JP2004169618A - 蒸気タービンの乾燥保管方法および装置 - Google Patents

蒸気タービンの乾燥保管方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸気タービン本体の防錆効果が高く、しかも、運用の容易な蒸気タービンの乾燥保管方法および装置を提供することにある。
【解決手段】蒸気タービンは、蒸気導入部から導入された蒸気によって駆動される中圧タービン8と、この中圧タービンを駆動した蒸気によって駆動される低圧タービン10と有する。空気抽出装置12は、蒸気導入部に接続され、空気乾燥機27が蒸気排出部に接続される。空気抽出装置12により蒸気導入部から空気を吸引し、空気乾燥機27によって乾燥された外気を蒸気排気部側から吸入し、最初に低圧タービン10に乾燥した空気を供給して、蒸気タービンを乾燥保管する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、停止させた蒸気タービンの保管方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発電プラントが長時間にわたり運転を停止する場合、錆びなどの発生を防止しながら運転開始に備えることを一般に「プラントの保管」と称している。発電プラントのボイラおよびプレボイラである高圧給水加熱器,脱気器,低圧給水加熱器,給水ポンプ,復水ポンプ,さらにこれらの機器をつなぐ配管等の保管方法に関しては、一般に、1)満水保管方法,2)蒸気シール方法,3)窒素シール方法,4)自然乾燥保管方法が知られている。実際には、停止期間と機器使用材質により、上記1),2),3),4)を適宜組合せて行われている。
【0003】
一方、タービン本体に関しては、自然乾燥保管を行っているのが一般である。
保管方法としては、窒素シール法の方が防錆効果が高いが、タービングランド部から窒素ガスが漏洩するため、窒素シールは採用されていない。しかし、自然乾燥保管の場合、蒸気タービン内の湿度は大気条件に左右され、高湿度の場合、タービン内部にて結露が生じる可能性が高く、タービン本体が腐食ピット生成により亀裂進展する恐れがある。
【0004】
そこで、従来は、例えば、特許第3184016号明細書に記載のように、タービンサイクル設備を4ブロックに区分し、それぞれのブロックに乾燥空気を送り乾燥保管することが知られている。
【0005】
なお、特許第1645483号明細書に記載のようなタービンサイクル設備の冷却方法も知られている。
【0006】
【特許文献1】
特許第3184016号明細書
【特許文献2】
特許第1645483号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許第3184016号明細書記載の保管方法は、プレボイラ関係も含めた保管方法であるため、保管の対象範囲は広くなりすぎ、蒸気タービン本体の防錆が必ずしも十分に期待できないという問題があった。また、対象範囲が広すぎるため、運転員の運転操作の負担が大きいと言う問題もあった。すなわち、蒸気タービンの長期停止は、2年に1度程度のようにそれほど頻繁には行われないため、各バルブの開閉操作等は自動化されておらず、運転員がマニュアル等に従って、順次バルブの開閉操作を行う必要があり、その操作は極めて煩雑なものにならざるを得ないものである。
【0008】
本発明の目的は、蒸気タービン本体の防錆効果が高く、しかも、運用の容易な蒸気タービンの乾燥保管方法および装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、蒸気を導入する蒸気導入部と、導入された蒸気を排出する蒸気排出部を有し、この蒸気導入部から導入した蒸気によって駆動されるとともに、低圧タービンを含む蒸気タービンの乾燥保管方法であって、上記蒸気導入部から空気を吸引し、乾燥した外気を上記蒸気排気部側から吸入し、最初に低圧タービンに乾燥した空気を供給して、蒸気タービンを乾燥保管するようにしたものである。
かかる方法により、蒸気タービン本体の防錆効果が高く、しかも、運用の容易にし得るものとなる。
【0010】
(2)上記(1)において、好ましくは、蒸気タービン内の相対湿度に基づいて、上記蒸気導入部からの空気の吸引及び乾燥した外気の上記蒸気排気部側からの吸入運転を起動停止するようにしたものである。
【0011】
(3)上記(1)において、好ましくは、上記蒸気導入部から外気を上記低圧タービンに供給した後、中高圧タービンに外気を供給して、蒸気タービンを冷却した後、上記蒸気導入部からの空気の吸引及び乾燥した外気の上記蒸気排気部側からの吸入運転による乾燥保管を実施するようにしたものである。
【0012】
(4)上記目的を達成するために、本発明は、蒸気導入部から導入された蒸気によって駆動される中圧タービンと、この中圧タービンを駆動した蒸気によって駆動される低圧タービンとを有し、蒸気排出部から蒸気を排出する蒸気タービンであって、上記蒸気導入部に接続された空気抽出手段と、上記蒸気排出部に接続された空気乾燥手段とを備え、上記空気抽出手段により上記蒸気導入部から空気を吸引し、上記空気乾燥手段によって乾燥された外気を上記蒸気排気部側から吸入し、最初に上記低圧タービンに乾燥した空気を供給して、蒸気タービンを乾燥保管するようにしたものである。
かかる構成により、蒸気タービン本体の防錆効果が高く、しかも、運用の容易にし得るものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を用いて、本発明の一実施形態による蒸気タービンの乾燥保管方法および装置について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による蒸気タービンの乾燥保管装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による蒸気タービンの乾燥保管装置の構成を示す系統図である。
【0014】
本実施形態の蒸気タービンの乾燥装置の特徴とする点は、空気抽出装置にて高圧あるいは中圧タービンの蒸気導入部から吸引を行い、空気乾燥機で除湿した外気を蒸気排気部からタービン内部の最初に低圧タービンに導入するようにしたことにある。
【0015】
図1において、高圧タービン4の蒸気導入部に当たる主蒸気管1の主蒸気止弁2の出口に設けたドレン弁15の分技管に、高圧タービン排気路18を接続する。また、中圧タービン8の蒸気導入部に当たる再熱蒸気止弁7の出口側設けたドレン弁16の分技管に、中圧タービン排気路19を接続する。これらの排気路18、19に止弁22,23を設けて連結し、排気路20によって空気抽出装置12の吸込側に接続している。また、排気路20の途中には、冷却装置21,弁24,25を介挿している。すなわち、蒸気タービン(高圧タービン4,中圧タービン8や低圧タービン10)の蒸気導入部側から空気抽出装置12によって蒸気タービン(高圧タービン4,中圧タービン8や低圧タービン10)の内部を吸引する構成としている。
【0016】
また、低圧タービンの蒸気排出部に当たる復水器11に接続された真空破壊弁17の入口側に空気吸込切替弁28,29が設けられている。空気吸込切替弁28の入口には空気乾燥機27が設けられている。すなわち、蒸気タービン(高圧タービン4,中圧タービン8や低圧タービン10)の蒸気排出部側から空気乾燥機27によって除湿され、乾燥した空気を蒸気タービンの内部に吸引するようにしている。このように構成した結果、乾燥した空気は、最初、低圧タービン10に送られ、低圧タービン10の内部を乾燥させ、次に、中圧タービン8や高圧タービン4に順次送られ、これらの内部を乾燥させる。
【0017】
なお、図1において、参照符号3は蒸気加減弁を示し、5は低温再熱管を示し、6は逆止弁を示し、9はスロスオーバー管を示し、13はベンチレータ弁を示し、14はブローダウン弁を示し、26は弁を示している。
【0018】
次に、図2を用いて、本実施形態による蒸気タービンの乾燥保管方法の第1の例について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による蒸気タービンの乾燥保管方法の第1の例における構成を示す系統図である。なお、図1と同一符号は同一部分を示している。
【0019】
本例では、最初に、低圧タービン10に、次に、中圧タービン8及び高圧タービン4の内部の全てに対して、乾燥空気を導入して、内部を乾燥させるようにしている。
【0020】
図2に示すように、全てのタービン10,8,4の乾燥時には、主蒸気止弁2と、再熱蒸気止弁7と、ドレン弁15,16と、、ブローダウン弁14と、復水器空気抽出元弁26を全閉し、一方で空気抽出装置側に設けた弁22,23,24,25と、復水器11に接続された真空破壊弁17と蒸気加減弁3とベンチレータ弁13を全開する。なお、図中、黒く図示された弁は閉弁状態を示し、白抜きの弁は開弁状態を示している。さらに、空気吸込切替弁29を全閉し、空気吸込切替弁28を全開する。
【0021】
この状態で空気乾燥機27と空気抽出装置12を起動する。空気抽出装置12が起動すると、排気路20,18,19に吸込力が作用し、空気乾燥機27を通って除湿された外気Cが、真空破壊弁17から、復水器11に吸引される。吸引された外気Cは、復水器11から低圧タービン10を通ってクロスオーバー管9を通り中圧タービン8に入り、中圧タービン8の蒸気導入部から排気路19へ排出され、排気路20を通り、空気抽出装置12から大気へ排出される。
【0022】
また、復水器11に吸引された外気Cは、ベンチレータ弁13,低温再熱管5を通り、高圧タービン4の内部に入り、高圧タービン蒸気導入部から排気路18へ排出され、排気路20を通り空気抽出装置12から大気へ排出される。
【0023】
蒸気タービン停止期間中にこのような運転を実施することで、空気乾燥機27にて除湿された外気Cが連続的に低圧タービン10,中圧タービン8,高圧タービン4に流れるため、外気の条件(湿度)に左右されず、蒸気タービン内湿度を一定値以下に押さえることが可能となり、これまでの自然乾燥保管に比べ防錆効果を大幅に向上させることができる。
【0024】
本例では、乾燥空気は、最初に低圧タービン10に供給され、内部を乾燥させ、その後、中圧タービン8や高圧タービン4に供給されるように構成しているので、高圧タービンや中圧タービンに最初に乾燥空気を供給し、その後、低圧タービンにその空気を供給する場合に比べて、防錆効果を高めることができる。すなわち、蒸気タービンは、運転状態において、高圧タービンや中圧タービンには500℃以上の高温蒸気が導入され、一方、低圧タービンには低温の蒸気が導入される。したがって、高圧タービンや中圧タービンでは水分は蒸発するのに対して、低圧タービンでは、蒸気排出部に近い部分に水滴等が残存しやすくなっている。また、乾燥保管前には、蒸気タービンは冷却され、各高中低圧タービンは配管によって連通されている状態であるため、内部の湿度は同じようになっている。
したがって、もし、最初に、高圧タービンや中圧タービンから乾燥空気を送り込むと、これらの高圧タービンや中圧タービンの内部の蒸気によって乾燥空気が湿りを帯び、この湿りを帯びた空気が低圧タービンに供給されることになるため、低圧タービンの内部の除湿はできたとしても、蒸気排出部に近い部分に付着した水滴までは、容易に蒸発することができず、この水滴によって錆が発生しやすいものである。一方、本実施形態においては、最初に、低圧タービンに乾燥した空気を供給しているので、蒸気排出部に近い部分に付着した水滴も容易に乾燥できる。蒸気排出部に付着した水滴を除去し得る時間を実験的に求めたところ、蒸気タービンの規模によっても異なるが、本実施形態のように、蒸気排出部側から最初に低圧タービンに乾燥空気を供給するようにした場合で、2〜3日程度で水滴の除去が可能であるのに対して、蒸気導入部側から最初に高中圧タービンに乾燥空気を供給し、続けて低圧タービンに供給するようにすると、水滴の乾燥まで5〜7日程度要することが判明した。すなわち、本実施形態のように蒸気導入部側から低圧タービンに乾燥空気を供給する方法では、その逆に比べて乾燥に要する時間を半減以下にできる。水滴の付着時間が長いほど、錆は発生しやすくなるため、本実施形態による方法の方が、防錆効果が向上することになる。
【0025】
次に、図3を用いて、本実施形態による蒸気タービンの乾燥保管方法の第2の例について説明する。
図3は、本発明の一実施形態による蒸気タービンの乾燥保管方法の第2の例における構成を示す系統図である。なお、図1と同一符号は同一部分を示している。
【0026】
本例では、最初に、低圧タービン10に、次に、中圧タービン8の内部に対して、乾燥空気を導入して、内部を乾燥させるようにしている。すなわち、蒸気タービンで特に腐食が問題となっているのは、復水器11と直に繋がっている低圧タービン10であるため、低圧タービン10,中圧タービン8に限定して保管運転をすることにより、除湿された外気Cの通過量が増加するため、乾燥保管による防錆効果がさらに向上する。
【0027】
図3に示す例において、図2と異なる点は、ベンチレータ弁13と排気路18に設けた弁22を全閉にしたである。この状態から空気乾燥機27と空気抽出装置12を起動すると、排気路20と19に吸込力が作用し、真空破壊弁17から外気Cが空気乾燥機27を通り復水器11に吸引され、吸引された外気Cは復水器11から低圧タービン10、クロスオーバー管9を通り中圧タービン8に入り、中圧タービン8の蒸気導入部から排気路19へ排出され、排気路20を通り空気抽出装置12から大気へ排出される。ベンチレータ弁13と排気路18に設けた弁22が全閉しているので高圧タービン4には外気が導入されずそのままの状態となる。同様に図2の状態から排気路19に設けた弁23を全閉し、空気乾燥機27と空気抽出装置12を起動すれば、高圧タービン4に限定した乾燥保管運転となる。
【0028】
本例では、低圧タービン10,中圧タービン8に限定して保管運転をすることにより、除湿された外気Cの通過量が増加するため、乾燥保管による防錆効果がさらに向上する。
【0029】
図2及び図3にて説明した乾燥保管運転は、原則として連続運転を基本としている。しかしながら、蒸気タービン内部の相対湿度は40%以下で十分な防錆効果があるため、蒸気タービン内に相対湿度計を設置し、例えば、蒸気タービン内部の相対湿度が30%以下になったら、空気乾燥機27及び空気抽出装置12を停止して、乾燥保管運転を停止するとともに、蒸気タービン内部の相対湿度が50%を越えたら、空気乾燥機27及び空気抽出装置12を起動して、乾燥保管運転を再開するというように、所定の設定条件にて、図2や図3の乾燥保管運転の継続あるいは停止を行うことで、空気乾燥機27や空気抽出装置12の積算動力を低減することができる。
【0030】
次に、図4を用いて、蒸気タービンの冷却方法と組み合わせた本実施形態による蒸気タービンの乾燥保管方法について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による蒸気タービンの冷却・乾燥保管方法における構成を示す系統図である。なお、図1と同一符号は同一部分を示している。
【0031】
蒸気タービン停止直後においては、高圧タービン4、中圧タービン10の内部温度が高いため、初めに、図4に示す運転方法により、蒸気タービン冷却運転を実施する。すなわち、主蒸気止弁2と、再熱蒸気止弁7と、ドレン弁15,16と、ブローダウン弁14と、復水器空気抽出元弁26を全閉し、一方で空気抽出装置側に設けた弁22,23,24,25と、復水器11に接続された真空破壊弁17と、蒸気加減弁3と、ベンチレータ弁13を全開する。さらに、空気吸込切替弁28を全閉し、空気吸込切替弁29を全開する。
【0032】
この状態で空気抽出装置12を起動すると、排気路20,18,19に吸込力が作用し、真空破壊弁17から外気Cが弁29を通り復水器11に吸引される。
吸引された外気Cは、復水器11から低圧タービン10を通ってクロスオーバー管9を通り中圧タービン8に入り、中圧タービン8の蒸気導入部から排気路19へ排出され、排気路20を通り空気抽出装置12から大気へ排出される。一方では、復水器11の吸引された外気Cは、ベンチレータ弁13、低温再熱管5を通り、高圧タービン4内に入り、高圧タービン蒸気導入部から排気路18へ排出され、排気路20を通り空気抽出装置12から大気へ排出される。
【0033】
蒸気タービン停止直後にこのような運転を行うと、排気路18,19に排出された外気は500℃以上まで昇温しているので、このまま空気抽出装置12へ吸引すると空気抽出装置12が故障することになる。そこで、排気路20に設けた冷却装置21を用いて、空気抽出装置12の吸引許容温度まで冷却して大気へ排出する。
【0034】
常温の外気Cは低圧タービン10によって加熱された後、中圧タービン8や高圧タービン4に供給されるため、常温の外気Cによって最初に中圧タービン8や高圧タービン4を冷却する場合に比べて、中圧タービン8や高圧タービン4が急速に冷却されることによるクラックの発生等を防止することができる。
【0035】
以上の冷却運転の構成に対して、さらに、空気乾燥機27と、空気吸込切替弁28とを備えることにより、図2若しくは図3に示した乾燥保管運転を行うことができる。
【0036】
蒸気タービンが十分に冷却し、本格的な保管体制に入る場合は、図2で説明した方法若しくは図3で示した方法により、蒸気タービン乾燥保管運転を実施する。このような運転をすることで必要時のみ補機(空気乾燥機27、空気抽出装置12、冷却装置21)運転が可能となり、省エネルギーにも貢献する。
【0037】
冷却運転から乾燥保管運転への切替は、例えば、中圧タービンの温度が150℃となり、十分に蒸気タービンが冷却した後、冷却装置21の運転を停止し、空気乾燥機27を起動するとともに、空気吸込切替弁29を閉じ、空気吸込切替弁28を開くことで実施される。なお、たとえば、中圧タービンの温度が200℃となった後、空気乾燥機27を起動するとともに、空気吸込切替弁29を閉じ、空気吸込切替弁28を開くことで実施される。この場合、冷却装置21は、中圧タービンの温度が150℃になるまで継続される。このようにすることにより、蒸気タービンの温度が比較的高い状態の時から乾燥空気を導入することで、乾燥効果を早めることができる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、蒸気タービンに限定して乾燥保管するようにしているため、従来に比べ格段の防錆効果が期待できると同時に、乾燥保管装置も簡素となり、運転操作もシンプルであるため実用性が極めて高いものである。
【0039】
また、乾燥空気を、最初に低圧タービン10に供給し、内部を乾燥させ、その後、中圧タービン8や高圧タービン4に供給されるように構成しているので、高圧タービンや中圧タービンに最初に乾燥空気を供給し、その後、低圧タービンにその空気を供給する場合に比べて、防錆効果を高めることができる。
【0040】
さらに、外気を低圧タービンからさらに中高圧タービンに供給して蒸気タービンの冷却を行う場合に対して、空気乾燥機27と、空気吸込切替弁28とを備えるだけで、容易に乾燥保管運転を行うことができる。
【0041】
また、蒸気タービン内部に設けた相対湿度計にて、防錆効果のある所定の条件で蒸気タービンの乾燥保管運転を継続あるいは停止を行うことにより、省エネルギーの面でも貢献できる。
【0042】
次に、図5を用いて、本発明の他の実施形態による蒸気タービンの乾燥保管方法および装置について説明する。
図5は、本発明の他の実施形態による蒸気タービンの乾燥保管装置の構成を示す系統図である。なお、図1と同一符号は同一部分を示している。
【0043】
本実施形態では、図1の空気抽出装置12に代えて、図5に示すように蒸気タービン乾燥保管専用として設けた空気抽出装置30を備えている。この空気抽出装置30を、図2,図3で説明した空気抽出装置12と同様に運転することにより、同様の保管運転が可能である。図1の空気抽出装置12は、発電プラント運転中における復水器空気抽出装置を兼用したものであるが、本例では、別個に備えるようにしている。
【0044】
本実施形態によれば、乾燥空気を、最初に低圧タービン10に供給し、内部を乾燥させ、その後、中圧タービン8や高圧タービン4に供給されるように構成しているので、高圧タービンや中圧タービンに最初に乾燥空気を供給し、その後、低圧タービンにその空気を供給する場合に比べて、防錆効果を高めることができる。
【0045】
なお、以上の説明において、排気路20と空気抽出装置12の間に設けた冷却装置21は、蒸気タービンが停止後、十分に冷却されない状態から乾燥保管運転を行う場合、高圧タービン4、中圧タービン8内温度が高く、排気路20を通る外気も同様の高い温度となるため、空気抽出装置12の耐温上の問題から設けたものでる。従って、蒸気タービンが十分冷却された後に乾燥保管運転を行う場合は、冷却装置21は不要となる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、蒸気タービン本体の防錆効果が高く、しかも、運用の容易な蒸気タービンの乾燥保管方法および装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による蒸気タービンの乾燥保管装置の構成を示す系統図である。
【図2】本発明の一実施形態による蒸気タービンの乾燥保管方法の第1の例における構成を示す系統図である。
【図3】本発明の一実施形態による蒸気タービンの乾燥保管方法の第2の例における構成を示す系統図である。
【図4】本発明の一実施形態による蒸気タービンの冷却・乾燥保管方法における構成を示す系統図である。
【図5】本発明の他の実施形態による蒸気タービンの乾燥保管方法の第1の例における構成を示す系統図である。
【符号の説明】
1…主蒸気管
2…主蒸気止弁
3…蒸気加減弁
4…高圧タービン
5…低温再熱管
6…逆止弁
7…再熱蒸気止弁
8…中圧タービン
9…クロスオーバー管
10…低圧タービン
11…復水器
12,30…空気抽出装置
13…ベンチレータ弁
14…ブローダウン弁
15,16…ドレン弁
17…真空破壊弁
18,19,20…排気路
21…冷却装置
22,23,24,25,26…弁
27…空気乾燥機
28,29…空気吸込切替弁

Claims (4)

  1. 蒸気を導入する蒸気導入部と、導入された蒸気を排出する蒸気排出部を有し、この蒸気導入部から導入した蒸気によって駆動されるとともに、低圧タービンを含む蒸気タービンの乾燥保管方法であって、
    上記蒸気導入部から空気を吸引し、乾燥した外気を上記蒸気排気部側から吸入し、最初に低圧タービンに乾燥した空気を供給して、蒸気タービンを乾燥保管することを特徴とする蒸気タービンの乾燥保管方法。
  2. 請求項1記載の乾燥保管方法において、
    蒸気タービン内の相対湿度に基づいて、上記蒸気導入部からの空気の吸引及び乾燥した外気の上記蒸気排気部側からの吸入運転を起動停止することを特徴とする蒸気タービンの乾燥保管方法。
  3. 請求項1記載の乾燥保管方法において、
    上記蒸気導入部から外気を上記低圧タービンに供給した後、中高圧タービンに外気を供給して、蒸気タービンを冷却した後、上記蒸気導入部からの空気の吸引及び乾燥した外気の上記蒸気排気部側からの吸入運転による乾燥保管を実施することを特徴とする蒸気タービンの乾燥保管方法。
  4. 蒸気導入部から導入された蒸気によって駆動される中圧タービンと、この中圧タービンを駆動した蒸気によって駆動される低圧タービンとを有し、蒸気排出部から蒸気を排出する蒸気タービンであって、
    上記蒸気導入部に接続された空気抽出手段と、
    上記蒸気排出部に接続された空気乾燥手段とを備え、
    上記空気抽出手段により上記蒸気導入部から空気を吸引し、上記空気乾燥手段によって乾燥された外気を上記蒸気排気部側から吸入し、最初に上記低圧タービンに乾燥した空気を供給して、蒸気タービンを乾燥保管することを特徴とする蒸気タービンの乾燥保管装置。
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