JP2004168223A - 船の推進装置 - Google Patents

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Masaru Suemori
勝 末森
Masami Kashiwakawa
政巳 柏川
Hisashi Yanagihara
序 柳原
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Abstract

【課題】船の推進装置が、左右一対の推進機と、ラダーを有する操舵装置とを備えた場合において、操舵装置に寿命上の問題点が生じないようにすると共に、左右推進機のうち、一方の推進機に異常が発生した場合でも、船の運転が続行できるようにする。
【解決手段】船11の推進装置23が、船体12に対し軸心24a回りに回転自在となるよう支承されてその回転駆動により船体12を推進させる左右一対の推進機24,24と、船体12に支持されて水面下に位置させられるラダー36を有する操舵装置35とを備える。ラダー36の使用、不使用状態のいずれかを選択可能とし、このラダー36を不使用状態として、左右推進機24,24が出力する推進力を互いに相違させることにより、船体12を操舵させるようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、左右推進機とラダーとを組み合せることにより船体を運転(走航)させるようにした船の推進装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】特公平7‐121719号公報
【0004】
上記船の推進装置には、従来、上記特許文献1で示されるものがあり、これによれば、上記船の推進装置は、船体に軸心回りに回転自在となるよう支承されてその回転駆動により上記船体を推進させる左右一対の推進機を備え、クラッチ操作により上記左右推進機のうち、一方の推進機を駆動させる一方、他方の推進機を停止させることにより、船体の操舵が可能とされている。
【0005】
また、他の従来の技術として、上記推進装置が操舵装置を備え、この操舵装置が上記船体に支持されて水面下に位置させられるラダーを備えたものがあり、このラダーへの操作によって、船体が操舵させられるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1によれば、仮に、上記左右推進機のうち、一方の推進機が故障するなど異常が発生した場合には、操舵が不能となって、船が運転不能になるおそれがある。
【0007】
また、上記他の従来の技術では、一般に、操舵装置のラダーはリンク機構などの連動手段によって操舵ハンドルに連動連結されているが、この操舵ハンドルを操作してラダーによる操舵を繰り返すと、上記連動手段は上記各推進機に比べて早期に摩耗し易いものであることから、この操舵装置に寿命上の問題点が生じるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、船の推進装置が、左右一対の推進機と、ラダーを有する操舵装置とを備えた場合において、上記操舵装置に寿命上の問題点が生じないようにすると共に、上記左右推進機のうち、一方の推進機に異常が発生した場合でも、船の運転が続行できるようにすることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の通信システムは、次の如くである。なお、この項において各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「発明の実施の形態」の項の内容に限定解釈するものではない。
【0010】
請求項1の発明は、船体12に対し軸心24a回りに回転自在となるよう支承されてその回転駆動により上記船体12を推進させる左右一対の推進機24,24と、上記船体12に支持されて水面下に位置させられるラダー36を有する操舵装置35とを備えた船の推進装置において、
【0011】
上記ラダー36の使用、不使用状態のいずれかを選択可能とし、このラダー36を不使用状態として、上記左右推進機24,24が出力する推進力を互いに相違させることにより、船体12を操舵させるようにしたものである。
【0012】
請求項2の発明は、上記左右推進機24,24のうち、いずれか一方の推進機24に異常が発生したとき、自動的に上記一方の推進機24を停止させると共に上記ラダー36を使用状態にさせるようにしたものである。
【0013】
請求項3の発明は、上記船11の自動運転中、ローリングによる船体12の揺れ角度が小さくなる方向にこの船体12を自動操舵させるようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0015】
図2において、符号1は通信システムで、この通信システム1は、陸側に固定されるよう設定された基地局2と、上記基地局2に対し相対移動可能とされる移動局3と、上記基地局2と移動局3との電波による通信を中継可能とする中継局4とを備え、上記中継局4は上記基地局2と移動局3とに対しそれぞれ相対移動可能とされている。
【0016】
上記基地局2はGPS(Global Positioning System)衛星からの発信を受信可能とするGPSアンテナ6と、移動局3および中継局4と互いの送、受信を可能とするアンテナ7と、これら各アンテナを通し信号を入、出力して上記移動局3および中継局4を制御する制御装置8およびリモートコントロール装置9とを備えている。
【0017】
図3において、上記移動局3と中継局4は互いにほぼ同構成の船11によって構成されており、これら船11が備える船体12は、下記する第1〜第4船体12(A)〜12(D)のいずれかで構成され、上記第1〜第4船体12(A)〜12(D)は船体本体13は互いに同形同大であって、部品の共通化が図られており、この船体本体13のデッキには上方に向って開く開口14が成形されている。
【0018】
上記第1船体12(A)は無人専用型であって、上記開口14を開閉自在に閉じるハッチ16を備えている。上記第2船体12(B)は有人専用型であって、上記開口14を通し船体本体13内に嵌入されこの船体本体13に支持されるシート17と、このシート17をその上方から覆うと共に上記開口14を開閉自在に閉じてキャビン18を成形する船体上部19とを備えている。上記第3船体12(C)は無人、有人両用型であって、上記シート17と、上記船体12に昇降自在に支持され、この昇降により上記開口14を開閉自在とする天蓋20とを備え、この天蓋20の上昇によりキャビン18が成形されて有人型とされ、上記天蓋20の下降により開口14が閉じられて無人型とされる。上記第4船体12(D)は無人、有人両用型であって、上記シート17と、上記船体12に上下回動自在に枢支され、この上下回動により上記開口14を開閉自在とする透明のシールド21とを備え、このシールド21の上方回動によりキャビン18が成形されて有人型とされ、上記シールド21の下方回動により開口14が閉じられて無人型とされる。
【0019】
図1,2,4において、上記船11は海などの水面に浮かべられる上記第4船体12(D)を備えている。上記船11は、その船体12を推進させる推進装置23を備え、この推進装置23は、上記船体12の後部に対し後下がりの軸心24a回りに回転自在に支承されるプロペラで例示される左右一対の推進機24,24と、これら各推進機24を個別に駆動させて船体12を推進可能とさせる駆動装置である左右一対の電動機25,25と、これら各電動機25に電力を供給可能とするバッテリ26と、エンジン27により駆動させられ自動電圧調整器28を介して上記各バッテリ26に充電電圧を供給する発電機29と、リレー30を介し上記バッテリ26に接続されて上記エンジン27を始動可能とするスタータモータ31と、船体12に支持される左右一対のアクセル操作レバー32,32と、これら各操作レバー32の操作量を検出する左右一対の角度センサー33,33とを備えている。
【0020】
また、上記推進装置23は、上記船体12を操舵可能とさせる操舵装置35を備えている。この操舵装置35は、上記船体12に昇降自在に支承されこの昇降動作により、使用、不使用状態のいずれか一方が選択可能とされるラダー36と、このラダー36を昇降駆動させるシリンダ式のアクチュエータ37と、上記ラダー36を連動手段により連動連結させ上記船体12に操舵操作可能に支承される操舵ハンドル38と、この操舵ハンドル38の操作量を検出する角度センサー39と、GPSアンテナ41と、上記各局2〜4同士の送、受信を可能とするアンテナ43,44と、レーダアンテナ45と、船体12の推進方向を検出する方位センサー46と、船体12のローリング時における揺れ角度を検出する揺れセンサー47とを備えている。
【0021】
図1中一点鎖線で示すように、上記船11の通常運転時には、上記ラダー36は水面上に上昇させられて不使用状態とされている。図1中実線で示すように、上記ラダー36を水面下にまで下降させれば、このラダー36は左右に揺動自在とされて使用状態となる。上記操舵ハンドル38に対しラダー36を連動連結させる上記連動手段は、リンク機構、ケーブル、ギヤーなどのいずれか1つ、もしくは、これらの組み合せによって構成される。
【0022】
上記移動局3と中継局4の船11は、そのそれぞれ各構成部品を電子的に制御する制御装置51を備えている。この制御装置51の中央処理装置(C.P.U.)52には、上記各電動機25、アクチュエータ37、GPSアンテナ41、アンテナ43,44、およびレーダアンテナ45がそれぞれモータコントローラ53、ラダーコントローラ54、GPS制御装置55、無線モデム56、データ無線モデム57、およびレーダユニット58を介して接続されている。また、上記中央処理装置52には、上記各電動機25がタコジェネ59とモータ監視ユニット60とを介して接続され、更に、上記中央処理装置52には上記バッテリ26、エンジン27、自動電圧調整器28、リレー30、角度センサー33,39、方位センサー46、および揺れセンサー47が接続されている。
【0023】
また、上記制御装置51の中央処理装置52には、各種観察ユニットの一部を構成し、水面下の地形を探査するソナー61と、上記移動局3と中継局4を手動運転すにするか、自動運転にするかを選択可能とする手動、自動切換スイッチ62と、上記制御装置51の中央処理装置52による制御条件を追加、変更可能とするパソコンである端末機63とが接続されている。
【0024】
上記船11を運転して移動させるときには、エンジン27により発電機29を駆動させ、この発電機29により上記バッテリ26に充電する。このバッテリ26から供給される電力により上記各電動機25が駆動させられ、これに連動する各推進機24が上記移動局3と中継局4を推進させる。
【0025】
上記船11を手動運転により移動させるときには、上記切換スイッチ62を手動に切り換える。すると、上記各操作レバー32への操作の操作量により、上記各電動機25の駆動力がそれぞれ個別に可変とされ、移動局3と中継局4の移動速度が定められる。また、上記操舵ハンドル38への操作の操作量により、上記左右電動機25,25の各駆動力がそれぞれ定められ、これに伴い上記左右推進機24,24が出力するそれぞれの推進力により、上記移動局3と中継局4が推進させられると共に、上記各推進力の値が相違させられることによりその船体12が所望方向に操舵される。
【0026】
上記船11を自動運転により移動させるときには、上記切換スイッチ62を自動に切り換える。すると、上記船11は次のように自動制御されて、それぞれ基地局2の相対的な所定位置に移動させられる。
【0027】
図5〜8は、上記制御装置8,51のフローチャートを示し、符号Sはそのプログラムの各ステップを示している。
【0028】
図5において、まず、S1で、上記各GPSアンテナ6,41と制御装置8,51とにより、移動局3と中継局4の各船11のそれぞれ自身の位置が検出され、これに基づき基地局2に対する移動局3と中継局4のそれぞれの相対位置が検出される。
【0029】
S2において、上記基地局2に対し移動局3が向おうとする所定の相対位置である目的位置までの方位と距離とが演算される。また、上記基地局2と移動局3に対しそれぞれ中継局4がとるべき所定の相対位置である目的位置までの方位と距離とが演算される。この場合、移動局3に対する相対位置には、移動局3の現位置に対する相対位置の他、移動局3の目的位置や、この目的位置に向う途中位置のいずれかに対する相対位置も含まれる。上記中継局4の目的位置は、例えば、基地局2と移動局3との互いの通信電波を遮る島や山などの物体を避けながら基地局2と移動局3とを最短で結んだときのこれら基地局2と移動局3間の中央位置などであり、要するに、基地局2と移動局3とが電波による通信をするとき、これを中継する上で都合のよい位置が上記中継局4の目的位置とされる。また、S3において、上記移動局3と中継局4のそれぞれの船首の向き(現在の推進方向)が上記方位センサー46により検出される。
【0030】
S4において、上記S2の演算結果とS3の検出結果とにより、上記移動局3と中継局4の各制御装置51により左右電動機25,25の駆動力がそれぞれ定められ、これに伴い上記左右推進機24,24が出力するそれぞれの推進力により、上記移動局3と中継局4とが所定の船速度で、かつ、その目的位置に各船首が向くよう操舵される。
【0031】
S5において、上記S1と同様に、各GPSアンテナ6,41と制御装置8,51とにより、それぞれ自身の位置が検出され、上記移動局3と中継局4とがそれぞれ目的位置に到着したか否かが判断される。目的位置に到着したと判断されれば、S6において、上記基地局2から移動局3と中継局4に対し次の目的位置の指令があるか否かが判断される。このS6において、次の目的位置があった場合には、S7において、上記各制御装置51により従前の目的位置が次の目的位置に変更される。以下、上記S1〜S4が繰り返され、S8において、移動局3と中継局4が上記した次の目的位置に到着したか否かが判断される。
【0032】
上記の場合、目的位置を最終の目的位置に到着するまでの途中の目的位置とし、次の目的位置を最終の目的位置としてもよい。また、上記各GPSアンテナ6,41はGPS補正データ受信アンテナを備えていて、位置補正が精度よくできるようになっており、このため、各局2,3,4の自身の位置が精度よく検出され、また、これに伴い移動局3と中継局4をその各目的位置に位置精度よく到着させることができる。
【0033】
そして、上記移動局3と中継局4とが共に最終の目的位置に到着したときには、上記移動局3は、その目的位置において気象や地形などの各種観察を行い、これを移動局3の制御装置51でデータ化して、この移動局3のアンテナ44により中継局4のアンテナ44と制御装置51とを介し基地局2へ送信する。
【0034】
ここで、上記したように、中継局4は上記基地局2と移動局3とに対してそれぞれ相対移動可能であるため、上記基地局2と移動局3とが電波による通信をするとき、これを中継する上で上記中継局4を都合のよい位置に移動させることができる。よって、基地局2や移動局3において、受信の電波の強さが低下することは、上記中継局4が、ある位置に固定されていた従来の技術に比べて、より確実に防止され、このため、上記基地局2に対し移動局3が相対移動しても、これら両局2,3同士の電波による良好な通信がより確実に維持される。
【0035】
しかも、上記中継局4の移動は、上記移動局3の移動に伴い、上記基地局2と移動局3に対する中継局4の所定の相対位置である目的位置を次々と変化させながら自動的になされるため、移動局3が最終の目的位置への移動途中であっても、上記基地局2と移動局3との間の通信は上記のように移動させられる中継局4の中継によって良好に維持される。
【0036】
ここで、上記移動局3を陸地側に対しより接近させようとする場合、この移動局3を無人にすれば、ある程度の危険が許容されることから、上記接近をより十分にさせることができる。このため、上記移動局3のソナー61により、陸地側の水面下の地形など、より精度よく探査できる。
【0037】
図6において、上記移動局3と中継局4の船11のそれぞれ自動運転による移動中、S9において、電動機25が所定の駆動力を出力するよう制御装置51が指令値を出力しているとき、上記電動機25の回転数は上記タコジェネ59とモータ監視ユニット60とにより検出され、上記指令値と電動機25の回転数とが比較される。この場合、船11の通常の運転中では、電動機25の回転数は、実質的に推進機24の回転数である。
【0038】
S10において、上記モータ監視ユニット60により検出された電動機25の回転数が上記指令値に応じた所定値の範囲に入っているか否かが判断される。上記回転数が上記所定値の範囲に入っていない場合には、上記推進装置23に異常が発生したとして、S11が実行される。
【0039】
上記S11において、上記両電動機25,25のうち、一方の電動機25の回転数が上記指令値に応じた所定値以上と判断された場合で、例えば、この一方の電動機25に対応する推進機24が切損して上記電動機25が軽負荷で空転しているような場合であり、もしくは、上記一方の電動機25の回転数が上記指令値に応じた所定値以下と判断された場合で、例えば、この一方の電動機25に対応する推進機24にロープが絡まっているような場合であるときには、異常信号が出力され、これに基づき異常警報が発せられ、および/もしくは異常灯が点灯させられる。
【0040】
また、S12において、左右両電動機25,25のうち、異常が発生したと判断された側の電動機25とその推進機24は停止させられ、他の電動機25とその推進機24は駆動が続行される。これに基づき、S13において、左右両推進機24,24による自動運転に基づく操舵が中止されて、上記アクチュエータ37によりラダー36が水面下に下降させられて使用状態とされ、その操舵機能が発揮させられる。つまり、他の推進機24による船11の推進と、ラダー36による船11の操舵とが同時に行われる。
【0041】
ここで、上記操舵装置35のラダー36は、リンク機構などの連動手段によって、上記操舵ハンドル38に連動連結されているが、この操舵ハンドル38を操作してラダー36による操舵を繰り返すと、上記連動手段は上記各推進機24に比べて早期に摩耗し易いものであることから、上記操舵装置35に寿命上の問題点が生じるおそれがある。
【0042】
そこで、上記したように船11の通常の運転時には、ラダー36を不使用状態として、これら移動局3と中継局4の各船11の操舵を上記両推進機24,24によって行うようにしたのであり、これら各推進機24は単なる回転体であることから、これら各推進機24に寿命上の問題点が生じることは抑制される。そして、上記したようにラダー36が不使用状態とされる分、推進装置23の操舵装置35に寿命上の問題点が生じることが防止される。
【0043】
また、上記船11の自動運転中では、上記したように両推進機24,24のうち一方の推進機24に異常が発生したときに、始めてラダー36を自動的に使用状態にすることとしたのであって、このラダー36の使用頻度を少なく抑制した分、上記操舵装置35の寿命をより向上させることができる。
【0044】
図7において、上記移動局3と中継局4の船11のそれぞれ自動運転による移動中、S14において、各エンジン27の運転状態が良好であるか否かがそれぞれ判断される。この判断は、エンジン27の回転数、油温、油圧、および冷却水温等が正常であるか否かに基づいて行われる。上記S14で、エンジン27の運転状態が良好でないと、判断されれば、S15で、エンジン27が停止させられる。
【0045】
上記S14において、エンジン27の運転状態が良好であると判断されれば、S16において、上記揺れセンサー47により船11の船体12の揺れ角度が検出される。S17において、上記揺れ角度が所定値以上であって、かつ、所定時間以上続いたか否かが判断される。この判断が肯定されるときには、上記推進装置23によって左右のうち、いずれか一方向に徐々に操舵され、この操舵と共に上記揺れセンサー47により揺れ角度が検出される。この場合、順次検出される揺れ角度が漸増するときには、操舵方向を逆にし、この揺れ角度がより小さくなるところまで操舵が行われる。このため、船体12が大きく揺れることにより、この船体12に支持されている推進装置23や制御装置51が損傷するということが防止される。
【0046】
しかし、上記操舵にかかわらず、上記S17での判断が肯定されるときには、波が荒いと判断され、S18において、上記エンジン27が停止させられる。このため、波が荒くて揺れ角度の大きいことに基づき推進装置23や制御装置51が損傷するということはより確実に防止される。
【0047】
S19において、上記S18のエンジン27の停止から所定時間以上経過したか否かが判断される。この所定時間以上であり、かつ、S20において、上記揺れセンサー47により船体12の揺れ角度が検出され、S21において、この揺れ角度が所定値未満であると判断されれば、波が静まったと判断されて、S22において、上記スタータモータ31がオンされて、エンジン27が始動、かつ、駆動させられ、船11が通常の自動運転状態とされる。
【0048】
図8,9において、上記船11の自動運転による移動中(S23)に、S24において、上記レーダアンテナ45とレーダユニット58により他船67,68の位置が監視される。S25において、上記船11を中心とする第1監視半径R1以内に上記他船67,68があると判断され、かつ、S26において、上記他船67が移動局3に接近するものである場合には、各電動機25の停止により各推進機24が停止させられて、船11が停船状態とされる。
【0049】
S27において、上記レーダアンテナ45とレーダユニット58により他船67,68の推進方位が監視される。S28において、上記船11から上記他船67をみた場合でのある角度範囲θ内に、所定時間以上にわたり、上記接近する他船67が存在し続けた場合、この他船67は船11に衝突する危険があると判断される。
【0050】
S29において、上記危険があると判断された他船67が上記第1監視半径R1よりも小さい値の第2監視半径R2に入ったか否かが判断され、入ったと判断された場合には、S30において、上記各電動機25の駆動により各推進機24が駆動させられて、船11が推進移動させられ、かつ、この際、推進装置23により、上記船11は、この船11への他船67の接近方向に対し90°の方向に向けて操舵させられる。
【0051】
S31において、上記他船67が第1監視半径R1の外側になったか否かが判断され、外側になった場合には、S32において、上記各電動機25の停止により各推進機24が停止させられて、船11が停船状態とされる。S33において、上記他船67が第1監視半径R1の外側になったか否かが判断され、外側になった場合には、S23に戻る。
【0052】
上記構成によれば、船11に対する他船67,68の衝突がより確実に回避されて、船11の移動や、この船11による作業が円滑に達成される。
【0053】
なお、以上は図示の例によるが、上記推進装置23の推進機24はプロペラにより水流を後方に向って噴射させるものであってもよい。また、上記各推進機24は電動機25を介することなくそれぞれエンジン27により直接駆動させてもよい。また、推進装置23と操舵装置35は船外機で構成してもよい。また、上記推進装置23による操舵中、上記ラダー36は、船11を直進させる状態に解除可能に固定して不使用状態にさせ、この状態で水面下に位置させておいてもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0055】
請求項1の発明は、船体に対し軸心回りに回転自在となるよう支承されてその回転駆動により上記船体を推進させる左右一対の推進機と、上記船体に支持されて水面下に位置させられるラダーを有する操舵装置とを備えた船の推進装置において、
【0056】
上記ラダーの使用、不使用状態のいずれかを選択可能とし、このラダーを不使用状態として、上記左右推進機が出力する推進力を互いに相違させることにより、船体を操舵させるようにしてある。
【0057】
ここで、上記操舵装置のラダーは、一般に、リンク機構などの連動手段によって、上記操舵ハンドルに連動連結されているが、この操舵ハンドルを操作してラダーによる操舵を繰り返すと、上記連動手段は上記各推進機に比べて早期に摩耗し易いものであることから、上記操舵装置に寿命上の問題点が生じるおそれがある。
【0058】
そこで、上記したように船の通常の運転時には、ラダーを不使用状態として、船の操舵を上記両推進機によって行うようにしたのであり、これら各推進機は単なる回転体であることから、これら各推進機に寿命上の問題点が生じることは抑制される。そして、上記したようにラダーが不使用状態とされる分、推進装置の操舵装置に寿命上の問題点が生じることが防止される。
【0059】
また、上記ラダーは、必要に応じ、上記両推進機の駆動と共に使用状態にさせてやれば、船の操舵が効果的にできることとなる。
【0060】
請求項2の発明は、上記左右推進機のうち、いずれか一方の推進機に異常が発生したとき、自動的に上記一方の推進機を停止させると共に上記ラダーを使用状態にさせるようにしてある。
【0061】
このため、上記船の自動運転中では、上記したように両推進機のうち一方の推進機に異常が発生したときに、始めてラダーを自動的に使用状態にすることとしたのであって、このラダーの使用頻度を少なく抑制した分、上記操舵装置の寿命をより向上させることができる。
【0062】
請求項3の発明は、上記船の自動運転中、ローリングによる船体の揺れ角度が小さくなる方向にこの船体を自動操舵させるようにしてある。
【0063】
このため、船の自動運転中に、船体が大きく揺れることにより、この船体に支持されている推進装置が損傷するということは防止され、この点でも、各推進機や操舵装置の寿命の向上が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】船の側面図である。
【図2】通信システムの全体図である。
【図3】船の各船体の展開斜視図である。
【図4】船の線図である。
【図5】制御装置のフローチャートを示す図である。
【図6】制御装置の他のフローチャートを示す図である。
【図7】制御装置の更に他のフローチャートを示す図である。
【図8】制御装置の更に他のフローチャートを示す図である。
【図9】船の衝突防止の作用説明図である。
【符号の説明】
11 船
12 船体
23 推進装置
24 推進機
24a 軸心
25 電動機
26 バッテリ
27 エンジン
29 発電機
35 操舵装置
36 ラダー
37 アクチュエータ
38 操舵ハンドル
39 角度センサー
47 揺れセンサー
51 制御装置

Claims (3)

  1. 船体に対し軸心回りに回転自在となるよう支承されてその回転駆動により上記船体を推進させる左右一対の推進機と、上記船体に支持されて水面下に位置させられるラダーを有する操舵装置とを備えた船の推進装置において、
    上記ラダーの使用、不使用状態のいずれかを選択可能とし、このラダーを不使用状態として、上記左右推進機が出力する推進力を互いに相違させることにより、船体を操舵させるようにした船の推進装置。
  2. 上記左右推進機のうち、いずれか一方の推進機に異常が発生したとき、自動的に上記一方の推進機を停止させると共に上記ラダーを使用状態にさせるようにした請求項1に記載の船の推進装置。
  3. 上記船の自動運転中、ローリングによる船体の揺れ角度が小さくなる方向にこの船体を自動操舵させるようにした請求項1、もしくは2に記載の船の推進装置。
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