JP2004169397A - 便器自動洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】通水によって生成する電力を蓄えた蓄電池によって、大洗浄または小洗浄を行うことができる便器自動洗浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】洗浄水の通水路に設けた翼車と、この翼車により駆動される発電機と、この発電機により充電可能な蓄電池と、この蓄電池によって駆動される制御部と、この制御部により開閉制御され前記通水路と連通した開閉弁と、を備えた便器自動洗浄装置において、
前記開閉弁は少なくとも2通りの異なる開弁時間で開閉制御され、前記発電機は前記開閉時間が最小の場合の1回の通水量によって前記開閉弁の開閉駆動に必要な最低限の電力を発電して前記蓄電池に充電することを特徴とする便器自動洗浄装置。
【選択図】 図6
【解決手段】洗浄水の通水路に設けた翼車と、この翼車により駆動される発電機と、この発電機により充電可能な蓄電池と、この蓄電池によって駆動される制御部と、この制御部により開閉制御され前記通水路と連通した開閉弁と、を備えた便器自動洗浄装置において、
前記開閉弁は少なくとも2通りの異なる開弁時間で開閉制御され、前記発電機は前記開閉時間が最小の場合の1回の通水量によって前記開閉弁の開閉駆動に必要な最低限の電力を発電して前記蓄電池に充電することを特徴とする便器自動洗浄装置。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通水路に発電機を設け、この発電機の電力を利用して電磁弁を開閉し、便器を洗浄するための通水を流すようにした便器自動洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電磁弁を用いてバルブを開閉させる便器自動洗浄装置の電源には、100V電源や乾電池を使用してきたが、施工性、メンテナンス性の向上や省エネルギー化のために、通水路に翼車の回転により発電する発電機を設け、この発電機の電力を利用して電磁弁を開閉させる技術が公知である。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
また、昨今は節水への世間的な関心が高いことから、使用者を感知する手段を設け、且つその滞在時間に応じて自動的に大便、小便を判断し、大洗浄と小洗浄の通水量を切替える機能を有する便器自動洗浄装置も存在する。(例えば、特許文献2参照)
【0004】
【特許文献1】
特開2000−328626号公報
【特許文献2】
特開2002−106023号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発電機で発電した電力のみで効率よく便器自動洗浄装置の全ての制御を行うには、1回の通水で少なくとも次の1回の電磁弁の開閉を行うことができる最低電力を得る必要がある。
通水量が少なくなるほど発電量が少なくなる傾向を考慮して、特に節水の目的で大洗浄、小洗浄の通水量の切替を行う便器自動洗浄装置においては、小洗浄のときに1回の電磁弁の開閉を行うことができる最低電力を得る必要がある。
【0006】
しかしながら、従来の発電機を備えた便器自動洗浄装置の発電機をそのまま適用しようとしても、小洗浄のときには充分な電力が得られない。
つまり、従来の発電機は大洗浄のときの通水量で1回の電磁弁の開閉を行うことができる最低電力を得るようにしているため、小洗浄のときに大洗浄のときと同じ翼車の回転数では通水量が少ないために必要な電力を得られない可能性がある。
【0007】
一方、通水量が少ない小洗浄のときに発電機の翼車近傍の通水面積を小さくすれば、流速が早くなり発電量が増加して必要な電力が得られると言える。しかしながら、小洗浄に合わせて通水面積を小さくすると、逆に通水量が多い大洗浄のときに、圧力損失が大きくなり、洗浄不良を起こす可能性があり、便器そのものの洗浄性能が確保できなくなってしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、上記不具合を解決するためになされたもので、通水によって生成する電力を蓄えた蓄電池によって、大洗浄または小洗浄を行うことができる便器自動洗浄装置を提供することを目的とする。
さらに通水量が少ない小洗浄のときにも最低限必要な電力を得られ、大洗浄時にも圧力損失の影響を最小限に止めて汚物を充分に洗浄しつつ、最低限必要な電力を得られる便器自動洗浄装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為に、本発明の請求項1は、洗浄水の通水路に設けた翼車と、この翼車により駆動される発電機と、この発電機により充電可能な蓄電池と、この蓄電池によって駆動される制御部と、この制御部により開閉制御され前記通水路と連通した開閉弁と、を備えた便器自動洗浄装置において、
前記開閉弁は少なくとも2通りの異なる開弁時間で開閉制御され、前記発電機は前記開閉時間が最小の場合の1回の通水量によって前記開閉弁の開閉駆動に必要な最低限の電力を発電して前記蓄電池に充電することを特徴とする便器自動洗浄装置とした。
【0010】
これにより、電磁弁の開時間によらずに、常に電力を蓄電することができるため、次回の洗浄時には大小を問わずに、蓄電池に蓄えられた電力によって電磁弁を開閉することができる。
特に、電磁弁の開時間が最小のときに、この便器自動洗浄装置の全ての制御を行うために、1回の通水で最低限必要な電力が得られるようにすれば、それよりも電磁弁の開時間が多いときの電力は余裕分と捉えることができる。
【0011】
また、本発明の請求項2では、請求項1記載の便器自動洗浄装置において、前記翼車を回転駆動させるためにに作用する通水量を可変する通水量可変手段を設けたことを特徴とする便器自動洗浄装置とした。
【0012】
これにより、電磁弁の開時間によって通水面積を可変することができるので、翼車への通水の勢いや通水量を調整することができ、電磁弁の開時間により翼車の回転速度が可変して、十分に電力を充電することができる。
【0013】
また、本発明の請求項3では、請求項2記載の便器自動洗浄装置において、前記通水量可変手段は洗浄水の水勢により変形する弾性体で構成され、前記弾性体は前記通水路の翼車の回転駆動に作用する作用領域以外の非作用領域に配設し、前記非作用領域の流路断面積を前記洗浄水の水勢により変化されることを特徴とする便器自動洗浄装置とした。
【0014】
電磁弁の開時間が短い小洗浄時には通水面積を小さくすると流速が早くなり、発電機の翼車の回転速度が上がるため発電量が増加する。この場合は圧力損失が大きくなり便器の洗浄性能は低下するが、小洗浄のため洗浄不良を引き起こすことはない。
一方、電磁弁の開時間が長い大洗浄時は、圧力損失が大きいと瞬間流量も低減することから充分に汚物を洗浄することができなくなって、便器の洗浄不良が起こる可能性がある。しかしながら、本発明においては、大洗浄時に発電機の翼車近傍の通水面積を小洗浄時よりも大きくすることで、圧力損失を小さく抑えることができる。そのため、小洗浄時と比較して翼車を通過する通水の流速が遅くなるが通水時間が長くなるため必要な発電量は確保でき、大小いずれの場合にも必要な発電量を確保できる。
【0015】
水勢が小さいときは弾性体の撓む量が小さく通水面積を塞ぐ面積が増えるため、その分翼車に通水が流れ込むとともに、通水面積が小さくなる分流速が速まり、翼車の回転を速めて必要な発電量を確保できる。
また、水勢が大きいときは弾性体の撓む量が大きく通水面積を塞ぐ面積が減るため、その分翼車に流れ込む通水は減り翼車の回転が遅くなるが、通水時間が長いため、必要な発電量を確保できる。
これにより、弾性体の弾性力を利用して、この弾性体が通水の勢いに応じて撓むことで通水面積が変化させることができる。そのため、安価に製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を説明する。図1は本発明に係わる便器自動洗浄装置の外観図、図2は自動通水の流れを示したブロック図である。
【0017】
まず図1、図2を用いてこの便器自動洗浄装置の作動の仕組みを簡単に説明する。トイレブースに入室した使用者が感知領域1に入ると便器自動洗浄装置2の人体センサー3が感知状態になり、便器自動洗浄装置2に内蔵されている制御回路4のカウンタ5が滞在時間をカウントし始める。使用後、使用者が人体センサー3の感知から外れるとカウントを止める。この滞在時間がある所定時間を経過した場合には大便と判断し、電磁弁駆動回路6から電磁弁7へ開時間が長い信号が送られ大洗浄に使用される多量の通水を行う。それ以下の場合は小便と判断し、電磁弁7の開時間が短い信号が送られ、小洗浄に使用される少量の通水を行う。
【0018】
図3は便器自動洗浄装置の正面断面図、図4は発電機の翼車近傍の上面断面図A−Aであり、これらを用いて通水時における発電機の作動の仕組みを説明する。
【0019】
電磁弁7が開くと、圧力室8の水が経路9で抜け、ピストン10が上昇し、経路11を通って通水が流れる。電磁弁7が閉じると圧力室8に水が溜まり、ピストン10が降下して止水する。この通水で排水側に取り付けられた発電機12の翼車13が回転すると共に磁石14も回転するため、コイル15を通じて通水量に応じた電力が生成される。そして、この電力は蓄電池16に蓄積される。
【0020】
なお、便器自動洗浄装置2を設置し、初めて作動させるときには、図2内の乾電池17の電力を使用し、以降は上述したように発電機にて生成した電力を蓄える蓄電池16によって全ての制御を行うものである。この蓄電池16、乾電池17及び制御回路4は電気部品であることから、防水性を考慮して図3において通水部位より上方に設置する。
【0021】
発電機12で得られた電力のみで便器自動洗浄装置2の全ての制御を行うためには、最も通水量が少ない小洗浄時に、1回の通水で電磁弁を開閉することができる最低限必要な電力を得なければならない。
【0022】
通水量が少ないと、発電機12の翼車13の回転数が減少し、発電量が少なくなるが、発電機12の翼車13近傍の通水面積18を狭くしてやれば発電機12の翼車13に当たる流量が多くなり、翼車13の回転数が増加して発電量が増える。
【0023】
しかしながら大洗浄の場合には、通水面積18が狭いと圧力損失が大きくなるため、汚物が充分に流れずに便器の洗浄不良を引き起こす可能性がある。
【0024】
そこで、図5のように通水量に応じて発電機12の翼車13近傍の通水面積18を制御する方法を提案する。発電機12は少なくとも翼車13、磁石14、コイル15、弾性体19から成り立つ。
通水面積18を可変する可変手段として弾性体19を翼車13の近傍の通水経路内に配置している。この弾性体19は、翼車13の中心軸に空いた開口を塞ぐように配置されており、かつ、十字の切欠きが入っている。
【0025】
図6のように小洗浄が行われると、通水路に固定された十字切欠き入りの弾性体19が抵抗となり、図7のように水勢が弱いため弾性体19は少ししか撓まない。そのため、ある程度までしか十字切欠きが開かずに、翼車13側に多く水が配水される。
【0026】
逆に、図8のように大洗浄が行われると、図7のように小洗浄に比べて水勢があるため弾性体19の切欠きが大きく撓んで大きく開く。小洗浄時に比べて翼車13の回転速度は減少するが、通水量が多いため回転している時間を長くすることができるので、最低限必要な電力は確保できる。また、弾性体19が大きく開くため圧力損失が減少するため、洗浄不良を起こすこともない。
【0027】
これにより、1回の通水で最低限必要な電力を得ることができ、且つ大洗浄時に、圧力損失の影響を最小限に止めることが可能となる。
【0028】
なお、発電機12の翼車近傍の通水面積を可変する可変手段としては、上述した弾性体19にとどまらず、別の形態のものでもよい。
たとえば、図9のように、通水面積18を可変する可変手段として、翼車13近傍の通水面積18を下方からのばね21の付勢力によって弁体20を上方へ押し上げるように構成したものを適用してもよい。この場合、止水時にはこの通水面積18を弁体20にて塞ぐようにし、かつ、通水の勢いによってこの弁体20をばね21の付勢力に打ち勝って押し下げて、翼車13近傍と弁体20との隙間を水勢によって空けて通水面積18を広げるようにしている。
つまり、大洗浄のときは通水の勢いが強く弁体20を押し下げて通水面積18を広げることで、圧力損失を低減して汚物を流す洗浄性能を確保することができる。
また、小洗浄のときは通水の勢いが弱く弁体20をさほど押し下げることができないため通水面積18を広げることができず、翼車の方にほとんど通水が流れ込むため圧力損失が大きくなるが、汚物を流すまでの洗浄性能は必要ないため、便器の洗浄性能に影響を及ぼすことはない。
また、いずれの大小の洗浄においても、上述する弾性体19の場合と同様に通水面積18を可変することで通水によって少なくとも電磁弁7を1回開閉できる電力を蓄電池16に蓄えることができる。
【0029】
本実施例では、大便器用フラッシュバルブについて説明したが、通水量を切替える洗浄装置において応用が可能である。また、発電機12の設置位置は排水側のみならず、通水路上であればどこに設置しても構わない。
【0030】
【発明の効果】
本発明は上記構成により、通水によって生成する電力を蓄えた蓄電池によって、大洗浄または小洗浄を行うことができる便器自動洗浄装置を提供することができる。さらに通水量が少ない小洗浄のときにも最低限必要な電力を得られ、大の洗浄時にも圧力損失の影響を最小限に止めて汚物を充分に洗浄しつつ、最低限必要な電力を得られる便器自動洗浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる便器自動洗浄装置の外観図である。
【図2】自動通水の流れを示したブロック図である。
【図3】便器自動洗浄装置の正面断面図である。
【図4】発電機の翼車近傍の上面断面図である。
【図5】弾性体により通水面積を変動する発電機の上面断面図(a)及び正面断面図(b)である。
【図6】弾性体により通水面積が変動した発電機の上面断面図(a)及び正面断面図(b)(小洗浄時)である。
【図7】小洗浄時と大洗浄時の時間対水勢のグラフである。
【図8】弾性体により通水面積が変動した発電機の上面断面図(a)及び上面断面図(b)(大洗浄時)である。
【図9】弁体により通水面積が変動する発電機の翼車近傍の正面断面図である。
【符号の説明】
1…感知領域
2…便器自動洗浄装置
3…人体センサー
4…制御回路
5…カウンタ
6…電磁弁駆動回路
7…電磁弁
8…圧力室
9…経路
10…ピストン
11…経路
12…発電機
13…翼車
14…磁石
15…コイル
16…蓄電池
17…乾電池
18…通水面積
19…弾性体
20…弁体
21…ばね
【発明の属する技術分野】
本発明は、通水路に発電機を設け、この発電機の電力を利用して電磁弁を開閉し、便器を洗浄するための通水を流すようにした便器自動洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電磁弁を用いてバルブを開閉させる便器自動洗浄装置の電源には、100V電源や乾電池を使用してきたが、施工性、メンテナンス性の向上や省エネルギー化のために、通水路に翼車の回転により発電する発電機を設け、この発電機の電力を利用して電磁弁を開閉させる技術が公知である。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
また、昨今は節水への世間的な関心が高いことから、使用者を感知する手段を設け、且つその滞在時間に応じて自動的に大便、小便を判断し、大洗浄と小洗浄の通水量を切替える機能を有する便器自動洗浄装置も存在する。(例えば、特許文献2参照)
【0004】
【特許文献1】
特開2000−328626号公報
【特許文献2】
特開2002−106023号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発電機で発電した電力のみで効率よく便器自動洗浄装置の全ての制御を行うには、1回の通水で少なくとも次の1回の電磁弁の開閉を行うことができる最低電力を得る必要がある。
通水量が少なくなるほど発電量が少なくなる傾向を考慮して、特に節水の目的で大洗浄、小洗浄の通水量の切替を行う便器自動洗浄装置においては、小洗浄のときに1回の電磁弁の開閉を行うことができる最低電力を得る必要がある。
【0006】
しかしながら、従来の発電機を備えた便器自動洗浄装置の発電機をそのまま適用しようとしても、小洗浄のときには充分な電力が得られない。
つまり、従来の発電機は大洗浄のときの通水量で1回の電磁弁の開閉を行うことができる最低電力を得るようにしているため、小洗浄のときに大洗浄のときと同じ翼車の回転数では通水量が少ないために必要な電力を得られない可能性がある。
【0007】
一方、通水量が少ない小洗浄のときに発電機の翼車近傍の通水面積を小さくすれば、流速が早くなり発電量が増加して必要な電力が得られると言える。しかしながら、小洗浄に合わせて通水面積を小さくすると、逆に通水量が多い大洗浄のときに、圧力損失が大きくなり、洗浄不良を起こす可能性があり、便器そのものの洗浄性能が確保できなくなってしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、上記不具合を解決するためになされたもので、通水によって生成する電力を蓄えた蓄電池によって、大洗浄または小洗浄を行うことができる便器自動洗浄装置を提供することを目的とする。
さらに通水量が少ない小洗浄のときにも最低限必要な電力を得られ、大洗浄時にも圧力損失の影響を最小限に止めて汚物を充分に洗浄しつつ、最低限必要な電力を得られる便器自動洗浄装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為に、本発明の請求項1は、洗浄水の通水路に設けた翼車と、この翼車により駆動される発電機と、この発電機により充電可能な蓄電池と、この蓄電池によって駆動される制御部と、この制御部により開閉制御され前記通水路と連通した開閉弁と、を備えた便器自動洗浄装置において、
前記開閉弁は少なくとも2通りの異なる開弁時間で開閉制御され、前記発電機は前記開閉時間が最小の場合の1回の通水量によって前記開閉弁の開閉駆動に必要な最低限の電力を発電して前記蓄電池に充電することを特徴とする便器自動洗浄装置とした。
【0010】
これにより、電磁弁の開時間によらずに、常に電力を蓄電することができるため、次回の洗浄時には大小を問わずに、蓄電池に蓄えられた電力によって電磁弁を開閉することができる。
特に、電磁弁の開時間が最小のときに、この便器自動洗浄装置の全ての制御を行うために、1回の通水で最低限必要な電力が得られるようにすれば、それよりも電磁弁の開時間が多いときの電力は余裕分と捉えることができる。
【0011】
また、本発明の請求項2では、請求項1記載の便器自動洗浄装置において、前記翼車を回転駆動させるためにに作用する通水量を可変する通水量可変手段を設けたことを特徴とする便器自動洗浄装置とした。
【0012】
これにより、電磁弁の開時間によって通水面積を可変することができるので、翼車への通水の勢いや通水量を調整することができ、電磁弁の開時間により翼車の回転速度が可変して、十分に電力を充電することができる。
【0013】
また、本発明の請求項3では、請求項2記載の便器自動洗浄装置において、前記通水量可変手段は洗浄水の水勢により変形する弾性体で構成され、前記弾性体は前記通水路の翼車の回転駆動に作用する作用領域以外の非作用領域に配設し、前記非作用領域の流路断面積を前記洗浄水の水勢により変化されることを特徴とする便器自動洗浄装置とした。
【0014】
電磁弁の開時間が短い小洗浄時には通水面積を小さくすると流速が早くなり、発電機の翼車の回転速度が上がるため発電量が増加する。この場合は圧力損失が大きくなり便器の洗浄性能は低下するが、小洗浄のため洗浄不良を引き起こすことはない。
一方、電磁弁の開時間が長い大洗浄時は、圧力損失が大きいと瞬間流量も低減することから充分に汚物を洗浄することができなくなって、便器の洗浄不良が起こる可能性がある。しかしながら、本発明においては、大洗浄時に発電機の翼車近傍の通水面積を小洗浄時よりも大きくすることで、圧力損失を小さく抑えることができる。そのため、小洗浄時と比較して翼車を通過する通水の流速が遅くなるが通水時間が長くなるため必要な発電量は確保でき、大小いずれの場合にも必要な発電量を確保できる。
【0015】
水勢が小さいときは弾性体の撓む量が小さく通水面積を塞ぐ面積が増えるため、その分翼車に通水が流れ込むとともに、通水面積が小さくなる分流速が速まり、翼車の回転を速めて必要な発電量を確保できる。
また、水勢が大きいときは弾性体の撓む量が大きく通水面積を塞ぐ面積が減るため、その分翼車に流れ込む通水は減り翼車の回転が遅くなるが、通水時間が長いため、必要な発電量を確保できる。
これにより、弾性体の弾性力を利用して、この弾性体が通水の勢いに応じて撓むことで通水面積が変化させることができる。そのため、安価に製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を説明する。図1は本発明に係わる便器自動洗浄装置の外観図、図2は自動通水の流れを示したブロック図である。
【0017】
まず図1、図2を用いてこの便器自動洗浄装置の作動の仕組みを簡単に説明する。トイレブースに入室した使用者が感知領域1に入ると便器自動洗浄装置2の人体センサー3が感知状態になり、便器自動洗浄装置2に内蔵されている制御回路4のカウンタ5が滞在時間をカウントし始める。使用後、使用者が人体センサー3の感知から外れるとカウントを止める。この滞在時間がある所定時間を経過した場合には大便と判断し、電磁弁駆動回路6から電磁弁7へ開時間が長い信号が送られ大洗浄に使用される多量の通水を行う。それ以下の場合は小便と判断し、電磁弁7の開時間が短い信号が送られ、小洗浄に使用される少量の通水を行う。
【0018】
図3は便器自動洗浄装置の正面断面図、図4は発電機の翼車近傍の上面断面図A−Aであり、これらを用いて通水時における発電機の作動の仕組みを説明する。
【0019】
電磁弁7が開くと、圧力室8の水が経路9で抜け、ピストン10が上昇し、経路11を通って通水が流れる。電磁弁7が閉じると圧力室8に水が溜まり、ピストン10が降下して止水する。この通水で排水側に取り付けられた発電機12の翼車13が回転すると共に磁石14も回転するため、コイル15を通じて通水量に応じた電力が生成される。そして、この電力は蓄電池16に蓄積される。
【0020】
なお、便器自動洗浄装置2を設置し、初めて作動させるときには、図2内の乾電池17の電力を使用し、以降は上述したように発電機にて生成した電力を蓄える蓄電池16によって全ての制御を行うものである。この蓄電池16、乾電池17及び制御回路4は電気部品であることから、防水性を考慮して図3において通水部位より上方に設置する。
【0021】
発電機12で得られた電力のみで便器自動洗浄装置2の全ての制御を行うためには、最も通水量が少ない小洗浄時に、1回の通水で電磁弁を開閉することができる最低限必要な電力を得なければならない。
【0022】
通水量が少ないと、発電機12の翼車13の回転数が減少し、発電量が少なくなるが、発電機12の翼車13近傍の通水面積18を狭くしてやれば発電機12の翼車13に当たる流量が多くなり、翼車13の回転数が増加して発電量が増える。
【0023】
しかしながら大洗浄の場合には、通水面積18が狭いと圧力損失が大きくなるため、汚物が充分に流れずに便器の洗浄不良を引き起こす可能性がある。
【0024】
そこで、図5のように通水量に応じて発電機12の翼車13近傍の通水面積18を制御する方法を提案する。発電機12は少なくとも翼車13、磁石14、コイル15、弾性体19から成り立つ。
通水面積18を可変する可変手段として弾性体19を翼車13の近傍の通水経路内に配置している。この弾性体19は、翼車13の中心軸に空いた開口を塞ぐように配置されており、かつ、十字の切欠きが入っている。
【0025】
図6のように小洗浄が行われると、通水路に固定された十字切欠き入りの弾性体19が抵抗となり、図7のように水勢が弱いため弾性体19は少ししか撓まない。そのため、ある程度までしか十字切欠きが開かずに、翼車13側に多く水が配水される。
【0026】
逆に、図8のように大洗浄が行われると、図7のように小洗浄に比べて水勢があるため弾性体19の切欠きが大きく撓んで大きく開く。小洗浄時に比べて翼車13の回転速度は減少するが、通水量が多いため回転している時間を長くすることができるので、最低限必要な電力は確保できる。また、弾性体19が大きく開くため圧力損失が減少するため、洗浄不良を起こすこともない。
【0027】
これにより、1回の通水で最低限必要な電力を得ることができ、且つ大洗浄時に、圧力損失の影響を最小限に止めることが可能となる。
【0028】
なお、発電機12の翼車近傍の通水面積を可変する可変手段としては、上述した弾性体19にとどまらず、別の形態のものでもよい。
たとえば、図9のように、通水面積18を可変する可変手段として、翼車13近傍の通水面積18を下方からのばね21の付勢力によって弁体20を上方へ押し上げるように構成したものを適用してもよい。この場合、止水時にはこの通水面積18を弁体20にて塞ぐようにし、かつ、通水の勢いによってこの弁体20をばね21の付勢力に打ち勝って押し下げて、翼車13近傍と弁体20との隙間を水勢によって空けて通水面積18を広げるようにしている。
つまり、大洗浄のときは通水の勢いが強く弁体20を押し下げて通水面積18を広げることで、圧力損失を低減して汚物を流す洗浄性能を確保することができる。
また、小洗浄のときは通水の勢いが弱く弁体20をさほど押し下げることができないため通水面積18を広げることができず、翼車の方にほとんど通水が流れ込むため圧力損失が大きくなるが、汚物を流すまでの洗浄性能は必要ないため、便器の洗浄性能に影響を及ぼすことはない。
また、いずれの大小の洗浄においても、上述する弾性体19の場合と同様に通水面積18を可変することで通水によって少なくとも電磁弁7を1回開閉できる電力を蓄電池16に蓄えることができる。
【0029】
本実施例では、大便器用フラッシュバルブについて説明したが、通水量を切替える洗浄装置において応用が可能である。また、発電機12の設置位置は排水側のみならず、通水路上であればどこに設置しても構わない。
【0030】
【発明の効果】
本発明は上記構成により、通水によって生成する電力を蓄えた蓄電池によって、大洗浄または小洗浄を行うことができる便器自動洗浄装置を提供することができる。さらに通水量が少ない小洗浄のときにも最低限必要な電力を得られ、大の洗浄時にも圧力損失の影響を最小限に止めて汚物を充分に洗浄しつつ、最低限必要な電力を得られる便器自動洗浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる便器自動洗浄装置の外観図である。
【図2】自動通水の流れを示したブロック図である。
【図3】便器自動洗浄装置の正面断面図である。
【図4】発電機の翼車近傍の上面断面図である。
【図5】弾性体により通水面積を変動する発電機の上面断面図(a)及び正面断面図(b)である。
【図6】弾性体により通水面積が変動した発電機の上面断面図(a)及び正面断面図(b)(小洗浄時)である。
【図7】小洗浄時と大洗浄時の時間対水勢のグラフである。
【図8】弾性体により通水面積が変動した発電機の上面断面図(a)及び上面断面図(b)(大洗浄時)である。
【図9】弁体により通水面積が変動する発電機の翼車近傍の正面断面図である。
【符号の説明】
1…感知領域
2…便器自動洗浄装置
3…人体センサー
4…制御回路
5…カウンタ
6…電磁弁駆動回路
7…電磁弁
8…圧力室
9…経路
10…ピストン
11…経路
12…発電機
13…翼車
14…磁石
15…コイル
16…蓄電池
17…乾電池
18…通水面積
19…弾性体
20…弁体
21…ばね
Claims (3)
- 洗浄水の通水路に設けた翼車と、この翼車により駆動される発電機と、この発電機により充電可能な蓄電池と、この蓄電池によって駆動される制御部と、この制御部により開閉制御され前記通水路と連通した開閉弁と、を備えた便器自動洗浄装置において、
前記開閉弁は少なくとも2通りの異なる開弁時間で開閉制御され、前記発電機は前記開閉時間が最小の場合の1回の通水量によって前記開閉弁の開閉駆動に必要な最低限の電力を発電して前記蓄電池に充電することを特徴とする便器自動洗浄装置。 - 請求項1記載の便器自動洗浄装置において、前記翼車を回転駆動させるためにに作用する通水量を可変する通水量可変手段を設けたことを特徴とする便器自動洗浄装置。
- 請求項2記載の便器自動洗浄装置において、前記通水量可変手段は洗浄水の水勢により変形する弾性体で構成され、前記弾性体は前記通水路の翼車の回転駆動に作用する作用領域以外の非作用領域に配設し、前記非作用領域の流路断面積を前記洗浄水の水勢により変化されることを特徴とする便器自動洗浄装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002336107A JP2004169397A (ja) | 2002-11-20 | 2002-11-20 | 便器自動洗浄装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002336107A JP2004169397A (ja) | 2002-11-20 | 2002-11-20 | 便器自動洗浄装置 |
Publications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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GB2446148A (en) * | 2007-02-02 | 2008-08-06 | Ahmet Ersal Mehmet | Fluid flow driven turbine |
CN103422555A (zh) * | 2012-05-22 | 2013-12-04 | Toto株式会社 | 冲厕装置 |
-
2002
- 2002-11-20 JP JP2002336107A patent/JP2004169397A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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GB2446148A (en) * | 2007-02-02 | 2008-08-06 | Ahmet Ersal Mehmet | Fluid flow driven turbine |
CN103422555A (zh) * | 2012-05-22 | 2013-12-04 | Toto株式会社 | 冲厕装置 |
CN103422555B (zh) * | 2012-05-22 | 2017-09-12 | Toto株式会社 | 冲厕装置 |
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