JP2004171835A - 燃料電池装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】給電部に設けられる発熱部品を、空冷式に比較して効率良く冷却する燃料電池装置を提供すること。
【解決手段】水素と酸素との反応により発電する燃料電池10と、燃料電池10から出力される任意の直流電圧を所定の直流電圧に昇圧する給電部11と、燃料電池10の冷却水または排熱回収水を熱源として温水を生成する貯湯槽30と、給電部11を水冷する発熱部水冷部40を備えるものである。
【選択図】 図1
【解決手段】水素と酸素との反応により発電する燃料電池10と、燃料電池10から出力される任意の直流電圧を所定の直流電圧に昇圧する給電部11と、燃料電池10の冷却水または排熱回収水を熱源として温水を生成する貯湯槽30と、給電部11を水冷する発熱部水冷部40を備えるものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DC/DCコンバータやDC/ACインバータ等の給電部において発熱部品を冷却する冷却構造を有する燃料電池装置に関し、特に発熱部品の冷却を空冷式に比較して効率良く行う燃料電池装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池装置は、水素と酸素との反応により発電するもので、例えばリン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子電解質型の燃料電池装置が用いられている。燃料電池装置では、燃料電池から出力される電圧、電流をスイッチング素子により制御するDC/DCコンバータや、商用の交流周波数の電力を生成するDC/ACインバータを備えている。これらのスイッチング素子は、スイッチング動作に随伴して多くの発熱を伴ない、素子自体の動作の安定性を確保すると共に、素子の熱破壊等を防ぐために、素子を冷却する必要がある。
【0003】
従来は、スイッチング素子の冷却として、ヒートシンクを用いて自然空冷で放熱させる冷却方法や、また放熱効果を向上させるために送風機などを用いてヒートシンクに強制的に風を送り放熱させる強制空冷方式等が一般的であった。
【0004】
【特許文献1】
特表平09−503619号公報 図3
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば水冷方式と比較すると、ヒートシンクは熱伝導率が小さいため、十分な冷却効果を得るためにはヒートシンク自体を十分大きくする必要がある。すると、ヒートシンクの設置空間として広い空間が必要となり、燃料電池装置の寸法が大きくなってしまうと共に、重量が重くなるという課題があった。また、放熱率を上げるためにヒートシンクの表面積を大きくすることも行われているが、ヒートシンクの形状が複雑になり部品価格が高くなる課題もあった。さらに、ヒートシンクから放出された熱は周囲に拡散するので、例えば燃料電池装置として密閉式の筐体を用いている場合には、筐体内部の温度が上昇する要因となり、燃料電池装置内部の換気性や通気性を高める設計が必要になるという課題もある。さらに、送風機などで強制冷却をする場合、送風機による消費電力の増加により、燃料電池装置全体の発電効率が低下するという課題も伴なってくる。
【0006】
そこで、燃料電池装置に冷却効率が非常に高い水冷方式を用いることが考えられる。しかし、燃料電池装置を冷却し過ぎると周囲の湿度状態によってはスイッチング素子自体に結露を生じ、絶縁性の低下のような課題を生ずる課題がある。
【0007】
本発明は上述する課題を解決するもので、第1の目的は給電部に設けられる発熱部品を、空冷式に比較して効率良く冷却する燃料電池装置を提供することである。第2の目的は、発熱部品で排出される熱の回収を行うことで熱効率の高い燃料電池装置を提供することである。第3の目的は、起動時のように発熱部品が冷却状態にあるときでも、結露が生じることを防止できる燃料電池装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明の燃料電池装置は、図1、図3に示すように、水素と酸素との反応により発電する燃料電池10と、燃料電池10から出力される直流電圧を用いて直流電力又は交流電力を供給する給電部11と、燃料電池10の冷却水または排熱回収水を熱源として温水を生成する貯湯槽30と、給電部11を水冷する発熱部水冷部(40、50)を備えるものである。
【0009】
このように構成された装置においては、給電部11を水冷する発熱部水冷部(40、50)を備えているので、ヒートシンクや送風機を用いなくても給電部に設けられる発熱部品を冷却することができる。そこで、燃料電池装置の小型化・軽量化に寄与する。即ち、ヒートシンクや送風機を装着しなくて済むので、小型化、軽量化、製造コストの低下が推進できると共に、送風機を装着する場合に比較すると動作電力が少なくて済み、燃料電池装置の発電効率低下の抑制等が実現できる。好ましくは、発熱部水冷部は、燃料電池10の冷却水または排熱回収水を用いて給電部11を水冷する構造とすると、貯湯槽に用いる水の熱エネルギを冷却水としても使用でき、一層の効率化が実現できる。
【0010】
ここで、給電部11としては、燃料電池10から出力される直流電圧を所定の直流電圧に昇圧するDC/DCコンバータ12を有する第1の形式と、燃料電池10から出力される直流電圧を所定の交流電圧に変換するDC/ACインバータ14を有する第2の形式と、燃料電池10から出力される直流電圧を所定の直流電圧に昇圧するDC/DCコンバータ12と、DC/DCコンバータ12から出力される直流電圧を所定の交流電圧に変換するDC/ACインバータ14を有する第3の形式がある。
【0011】
好ましくは、本発明の燃料電池装置において、図3に示すように、給電部11に水冷ジャケット51を設け、燃料電池10の冷却水または排熱回収水を水冷ジャケット51内に通水する構成とするとよい。このように構成すると、冷却効果をより向上させることができ、また配管等の施工も容易に行なうことができる。好ましくは、発熱部水冷部50が水冷ジャケット51を有する構成すると、発熱部水冷部50にて用いる冷却水として燃料電池10の冷却水または排熱回収水を用いることができ、冷却水の確保が容易にできる。
【0012】
上記第2の目的を達成するために、好ましくは、本発明の燃料電池装置において、図5、図6に示すように、給電部11の発生熱を燃料電池10の冷却水または排熱回収水として熱回収する熱回収部(23a、25a、51)と、熱回収部で熱回収した燃料電池10の冷却水または排熱回収水と貯湯槽30内の温水と熱交換する熱交換部20とを備える構成とすると、貯湯槽30の温水生成にも寄与できる。好ましくは、発熱部水冷部50が熱回収部としても機能する構成すると、燃料電池装置全体が小型化される。
【0013】
好ましくは、本発明の燃料電池装置において、図7に示すように、さらに給電部11の温度変化に対応して、冷却水流量を制御する冷却水流量制御部66を有する構成とすると、給電部11を過剰に冷却する事態の発生を防止し、効率の良い熱回収と給電部を構成する電力素子の最適な動作環境を維持しできる。
【0014】
上記第3の目的を達成するために、好ましくは、本発明の燃料電池装置において、図8に示すように、給電部11の温度を検出する温度計62と、温度計62で検出された温度が、給電部11において結露を発生させる値か判断する結露温度判定部64とを備え、冷却水流量制御部66は、結露温度判定部64で結露温度以下と判断された場合に冷却水流量を減少又はゼロとし、結露温度判定部64で結露温度以上と判断された場合に冷却水流量の制御を行う構成とすると、給電部11を過剰に冷却する事態の発生を防止し、効率の良い熱回収と給電部11に用いられるスイッチング素子の最適な動作環境を維持すると共に、スイッチング素子の結露等を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号または類似記号を付し、重複した説明は省略する。図1は本発明の第1の実施の形態を説明する構成ブロック図で、ヒートシンク並びにその近傍に関しては斜視図で示してある。図において、燃料電池10は水素と酸素との反応により発電するもので、例えば固体高分子電解質型の燃料電池が用いられる。燃料電池10は、±極を有する単セルを直列に数十組接続して構成されており、単位セルの発電電圧は例えば0.6〜0.8V程度になっている。
【0016】
給電部11は、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14の各1ユニットで構成されているが、給電する容量に応じて増設してもよい。DC/DCコンバータ12は、燃料電池10から出力される直流電圧を所定の直流電圧に昇圧・安定化するもので、例えば24V等の一定電圧に出力電圧を安定化する。DC/ACインバータ14は、DC/DCコンバータ12で安定化した直流電圧や、燃料電池10から出力される直流電圧を交流電圧に変換するもので、出力電圧が例えば商用電源と同一の100V、220Vで周波数50、60Hz等に制御されている。電力供給ライン16は、燃料電池10から出力される直流電圧をDC/DCコンバータ12やDC/ACインバータ14に供給する導線である。
【0017】
熱交換器20は、燃料電池10から燃料電池冷却系統22を通じて供給される冷却水と、貯湯タンク30から貯湯タンク排熱回収系統24を通じて供給される排熱回収水とを熱交換するもので、冷却水は燃料電池冷却系統22を通じて燃料電池10に帰還され、排熱回収水は貯湯タンク排熱回収系統24を通じて貯湯タンク30に帰還される。典型的な冷却水温度は、燃料電池10の出口OUTで例えば65℃〜80℃、熱交換器20の燃料電池冷却系統22出口と燃料電池10の入口INで例えば55℃〜70℃である。典型的な排熱回収水温度は、貯湯タンク30の貯湯タンク排熱回収系統24出口で例えば10℃〜50℃、貯湯タンク30の貯湯タンク排熱回収系統24入口で例えば65℃〜80℃になっている。冷却水は燃料電池10に用いられる関係で純水となっている。排熱回収水は、例えば暖房や給湯に用いられる関係で、市水が用いられる。
【0018】
貯湯槽としての貯湯タンク30は、熱交換器20により燃料電池10の冷却水に含まれる熱エネルギーを排熱回収水に回収して、排熱回収水として生成された温水を貯湯するもので、タンク材質には耐蝕性を高めるため、例えばステンレス鋼が用いられている。
【0019】
発熱部水冷部40は、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14の双方を水冷するもので、ヒートシンク41、配管42、冷却水タンク44、ポンプ46、バルブ48が設けられている。ヒートシンク41は、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14に熱抵抗の低い状態で接触していると共に、配管42がヒートシンク41のフィンに対して熱抵抗の低い状態で装着されている。配管42には例えばステンレス鋼が用いられており、冷却水タンク44から供給される冷却水により配管内部に錆が発生するのを防止している。配管42は、この実施の形態では燃料電池冷却系統22や貯湯タンク排熱回収系統24の配管と別系統で設けられており、冷却水タンク44も燃料電池10とは別系統で設けられている。しかし、後の実施の形態で説明するように、配管42は燃料電池冷却系統22や貯湯タンク排熱回収系統24の配管と共通にしてもよく、また冷却水タンク44は燃料電池10の冷却水で兼用してもよい。ポンプ46やバルブ48は、配管42を流れる冷却水の流量を調整している。
【0020】
図2はヒートシンクの構造を示す、図1の2−2方向断面図である。ヒートシンク41には断面櫛歯状にフィンが設けられている。配管42は、フィンとフィンの間隙に装着されて、熱交換がしやすいように、例えばつずら折り状に形成されている。
【0021】
このように構成された装置においては、燃料電池10に水素と酸素が供給されて、発電を行う。水素と酸素は、例えばメタンガスやガソリンのような炭化水素系燃料を改質器(図示せず)に供給して生成する。また、酸素としては大気中の酸素も利用される。燃料電池10で発電された電気は、電力供給ライン16を経由してDC/DCコンバータ12やDC/ACインバータ14に供給される。DC/DCコンバータ12からは、安定化された出力電圧の直流電力が供給される。DC/ACインバータ14からは、安定化された出力電圧の交流電力が供給される。
【0022】
燃料電池10では、発電に随伴して発熱するので、燃料電池冷却系統22により冷却される。燃料電池冷却系統22の冷却水に含まれる熱は、熱交換器20によって排熱回収され、貯湯タンク排熱回収系統24を介して貯湯タンク30に例えば65℃〜80℃の温水が貯えられる。
【0023】
DC/DCコンバータ12やDC/ACインバータ14においても、トランジスタのようなスイッチング素子が発熱するが、発熱部水冷部40によって冷却されて、温度上昇が抑えられる。発熱部水冷部40では、燃料電池10の冷却水や排熱回収水とは独立して、冷却水タンク44を有している。そこで、燃料電池10の冷却水や排熱回収水のように、燃料電池10の運転状態に応じて冷却水の温度が変動することが少なく、安定した冷却特性が得られる。燃料電池10の冷却水や排熱回収水は、起動時には室温程度になっており、定常運転状態では前述したように例えば55℃〜80℃程度になっている。ヒートシンク41は、空冷式として量産されているので、配管42を装着することで水冷式に転用しても、製造コストが安価ですむ。
【0024】
図3は本発明の第2の実施の形態を説明する構成ブロック図である。ここでは、発熱部水冷部50は、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14の双方を水冷するもので、水冷ジャケット51、内部配管52、冷却水タンク54、ポンプ56、バルブ58が設けられている。
【0025】
図4は水冷ジャケットの構造を示す、図3の4−4方向断面図である。水冷ジャケット51は熱伝導率の高い材料、例えばアルミ、銅、金等で製造されており、内部には内部配管52が装着されている。内部配管52は、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14で発生する熱を除去しやすいように、例えばU字形を組合せて構成されるもので、材質には防錆効果の高い例えばステンレス鋼が用いられている。入口52aと出口52bは内部配管52の両端に設けられるもので、冷却水タンク54から供給される冷却水の接続口となる。
【0026】
水冷ジャケット51は水冷式として設計されているので、配管42を装着したヒートシンク41に比較して熱効率が高く、より効率的な熱回収が行える。そこで、水冷ジャケット51は設備価格が若干高くなるが、熱効率上昇によるエネルギーコストの低下を考慮すると、水冷ジャケット51のライフサイクルコストは配管42を装着したヒートシンク41のライフサイクルコストに比較して優位にある。
【0027】
図5は本発明の第3の実施の形態を説明する構成ブロック図である。ここでは、水冷ジャケット51が、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14の双方を水冷する構造で、内部配管52は燃料電池冷却系統23aの一部となっている。燃料電池冷却系統23は、冷却水を燃料電池10から熱交換器20まで供給する配管である。燃料電池冷却系統23aは、冷却水を熱交換器20から燃料電池10まで供給する配管である。
【0028】
図6は本発明の第3の実施の形態の変形実施例を説明する構成ブロック図である。ここでは、水冷ジャケット51が、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14の双方を水冷する構造で、内部配管52は貯湯タンク排熱回収系統25aの一部となっている。貯湯タンク排熱回収系統25aは、排熱回収水を貯湯タンク30から熱交換器20まで供給する配管である。貯湯タンク排熱回収系統25は、排熱回収水を熱交換器20から貯湯タンク30まで供給する配管である。
【0029】
第3の実施の形態のように構成された装置においては、発熱部水冷部50にて、燃料電池10の冷却水や排熱回収水を冷却水として兼用している。そこで、燃料電池10の冷却水や排熱回収水は、燃料電池10の冷却水であると共に、熱回収水であるため、独立して冷却水タンク54を設ける場合に比較して、熱効率が格段に向上すると共に、設備的にも共用部品が増加して小型化に寄与する。
【0030】
図7は本発明の第4の実施の形態を説明する構成ブロック図である。ここでは、内部配管52は、熱交換器20から燃料電池10まで供給する燃料電池冷却系統22から分岐燃料電池冷却系統26の一部となっている。分岐燃料電池冷却系統26には、止水バルブ27が設けられている。温度計T1は、水冷ジャケット51の温度を測定するもので、例えば測温抵抗体が用いられる。湿度計H1は、DC/DCコンバータ12、DC/ACインバータ14の周囲湿度を測定するもので、好ましくは絶対水蒸気分圧が測定できるものがよいが、相対湿度を測定するものでも良い。調節計60は、温度計T1の測定値と湿度計H1の測定値を用いて、DC/DCコンバータ12、DC/ACインバータ14周囲の露点温度を算出し、止水バルブ27に弁開度信号を送って、冷却水を水冷ジャケット51に流すか否かの制御を行っている。
【0031】
図8は本発明の第4の実施の形態での制御機能を説明する構成ブロック図である。図において、調節計60には、結露温度判定部64と冷却水流量制御部66が設けられている。結露温度判定部64は、水冷ジャケット温度計(T1)62と、湿度計(H1)63の測定信号を入力して、水冷ジャケット温度が低くて結露の恐れがあるときは、冷却水流量制御部66から止水バルブ27に弁閉鎖信号を送って、冷却水を水冷ジャケット51に流すのを停止して、結露の発生を防止する。他方、水冷ジャケット温度が高くて結露の恐れがないときは、冷却水流量制御部66から止水バルブ27に弁開度信号を送って、冷却水を水冷ジャケット51に流して、DC/DCコンバータ12、DC/ACインバータ14から発生する熱を奪う。好ましくは、冷却水流量制御部66は、DC/DCコンバータ12、DC/ACインバータ14の発熱量に応じて、止水バルブ27に弁開度制御信号を送るとよい。この冷却水の流量制御においては、止水バルブ27として3方電磁弁・2方電磁弁・3方電動弁・2方電動弁など各種の形式の弁が利用できる。
【0032】
結露温度判定部64の具体的な制御例として以下の態様がある。
例1:周囲温度より低くならないように、水冷ジャケット温度計(T1)62の設定温度を例えば10℃〜50℃とする。
例2:水冷ジャケット温度計(T1)62とは別に、周囲温度センサを設け、ジャケット温度≦周囲温度となったら冷却水を停止する、等がある。
【0033】
このように構成すると、寒冷地のように起動時の燃料電池10の冷却水や排熱回収水が低いために結露や結氷しやすい状態では、DC/DCコンバータ12やDC/ACインバータ14から発生する熱を奪うことがないので、定常運転温度までDC/DCコンバータ12やDC/ACインバータ14が昇温し、結露や結氷が発生しにくくなる。
【0034】
なお、上記の実施の形態においては、給電部としてDC/DCコンバータとDC/ACインバータの双方を有する燃料電池装置を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、給電部はDC/DCコンバータとDC/ACインバータの少なくとも一方を有していればよい。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明の燃料電池装置によれば、水素と酸素との反応により発電する燃料電池と、燃料電池から出力される直流電圧を用いて直流電力又は交流電力を供給する給電部と、燃料電池の冷却水または排熱回収水を熱源として温水を生成する貯湯槽と、給電部を水冷する発熱部水冷部を備えているので、ヒートシンクや送風機を用いなくても給電部の発熱を冷却できると共に、燃料電池装置の小型・軽量化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する構成ブロック図で、ヒートシンク並びにその近傍に関しては斜視図で示してある。
【図2】ヒートシンクの構造を示す、図1の2−2方向断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図4】水冷ジャケットの構造を示す、図3の4−4方向断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の変形実施例を説明する構成ブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態での制御機能を説明する構成ブロック図である。
【符号の説明】
10 燃料電池
11 給電部
12 DC/DCコンバータ
14 DC/ACインバータ
20 熱交換部
23a、25a、51 熱回収部
30 貯湯槽
40、50 発熱部水冷部
41 ヒートシンク
51 水冷ジャケット
60 冷却水流量制御部
62 温度計
64 結露温度判定部
66 冷却水流量制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、DC/DCコンバータやDC/ACインバータ等の給電部において発熱部品を冷却する冷却構造を有する燃料電池装置に関し、特に発熱部品の冷却を空冷式に比較して効率良く行う燃料電池装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池装置は、水素と酸素との反応により発電するもので、例えばリン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子電解質型の燃料電池装置が用いられている。燃料電池装置では、燃料電池から出力される電圧、電流をスイッチング素子により制御するDC/DCコンバータや、商用の交流周波数の電力を生成するDC/ACインバータを備えている。これらのスイッチング素子は、スイッチング動作に随伴して多くの発熱を伴ない、素子自体の動作の安定性を確保すると共に、素子の熱破壊等を防ぐために、素子を冷却する必要がある。
【0003】
従来は、スイッチング素子の冷却として、ヒートシンクを用いて自然空冷で放熱させる冷却方法や、また放熱効果を向上させるために送風機などを用いてヒートシンクに強制的に風を送り放熱させる強制空冷方式等が一般的であった。
【0004】
【特許文献1】
特表平09−503619号公報 図3
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば水冷方式と比較すると、ヒートシンクは熱伝導率が小さいため、十分な冷却効果を得るためにはヒートシンク自体を十分大きくする必要がある。すると、ヒートシンクの設置空間として広い空間が必要となり、燃料電池装置の寸法が大きくなってしまうと共に、重量が重くなるという課題があった。また、放熱率を上げるためにヒートシンクの表面積を大きくすることも行われているが、ヒートシンクの形状が複雑になり部品価格が高くなる課題もあった。さらに、ヒートシンクから放出された熱は周囲に拡散するので、例えば燃料電池装置として密閉式の筐体を用いている場合には、筐体内部の温度が上昇する要因となり、燃料電池装置内部の換気性や通気性を高める設計が必要になるという課題もある。さらに、送風機などで強制冷却をする場合、送風機による消費電力の増加により、燃料電池装置全体の発電効率が低下するという課題も伴なってくる。
【0006】
そこで、燃料電池装置に冷却効率が非常に高い水冷方式を用いることが考えられる。しかし、燃料電池装置を冷却し過ぎると周囲の湿度状態によってはスイッチング素子自体に結露を生じ、絶縁性の低下のような課題を生ずる課題がある。
【0007】
本発明は上述する課題を解決するもので、第1の目的は給電部に設けられる発熱部品を、空冷式に比較して効率良く冷却する燃料電池装置を提供することである。第2の目的は、発熱部品で排出される熱の回収を行うことで熱効率の高い燃料電池装置を提供することである。第3の目的は、起動時のように発熱部品が冷却状態にあるときでも、結露が生じることを防止できる燃料電池装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明の燃料電池装置は、図1、図3に示すように、水素と酸素との反応により発電する燃料電池10と、燃料電池10から出力される直流電圧を用いて直流電力又は交流電力を供給する給電部11と、燃料電池10の冷却水または排熱回収水を熱源として温水を生成する貯湯槽30と、給電部11を水冷する発熱部水冷部(40、50)を備えるものである。
【0009】
このように構成された装置においては、給電部11を水冷する発熱部水冷部(40、50)を備えているので、ヒートシンクや送風機を用いなくても給電部に設けられる発熱部品を冷却することができる。そこで、燃料電池装置の小型化・軽量化に寄与する。即ち、ヒートシンクや送風機を装着しなくて済むので、小型化、軽量化、製造コストの低下が推進できると共に、送風機を装着する場合に比較すると動作電力が少なくて済み、燃料電池装置の発電効率低下の抑制等が実現できる。好ましくは、発熱部水冷部は、燃料電池10の冷却水または排熱回収水を用いて給電部11を水冷する構造とすると、貯湯槽に用いる水の熱エネルギを冷却水としても使用でき、一層の効率化が実現できる。
【0010】
ここで、給電部11としては、燃料電池10から出力される直流電圧を所定の直流電圧に昇圧するDC/DCコンバータ12を有する第1の形式と、燃料電池10から出力される直流電圧を所定の交流電圧に変換するDC/ACインバータ14を有する第2の形式と、燃料電池10から出力される直流電圧を所定の直流電圧に昇圧するDC/DCコンバータ12と、DC/DCコンバータ12から出力される直流電圧を所定の交流電圧に変換するDC/ACインバータ14を有する第3の形式がある。
【0011】
好ましくは、本発明の燃料電池装置において、図3に示すように、給電部11に水冷ジャケット51を設け、燃料電池10の冷却水または排熱回収水を水冷ジャケット51内に通水する構成とするとよい。このように構成すると、冷却効果をより向上させることができ、また配管等の施工も容易に行なうことができる。好ましくは、発熱部水冷部50が水冷ジャケット51を有する構成すると、発熱部水冷部50にて用いる冷却水として燃料電池10の冷却水または排熱回収水を用いることができ、冷却水の確保が容易にできる。
【0012】
上記第2の目的を達成するために、好ましくは、本発明の燃料電池装置において、図5、図6に示すように、給電部11の発生熱を燃料電池10の冷却水または排熱回収水として熱回収する熱回収部(23a、25a、51)と、熱回収部で熱回収した燃料電池10の冷却水または排熱回収水と貯湯槽30内の温水と熱交換する熱交換部20とを備える構成とすると、貯湯槽30の温水生成にも寄与できる。好ましくは、発熱部水冷部50が熱回収部としても機能する構成すると、燃料電池装置全体が小型化される。
【0013】
好ましくは、本発明の燃料電池装置において、図7に示すように、さらに給電部11の温度変化に対応して、冷却水流量を制御する冷却水流量制御部66を有する構成とすると、給電部11を過剰に冷却する事態の発生を防止し、効率の良い熱回収と給電部を構成する電力素子の最適な動作環境を維持しできる。
【0014】
上記第3の目的を達成するために、好ましくは、本発明の燃料電池装置において、図8に示すように、給電部11の温度を検出する温度計62と、温度計62で検出された温度が、給電部11において結露を発生させる値か判断する結露温度判定部64とを備え、冷却水流量制御部66は、結露温度判定部64で結露温度以下と判断された場合に冷却水流量を減少又はゼロとし、結露温度判定部64で結露温度以上と判断された場合に冷却水流量の制御を行う構成とすると、給電部11を過剰に冷却する事態の発生を防止し、効率の良い熱回収と給電部11に用いられるスイッチング素子の最適な動作環境を維持すると共に、スイッチング素子の結露等を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号または類似記号を付し、重複した説明は省略する。図1は本発明の第1の実施の形態を説明する構成ブロック図で、ヒートシンク並びにその近傍に関しては斜視図で示してある。図において、燃料電池10は水素と酸素との反応により発電するもので、例えば固体高分子電解質型の燃料電池が用いられる。燃料電池10は、±極を有する単セルを直列に数十組接続して構成されており、単位セルの発電電圧は例えば0.6〜0.8V程度になっている。
【0016】
給電部11は、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14の各1ユニットで構成されているが、給電する容量に応じて増設してもよい。DC/DCコンバータ12は、燃料電池10から出力される直流電圧を所定の直流電圧に昇圧・安定化するもので、例えば24V等の一定電圧に出力電圧を安定化する。DC/ACインバータ14は、DC/DCコンバータ12で安定化した直流電圧や、燃料電池10から出力される直流電圧を交流電圧に変換するもので、出力電圧が例えば商用電源と同一の100V、220Vで周波数50、60Hz等に制御されている。電力供給ライン16は、燃料電池10から出力される直流電圧をDC/DCコンバータ12やDC/ACインバータ14に供給する導線である。
【0017】
熱交換器20は、燃料電池10から燃料電池冷却系統22を通じて供給される冷却水と、貯湯タンク30から貯湯タンク排熱回収系統24を通じて供給される排熱回収水とを熱交換するもので、冷却水は燃料電池冷却系統22を通じて燃料電池10に帰還され、排熱回収水は貯湯タンク排熱回収系統24を通じて貯湯タンク30に帰還される。典型的な冷却水温度は、燃料電池10の出口OUTで例えば65℃〜80℃、熱交換器20の燃料電池冷却系統22出口と燃料電池10の入口INで例えば55℃〜70℃である。典型的な排熱回収水温度は、貯湯タンク30の貯湯タンク排熱回収系統24出口で例えば10℃〜50℃、貯湯タンク30の貯湯タンク排熱回収系統24入口で例えば65℃〜80℃になっている。冷却水は燃料電池10に用いられる関係で純水となっている。排熱回収水は、例えば暖房や給湯に用いられる関係で、市水が用いられる。
【0018】
貯湯槽としての貯湯タンク30は、熱交換器20により燃料電池10の冷却水に含まれる熱エネルギーを排熱回収水に回収して、排熱回収水として生成された温水を貯湯するもので、タンク材質には耐蝕性を高めるため、例えばステンレス鋼が用いられている。
【0019】
発熱部水冷部40は、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14の双方を水冷するもので、ヒートシンク41、配管42、冷却水タンク44、ポンプ46、バルブ48が設けられている。ヒートシンク41は、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14に熱抵抗の低い状態で接触していると共に、配管42がヒートシンク41のフィンに対して熱抵抗の低い状態で装着されている。配管42には例えばステンレス鋼が用いられており、冷却水タンク44から供給される冷却水により配管内部に錆が発生するのを防止している。配管42は、この実施の形態では燃料電池冷却系統22や貯湯タンク排熱回収系統24の配管と別系統で設けられており、冷却水タンク44も燃料電池10とは別系統で設けられている。しかし、後の実施の形態で説明するように、配管42は燃料電池冷却系統22や貯湯タンク排熱回収系統24の配管と共通にしてもよく、また冷却水タンク44は燃料電池10の冷却水で兼用してもよい。ポンプ46やバルブ48は、配管42を流れる冷却水の流量を調整している。
【0020】
図2はヒートシンクの構造を示す、図1の2−2方向断面図である。ヒートシンク41には断面櫛歯状にフィンが設けられている。配管42は、フィンとフィンの間隙に装着されて、熱交換がしやすいように、例えばつずら折り状に形成されている。
【0021】
このように構成された装置においては、燃料電池10に水素と酸素が供給されて、発電を行う。水素と酸素は、例えばメタンガスやガソリンのような炭化水素系燃料を改質器(図示せず)に供給して生成する。また、酸素としては大気中の酸素も利用される。燃料電池10で発電された電気は、電力供給ライン16を経由してDC/DCコンバータ12やDC/ACインバータ14に供給される。DC/DCコンバータ12からは、安定化された出力電圧の直流電力が供給される。DC/ACインバータ14からは、安定化された出力電圧の交流電力が供給される。
【0022】
燃料電池10では、発電に随伴して発熱するので、燃料電池冷却系統22により冷却される。燃料電池冷却系統22の冷却水に含まれる熱は、熱交換器20によって排熱回収され、貯湯タンク排熱回収系統24を介して貯湯タンク30に例えば65℃〜80℃の温水が貯えられる。
【0023】
DC/DCコンバータ12やDC/ACインバータ14においても、トランジスタのようなスイッチング素子が発熱するが、発熱部水冷部40によって冷却されて、温度上昇が抑えられる。発熱部水冷部40では、燃料電池10の冷却水や排熱回収水とは独立して、冷却水タンク44を有している。そこで、燃料電池10の冷却水や排熱回収水のように、燃料電池10の運転状態に応じて冷却水の温度が変動することが少なく、安定した冷却特性が得られる。燃料電池10の冷却水や排熱回収水は、起動時には室温程度になっており、定常運転状態では前述したように例えば55℃〜80℃程度になっている。ヒートシンク41は、空冷式として量産されているので、配管42を装着することで水冷式に転用しても、製造コストが安価ですむ。
【0024】
図3は本発明の第2の実施の形態を説明する構成ブロック図である。ここでは、発熱部水冷部50は、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14の双方を水冷するもので、水冷ジャケット51、内部配管52、冷却水タンク54、ポンプ56、バルブ58が設けられている。
【0025】
図4は水冷ジャケットの構造を示す、図3の4−4方向断面図である。水冷ジャケット51は熱伝導率の高い材料、例えばアルミ、銅、金等で製造されており、内部には内部配管52が装着されている。内部配管52は、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14で発生する熱を除去しやすいように、例えばU字形を組合せて構成されるもので、材質には防錆効果の高い例えばステンレス鋼が用いられている。入口52aと出口52bは内部配管52の両端に設けられるもので、冷却水タンク54から供給される冷却水の接続口となる。
【0026】
水冷ジャケット51は水冷式として設計されているので、配管42を装着したヒートシンク41に比較して熱効率が高く、より効率的な熱回収が行える。そこで、水冷ジャケット51は設備価格が若干高くなるが、熱効率上昇によるエネルギーコストの低下を考慮すると、水冷ジャケット51のライフサイクルコストは配管42を装着したヒートシンク41のライフサイクルコストに比較して優位にある。
【0027】
図5は本発明の第3の実施の形態を説明する構成ブロック図である。ここでは、水冷ジャケット51が、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14の双方を水冷する構造で、内部配管52は燃料電池冷却系統23aの一部となっている。燃料電池冷却系統23は、冷却水を燃料電池10から熱交換器20まで供給する配管である。燃料電池冷却系統23aは、冷却水を熱交換器20から燃料電池10まで供給する配管である。
【0028】
図6は本発明の第3の実施の形態の変形実施例を説明する構成ブロック図である。ここでは、水冷ジャケット51が、DC/DCコンバータ12とDC/ACインバータ14の双方を水冷する構造で、内部配管52は貯湯タンク排熱回収系統25aの一部となっている。貯湯タンク排熱回収系統25aは、排熱回収水を貯湯タンク30から熱交換器20まで供給する配管である。貯湯タンク排熱回収系統25は、排熱回収水を熱交換器20から貯湯タンク30まで供給する配管である。
【0029】
第3の実施の形態のように構成された装置においては、発熱部水冷部50にて、燃料電池10の冷却水や排熱回収水を冷却水として兼用している。そこで、燃料電池10の冷却水や排熱回収水は、燃料電池10の冷却水であると共に、熱回収水であるため、独立して冷却水タンク54を設ける場合に比較して、熱効率が格段に向上すると共に、設備的にも共用部品が増加して小型化に寄与する。
【0030】
図7は本発明の第4の実施の形態を説明する構成ブロック図である。ここでは、内部配管52は、熱交換器20から燃料電池10まで供給する燃料電池冷却系統22から分岐燃料電池冷却系統26の一部となっている。分岐燃料電池冷却系統26には、止水バルブ27が設けられている。温度計T1は、水冷ジャケット51の温度を測定するもので、例えば測温抵抗体が用いられる。湿度計H1は、DC/DCコンバータ12、DC/ACインバータ14の周囲湿度を測定するもので、好ましくは絶対水蒸気分圧が測定できるものがよいが、相対湿度を測定するものでも良い。調節計60は、温度計T1の測定値と湿度計H1の測定値を用いて、DC/DCコンバータ12、DC/ACインバータ14周囲の露点温度を算出し、止水バルブ27に弁開度信号を送って、冷却水を水冷ジャケット51に流すか否かの制御を行っている。
【0031】
図8は本発明の第4の実施の形態での制御機能を説明する構成ブロック図である。図において、調節計60には、結露温度判定部64と冷却水流量制御部66が設けられている。結露温度判定部64は、水冷ジャケット温度計(T1)62と、湿度計(H1)63の測定信号を入力して、水冷ジャケット温度が低くて結露の恐れがあるときは、冷却水流量制御部66から止水バルブ27に弁閉鎖信号を送って、冷却水を水冷ジャケット51に流すのを停止して、結露の発生を防止する。他方、水冷ジャケット温度が高くて結露の恐れがないときは、冷却水流量制御部66から止水バルブ27に弁開度信号を送って、冷却水を水冷ジャケット51に流して、DC/DCコンバータ12、DC/ACインバータ14から発生する熱を奪う。好ましくは、冷却水流量制御部66は、DC/DCコンバータ12、DC/ACインバータ14の発熱量に応じて、止水バルブ27に弁開度制御信号を送るとよい。この冷却水の流量制御においては、止水バルブ27として3方電磁弁・2方電磁弁・3方電動弁・2方電動弁など各種の形式の弁が利用できる。
【0032】
結露温度判定部64の具体的な制御例として以下の態様がある。
例1:周囲温度より低くならないように、水冷ジャケット温度計(T1)62の設定温度を例えば10℃〜50℃とする。
例2:水冷ジャケット温度計(T1)62とは別に、周囲温度センサを設け、ジャケット温度≦周囲温度となったら冷却水を停止する、等がある。
【0033】
このように構成すると、寒冷地のように起動時の燃料電池10の冷却水や排熱回収水が低いために結露や結氷しやすい状態では、DC/DCコンバータ12やDC/ACインバータ14から発生する熱を奪うことがないので、定常運転温度までDC/DCコンバータ12やDC/ACインバータ14が昇温し、結露や結氷が発生しにくくなる。
【0034】
なお、上記の実施の形態においては、給電部としてDC/DCコンバータとDC/ACインバータの双方を有する燃料電池装置を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、給電部はDC/DCコンバータとDC/ACインバータの少なくとも一方を有していればよい。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明の燃料電池装置によれば、水素と酸素との反応により発電する燃料電池と、燃料電池から出力される直流電圧を用いて直流電力又は交流電力を供給する給電部と、燃料電池の冷却水または排熱回収水を熱源として温水を生成する貯湯槽と、給電部を水冷する発熱部水冷部を備えているので、ヒートシンクや送風機を用いなくても給電部の発熱を冷却できると共に、燃料電池装置の小型・軽量化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する構成ブロック図で、ヒートシンク並びにその近傍に関しては斜視図で示してある。
【図2】ヒートシンクの構造を示す、図1の2−2方向断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図4】水冷ジャケットの構造を示す、図3の4−4方向断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の変形実施例を説明する構成ブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を説明する構成ブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態での制御機能を説明する構成ブロック図である。
【符号の説明】
10 燃料電池
11 給電部
12 DC/DCコンバータ
14 DC/ACインバータ
20 熱交換部
23a、25a、51 熱回収部
30 貯湯槽
40、50 発熱部水冷部
41 ヒートシンク
51 水冷ジャケット
60 冷却水流量制御部
62 温度計
64 結露温度判定部
66 冷却水流量制御部
Claims (5)
- 水素と酸素との反応により発電する燃料電池と;
前記燃料電池から出力される直流電圧を用いて直流電力又は交流電力を供給する給電部と;
前記燃料電池の冷却水または排熱回収水を熱源として温水を生成する貯湯槽と;
前記給電部を水冷する発熱部水冷部と;
を具備する燃料電池装置。 - さらに、前記給電部に装着される水冷ジャケットを備え;
前記燃料電池の冷却水または排熱回収水を前記水冷ジャケット内に通水する構成とする請求項1に記載の燃料電池装置。 - 前記給電部の発生熱を前記燃料電池の冷却水または排熱回収水として熱回収する熱回収部と;
前記熱回収部で熱回収した前記燃料電池の冷却水または排熱回収水と前記貯湯槽内の温水と熱交換する熱交換部と;
を備える請求項1または請求項2に記載の燃料電池装置。 - 更に、前記給電部の温度変化に対応して、冷却水流量を制御する冷却水流量制御部を有する請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の燃料電池装置。
- 前記給電部の温度を検出する温度計と;
前記温度計で検出された温度が、前記給電部において結露を発生させる値か判断する結露温度判定部とを備え;
前記冷却水流量制御部は、前記結露温度判定部で結露温度以下と判断された場合に冷却水流量を減少又はゼロとし、前記結露温度判定部で結露温度以上と判断された場合に冷却水流量の制御を行う;
請求項4に記載の燃料電池装置。
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-
2002
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