JP2004171293A - アセスメント支援装置およびアセスメント支援プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】アセスメントを効率的に短期間で実施することが可能なアセスメント支援装置を得ること。
【解決手段】アセスメントを実施する際の所定の質問・確認項目を含む質問情報が格納された標準データ用知識データベース1と、アセスメントの実施対象および質問・確認項目に対する回答を含むアセスメント情報が格納されたアセスメントデータ用知識データベース2と、標準データ用知識データベース1の各質問・確認項目に対して類似する質問・確認項目をグループ化し、このグループ化された中での各質問・確認項目の重要度を、実施するアセスメント対象ごとにアセスメントデータ用知識データベース2に設定して管理する知識データベースメンテナンス部3と、グループ化された質問・確認項目に基づいて質問・確認項目を表形式で出力する質問・確認表出力部4とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】アセスメントを実施する際の所定の質問・確認項目を含む質問情報が格納された標準データ用知識データベース1と、アセスメントの実施対象および質問・確認項目に対する回答を含むアセスメント情報が格納されたアセスメントデータ用知識データベース2と、標準データ用知識データベース1の各質問・確認項目に対して類似する質問・確認項目をグループ化し、このグループ化された中での各質問・確認項目の重要度を、実施するアセスメント対象ごとにアセスメントデータ用知識データベース2に設定して管理する知識データベースメンテナンス部3と、グループ化された質問・確認項目に基づいて質問・確認項目を表形式で出力する質問・確認表出力部4とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、実施業務に対する質問・確認項目の実施評価(アセスメント)と、アセスメントのためのヒアリングや文書レビューと、アセスメント結果の集計と、アセスメントの進捗度合いの確認を支援するアセスメント支援装置およびアセスメント支援プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、ソフトウェア開発や設計業務の生産性向上や品質向上を図るための業務改善業務に、ソフトウェア能力成熟度モデル(Software Capability Maturity Model、以下、S/W CMMという)やCMM統合(Capability Maturity Model Integration、以下、CMMIという)等の業務成熟度モデルが世界的に活用されている。これらの業務成熟度モデルには、決められた数千の質問・確認項目が存在する。ソフトウェアの開発や設計などの実施業務に対して、これらの質問・確認項目が実施されているかを評価し、評価結果を基に、強みと弱みと改善の機会と改善のリスクを導き出し、改善すべき改善実施項目を策定する。この作業をアセスメントと呼ぶ。そして、この改善実施項目を基に組織の業務改善を効率的に実施している。
【0003】
図2〜図4はS/W CMMを例としたモデルの構成を示す図である。S/WCMMにおける各成熟度レベルは、組織がソフトウェアプロセスを改善するために焦点を当てるべき領域であるキープロセスエリアに分解される。すなわち、キープロセスエリアは、ある成熟度レベルを達成するために取り組まなければならない問題を特定している。ゴールは、各キープロセスエリアの範囲、境界、意図を表すものであり、キープロセスエリアのキープラクティスを要約したものである。キープラクティスは、キープロセスエリアのゴールの満足に寄与するための記述によって特徴づけされている。このキープラクティスは、通常一文で表現されており、例や補足説明などの詳細記述(サブキープラクティス)が付加されている場合が多い。
【0004】
図5はS/W CMMを例としたアセスメント手順を示す図である。ある組織がS/W CMMのモデルにおいてどの成熟度レベルにあるかを評価する従来のアセスメントでは、1人のリードアセッサと複数人のアセッサが、対象となるプロジェクトに対し、アセスメントを受ける組織が目標とするレベルまでの全ての質問・確認項目(キープラクティス・サブキープラクティス)について、ヒアリングおよび文書レビューを行う(ステップS101)。ヒアリングや文書レビューの結果は、全ての質問・確認項目に対して業務での実施状況を評定する(ステップS102)。ここでの評定は、各質問・確認項目に対して、業務での実施状況を、「F:実施」、「L:ほぼ実施」、「P:不十分」および「N:未実施」の4段階で評定を行う。なお、アセスメント対象となるプロジェクトが複数存在する場合には、1つの質問・確認項目に対して最低2件の判断が必要になる。
【0005】
つぎに、質問・確認項目の評定結果を基にゴールに対する評定をステップS102で使用した4段階の基準で評定する(ステップS103)。ステップS103のゴール評定から一番悪い評定、すなわち「N」に最も近い方の評定をキープロセスエリア(図中では、KPAと表記する)の評定とする(ステップS104)。そして、この評定結果から、レベルで設定されているキープロセスエリアまたは下位のレベルのキープロセスエリアで1つでも「N」または「P」がある場合には、機械的にそのレベルは不合格であるとして、最終的にレベルの評定を実施する(ステップS105)。
【0006】
一方、ステップS102で評定された実施状況から、質問・確認項目の評定を基に、組織の強み、弱み、改善の機会および改善リスクを識別し(ステップS106)、効果的な業務改善策の策定を行った後に(ステップS107)、組織に対して改善の実施に取り掛かる(ステップS108)。
【0007】
以上の、S/W CMMの評定手順におけるそれぞれのキープラクティスの評定は、独立している必要があり、最終的な評定結果にも、それぞれで入力する必要がある。しかし、キープラクティスには、同様のまたは類似するキープラクティスが存在するため、実際のヒアリングでは、1つの質問で複数のキープラクティスを評定し、複数のキープラクティスに対して、評定結果を入力することが行われている。
【0008】
このようなS/W CMMのモデルなどを用いて組織などのアセスメントにおいて、評価を行うアセッサが各自人手によって処理することは著しい負担であり、情報処理端末などを利用してアセスメントを支援するアセスメント支援ツールが開発されている。従来のアセスメント支援ツールでは、アセスメントを効率化するための種々の機能が実現されている。たとえば、キープラクティスに対するプロジェクトごとの評定結果入力画面に、詳細なキープラクティスの説明画面を表示するためのリンクを張って、アセッサの評定結果の入力時における説明の参照を容易にしているものがある。また、キープラクティスに対し、プロジェクトごとの評定結果を表形式で一覧表示したり、各プロジェクトでの評定結果を集計してパーセント表示したりすることで、キープラクティスの評定を効率化しているものもある。さらに、ゴールに対し、関連するキープラクティスの評定結果を集計処理してゴール評定の効率化を行ったり、ゴールの評定以降は、自動的に評定結果を出力したりすることによって、アセッサによるアセスメントの支援を行っている。
【0009】
また、従来の質問に対する処理技術として特許文献1に開示される技術がある。この特許文献1では、仕事を完成させるための質問間に関連付けがある質問群を、質問に対する回答の選択肢を含んだ形式で提供し、続いて提示される質問・回答選択肢は、前回の回答によって影響を与えるようにして、動的に生成される質問と回答の選択肢を用いたコンピュータによる決定管理システムを構成している。
【0010】
さらに、特許文献2には、知識ベースに保存した入力項目間の関係を解析して、最適な入力順序を判断し、必要なもののみユーザに対して入力要求することによって、負荷の軽減を図る自動設計支援装置が開示されている。
【0011】
【特許文献1】
特表2001−519559号公報(第11〜12頁)
【特許文献2】
特開平7−129628号公報(第2〜3頁)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来のS/W CMMなどのアセスメントを支援するアセスメント支援ツールは、アセスメントを効果的・効率的に実施するために、質問・確認項目を十分に理解し、さらにアセスメントの経験が豊富なリードアセッサやアセッサが必要であるという前提の下に作成されている。そのため、質問・確認項目に対する知識や経験が無いアセッサの場合には、たとえアセスメントに必要な項目を詳細表示することができる機能などが装備されていたとしても、アセスメントに多大な時間がかかるとともに、評価もれによる十分な評定ができないという問題点があった。これは、業務の実践側とアセスメントを受ける側への負担を大きくする原因となっている。
【0013】
また、S/W CMMなどのモデルにおけるアセスメントでは、モデルの評定において求められる全ての項目に対する回答を作成してアセスメントされる組織の強みと弱みを評定する必要があるのに対し、特許文献1に開示されている従来技術では、前回の質問・回答に影響を受ける質問事項のみが出力されるため、質問・確認すべき項目全てを網羅することは困難である。すなわち、特許文献1に開示されている従来技術では、S/W CMMなどのモデルのアセスメントに適用することができないという問題点があった。
【0014】
さらに、質問に対する回答は、アセスメント受信側の千差万別な業務内容に関するものであり、この回答からアセスメントされる組織の強みや弱みを判断し改善策を策定するためには、詳細な概要や業務の意味・概念が記述されるコメントが必要とされるのに対し、特許文献1に開示されている従来技術では、選択肢であるため、一律的な判断しか出力することができず、アセスメントされる組織の最終的な強みや弱みを判別し改善策を策定することは困難であるという問題点があった。
【0015】
さらにまた、S/W CMMなどのアセスメントでは、求められる全ての項目に対する回答を作成し、アセスメントされる組織の強みと弱みを評定する必要があるのに対し、特許文献2に開示されている従来技術では、回答結果と制約条件の2分木に基づいて入力要否を決定しているため、質問・確認すべき項目全てを網羅することは困難であるという問題点があった。
【0016】
さらにまた、S/W CMMなどのアセスメントでは、入力結果に対して知識ベースを活用し分析・編集することで、アセスメント業務の負荷を軽減することができるが、特許文献2に開示されている従来技術では、入力項目に対して知識ベースを活用し、入力負荷を軽減するものであるため、アセスメント業務の負荷を軽減することは困難である。すなわち、特許文献2に開示されている従来技術は、アセスメント業務の負荷を根本的に解決するものではないという問題点があった。
【0017】
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、アセスメントを効率的に短期間で実施することが可能なアセスメント支援装置およびアセスメント支援プログラムを得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかるアセスメント支援装置は、アセスメントを実施する際の所定の質問・確認項目を含む質問情報が格納された標準データ用知識データベースと、前記アセスメントの実施対象および前記質問・確認項目に対する回答を含むアセスメント情報が格納されたアセスメントデータ用知識データベースと、前記標準データ用知識データベースの各質問・確認項目に対して類似する質問・確認項目をグループ化し、このグループ化された中での各質問・確認項目の重要度を、実施するアセスメント対象ごとに前記アセスメントデータ用知識データベースに設定して管理するメンテナンス手段と、前記グループ化された質問・確認項目に基づいて質問・確認項目を表形式で出力する質問・確認表出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
また、上記目的を達成するため、この発明にかかるアセスメント支援プログラムは、アセスメントを実施する際の所定の質問・確認項目を含む質問情報が格納された標準データ用知識データベースの各質問・確認項目に対して類似する質問・確認項目をグループ化し、このグループ化した中での各質問・確認項目の重要度を、前記アセスメントの実施対象および前記質問・確認項目に対する回答を含むアセスメント情報を格納するアセスメントデータ用知識データベースに、実施するアセスメント対象ごとに設定して管理するメンテナンス手順と、前記グループ化された質問・確認項目に基づいて、アセスメントを実施するための質問・確認項目を表形式で出力する質問・確認表出力手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるアセスメント支援装置およびアセスメント支援プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、S/W CMMによるソフトウェア開発や設計業務のアセスメントを行う場合を例に挙げている。すなわち、従来の技術で説明した図2〜図4に示されるモデルを有し、図5に示される手順でアセスメントを実施する場合を例に挙げる。
【0021】
図1はこの発明にかかるアセスメント支援装置の構成を示すブロック図である。このアセスメント支援装置は、アセスメントによらない標準的データを格納する標準データ用知識データベース1、アセスメントを行う際の項目に関するデータベース設定とアセスメント結果を格納するアセスメントデータ用知識データベース2、アセスメントを行う際の項目に関する優先順位やグルーピングの設定を行う知識データベースメンテナンス部3、アセスメントで実施する質問・確認項目を表形式で出力する質問・確認表出力部4、質問・確認表出力部4での出力を質問・確認項目別に多様な用途で分類出力する質問・確認項目分類部5、アセスメント結果全体を出力するアセスメント結果出力部6、ヒアリングや文書レビュー結果に対して未入力や不十分な入力の質問・確認項目または未確認の質問・確認項目から全質問に対する網羅度を出力する進捗確認部7、および完了したアセスメント結果を基に強みと弱みを判別し出力するSWOR(Strong Weak Opportunity Risk)分類部8を有する。なお、SWOR分類部8は、特許請求の範囲の結果分類手段に相当する。
【0022】
標準データ用知識データベース1は、実施するアセスメントによって変化することのないアセスメントに関する標準データを格納する。図6は、標準データ用知識データベース1のテーブル構成を示している。この標準データ用知識データベース1は、S/W CMMを用いたアセスメントで使用される質問項目、具体的には、図2〜図4に示されているように、各レベルの各キープロセスエリアに設定されている各キープラクティスまたは各サブキープラクティスに対する質問項目が格納されるQuestion_Listテーブル11を含む。このQuestion_Listテーブル11は、質問項目を識別するための質問事項ID、質問項目の属するレベルやキープロセスエリア、キープラクティスを識別するKP_NO、サブキープラクティスを識別するSKP_NO、質問・確認事項(日本語)、分類(組織)、分類(人)、分類(業務フロー)を含むフィールド項目を有する。なお、これらのQuestion_Listテーブル11に格納される項目は、特許請求の範囲の質問情報に相当する。
【0023】
アセスメントデータ用知識データベース2は、実施するアセスメントごとに変化する対象やアセスメント結果などのアセスメントデータを格納する。図7は、アセスメントデータ用知識データベース2のテーブル構成を示している。このアセスメントデータ用知識データベース2は、アセスメントの概要を登録する保管テーブルであるAssessment_Header_Dataテーブル21、質問・確認項目の優先順位を登録する保管テーブルであるAssessment_Set1テーブル22、質問・確認項目のグルーピングとその中の重要度を保管テーブルであるAssessment_Set2テーブル23、および質問・確認項目に対するヒアリング結果や文書レビュー結果と強み・弱みに対するデータの保管テーブルであるAssessment_Dataテーブル24を有する。
【0024】
Assessment_Header_Dataテーブル21は、実施するアセスメントを識別するためのアセスメントID、アセスメントを実施する組織を格納するアセスメント対象組織、その対象組織の各種の詳細な情報を格納するアセスメント対象組織やアセスメント対象組織詳細、責任者、実施するアセスメントを行うリードアセッサやアセッサの名称、アセスメントの開始日と終了日、およびアセスメントを実施する組織の目標レベルを含むフィールド項目を有する。
【0025】
Assessment_Set1テーブル22は、アセスメントID、優先順位を設定する質問・確認項目を識別するための質問事項ID、および実施するアセスメントにおける質問事項IDの優先順位を含むフィールド項目を有する。
【0026】
Assessment_Set2テーブル23は、アセスメントID、グループ分けされた質問・確認項目のグループを識別するためのグルーピングID、グループ分けを行う質問事項を識別するための質問事項ID、および質問事項IDで識別される質問事項の重要度を含むフィールド項目を有する。
【0027】
なお、図6のQuestion_Listテーブル11と、図7のAssessment_Set1テーブル22、Assessment_Set2テーブル23およびAssessment_Dataテーブル24とは、質問事項IDによって相互に関連付けが行われている。また、Assessment_Header_Dataテーブル21、Assessment_Set1テーブル22、Assessment_Set2テーブル23およびAssessment_Dataテーブル24とは、アセスメントIDによって相互に関連付けが行われている。さらに、Assessment_Set2テーブル23とAssessment_Dataテーブル24とは、グルーピングIDによって相互に関連付けが行われている。このように、相互のテーブルは、関連付けされていることで、アセスメント設定に対応したアセスメント結果を入力することができるとともに、逆に、入力した個々のアセスメント結果を全体的なデータ表示に戻すことも可能となる。
【0028】
知識データベースメンテナンス部3は、標準データ用知識データベース1に対してアセスメントの概要を設定するアセスメント概要設定機能、各アセスメント用に優先順位を設定する優先順位設定機能、そして各アセスメント用にグルーピングを行い、このグルーピング内での重要度を設定するグルーピング設定機能を有する。この知識データベースメンテナンス部3で設定したものは、データベース構造としてアセスメントデータ用知識データベースに格納される。知識データベースメンテナンス部3は、上記した3種類の設定を行うために、メンテナンスメニュー画面で、それらのいずれかを選択できるようになっている。なお、これらの機能を用いた設定は、アセスメント支援装置の使用者(通常、評価を行うアセッサである場合が多い。以下、ユーザという)によって行われる。
【0029】
アセスメント概要設定機能は、実施するアセスメントについての概要情報、より具体的には、実施するアセスメントに関して図7に示されるAssessment_Header_Dataテーブル21の各項目を含む概要情報を、アセスメントデータ用知識データベース2に登録するものである。このアセスメント概要設定機能の動作処理について図8のフローチャートを参照しながら説明する。まず、ユーザによってアセスメント概要設定機能が呼び出されると、アセスメント概要設定機能は、Assessment_Header_Dataテーブル21の各項目を入力するための入力表示画面を図示しない表示部に表示する(ステップS11)。そして、ユーザによって入力された概要情報をアセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_Header_Dataテーブル21に登録し(ステップS12)、処理が終了する。
【0030】
優先順位設定機能は、標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11に格納されている多数の所定の質問・確認項目について、実施するアセスメントで最低限質問・確認しなくてはならない質問・確認項目の優先順位付けを行うものである。例えば、アセスメント対象に対して、完全なアセスメントを実施する場合には、すべての質問・確認項目についてヒアリングやレビューを実施しなければならないので、質問・確認項目のすべてが同じ優先度となる。一方、アセスメント対象の強みや弱みの概要を把握したいという場合や、アセスメントを実施する時間があまりない場合には、ヒアリングやレビューをしなくてもアセスメントを実施することができる質問・確認項目には低い優先度を付し、目的とするアセスメントを実施する際に必要な質問・確認項目には高い優先度を付すことができる。
【0031】
この優先順位設定機能の動作処理について図9のフローチャートを参照しながら説明する。まず、ユーザによって優先順位設定機能が呼び出されると、優先順位設定機能は、質問・確認項目の優先順位を設定するアセスメント(対象)の指定をユーザに促す。ユーザからアセスメントの指定が入力されると(ステップS21)、指定されたアセスメントの目標レベルをAssessment_Header_Dataテーブル21から取得する(ステップS22)。つぎに、取得した目標レベルをアセスメントするために必要な質問・確認項目を、図2〜図4のモデルにしたがって、すなわち標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11から抽出し、抽出した質問・確認項目の一覧と、それらの優先順位付けを設定するための設定表示画面を表示部に表示する(ステップS23)。そして、ユーザによって、アセスメントで最低限質問・確認しなければならない項目を基準に質問・確認項目に優先順位が設定されると、その設定内容をアセスメントデータ用知識データベース2に登録する(ステップS24)。なお、登録前に設定した内容をユーザに対して表示させて、確認する工程を有するようにしてもよい。
【0032】
グルーピング設定機能は、標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11に格納されている質問項目の中で、類似する複数の質問・確認項目を同一のグループに分類し、さらに同一のグループ内での各質問・確認項目間の重要度を設定するものである。この重要度のうち最も重要度の高いものは、同一グループ内における質問・確認項目の代表となるものである。
【0033】
このグルーピング設定機能の動作処理について図10を参照しながら説明する。まず、ユーザによってグルーピング設定機能が呼び出されると、グルーピング設定機能は、グルーピングを設定するアセスメント(対象)の指定をユーザに促す。ユーザからアセスメントの指定が入力されると(ステップS31)、グルーピング設定機能は、指定されたアセスメントの目標レベルをAssessment_Header_Dataテーブル21から取得する(ステップS32)。つぎに、取得した目標レベルをアセスメントするために必要な質問・確認項目を標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11から抽出し、抽出した質問・確認項目の一覧とともに、これらの質問・確認項目のグループ分けとグループ内の重要度を設定するための設定表示画面を表示部に表示する(ステップS33)。そして、ユーザによって質問・確認項目のグループ分けと、各グループ内における重要度が設定されると、その設定内容をアセスメントデータ用知識データベース2に登録する(ステップS34)。なお、登録前に、設定した内容をユーザに対して表示させて、確認する工程を有するようにしてもよい。
【0034】
なお、この知識データベースメンテナンス部3は、過去に実施したアセスメントについてのメンテナンス履歴が保持されているアセスメントデータ用知識データベース2から、実施するアセスメント対象に類似する過去の事例を抽出して、その結果を基に実施するアセスメント対象の優先順位やグループ分け、グループ内での重要度の設定を行うようにしてもよい。
【0035】
質問・確認表出力部4は、アセスメントで実施する質問・確認項目を標準データ用知識データベース1とアセスメントデータ用知識データベース2から、対象レベルや優先順位に基づいて抽出するとともに、抽出した質問・確認項目の中で類似のものをグルーピングIDや重要度に基づいてまとめ、アセスメントを実施する上でもっとも作業効率のよい形式の表を出力する機能を有する。図11は、質問・確認表出力部4の動作処理を示す図である。まず、質問・確認表出力部4は、アセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_set2テーブル23から、重要度の一番高い質問事項ID以外(1以外)を除いた質問事項IDを取得する(ステップS41)。つぎに、取得した質問事項IDに関して、登録されたデータがAssessment_Dataテーブル24に存在する場合には、該当するデータを抽出する(ステップS42)とともに、取得した質問事項IDに関する必要情報を標準データ用知識データベース1から抽出する(ステップS43)。ここで、質問事項IDに関する必要情報は、たとえば、レベル、キープロセスエリア、コモンフィーチャー、KP_NO、SKP_NO、質問・確認事項(日本語)を含む情報である。つぎに、抽出した各質問・確認事項についてヒアリングや文書レビューを行うアセスメント時の入力GUI(Graphical User Interface)を自動的に生成する(ステップS44)。このとき、出力される情報の背景を優先順位によって変更して表示するようにしてもよい。そして、ユーザによってアセスメント時に入力された各質問・確認事項に対する結果を、Assessment_Dataテーブル24に登録する(ステップS45)。なお、登録する際に、グルーピングされている項目は、対象となる全ての項目について登録を行う。
【0036】
質問・確認項目分類部5は、標準データ用知識データベース1から分類情報を取得し、その分類情報に基づいた形式でアセスメント結果を質問・確認表出力部4で出力することを可能にする。図12は、質問・確認項目分類部5の動作処理を示す図である。まず、質問・確認項目分類部5は、ユーザによって分類情報が指定されると、標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11から分類情報を取得し、表示方法を指定する(ステップS51)。つぎに、アセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_Set2テーブル23から重要度の一番高い質問事項ID以外(1以外)を除いた質問事項IDを取得する(ステップS52)とともに、Assessment_Dataテーブル24から取得した質問事項IDに関して既に登録されたアセスメントデータを抽出する(ステップS53)。つぎに、取得した質問事項IDに関して、質問事項ID、レベル、キープロセスエリア、コモンフィーチャー、KP_NO、SKP_NO、質問・確認事項(日本語)を含む必要情報をQuestion_Listテーブル11から抽出する(ステップS54)。つぎに、抽出した情報を、ステップS51でユーザによって指定された表示方式でソートし、入力画面形式で表示部に出力する(ステップS55)。このとき、抽出した情報をその優先順位によって背景を変更して表示するようにしてもよい。そして、この入力画面形式でユーザによって入力されたデータを、アセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_Dataテーブル24に登録する(ステップS56)。なお、登録の際、グルーピングされた項目は、対象となる全ての項目に登録する。
【0037】
アセスメント結果出力部6は、アセスメントデータ用知識データベース2に格納された各質問・確認項目を、グルーピングID、重要度および優先順位に基づいてアセスメントに必要な質問・確認項目全体に還元し、全体のアセスメント結果を出力する機能を有する。
【0038】
図13は、アセスメント結果出力部6の動作処理を示す図である。まず、アセスメント結果出力部6は、アセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_Dataテーブル24から、登録された質問事項IDおよび全てのデータを抽出する(ステップS61)。つぎに、取得した質問事項IDを用いて、標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11から必要情報を抽出する(ステップS62)。ここで、必要情報とは、アセスメント結果を出力するために必要な情報であり、質問事項ID、レベル、キープロセスエリア、コモンフィーチャー、KP_NO、SKP_NO、質問・確認事項(日本語)を含む情報である。そして、各質問・確認項目に対して、所定の項目ごとに、たとえば、キープロセスエリアごと、またはサマリごとなどの形式で出力する(ステップS63)。
【0039】
進捗確認部7は、ヒアリングや文書レビュー結果に対して未入力や不十分な入力の質問・確認項目を抽出し、その全質問に対する網羅度や各グループにおける網羅度を出力して、アセスメント実施時におけるデータの取り忘れや取りこぼしを抑える機能を有する。
【0040】
図14は、進捗確認部7の動作処理を示す図である。まず、進捗確認部7は、アセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_Dataテーブル24から、評定が未入力の項目とヒアリング結果または文書レビュー結果が入力されていない項目の質問事項IDを取得する(ステップS71)。つぎに、取得した質問事項IDを用いて、標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11から取得した質問事項IDに関して、レベル、キープロセスエリア、コモンフィーチャー、KP_NO、SKP_NO、質問・確認事項(日本語)を含む必要情報を取得する(ステップS72)。そして、未入力・不正入力項目数や未入力・不正入力項目の優先順位ごとの一覧などの入力状況を出力する(ステップS73)。
【0041】
SWOR分類部8は、実施したアセスメントの評定結果から、アセスメント対象の組織の強みと弱みを分類して出力し、アセッサなどのユーザによる組織に対する事業性の機会やその事業を実際に実施したときの危険性などの具体的判断やアセスメントを実施した組織に対する改善策の策定を補助する機能を有する。たとえば、アセスメントデータ用知識データベース2に格納された過去の事例の中からレベルやアセスメント結果が類似する事例を抽出し、リストとして表示部に表示することによって、ユーザの判断や入力を補助することが可能である。
【0042】
図15は、SWOR分類部8の動作処理を示す図である。SWOR分類部8は、まず、アセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_Dataテーブル24から、評定がF(実施)、P(不十分)またはN(未実施)である質問事項IDを抽出する(ステップS81)。つぎに、SWOR分類部8は、取得した質問事項IDを用いて、Assessment_Dataテーブル24およびQuestion_Listテーブル11から必要情報を抽出する(ステップS82〜S83)。Assessment_Dataテーブル24の必要情報として、アセスメントID、質問事項ID、グルーピングID、評定、評定に関するコメント、強み、弱み、機会、リスクを含む情報が、また、Question_Listテーブル11の必要情報として、質問事項ID、レベル、キープロセスエリア、コモンフィーチャー、KP_NO、SKP_NO、質問・確認事項(日本語)を含む情報が、それぞれ抽出される。つぎに、抽出した情報のうち、評定として「F」が登録されている質問・確認項目を「強み」として分類し、評定として「P」または「N」が登録されている質問・確認項目を「弱み」として分類して、各質問・確認項目に対してコメントなどを入力できる形式で表示部に出力する(ステップS84)。その後、ユーザによって入力されたコメントや評定の結果などのデータが、Assessment_Dataテーブル24に登録される(ステップS85)。なお、ここではS/W CMMのモデルにおけるアセスメントを例に挙げているが、他のモデルの場合には、「強み」と「弱み」の分類ではなく、これに相当する「長所」と「短所」による分類を行うようにしてもよい。
【0043】
つぎに、このように構成されたアセスメント支援装置の動作処理について説明する。図16は、アセスメント支援装置の処理動作を示すフローチャートであり、図17は、図15に基づいたアセスメント支援装置の各構成要素の働きを示す図である。
【0044】
まず、アセスメントを実施する前に、ユーザによって入力されたアセスメントの概要と、質問・確認項目に対する優先順位およびグルーピングとグループ内重要度が、知識データベースメンテナンス部3によってアセスメントデータ用知識データベース2に設定される(ステップS201)。図18は、質問・確認項目の優先順位を設定する設定表示画面の一例を示しており、図19は、質問・確認項目のグループ分けとグループ内重要度を設定する設定表示画面の一例を示している。
【0045】
図18の優先順位の設定表示画面180において、質問・確認事項の欄181には、対象レベルについての標準データ用知識データベースに格納されている質問・確認項目が表示されており、優先順位の欄182には、これらの各質問・確認事項に対して優先順位を設定するために5段階に分けられたチェックボックスが表示されている。
【0046】
図19のグルーピング・重要度設定表示画面190において、質問・確認事項の欄191には、標準データ用知識データベースから抽出された対象レベルについての質問・確認項目が表示されており、グループ指定の欄192には、登録するグループを指定するグループ指定ボックス193と、このグループ指定ボックス193中に分類される質問・確認項目を表示するとともに、グループ内での重要度を表示するグループ内重要度リスト194が表示されている。質問・確認項目を分類するグループの指定は、グループ指定ボックス193にグループ名を入力(選択)することによって行うことが可能となる。このグループへの質問・確認項目の登録は、グループ指定ボックス193に所望のグループ名が表示されている状態で、グループ内重要度リスト194に質問・確認項目を登録することによって実行される。そして、このグループ内での各質問・確認項目間の重要度は、その配列順によって設定することができる。
【0047】
たとえば、図19の左側の質問・確認事項の欄191の中の登録したい項目として「コミットメント1」を選択し、追加ボタン195を押すことによって、右側のグループ内重要度リスト194に登録される。逆に、グループ内重要度リスト194に間違って登録してしまった質問・確認項目を削除したい場合には、削除した項目を選択し、削除ボタン196を押すことによって、該項目をグループ内重要度リスト194から削除することが可能となる。また、このグループ内重要度リスト194内での重要度は、上位に位置するほど重要度が高く、下に位置するほど重要度が低いものとなる。このグループ内重要度リストの中での重要度の変更は、変更したい質問・確認項目を選択し、右側の高ボタン197または低ボタン198で所望の位置に移動させることによって行う。
【0048】
つぎに、ユーザによって実施するアセスメント対象の情報が指定されると、質問・確認表出力部4は、アセスメントデータ用知識データベース2からアセスメントを実施する組織の目標レベルを取得し、取得した目標レベルに応じた質問・確認項目を標準データ用知識データベース1から抽出する。そして、質問・確認表出力部4は、抽出した質問・確認項目の中で、優先順位に基づいて必要な質問・確認項目を絞込み、さらにグルーピング結果とグルーピング内重要度に基づいて類似した質問・確認項目を除去して、最も作業効率のよい質問・確認項目表を表示部に出力する(ステップS202)。図20は、質問・確認項目表の一例を示している。この質問・確認項目表200は、アセスメント時の質問・確認項目が表示される「キープラクティス」の項目と、この「キープラクティス」の項目に対するアセスメント結果を入力するための「ヒアリング対象者」、「ヒアリング結果」、「文書名」、「文書レビュー結果」、「アセスメント結果」、「評定」、「評定に関するコメント」等の項目とを有する。なお、ユーザによって質問・確認項目表の出力形式の変更が指示された場合には、その変更の指示にしたがって、質問・確認項目分類部5は、質問・確認項目表の出力形式を変更する。図21は組織に基づいて出力形式を変更した質問・確認項目表の一例を示している。
【0049】
この質問・確認項目を参照しながらリードアセッサやアセッサなどのユーザは、アセスメント対象である組織などに対してアセスメントを実施し、各質問・確認項目に対する回答を入力していく。入力された結果は、アセスメントデータ用知識データベース2に登録される(ステップS203)。
【0050】
つぎに、進捗確認部7によって、アセスメントを実施する際に必要な質問・確認項目のうち未入力や不十分な入力の質問・確認項目が存在しないかを確認するための進捗確認が実行される(ステップS204)。図22は、進捗確認画面の一例を示している。この進捗確認画面220の左上側には、アセスメントを実施するための全質問・確認項目の数に対する未入力の質問・確認項目数221と、優先順位別の未入力の質問・確認項目数222が表示されている。また、その下には、未入力の質問・確認項目一覧223が表示されている。この進捗確認画面220で確認しながら、すべての質問・確認項目に入力を行う。なお、全質問・確認項目の数に対する未入力の質問・確認項目数211と、優先順位別の未入力の質問・確認項目数222とともに、またはこれらに代えて、それぞれの割合を表示するようにしてもよい。
【0051】
すべての質問・確認項目が入力されると、アセスメント結果出力部6によってアセスメント結果の出力が行われる(ステップS205)。図23は、アセスメント結果をキープロセスエリアごとに出力した画面の一例を示しており、図24は、アセスメント結果をサマリごとに出力した画面の一例を示している。
【0052】
そして、アセスメント結果を分析してアセスメントを実施している組織についての全体的な評価やコメント、改善案をユーザが作成するために必要な作業環境を提供する画面、たとえば、各質問・確認項目が評定された「強み」と「弱み」で各質問・確認項目を分類した形式で編集された入力表示画面が、SWOR分類部8によって表示される(ステップS206)。図25は、編集されたアセスメント結果の表示画面の一例を示している。
【0053】
この編集されたアセスメント結果の表示画面を使用しながら、ユーザはアセスメント対象について、人間による多面的な判断を行って改善策を策定し、その効果やリスクを評価して、その結果をコメント欄などに入力する。ここで、SWOR分類部8は、過去の類似するアセスメント結果をアセスメントデータ用知識データベース2から抽出して表示部に表示させ、ユーザによる項目の入力の負担を軽減させることもできる。このようにして、一連のアセスメント処理が行われる。
【0054】
なお、上述した説明ではアセスメント支援装置として説明したが、演算処理手段、記憶手段、入力手段および表示手段を備えるパーソナルコンピュータやワークステーションなどの情報端末によって実行させるプログラムとすることも可能である。
【0055】
この実施の形態によれば、アセスメント時の質問・確認項目に優先順位付け、グループ分けおよびグループ内重要度の設定を行う知識データベースメンテナンス部3と、質問・確認表出力部4やアセスメント結果出力部6とを備えるように構成したので、類似する質問・確認項目をグループ分けして、一回の入力ですべての類似する質問・確認項目を網羅することができ、リードアセッサやアセッサなどの評価者の負荷を軽減して、アセスメント受診側の開発製品や業務状況に応じたアセスメントを実施することができるという効果を有する。また、SWOR分類部8を備えるように構成したので、アセスメントと同様の負荷があるアセスメント結果に対する報告書の作成などのユーザのアセスメント作業を効果的に支援し、入力負担等を削減することができる。
【0056】
さらに、質問・確認項目分類部5を組み合わせることで、ヒアリング項目や文書レビュー項目を最小限にすることができるため、アセッサだけなく、アセスメント受診側の負荷も軽減できるという効果がある。さらにまた、進捗確認部7によって、アセスメント状況を容易に把握することができるとともに、アセスメントに必要な質問・確認事項をもれなく実施することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、アセスメント時の質問・確認項目に優先順位付け、グループ分けおよびグループ内重要度の設定を行う知識データベースメンテナンス部と、質問・確認表出力部やアセスメント結果出力部とを備えるように構成したので、業務改善策を早期に発見し改善活動につなげるとともに、アセスメントを実施する側だけでなく、業務実施側・アセスメントを受ける側の負荷を軽減することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるアセスメント支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】S/W CMMのモデルの概要を示す図である。
【図3】S/W CMMのモデルの概要を示す図である。
【図4】S/W CMMのモデルの概要を示す図である。
【図5】S/W CMMのモデルにおけるアセスメント手順を示す図である。
【図6】標準データ用知識データベースのテーブル構成を示す図である。
【図7】アセスメントデータ用知識データベースのテーブル構成を示す図である。
【図8】知識データベースメンテナンス部における処理の概要を示す図である。
【図9】知識データベースメンテナンス部における処理の概要を示す図である。
【図10】知識データベースメンテナンス部における処理の概要を示す図である。
【図11】質問・確認表出力部の動作処理を示す図である。
【図12】質問・確認項目分類部の動作処理を示す図である。
【図13】アセスメント結果出力部の動作処理を示す図である。
【図14】進捗確認部の動作処理を示す図である。
【図15】SWOR分類部の動作処理を示す図である。
【図16】アセスメント支援装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図17】アセスメント支援装置の各構成要素の働きを示す図である。
【図18】質問・確認項目の優先順位設定表示画面の一例を示す図である。
【図19】質問・確認項目のグループ分けとグループ内重要度の設定表示画面の一例を示す図である。
【図20】質問・確認項目表の一例を示す図である。
【図21】質問・確認項目表の一例を示す図である。
【図22】進捗確認画面の一例を示す図である。
【図23】アセスメント結果の出力画面の一例を示す図である。
【図24】アセスメント結果の出力画面の一例を示す図である。
【図25】SWOR分類部による表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 標準データ用知識データベース、2 アセスメントデータ用知識データベース、3 知識データベースメンテナンス部、4 質問・確認表出力部、5 質問・確認項目分類部、6 アセスメント結果出力部、7 進捗確認部、8 SWOR分離部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、実施業務に対する質問・確認項目の実施評価(アセスメント)と、アセスメントのためのヒアリングや文書レビューと、アセスメント結果の集計と、アセスメントの進捗度合いの確認を支援するアセスメント支援装置およびアセスメント支援プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、ソフトウェア開発や設計業務の生産性向上や品質向上を図るための業務改善業務に、ソフトウェア能力成熟度モデル(Software Capability Maturity Model、以下、S/W CMMという)やCMM統合(Capability Maturity Model Integration、以下、CMMIという)等の業務成熟度モデルが世界的に活用されている。これらの業務成熟度モデルには、決められた数千の質問・確認項目が存在する。ソフトウェアの開発や設計などの実施業務に対して、これらの質問・確認項目が実施されているかを評価し、評価結果を基に、強みと弱みと改善の機会と改善のリスクを導き出し、改善すべき改善実施項目を策定する。この作業をアセスメントと呼ぶ。そして、この改善実施項目を基に組織の業務改善を効率的に実施している。
【0003】
図2〜図4はS/W CMMを例としたモデルの構成を示す図である。S/WCMMにおける各成熟度レベルは、組織がソフトウェアプロセスを改善するために焦点を当てるべき領域であるキープロセスエリアに分解される。すなわち、キープロセスエリアは、ある成熟度レベルを達成するために取り組まなければならない問題を特定している。ゴールは、各キープロセスエリアの範囲、境界、意図を表すものであり、キープロセスエリアのキープラクティスを要約したものである。キープラクティスは、キープロセスエリアのゴールの満足に寄与するための記述によって特徴づけされている。このキープラクティスは、通常一文で表現されており、例や補足説明などの詳細記述(サブキープラクティス)が付加されている場合が多い。
【0004】
図5はS/W CMMを例としたアセスメント手順を示す図である。ある組織がS/W CMMのモデルにおいてどの成熟度レベルにあるかを評価する従来のアセスメントでは、1人のリードアセッサと複数人のアセッサが、対象となるプロジェクトに対し、アセスメントを受ける組織が目標とするレベルまでの全ての質問・確認項目(キープラクティス・サブキープラクティス)について、ヒアリングおよび文書レビューを行う(ステップS101)。ヒアリングや文書レビューの結果は、全ての質問・確認項目に対して業務での実施状況を評定する(ステップS102)。ここでの評定は、各質問・確認項目に対して、業務での実施状況を、「F:実施」、「L:ほぼ実施」、「P:不十分」および「N:未実施」の4段階で評定を行う。なお、アセスメント対象となるプロジェクトが複数存在する場合には、1つの質問・確認項目に対して最低2件の判断が必要になる。
【0005】
つぎに、質問・確認項目の評定結果を基にゴールに対する評定をステップS102で使用した4段階の基準で評定する(ステップS103)。ステップS103のゴール評定から一番悪い評定、すなわち「N」に最も近い方の評定をキープロセスエリア(図中では、KPAと表記する)の評定とする(ステップS104)。そして、この評定結果から、レベルで設定されているキープロセスエリアまたは下位のレベルのキープロセスエリアで1つでも「N」または「P」がある場合には、機械的にそのレベルは不合格であるとして、最終的にレベルの評定を実施する(ステップS105)。
【0006】
一方、ステップS102で評定された実施状況から、質問・確認項目の評定を基に、組織の強み、弱み、改善の機会および改善リスクを識別し(ステップS106)、効果的な業務改善策の策定を行った後に(ステップS107)、組織に対して改善の実施に取り掛かる(ステップS108)。
【0007】
以上の、S/W CMMの評定手順におけるそれぞれのキープラクティスの評定は、独立している必要があり、最終的な評定結果にも、それぞれで入力する必要がある。しかし、キープラクティスには、同様のまたは類似するキープラクティスが存在するため、実際のヒアリングでは、1つの質問で複数のキープラクティスを評定し、複数のキープラクティスに対して、評定結果を入力することが行われている。
【0008】
このようなS/W CMMのモデルなどを用いて組織などのアセスメントにおいて、評価を行うアセッサが各自人手によって処理することは著しい負担であり、情報処理端末などを利用してアセスメントを支援するアセスメント支援ツールが開発されている。従来のアセスメント支援ツールでは、アセスメントを効率化するための種々の機能が実現されている。たとえば、キープラクティスに対するプロジェクトごとの評定結果入力画面に、詳細なキープラクティスの説明画面を表示するためのリンクを張って、アセッサの評定結果の入力時における説明の参照を容易にしているものがある。また、キープラクティスに対し、プロジェクトごとの評定結果を表形式で一覧表示したり、各プロジェクトでの評定結果を集計してパーセント表示したりすることで、キープラクティスの評定を効率化しているものもある。さらに、ゴールに対し、関連するキープラクティスの評定結果を集計処理してゴール評定の効率化を行ったり、ゴールの評定以降は、自動的に評定結果を出力したりすることによって、アセッサによるアセスメントの支援を行っている。
【0009】
また、従来の質問に対する処理技術として特許文献1に開示される技術がある。この特許文献1では、仕事を完成させるための質問間に関連付けがある質問群を、質問に対する回答の選択肢を含んだ形式で提供し、続いて提示される質問・回答選択肢は、前回の回答によって影響を与えるようにして、動的に生成される質問と回答の選択肢を用いたコンピュータによる決定管理システムを構成している。
【0010】
さらに、特許文献2には、知識ベースに保存した入力項目間の関係を解析して、最適な入力順序を判断し、必要なもののみユーザに対して入力要求することによって、負荷の軽減を図る自動設計支援装置が開示されている。
【0011】
【特許文献1】
特表2001−519559号公報(第11〜12頁)
【特許文献2】
特開平7−129628号公報(第2〜3頁)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来のS/W CMMなどのアセスメントを支援するアセスメント支援ツールは、アセスメントを効果的・効率的に実施するために、質問・確認項目を十分に理解し、さらにアセスメントの経験が豊富なリードアセッサやアセッサが必要であるという前提の下に作成されている。そのため、質問・確認項目に対する知識や経験が無いアセッサの場合には、たとえアセスメントに必要な項目を詳細表示することができる機能などが装備されていたとしても、アセスメントに多大な時間がかかるとともに、評価もれによる十分な評定ができないという問題点があった。これは、業務の実践側とアセスメントを受ける側への負担を大きくする原因となっている。
【0013】
また、S/W CMMなどのモデルにおけるアセスメントでは、モデルの評定において求められる全ての項目に対する回答を作成してアセスメントされる組織の強みと弱みを評定する必要があるのに対し、特許文献1に開示されている従来技術では、前回の質問・回答に影響を受ける質問事項のみが出力されるため、質問・確認すべき項目全てを網羅することは困難である。すなわち、特許文献1に開示されている従来技術では、S/W CMMなどのモデルのアセスメントに適用することができないという問題点があった。
【0014】
さらに、質問に対する回答は、アセスメント受信側の千差万別な業務内容に関するものであり、この回答からアセスメントされる組織の強みや弱みを判断し改善策を策定するためには、詳細な概要や業務の意味・概念が記述されるコメントが必要とされるのに対し、特許文献1に開示されている従来技術では、選択肢であるため、一律的な判断しか出力することができず、アセスメントされる組織の最終的な強みや弱みを判別し改善策を策定することは困難であるという問題点があった。
【0015】
さらにまた、S/W CMMなどのアセスメントでは、求められる全ての項目に対する回答を作成し、アセスメントされる組織の強みと弱みを評定する必要があるのに対し、特許文献2に開示されている従来技術では、回答結果と制約条件の2分木に基づいて入力要否を決定しているため、質問・確認すべき項目全てを網羅することは困難であるという問題点があった。
【0016】
さらにまた、S/W CMMなどのアセスメントでは、入力結果に対して知識ベースを活用し分析・編集することで、アセスメント業務の負荷を軽減することができるが、特許文献2に開示されている従来技術では、入力項目に対して知識ベースを活用し、入力負荷を軽減するものであるため、アセスメント業務の負荷を軽減することは困難である。すなわち、特許文献2に開示されている従来技術は、アセスメント業務の負荷を根本的に解決するものではないという問題点があった。
【0017】
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、アセスメントを効率的に短期間で実施することが可能なアセスメント支援装置およびアセスメント支援プログラムを得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかるアセスメント支援装置は、アセスメントを実施する際の所定の質問・確認項目を含む質問情報が格納された標準データ用知識データベースと、前記アセスメントの実施対象および前記質問・確認項目に対する回答を含むアセスメント情報が格納されたアセスメントデータ用知識データベースと、前記標準データ用知識データベースの各質問・確認項目に対して類似する質問・確認項目をグループ化し、このグループ化された中での各質問・確認項目の重要度を、実施するアセスメント対象ごとに前記アセスメントデータ用知識データベースに設定して管理するメンテナンス手段と、前記グループ化された質問・確認項目に基づいて質問・確認項目を表形式で出力する質問・確認表出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
また、上記目的を達成するため、この発明にかかるアセスメント支援プログラムは、アセスメントを実施する際の所定の質問・確認項目を含む質問情報が格納された標準データ用知識データベースの各質問・確認項目に対して類似する質問・確認項目をグループ化し、このグループ化した中での各質問・確認項目の重要度を、前記アセスメントの実施対象および前記質問・確認項目に対する回答を含むアセスメント情報を格納するアセスメントデータ用知識データベースに、実施するアセスメント対象ごとに設定して管理するメンテナンス手順と、前記グループ化された質問・確認項目に基づいて、アセスメントを実施するための質問・確認項目を表形式で出力する質問・確認表出力手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるアセスメント支援装置およびアセスメント支援プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、S/W CMMによるソフトウェア開発や設計業務のアセスメントを行う場合を例に挙げている。すなわち、従来の技術で説明した図2〜図4に示されるモデルを有し、図5に示される手順でアセスメントを実施する場合を例に挙げる。
【0021】
図1はこの発明にかかるアセスメント支援装置の構成を示すブロック図である。このアセスメント支援装置は、アセスメントによらない標準的データを格納する標準データ用知識データベース1、アセスメントを行う際の項目に関するデータベース設定とアセスメント結果を格納するアセスメントデータ用知識データベース2、アセスメントを行う際の項目に関する優先順位やグルーピングの設定を行う知識データベースメンテナンス部3、アセスメントで実施する質問・確認項目を表形式で出力する質問・確認表出力部4、質問・確認表出力部4での出力を質問・確認項目別に多様な用途で分類出力する質問・確認項目分類部5、アセスメント結果全体を出力するアセスメント結果出力部6、ヒアリングや文書レビュー結果に対して未入力や不十分な入力の質問・確認項目または未確認の質問・確認項目から全質問に対する網羅度を出力する進捗確認部7、および完了したアセスメント結果を基に強みと弱みを判別し出力するSWOR(Strong Weak Opportunity Risk)分類部8を有する。なお、SWOR分類部8は、特許請求の範囲の結果分類手段に相当する。
【0022】
標準データ用知識データベース1は、実施するアセスメントによって変化することのないアセスメントに関する標準データを格納する。図6は、標準データ用知識データベース1のテーブル構成を示している。この標準データ用知識データベース1は、S/W CMMを用いたアセスメントで使用される質問項目、具体的には、図2〜図4に示されているように、各レベルの各キープロセスエリアに設定されている各キープラクティスまたは各サブキープラクティスに対する質問項目が格納されるQuestion_Listテーブル11を含む。このQuestion_Listテーブル11は、質問項目を識別するための質問事項ID、質問項目の属するレベルやキープロセスエリア、キープラクティスを識別するKP_NO、サブキープラクティスを識別するSKP_NO、質問・確認事項(日本語)、分類(組織)、分類(人)、分類(業務フロー)を含むフィールド項目を有する。なお、これらのQuestion_Listテーブル11に格納される項目は、特許請求の範囲の質問情報に相当する。
【0023】
アセスメントデータ用知識データベース2は、実施するアセスメントごとに変化する対象やアセスメント結果などのアセスメントデータを格納する。図7は、アセスメントデータ用知識データベース2のテーブル構成を示している。このアセスメントデータ用知識データベース2は、アセスメントの概要を登録する保管テーブルであるAssessment_Header_Dataテーブル21、質問・確認項目の優先順位を登録する保管テーブルであるAssessment_Set1テーブル22、質問・確認項目のグルーピングとその中の重要度を保管テーブルであるAssessment_Set2テーブル23、および質問・確認項目に対するヒアリング結果や文書レビュー結果と強み・弱みに対するデータの保管テーブルであるAssessment_Dataテーブル24を有する。
【0024】
Assessment_Header_Dataテーブル21は、実施するアセスメントを識別するためのアセスメントID、アセスメントを実施する組織を格納するアセスメント対象組織、その対象組織の各種の詳細な情報を格納するアセスメント対象組織やアセスメント対象組織詳細、責任者、実施するアセスメントを行うリードアセッサやアセッサの名称、アセスメントの開始日と終了日、およびアセスメントを実施する組織の目標レベルを含むフィールド項目を有する。
【0025】
Assessment_Set1テーブル22は、アセスメントID、優先順位を設定する質問・確認項目を識別するための質問事項ID、および実施するアセスメントにおける質問事項IDの優先順位を含むフィールド項目を有する。
【0026】
Assessment_Set2テーブル23は、アセスメントID、グループ分けされた質問・確認項目のグループを識別するためのグルーピングID、グループ分けを行う質問事項を識別するための質問事項ID、および質問事項IDで識別される質問事項の重要度を含むフィールド項目を有する。
【0027】
なお、図6のQuestion_Listテーブル11と、図7のAssessment_Set1テーブル22、Assessment_Set2テーブル23およびAssessment_Dataテーブル24とは、質問事項IDによって相互に関連付けが行われている。また、Assessment_Header_Dataテーブル21、Assessment_Set1テーブル22、Assessment_Set2テーブル23およびAssessment_Dataテーブル24とは、アセスメントIDによって相互に関連付けが行われている。さらに、Assessment_Set2テーブル23とAssessment_Dataテーブル24とは、グルーピングIDによって相互に関連付けが行われている。このように、相互のテーブルは、関連付けされていることで、アセスメント設定に対応したアセスメント結果を入力することができるとともに、逆に、入力した個々のアセスメント結果を全体的なデータ表示に戻すことも可能となる。
【0028】
知識データベースメンテナンス部3は、標準データ用知識データベース1に対してアセスメントの概要を設定するアセスメント概要設定機能、各アセスメント用に優先順位を設定する優先順位設定機能、そして各アセスメント用にグルーピングを行い、このグルーピング内での重要度を設定するグルーピング設定機能を有する。この知識データベースメンテナンス部3で設定したものは、データベース構造としてアセスメントデータ用知識データベースに格納される。知識データベースメンテナンス部3は、上記した3種類の設定を行うために、メンテナンスメニュー画面で、それらのいずれかを選択できるようになっている。なお、これらの機能を用いた設定は、アセスメント支援装置の使用者(通常、評価を行うアセッサである場合が多い。以下、ユーザという)によって行われる。
【0029】
アセスメント概要設定機能は、実施するアセスメントについての概要情報、より具体的には、実施するアセスメントに関して図7に示されるAssessment_Header_Dataテーブル21の各項目を含む概要情報を、アセスメントデータ用知識データベース2に登録するものである。このアセスメント概要設定機能の動作処理について図8のフローチャートを参照しながら説明する。まず、ユーザによってアセスメント概要設定機能が呼び出されると、アセスメント概要設定機能は、Assessment_Header_Dataテーブル21の各項目を入力するための入力表示画面を図示しない表示部に表示する(ステップS11)。そして、ユーザによって入力された概要情報をアセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_Header_Dataテーブル21に登録し(ステップS12)、処理が終了する。
【0030】
優先順位設定機能は、標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11に格納されている多数の所定の質問・確認項目について、実施するアセスメントで最低限質問・確認しなくてはならない質問・確認項目の優先順位付けを行うものである。例えば、アセスメント対象に対して、完全なアセスメントを実施する場合には、すべての質問・確認項目についてヒアリングやレビューを実施しなければならないので、質問・確認項目のすべてが同じ優先度となる。一方、アセスメント対象の強みや弱みの概要を把握したいという場合や、アセスメントを実施する時間があまりない場合には、ヒアリングやレビューをしなくてもアセスメントを実施することができる質問・確認項目には低い優先度を付し、目的とするアセスメントを実施する際に必要な質問・確認項目には高い優先度を付すことができる。
【0031】
この優先順位設定機能の動作処理について図9のフローチャートを参照しながら説明する。まず、ユーザによって優先順位設定機能が呼び出されると、優先順位設定機能は、質問・確認項目の優先順位を設定するアセスメント(対象)の指定をユーザに促す。ユーザからアセスメントの指定が入力されると(ステップS21)、指定されたアセスメントの目標レベルをAssessment_Header_Dataテーブル21から取得する(ステップS22)。つぎに、取得した目標レベルをアセスメントするために必要な質問・確認項目を、図2〜図4のモデルにしたがって、すなわち標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11から抽出し、抽出した質問・確認項目の一覧と、それらの優先順位付けを設定するための設定表示画面を表示部に表示する(ステップS23)。そして、ユーザによって、アセスメントで最低限質問・確認しなければならない項目を基準に質問・確認項目に優先順位が設定されると、その設定内容をアセスメントデータ用知識データベース2に登録する(ステップS24)。なお、登録前に設定した内容をユーザに対して表示させて、確認する工程を有するようにしてもよい。
【0032】
グルーピング設定機能は、標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11に格納されている質問項目の中で、類似する複数の質問・確認項目を同一のグループに分類し、さらに同一のグループ内での各質問・確認項目間の重要度を設定するものである。この重要度のうち最も重要度の高いものは、同一グループ内における質問・確認項目の代表となるものである。
【0033】
このグルーピング設定機能の動作処理について図10を参照しながら説明する。まず、ユーザによってグルーピング設定機能が呼び出されると、グルーピング設定機能は、グルーピングを設定するアセスメント(対象)の指定をユーザに促す。ユーザからアセスメントの指定が入力されると(ステップS31)、グルーピング設定機能は、指定されたアセスメントの目標レベルをAssessment_Header_Dataテーブル21から取得する(ステップS32)。つぎに、取得した目標レベルをアセスメントするために必要な質問・確認項目を標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11から抽出し、抽出した質問・確認項目の一覧とともに、これらの質問・確認項目のグループ分けとグループ内の重要度を設定するための設定表示画面を表示部に表示する(ステップS33)。そして、ユーザによって質問・確認項目のグループ分けと、各グループ内における重要度が設定されると、その設定内容をアセスメントデータ用知識データベース2に登録する(ステップS34)。なお、登録前に、設定した内容をユーザに対して表示させて、確認する工程を有するようにしてもよい。
【0034】
なお、この知識データベースメンテナンス部3は、過去に実施したアセスメントについてのメンテナンス履歴が保持されているアセスメントデータ用知識データベース2から、実施するアセスメント対象に類似する過去の事例を抽出して、その結果を基に実施するアセスメント対象の優先順位やグループ分け、グループ内での重要度の設定を行うようにしてもよい。
【0035】
質問・確認表出力部4は、アセスメントで実施する質問・確認項目を標準データ用知識データベース1とアセスメントデータ用知識データベース2から、対象レベルや優先順位に基づいて抽出するとともに、抽出した質問・確認項目の中で類似のものをグルーピングIDや重要度に基づいてまとめ、アセスメントを実施する上でもっとも作業効率のよい形式の表を出力する機能を有する。図11は、質問・確認表出力部4の動作処理を示す図である。まず、質問・確認表出力部4は、アセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_set2テーブル23から、重要度の一番高い質問事項ID以外(1以外)を除いた質問事項IDを取得する(ステップS41)。つぎに、取得した質問事項IDに関して、登録されたデータがAssessment_Dataテーブル24に存在する場合には、該当するデータを抽出する(ステップS42)とともに、取得した質問事項IDに関する必要情報を標準データ用知識データベース1から抽出する(ステップS43)。ここで、質問事項IDに関する必要情報は、たとえば、レベル、キープロセスエリア、コモンフィーチャー、KP_NO、SKP_NO、質問・確認事項(日本語)を含む情報である。つぎに、抽出した各質問・確認事項についてヒアリングや文書レビューを行うアセスメント時の入力GUI(Graphical User Interface)を自動的に生成する(ステップS44)。このとき、出力される情報の背景を優先順位によって変更して表示するようにしてもよい。そして、ユーザによってアセスメント時に入力された各質問・確認事項に対する結果を、Assessment_Dataテーブル24に登録する(ステップS45)。なお、登録する際に、グルーピングされている項目は、対象となる全ての項目について登録を行う。
【0036】
質問・確認項目分類部5は、標準データ用知識データベース1から分類情報を取得し、その分類情報に基づいた形式でアセスメント結果を質問・確認表出力部4で出力することを可能にする。図12は、質問・確認項目分類部5の動作処理を示す図である。まず、質問・確認項目分類部5は、ユーザによって分類情報が指定されると、標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11から分類情報を取得し、表示方法を指定する(ステップS51)。つぎに、アセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_Set2テーブル23から重要度の一番高い質問事項ID以外(1以外)を除いた質問事項IDを取得する(ステップS52)とともに、Assessment_Dataテーブル24から取得した質問事項IDに関して既に登録されたアセスメントデータを抽出する(ステップS53)。つぎに、取得した質問事項IDに関して、質問事項ID、レベル、キープロセスエリア、コモンフィーチャー、KP_NO、SKP_NO、質問・確認事項(日本語)を含む必要情報をQuestion_Listテーブル11から抽出する(ステップS54)。つぎに、抽出した情報を、ステップS51でユーザによって指定された表示方式でソートし、入力画面形式で表示部に出力する(ステップS55)。このとき、抽出した情報をその優先順位によって背景を変更して表示するようにしてもよい。そして、この入力画面形式でユーザによって入力されたデータを、アセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_Dataテーブル24に登録する(ステップS56)。なお、登録の際、グルーピングされた項目は、対象となる全ての項目に登録する。
【0037】
アセスメント結果出力部6は、アセスメントデータ用知識データベース2に格納された各質問・確認項目を、グルーピングID、重要度および優先順位に基づいてアセスメントに必要な質問・確認項目全体に還元し、全体のアセスメント結果を出力する機能を有する。
【0038】
図13は、アセスメント結果出力部6の動作処理を示す図である。まず、アセスメント結果出力部6は、アセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_Dataテーブル24から、登録された質問事項IDおよび全てのデータを抽出する(ステップS61)。つぎに、取得した質問事項IDを用いて、標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11から必要情報を抽出する(ステップS62)。ここで、必要情報とは、アセスメント結果を出力するために必要な情報であり、質問事項ID、レベル、キープロセスエリア、コモンフィーチャー、KP_NO、SKP_NO、質問・確認事項(日本語)を含む情報である。そして、各質問・確認項目に対して、所定の項目ごとに、たとえば、キープロセスエリアごと、またはサマリごとなどの形式で出力する(ステップS63)。
【0039】
進捗確認部7は、ヒアリングや文書レビュー結果に対して未入力や不十分な入力の質問・確認項目を抽出し、その全質問に対する網羅度や各グループにおける網羅度を出力して、アセスメント実施時におけるデータの取り忘れや取りこぼしを抑える機能を有する。
【0040】
図14は、進捗確認部7の動作処理を示す図である。まず、進捗確認部7は、アセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_Dataテーブル24から、評定が未入力の項目とヒアリング結果または文書レビュー結果が入力されていない項目の質問事項IDを取得する(ステップS71)。つぎに、取得した質問事項IDを用いて、標準データ用知識データベース1のQuestion_Listテーブル11から取得した質問事項IDに関して、レベル、キープロセスエリア、コモンフィーチャー、KP_NO、SKP_NO、質問・確認事項(日本語)を含む必要情報を取得する(ステップS72)。そして、未入力・不正入力項目数や未入力・不正入力項目の優先順位ごとの一覧などの入力状況を出力する(ステップS73)。
【0041】
SWOR分類部8は、実施したアセスメントの評定結果から、アセスメント対象の組織の強みと弱みを分類して出力し、アセッサなどのユーザによる組織に対する事業性の機会やその事業を実際に実施したときの危険性などの具体的判断やアセスメントを実施した組織に対する改善策の策定を補助する機能を有する。たとえば、アセスメントデータ用知識データベース2に格納された過去の事例の中からレベルやアセスメント結果が類似する事例を抽出し、リストとして表示部に表示することによって、ユーザの判断や入力を補助することが可能である。
【0042】
図15は、SWOR分類部8の動作処理を示す図である。SWOR分類部8は、まず、アセスメントデータ用知識データベース2のAssessment_Dataテーブル24から、評定がF(実施)、P(不十分)またはN(未実施)である質問事項IDを抽出する(ステップS81)。つぎに、SWOR分類部8は、取得した質問事項IDを用いて、Assessment_Dataテーブル24およびQuestion_Listテーブル11から必要情報を抽出する(ステップS82〜S83)。Assessment_Dataテーブル24の必要情報として、アセスメントID、質問事項ID、グルーピングID、評定、評定に関するコメント、強み、弱み、機会、リスクを含む情報が、また、Question_Listテーブル11の必要情報として、質問事項ID、レベル、キープロセスエリア、コモンフィーチャー、KP_NO、SKP_NO、質問・確認事項(日本語)を含む情報が、それぞれ抽出される。つぎに、抽出した情報のうち、評定として「F」が登録されている質問・確認項目を「強み」として分類し、評定として「P」または「N」が登録されている質問・確認項目を「弱み」として分類して、各質問・確認項目に対してコメントなどを入力できる形式で表示部に出力する(ステップS84)。その後、ユーザによって入力されたコメントや評定の結果などのデータが、Assessment_Dataテーブル24に登録される(ステップS85)。なお、ここではS/W CMMのモデルにおけるアセスメントを例に挙げているが、他のモデルの場合には、「強み」と「弱み」の分類ではなく、これに相当する「長所」と「短所」による分類を行うようにしてもよい。
【0043】
つぎに、このように構成されたアセスメント支援装置の動作処理について説明する。図16は、アセスメント支援装置の処理動作を示すフローチャートであり、図17は、図15に基づいたアセスメント支援装置の各構成要素の働きを示す図である。
【0044】
まず、アセスメントを実施する前に、ユーザによって入力されたアセスメントの概要と、質問・確認項目に対する優先順位およびグルーピングとグループ内重要度が、知識データベースメンテナンス部3によってアセスメントデータ用知識データベース2に設定される(ステップS201)。図18は、質問・確認項目の優先順位を設定する設定表示画面の一例を示しており、図19は、質問・確認項目のグループ分けとグループ内重要度を設定する設定表示画面の一例を示している。
【0045】
図18の優先順位の設定表示画面180において、質問・確認事項の欄181には、対象レベルについての標準データ用知識データベースに格納されている質問・確認項目が表示されており、優先順位の欄182には、これらの各質問・確認事項に対して優先順位を設定するために5段階に分けられたチェックボックスが表示されている。
【0046】
図19のグルーピング・重要度設定表示画面190において、質問・確認事項の欄191には、標準データ用知識データベースから抽出された対象レベルについての質問・確認項目が表示されており、グループ指定の欄192には、登録するグループを指定するグループ指定ボックス193と、このグループ指定ボックス193中に分類される質問・確認項目を表示するとともに、グループ内での重要度を表示するグループ内重要度リスト194が表示されている。質問・確認項目を分類するグループの指定は、グループ指定ボックス193にグループ名を入力(選択)することによって行うことが可能となる。このグループへの質問・確認項目の登録は、グループ指定ボックス193に所望のグループ名が表示されている状態で、グループ内重要度リスト194に質問・確認項目を登録することによって実行される。そして、このグループ内での各質問・確認項目間の重要度は、その配列順によって設定することができる。
【0047】
たとえば、図19の左側の質問・確認事項の欄191の中の登録したい項目として「コミットメント1」を選択し、追加ボタン195を押すことによって、右側のグループ内重要度リスト194に登録される。逆に、グループ内重要度リスト194に間違って登録してしまった質問・確認項目を削除したい場合には、削除した項目を選択し、削除ボタン196を押すことによって、該項目をグループ内重要度リスト194から削除することが可能となる。また、このグループ内重要度リスト194内での重要度は、上位に位置するほど重要度が高く、下に位置するほど重要度が低いものとなる。このグループ内重要度リストの中での重要度の変更は、変更したい質問・確認項目を選択し、右側の高ボタン197または低ボタン198で所望の位置に移動させることによって行う。
【0048】
つぎに、ユーザによって実施するアセスメント対象の情報が指定されると、質問・確認表出力部4は、アセスメントデータ用知識データベース2からアセスメントを実施する組織の目標レベルを取得し、取得した目標レベルに応じた質問・確認項目を標準データ用知識データベース1から抽出する。そして、質問・確認表出力部4は、抽出した質問・確認項目の中で、優先順位に基づいて必要な質問・確認項目を絞込み、さらにグルーピング結果とグルーピング内重要度に基づいて類似した質問・確認項目を除去して、最も作業効率のよい質問・確認項目表を表示部に出力する(ステップS202)。図20は、質問・確認項目表の一例を示している。この質問・確認項目表200は、アセスメント時の質問・確認項目が表示される「キープラクティス」の項目と、この「キープラクティス」の項目に対するアセスメント結果を入力するための「ヒアリング対象者」、「ヒアリング結果」、「文書名」、「文書レビュー結果」、「アセスメント結果」、「評定」、「評定に関するコメント」等の項目とを有する。なお、ユーザによって質問・確認項目表の出力形式の変更が指示された場合には、その変更の指示にしたがって、質問・確認項目分類部5は、質問・確認項目表の出力形式を変更する。図21は組織に基づいて出力形式を変更した質問・確認項目表の一例を示している。
【0049】
この質問・確認項目を参照しながらリードアセッサやアセッサなどのユーザは、アセスメント対象である組織などに対してアセスメントを実施し、各質問・確認項目に対する回答を入力していく。入力された結果は、アセスメントデータ用知識データベース2に登録される(ステップS203)。
【0050】
つぎに、進捗確認部7によって、アセスメントを実施する際に必要な質問・確認項目のうち未入力や不十分な入力の質問・確認項目が存在しないかを確認するための進捗確認が実行される(ステップS204)。図22は、進捗確認画面の一例を示している。この進捗確認画面220の左上側には、アセスメントを実施するための全質問・確認項目の数に対する未入力の質問・確認項目数221と、優先順位別の未入力の質問・確認項目数222が表示されている。また、その下には、未入力の質問・確認項目一覧223が表示されている。この進捗確認画面220で確認しながら、すべての質問・確認項目に入力を行う。なお、全質問・確認項目の数に対する未入力の質問・確認項目数211と、優先順位別の未入力の質問・確認項目数222とともに、またはこれらに代えて、それぞれの割合を表示するようにしてもよい。
【0051】
すべての質問・確認項目が入力されると、アセスメント結果出力部6によってアセスメント結果の出力が行われる(ステップS205)。図23は、アセスメント結果をキープロセスエリアごとに出力した画面の一例を示しており、図24は、アセスメント結果をサマリごとに出力した画面の一例を示している。
【0052】
そして、アセスメント結果を分析してアセスメントを実施している組織についての全体的な評価やコメント、改善案をユーザが作成するために必要な作業環境を提供する画面、たとえば、各質問・確認項目が評定された「強み」と「弱み」で各質問・確認項目を分類した形式で編集された入力表示画面が、SWOR分類部8によって表示される(ステップS206)。図25は、編集されたアセスメント結果の表示画面の一例を示している。
【0053】
この編集されたアセスメント結果の表示画面を使用しながら、ユーザはアセスメント対象について、人間による多面的な判断を行って改善策を策定し、その効果やリスクを評価して、その結果をコメント欄などに入力する。ここで、SWOR分類部8は、過去の類似するアセスメント結果をアセスメントデータ用知識データベース2から抽出して表示部に表示させ、ユーザによる項目の入力の負担を軽減させることもできる。このようにして、一連のアセスメント処理が行われる。
【0054】
なお、上述した説明ではアセスメント支援装置として説明したが、演算処理手段、記憶手段、入力手段および表示手段を備えるパーソナルコンピュータやワークステーションなどの情報端末によって実行させるプログラムとすることも可能である。
【0055】
この実施の形態によれば、アセスメント時の質問・確認項目に優先順位付け、グループ分けおよびグループ内重要度の設定を行う知識データベースメンテナンス部3と、質問・確認表出力部4やアセスメント結果出力部6とを備えるように構成したので、類似する質問・確認項目をグループ分けして、一回の入力ですべての類似する質問・確認項目を網羅することができ、リードアセッサやアセッサなどの評価者の負荷を軽減して、アセスメント受診側の開発製品や業務状況に応じたアセスメントを実施することができるという効果を有する。また、SWOR分類部8を備えるように構成したので、アセスメントと同様の負荷があるアセスメント結果に対する報告書の作成などのユーザのアセスメント作業を効果的に支援し、入力負担等を削減することができる。
【0056】
さらに、質問・確認項目分類部5を組み合わせることで、ヒアリング項目や文書レビュー項目を最小限にすることができるため、アセッサだけなく、アセスメント受診側の負荷も軽減できるという効果がある。さらにまた、進捗確認部7によって、アセスメント状況を容易に把握することができるとともに、アセスメントに必要な質問・確認事項をもれなく実施することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、アセスメント時の質問・確認項目に優先順位付け、グループ分けおよびグループ内重要度の設定を行う知識データベースメンテナンス部と、質問・確認表出力部やアセスメント結果出力部とを備えるように構成したので、業務改善策を早期に発見し改善活動につなげるとともに、アセスメントを実施する側だけでなく、業務実施側・アセスメントを受ける側の負荷を軽減することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるアセスメント支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】S/W CMMのモデルの概要を示す図である。
【図3】S/W CMMのモデルの概要を示す図である。
【図4】S/W CMMのモデルの概要を示す図である。
【図5】S/W CMMのモデルにおけるアセスメント手順を示す図である。
【図6】標準データ用知識データベースのテーブル構成を示す図である。
【図7】アセスメントデータ用知識データベースのテーブル構成を示す図である。
【図8】知識データベースメンテナンス部における処理の概要を示す図である。
【図9】知識データベースメンテナンス部における処理の概要を示す図である。
【図10】知識データベースメンテナンス部における処理の概要を示す図である。
【図11】質問・確認表出力部の動作処理を示す図である。
【図12】質問・確認項目分類部の動作処理を示す図である。
【図13】アセスメント結果出力部の動作処理を示す図である。
【図14】進捗確認部の動作処理を示す図である。
【図15】SWOR分類部の動作処理を示す図である。
【図16】アセスメント支援装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図17】アセスメント支援装置の各構成要素の働きを示す図である。
【図18】質問・確認項目の優先順位設定表示画面の一例を示す図である。
【図19】質問・確認項目のグループ分けとグループ内重要度の設定表示画面の一例を示す図である。
【図20】質問・確認項目表の一例を示す図である。
【図21】質問・確認項目表の一例を示す図である。
【図22】進捗確認画面の一例を示す図である。
【図23】アセスメント結果の出力画面の一例を示す図である。
【図24】アセスメント結果の出力画面の一例を示す図である。
【図25】SWOR分類部による表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 標準データ用知識データベース、2 アセスメントデータ用知識データベース、3 知識データベースメンテナンス部、4 質問・確認表出力部、5 質問・確認項目分類部、6 アセスメント結果出力部、7 進捗確認部、8 SWOR分離部。
Claims (14)
- アセスメントを実施する際の所定の質問・確認項目を含む質問情報が格納された標準データ用知識データベースと、
前記アセスメントの実施対象および前記質問・確認項目に対する回答を含むアセスメント情報が格納されたアセスメントデータ用知識データベースと、
前記標準データ用知識データベースの各質問・確認項目に対して類似する質問・確認項目をグループ化し、このグループ化された中での各質問・確認項目の重要度を、実施するアセスメント対象ごとに前記アセスメントデータ用知識データベースに設定して管理するメンテナンス手段と、
前記グループ化された質問・確認項目に基づいて質問・確認項目を表形式で出力する質問・確認表出力手段と、
を備えることを特徴とするアセスメント支援装置。 - 前記メンテナンス手段は、前記標準データ用知識データベースの各質問・確認項目に対して前記アセスメントを実施する際の必要度に応じた優先順位を設定する機能をさらに備え、
前記質問・確認表出力手段は、所定の優先順位以上の質問・確認項目を表形式で出力する機能をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のアセスメント支援装置。 - 前記質問・確認表出力手段によって出力された前記質問・確認項目に対して前記アセスメントデータ用知識データベースに登録されたアセスメント結果を、前記アセスメントデータ用知識データベースに設定されたグループおよびその中の重要度に基づいて、類似の質問・確認項目に対して分配してアセスメント結果を出力するアセスメント結果出力手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のアセスメント支援装置。
- 前記アセスメント情報を所定の分類によって分類して出力する質問・確認項目分類手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のアセスメント支援装置。
- 前記アセスメントデータ用知識データベースに登録されたアセスメント結果のうち、前記アセスメントの実施に対して未入力または不十分な入力の質問・確認項目を抽出して出力する進捗管理手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のアセスメント支援装置。
- 前記アセスメントデータ用知識データベースに登録されたアセスメント結果を、このアセスメント結果に含まれるアセスメント対象の長所と短所に基づいて分類して出力する結果分類手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のアセスメント支援装置。
- 前記結果分類手段は、前記アセスメントデータ用知識データベースに登録され、過去に実施されたアセスメント結果から、前記アセスメント結果と類似するアセスメント結果を出力する機能をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のアセスメント支援装置。
- アセスメントを実施する際の所定の質問・確認項目を含む質問情報が格納された標準データ用知識データベースの各質問・確認項目に対して類似する質問・確認項目をグループ化し、このグループ化した中での各質問・確認項目の重要度を、前記アセスメントの実施対象および前記質問・確認項目に対する回答を含むアセスメント情報を格納するアセスメントデータ用知識データベースに、実施するアセスメント対象ごとに設定して管理するメンテナンス手順と、
前記グループ化された質問・確認項目に基づいて、アセスメントを実施するための質問・確認項目を表形式で出力する質問・確認表出力手順と、
をコンピュータに実行させるためのアセスメント支援プログラム。 - 前記メンテナンス手順は、前記標準データ用知識データベースの各質問・確認項目に対して前記アセスメントを実施する際の必要度に応じた優先順位をさらに設定する手順をさらに有し、
前記質問・確認表出力手順は、所定の優先順位以上の質問・確認項目を表形式で出力する手順をさらに有することを特徴とする請求項8に記載のアセスメント支援プログラム。 - 前記質問・確認表出力手順によって出力された前記質問・確認項目に対して前記アセスメントデータ用知識データベースに登録されたアセスメント結果を、前記アセスメントデータ用知識データベースに設定されたグループおよびその中の重要度に基づいて、類似の質問・確認項目に対して分配してアセスメント結果を出力するアセスメント結果出力手順をさらにコンピュータに実行させるための請求項8または9に記載のアセスメント支援プログラム。
- 前記質問・確認表出力手順によって出力される質問・確認項目の表を、所定の分類によって分類して出力する質問・確認項目分類手順をさらにコンピュータに実行させるための請求項8〜10のいずれか1つに記載のアセスメント支援プログラム。
- 前記アセスメントデータ用知識データベースに登録されたアセスメント結果のうち、前記アセスメントの実施に対して未入力または不十分な入力の質問・確認項目を抽出して出力する進捗管理手順をさらにコンピュータに実行させるための請求項8〜11のいずれか1つに記載のアセスメント支援プログラム。
- 前記アセスメントデータ用知識データベースに登録されたアセスメント結果を、このアセスメント結果に含まれるアセスメント対象の長所と短所に基づいて分類して出力する結果分類手順をさらにコンピュータに実行させるための請求項8〜10のいずれか1つに記載のアセスメント支援プログラム。
- 前記結果分類手順は、前記アセスメントデータ用知識データベースに登録され、過去に実施されたアセスメント結果から、前記アセスメント結果と類似するアセスメント結果を出力する手順をさらに有することを特徴とする請求項13に記載のアセスメント支援プログラム。
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