JP2004168258A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本車両用操舵装置のSBW_ECU では、ステップS101により、イグニッションスイッチのオフ状態を検出しオフ通知を出力し、ステップS105により、ABS_ECU から車速情報を取得し車速が時速ゼロ(0km/h)であることを検出し車速ゼロ情報を出力する。そして、ステップS113により、イグニッションスイッチのオフ通知の出力がある場合(S103でYes)、および、当該車両の車速が時速ゼロである場合(S107でYes)には、バッテリによるABS_ECU への駆動電力の供給を中止する。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリングホイールの操作状態および車両速度に基づいて電動モータの助けを受けてまたは電動モータにより操舵輪を制御する車両用操舵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ステアリングホイールの操作状態および車両速度に基づいて電動モータの助けを受けてまたは電動モータにより操舵輪を制御する車両用操舵装置として、例えば、特許文献1に開示される「操舵装置および操舵トルク制御方法」のように、車速センサにより検出された車速に応じて操舵をアシストする目標トルクのゲインマップを設定するものや、特許文献2に開示される「車両の操舵制御装置」のように、車速センサにより検出された車速により車両の停止状態が検出され、かつエンジンの停止状態が検出されたときには操舵制御を停止するもの等が提案されている。
【0003】
なお、特許文献1に開示されるものは、ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基づいて操舵力を補うアシスト力を発生させる電動モータを備えた、いわゆる電気式動力舵取装置(以下「EPSシステム」という。)の一例であり、また特許文献2に開示されるものは、ステアリングホイールと操舵輪の操舵機構とを機械的に接続するリンク機構を設けることなく、ステアリングホイールの操作状態に基づいて操舵輪の目標実舵角を決定し、この決定された目標実舵角に操舵輪を制御する、いわゆるステアバイワイヤシステム(以下「SBWシステム」という。)の一例である。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−104222号公報(第1頁〜第5頁、図2)
【特許文献2】
特開平7−40849号公報(第1頁〜第9頁、図20)
【0005】
ところで、このような車両用操舵装置を含む車両制御システムのネットワーク化が進展している今日においては、車速センサにより検出された車速信号を、EPSシステムやSBWシステムが車速センサから直接、受け取る構成を採るとは限らず、車内ネットワークを経由して他の制御システムから車速情報を取得している場合がある。
【0006】
そして、このような構成を採る車両用操舵装置では、例えば、運転者等によりイグニッションスイッチがオンからオフに切り換えられた場合には、一般にはエンジンが停止、つまり車両が駐停車していることを前提に車両制御システムが構成されているため、イグニッションスイッチのオフ後は、車速情報を生成する当該他のシステム等を含めてシステム全体に供給される駆動電力が切断される構成が通常は採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように他のシステムから車速情報を取得するような構成を採る車両用操舵装置によると、イグニッションスイッチのオフ後は当該他のシステムに供給される駆動電力も切断されるため、当該車両用操舵装置は当該他のシステムから車速情報を取得することができない。そのため、EPSシステムにおいては車速に応じたアシストトルクを設定することが困難になり、またSBWシステムにおいてはエンジンの停止と車速により車両が駐停車していることを確認したうえでSBWシステムによる操舵制御を停止することが困難になるという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、走行中にイグニッションスイッチがオフされても車速に基づく操舵制御を可能にし得る車両用操舵装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の作用・効果】
上記目的を達成するため、請求項1の車両用操舵装置では、車速を検出する車速検出手段より検出信号を取得して車速に関する車速情報を生成する制御装置から、該車速情報を取得する車両用操舵装置であって、ステアリングホイールの操作状態および前記車速情報に基づいて電動モータの助けを受けてまたは電動モータにより操舵輪を制御する操舵制御系と、前記操舵制御系および前記制御装置に駆動電力を供給する駆動電源と、イグニッションスイッチのオフ状態を検出しイグニッションオフ情報を出力するイグニッションオフ検出手段と、前記制御装置から取得した前記車速情報に基づいて車速がゼロであることを検出し車速ゼロ情報を出力する車速ゼロ検出手段と、前記イグニッションオフ情報の出力および前記車速ゼロ情報の出力がある場合には、前記駆動電源による前記制御装置への駆動電力の供給を中止する駆動電力供給中止手段と、を備えることを技術的特徴とする。
【0010】
請求項1の発明では、イグニッションオフ検出手段により、イグニッションスイッチのオフ状態を検出しイグニッションオフ情報を出力し、車速ゼロ検出手段により、車速を検出する車速検出手段より検出信号を取得して車速に関する車速情報を生成する制御装置から取得した車速情報に基づいて車速がゼロであることを検出し車速ゼロ情報を出力する。そして、駆動電力供給中止手段により、イグニッションオフ情報の出力および車速ゼロ情報の出力がある場合には、駆動電源による当該制御装置への駆動電力の供給を中止する。これにより、イグニッションスイッチがオフ状態であっても、当該制御装置から取得した車速情報に基づいて車速がゼロであることを検出されない限り、駆動電源による制御装置への駆動電力の供給は中止されない。つまり、イグニッションスイッチの状態にかかわらず、車速がゼロでない場合には、車速情報を生成する制御装置に駆動電源から駆動電力が供給される。したがって、車両走行中においては車速がゼロではないことから、走行中にイグニッションスイッチがオンからオフに切り換えられても、駆動電源による当該制御装置への電力供給は確保され、当該制御装置から車速情報を取得できるので、走行中にイグニッションスイッチがオフされても車速に基づく操舵制御を可能することができる。
【0011】
また、請求項2の車両用操舵装置では、請求項1において、前記操舵制御系は、前記ステアリングホイールの操作状態に基づいて操舵輪の目標実舵角を決定し、この決定された目標実舵角に前記操舵輪を制御することを技術的特徴とする。
【0012】
請求項2の発明では、操舵制御系は、ステアリングホイールの操作状態に基づいて操舵輪の目標実舵角を決定し、この決定された目標実舵角に操舵輪を制御することから、SBWシステムにおいて、走行中にイグニッションスイッチがオンからオフに切り換えられても、駆動電源による当該制御装置への電力供給は確保され、当該制御装置から車速情報を取得することができる。したがって、走行中にイグニッションスイッチがオフされても車速に基づく操舵制御として、例えば車両が駐停車していることを確認したうえで操舵制御を停止することができる。
【0013】
さらに、上記目的を達成するため、請求項3の車両用操舵装置では、ステアリングホイールの操作状態および車速に基づいて電動モータの助けを受けてまたは電動モータにより操舵輪を制御する操舵制御系と、車速を検出する車速検出手段から検出信号を取得し、車速に関する車速情報を生成する車速情報生成手段と、前記操舵制御系および車速情報生成手段に駆動電力を供給する駆動電源と、イグニッションスイッチのオフ状態を検出しイグニッションオフ情報を出力するイグニッションオフ検出手段と、前記車速情報に基づいて車速がゼロであることを検出し車速ゼロ情報を出力する車速ゼロ検出手段と、前記イグニッションオフ情報の出力および前記車速ゼロ情報の出力がある場合には、前記駆動電源による前記車速情報生成手段への駆動電力の供給を中止する駆動電力供給中止手段と、を備えることを技術的特徴とする。
【0014】
請求項3の発明では、車速情報生成手段により、車速を検出する車速検出手段から検出信号を取得し車速に関する車速情報を生成し、イグニッションオフ検出手段により、イグニッションスイッチのオフ状態を検出しイグニッションオフ情報を出力し、車速ゼロ検出手段により、車速情報に基づいて車速がゼロであることを検出し車速ゼロ情報を出力する。そして、駆動電力供給中止手段により、イグニッションオフ情報の出力および車速ゼロ情報の出力がある場合には、駆動電源による車速情報生成手段への駆動電力の供給を中止する。これにより、イグニッションスイッチがオフ状態であっても、車速情報生成手段により生成する車速情報に基づいて車速がゼロであることを検出されない限り、駆動電源による車速情報生成手段への駆動電力の供給は中止されない。つまり、イグニッションスイッチの状態にかかわらず、車速がゼロでない場合には、駆動電源から車速情報生成手段に駆動電力が供給される。したがって、車両走行中においては車速がゼロではないことから、走行中にイグニッションスイッチがオンからオフに切り換えられても、駆動電源による車速情報生成手段への電力供給は確保され、当該車速情報生成手段から車速情報を取得できるので、走行中にイグニッションスイッチがオフされても車速に基づく操舵制御を可能することができる。
【0015】
さらにまた、請求項4の車両用操舵装置では、請求項3において、前記操舵制御系は、前記ステアリングホイールの操作状態に基づいて操舵輪の目標実舵角を決定し、この決定された目標実舵角に前記操舵輪を制御することを技術的特徴とする。
【0016】
請求項4の発明では、操舵制御系は、ステアリングホイールの操作状態に基づいて操舵輪の目標実舵角を決定し、この決定された目標実舵角に操舵輪を制御することから、SBWシステムにおいて、走行中にイグニッションスイッチがオンからオフに切り換えられても、駆動電源による当該車速情報生成手段への電力供給は確保され、当該車速情報生成手段から車速情報を取得することができる。したがって、走行中にイグニッションスイッチがオフされても車速に基づく操舵制御として、例えば車両が駐停車していることを確認したうえで操舵制御を停止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用操舵装置の実施形態について図を参照して説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態では、車両用操舵装置をSBWシステムに適用した例を図1〜図5に基づいて説明する。まず本第1実施形態に係る車両用操舵装置(以下「操舵装置」という。)20の構成を図1に基づいて説明する。
【0018】
図1に示すように、操舵装置20は、主に、ステアリングホイール21、操舵角センサ23a、23b、ステアリングアクチュエータ25、SBW_ECU 30、バッテリBatt_A、Batt_B等により構成されている、SBWシステムである。即ち、操舵装置20は、ステアリングホイール21と操舵輪FR、FLのステアリングアクチュエータ25とを機械的に接続するリンク機構を設けることなく、ステアリングホイール21の操作状態を操舵角センサ23により検出し、この操舵角センサ23から出力された操舵角θh に基づいて操舵輪FR、FLの目標実舵角をSBW_ECU 30により決定し、この決定された目標実舵角に操舵輪FR、FLをステアリングアクチュエータ25により制御するものである。
【0019】
ステアリングホイール21は、ステアリング軸22の一端側に連結されており、このステアリング軸22にはSBW_ECU 30に接続された2つの操舵角センサ23a、23bが取り付けられている。これにより、ステアリングホイール21の操作状態を操舵角センサ23a、23bによりそれぞれ検出し、ステアリングホイール21の操舵角θh をSBW_ECU 30にそれぞれ出力している。
【0020】
なお、このようにステアリング軸22に操舵角センサ23a、23bを2つ設けているのは、後述するように、SBW_ECU 30を構成する制御部を第1制御部30aと第2制御部30bとにより二重化したことに伴い、操舵角センサ23a、23bにより検出された操舵角θh を第1制御部30a、第2制御部30bにそれぞれ入力する二重化構成を操舵角センサについても採用しているからである。
【0021】
このステアリング軸22の他端側には、SBW_ECU 30に接続された反力モータ24が連結されている。この反力モータ24は、ステアリングホイール21を操作する運転者に対して、操舵感を与えるもので、後述するように、SBW_ECU 30により制御されている。
【0022】
ステアリングアクチュエータ25は、SBW_ECU 30に接続された2つの転舵モータ27a、27bを内蔵しており、この転舵モータ27a、27bの出力軸による回転運動を図略のボールねじ機構を介して両端に連結されたステアリングロッド26に伝達する。これにより、図略のタイロッドやナックルアームを介在させてステアリングロッド26に連結されている操舵輪FR、FLを転舵可能にしている。
【0023】
また、このステアリングアクチュエータ25には、転舵モータ27a、27bの回転角をそれぞれ検出し得る回転角センサ28a、28bも内蔵されており、これらの回転角センサ28a、28bはSBW_ECU 30に接続されている。これにより転舵モータ27a、27bの出力軸の回転量を検出することができるため、後述するようなフィードバック制御によって転舵モータ27a、27bの出力制御を可能にするとともに、転舵モータ27a、27bの回転を制御することにより目標実舵角に操舵輪FR、FLを制御可能にしている。
【0024】
SBW_ECU 30は、CPUを中心にROM、RAM等のメモリ装置、各種の入出力インタフェイスやモータ駆動回路等をそれぞれ2系統備えた制御装置で、後述するように各制御処理を実行することによって、転舵モータ27a、27bの駆動制御を司っている。なお、このSBW_ECU 30は、図2に示すように、当該車両の運動制御を行う他の制御装置であるABS_ECU 40やEFI_ECU 50と車内ネットワークを構成しているため、当該車内ネットワークを介してABS_ECU 40から車速に関する車速情報を取得することができる。また、ABS_ECU 40は、車速を検出する車輪速センサ33a、33b、33c、33dから車輪速信号(検出信号)を取得し、車速に関する車速情報を生成する車速情報生成処理40aを備えている。
【0025】
図1に示すように、バッテリBatt_A、Batt_Bは、それぞれ直流電圧12Vを発生可能な二次電池で、転舵モータ27a、転舵モータ27bをそれぞれ駆動するのに十分な充放電容量を備えたものである。後述するように、バッテリBatt_Aは、SBW_ECU 30の第1制御部30aに、またバッテリBatt_BはSBW_ECU 30の第2制御部30bに、それぞれ駆動電力等を供給可能に構成されている。
【0026】
このように本第1実施形態に係る操舵装置20においては、ステアリングホイール21による操舵角θh を検出する操舵角センサ23a、23bや、操舵輪FR、FLの実舵角を制御する転舵モータ27a、27b、回転角センサ28a、28b、第1制御部30a、第2制御部30bといった操舵制御系あるいはバッテリBatt_A、Batt_Bをそれぞれ2系統設けた二重化構成を採用している。これにより、主要な構成装置・構成部品に故障等が発生した場合の安全性を確保している。
【0027】
次に、SBW_ECU 30の周辺構成を図2および図3に基づいて説明する。
図2および図3に示すように、SBW_ECU 30には、電気的に並列接続されたIGSW_Aおよびリレー_Aを介して駆動電源としてのバッテリBatt_Aが接続され、同様に、電気的に並列接続されたIGSW_Bおよびリレー_Bを介してバッテリBatt_Bが接続されている。これにより、後述するように、SBW_ECU 30を構成する第1制御部30aには、IGSW_Aまたはリレー_Aのいずれか一方がオフ状態からオン状態に切り換えられることによってバッテリBatt_Aから駆動電力が供給される。また、SBW_ECU 30を構成する第2制御部30bにも、IGSW_Bまたはリレー_Bのいずれか一方がオフ状態からオン状態に切り換えられることによってバッテリBatt_Bから駆動電力が供給される。
【0028】
また、図2に示すように、IGSW_AとSBW_ECU 30との間には、バッテリBatt_AからABS_ECU 40やEFI_ECU 50に駆動電力を供給し得る電源ライン12V_C が接続されている。即ち、IGSW_Aまたはリレー_Aのいずれか一方がオフ状態からオン状態に切り換えられることによってバッテリBatt_AからSBW_ECU 30の第1制御部30aのみならずABS_ECU 40やEFI_ECU 50にも駆動電力が供給されるように電源ライン12V_C にABS_ECU 40およびEFI_ECU 50が接続されている。これにより、この電源ライン12V_C からABS_ECU 40およびEFI_ECU 50に供給される駆動電力は、IGSW_Aおよびリレー_Aのオンオフによって制御することができることとなる。
【0029】
さらに、SBW_ECU 30には、前述したように、ABS_ECU 40およびEFI_ECU 50がネットワーク接続されているので、当該ネットワークを介して車速に関する車速情報を取得することができる。この車速情報は、ABS_ECU 40により生成されるもので、操舵輪FR、FL、従動輪RR、RLの車輪速を検出可能な車輪速センサ33a、33b、33c、33dから送られてくる車輪速信号に基づいて、例えば、各車輪速の平均値を算出する演算処理により求められる。そして、このようにして生成された車速情報は、当該ネットワークを経由してABS_ECU 40からSBW_ECU 30やEFI_ECU 50に適宜、送信される。これにより、SBW_ECU 30、EFI_ECU 50では、当該ネットワークを介してデータ受信することによって、ABS_ECU 40により生成された車速情報を得ることができる。
【0030】
続いて二重化されたSBW_ECU 30の回路構成について図3を参照し説明する。
図3に示すように、SBW_ECU 30は、両者ほぼ同一に構成された第1制御部30aおよび第2制御部30bを備えている二重化冗長構成を採用している。そのため、ここでは第1制御部30aの構成を代表して説明する。
【0031】
第1制御部30aは、主に、中央演算処理装置A(以下「CPU_A 」という。)、メモリ装置A(以下「MEM_A 」という。)、モータ駆動回路A(以下「DRV_A 」という。)、5V電源回路A(以下「5V電源_A」という。)等から構成されている。
【0032】
CPU_A は、図3に示す機能ブロックによる各処理を制御する中央演算処理装置で、システムバスを介してMEM_A や図略の入出力インタフェイス等と接続されている。そのため、当該CPU_A は、後述するように、入出力インタフェイス等に接続され、バッテリBatt_A等の出力電圧を監視する電源電圧監視回路から入力されるバッテリ電圧等に関する情報を取得している。
【0033】
また、CPU_A は、入出力インタフェイスを介してDRV_A にモータ駆動電流を制御するPWM制御信号を送出したり、さらに後述するように出力ポートに接続されてリレーのオンオフ制御を担うリレー駆動回路にリレー制御信号を送出したりする。なお、このCPU_A には、後述するように、バッテリBatt_Aから5V電源_Aを介して直流電圧5Vを供給可能な電源ライン5V_A が接続されている。
【0034】
MEM_A は、システムバスに接続されている記憶装置であり、CPU_A が使用する主記憶空間を構成するものである。このMEM_A は、RAMやROMにより構成されており、システムプログラムをはじめとして、図5に示す駆動電源切断処理のプログラムや図4に示す機能ブロックによる各処理を実現する各種制御プログラム等が予め格納されている。
【0035】
DRV_A は、転舵モータ27aに供給する駆動電流を制御するモータ駆動回路で、PWM制御によるスイッチング動作により転舵モータ27aに流れる駆動電流を制御可能に、電力用半導体スイッチング素子を中心に構成されている。なお、このDRV_A には、後述するように、バッテリBatt_Aから所定のリレーを介して直流電圧12Vを供給可能な電源ライン12V_A が接続されている。
【0036】
5V電源_Aは、バッテリBatt_Aから供給される直流電圧12Vを降圧し、CPU_A を駆動可能な安定化された直流電圧5Vを供給可能に構成されるもので、例えば、5V用電源IC(いわゆる3端子レギュレータ)により構成されている。そのため、この5V電源_Aの入力端子は、イグニッションスイッチ_A(以下「IGSW_A」という。)およびダイオードD_A1 を介してバッテリBatt_Aに接続されている。なお、ダイオードD_A1 、D_A2 は、電源ライン12V_A からバッテリBatt_Aに電流が流れ込むことを防ぐ逆電流防止のために設けられている。
【0037】
一方、5V電源_Aの出力端子は、電源ライン5V_Aに接続されており、CPU_A やMEM_A 等に直流電圧5Vを供給可能に構成されている。なお、5V電源_Aのアース端子は、バッテリBatt_AあるいはCPU_A 、MEM_A 等の基準電位をとる端子に接続されている。
【0038】
なお、この5V電源_Aに接続されるダイオードD_A1 のアノード端子は、電源電圧監視回路_A1 (以下「電圧監視_A1 」という)の入力端子に接続されている。この電圧監視_A1 は、例えば電源監視用ICにより構成されており、入力電圧の有無により、IGSW_Aがオン状態(入力電圧がある場合)にあるかオフ状態(入力電圧がない場合)にあるかを判定するために設けられている。そのため、この電圧監視_A1 の出力端子は、CPU_A の入力ポートに接続されており、入力電圧の有無に関する情報をCPU_A に出力しIGSW_Aのオン/オフを通知している。なお、電圧監視_A1 は、特許請求の範囲に記載の「イグニッションオフ検出手段」に相当するものである。
【0039】
第1制御部30aは、このほかにリレー駆動回路_A(以下「リレー駆動_A」という。)を備えいる。このリレー駆動_Aは、半導体スイッチング素子等を中心に構成されているもので、CPU_A から出力されるリレー制御信号により、SBW_ECU 30の外部に設けられたリレー_Aのオンオフ制御を行い得るものである。なお、リレー_Aは、バッテリBatt_Aと電源ライン12V_A との間に介在した電磁スイッチ回路であり、リレー駆動_Aによってリレー駆動電流が供給されることで励磁されてバッテリBatt_Aと電源ライン12V_A とを電気的に接続する。これにより、当該電源ライン12V_A には、バッテリBatt_Aによる直流電圧12Vが供給される。
【0040】
また、電源ライン12V_A には、電源電圧監視回路_A2 (以下「電圧監視_A2 」という)の入力端子が接続されている。この電圧監視_A2 は、電源ライン12V_A に所定範囲の直流電圧(例えば11V以上13V以下)が供給されているか否かを監視するために設けられているもので、例えば電源監視用ICにより構成されている。そのため、この電圧監視_A2 の出力端子も、前述の電圧監視_A1 と同様、CPU_A の入力ポートに接続されており、バッテリ電圧に関する情報をCPU_A に出力し電源ライン12V_A の電圧の正常/異常を通知している。
【0041】
さらに、この電源ライン12V_A には、車内ネットワークを介して当該車両に関する各種情報を交換可能なABS_ECU 40、EFI_ECU 50等にバッテリBatt_Aからの駆動電力を供給可能な電源ライン12V_C が接続されている。これにより、ABS_ECU 40、EFI_ECU 50等にはバッテリBatt_Aとの間に介在する、並列に接続されたIGSW_Aおよびリレー_Aによって、いずれか一方のオンによりバッテリBatt_Aからの電力供給を可能にすることができ、また両方のオフによりバッテリBatt_Aからの電力供給を切断することができる。
【0042】
このように構成されている第1制御部30aと同様、第2制御部30bも構成されている。
即ち、第2制御部30bも、主に、中央演算処理装置B(以下「CPU_B 」という。)、メモリ装置B(以下「MEM_B 」という。)、モータ駆動回路B(以下「DRV_B 」という。)、5V電源回路B(以下「5V電源_B」という。)等から構成され、イグニッションスイッチ_B(以下「IGSW_B」という。)を介して接続されIGSW_Bのオンオフ状態を監視する電源電圧監視回路_B1 (以下「電圧監視_B1 」という)や、リレー_Bに接続される電源ライン12V_B の直流電圧12Vを監視する電源電圧監視回路_B2 (以下「電圧監視_B2 」という)あるいはSBW_ECU 30の外部に設けられているリレー_Bをオンオフ制御するリレー駆動回路_B(以下「リレー駆動_B」という。)を備えている。なおダイオードD_B1 、D_B2 も、第1制御部30aのダイオードD_A1 、D_A2 と同様、電源ライン12V_B からバッテリBatt_Bに電流が流れ込むことを防ぐ逆電流防止のために設けられている。また、電圧監視_B1 は、特許請求の範囲に記載の「イグニッションオフ検出手段」に相当するものである。なお、第1制御部30aに接続されるIGSW_Aと第2制御部30bに接続されるIGSW_Bとはオンオフ動作が連動している。そのため、IGSW_Aがオン状態にあるときには、IGSW_Bもオン状態にあり、IGSW_Aがオフ状態にあるときには、IGSW_Bもオフ状態にある。
【0043】
このようにリレー_Aを介して第1制御部30aとバッテリBatt_Aとを、またリレー_Bを介して第2制御部30bとバッテリBatt_Bとを、それぞれ接続可能に構成している。これにより、一方のバッテリBatt_A(またはバッテリBatt_B)に障害が発生して第1制御部30a(または第2制御部30b)により転舵モータ27a(または転舵モータ27b)からステアリングアクチュエータ25を制御する駆動力が得られなくなっても、他方のバッテリBatt_B(またはバッテリBatt_A)から供給される駆動電力によって第2制御部30b(または第1制御部30a)により制御される転舵モータ27b(または転舵モータ27a)から駆動力が得られるため、ステアリングアクチュエータ25を駆動制御することができる。
【0044】
続いて、SBW_ECU 30により制御される操舵装置20の基本機能を、図4に示す機能ブロックを参照して説明する。なおここでは、SBW_ECU 30を構成する第1制御部30aが主要な制御処理を行い、第2制御部30bは特定の制御処理だけを行う構成を処理形態を採るが、以下説明する各処理は第1制御部30aおよび第2制御部30bのいずれが行っても良く、また両者が同一の処理を行い処理結果を照合し合うデュアルシステム構成を採用しても良い。
【0045】
図4に示すように、操舵角センサ23aにより検出されたステアリングホイール21の操舵角θh 、つまり位置指令がSBW_ECU 30の第1制御部30aに入力されると、第1制御部30aによる位置制御処理30a1により、当該操舵角θh に応じた目標操舵角に操舵輪FR、FLを転舵制御可能なステアリングロッド26の位置を求める演算が行われる。
【0046】
位置制御処理30a1による位置演算が行われると、次に第1制御部30aによるトルク分配処理30a2により、2つの転舵モータ27a、27bによって発生させるトルクを決定するトルク分配演算が行われる。即ち、操舵装置20では、操舵輪FR、FLを制御する操舵制御系として2つの転舵モータ27a、27bによる二重化構成を採っているため、それぞれの転舵モータ27a、27bにより発生させるトルクに対応する電流指令値を、このトルク分配処理30a2によって算出する処理が行われる。
【0047】
第1制御部30aによる電流制御処理30a3では、トルク分配処理30a2により得られた電流指令値に対するモータ駆動電流を転舵モータ27aに供給し得るように図略のPWM回路等を制御する。そのため、転舵モータ27aに供給されるモータ駆動電流は、電流センサ35aにより検出される検出電流として第1制御部30aによる電流制御処理30a3にフィードバック入力され、また転舵モータ27aの回転角は、回転角センサ28aにより検出される検出位置(検出回転角)として位置制御処理30a1および電流制御処理30a3にフィードバック入力される。
【0048】
一方、転舵モータ27bは、もう一つの第2制御部30bにより制御される。即ち、第1制御部30aによるトルク分配処理30a2により得られた電流指令値に対するモータ駆動電流を転舵モータ27bに供給し得るように、第2制御部30bにより図略のPWM回路等を制御する。そのため、転舵モータ27bに供給されるモータ駆動電流が、電流センサ35bによる検出される検出電流として第2制御部30bによる電流制御処理30b1にフィードバック入力され、また転舵モータ27bの回転角も回転角センサ28bにより検出される検出回転角として電流制御処理30b1にフィードバック入力される。
【0049】
これにより、転舵モータ27a、27bには、第1制御部30aによるトルク分配処理30a2により分配された指令トルクをそれぞれ発生させることができるため、当該トルクによりステアリングアクチュエータ25のステアリングロッド26をステアリングホイール21の操舵角θh に応じた位置に制御でき、図略のタイロッドやナックルアームを介して操舵輪FR、FLを目標操舵角に転舵することが可能となる。
【0050】
ここで、電流センサ35bにより検出される検出電流と、回転角センサ28bにより検出される検出回転角とは、第1制御部30aによる反力推定処理30a4にも入力される。これにより、ステアリングホイール21の他端側に連結された反力モータ24に発生させるべき反力を演算している。即ち、ステアリングホイール21を操作する運転者に対して、適当な操舵感を与えるために必要となる、操舵回転方向とは逆回転方向にステアリングホイール21を回転させる回転力(反力)を、第1制御部30aによる反力推定処理30a4により演算している。
【0051】
反力推定処理30a4により反力が演算されると、反力モータ24により発生させる反力に対応する電流指令値を、第1制御部30aによる反力特性マップ30a5により求める処理が行われ、これにより求められた電流指令値に対するモータ駆動電流を反力モータ24に供給し得るように、第1制御部30aによる電流制御処理30a6により図略のPWM回路等を制御する。なお、この第1制御部30aによる電流制御処理30a6にも、反力モータ24に供給されるモータ駆動電流が電流センサ36による検出される検出電流としてフィードバック入力される。これにより、反力モータ24には、ステアリングアクチュエータ25のステアリングロッド26の位置に応じた反力を発生させ得るため、ステアリングホイール21を操作する運転者に適当な操舵感を与えることが可能となる。
【0052】
なお、第1制御部30aに障害等が発生し、第1制御部30aによる各制御処理が不能な場合には、第1制御部30aに代わって第2制御部30bが、上述した位置制御処理30a1、トルク分配処理30a2、反力推定処理30a4、反力特性マップ30a5および電流制御処理30a6の各処理を行う。これにより、第1制御部30aにより駆動制御されるべき転舵モータ27aは駆動力を発生させることができなくても、第2制御部30bにより駆動制御される転舵モータ27bにより駆動力を発生させることができるので、トルク分配処理30a2により分配された指令トルクを転舵モータ27bにより発生させ、ステアリングアクチュエータ25等を介して操舵輪FR、FLを転舵させることができる。
【0053】
このように操舵装置20では、SBW_ECU 30を構成する第1制御部30aおよび第2制御部30bによる各種制御処理が実行されることによって、ステアリングホイール21、操舵角センサ23a、23b、ステアリングアクチュエータ25等から構成されるSBWシステムによる操舵制御が行われるのであるが、当該操舵制御は、車両が走行している間においては、たとえIGSW_A、IGSW_Bがオフされても、中止することなく継続されなければならない。そのため、本第1実施形態に係る操舵装置20においては、次に説明する駆動電源切断処理(図5参照)を第1制御部30aにより実行している。なお、この駆動電源切断処理は、前述した第1制御部30aのCPU_A によって行われるもので、例えば5ミリ秒ごとの割込処理の中で行われる。
【0054】
図5に示す駆動電源切断処理では、所定の初期化処理の後、ステップS101によりIGSW_Aのオンオフ情報を取得する処理を行う。即ち、電圧監視_A1 から入力されるIGSW_Aのオン/オフ通知に基づいて、IGSW_Aのオンオフ情報を得る処理が行われる。例えば、IGSW_Aのオン/オフ通知が「1」(オン通知)のときにはIGSW_Aのオン状態であること、また「0」(オフ通知)のときにはIGSW_Aのオフ状態であること、を把握する。なお、当該オフ通知は、特許請求の範囲に記載の「イグニッションオフ情報」に相当する。
【0055】
次のステップS103では、ステップS101により取得されたIGSW_Aのオン/オフ状態から、IGSW_Aはオフ状態であるか否かの判断処理を行う。即ち、IGSW_Aのオン/オフ状態に基づいて、IGSW_Aがオフ状態にある場合には(S103でYes)、続くステップS105に処理を移行して一連の本駆動電源切断処理を継続し、IGSW_Aがオン状態にある場合には(S103でNo)、操舵装置20による操舵制御を継続する必要があるので、SBW_ECU 30、ABS_ECU 40およびEFI_ECU 50をバッテリBatt_Aから電気的に切り離すことなく、ステップS115により所定のカウンタをゼロクリアした後、一連の本駆動電源切断処理を終了する。
【0056】
ステップS105では、ABS_ECU 40から車速情報を取得する処理が行われる。即ち、前述したように、SBW_ECU 30に車内ネットワークを介して接続されたABS_ECU 40では、車速センサ33a等から取得された車輪速信号に基づいて車速情報を生成しているので、当該ネットワークを経由して、ABS_ECU 40から生成された車速情報を取得する。なお、当該ステップS105により取得された車速情報が時速ゼロ(0km/h)に相当する場合には、当該時速ゼロである車速情報は、特許請求の範囲に記載の「車速ゼロ情報」に相当する。
【0057】
続くステップS107では、当該車両の車速はゼロであるか否かを判断する処理が行われる。即ち、車速が時速ゼロ(0km/h)である場合には(S107でYes)、当該車両は走行していないことになるので、駐停車されている可能性が高い。そのため、次のステップS109に処理を移行する。一方、当該車両の車速が時速ゼロ(0km/h)でない場合には(S107でNo)、当該車両は走行していることになるので、駐停車されていないことになる。したがって、IGSW_Aがオフ状態であっても、操舵装置20による操舵制御を継続する必要があるため、SBW_ECU 30、ABS_ECU 40およびEFI_ECU 50をバッテリBatt_Aから電気的に切り離すことなく、ステップS115により所定のカウンタをゼロクリアした後、一連の本駆動電源切断処理を終了する。これにより、IGSW_Aがオフに切り換えられた場合でも、SBW_ECU 30はABS_ECU 40から車速情報を得られる。
【0058】
ステップS107により当該車両の車速が時速ゼロ(0km/h)であると判断されると、ステップS109により、所定のカウンタを加算、つまりカウントアップする処理が行われる。この所定のカウンタは、上述したように、(1) ステップS103によるIGSW_Aのオフ(S103でYes)、および、(2) ステップS107による当該車両の車速が時速ゼロ(S107でYes)の2条件を充足する期間を計時するもので、このステップS109より当該カウンタの値が1づつ加算される。
【0059】
なお、この所定のカウンタは、ステップS115によりゼロクリア、つまり値がゼロに設定される。そのため、上記(1) 、(2) の2条件のいずれかを充足しない場合(S103でNoまたはS107でNo)には、当該カウンタの値はゼロに設定され、それまでの計時データは破棄される。
【0060】
ステップS111では、所定のカウンタによる継続計時時間が一定時間(例えば1秒間)を経過したか否かの判断処理が行われる。即ち、上記(1) 、(2) の2条件を充足する期間が、予め設定されている期間(例えば1秒間)を超えているか否かを判断することにより、当該期間が経過した後でなければ(S111でYes)、次のステップS113によるリレー切換信号が出力されない。これにより、例えば、誤検出により、上記(1) 、(2) の2条件を充足する場合が生じても、その継続期間が当該期間内である場合には、次のステップS113に処理が移行することがないため、当該誤検出に基づいたバッテリBatt_Aによる電力供給の中止を防止することができる。
【0061】
ステップS111により、所定のカウンタによる継続計時時間が一定時間を経過したと判断された場合には(S111でYes)、ステップS113によりリレー駆動_Aにリレー切換信号を出力する処理が行われる。
即ち、上記(1) 、(2) の2条件を充足する期間が予め設定されている期間を超えているとステップS111により判断された場合には(S111でYes)、当該車両は走行していない(つまり駐停車している)と判断され、かつ、当該車両のエンジンも停止していると判断される。そのため、SBW_ECU 30の第1制御部30aもバッテリBatt_Aから電気的に切り離されるべきであるから、リレー_Aをオフ制御するリレー切換信号をCPU_A からリレー駆動_Aに対し出力させる制御が、ステップS113により行われる。これにより図2および図3に示すように、IGSW_Aがオフ状態にあり、かつリレー_Aもオフ状態にある場合には、バッテリBatt_Aから第1制御部30a、ABS_ECU 40およびEFI_ECU 50に対して電力供給がなされないため、転舵モータ27a、ABS_ECU 40およびEFI_ECU 50に対する駆動電力の供給を切断することができる。
【0062】
以上説明したように、本第1実施形態に係る操舵装置20によると、SBW_ECU 30の第1制御部30aでは、ステップS101(電圧監視_A1 )により、IGSW_Aのオフ状態を検出しオフ通知を出力し、ステップS105により、ABS_ECU 40から車速情報を取得し車速が時速ゼロ(0km/h)であることを検出し車速ゼロ情報を出力する。そして、ステップS113(リレー駆動_A)により、IGSW_Aのオフ通知の出力がある場合(S103でYes)、および、当該車両の車速が時速ゼロ(0km/h)である場合(S107でYes)には、バッテリBatt_AによるABS_ECU 40への駆動電力の供給を中止する。これにより、IGSW_Aがオフ状態であっても、ABS_ECU 40から取得した車速情報に基づいて車速がゼロであることを検出されない限り、バッテリBatt_AによるABS_ECU 40への駆動電力の供給は中止されない。つまり、IGSW_Aの状態にかかわらず、車速がゼロでない場合には、車速情報を生成するABS_ECU 40にバッテリBatt_Aから駆動電力が供給される、というABS_ECU 40、EFI_ECU 50等の他の制御装置に供給される駆動電力のオンオフ管理をSBW_ECU 30の第1制御部30aが行う。したがって、車両走行中においては車速がゼロではないことから、走行中にIGSW_Aがオンからオフに切り換えられても、バッテリBatt_AによるABS_ECU 40への電力供給は確保され、ABS_ECU 40から車速情報を取得できるので、走行中にIGSW_Aがオフされても車速に基づく操舵制御を可能することができる。
【0063】
[第2実施形態]
第2実施形態では、車両用操舵装置をSBWシステムに適用した例を図6〜図9に基づいて説明する。なお、本第2実施形態に係る操舵装置20’は、他の制御装置(ABS_ECU 40、EFI_ECU 50等)から車速情報を取得するのではなく、操舵装置20’のSBW_ECU 30’が車輪速センサ33a等から取得された車輪速信号に基づいて車速情報を生成すること、および、当該SBW_ECU 30’は当該他の制御装置に供給される駆動電力のオンオフ管理までは行わないことが、第1実施形態の操舵装置20と異なる点である。そのため、第1実施形態の操舵装置20およびSBW_ECU 30と実質的に同一の構成部分については同一符号を付し、それらの説明を省略する。
【0064】
図6に示すように、操舵装置20’は、操舵輪FR、FL、従動輪RR、RLの車輪速を検出する車輪速センサ33a、33b、33c、33dから車輪速信号(検出信号)を取得し、車速に関する車速情報を生成する車速情報生成処理30cを備えている。この処理は、例えば、SBW_ECU 30のCPU_A により実行され、車輪速センサ33a、33b、33c、33dから得られる各車輪速の平均値を算出することにより車速情報を求める。そして、これにより求められた車速情報は、車内ネットワークにより接続されたABS_ECU 40やEFI_ECU 50に送信され、これらの他の制御装置によっても所定の処理に利用される。
【0065】
また、図7に示すように、このように車内ネットワークにより接続されたABS_ECU 40やEFI_ECU 50に送信することのない構成であっても良い。即ち、操舵装置20’は、SBW_ECU 30に車速情報を生成する車速情報生成処理30cを備えているが、ABS_ECU 40も車速を検出する車輪速センサ33a、33b、33c、33dから車輪速信号(検出信号)を取得し、車速に関する車速情報を生成する車速情報生成処理40aを備えていることから、車速情報をEFI_ECU 50等に車内ネットワークを介して送信する処理はABS_ECU 40に委ねたものである。
【0066】
ここで、SBW_ECU 30’を構成する第1制御部30’a、第2制御部30bについて図8を参照して説明する。図8に示すように、SBW_ECU 30’は、第1実施形態のSBW_ECU 30(図3参照)とほぼ同様に、第1制御部30’aと第2制御部30bとにより構成されている。なお、第2制御部30bは、図3に示す第1制御部30aと同様に構成されるので、ここでは説明を省略する。
【0067】
図8に示すように、第1制御部30’aは、第1実施形態の第1制御部30aでは外部に設けていたダイオードD_A1 、D_A2 を内部に備えている構成を採っているが、回路構成上は第1実施形態の第1制御部30aと同じである。しかし、本第2実施形態の第1制御部30’aでは、ABS_ECU 40、EFI_ECU 50等にバッテリBatt_Aからの駆動電力を供給する電源ライン12V_D を、電源ライン12V_A には接続することなく、IGSW_Aの直後、つまりダイオードD_A1 のアノード側に接続している。
【0068】
これにより、バッテリBatt_AからABS_ECU 40、EFI_ECU 50等に供給される駆動電力は、IGSW_Aにより直接、オンオフ制御がなされるため、ABS_ECU 40等に供給される駆動電力のオンオフ管理には、第1制御部30’aは関与することができない。これは、本第2実施形態の操舵装置20’では、図6および図7に示したように、SBW_ECU 30’を構成する第1制御部30aのCPU_A により車速情報が生成され、ABS_ECU 40等の他の制御装置の動作状態(動作中か停止中か)にかかわらず、SBW_ECU 30’が独自に車速情報を得られる構成を採っているため、当該他の制御装置から車速情報を取得する必要がないからである。
【0069】
このようにSBW_ECU 30’を構成することにより、第1実施形態によるSBW_ECU 30と同様、図9に示す駆動電源切断処理を第1制御部30’aのCPU_A によって行う。なお、この駆動電源切断処理は、図5に示す第1実施形態のものとほぼ同様であり、ステップS205およびステップS207により「車速を検出する車速検出手段から検出信号を取得し、車速に関する車速情報を生成し、この車速情報に基づいて車速がゼロであることを検出して車速ゼロ情報を出力する」ことが図5に示すステップS105と異なる。なお、図9に示すステップS201、S203、S209、S211、S213、S215、S217は、図5に示すS101、S103、S107、S109、S111、S113、S115にそれぞれ同様であるので、これらの説明を省略する。
【0070】
図9に示すように、ステップS205では、車輪速センサ33a、33b、33c、33dから車輪速信号を取得する処理を行い、またステップS207では、ステップS205により取得された車輪速信号から車速情報を生成する処理を行う。なお、当該ステップS207により生成された車速情報が時速ゼロ(0km/h)に相当する場合には、当該時速ゼロである車速情報は、特許請求の範囲に記載の「車速ゼロ情報」に相当する。これらの処理は、前述の車速情報生成処理30cにより行われるもので、これにより、ABS_ECU 40等の他の制御装置に車速情報の生成を委ねることなくSBW_ECU 30が自ら車速情報を生成するので、図5に示すステップS105のようなABS_ECU 40から車速情報を取得する処理を不要にしている。
【0071】
このように本第2実施形態に係る操舵装置20’によると、SBW_ECU 30’の第1制御部30’aでは、ステップS201(電圧監視_A1 )により、IGSW_Aのオフ状態を検出しオフ通知を出力し、ステップS205、S207により、操舵輪FR、FL等の車輪速を検出する車輪速センサ33a等から車輪速信号を取得し車速情報を生成し、この車速情報に基づいて車速が時速ゼロ(0km/h)であることを検出し車速ゼロ情報を出力する。そして、ステップS215(リレー駆動_A)により、IGSW_Aのオフ通知の出力がある場合(S203でYes)、および、当該車両の車速が時速ゼロ(0km/h)である場合(S209でYes)には、バッテリBatt_AによるABS_ECU 40への駆動電力の供給を中止する。これにより、IGSW_Aがオフ状態であっても、SBW_ECU 30による車速情報生成処理30cにより生成した車速情報に基づいて車速がゼロであることを検出されない限り、バッテリBatt_AによるSBW_ECU 30への駆動電力の供給は中止されない。つまり、IGSW_Aの状態にかかわらず、車速がゼロでない場合には、車速情報を生成するSBW_ECU 30にバッテリBatt_Aから駆動電力が供給される。したがって、車両走行中においては車速がゼロではないことから、走行中にIGSW_Aがオンからオフに切り換えられても、バッテリBatt_AによるSBW_ECU 30への電力供給は確保され、SBW_ECU 30による車速情報生成処理30cにより生成された車速情報を取得できるので、走行中にIGSW_Aがオフされても車速に基づく操舵制御を可能することができる。
【0072】
[第3実施形態]
第3実施形態では、車両用操舵装置をEPSシステムに適用した例を図1〜図3、図5〜図10に基づいて説明する。
本第3実施形態に係る操舵装置100は、主に、EPS_ECU 110、トルクセンサ111、車速センサ112、アシストモータM等から構成されている。
【0073】
図10に示すように、EPS_ECU 110は、主に、インタフェイス114、CPU115、モータ駆動回路116等から構成される制御装置で、トルクセンサ111や車速センサ112から入力されたトルク情報、車速情報等に基づいて、操舵力を補うアシストトルクをアシストモータMに発生させるようにアシストモータMの制御を行うものである。なお、CPU115には、ROM、RAM等の図略の半導体メモリ装置が内蔵されており、EPSシステムとして必要な各制御処理はこの半導体メモリ装置に格納されている所定の制御プログラムをCPU15が実行することにより実現される。
【0074】
トルクセンサ111は、ステアリングシャフトである入力軸と出力軸との間に発生するトルクを検出するものである。操舵装置100では、車両のステアリングホイール(図1に示すステアリングホイール21に相当)に連結された入力軸と操舵機構に連結された出力軸とを相対回転可能に連結するトーションバー等のねじれ量から操舵トルクを検出している。検出されたトルク信号はトルク情報として、EPS_ECU 110のインタフェイス114に入力される。
【0075】
車速センサ112は、車度を検出するもので、第1実施形態で参照した図2に示される車輪速センサ33a、33b、33c、33dと同等の機能を有するものである。これにより検出された車速信号は車速情報としてEPS_ECU 110のインタフェイス114に入力される。
【0076】
なお、EPS_ECU 110、CPU115、モータ駆動回路116、アシストモータMは、第1実施形態で参照した図3および図8に示すSBW_ECU 30の第1制御部30a、30’aCPU_A 、DRV_A 、転舵モータ27aにそれぞれ相当し、さらにEPS_ECU 110にはイグニッションスイッチやリレーを介して駆動電源を接続している構成は、図3および図8に示すバッテリBatt_A、IGSW_A、リレー_A1 等と第1制御部30aとの接続構成と同様である。
【0077】
このように構成することにより、EPS_ECU 110を構成するCPU115では、インタフェイス114を介して入力されるトルク情報および車速情報に基づいて、モータ駆動回路116へ送出すべき電流指令値を決定する演算を行う。そして、モータ駆動回路116では、CPU115から送出された電流指令値に対応する駆動電流をアシストモータMへ出力する。これにより、アシストモータMでは、操舵力を補助するためのアシストトルクを発生させ、あるいはステアリングホイールを復元するためのトルクを発生させている。
【0078】
このように操舵装置100では、ステアリングホイールに連結されたステアリングシャフトに発生する操舵トルクのトルク情報および車両の車速情報に基づいて、アシストモータMによるアシスト力の助けを受けて操舵力を補い操舵輪を制御する操舵制御が行われるのであるが、当該操舵制御は、車両が走行している間においては、たとえイグニッションスイッチがオフされても、中止することなく継続されなければならない。そのため、本第3実施形態に係る操舵装置100においても、前述した第1実施形態の駆動電源切断処理(図5参照)や第2実施形態の駆動電源切断処理(図9参照)と同様の駆動電源切断処理をEPS_ECU 110のCPU115により実行している。なお、第3実施形態による駆動電源切断処理も例えば5ミリ秒ごとの割込処理の中で行われる。
【0079】
即ち、本第3実施形態に係る操舵装置100によると図5に示すように、EPS_ECU 110では、ステップS101(電圧監視_A1 )により、イグニッションスイッチがオンのオフ状態を検出しオフ通知を出力し、ステップS105により、他の制御装置(例えばABS_ECU 40)から車速情報を取得し車速が時速ゼロ(0km/h)であることを検出し車速ゼロ情報を出力する。そして、ステップS113(リレー駆動_A)により、イグニッションスイッチのオフ通知の出力がある場合(S103でYes)、および、当該車両の車速が時速ゼロ(0km/h)である場合(S107でYes)には、駆動電源による他の制御装置への駆動電力の供給を中止する。これにより、イグニッションスイッチがオフ状態であっても、他の制御装置から取得した車速情報に基づいて車速がゼロであることを検出されない限り、駆動電源による他の制御装置への駆動電力の供給は中止されない。つまり、イグニッションスイッチの状態にかかわらず、車速がゼロでない場合には、車速情報を生成する他の制御装置に駆動電源から駆動電力が供給される、という他の制御装置に供給される駆動電力のオンオフ管理をEPS_ECU 110が行う。したがって、車両走行中においては車速がゼロではないことから、走行中にイグニッションスイッチがオンからオフに切り換えられても、駆動電源による他の制御装置への電力供給は確保され、他の制御装置から車速情報を取得できるので、走行中にイグニッションスイッチがオフされても車速に基づく操舵制御を可能することができる。
【0080】
また、本第3実施形態に係る操舵装置100によると図9に示すように、EPS_ECU 110では、ステップS201(電圧監視_A1 )により、イグニッションスイッチのオフ状態を検出しオフ通知を出力し、ステップS205、S207により、操舵輪FR、FL等の車輪速を検出する車速センサ112から車速信号を取得し車速情報を生成し、この車速情報に基づいて車速が時速ゼロ(0km/h)であることを検出し車速ゼロ情報を出力する。そして、ステップS215(リレー駆動_A)により、イグニッションスイッチのオフ通知の出力がある場合(S203でYes)、および、当該車両の車速が時速ゼロ(0km/h)である場合(S209でYes)には、駆動電源による他の制御装置への駆動電力の供給を中止する。これにより、イグニッションスイッチがオフ状態であっても、EPS_ECU 110による車速情報生成処理30cにより生成した車速情報に基づいて車速がゼロであることを検出されない限り、駆動電源によるEPS_ECU 110への駆動電力の供給は中止されない。つまり、イグニッションスイッチの状態にかかわらず、車速がゼロでない場合には、車速情報を生成するEPS_ECU 110に駆動電源から駆動電力が供給される。したがって、車両走行中においては車速がゼロではないことから、走行中にイグニッションスイッチがオンからオフに切り換えられても、駆動電源によるEPS_ECU 110への電力供給は確保され、EPS_ECU 110による車速情報生成処理30cにより生成された車速情報を取得できるので、走行中にイグニッションスイッチがオフされても車速に基づく操舵制御を可能することができる。
【0081】
なお、上述した各実施形態では、イグニッションスイッチがオンからオフに切り換えられた場合を想定して説明をしたが、例えばバッテリBatt_A、Batt_Bからイグニッションスイッチに接続される配線あるいはイグニッションスイッチからSBW_ECU 30、30’、EPS_ECU 110等に接続される配線が切断されたり、またこれらを接続するコネクタとレセプタとの間に接触不良が生じたりした場合においても、イグニッションスイッチがオンからオフに切り換えられたのと同様の現象が発生するので、本発明の車両用操舵装置はこのような場合にも上述と同様の技術的作用および効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用操舵装置の構成概要を示す説明図である。
【図2】本第1実施形態に係る車両用操舵装置を構成するSBW_ECU の周辺構成を示すブロック図である。
【図3】本第1実施形態の車両用操舵装置を構成するSBW_ECU を示す回路図である。
【図4】本第1実施形態の車両用操舵装置の主な機能構成を示すブロック図である。
【図5】図3に示すCPU_A またはCPU_B により実行される駆動電源切断処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る車両用操舵装置を構成するSBW_ECU の周辺構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態の他の例に係る車両用操舵装置を構成するSBW_ECU の周辺構成を示すブロック図である。
【図8】本第2実施形態の車両用操舵装置を構成するSBW_ECU を示す回路図である。
【図9】図8に示すCPU_A またはCPU_B により実行される駆動電源切断処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本第3施形態の車両用操舵装置を構成するEPS_ECU 110の概要を示すブロック図である。
【符号の説明】
20、20’ 操舵装置 (車両用操舵装置)
21 ステアリングホイール
23a、23b 操舵角センサ (操舵制御系)
24 反力モータ
25 ステアリングアクチュエータ(操舵制御系)
27a、27b 転舵モータ (操舵制御系)
28a、28b 回転角センサ (操舵制御系)
30、30’ SBW_ECU (操舵制御系)
30a、30’a 第1制御部 (操舵制御系)
30b 第2制御部 (操舵制御系)
30c 車速情報生成処理(車速情報生成手段)
33a、33b、33c、33d 車輪速センサ(車速検出手段)
35a、35b 電流センサ (操舵制御系)
36 電流センサ
40 ABS_ECU (制御装置)
40a 車速情報生成処理
50 EFI_ECU
100 操舵装置 (車両用操舵装置)
110 EPS_ECU (操舵制御系)
111 トルクセンサ
112 車速センサ (車速検出手段)
115 CPU (操舵制御系)
116 モータ駆動回路 (操舵制御系)
FR、FL 操舵輪
CPU_A 、CPU_B 中央演算処理装置(操舵制御系、イグニッションオフ検出手段、車速ゼロ検出手段、駆動電力供給中止手段)
MEM_A 、MEM_B メモリ装置 (操舵制御系)
DRV_A 、DRV_B モータ駆動回路 (操舵制御系)
Batt_A、Batt_B バッテリ (駆動電源)
M アシストモータ (電動モータ)
S101(イグニッションオフ検出手段)、S103(駆動電力供給中止手段)、S105(車速ゼロ検出手段)、S107(駆動電力供給中止手段)、S113(駆動電力供給中止手段)
S201(イグニッションオフ検出手段)、S203(駆動電力供給中止手段)、S205(車速情報生成手段)、S207(車速情報生成手段、車速ゼロ検出手段)、S209(駆動電力供給中止手段)、S215(駆動電力供給中止手段)
Claims (4)
- 車速を検出する車速検出手段より検出信号を取得して車速に関する車速情報を生成する制御装置から、該車速情報を取得する車両用操舵装置であって、
ステアリングホイールの操作状態および前記車速情報に基づいて電動モータの助けを受けてまたは電動モータにより操舵輪を制御する操舵制御系と、
前記操舵制御系および前記制御装置に駆動電力を供給する駆動電源と、
イグニッションスイッチのオフ状態を検出しイグニッションオフ情報を出力するイグニッションオフ検出手段と、
前記制御装置から取得した前記車速情報に基づいて車速がゼロであることを検出し車速ゼロ情報を出力する車速ゼロ検出手段と、
前記イグニッションオフ情報の出力および前記車速ゼロ情報の出力がある場合には、前記駆動電源による前記制御装置への駆動電力の供給を中止する駆動電力供給中止手段と、
を備えることを特徴とする車両用操舵装置。 - 前記操舵制御系は、前記ステアリングホイールの操作状態に基づいて操舵輪の目標実舵角を決定し、この決定された目標実舵角に前記操舵輪を制御することを特徴とする請求項1記載の車両用操舵装置。
- ステアリングホイールの操作状態および車速に基づいて電動モータの助けを受けてまたは電動モータにより操舵輪を制御する操舵制御系と、
車速を検出する車速検出手段から検出信号を取得し、車速に関する車速情報を生成する車速情報生成手段と、
前記操舵制御系および車速情報生成手段に駆動電力を供給する駆動電源と、
イグニッションスイッチのオフ状態を検出しイグニッションオフ情報を出力するイグニッションオフ検出手段と、
前記車速情報に基づいて車速がゼロであることを検出し車速ゼロ情報を出力する車速ゼロ検出手段と、
前記イグニッションオフ情報の出力および前記車速ゼロ情報の出力がある場合には、前記駆動電源による前記車速情報生成手段への駆動電力の供給を中止する駆動電力供給中止手段と、
を備えることを特徴とする車両用操舵装置。 - 前記操舵制御系は、前記ステアリングホイールの操作状態に基づいて操舵輪の目標実舵角を決定し、この決定された目標実舵角に前記操舵輪を制御することを特徴とする請求項3記載の車両用操舵装置。
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---|---|---|---|
JP2002339318A JP2004168258A (ja) | 2002-11-22 | 2002-11-22 | 車両用操舵装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002339318A JP2004168258A (ja) | 2002-11-22 | 2002-11-22 | 車両用操舵装置 |
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JP2004168258A true JP2004168258A (ja) | 2004-06-17 |
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ID=32702292
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JP (1) | JP2004168258A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2873646A1 (fr) * | 2004-07-30 | 2006-02-03 | Koyo Steering Europ K S E Soc | Procede de limitation des pertes d'assistance sur une direction assistee de vehicule automobile |
JP2013150486A (ja) * | 2012-01-21 | 2013-08-01 | Hino Motors Ltd | 電気自動車 |
JP2017077832A (ja) * | 2015-10-21 | 2017-04-27 | 株式会社ジェイテクト | ステアリング装置 |
-
2002
- 2002-11-22 JP JP2002339318A patent/JP2004168258A/ja active Pending
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FR2873646A1 (fr) * | 2004-07-30 | 2006-02-03 | Koyo Steering Europ K S E Soc | Procede de limitation des pertes d'assistance sur une direction assistee de vehicule automobile |
JP2013150486A (ja) * | 2012-01-21 | 2013-08-01 | Hino Motors Ltd | 電気自動車 |
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