JP2004168451A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送速度の低下や搬送精度の低下を伴うこと無く、シートの後端がピンチローラーから抜ける際のシート上での画像位置ずれを防止すること。
【解決手段】記録媒体を搬送する上流側搬送手段と、前記画像形成位置の下流側に配設され前記記録媒体を搬送する下流側搬送手段とを備え、前記上流側搬送手段が、駆動手段により回転する搬送ローラーと、前記記録媒体を搬送ローラーとの間に狭持し従動回転するピンチローラーと、前記ピンチローラーに搬送ローラーへの狭持圧を与える付勢手段とを有する記録装置において、前記搬送ローラーの略搬送方向にスライド移動可能かつ回転可能に前記ピンチローラーを支持し、前記搬送ローラーと前記ピンチローラーとの狭持部を前記記録媒体の後端が抜ける際に、前記記録媒体からの反力で前記ピンチローラーが後退する構成であることを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】記録媒体を搬送する上流側搬送手段と、前記画像形成位置の下流側に配設され前記記録媒体を搬送する下流側搬送手段とを備え、前記上流側搬送手段が、駆動手段により回転する搬送ローラーと、前記記録媒体を搬送ローラーとの間に狭持し従動回転するピンチローラーと、前記ピンチローラーに搬送ローラーへの狭持圧を与える付勢手段とを有する記録装置において、前記搬送ローラーの略搬送方向にスライド移動可能かつ回転可能に前記ピンチローラーを支持し、前記搬送ローラーと前記ピンチローラーとの狭持部を前記記録媒体の後端が抜ける際に、前記記録媒体からの反力で前記ピンチローラーが後退する構成であることを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置においては、給送手段等によって給送されたシートを搬送する手段として、駆動される搬送ローラー、シートを搬送ローラーに押し付けて挟持することで搬送力を発生させる従動のピンチローラー、ピンチローラーを搬送ローラーに押し付ける為の付勢手段、等が設けられている。一般的には、シート搬送方向の記録手段の前後に、搬送手段が2対設けられることによって、シート上の広範囲に記録をすることができる。
【0003】
図12に、従来のインクジェット方式の記録装置の構成断面図を示す。ピンチローラーホルダ305にピンチローラー304が回転可能に取り付けられ、ピンチローラーバネ306によって搬送ローラー302に付勢されている。これらのローラー間にシートPが挟持されることによって、搬送力が発生する。搬送ローラー302は、不図示の駆動モーターによって駆動される。搬送ローラー302とピンチローラー304の下流側に、記録ヘッド402が設けられている。さらに、その下流には不図示の排出ローラーと付勢力を発生させる為の、拍車が拍車バネによって付勢されている。排出ローラーの駆動は、搬送ローラーからギヤ列によって伝達されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の搬送手段においては、シートPの後端部が、前記搬送ローラーとピンチローラー対から抜ける際に、ピンチローラーの付勢力によってシートが搬送ローラーの搬送量以上に蹴り出され、シート上での画像位置が大きくずれてしまう場合があった。この時のシートPに作用する力を図13に示す。
【0005】
シートPの後端部が、前記搬送ローラーとピンチローラー対による挟持中心から先に送り出された距離(シート後端位置)をaとした時の、ピンチローラーの付勢力によるシートPへの蹴り出し力と、それに対抗する力として搬送ローラーとシートP間の挟持摩擦抵抗力及び、搬送ローラーの回転抵抗力を示したものである。シートの蹴り出しに対する抵抗力が十分にあった場合、蹴り出し力は、a=0まで0であり、a=0から先に送られるにしたがって徐々に増加し、シートがピンチローラーから離れる挟持リリース位置直前で最も高くなり、挟持リリース位置で0となる。しかし、挟持摩擦抵抗力あるいは搬送ローラー回転抵抗力のどちらか一方でも蹴り出し力より低い場合、図13に示すようにシートPは蹴り出し力が上回った時点から挟持リリース位置までの距離:bが蹴り出されてしまう。
【0006】
このような現象を防ぐ為には、搬送ローラーの摩擦力を高めるとともに、搬送ローラー及び排出ローラーに大きなブレーキをつけて搬送ローラー回転抵抗力を高める事が効果的であるが、この場合、負荷トルクが大きくなり搬送ローラーの駆動源のグレードを上げる必要があったり、搬送速度の低下、搬送精度の低下などといった弊害があった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、搬送速度の低下や搬送精度の低下を伴うこと無く、シートの後端がピンチローラーから抜ける際のシート上での画像位置ずれを防止することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、本発明の代表的な構成は、記録媒体を搬送する上流側搬送手段と、前記画像形成位置の下流側に配設され前記記録媒体を搬送する下流側搬送手段とを備え、前記上流側搬送手段が、駆動手段により回転する搬送ローラーと、前記記録媒体を搬送ローラーとの間に狭持し従動回転するピンチローラーと、前記ピンチローラーに搬送ローラーへの狭持圧を与える付勢手段とを有する記録装置において、前記搬送ローラーの略搬送方向にスライド移動可能かつ回転可能に前記ピンチローラーを支持し、前記搬送ローラーと前記ピンチローラーとの狭持部を前記記録媒体の後端が抜ける際に、前記記録媒体からの反力で前記ピンチローラーが後退する構成であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。また以下では、記録装置としてインクジェット記録装置を例に採って説明する。図1は本発明の第1実施形態であるインクジェット記録装置の全体構成を示す斜視図であり、図2は記録装置の全体構成を示す断面図であり、図3は記録装置の搬送部及び排出部近傍を装置上方より見た模式図である。
【0010】
本実施形態では、自動給送装置を備えたインクジェット方式の記録装置を例示している。記録装置の概略構成は、図2に示すように、給送部201、搬送部301、記録部401、排出部501、クリーニング部601から構成されている。以下、これらを項目に分けて概略を順次説明する。
【0011】
(給送部)
給送部201は、記録媒体としての複数枚のシートPを斜めに積載する圧板202とシートPを給送する給送回転体203とがベース204に取り付けられた構成となっている。前記圧板202には可動サイドガイド205が左右に移動可能に設けられ、この可動サイドガイド205によりシートPの左右方向の積載位置を規制している。また給送部201には、不図示の分離手段と給送リリース手段とが設けられている。上記構成において、積載された複数枚のシート材の最上部の1枚のシートPを前記分離手段によって分離した後、給送回転体203によって搬送部301に水平に給送する。
【0012】
(搬送部)
搬送部301はシートPを搬送する搬送ローラー302とシートPの記録ヘッド402との離間距離を設定するリブを備えるプラテン303、及び紙端検出手段とを有している。搬送ローラー302にはローラー及びシートの摩擦駆動力によって従動するピンチローラー304が当接して設けられている。ピンチローラー304はピンチローラーホルダ305に保持され、ピンチローラーホルダ305をピンチローラーバネ306で付勢することで、ピンチローラー304を介してシートPを摩擦係数の高い搬送ローラー302に圧接させての搬送力を生み出している。
【0013】
また、プラテン303及びピンチローラーホルダ305は、シートPが搬送されてくる搬送部301の入口付近まで、シートPをガイドする為に延長して配設されている。紙端検出手段は、シートPの有無で回動角度が変化する紙端レバー307と、紙端レバー307の通紙反対端の回動角度の変化によって、遮光/開光状態を電気的信号へと変換する紙端センサー308からなっている。なお、搬送ローラー302には、紙送りモータ309からの駆動出力が適切なギヤ系によって減速され伝達されている。
【0014】
上記構成において、給送部201から搬送部301に送られたシートPはプラテン303、ピンチローラーホルダ305に案内されて、搬送ローラー302とピンチローラー304とのローラー対の間に送られる。この時、紙端レバー307は搬送されてきたシートPの先端を検知し、これにより算出したシートPの記録位置まで搬送ローラー302により搬送する。なお、シートPが搬送ローラー302とピンチローラー304とで狭持されると、前記給送部201の給送リリース手段が作動し、シートPを給送回転体203からリリースした待機状態となる。
【0015】
(記録部)
搬送ローラー302、ピンチローラー304対の記録シート搬送方向における下流側には、画像情報に基づいて画像を形成する記録部401が設けられている。記録部401は記録ヘッド402及び、その保持手段たるキャリッジ部403より構成される。
【0016】
キャリッジ部403は、記録ヘッド402の取り付け/取り外しが可能なキャリッジ404を有している。キャリッジ404は、シートPの搬送方向に対して直交する方向(主走査方向)に往復走査させるためのガイド軸405及びキャリッジ404の後端を保持して記録ヘッド402とシートPとの隙間を維持するガイドレール406によって支持されている。
【0017】
なお、ガイド軸405はシャーシ101に取り付けられており、ガイドレール406はシャーシ101の上部をZ形状に曲げ加工したもので、シャーシ101と一体的に形成されている。また、キャリッジ404はシャーシ101に取り付けられたキャリッジモーター407によりタイミングベルト408を介して直線駆動される。このタイミングベルト408は、アイドルプーリ409によって張設され支持されている。さらに、キャリッジ404には、電気基板102から記録ヘッド402に信号を伝えるためのFFCケーブル410を備えている。
【0018】
記録ヘッド402は、インク吐出用の熱エネルギーを発生するためのヒータ等の電気熱変換体を備えており、この電気熱変換体によって印加される熱エネルギーによりインクが膜沸騰し、この膜沸騰による気泡の成長又は収縮によって生じる圧力変化によって記録ヘッド402のノズル(インク吐出口)からインクが吐出されてシートP上に画像が形成される。
【0019】
上記構成において、シートPに画像形成する時は、画像形成する行位置(シートPの搬送方向の位置)に搬送ローラー302及びピンチローラー304がシートPを搬送すると共にキャリッジモーター407によりキャリッジ部403を画像形成する列位置(シートPの搬送方向と直角な位置)に移動させて、記録ヘッド402を画像形成位置に対向させる。その後、電気基板102からの信号により記録ヘッド402がシートPに向けてインクを吐出して画像が形成される。本実施形態では上述の一行当たりの画像形成を所望の複数行繰り返して、シートP上に任意の画像形成を行うものである。また、シートPの後端は上述の紙端検出手段によって検知され、これにより算出したシートPの後端位置まで記録が可能である。
【0020】
(クリーニング部)
クリーニング部601は、記録ヘッド402のクリーニングを行う不図示のポンプと、記録ヘッド402の乾燥を抑えるためのキャップ602と、搬送ローラー302からの駆動力を給送部201又はポンプに切り換える不図示の駆動切換手段とから構成されている。該駆動切換手段はキャリッジ404に連動する駆動切換アーム603を備え、キャリッジ404の移動位置によって駆動力を給送部201又はポンプあるいはどちらにも駆動力を伝達しない状態に切り換えることが可能である。
【0021】
(排出部)
記録部401の下流側には、記録中のシート材をプラテン303に沿わせ、挙動安定化を図るとともに、搬送部を通過したシート材を搬送・排出する為の排出部501を設けている。排出部501は、前記搬送ローラー302と平行に配設された2本の排出ローラー502、503と、シートPを押圧しつつ従動回転する複数個の拍車504、505と、前記プラテン303に固定され拍車等を支持しする拍車ベース509及び、排出後のシートPをスタックする排出トレイ506等により構成され、搬送部の搬送ローラー302の一端に設けられた駆動出力ギヤ310から適当なギヤ列を介して排出ローラー502、503まで駆動が伝達されている。なお、拍車504、505は、記録直後の未定着インクが付着したシートPへの圧痕やインク跡をするため、外周に鋭利な突起を複数形成した鋸歯形状の薄円板部を備えている。尚、ここで前記拍車とはシートSに対する接触面積が小さく、インク吐出によってインク像が記録されたシート面側に接触しても、該インク像を乱すことがない回転体をいう。
【0022】
(搬送部の詳細構成)
次に本発明に関わる搬送部301を詳細に述べる。図4〜6及び図9は記録装置の搬送部を示す断面図、図7は搬送ローラーとピンチローラーの挟持部を示す模式断面図、図8はシートPの後端部が搬送ローラーとピンチローラーとの挟持部を抜ける際のシートPに作用する力を示すグラフである。
【0023】
ピンチローラー304は両端に細い回転軸部304aを有し、両端の回転軸部304aをピンチローラーホルダ305の穴部305bによって支持される。穴部305bはシートPを挟み込んだ状態(図5)で搬送ローラーと同芯となるような円弧状の長穴である。これによりピンチローラー304は回転可能かつスライド移動可能に支持される。ピンチローラーホルダ305は回転軸部305aを有し、シャーシ101に固設されたピンチローラーホルダ受け103の穴部103aによって回転可能に支持される。ピンチローラーホルダ受け103にはピンチローラーバネ306が掛けられており、ピンチローラーバネ306の一方の端部がピンチローラーホルダ305の突起部305cに当接し、これによりピンチローラー304が搬送ローラー302に付勢される。
【0024】
このような構成により、搬送ローラー302が正転(図4矢印A方向)した時、搬送ローラー302の回転に伴いピンチローラー304が従動回転し、その際に発生する転がり摩擦力でピンチローラー304は搬送方向下流側(図4矢印B方向)に移動し、ピンチローラーホルダ305の穴部305bの端部に突き当たる。この時のピンチローラー304の位置は、搬送ローラー302の真上の所定位置であり、かつ搬送ローラー302と平行である。
【0025】
次いで搬送ローラー302を停止させたまま、給送部からシートPを給送し、シートPの先端部を搬送ローラー302とピンチローラー304との挟持部に突き当てシートPの斜行を補正する。その後、搬送ローラー302を正転させ、シートPを搬送ローラー302とピンチローラー304とで挟持し搬送する。そして記録ヘッド402による画像形成とシートPの搬送が交互に行われ、連続した画像を形成する。搬送シートPの後端部が搬送ローラー302とピンチローラー304との挟持部に達する(図5)まで、搬送ローラー302は正転(図4矢印A方向)と停止を繰り返すだけなので、転がり摩擦力でピンチローラー304は搬送方向下流側(図4矢印B方向)に移動したままの所定位置に留まっている。シートPの後端部が搬送ローラー302とピンチローラー304との挟持部からさらに搬送される(図6)と、シートPに蹴り出し力が発生し、同時にその反力がピンチローラー304に作用するため、ピンチローラー304は図9のように後退する。
【0026】
この時のシートPに作用する力を図8に示す。シートPの後端部が、搬送ローラー302とピンチローラー304による挟持中心から先に送り出された距離(シート後端位置)をaとした時の、シートPに作用する蹴り出し力と、それに対抗する力として挟持摩擦抵抗力及び、搬送ローラーの回転抵抗力、さらにピンチローラー後退抵抗力を示したものである。蹴り出し力とは、ピンチローラー304の付勢力によってシートPに作用する搬送方向の力であり、挟持摩擦抵抗力とは、シートPに直接作用する搬送ローラーとシートP間の挟持摩擦による蹴り出しを阻止する抵抗力であり、搬送ローラーの回転抵抗力とは、搬送ローラーの軸支持部の摩擦抵抗や慣性や駆動部の抵抗等による搬送ローラーの先回りを阻止する抵抗力である。
【0027】
また、ピンチローラー後退抵抗力とは、ピンチローラー304が付勢されたまま後退する際の、ピンチローラーホルダ305の穴部305bとの摺動摩擦等による抵抗力であり、搬送ローラーによる挟持摩擦抵抗力や搬送ローラーの回転抵抗力に比べ十分小さい。図8に示すように、シートPに作用する蹴り出し力はシートPの後端位置:a=0から先に送られるにしたがって徐々に増加し、搬送ローラーによる挟持摩擦抵抗力や搬送ローラーの回転抵抗力より小さいピンチローラー後退抵抗力を上回った時点で、蹴り出し力の反力がピンチローラー後退抵抗力を上回り、ピンチローラー304が後退する(図9)。ピンチローラー304が後退している最中は、ピンチローラー後退抵抗力より十分大きい搬送ローラーによる挟持摩擦抵抗力や搬送ローラーの回転抵抗力がシートPに作用しているため、シートPは蹴り出されずに静止したままである。
【0028】
ピンチローラー304の後退が終了するとシートPの挟持がリリースされるため、蹴り出し力も発生しなくなる。つまりシートPに微小な蹴り出し力が作用するとピンチローラー304が後退し、後退後は蹴り出し力が発生しない。その結果、シートPの後端がピンチローラーから抜ける際の蹴り出し量は、ほぼ0となる。そして、シートPの後端部が搬送ローラー302とピンチローラー304との挟持部を抜けた後は、搬送部の代わりに前述の排出部によりシートPが搬送され、シートPの後端まで画像形成を行う。
【0029】
次に、ピンチローラー304の後退量について、図7を用いて説明する。蹴り出し力が発生し出すシートPの後端位置であるa=0の時に、ピンチローラー304が後退したとすると、搬送ローラーの半径をR、ピンチローラーの半径をr、シートPの厚みをtとした時、ピンチローラー304の後退量yは、
y=[r^2−{(2rR−t^2−2Rt)/2/(R+t)}^2]^0.5、となる。例えばR=6.5、r=2.5、t=0.4とした場合、y≒1.5 となる。
【0030】
しかし、実際には蹴り出し力が搬送ローラーの挟持摩擦抵抗力あるいは回転抵抗力を上回った時点から蹴り出しが発生するため、ピンチローラー後退抵抗力<搬送ローラーの挟持摩擦抵抗力あるいは回転抵抗力を満たす範囲で、ピンチローラー後退抵抗力を大きく設定することができる。この場合には、必ずしも、ピンチローラー304の後退量yを上記計算式の値まで必要ではない。よって、蹴り出しを無くすためのピンチローラー304の後退量xは、
x=(0.2〜1)×y程度必要となる。
【0031】
以上のように本実施形態によれば、シートPの後端が搬送ローラーとピンチローラーとの狭持部を抜ける際に、シートPからの微小な反力でピンチローラーが後退するので、シートPに作用する蹴り出し力を小さくでき、その結果、余分なブレーキ等によって負荷トルクを必要以上に上げずに、搬送速度の低下を伴うこと無く、シートPの後端がピンチローラーから抜ける際の画像位置ずれを小さくすることができる。
【0032】
また、ピンチローラーはシートPを搬送する搬送ローラーに対し従動回転するだけなので、例え搬送途中に外力でピンチローラーが若干後退したとしても、搬送ローラーの摩擦により搬送ローラーに追従するシートPの上を転がるのみで、再び搬送ローラーが正転すると同時に所定位置に復帰する。よって、シートPの搬送精度の低下を招くこともない。また、後退したピンチローラーは、搬送ローラーを正転させるだけで、所定位置に復帰するので、複雑な構成をとらずに確実に上記効果を得ることができる。
【0033】
尚、ピンチローラー304は複数並設され、それぞれ独立してピンチローラーホルダ305に後退可能に支持されている。このような構成により、シートPの幅が短い時や、シートPが斜行した時により少ない力でかつ正確にピンチローラー304が後退するため、シートPの後端がピンチローラーから抜ける際の画像位置ずれをより小さくすることができる。
【0034】
(第2実施形態)
第2実施形態を説明する。図10に第2実施形態に関わる記録装置の搬送部の断面図を示す。第1実施形態では、ピンチローラー304の回転軸部304aを支持するピンチローラーホルダ305の穴部305bが、搬送ローラーと同芯となるような円弧状の長穴としたが、これに限定されるものでなく、図10に示す穴部305dのように直線状の溝でも良い。シートPの蹴り出しが発生するより早く、シートPを静止させたままピンチローラー304が後退し、かつ通常搬送時に所定位置に復帰すれば良い。
【0035】
図10ではピンチローラーホルダ305の穴部305dは搬送方向とθの角度を有する直線状の溝である。θを大きくするほど、シートPの後端がピンチローラーの狭持部を抜ける際に、より微小な反力でピンチローラーが後退するため、蹴り出しの画像ずれに対する効果は高まる。その反面、後退したピンチローラーの所定位置への復帰が困難となる。
【0036】
第2実施形態は、この場合の復帰方法として、搬送ローラーを正転させるだけでなく、給送部から給送されたシートPがピンチローラー304を押し込む力や、シートPが搬送ローラー302とピンチローラー304との間に噛み込む際の反力によってピンチローラー304を搬送方向下流側(図4矢印B方向)に移動させ所定位置への復帰させる。この様な構成により、ピンチローラー後退抵抗力がほぼ0になるまでθの角度を大きくすることができるため、蹴り出しの画像ずれに対する効果の向上が図れる。
【0037】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図11に第3実施形態に関わる記録装置の搬送部の断面図を示す。第1実施形態ではピンチローラー304をピンチローラーホルダ305によって回転可能かつスライド移動可能に支持したが、これに限定されるものでなく、図11の第3実施形態のようにピンチローラー304をピンチローラーホルダ305に回転可能に支持し、ピンチローラーホルダ305を搬送ローラー302に対しスライド移動可能に支持しても良い。
【0038】
詳しくは、ピンチローラー304は両端に細い回転軸部304aを有し、両端の回転軸部304aをピンチローラーホルダ305の穴部305eによって支持される。穴部305eはピンチローラー回転軸部304aと嵌合する円形であり、ピンチローラー304を回転のみ可能に支持する。ピンチローラーホルダ305は回転軸部305aを有し、シャーシ101に固設されたピンチローラーホルダ受け103の穴部103aによって支持される。
【0039】
ピンチローラーホルダ受け穴部103aは搬送方向に延びた長穴であり、ピンチローラーホルダ305を回転可能かつスライド移動可能に支持する。ピンチローラーホルダ受け103にはピンチローラーバネ306が掛けられており、ピンチローラーバネ306の一方の端部は搬送方向に曲げられ、その搬送方向に延びた部分がピンチローラーホルダ305の突起部305cに当接し、これによりピンチローラー304が搬送ローラー302に付勢されるとともに、微小な力でピンチローラー304が前進/後退可能となっている。
【0040】
このような構成により、搬送ローラー302の正転に伴いピンチローラー304が従動回転し、その際に発生する転がり摩擦力でピンチローラー304はピンチローラーホルダ305と共に搬送方向下流側に移動し、ピンチローラーホルダ回転軸部305aがピンチローラーホルダ受け穴部103aの端部に突き当たる。この時のピンチローラー304の位置は、搬送ローラー302の真上の所定位置であり、かつ搬送ローラー302と平行である。次いで第1実施形態と同様にシートPを給送・搬送・画像形成を行ない、シートPの後端部が搬送ローラー302とピンチローラー304との挟持部からさらに搬送されると、シートPに蹴り出し力が発生し、同時にその反力がピンチローラー304に作用するため、ピンチローラー304がピンチローラーホルダ305と共に後退する。その結果、シートPの後端がピンチローラーから抜ける際の蹴り出し量は、ほぼ0となり、シートPの後端部が搬送ローラー302とピンチローラー304との挟持部を抜けた後は、搬送部の代わりに前述の排出部によりシートPが搬送され、シートPの後端まで画像形成を行う。以上のように第3実施形態によれば、簡単な構成で確実に第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0041】
(他の実施形態)
前述した実施形態においては、記録手段としてインクジェット記録方式を用いたが、記録信号に応じて電気熱変換体に通電し、前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより、インクに生ずる膜沸騰を利用してインクに生ずる気泡の成長,収縮により、インクを吐出口より吐出して記録を行うように構成すると更に好ましい。更に、記録装置が記録出来る記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用出来る。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによって、その長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでも良い。
【0042】
次に、本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0043】
[実施態様1]
記録媒体を搬送する上流側搬送手段と、前記画像形成位置の下流側に配設され前記記録媒体を搬送する下流側搬送手段とを備え、前記上流側搬送手段が、駆動手段により回転する搬送ローラーと、前記記録媒体を搬送ローラーとの間に狭持し従動回転するピンチローラーと、前記ピンチローラーに搬送ローラーへの狭持圧を与える付勢手段とを有する記録装置において、
前記搬送ローラーの略搬送方向にスライド移動可能かつ回転可能に前記ピンチローラーを支持し、
前記搬送ローラーと前記ピンチローラーとの狭持部を前記記録媒体の後端が抜ける際に、前記記録媒体からの反力で前記ピンチローラーが後退する構成であることを特徴とする記録装置。
【0044】
[実施態様2]
前記搬送ローラーが正転する際に前記ピンチローラーに生じる従動転がり摩擦力によって、前記ピンチローラーが搬送方向の下流側へ移動し所定位置に復帰すること特徴とする実施態様1の記録装置。
【0045】
[実施態様3]
前記記録媒体が給送手段により前記搬送ローラーと前記ピンチローラーの狭持部に給送される際の給送力が、前記記録媒体を介して前記ピンチローラーに作用することにより、前記ピンチローラーが搬送方向の下流側へ移動し所定位置に復帰すること特徴とする実施態様1又は2に記載の記録装置。
【0046】
[実施態様4]
前記記録媒体が給送手段により前記搬送ローラーと前記ピンチローラーの狭持部に給送され、前記記録媒体が狭持部に噛み込む際の反力によって、前記ピンチローラーが搬送方向の下流側へ移動し所定位置に復帰すること特徴とする実施態様1乃至3のいずれかに記載の記録装置。
【0047】
[実施態様5]
複数の前記ピンチローラーをそれぞれ独立して後退可能に支持・並設したこと特徴とする実施態様1乃至4のいずれかに記載の記録装置。
【0048】
[実施態様6]
前記搬送ローラーの略搬送方向にスライド移動可能かつ回転可能に前記ピンチローラーを支持する支持部を備えたピンチローラーホルダと、
前記支持部が狭持方向に移動可能に前記ピンチローラーホルダを支持する筐体と、
を設けたことを特徴とする実施態様1乃至5のいずれかに記載の記録装置。
【0049】
[実施態様7]
前記ピンチローラーを回動可能に支持する支持部を備えたピンチローラーホルダと、
前記支持部が狭持方向に移動可能、かつ前記ピンチローラーが前記搬送ローラーの略搬送方向にスライド移動可能に前記ピンチローラーホルダを支持する筐体と、
を設けたことを特徴とする実施態様1乃至6のいずれかに記載の記録装置。
【0050】
[実施態様8]
前記搬送ローラーの半径をR、前記ピンチローラーの半径をr、前記記録媒体の厚みをtとした時、
前記ピンチローラーが後退する量xを、
x=(0.2〜1)×[r^2−{(2rR−t^2−2Rt)/2/(R+t)}^2]^0.5、
程度に設定したことを特徴とする実施態様1乃至7のいずれかに記載の記録装置。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、搬送ローラーとピンチローラーとの狭持部を記録媒体の後端が抜ける際に、前記記録媒体からの反力で前記ピンチローラーが後退する構成であるため、負荷トルクを必要以上に上げずに、搬送速度の低下を伴うこと無く、前記記録媒体の後端が前記ピンチローラーから抜ける際の画像位置ずれを小さくすることができる。このため、搬送速度の低下や搬送精度の低下を伴うこと無く、シートの後端がピンチローラーから抜ける際のシート上での画像位置ずれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のインクジェット記録装置の全体構成を示す斜視図。
【図2】記録装置の全体構成を示す断面図。
【図3】記録装置の搬送部及び排出部近傍を装置上方より見た模式図。
【図4】第1実施形態に関わる記録装置の搬送部を示す断面図。
【図5】第1実施形態に関わる記録装置の搬送部を示す断面図。
【図6】第1実施形態に関わる記録装置の搬送部を示す断面図。
【図7】搬送ローラーとピンチローラーの挟持部を示す模式断面図。
【図8】シートPの後端部が搬送ローラーとピンチローラーとの挟持部を抜ける際のシートPに作用する力を示すグラフ。
【図9】第1実施形態に関わる記録装置の搬送部を示す断面図。
【図10】第2実施形態に関わる記録装置の搬送部の断面図。
【図11】第3実施形態に関わる記録装置の搬送部の断面図。
【図12】従来のインクジェット方式の記録装置の構成断面図。
【図13】ピンチローラーの付勢力によってシートが蹴り出される場合に作用する力を示す図。
【符号の説明】
P …シート、
101 …シャーシ、102 …電気基板、
103 …ピンチローラーホルダ受け、103a …穴部、201 …給送部、
202 …圧板、203 …給送回転体、204 …ベース、205 …可動サイドガイド、
301 …搬送部、302 …搬送ローラー、303 …プラテン、
304 …ピンチローラー、304a …回転軸部、305 …ピンチローラーホルダ、
305a …回転軸部、305b …穴部、305c …突起部、305d …穴部、
305e …穴部、306 …ピンチローラーバネ、307 …紙端レバー、
308 …紙端センサー、309 …モータ、310 …駆動出力ギヤ、
401 …記録部、402 …記録ヘッド、403 …キャリッジ部、404 …キャリッジ、
405 …ガイド軸、406 …ガイドレール、407 …キャリッジモーター、
408 …タイミングベルト、409 …アイドルプーリ、410 …FFCケーブル、
501 …排出部、502 …排出ローラー、503 …排出ローラー、504 …拍車、
505 …拍車、506 …排出トレイ、509 …拍車ベース、
601 …クリーニング部、602 …キャップ、603 …駆動切換アーム、
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置においては、給送手段等によって給送されたシートを搬送する手段として、駆動される搬送ローラー、シートを搬送ローラーに押し付けて挟持することで搬送力を発生させる従動のピンチローラー、ピンチローラーを搬送ローラーに押し付ける為の付勢手段、等が設けられている。一般的には、シート搬送方向の記録手段の前後に、搬送手段が2対設けられることによって、シート上の広範囲に記録をすることができる。
【0003】
図12に、従来のインクジェット方式の記録装置の構成断面図を示す。ピンチローラーホルダ305にピンチローラー304が回転可能に取り付けられ、ピンチローラーバネ306によって搬送ローラー302に付勢されている。これらのローラー間にシートPが挟持されることによって、搬送力が発生する。搬送ローラー302は、不図示の駆動モーターによって駆動される。搬送ローラー302とピンチローラー304の下流側に、記録ヘッド402が設けられている。さらに、その下流には不図示の排出ローラーと付勢力を発生させる為の、拍車が拍車バネによって付勢されている。排出ローラーの駆動は、搬送ローラーからギヤ列によって伝達されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の搬送手段においては、シートPの後端部が、前記搬送ローラーとピンチローラー対から抜ける際に、ピンチローラーの付勢力によってシートが搬送ローラーの搬送量以上に蹴り出され、シート上での画像位置が大きくずれてしまう場合があった。この時のシートPに作用する力を図13に示す。
【0005】
シートPの後端部が、前記搬送ローラーとピンチローラー対による挟持中心から先に送り出された距離(シート後端位置)をaとした時の、ピンチローラーの付勢力によるシートPへの蹴り出し力と、それに対抗する力として搬送ローラーとシートP間の挟持摩擦抵抗力及び、搬送ローラーの回転抵抗力を示したものである。シートの蹴り出しに対する抵抗力が十分にあった場合、蹴り出し力は、a=0まで0であり、a=0から先に送られるにしたがって徐々に増加し、シートがピンチローラーから離れる挟持リリース位置直前で最も高くなり、挟持リリース位置で0となる。しかし、挟持摩擦抵抗力あるいは搬送ローラー回転抵抗力のどちらか一方でも蹴り出し力より低い場合、図13に示すようにシートPは蹴り出し力が上回った時点から挟持リリース位置までの距離:bが蹴り出されてしまう。
【0006】
このような現象を防ぐ為には、搬送ローラーの摩擦力を高めるとともに、搬送ローラー及び排出ローラーに大きなブレーキをつけて搬送ローラー回転抵抗力を高める事が効果的であるが、この場合、負荷トルクが大きくなり搬送ローラーの駆動源のグレードを上げる必要があったり、搬送速度の低下、搬送精度の低下などといった弊害があった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、搬送速度の低下や搬送精度の低下を伴うこと無く、シートの後端がピンチローラーから抜ける際のシート上での画像位置ずれを防止することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、本発明の代表的な構成は、記録媒体を搬送する上流側搬送手段と、前記画像形成位置の下流側に配設され前記記録媒体を搬送する下流側搬送手段とを備え、前記上流側搬送手段が、駆動手段により回転する搬送ローラーと、前記記録媒体を搬送ローラーとの間に狭持し従動回転するピンチローラーと、前記ピンチローラーに搬送ローラーへの狭持圧を与える付勢手段とを有する記録装置において、前記搬送ローラーの略搬送方向にスライド移動可能かつ回転可能に前記ピンチローラーを支持し、前記搬送ローラーと前記ピンチローラーとの狭持部を前記記録媒体の後端が抜ける際に、前記記録媒体からの反力で前記ピンチローラーが後退する構成であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。また以下では、記録装置としてインクジェット記録装置を例に採って説明する。図1は本発明の第1実施形態であるインクジェット記録装置の全体構成を示す斜視図であり、図2は記録装置の全体構成を示す断面図であり、図3は記録装置の搬送部及び排出部近傍を装置上方より見た模式図である。
【0010】
本実施形態では、自動給送装置を備えたインクジェット方式の記録装置を例示している。記録装置の概略構成は、図2に示すように、給送部201、搬送部301、記録部401、排出部501、クリーニング部601から構成されている。以下、これらを項目に分けて概略を順次説明する。
【0011】
(給送部)
給送部201は、記録媒体としての複数枚のシートPを斜めに積載する圧板202とシートPを給送する給送回転体203とがベース204に取り付けられた構成となっている。前記圧板202には可動サイドガイド205が左右に移動可能に設けられ、この可動サイドガイド205によりシートPの左右方向の積載位置を規制している。また給送部201には、不図示の分離手段と給送リリース手段とが設けられている。上記構成において、積載された複数枚のシート材の最上部の1枚のシートPを前記分離手段によって分離した後、給送回転体203によって搬送部301に水平に給送する。
【0012】
(搬送部)
搬送部301はシートPを搬送する搬送ローラー302とシートPの記録ヘッド402との離間距離を設定するリブを備えるプラテン303、及び紙端検出手段とを有している。搬送ローラー302にはローラー及びシートの摩擦駆動力によって従動するピンチローラー304が当接して設けられている。ピンチローラー304はピンチローラーホルダ305に保持され、ピンチローラーホルダ305をピンチローラーバネ306で付勢することで、ピンチローラー304を介してシートPを摩擦係数の高い搬送ローラー302に圧接させての搬送力を生み出している。
【0013】
また、プラテン303及びピンチローラーホルダ305は、シートPが搬送されてくる搬送部301の入口付近まで、シートPをガイドする為に延長して配設されている。紙端検出手段は、シートPの有無で回動角度が変化する紙端レバー307と、紙端レバー307の通紙反対端の回動角度の変化によって、遮光/開光状態を電気的信号へと変換する紙端センサー308からなっている。なお、搬送ローラー302には、紙送りモータ309からの駆動出力が適切なギヤ系によって減速され伝達されている。
【0014】
上記構成において、給送部201から搬送部301に送られたシートPはプラテン303、ピンチローラーホルダ305に案内されて、搬送ローラー302とピンチローラー304とのローラー対の間に送られる。この時、紙端レバー307は搬送されてきたシートPの先端を検知し、これにより算出したシートPの記録位置まで搬送ローラー302により搬送する。なお、シートPが搬送ローラー302とピンチローラー304とで狭持されると、前記給送部201の給送リリース手段が作動し、シートPを給送回転体203からリリースした待機状態となる。
【0015】
(記録部)
搬送ローラー302、ピンチローラー304対の記録シート搬送方向における下流側には、画像情報に基づいて画像を形成する記録部401が設けられている。記録部401は記録ヘッド402及び、その保持手段たるキャリッジ部403より構成される。
【0016】
キャリッジ部403は、記録ヘッド402の取り付け/取り外しが可能なキャリッジ404を有している。キャリッジ404は、シートPの搬送方向に対して直交する方向(主走査方向)に往復走査させるためのガイド軸405及びキャリッジ404の後端を保持して記録ヘッド402とシートPとの隙間を維持するガイドレール406によって支持されている。
【0017】
なお、ガイド軸405はシャーシ101に取り付けられており、ガイドレール406はシャーシ101の上部をZ形状に曲げ加工したもので、シャーシ101と一体的に形成されている。また、キャリッジ404はシャーシ101に取り付けられたキャリッジモーター407によりタイミングベルト408を介して直線駆動される。このタイミングベルト408は、アイドルプーリ409によって張設され支持されている。さらに、キャリッジ404には、電気基板102から記録ヘッド402に信号を伝えるためのFFCケーブル410を備えている。
【0018】
記録ヘッド402は、インク吐出用の熱エネルギーを発生するためのヒータ等の電気熱変換体を備えており、この電気熱変換体によって印加される熱エネルギーによりインクが膜沸騰し、この膜沸騰による気泡の成長又は収縮によって生じる圧力変化によって記録ヘッド402のノズル(インク吐出口)からインクが吐出されてシートP上に画像が形成される。
【0019】
上記構成において、シートPに画像形成する時は、画像形成する行位置(シートPの搬送方向の位置)に搬送ローラー302及びピンチローラー304がシートPを搬送すると共にキャリッジモーター407によりキャリッジ部403を画像形成する列位置(シートPの搬送方向と直角な位置)に移動させて、記録ヘッド402を画像形成位置に対向させる。その後、電気基板102からの信号により記録ヘッド402がシートPに向けてインクを吐出して画像が形成される。本実施形態では上述の一行当たりの画像形成を所望の複数行繰り返して、シートP上に任意の画像形成を行うものである。また、シートPの後端は上述の紙端検出手段によって検知され、これにより算出したシートPの後端位置まで記録が可能である。
【0020】
(クリーニング部)
クリーニング部601は、記録ヘッド402のクリーニングを行う不図示のポンプと、記録ヘッド402の乾燥を抑えるためのキャップ602と、搬送ローラー302からの駆動力を給送部201又はポンプに切り換える不図示の駆動切換手段とから構成されている。該駆動切換手段はキャリッジ404に連動する駆動切換アーム603を備え、キャリッジ404の移動位置によって駆動力を給送部201又はポンプあるいはどちらにも駆動力を伝達しない状態に切り換えることが可能である。
【0021】
(排出部)
記録部401の下流側には、記録中のシート材をプラテン303に沿わせ、挙動安定化を図るとともに、搬送部を通過したシート材を搬送・排出する為の排出部501を設けている。排出部501は、前記搬送ローラー302と平行に配設された2本の排出ローラー502、503と、シートPを押圧しつつ従動回転する複数個の拍車504、505と、前記プラテン303に固定され拍車等を支持しする拍車ベース509及び、排出後のシートPをスタックする排出トレイ506等により構成され、搬送部の搬送ローラー302の一端に設けられた駆動出力ギヤ310から適当なギヤ列を介して排出ローラー502、503まで駆動が伝達されている。なお、拍車504、505は、記録直後の未定着インクが付着したシートPへの圧痕やインク跡をするため、外周に鋭利な突起を複数形成した鋸歯形状の薄円板部を備えている。尚、ここで前記拍車とはシートSに対する接触面積が小さく、インク吐出によってインク像が記録されたシート面側に接触しても、該インク像を乱すことがない回転体をいう。
【0022】
(搬送部の詳細構成)
次に本発明に関わる搬送部301を詳細に述べる。図4〜6及び図9は記録装置の搬送部を示す断面図、図7は搬送ローラーとピンチローラーの挟持部を示す模式断面図、図8はシートPの後端部が搬送ローラーとピンチローラーとの挟持部を抜ける際のシートPに作用する力を示すグラフである。
【0023】
ピンチローラー304は両端に細い回転軸部304aを有し、両端の回転軸部304aをピンチローラーホルダ305の穴部305bによって支持される。穴部305bはシートPを挟み込んだ状態(図5)で搬送ローラーと同芯となるような円弧状の長穴である。これによりピンチローラー304は回転可能かつスライド移動可能に支持される。ピンチローラーホルダ305は回転軸部305aを有し、シャーシ101に固設されたピンチローラーホルダ受け103の穴部103aによって回転可能に支持される。ピンチローラーホルダ受け103にはピンチローラーバネ306が掛けられており、ピンチローラーバネ306の一方の端部がピンチローラーホルダ305の突起部305cに当接し、これによりピンチローラー304が搬送ローラー302に付勢される。
【0024】
このような構成により、搬送ローラー302が正転(図4矢印A方向)した時、搬送ローラー302の回転に伴いピンチローラー304が従動回転し、その際に発生する転がり摩擦力でピンチローラー304は搬送方向下流側(図4矢印B方向)に移動し、ピンチローラーホルダ305の穴部305bの端部に突き当たる。この時のピンチローラー304の位置は、搬送ローラー302の真上の所定位置であり、かつ搬送ローラー302と平行である。
【0025】
次いで搬送ローラー302を停止させたまま、給送部からシートPを給送し、シートPの先端部を搬送ローラー302とピンチローラー304との挟持部に突き当てシートPの斜行を補正する。その後、搬送ローラー302を正転させ、シートPを搬送ローラー302とピンチローラー304とで挟持し搬送する。そして記録ヘッド402による画像形成とシートPの搬送が交互に行われ、連続した画像を形成する。搬送シートPの後端部が搬送ローラー302とピンチローラー304との挟持部に達する(図5)まで、搬送ローラー302は正転(図4矢印A方向)と停止を繰り返すだけなので、転がり摩擦力でピンチローラー304は搬送方向下流側(図4矢印B方向)に移動したままの所定位置に留まっている。シートPの後端部が搬送ローラー302とピンチローラー304との挟持部からさらに搬送される(図6)と、シートPに蹴り出し力が発生し、同時にその反力がピンチローラー304に作用するため、ピンチローラー304は図9のように後退する。
【0026】
この時のシートPに作用する力を図8に示す。シートPの後端部が、搬送ローラー302とピンチローラー304による挟持中心から先に送り出された距離(シート後端位置)をaとした時の、シートPに作用する蹴り出し力と、それに対抗する力として挟持摩擦抵抗力及び、搬送ローラーの回転抵抗力、さらにピンチローラー後退抵抗力を示したものである。蹴り出し力とは、ピンチローラー304の付勢力によってシートPに作用する搬送方向の力であり、挟持摩擦抵抗力とは、シートPに直接作用する搬送ローラーとシートP間の挟持摩擦による蹴り出しを阻止する抵抗力であり、搬送ローラーの回転抵抗力とは、搬送ローラーの軸支持部の摩擦抵抗や慣性や駆動部の抵抗等による搬送ローラーの先回りを阻止する抵抗力である。
【0027】
また、ピンチローラー後退抵抗力とは、ピンチローラー304が付勢されたまま後退する際の、ピンチローラーホルダ305の穴部305bとの摺動摩擦等による抵抗力であり、搬送ローラーによる挟持摩擦抵抗力や搬送ローラーの回転抵抗力に比べ十分小さい。図8に示すように、シートPに作用する蹴り出し力はシートPの後端位置:a=0から先に送られるにしたがって徐々に増加し、搬送ローラーによる挟持摩擦抵抗力や搬送ローラーの回転抵抗力より小さいピンチローラー後退抵抗力を上回った時点で、蹴り出し力の反力がピンチローラー後退抵抗力を上回り、ピンチローラー304が後退する(図9)。ピンチローラー304が後退している最中は、ピンチローラー後退抵抗力より十分大きい搬送ローラーによる挟持摩擦抵抗力や搬送ローラーの回転抵抗力がシートPに作用しているため、シートPは蹴り出されずに静止したままである。
【0028】
ピンチローラー304の後退が終了するとシートPの挟持がリリースされるため、蹴り出し力も発生しなくなる。つまりシートPに微小な蹴り出し力が作用するとピンチローラー304が後退し、後退後は蹴り出し力が発生しない。その結果、シートPの後端がピンチローラーから抜ける際の蹴り出し量は、ほぼ0となる。そして、シートPの後端部が搬送ローラー302とピンチローラー304との挟持部を抜けた後は、搬送部の代わりに前述の排出部によりシートPが搬送され、シートPの後端まで画像形成を行う。
【0029】
次に、ピンチローラー304の後退量について、図7を用いて説明する。蹴り出し力が発生し出すシートPの後端位置であるa=0の時に、ピンチローラー304が後退したとすると、搬送ローラーの半径をR、ピンチローラーの半径をr、シートPの厚みをtとした時、ピンチローラー304の後退量yは、
y=[r^2−{(2rR−t^2−2Rt)/2/(R+t)}^2]^0.5、となる。例えばR=6.5、r=2.5、t=0.4とした場合、y≒1.5 となる。
【0030】
しかし、実際には蹴り出し力が搬送ローラーの挟持摩擦抵抗力あるいは回転抵抗力を上回った時点から蹴り出しが発生するため、ピンチローラー後退抵抗力<搬送ローラーの挟持摩擦抵抗力あるいは回転抵抗力を満たす範囲で、ピンチローラー後退抵抗力を大きく設定することができる。この場合には、必ずしも、ピンチローラー304の後退量yを上記計算式の値まで必要ではない。よって、蹴り出しを無くすためのピンチローラー304の後退量xは、
x=(0.2〜1)×y程度必要となる。
【0031】
以上のように本実施形態によれば、シートPの後端が搬送ローラーとピンチローラーとの狭持部を抜ける際に、シートPからの微小な反力でピンチローラーが後退するので、シートPに作用する蹴り出し力を小さくでき、その結果、余分なブレーキ等によって負荷トルクを必要以上に上げずに、搬送速度の低下を伴うこと無く、シートPの後端がピンチローラーから抜ける際の画像位置ずれを小さくすることができる。
【0032】
また、ピンチローラーはシートPを搬送する搬送ローラーに対し従動回転するだけなので、例え搬送途中に外力でピンチローラーが若干後退したとしても、搬送ローラーの摩擦により搬送ローラーに追従するシートPの上を転がるのみで、再び搬送ローラーが正転すると同時に所定位置に復帰する。よって、シートPの搬送精度の低下を招くこともない。また、後退したピンチローラーは、搬送ローラーを正転させるだけで、所定位置に復帰するので、複雑な構成をとらずに確実に上記効果を得ることができる。
【0033】
尚、ピンチローラー304は複数並設され、それぞれ独立してピンチローラーホルダ305に後退可能に支持されている。このような構成により、シートPの幅が短い時や、シートPが斜行した時により少ない力でかつ正確にピンチローラー304が後退するため、シートPの後端がピンチローラーから抜ける際の画像位置ずれをより小さくすることができる。
【0034】
(第2実施形態)
第2実施形態を説明する。図10に第2実施形態に関わる記録装置の搬送部の断面図を示す。第1実施形態では、ピンチローラー304の回転軸部304aを支持するピンチローラーホルダ305の穴部305bが、搬送ローラーと同芯となるような円弧状の長穴としたが、これに限定されるものでなく、図10に示す穴部305dのように直線状の溝でも良い。シートPの蹴り出しが発生するより早く、シートPを静止させたままピンチローラー304が後退し、かつ通常搬送時に所定位置に復帰すれば良い。
【0035】
図10ではピンチローラーホルダ305の穴部305dは搬送方向とθの角度を有する直線状の溝である。θを大きくするほど、シートPの後端がピンチローラーの狭持部を抜ける際に、より微小な反力でピンチローラーが後退するため、蹴り出しの画像ずれに対する効果は高まる。その反面、後退したピンチローラーの所定位置への復帰が困難となる。
【0036】
第2実施形態は、この場合の復帰方法として、搬送ローラーを正転させるだけでなく、給送部から給送されたシートPがピンチローラー304を押し込む力や、シートPが搬送ローラー302とピンチローラー304との間に噛み込む際の反力によってピンチローラー304を搬送方向下流側(図4矢印B方向)に移動させ所定位置への復帰させる。この様な構成により、ピンチローラー後退抵抗力がほぼ0になるまでθの角度を大きくすることができるため、蹴り出しの画像ずれに対する効果の向上が図れる。
【0037】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図11に第3実施形態に関わる記録装置の搬送部の断面図を示す。第1実施形態ではピンチローラー304をピンチローラーホルダ305によって回転可能かつスライド移動可能に支持したが、これに限定されるものでなく、図11の第3実施形態のようにピンチローラー304をピンチローラーホルダ305に回転可能に支持し、ピンチローラーホルダ305を搬送ローラー302に対しスライド移動可能に支持しても良い。
【0038】
詳しくは、ピンチローラー304は両端に細い回転軸部304aを有し、両端の回転軸部304aをピンチローラーホルダ305の穴部305eによって支持される。穴部305eはピンチローラー回転軸部304aと嵌合する円形であり、ピンチローラー304を回転のみ可能に支持する。ピンチローラーホルダ305は回転軸部305aを有し、シャーシ101に固設されたピンチローラーホルダ受け103の穴部103aによって支持される。
【0039】
ピンチローラーホルダ受け穴部103aは搬送方向に延びた長穴であり、ピンチローラーホルダ305を回転可能かつスライド移動可能に支持する。ピンチローラーホルダ受け103にはピンチローラーバネ306が掛けられており、ピンチローラーバネ306の一方の端部は搬送方向に曲げられ、その搬送方向に延びた部分がピンチローラーホルダ305の突起部305cに当接し、これによりピンチローラー304が搬送ローラー302に付勢されるとともに、微小な力でピンチローラー304が前進/後退可能となっている。
【0040】
このような構成により、搬送ローラー302の正転に伴いピンチローラー304が従動回転し、その際に発生する転がり摩擦力でピンチローラー304はピンチローラーホルダ305と共に搬送方向下流側に移動し、ピンチローラーホルダ回転軸部305aがピンチローラーホルダ受け穴部103aの端部に突き当たる。この時のピンチローラー304の位置は、搬送ローラー302の真上の所定位置であり、かつ搬送ローラー302と平行である。次いで第1実施形態と同様にシートPを給送・搬送・画像形成を行ない、シートPの後端部が搬送ローラー302とピンチローラー304との挟持部からさらに搬送されると、シートPに蹴り出し力が発生し、同時にその反力がピンチローラー304に作用するため、ピンチローラー304がピンチローラーホルダ305と共に後退する。その結果、シートPの後端がピンチローラーから抜ける際の蹴り出し量は、ほぼ0となり、シートPの後端部が搬送ローラー302とピンチローラー304との挟持部を抜けた後は、搬送部の代わりに前述の排出部によりシートPが搬送され、シートPの後端まで画像形成を行う。以上のように第3実施形態によれば、簡単な構成で確実に第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0041】
(他の実施形態)
前述した実施形態においては、記録手段としてインクジェット記録方式を用いたが、記録信号に応じて電気熱変換体に通電し、前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより、インクに生ずる膜沸騰を利用してインクに生ずる気泡の成長,収縮により、インクを吐出口より吐出して記録を行うように構成すると更に好ましい。更に、記録装置が記録出来る記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用出来る。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによって、その長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでも良い。
【0042】
次に、本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0043】
[実施態様1]
記録媒体を搬送する上流側搬送手段と、前記画像形成位置の下流側に配設され前記記録媒体を搬送する下流側搬送手段とを備え、前記上流側搬送手段が、駆動手段により回転する搬送ローラーと、前記記録媒体を搬送ローラーとの間に狭持し従動回転するピンチローラーと、前記ピンチローラーに搬送ローラーへの狭持圧を与える付勢手段とを有する記録装置において、
前記搬送ローラーの略搬送方向にスライド移動可能かつ回転可能に前記ピンチローラーを支持し、
前記搬送ローラーと前記ピンチローラーとの狭持部を前記記録媒体の後端が抜ける際に、前記記録媒体からの反力で前記ピンチローラーが後退する構成であることを特徴とする記録装置。
【0044】
[実施態様2]
前記搬送ローラーが正転する際に前記ピンチローラーに生じる従動転がり摩擦力によって、前記ピンチローラーが搬送方向の下流側へ移動し所定位置に復帰すること特徴とする実施態様1の記録装置。
【0045】
[実施態様3]
前記記録媒体が給送手段により前記搬送ローラーと前記ピンチローラーの狭持部に給送される際の給送力が、前記記録媒体を介して前記ピンチローラーに作用することにより、前記ピンチローラーが搬送方向の下流側へ移動し所定位置に復帰すること特徴とする実施態様1又は2に記載の記録装置。
【0046】
[実施態様4]
前記記録媒体が給送手段により前記搬送ローラーと前記ピンチローラーの狭持部に給送され、前記記録媒体が狭持部に噛み込む際の反力によって、前記ピンチローラーが搬送方向の下流側へ移動し所定位置に復帰すること特徴とする実施態様1乃至3のいずれかに記載の記録装置。
【0047】
[実施態様5]
複数の前記ピンチローラーをそれぞれ独立して後退可能に支持・並設したこと特徴とする実施態様1乃至4のいずれかに記載の記録装置。
【0048】
[実施態様6]
前記搬送ローラーの略搬送方向にスライド移動可能かつ回転可能に前記ピンチローラーを支持する支持部を備えたピンチローラーホルダと、
前記支持部が狭持方向に移動可能に前記ピンチローラーホルダを支持する筐体と、
を設けたことを特徴とする実施態様1乃至5のいずれかに記載の記録装置。
【0049】
[実施態様7]
前記ピンチローラーを回動可能に支持する支持部を備えたピンチローラーホルダと、
前記支持部が狭持方向に移動可能、かつ前記ピンチローラーが前記搬送ローラーの略搬送方向にスライド移動可能に前記ピンチローラーホルダを支持する筐体と、
を設けたことを特徴とする実施態様1乃至6のいずれかに記載の記録装置。
【0050】
[実施態様8]
前記搬送ローラーの半径をR、前記ピンチローラーの半径をr、前記記録媒体の厚みをtとした時、
前記ピンチローラーが後退する量xを、
x=(0.2〜1)×[r^2−{(2rR−t^2−2Rt)/2/(R+t)}^2]^0.5、
程度に設定したことを特徴とする実施態様1乃至7のいずれかに記載の記録装置。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、搬送ローラーとピンチローラーとの狭持部を記録媒体の後端が抜ける際に、前記記録媒体からの反力で前記ピンチローラーが後退する構成であるため、負荷トルクを必要以上に上げずに、搬送速度の低下を伴うこと無く、前記記録媒体の後端が前記ピンチローラーから抜ける際の画像位置ずれを小さくすることができる。このため、搬送速度の低下や搬送精度の低下を伴うこと無く、シートの後端がピンチローラーから抜ける際のシート上での画像位置ずれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のインクジェット記録装置の全体構成を示す斜視図。
【図2】記録装置の全体構成を示す断面図。
【図3】記録装置の搬送部及び排出部近傍を装置上方より見た模式図。
【図4】第1実施形態に関わる記録装置の搬送部を示す断面図。
【図5】第1実施形態に関わる記録装置の搬送部を示す断面図。
【図6】第1実施形態に関わる記録装置の搬送部を示す断面図。
【図7】搬送ローラーとピンチローラーの挟持部を示す模式断面図。
【図8】シートPの後端部が搬送ローラーとピンチローラーとの挟持部を抜ける際のシートPに作用する力を示すグラフ。
【図9】第1実施形態に関わる記録装置の搬送部を示す断面図。
【図10】第2実施形態に関わる記録装置の搬送部の断面図。
【図11】第3実施形態に関わる記録装置の搬送部の断面図。
【図12】従来のインクジェット方式の記録装置の構成断面図。
【図13】ピンチローラーの付勢力によってシートが蹴り出される場合に作用する力を示す図。
【符号の説明】
P …シート、
101 …シャーシ、102 …電気基板、
103 …ピンチローラーホルダ受け、103a …穴部、201 …給送部、
202 …圧板、203 …給送回転体、204 …ベース、205 …可動サイドガイド、
301 …搬送部、302 …搬送ローラー、303 …プラテン、
304 …ピンチローラー、304a …回転軸部、305 …ピンチローラーホルダ、
305a …回転軸部、305b …穴部、305c …突起部、305d …穴部、
305e …穴部、306 …ピンチローラーバネ、307 …紙端レバー、
308 …紙端センサー、309 …モータ、310 …駆動出力ギヤ、
401 …記録部、402 …記録ヘッド、403 …キャリッジ部、404 …キャリッジ、
405 …ガイド軸、406 …ガイドレール、407 …キャリッジモーター、
408 …タイミングベルト、409 …アイドルプーリ、410 …FFCケーブル、
501 …排出部、502 …排出ローラー、503 …排出ローラー、504 …拍車、
505 …拍車、506 …排出トレイ、509 …拍車ベース、
601 …クリーニング部、602 …キャップ、603 …駆動切換アーム、
Claims (1)
- 記録媒体を搬送する上流側搬送手段と、前記画像形成位置の下流側に配設され前記記録媒体を搬送する下流側搬送手段とを備え、前記上流側搬送手段が、駆動手段により回転する搬送ローラーと、前記記録媒体を搬送ローラーとの間に狭持し従動回転するピンチローラーと、前記ピンチローラーに搬送ローラーへの狭持圧を与える付勢手段とを有する記録装置において、
前記搬送ローラーの略搬送方向にスライド移動可能かつ回転可能に前記ピンチローラーを支持し、
前記搬送ローラーと前記ピンチローラーとの狭持部を前記記録媒体の後端が抜ける際に、前記記録媒体からの反力で前記ピンチローラーが後退する構成であることを特徴とする記録装置。
Priority Applications (1)
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JP2002333535A JP2004168451A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | 記録装置 |
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-
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- 2002-11-18 JP JP2002333535A patent/JP2004168451A/ja active Pending
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