JP2004169869A - 磁気軸受制御装置 - Google Patents

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功 田代
Toru Nakagawa
亨 中川
Hiroyuki Nakada
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Abstract

【課題】磁気軸受スピンドル装置に対して工具の種類及び工具無しの状態でも工具を自動交換できるよう制御する磁気軸受制御装置を提供する。
【解決手段】クランプ状態、クランプ状態以外を検出する検出信号と、ツール交換用アームの状態信号とを用いてチューニング動作を行うタイミングを決定し、工具交換時に回転体の固有振動数、重心、重量を測定して制御特性及び固有振動数成分減衰部の特性を自動的に変更することにより、非接触支持したまま正確に工具交換を行うことができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気軸受を構成する電磁石に流す電流を制御して回転体を所定位置に支持する磁気軸受の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような磁気軸受制御装置として、図6に示すように、縦型の磁気軸受スピンドル装置101の回転を制御するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図6において、磁気軸受スピンドル装置101は、ケーシング104内の鉛直方向にスピンドル105が配設され、このスピンドル105を非接触に支持する1組のアキシャル磁気軸受106と上下2組のラジアル磁気軸受107、108と、スピンドル105のアキシャル方向の変位を検出する1個のアキシャル位置センサ109と、スピンドル105のラジアル方向の変位を検出する上下2組のラジアル位置センサ110、111と、スピンドル105を高速回転させる高周波電動機112と、スピンドル105のアキシャル方向及びラジアル方向の可動範囲を規制してアキシャル磁気軸受106及びラジアル磁気軸受107、108で支持されない状態のスピンドル105を機械的に接触支持する上下2組のタッチダウン軸受113、114とを設けて構成されている。
【0004】
この磁気軸受スピンドル装置101を制御するために設けられた主制御装置116は、アキシャル位置センサ109及びラジアル位置センサ110、111により検出されたスピンドル105のアキシャル方向及びラジアル方向の変位に基づいてアキシャル磁気軸受106の電磁石106a及びラジアル磁気軸受107、108の電磁石107a,108aに供給する励磁電流を制御すると共に、回転制御装置117を介して高周波電動機112の回転を制御するもので、その主要部はデジタル信号処理プロセッサにより構成されている。回転制御装置117は、主制御装置116からの指令に基づいて高周波電動機112の回転を制御するもので、公知のインバータにより構成されている。
【0005】
スピンドル105の先端部には、ツールホルダと一体化された工具121が装着され、中空構造に形成されたスピンドル105内には、そのアキシャル方向の移動により前記工具121のアンクランプ、クランプを制御するドローバ122が設けられている。このドローバ122の後端部はスピンドル105の後端より上方に突出しており、後端に位置検出用のフランジ122aが形成されている。このフランジ122aの位置を検出してドローバ122の状態を検知するために、図7に拡大図示するように、アンクランプ状態であることを検知する第1センサ124、クランプ状態であることを検知する第2センサ125、工具無しの状態であることを検知する第3センサ126が設けられている。これらの第1〜第3の各センサ124、125、126の検知出力は主制御装置116に入力され、主制御装置116は第1〜第3の各センサ124、125、126の検知出力に基づいてアキシャル磁気軸受106及びラジアル磁気軸受107、108によるスピンドル105の支持及び高周波電動機112によるスピンドル105の回転を制御する。
【0006】
上記構成において、主制御装置116は、ドローバ122がクランプ状態にあるときは、アキシャル磁気軸受106及びラジアル磁気軸受107、108によるスピンドル105の支持及び高周波電動機112によるスピンドル105の回転を可能とし、ドローバ122がアンクランプ状態あるいは工具無しの状態にあるときは、アキシャル磁気軸受106及びラジアル磁気軸受107、108によるスピンドル105の支持及び高周波電動機112によるスピンドル105の回転を不可能に制御する。例えば、工具交換が終了したときに、ドローバ122がクランプ状態にあれば、直ぐにアキシャル磁気軸受106及びラジアル磁気軸受107、108を作動させてスピンドル105を非接触支持する。スピンドル105に工具121が装着されていない状態、即ちドローバ122がアンクランプ状態あるいは工具無しの状態にあるときは、数値制御装置102からの指令にかかわらずアキシャル磁気軸受106及びラジアル磁気軸受107、108を作動状態にしてスピンドル105の非接触支持を行わないようにすると共に、数値制御装置102から回転指令が出力されても高周波電動機112を駆動しないのでスピンドル105は回転しないように制御される。
【0007】
即ち、スピンドル105に工具121が装着されている状態とされていない状態とでは、工具121の重量によりスピンドル105全体の重量や固有振動数などが変化する。アキシャル磁気軸受106及びラジアル磁気軸受107、108の制御特性は、スピンドル105に工具121が装着されているときに最適となるように調整されているので、スピンドル105に工具121が装着されていない状態ではアキシャル磁気軸受106及びラジアル磁気軸受107、108の制御特性が必ずしも最適にならず、アキシャル磁気軸受106及びラジアル磁気軸受107、108によりスピンドル105を非接触支持して回転させると、スピンドル105に発振が生じることがある。そこで、この磁気軸受スピンドル装置では、スピンドル105に工具121が装着されていない状態では、スピンドル105の非接触支持及び回転がなされないように制御することにより発振が生じないように構成されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−43910号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような磁気軸受スピンドル装置を工作機械に搭載し、複数種類の工具を交換しながら加工を行う場合、自動工具交換の一般的な手順として、ツールホルダの角度と回転体(スピンドル)の角度とを合わせるように、回転体を決められた角度で停止させるオリエント動作を行った後、ツール交換用アームが現在回転体に装着されているツールホルダをつかみ、アンクランプにした後、ツール交換用アームがツールホルダを引き抜き、ツールホルダを工作機械に備えられているマガジンに収納する。同時に次に装着するツールホルダを回転体に挿入し、クランプさせた後、ツール交換用アームを原点位置に戻して工具交換を完了する。
【0010】
図5に示すように、ツール交換用アームがツールホルダ67をつかみ、これを回転体50に装着するためにアキシャル方向に移動するときのツールホルダ67の中心と回転体50の中心とを合わせる必要があり、中心がずれているとツールホルダ67を回転体50に装着することができない。従って、回転体50は決められた位置に支持されていることが必要となる。
【0011】
実際の工作機械のオペレーションにおいて、工作機械の立ち上げ時に磁気軸受スピンドル装置にどのような工具が装着されているかは様々であり、ツールホルダが装着されていないこともある。ツールホルダが装着されていないときには前述の工具交換手順によりツールホルダを装着するが、そのときに回転体は決められた位置で支持されている必要があり、オリエント動作を行うために回転可能である必要もある。
【0012】
しかしながら、前述した従来構成の磁気軸受スピンドル装置では、工具交換を行うときにスピンドルに工具が装着されている状態と装着されていない状態とでの重量の変化に伴う発振を避けるため、工具が装着されていない状態ではスピンドルの非接触支持及び回転を禁止しているため、スピンドルは決まった位置に正確に支持されない。従って、工具を装着するためにツール交換用アームがツールホルダをつかんでアキシャル方向に移動させたとき、ツールホルダの中心とスピンドルの中心とが一致しない状態となり、ツールホルダをスピンドルに装着できない問題が発生する。
【0013】
この従来技術に係る問題点を解決すべく、本願出願人は先に特願2000−312728号として磁気軸受制御装置を提案した。その構成は、図2に示す磁気軸受スピンドル装置7を制御するための磁気軸受制御装置であって、図8に示すように構成されている。
【0014】
上記磁気軸受制御装置を構成する各部の詳細については後述するが、この磁気軸受制御装置によれば、磁気軸受スピンドル装置7に装着される可変重量部の重量変更、例えば、工具の種類の変更に伴う回転体50の固有振動数の変化に対して固有振動数成分減衰部3の特性を自動的に変更して、回転体50の発振現象の発生を防止することは勿論、回転体50の重量及び重心位置の変化に応じて制御特性を自動的に変更し、可変重量部の重量変更に応じて最適な制御を行う磁気軸受制御装置が得られる。
【0015】
しかしながら、工作機械に磁気軸受スピンドル装置を搭載した場合に、ツール交換用アームが回転体50に装着されているツールホルダをつかんでいる状態で固有振動数の測定及び演算、可変重量部の重量及び重心位置の変化に対応させた制御パラメータの演算を行うと誤った演算結果となり、工具交換後に回転体50の発振などの不安定な状態が発生する問題点が生じた。
【0016】
本発明が目的とするところは、上記従来技術に係る磁気軸受制御装置の問題点を解決して実用性の高い磁気軸受制御装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の磁気軸受制御装置は、端部に可変重量部が着脱可能に装着された軸状の回転体を所定位置に非接触で支持する電磁石と、前記回転体の位置を検出するセンサと、このセンサから出力されたセンサ信号により前記電磁石に供給する駆動電流を制御する制御回路と、回転体内を軸方向に移動して前記可変重量部の着脱を制御するドローバとを備えてなる磁気軸受制御装置であって、前記センサ信号に基づいて回転体の固有振動数成分を減衰させる固有振動数成分減衰部と、回転体に外乱を与える外乱発生手段と、外乱により変化する回転体の位置情報から回転体の固有振動数を測定して前記固有振動数成分減衰部のパラメータを変更するパラメータ設定部と、電磁石への駆動電流から回転体の重量を演算する可変重量部重量演算部と、この可変重量部重量演算部の出力信号から回転体の重心位置を演算する重心位置演算部と、前記可変重量部重量演算部及び重心位置演算部それぞれの出力信号から制御パラメータを演算する制御パラメータ演算部と、この制御パラメータ演算部及び前記固有振動数成分減衰部の出力信号に基づいて前記電磁石の駆動電流を制御するための制御信号を出力する位相補償部と、前記ドローバの軸方向の位置を検出することにより可変重量部のクランプ状態又はアンクランプ状態を検出する工具装着状態検出手段と、可変重量部のツール交換用アームの状態を検出するツール交換用アーム状態検出手段と、このツール交換用アーム状態検出手段及び前記工具装着状態検出手段それぞれの検出出力に基づいて外乱発生手段及び固有振動数演算及びパラメータ設定部、可変重量部重量演算部、重心位置演算部の演算結果によりパラメータを変更するチューニング開始手段とを備えてなることを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、工作機械に磁気軸受スピンドル装置を搭載した場合に、可変重量部のクランプ又はアンクランプ状態を検出する工具装着状態検出手段からの検出信号と、ツール交換用アーム状態検出手段からの検出信号とを用いてチューニング動作を実行するタイミングを決定し、工具の交換時に回転体の固有振動数及び重心、重量を測定して制御特性及び固有振動数成分減衰部の特性を自動的に変更し、最適な制御を行うため、発振現象は発生せず、回転体を非接触したまま工具交換を行うことができる。
【0019】
上記構成において、可変重量部重量演算部は、回転体が軸方向を水平にしたものであるとき、回転体を非接触支持するラジアル磁気軸受及びスラスト磁気軸受のうち前記ラジアル磁気軸受の駆動電流を測定することにより可変重量部の重量を検出することができる。
【0020】
また、固有振動数演算部により求められた曲げ一次の固定振動数以下の割合に回転体の最高周波数を制限することにより、回転体の回転数が曲げ一次の固有振動数(危険速度)に近づくことを防止して安定な回転を保つことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0022】
図1は、本実施形態に係る磁気軸受制御装置の構成を示すもので、図2に示す磁気軸受スピンドル装置7を制御できるように構成されたものである。
【0023】
図2において、磁気軸受スピンドル装置7は、回転体50をフロント側ラジアル軸受53、54と、リア側ラジアル軸受55、56と、スラスト軸受57、58とにより非接触に支持すると共に、モータロータ51とモータステータ52とにより回転駆動するように構成されている。各軸受53〜58はそれぞれ回転側のロータと固定側のステータとからなり、固定側は電磁石で構成され、この電磁石への駆動電流を磁気軸受制御装置によって制御することにより、回転体50の空間的位置を制御することができる。
【0024】
磁気軸受制御装置による制御を可能にするために、フロント側及びリア側にラジアル変位センサ59、60と、スラスト変位センサ61とが設けられ、回転体50のラジアル方向の変位とスラスト方向の変位とが検出される。これらのセンサは渦電流形センサ、静電容量形センサ、光センサなどが用いられる。尚、62、63は保護ベアリング、64はケーシングである。
【0025】
回転体50の先端部には工具65を保持したツールホルダ67が装着され、ツールホルダ67の回転体50に対するクランプ、アンクランプは、回転体50の内部に設けられたドローバ70により制御される。図3は、回転体50内に設けられたドローバ70の構成を示すもので、先端に前記ツールホルダ67をクランプするためのクランプ部77が設けられたドローバ70は、バネ71により後方に付勢された状態で回転体50内に収容され、油圧シリンダ72の先端方向への加圧によりバネ71の付勢に抗して先端側に前進できるように構成されている。先端のクランプ部77はドローバ70が油圧シリンダ72により前進したとき開き、油圧シリンダ72の油圧が解除されてバネ71の付勢によりドローバ70が後退したときに閉じるように形成されている。ドローバ70が前進するとクランプ部77が開いてアンクランプ状態になってクランプしていたツールホルダ67の取り外しが可能となり、このアンクランプ状態でクランプ部77にツールホルダ67を挿入して、油圧シリンダ72の油圧を解除してドローバ70を後退させると、クランプ部77が閉じるのでツールホルダ67はクランプされ、回転体50にツールホルダ67が装着される。
【0026】
前記油圧シリンダ72の移動位置を検出するために、状態検知センサであるクランプセンサ74及びアンクランプセンサ75とセンサターゲット73とが設けられている。これらのセンサは例えば近接スイッチにより構成され、クランプセンサ74はドローバ70がクランプ位置、即ち後退位置にあるときに、アンクランプセンサ75はドローバ70がアンクランプ位置、即ち前進位置にあるときに、それぞれオンの状態になる。
【0027】
上記構成からなる磁気軸受スピンドル装置7は、図4に示すように工作機械に搭載される。工具65を交換するときには、図示するように磁気軸受スピンドル装置7を所定の工具交換位置に移動させ、ツールホルダ67の角度と回転体50の角度を合わせるために回転体50を決められた角度で停止させるオリエント動作を行った後、ツール交換用アーム208により回転体50に装着されているツールホルダ67をつかみ、前述したドローバ70のアンクランプ動作によりツールホルダ67がアンクランプ状態になると、ツール交換用アーム208はツールホルダ67を引き抜き、工作機械に設けられているマガジンに収納する。これと同時に、次に装着するツールホルダ67を回転体50に挿入し、前述したドローバ70によるクランプ動作により回転体50にツールホルダ67を装着する。ツールホルダ67の交換が終了すると、ツール交換用アーム208を原点位置に戻して工具交換の作業は完了する。
【0028】
図1において、回転体50の位置を検出するセンサからの検出出力を処理するセンサ回路1の出力は第1A/D変換器2によりデジタル変換されてデジタル演算処理部14の固有振動数成分減衰部3に入力される。固有振動数成分減衰部3は複数個のデジタルノッチフィルタで構成され、デジタルノッチフィルタの設定周波数は回転体50の固有振動数に設定されている。回転体50の固有振動数は回転体50の曲げの固有振動数と可変重量部(工具)65の固有振動数及びツールホルダ67の固有振動数とが融合された周波数である。
【0029】
前記固有振動数成分減衰部3により固有振動数成分を減衰させた出力は加算部8に入力され、位置指令値から減算処理されて位相補償部4に入力される。位相補償部4は加算部8からの入力信号を比例、微分、積分演算し、それぞれの演算結果に状態フィードバック係数をかけた出力をD/A変換器5に入力する。D/A変換器5のアナログ出力はパワー増幅回路6に入力して増幅され、パワー増幅回路6は磁気軸受スピンドル装置7の電磁石に駆動電流を供給する。
【0030】
次に、上記固有振動数の測定動作について説明する。外乱発生手段30を構成するパルス発生器13が発生したパルス信号は、位置指令値及び固有振動数成分減衰部3の出力と共に加算部8に入力され、位相補償部4、D/A変換器5、パワー増幅回路6を経由して電磁石から回転体50に外乱が与えられる。磁気軸受において外力に対する変位の周波数は、制御周波数以上の領域(慣性領域)では40dB/decとなるため、パルス発生器13からのパルス信号は位相補償部4の微分処理を経由させることにより、制御周波数以上の領域に確実に外乱を与えることができる。この外乱の入力時に、センサ回路1の出力を微分器9に入力して微分処理し、この微分器9の出力を第2A/D変換器10によりデジタル変換し、固有振動数演算部11に入力して回転体50の固有振動数を演算する。
【0031】
固有振動数演算部11は、例えば高速フーリエ変換(FFT)により回転体50の固有振動数を演算する。求められた固有振動数は、共振倍率の大きいものから決められた個数を固有振動数成分減衰部3における設定周波数として固有振動数成分減衰部パラメータ設定部12に出力する。固有振動数成分減衰部パラメータ設定部12では固有振動数演算部11から出力された固有振動数に対応した固有振動数成分減衰部3のパラメータの設定を行う。具体的には、複数のデジタルノッチフィルタのパラメータを固有振動数毎に設定する。設定の方法は、パラメータを再計算して求める方法と、予め設定周波数に対するパラメータのテーブルを用意し、固有振動数に対応したパラメータをテーブルから取得する方法がある。固有振動数成分減衰部パラメータ設定部12の出力により固有振動数成分減衰部3のパラメータが変更され、回転体50の特性に応じたノッチフィルタが設定され、安定した制御特性を得ることができる。
【0032】
次いで、回転体50の重量に変化を及ぼす可変重量部(工具)65及びツールホルダ67の重量測定動作について説明する。本実施形態に係る磁気軸受スピンドル装置7では、回転体50が水平に配置されているので、固定側のラジアル軸受54、56の駆動電流を第3A/D変換器17によりデジタル変換して可変重量部重量演算部18に入力する。可変重量部重量演算部18では電磁石の磁気吸引力Fと電磁石駆動電流Iとの関係F=K・(I/Z)を用いて可変重量部65の重量を演算する。尚、Kは電磁石によって決まる既知の定数、Zは回転体50と電磁石との間のギャップであり、回転体50を一定の位置に支持している状態では一定である。
【0033】
横置きタイプの磁気軸受スピンドル装置7では、2組のラジアル軸受54、56の鉛直方向に対をなすX軸方向の電磁石の磁気吸引力の差によって回転体50の重量が支持され、上側の電磁石による上向きの磁気吸引力と下側の電磁石による下向きの磁気吸引力との差が回転体50の重量となる。従って、電磁石の駆動電流の変化を測定することにより回転体50の重量の変化を演算することができる。回転体50の一端に可変重量部65及びツールホルダ67を装着しない状態での電磁石の駆動電流は予めわかっているので、回転体50全体の重量の変化から可変重量部重量演算部18によって可変重量部65及びツールホルダ67の変化を演算することができる。
【0034】
可変重量部重量演算部18で演算された重量が入力される重心位置演算部19は、回転体50の重量mを変数とした関数f(m)により回転体50の重心位置を演算する。重心位置は、例えば回転体50の構造が変わる点で回転体50を輪切りにして1つ1つのSECTとし、それぞれのSECTのモーメントをつなぎ合わせることにより重心位置を演算する。
【0035】
制御パラメータ演算部20には、可変重量部重量演算部18及び重心位置演算部19からの出力信号が入力される。回転体50の重量及び重心位置の変化は磁気軸受のモデルが変化することなので、制御パラメータ演算部20は変化したモデルに対応した制御パラメータを演算して位相補償部4に出力する。制御パラメータの演算方法は、例えば、磁気軸受のモデルに対して最適レギュレータの手法を用いて評価関数Jの値を最小にする最適な制御入力を演算し、状態フィードバック係数を求める方法などを用いることができる。
【0036】
工作機械が稼動開始したとき、磁気軸受スピンドル装置7にどのような工具65が装着されるかは様々である。そこで、クランプセンサ74からのクランプ信号及びアンクランプセンサ75からのアンクランプ信号、ツール交換用アーム208の状態信号をチューニング開始判定部35に入力し、回転体50を非接触支持していない状態から非接触支持されるときは、定常範囲内に回転体50が支持された直後に、クランプ状態で且つツール交換用アーム208が原点位置にある場合には、固有振動数の測定、可変重量部65及びツールホルダ67の重量測定、重心位置演算部19、制御パラメータ演算部20を動作させ、自動的にチューニングを行うことにより、現状の回転体50に対して最適な制御が行われる。工作機械が稼動開始したとき、クランプ状態でない場合やツール交換用アーム208が原点位置でない場合は、非接触支持を禁止している。
【0037】
工具交換時には、回転体50が非接触支持状態のまま上記工具交換手順に従ってクランプ以外の状態からクランプ状態になる状態の変化且つツール交換用アーム208が原点位置にある場合には、固有振動数の測定、可変重量部65及びツールホルダ67の重量測定、重心位置演算部19、制御パラメータ演算部20を動作させ、自動的にチューニングを行うことにより、現在の回転体50に対して最適な制御が行われる。ツール交換用アーム208は原点位置にあるという条件以外に、ツールホルダ67から離れてから、ある時間が経過した後という条件でもよい。
【0038】
また、固有振動数演算部11内の演算結果のうち、回転体50の曲げ一次の固有振動数の例えば70%の周波数を演算し、工作機械の加工制御手段としてのNC装置28にモータの最高回転数信号を出力するようにすると、回転体50の回転数が曲げ一次の固有振動数(危険速度)に近づくことを防いで安定した回転を保つことができる。前記モータの最高回転数は、曲げ一次の固有振動数の60〜80%に設定するのが望ましい。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明の通り本発明によれば、工作機械に磁気軸受スピンドル装置を搭載した場合に、工具のクランプ状態及びクランプ状態以外を検出する工具状態検出信号と、ツール交換用アームの状態信号とを用いてチューニング動作を行うタイミングを決定し、工具交換時に回転体の固有振動数及び重心、重量を測定して、制御特性及び固有振動数成分減衰部の特性を自動的に変更し、最適な制御を行うため、発振現象は発生せず、非接触支持したまま工具交換を行うことができる磁気軸受制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る磁気軸受制御装置の構成を示すブロック図。
【図2】制御対象とする磁気軸受スピンドル装置の構成を示す断面図。
【図3】ドローバの構成を示す断面図。
【図4】ツール交換用アームによる工具交換の構成を示す斜視図。
【図5】回転体にツールホルダを装着する状態を説明する斜視図。
【図6】従来技術に係る磁気軸受とその制御装置の構成を示す断面図。
【図7】同上磁気軸受の部分拡大図。
【図8】従来の磁気軸受制御装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 センサ回路
3 固有振動数成分減衰部
4 位相補償部
6 パワー増幅回路
7 磁気軸受スピンドル装置
9 微分器
11 固有振動数演算部
12 固有振動数成分減衰部パラメータ設定部
13 パルス発生器
18 可変重量部重量演算部
19 重心位置演算部
20 制御パラメータ演算部
35 チューニング開始判定部
50 回転体
65 可変重量部(工具)
67 可変重量部(ツールホルダ)
70 ドローバ
74 クランプセンサ
75 アンクランプセンサ
208 ツール交換用アーム

Claims (4)

  1. 端部に可変重量部が着脱可能に装着された軸状の回転体を所定位置に非接触で支持する電磁石と、前記回転体の位置を検出するセンサと、このセンサから出力されたセンサ信号により前記電磁石に供給する駆動電流を制御する制御回路と、回転体内を軸方向に移動して前記可変重量部の着脱を制御するドローバとを備えてなる磁気軸受制御装置であって、前記センサ信号に基づいて回転体の固有振動数成分を減衰させる固有振動数成分減衰部と、回転体に外乱を与える外乱発生手段と、外乱により変化する回転体の位置情報から回転体の固有振動数を測定して前記固有振動数成分減衰部のパラメータを変更するパラメータ設定部と、電磁石への駆動電流から回転体の重量を演算する可変重量部重量演算部と、この可変重量部重量演算部の出力信号から回転体の重心位置を演算する重心位置演算部と、前記可変重量部重量演算部及び重心位置演算部それぞれの出力信号から制御パラメータを演算する制御パラメータ演算部と、この制御パラメータ演算部及び前記固有振動数成分減衰部の出力信号に基づいて前記電磁石の駆動電流を制御するための制御信号を出力する位相補償部と、前記ドローバの軸方向の位置を検出することにより可変重量部のクランプ状態又はアンクランプ状態を検出する工具装着状態検出手段と、可変重量部の交換用アームの状態を検出するツール交換用アーム状態検出手段と、このツール交換用アーム状態検出手段及び前記工具装着状態検出手段それぞれの検出出力に基づいて外乱発生手段及び固有振動数演算及びパラメータ設定部、可変重量部重量演算部、重心位置演算部の演算結果によりパラメータを変更するチューニング開始手段とを備えてなることを特徴とする磁気軸受制御装置。
  2. 可変重量部重量演算部は、軸方向を水平にした回転体を非接触支持するラジアル磁気軸受及びスラスト磁気軸受の前記ラジアル磁気軸受の駆動電流を測定することにより可変重量部の重量を検出する請求項1に記載の磁気軸受制御装置。
  3. 固有振動数演算部により求められた曲げ一次の固定振動数以下の割合に回転体の最高周波数を制限する請求項1又は2に記載の磁気軸受制御装置。
  4. 可変重量部が回転体の端部に装着される工具である請求項1〜3いずれか一項に記載の磁気軸受制御装置。
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