JP2004170910A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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英徳 河田
Yoshifumi Tsunekawa
吉文 恒川
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Abstract

【課題】 電気光学装置において、薄膜トランジスタの半導体層に対する遮光性能を高めることで、フリッカ等のない高品質な画像を表示する。
【解決手段】 基板上にデータ線(6a)、走査線(3a)、画素電極(9a)及びTFT(30)が積層構造の一部をなして備えられている。この基板上には更に、TFT及び画素電極に電気的に接続された蓄積容量(70)と、データ線及び画素電極間に配置されたシールド層(400)と、前記積層構造の一部をなして備えられている。このうちTFTの側方には溝(12cv)が形成され且つ該溝内部には前記走査線が埋められるようにして形成されることで、半導体層(1a)に対する側方からの光入射を抑制する。また、TFT下に設けられる下側遮光膜(11a)は、チタン等からなるメタル層(M1)及びバリア層(B1)という二層構造を有することで、メタル層の酸化を防止し、該下側遮光膜の遮光性能を維持する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、アクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置の技術分野に属し、特に画素スイッチング用の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下、適宜「TFT」という。)を、基板上の積層構造中に備えた形式の電気光学装置及びその製造方法、並びにこれをライトバルブとして備えた電子機器の技術分野に属する。また、本発明は電子ペーパ等の電気泳動装置、EL(エレクトロルミネッセンス)や電子放出素子を用いた装置(Field Emission Display 及び Surface-Conduction Electron-Emitter Display)の技術分野にも属する。
TFTアクティブマトリクス駆動形式の電気光学装置では、各画素に設けられた画素スイッチング用のTFTのチャネル領域に入射光が照射されると、光による励起で光リーク電流が発生してTFTの特性が変化する。特に、プロジェクタのライトバルブ用の電気光学装置の場合には、入射光の強度が高いため、TFTのチャネル領域やその周辺領域に対する入射光の遮光を行うことは重要となる。
そこで従来は、対向基板に設けられた各画素の開口領域を規定する遮光膜により、あるいはTFTアレイ基板上においてTFTの上を通過するとともにAl(アルミニウム)等の金属膜からなるデータ線により、かかるチャネル領域やその周辺領域を遮光するように構成されている。さらに、TFTアレイ基板上のTFTの下側に対向する位置にも、例えば高融点金属からなる遮光膜を設けることがある。
このようにTFTの下側にも遮光膜を設ければ、TFTアレイ基板側からの裏面反射光や、複数の電気光学装置をプリズム等を介して組み合わせて一つの光学系を構成する場合に他の電気光学装置からプリズム等を突き抜けてくる投射光等の戻り光が、当該電気光学装置のTFTに入射するのを未然に防ぐことができる。例えば、特許文献1を参照。
特開2002−156652号公報
しかしながら、上述した各種遮光技術によれば、以下の問題点がある。すなわち、まず対向基板上やTFTアレイ基板上に遮光膜を形成する技術によれば、遮光膜とチャネル領域との間は、3次元的に見て例えば液晶層、電極、層間絶縁膜等を介してかなり離間しており、両者間へ斜めに入射する光に対する遮光が十分ではない。特に、プロジェクタのライトバルブとして用いられる小型の電気光学装置においては、入射光は光源からの光をレンズで絞った光束であり、斜めに入射する成分を無視し得ない程度、例えば、基板に垂直な方向から10度から15度程度傾いた成分を10%程度含んでいるので、このような斜めの入射光に対する遮光が十分でないことは実践上問題となる。
加えて、遮光膜のない領域から電気光学装置内に進入した光が、基板の上面又は基板の上面に形成された遮光膜の上面やデータ線の下面、すなわち、チャネル領域に面する側の内面で反射された後に、かかる反射光、あるいはこれが更に基板の上面あるいは遮光膜やデータ線の内面で反射された多重反射光が、最終的にTFTのチャネル領域に到達してしまう場合もある。
特に、近年の表示画像の高品位化という一般的要請に沿うべく電気光学装置の高精細化あるいは画素ピッチの微細化を図るにつれて、更に明るい画像を表示すべく入射光の光強度を高めるにつれて、上述した従来の各種遮光技術によれば、十分な遮光を施すのがより困難となり、TFTのトランジスタ特性の変化により、フリッカ等が生じて、表示画像の品位が低下してしまうという問題点がある。
なお、このような耐光性を高めるためには、遮光膜の形成領域を広げればよいようにも思われるが、遮光膜の形成領域を広げてしまったのでは、表示画像の明るさを向上させるべく各画素の開口率を高めることが根本的に要請されるところ、その実現が困難になるという問題点が生じる。更に、上述の如く、遮光膜、すなわち、TFTの下側の遮光膜やデータ線等からなるTFTの上側の遮光膜等の存在により、斜め光に起因した内面反射光や多重反射光が発生することに鑑みれば、むやみに遮光膜の形成領域を広げたのでは、このような内面反射光や多重反射光の増大を招くという解決困難な問題点もある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、薄膜トランジスタの半導体層に対する遮光性能を高めることで、光リーク電流の発生を抑制し、もってフリッカ等のない高品質な画像を表示することの可能な電気光学装置を提供することを課題とする。また、本発明はそのような電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することをも課題とする。
本発明の電気光学装置は、上記課題を解決するために、基板上に、第1方向に延在するデータ線及び該データ線に交差する第2方向に延在する走査線、並びに、前記データ線及び前記走査線の交差領域に対応するように配置された画素電極及び薄膜トランジスタが積層構造の一部をなして備えられた電気光学装置であって、前記基板上には更に、前記薄膜トランジスタ及び前記画素電極に電気的に接続された蓄積容量と、前記データ線及び前記画素電極間に配置されたシールド層とが、前記積層構造の一部をなして備えられてなり、前記薄膜トランジスタは、長手方向に延びるチャネル領域と該チャネル領域から更に長手方向に延びるチャネル隣接領域とを含む半導体層を有しており、前記走査線は、前記チャネル領域の脇に遮光部を有する。
本発明の電気光学装置によれば、遮光部により、基板面に対して斜めに進行する入射光及び戻り光、並びにこれらに基づく内面反射光及び多重反射光などの斜めの光が、チャネル領域に入射するのを、少なくとも部分的に阻止できる。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記走査線は、前記長手方向に交わる方向に延びるとともに平面的に見て前記チャネル領域に重なる前記薄膜トランジスタのゲート電極を含む本体部と、平面的に見て前記チャネル領域の脇において前記本体部から前記長手方向に突出し、前記遮光部を成す水平的突出部とを有するとよい。
この電気光学装置によれば、走査線は、平面的にみて薄膜トランジスタのゲート電極を含む本体部から、チャネル領域の脇において、チャネル領域に沿って突出する水平的突出部を有する。したがって、基板面に対して斜めに進行する入射光及び戻り光、並びにこれらに基づく内面反射光及び多重反射光などの斜めの光が、チャネル領域及びチャネル隣接領域に入射するのを、走査線のうちゲート電極を含む本体部だけでなく、特に水平的突出部による光吸収あるいは光反射により、少なくとも部分的に阻止できる。この際特に、チャネル隣接領域からの層間距離が非常に小さい位置(すなわち、一般にゲート絶縁膜の厚みだけ離れた層間位置)に配置される水平的突出部により遮光を行うことで、非常に効果的に当該遮光を行える。
例えば、基板上において、薄膜トランジスタの下側に下側遮光膜を設けた場合には、比較的層間距離の小さい下側遮光膜と遮光膜として機能する走査線の水平的突出部や本体部との間に、チャネル隣接領域やチャネル領域を挟持する構成が得られるため、斜めの光に対して非常に高い遮光性能が得られる。
この結果、本態様によれば、耐光性を高めることが可能となり、強力な入射光や戻り光が入射するような過酷な条件下にあっても光リーク電流の低減された薄膜トランジスタにより画素電極を良好にスイッチング制御でき、最終的には、明るく光コントラストの画像を表示可能となる。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記本体部と前記水平的突出部とは、同一膜から一体的になるようにするとよい。
この態様によれば、当該電気光学装置を製造する際に、遮光用の突出部は、本体部と共に走査線を形成する工程で形成できるため、当該突出部を形成するために追加的な工程は不要である。従って、基板上における積層構造及び製造プロセスの簡略化を図れるようにするとよい。
また、水平的突出部を備える態様では更に、前記水平的突出部は、平面的に見て前記チャネル領域毎に、そのソース側及びドレイン側の脇において突出している。
この態様によれば、これらの突出部により、3次元的に各種の方向から入射する斜めの光に対する遮光性能を向上できる。さらに、ソース側及びドレイン側の両脇に設け、薄膜トランジスタ毎に、そのソース側及びドレイン側並びにそれらの両脇に合計4つの突出部が設けるようにしてもよい。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記薄膜トランジスタは、長手方向に延びるチャネル領域を含む半導体層を有しており、前記薄膜トランジスタの前記チャネル領域を上側から少なくとも覆う上側遮光膜を備えており、前記上側遮光膜は少なくとも部分的に、前記チャネル領域の長手方向に直交する断面上で前記チャネル領域側から見て凹状に形成されている。
この態様によれば、チャネル領域を上側から少なくとも覆う上側遮光膜を備えており、前記上側遮光膜は少なくとも部分的に、前記チャネル領域の長手方向に直交する断面上で前記チャネル領域側から見て凹状に形成されている。すなわち、下側が凹状に形成されている。このため、上側遮光膜が平坦である場合と比較して、基板面に対して斜めに進行する入射光並びに入射光及び戻り光に基づく内面反射光及び多重反射光などの斜めの光が、最終的に斜め上側からチャネル領域に入射するのを、当該上側遮光膜によって、より効果的に阻止できる。
例えば、基板上において、薄膜トランジスタの下側に下側遮光膜を設けた場合には、下側遮光膜と上側遮光膜との間に、チャネル領域を挟持する構成が得られるため、斜めに光に対して非常に高い遮光性能が得られる。この際、下側遮光膜は少なくとも部分的に、上述した上側遮光膜の凹凸とは上下反対に、チャネル領域の長手方向に直交する断面上でチャネル領域側からみて凹状に形成されていてもよい。
この結果、本態様によれば、耐光性を高めることが可能となり、強力な入射光や戻り光が入射するような過酷な条件下にあっても光リーク電流の低減された薄膜トランジスタにより画素電極を良好にスイッチング制御でき、最終的には、明るく光コントラストの画像を表示可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記薄膜トランジスタは、前記第1方向に延びるチャネル領域を含む半導体層を有しており、前記走査線は、前記チャネル領域にゲート絶縁膜を介して対向配置された前記薄膜トランジスタのゲート電極を含むとともに平面的に見て前記第1方向と交差する第2方向に延びる本線部を有し、平面的に見て前記チャネル領域から前記第2方向に所定距離だけ外れた箇所における前記本線部から前記半導体層を包囲するように延設された包囲部を有する。
この態様によれば、走査線は、平面的に見てチャネル領域から第2方向に所定距離だけ外れた箇所における本線部から半導体層を包囲するように延設された包囲部を有する。したがって、基板面に対して進行する入射光及び戻り光、並びにこれらに基づく内面反射光及び多重反射光などの斜めの光が、チャネル領域及びチャネル隣接領域に入射するのを、走査線のうちゲート電極を含む本体部だけでなく、特に包囲部による光吸収あるいは光反射により、少なくとも部分的に阻止できる。この際特に、チャネル領域やチャネル隣接領域からの層間距離が非常に小さい位置、すなわち、一般にゲート絶縁膜の厚みだけ離れた層間位置に配置される包囲部により遮光を行うことで、且つ包囲部によりいずれの方向に傾斜した光に対しても遮光を行うことで、非常に効果的に当該遮光を行える。
この結果、本態様によれば、耐光性を高めることが可能となり、強力な入射光や戻り光が入射するような過酷な条件化にあっても光リーク電流の低減された薄膜トランジスタにより画素電極を良好にスイッチング制御でき、最終的には本発明により、明るく光コントラストの画像を表示可能となる。
なお、このような技術的効果に鑑み、本発明において「平面的にみて半導体層を包囲する」とは、平面的に見て半導体層の周囲に途切れなく延びるように包囲部を形成する意味の他、平面的にみて半導体層の周囲においてチャネル領域の下側周囲に若干の途切れをもって包囲部を形成するとか、若しくは断続的に包囲部を形成するという場合を含むほか、島状に点在する包囲部を形成する場合等をも含む広い概念である。
この態様では特に、前記走査線は、前記チャネル領域から前記第2方向に所定距離だけ外れた個所における前記本線部から、前記基板の垂直方向に突出した垂直的突出部を更に有するようにするとよい。
この態様によれば、本線部は、基板の垂直方向に突出した垂直的突出部を含むので、チャネル領域を、垂直的突出部を含む本線部により立体的に覆うことが可能となり、遮光性能を一層高められる。特に走査線がチャネル領域の上側に位置する所謂トップゲート型の場合には、垂直的突出部を含む本線部によりチャネル領域を上側から立体的に覆う構成が得られる。尚、包囲部に係る所定距離と、垂直的突出部に所定距離とは、同じでもよいし、異なってもよい。
前記の包囲部を備える態様では特に、前記走査線は、前記包囲部から、前記基板の垂直方向に突出した垂直的突出部を更に有するようにするとよい。
この態様によれば、本線部の垂直的突出部及び包囲部の垂直的突出部により、チャネル領域を立体的に覆うことが可能となり、遮光性能を一層高められる。特に走査線がチャネル領域の上側に位置する所謂トップゲート型の場合には、垂直的突出部を夫々含む本線部及び包囲部によりチャネル領域を上側から立体的に覆う構成が得られる。尚、これらの垂直的突出部は、連続的に突出していてもよいし、別々に突出していてもよい。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記薄膜トランジスタは、前記第1方向に延びるチャネル領域を含む半導体層を有しており、前記走査線は、前記チャネル領域にゲート絶縁膜を介して対向配置された前記薄膜トランジスタのゲート電極を含むとともに平面的に見て前記第1方向と交差する第2方向に延びる本線部を有し、平面的に見て前記チャネル領域から前記第2方向に所定距離だけ外れた箇所における前記本線部から下方に突出した垂直的突出部を有する。
この態様によれば、走査線は、平面的に見て前記チャネル領域から前記第2方向に所定距離だけ外れた箇所における前記本線部から下方に突出した垂直的突出部を有する。したがって、基板面に対して進行する入射光及び戻り光、並びにこれらに基づく内面反射光及び多重反射光などの斜めの光が、チャネル領域及びチャネル隣接領域に入射するのを、走査線のうちゲート電極を含む本体部だけでなく、特に突出部により、当該チャネル領域やチャネル隣接領域に近接した位置において本線部及び突出部により、当該チャネル領域及びチャネル隣接領域を立体的に遮光するので、非常に効果的に当該遮光を行える。
この結果、本態様によれば、耐光性を高めることが可能となり、強力な入射光や戻り光が入射ウするような過酷な条件下にあっても光リーク電流の低減された薄膜トランジスタにより画素電極を良好にスイッチング制御でき、最終的には本発明により、明るく光コントラストの画像を表示可能となる。
上述の垂直的突出部を含む態様では特に、前記基板上に、少なくとも前記チャネル領域を下側から覆う下側遮光膜を更に備えており、前記垂直的突出部は、その先端側において前記下側遮光膜に接触しているようにするとよい。
このような構成によれば、比較的層間距離の小さい下側遮光膜と遮光膜として機能する走査線の包囲部や本体部との間に、チャネル隣接領域やチャネル領域を挟持する構成が得られる。しかも、チャネル隣接領域やチャネル領域が存在する、下側遮光膜と走査線の包囲部及び本体部との間の空間は、突出部により少なくとも部分的に閉じられた空間とされている。このため、いずれかの方向に傾斜する斜めの光に対して非常に高い遮光性能が得られる。
また、本態様によれば、例えば、薄膜トランジスタのゲート電極と走査線とを同一層に形成するのではなく、ゲート電極と走査線とを別々の層として形成するとともに、このうちの走査線として、本態様の下側遮光膜を利用することが可能である。すなわち、この場合、下側遮光膜は、走査線としての機能も兼ね備えるということになる。さらには、ゲート電極と走査線とが同一層に形成されつつも、下側遮光膜に走査線としての機能をもたせるような形態としてもよい。この場合、ある一つの薄膜トランジスタにつき二本の走査線が並列して設けられていることになり、該走査線について、冗長構造がとられることになる。これにより、一方の走査線に断線等の何らかの障害があったとしても、他方の走査線を使用することが可能であるから、より信頼性が高くなるという利点が得られる。
なお、以上のように下側遮光膜が走査線の機能をも兼ね備える場合においては、マトリクス状に配列された薄膜トランジスタの各行に対応するように、該下側遮光膜はストライプ状に形成されている必要がある。
あるいは、前記基板上に、少なくとも前記チャネル領域を下側から覆う下側遮光膜を更に備えており、前記垂直的突出部は、前記下側遮光膜に接触していないようにするとよい。
このような構成によれば、比較的層間距離の小さい下側遮光膜と遮光膜として機能する走査線の包囲部や本体部との間に、チャネル隣接領域やチャネル領域を挟持する構成が得られる。しかも、チャネル隣接領域やチャネル領域が存在する、下側遮光膜と走査線の包囲部及び本体部との間の空間は、突出部により部分的に閉じられた空間とされている。このため、いずれかの方向に傾斜する斜めの光に対して非常に高い遮光性能が得られる。
尚、このように下側遮光膜と走査線とを接触させない構成を採用する場合には、下側遮光膜の導電性によらずに、下側遮光膜の電位変動による悪影響、例えば、薄膜トランジスタに対する悪影響を未然防止できる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記薄膜トランジスタは、前記第1方向に延びるチャネル領域を含む半導体層を有しており、前記走査線は、前記チャネル領域にゲート絶縁膜を介して対向配置された前記薄膜トランジスタのゲート電極を含むと共に平面的に見て前記第1方向と交差する第2方向に延びる本線部を有し、該本線部は、前記基板上に掘られた溝内に配置されると共に前記チャネル領域を側方から少なくとも部分的に覆う溝内部分を含んでなる。
この態様によれば、走査線は、平面的に見て第2方向に延びる本線部を有する。ここで特に、この本線部のうち溝内に配置された溝内部分が、チャネル領域を側方から少なくとも部分的に覆う。従って、基板面に対して斜めに進行する入射光及び特に裏面に対して斜めに進行する戻り光、並びにこれらに基づく内面反射光及び多重反射光などの斜めの光が、チャネル領域及びチャネル隣接領域に入射するのを、この溝内部分による光吸収或いは光反射により、少なくとも部分的に阻止できる。このように耐光性を高めることにより、強力な入射光や戻り光が入射するような過酷な条件下にあっても光リーク電流の低減された薄膜トランジスタにより画素電極を良好にスイッチング制御でき、明るく高コントラストの画像を表示可能となる。
加えて、この走査線の本線部が、溝内部分を含んでなるので、第2方向に垂直な断面における溝内部分の断面積及び溝外に位置する溝外部分の断面積を増加させることにより、走査線の配線抵抗を低めることも可能となる。このように走査線の配線抵抗を低めれば、走査信号の信号遅延によるクロストーク、フリッカ等の発生を低減でき、最終的には、電気光学装置の高精細化或いは画素ピッチの微細化を図りつつ高品位の画像を表示可能となる。以上の結果、本発明により、明るく高品位の画像表示が可能となる。
なお、本発明では、このように走査線の本線部が少なくとも部分的に配置される溝は、基板に直接掘ってもよいし、基板上に積層された下地絶縁膜に掘ってもよい。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記薄膜トランジスタは、前記第1方向に延びるチャネル領域を含む半導体層を有しており、前記走査線は、前記チャネル領域にゲート絶縁膜を介して対向配置された前記薄膜トランジスタのゲート電極を含むと共に平面的に見て前記第1方向と交差する第2方向に延びる本線部を有し、該本線部は、前記第2方向に延びると共に前記基板上に掘られた溝内に配置された溝内部分及び前記第2方向に延びると共に前記溝外に配置された溝外部分を含んでなる。
この態様によれば、走査線は、平面的に見て第2方向に延びる本線部を有する。ここで特に、この本線部が、第2方向に夫々延びる溝内部分及び溝外部分を含んでなるので、第2方向に垂直な断面における溝内部分及び溝外部分の合計断面積に応じて走査線の配線抵抗を低められる。例えば、液晶の配向不良等の電気光学物質の動作不良との関係から、液晶等の電気光学物質の層厚を規定する基板表面において許容される段差に一定限界があることに鑑みれば、平坦面上に成膜される伝統的な走査線や、溝内に完全に埋め込まれる走査線と比較して、基板上の積層構造における合計膜厚に対して走査線の断面積を増加させることが可能な本発明の如き構造は、実用上大変有利である。
このように走査線の配線抵抗を低めることにより、走査信号の信号遅延によるクロストーク、フリッカ等の発生を低減でき、最終的には、電気光学装置の高精細化或いは画素ピッチの微細化を図りつつ高品位の画像を表示可能となる。
なお、本発明では、このように走査線の本線部が部分的に配置される溝は、基板に直接掘ってもよいし、基板上に積層された下地絶縁膜に掘ってもよい。
以上述べたように、走査線に特別な要素(例えば、水平的突出部、包囲部等)を備えることで、半導体層に対する遮光を行いえる態様では特に、前記走査線は、金属又は合金を含む遮光膜からなるようにするとよい。
この態様によれば、走査線は、金属又は合金を含む遮光膜からなり、より具体的には、例えばTi(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pb(鉛)等の高融点金属のうち少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。従って、このような遮光膜からなる走査線の本体部及び突出部により、斜めの光に対するチャネル領域やチャネル隣接領域における遮光性能をより向上できる。
但し、走査線を、このような遮光膜ではなく、ポリシリコン膜等から形成しても、その光吸収特性に応じた遮光性能が得られる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記蓄積容量を構成する一対の電極の一方は、前記第2方向に沿うように形成された容量線の一部を構成するとともに、該容量線は、低抵抗膜を含む多層膜からなる。
この態様によれば、まず、蓄積容量を構成する一対の電極の一方(以下、簡単のため「一方電極」ということがある。)が、第2方向、すなわち走査線の形成方向に沿うように形成された容量線の一部を構成する。これにより、例えば、前記一方電極を固定電位とするためには、画素ごとに設けられ得る蓄積容量の一方電極それぞれに対して、これらを固定電位とするための導電材等を個別的に設ける必要などはなく、容量線ごとに固定電位源に接続するなどという態様を採用すればよい。したがって、本態様によれば、製造工程の簡略化、あるいは製造コストの低廉化等を図ることができる。
また、本態様では特に、容量線が低抵抗膜を含む多層膜からなる。このような構成によれば、容量線の高機能化、例えば、該容量線がもつ固定電位側容量電極としての機能に加えて、他の機能を併せ持たせること等を実現することができる。特に、本発明における当該多層膜には、低抵抗膜、すなわち例えば、アルミニウム、銅、クロム等の金属単体、又はこれらを含む材料等、従来のポリシリコンやWSiに比べてその電気抵抗が低い材料が含まれるから、高い電気伝導度を達成することが可能となる。そして、この高い電気伝導度の達成により、本態様では、容量線の狭小化、すなわち蓄積容量の狭小化を、特別な制約を伴うことなく実現することができる。したがって、本態様は、開口率の向上を図る上でも大きく資することになる。言い換えると、従来において、容量線を狭小化すると生じていた高抵抗化に起因するクロストークの発生や焼き付き等の発生を防止することが可能となる。
また、本態様における容量線は上述の低抵抗膜を含む多層膜からなるから、該低抵抗膜に加え、薄膜トランジスタに対する光入射を防止しうる光遮蔽機能を実現するための他の材料からなる膜を、該容量線の構成要素として併せもたせることが可能となる。
さらに、本発明のように容量線を多層膜から構成すると、蓄積容量としての機能を安定化させることが可能となる。すなわち例えば、上で例示した低抵抗化という目的のみを達成するのであれば、そのような材料一層のみで容量線を構成すればよいのであるが、それでは蓄積容量として本来有すべきコンデンサとしての機能を十分に果たしえない場合があるのである。しかるに、本発明においては、上述のように、2層以上の膜から容量線が構成されることにより、その一の層において何らかの特別な機能をもたせる材料を用いたとしても、他の層において蓄積容量としての機能を果たすべき材料を補償的に用いることができるから、上述のような問題が発生しない。
なお、本発明においては、容量線において上述のような多機能化が図れるため、電気光学装置の設計の自由度もまた向上することになる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記容量線は、その上層に前記低抵抗膜を有するとともに、その下層に光吸収性の材料からなる膜を有する。
この態様によれば、容量線において、以下に述べるような多機能化が図られることになる。まず、容量線の上層は、前記低抵抗膜を有することとなるから、例えば、該上層側から光が入射する場合を想定すると、該光は当該低抵抗膜の表面で反射されることになり、これが薄膜トランジスタに直接に至ろうとするのを未然に防止することが可能となる。これは、当該材料が一般に高い光反射率を有することに基づく。
他方、容量線の下層は、例えばポリシリコン等の光吸収性の材料からなるから、例えば、電気光学装置内部に入射した後、前記低抵抗膜の表面、あるいは前記データ線の下面等で反射するなどの結果発生する、いわゆる迷光が、薄膜トランジスタに至ろうとするのを未然に防止することが可能となる。すなわち、そのような迷光の全部又は一部は、容量線の下層で吸収されることになるから、該迷光が薄膜トランジスタに至る可能性を低減することが可能となるのである。
なお、本発明においては、容量線が「多層膜からなる」ことが前提であるから、例えば、本態様において、容量線の上層にアルミニウム、その下層にポリシリコンが存在するとしても、該アルミニウムの更に上層に別の材料からなる膜が存在し、若しくは、該ポリシリコンの更に下層に別の材料からなる膜が存在し、又は、該アルミニウム及び該ポリシリコンの間に別の材料からなる膜が存在するといった形態等であってもよいことは言うまでもない。また、場合により、上から順に、アルミニウム、ポリシリコン及びアルミニウム等といった構造であっても勿論よい。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記低抵抗膜はアルミニウムからなる。
この態様によれば、アルミニウムが非常に低抵抗な材料であることからして、上述したような作用効果がより確実に奏されることになる。ちなみに、アルミニウムの抵抗値は、上記したポリシリコンやWSiに比べて概ね1/100である。
また、容量線にアルミニウムを含む本構成によれば、次のような作用効果を得ることも可能となる。従来においては、容量線は、既に述べたようにポリシリコン単体やWSi等から構成されていたため、これらの材料に起因する撓みにより、該容量線上に形成する層間絶縁膜等には大きな応力が生じる結果となっていたが、本態様においては、そのような問題が生じないのである。すなわち、従来においては、前記応力の存在により、層間絶縁膜の厚さには一定の制約が伴い、これをあまりに薄くしすぎると、当該応力によって破損する場合があったのである。本態様では、そのような応力の存在を考えなくてよい結果、層間絶縁膜の厚さを、従来に比べて小さくすることが可能となり、したがって、電気光学装置全体の小型化を図ることができる。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記画素電極は、チタン単体、タングステン単体、チタン若しくはタングステンの化合物、又はこれらを積層したものを介して前記積層構造中の他の層と電気的に接続されている。
この態様によれば、画素電極及びこれに接続される積層構造中の他の層(例えば、蓄積容量を構成する一対の電極の少なくとも一方や、後述する中継層等を想定することができる。)との電気的接続を良好に行うことができる。というのも、該画素電極は、通常、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電性材料からなるから、仮に、これとアルミニウム等とを接触させると、いわゆる電蝕が生じてしまい、アルミニウムの断線、あるいはアルミナの形成による絶縁等のため、好ましい電気的接続が実現されない。しかるに、本態様においては、画素電極は、チタン単体、タングステン単体、チタン若しくはタングステンの化合物、又はこれらを積層したものを介して前記他の層と接続されているから、上述のような不具合が発生しないのである。
この態様では、前記画素電極の下地として配置された層間絶縁膜が、前記積層構造の一部を更になしており、該層間絶縁膜には、前記画素電極との電気的接続を図るためのコンタクトホールが形成されており、該コンタクトホールの少なくとも内表面には、前記チタン単体、タングステン単体、チタン若しくはタングステンの化合物、又はこれらを積層したものを含む膜が形成されているように構成するとよい。
このような構成によれば、まず、上述のような電蝕についての懸念のない、画素電極及び他の層間の電気的接続を図ることができる。また、これと同時に、本構成では、画素電極及び他の層間にはコンタクトホールが介在しているから、積層構造中における両者間のより適正な配置、あるいはレイアウトの自由度向上等を図ることができる。また、このことは同時に、積層構造中の各種構成の適正配置、より具体的には、遮光領域に各種構成を閉じ込めるような配置を行い、光透過領域を広げるという、上述の目指すところをよりよく実現できることをも意味するから、本発明の目的たる高開口率の実現・維持等に大きく貢献する。
更には、本構成では、コンタクトホールの少なくとも内表面に、前記チタン単体、タングステン単体、チタン若しくはタングステンの化合物、又はこれらを積層したものを含む膜が形成されていることから、該コンタクトホールを原因とする光抜け等を未然に防止することができる。すなわち、当該膜が、光を吸収又は反射等することによって、コンタクトホールの空洞部分を突き抜けてくる光の進行を遮ることが可能となるのである。これにより、画像上に光漏れ等を生じさせるおそれが殆どなくなる。また、同じ理由から、薄膜トランジスタ、ないしその半導体層の耐光性を高めることができる。これにより、該半導体層に光が入射した場合における光リーク電流の発生を抑止し、これに起因する画像上のフリッカ等の発生を未然に防止することが可能となる。以上により、本構成によれば、より品質の高い画像を表示することが可能となる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記データ線は、前記蓄積容量を構成する一対の電極の一方と同一膜として形成されている。
この態様によれば、前記データ線と前記蓄積容量を構成する一対の電極の一方とは、同一膜として、換言すれば、同一層に、あるいは製造工程段階で同時に形成されている。これにより、例えば、両者を別々の層に形成し且つ両者間を層間絶縁膜で隔てるという手段をとる必要がなく、積層構造の高層化を防止することが可能となる。この点、本発明においては、積層構造中にデータ線及び画素電極間に前記したシールド層が形成され、その分の高層化が予定されていることを鑑みると、非常に有益である。なぜなら、余りに多層化した積層構造では製造容易性や製造歩留まり率を害するからである。なお、本態様のように、データ線及び前記一対の電極のうちの一方を同時に形成したとしても、該膜に対して適当なパターニング処理を実施すれば、両者間の絶縁を図ることはでき、この点について特に問題となるようなことはない。
なお、本態様の記載から逆に明らかとなるように、本発明においては、データ線と蓄積容量を構成する一対の電極の少なくとも一方とを同一膜として形成する必要は必ずしもない。すなわち、両者を別々の層として形成してよい。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記蓄積容量を構成する一対の電極の少なくとも一方と前記画素電極を電気的に接続する中継層が前記積層構造の一部として更に備えられている。
この態様によれば、前記積層構造の一部をそれぞれ構成する、画素電極と蓄積容量の一対の電極の一方とは、同じく積層構造の一部を構成する中継層によって電気的に接続されることになる。具体的には、コンタクトホールの形成等によればよい。これにより、例えば、本態様に係る中継層を二層構造とするとともに、その上層は画素電極の材料として通常使用される透明導電性材料の一例たるITO(Indium Tin Oxide)と相性のよい材料で構成し、その下層は蓄積容量を構成する一対の電極の一方と相性のよい材料で構成する等の柔軟な構成を採ることが可能となり、画素電極に対する電圧の印加、あるいは該画素電極おける電位の保持をより好適に実現することができる。
また、このような「中継層」を設けることは、画素電極及び蓄積容量の配置の適正化を図る上で好ましい。すなわち、本態様によっても、可能な限り光透過領域を広げるべく、中継層及び蓄積容量の配置を工夫することが可能であるから、より高い開口率を達成することができる。
この態様では特に、前記中継層は、アルミニウム膜及び窒化膜からなるように構成するとよい。
このような構成によれば、例えば、画素電極がITOからなる場合において、これとアルミニウムとを直接に接触させると、両者間において電蝕が生じてしまい、アルミニウムの断線、あるいはアルミナの形成による絶縁等が発生するため、好ましくないことに鑑みるに、本態様では、ITOとアルミニウムとを直接に接触させるのではなく、ITOと窒化膜、例えば窒化チタン膜とを接触させることにより、画素電極及び中継層、ひいては蓄積容量との電気的接続を実現することができる。このように、本構成は、上述にいう「相性のよい材料」の一例を提供している。
また、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜等の窒化膜は、水分の浸入ないし拡散をせき止める作用に優れているから、薄膜トランジスタの半導体層に対する水分浸入を未然に防止することが可能となる。本態様では、中継層が窒化膜を含んでいることにより、上述の作用を得ることができ、これにより、薄膜トランジスタのスレッショルド電圧が上昇するという不具合の発生を極力防止することが可能となる。
このように、中継層を備える態様では特に、前記シールド層は、前記中継層と同一膜として形成されているように構成するとよい。
このような構成によれば、中継層と前記シールド層とが同一膜として形成されていることにより、両構成を同時に形成することが可能となり、その分の製造工程の簡略化、あるいは製造コストの低廉化等を図ることができる。
また、本態様に係る構成と、前述したデータ線及び蓄積容量を構成する一対の電極の一方を同一膜として形成する態様とを併せもつ態様では、データ線、蓄積容量、中継層及び画素電極の配置態様、とりわけ積層順序等が好適となり、上述の作用効果はより効果的に享受される。
さらに特に、本態様に係る構成と、上述の中継層が窒化膜を含む構成と併せもつ態様によれば、シールド層もまた、窒化膜を含むこととなる。したがって、前述したような薄膜トランジスタの半導体層に対する水分浸入作用を、基板の面についてより広範に得ることが可能となる。したがって、薄膜トランジスタの長期運用という作用効果を、より効果的に享受することが可能となる。
なお、本態様の記載から逆に明らかとなるように、本発明においては、シールド層と中継層とを同一膜として形成する必要は必ずしもない。すなわち、両者を別々の層として形成してよい。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記走査線、前記データ線、前記蓄積容量を構成する一対の電極及び前記シールド層の少なくとも一部は、遮光性材料からなり、前記少なくとも一部は、前記積層構造中にあって、内蔵遮光膜を構成している。
この態様によれば、基板上の積層構造を構成する各種要素が遮光性材料からなり、光透過領域を規定する遮光膜を形成している。これにより、基板上には、いわゆる「内蔵遮光膜」が備えられていることになり、薄膜トランジスタの半導体層に対する光入射によって、光リーク電流を発生させ、画像上にフリッカ等を生じさせるという事態を未然に回避することが可能となる。すなわち、薄膜トランジスタないしその半導体層に対する耐光性を向上させることができる。ちなみに、薄膜トランジスタを、基板上の最下層、あるいはそれに近い層に形成するならば、前記の走査線、データ線、蓄積容量及びシールド層は、いずれも該薄膜トランジスタの上側に形成されることになるから、これらからなる遮光膜は、「上側遮光膜」と呼ぶことが可能である。
なお、本態様にいう「遮光性材料」とは、例えばTi(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)等の高融点金属のうち少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。また、この「遮光性材料」には、アルミニウム(Al)も含まれてよい。
また、本態様においては特に、前記の各種要素のすべてが、「内蔵遮光膜」を構成してよいことは勿論であるが、好ましくは、互いに交差する方向に延在する二つの要素の少なくとも一組が、該「内蔵遮光膜」を構成するようにするとよい。例えば、前記走査線が延在する第2方向に沿うように容量線が形成されており、該容量線の一部が、前記蓄積容量を構成する一対の電極の一方であるというような場合においては、当該容量線及び前記データ線が遮光性材料からなり、これらが「内蔵遮光膜」を構成しているというような構成とすると好ましい。このような構成によれば、「内蔵遮光膜」の形状は格子状となり、前記の画素電極の配列態様として通常採られるマトリクス状配列に好適に対応させることが可能となるからである。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記遮光領域に配置された遮光膜を更に備えてなり、前記遮光膜は、高融点の金属単体又は金属化合物であるメタル層と、前記メタル層の少なくとも一方の面に積層された無酸素系の高融点の金属又は金属化合物でなるバリア層を備える。
この態様によれば、次のような作用効果が得られる。
すなわち、遮光膜は、上述のようなTi、Cr、W等を含む遮光性材料から構成され得るが、従来においては、その中でも比較的優れた遮光性を有するTiを使用して遮光膜を形成することが提案されている。しかしながら、Tiを使用して遮光膜を形成した後、該遮光膜上における絶縁膜形成処理や、薄膜トランジスタを形成する際のアニール処理といった、500度を越える高温処理工程などが行われると、該遮光膜と酸素元素を含むSiO2等の絶縁膜との間で化学反応が生じ、酸化膜が形成されることがある。そして、このような酸化膜が生成されると、Tiの遮光性能が低下するという不具合が生じてしまっていたのである。このため、比較的優れた遮光性を有するTiを用いても十分な遮光性能が得られない場合があった。
しかるに、本態様においては、遮光膜を形成した後に高温処理が行われても、酸素元素を含むSiO2等の絶縁膜と面する、遮光膜の無酸素系の高融点の金属又は金属化合物でなるバリア層により、遮光膜のメタル層の酸化現象の発生を抑制し、その結果、遮光膜の遮光性能を確保できる。
したがって、本態様によれば、たとえ遮光膜を幅狭に形成したとしても、その遮光性能の十分な発揮が期待できる。言い換えると、本態様では、薄膜トランジスタ、あるいはその半導体層に対する光入射を防止するため、遮光膜をむやみに幅広化するなどといった対策を採る必要がない。よって、本態様もまた、本発明の大きな目的である高開口率化を達成する上で大きな役割を果たし得る。
また、遮光膜の膜厚は、従来の単独のWSiを用いた遮光膜と比較して膜厚を薄くすることができる。このことにより、遮光膜が形成される領域と形成されない領域とで段差が大きくなるのを低減することができる。例えば、メタル層の厚さとしては30〜50nm程度、バリア層の厚さとしては10〜100nm程度とするとよい。
なお、本態様にいう「遮光膜」としては、前述したような、データ線、蓄積容量を構成する一対の電極の少なくとも一方、あるいはシールド層等による、積層構造中の「内蔵遮光膜」、あるいは基板上且つ薄膜トランジスタ下に形成される「下側遮光膜」、更には、場合によっては、積層構造が構築される基板に対向配置される対向基板上に形成される「遮光膜」のいずれもが該当し得る。
また、本態様にいう「無酸素系の高融点の金属又は金属化合物でなるバリア層」を構成する材料としては、具体的には例えば、窒素化合物、シリコン化合物、タングステン化合物、タングステン、シリコンのうちの一種からなるようにすると好ましく、更に具体的には、WSi(タングステンシリサイド)であると好ましい。他方、本態様にいう「高融点の金属単体又は金属化合物であるメタル層」を構成する材料としては、具体的には、チタンであることが好ましい。
この態様では特に、前記遮光膜のメタル層は、遮光性のメタル層と光吸収性のメタル層で構成され、前記光吸収性のメタル層は前記薄膜トランジスタ側に面している。
このような構成によれば、遮光性のメタル層で薄膜トランジスタに光が照射することを防止するとともに、薄膜トランジスタ側の光吸収性のメタル層で光を吸収し内部反射することを抑えることができる。
この遮光膜がメタル層及びバリア層を備える態様では更に、前記メタル層は、前記バリア層で挟まれている。
このような構成によれば、電気光学装置を製造するにあたり、高温の熱処理がされても、バリア層でメタル層が酸化するのを防止できるのでメタル層本来の遮光性を維持することができる。
この遮光膜がメタル層及びバリア層を備える態様では更に加えて、前記遮光膜は、固定電位とされている。
このような構成によれば、遮光膜は固定電位とされているので、薄膜トランジスタにノイズが乗ることを防止できる。
さて、本発明においては、上述のように各種態様を採ることが可能であるが、上述の本発明の各種態様においては、特許請求の範囲に記載された各請求項の引用形式に関わらず、一の態様と別の態様とを自由に組合せることが基本的に可能である。ただし、事柄の性質上、相容れない場合もありえる。例えば、画素電極との電気的接続を図るためのコンタクトホールの内表面にチタン等からなる膜が形成されている態様に対して、遮光膜がメタル層及びバリア層からなる態様を組合わせたりする等である。むろん三つ以上の態様を併せもつ電気光学装置を構成することも可能である。
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述の本発明の電気光学装置)を具備してなる。ただし、その各種態様を含む。
本発明の他の電気光学装置は、基板上に、第1方向に延在するデータ線及び該データ線に交差する第2方向に延在する走査線、並びに、前記データ線及び前記走査線の交差領域に対応するように配置された画素電極及び薄膜トランジスタが積層構造の一部をなして備えられた電気光学装置であって、前記基板上には更に、前記薄膜トランジスタ及び前記画素電極に電気的に接続された蓄積容量と、前記データ線及び前記画素電極間に配置された遮光膜とが、前記積層構造の一部をなして備えられてなり、前記薄膜トランジスタは、長手方向に延びるチャネル領域と該チャネル領域から更に長手方向に延びるチャネル隣接領域とを含む半導体層を有しており、前記走査線は、前記チャネル領域の脇に遮光部を有することを特徴とする。
本発明の他の電気光学装置によれば、データ線及び画素電極間に遮光膜が備えられていることにより、より遮光性能を高めることができる。
本発明の電子機器によれば、前述の本発明の電気光学装置を具備してなるので、薄膜トランジスタの半導体層に対する光入射は抑制され、光リーク電流に起因する画像上のフリッカ等が殆ど生じることのない高品質な画像を表示可能な、投射型表示装置、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
(第1実施形態)
第一に、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の画素部における構成について、図1から図4を参照して説明する。ここに図1は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。図2は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。なお、図3は、図2のうち要部、具体的には、データ線、シールド層及び画素電極間の配置関係を示すために、主にこれらのみを抜き出した平面図である。図4は、図2のA−A´断面図である。なお、図4においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
図1において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。この蓄積容量70は、走査線3aに並んで設けられ、固定電位側容量電極を含むとともに定電位に固定された容量電極300を含んでいる。
以下では、上記データ線6a、走査線3a、TFT30等による、上述のような回路動作が実現される電気光学装置の、実際の構成について、図2から図4を参照して説明する。
まず、図2において、画素電極9aは、TFTアレイ基板10上に、マトリクス状に複数設けられており(点線部9a´により輪郭が示されている)、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。データ線6aは、後述するようにアルミニウム膜等を含む積層構造からなり、走査線3aは、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる。また、走査線3aは、半導体層1aのうち図中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a´に対向するように配置されており、該走査線3aはゲート電極として機能する。すなわち、走査線3aとデータ線6aとの交差する箇所にはそれぞれ、チャネル領域1a´に走査線3aの本線部がゲート電極として対向配置された画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
次に、電気光学装置は、図2のA−A´線断面図たる図4に示すように、例えば、石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなるTFTアレイ基板10と、これに対向配置される、例えばガラス基板や石英基板からなる対向基板20とを備えている。
TFTアレイ基板10の側には、図4に示すように、前記の画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。他方、対向基板20の側には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。このうち対向電極21は、上述の画素電極9aと同様に、例えばITO膜等の透明導電性膜からなり、前記の配向膜16及び22は、例えば、ポリイミド膜等の透明な有機膜からなる。このように対向配置されたTFTアレイ基板10及び対向基板20間には、後述のシール材(図25及び図26参照)により囲まれた空間に液晶等の電気光学物質が封入され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16及び22により所定の配向状態をとる。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した電気光学物質からなる。シール材は、TFT基板10及び対向基板20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のスペーサが混入されている。
一方、TFTアレイ基板10上には、前記の画素電極9a及び配向膜16の他、これらを含む各種の構成が積層構造をなして備えられている。この積層構造は、図4に示すように、下から順に、下側遮光膜11aを含む第1層、TFT30及び走査線3a等を含む第2層、蓄積容量70及びデータ線6a等を含む第3層、シールド層400等を含む第4層、前記の画素電極9a及び配向膜16等を含む第5層(最上層)からなる。また、第1層及び第2層間には下地絶縁膜12が、第2層及び第3層間には第1層間絶縁膜41が、第3層及び第4層間には第2層間絶縁膜42が、第4層及び第5層間には第3層間絶縁膜43が、それぞれ設けられており、前述の各要素間が短絡することを防止している。また、これら各種の絶縁膜12、41、42及び43には、例えば、TFT30の半導体層1a中の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール等もまた設けられている。以下では、これらの各要素について、下から順に説明を行う。
まず、第1層には、下側遮光膜11aが設けられている。この下側遮光膜11aは、平面的にみて格子状にパターニングされており、これにより各画素の開口領域を規定する(図2参照)。下側遮光膜11aの走査線3aとデータ線6aが交差する領域では、画素電極9aの角を角取りするように突出した領域が形成されている。
そして、本実施形態においては特に、この下側遮光膜11aは、その下層にメタル層M1、その上層にメタル層M1の酸化を防ぐバリア層B1を備えた二層構造からなる。これにより、積層構造中、この下側遮光膜11aよりも上の構成要素を形成する際に高温処理工程(例えば、後述のTFT30を形成する際のアニール処理等)が行われるとしても、その上層にはバリア層B1が備えられているので、メタル層M1の酸化を未然に防止することが可能となる。なお、この下側遮光膜11aにおけるメタル層M1及びバリア層B1からなる二層構造等については、後に図17以降を参照しながら、改めて詳しく触れることとする。また、この下側遮光膜11aについては、その電位変動がTFT30に対して悪影響を及ぼすことを避けるために、画像表示領域からその周囲に延設して定電位源に接続するとよい。
次に、第2層として、TFT30及び走査線3aが設けられている。TFT30は、図4に示すように、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、その構成要素としては、上述したようにゲート電極として機能する走査線3a、例えばポリシリコン膜からなり走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a´、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aにおける低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備えている。
なお、TFT30は、好ましくは図4に示したようにLDD構造をもつが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わないオフセット構造をもってよいし、走査線3aの一部からなるゲート電極をマスクとして高濃度で不純物を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース領域及び高濃度ドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。また、本実施形態では、画素スイッチング用TFT30のゲート電極を、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1e間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。このようにデュアルゲート、あるいはトリプルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネルとソース及びドレイン領域との接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することができる。さらに、TFT30を構成する半導体層1aは非単結晶層でも単結晶層でも構わない。単結晶層の形成には、貼り合わせ法等の公知の方法を用いることができる。半導体層1aを単結晶層とすることで、特に周辺回路の高性能化を図ることができる。
以上説明した下側遮光膜11aの上、かつ、TFT30の下には、例えばシリコン酸化膜等からなる下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能のほか、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用のTFT30の特性変化を防止する機能を有する。
そして、本実施形態においては特に、この下地絶縁膜12には、平面的にみて半導体層1aの両脇に、後述するデータ線6aに沿って延びる半導体層1aのチャネル長と同じ幅もしくはチャネル長より長い溝(コンタクトホール状に形成された溝)12cvが掘られており、この溝12cvに対応して、その上方に積層される走査線3aは下側に凹状に形成された部分を含んでいる(図2では、複雑化を避けるため不図示とした。図5参照。)。また、この溝12cv全体を埋めるようにして、走査線3aが形成されていることにより、該走査線3aには、これと一体的に形成された水平的突出部3bが延設されるようになっている。これにより、TFT30の半導体層1aは、図2によく示されているように、平面的にみて側方から覆われるようになっており、少なくともこの部分からの光の入射が抑制されるようになっている。なお、水平的突出部3bは、半導体層1aの片側だけでもよい。なお、この溝12cv並びにこの上に積層される走査線3a及び水平的突出部3bについては、後に図5以降を参照しながら、改めて詳しく触れることとする。
さて、前述の第2層に続けて第3層には、蓄積容量70及びデータ線6aが設けられている。蓄積容量70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに電気的に接続された画素電位側容量電極としての第1中継層71と、固定電位側容量電極としての容量電極300とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。この蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性を顕著に高めることが可能となる。また、本実施形態に係る蓄積容量70は、図2の平面図を見るとわかるように、画素電極9aの形成領域にほぼ対応する光透過領域には至らないように形成され、換言すれば、遮光領域内に収まるように形成されている。すなわち、蓄積容量70は、隣接するデータ線6a間の走査線3aに重なる領域と、走査線3aとデータ線6aが交差する角部で下側遮光膜11が画素電極9aの角を角取りする領域に形成されている。これにより、電気光学装置全体の画素開口率は比較的大きく維持され、これにより、より明るい画像を表示することが可能となる。
より詳細には、第1中継層71は、例えば導電性のポリシリコン膜からなり画素電位側容量電極として機能する。ただし、第1中継層71は、金属又は合金を含む単一層膜又は多層膜から構成してもよい。多層膜の場合は、下層を光吸収性の導電性のポリシリコン膜、上層を光反射性の金属又は合金にするとよい。また、この第1中継層71は、画素電位側容量電極としての機能のほか、コンタクトホール83、85及び89を介して、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能をもつ。この第1中継層71は、図2に示すように、後述する容量電極300の平面形状と略同一の形状を有するように形成されている。
容量電極300は、蓄積容量70の固定電位側容量電極として機能する。第1実施形態において、容量電極300を固定電位とするためには、固定電位とされたシールド層400とコンタクトホール87を介して電気的接続が図られることによりなされている。
ただし、後述するように、容量電極300とデータ線6aとを別々の層として形成する形態では、好ましくは例えば、該容量電極300を、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設し定電位源と電気的に接続する等という手段をとることにより、該容量電極300を固定電位に維持するようにしてもよい。ちなみに、ここに述べた「定電位源」としては、データ線駆動回路101に供給される正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定電位源でも構わない。
そして、本実施形態では特に、この容量電極300と同一膜として、データ線6aが形成されている。ここに「同一膜」とは、同一層として、あるいは製造工程段階において同時に形成されていることを意味している。ただし、容量電極300及びデータ線6a間は平面形状的に連続して形成さているのではなく、両者間はパターニング上分断されている。
具体的には、図2に示すように、容量電極300は、走査線3aの形成領域に重なるように、すなわち図中X方向に沿って分断されつつ形成されており、データ線6aは、半導体層1aの長手方向に重なるように、すなわち図中Y方向に延在するように形成されている。より詳しくは、容量電極300は、走査線3aに沿って延びる本線部と、図2中、半導体層1aに隣接する領域において該半導体層1aに沿って図中上方に突出した突出部(図中略台形状のように見える部分)と、後述するコンタクトホール85に対応する個所が僅かに括れた括れ部とを備えている。このうち突出部は、蓄積容量70の形成領域の増大に貢献する。
他方、データ線6aは、図2中Y方向に沿って直線的に延びる本線部を有している。なお、半導体層1aの図2中上端にある高濃度ドレイン領域1eは、蓄積容量70の突出部の領域に重なるように、右方に90度直角に折り曲がるような形状を有しているが、これはデータ線6aを避けて、該半導体層1aと蓄積容量70との電気的接続を図るためである(図4参照)。
また、これら容量電極300及びデータ線6aは、図4に示すように、下層に導電性のポリシリコンからなる層、上層にアルミニウムからなる層の二層構造を有する膜として形成されている。このうちデータ線6aについては、後述する誘電体膜75の開口部を貫通するコンタクトホール81を介して、TFT30の半導体層1aと電気的に接続されることとなるが、該データ線6aが上述のような二層構造をとり、また前述の第1中継層71が導電性のポリシリコン膜からなることにより、該データ線6a及び半導体層1a間の電気的接続は、直接には、導電性のポリシリコン膜によって実現されることになる。すなわち、下から順に、第1中継層のポリシリコン膜、データ線6aの下層のポリシリコン膜及びその上層のアルミニウム膜ということになる。したがって、両者間の電気的接続を良好に保つことが可能となる。
また、容量電極300及びデータ線6aは、光反射性能に比較的優れたアルミニウムを含み、且つ、光吸収性能に比較的優れたポリシリコンを含むことから、遮光層として機能し得る。すなわち、これらによれば、TFT30の半導体層1aに対する入射光(図4参照)の進行を、その上側で遮ることが可能である。
誘電体膜75は、図4に示すように、例えば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。蓄積容量70を増大させる観点からは、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて、誘電体膜75は薄いほどよい。そして、本実施形態においては特に、この誘電体膜75は、図4に示すように、下層に酸化シリコン膜75a、上層に窒化シリコン膜75bというように二層構造を有し、TFTアレイ基板10の全面に渡って形成されている。なお、誘電体膜75の他の例として、下層の酸化シリコン膜75aは、TFTアレイ基板10の全面に渡って形成し、上層の窒化シリコン膜75bは、遮光領域(非開口領域)内で収まるようにパターンニングして、着色性のある窒化シリコン膜の存在により透過率が低くなることを防止するように構成してもよい。これにより、比較的誘電率の大きい窒化シリコン膜75bが存在することにより、蓄積容量70の容量値を増大させることが可能となる他、それにもかかわらず、酸化シリコン膜75aが存在することにより、蓄積容量70の耐圧性を低下せしめることがない。このように、誘電体膜75を二層構造とすることにより、相反する二つの作用効果を享受することが可能となる。また、窒化シリコン膜75bが存在することにより、TFT30に対する水の浸入を未然に防止することが可能となっている。これにより、本実施形態では、TFT30におけるスレッショルド電圧の上昇という事態を招来することがなく、比較的長期の装置運用が可能となる。なお、本実施形態では、誘電体膜75は、二層構造を有するものとなっているが、場合によっては、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜等というような三層構造や、あるいはそれ以上の積層構造を有するように構成してもよい。
また、本実施形態では、データ線6a及び容量電極300は、二層構造としたが、下層より、ポリシリコン膜、アルミニウム膜、窒化チタン膜の三層構造にし、窒化チタン膜をコンタクトホール87の開口時のバリアメタルとして形成しても良い。
以上説明したTFT30ないし走査線3aの上、かつ、蓄積容量70ないしデータ線6aの下には、例えば、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはNSGからなる第1層間絶縁膜41が形成されている。そして、この第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール81が開孔されている。また、第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ドレイン領域1eと蓄積容量70を構成する第1中継層71とを電気的に接続するコンタクトホール83が開孔されている。
なお、これら二つのコンタクトホールのうち、コンタクトホール81の形成部分では、前述の誘電体膜75が形成されないように、換言すれば、該誘電体膜75に開口部が形成されるようになっている。これは、該コンタクトホール81においては、第1中継層71を介して、高濃度ソース領域1b及びデータ線6a間の電気的導通を図る必要があるためである。ちなみに、このような開口部が誘電体膜75に設けられていれば、TFT30の半導体層1aに対する水素化処理を行うような場合において、該処理に用いる水素を、該開口部を通じて半導体層1aにまで容易に到達させることが可能となるという作用効果を得ることも可能となる。
また、本実施形態では、第1層間絶縁膜41に対しては、約1000℃の焼成を行うことにより、半導体層1aや走査線3aを構成するポリシリコン膜に注入したイオンの活性化を図ってもよい。
さて、前述の第3層に続けて第4層には、遮光性のシールド層400が形成されている。このシールド層400は、平面的にみると、図2及び図3に示すように、図2中X方向及びY方向それぞれに延在するように格子状に形成されている。該シールド層400のうち図2中Y方向に延在する部分については特に、データ線6aを覆うように、且つ、該データ線6aよりも幅広に形成されている。また、図2中X方向に延在する部分については、後述の第2中継層402を形成する領域を確保するために、各画素電極9aの一辺の中央付近に切り欠き部を有している。
さらには、図2中XY方向それぞれに延在するシールド層400の交差部分の角部においては、前述の容量電極300の略台形状の突出部に対応するように、略三角形状の部分が設けられている。シールド層400は、下側遮光膜11aと同じ幅でもよいし、下側遮光膜11aより幅が広くても、あるいは幅が狭くてもよい。
このシールド層400は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されることで、固定電位とされている。なお、ここに述べた「定電位源」としては、データ線駆動回路101に供給される正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定電位源でも構わない。
このように、データ線6aの全体を覆うように形成されているとともに(図3参照)、固定電位とされたシールド層400の存在によれば、該データ線6a及び画素電極9a間に生じる容量カップリングの影響を排除することが可能となる。すなわち、データ線6aへの通電に応じて、画素電極9aの電位が変動するという事態を未然に回避することが可能となり、画像上に該データ線6aに沿った表示ムラ等を発生させる可能性を低減することができる。本実施形態においてはまた、シールド層400は格子状に形成されているから、走査線3aが延在する部分についても無用な容量カップリングが生じないように、これを抑制することが可能となっている。また、シールド層400における上述の三角形状の部分は、容量電極300と画素電極9aとの間に生じる容量カップリングの影響を排除することが可能であり、これによっても、上述と略同様な作用効果が得られることになる。
また、第4層には、このようなシールド層400と同一膜として、本発明にいう「中継層」の一例たる第2中継層402が形成されている。この第2中継層402は、後述のコンタクトホール89を介して、蓄積容量70を構成する第1中継層71及び画素電極9a間の電気的接続を中継する機能を有する。なお、これらシールド層400及び第2中継層402間は、前述の容量電極300及びデータ線6aと同様に、平面形状的に連続して形成されているのではなく、両者間はパターニング上分断されるように形成されている。
他方、上述のシールド層400及び第2中継層402は、下層にアルミニウムからなる層、上層に窒化チタンからなる層の二層構造を有している。これにより、第2中継層402において、下層のアルミニウムからなる層は、蓄積容量70を構成する第1中継層71と接続され、上層の窒化チタンからなる層は、ITO等からなる画素電極9aと接続されるようになっている。この場合、とりわけ後者については良好なコンタクトを得ることができる。この点、仮に、アルミニウムとITOとを直接に接続してしまう形態をとると、両者間において電蝕が生じてしまい、アルミニウムの断線、あるいはアルミナの形成による絶縁等のため、好ましい電気的接続が実現されないこととは対照的である。また、窒化チタンは、コンタクトホール89の開口時の突きぬけ防止のためのバリアメタルとして機能する。このように、本実施形態では、第2中継層402と画素電極9aとの電気的接続を良好に実現することができることにより、該画素電極9aに対する電圧印加、あるいは該画素電極9aにおける電位保持特性を良好に維持することが可能となる。
さらには、シールド層400及び第2中継層402は、光反射性能に比較的優れたアルミニウムを含み、且つ、光吸収性能に比較的優れた窒化チタンを含むことから、遮光層として機能し得る。すなわち、これらによれば、TFT30の半導体層1aに対する入射光(図2参照)の進行を、その上側でさえぎることが可能である。なお、このようなことについては、既に述べたように、上述の容量電極300及びデータ線6aについても同様にいえる。本実施形態においては、これらシールド層400、第2中継層402、容量電極300及びデータ線6aが、TFTアレイ基板10上に構築される積層構造の一部をなしつつ、TFT30に対する上側からの光入射を遮る上側遮光膜(あるいは、「積層構造の一部」を構成しているという点に着目すれば「内蔵遮光膜」)として機能しうる。なお、この「上側遮光膜」ないし「内蔵遮光膜」なる概念によれば、上述の構成のほか、走査線3aや第1中継層71等もまた、それに含まれるものとして考えることができる。要は、最も広義に解する前提の下、TFTアレイ基板10上に構築される不透明な材料からなる構成であれば、「上側遮光膜」ないし「内蔵遮光膜」と呼びうる。
以上説明した前述のデータ線6aの上、かつ、シールド層400の下には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはNSGからなる第2層間絶縁膜42が形成されている。この第2層間絶縁膜42には、前記のシールド層400と容量電極300とを電気的に接続するためのコンタクトホール87、及び、第2中継層402と第1中継層71とを電気的に接続するためのコンタクトホール85がそれぞれ開孔されている。なお、第1実施形態においては、前記の第2中継層402が形成されていることにより、画素電極9a及びTFT30間の電気的接続は、三つのコンタクトホール83、85及び89を介して、すなわち、三つの層間絶縁膜41、42及び43を介して行われるようになっている。このように、比較的短小なコンタクトホールを連結して、画素電極9a及びTFT30間の電気的接続を図るようにすれば、比較的長大なコンタクトホールによりそれを実現するよりも、該短小なコンタクトホールの製造容易性により、より低コストに、且つ、より信頼性高く電気光学装置の製造を行うことができるという利点が得られる。
なお、第2層間絶縁膜42に対しては、第1層間絶縁膜41に関して前述したような焼成を行わないことにより、容量電極300の界面付近に生じるストレスの緩和を図るようにしてもよい。
最後に、第5層には、上述したように画素電極9aがマトリクス状に形成され、該画素電極9a上に配向膜16が形成されている。この画素電極9aは、角部がカットされた形状でもよい。そして、この画素電極9a下には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはBPSGからなる第3層間絶縁膜43が形成されている。この第3層間絶縁膜43には、画素電極9a及び前記の第2中継層402間を電気的に接続するためのコンタクトホール89が開孔されている。また、本実施形態では特に、第3層間絶縁膜43の表面は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理等により平坦化されており、その下方に存在する各種配線や素子等による段差に起因する液晶層50の配向不良を低減する。ただし、このように第3層間絶縁膜43に平坦化処理を施すだけでなく、TFTアレイ基板10、下地絶縁膜12、第1層間絶縁膜41及び第2層間絶縁膜42のうち少なくとも一つに溝を掘って、データ線6a等の配線やTFT30等を埋め込むことにより、平坦化処理を行ってもよい。または、第3層間絶縁膜43の平坦化処理をせずに、上述した溝だけで平坦化処理を行ってもよい。
(TFTに対する光遮蔽に関する構成)
以下では、上述のTFT30に対する光遮蔽に関する構成、より詳しくは、該TFT30のゲート電極を含む走査線3a及び下地絶縁膜12の溝12cv、あるいは下側遮光膜11a等が関連する構造について説明する。
(その1:下地絶縁膜12に形成された溝12cvと走査線3aから延設された水平的突出部3bが設けられた例による光遮蔽)
まず第一に、走査線3a及び水平的突出部3bの構成及び作用効果並びに下地絶縁膜12に掘られた溝12cvに係る構成及び作用効果について、図5から図8を参照しながら詳述する。ここに図5は、図2のうち走査線3aの水平的突出部3b及び下地絶縁膜12に掘られる溝12cvを、半導体層1aとともに抜粋して示す平面図であり、図6は、図5のB−B´断面図であり、図7は、図5のC−C´断面図である。さらに、図8は、図5のD−D´断面図である。
図5から図8に示すように、下地絶縁膜12には、半導体層1aの両脇にデータ線6aに沿って溝12cvが掘られている。溝12cv内には、走査線3aの水平的突出部3bが部分的に埋め込まれており、更に、第1層間絶縁膜41を介して、第1中継層71及び容量電極300が溝12cvに対応して部分的に窪まれている。これにより、図6から図8に示す各断面図上で、走査線3aの水平的突出部3b、容量電極300等は、溝12cvに対応して下側に凹状に形成された部分を含んでいる。なお、この態様においては、水平的突出部3bが溝12cv内に埋め込まれていることにより、該水平的突出部3bは溝12cvの深さ方向の垂直的突出部としての性格をも併せもつ。
このような態様によれば、第1に、ポリシリコンでなる走査線3aに水平的突出部3bが設けられているので、TFTアレイ基板10の基板面に対して斜めに進行する入射光及び戻り光、並びにこれらに基づく内面反射光及び多重反射光などの斜めの光が、チャネル領域1a及びその隣接領域、すなわち、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに入射するのを、走査線3aのうちゲート電極として機能する本体部だけでなく、特に水平的突出部3bにより主に光を吸収し、一部光を反射することにより、少なくとも部分的に阻止できる。この際、半導体層1aに近接した水平的突出部3b及び走査線3aの本体部により遮光を行うので、非常に効果的に当該遮光を行える。
また第2に、半導体層1aを上側から覆う上側遮光膜として機能する走査線3a(水平的突出部3bを含む)、第1中継層71及び容量電極300はそれぞれ、溝12cvに対応して下側に凹状に形成された部分を含んでいるので、上側遮光膜が平坦である場合と比較して、基板面に対して斜めに進行する入射光、並びに入射光及び戻り光に基づく内面反射光及び多重反射光などの斜めの光が、最終的に斜め上側からチャネル領域1a及びその隣接す領域に入射するのを、当該上側遮光膜によって、より効果的に阻止できる。すなわち、下側に凹状(あるいは、上側に凸状)である上側遮光膜の上面部分により、上側からの斜めの光を拡散させる傾向が溝12cvに応じて強まるので、最終的に斜め上側からチャネル領域1a及びその隣接領域に入射する光量を低減できるのである。なお、同様の理由から、下側遮光膜11aを少なくとも部分的に、上述した上側遮光膜の凹凸とは上下反対に、上側に凹状に、すなわち、下側に凸状に形成してもよい。
ここで本実施形態では、図2及び図4に示した如く各種遮光膜によりTFT30に対する遮光を上下から行っている。すなわち、電気光学装置における上側、すなわち、入射光の入射側から入射する入射光に対しては、容量電極300及びシールド層400等が、上側遮光膜として機能する。他方、当該電気光学装置の下側、すなわち、入射光の出射側から入射する戻り光に対しては、下側遮光膜11aが文字通り下側遮光膜として機能する。したがって、走査線3aに水平的突出部3bを設ける必要性や、溝12cvにより上側遮光膜たる容量電極300等に特別な形状を与える必要性はないようにも考えられる。しかしながら、入射光は、基板10に対して斜め方向から入射する斜め光を含んでいる。このため、斜め光が、基板10の上面や下側遮光膜11aの上面等で反射されて、あるいは上側遮光膜の下面で反射されて、更にこれらが当該電気光学装置内の他の界面で反射されて、内面反射光・多重反射光が生成される。したがって、TFT30の上下に各種遮光膜を備えていても、両者間の隙間を介して進入する斜めの光は存在し得るので、本実施形態の如く、半導体層1aの脇で遮光を行う水平的突出部3bや、溝12cvに対応する凹状部分による遮光の効果は大きい。
以上のように、本実施形態の電気光学装置によれば、水平的突出部3b及び溝12cvを設けることにより、耐光性を高められ、強力な入射光や戻り光が入射するような過酷な条件化にあっても光リーク電流の低減されたTFT30により画素電極9aを良好にスイッチング制御でき、最終的には、明るく高コントラストの画像を表示できる。
加えて、本実施形態では、上側遮光膜は、水平的突出部3bを含む走査線3a、容量電極300、シールド層400等の一部からなるため、全体としてTFTアレイ基板10における積層構造及び製造工程の簡略化を図れる。更に、本実施形態では、水平的突出部3bは、走査線3aと同一膜から一体的になるので、水平的突出部3bを形成するために、追加的な工程は不要である。
さらに加えて、本態様では、溝12cvが下側遮光膜11aまでは到達しておらず、したがって、該溝12cvの底面を覆うように形成された水平的突出部3b及び深さ方向の垂直的突出部を含む走査線3aは、下側遮光膜11aに接触していない。このため、下側遮光膜11aが導電膜であっても、その電位変動が走査線3aに及ぼす悪影響を未然防止できる。
以上説明した態様では、走査線3aを、下側遮光膜11aの場合と同様に、金属又は合金を含む遮光膜(Ti、Cr、W、Ta、Mo等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等)から構成してもよい。このように構成すれば、走査線3a及び水平的突出部3bにより、反射性能を高めて斜めの光に対するチャネル領域1a´やチャネル隣接領域における遮光性能をより向上できる。
なお、水平的突出部3bは、各チャネル領域1a´に対し4つ形成しているが、チャネル領域1a´の片脇のみに形成しても、あるいは図2でチャネル領域1a´の上側のみ又は下側のみに形成しても、ある程度の類似効果が得られる。例えば、半導体層1aの周囲における配線や素子等の配置に鑑み、チャネル領域1a´の両脇あるいは上下両方に水平的突出部3bを合計4つ形成することが困難である場合等には、レイアウトに無理を加えることなく、片脇のみにあるいは上側又は下側にのみ、チャネル領域ごとに3つ以下の水平的突出部3bを設ければよい。
(その2:前記の水平的突出部3bが包囲部3cに置換された例による光遮蔽)
第二に、走査線3aに対して、半導体層1aを包囲する包囲部3cが形成される態様について、図9から図11を参照しながら説明する。ここに図9は、図5と同趣旨の図であって、該図における水平的突出部3bが包囲部3cに置換された場合の態様を示す平面図であり、図10は、図9のE−E´断面図であり、図11は、図9のF−F´断面図である。また、図12は、変形形態たる図9のE−E´断面図である。
図9から図11に示すように、本態様では、上述の水平的突出部3bに代えて、平面的にみてチャネル領域1a´から走査線3aに沿って所定距離だけ外れた箇所における走査線3aの本線部から、チャネル領域1a及びコンタクトホール開孔領域、すなわち、コンタクトホール83及び81がそれぞれ開孔された領域等を含む半導体層1a全体を包囲するように包囲部3cが延設されている。その他の構成、例えば、この包囲部3cも、溝12cv内に埋め込まれていることにより、溝12cvの深さ方向の垂直的突出部としての性格を併せもつこと等については、上述のその1に係る構成と略同様である。
そして、このような態様によっても、比較的層間距離の小さい下側遮光膜11aと上側遮光膜との間に半導体層1aを挟持する構成が得られるので、基板面に垂直な光に対しては基本的に非常に高い遮光性能が得られる。そして特に、図10及び図11に示すように、基板面に対して斜めに進行する入射光及び戻り光、並びにこれらに基づく内面反射光及び多重反射光などの斜めの光L1及びL3が発生した場合にも、その一部は、半導体層1aに到達する前段階で、走査線3aの本線部だけでなく、特に包囲部3cによる光吸収あるいは光反射により低光強度の光L2及びL4にまで減衰可能となる。この際、半導体層1aからの層間距離が非常に小さい位置に配置される包囲部3cにより遮光を行うことで、かつ包囲部3cによりいずれの方向に傾斜した光L1及びL3に対しても遮光を行うことで、非常に効果的に当該遮光を行える。
また、この態様では特に、コンタクトホール81及び83が開孔されたコンタクトホール開孔領域を含めて半導体層1aを包囲するので、一般に光が漏れやすいコンタクトホール81及び83付近における遮光性能を向上させうる。
なお、本態様においては、上述の図10のような構成に代えて、図12に示すように、垂直的突出部が、下側遮光膜11aと接触する形態としてもよい。このような形態とすれば、半導体層1aは閉じられた空間内に配置されるような形となり、該半導体層1aに対する遮光をよりよく実現することができる。ちなみに、このように、下側遮光膜11aと走査線3aとを接触させる形態は、上述の図5から図8においても同様に実現することができる。
ただし、これらの場合においては、下側遮光膜11aの電位変動による悪影響を受ける場合があることは、既に述べたとおりである。このようなことから、走査線3aを、下側遮光膜11aに接触させるか又はさせないかは、半導体層1aに対する遮光の必要性と、下側遮光膜11aの電位変動により受け得る悪影響とを比較考慮した上で、場面場面に応じて適宜決められることとなる。
また、本態様において、走査線3aの包囲部3cの全てに沿って溝12cvを掘って、包囲部3cの全てに渡って下方に突出する突出部、すなわち垂直的突出部を形成してもよい。さらに、本態様のように包囲部3cを設ける場合にあっては、半導体層1aのコンタクトホール開孔領域における幅と、そのチャネル領域1aにおける幅とを同一に形成すれば、平面的にみて半導体層1aに比較的近接した位置において、平面形状が矩形の包囲部3cにより半導体層1aの周囲を覆うことができる。したがって、より高い光遮蔽効果を得ることができるものと考えられる。
さらに加えて、上述においては、包囲部3cは、溝12cv内に埋め込まれるように形成されていることにより、垂直的突出部としての性格を併せもつようなものとされていたが、本態様では、単に、半導体層1aの周囲を巡るように水平的な部分のみを持つ包囲部を設けるのであっても、それ相応の作用効果の発揮は期待できる。本発明は、そのような形態もその範囲内に収める。
(その3:走査線3aに沿って延在する溝12cvaが設けられた例による光遮蔽)
第三に、走査線3aに沿って延在する溝12cvaが設けられ、且つ、該溝12cva内には該走査線3aの本線部が一部埋め込まれる態様について、図13乃至図16を参照しながら説明する。ここに図13は、図2と同趣旨の図であって、該図とは走査線3aに沿った溝12cvaが下地絶縁膜12に設けられている点につき異なる態様を示す平面図であり、図14は、図13のG−G´断面図である。また、図15及び図16は、図14に対する変形形態に係る図13のG−G´断面図である。
走査線3aは、走査線3aに沿って延在する溝12cva内に配置されると共にチャネル領域1a’及びその隣接領域を側方から部分的に覆う溝内部分を含んでなる。従って、このような態様によっても、基板面に対して斜めに進行する入射光及び特に裏面に対して斜めに進行する戻り光、並びにこれらに基づく内面反射光及び多重反射光などの斜めの光が、チャネル領域1a’及びその隣接領域に入射するのを、この溝内部分による光吸収或いは光反射により、部分的に阻止できる。このように耐光性を高めることにより、強力な入射光や戻り光が入射するような過酷な条件下にあっても光リーク電流の低減されたTFT30により画素電極9aを良好にスイッチング制御できる。
なお、この態様においては、図15に示すように、上述の図14では走査線3aが一層構造であったことに代えて、遮光性材料からなる第1層311及び光吸収性材料からなる第2層312を含む積層体からなる走査線3a’を形成してもよい。この場合、第1層311は、例えば、WSi、TiSi等からなる。第2層312は、例えばSiGe、或いは半導体層1aと同一層たるポリシリコン膜等からなる。このように走査線3a’を形成しても、走査線3a’のうち溝401内に配置された溝内部分に応じて、チャネル領域1a’及びその隣接領域に対する遮光性能を高められると共に走査線の配線抵抗を低められる。また、SiGe等からなる第2層312は、TFT30においてゲート酸化膜に対向配置されるゲート電極としても良好に機能し得る。尚、第1層311と第2層312との積層順は、上下逆でもよい。
或いは、図16に示すように、溝12cvaを完全に埋めないように走査線3a”を形成してもよい。このように走査線3a”を形成しても、走査線3a”のうち溝12cva内に配置された溝内部分に応じて、チャネル領域1a’及びその隣接領域に対する遮光性能を高められると共に走査線の配線抵抗を低められる。
(その4:下側遮光膜11aによる光遮蔽)
第四に、下側遮光膜11aに関する構成について、既に参照した図4、並びに図17乃至図20を参照しながら説明する。ここに図17乃至図20は、TFTアレイ基板10及び下側遮光膜のみを抜き出してその構造を示す断面図であり、このうち図17は、上述の第1実施形態に係る下側遮光膜11aを、図18以降は、その変形形態に係る各種の下側遮光膜(11b、11c及び11d)を示すものである。
まず、第1実施形態において、下側遮光膜11aは、既に述べたように、その下層にメタル層M1、その上層にバリア層B1を備えた二層構造を有する(図17及び図4参照)。
このうちバリア層B1は、酸素元素の無い無酸素系の高融点金属又は金属化合物でなる。このバリア層B1は、窒素化合物、シリコン化合物、タングステン化合物、タングステン、シリコンのうちの1種からなるものである。窒素化合物としては、SiN(窒化シリコン)、TiN(窒化チタン)、WN(窒化タングステン)、MoN(窒化モリブデン)、CrN(窒化クロム)などが好ましく使用される。また、前記シリコン化合物としては、TiSi(チタンシリサイド)、WSi(タングステンシリサイド)、MoSi(モリブデンシリサイド)、CoSi(コバルトシリサイド)、CrSi(クロムシリサイド)などが好ましく使用される。また、タングステン化合物としては、TiW(チタンタングステン)、MoW(モリブデンタングステン)などが好ましく使用される。また、前記シリコンとしては、ノンドープのシリコンが好ましく使用される。
バリア層B1の膜厚は、1〜200nmであることが望ましく、30〜50nmであれば、薄い膜厚でバリアとして機能を有すると共に、乱反射を抑えることができる。バリア層B1の膜厚を3nm未満とした場合、高温処理によるメタル層の酸化による遮光性能の低下を十分に防ぐことができない傾向がある。一方、バリア層B1を150nmを越える膜厚とした場合、TFTアレイ基板10の反り量が大きくなる傾向を持つ。液晶装置の表示品位に影響が出ない限りは、200nmでもよい。このバリア層B1はメタル層M1を酸化を保護する保護層でもある。
また、メタル層M1は、遮光性のある金属単体または金属化合物であり、SiO2の絶縁層との化学反応により酸素化合物になると遮光性の劣化が見られる金属単体または金属化合物のいずれか一方からなるものである。前記金属単体としては、Ti(チタン)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Co(コバルト)、Cr(クロム)、Hf(ハフニウム)、Ru(ルテニウム)などが好ましく使用される。また、前記金属化合物としては、TiN(窒化チタン)、TiW(チタンタングステン)、MoW(モリブデンタングステン)などが好ましく使用される。メタル層M1の膜厚は、10〜200nmであることが望ましい。
メタル層M1の膜厚を10nm未満とした場合、遮光性能が不十分となる恐れがあるため好ましくない。一方、メタル層M1を200nmを越える膜厚とした場合、TFTアレイ基板10の反り量が大きくなり、液晶装置の品質を低下させる恐れが生じるため好ましくない。
このような構成によれば、積層構造中、この下側遮光膜11aよりも上の構成要素を形成する際に高温処理工程、例えば、後述のTFT30を形成する際のアニール処理等が行われるとしても、その上層にはバリア層B1が備えられているので、メタル層M1の酸化を未然に防止することが可能となる。したがって、第1実施形態によれば、メタル層M1が、前述のように、例えばチタンからなる場合においては、前記高温処理工程によって酸化チタン等が形成されることはなく、それにより、遮光性能を低下せしめる可能性を低減することができる。また、第1実施形態では、このような二層構造をとる遮光膜が、TFT30の下側に位置する下側遮光膜であるということにより、該TFT30の半導体層1aに対する下側からの光入射、すなわち戻り光の入射を未然に防止することが可能となり、該半導体層1aにおける光リーク電流発生の可能性を更に低下することが可能である。
なお、本発明は、下側遮光膜11aが、上述のような二層構造をとる態様のみに限定されるわけではない。以下では、この下側遮光膜の各種変形形態について説明する。まず、第1には、前述のように、TFTアレイ基板10側から順にメタル層M1、バリア層B1という二層構造を採るのではなくて、その逆の構造、すなわちTFTアレイ基板10側から順にバリア層、メタル層という二層構造としてもよい。この場合でも、バリア層の存在により、メタル層の酸化を相応に防止することが可能である。
第2に、図18に示すように、下側遮光膜11bは、図4のメタル層M1が、いわば、遮光性のメタル層M21と光吸収性のメタル層M22という二層構造に分割されたかのような形態を有する。また、この場合、後者の光吸収性のメタル層M22がTFT30側に面するように、すなわち、より上側に配置されるようにすると好ましい。これにより、この下側遮光膜11bは、TFTアレイ基板10側から順に、遮光性のメタル層M21、光吸収性のメタル層M22、そしてバリア層B2という三層構造を有することになる。このような構成によれば、遮光性のメタル層M21によって、TFT30に光が照射することを防止することが可能となるとともに、TFT30側に面する光吸収性のメタル層M22によって、光は吸収され内部反射を抑制することが可能となる。
第3に、図19に示すように、下側遮光膜11cは、図4のメタル層M1の下側に更にバリア層B31を備えたような構造を有する。つまり、この下側遮光膜11cは、TFTアレイ基板10側から順に、バリア層B3、メタル層M3及びバリア層B4という三層構造を有することになる。このような構成によれば、メタル層M3は、その両面についてバリア層B31及びB32によって保護されることになるから、該メタル層M3の酸化による遮光性能の低下という事態の発生をより抑制的にすることができる。
なお、このような下側遮光膜11cについては更に、バリア層B31及びB32により挟まれたメタル層M3を、図17のような二層構造、あるいはより一般的には複数の構造を有するメタル層として構成してよい。例えば、TFTアレイ基板10側から順に、バリア層B31、第1の光吸収性メタル層、遮光性メタル層、第2の光吸収性メタル層、そしてバリア層B32というような構成を採用してもよい。
第4に、図20に示すように、下側遮光膜11dは、図19のバリア層B32が、その下層に位置するメタル層M3及びバリア層B31の側面を覆うように形成されているかのような構造を有する。つまり、この下側遮光膜11dは、TFTアレイ基板10側から順に、バリア層B41、メタル層M4及びこれら全体を覆うように形成されたバリア層B42という三層構造を有することになる。このような構成によれば、前述の図19と同様な作用効果が発揮される他、メタル層M4の側面についてもまた、バリア層B42が存在し、その酸化を防止することになるから、該メタル層M4の参加により光遮蔽能が低下するという事態は、より生じにくい状況となっている。
なお、このような下側遮光膜11dと類似の構造は、前述の図17及び図18においても全く同様に採ることが可能であるのはいうまでもない。すなわち、図17におけるバリア層B1を、メタル層M1の側面を覆うように形成し、図18におけるバリア層B2を、メタル層M22及びM21の側面を覆うように形成することは容易に可能であり、これにより、光遮蔽能の低下という事態の発生を、より遠ざけることが可能となる。
以上述べたような各種の光遮蔽に関する構成及び作用効果では、要するに、TFT30に対する上側又は下側からの光入射、あるいは側方からの光入射、さらには斜めからの光入射を効果的に防止可能となることにより、TFT30における光リーク電流の発生を極力防止することが可能となる。ちなみに、このような作用効果には、前述した上側遮光膜ないし内蔵遮光膜の存在も大きく貢献する。
すなわち、走査線3a、データ線6a、容量電極300、シールド層400等、積層構造中、TFT30の上側に形成される不透明な材料からなる各種要素は、該TFT30の半導体層1aに対する上側からの光入射を未然に防止することによって、やはり該半導体層1aにおける光リーク電流の発生を抑制するのである。
その結果、本実施形態によれば、TFT30のスイッチング動作は正確に行われうることをはじめ、その半導体層1aにおいては、光リーク電流が流れることによっていわば常にバイアスがかかっているような状態を回避することができるから、高周波駆動を実現することも可能となる。また、TFT30に対する光遮蔽が効果的に行えるのであれば、電気光学装置の小型化を実現しようとする際にも、特段の障害が生じるわけではない。すなわち、一定の明るさの画像を表示しなければならない関係上、電気光学装置を小型化したとしても、それに応じた一定の画素開口率が必要であり、とすると、「小型化」には、TFT30に対する光入射の危険性を高めるという側面があることになる。
以上により、結局、本実施形態の電気光学装置によれば、画素電極に印加される電圧を可能な限り一定に維持するとともに、小型化・高精細化を実現しつつ、高周波駆動で高品質な画像を表示することが可能となる。
(第2実施形態:シールド層とデータ線とが別々の層に形成されている場合)
以下では、本発明の第2実施形態に係る電気光学装置について、図21から図23を参照して説明する。ここに図21は、図2と同趣旨の図であって、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。また、図22は、図3と同趣旨の図であって、図21のA−A´断面図である。さらに、図23は、第2実施形態において特徴的な窒化膜の形成態様を示す平面図である。なお、第2実施形態の電気光学装置は、上記の第1実施形態の電気光学装置の画素部における構成と略同様な構成を備えている。
したがって、以下では、第2実施形態において特徴的な部分のみについて主な説明を加えることとし、残余の部分については、その説明を適宜省略ないし簡略化することとする。
第2実施形態では、図22に示すように、図4と比べて、蓄積容量70を構成する上部電極たる容量電極300とデータ線6aとが同一膜として構成されていない点、また、それに伴って、層間絶縁膜が増加されている。すなわち、新たにもう一層、「第4層間絶縁膜44」が設けられている点、そしてゲート電極3aaと同一膜として中継電極719が形成されている点に大きな相違がある。これにより、TFTアレイ基板10上から順に、走査線を兼ねる下側遮光膜11aを含む第1層、ゲート電極3aaを有するTFT30を含む第2層、蓄積容量70を含む第3層、データ線6a等を含む第4層、シールド層404が形成される第5層、前記の画素電極9a及び配向膜16等を含む第6層(最上層)からなる。また、第1層及び第2層間には下地絶縁膜12が、第2層及び第3層間には第1層間絶縁膜41が、第3層及び第4層間には第2層間絶縁膜42が、第4層及び第5層間には第3層間絶縁膜43が、第5層及び第6層間には第4層間絶縁膜44が、それぞれ設けられており、前述の各要素間が短絡することを防止している。
第2実施形態では、走査線3aに代わるゲート電極3aaが形成されるとともに、これと同一膜として中継電極719が新たに形成されている。以下、各層における構成について、より詳しく説明する。
まず、第2層には、半導体層1aのチャネル領域1a´に対向するように、ゲート電極3aaが形成されている。このゲート電極3aaは、第1実施形態の走査線3aのように線状には形成されておらず、半導体層1aないしチャネル領域1a´がTFTアレイ基板10上に島状に形成されていることに応じて、島状に形成されている。また、第2実施形態では、これに応じて、コンタクトホールを成す溝12cvの底が、第1層の下側遮光膜11aの表面に接する深さを有しているとともに、該下側遮光膜11aは図21中X方向に延在するストライプ状に形成されている。これにより、溝12cv上に形成されたゲート電極3aaは、該溝12cvを介して下側遮光膜11aと電気的に接続されることになる。すなわち、第2実施形態では、ゲート電極3aaには、下側遮光膜11aを通じて走査信号が供給されるようになっている。換言すれば、第2実施形態の下側遮光膜11aは、走査線としての機能を担うことになる。
なお、第2実施形態における下側遮光膜11aについては、図21に示すように、データ線6aが延在する方向に沿って突出部を有している。これにより、第2実施形態の下側遮光膜11aは、第1実施形態における格子状の下側遮光膜11aと遜色ない遮光機能をも発揮することになる。ただし、相隣接する下側遮光膜11aから延びる突出部は相互に接触することはなく、互いに電気的に絶縁されている。こうしないと、下側遮光膜11aを、走査線として機能させることができないからである。また、下側遮光膜11aは、データ線6aと交差する領域では、画素電極9aの角を角取りするように突出した領域が形成されている。
そして、第2実施形態においては特に、上述のゲート電極3aaと同一膜として中継電極719が形成されている。中継電極719は、平面的に見て、図21に示すように、各画素電極9aの一辺の略中央に位置するように、島状に形成されている。中継電極719と、ゲート電極3aaとは同一膜として形成されているから、後者が例えば導電性ポリシリコン膜等からなる場合においては、前者もまた、導電性ポリシリコン膜等からなる。
次に、第3層には、蓄積容量70を構成する第1中継層71、誘電体膜75及び容量電極300が形成されている。このうち第1中継層71はポリシリコンで形成される。そして、容量電極300は、もはやデータ線6aと同時に形成されるわけではないので、第1実施形態のように、該データ線6a及びTFT30間の電気的接続に対する配慮を払う意味を込めて、アルミニウム膜及び導電性のポリシリコン膜という二層構造をとる必要は必ずしもない。したがって、該容量電極300は、例えば、下側遮光膜11aと同様に、Ti、Cr、W、Ta、Mo等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等の遮光性材料から構成するとよい。これによれば、容量電極300は、上述の「上側遮光膜」ないし「内蔵遮光膜」としての機能をよりよく発揮し得る(ただし、第2実施形態に係る容量電極300を構成する材料については、後述参照)。
尚、誘電体膜75は、図22に示すように、下層に酸化シリコン膜75a、上層に窒化シリコン膜75bというように二層構造を有し、TFTアレイ基板10の全面に渡って形成されている。また、誘電体膜75の他の例として、下層の酸化シリコン膜75aは、TFTアレイ基板10の全面に渡って形成し、上層の窒化シリコン膜75bは、遮光領域(非開口領域)内で収まるようにパターンニングして、着色性のある窒化シリコン膜の存在により透過率が低くなることを防止するように構成してもよい。
また、容量電極300とデータ線6aとが別々の層に形成されることにより、本態様では、同一平面内における両者間の電気的絶縁を図る必要はない。したがって、容量電極300は、走査線3aの方向に延在する容量線の一部として形成することが可能である。
以上述べた、ゲート電極3aa及び中継電極719の上、且つ、蓄積容量70の下には、第1層間絶縁膜41が形成されているが、該第1層間絶縁膜41は、上述と略同様に、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等で構成すればよい。また、この第1層間絶縁膜41には、第1中継層71の図22中下面に電気的接続点をもつように配置された、コンタクトホール881が開孔されている。これにより、第1中継層71及び中継電極719間の電気的接続が図られることになる。また、第1層間絶縁膜41には、後述する第2中継層6a2との電気的接続を図るため、後記第2層間絶縁膜42をも貫通するように開孔されたコンタクトホール882が開孔されている。
他方、第4層にはデータ線6aが形成されるが、該データ線6aもまた、前述の容量電極300と同様に、二層構造をとる必要は必ずしもない。例えば、該データ線6aは、アルミニウム単体、あるいはアルミニウム合金その他の金属又は合金等の導電性材料で構成すればよい。ただし、このデータ線6aは、TFT30の半導体層1aと電気的に接触しなければならないことは、上記第1実施形態と変わりないから、該半導体層1aと直接的に接触する部分については、導電性ポリシリコン膜が設けられていることが好ましい。
また、三層構造の例として、データ線6a、シールド層用中継層6a1、第2中継層6a2は、下層より順に、アルミニウムからなる層、窒化チタンからなる層、窒化シリコン膜からなる層の三層構造を有する膜として形成しても良い。窒化シリコン膜は、その下層のアルミニウム層と窒化チタン層を覆うように少し大きなサイズにパターンニングされていると良い。このうちデータ線6aが、比較的低抵抗な材料たるアルミニウムを含むことにより、TFT30、画素電極9aに対する画像信号の供給を滞りなく実現することができる。
そして、第2実施形態では特に、上述のようにアルミニウム等から構成されたデータ線6aの上に、かつ、該データ線6aに沿って、窒化膜401を備えている。ただし、本実施形態に係る窒化膜401は、データ線6a上の他、マトリクス状に配列された画素電極9a並びにこれらの間隙を縫うように配置されたデータ線6a及び走査線3aが形成される領域として規定される画像表示領域10aの周囲にも、ロの字状に形成されている。なお、この窒化膜401の厚さは、例えば10〜500nm程度、より好ましくは10〜30nm程度に構成するとよい。この窒化膜401は、例えばその下層として50〜300nm程度のTiN膜、その上層としてSiN膜又はSiON膜を有する積層構造などとして構成することが可能である。
以上により、本実施形態に係る窒化膜401は、TFTアレイ基板10上において、全体的に図23に概略的に示すような形状で形成されていることになる。
なお、図23中、画像表示領域10aの周囲に存在している窒化膜401、とりわけ該窒化膜401を構成しうるSiN膜やSiON膜は、後述するデータ線駆動回路101や走査線駆動回路104を構成するCMOS(Complementary MOS)型TFTに対する水分浸入防止に大きく貢献する(図25参照)。ただし、窒化物は、その他一般の材料に比べて、ドライエッチング等におけるエッチングレートが小さくなることが予測されるから、上述の画像表示領域10aの周囲の領域に窒化膜401を形成する場合であって、該領域内にコンタクトホール等を形成する必要がある場合においては、該窒化膜401内に、該コンタクトホールの位置に対応した孔を予め形成しておくとよい。これは、図23に示すようなパターニングを実施する際に併せて行っておけば、製造工程の簡略化に資する。
また、新第4層には、データ線6aと同一膜として、シールド層用中継層6a1及び第2中継層6a2(ただし、第1実施形態における「第2中継層」とは少々意味合いが異なる。)が形成されている。このうち前者は、遮光性のシールド層404と容量電極300とを電気的に接続するための中継層であり、後者は、画素電極9aと第1中継層71とを電気的に接続するための中継層である。なお、これらは、データ線6aと同一材料により構成されることとなるのはいうまでもない。
以上述べた、蓄積容量70の上、且つ、データ線6a、シールド用中継層6a1及び第2中継層6a2の下には、第2層間絶縁膜42が形成されているが、該第2層間絶縁膜42は、上述と略同様に、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等で構成すればよい。
また、この第2層間絶縁膜42には、前述のシールド層用中継層6a1及び第2中継層6a2に対応するように、コンタクトホール801及び前記のコンタクトホール882が開孔されている。
次に、新第5層には、遮光性のシールド層404が形成されている。これは例えば、上述のシールド層400と同様に、上層に窒化チタンからなる層、下層にアルミニウムからなる層という二層構造で構成してもよいし、また、場合により、ITOその他の導電性材料で構成してもよい。このシールド層404は、前述のシールド層用中継層6a1を介して、容量電極300と電気的に接続されている。これにより、シールド層404は固定電位とされており、上記第1実施形態と同様に、画素電極9a及びデータ線6a間に生じる容量カップリングの影響を排除する。また、この新第5層には、シールド層404と同一膜として、第3中継層406が形成されている。
以上述べた、データ線6aの上、且つ、シールド層404の下には、第3層間絶縁膜43が形成されている。この第3層間絶縁膜43を構成する材料等についても、上記の第2層間絶縁膜42と同様でよい。ただし、データ線6a等が、上述のようにアルミニウム等を含む場合においては、これを高温環境下に曝すことを避けるため、該第3層間絶縁膜43は、好ましくはプラズマCVD法等の低温成膜法を用いて形成することが好ましい。
また、この第3層間絶縁膜43には、シールド層404と前述のシールド層用中継層6a1とを電気的に接続するためのコンタクトホール803が形成されており、前述の第2中継層6a2へと通じており、第3中継層406に対応するコンタクトホール804が形成されている。
残る構成は、新第6層には画素電極9a及び配向膜16が形成されるとともに、該新第6層及び新第5層間には第4層間絶縁膜44が形成されており、該第4層間絶縁膜44には、画素電極9aと第3中継層406とを電気的に接続するためのコンタクトホール89が開孔されている、というものになっている。
なお、上述の構成において、第3中継層406については、ITO等からなる画素電極9aと直接的に接触することとなるから、上述した電蝕に注意すべきである。したがって、これを考慮すれば、シールド層404及び第3中継層406は、第1実施形態と同様に、アルミニウム及び窒化チタンからなる二層構造とすることが好ましい。また、シールド層404及び第3中継層406をITOから構成するのであれば、該第3中継層406と画素電極9aとの電蝕発生について心配する必要はないが、シールド層404及びシールド層用中継層6a1間、あるいは第3中継層406及び第2中継層6a2間における電蝕発生について心配する必要がある。したがって、この場合においてはITO及びアルミニウムの直接的な接触を避けるべく、シールド層用中継層6a1、第2中継層6a2、ひいてはデータ線6aについて、適当な二層構造を採用することが好ましい。
あるいは、第2実施形態においては、上述のように、容量電極300は容量線の一部として構成可能であるから、該容量電極300を固定電位とするためには、該容量線を画像表示領域10a外まで延設して定電位源に接続するような形態とすればよい。この場合更に、容量電極300を含む容量線は、それ自体独自に定電位源に接続することが可能であり、シールド層404もまた、それ自体独自に定電位源に接続することが可能となるため、そのような構成を採用する場合においては、両者間を電気的に接続するコンタクトホール801及び803を設ける必要はなくなる。よって、この場合においては、シールド層404及び容量電極300を構成する材料選択や、シールド層用中継層6a1の材料選択を行う際に(そもそも当該シールド用中継層6a1はもはや不要である。)、「電蝕」の発生に配慮する必要はない。
以上のような構成となる第2実施形態の電気光学装置においては、まず、上述の第1実施形態におけるのと略同様な作用効果が奏されることが明白である。すなわち、第1実施形態と同様に、溝12cv及び水平的突出部3bが備えられているとともに、下側遮光膜11aがバリア層B1及びメタル層M1からなること等により、TFT30の半導体層1aに対する光遮蔽が効果的に行われ、フリッカ等のない高い品質の画像を表示することが可能である。
そして、第2実施形態では特に、データ線6a上、かつ、画像表示領域10aの周囲の上に、窒化膜401が形成されていたことにより、TFT30の耐湿性を更に向上することが可能となる。すなわち、窒化膜ないし窒化物は、既に述べたように、水分の浸入ないし拡散をせき止める作用に優れているから、TFT30の半導体層1aに対する水分浸入を未然に防止することが可能となるのである。第2実施形態では、この他、シールド層404、第3中継層406等や蓄積容量70を構成する誘電体膜75において、窒化膜が用いられ得るが、これらすべての構成について、そのような窒化膜を備えれば、水分浸入防止作用はより効果的に発揮されることになる。ただし、すべてに「窒化膜」を設けない形態としてよいことは勿論である。
また、第2実施形態において、窒化膜401は、新第4層において、画像表示領域10a外の領域をのぞいて、データ線6a上にのみ存在することから、大きな内部応力が集中するようなことがなく、窒化膜401自身がその内部応力によって破壊するに至ったり、また、その応力が外部に作用することによって、窒化膜401の周囲に存在する、例えば第3層間絶縁膜43等にクラックを生じさせるようなことがない。このようなことは、窒化膜がTFTアレイ基板10上の全面に設けられている場合を仮に想定するとより明白である。
さらには、第2実施形態における窒化膜401は、その厚さが10〜100nm程度、より好ましくは10〜30nm程度と比較的小さくされていることから、上述のような作用効果は更に効果的に享受され得ることになる。
更に加えて、第2実施形態では特に、中継電極719が設けられていたことにより、次のような作用効果を得ることができる。すなわち、図4においては、TFT30及び画素電極9a間の電気的接続を図るためには、同図におけるコンタクトホール85のように、蓄積容量70を構成する、より下層の電極たる第1中継層71の図中「上面」において接触を図る必要があった。
しかしながら、このような形態では、容量電極300及び誘電体膜75の形成工程において、それらの前駆膜をエッチングする際には、その直下に位置する第1中継層71を健全に残存させながら、当該前駆膜のエッチングを実行するという非常に困難な製造工程を実施しなければならない。とりわけ本発明のように、誘電体膜75として高誘電率材料を使用する場合においては、一般にそのエッチングが困難であり、また、容量電極300におけるエッチングレートと該高誘電率材料におけるエッチングレートが不揃いになるなどの条件も重なるため、当該製造工程の困難性はより高まることになる。したがって、このような場合においては、第1中継層71において、いわゆる「突き抜け」等を生じさせてしまう可能性が大きい。こうなると、悪い場合には、蓄積容量70を構成する容量電極300及び第1中継層71間に短絡を生じさせるおそれ等も生じてくる。
しかるに、本形態のように、中継電極719を設けることで、第1中継層71の図中「下面」に電気的接続点をもたせることによって、TFT30及び画素電極9a間の電気的接続を実現するようにすれば、上述のような不具合は発生しないのである。なぜなら、図22からも明らかな通り、本形態では、容量電極300及び誘電体膜75の前駆膜をエッチングしつつ、第1中継層71を残存させなければならないという工程は必要ないからである。
以上により、本形態によれば、上述のような困難なエッチング工程を経る必要がないから、第1中継層71及び画素電極9a間の電気的接続を良好に実現することができる。これは、中継電極719を介して両者間の電気的接続を実現しているからに他ならない。更にいえば、同じ理由から、本形態によれば、容量電極300及び第1中継層71間で短絡が生じるなどという可能性はきわめて小さい。すなわち、欠陥なき蓄積容量70を好適に形成することが可能なのである。
更に加えて、第2実施形態においては特に、上述したように、容量電極300を容量線の一部として形成することが可能であるから、画素毎に対応して設けられる容量電極の一つ一つについて、これらを固定電位とするための導電材等を個別的に設ける必要などはなく、該容量線ごとに固定電位源に接続する等という態様を採用すればよい。したがって、本実施形態によれば、製造工程の簡略化、あるいは製造コストの低廉化等を図ることができる。
また、このように容量電極を含む容量線については、前記の第1実施形態と同様に、アルミニウム膜及びポリシリコン膜を含む二層構造を有するように形成してもよい。容量線がアルミニウム膜を含めば、該容量線において高い電気伝導度を享受することが可能となる。これにより、このような形態においては、該容量線の狭小化、すなわち蓄積容量70の狭小化を、特別な制約を伴うことなく実現することができる。したがって、第2実施形態においては、更なる開口率の向上を図ることができることになる。また、これを別の観点から言い換えると、従来において、容量線は、ポリシリコンやWSi等の材料単体で構成されていたため、開口率を上げようと狭小化すると、前記の材料が高抵抗であるがゆえ、クロストークや焼き付き等が発生していたが、第2実施形態では、そのような不具合を被るおそれがなくなるのである。
ちなみに、このような形態では、アルミニウム膜が光反射性を有し、ポリシリコン膜が光吸収性を有することから、上述の第1実施形態でも述べたように、容量線が遮光層として機能しうることも期待できる。さらには、このような容量線では、従来に比べて、その内部応力を小さくすることができる(WSi等よりもアルミニウムの内部応力の方が小さい。)。よって、この形態では、容量線に接することとなる第3層間絶縁膜43等を可能な限り薄くすることが可能となり、電気光学装置の小型化をよりよく実現できることにもなる。
(第3実施形態:画素電極との電気的接続を図るためのコンタクトホールの変形形態) 以下では、本発明の第3実施形態として、上述の第1実施形態に係る電気光学装置中、画素電極9aとの電気的接続を図るコンタクトホールについての変形形態に関連する事項ついて、図24を参照しながら説明する。ここに図24は、図4と同趣旨の図であって、画素電極9aとの電気的接続を図るコンタクトホールの内表面にチタン単体、タングステン単体、チタン若しくはタングステンの化合物、又はこれらを積層したものからなる膜(以下、「Ti膜等」という。)が形成されている点が、特徴的に異なる態様となるものを示す断面図である。なお、第3実施形態の電気光学装置は、上記の第1実施形態の電気光学装置の画素部における構成と略同様な構成を備えている。したがって、以下では、第3実施形態において特徴的な部分のみについて主な説明を加えることとし、残余の部分については、その説明を適宜省略ないし簡略化することとする。
第3実施形態では、図24に示すように、図4と比べて、第2中継層402が形成されていない点、そして画素電極9a及び第1中継層71間の電気的接続を図るためのコンタクトホール891の内表面にTi膜等891aが形成されている点に大きな相違がある。
より詳しくは、第4層には、第1実施形態とは異なり、第2中継層402が形成されていないため、第1中継層71及び画素電極9a間の電気的接続は、第2層間絶縁膜42及び第3層間絶縁膜43を貫通して形成されたコンタクトホール891によって実現されるようになっている。そして、このコンタクトホール891の内表面には、Ti膜等891aが形成されている。このTi膜891は、少なくともチタンを含んでいればよく、その化合物を含んでいてもよい。例えば、窒化チタン、窒化シリコン等であってよい。画素電極9aを構成するITOは、コンタクトホール891の内部において、このTi膜等891aの表面を覆うように形成されている。
このような構成となる第3実施形態の電気光学装置においては、第1実施形態において、アルミニウム膜及び窒化チタン膜からなる第2中継層402が設けられていることにより、いわゆる電蝕の危険を回避していたのと同様に、ITOからなる画素電極9aは、直接的には、Ti膜等891aと接触することとなるから、やはり電蝕の危険を回避することができる。したがって、第3実施形態においても、画素電極9aに対する電圧印加、あるいは該画素電極9aにおける電位保持特性を良好に維持することが可能となる。
また、上述のTi膜等891aによれば、該チタンが比較的優れた遮光性能を有することにより、コンタクトホール891を原因とする光抜けを防止することが可能となる。すなわち、当該Ti膜等891aが、光を吸収等することによって、コンタクトホールの駆動部分を突き抜けてくる光の進行を遮ることが可能となるのである。これにより、画像上に光漏れ等を生じさせるおそれが殆どなくなる。また、同じ理由から、TFT30、ないしその半導体層1aの耐光性を高めることができる。これにより、半導体層1aに光が入射した場合における光リーク電流の発生を抑止し、これに起因する画像上のフリッカ等の発生を未然に防止することが可能となる。以上により、第3実施形態の電気光学装置においては、より品質の高い画像を表示することが可能となる。
なお、この第3実施形態に係る図24に示す電気光学装置の構成は、前記の第1実施形態として説明した図4及び第2実施形態として説明した図22との関係において、TFTアレイ基板10上における積層構造の具体的な実施形態を豊富化させるものであるといえる。
すなわち、第3実施形態に係る図24は、図4及び図22と比べて、第2中継層402の省略、及び、これに伴うコンタクトホール数の減少等によって、構造がより簡易であるといえ、開口率の向上を図るべく、積層構造を構成する各種要素を遮光領域内に閉じ込めるように配置するにあたっては、より有利であるという面を有する。もっとも、図4においては、上述したように、コンタクトホール83、85及び89の短小化によるコスト削減が図れるという利点が得られるし、図22においては、容量電極300を容量線の一部として構成可能であること等によりコスト削減が図れるという利点が得られる。すなわち、本実施形態において開示されている電気光学装置の各種態様においては、開口率の向上が図れることは勿論、その他付随する作用効果が個性的に発揮されることになるが、どの構造が最適であるかは一概には決し得ない。このように、第3実施形態は、上述の第1実施形態等と併せて、本発明を具体化する際に考えられ得る最適な態様の一つを提供するものであると同時に、本発明に係る積層構造の具体的な実施形態を豊富化するものなのである。
(電気光学装置の全体構成)
以上のように構成された各実施形態における電気光学装置の全体構成を図25及び図26を参照して説明する。なお、図25は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板20の側からみた平面図であり、図26は図25のH−H´断面図である。
図25及び図26において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるため、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、紫外線、加熱等により硬化させられたものである。また、このシール材52中には、本実施形態における液晶装置がプロジェクタ用途のように小型で拡大表示を行う液晶装置であれば、両基板間の距離(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材(スペーサ)が散布されている。あるいは、当該液晶装置が液晶ディスプレイや液晶テレビのように大型で等倍表示を行う液晶装置であれば、このようなギャップ材は、液晶層50中に含まれてよい。
シール材52の外側の領域には、データ線6aに画像信号を所定のタイミングで供給することにより該データ線6aを駆動するデータ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線3aに走査信号を所定のタイミングで供給することにより、走査線3aを駆動する走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する二辺に沿って設けられている。
なお、走査線3aに供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでもよいことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域10aの辺に沿って両側に配列してもよい。
TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。
また、対向基板20のコーナ部の少なくとも一箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的に導通をとるための導通材106が設けられている。
図26において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21のほか、最上層部分に配向膜が形成されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマテッィク液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
なお、TFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
(電子機器)
次に、以上詳細に説明した電気光学装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例たる投射型カラー表示装置の実施形態について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。ここに、図27は、投射型カラー表示装置の図式的断面図である。
図27において、本実施形態における投射型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置を含む液晶モジュールを3個用意し、それぞれRGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロックミラー1108によって、RGBの三原色に対応する光成分R、G及びBに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bにそれぞれ導かれる。この際特に、B光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bによりそれぞれ変調された三原色に対応する光成分は、ダイクロックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及び電子機器もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。電気光学装置としては、電気泳動装置やEL(エレクトロルミネッセンス)装置や電子放出素子を用いた装置(Field Emission Display 及び Surface-Conduction Electron-Emitter Display等に適用できる。
本発明の第1の実施形態の電気光学装置における画像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素子、配線等の等価回路を示す回路図である。 本発明の第1の実施形態の電気光学装置におけるデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。 図2のうち要部のみを抜き出した平面図である。 図2のA−A´断面図である。 図2のうち走査線3aの水平的突出部及び下地絶縁膜に掘られる溝を、半導体層とともに抜粋して示す平面図である。 図5のB−B´断面図である。 図5のC−C´断面図である。 図5のD−D´断面図である。 図5と同趣旨の図であって、該図における水平的突出部が包囲部に置換された場合の態様を示すものである。 図9のE−E´断面図である。 図9のF−F´断面図である。 変形形態たる図9のE−E´断面図である。 図2と同趣旨の図であって、該図とは走査線に沿った溝が下地絶縁膜に設けられている点につき異なる態様を示す図である。 図13のG−G´断面図である。 図14に対する変形形態に関する図13のG−G´断面図である。 図14に対する変形形態に関する図13のG−G´断面図である。 本発明の第1実施形態に係る下側遮光膜の構造を、TFTアレイ基板とともに示す断面図である。 図17の変形形態(下側遮光膜のメタル層が二層構造)を示す断面図である。 図17の変形形態(下側遮光膜のメタル層がバリア層に挟持される構造)を示す断面図である。 図17の変形形態(下側遮光膜のバリア層がメタル層の側面を覆う構造)を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の電気光学装置におけるデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。 図21のA−A´断面図である。 窒化膜の形成態様(データ線上及び画像表示領域外)を示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係り、図4と同趣旨の図であって、画素電極との電気的接続を図るためのコンタクトホールの内表面にTi膜が形成された態様となるものを示す図である。 本発明の実施形態の電気光学装置におけるTFTアレイ基板を、その上に形成された各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図である。 図25のH−H´断面図である。 本発明の電子機器の実施形態である投射型カラー表示装置の一例たるカラー液晶プロジェクタを示す図式的断面図である。
符号の説明
1a…半導体層
1a´…チャネル領域
2…絶縁膜
3a…走査線
3b…水平的突出部(垂直的突出部を含む)
3c…包囲部(垂直的突出部を含む)
6a…データ線
9a…画素電極
10…TFTアレイ基板
11a、11b、11c、11d…下側遮光膜
M1、M21、M22、M3、M4…メタル層
B1、B2、B31、B32、B41、B42…バリア層
12…下地絶縁膜
12cv、12cva…溝
16…配向膜
30…TFT
43…第3層間絶縁膜
50…液晶層
70…蓄積容量
75…誘電体膜
75a…酸化シリコン膜
75b…窒化シリコン膜
81、82、83、85、87、89、891…コンタクトホール
891a…Ti膜
300…容量電極
400…シールド層
402…第2中継層


Claims (25)

  1. 基板上に、第1方向に延在するデータ線及び該データ線に交差する第2方向に延在する走査線、並びに、前記データ線及び前記走査線の交差領域に対応するように配置された画素電極及び薄膜トランジスタが積層構造の一部をなして備えられた電気光学装置であって、
    前記基板上には更に、
    前記薄膜トランジスタ及び前記画素電極に電気的に接続された蓄積容量と、
    前記データ線及び前記画素電極間に配置されたシールド層とが、前記積層構造の一部をなして備えられてなり、
    前記薄膜トランジスタは、長手方向に延びるチャネル領域と該チャネル領域から更に長手方向に延びるチャネル隣接領域とを含む半導体層を有しており、
    前記走査線は、前記チャネル領域の脇に遮光部を有することを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記走査線は、前記長手方向に交わる方向に延びるとともに平面的に見て前記チャネル領域に重なる前記薄膜トランジスタのゲート電極を含む本体部と、平面的に見て前記チャネル領域の脇において前記本体部から前記長手方向に突出し、前記遮光部を成す水平的突出部とを有することを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
  3. 前記本体部と前記水平的突出部とは、同一膜から一体的になることを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記水平的突出部は、平面的に見て前記チャネル領域毎に、そのソース側及びドレイン側の脇において突出していることを特徴とする請求項2又は3に記載の電気光学装置。
  5. 前記薄膜トランジスタは、長手方向に延びるチャネル領域を含む半導体層を有しており、
    前記薄膜トランジスタの前記チャネル領域を上側から少なくとも覆う上側遮光膜を備えており、
    前記上側遮光膜は少なくとも部分的に、前記チャネル領域の長手方向に直交する断面上で前記チャネル領域側から見て凹状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  6. 前記薄膜トランジスタは、前記第1方向に延びるチャネル領域を含む半導体層を有しており、
    前記走査線は、前記チャネル領域にゲート絶縁膜を介して対向配置された前記薄膜トランジスタのゲート電極を含むとともに平面的に見て前記第1方向と交差する第2方向に延びる本線部を有し、平面的に見て前記チャネル領域から前記第2方向に所定距離だけ外れた箇所における前記本線部から前記半導体層を包囲するように延設された包囲部を有することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  7. 前記走査線は、前記包囲部から、前記基板の垂直方向に突出した垂直的突出部を更に有することを特徴とする請求項6に記載に記載の電気光学装置。
  8. 前記薄膜トランジスタは、前記第1方向に延びるチャネル領域を含む半導体層を有しており、
    前記走査線は、前記チャネル領域にゲート絶縁膜を介して対向配置された前記薄膜トランジスタのゲート電極を含むとともに平面的に見て前記第1方向と交差する第2方向に延びる本線部を有し、平面的に見て前記チャネル領域から前記第2方向に所定距離だけ外れた箇所における前記本線部から下方に突出した垂直的突出部を有することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  9. 前記基板上に、少なくとも前記チャネル領域を下側から覆う下側遮光膜を更に備えており、
    前記垂直的突出部は、その先端側において前記下側遮光膜に接触していることを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置。
  10. 前記基板上に、少なくとも前記チャネル領域を下側から覆う下側遮光膜を更に備えており、
    前記垂直的突出部は、その先端側において前記下側遮光膜に接触していないことを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置。
  11. 前記薄膜トランジスタは、前記第1方向に延びるチャネル領域を含む半導体層を有しており、
    前記走査線は、前記チャネル領域にゲート絶縁膜を介して対向配置された前記薄膜トランジスタのゲート電極を含むと共に平面的に見て前記第1方向と交差する第2方向に延びる本線部を有し、
    該本線部は、前記基板上に掘られた溝内に配置されると共に前記チャネル領域を側方から少なくとも部分的に覆う溝内部分を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  12. 前記走査線は、金属又は合金を含む遮光膜からなることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  13. 前記蓄積容量を構成する一対の電極の一方は、前記第2方向に沿うように形成された容量線の一部を構成するとともに、
    該容量線は、低抵抗膜を含む多層膜からなることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  14. 前記画素電極は、チタン単体、タングステン単体、チタン若しくはタングステンの化合物、又はこれらを積層したものを介して前記積層構造中の他の層と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  15. 前記画素電極の下地として配置された層間絶縁膜が、前記積層構造の一部を更になしており、
    該層間絶縁膜には、前記画素電極との電気的接続を図るためのコンタクトホールが形成されており、
    該コンタクトホールの少なくとも内表面及び前記画素電極の下層として、前記チタン単体、タングステン単体、チタン若しくはタングステンの化合物、又はこれらを積層したものを含む膜が形成されていることを特徴とする請求項14に記載の電気光学装置。
  16. 前記データ線は、前記蓄積容量を構成する一対の電極の一方と同一膜として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  17. 前記蓄積容量を構成する一対の電極の少なくとも一方と前記画素電極を電気的に接続する中継層が前記積層構造の一部として更に備えられていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  18. 前記シールド層は、前記中継層と同一膜として形成されていることを特徴とする請求項17に記載の電気光学装置。
  19. 前記走査線、前記データ線、前記蓄積容量を構成する一対の電極及び前記シールド層の少なくとも一部は、遮光性材料からなり、
    前記少なくとも一部は、前記積層構造中にあって、内蔵遮光膜を構成していることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  20. 前記遮光領域に配置された遮光膜を更に備えてなり、
    前記遮光膜は、高融点の金属単体又は金属化合物であるメタル層と、
    前記メタル層の少なくとも一方の面に積層された無酸素系の高融点の金属又は金属化合物でなるバリア層を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  21. 前記遮光膜のメタル層は、
    遮光性のメタル層と光吸収性のメタル層で構成され、
    前記光吸収性のメタル層は前記薄膜トランジスタ側に面していることを特徴とする請求項20に記載の電気光学装置。
  22. 前記メタル層は、前記バリア層で挟まれていることを特徴とする請求項20又は21に記載の電気光学装置。
  23. 前記遮光膜は、固定電位とされていることを特徴とする請求項20乃至22のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  24. 基板上に、第1方向に延在するデータ線及び該データ線に交差する第2方向に延在する走査線、並びに、前記データ線及び前記走査線の交差領域に対応するように配置された画素電極及び薄膜トランジスタが積層構造の一部をなして備えられた電気光学装置であって、
    前記基板上には更に、
    前記薄膜トランジスタ及び前記画素電極に電気的に接続された蓄積容量と、
    前記データ線及び前記画素電極間に配置された遮光膜とが、前記積層構造の一部をなして備えられてなり、
    前記薄膜トランジスタは、長手方向に延びるチャネル領域と該チャネル領域から更に長手方向に延びるチャネル隣接領域とを含む半導体層を有しており、前記走査線は、前記チャネル領域の脇に遮光部を有することを特徴とする電気光学装置。
  25. 請求項1乃至24のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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