対的に回転させるとは、一方の蛍石レンズおよび他方の蛍石レンズにおける光軸とは異なる方向に向けられる所定の結晶軸(たとえば結晶軸[010],[001],[011]または[01−1])同士の光軸を中心とした相対的な角度が約45度であることを意味する。具体的には、たとえば一方の蛍石レンズにおける結晶軸[010]と、他方の蛍石レンズにおける結晶軸[010]との光軸を中心とした相対的な角度が約45度であることを意味する。
【0071】
また、図3(a)および図3(b)からも明らかな通り、結晶軸[100]を光軸とする場合には、光軸を中心とした複屈折の影響の回転非対称性が90度の周期で現れる。したがって、第1の手法において、光軸を中心として約45度だけ相対的に回転させるということは、光軸を中心として約45度+(n×90度)だけ相対的に回転させること、すなわち45度、135度、225度、または315度・・・だけ相対的に回転させることと同じ意味である(ここで、nは整数である)。
【0072】
一方、Burnettらの手法において、一方の蛍石レンズと他方の蛍石レンズとを光軸を中心として約60度だけ相対的に回転させるとは、一方の蛍石レンズおよび他方の蛍石レンズにおける光軸とは異なる方向に向けられる所定の結晶軸(たとえば結晶軸[−111]、[11−1]、または[1−11])同士の光軸を中心とした相対的な角度が約60度であることを意味する。具体的には、たとえば一方の蛍石レンズにおける結晶軸[−111]と、他方の蛍石レンズにおける結晶軸[−111]との光軸を中心とした相対的な角度が約60度であることを意味する。
【0073】
また、図2(a)および図2(b)からも明らかな通り、結晶軸[111]を光軸とする場合には、光軸を中心とした複屈折の影響の回転非対称性が120度の周期で現れる。したがって、Burnettらの手法において、光軸を中心として約60度だけ相対的に回転させるということは、光軸を中心として約60度+(n×120度)だけ相対的に回転させること、すなわち60度、180度、または300度・・・だけ相対的に回転させることと同じ意味である(ここで、nは整数である)。
【0074】
また、本願出願人は、上述の特願2002−114209号において、一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材(例えば蛍石レンズ)の光軸と結晶軸[110](または該結晶軸[110]と光学的に等価な結晶軸)とを一致させ、且つ光軸を中心として一対の結晶透過部材を約90度だけ相対的に回転させて、複屈折の影響を低減する第2の手法を提案した。ここで、結晶軸[110]と光学的に等価な結晶軸とは、結晶軸[−110],[101],[‐101],[011],[01−1]である。
【0075】
図4は、上記第2の手法を説明する図であって、光線の入射角に対する複屈折率の分布を示している。第2の手法では、一方の蛍石レンズにおける複屈折率の分布は図4(a)に示すようになり、他方の蛍石レンズにおける複屈折率の分布は図4(b)に示すようになる。その結果、一対の蛍石レンズ全体における複屈折率の分布は、図4(c)に示すようになる。
【0076】
図4(a)および(b)を参照すると、第2の手法では、光軸と一致している結晶軸[110]に対応する領域は、一方の方向の偏光に対する屈折率が比較的大きく他方の方向(一方の方向に直交する方向)の偏光に対する屈折率が比較的小さい複屈折領域となる。結晶軸[100],[010]に対応する領域は、比較的大きな屈折率を有する複屈折のない領域となる。さらに、結晶軸[111],[11−1]に対応する領域は、比較的小さな屈折率を有する複屈折のない領域となる。
【0077】
一方、図4(c)を参照すると、一対の蛍石レンズを90度だけ相対的に回転させることにより、一対の蛍石レンズ全体では、複屈折が最大である結晶軸[110]の影響がほとんどなく、光軸付近は中間的な屈折率を有する複屈折のない領域となる。すなわち、本発明において提案する第2手法を用いることにより、複屈折の影響を実質的に受けることなく、良好な結像性能を確保することができる。
【0078】
なお、第2の手法において、一方の蛍石レンズと他方の蛍石レンズとを光軸を中心として約90度だけ相対的に回転させるとは、一方の蛍石レンズおよび他方の蛍石レンズにおける光軸とは異なる方向に向けられる所定の結晶軸(たとえば結晶軸[001]、[−111]、[−110]、または[1−11])同士の光軸を中心とした相対的な角度が約90度であることを意味する。具体的には、たとえば一方の蛍石レンズにおける結晶軸[001]と、他方の蛍石レンズにおける結晶軸[001]との光軸を中心とした相対的な角度が約90度であることを意味する。
【0079】
また、図4(a)および図4(b)からも明らかな通り、結晶軸[110]を光軸とする場合には、光軸を中心とした複屈折の影響の回転非対称性が180度の周期で現れる。したがって、第2手法において、光軸を中心として約90度だけ相対的に回転させるということは、光軸を中心としてほぼ90度+(n×180度)だけ相対的に回転させること、すなわち90度、270度・・・だけ相対的に回転させることと同じ意味である(ここで、nは整数である)。
【0080】
上述の説明の通り、一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材の光軸と結晶軸[111]とを一致させ、且つ光軸を中心として一対の蛍石レンズを60度だけ相対的に回転させることにより、あるいは一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材の光軸と結晶軸[100]とを一致させ、且つ光軸を中心として一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材を45度だけ相対的に回転させることにより、あるいは一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材の光軸と結晶軸[110]とを一致させ、且つ光軸を中心として一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材を90度だけ相対的に回転させることにより、複屈折の影響をかなり低減することができる。
【0081】
従って、一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材の結晶軸を所定の関係で位置決めすることにより、即ち、結晶透過部材の結晶軸として何れの結晶軸を選択するか、結晶透過部材の光軸と結晶軸との角度をどのような角度で位置決めするのか、一対の結晶透過部材の相対的な回転角度をどのような角度で位置決めするのかにより、この結晶透過部材を含んで構成された投影光学系の複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0082】
また、立方晶系に属する結晶材料を透過部材(屈折部材)の光学材料として用いる場合には、その内部応力に起因する歪(複屈折)が、この透過材料で構成された投影光学系の結像性能に影響を及ぼす。特に、結晶軸[111]とは異なる結晶軸を光軸と一致させた透過部材を用いる場合には、その内部応力による歪(複屈折)が顕著に表れる。従って、内部応力に起因する歪(複屈折)の量を調整することにより、この透過材料を含んで構成された投影光学系の複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0083】
また、上述のBurnettらの報告に示されるように、蛍石の固有複屈折(intrinsic birefringence)は、結晶軸[110],[−110],[101],[−101],[011],[01−1]の6方向では、波長157nmに対して最大で6.5nm/cm、波長193nmに対して最大で3.6nm/cmである。即ち、複屈折の量は、結晶透過部材(結晶光学材料)の厚さに起因する。従って、結晶透過部材の厚さを変更することにより、この結晶透過部材を材料を含んで構成された投影光学系の複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0084】
図5は、本実施形態にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。この投影光学系PLは、レチクルR(第1面)の像をウェハW(第2面)上に投影する投影光学系であって、レチクルRとウェハWとの間の光路中に波長が200nm以下の光を実質的に透過させる、蛍石等の結晶光学材料により構成される屈折部材(結晶透過部材)を含む複数の屈折部材を含んで構成されている。
【0085】
ここでレチクルRとウェハWとの間の光路中における最もウェハW側に配置されている第1の屈折部材Aは、結晶光学材料により形成された平行平板により構成されている。即ち、第1の屈折部材Aは、パワーを有しない屈折部材である。また、第2の屈折部材Bは、結晶光学材料により形成され、第1の屈折部材AのレチクルR側の光路中で第1の屈折部材Aと隣接して配置されており、第1の屈折部材A側にパワーを有しない面を持つ屈折部材である。そして、第1の屈折部材Aの結晶軸と第2の屈折部材Bの結晶軸とが所定の関係で位置決めされている。
【0086】
即ち、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bは、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bを形成する結晶材料の結晶軸[111]若しくは該結晶軸[111]と光学的に等価な結晶軸、又は結晶軸[100]若しくは該結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸と光軸がほぼ一致するように構成されている。
【0087】
また、この投影光学系PLにおいては、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bは、投影光学系PLの光軸周りに回転可能に構成されている。なお、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの何れか一方を、投影光学系PLの光軸周りに回転可能に構成してもよい。
【0088】
また、この投影光学系PLにおいては、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bのうちの少なくとも一方は、投影光学系PLの光軸に対して第1の屈折部材Aとは異なる結晶軸を有する屈折部材(第3の屈折部材)と、投影光学系PLの光軸に対して第2の屈折部材Bとは異なる結晶軸を有する屈折部材(第4の屈折部材)の何れか一方と交換可能に構成されている。例えば、第1の屈折部材Aが結晶軸[111]を有する場合には、結晶軸[111]とは異なる結晶軸[100]を有する屈折部材等と交換可能に構成されており、また、例えば、第2の屈折部材Bが結晶軸[111]を有する場合には、結晶軸[111]とは異なる結晶軸[100]を有する屈折部材等と交換可能に構成されている。
【0089】
また、この投影光学系PLにおいては、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bは、第1の屈折部材Aと第2の屈折部材Bとの総厚を保ちながら、第1の屈折部材Aとは異なる厚さを有する屈折部材(第5の屈折部材)と、第2の屈折部材Bとは異なる厚さを有する屈折部材(第6の屈折部材)とに交換可能に構成されている。
【0090】
また、この投影光学系PLにおいては、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bのうちの少なくとも一方は、投影光学系PLの光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する屈折部材(第7の屈折部材)と交換可能に構成されている。
【0091】
また、この投影光学系PLにおいては、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bのうちの少なくとも一方は、第1の屈折部材Aとは異なる応力ひずみ量を有する屈折部材(第8の屈折部材)と、第2の屈折部材Bとは異なる応力ひずみ量を有する屈折部材(第9の屈折部材)の何れか一方と交換可能に構成されている。
【0092】
本実施形態にかかる投影光学系によれば、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bのうちの少なくとも一方を、投影光学系PLの光軸に対して第1の屈折部材Aとは異なる結晶軸を有する屈折部材(第3の屈折部材)と、投影光学系PLの光軸に対して第2の屈折部材Bとは異なる結晶軸を有する屈折部材(第4の屈折部材)との何れか一方と交換することにより、投影光学系PLの複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0093】
また、本実施形態にかかる投影光学系によれば、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bを、第1の屈折部材Aと第2の屈折部材Bとの総厚を保ちながら、第1の屈折部材Aとは異なる厚さを有する屈折部材(第5の屈折部材)と第2の屈折部材Bとは異なる厚さを有する屈折部材(第6の屈折部材)とに交換することにより、投影光学系PLにおいて、複屈折起因でない収差状態を変化させること無く、複屈折の量を変化させることができることから、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0094】
また、本実施形態にかかる投影光学系によれば、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの少なくとも一方を投影光学系PLの光軸周りに回転させることにより、第1の屈折部材Aとこの第1の屈折部材Aと対になる屈折部材とが有する複屈折の影響及び第2の屈折部Bとこの第2の屈折部材Bと対になる屈折部材とが有する複屈折の影響を低減させることができる。なお、第1の屈折部材Aと対になる屈折部材には、第2の屈折部Bのみならず、第1の屈折部材AよりもレチクルR側に配置されている結晶光学材料により形成される屈折部材も含まれる。また、第2の屈折部材Bと対になる屈折部材には、第1の屈折部Aのみならず、第1の屈折部材Aよりもレチクル側に配置されている結晶光学材料により形成される屈折部材も含まれる。
【0095】
また、本実施形態にかかる投影光学系によれば、第1の屈折部材Aの結晶軸と光軸とを一致させ、第2の屈折部材Bの結晶軸と光軸とを一致させているため、第1の屈折部材Aとこの第1の屈折部材Aと対になる屈折部材とが有する複屈折の影響及び第2の屈折部Bとこの第2の屈折部材Bと対になる屈折部材とが有する複屈折の影響を低減させることができる。なお、第1の屈折部材Aと対になる屈折部材には、第2の屈折部Bのみならず、第1の屈折部材AよりもレチクルR側に配置されている結晶光学材料により形成される屈折部材も含まれる。また、第2の屈折部材Bと対になる屈折部材には、第1の屈折部Aのみならず、第1の屈折部材Aよりもレチクル側に配置されている結晶光学材料により形成される屈折部材も含まれる。
【0096】
また、本実施形態にかかる投影光学系によれば、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bのうちの少なくとも一方を投影光学系PLの光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する屈折部材(第7の屈折部材)と交換することにより、投影光学系PLの複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0097】
また、この実施形態にかかる投影光学系によれば、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bのうちの少なくとも一方を第1の屈折部材Aとは異なる応力ひずみ量を有する屈折部材(第8の屈折部材)と第2の屈折部材Bとは異なる応力ひずみ量を有する屈折部材(第9の屈折部材)との何れか一方と交換することにより、応力ひずみに起因する、即ち複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0098】
次に、図6を参照して、図5に示す投影光学系PLの製造方法について説明する。まず、投影光学系を構成する複数の屈折部材のそれぞれについて複屈折率分布を計測する(ステップS10)。即ち、第1の屈折部材A、第2の屈折部材B及び第1の屈折部材AよりもレチクルR側に配置されている屈折部材のそれぞれについて複屈折率分布を計測する。
【0099】
次に、ステップS10において計測された複数の屈折部材のそれぞれの複屈折率分布に基づいて、コンピュータを用いた結像シミュレーションを行い結像性能を算出する(ステップS11)。そして、この算出された結像性能が要求されるスペック内であるか否かを判断する(ステップS12)。スペック内でない場合には、結晶光学部材である第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸の調整量を算出し(ステップS13)、算出された調整量に基づいて第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸の調整を行う(ステップS14)。即ち、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bを投影光学系の光軸周りに回転させることにより、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸を調整する。なお、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの何れか一方を、投影光学系PLの光軸周りに回転させてもよい。
【0100】
また、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bのうちの少なくとも一方を、投影光学系PLの光軸に対して第1の屈折部材Aとは異なる結晶軸を有する屈折部材(第3の屈折部材)と、投影光学系PLの光軸に対して第2の屈折部材Bとは異なる結晶軸を有する屈折部材(第4の屈折部材)との何れか一方と交換することにより、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸を調整する。
【0101】
また、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bを、第1の屈折部材Aと第2の屈折部材Bとの総厚を保ちながら、第1の屈折部材Aとは異なる厚さを有する屈折部材(第5の屈折部材)と、第2の屈折部材Bとは異なる厚さを有する屈折部材(第6の屈折部材)とに交換することにより、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸を調整する。
【0102】
また、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bのうちの少なくとも一方を、投影光学系PLの光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する屈折部材(第7の屈折部材)と交換することにより、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸を調整する。
【0103】
更に、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bのうちの少なくとも一方を、第1の屈折部材Aとは異なる応力ひずみ量を有する屈折部材(第8の屈折部材)と、第2の屈折部材Bとは異なる応力ひずみ量を有する屈折部材(第9の屈折部材)の何れか一方と交換することにより、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸を調整する。
【0104】
本実施の形態にかかる投影光学系の製造方法によれば、複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値或いは複屈折率の分布に基づいて、結晶光学部材(第1の屈折部材A又は第2の屈折部材B)を、この結晶光学部材(第1の屈折部材A又は第2の屈折部材B)とは異なる結晶軸を有する別の結晶光学部材(屈折部材)に交換することにより、又は第1の結晶光学部材A及び第2の結晶光学部材Bを、第1の結晶光学部材Aと第2の結晶光学部材Bとの総厚を保ちながら、第1の結晶光学部材Aとは異なる厚さを有する屈折部材(第5の結晶光学部材)と第2の結晶光学部材Bとは異なる厚さを有する屈折部材(第6の結晶光学部材)とに交換することにより、複屈折起因でない収差状態を変化させること無く、複屈折起因の結像性能を調整した投影光学系を製造することができる。
【0105】
また、複屈折率計測工程により計測された複屈折の値或いは複屈折率の分布に基づいて、結晶光学部材(第1の屈折部材A又は第2の屈折部材B)を投影光学系PLの光軸周りに回転させることにより、又は結晶光学部材(第1の屈折部材A又は第2の屈折部材B)を投影光学系PLの光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する別の屈折部材(結晶光学部材)と交換することにより、複屈折起因の結像性能を調整した投影光学系PLを製造することができる。
【0106】
更に、複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値或いは複屈折率の分布に基づいて、結晶光学部材(第1の屈折部材A又は第2の屈折部材B)を、この結晶光学部材(第1の屈折部材A又は第2の屈折部材B)とは異なる応力ひずみ量を有する別の屈折部材(結晶光学部材)と交換することにより、複屈折起因の結像性能を調整した投影光学系を製造することができる。
【0107】
また、第1の屈折部材がレチクルRとウェハWとの間の光路中における最もウェハW側に配置されており、第2の屈折部材Bが第1の屈折部材AのレチクルR側の光路中で第1の屈折部材Aと隣接して配置されていることから、投影光学系PLを製造する際に、投影光学系PLの光学性能の調整を容易に行うことができる。即ち、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸を調整することにより、第1の屈折部材AよりもレチクルR側に配置されている複数の屈折部材が有する複屈折の影響を低減させた投影光学系PLを製造することができる。
【0108】
次に、図7を参照して、図5に示す投影光学系PLの調整方法について説明する。まず、偏光状態の異なる光を用いて投影光学系PLの偏光収差を計測する(ステップS20)。
【0109】
次に、ステップS20において計測された偏光収差が要求されるスペック内であるか否かを判断する(ステップS21)。スペック内でない場合には、結晶光学部材である第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸の調整量を算出し(ステップS22)、算出された調整量に基づいて第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸の調整を行う(ステップS23)。即ち、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bを投影光学系の光軸周りに回転させることにより、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸を調整する。なお、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの何れか一方を、投影光学系の光軸周りに回転させてもよい。
【0110】
また、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bのうちの少なくとも一方を、投影光学系PLの光軸に対して第1の屈折部材Aとは異なる結晶軸を有する屈折部材(第3の屈折部材)と、投影光学系PLの光軸に対して第2の屈折部材Bとは異なる結晶軸を有する屈折部材(第4の屈折部材)との何れか一方と交換することにより、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸を調整する。
【0111】
また、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bを、第1の屈折部材Aと第2の屈折部材Bとの総厚を保ちながら、第1の屈折部材Aとは異なる厚さを有する屈折部材(第5の屈折部材)と、第2の屈折部材Bとは異なる厚さを有する屈折部材(第6の屈折部材)とに交換することにより、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸を調整する。
【0112】
また、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bのうちの少なくとも一方を、投影光学系PLの光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する屈折部材(第7の屈折部材)と交換することにより、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸を調整する。
【0113】
また、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bのうちの少なくとも一方を、第1の屈折部材Aとは異なる応力ひずみ量を有する屈折部材(第8の屈折部材)と、第2の屈折部材Bとは異なる応力ひずみ量を有する屈折部材(第9の屈折部材)との何れか一方と交換することにより、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸を調整する。
【0114】
本実施の形態にかかる投影露光装置の調整方法によれば、偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、結晶光学材料からなる屈折部材(第1の屈折部材A又は第2の屈折部材B)を、この屈折部材(第1の屈折部材A又は第2の屈折部材B)とは異なる結晶軸を有する別の屈折部材に交換することにより、又は第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bを、第1の屈折部材Aと第2の屈折部材Bとの総厚を保ちながら、第1の屈折部材Aとは異なる厚さを有する屈折部材(第5の屈折部材)と第2の屈折部材Bとは異なる厚さを有する屈折部材(第6の屈折部材)とに交換することにより、複屈折起因でない収差状態を変化させること無く、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0115】
また、偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、結晶光学材料からなる屈折部材(第1の屈折部材A又は第2の屈折部材B)を投影光学系PLの光軸周りに回転させることにより、又は結晶光学材料からなる屈折部材(第1の屈折部材A又は第2の屈折部材B)を投影光学系PLの光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する別の屈折部材と交換することにより、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0116】
更に、偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、結晶光学材料からなる屈折部材(第1の屈折部材A又は第2の屈折部材B)を異なる応力ひずみ量を有する別の屈折部材と交換することにより、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0117】
また、第1の屈折部材がレチクルRとウェハWとの間の光路中における最もウェハW側に配置されており、第2の屈折部材Bが第1の屈折部材AのレチクルR側の光路中で第1の屈折部材Aと隣接して配置されていることから、投影光学系PLを製造する際に、投影光学系PLの光学性能の調整を容易に行うことができる。即ち、第1の屈折部材A及び第2の屈折部材Bの結晶軸を調整することにより、第1の屈折部材AよりもレチクルR側に配置されている複数の屈折部材が有する複屈折の影響を低減させるように、投影光学系PLの結像性能の調整を行うことができる。
【0118】
図8は、本発明の実施形態にかかる投影光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。なお、図8において、投影光学系PLの基準光軸AXに平行にZ軸を、基準光軸AXに垂直な面内において図8の紙面に平行にY軸を、図8の紙面に垂直にX軸をそれぞれ設定している。
【0119】
図示の露光装置は、紫外領域の照明光を供給するための光源100として、たとえばFレーザ光源(発振中心波長157.6244nm)を備えている。
【0120】
光源100から射出された光は、照明光学系ILを介して、所定のパターンが形成されたレチクルRを均一に照明する。なお、光源100と照明光学系ILとの間の光路はケーシング(不図示)で密封されており、光源100から照明光学系IL中の最もレチクル側の光学部材までの空間は、露光光の吸収率が低い気体であるヘリウムガスや窒素などの不活性ガスで置換されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。
【0121】
レチクルRは、レチクルホルダRHを介して、レチクルステージRS上においてXY平面に平行に保持されている。レチクルRには転写すべきパターンが形成されており、パターン領域全体のうちX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形状(スリット状)のパターン領域が照明される。レチクルステージRSは、図示を省略した駆動系の作用により、レチクル面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はレチクル移動鏡RMを用いた干渉計RIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0122】
レチクルRに形成されたパターンからの光は、投影光学系PL、即ち、図5に示す投影光学系PLを介して、感光性基板であるウェハW上にレチクルパターン像を形成する。ウェハWは、ウェハテーブル(ウェハホルダ)WTを介して、ウェハステージWS上においてXY平面に平行に保持されている。そして、レチクルR上での矩形状の照明領域に光学的に対応するように、ウェハW上ではX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形状の露光領域にパターン像が形成される。ウェハステージWSは、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウェハ移動鏡WMを用いた干渉計WIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0123】
また、図示の露光装置では、投影光学系PLを構成する屈折部材(光学部材)のうち最もレチクル側に配置された屈折部材と最もウェハ側に配置された屈折部材との間で投影光学系PLの内部が気密状態を保つように構成され、投影光学系PLの内部の気体はヘリウムガスや窒素などの不活性ガスで置換されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。
【0124】
さらに、照明光学系ILと投影光学系PLとの間の狭い光路には、レチクルRおよびレチクルステージRSなどが配置されているが、レチクルRおよびレチクルステージRSなどを密封包囲するケーシング(不図示)の内部に窒素やヘリウムガスなどの不活性ガスが充填されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。
【0125】
また、投影光学系PLとウェハWとの間の狭い光路には、ウェハWおよびウェハステージWSなどが配置されているが、ウェハWおよびウェハステージWSなどを密封包囲するケーシング(不図示)の内部に窒素やヘリウムガスなどの不活性ガスが充填されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。このように、光源100からウェハWまでの光路の全体に亘って、露光光がほとんど吸収されることのない雰囲気が形成されている。
【0126】
上述したように、投影光学系PLによって規定されるレチクルR上の照明領域およびウェハW上の露光領域(すなわち実効露光領域ER)は、Y方向に沿って短辺を有する矩形状である。したがって、駆動系および干渉計(RIF、WIF)などを用いてレチクルRおよびウェハWの位置制御を行いながら、矩形状の露光領域および照明領域の短辺方向すなわちY方向に沿ってレチクルステージRSとウェハステージWSとを、ひいてはレチクルRとウェハWとを同じ方向へ(すなわち同じ向きへ)同期的に移動(走査)させることにより、ウェハW上には露光領域の長辺に等しい幅を有し且つウェハWの走査量(移動量)に応じた長さを有する領域に対してレチクルパターンが走査露光される。
【0127】
また、図8の露光装置の照明光学系ILは、光源100からの光に基づいて面光源を形成するためのオプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズFEと、面光源からの光をレチクルR上の照明領域へ導くためのコンデンサ光学系COとを備えている。そして、このフライアイレンズFEによる面光源と投影原版としてのレチクルRとの間の光路中には、フライアイレンズFEからの光の一部を分岐するビームスプリッタBSが配置されており、このビームスプリッタBSを経由した光は、インテグレータセンサISへ導かれる。このインテグレータセンサISは、露光制御ユニット110に接続されており、インテグレータセンサISからの検出信号は露光制御ユニット110に供給されている。また、ウェハステージWS上には、ウェハW上での露光光の照度分布を計測するための露光量分布計測装置としての照度むらセンサWISが設けられており、この照度むらセンサWISからの検出信号も露光制御ユニット110に接続されている。
【0128】
ここで、インテグレータセンサISの検出信号と被露光機版としてのウェハW上での露光光の照度との関係は予め高精度に計測されて、露光制御ユニット110内のメモリに記憶されている。露光制御ユニット110は、インテグレータセンサISの検出信号より間接的にウェハWに対する露光光の照度(平均値)及びその積分値(積算露光量の平均値)をモニタできるように構成されている。そして、この露光制御ユニット110は、露光中において、光源100からの光を、インテグレータセンサISを介してウェハWに対する露光光ILの照度(パルス光の場合は、単位面積、単位時間あたりのパルスエネルギーの和)の積分値を算出する。露光制御ユニット110では、その照度の積分値を逐次算出し、この結果に応じて走査露光後のウェハW上の各点において適正露光量が得られるように、光源100の出力(発振周波数、パルスエネルギー)や可変減光器(不図示)の減光率を制御する。
【0129】
また、レチクルRの近傍又はレチクルRの共役面あるいは当該共役面の近傍には、たとえば特開2002−100561号公報に開示される照度むら補正部材が配置されており、この照度むら補正部材は、照度むらセンサWISによって計測されるウェハW上での照度むらを補正する。
【0130】
さて、投影光学系PLを露光装置本体に組み込んだ後に、投影光学系PLの一部の光学部材を交換する場合を考えると、投影光学系の透過率や透過率分布が変わるために、露光装置の露光量制御や照度むらに影響が出る場合がある。ここで、この影響をなくすために、投影光学系PLの一部の光学部材を交換する作業の後、照度むらセンサWISを用いてウェハW上の照度や照度分布を計測し、その結果に応じて、露光量制御ユニット110内のインテグレータセンサISの検出信号と被露光機版としてのウェハW上での露光光の照度との関係を更新し、照度むらがあれば、照度むら補正部材によりウェハW上での照度むらを補正する。
【0131】
上述の実施形態の露光装置では、照明装置によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、本実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図9のフローチャートを参照して説明する。
【0132】
先ず、図9のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、本実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。
【0133】
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。なお、ステップ301〜ステップ305では、ウェハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウェハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
【0134】
また、本実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図10のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図10において、パターン形成工程401では、本実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程402へ移行する。
【0135】
次に、カラーフィルタ形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルタ形成工程402にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0136】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0137】
なお、上述の実施形態では、Fレーザ光源を用いているが、これに限定されることなく、たとえば200nm以下の波長光を供給する他の適当な光源を用いることもできる。
【0138】
また、上述の実施形態では、マスクおよび基板を投影光学系に対して相対移動させながら基板の各露光領域に対してマスクパターンをスキャン露光するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に対して本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、マスクと基板とを静止させた状態でマスクのパターンを基板へ一括的に転写し、基板を順次ステップ移動させて各露光領域にマスクパターンを逐次露光するステップ・アンド・リピート方式の露光装置に対して本発明を適用することもできる。
【0139】
【発明の効果】
本発明の投影光学系によれば、複屈折起因でない収差状態を変化させること無く、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0140】
また、本発明の投影光学系の調整方法によれば、複屈折起因でない収差状態を変化させること無く、複屈折起因の結像性能を調整することができる。
【0141】
また、本発明の投影光学系の調整方法によれば、複屈折起因でない収差状態を変化させること無く、複屈折起因の結像性能を調整した投影光学系を製造することができる。
【0142】
また、本発明の露光装置および方法では、複屈折の影響を実質的に受けることなく良好な光学性能を有する投影光学系を用いて、高解像で高精度な投影露光を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蛍石の結晶軸方位について説明する図である。
【図2】Burnettらの手法を説明する図であって、光線の入射角に対する複屈折率の分布を示している。
【図3】本願出願人が提案した第1手法を説明する図であって、光線の入射角に対する複屈折率の分布を示している。
【図4】本願出願人が提案した第2手法を説明する図であって、光線の入射角に対する複屈折率の分布を示している。
【図5】本実施形態にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図6】本実施形態にかかる投影光学系の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】本実施形態にかかる投影光学系の調整方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態にかかる投影光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図9】マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。
【図10】マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
【符号の説明】
100 レーザ光源
IL 照明光学系
R レチクル
RS レチクルステージ
PL 投影光学系
A 第1の屈折部材
B 第2の屈折部材
W ウェハ
WS ウェハステージ

Claims (27)

  1. 波長が200nm以下の光を実質的に透過させる複数の屈折部材を含み、第1面の像を第2面上に投影する投影光学系において、
    結晶光学材料により形成され、前記第1面と前記第2面との間の光路中における最も前記第2面側に配置されて、パワーを有しない第1の屈折部材と、
    結晶光学材料により形成され、前記第1の屈折部材の前記第1面側の光路中で前記第1の屈折部材と隣接して配置されて、前記第1の屈折部材側にパワーを有しない面を持つ第2の屈折部材と、
    を備え、
    前記第1の屈折部材の結晶軸と前記第2の屈折部材の結晶軸とが所定の関係で位置決めされることを特徴とする投影光学系。
  2. 前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材のうちの少なくとも一方は、前記投影光学系の光軸に対して前記第1の屈折部材とは異なる結晶軸を有する第3の屈折部材と、前記投影光学系の光軸に対して前記第2の屈折部材とは異なる結晶軸を有する第4の屈折部材との何れか一方と交換可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の投影光学系。
  3. 前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材は、前記第1の屈折部材と前記第2の屈折部材との総厚を保ちながら、前記第1の屈折部材とは異なる厚さを有する第5の屈折部材と、前記第2の屈折部材とは異なる厚さを有する第6の屈折部材とに交換可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投影光学系。
  4. 前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材の少なくとも一方は、前記投影光学系の光軸周りに回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の投影光学系。
  5. 前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材は、前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材を形成する結晶材料の結晶軸[111]若しくは該結晶軸[111]と光学的に等価な結晶軸、又は結晶軸[100]若しくは該結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸と光軸がほぼ一致するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の投影光学系。
  6. 前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材のうちの少なくとも一方は、前記投影光学系の光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する第7の屈折部材と交換可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の投影光学系。
  7. 前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材のうちの少なくとも一方は、前記第1の屈折部材とは異なる応力ひずみ量を有する第8の屈折部材と、前記第2の屈折部材とは異なる応力ひずみ量を有する第9の屈折部材との何れか一方と交換可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の投影光学系。
  8. 波長が200nm以下の光を実質的に透過させる少なくとも1つの結晶光学材料からなる屈折部材を含み、第1面の像を第2面上に投影する投影光学系の調整方法において、
    偏光状態の異なる光を用いて前記投影光学系の偏光収差を計測する偏光収差計測工程と、
    前記偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、前記結晶光学材料からなる屈折部材の結晶軸を調整する調整工程と
    を含むことを特徴とする投影光学系の調整方法。
  9. 前記調整工程は、
    前記偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、前記結晶光学材料からなる屈折部材を、前記屈折部材とは異なる結晶軸を有する別の屈折部材に交換する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の投影光学系の調整方法。
  10. 前記結晶光学材料からなる屈折部材は、前記結晶光学材料からなる第1及び第2の屈折部材を備え、
    前記調整工程は、
    前記偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、前記第1の屈折部材及び前記第2の屈折部材を、前記第1の屈折部材と前記第2の屈折部材との総厚を保ちながら、前記第1の屈折部材とは異なる厚さを有する第5の屈折部材と、前記第2の屈折部材とは異なる厚さを有する第6の屈折部材とに交換する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の投影光学系の調整方法。
  11. 前記第1の屈折部材は、前記第1面と前記第2面との間の光路中における最も前記第2面側に配置されて、パワーを有さず、
    前記第2の屈折部材は、前記第1の屈折部材の前記第1面側の光路中で前記第1の屈折部材と隣接して配置されて、前記第1の屈折部材側にパワーを有しない面を持つことを特徴とする請求項10に記載の投影光学系の調整方法。
  12. 前記調整工程は、
    前記偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、前記結晶光学材料からなる屈折部材を、前記投影光学系の光軸周りに回転させる工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の投影光学系の調整方法。
  13. 前記結晶光学材料からなる屈折部材は、結晶軸[111]若しくは該結晶軸[111]と光学的に等価な結晶軸、又は結晶軸[100]若しくは該結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸とほぼ一致した光軸を備えることを特徴とする請求項8乃至請求項11の何れか一項に記載の投影光学系の調整方法。
  14. 前記調整工程は、
    前記偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、前記結晶光学材料からなる屈折部材を、前記投影光学系の光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する別の屈折部材と交換する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の投影光学系の調整方法。
  15. 前記調整工程は、
    前記偏光収差計測工程により計測された偏光収差の値に基づいて、前記結晶光学材料からなる屈折部材を、前記屈折部材とは異なる応力ひずみ量を有する別の屈折部材と交換する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の投影光学系の調整方法。
  16. 波長が200nm以下の光を実質的に透過させる結晶光学材料からなる結晶光学部材を含む複数の屈折部材を備え、第1面の像を第2面上に投影する投影光学系の製造方法において、
    前記投影光学系を構成する前記複数の屈折部材のそれぞれについての複屈折率を計測する複屈折率計測工程と、
    前記複屈折率計測工程により計測された複屈折率に基づいて、前記結晶光学部材の結晶軸を調整する調整工程と、
    を含むことを特徴とする投影光学系の製造方法。
  17. 前記調整工程は、
    前記複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値に基づいて、前記結晶光学部材を、前記結晶光学部材とは異なる結晶軸を有する別の結晶光学部材に交換する工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の投影光学系の製造方法。
  18. 前記結晶光学部材は、前記結晶光学材料からなる第1及び第2の結晶光学部材を備え、
    前記調整工程は、
    前記複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値に基づいて、前記第1の結晶光学部材及び前記第2の結晶光学部材を、前記第1の結晶光学部材と前記第2の結晶光学部材との総厚を保ちながら、前記第1の結晶光学部材とは異なる厚さを有する第5の結晶光学部材と、前記第2の結晶光学部材とは異なる厚さを有する第6の結晶光学部材とに交換する工程を含むことを特徴とする請求項16記載の投影光学系の製造方法。
  19. 前記第1の結晶光学部材は、前記第1面と前記第2面との間の光路中における最も前記第2面側に配置されて、パワーを有さず、
    前記第2の結晶光学部材は、前記第1の屈折部材の前記第1面側の光路中で前記第1の屈折部材と隣接して配置されて、前記第1の屈折部材側にパワーを有しない面を持つことを特徴とする請求項18に記載の投影光学系の製造方法。
  20. 前記調整工程は、
    前記複屈折率計測工程により計測された複屈折の値に基づいて、前記結晶光学部材を、前記投影光学系の光軸周りに回転させる工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の投影光学系の製造方法。
  21. 前記結晶光学部材は、結晶軸[111]若しくは該結晶軸[111]と光学的に等価な結晶軸、又は結晶軸[100]若しくは該結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸とほぼ一致した光軸を備えることを特徴とする請求項16乃至請求項20の何れか一項に記載の投影光学系の製造方法。
  22. 前記調整工程は、
    前記複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値に基づいて、前記結晶光学部材を、前記投影光学系の光軸に対して軸ずれした結晶軸を有する別の結晶光学部材と交換する工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の投影光学系の製造方法。
  23. 前記調整工程は、
    前記複屈折率計測工程により計測された複屈折率の値に基づいて、前記結晶光学部材を、前記結晶光学部材とは異なる応力ひずみ量を有する別の結晶光学部材と交換する工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の投影光学系の製造方法。
  24. 請求項8乃至請求項15の何れか一項に記載の調整方法によって調整されたことを特徴とする投影光学系。
  25. 請求項16乃至請求項23の何れか一項に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする投影光学系。
  26. 前記第1面に設定されたマスクを照明するための照明系と、
    前記マスクに形成されたパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に形成するために請求項1乃至請求項7、請求項24及び請求項25の何れか一項に記載の投影光学系と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  27. 前記第1面に設定されたマスクを照明し、請求項1乃至請求項7、請求項24及び請求項25の何れか一項に記載の投影光学系を介して前記マスクに形成されたパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に投影露光することを特徴とする露光方法。
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