JP2004170568A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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明孝 山田
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徹 杉山
Naotada Okada
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Abstract

【課題】従来、半導体レーザ装置においては、半導体レーザの高出力化を行なうと、半導体レーザからの光を光ファイバへ光結合させることが困難となるという問題があった。
【解決手段】半導体レーザ1と、この半導体レーザ1の励起光出射面1aに対向し且つこの半導体レーザ1の光軸に対し互いにスロー軸方向にその光軸を異ならせて配置された2組の光結合素子3、4と、これら2組の光結合素子3、4をそれぞれ介して前記励起光が入射される2組の光ファイバ5、6とを具備した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバのコアにプラセオジム(Pr3+)イオンやイッテルビウム(Yb3+)イオンを添加しアップコンバージョン励起を行い、レーザ光を得る装置が数多く提案されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、ディスプレイ用光源としてこれらの装置を利用しようとすると、使用される半導体レーザの高出力化が必要であり、この高出力化に伴って半導体レーザの光ビーム特性が変化し、光ビームの集光や形状補正が困難となる。従って、特に開口数の制限された細径の光ファイバに効率よく光結合させることは、従来困難であった。
【0003】
一方、非等方な放射角を持つ光源と光ファイバとの光結合の際に、光結合光学系の導波モードと光ファイバの導波モードとのモードミスマッチを低減させて光結合の効率化を図る提案もなされている(例えば、特許文献2を参照)。しかしながら、このような効率化を図ったとしてもディスプレイ用光源としての利用には出力が十分でないという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−111108号公報
【特許文献2】
特開平7−318854号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように従来の半導体レーザ装置では、半導体レーザの高出力化を行なうと、半導体レーザからの光を光ファイバへ光結合させることが困難となったり、光結合の効率化を図ってもディスプレイ用光源としての利用には出力が十分でないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、開口数の制限された細径の光ファイバに対しても良好な光結合が可能な半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる半導体レーザ装置は、半導体レーザと、この半導体レーザの励起光出射面に対向し且つこの半導体レーザの光軸に対し互いにスロー軸方向にその光軸を異ならせて配置された2組の光結合素子と、これら2組の光結合素子をそれぞれ介して前記励起光が入射される2組の光ファイバとを具備したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2にかかる半導体レーザ装置は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、前記2組の光結合素子は、前記半導体レーザのスロー軸方向の光を平行光化するレンズ及びこのレンズの光出射側に設けられた集光レンズをそれぞれ有していることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3にかかる半導体レーザ装置は、請求項1乃至2記載の半導体レーザ装置において、前記2組の光結合素子はそれらの光軸が前記半導体レーザの光軸に対しこの光軸を中心にして対称的に所定の角度ずらされて配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4にかかる半導体レーザ装置は、請求項1乃至3記載の半導体レーザ装置において、前記半導体レーザ及び2組の光学素子は共通の基台に載置されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5にかかる半導体レーザ装置は、請求項1乃至4記載の半導体レーザ装置において、前記光ファイバはアップコンバージョン用の光ファイバであることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6にかかる半導体レーザ装置は、半導体レーザと、この半導体レーザの励起光出射面に対向し且つこの半導体レーザの光軸に対し互いにスロー軸方向にその光軸を異ならせて配置された2組の光結合素子と、これら2組の光結合素子をそれぞれ介して前記励起光がその両端部に入射される光ファイバと、前記光結合素子の一方と前記光ファイバの一端との間に配置された光取り出し素子とを具備したことを特徴とするものである。
【0013】
請求項7にかかる半導体レーザ装置は、半導体レーザと、この半導体レーザの励起光出射面に対向して配置され前記半導体レーザのファスト軸方向の光を平行光化するレンズと、このレンズの光出射側にこのレンズの光軸に対して互いにスロー軸方向にその光軸を異ならせて配置され、前記半導体レーザのスロー軸方向の光を平行光化する2組のレンズと、これらレンズの光出射側にそれぞれ設けられた集光レンズと、これら集光レンズの光出射側にそれぞれ設けられ、集光レンズからの光が入射される光ファイバとを具備したことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明になる半導体レーザ装置の実施の形態につき、図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、本発明になる半導体レーザ装置の一実施の形態を示す斜視図である。1は半導体レーザであり、1aはその出射面、1bは出射部、1cは出射面1aの反対側に位置する高反射面である。2は半導体レーザ1の出射部1bに対向して配置された円柱レンズである。3、4は光結合素子であり、それら光軸が半導体レーザ1の光軸を中心として後述するスロー軸方向(半導体レーザ1のpn接合面と平行な方向)Aに互いに逆方向に所定の角度だけずらされた状態で、円柱レンズ2の光出射側に配置されている。なお、図面では記載の都合上、これら光結合素子3、4をそれぞれ1つの円筒状部材として表しているが、実際には、これら光結合素子3及び4は本実施の形態においては、図3を用いて後述するように複数のレンズ等から構成されている。光結合素子3、4の出射側には、それぞれ光結合素子3、4の出射光が入射される光ファイバ5、6が配置されている。
【0016】
次に、図1の半導体レーザ装置の動作について説明する。半導体レーザ1からの光ビームはそのpn接合面に垂直な方向(以下、ファスト軸方向という)Bと、平行な方向(スロー軸方向)Aとで、その放射特性が著しく異なる。図2は、これら放射特性の一例を示したもので、同図(A)は、スロー軸方向のそれを、同図(B)はファスト軸方向のそれを示している。いずれも横軸は光軸からの角度であり、縦軸は出力を示している。通常、半導体レーザ1の光源(出射部1b)のサイズは、ファスト軸方向Bで数μmであり、一方、スロー軸方向Aでは数十から数百μmであるので、光ビームの集光特性に影響するビーム特性は1:20程度の差がある。図2(A)からは、光軸方向よりも光軸方向から若干外れた角度方向(+、−両方向で2ヶ所)で光出力が大きくなっていることが分かる(以下、光軸を挟んで光出力に大きく2つの山があることから、双峰特性と称す)。
【0017】
一般に半導体レーザ光を集光する場合、円柱レンズによってファスト軸方向とスロー軸方向の両方向の光を個別に平行光化し、集光する方法をとる。しかしながら、特に図2(B)の特性から分かるように、例えば20μm程度に集光する場合に結合損失は避けられない。ところが図2(B)の双峰特性の片側のみに着目すると、光ファイバ5、6のコア径とコア−クラッドの屈折率差で決まる受光角の兼ね合いから放射角約3°以内に80%乃至90%のパワーが収まり、これを確実に光ファイバ5、6のコア内に伝送できるようになる。
【0018】
すなわち、半導体レーザ1の出射部1bから出射された光ビームは、円柱レンズ2によってファスト軸方向Bに拡がる光成分のみ平行光化される。円柱レンズ2から出射された光は、その後、光結合素子3、4に入射され、ここでスロー軸方向Aに拡がる光に対して平行光化がなされ、さらに上記平行光化されたファスト軸及びスロー軸の両軸方向A、Bの光が集光されて、それぞれ光ファイバ5、6のコアに入射されることになる。
【0019】
本実施の形態によれば、半導体レーザ1からの光ビームをそのスロー軸方向Aの出力の双峰特性に着目したことで、効率良く光ファイバ5、6に結合させることが出来る。
【0020】
図3は、図1の光結合素子3、4の具体的な実施の形態を示す斜視図であるが、説明の便宜上、図1に記載の半導体レーザ1等も含めて記載している。ここで、この図3に基づき、本実施の形態について、さらに詳細な構成及び動作について説明する。
【0021】
図3において、半導体レーザ1は赤外波長を発光する単一ストライプの半導体レーザである。その光源サイズは200μm×1.5μm程度であり、またその波長は800nm乃至850nmである。円柱レンズ2は半導体レーザ1の出射面1aの出射部1bからこの円柱レンズ2の焦点距離だけ離れて配置されており、上述したようにこの円柱レンズ2により半導体レーザ1からのファスト軸方向Bの光成分が平行光化される。このファスト軸方向Bの出射光の広がり角は、図2(A)に示されるように通常半値で±15度と大きいので、円柱レンズ2は半導体レーザ1の極近傍にこの方向のみに曲率を持つ円柱レンズとなっており、例えば直径1mm、幅数mmのロッドレンズ(の光入射面)を半導体レーザ1の出射部1bからその焦点距離に相当する距離(0.6mm)だけ離して配置してある。このレンズ2により、ファスト軸方向の光成分は数mmラジアン以内の平行ビームとすることができる。なお、ここで円柱レンズ2の代わりに非球面レンズを用いることも可能である。
【0022】
図1の光結合素子3、4は、それぞれ図3に示された円柱レンズ11、12、13、アパーチャ14、及び球面レンズ15、16から構成されている。円柱レンズ11は曲率5mm、厚さ2mmの平凸レンズにより構成され、円柱レンズ2(の光出射面)から(その光入射面まで)9mm程度の距離をおいて、曲率面が同じ方向(ファスト軸方向A)になるように配置されている。なお、以下、2つのレンズ間の距離は出射側レンズの出射面から入射側レンズの入射面までの距離で示す。円柱レンズ12は、円柱レンズ11から8mmの距離をおいて、曲率面が水平になるように設置される。形状は曲率11mmを有する平凸形状をなしている。
【0023】
円柱レンズ13は円柱レンズ11と同じ形状を有しており、円柱レンズ11から23mmの距離をおいて曲率面が対向するように配置される。円柱レンズ13のあとには4mmの距離をおいて球面レンズ15、16が配置される。球面レンズ15は片面曲率3mmを有する平凸球面レンズであり、球面レンズ16は片面曲率約1mmを有する半球面レンズである。これら球面レンズ15、16は球面レンズ15に到達したレーザ光を集光する作用を持つ。
【0024】
集光レンズである球面レンズ15、16の焦点の位置には、コア径が20μm程度の細径コアの光ファイバ5及び6が配置されており、球面レンズ15、16からの光はこれら光ファイバ5及び6のコアに効率よく集光照射され、伝搬される。なお、円柱レンズ13と球面レンズ15との間には、球面レンズ15に接して開口径約1mmのアパーチャ14が配置されている。
【0025】
円柱レンズ2からのファスト軸方向Bの光成分は、2枚の円柱レンズ11及び13により中継され、2枚の球面レンズ15、16で構成される集光レンズ系に導入される。これにより入射光の80%以上が伝送される。円柱レンズ2からの他の方向の光成分、すなわちスロー軸方向Aの光成分は、通常±2乃至4度程度の広がり角を有している。この角度はファスト軸方向Bのそれに比較して十分小さく、所定の位置に置かれた前記円柱レンズ12にて平行光化されたスロー軸方向Aの光成分は、球面レンズ15、16で構成される集光レンズによって光ファイバ5あるいは6へ集光入射される。なお、上述したように、円柱レンズ13と球面レンズ15との間には、球面レンズ15に接して開口径約1mmのアパーチャ14が配置されているため、約3度の放射角度以内の光成分のみが伝送され、それ以上の角度をもつ光成分は遮断されて細径の光ファイバへ不必要な入射がなされないようにされている。
【0026】
図示しないが、光結合素子である円柱レンズ11乃至13、アパーチャ14、球面レンズ15、16は、3つの独立した金属製のホルダーに納められている。すなわち、円柱レンズ11が第1のホルダーに、円柱レンズ12が第2のホルダーに、円柱レンズ13、アパーチャ14及び球面レンズ15、16は第3のホルダーに固定されている。これら3つのホルダーは互いに回転でき、円柱レンズ11乃至13の母線合わせが容易になっている。
【0027】
図3の構成によれば、励起光源である半導体レーザ1の光軸方向に対して、図1(B)にみる双峰性のピークの角度がおよそ3度傾いた方向に1個ずつのレンズ群(光結合素子3、4)がおかれ、それぞれ別個の光ファイバに入射されるようになっている。そのため、従来の半導体レーザ1の光軸に平行にレンズ群を対面配置する方法では40%程度であった光伝送効率が、その倍以上に改善された。なお、ここで構成要素となるレンズはすべて、使用する波長において十分に反射率を低くしてある。
【0028】
次に、本発明になる半導体レーザ装置の第2の実施の形態について、図4を用いて説明する。基本的に、この図4に記載の半導体レーザ装置は、図1記載のそれと半導体レーザ部及び光ファイバ部が相違するのみであるため、図1と同等部分には同一符号を付すことでその説明を省略する。
【0029】
図4において、21は励起用の赤外域において、例えば850nmで発振する半導体レーザ、また21aはその出射面、21bは出射部である。一方、22は光結合素子3、4の出口側に配置されたアップコンバージョン用のファイバレーザである。このファイバレーザ22には、Pr3+イオンとYb3+イオンが添加されている。また、このファイバレーザ22の入口側端面22aには、半導体レーザ21からの出射光の波長に対する無反射膜が形成されており、光結合素子3、4により細径コアのファイバレーザ22に効率よく伝達されたレーザ光は効率良くファイバ22内へと伝達される。さらにまた、その入口側端面22aには、アップコンバージョンされる波長に対する高反射膜が形成されており、この方向の光をすべて反射するように作用する。ファイバレーザ22の出口側端面22bには励起光に対しては高反射率を有し、アップコンバージョン光に対しては所定の透過率を有する反射膜が形成されている。これによって、アップコンバージョンされた光はこのファイバ22内で共振状態となり、高効率のアップコンバージョン光が出口側端面22bから得られる。
【0030】
アップコンバージョンファイバレーザでは光ファイバへの励起光の密度を高くする必要がある。このため、赤外域の半導体レーザの光ビームを効率よく細いコア径を有するアップコンバージョンファイバへ結合することが必須である。本実施の形態によれば、これまでの2倍以上の結合効率を達成できる。
【0031】
なお、上記図4の半導体レーザ装置において、ファイバ22を1本のみとすることも可能である。すなわち、1本のファイバ22の両端面22a、22bに光結合素子3、4の出力光をそれぞれ入射させるようにする。図5はこのような半導体レーザ装置(本発明の第3の実施の形態)を示す斜視図である。この場合、アップコンバージョン光は、ファイバ22の出口側端面22bと光結合素子4との間に設けられたダイクロイックミラー23を用いることにより、ファイバ22の出口側端面22bからその出力光の光軸とは垂直な方向(矢印C方向)に取り出すことが出来る。本実施の形態によれば、ファイバの本数を減らすことが出来る。
【0032】
次に、本発明になる半導体レーザ装置の第4の実施の形態について、図6を用いて説明する。基本的に、この図6に記載の半導体レーザ装置は、図4記載のそれと光ファイバ部が相違するのみであるため、図4と同等部分には同一符号を付すことでその説明を省略する。
【0033】
図6の構成において図4と異なるところは、反射膜の構成である。図4記載の実施の形態では、アップコンバージョンファイバ22の出口側端面22bの反射率は、所定の値に設定されていたが、図6のファイバ31においては、その出口側端面31bには無反射膜が構成され、半導体レーザ21単体では出力が得られない。また、アップコンバージョンファイバ31の入口側端面31aは励起用の半導体レーザの波長で所定の反射率(例えば10%)が設定されている。従って、半導体レーザ21は全反射膜が形成されている端面31aと部分反射膜が形成されている端面31bとで共振器が構成されている。
【0034】
以上のようにして構成された共振器の内部に配置された光結合素子3、4は、アップコンバージョンファイバ31に受光されない光成分はカットする作用をもっている。従って、この共振器で出力された光はすべてアップコンバージョンファイバ31に入射されるので、高効率を実現できる。また、構成が簡単になり、小型化された光源が実現できる。
【0035】
なお、Pr3+及びYb3+イオンが添加された光ファイバ31では、赤色のほかに、青、緑、橙等の色も出力できる。その場合はそれらの波長にあわせて、アップコンバージョンファイバ31の反射膜の波長特性を変えることによって、それぞれの波長にても所定の出力を実現できる。ここで、光ファイバ31のガラス母材としては、励起して上げた上位準位から発光せずに下位準位へ無駄に遷移することのないように、フォノンエネルギーの小さいガラスがふさわしい。すなわち、フォノンエネルギーが小さいといわれるインジウム系フッ化物ガラス、アルミニウム系フッ化物ガラス、ジルコニウム系フッ化物ガラスなどのフッ化物系ガラスを添加光ファイバ31のガラス母材として用いることで、発光効率のよいファイバレーザを実現することができる。
【0036】
図7は、本発明になる半導体レーザ装置の第5の実施の形態を示す斜視図であり、半導体レーザ1と光ファイバレーザ5、6、及び両者を光学的に結合するレンズ群等11乃至16をすべて1つの基板41上に固定させ、堅牢化、小型化する方法を提示している。すなわち、基板41は熱伝導性の良いセラミックス(アルミナ)製となっており、この基板41上に半導体レーザ1を載せたサブマウントヒートシンク42が設置されている。このサブマウントヒートシンク42には、図示しない熱電変換素子が密着され、半導体レーザ1を所定の温度に冷却・制御する。そして光源となる半導体レーザ1に対し、光学的に決められた位置に円柱レンズ11、12、13、アパーチャ14、球面レンズ15、16を順次配置して接着していく。この場合、円柱レンズ11乃至13は、基板41に形成された溝43、44にて幅方向の位置決めが容易となっている。すなわち、溝43、44の幅は円柱レンズ11乃至13の幅と一致するように構成されている。
【0037】
最終的に半導体レーザ1からの光は、光ファイバ5、6のレセプタクルに収まった光ファイバ端面に半導体レーザ1からの励起光を集光するようになっている。半導体レーザ1から光ファイバ5、6への結合は、既に得られた設定配置条件を元に、それぞれの部品を機械的な精度を保持し組み込む。ここでは、レンズ16に対向するように基板41に形成された突起部45に形成された透孔46、47に挿入された光ファイバ5、6の光入射端面がレンズ16の集光点に位置するように光ファイバ5、6が位置決めされている。もちろん、透孔46、47も上記位置条件を満足できるよう突起部45に形成されている。これによって、温度等の周囲環境に対する安定性が高まることになる。また小型化により、他の機器への組み込みが容易になるという効果が得られる。
【0038】
この発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、ビーム特性の悪い半導体レーザ光を小コア径のファイバへ高効率で結合させることが可能である。よって、単純な構成で、小型、高効率の可視域波長の光源を実現でき、印刷、バイオ計測、ディスプレイ光源などに適した波長を持つレーザ光を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる半導体レーザ装置の実施の形態の一例を示す斜視図。
【図2】図1の半導体レーザの出射光の出力特性を示す図。
【図3】図1の半導体レーザ装置のさらに詳細な構成を示す斜視図。
【図4】本発明になる半導体レーザ装置の第2の実施の形態を示す斜視図。
【図5】本発明になる半導体レーザ装置の第3の実施の形態を示す斜視図。
【図6】本発明になる半導体レーザ装置の第4の実施の形態を示す斜視図。
【図7】本発明になる半導体レーザ装置の第5の実施の形態を示す斜視図。
【符号の説明】
1: 半導体レーザ
2: 円柱レンズ
3、4: 光結合素子
5、6: 光ファイバ
11、12、13: 円柱レンズ
15、16: 球面レンズ

Claims (7)

  1. 半導体レーザと、この半導体レーザの励起光出射面に対向し且つこの半導体レーザの光軸に対し互いにスロー軸方向にその光軸を異ならせて配置された2組の光結合素子と、これら2組の光結合素子をそれぞれ介して前記励起光が入射される2組の光ファイバとを具備したことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 請求項1記載の半導体レーザ装置において、前記2組の光結合素子は、前記半導体レーザのスロー軸方向の光を平行光化するレンズ及びこのレンズの光出射側に設けられた集光レンズをそれぞれ有していることを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 請求項1乃至2記載の半導体レーザ装置において、前記2組の光結合素子はそれらの光軸が前記半導体レーザの光軸に対しこの光軸を中心にして対称的に所定の角度ずらされて配置されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  4. 請求項1乃至3記載の半導体レーザ装置において、前記半導体レーザ及び2組の光学素子は共通の基台に載置されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  5. 請求項1乃至4記載の半導体レーザ装置において、前記光ファイバはアップコンバージョン用の光ファイバであることを特徴とする半導体レーザ装置。
  6. 半導体レーザと、この半導体レーザの励起光出射面に対向し且つこの半導体レーザの光軸に対し互いにスロー軸方向にその光軸を異ならせて配置された2組の光結合素子と、これら2組の光結合素子をそれぞれ介して前記励起光がその両端部に入射される光ファイバと、前記光結合素子の一方と前記光ファイバの一端との間に配置された光取り出し素子とを具備したことを特徴とする半導体レーザ装置。
  7. 半導体レーザと、この半導体レーザの励起光出射面に対向して配置され前記半導体レーザのファスト軸方向の光を平行光化するレンズと、このレンズの光出射側にこのレンズの光軸に対して互いにスロー軸方向にその光軸を異ならせて配置され、前記半導体レーザのスロー軸方向の光を平行光化する2組のレンズと、これらレンズの光出射側にそれぞれ設けられた集光レンズと、これら集光レンズの光出射側にそれぞれ設けられ、集光レンズからの光が入射される光ファイバとを具備したことを特徴とする半導体レーザ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2017145229A1 (ja) * 2016-02-22 2018-05-31 三菱電機株式会社 レーザー光源装置およびレーザー光源装置の製造方法

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