JP2004168856A - 充填発泡用組成物、充填発泡部材および充填用発泡体 - Google Patents
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Abstract
【課題】発泡時において適正粘度に調整することができ、適正な発泡倍率で発泡させることができ、さらに、発泡後には、部材に対する十分な補強効果を得ることのできる、充填発泡用組成物、充填発泡部材および充填用発泡体を提供すること。
【解決手段】数平均分子量500〜20000のエポキシ化ジエンゴム10〜60重量%を含むジエン系ゴム、架橋剤、硬化剤、発泡剤および充填材を混練して充填発泡用組成物1を調製し、その充填発泡用組成物1に取付部材3を装着して充填発泡部材Pを作製し、それをピラー2の内部空間に設置して、体積発泡倍率が2.0倍以上となるように、発泡、架橋および硬化させることにより、充填用発泡体6を形成し、ピラー2の内部空間を充填する。
【選択図】 図1
【解決手段】数平均分子量500〜20000のエポキシ化ジエンゴム10〜60重量%を含むジエン系ゴム、架橋剤、硬化剤、発泡剤および充填材を混練して充填発泡用組成物1を調製し、その充填発泡用組成物1に取付部材3を装着して充填発泡部材Pを作製し、それをピラー2の内部空間に設置して、体積発泡倍率が2.0倍以上となるように、発泡、架橋および硬化させることにより、充填用発泡体6を形成し、ピラー2の内部空間を充填する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充填発泡用組成物、充填発泡部材および充填用発泡体、詳しくは、各種の産業製品において、各部材の間や中空部材の内部空間などを充填するために用いられる、充填用発泡体、および、その充填用発泡体を形成するための充填発泡用組成物および充填発泡部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車、電気製品、住宅製品などの各種産業製品においては、各部材の間や中空部材の内部空間を発泡体で充填することにより、部材の補強を図るとともに、防振効果および防音効果を付与するようにしている。
【0003】
例えば、自動車のピラーなどの閉断面として形成される中空部材では、硬質ウレタン系発泡体やエポキシ樹脂系発泡体などの発泡体によって、その内部空間を充填することが、よく知られている。
【0004】
また、例えば、特許文献1には、ジエン系合成ゴム成分100重量部に対し、無機系充填材50〜200重量部、熱分解型発泡剤1〜50重量部および有機過酸化物2〜10重量部を配合した車体補強用架橋発泡体が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−95869号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、硬質ウレタン系発泡体によって、中空部材の内部空間を充填する場合には、発泡前の液状ウレタン樹脂を、中空部材の内部空間に注入する時に、中空部材の合わせ目(接合部)や小穴(取付用穴)などから、注入された液状ウレタン樹脂が漏れてしまうなどの不具合がある。
【0006】
また、エポキシ樹脂系発泡体には、主としてビスフェノールA型エポキシ樹脂が用いられるが、ビスフェノールAは、近年、環境ホルモンの1種とされ、安全性の観点より、その使用が抑制されつつある。
【0007】
また、特開平10−95869号公報に記載される車体補強用架橋発泡体では、ジエン系合成ゴム成分を、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン50〜98重量%、1,4−ブタジエンゴム1〜10重量%、液状ポリブタジエン1〜40重量%の組成として、高硬度であるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンによって発泡後の強度を付与しつつ、液状ポリブタジエン1〜40重量%によって発泡に必要な適正粘度に調整するようにしている。しかし、液状ポリブタジエンを配合すると、発泡後の強度が低下して、部材の補強効果が得られないという不具合がある。
【0008】
一方、ジエン系合成ゴム成分とともに、オイルなどの軟化剤を用いて、発泡に必要な適正粘度に調整することもできるが、やはり、発泡後の強度が低下して、部材の補強効果が得られないという不具合がある。
【0009】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、発泡時において適正粘度に調整することができ、適正な発泡倍率で発泡させることができ、さらに、発泡後には、部材に対する十分な補強効果を得ることのできる、充填発泡用組成物、充填発泡部材および充填用発泡体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の充填発泡用組成物は、少なくとも、数平均分子量500〜20000のエポキシ化ジエンゴム10〜60重量%を含むジエン系ゴム、架橋剤、硬化剤および発泡剤を含有することを特徴としている。
【0011】
また、本発明の充填発泡用組成物は、さらに、前記ジエン系ゴム100重量部に対して、充填材50〜300重量部を含有することが好ましい。
【0012】
また、本発明の充填発泡用組成物は、体積発泡倍率が2.0倍以上であることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、上記した充填発泡用組成物と、前記発泡用組成物に装着され、中空部材の内部空間に取り付け可能な取付部材とを備える充填発泡部材を含んでいる。
【0014】
さらに、本発明は、上記した充填発泡用組成物を発泡させることによって得られる充填用発泡体を含んでいる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の充填発泡用組成物は、数平均分子量500〜20000のエポキシ化ジエンゴム10〜60重量%を含むジエン系ゴム、架橋剤、硬化剤および発泡剤を含有している。
【0016】
本発明において、ジエン系ゴムは、ジエンゴムおよびエポキシ化ジエンゴムを含んでいる。
【0017】
ジエンゴムとしては、特に制限されないが、例えば、ブタジエンゴム(1,4−ポリブタジエンゴム、以下同じ)、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴムなどのブタジエン系ゴムや、例えば、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、天然ゴムなどが挙げられる。これらジエンゴムは、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。ジエンゴムとしては、液状ゴムでないものが好ましく、好ましくは、ブタジエン系ゴム、さらに好ましくは、高硬度であるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンゴムが用いられる。
【0018】
また、ジエンゴムの数平均分子量は、例えば、5万〜100万、さらには、10万〜50万であることをが好ましい。
【0019】
エポキシ化ジエンゴムとしては、例えば、上記したジエンゴムがエポキシ化され、分子鎖末端や分子鎖中にエポキシ基が導入されているゴムであって、そのエポキシ当量が、例えば、150〜200、さらには、180〜220のものが好ましく用いられる。なお、ジエンゴムの分子鎖末端や分子鎖中にエポキシ基を導入するには、公知の方法が用いられ、例えば、不活性溶媒中で、ジエンゴムを、過酸類やハイドロパ−オキサイド類などのエポキシ化剤と反応させればよい。
【0020】
また、エポキシ化ジエンゴムの数平均分子量は、500〜20000、好ましくは、800〜8000である。エポキシ化ジエンゴムの数平均分子量が、これより低いと発泡後の強度が低下し、また、これより高いと発泡時の粘度が高く、発泡倍率が低下する。
【0021】
また、このようなエポキシ化ジエンゴムは、液状ゴムであることが好ましく、例えば、エポキシ化液状ブタジエンゴム、エポキシ化液状スチレン−ブタジエンゴム、エポキシ化液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エポキシ化液状スチレン−イソプレン−ブタジエンゴムなどのエポキシ化液状ブタジエン系ゴムや、例えば、エポキシ化液状クロロプレンゴム、エポキシ化液状ニトリルゴム、エポキシ化液状ブチルゴム、エポキシ化液状イソプレンゴム、エポキシ化液状天然ゴムなどが挙げられる。これらエポキシ化液状ジエンゴムは、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。エポキシ化液状ジエンゴムとしては、好ましくは、エポキシ化液状ブタジエン系ゴム、さらに好ましくは、エポキシ化液状ブタジエンゴムが用いられる。
【0022】
そして、本発明において、ジエン系ゴムには、上記したエポキシ化ジエンゴムが、10〜60重量%、好ましくは、20〜50重量%(すなわち、ジエンゴムが、90〜40重量%、好ましくは、80〜50重量%)含有されている。ジエン系ゴム中において、エポキシ化ジエンゴムが10重量%未満であると、混練物の粘度が高くなり過ぎて、体積発泡倍率が低くなり、そのため、例えば、中空部材に対して充填発泡用組成物を設置する時の作業性が低下したり、あるいは、中空部材が複雑な形状である場合には、発泡時に充填しきれない部分を生ずる。また、エポキシ化ジエンゴムが60重量%を超えると、混練物の粘度が低くなり過ぎて、却って体積発泡倍率が低くなる。そのため、エポキシ化ジエンゴムが10〜60重量%の範囲において、適正な体積発泡倍率を得ることができ、作業性の向上および良好な充填を確保することができる。
【0023】
本発明において、架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、加熱により分解され、遊離ラジカルを発生してジエン系ゴムを架橋させることのできる公知のラジカル発生剤であって、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジターシャリブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキシン、1, 3−ビス(タ−シャリ−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン、ターシャリブチルパーオキシケトン、ターシャリブチルパーオキシベンゾエートなどの有機過酸化物が挙げられる。
【0024】
また、架橋剤として、その他に、例えば、硫黄、硫黄化合物類、セレン、酸化マグネシウム、一酸化鉛、酸化亜鉛、p−キノンジオキシムおよびp,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムなどのオキシム類、p−ジニトロソベンジンなどのニトロソ化合物類、アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン−ホルムアルデヒド縮合物などの樹脂類、安息香酸アンモニウムなどのアンモニウム塩類なども挙げられる。
【0025】
これら架橋剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。架橋剤としては、好ましくは、有機過酸化物が用いられる。また、架橋剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、ジエン系ゴム100重量部に対して、例えば、1〜100重量部、好ましくは、2〜10重量部である。
【0026】
本発明において、硬化剤としては、エポキシ化ジエンゴムのエポキシ基と硬化反応するものであれば、特に制限されないが、例えば、酸無水物、アミン類、フェノール類、アミド類、イミダゾール類などが挙げられる。
【0027】
酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸などの芳香族カルボン酸無水物、例えば、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族カルボン酸無水物、例えば、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物などの脂環式カルボン酸無水物などが挙げられる。
【0028】
アミン類としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、N−アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ〔5,5〕ウンデカンなどの脂肪族または脂環族アミン類、例えば、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族アミン類、例えば、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5などの3級アミン類およびその塩などが挙げられる。
【0029】
フェノール類としては、例えば、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック類、クレゾールノボラック類、トリスヒドロキシフェニルメタン類、アラルキルポリフェノール類、ジシクロペンタジエンポリフェノール類などが挙げられる。
【0030】
アミド類としては、例えば、ジシアンジアミド、アミン類とダイマー酸との縮合反応により得られるポリアミノアミドなどが挙げられる。
【0031】
イミダゾール類としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのアルキルイミダゾール類、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのフェニルイミダゾール類、例えば、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールなどのアラルキルイミダゾール類、例えば、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールなどのニトリル系イミダゾール類、例えば、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイトなどのトリメリット酸塩系イミダゾール類、例えば、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル―4’―メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンなどのトリアジン系イミダゾール類、例えば、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物などのイソシアヌル酸付加物系イミダゾール類、例えば、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのヒドロキシ系イミダゾール類、例えば、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリンなどのイミダゾリン類、その他に、例えば、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール・臭化水素酸塩などが挙げられる。
【0032】
また、硬化剤としては、その他に、例えば、アミンのBF3錯体化合物、脂肪族スルホニウム塩および芳香族スルホニウム塩などのブレンステッド酸塩類、アジピン酸ジヒドラジッドおよびフタル酸ジヒドラジッドなどの有機酸ヒドラジッド類、ポリメルカプタン類、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン化合物類なども挙げられる。
【0033】
これら硬化剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。硬化剤としては、好ましくは、トリアジン系イミダゾール類などのイミダゾール類が用いられる。また、硬化剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、エポキシ化ジエンゴム100重量部に対して、例えば、1〜100重量部、好ましくは、10〜80重量部である。
【0034】
本発明において、発泡剤としては、特に制限されないが、例えば、無機系発泡剤や有機系発泡剤が挙げられる。無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが挙げられる。また、有機系発泡剤としては、例えば、N−ニトロソ系化合物(N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドなど)、アゾ系化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミド、バリウムアゾジカルボキシレートなど)、フッ化アルカン(例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなど)、ヒドラジン系化合物(例えば、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)など)、セミカルバジド系化合物(例えば、p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)など)、トリアゾール系化合物(例えば、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなど)などが挙げられる。
【0035】
なお、発泡剤としては、加熱膨張性の物質がマイクロカプセル内に封入された熱膨張性微粒子などを用いてもよく、そのような熱膨張性微粒子としては、例えば、マイクロスフェア(商品名、松本油脂社製)などの市販品を用いてもよい。
【0036】
これら発泡剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。発泡剤としては、好ましくは、ヒドラジン系化合物などの有機系発泡剤が用いられる。また、発泡剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、例えば、1〜100重量部、好ましくは、5〜30重量部である。
【0037】
本発明の充填発泡用組成物は、さらに、充填材を含有することが好ましい。充填材を含有させることで、補強効果の向上を図ることができる。
【0038】
充填材としては、特に制限されないが、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ケイ酸およびその塩類、マイカ、クレー、タルク、雲母粉、ベントナイト、シリカ、ガラスビーズ、ガラスバルーン、シラスバルーン、アルミナ、アルミニウムシリケート、アルミニウム粉、カーボンブラック、アセチレンブラック、亜鉛華などが挙げられる。これら充填材は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。充填材としては、好ましくは、炭酸カルシウムが用いられる。
【0039】
また、充填材の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、例えば、50〜300重量部、好ましくは、100〜200重量部である。充填材の配合量が、これより少ないと、十分な補強効果を付与することができない場合があり、また、これより多いと、混練物の粘度が高くなり過ぎて、体積発泡倍率が低くなる場合がある。
【0040】
また、本発明の充填発泡用組成物には、得られる充填用発泡体の物性に影響を与えない範囲において、例えば、発泡助剤、加硫促進剤、硬化促進剤、加工助剤や、さらには必要に応じて、例えば、安定剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、防カビ剤、難燃剤などの公知の添加剤を適宜含有させてもよい。
【0041】
発泡助剤としては、例えば、尿素系化合物、サリチル酸系化合物、安息香酸系化合物などが挙げられる。これら発泡助剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、例えば、2〜10重量部である。
【0042】
加硫促進剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸類、チアゾール類、グアニジン類、スルフェンアミド類、チウラム類、キサントゲン酸類、アルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、チオウレア類などが挙げられる。これら加硫促進剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、例えば、2〜10重量部である。
【0043】
硬化促進剤としては、例えば、3級アミン類、リン化合物類、4級アンモニウム塩類、有機金属塩類などが挙げられる。これら硬化促進剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合量は、エポキシ化ジエンゴム100重量部に対して、例えば、5〜40重量部である。
【0044】
加工助剤としては、例えば、ステアリン酸やそのエステル類などの滑剤などが挙げられる。これら加工助剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、例えば、1〜5重量部である。
【0045】
そして、本発明の充填発泡用組成物は、上記した各成分を、上記した配合量において配合し、特に限定されないが、例えば、ミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機などによって混練して、混練物として調製することができる。
【0046】
また、この調製においては、得られた混練物のフローテスター粘度(100℃、40Kg荷重)が、1×102〜1×105Pa・s、さらには、1×103〜1×104Pa・sとなるように調製することが好ましい。混練物の粘度を、このような範囲とすることによって、混練物を、適正な体積発泡倍率(後述)で発泡させることができる。
【0047】
さらに、この調製においては、得られた混練物を、所定形状に成形することにより予備成形物(プリフォーム)として調製することもできる。
【0048】
混練物の成形は、特に限定されないが、例えば、混練物を、ペレタイザーなどによってペレット化し、このペレットを、発泡剤が実質的に分解しない温度条件下で、射出成形機または押出成形機などによって所定形状に成形するか、あるいは、カレンダー成形やプレス成形によって、直接、所定形状に成形すればよい。
【0049】
そして、このようにして調製される本発明の充填発泡用組成物を、適宜の条件下で加熱して、発泡、架橋および硬化させることにより、本発明の充填用発泡体を形成することができる。
【0050】
このようにして得られる本発明の充填用発泡体は、その密度(発泡体の重量(g)/発泡体の体積(g/cm3))が、例えば、0.2〜0.6g/cm3、さらには、0.3〜0.5g/cm3であることが好ましく、また、発泡時の体積発泡倍率が、上記したように、2倍以上、さらには、2.2〜5.0倍であることが好ましい。体積発泡倍率が2倍以上でないと、例えば、中空部材の内部空間に対して充填発泡用組成物の体積を十分小さくすることができず、中空部材に対して充填発泡用組成物を設置する時の作業性が低下したり、あるいは、中空部材が複雑な形状である場合には、発泡時に充填しきれない部分を生ずる場合がある。
【0051】
そして、このようにして得られる本発明の充填用発泡体は、部材に対して十分な補強効果を付与することができるので、特に限定されることなく、制振、防音、防塵、断熱、緩衝、水密などを目的として、各種の部材の間や中空部材の内部空間に充填する、例えば、防振材、防音材、防塵材、断熱材、緩衝材、止水材などとして、各種の産業製品の充填材として、好適に用いることができる。
【0052】
なお、各種の部材の間や中空部材の内部空間に充填するには、特に限定されないが、例えば、隙間の充填を目的する部材の間や中空部材の内部空間に、充填発泡用組成物を設置して、その後、設置された充填発泡用組成物を加熱し、発泡、架橋および硬化させることにより充填用発泡体を形成し、その充填用発泡体によって、部材の間や中空部材の内部空間を充填すればよい。
【0053】
より具体的には、例えば、中空部材の内部空間を充填する場合には、まず、充填発泡用組成物に取付部材を装着して充填発泡部材を作製し、その充填発泡部材の取付部材を、中空部材の内部空間に取り付けた後、加熱により発泡させて、充填用発泡体を形成すれば、その充填用発泡体によって、中空部材の内部空間を充填することができる。
【0054】
そのような中空部材としては、自動車のピラーを例示することができ、本発明の充填発泡用組成物により、充填発泡部材を作製して、ピラーの内部空間に取り付けた後、発泡させれば、充填用発泡体により、ピラーの補強を十分に図りつつ、エンジンの振動や騒音、あるいは、風きり音などが車室内に伝達されることを有効に防止することができる。
【0055】
次に、本発明の充填発泡用組成物、充填発泡部材および充填用発泡体の実施態様の一例として、これらを用いて自動車のピラーの内部空間を充填する方法について説明する。
【0056】
この方法では、まず、図1(a)に示すように、所定形状に成形された充填発泡用組成物1をピラー2内に設置する。充填発泡用組成物1をピラー2内に設置するには、例えば、取付部材3を充填発泡用組成物1に取り付けて、充填発泡部材Pを作製し、その充填発泡部材Pの取付部材3をピラー2の内周面に取り付ければよい。取付部材3を充填発泡用組成物1に取り付けるには、例えば、取付部材3を、成形された充填発泡用組成物1に取り付ける他、充填発泡用組成物1の成形時に混練物とともにインサート成形してもよい。また、取付部材3をピラー2の内周面に取り付けるには、例えば、ピラー2の内周面に係止溝を形成して、取付部材3を差し込むことにより係止させるか、あるいは、取付部材3を吸盤または磁石などから構成して、吸着または磁力により固定するか、さらには、取付部材3を金属板から構成して、溶接により取り付ければよい。
【0057】
なお、このピラー2は、略断略凹状のインナパネル4およびアウタパネル5から構成されており、まず、充填発泡用組成物1をインナパネル4に設置した後に、これらインナパネル4およびアウタパネル5の両端部を対向当接させて、溶接により接合することによって、閉断面として形成される。なお、このようなピラー2は、より具体的には、車両ボディのフロントピラー、サイドピラーあるいはリヤピラーとして用いられる。
【0058】
その後、この方法では、図1(b)に示すように、防錆処理など適宜の処理をした後に、例えば、その後の焼付塗装時の乾燥ライン工程での加熱(例えば、110〜190℃)によって、充填発泡用組成物1を発泡、架橋および硬化させることにより充填用発泡体6を形成し、この充填用発泡体6によってピラー2の内部空間を隙間なく充填する。
【0059】
そして、このような方法において、本発明の充填発泡用組成物および充填発泡部材によって、本発明の充填用発泡体を形成すれば、充填発泡用組成物1を、適正粘度に調整することができるので、適正な体積発泡倍率(例えば、2倍以上)によって発泡させることができる。そのため、ピラー2の閉断面に対して充填発泡部材Pを小さく形成することができ、充填発泡部材Pの設置時における作業性を向上させることができる。また、発泡後には、充填用発泡体6が、ピラー2に対して十分な補強効果を付与することができる。
【0060】
なお、以上の説明においては、充填発泡用組成物1の形状、設置位置、配置方向および配置数などは、ピラー2の形状などに応じて適宜選択される。
【0061】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0062】
実施例および比較例の調製
各実施例および各比較例の充填発泡組成物を、表1に示す配合処方において、ジエン系ゴム、架橋剤、硬化剤、発泡剤、充填剤、発泡助剤、加工助剤の各成分をミキシングロールを用いて混練し、得られた混練物を、熱プレスにて厚さ3mmのシート状に成形することによって調製した。
【0063】
評価
得られた各実施例および各比較例の充填発泡組成物の体積発泡倍率および補強性を、次のように評価した。
【0064】
体積発泡倍率
各実施例および各比較例の充填発泡組成物を、50mm×50mmに切り出して、180℃×20分にて発泡させたときの体積発泡倍率を次式に従い求めた。
体積発泡倍率=発泡後の体積/発泡前の体積
補強性
各実施例および各比較例の充填発泡組成物を、180℃×20分にて発泡した後、30mm(幅)×140mm(長さ)に切り出して、スパン100mmで支持した状態において、その中央から加圧楔を垂直方向から5mm/分にて負荷させる3点曲げ試験によって、曲げ強度(N)を測定し、その曲げ強度を補強性として評価した。
【0065】
【表1】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の充填発泡用組成物および充填発泡部材によって、本発明の充填用発泡体を形成すれば、まず、充填発泡用組成物を、適正粘度に調整することができるので、適正な体積発泡倍率によって発泡させることができる。そのため、各部材の間や中空部材の内部空間に対して充填発泡部材を小さく成形して、充填発泡部材の設置時における作業性を向上させることができる。また、発泡後には、充填用発泡体が、各部材の間や中空部材の内部空間に対して十分な補強効果を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の充填発泡用組成物、充填発泡部材および充填用発泡体を用いて、自動車のピラーの内部空間を充填する方法の一実施形態の工程図であって、
(a)は、充填発泡用組成物に取付部材を装着して充填発泡部材を作製し、これをピラーに設置する工程、
(b)は、加熱により充填発泡用組成物を発泡、架橋および硬化させることにより、充填用発泡体によってピラーの内部空間を充填する工程を示す。
【符号の説明】
1 充填発泡用組成物
2 ピラー
P 充填発泡部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、充填発泡用組成物、充填発泡部材および充填用発泡体、詳しくは、各種の産業製品において、各部材の間や中空部材の内部空間などを充填するために用いられる、充填用発泡体、および、その充填用発泡体を形成するための充填発泡用組成物および充填発泡部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車、電気製品、住宅製品などの各種産業製品においては、各部材の間や中空部材の内部空間を発泡体で充填することにより、部材の補強を図るとともに、防振効果および防音効果を付与するようにしている。
【0003】
例えば、自動車のピラーなどの閉断面として形成される中空部材では、硬質ウレタン系発泡体やエポキシ樹脂系発泡体などの発泡体によって、その内部空間を充填することが、よく知られている。
【0004】
また、例えば、特許文献1には、ジエン系合成ゴム成分100重量部に対し、無機系充填材50〜200重量部、熱分解型発泡剤1〜50重量部および有機過酸化物2〜10重量部を配合した車体補強用架橋発泡体が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−95869号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、硬質ウレタン系発泡体によって、中空部材の内部空間を充填する場合には、発泡前の液状ウレタン樹脂を、中空部材の内部空間に注入する時に、中空部材の合わせ目(接合部)や小穴(取付用穴)などから、注入された液状ウレタン樹脂が漏れてしまうなどの不具合がある。
【0006】
また、エポキシ樹脂系発泡体には、主としてビスフェノールA型エポキシ樹脂が用いられるが、ビスフェノールAは、近年、環境ホルモンの1種とされ、安全性の観点より、その使用が抑制されつつある。
【0007】
また、特開平10−95869号公報に記載される車体補強用架橋発泡体では、ジエン系合成ゴム成分を、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン50〜98重量%、1,4−ブタジエンゴム1〜10重量%、液状ポリブタジエン1〜40重量%の組成として、高硬度であるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンによって発泡後の強度を付与しつつ、液状ポリブタジエン1〜40重量%によって発泡に必要な適正粘度に調整するようにしている。しかし、液状ポリブタジエンを配合すると、発泡後の強度が低下して、部材の補強効果が得られないという不具合がある。
【0008】
一方、ジエン系合成ゴム成分とともに、オイルなどの軟化剤を用いて、発泡に必要な適正粘度に調整することもできるが、やはり、発泡後の強度が低下して、部材の補強効果が得られないという不具合がある。
【0009】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、発泡時において適正粘度に調整することができ、適正な発泡倍率で発泡させることができ、さらに、発泡後には、部材に対する十分な補強効果を得ることのできる、充填発泡用組成物、充填発泡部材および充填用発泡体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の充填発泡用組成物は、少なくとも、数平均分子量500〜20000のエポキシ化ジエンゴム10〜60重量%を含むジエン系ゴム、架橋剤、硬化剤および発泡剤を含有することを特徴としている。
【0011】
また、本発明の充填発泡用組成物は、さらに、前記ジエン系ゴム100重量部に対して、充填材50〜300重量部を含有することが好ましい。
【0012】
また、本発明の充填発泡用組成物は、体積発泡倍率が2.0倍以上であることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、上記した充填発泡用組成物と、前記発泡用組成物に装着され、中空部材の内部空間に取り付け可能な取付部材とを備える充填発泡部材を含んでいる。
【0014】
さらに、本発明は、上記した充填発泡用組成物を発泡させることによって得られる充填用発泡体を含んでいる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の充填発泡用組成物は、数平均分子量500〜20000のエポキシ化ジエンゴム10〜60重量%を含むジエン系ゴム、架橋剤、硬化剤および発泡剤を含有している。
【0016】
本発明において、ジエン系ゴムは、ジエンゴムおよびエポキシ化ジエンゴムを含んでいる。
【0017】
ジエンゴムとしては、特に制限されないが、例えば、ブタジエンゴム(1,4−ポリブタジエンゴム、以下同じ)、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴムなどのブタジエン系ゴムや、例えば、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、天然ゴムなどが挙げられる。これらジエンゴムは、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。ジエンゴムとしては、液状ゴムでないものが好ましく、好ましくは、ブタジエン系ゴム、さらに好ましくは、高硬度であるシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンゴムが用いられる。
【0018】
また、ジエンゴムの数平均分子量は、例えば、5万〜100万、さらには、10万〜50万であることをが好ましい。
【0019】
エポキシ化ジエンゴムとしては、例えば、上記したジエンゴムがエポキシ化され、分子鎖末端や分子鎖中にエポキシ基が導入されているゴムであって、そのエポキシ当量が、例えば、150〜200、さらには、180〜220のものが好ましく用いられる。なお、ジエンゴムの分子鎖末端や分子鎖中にエポキシ基を導入するには、公知の方法が用いられ、例えば、不活性溶媒中で、ジエンゴムを、過酸類やハイドロパ−オキサイド類などのエポキシ化剤と反応させればよい。
【0020】
また、エポキシ化ジエンゴムの数平均分子量は、500〜20000、好ましくは、800〜8000である。エポキシ化ジエンゴムの数平均分子量が、これより低いと発泡後の強度が低下し、また、これより高いと発泡時の粘度が高く、発泡倍率が低下する。
【0021】
また、このようなエポキシ化ジエンゴムは、液状ゴムであることが好ましく、例えば、エポキシ化液状ブタジエンゴム、エポキシ化液状スチレン−ブタジエンゴム、エポキシ化液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エポキシ化液状スチレン−イソプレン−ブタジエンゴムなどのエポキシ化液状ブタジエン系ゴムや、例えば、エポキシ化液状クロロプレンゴム、エポキシ化液状ニトリルゴム、エポキシ化液状ブチルゴム、エポキシ化液状イソプレンゴム、エポキシ化液状天然ゴムなどが挙げられる。これらエポキシ化液状ジエンゴムは、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。エポキシ化液状ジエンゴムとしては、好ましくは、エポキシ化液状ブタジエン系ゴム、さらに好ましくは、エポキシ化液状ブタジエンゴムが用いられる。
【0022】
そして、本発明において、ジエン系ゴムには、上記したエポキシ化ジエンゴムが、10〜60重量%、好ましくは、20〜50重量%(すなわち、ジエンゴムが、90〜40重量%、好ましくは、80〜50重量%)含有されている。ジエン系ゴム中において、エポキシ化ジエンゴムが10重量%未満であると、混練物の粘度が高くなり過ぎて、体積発泡倍率が低くなり、そのため、例えば、中空部材に対して充填発泡用組成物を設置する時の作業性が低下したり、あるいは、中空部材が複雑な形状である場合には、発泡時に充填しきれない部分を生ずる。また、エポキシ化ジエンゴムが60重量%を超えると、混練物の粘度が低くなり過ぎて、却って体積発泡倍率が低くなる。そのため、エポキシ化ジエンゴムが10〜60重量%の範囲において、適正な体積発泡倍率を得ることができ、作業性の向上および良好な充填を確保することができる。
【0023】
本発明において、架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、加熱により分解され、遊離ラジカルを発生してジエン系ゴムを架橋させることのできる公知のラジカル発生剤であって、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジターシャリブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキシン、1, 3−ビス(タ−シャリ−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン、ターシャリブチルパーオキシケトン、ターシャリブチルパーオキシベンゾエートなどの有機過酸化物が挙げられる。
【0024】
また、架橋剤として、その他に、例えば、硫黄、硫黄化合物類、セレン、酸化マグネシウム、一酸化鉛、酸化亜鉛、p−キノンジオキシムおよびp,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムなどのオキシム類、p−ジニトロソベンジンなどのニトロソ化合物類、アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン−ホルムアルデヒド縮合物などの樹脂類、安息香酸アンモニウムなどのアンモニウム塩類なども挙げられる。
【0025】
これら架橋剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。架橋剤としては、好ましくは、有機過酸化物が用いられる。また、架橋剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、ジエン系ゴム100重量部に対して、例えば、1〜100重量部、好ましくは、2〜10重量部である。
【0026】
本発明において、硬化剤としては、エポキシ化ジエンゴムのエポキシ基と硬化反応するものであれば、特に制限されないが、例えば、酸無水物、アミン類、フェノール類、アミド類、イミダゾール類などが挙げられる。
【0027】
酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸などの芳香族カルボン酸無水物、例えば、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族カルボン酸無水物、例えば、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物などの脂環式カルボン酸無水物などが挙げられる。
【0028】
アミン類としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、N−アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ〔5,5〕ウンデカンなどの脂肪族または脂環族アミン類、例えば、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族アミン類、例えば、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5などの3級アミン類およびその塩などが挙げられる。
【0029】
フェノール類としては、例えば、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック類、クレゾールノボラック類、トリスヒドロキシフェニルメタン類、アラルキルポリフェノール類、ジシクロペンタジエンポリフェノール類などが挙げられる。
【0030】
アミド類としては、例えば、ジシアンジアミド、アミン類とダイマー酸との縮合反応により得られるポリアミノアミドなどが挙げられる。
【0031】
イミダゾール類としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのアルキルイミダゾール類、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのフェニルイミダゾール類、例えば、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールなどのアラルキルイミダゾール類、例えば、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールなどのニトリル系イミダゾール類、例えば、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイトなどのトリメリット酸塩系イミダゾール類、例えば、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル―4’―メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンなどのトリアジン系イミダゾール類、例えば、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物などのイソシアヌル酸付加物系イミダゾール類、例えば、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのヒドロキシ系イミダゾール類、例えば、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリンなどのイミダゾリン類、その他に、例えば、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール・臭化水素酸塩などが挙げられる。
【0032】
また、硬化剤としては、その他に、例えば、アミンのBF3錯体化合物、脂肪族スルホニウム塩および芳香族スルホニウム塩などのブレンステッド酸塩類、アジピン酸ジヒドラジッドおよびフタル酸ジヒドラジッドなどの有機酸ヒドラジッド類、ポリメルカプタン類、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン化合物類なども挙げられる。
【0033】
これら硬化剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。硬化剤としては、好ましくは、トリアジン系イミダゾール類などのイミダゾール類が用いられる。また、硬化剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、エポキシ化ジエンゴム100重量部に対して、例えば、1〜100重量部、好ましくは、10〜80重量部である。
【0034】
本発明において、発泡剤としては、特に制限されないが、例えば、無機系発泡剤や有機系発泡剤が挙げられる。無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが挙げられる。また、有機系発泡剤としては、例えば、N−ニトロソ系化合物(N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドなど)、アゾ系化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミド、バリウムアゾジカルボキシレートなど)、フッ化アルカン(例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなど)、ヒドラジン系化合物(例えば、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)など)、セミカルバジド系化合物(例えば、p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)など)、トリアゾール系化合物(例えば、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなど)などが挙げられる。
【0035】
なお、発泡剤としては、加熱膨張性の物質がマイクロカプセル内に封入された熱膨張性微粒子などを用いてもよく、そのような熱膨張性微粒子としては、例えば、マイクロスフェア(商品名、松本油脂社製)などの市販品を用いてもよい。
【0036】
これら発泡剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。発泡剤としては、好ましくは、ヒドラジン系化合物などの有機系発泡剤が用いられる。また、発泡剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、例えば、1〜100重量部、好ましくは、5〜30重量部である。
【0037】
本発明の充填発泡用組成物は、さらに、充填材を含有することが好ましい。充填材を含有させることで、補強効果の向上を図ることができる。
【0038】
充填材としては、特に制限されないが、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ケイ酸およびその塩類、マイカ、クレー、タルク、雲母粉、ベントナイト、シリカ、ガラスビーズ、ガラスバルーン、シラスバルーン、アルミナ、アルミニウムシリケート、アルミニウム粉、カーボンブラック、アセチレンブラック、亜鉛華などが挙げられる。これら充填材は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。充填材としては、好ましくは、炭酸カルシウムが用いられる。
【0039】
また、充填材の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、例えば、50〜300重量部、好ましくは、100〜200重量部である。充填材の配合量が、これより少ないと、十分な補強効果を付与することができない場合があり、また、これより多いと、混練物の粘度が高くなり過ぎて、体積発泡倍率が低くなる場合がある。
【0040】
また、本発明の充填発泡用組成物には、得られる充填用発泡体の物性に影響を与えない範囲において、例えば、発泡助剤、加硫促進剤、硬化促進剤、加工助剤や、さらには必要に応じて、例えば、安定剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、防カビ剤、難燃剤などの公知の添加剤を適宜含有させてもよい。
【0041】
発泡助剤としては、例えば、尿素系化合物、サリチル酸系化合物、安息香酸系化合物などが挙げられる。これら発泡助剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、例えば、2〜10重量部である。
【0042】
加硫促進剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸類、チアゾール類、グアニジン類、スルフェンアミド類、チウラム類、キサントゲン酸類、アルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、チオウレア類などが挙げられる。これら加硫促進剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、例えば、2〜10重量部である。
【0043】
硬化促進剤としては、例えば、3級アミン類、リン化合物類、4級アンモニウム塩類、有機金属塩類などが挙げられる。これら硬化促進剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合量は、エポキシ化ジエンゴム100重量部に対して、例えば、5〜40重量部である。
【0044】
加工助剤としては、例えば、ステアリン酸やそのエステル類などの滑剤などが挙げられる。これら加工助剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、例えば、1〜5重量部である。
【0045】
そして、本発明の充填発泡用組成物は、上記した各成分を、上記した配合量において配合し、特に限定されないが、例えば、ミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機などによって混練して、混練物として調製することができる。
【0046】
また、この調製においては、得られた混練物のフローテスター粘度(100℃、40Kg荷重)が、1×102〜1×105Pa・s、さらには、1×103〜1×104Pa・sとなるように調製することが好ましい。混練物の粘度を、このような範囲とすることによって、混練物を、適正な体積発泡倍率(後述)で発泡させることができる。
【0047】
さらに、この調製においては、得られた混練物を、所定形状に成形することにより予備成形物(プリフォーム)として調製することもできる。
【0048】
混練物の成形は、特に限定されないが、例えば、混練物を、ペレタイザーなどによってペレット化し、このペレットを、発泡剤が実質的に分解しない温度条件下で、射出成形機または押出成形機などによって所定形状に成形するか、あるいは、カレンダー成形やプレス成形によって、直接、所定形状に成形すればよい。
【0049】
そして、このようにして調製される本発明の充填発泡用組成物を、適宜の条件下で加熱して、発泡、架橋および硬化させることにより、本発明の充填用発泡体を形成することができる。
【0050】
このようにして得られる本発明の充填用発泡体は、その密度(発泡体の重量(g)/発泡体の体積(g/cm3))が、例えば、0.2〜0.6g/cm3、さらには、0.3〜0.5g/cm3であることが好ましく、また、発泡時の体積発泡倍率が、上記したように、2倍以上、さらには、2.2〜5.0倍であることが好ましい。体積発泡倍率が2倍以上でないと、例えば、中空部材の内部空間に対して充填発泡用組成物の体積を十分小さくすることができず、中空部材に対して充填発泡用組成物を設置する時の作業性が低下したり、あるいは、中空部材が複雑な形状である場合には、発泡時に充填しきれない部分を生ずる場合がある。
【0051】
そして、このようにして得られる本発明の充填用発泡体は、部材に対して十分な補強効果を付与することができるので、特に限定されることなく、制振、防音、防塵、断熱、緩衝、水密などを目的として、各種の部材の間や中空部材の内部空間に充填する、例えば、防振材、防音材、防塵材、断熱材、緩衝材、止水材などとして、各種の産業製品の充填材として、好適に用いることができる。
【0052】
なお、各種の部材の間や中空部材の内部空間に充填するには、特に限定されないが、例えば、隙間の充填を目的する部材の間や中空部材の内部空間に、充填発泡用組成物を設置して、その後、設置された充填発泡用組成物を加熱し、発泡、架橋および硬化させることにより充填用発泡体を形成し、その充填用発泡体によって、部材の間や中空部材の内部空間を充填すればよい。
【0053】
より具体的には、例えば、中空部材の内部空間を充填する場合には、まず、充填発泡用組成物に取付部材を装着して充填発泡部材を作製し、その充填発泡部材の取付部材を、中空部材の内部空間に取り付けた後、加熱により発泡させて、充填用発泡体を形成すれば、その充填用発泡体によって、中空部材の内部空間を充填することができる。
【0054】
そのような中空部材としては、自動車のピラーを例示することができ、本発明の充填発泡用組成物により、充填発泡部材を作製して、ピラーの内部空間に取り付けた後、発泡させれば、充填用発泡体により、ピラーの補強を十分に図りつつ、エンジンの振動や騒音、あるいは、風きり音などが車室内に伝達されることを有効に防止することができる。
【0055】
次に、本発明の充填発泡用組成物、充填発泡部材および充填用発泡体の実施態様の一例として、これらを用いて自動車のピラーの内部空間を充填する方法について説明する。
【0056】
この方法では、まず、図1(a)に示すように、所定形状に成形された充填発泡用組成物1をピラー2内に設置する。充填発泡用組成物1をピラー2内に設置するには、例えば、取付部材3を充填発泡用組成物1に取り付けて、充填発泡部材Pを作製し、その充填発泡部材Pの取付部材3をピラー2の内周面に取り付ければよい。取付部材3を充填発泡用組成物1に取り付けるには、例えば、取付部材3を、成形された充填発泡用組成物1に取り付ける他、充填発泡用組成物1の成形時に混練物とともにインサート成形してもよい。また、取付部材3をピラー2の内周面に取り付けるには、例えば、ピラー2の内周面に係止溝を形成して、取付部材3を差し込むことにより係止させるか、あるいは、取付部材3を吸盤または磁石などから構成して、吸着または磁力により固定するか、さらには、取付部材3を金属板から構成して、溶接により取り付ければよい。
【0057】
なお、このピラー2は、略断略凹状のインナパネル4およびアウタパネル5から構成されており、まず、充填発泡用組成物1をインナパネル4に設置した後に、これらインナパネル4およびアウタパネル5の両端部を対向当接させて、溶接により接合することによって、閉断面として形成される。なお、このようなピラー2は、より具体的には、車両ボディのフロントピラー、サイドピラーあるいはリヤピラーとして用いられる。
【0058】
その後、この方法では、図1(b)に示すように、防錆処理など適宜の処理をした後に、例えば、その後の焼付塗装時の乾燥ライン工程での加熱(例えば、110〜190℃)によって、充填発泡用組成物1を発泡、架橋および硬化させることにより充填用発泡体6を形成し、この充填用発泡体6によってピラー2の内部空間を隙間なく充填する。
【0059】
そして、このような方法において、本発明の充填発泡用組成物および充填発泡部材によって、本発明の充填用発泡体を形成すれば、充填発泡用組成物1を、適正粘度に調整することができるので、適正な体積発泡倍率(例えば、2倍以上)によって発泡させることができる。そのため、ピラー2の閉断面に対して充填発泡部材Pを小さく形成することができ、充填発泡部材Pの設置時における作業性を向上させることができる。また、発泡後には、充填用発泡体6が、ピラー2に対して十分な補強効果を付与することができる。
【0060】
なお、以上の説明においては、充填発泡用組成物1の形状、設置位置、配置方向および配置数などは、ピラー2の形状などに応じて適宜選択される。
【0061】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0062】
実施例および比較例の調製
各実施例および各比較例の充填発泡組成物を、表1に示す配合処方において、ジエン系ゴム、架橋剤、硬化剤、発泡剤、充填剤、発泡助剤、加工助剤の各成分をミキシングロールを用いて混練し、得られた混練物を、熱プレスにて厚さ3mmのシート状に成形することによって調製した。
【0063】
評価
得られた各実施例および各比較例の充填発泡組成物の体積発泡倍率および補強性を、次のように評価した。
【0064】
体積発泡倍率
各実施例および各比較例の充填発泡組成物を、50mm×50mmに切り出して、180℃×20分にて発泡させたときの体積発泡倍率を次式に従い求めた。
体積発泡倍率=発泡後の体積/発泡前の体積
補強性
各実施例および各比較例の充填発泡組成物を、180℃×20分にて発泡した後、30mm(幅)×140mm(長さ)に切り出して、スパン100mmで支持した状態において、その中央から加圧楔を垂直方向から5mm/分にて負荷させる3点曲げ試験によって、曲げ強度(N)を測定し、その曲げ強度を補強性として評価した。
【0065】
【表1】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の充填発泡用組成物および充填発泡部材によって、本発明の充填用発泡体を形成すれば、まず、充填発泡用組成物を、適正粘度に調整することができるので、適正な体積発泡倍率によって発泡させることができる。そのため、各部材の間や中空部材の内部空間に対して充填発泡部材を小さく成形して、充填発泡部材の設置時における作業性を向上させることができる。また、発泡後には、充填用発泡体が、各部材の間や中空部材の内部空間に対して十分な補強効果を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の充填発泡用組成物、充填発泡部材および充填用発泡体を用いて、自動車のピラーの内部空間を充填する方法の一実施形態の工程図であって、
(a)は、充填発泡用組成物に取付部材を装着して充填発泡部材を作製し、これをピラーに設置する工程、
(b)は、加熱により充填発泡用組成物を発泡、架橋および硬化させることにより、充填用発泡体によってピラーの内部空間を充填する工程を示す。
【符号の説明】
1 充填発泡用組成物
2 ピラー
P 充填発泡部材
Claims (5)
- 少なくとも、数平均分子量500〜20000のエポキシ化ジエンゴム10〜60重量%を含むジエン系ゴム、架橋剤、硬化剤および発泡剤を含有することを特徴とする、充填発泡用組成物。
- さらに、前記ジエン系ゴム100重量部に対して、充填材50〜300重量部を含有することを特徴とする、請求項1に記載の充填発泡用組成物。
- 体積発泡倍率が2.0倍以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の充填発泡用組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の充填発泡用組成物と、前記充填発泡用組成物に装着され、中空部材の内部空間に取り付け可能な取付部材とを備えることを特徴とする、充填発泡部材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の充填発泡用組成物を発泡させることによって得られることを特徴とする、充填用発泡体。
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