JP2004169844A - 可撓管継手構造 - Google Patents

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喜久雄 斉藤
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Abstract

【課題】製造コストの高騰化及び重量化を抑制しつつ、泥土の堆積や流路損失を抑制する。
【解決手段】部分球状の内周面1aを備えた受口管1に、これの部分球状内周面1aに沿って球中心周りで摺動可能な嵌合摺動部2Aを備えた挿口管2が屈曲自在に嵌合接続されているとともに、挿口管2の嵌合摺動部2Aが、挿口管2の直管部2Bの外周面先端側に位置して、受口管1の部分球状内周面1aに沿って摺動する部分球状の外周面2aを備えた筒状の主嵌合摺動体2bと、挿口管2の管軸芯X方向中央側に位置して、受口管1の部分球状内周面1aに沿って摺動する外側面2cを備えた略板状の副嵌合摺動体2dとから構成されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中に埋設された水道管等の流体管の配管系に、地震や不同沈下等に起因する管軸芯に対して交差する方向の剪断力や曲げモーメント等の外力が作用したとき、この外力を管継手箇所において極力吸収して、配管系の脆弱部での破損を抑制することのできる可撓管継手構造であって、詳しくは、部分球状の内周面を備えた受口管に、これの部分球状内周面に沿って摺動可能な嵌合摺動部を備えた挿口管が、球中心周りで屈曲自在に嵌合接続されている可撓管継手構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の可撓管継手構造としては、次の二つのタイプが存在する。
(イ)挿口管の直管部の先端に、管軸芯に対して直交する方向で球中心を通る垂直線を対称中心として管軸芯方向の両側方に亘る状態で径方向外方に膨出し、かつ、受口管の部分球状内周面に沿って摺動する部分球状外周面を備えた部分球状筒部が、それの部分球状内周面によって形成される環状凹部を管軸芯側に向かって開口させた状態で一体形成されていて、この部分球状筒部をもって嵌合摺動部が構成されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0003】
(ロ)挿口管の直管部の先端に、管軸芯に対して直交する方向で球中心を通る垂直線を対称中心として管軸芯方向の両側方に亘る状態で径方向外方に膨出し、かつ、受口管の部分球状内周面に沿って摺動する部分球状外周面を備えた部分球状筒部が、それの部分球状内周面と挿口管の外周面との間に密閉環状空間を現出する又は挿口管の管軸芯方向中央側に向かって開口する環状空間を現出する状態で一体形成されていて、この部分球状筒部をもって嵌合摺動部が構成されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−280447号公報(第2−3頁、図1、図2、図5)
【特許文献2】
特開平10−61853号公報(第3頁、図1、図2、図5)
【特許文献3】
特開平10−281370号公報(第4−6頁、図1−4、図6、 図7)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前者の(イ)タイプでは、挿口管の部分球状筒部の部分球状内周面によって形成される環状凹部が、管軸芯側に向かって開口しているため、受口管と挿口管との所期の屈曲性能に影響を及ぼすものではないが、下水道の汚水配管に使用した場合では、管軸芯側に向かって開口形成される部分球状筒部の環状凹部に汚泥が堆積することを完全に回避することができず、また、上水道の浄水配管に使用した場合には、部分球状筒部の環状凹部において流動抵抗が増加し易い。
【0006】
このような汚泥の堆積や流量損失を抑制する方法として、図6に示すように、受口管50に嵌合接続される挿口管51の部分球状筒部51Aの部分球状内周面51aに、これによって形成される環状凹部を埋設する状態でゴム製の環状埋め込み部材52を固着する方法が採られているが、これによる場合は、挿口管51が重量化するばかりでなく、製作された挿口管51の部分球状筒部51Aに対する環状埋め込み部材52の固着作業工程が新たに加わり、しかも、剥離防止対策も講じる必要があるため、製造コストの高騰化を招来し易い。
【0007】
また、前者の(ロ)タイプでは、部分球状筒部の部分球状内周面が、挿口管自体の直管部で閉塞されているから、汚泥の堆積や流路損失を抑制することができるものの、挿口管と部分球状筒部とを、それの部分球状内周面と挿口管の外周面との間に密閉環状空間又は挿口管の間軸芯方向中央側に向かって開口する環状空間を現出する状態で一体形成するため、その鋳造に高度な特殊技術が必要で、製造コストの高騰化を招来し易い。
【0008】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、製造コストの高騰化及び重量化を抑制しつつ、泥土の堆積や流路損失を抑制することのできる可撓管継手構造を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1による特徴構成は、部分球状の内周面を備えた受口管に、これの部分球状内周面に沿って球中心周りで摺動可能な嵌合摺動部を備えた挿口管が屈曲自在に嵌合接続されている可撓管継手構造であって、
前記挿口管の嵌合摺動部が、挿口管の直管部の外周面先端側に位置して、受口管の部分球状内周面に沿って摺動する部分球状の外周面を備えた筒状の主嵌合摺動体と、挿口管の管軸芯方向中央側に位置して、受口管の部分球状内周面に沿って摺動する外側面を備えた略板状の副嵌合摺動体とから構成されている点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、挿口管の直管部の外周面先端側に、受口管の部分球状内周面に沿って摺動する部分球状外周面を備えた筒状の主嵌合摺動体が設けられているから、 受口管の部分球状内周面によって形成される環状凹部の大部分を、挿口管の直管部と主嵌合摺動体とで閉止することができ、受口管と挿口管との嵌合接続箇所において管軸芯側に向かって開口形成される窪みを少なくすることができる。
【0011】
しかも、挿口管の管軸芯方向中央側に設けた副嵌合摺動体の外側面も、受口管の部分球状内周面に沿って摺動するから、挿口管の直管部の外周面先端側に位置する主嵌合摺動体による摺動案内作用との協働により、球中心周りでの受口管と挿口管との三次元方向の屈曲をスムーズに行わせることができるものでありながら、挿口管の主嵌合摺動体の部分球状外周面の表面積が、受口管の部分球状内周面の表面積に比べて小さくなり、かつ、副嵌合摺動体が略板状に構成されているため、挿口管の軽量化を図ることができる。
【0012】
従って、製造コストの高騰化及び重量化を抑制しつつ、泥土の堆積や流路損失を抑制することができる。
【0013】
本発明の請求項2による可撓管継手構造の特徴構成は、前記主嵌合摺動体が、管軸芯に対して直交する方向で球中心を通る垂直線よりも挿口管の直管部の外周面先端側に配設されているとともに、前記副嵌合摺動体が、管軸芯に対して直交する方向で球中心を通る垂直線よりも少なくとも挿口管の管軸芯方向中央側に配設されている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、球中心を通る垂直線よりも挿口管の直管部の外周面先端側に、受口管の部分球状内周面に沿って摺動する部分球状の外周面を備えた筒状の主嵌合摺動体が設けられているから、 受口管の部分球状内周面によって形成される環状凹部の大部分を、挿口管の直管部分と主嵌合摺動体とで閉止することができ、主嵌合摺動体の管軸芯方向での長さを短く構成しながらも、受口管と挿口管との嵌合接続箇所において管軸芯側に向かって開口形成される窪みを少なくすることができる。
【0015】
しかも、球中心を通る垂直線よりも少なくとも挿口管の管軸芯方向中央側に設けた副嵌合摺動体の外側面も、受口管の部分球状内周面に沿って摺動するから、挿口管の直管部の外周面先端側に位置する主嵌合摺動体による摺動案内作用との協働により、球中心周りでの受口管と挿口管との三次元方向の屈曲をスムーズに行わせることができるものでありながら、挿口管の主嵌合摺動体の部分球状外周面の表面積が、受口管の部分球状内周面の表面積に比べて半分以下に構成され、かつ、副嵌合摺動体が略板状に構成されているため、挿口管の軽量化を図ることができる。
【0016】
従って、製造コストの高騰化及び重量化を極力抑制しつつ、泥土の堆積や流路損失を抑制することができる。
【0017】
本発明の請求項3による可撓管継手構造の特徴構成は、前記副嵌合摺動体が、挿口管の直管部の外周面の周方向複数箇所に管軸芯方向に沿う又は略沿う姿勢で一体形成されている点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、挿口管の直管部の外周面先端側に設けた主嵌合摺動体の部分球状外周面による摺動案内作用と、挿口管の直管部の管軸芯方向中央側に一体形成された複数の副嵌合摺動体の外側面による摺動案内作用とにより、球中心周りでの受口管と挿口管との三次元方向の屈曲をよりスムーズに行わせることができる。
【0019】
本発明の請求項4による可撓管継手構造の特徴構成は、前記副嵌合摺動体が、主嵌合摺動体の端面と挿口管の直管部の外周面とに亘って一体形成されている点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、挿口管の直管部分の外周面先端側に設けた筒状の主嵌合摺動体の部分球状外周面による摺動案内作用と、挿口管の管軸芯方向中央側に一体形成された略板状の副嵌合摺動体の外側面による摺動案内作用とが連続するので、球中心周りでの受口管と挿口管との三次元方向の屈曲を一層スムーズに行わせることができるとともに、主嵌合摺動体及び副嵌合摺動体を頑丈に構成することができる。
【0021】
本発明の請求項5による可撓管継手構造の特徴構成は、前記主嵌合摺動体に、それの外周面と受口管の部分球状内周面との間を密封する環状の弾性シール材が設けられている点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、挿口管の主嵌合摺動体の部分球状外周面の表面積を、受口管の部分球状内周面の表面積に比べて少なくして、挿口管の軽量化を図るとともに、この小さな主嵌合摺動体側に環状の弾性シール材を設けることにより、例えば、従来の可撓管継手構造のように、受口管に、それの部分球状内周面と主嵌合摺動体の外周面との間を密封する環状の弾性シール材を設ける場合に比して、シール構造の簡素化と製造コストの低廉化を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1〜図5は、流体輸送管の一例である水道管の配管系に介在される可撓伸縮継手構造を示し、連結フランジ部1A及び部分球状の内周面1aを備えた鋳鉄製の第1受口管1と、これの部分球状内周面1aに沿って球中心P周りで摺動可能な嵌合摺動部2Aを備えた鋳鉄製の第1挿口管2と、第1受口管1と同一形状で、かつ、連結フランジ部3A及び部分球状の内周面3aを備えた鋳鉄製の第2受口管3と、これの部分球状内周面3aに沿って球中心P周りで摺動可能な嵌合摺動部4Aを備えた鋳鉄製の第2挿口管4とが主要構成として備えられていて、第1受口管1に第1挿口管2の嵌合摺動部2Aが、第2受口管3に第2挿口管4の嵌合摺動部4Aが夫々球中心P周りで三次元方向に屈曲自在に水密状態(密封状態)で嵌合接続されているとともに、第1挿口管2の直管部2Bの他端部分には、第2挿口管4の直管部4Bの他端部分が管軸芯X方向の一定範囲内において伸縮自在に水密状態(密封状態)で外嵌接続されている。
【0024】
前記第1受口管1のうち、管軸芯Xに対して直交する方向から球中心Pを通る垂直線Yと受口との間に位置する内周面1bは、第1挿口管2の嵌合摺動部2Aの管軸芯X方向からの抜き差しを許容する内径に構成されているとともに、受口側内周面1bの奥側には、部分球状内周面1aの一部を構成する摺動ガイド面5aを備え、かつ、第1挿口管2の嵌合摺動部2Aの抜け出し移動を阻止する円環状の摺動ガイド部材5が装着され、この装着箇所の受口側に形成した取付け溝1cには、縮径方向に弾性変形可能で、かつ、受口側内周面1bに装着された摺動ガイド部材5の抜け出し移動を阻止する抜止めリング6が装着されている。
【0025】
前記第2受口管3も、上述の第1受口管1と同様に、管軸芯Xに対して直交する方向から球中心Pを通る垂直線Yと受口との間に位置する内周面3bが、第2挿口管4の嵌合摺動部4Aの管軸芯X方向からの抜き差しを許容する内径に構成されているとともに、受口側内周面3bの奥側には、部分球状内周面3aの一部を構成する摺動ガイド面5aを備え、かつ、第2挿口管4の嵌合摺動部4Aの抜け出し移動を阻止する円環状の摺動ガイド部材5が装着され、この装着箇所の受口側に形成した取付け溝3cには、縮径方向に弾性変形可能で、かつ、受口側内周面3bに装着された摺動ガイド部材5の抜け出し移動を阻止する抜止めリング6が装着されている。
【0026】
前記各摺動ガイド部材5は、管軸芯Xを通る線分において周方向で二分割されているともに、摺動ガイド面5aの受口側端部には、第1受口管1又は第2受口管3に対して第1挿口管2又は第2挿口管4が最大屈曲角度にまで屈曲されたとき、第1挿口管2の外周面又は第2挿口管4の外周面に当接して、それ以上の屈曲を阻止する傾斜姿勢のストッパー面5bが形成されている。
【0027】
前記第1挿口管2の嵌合摺動部2Aは、図1〜図4に示すように、管軸芯Xに対して直交する方向で球中心Pを通る垂直線Yよりも第1挿口管2の直管部2Bの外周面先端側に位置して、第1受口管1の部分球状内周面1aに沿って摺動する部分球状の外周面2aを備えた中実筒状の主嵌合摺動体2bと、管軸芯Xに対して直交する方向で球中心Pを通る垂直線Yよりも少なくとも第1挿口管2の管軸芯X方向中央側に位置して、第1受口管1の部分球状内周面1aに沿って摺動する部分球状の外側面2cを備えた複数枚(当該実施形態では六枚)の略板状の副嵌合摺動体2dとから構成されている。
【0028】
前記副嵌合摺動体2dが、主嵌合摺動体2bの受口側端面の周方向複数箇所と第1挿口管2の直管部2Bにおける外周面の周方向複数箇所とに亘って管軸芯X方向に沿った又は略沿った姿勢で一体形成されていて、主嵌合摺動体2bの部分球状外周面2aと各副嵌合摺動体2dの部分球状外側面2cとが一連の球面状に連続するように構成されている。
【0029】
前記主嵌合摺動体2bの部分球状外周面2aに形成した環状のシール取付け溝2eには、部分球状外周面2aと第1受口管1の部分球状内周面1aとの間を水密状態に密封する環状の弾性シール材7が装着されている。
【0030】
前記第2挿口管4の嵌合摺動部4Aは、図1〜図3、 図5に示すように、第1挿口管2の嵌合摺動部2Aと同様に、管軸芯Xに対して直交する方向で球中心Pを通る垂直線Yよりも第2挿口管4の直管部4Bの外周面先端側に位置して、第2受口管3の部分球状内周面3aに沿って摺動する部分球状の外周面4aを備えた筒状の主嵌合摺動体4bと、管軸芯Xに対して直交する方向で球中心Pを通る垂直線Yよりも少なくとも第2挿口管3の管軸芯X方向中央側に位置して、第2受口管3の部分球状内周面3aに沿って摺動する部分球状の外側面4cを備えた複数枚(当該実施形態では六枚)の略板状の副嵌合摺動体4dとから構成されている。
【0031】
前記副嵌合摺動体4dが、主嵌合摺動体4bの受口側端面の周方向複数箇所と第2挿口管4の直管部4Bにおける外周面の周方向複数箇所とに亘って管軸芯X方向に沿った又は略沿った姿勢で一体形成されていて、主嵌合摺動体4bの部分球状外周面4aと各副嵌合摺動体4dの部分球状外側面4cとが一連の球面状に連続するように構成されている。
【0032】
前記主嵌合摺動体4bの部分球状外周面4aに形成した環状のシール取付け溝4eには、部分球状外周面4aと第2受口管3の部分球状内周面3aとの間を水密状態に密封する環状の弾性シール材7が装着されている。
【0033】
前記第1挿口管2の直管部2Bの他端部分の外周面には、半径方向外方に突出する環状の係止突起9が形成されているとともに、第2挿口管4の直管部4Bの他端部分の内周面に形成されたシール保持溝4fには、これと第1挿口管2の直管部2Bの外周面との間を水密状態に密封する環状の弾性シール材10が装着されているとともに、このシール保持溝4fに隣接形成された取付け溝4gには、第1挿口管2と第2挿口管4とが最大離脱位置にまで相対的に離脱移動したとき、第1挿口管2の係止突起9と管軸芯X方向から接当してそれ以上の離脱移動を阻止する拡径変形可能な略Cの字状の抜止めリング11と、これの拡径変形を許容する状態で該抜止めリング11を管軸芯Xと同芯状態に保持する弾性保持リング12とが装着され、更に、前記第2挿口管4の直管部4Bの管軸芯方向中間部には、第1挿口管2と第2挿口管4とが最大収縮位置にまで相対的に収縮移動したとき、第1挿口管2の先端面が管軸芯X方向から接当する環状段部4hが形成されている。
【0034】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の実施形態では、第1挿口管2の嵌合摺動部2Aを構成する主嵌合摺動体2bと副嵌合摺動体2dとの境界位置を、管軸芯Xに対して直交する方向で球中心Pを通る垂直線Yよりも第1挿口管2の直管部2Bの外周面先端側に設定したが、この主嵌合摺動体2bと副嵌合摺動体2dとの境界位置を、垂直線Y上又はそれよりも少し第1挿口管2の管軸芯X方向中央側に入り込んだ位置に設定してもよい。
【0035】
また、上述の第1挿口管2の嵌合摺動部2Aと同様に、第2挿口管4の嵌合摺動部4Aを構成する主嵌合摺動体4bと副嵌合摺動体4dとの境界位置を、垂直線Y上又はそれよりも少し第2挿口管4の管軸芯X方向中央側に入り込んだ位置に設定してもよい。
【0036】
(2)上述の実施形態では、第1挿口管2の嵌合摺動部2Aを構成する主嵌合摺動体2bと副嵌合摺動体2dとを連続形成したが、この主嵌合摺動体2bと副嵌合摺動体2dとを管軸芯X方向で間隔をあけて配設してもよい。
【0037】
また、上述の第1挿口管2の嵌合摺動部2Aと同様に、第2挿口管4の嵌合摺動部4Aを構成する主嵌合摺動体4bと副嵌合摺動体4dと管軸芯X方向で間隔をあけて配設してもよい。
【0038】
(3)前記副嵌合摺動体2d、4dとしては、円周方向で断続する一つ又は複数の板状又はそれに類似するブロック状のものであればよく、また、それの外側面2c,4cの形状としては、上述の実施形態で述べたように、受口管1,3の部分球状内周面1a,3aに沿って摺動する部分球状面に形成することが望ましいが、受口管1,3の部分球状内周面1a,3aとの摺動により、受口管1,3と挿口管2,4との球中心P周りの屈曲を案内することのできるものであれば、弧状や先鋭状等に形成して実施してもよい。
【0039】
(4)上述の実施形態では、前記第1受口管1、第1挿口管2、 第2受口管3、第2挿口管4との四部材から可撓伸縮管継手構造を構成したが、第1受口管1と第1挿口管2又は第2受口管3と第2挿口管4との二部材から屈曲のみ自在な可撓管継手構造を構成してもよい。
【0040】
(5)前記受口管1,3又は挿口管2,4としては、独立した管状のものに限定されるものではなく、仕切弁や分岐管等の流体機器に一体形成されている継手管部であってもよい。
【0041】
(6)上述の実施形態では、前記主嵌合摺動体2bの部分球状外周面2aに形成した環状のシール取付け溝2eに、部分球状外周面2aと第1受口管1の部分球状内周面1aとの間を水密状態に密封する一つの環状の弾性シール材7を装着したが、この弾性シール材7を複数に分割した状態で主嵌合摺動体2bの部分球状外周面2aに取り付けてもよい。
【0042】
(7)上述の実施形態では、前記摺動ガイド部材5を、管軸芯Xを通る線分において周方向で二分割したが、第1受口管1に挿入接続された第1挿口管2又は第2受口管3に挿入接続された第2挿口管4に対してそれの管軸芯方向の他端側から自由に外嵌状態で装着できる場合には、摺動ガイド部材5を円環状に構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可撓伸縮管継手構造を示す全体の断面側面図
【図2】屈曲状態を示す断面側面図
【図3】分解断面側面図
【図4】図3におけるA−A線断面図
【図5】図3におけるB−B線断面図
【図6】従来の可撓管継手構造を示す要部の断面側面図
【符号の説明】
P 球中心
X 管軸芯
Y 垂直線
1 受口管(第1受口管)
1a 部分球状内周面
2 挿口管(第1挿口管)
2A 嵌合摺動部
2B 直管部
2a 部分球状外周面
2b 主嵌合摺動体
2c 部分球状外側面
2d 副嵌合摺動体
3 受口管(第2受口管)
3a 部分球状内周面
4 挿口管(第2挿口管)
4A 嵌合摺動部
4B 直管部
4a 部分球状外周面
4b 主嵌合摺動体
4c 部分球状外側面
4d 副嵌合摺動体
7 弾性シール材

Claims (5)

  1. 部分球状の内周面を備えた受口管に、これの部分球状内周面に沿って球中心周りで摺動可能な嵌合摺動部を備えた挿口管が屈曲自在に嵌合接続されている可撓管継手構造であって、
    前記挿口管の嵌合摺動部が、挿口管の直管部の外周面先端側に位置して、受口管の部分球状内周面に沿って摺動する部分球状の外周面を備えた筒状の主嵌合摺動体と、挿口管の管軸芯方向中央側に位置して、受口管の部分球状内周面に沿って摺動する外側面を備えた略板状の副嵌合摺動体とから構成されている可撓管継手構造。
  2. 前記主嵌合摺動体が、管軸芯に対して直交する方向で球中心を通る垂直線よりも挿口管の直管部の外周面先端側に配設されているとともに、前記副嵌合摺動体が、管軸芯に対して直交する方向で球中心を通る垂直線よりも少なくとも挿口管の管軸芯方向中央側に配設されている請求項1記載の可撓管継手構造。
  3. 前記副嵌合摺動体が、挿口管の直管部の外周面の周方向複数箇所に管軸芯方向に沿う又は略沿う姿勢で一体形成されている請求項1又は2記載の可撓管継手構造。
  4. 前記副嵌合摺動体が、主嵌合摺動体の端面と挿口管の直管部の外周面とに亘って一体形成されている請求項1、2又は3記載の可撓管継手構造。
  5. 前記主嵌合摺動体には、それの外周面と受口管の部分球状内周面との間を密封する環状の弾性シール材が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の可撓管継手構造。
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JP2008019970A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Suiken:Kk 伸縮自在継手
KR101318774B1 (ko) * 2013-02-28 2013-10-16 신진정공 주식회사 신축가동관

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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