JP2004168873A - 生分解性プラスチック材料 - Google Patents
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Abstract
【目的】育苗ポット等の農業用副資材として使用した場合、生分解性効果とともに施肥効果も期待できる生分解性プラスチック材料を提供すること。
【構成】農業用副資材などの成形材料として使用する生分解性プラスチック材料。生分解性樹脂コンパウンドに生分解性肥料(ポリマー分解型肥料)をドライブレンドしたものである。生分解性樹脂コンパウンドとしては、未加工澱粉と熱可塑性を有する生分解性樹脂とのアロイ等がある。
【選択図】 なし
【構成】農業用副資材などの成形材料として使用する生分解性プラスチック材料。生分解性樹脂コンパウンドに生分解性肥料(ポリマー分解型肥料)をドライブレンドしたものである。生分解性樹脂コンパウンドとしては、未加工澱粉と熱可塑性を有する生分解性樹脂とのアロイ等がある。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、生分解性樹脂を用いて造粒化した生分解性樹脂成形材料に関し、特に、農林水産関連の副資材において施肥効果も期待できる生分解性樹脂成形材料に関する。
【0002】
ここで、農林水産関連の副資材とは、農業/林業さらには水産業において、植物育成のために使用する育苗用ポット、植木鉢、植生ネット、マルチフィルム、苗床シート等をさす。なお、植物とは、野菜、花ばかりでなく、苗木等の陸生植物ばかりでなく水生植物(海草・海藻等)を含むものである。
【0003】
【背景技術】
昨今、地球環境保全等の見地から、生分解性プラスチックの需要が増大する傾向にある。
【0004】
従来の合成樹脂の技術を応用したり、天然物を利用したりした生分解性プラスチックの開発が進んでいる。
【0005】
これらの生分解性プラスチックは、特に、使用後における回収が困難な農林水産関連の各種副資材に使用されつつある。
【0006】
農林水産関連の副資材においては、生分解性プラスチックが微生物により分解を受けるに際して、分解中および分解後に周辺環境に対して悪影響を及ぼさず、かつ、最終的には完全に分解(消滅)することが要求される。
【0007】
しかし、従来の生分解プラスチックは、例えば、土壌に埋設又は接触して生分解を受けるに際して、周辺で育成している植物に対して成長を促進させることはない。
【0008】
また、生分解性プラスチックで形成(成形)された育苗用ポットや植木鉢等で栽培した植物を容器とともに移植した場合、植物の根は、容器が解されるまで外側に伸びることができず、依然として植物の成長が阻害される。
【0009】
さらに、同じ土壌で生分解性樹脂製の副資材を使用し続けた場合、生分解中の残渣が蓄積し、植物の生育に最適な条件を得ることが困難となる場合がある。
【0010】
【発明の開示】
本発明は、育苗ポット等の農業用副資材として使用した場合、生分解性効果とともに施肥効果も期待できる生分解性プラスチック材料を提供することを目的(課題)とする。
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意開発に努力をする過程で、生分解性樹脂コンパウンドに同様な生分解性肥料(生分解することにより無機化して肥料成分となるポリマー)をドライブレンドしてドライブレンド物とすればよいことを見出して、下記構成の生分解性プラスチック材料(生分解性樹脂成形材料)に想到した。
【0012】
生分解性樹脂コンパウンドに生分解性肥料がドライブレンドにより配合されてなることを特徴とする。
【0013】
上記構成により、熱に弱い生分解性肥料を熱分解させずにプラスチック成形材料とでき、また、本発明の生分解性プラスチック材料は、土中の微生物により生分解を受けると同時に、混合された生分解性肥料により周辺の植物に対して窒素等の栄養素を放出し、植物を良好に育成(栽培)できる。
【0014】
上記構成において生分解性樹脂コンパウンドとして、未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分解性樹脂とを必須成分とする混合物を加熱・溶融して得られる生分解性樹脂組成物であって、混合物の加熱・溶融を、ベント穴及び機械的剪断力を付与可能なフライト(ねじ山)を有する剪断押出機を使用して行うことにより、混合物から発生する水蒸気を除去しつつ、混合物に機械的剪断力を加えて、前記未加工澱粉の分子間水素結合を分断して、均一化させたものとすることが望ましい。
【0015】
生分解性が良好で、また、生分解性樹脂自体の生分解速度の微調整が容易となる。
【0016】
また、上記生分解性コンパウンドにおける生分解性樹脂を、脂肪族ポリエステル系の合成高分子とすることが望ましい。脂肪族ポリエステル系は、生分解性に優れているので残渣として蓄積し難いためである。
【0017】
更に、上記各構成において、上記生分解性肥料を、尿素−ホルムアルデヒドの縮合反応終了時に、バインダーを添加し造粒してなる熱水不溶性窒素70%以上の尿素−ホルムアルデヒド縮合物系超緩効性粒状窒素肥料とすることが望ましい。生分解性樹脂とドライブレンドして生分解性プラスチック材料としたとき、成形性が良好であるためである。
【0018】
上記構成の生分解性プラスチック材料の調製方法は、通常、生分解性コンパウンドを調製した後、生分解性肥料をドライブレンドする。生分解性コンパウンドを調製するときに、生分解性肥料も同時に配合すると、相対的に熱に弱い生分解性肥料が熱分解して無機化してしまい、生分解性肥料の本来持つ、生分解性が消失して超緩効性を発揮できなくなるためである。
【0019】
上記各構成の生分解性プラスチック材料は、使用後における回収が困難な農林水産関連の各種副資材に適用することが、効果が顕著となる。上記副資材を用いて、植物を栽培し、副資材とともに土壌に埋設することにより、生分解中に肥料成分(植物栄養素)を植物の根元に供給でき、植物の成長が阻害されない。
【0020】
そして、例えば、成形する場合は、生分解性肥料の熱分解温度以下の成形温度で成形する必要がある。
【0021】
【構成の詳細な説明】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明を行う。なお、本明細書中において、配合比率を表す「%」は、特に断らない限り、「質量%」を示すものである。また、水分は湿量基準含水率:w[kg/ kg(wet stock)] を意味する。
【0022】
本発明の生分解性プラスチック材料は、生分解性樹脂コンパウンドに生分解性肥料がドライブレンドにより配合されてなることを特徴とするものである。
【0023】
ここで、コンパウンドとは、「合成樹脂あるいはゴムに、必要に応じて可塑剤、硬化剤、充填剤、着色剤、安定剤、強化剤など各種配合剤を加えて混合し、そのままの状態で成形加工することができるようにした材料」(「図解 プラスチック用語辞典 第2版」 日刊工業新聞社(1994) p.297 )のことであって、粉末状、粒状、ペレット状、ペースト状、顆粒状、小球状等、形状はいずれでもよい。
【0024】
そして、本発明の生分解性樹脂コンパウンドのベースポリマーとする生分解性樹脂(ポリマーアロイを含む)としては、熱可塑性を有するものであれば、現在市販されているあらゆる生分解性樹脂を好適に使用することができる。
【0025】
例えば、酢酸セルロース、(キトサン/セルロース/澱粉)重合系、(澱粉/化学合成グリーンプラ(R))重合系、(脂肪族ポリエステル/芳香族ポリエステル)重合系(copolymer of aliphatic and aromatic polyester)等の天然高分子由来のものや、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)、ポリビニルアルコール、ポリ(グリコール/ジカルボン酸)(Glycols and dicarboxylic acid) 等の脂肪族ポリエステル系の合成高分子、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバリデート)等の微生物産生系高分子等の中から単独又は2種以上混合した生分解性樹脂アロイ(生分解性ポリマーアロイ)を挙げることができる。
【0026】
特に、生分解性コンパウンドとしては、本願出願人が先に特願2002−007805において提案した、下記構成の生分解性樹脂樹脂組成物(コンパウンド)が望ましい。未加工澱粉を、生分解性ポリマーアロイの一部として含んでいるため生分解性が良好で、かつ、未加工澱粉の生分解性樹脂に対する比率を調節することにより生分解速度の調節も可能となり、さらには、生分解性肥料との相溶性も良好である。
【0027】
「未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分解性樹脂とを必須成分とする混合物を加熱・溶融して得られる生分解性樹脂組成物であって、
混合物の加熱・溶融を、ベント穴及び機械的剪断力を付与可能なフライト(ねじ山)を有する剪断押出機を使用して行うことにより、混合物から発生する水蒸気を除去しつつ、混合物に機械的剪断力を加えて、前記未加工澱粉の分子間水素結合を分断して、均一化させたことを特徴とする。」
当該生分解性樹脂組成物(生分解性コンパウンド)について、より詳細に説明をする。
【0028】
当該生分解性コンパウンドは、未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分解性樹脂とを必須成分とする混合物を加熱・溶融して得られる生分解性樹脂組成物であることを基本的特徴とする。
【0029】
未加工澱粉とは、植物中に存在する天然澱粉そのものであって、変性処理が施されていない澱粉のことをいう。
【0030】
なお、変性には、▲1▼主原料に他の単量体を加え共重合や共縮合したり、ある高分子化合物に他の高分子化合物を結合(ブロック共重合、グラフト共重合)したり混合する変性(modification) :いわゆる化学的変性と、▲2▼イオン結合、水素結合、疎水結合等の分子内非共有性結合により保持している固有の立体構造を、加熱などの物理的処理や、pHの変化などの化学的処理によって切断する、化学組成変化をほとんど伴わない変性(denaturation) :いわゆる物理的変性とがある(「図解 プラスチック用語辞典 第2版」 日刊工業新聞社(1994) p.741 参照)。
【0031】
未加工澱粉としては、天然又は植物起源の、本質的にアミロース及び/又はアミロペクチンからなる澱粉全てが好適に使用可能である。具体的には、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、コメ澱粉、タピオカ澱粉、穀類(ライムギ、カラスムギ、小麦等)由来の澱粉等を例示することができ、これらの中から単独又は2種以上を選択して使用することができる。特にトウモロコシ澱粉(コーンスターチ)が入手し易く望ましい。
【0032】
また、未加工澱粉は、含水率の制限なく使用することができ、乾燥澱粉(平衡水分(RH:81%のときの)として約13.5%以下の水分を含有するもの)から、湿潤状態の澱粉まで使用可能である。乾燥状態の未加工澱粉を使用すれば、後述の如く、加熱時における蒸気の発生を少なくすることができる。一方、含水率が高い未加工澱粉を使用すれば、生分解性樹脂組成物の透明性が良好となる。よって、含水率は、目的物に応じて適宜設定可能である。なお、含水率の上限は特に規定しないが、約60%前後で効果(透明性に関して)が飽和する。
【0033】
なお、トウモロコシ澱粉を原料とした精製後の未加工乾燥澱粉の平衡水分は、RH:約81%の際、約12〜13%である。
【0034】
一方、生分解性樹脂としては、前述のものを使用可能である。澱粉との相溶性が高い樹脂を使用すれば、均一に相溶した生分解性樹脂組成物が得られ、また、澱粉との相溶性が低い樹脂であっても、均一に分散した生分解性樹脂アロイを得ることが可能である。
【0035】
さらに、上記混合物には必然的ではないが、その他の添加剤を添加することができる。例えば、混合物の溶融温度以上の沸点を有する可塑剤を添加して可塑性を改善することができる。なお、澱粉の溶融温度は、トウモロコシ澱粉で、約120℃以上である。
【0036】
上記可塑剤としては、多価アルコールを使用することができる。具体的には、グリセリン(bp. 290℃) 、エチレングリコール(bp. 197.7℃) 、プロピレングリコール(bp. 188.2℃) 、トリメチレングリコール(bp. 214.2℃) 、テトラメチレングリコール(bp. 235℃) 、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エリトリット(bp. 329〜 331℃)、アラビット、ソルビットから単独又は二種以上選択して使用することができる(「化学便覧 基礎編I」日本化学会編(S.41・9・25)丸善 参照)。
【0037】
さらに、上記混合物には、滑剤を添加して溶融速度、溶融粘度、安定性等を改善することができる。
【0038】
滑剤としては、脂肪酸アミド系、脂肪酸系、アルコール系、脂肪酸エステル系、炭化水素系、金属石けん系等があるが、使用する樹脂との兼ね合いで脂肪酸アミド系を好適に使用することができる。
【0039】
脂肪酸アミド系滑剤としては、ステアリン酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ベニン酸アミド、メチレン−ビス−ステアラアミド、エチレン−ビス−ステアラアミド、エチレン−ビス−ヒドロキシ−ステアラアミド、ヒドロキシステアラアミド、メチロールアミド、エルカ酸アミド、レシチン−モノ−リン酸アルキル、レシチン−ジ−リン酸アルキル等があるが、特にステアリン酸アミドが好適に使用できる。
【0040】
上記混合物にはさらに、滑剤以外の添加剤として、カーボンブラック等の紫外線安定剤、難燃剤、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等の架橋剤、抗菌剤、除草剤、酸化防止剤、肥料、乳白剤、安定剤等を含有することもできる。
【0041】
そして、上記混合物(コンパウンド)の質量組成比は、例えば、未加工澱粉(乾燥澱粉基準):約30〜70%、望ましくは約40〜60%、さらに望ましくは約50%前後、生分解性樹脂:約30〜70%、望ましくは約40〜60%、さらに望ましくは約50%前後、可塑剤:約0〜20%、滑剤:約0〜1%とすると、澱粉及び生分解性樹脂の双方の特徴を生かした生分解性樹脂組成物を得ることができる。
【0042】
ここで生分解性樹脂としては、前述のものが使用可能であるが、特に、脂肪族ポリエステル系の合成高分子が、汎用性および未加工澱粉との相溶性(混和性)に優れて望ましい。
【0043】
上記の質量組成比以外にも、種々の設計変更が可能である。すなわち、未加工澱粉と生分解性樹脂との混合比は任意であって、未加工澱粉ベースであっても、生分解性樹脂ベースであってもよい。当然、未加工澱粉の相対量が多くなれば、未加工澱粉の特性が強まり、逆に生分解性樹脂の相対量が多くなれば、生分解性樹脂の特性が強く現れる。
【0044】
可塑剤の混合比が多すぎると、相対的に生分解性樹脂や未加工澱粉の量が減るため、望ましくない。また、滑剤の混合比が多すぎても、それ以上の効果が期待できず効果が飽和してしまう。可塑剤及び滑剤は、上述の如く必須成分ではない。
【0045】
上記混合物は、均一に混合されていることが望ましい。後工程での加熱・溶融の際、より均一な生分解性樹脂組成物を得るためである。なお、混合は手作業等で行ってもよいが、後述の如く、通常の混合に使用されるヘンシェルミキサー、フラッシュミキサ等を使用することができる。
【0046】
そして上記混合物の加熱・溶融を、ベント穴及び機械的剪断力を付与可能なフライト(ねじ山)を有する剪断押出機を使用して行うことにより、混合物から発生する水蒸気を除去しつつ、混合物に機械的剪断力を加えて、前記未加工澱粉の分子間水素結合を分断して、均一化させることが本発明の最大の特徴である。
【0047】
水蒸気を除去するのは、剪断押出機を使用して上記混合物を加熱・攪拌する場合、剪断押出機の押出圧力に抗する水蒸気圧が加わるのを防止するため、及び水蒸気により、生分解性樹脂組成物内に気泡が混入するのを防止するためである。
【0048】
上記でも述べた如く、加熱時においては、平衡水分のみを含んだ乾燥状態の澱粉であっても、澱粉中に含有されている水分の蒸発が起こる。そのため、乾燥澱粉を使用する場合であっても水蒸気の除去は必要である。
【0049】
水蒸気の除去は、剪断押出機の途中などにベント穴を設けて大気開放とするか、若しくは、発生する水蒸気の量が多い場合は必要により吸引(真空吸引等)により排除すればよい。
【0050】
このように、水蒸気を加熱・溶融時に除去する構成としたため、最初から含水率の少ない澱粉を使用する必然性がない。そのため、生分解性樹脂組成物に透明性を付与するために、別途水分を添加しても押出成形性を低下させることはない。よって、澱粉の前処理や、変性剤の添加を省略することができ、工程が簡略化する。
【0051】
また、上記混合物の加熱・溶融時に機械的剪断力を与えるのは、上記未加工澱粉分子間の水素結合を少なくとも部分的に分断するためである。機械的剪断力により水素結合を破壊すれば、澱粉粒を微粉化すると同時に、生分解性樹脂と澱粉とを均一に相溶又は分散させることができる。
【0052】
機械的剪断力のない条件下では、加熱したにもかかわらず、澱粉分子の水素結合が強いため、未破壊の澱粉粒が原料に残留することとなり、均一に分散又は相溶させることができない。
【0053】
加熱・溶融後の上記混合物は、高粘性であるが、機械的剪断力の働きで効率的に分散・相溶が行われる。すなわち、低粘性や低融点の変性澱粉を使用したり、変性剤を添加しなくても均一に分散・相溶した生分解性樹脂組成物を得ることができる。
【0054】
上記機械的剪断力は、剪断押出機において、ダルメージタイプ、その他ずれ変形を付与可能なフライト(ねじ山)を有する剪断押出機を使用して付与することができる。なお、フライトとは、スクリュー溝を加工した後に残された螺旋型の山の外面部分のことをいう。
【0055】
本発明の生分解性樹脂組成物の製造に使用可能な剪断押出機のモデル図を図1に示す。図1の剪断押出機12は、図示しない加熱手段を備えてなる単軸型の剪断押出機である。シリンダー14内部にスクリュー16を備えてなり、シリンダー14には、第1ベント穴18a、第2ベント穴18bが設けられている。第1ベント穴18a、第2ベント穴18bは、それぞれ真空ポンプ等に接続可能とされており、原料から発生する水蒸気を効率的に剪断押出機外へ除去可能とされている。
【0056】
なお、具体的なスクリュー形状は、図4に示すようなものとなる。
【0057】
ベント穴の径は130mm押出機(シリンダー内径130mm)の場合、例えば40mm×90mmの角型ベント穴とすることができる。また、ベント穴の個数は最大3個設ければよい。
【0058】
スクリュー16には、フライト20、溝部22が形成されている。剪断押出機の投入口側の原料投入口24から投入された原料は、スクリュー16の溝部22を黒矢印方向に移動して剪断押出機12から排出され、排出口側に備えられた造粒機26等により造粒される。
【0059】
上記原料は、第1ベント穴18aから第2ベント穴18bの区間では半溶融状態で存在しており、この区間が剪断・混練に効果的である。
【0060】
フライト20の排出口側は、溶融状態の原料が後退し、脈動するように透き間が設けられた構成とする。原料が後退しつつ、何度も剪断・混練を繰り返しながら原料を押し出すことができるため、混練性が向上し、より均一な混合が可能となるからである。
【0061】
図4に望ましい具体的態様の先端に造粒手段126を備えた剪断押出機112を示す。ここで、図1における対応部位については、2桁の図符号に頭に「1」を付して3桁図符号として、それらの説明の全部又は一部を省略する。
【0062】
スクリュー116は、第1ベント穴(水分吸入穴)118aの手前において第一剪断/圧縮混練区間が形成されている。この第一剪断/圧縮混練区間は、複数個(図例では3個)の谷部(溝部)122に渡り、ねじ山の両側部から所定角度(60〜180°戻し変位させて始まる複数個の混練隆起部(スクリューネジ山より低い。)123a、123bが形成されている。この混練隆起部123a、123bの存在により谷部間の断面積が小さくなり圧縮作用を受けると共に、混練隆起部123a、123b間の変位により、溶融原料には、谷部122の戻し作用が発生して溶融原料の部分的に前後移動(流動)が繰り返されて圧縮・剪断の流動現象が発生する。こうして原料は、半溶融であっても、この圧縮・剪断作用を受けながら、全体として本体スクリューにより前進移動をする。なお、この第一剪断/圧縮混練区間は、原料が半溶融状態にあり圧縮・剪断混練が最も効果的な区間である。また、混練隆起部123は谷部122の底面から逓増して形成されている。
【0063】
また、第二ベント穴(水分吸入穴)118bの手前において第二混練促進区間Bが形成されている。図例ではネジの始点移送を所定角度(60〜120°:図例では90°)ずつ戻し変位させることにより多条ネジ部(図例では4条)として形成されている。
【0064】
この変位させた多条ネジ部のねじ山(フライト)120b、120b・・・群の間で溶融原料には、部分的な前後移動(流動)を繰り返しながら圧縮・剪断の流動現象が発生する。溶融原料は、こうして圧縮・剪断の混練を受けながら、全体として本体スクリューにより前進移動をする。
【0065】
さらに、図例では押出しダイス125に面して、所定時間ごとにモータ127で回転駆動されるカッタ129が配されて造粒可能とされている。こうして造粒されたペレットは、ペレット出口131から回収コンテナ(図示せず。)に落下するようになっている。図例中133は、スクリーンメッシュである。
【0066】
本発明の生分解性樹脂組成物は例えば、図2に示す工程図に沿って製造される。すなわち、原料をヘンシェルミキサー等で混合し、その後上記記載の剪断押出機12を使用して混練・剪断し、ペレット成形等の造粒を行う。
【0067】
この際、上記剪断押出機12を含んだ、図3に示す製造プラントを使用することができる。
【0068】
図3における製造プラントは、未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分解性樹脂とを必須成分とする混合物を均一混合可能なヘンシェルミキサー28と、
混合物を混練・剪断するために使用する、上記記載のベント穴18及び機械的剪断力を付与可能なフライト(ねじ山)20を有する剪断押出機12と、
剪断押出機から押し出された生分解性樹脂組成物をペレット化する造粒機(ペレット成形機)26と、
ペレット成形機により成形されたペレットの大きさを選別するペレット選別機30と、を備えてなることを特徴とする。
【0069】
以下、図3に基づいて、原料(被加工物)の流れに沿って製造プラントの説明を行う。なお、本発明の生分解性樹脂の製造は、下記製造プラントのみに限定されるものではない。
【0070】
まず、生分解性樹脂、生澱粉等の粉体原料を、ブレンダー32により混合する。ブレンダー32は、上部に粉体投入口34、34を備えてなるものであって、架台38上の回転槽36をモータ等により高速回転させて粉体混合を行う。粉体混合に通常使用されるブレンダーを使用することができ、例えば、ドラムブレンダー、バケットブレンダー等を例示できる。混合された粉体は、粉体定量供給機40を経て、一定量ずつヘンシェルミキサー28の混合槽48内に供給される。
【0071】
一方、必須成分ではないが、グリセリンや水等の液体原料は、液体タンク42、42から、液体ポンプ43、43により汲み上げられ液体流量計44、44を経て一定量ずつヘンシェルミキサー28の混合槽48内に供給される。
【0072】
その他必要な添加剤は、添加剤投入コンベア46を利用して同じくヘンシェルミキサー28の混合槽48内に供給される。
【0073】
ヘンシェルミキサー28で、上記材料の混合を行う。ヘンシェルミキサーとは、プロペラミキサー式の高速混合機の一種であって、主として粉粒体、プラスチック原材料、着色剤及び添加剤などの均一混合、カラリング等に汎用されている(「図解 プラスチック用語辞典 第2版」 日刊工業新聞社(1994) p.741 参照)。本プラントにおいては、汎用のヘンシェルミキサーを好適に使用可能である。
【0074】
通常、上記混合槽48内に設けられたプロペラ(攪拌翼)が、駆動モータ50に接続されたVベルト52により回転し、均一混合を行う構造とされている。
【0075】
均一混合された混合物は、混合物排出口54から自重落下により排出され、フィーダー56を経て、予備加熱用押出機58に搬入される。フィーダー56としては、定量供給が可能なプロペラ式フィーダーを使用することが望ましい。
【0076】
予備加熱用押出機58内では、混合物が目的の溶融温度まで加熱され、次工程の上記で述べた剪断押出機12へと搬送される。予備加熱用押出機58としては、例えば、3軸型のスクリューを使用することができる。なお、図3においては、予備加熱用押出機58から剪断押出機12への供給を、供給装置60内の縦軸スクリューを使用して強制押込みにより行う。
【0077】
剪断押出機12内には、上述の特殊なフライト20を有するスクリュー16が備えられており、効率的に剪断・混練が行われる。剪断押出機12の構造は、すでに述べたため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0078】
剪断押出機12から排出された混練後の樹脂は、造粒機(ペレット成形機)26によりペレット化される。ペレット成形機26においても、通常樹脂成形に使用される汎用のペレット成形機を使用できる。図3においては、剪断押出機12の出口で樹脂を切断するホットカット方式のペレット成形機を使用しているが、その他、コールドカット方式、アンダーウオーターカット方式、シートカット方式、等のペレット成形機(ペレタイザ)を使用することもできる。
【0079】
成形されたペレットは、ペレット冷却槽62で冷却される。冷却は、水冷、空気冷等により容易に行うことができる。図3においては、水冷でペレットを冷却しているため、その後、ペレット乾燥機64でペレットを乾燥させた後、ペレット選別機30に搬送される。
【0080】
ペレット乾燥機64は、汎用の熱風送風手段等を備えたもので、ペレット及び熱風を供給して気流乾燥し、上部に設けられた捕集機66まで空気搬送されて回収される。回収されたペレットは、ペレット選別機30で大きさ毎に選別される。
【0081】
ペレット選別機30は、汎用品を使用することができる。具体的には、パンチングプレートやメッシュ等で形成された振動状態のスクリーン上をペレットが通過することにより大きさの選別を行う振動型選別機等を好適に使用することができる。
【0082】
選別されたペレットは、ブロア68等を使用して空気搬送によりペレット貯蔵用上部タンク70に搬送される。その後、ペレット排出口72から自動計量器76上に配された完成品ストックタンク74内にペレットが供給され、真空自動シーラ78等で包装され製品となり、完成品搬送コンベア79等で搬送される。
【0083】
上記の如く、本発明の生分解性樹脂製造プラントを使用することにより、生分解性樹脂製造において、完全自動化が実現可能となる。
【0084】
上記における生分解性樹脂組成物の製造条件としては、押出圧力:約60kg/cm2以上、押出温度約130〜160℃とする。押出温度が低過ぎると、澱粉や生分解性樹脂の溶融温度に到達せず、樹脂が溶融せずに残り、可塑化できない。また、押出温度が高すぎると、澱粉や生分解性樹脂の解重合がおこり、特性が失われる。
【0085】
上記加熱・溶融処理後は、未変性澱粉は熱変性(denaturation) されて、α化澱粉となる。なお、未加工澱粉は、冷水に対して水不溶性である。溶融状態で機械的剪断力を加えて微粉化した澱粉は水難溶性と、若干溶解性が良好となる。
【0086】
なお、これまでの記載では、未加工澱粉を使用することを前提として説明を行ったが、該記載は、変性澱粉の使用を積極的に排除するものではない。本発明は、あくまでも低融点・低粘度の変性澱粉や、低含水率の変性澱粉を使用しなくても、植物由来の未加工澱粉を直接使用できることを示すにすぎず、当然変性澱粉を未加工澱粉の一部代替として使用することも可能である。
【0087】
使用可能な変性澱粉としては、未加工澱粉の分解物である、デキストリン、酸処理澱粉、酸化澱粉、未加工澱粉の誘導体である架橋澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、グラフト共重合体等が挙げられる。
【0088】
例えば、澱粉エステルの例として、アセチル化澱粉があるが、アセチル化処理された澱粉を使用することにより、澱粉の耐老化性・透明性を改善することができる。アセチル化は上記に記載した本発明の混合物に無水酢酸、酢酸、無水イタコン酸、酢酸ビニル、塩化アセチル、ケテン等のアセチル化剤を添加するだけでよい。アセチル化剤の添加量は、例えば混合物全体の約0.05〜1%とすればよい。
【0089】
ここでは、生分解性樹脂アロイの原料に澱粉をベースとする場合を主として例に採り説明をしたが、植物の生長を阻害させないために、澱粉をベースとすることを示したにすぎず、当然澱粉をベースとしない生分解性アロイも使用することも可能である。
【0090】
上記生分解性肥料としては、生分解することにより無機化して肥料成分となるポリマーであれば、無機成分は、窒素(N)、りん(P)、カリ(K)特に限定されず、現在市販されているもの、将来開発されるものを含む。
【0091】
具体的には、特開2001−206792公報で提案されている下記製造方法で得られる尿素−ホルムアルデヒド縮合系超緩効性粒状窒素肥料が好適に使用できる。
【0092】
「尿素、ホルムアルデヒドの縮合物の製造方法であって、尿素−ホルムアルデヒドの縮合反応終了時に、バインダーを添加し造粒してなる熱水不溶性窒素70%以上の尿素−ホルムアルデヒド縮合物系超緩効性粒状窒素肥料の製造法。」
より具体的には、「ミクレアDZ」(全窒素含量:25.0%)、「ハイミクレア」(全窒素含量:27.0%)等の商品名(登録商標)で「トモエ化学工業株式会社」から製造販売されているものを使用可能である。
【0093】
この生分解肥料の生分解性樹脂(アロイ)100質量部に対する配合量は2〜40重量部(望ましくは4〜20重量部)とする。生分解性肥料が過少では、植物育成のための施肥効果を得難く、逆に過多では、生分解性樹脂(アロイ)の成形性が失われる。
【0094】
そして、生分解性コンパウンドに対して生分解性肥料を、ヘンシェルミキサー等でドライブレンド(常温)して本発明の生分解性プラスチック材料を調製する。生分解性肥料を生分解性コンパウンドを調製(混練)するときに同時に配合すると、生分解性肥料は熱分解し易く、生分解コンパウンド調製時の混練時に生分解性肥料が熱分解して無機化してしまい、生分解性肥料の生分解性が消失して、超緩効性を維持できなくなる。
【0095】
また、このとき生分解性肥料は、特に、育苗用ポット等の薄物の成形材料とするときは、粒径の所定以下(例えば20μmアンダー)に分級したもの、又は、成形時の混和性の見地から所定粒径範囲(例えば50〜100μm)分級したものを使用することが望ましい。
【0096】
上記生分解性プラスチック材料を使用して、通常、水産農林用(特に農業用)副資材を成形する。成形方法は、射出、トランスファー、ブロー、ブロー射出成形、押出等特に限定されない。但し、成形温度は、生分解性肥料の熱分解温度以下の成形温度で成形する。ここで、前記「ミクレア」の場合、130℃以下の温度で成形を行う。
【0097】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて、より詳細に説明をする。
【0098】
まず、下記組成の生分解性コンパウンド(生分解性樹脂組成物)を、発明の詳細な説明で詳述した生分解性樹脂製造プラントにより、加熱温度:ダイス部分138℃、その他140℃、押出圧力:60kg/cm2、剪断用スクリュー直径:129.8mm、シリンダー内径:130mmの条件で押出成形し、ペレットを作成した。剪断押出機の剪断開始部分と、終了部分には、ベント穴を設けて水蒸気の除去が可能な構成とした。なお、水蒸気の除去は真空ポンプを使用して行った。
【0099】
生分解性樹脂組成物(コンパウンド)
・トウモロコシ澱粉(未加工澱粉:アメリカ産黄色デント種(馬歯種)):約44%
・脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂(MFR:1.4g/10min (190℃、2.16kg荷重):約44%
・グリセリン(可塑剤:純度98.5%以上):約12%
上記ペレット原料100部に対して、カーボンブラック1.5部、及び、粒径20μmアンダーとした「ミクレアDZ」(生分解性肥料)5.0部(生分解性樹脂100部に対して約11.4部)をヘンシェルミキサー(容量:150L)でドライブレンド(条件:690rpm×2min)して生分解性プラスチック材料とした。
【0100】
当該生分解性プラスチック材料を、35mm双頭式ブロー成形機を用いて、シリンダー温度:130℃、ダイ温度:80℃の条件で、ブロー成形をして図5の寸法断面図に示すような仕様の育苗ポット(実施例)を得た。同条件で生分解性肥料未配合のコンパウンド(成形材料)についても、同様にしてブロー成形をして育苗ポット(比較例)を得た。
【0101】
本実施例の育苗ポットは、その表面に金型の冷却効率の低下による光沢がみられたが、比較例の育苗ポットと同様の製品が得られた。なお、実施例と比較例との重量は同じであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生分解性樹脂組成物の製造に使用可能な剪断押出機のモデル図である。
【図2】本発明の生分解性樹脂組成物の製造工程図である。
【図3】図1の剪断押出機を含んだ本発明の生分解性樹脂製造プラントである。
【図4】本発明の生分解樹脂組成物の製造に使用する剪断押出機の一例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の生分解性プラスチック材料を使用して成形した農林水産用副資材である育苗用ポットの寸法断面図である。
【符号の説明】
12…剪断押出機
14…シリンダー
16、…スクリュー
18a、18b…ベント穴
20…フライト(ねじ山)
22…溝部
26…造粒機
28…ヘンシェルミキサー
30…ペレット選別機
62…ペレット冷却槽
64…ペレット乾燥機
【技術分野】
本発明は、生分解性樹脂を用いて造粒化した生分解性樹脂成形材料に関し、特に、農林水産関連の副資材において施肥効果も期待できる生分解性樹脂成形材料に関する。
【0002】
ここで、農林水産関連の副資材とは、農業/林業さらには水産業において、植物育成のために使用する育苗用ポット、植木鉢、植生ネット、マルチフィルム、苗床シート等をさす。なお、植物とは、野菜、花ばかりでなく、苗木等の陸生植物ばかりでなく水生植物(海草・海藻等)を含むものである。
【0003】
【背景技術】
昨今、地球環境保全等の見地から、生分解性プラスチックの需要が増大する傾向にある。
【0004】
従来の合成樹脂の技術を応用したり、天然物を利用したりした生分解性プラスチックの開発が進んでいる。
【0005】
これらの生分解性プラスチックは、特に、使用後における回収が困難な農林水産関連の各種副資材に使用されつつある。
【0006】
農林水産関連の副資材においては、生分解性プラスチックが微生物により分解を受けるに際して、分解中および分解後に周辺環境に対して悪影響を及ぼさず、かつ、最終的には完全に分解(消滅)することが要求される。
【0007】
しかし、従来の生分解プラスチックは、例えば、土壌に埋設又は接触して生分解を受けるに際して、周辺で育成している植物に対して成長を促進させることはない。
【0008】
また、生分解性プラスチックで形成(成形)された育苗用ポットや植木鉢等で栽培した植物を容器とともに移植した場合、植物の根は、容器が解されるまで外側に伸びることができず、依然として植物の成長が阻害される。
【0009】
さらに、同じ土壌で生分解性樹脂製の副資材を使用し続けた場合、生分解中の残渣が蓄積し、植物の生育に最適な条件を得ることが困難となる場合がある。
【0010】
【発明の開示】
本発明は、育苗ポット等の農業用副資材として使用した場合、生分解性効果とともに施肥効果も期待できる生分解性プラスチック材料を提供することを目的(課題)とする。
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意開発に努力をする過程で、生分解性樹脂コンパウンドに同様な生分解性肥料(生分解することにより無機化して肥料成分となるポリマー)をドライブレンドしてドライブレンド物とすればよいことを見出して、下記構成の生分解性プラスチック材料(生分解性樹脂成形材料)に想到した。
【0012】
生分解性樹脂コンパウンドに生分解性肥料がドライブレンドにより配合されてなることを特徴とする。
【0013】
上記構成により、熱に弱い生分解性肥料を熱分解させずにプラスチック成形材料とでき、また、本発明の生分解性プラスチック材料は、土中の微生物により生分解を受けると同時に、混合された生分解性肥料により周辺の植物に対して窒素等の栄養素を放出し、植物を良好に育成(栽培)できる。
【0014】
上記構成において生分解性樹脂コンパウンドとして、未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分解性樹脂とを必須成分とする混合物を加熱・溶融して得られる生分解性樹脂組成物であって、混合物の加熱・溶融を、ベント穴及び機械的剪断力を付与可能なフライト(ねじ山)を有する剪断押出機を使用して行うことにより、混合物から発生する水蒸気を除去しつつ、混合物に機械的剪断力を加えて、前記未加工澱粉の分子間水素結合を分断して、均一化させたものとすることが望ましい。
【0015】
生分解性が良好で、また、生分解性樹脂自体の生分解速度の微調整が容易となる。
【0016】
また、上記生分解性コンパウンドにおける生分解性樹脂を、脂肪族ポリエステル系の合成高分子とすることが望ましい。脂肪族ポリエステル系は、生分解性に優れているので残渣として蓄積し難いためである。
【0017】
更に、上記各構成において、上記生分解性肥料を、尿素−ホルムアルデヒドの縮合反応終了時に、バインダーを添加し造粒してなる熱水不溶性窒素70%以上の尿素−ホルムアルデヒド縮合物系超緩効性粒状窒素肥料とすることが望ましい。生分解性樹脂とドライブレンドして生分解性プラスチック材料としたとき、成形性が良好であるためである。
【0018】
上記構成の生分解性プラスチック材料の調製方法は、通常、生分解性コンパウンドを調製した後、生分解性肥料をドライブレンドする。生分解性コンパウンドを調製するときに、生分解性肥料も同時に配合すると、相対的に熱に弱い生分解性肥料が熱分解して無機化してしまい、生分解性肥料の本来持つ、生分解性が消失して超緩効性を発揮できなくなるためである。
【0019】
上記各構成の生分解性プラスチック材料は、使用後における回収が困難な農林水産関連の各種副資材に適用することが、効果が顕著となる。上記副資材を用いて、植物を栽培し、副資材とともに土壌に埋設することにより、生分解中に肥料成分(植物栄養素)を植物の根元に供給でき、植物の成長が阻害されない。
【0020】
そして、例えば、成形する場合は、生分解性肥料の熱分解温度以下の成形温度で成形する必要がある。
【0021】
【構成の詳細な説明】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明を行う。なお、本明細書中において、配合比率を表す「%」は、特に断らない限り、「質量%」を示すものである。また、水分は湿量基準含水率:w[kg/ kg(wet stock)] を意味する。
【0022】
本発明の生分解性プラスチック材料は、生分解性樹脂コンパウンドに生分解性肥料がドライブレンドにより配合されてなることを特徴とするものである。
【0023】
ここで、コンパウンドとは、「合成樹脂あるいはゴムに、必要に応じて可塑剤、硬化剤、充填剤、着色剤、安定剤、強化剤など各種配合剤を加えて混合し、そのままの状態で成形加工することができるようにした材料」(「図解 プラスチック用語辞典 第2版」 日刊工業新聞社(1994) p.297 )のことであって、粉末状、粒状、ペレット状、ペースト状、顆粒状、小球状等、形状はいずれでもよい。
【0024】
そして、本発明の生分解性樹脂コンパウンドのベースポリマーとする生分解性樹脂(ポリマーアロイを含む)としては、熱可塑性を有するものであれば、現在市販されているあらゆる生分解性樹脂を好適に使用することができる。
【0025】
例えば、酢酸セルロース、(キトサン/セルロース/澱粉)重合系、(澱粉/化学合成グリーンプラ(R))重合系、(脂肪族ポリエステル/芳香族ポリエステル)重合系(copolymer of aliphatic and aromatic polyester)等の天然高分子由来のものや、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)、ポリビニルアルコール、ポリ(グリコール/ジカルボン酸)(Glycols and dicarboxylic acid) 等の脂肪族ポリエステル系の合成高分子、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバリデート)等の微生物産生系高分子等の中から単独又は2種以上混合した生分解性樹脂アロイ(生分解性ポリマーアロイ)を挙げることができる。
【0026】
特に、生分解性コンパウンドとしては、本願出願人が先に特願2002−007805において提案した、下記構成の生分解性樹脂樹脂組成物(コンパウンド)が望ましい。未加工澱粉を、生分解性ポリマーアロイの一部として含んでいるため生分解性が良好で、かつ、未加工澱粉の生分解性樹脂に対する比率を調節することにより生分解速度の調節も可能となり、さらには、生分解性肥料との相溶性も良好である。
【0027】
「未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分解性樹脂とを必須成分とする混合物を加熱・溶融して得られる生分解性樹脂組成物であって、
混合物の加熱・溶融を、ベント穴及び機械的剪断力を付与可能なフライト(ねじ山)を有する剪断押出機を使用して行うことにより、混合物から発生する水蒸気を除去しつつ、混合物に機械的剪断力を加えて、前記未加工澱粉の分子間水素結合を分断して、均一化させたことを特徴とする。」
当該生分解性樹脂組成物(生分解性コンパウンド)について、より詳細に説明をする。
【0028】
当該生分解性コンパウンドは、未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分解性樹脂とを必須成分とする混合物を加熱・溶融して得られる生分解性樹脂組成物であることを基本的特徴とする。
【0029】
未加工澱粉とは、植物中に存在する天然澱粉そのものであって、変性処理が施されていない澱粉のことをいう。
【0030】
なお、変性には、▲1▼主原料に他の単量体を加え共重合や共縮合したり、ある高分子化合物に他の高分子化合物を結合(ブロック共重合、グラフト共重合)したり混合する変性(modification) :いわゆる化学的変性と、▲2▼イオン結合、水素結合、疎水結合等の分子内非共有性結合により保持している固有の立体構造を、加熱などの物理的処理や、pHの変化などの化学的処理によって切断する、化学組成変化をほとんど伴わない変性(denaturation) :いわゆる物理的変性とがある(「図解 プラスチック用語辞典 第2版」 日刊工業新聞社(1994) p.741 参照)。
【0031】
未加工澱粉としては、天然又は植物起源の、本質的にアミロース及び/又はアミロペクチンからなる澱粉全てが好適に使用可能である。具体的には、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、コメ澱粉、タピオカ澱粉、穀類(ライムギ、カラスムギ、小麦等)由来の澱粉等を例示することができ、これらの中から単独又は2種以上を選択して使用することができる。特にトウモロコシ澱粉(コーンスターチ)が入手し易く望ましい。
【0032】
また、未加工澱粉は、含水率の制限なく使用することができ、乾燥澱粉(平衡水分(RH:81%のときの)として約13.5%以下の水分を含有するもの)から、湿潤状態の澱粉まで使用可能である。乾燥状態の未加工澱粉を使用すれば、後述の如く、加熱時における蒸気の発生を少なくすることができる。一方、含水率が高い未加工澱粉を使用すれば、生分解性樹脂組成物の透明性が良好となる。よって、含水率は、目的物に応じて適宜設定可能である。なお、含水率の上限は特に規定しないが、約60%前後で効果(透明性に関して)が飽和する。
【0033】
なお、トウモロコシ澱粉を原料とした精製後の未加工乾燥澱粉の平衡水分は、RH:約81%の際、約12〜13%である。
【0034】
一方、生分解性樹脂としては、前述のものを使用可能である。澱粉との相溶性が高い樹脂を使用すれば、均一に相溶した生分解性樹脂組成物が得られ、また、澱粉との相溶性が低い樹脂であっても、均一に分散した生分解性樹脂アロイを得ることが可能である。
【0035】
さらに、上記混合物には必然的ではないが、その他の添加剤を添加することができる。例えば、混合物の溶融温度以上の沸点を有する可塑剤を添加して可塑性を改善することができる。なお、澱粉の溶融温度は、トウモロコシ澱粉で、約120℃以上である。
【0036】
上記可塑剤としては、多価アルコールを使用することができる。具体的には、グリセリン(bp. 290℃) 、エチレングリコール(bp. 197.7℃) 、プロピレングリコール(bp. 188.2℃) 、トリメチレングリコール(bp. 214.2℃) 、テトラメチレングリコール(bp. 235℃) 、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エリトリット(bp. 329〜 331℃)、アラビット、ソルビットから単独又は二種以上選択して使用することができる(「化学便覧 基礎編I」日本化学会編(S.41・9・25)丸善 参照)。
【0037】
さらに、上記混合物には、滑剤を添加して溶融速度、溶融粘度、安定性等を改善することができる。
【0038】
滑剤としては、脂肪酸アミド系、脂肪酸系、アルコール系、脂肪酸エステル系、炭化水素系、金属石けん系等があるが、使用する樹脂との兼ね合いで脂肪酸アミド系を好適に使用することができる。
【0039】
脂肪酸アミド系滑剤としては、ステアリン酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ベニン酸アミド、メチレン−ビス−ステアラアミド、エチレン−ビス−ステアラアミド、エチレン−ビス−ヒドロキシ−ステアラアミド、ヒドロキシステアラアミド、メチロールアミド、エルカ酸アミド、レシチン−モノ−リン酸アルキル、レシチン−ジ−リン酸アルキル等があるが、特にステアリン酸アミドが好適に使用できる。
【0040】
上記混合物にはさらに、滑剤以外の添加剤として、カーボンブラック等の紫外線安定剤、難燃剤、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等の架橋剤、抗菌剤、除草剤、酸化防止剤、肥料、乳白剤、安定剤等を含有することもできる。
【0041】
そして、上記混合物(コンパウンド)の質量組成比は、例えば、未加工澱粉(乾燥澱粉基準):約30〜70%、望ましくは約40〜60%、さらに望ましくは約50%前後、生分解性樹脂:約30〜70%、望ましくは約40〜60%、さらに望ましくは約50%前後、可塑剤:約0〜20%、滑剤:約0〜1%とすると、澱粉及び生分解性樹脂の双方の特徴を生かした生分解性樹脂組成物を得ることができる。
【0042】
ここで生分解性樹脂としては、前述のものが使用可能であるが、特に、脂肪族ポリエステル系の合成高分子が、汎用性および未加工澱粉との相溶性(混和性)に優れて望ましい。
【0043】
上記の質量組成比以外にも、種々の設計変更が可能である。すなわち、未加工澱粉と生分解性樹脂との混合比は任意であって、未加工澱粉ベースであっても、生分解性樹脂ベースであってもよい。当然、未加工澱粉の相対量が多くなれば、未加工澱粉の特性が強まり、逆に生分解性樹脂の相対量が多くなれば、生分解性樹脂の特性が強く現れる。
【0044】
可塑剤の混合比が多すぎると、相対的に生分解性樹脂や未加工澱粉の量が減るため、望ましくない。また、滑剤の混合比が多すぎても、それ以上の効果が期待できず効果が飽和してしまう。可塑剤及び滑剤は、上述の如く必須成分ではない。
【0045】
上記混合物は、均一に混合されていることが望ましい。後工程での加熱・溶融の際、より均一な生分解性樹脂組成物を得るためである。なお、混合は手作業等で行ってもよいが、後述の如く、通常の混合に使用されるヘンシェルミキサー、フラッシュミキサ等を使用することができる。
【0046】
そして上記混合物の加熱・溶融を、ベント穴及び機械的剪断力を付与可能なフライト(ねじ山)を有する剪断押出機を使用して行うことにより、混合物から発生する水蒸気を除去しつつ、混合物に機械的剪断力を加えて、前記未加工澱粉の分子間水素結合を分断して、均一化させることが本発明の最大の特徴である。
【0047】
水蒸気を除去するのは、剪断押出機を使用して上記混合物を加熱・攪拌する場合、剪断押出機の押出圧力に抗する水蒸気圧が加わるのを防止するため、及び水蒸気により、生分解性樹脂組成物内に気泡が混入するのを防止するためである。
【0048】
上記でも述べた如く、加熱時においては、平衡水分のみを含んだ乾燥状態の澱粉であっても、澱粉中に含有されている水分の蒸発が起こる。そのため、乾燥澱粉を使用する場合であっても水蒸気の除去は必要である。
【0049】
水蒸気の除去は、剪断押出機の途中などにベント穴を設けて大気開放とするか、若しくは、発生する水蒸気の量が多い場合は必要により吸引(真空吸引等)により排除すればよい。
【0050】
このように、水蒸気を加熱・溶融時に除去する構成としたため、最初から含水率の少ない澱粉を使用する必然性がない。そのため、生分解性樹脂組成物に透明性を付与するために、別途水分を添加しても押出成形性を低下させることはない。よって、澱粉の前処理や、変性剤の添加を省略することができ、工程が簡略化する。
【0051】
また、上記混合物の加熱・溶融時に機械的剪断力を与えるのは、上記未加工澱粉分子間の水素結合を少なくとも部分的に分断するためである。機械的剪断力により水素結合を破壊すれば、澱粉粒を微粉化すると同時に、生分解性樹脂と澱粉とを均一に相溶又は分散させることができる。
【0052】
機械的剪断力のない条件下では、加熱したにもかかわらず、澱粉分子の水素結合が強いため、未破壊の澱粉粒が原料に残留することとなり、均一に分散又は相溶させることができない。
【0053】
加熱・溶融後の上記混合物は、高粘性であるが、機械的剪断力の働きで効率的に分散・相溶が行われる。すなわち、低粘性や低融点の変性澱粉を使用したり、変性剤を添加しなくても均一に分散・相溶した生分解性樹脂組成物を得ることができる。
【0054】
上記機械的剪断力は、剪断押出機において、ダルメージタイプ、その他ずれ変形を付与可能なフライト(ねじ山)を有する剪断押出機を使用して付与することができる。なお、フライトとは、スクリュー溝を加工した後に残された螺旋型の山の外面部分のことをいう。
【0055】
本発明の生分解性樹脂組成物の製造に使用可能な剪断押出機のモデル図を図1に示す。図1の剪断押出機12は、図示しない加熱手段を備えてなる単軸型の剪断押出機である。シリンダー14内部にスクリュー16を備えてなり、シリンダー14には、第1ベント穴18a、第2ベント穴18bが設けられている。第1ベント穴18a、第2ベント穴18bは、それぞれ真空ポンプ等に接続可能とされており、原料から発生する水蒸気を効率的に剪断押出機外へ除去可能とされている。
【0056】
なお、具体的なスクリュー形状は、図4に示すようなものとなる。
【0057】
ベント穴の径は130mm押出機(シリンダー内径130mm)の場合、例えば40mm×90mmの角型ベント穴とすることができる。また、ベント穴の個数は最大3個設ければよい。
【0058】
スクリュー16には、フライト20、溝部22が形成されている。剪断押出機の投入口側の原料投入口24から投入された原料は、スクリュー16の溝部22を黒矢印方向に移動して剪断押出機12から排出され、排出口側に備えられた造粒機26等により造粒される。
【0059】
上記原料は、第1ベント穴18aから第2ベント穴18bの区間では半溶融状態で存在しており、この区間が剪断・混練に効果的である。
【0060】
フライト20の排出口側は、溶融状態の原料が後退し、脈動するように透き間が設けられた構成とする。原料が後退しつつ、何度も剪断・混練を繰り返しながら原料を押し出すことができるため、混練性が向上し、より均一な混合が可能となるからである。
【0061】
図4に望ましい具体的態様の先端に造粒手段126を備えた剪断押出機112を示す。ここで、図1における対応部位については、2桁の図符号に頭に「1」を付して3桁図符号として、それらの説明の全部又は一部を省略する。
【0062】
スクリュー116は、第1ベント穴(水分吸入穴)118aの手前において第一剪断/圧縮混練区間が形成されている。この第一剪断/圧縮混練区間は、複数個(図例では3個)の谷部(溝部)122に渡り、ねじ山の両側部から所定角度(60〜180°戻し変位させて始まる複数個の混練隆起部(スクリューネジ山より低い。)123a、123bが形成されている。この混練隆起部123a、123bの存在により谷部間の断面積が小さくなり圧縮作用を受けると共に、混練隆起部123a、123b間の変位により、溶融原料には、谷部122の戻し作用が発生して溶融原料の部分的に前後移動(流動)が繰り返されて圧縮・剪断の流動現象が発生する。こうして原料は、半溶融であっても、この圧縮・剪断作用を受けながら、全体として本体スクリューにより前進移動をする。なお、この第一剪断/圧縮混練区間は、原料が半溶融状態にあり圧縮・剪断混練が最も効果的な区間である。また、混練隆起部123は谷部122の底面から逓増して形成されている。
【0063】
また、第二ベント穴(水分吸入穴)118bの手前において第二混練促進区間Bが形成されている。図例ではネジの始点移送を所定角度(60〜120°:図例では90°)ずつ戻し変位させることにより多条ネジ部(図例では4条)として形成されている。
【0064】
この変位させた多条ネジ部のねじ山(フライト)120b、120b・・・群の間で溶融原料には、部分的な前後移動(流動)を繰り返しながら圧縮・剪断の流動現象が発生する。溶融原料は、こうして圧縮・剪断の混練を受けながら、全体として本体スクリューにより前進移動をする。
【0065】
さらに、図例では押出しダイス125に面して、所定時間ごとにモータ127で回転駆動されるカッタ129が配されて造粒可能とされている。こうして造粒されたペレットは、ペレット出口131から回収コンテナ(図示せず。)に落下するようになっている。図例中133は、スクリーンメッシュである。
【0066】
本発明の生分解性樹脂組成物は例えば、図2に示す工程図に沿って製造される。すなわち、原料をヘンシェルミキサー等で混合し、その後上記記載の剪断押出機12を使用して混練・剪断し、ペレット成形等の造粒を行う。
【0067】
この際、上記剪断押出機12を含んだ、図3に示す製造プラントを使用することができる。
【0068】
図3における製造プラントは、未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分解性樹脂とを必須成分とする混合物を均一混合可能なヘンシェルミキサー28と、
混合物を混練・剪断するために使用する、上記記載のベント穴18及び機械的剪断力を付与可能なフライト(ねじ山)20を有する剪断押出機12と、
剪断押出機から押し出された生分解性樹脂組成物をペレット化する造粒機(ペレット成形機)26と、
ペレット成形機により成形されたペレットの大きさを選別するペレット選別機30と、を備えてなることを特徴とする。
【0069】
以下、図3に基づいて、原料(被加工物)の流れに沿って製造プラントの説明を行う。なお、本発明の生分解性樹脂の製造は、下記製造プラントのみに限定されるものではない。
【0070】
まず、生分解性樹脂、生澱粉等の粉体原料を、ブレンダー32により混合する。ブレンダー32は、上部に粉体投入口34、34を備えてなるものであって、架台38上の回転槽36をモータ等により高速回転させて粉体混合を行う。粉体混合に通常使用されるブレンダーを使用することができ、例えば、ドラムブレンダー、バケットブレンダー等を例示できる。混合された粉体は、粉体定量供給機40を経て、一定量ずつヘンシェルミキサー28の混合槽48内に供給される。
【0071】
一方、必須成分ではないが、グリセリンや水等の液体原料は、液体タンク42、42から、液体ポンプ43、43により汲み上げられ液体流量計44、44を経て一定量ずつヘンシェルミキサー28の混合槽48内に供給される。
【0072】
その他必要な添加剤は、添加剤投入コンベア46を利用して同じくヘンシェルミキサー28の混合槽48内に供給される。
【0073】
ヘンシェルミキサー28で、上記材料の混合を行う。ヘンシェルミキサーとは、プロペラミキサー式の高速混合機の一種であって、主として粉粒体、プラスチック原材料、着色剤及び添加剤などの均一混合、カラリング等に汎用されている(「図解 プラスチック用語辞典 第2版」 日刊工業新聞社(1994) p.741 参照)。本プラントにおいては、汎用のヘンシェルミキサーを好適に使用可能である。
【0074】
通常、上記混合槽48内に設けられたプロペラ(攪拌翼)が、駆動モータ50に接続されたVベルト52により回転し、均一混合を行う構造とされている。
【0075】
均一混合された混合物は、混合物排出口54から自重落下により排出され、フィーダー56を経て、予備加熱用押出機58に搬入される。フィーダー56としては、定量供給が可能なプロペラ式フィーダーを使用することが望ましい。
【0076】
予備加熱用押出機58内では、混合物が目的の溶融温度まで加熱され、次工程の上記で述べた剪断押出機12へと搬送される。予備加熱用押出機58としては、例えば、3軸型のスクリューを使用することができる。なお、図3においては、予備加熱用押出機58から剪断押出機12への供給を、供給装置60内の縦軸スクリューを使用して強制押込みにより行う。
【0077】
剪断押出機12内には、上述の特殊なフライト20を有するスクリュー16が備えられており、効率的に剪断・混練が行われる。剪断押出機12の構造は、すでに述べたため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0078】
剪断押出機12から排出された混練後の樹脂は、造粒機(ペレット成形機)26によりペレット化される。ペレット成形機26においても、通常樹脂成形に使用される汎用のペレット成形機を使用できる。図3においては、剪断押出機12の出口で樹脂を切断するホットカット方式のペレット成形機を使用しているが、その他、コールドカット方式、アンダーウオーターカット方式、シートカット方式、等のペレット成形機(ペレタイザ)を使用することもできる。
【0079】
成形されたペレットは、ペレット冷却槽62で冷却される。冷却は、水冷、空気冷等により容易に行うことができる。図3においては、水冷でペレットを冷却しているため、その後、ペレット乾燥機64でペレットを乾燥させた後、ペレット選別機30に搬送される。
【0080】
ペレット乾燥機64は、汎用の熱風送風手段等を備えたもので、ペレット及び熱風を供給して気流乾燥し、上部に設けられた捕集機66まで空気搬送されて回収される。回収されたペレットは、ペレット選別機30で大きさ毎に選別される。
【0081】
ペレット選別機30は、汎用品を使用することができる。具体的には、パンチングプレートやメッシュ等で形成された振動状態のスクリーン上をペレットが通過することにより大きさの選別を行う振動型選別機等を好適に使用することができる。
【0082】
選別されたペレットは、ブロア68等を使用して空気搬送によりペレット貯蔵用上部タンク70に搬送される。その後、ペレット排出口72から自動計量器76上に配された完成品ストックタンク74内にペレットが供給され、真空自動シーラ78等で包装され製品となり、完成品搬送コンベア79等で搬送される。
【0083】
上記の如く、本発明の生分解性樹脂製造プラントを使用することにより、生分解性樹脂製造において、完全自動化が実現可能となる。
【0084】
上記における生分解性樹脂組成物の製造条件としては、押出圧力:約60kg/cm2以上、押出温度約130〜160℃とする。押出温度が低過ぎると、澱粉や生分解性樹脂の溶融温度に到達せず、樹脂が溶融せずに残り、可塑化できない。また、押出温度が高すぎると、澱粉や生分解性樹脂の解重合がおこり、特性が失われる。
【0085】
上記加熱・溶融処理後は、未変性澱粉は熱変性(denaturation) されて、α化澱粉となる。なお、未加工澱粉は、冷水に対して水不溶性である。溶融状態で機械的剪断力を加えて微粉化した澱粉は水難溶性と、若干溶解性が良好となる。
【0086】
なお、これまでの記載では、未加工澱粉を使用することを前提として説明を行ったが、該記載は、変性澱粉の使用を積極的に排除するものではない。本発明は、あくまでも低融点・低粘度の変性澱粉や、低含水率の変性澱粉を使用しなくても、植物由来の未加工澱粉を直接使用できることを示すにすぎず、当然変性澱粉を未加工澱粉の一部代替として使用することも可能である。
【0087】
使用可能な変性澱粉としては、未加工澱粉の分解物である、デキストリン、酸処理澱粉、酸化澱粉、未加工澱粉の誘導体である架橋澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル、グラフト共重合体等が挙げられる。
【0088】
例えば、澱粉エステルの例として、アセチル化澱粉があるが、アセチル化処理された澱粉を使用することにより、澱粉の耐老化性・透明性を改善することができる。アセチル化は上記に記載した本発明の混合物に無水酢酸、酢酸、無水イタコン酸、酢酸ビニル、塩化アセチル、ケテン等のアセチル化剤を添加するだけでよい。アセチル化剤の添加量は、例えば混合物全体の約0.05〜1%とすればよい。
【0089】
ここでは、生分解性樹脂アロイの原料に澱粉をベースとする場合を主として例に採り説明をしたが、植物の生長を阻害させないために、澱粉をベースとすることを示したにすぎず、当然澱粉をベースとしない生分解性アロイも使用することも可能である。
【0090】
上記生分解性肥料としては、生分解することにより無機化して肥料成分となるポリマーであれば、無機成分は、窒素(N)、りん(P)、カリ(K)特に限定されず、現在市販されているもの、将来開発されるものを含む。
【0091】
具体的には、特開2001−206792公報で提案されている下記製造方法で得られる尿素−ホルムアルデヒド縮合系超緩効性粒状窒素肥料が好適に使用できる。
【0092】
「尿素、ホルムアルデヒドの縮合物の製造方法であって、尿素−ホルムアルデヒドの縮合反応終了時に、バインダーを添加し造粒してなる熱水不溶性窒素70%以上の尿素−ホルムアルデヒド縮合物系超緩効性粒状窒素肥料の製造法。」
より具体的には、「ミクレアDZ」(全窒素含量:25.0%)、「ハイミクレア」(全窒素含量:27.0%)等の商品名(登録商標)で「トモエ化学工業株式会社」から製造販売されているものを使用可能である。
【0093】
この生分解肥料の生分解性樹脂(アロイ)100質量部に対する配合量は2〜40重量部(望ましくは4〜20重量部)とする。生分解性肥料が過少では、植物育成のための施肥効果を得難く、逆に過多では、生分解性樹脂(アロイ)の成形性が失われる。
【0094】
そして、生分解性コンパウンドに対して生分解性肥料を、ヘンシェルミキサー等でドライブレンド(常温)して本発明の生分解性プラスチック材料を調製する。生分解性肥料を生分解性コンパウンドを調製(混練)するときに同時に配合すると、生分解性肥料は熱分解し易く、生分解コンパウンド調製時の混練時に生分解性肥料が熱分解して無機化してしまい、生分解性肥料の生分解性が消失して、超緩効性を維持できなくなる。
【0095】
また、このとき生分解性肥料は、特に、育苗用ポット等の薄物の成形材料とするときは、粒径の所定以下(例えば20μmアンダー)に分級したもの、又は、成形時の混和性の見地から所定粒径範囲(例えば50〜100μm)分級したものを使用することが望ましい。
【0096】
上記生分解性プラスチック材料を使用して、通常、水産農林用(特に農業用)副資材を成形する。成形方法は、射出、トランスファー、ブロー、ブロー射出成形、押出等特に限定されない。但し、成形温度は、生分解性肥料の熱分解温度以下の成形温度で成形する。ここで、前記「ミクレア」の場合、130℃以下の温度で成形を行う。
【0097】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて、より詳細に説明をする。
【0098】
まず、下記組成の生分解性コンパウンド(生分解性樹脂組成物)を、発明の詳細な説明で詳述した生分解性樹脂製造プラントにより、加熱温度:ダイス部分138℃、その他140℃、押出圧力:60kg/cm2、剪断用スクリュー直径:129.8mm、シリンダー内径:130mmの条件で押出成形し、ペレットを作成した。剪断押出機の剪断開始部分と、終了部分には、ベント穴を設けて水蒸気の除去が可能な構成とした。なお、水蒸気の除去は真空ポンプを使用して行った。
【0099】
生分解性樹脂組成物(コンパウンド)
・トウモロコシ澱粉(未加工澱粉:アメリカ産黄色デント種(馬歯種)):約44%
・脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂(MFR:1.4g/10min (190℃、2.16kg荷重):約44%
・グリセリン(可塑剤:純度98.5%以上):約12%
上記ペレット原料100部に対して、カーボンブラック1.5部、及び、粒径20μmアンダーとした「ミクレアDZ」(生分解性肥料)5.0部(生分解性樹脂100部に対して約11.4部)をヘンシェルミキサー(容量:150L)でドライブレンド(条件:690rpm×2min)して生分解性プラスチック材料とした。
【0100】
当該生分解性プラスチック材料を、35mm双頭式ブロー成形機を用いて、シリンダー温度:130℃、ダイ温度:80℃の条件で、ブロー成形をして図5の寸法断面図に示すような仕様の育苗ポット(実施例)を得た。同条件で生分解性肥料未配合のコンパウンド(成形材料)についても、同様にしてブロー成形をして育苗ポット(比較例)を得た。
【0101】
本実施例の育苗ポットは、その表面に金型の冷却効率の低下による光沢がみられたが、比較例の育苗ポットと同様の製品が得られた。なお、実施例と比較例との重量は同じであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生分解性樹脂組成物の製造に使用可能な剪断押出機のモデル図である。
【図2】本発明の生分解性樹脂組成物の製造工程図である。
【図3】図1の剪断押出機を含んだ本発明の生分解性樹脂製造プラントである。
【図4】本発明の生分解樹脂組成物の製造に使用する剪断押出機の一例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の生分解性プラスチック材料を使用して成形した農林水産用副資材である育苗用ポットの寸法断面図である。
【符号の説明】
12…剪断押出機
14…シリンダー
16、…スクリュー
18a、18b…ベント穴
20…フライト(ねじ山)
22…溝部
26…造粒機
28…ヘンシェルミキサー
30…ペレット選別機
62…ペレット冷却槽
64…ペレット乾燥機
Claims (8)
- 生分解性樹脂に生分解性肥料が配合されてなることを特徴とする生分解性プラスチック材料。
- 生分解性樹脂又は生分解性コンパウンドに生分解性肥料がドライブレンドにより配合されてなることを特徴とする請求項1記載の生分解性プラスチック材料。
- 生分解性樹脂コンパウンドが、未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分解性樹脂とを必須成分とする混合物を加熱・溶融して得られる生分解性樹脂組成物であって、混合物の加熱・溶融を、ベント穴及び機械的剪断力を付与可能なフライト(ねじ山)を有する剪断押出機を使用して行うことにより、混合物から発生する水蒸気を除去しつつ、混合物に機械的剪断力を加えて、前記未加工澱粉の分子間水素結合を分断して、均一化させたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の生分解性プラスチック材料。
- 前記生分解性樹脂が脂肪族ポリエステル系の合成高分子であることを特徴とする請求項3記載の生分解性プラスチック材料。
- 前記生分解性肥料が尿素−ホルムアルデヒドの縮合反応終了時に、バインダーを添加し造粒してなる熱水不溶性窒素70%以上の尿素−ホルムアルデヒド縮合物系超緩効性粒状窒素肥料であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の生分解性プラスチック材料。
- 請求項5記載の生分解性プラスチック材料を調製する方法であって、前記生分解性コンパウンドを調製した後、前記生分解性肥料をドライブレンドすることを特徴とする生分解性プラスチック材料の調製方法。
- 請求項5記載の生分解性プラスチックから成形されてなることを特徴とする水産農林用副資材。
- 請求項7の農林水産用副資材を生分解性肥料の熱分解温度以下の成形温度で成形することを特徴とする水産農林用副資材の製造法。
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2002
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