JP2004169553A - 内燃エンジンの始動方法及び始動装置 - Google Patents

内燃エンジンの始動方法及び始動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小型で出力の小さな電動モーターでも、円滑かつ確実に内燃エンジンを始動でき、電動モーターの消費電力の低減、バッテリの小容量化、トータル重量の軽減化、耐久性の向上、及び、故障の低減等を図り得るスタータ装置を提供する。
【解決手段】クランク軸212の回転により点火用電力を発生するようにされた点火用発電器110から得られる点火用電力により混合気を点火させる点火プラグ180を有する点火系100と、電動モーター70とクランク軸212との間の動力伝達系の途中に、緩衝・蓄力手段15が介在せしめられたスタータ5とを備え、点火用発電器110は、ピストン214が上死点を通過した後の膨張行程前期に点火用電力を発生するように構成されるとともに、点火用発電器110から得られる点火用電力を充電するコンデンサ140から所定のタイミングで点火コイル150に放電させて、点火プラグ180を火花放電させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2サイクルガソリンエンジン等の内燃エンジンを、電動モーターで始動するための始動方法及び始動装置に係り、特に、小型で出力の小さなモーターでも円滑、かつ、確実に始動できるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、チェーンソー等の携帯型作業機に搭載されている小型空冷式2サイクルガソリンエンジン等の内燃エンジンを、電動モーターで始動するためのセルモーター式スタータは、通常、電動モーターの駆動力を、減速歯車機構を介して前記内燃エンジンのクランク軸に直接伝達するようにされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、前記従来のセルモーター式スタータでは、電動モーターの駆動力を、そのままクランク軸に直接伝達するようにしているので、セルモーターとしては、当然のことながら、エンジン始動に必要なトルク、回転数が得られるもの、つまり、大型で出力の大きなモーターを使用する必要があった。
【0004】
そのため、モーターの消費電力も大きくなり、それに伴い、大きな容量のバッテリが必要となるとともに、エンジン始動時には、モーター及びその動力伝達系に強い衝撃が加えられるので、スタータ装置の構成部品に大きな強度、剛性が必要にもなり、トータル重量が大きくなるとともに、耐久性が低下し、キックバック等による故障も生じやすい、といった問題があった。
【0005】
一方、前記セルモータ式スタータでは、前記のような問題があることから、チェーンソー等の携帯型作業機の内燃エンジン用始動装置としては、手動式のリコイルスタータが採用される場合が多い。このリコイルスタータは、通常、リコイルロープが巻装されたロープリール等からなる駆動部と、遠心式ラチェット機構等からなる従動部と、を備え、前記リコイルロープ(リコイルハンドル)を引っ張って前記ロープリールを回転させ、このロープリールの回転を、前記従動部を介して前記内燃エンジンのクランク軸に伝達して、前記内燃エンジンを始動させるようになっている。
そして、前記のようなリコイルスタータについて、本発明の出願人は、先に、前記駆動部と前記従動部との間に、ゼンマイ等からなる緩衝・蓄力手段を介装したものを提案した。
【0006】
この提案に係るリコイルスタータにおいては、前記駆動部と前記従動部との間に緩衝・蓄力手段としての、例えば、ゼンマイ機構を介装したことで、リコイルロープの引き操作(リコイリング操作)の前半過程(ピストンが上死点に達するまで)においては、前記ゼンマイ機構による緩衝効果が得られるとともに、前記リコイルロープの引き力が前記ゼンマイ機構に蓄えられ、その後半過程においては、前記蓄えられた引き力と後半過程で実際に引かれる引き力とが合力となって前記内燃エンジンを起動する力となる。このため、ロープの引き力変動を可及的に抑えることができ、ロープ引き操作を円滑に行うことができるとともに、力の弱い作業者でもエンジンを容易に始動させることができる(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
前記駆動部と前記従動部との間に緩衝・蓄力手段としての、例えば、ゼンマイ機構を介装することで、上記のような効果が得られることから、前記セルモータ式スタータにも前記緩衝・蓄力手段を付設することが考えられている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
かかる緩衝・蓄力手段が付設されたセルモータ式スタータでエンジン始動を行うに際しては、別途に備えられた始動スイッチを押す。これにより、搭載バッテリから、前記電動モーターに所定時間(例えば、2〜3秒程度)だけ通電され、前記電動モーター(の出力回転軸)が前記所定時間だけ回転し、この電動モーターの回転駆動力が、減速機構、前記緩衝・蓄力手段を構成するゼンマイ機構、及び前記従動部を介して、前記内燃エンジンのクランク軸に伝達される。
【0009】
この場合、前記電動モーターによる駆動過程の前半過程(内燃エンジンのピストンが下死点から上死点に達するまで圧縮行程)においては、前記ゼンマイ機構による緩衝効果が得られるとともに、前記電動モーターの駆動力が前記ゼンマイ機構に蓄えられ、その後半過程(ピストンが上死点から下死点に達するまでの膨張行程)においては、前記蓄えられた駆動力と、該後半過程で実際に前記電動モーターが出力する駆動力と、が合力となって、エンジンコンプレッションに打ち勝ち、前記内燃エンジンを起動する力となる。
このため、小型で出力の小さな電動モーターでも、円滑かつ確実に内燃エンジンを始動することができる。
【0010】
【特許文献1】
実開昭63−177666号公報(第1頁、第2図)
【特許文献2】
特開2002−161836号公報(第1〜6頁、第1図〜第3図)
【特許文献3】
特開2002−235640号公報(第1〜5頁、第1図〜第8図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の如くの緩衝・蓄力手段が付設されたセルモータ式スタータで始動を行うようにした場合でも、点火系の不作動により、前記内燃エンジンの円滑な始動に失敗することがあった。
【0012】
これを詳しく説明するに、一般に、内燃エンジンの点火系は、クランク軸の回転により点火用電力を発生するようにされた点火用発電器と、該点火用発電器から得られる点火用電力(出力電圧)を高電圧に昇圧する点火コイルと、該点火コイルからの高電圧により火花放電してシリンダ内の混合気を点火させる点火プラグと、を備える。前記点火用発電器は、通常、前記クランク軸と一体回動するように保持されたマグネットと、このマグネットの外周側の所定位置に近接配置された発電コイルと、からなっており、前記クランク軸が回転すると、前記マグネットによって前記発電コイルのコイル巻線に点火用電力が発生し、この点火用電力(出力電圧)が、前記点火コイルに導かれて高電圧に昇圧され、この高電圧によって前記点火プラグが火花放電し、シリンダ内の混合気が点火せしめられる。
【0013】
この場合、前記点火用発電器の出力電圧は、前記クランク軸の回転数(角速度)が速いほど大きくなり、したがって、前記点火プラグに印加される電圧は、前記クランク軸の角速度が速いほど大きくなる。
また、前記内燃エンジンにおける点火時期は、通常、図7に示される如くに、ピストンが上死点前30°前後にある時期とされており、このため、前記点火用発電器は、ピストンが上死点前30°に達する直前の期間Jに、点火用電力が得られるように構成されている。
【0014】
ところが、前記の如くの緩衝・蓄力手段が付設された超小型のセルモータ式スタータで始動を行うようにした場合には、前記期間Jは、ピストンが圧縮行程にあり、前記電動モーターの駆動力が前記緩衝・蓄力手段に蓄えられる時期であるので、前記クランク軸の角速度が、要求される点火用電力を得るために必要な速度より遅く、前記点火用発電器の出力電圧が小さい。このため、前記点火プラグに所要の高電圧(通常、15,000V程度以上)が印加されず、前記点火プラグが有効な火花放電をせず、混合気が点火されないので、前記内燃エンジンが円滑に始動しないことになる。
【0015】
本発明は、前記した如くの問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、小型で出力の小さな電動モーターでも、円滑かつ確実に内燃エンジンを始動できるようにされ、もって、電動モーターの消費電力の低減、バッテリの小容量化、トータル重量の軽減化、耐久性の向上、及び、故障の低減等を図ることができるようにされた、内燃エンジンの始動方法及び始動装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成すべく、本発明に係る始動方法は、クランク軸の回転により点火用電力を発生するようにされた点火用発電器、該点火用発電器から得られる点火用電力を高電圧に昇圧する点火コイル、及び、該点火コイルからの高電圧により火花放電してシリンダ内の混合気を点火させる点火プラグ、を有する点火系と、始動用駆動源としての電動モーターを有し、該電動モーターと前記クランク軸側の従動部との間の動力伝達系の途中に、前記電動モーターの駆動の過程において、該電動モーターの駆動によって前記従動部と緩衝しつつ蓄力するとともに該蓄力により前記従動部を駆動する緩衝・蓄力手段が介在せしめられてなるスタータと、を備えた内燃エンジンの始動方法であって、ピストンが上死点を通過した後の膨張行程前期に点火用電力を発生するように前記点火用発電器を構成し、該点火用発電器から得られる点火用電力をコンデンサに充電し、該コンデンサに充電された点火用電力を所定のタイミングで前記点火コイルに放電させ、該点火コイルからの高電圧により前記点火プラグを火花放電させることを特徴としている。
【0017】
また、本発明に係る内燃エンジンの始動装置は、基本的には、クランク軸の回転により点火用電力を発生するようにされた点火用発電器、該点火用発電器から得られる点火用電力を高電圧に昇圧する点火コイル、及び、該点火コイルからの高電圧により火花放電してシリンダ内の混合気を点火させる点火プラグ、を有する点火系と、始動用駆動源としての電動モーターを有し、該電動モーターと前記クランク軸側の従動部との間の動力伝達系の途中に、前記電動モーターの駆動の過程において、該電動モーターの駆動によって前記従動部と緩衝しつつ蓄力するとともに該蓄力により前記従動部を駆動する緩衝・蓄力手段が介在せしめられてなるスタータと、を備える。
【0018】
そして、前記点火用発電器は、ピストンが上死点を通過した後の膨張行程前期に点火用電力を発生するように構成されるとともに、前記点火用発電器から得られる点火用電力を充電するコンデンサが付設され、該コンデンサに充電された点火用電力を所定のタイミングで前記点火コイルに放電させて、該点火コイルからの高電圧により前記点火プラグを火花放電させるようにされてなる。
【0019】
この場合、前記点火用発電器は、好ましくは、前記ピストンが上死点後5°〜70°にある期間に最大起電力が得られるように構成される。
前記従動部は、好ましくは、従動側の回転による遠心力より係合を解除される遠心クラッチを備え、該遠心クラッチを介して駆動側と連動連結している。
【0020】
好ましい態様では、前記電動モーターと前記遠心クラッチとの間に、ワンウエイクラッチと前記緩衝・蓄力手段が動力伝達上、直列に介装される。
他の好ましい態様では、前記緩衝・蓄力手段と前記電動モーターとの間に減速機構が介装され、この場合、前記減速機構は、好ましくは、減速比が1/60〜1/100に設定される。
【0021】
また、前記緩衝・蓄力手段は、好ましくは、前記電動モーター側に配在された収納箱、前記従動部側に配在された起動プーリ、及び、前記収納箱と前記起動プーリとの間に介装されたばね部材、を有し、該ばね部材の一端部及び他端部が、それぞれ前記収納箱及び前記起動プーリに係止される。
【0022】
さらに好ましい態様では、前記駆動側には、前記電動モーターとは別に、リコイル式駆動部が付設され、該リコイル式駆動部は、リコイルロープが巻装されて該リコイルロープを引っ張ることにより回転せしめられるロープリールと、前記リコイルロープを巻き取るべく前記ロープリールを逆転させるリコイル用付勢手段と、前記ロープリールの回転を前記緩衝・蓄力手段に伝達するためのリコイル用ラチェット機構と、を備える。
【0023】
この場合、前記緩衝・蓄力手段は、好ましくは、前記収納箱を一方向にのみ回転させるワンウェイクラッチを有している。
一方、本発明に係るチェーンソーは、前記始動装置を備えているもので、本体ハウジング内に前記内燃エンジンがシリンダ横置きでその頭部を後方に向けて搭載されるとともに、前記本体ハウジングの一側部に、前記内燃エンジンにより駆動される冷却ファンと前記スタータとが配設され、前記冷却ファン及び前記スタータを覆うように、前記左側部には空気取入用スリットが形成された外装カバーとしてのスタータケースが取り付けられていることを特徴としている。
【0024】
前記の如くの構成とされた本発明に係る始動方法及び始動装置の好ましい態様においては、エンジン始動に際しては、別途に備えられた始動スイッチを押す。これにより、搭載バッテリから前記電動モーターに、所定時間(例えば、2〜3秒程度)だけ通電され、前記電動モーター(の出力回転軸)が前記所定時間だけ回転し、この電動モーターの回転駆動力が、前記減速機構、前記ワンウエイクラッチ、前記緩衝・蓄力手段、及び前記従動部を介して、前記内燃エンジンのクランク軸に伝達される。
【0025】
この場合、前記電動モーターによる駆動過程の前半過程(内燃エンジンのピストンが上死点に達するまでの圧縮行程)においては、前記緩衝・蓄力手段による緩衝効果が得られるとともに、前記電動モーターの駆動力が前記緩衝・蓄力手段に蓄えられ、その後半過程においては、前記蓄えられた駆動力と、該後半過程で実際に前記電動モーターが出力する駆動力と、が合力となって、エンジンコンプレッションに打ち勝ち、前記内燃エンジンを起動する力となる。
【0026】
ここで、本発明の始動装置では、前記点火用発電器は、前記ピストンが上死点を通過した後の膨張行程前期、好ましくは、図6に示される如くに、前記ピストンが上死点後5°〜70°にある期間Kに、点火用電力(出力電圧)が得られるように構成されている。前記期間Kは、前記ピストンが圧縮行程から膨張行程に移行した直後であり、圧縮行程で前記ばね部材等からなる緩衝・蓄力手段に蓄力された駆動力が解放される期間であるので、前記クランク軸の角速度が速くなる。このため、前記点火用発電器の出力電圧も大きくなり、このため、前記コンデンサに十分高い高電圧で充電され、それに伴い、前記点火コイルから前記点火プラグに、所要の高電圧(通常、15,000V程度以上)が印加され、前記点火プラグが有効に火花放電して、混合気が確実に点火され、前記内燃エンジンが円滑に始動する。
【0027】
前記のように、本発明では、前記クランク軸の角速度が速くなる膨張行程前期に、前記点火用発電器において点火用電力が得られるようにされているので、始動時における前記クランク軸の回転数が低くても(例え200〜300rpm程度であっても)、前記内燃エンジンを確実に始動させることができる。このため、小型で出力の小さな電動モーターでも、円滑かつ確実に内燃エンジンを始動することができ、その結果、電動モーターの消費電力の低減、バッテリの小容量化、トータル重量の軽減化、耐久性の向上、及び、故障の低減等を図ることができ、信頼性が増すとともに、前記チェーンソー等の携帯型動力作業機の、小形軽量化をも図ることが可能となる。。
【0028】
また、前記点火用発電器からの点火用電力を、前記コンデンサに充電するようにされているので、前記内燃エンジンの運転終了後、前記内燃エンジンを再始動する場合には、最初の1回転目から前記コンデンサに残存している高電圧電力が付加使用でき、このため、始動がより確実となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る2サイクル内燃エンジンの始動装置の一実施形態が採用されたチェーンソー200を示し、図2は、図1のII−II矢視断面図である。
【0030】
図示のチェーンソー200は、作業部駆動用動力源として、排気量が23〜50mL程度の、小型空冷2サイクルガソリンエンジン(以下、内燃エンジンと称す)210が、合成樹脂からなる本体ハウジング220内に、シリンダ211を横置きとし、クランク軸212を左右方向に向け、かつ、前記シリンダ211の頭部213を後方に向けて搭載されている。前記シリンダ211には、多数の冷却フィン216が形成されるとともに、前記頭部213には、斜め後方に傾斜して、点火プラグ180が装着されている。
【0031】
前記本体ハウジング220の右側部(図1の裏面側)には、図示はされていないが、クラッチカバーが取り付けられ、その前部側に、作業部として、ガイドバー231と、これに摺動自在に掛け回されるソーチェーン232と、からなる、ソーチェーンセット230が取り付けられ、前記ソーチェーン232を、前記内燃エンジン210により回転駆動するようにされている。
【0032】
また、前記本体ハウジング220の左側部220L(図の手前側)には、後述する冷却ファン35とスタータ5が配設され、それら冷却ファン35とスタータ5とを覆うように、前記左側部220Lには、空気取入用スリット222が多数形成された、外装カバーとしてのスタータケース221が取り付けられている。
【0033】
一方、前記本体ハウジング220の上面部には、スロットルロックレバー245やスロットルトリガー246が組み込まれた、側面視下向きコ字形のトップハンドル240が配設され、その前部側に、ハンドガード248が配設されるとともに、補助ハンドル247が、後下方へ傾斜して配設されている。
前記チェーンソー200に採用された本実施形態の始動装置3は、点火系100(図4参照)と、セルモータ式とリコイル式とを兼ねるスタータ5と、を備える。
【0034】
前記点火系100は、図4に示す如く、前記内燃エンジン210の前記クランク軸212の回転により点火用電力を発生するようにされた点火用発電器110と、該点火用発電器110から得られる電力がダイオード120を介して充電されるコンデンサ140と、該コンデンサ140からの放電を昇圧させる点火コイル150と、前記コンデンサ140を放電させるための放電制御用サイリスタ130と、前記点火コイル150で昇圧された高電圧が印加される前記点火プラグ180と、前記放電用サイリスタ130をON(導通)/OFF(非導通)作動させるタイミング、つまり、前記点火プラグ180による混合気の点火時期を設定する点火時期設定回路170と、を備える。
【0035】
前記点火用発電器110は、図2に示す如く、前記クランク軸212の一端部(左端部)212aと一体回動するように保持された冷却ファン35に埋め込み固定されてその一部が外部に露出せしめられたポール111及びマグネット113と、このマグネット113の外周側の所定位置に近接配置されたコア112aに巻装された発電コイル112等からなっており、前記クランク軸212が回転すると、前記マグネット113によって、前記発電コイル112のコイル巻線に点火用電力が発生するようになっている。
【0036】
そして、本実施形態の始動装置3では、前記点火用発電器110は、前記シリンダ211内のピストン214が、上死点を通過した後の膨張行程前期、好ましくは、図6に示される如くに、前記ピストンが上死点後5°〜70°にある期間Kに、点火用電力(出力電圧)が得られるように構成されている。また、前記点火時期設定回路で制御される点火時期は、前記ピストン214が上死点TDC前30°前後にある時期とされている。
【0037】
一方、前記スタータ5は、前記クランク軸212の前記一端部(左端部)212aに近接して対向配置されるものであり、主始動方式は、セルモーター式ではあるが、バッテリーの充電不足時等の、セルモーター式で始動できない場合や、モーター等の故障時等に対処するため、リコイル式(手動式)でも始動操作を行えるようになっている。
【0038】
前記スタータ5は、前記本体ハウジング220の前記左側部220Lに取り付けられた前記スタータケース221を有し、該スタータケース221内の底部付近に、前記内燃エンジン210を始動するための駆動部であり、駆動源としての、直流電源である、2.4V,2.1Ah程度の充電式バッテリー90によって電力を供給される、出力50W,1500rpm程度の電動モーター70が、横置きで収納保持されている。
【0039】
また、前記スタータケース221内に、リコイルロープ21(リコイルハンドル22)を引っ張ることにより回転せしめられるリコイル式駆動部6が配在されるとともに、該リコイル式駆動部6から独立して回転でき、かつ、前記電動モーター70及び前記リコイル式駆動部6からの動力が伝達される従動部7が配在されている。
【0040】
前記スタータケース221には、固定支軸12が内向きに突設され、この固定支軸12の基端側に、前記リコイルロープ21が巻装されたロープリール20が回動自在に外嵌され、前記固定支軸12の突出端側、つまり、前記ロープリール20と前記従動部7を構成する前記冷却ファン35との間に、緩衝・蓄力機構15が外嵌されるとともに、抜け止め用ビス14が螺合せしめられている。前記緩衝・蓄力機構15は、前記ロープリール20から独立して回動できるように、前記電動モーター70側に配在された、円筒状収納部16aを持つ収納箱16、前記従動部7側に配在された、円筒状収納部17aを持つ起動プーリ17、及び、前記収納箱16と前記起動プーリ17の前記両円筒状収納部16a、17a間に跨がるように、それらの間に介装された緩衝・蓄力用のコイルばね部材18、を有する。前記収納箱16と前記起動プーリ17とは、同軸上で相対回転可能となっており、また、前記コイルばね部材18の一端部18a及び他端部18bが、それぞれ前記収納箱16及び前記起動プーリ17に係止されていて、前記収納箱16と前記起動プーリ17との一方を、他方に対して相対回転させることにより、その他方に回転力が付与されるようになっている。
【0041】
ここでは、前記クランク軸212の回転軸線O上に、前記固定支軸12の中心軸線、前記ロープリール20及び前記緩衝・蓄力機構15の回転軸線、及び、前記従動部7を構成する前記冷却ファン35の回転軸線が配在されるとともに、前記回転軸線Oに直交するように、前記電動モーター70の出力回転軸72が配在されている。
【0042】
前記電動モーター70の駆動力は、減速機構80を介して前記緩衝・蓄力機構15に伝達され、さらに、この緩衝・蓄力機構15から前記冷却ファン35を介して、前記内燃エンジン210の前記クランク軸212に伝達されるようになっている。
【0043】
前記減速機構80は、図2に加えて図3を参照すればよくわかるように、前記電動モーター70の前記出力回転軸72に外嵌固定された小径歯車81を有し、前記出力回転軸72の回転駆動力は、前記小径歯車81→前記出力回転軸72に平行に配在された支軸75に回転自在に外嵌された大小二段歯車82、83→前記出力回転軸72と平行に配在された回転軸76に外嵌固定された大径歯車84及び小傘歯車85→前記クランク軸212の回転軸線Oと平行に配在された回転軸77に外嵌固定された大傘歯車86へと伝達され、この大傘歯車86の回転が、ワンウエイクラッチ95を介して前記回転軸77に外嵌された小径歯車87に噛合せしめられた、前記収納箱16の外周に鍔状に設けられた大径歯車88に伝達され、これによって、前記収納箱16が一方向に回転せしめられるようになっている。この場合、前記減速機構80の減速比は、1/80程度となっている。
【0044】
なお、前記ワンウエイクラッチ95は、前記減速機構80による制動作用を受けることなく、前記リコイル式駆動部6側からも前記収納箱16を回転駆動せしめるために介装されており、このワンウエイクラッチ95と前記緩衝・蓄力機構15は、前記電動モーター70と前記従動部7(後述する遠心クラッチ式ラチェット機構30)との間に、動力伝達上、直列に介装されている。
【0045】
また、これとは別系統として、前記ロープリール20の回転も、前記緩衝・蓄力機構15と前記冷却ファン35を介して、前記内燃エンジン210の前記クランク軸212に伝達されるようになっている。
一方、前記スタータケース221と前記収納箱16との間には、前記ロープリール20が配在され、該ロープリール20は、段付き円盤状とされ、その外周には、前記リコイルロープ21が巻装される溝部20aが形成されるとともに、その内周中央には、前記収納箱16に回動自在に外嵌される筒状ボス部26が設けられている。また、前記ロープリール20と前記収納箱16との間に、従来周知の構成のリコイルスタータにおけるものと同様な構成のリコイル用ラチェット機構40が配在され、このリコイル用ラチェット機構40と前記収納箱16に一体に設けられた前記大径歯車88との間に、前記収納箱16のエンジン始動方向へのみ回転を許容せしめるワンウエイクラッチ19が介装されている。
【0046】
前記リコイルロープ21は、従来周知の構成のリコイルスタータにおけるものと同様に、詳細は図示しないが、一端が前記溝部20aの底部に係止され、前記スタータケース221から外部に引き出された他端には、ロープ引きハンドル22(図1参照)が取り付けられている。
【0047】
また、前記ロープリール20と前記スタータケース221との間には、外端が前記ロープリール20に係止され、内端が前記スタータケース221に係止されたリコイル用ゼンマイ23が配設され、前記リコイルロープ21が引っ張られて前記ロープリール20が回転せしめられた後、前記リコイル用ゼンマイ23に蓄力された復元力により、前記ロープリール20を元位置に復帰させて、前記リコイルロープ21を自動的に巻き取るようにされている。
【0048】
また、前記従動部7は、前記冷却ファン35と、遠心クラッチ式ラチェット機構30と、からなっている。該遠心クラッチ式ラチェット機構30は、前記起動プーリ17の外周部に形成された、例えば、一対の伝達係合部31、31と、前記冷却ファン35に揺動可能に支持された、例えば、二つの始動爪36と、を有し、該始動爪36は、通常(エンジン停止時)は、付勢ばね(ねじリコイルばね)37により、内方(前記回転軸線O側)に向けて付勢されて、前記伝達係合部31、31に係合しているが、前記内燃エンジン210が始動せしめられると、前記クランク軸212側から駆動された前記冷却ファン35の回転による遠心力により、半径方向外方に揺動して、前記クランク軸212の所定回転数以上で、前記リコイル式駆動部6との係合が、自動的に解除されるようになっている。
【0049】
前記の如くの構成とされた本実施形態の始動装置3においては、前記内燃エンジン210の始動に際しては、前記本体ハウジング220の左側面部220Lの後部側に配在された始動スイッチ150を押す。これにより、前記バッテリー90から前記電動モーター70に、所定時間(例えば、2〜3秒程度)だけ通電され、前記電動モーター70の前記出力回転軸72が前記所定時間だけ回転し、この電動モーター72の回転駆動力が、前記減速機構80を介して前記緩衝・蓄力機構15に伝達され、さらに、この緩衝・蓄力機構15から前記従動部7を介して、前記内燃エンジン210の前記クランク軸212に伝達される。
【0050】
この場合、前記電動モーター70による駆動過程の前半過程(前記ピストン214が上死点TDCに達するまでの圧縮行程)においては、前記緩衝・蓄力機構15による緩衝効果が得られるとともに、前記電動モーター70の駆動力が前記緩衝・蓄力機構に蓄えられ、その後半過程においては、前記蓄えられた駆動力と、該後半過程で実際に前記電動モーター70が出力する駆動力と、が合力となって、エンジンコンプレッションに打ち勝ち、前記内燃エンジン210を起動する力となる。
【0051】
ここで、本実施形態の始動装置3では、前記点火用発電器110は、前記ピストン214が上死点TDCを通過した後の膨張行程前期、好ましくは、図6に示される如くに、前記ピストン214が上死点TDC後5°〜70°にある期間Kに、点火用電力(出力電圧)が得られるように、前記マグネット113の前記冷却ファン35上での位置等を適宜に定めて構成されている。前記期間Kは、前記ピストン214が、圧縮行程から膨張行程に移行した直後であり、圧縮行程で前記コイルばね部材18等からなる緩衝・蓄力機構15に蓄力された駆動力が解放される期間であるので、前記クランク軸212の角速度が速くなる。このため、図5(便宜的に電圧値の大小は無視して図示)に前記点火用発電器110の出力電圧が実線で示されている如くに、前記ピストン214が上死点TDC後5°〜70°にある期間K(特に、2回転目のクランク角度が365°〜430°にある期間K)は、前記点火用発電器110の出力電圧が大きくなり、このため、図5に前記コンデンサ140の充電電圧が二点鎖線で示されているように、前記コンデンサ140が高電圧で充電され、それに伴い、前記点火コイル150から前記点火プラグ180に所要の高電圧(通常、15,000V程度以上)が確実に印加され、前記点火プラグ180が有効に火花放電して、混合気が確実に点火され、前記内燃エンジン210が円滑に始動する。
【0052】
前記のように、本実施形態では、前記クランク軸212の角速度が速くなる膨張行程前期に、前記点火用発電器110において点火用電力が得られるようにされているので、始動時における前記クランク軸212の回転数が低くても(例え200〜300rpm程度であっても)、前記内燃エンジン210を始動させることができる。このため、小型で出力の小さな電動モーターでも、円滑かつ確実に内燃エンジンを始動することができ、その結果、電動モーターの消費電力の低減、バッテリの小容量化、トータル重量の軽減化、耐久性の向上、及び、故障の低減等を図ることができ、信頼性が増すとともに、前記チェーンソー200の小形軽量化をも図ることが可能となる。
【0053】
また、前記点火用発電器110からの点火用電力を、前記コンデンサ140に充電するようにされているので、前記内燃エンジン210の運転終了後、前記内燃エンジン210を再始動する場合には、最初の1回転目から前記コンデンサ140に残存している高電圧が使用され、このため、始動がより確実となる。
【0054】
一方、本実施形態の始動装置3では、前記したセルモーター式で前記内燃エンジン210が始動できない場合(バッテリ切れや前記電動モーター70の故障時等)には、前記リコイル式駆動部6を使用して始動操作を行うことができる。すなわち、前記リコイルロープ21(前記リコイルハンドル22)を引っ張ると、前記ロープリール20が駆動方向に回転せしめられ、該ロープリール20の回転が、前記リコイル用ラチェット機構40を介して前記収納箱16に伝達される。
【0055】
このようにして、ロープ引き操作を行うと、前記リコイル式駆動部6の回転が、前記緩衝・蓄力機構15及び前記冷却ファン35を介して、前記内燃エンジン210のクランク軸212に伝達される。この場合も、前記したセルモーター式で始動する場合と同様に、前記リコイルロープ21の引き操作(リコイリング操作)の前半過程においては、前記緩衝・蓄力機構15による緩衝効果が得られるとともに、前記リコイルロープ21の引き力が前記緩衝・蓄力機構15に蓄えられ、その後半過程においては、前記蓄えられた引き力と該後半過程で実際に引かれる引き力とが合力となって、エンジンコンプレッションに打ち勝ち、前記内燃エンジン210を起動する力となる。
【0056】
このため、ロープの引き力変動を可及的に抑えることができ、ロープ引き操作を円滑に行うことができるとともに、力の弱い作業者でもエンジンを容易に始動させることができることに加えて、前記点火系100においても、前記セルモータ式で始動する場合と同様に、前記点火用発電器110からの点火用電力が大きくなって、前記コンデンサ140に十分高い高電圧で充電され、それに伴い、前記点火コイル150から前記点火プラグ180に、所要の高電圧(通常、15,000V程度以上)が印加され、前記点火プラグ180が有効に火花放電して、混合気が確実に点火され、前記内燃エンジン210が円滑に始動することになる。このため、始動時における前記クランク軸212の回転数が低くても(例え200〜300rpm程度であっても)、前記内燃エンジン210を確実に始動させることができる。
【0057】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱することなく、設計において種々の変更ができるものである。
【0058】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明に係る内燃エンジンの始動方法及び始動装置は、クランク軸の角速度が最も速くなる膨張行程前期に、点火用発電器において点火用電力が得られるようにされているので、始動時における前記クランク軸の回転数が低くても(例え200〜300rpm程度であっても)、内燃エンジンを始動させることができる。このため、小型で出力の小さな電動モーターでも、円滑かつ確実に内燃エンジンを始動することができ、その結果、電動モーターの消費電力の低減、バッテリの小容量化、トータル重量の軽減化、耐久性の向上、及び、故障の低減等を図ることができ、信頼性が増すとともに、チェーンソー等の携帯型動力作業機の小形軽量化をも図ることが可能となる。。
【0059】
また、前記点火用発電器からの点火用電力を、前記コンデンサに充電するようにされているので、前記内燃エンジンの運転終了後、前記内燃エンジンを再始動する場合には、最初の1回転目から前記コンデンサに残存している高電圧が使用され、このため、始動がより確実となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る2サイクル内燃エンジンの始動装置の一実施形態が採用されたチェーンソーを示す部分切欠左側面図。
【図2】図1のII−II矢視拡大断面図。
【図3】図1における電動モーター及び減速機構周辺を拡大して示す部分切欠図。
【図4】本発明に係る始動装置の一実施形態における点火系を示す回路図。
【図5】図4に示される点火系に備えられる点火用発電器の出力電圧及びコンデンサの充電電圧を示すグラフ。
【図6】本発明の点火用発電器の発電動作の説明に供される図。
【図7】従来の点火用発電器の発電動作の説明に供される図。
【符号の説明】
3 始動装置
5 スタータ
6 リコイル式駆動部
7 従動部
15 緩衝・蓄力機構(緩衝・蓄力手段)
16 収納箱
17 起動プーリ
18 コイルばね部材
18a 端部
18b 他端部
19 ワンウェイクラッチ
20 ロープリール
21 リコイルロープ
23 リコイル用ゼンマイ(リコイル用付勢手段)
30 遠心クラッチ式ラチェット機構(遠心クラッチ)
35 冷却ファン
40 リコイル用ラチェット機構
70 電動モーター(駆動部)
80 減速機構
95 ワンウエイクラッチ
100 点火系
110 点火用発電器
140 コンデンサ
150 点火コイル
180 点火プラグ
200 チェーンソー
210 2サイクル内燃エンジン
211 シリンダ
212 クランク軸
213 頭部
214 ピストン
220 本体ハウジング
220L 左側部(一側部)
221 スタータケース
222 空気取入用スリット
TDC 上死点
K 最大起電力発生期間

Claims (11)

  1. クランク軸(212)の回転により点火用電力を発生するようにされた点火用発電器(110)、該点火用発電器(110)から得られる点火用電力を高電圧に昇圧する点火コイル(150)、及び、該点火コイル(150)からの高電圧により火花放電してシリンダ(211)内の混合気を点火させる点火プラグ(180)、を有する点火系(100)と、
    始動用駆動源としての電動モーター(70)を有し、該電動モーター(70)と前記クランク軸(212)側の従動部(7)との間の動力伝達系の途中に、前記電動モーター(70)の駆動の過程において、該電動モーター(70)の駆動によって前記従動部(7)と緩衝しつつ蓄力するとともに該蓄力により前記従動部(7)を駆動する緩衝・蓄力手段(15)が介在せしめられてなるスタータ(5)と、を備えた内燃エンジン(210)の始動方法であって、
    ピストン(214)が上死点(TDC)を通過した後の膨張行程前期に点火用電力を発生するように前記点火用発電器(110)を構成し、該点火用発電器(110)から得られる点火用電力をコンデンサ(140)に充電し、該コンデンサ(140)に充電された点火用電力を所定のタイミングで前記点火コイル(150)に放電させ、該点火コイル(150)からの高電圧により前記点火プラグ(180)を火花放電させることを特徴とする内燃エンジンの始動方法。
  2. クランク軸(212)の回転により点火用電力を発生するようにされた点火用発電器(110)、該点火用発電器(110)から得られる点火用電力を高電圧に昇圧する点火コイル(150)、及び、該点火コイル(150)からの高電圧により火花放電してシリンダ(211)内の混合気を点火させる点火プラグ(180)、を有する点火系(100)と、始動用駆動源としての電動モーター(70)を有し、該電動モーター(70)と前記クランク軸(212)側の従動部(7)との間の動力伝達系の途中に、前記電動モーター(70)の駆動の過程において、該電動モーター(70)の駆動によって前記従動部(7)と緩衝しつつ蓄力するとともに該蓄力により前記従動部(7)を駆動する緩衝・蓄力手段(15)が介在せしめられたスタータ(5)と、を備え、前記点火用発電器(110)は、ピストン(214)が上死点(TDC)を通過した後の膨張行程前期に点火用電力を発生するように構成されるとともに、前記点火用発電器(110)から得られる点火用電力を充電するコンデンサ(140)が付設され、該コンデンサ(140)に充電された点火用電力を所定のタイミングで前記点火コイル(150)に放電させて、該点火コイル(150)からの高電圧により前記点火プラグ(180)を火花放電させるようにされてなる内燃エンジンの始動装置。
  3. 前記点火用発電器(110)は、前記ピストン(214)が上死点後5°〜70°にある期間(K)に点火用電力が得られるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の始動装置。
  4. 前記従動部(7)は、従動側の回転による遠心力より係合を解除される遠心クラッチ(30)を備え、該遠心クラッチ(30)を介して駆動側と連動連結していることを特徴とする請求項2又は3に記載の始動装置。
  5. 前記電動モーター(70)と前記遠心クラッチ(30)との間に、ワンウエイクラッチ(95)と前記緩衝・蓄力手段(15)が動力伝達上、直列に介装されていることを特徴とする請求項4に記載の始動装置。
  6. 前記緩衝・蓄力手段(15)と前記電動モーター(70)との間に減速機構(80)が介装されていることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の始動装置。
  7. 前記減速機構(80)は、減速比が1/60〜1/100に設定されていることを特徴とする請求項6に記載の始動装置。
  8. 前記緩衝・蓄力手段(15)は、前記電動モーター(70)側に配在された収納箱(16)、前記従動部(7)側に配在された起動プーリ(17)、及び、前記収納箱(16)と前記起動プーリ(17)との間に介装されたばね部材(18)、を有し、該ばね部材(18)の一端部(18a)及び他端部(18b)が、それぞれ前記収納箱(16)及び前記起動プーリ(17)に係止されていることを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の始動装置。
  9. 前記駆動側には、前記電動モーター(70)とは別に、リコイル式駆動部(6)が付設され、該リコイル式駆動部(6)は、リコイルロープ(21)が巻装されて該リコイルロープ(21)を引っ張ることにより回転せしめられるロープリール(20)と、前記リコイルロープ(21)を巻き取るべく前記ロープリール(20)を逆転させるリコイル用付勢手段(23)と、前記ロープリール(20)の回転を前記緩衝・蓄力手段(15)に伝達するためのリコイル用ラチェット機構(40)と、を備えていることを特徴とする請求項2から8のいずれか一項に記載の始動装置。
  10. 前記緩衝・蓄力手段(15)は、前記収納箱(16)を一方向にのみ回転させるワンウェイクラッチ(19)を有していることを特徴とする請求項8又は9に記載の始動装置。
  11. 請求項2に記載の始動装置を備えたチェーンソー(200)であって、本体ハウジング(220)内に前記内燃エンジン(210)がシリンダ(211)横置きでその頭部(213)を後方に向けて搭載されるとともに、前記本体ハウジング(220)の一側部(220L)に、前記内燃エンジン(210)により駆動される冷却ファン(35)と前記スタータ(5)とが配設され、前記冷却ファン(35)及び前記スタータ(5)を覆うように、前記左側部(220L)には空気取入用スリット(222)が形成された外装カバーとしてのスタータケース(221)が取り付けられていることを特徴とするチェーンソー。
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