JP2004167303A - 液状体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液状体を吐出される基板そのものではなく、液状体吐出装置の構成要素が帯電することによる不都合を防止することができる液状体吐出装置を提供する。
【解決手段】基板Sを保持する基板保持部32と、該基板S上に液状体を吐出する吐出ヘッド34とを備え、前記基板保持部32及び吐出ヘッド34がグローブボックス11内に収容されてなり、前記グローブボックス11壁面から延設されたゴムグローブ(基板ハンドリング手段)13に向けてイオン風を送るイオン発生手段50を備えた構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】基板Sを保持する基板保持部32と、該基板S上に液状体を吐出する吐出ヘッド34とを備え、前記基板保持部32及び吐出ヘッド34がグローブボックス11内に収容されてなり、前記グローブボックス11壁面から延設されたゴムグローブ(基板ハンドリング手段)13に向けてイオン風を送るイオン発生手段50を備えた構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状体吐出装置に関し、特に液状体を吐出される基板のハンドリングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液状体材料を吐出する吐出ヘッドを備えた吐出装置として、インクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタが知られている。
インクジェットプリンタに備えられるインクジェットヘッドは、通常、液状体を貯留するキャビティと、該キャビティに連通するノズルと、前記キャビティ内に貯留された液状体を前記ノズルより吐出させるための吐出手段とを有して構成されている。また、このような吐出ヘッドには液状体を貯留する液状体タンクが接続されており、これから吐出ヘッドに液状体が供給されるようになっている。
【0003】
また、前記のインクジェットヘッドは、近年では吐出ヘッドとして、民生用のインクジェットプリンタだけでなく工業用の吐出装置、すなわち各種デバイスの構成要素を形成するための装置としても使用されるようになってきている。例えば、液晶装置などにおけるカラーフィルタ、有機EL装置における発光層や正孔注入層、さらには各種デバイスの金属配線、マイクロレンズなどについても、その形成のために吐出ヘッドが用いられるようになってきている。
【0004】
ここで、前記インクジェットヘッドを液晶装置などのカラーフィルタの製造に用いた場合、特に基板がガラス製であることから帯電し易く、したがってこの帯電した領域にカラーフィルタ材料を吐出した際、吐出した液滴が所望の位置と異なる方向に着弾されてしまう、いわゆる飛行曲がりが生じることがある。
そこで、このような飛行曲がりを抑え、液滴の着弾位置ずれを防止したカラーフィルタの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−281810号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のカラーフィルタの製造方法では、単に基板そのものの帯電を防止することを目的としている。これは、あくまで基板がガラスなどの電荷が解放され難いものであることによる。
しかしながら、カラーフィルタ製造以外の各種のデバイスの製造プロセスでは、基板そのもの以外の要素、例えば、インクを基板に対して吐出するための装置部品や、インクそのものが帯電する場合があり、特に、インクの帯電はヘッドから吐出される液滴の飛行曲がりを生じさせるのみならず、インクジェットヘッド(吐出ヘッド)の駆動素子や基板上に既設された電気回路等の破壊の原因となるおそれがある。
しかして、このような基板そのもの以外の要素に対しては、これの帯電を防止する技術が提供されていないのが現状である。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、液状体を吐出される基板そのものではなく、液状体吐出装置の構成要素が帯電することによる不都合を防止することができる液状体吐出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の液状体吐出装置は、基板を保持する基板保持部と、該基板上に液状体を吐出する吐出ヘッドとを備え、前記基板保持部及び吐出ヘッドが、外部から前記基板を操作するための基板ハンドリング手段を有するグローブボックス内に収容されてなる液状体吐出装置において、前記グローブボックス壁面から延設された基板ハンドリング手段に向けてイオン風を送るイオン発生手段を備えたことを特徴としている。
上記構成の液状体吐出装置によれば、吐出ヘッドから液状体を吐出される基板をハンドリングするためにグローブボックスに設けられた基板ハンドリング手段に向けてイオン風を送るようになっているので、この基板ハンドリング手段の帯電を効果的に防止することができ、前記吐出ヘッドの素子部や液状体を吐出される基板に設けられた素子等の静電破壊が防止される。従って、液状体吐出装置による製品の生産性を向上することができるとともに、その信頼性を高めることができる。
【0009】
本発明の液状体吐出装置は、前記基板ハンドリング手段が、ゴムグローブであることを特徴とする。
本発明は、基板ハンドリング手段が帯電しやすいゴムグローブである場合にも、効率的にゴムグローブの除電を行うことができるので、使用感に優れるゴムグローブを使用して基板をハンドリングすることができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0010】
本発明の液状体吐出装置は、前記グローブボックスの内部に複数のイオン発生手段を備えたことを特徴としている。この構成によれば、上記基板ハンドリング手段のみならず、基板やグローブボックスの本体、あるいは基板保持部、吐出ヘッドの帯電を防止することができるので、液状体吐出装置による製品の生産性をさらに向上することができるとともに、その信頼性を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の液状体吐出装置の一実施形態における全体構成を示す図であり、この図に示す液状体吐出装置10は、吐出装置本体30と、この吐出装置本体30を内部に収容してなるグローブボックス11とを備えて構成されている。前記グローブボックス11は、その一壁面に設けられた窓部12と、この窓部12に開口端を固定された2本のゴムグローブ13,13とを備えており、窓部12の周囲、及び窓部に固定されたゴムグローブ13の開口端が封止されることでグローブボックスと外気とを遮断している。そして、ゴムグローブ13,13へ使用者Oの両腕を挿入することで、グローブボックス10内部を大気解放せずに、吐出装置本体30の操作等を行えるようになっている。
【0012】
図2は、図1に示す吐出装置本体30の斜視構成図である。この吐出装置本体30は、図2に示すように、ベース31、基板移動手段32、ヘッド移動手段33、吐出ヘッド34、液状体タンク35、イオン発生手段50等を有して構成されたもので、吐出ヘッド34より基板Sに対して液状体を吐出するものである。なお、本実施形態の吐出装置本体30では、前記基板Sとして易帯電性の構成要素が設けられたものも好適に用いることができ、また前記液状体として易帯電性の材料を用いることもできる。さらに、基板Sの形状や寸法等に特に限定はなく、図示した平板状のもの以外を用いたとしても本発明の技術範囲を逸脱するものではない。
【0013】
ベース31は、その上に前記基板移動手段32、ヘッド移動手段33を設置したものである。
基板移動手段32は、本発明における基板保持部、すなわち基板Sを保持するための基板保持部として機能するもので、Y軸方向に沿ってガイドレール36を有したものである。このような構成のもとに、基板移動手段32は例えばリニアモータにより、スライダ37をガイドレール36に沿って移動させるようになっている。スライダ37には、θ軸用のモータが備えられている。このモータは、例えばダイレクトドライブモータからなるものであり、これのロータはテーブル39に固定されている。このような構成のもとに、モータに通電するとロータおよびテーブル39は、θ方向に沿って回転し、テーブル39をインデックス(回転割り出し)するようになっている。
【0014】
テーブル39は、基板Sを位置決めし、保持するものである。すなわち、このテーブル39は、公知の吸着保持手段(図示せず)を有し、この吸着保持手段を作動させることにより、基板Sをテーブル39の上に吸着保持するようになっている。基板Sは、テーブル39の位置決めピン(図示せず)により、テーブル39上の所定位置に正確に位置決めされ、保持されるようになっている。テーブル39には、吐出ヘッド34がインクを捨打ちあるいは試し打ちするためのフラッシング領域41が設けられている。このフラッシング領域41は、Y軸方向に延びて形成されたもので、基板SのX軸方向の側方側に設けられたものである。
【0015】
ヘッド移動手段33は、ベース31の後部側に立てられた一対の架台33a、33aと、これら架台33a、33a上に設けられた走行路33bとを備えてなるもので、走行路33bをX軸方向、すなわち前記の基板移動手段32のY軸方向と直交する方向に沿って配置したものである。走行路33bは、架台33a、33a間に渡された保持板33cと、この保持板33c上に設けられた一対のガイドレール33d、33dとを有して形成されたもので、ガイドレール33d、33dの長さ方向に吐出ヘッド34を保持させるスライダ42を移動可能に保持したものである。スライダ42は、リニアモータ(図示せず)等の作動によってガイドレール33d、33d上を走行し、これにより吐出ヘッド34をX軸方向に移動させるよう構成されたものである。
【0016】
吐出ヘッド34には、揺動位置決め手段としてのモータ43、44、45、46が接続されている。そして、モータ43を作動させると、吐出ヘッド34はZ軸に沿って上下動し、Z軸上での位置決めが可能になっている。なお、このZ軸は、前記のX軸、Y軸に対しそれぞれに直交する方向(上下方向)である。また、モータ44を作動させると、吐出ヘッド34は図1中のβ方向に沿って揺動し、位置決め可能になり、モータ45を作動させると、吐出ヘッド34はγ方向に揺動し、位置決め可能になり、モータ46を作動させると、吐出ヘッド34はα方向に揺動し、位置決め可能になる。
【0017】
このように吐出ヘッド34は、スライダ42上において、Z軸方向に直線移動して位置決め可能となり、かつ、α、β、γに沿って揺動し、位置決め可能となっている。したがって、吐出ヘッド34のインク吐出面を、テーブル39側の基板Sに対する位置あるいは姿勢を、正確に制御することができるようになっている。
ここで、吐出ヘッド2は、図3(a)に示すように例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数のキャビティ15…とリザーバ16とが形成されており、これらキャビティ15…とリザーバ16とは流路17を介して連通している。
【0018】
各キャビティ15とリザーバ16の内部とは液状体で満たされるようになっており、これらの間の流路17はリザーバ16からキャビティ15に液状体を供給する供給口として機能するようになっている。また、ノズルプレート12には、キャビティ15から液状体を噴射するための孔状のノズル18が縦横に整列した状態で複数形成されている。一方、振動板13には、リザーバ16内に開口する孔19が形成されており、この孔19には液状体タンク35が供給チューブ24(図2参照)を介して接続されている。
【0019】
また、振動板13のキャビティ15に向く面と反対の側の面上には、図3(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21、21間に挟持され、通電により外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたもので、本発明における液状体の吐出手段として機能するものである。
【0020】
このような構成のもとに圧電素子20が接合された振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲し、これによりキャビティ15の容積を増大させる。すると、キャビティ15内とリザーバ16内とが連通しており、リザーバ16内に液状体が充填されている場合には、キャビティ15内に増大した容積分に相当する液状体が、リザーバ16から流路17を介して流入する。
そして、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。よって、キャビティ15も元の容積に戻ることから、キャビティ15内部の液状体の圧力が上昇し、ノズル18から液状体の液滴22が吐出される。
【0021】
なお、吐出ヘッドの吐出手段としては、前記の圧電素子(ピエゾ素子)20を用いた電気機械変換体以外でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式や、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式、さらにはレーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液状体を吐出させる方式を採用することもできる。
【0022】
液状体タンク35は、図2に示したように吐出ヘッド34の近傍に配置されたもので、吐出によって形成する構成要素の液状材料(液状体)を貯留したものである。この液状体タンク35には、その内部、あるいはその外側にヒータ(図示せず)が設けられていてもよい。このヒータは、貯留している液状体を加熱するためのもので、特に液状体が高粘性のものの場合などに、加熱することで粘度を低くし、液状体タンク35から吐出ヘッド34への液状体の流入を容易にできるようにするものである。
【0023】
本実施形態の液状体吐出装置10には、図1に示すように、イオン発生手段50が設けられている。このイオン発生手段50は、イオン風を発生させるもの、例えばイオナイザーやイオン送風機によって構成することができる。ここで、イオン風とは、放電針先端でコロナ放電により生じたイオンに、空気やN2を吹き付けてイオンの流れとしたものである。なお、本発明におけるイオン発生手段50は、上記の放電針を多数備えることで、十分な量のイオンを送ることができるように構成されている。
このイオン発生手段50によれば、基板Sをハンドリングするために窓部12に設けられたゴムグローブ13,13の除電を効率よく行うことができるので、電荷を溜めやすい材料から構成されるゴムグローブ13の帯電を効果的に防止でき、ゴムグローブ13に滞留した電荷によって基板Sや吐出ヘッド34に設けられた素子が静電破壊されるのを効果的に防止することができる。この構成により、本実施形態の構成による液状体吐出装置は、長時間稼働に耐える、信頼性の高い液状体吐出装置とされている。
【0024】
イオン発生手段50については、前記各部材に対して十分均等にイオン風を吹き付けることができるよう、これを移動させる移動手段に取り付けておき、この移動手段の動作によりゴムグローブ13の長さ方向に沿って移動させるようにしてもよい。
また、前記イオン発生手段50の配置は、図示した位置に限定されず、ゴムグローブ13,13に適切にイオン風を送ることができるならば、グローブボックス11内の任意の位置に配置することができる。また、本発明に係る吐出装置10では、グローブボックス11内の複数の位置にイオン発生手段を設けることができ、このような構成とするならば、ゴムグローブ13のみならず、吐出装置本体30や基板Sの帯電も効果的に抑えることができ、これらの部材の帯電による吐出ヘッド34や基板Sの素子の静電破壊が極めて生じ難い液状体吐出装置とすることができる。
【0025】
また、イオン発生手段50のイオン風による除電は、ゴムグローブ13,13に対して非接触であることから、基板Sのハンドリングに支障を来すことがなく、極めて好ましい除電方法となる。また、イオン風を送る(吹き付ける)ことによる電荷の中和は、ゴムグローブ13による基板Sのハンドリングを行う前に行うのはもちろん、ハンドリング中にも行うようにするのが好ましい。
【0026】
上記構成の液状体吐出装置を用いることで、基板Sのハンドリング時にゴムグローブの電荷により基板Sが帯電するのを効果的に防止することができるので、基板Sの帯電により基板S上にアクティブ素子等が設けられている場合には、その素子の静電破壊を防止することができる。また、易帯電性の液状体を用いて基板S上の構成要素が形成されている場合にも、その構成要素が帯電され難くすることができる。したがって、易帯電性の液状体によって形成される構成要素、例えば金属配線が帯電するのも効果的に防止することができ、従って、この構成要素(金属配線)の帯電に起因して吐出ヘッド34が破壊されてしまうなどの不都合が生じることもない。
【0027】
なお、前記実施形態では、基板Sに設けられる易帯電性の構成要素としてTFTなどのアクティブ素子を、また易帯電性の材料からなる液状体として金属コロイド材料などの金属配線材料を例示したが、本発明はこれらに限定されることなく、易帯電性の構成要素、あるいは易帯電性の材料からなる液状体として他の種々のものも適用することができる。具体的には、易帯電性の構成要素としては、前記した金属配線や各種のメモリ素子、有機EL素子、有機TFT素子などを挙げることができ、易帯電性の材料からなる液状体としては、導電性微粒子を分散させてなる液状体や、導電性の樹脂材料、例えば導電性カラーフィルタ材料などを挙げることができる。また、本発明は、前記構成要素や液状体として、易帯電性のものを用いた場合に大きな効果を得ることができるが、それ以外の構成要素や液状体に用いても良いのは勿論である。
【0028】
次に、本発明の液状体吐出装置の適用例として、有機EL装置の製造例について説明する。
図4は、前記吐出装置により一部の構成要素が製造された有機EL装置の側断面図であり、まずこの有機EL装置の概略構成を説明する。
図4に示すようにこの有機EL装置本体301は、基板311、回路素子部321、画素電極331、バンク部341、発光素子351、陰極361(対向電極)、および封止基板371から構成された有機EL素子本体302に、フレキシブル基板(図示略)の配線および駆動IC(図示略)を接続したものである。回路素子部321は、TFT等からなるアクティブ素子が基板311上に形成され、複数の画素電極331が回路素子部321上に整列して構成されたものである。そして、各画素電極331間にはバンク部341が格子状に形成されており、バンク部341により生じた凹部開口344に、発光素子351が形成されている。陰極361は、バンク部341および発光素子351の上部全面に形成され、陰極361の上には封止用基板371が積層されている。
【0029】
有機EL素子を含む有機EL装置本体301の製造プロセスは、バンク部341を形成するバンク部形成工程と、発光素子351を適切に形成するためのプラズマ処理工程と、発光素子351を形成する発光素子形成工程と、陰極361を形成する対向電極形成工程と、封止用基板371を陰極361上に積層して封止する封止工程とを備えている。
【0030】
発光素子形成工程は、凹部開口344、すなわち画素電極331上に正孔注入層352および発光層353を形成することにより発光素子351を形成するもので、正孔注入層形成工程と発光層形成工程とを具備している。そして、正孔注入層形成工程は、正孔注入層352を形成するための第1組成物(液状体)を各画素電極331上に吐出する第1吐出工程と、吐出された第1組成物を乾燥させて正孔注入層352を形成する第1乾燥工程とを有し、発光層形成工程は、発光層353を形成するための第2組成物(液状体)を正孔注入層352の上に吐出する第2吐出工程と、吐出された第2組成物を乾燥させて発光層353を形成する第2乾燥工程とを有している。
【0031】
この発光素子形成工程において、正孔注入層形成工程における第1吐出工程と、発光層形成工程における第2吐出工程とで前記の吐出装置本体30を用いている。
この有機EL装置本体301の製造において、各構成要素形成のための吐出に先立ち、基板311、すなわち回路素子部321や画素電極331といった易帯電性の構成要素を形成した基板311を基板保持部32に対して配置する作業を行うに際して、ゴムグローブ13,13にイオン発生手段50からイオン風を送りゴムグローブ13,13の除電を行ってから、あるいは除電を行いながら基板311のハンドリングを行う。これにより、基板311が帯電するのを防止することができ、また基板の帯電による吐出ヘッド34の静電破壊を防止することができるので、得られる有機EL装置本体301の生産性を向上し、かつその信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の液状体吐出装置の概略構成図である。
【図2】図2は、本発明の吐出装置本体の斜視構成図である。
【図3】図3は、吐出ヘッドの概略構成図である。
【図4】図4は、有機EL装置の側断面図である。
【符号の説明】
10…液状体吐出装置、11…グローブボックス、13…ゴムグローブ(基板ハンドリング手段)、30…吐出装置本体、32…基板移動手段(基板保持部)、34…吐出ヘッド、50…イオン発生手段、S…基板(基板)
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状体吐出装置に関し、特に液状体を吐出される基板のハンドリングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液状体材料を吐出する吐出ヘッドを備えた吐出装置として、インクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタが知られている。
インクジェットプリンタに備えられるインクジェットヘッドは、通常、液状体を貯留するキャビティと、該キャビティに連通するノズルと、前記キャビティ内に貯留された液状体を前記ノズルより吐出させるための吐出手段とを有して構成されている。また、このような吐出ヘッドには液状体を貯留する液状体タンクが接続されており、これから吐出ヘッドに液状体が供給されるようになっている。
【0003】
また、前記のインクジェットヘッドは、近年では吐出ヘッドとして、民生用のインクジェットプリンタだけでなく工業用の吐出装置、すなわち各種デバイスの構成要素を形成するための装置としても使用されるようになってきている。例えば、液晶装置などにおけるカラーフィルタ、有機EL装置における発光層や正孔注入層、さらには各種デバイスの金属配線、マイクロレンズなどについても、その形成のために吐出ヘッドが用いられるようになってきている。
【0004】
ここで、前記インクジェットヘッドを液晶装置などのカラーフィルタの製造に用いた場合、特に基板がガラス製であることから帯電し易く、したがってこの帯電した領域にカラーフィルタ材料を吐出した際、吐出した液滴が所望の位置と異なる方向に着弾されてしまう、いわゆる飛行曲がりが生じることがある。
そこで、このような飛行曲がりを抑え、液滴の着弾位置ずれを防止したカラーフィルタの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−281810号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のカラーフィルタの製造方法では、単に基板そのものの帯電を防止することを目的としている。これは、あくまで基板がガラスなどの電荷が解放され難いものであることによる。
しかしながら、カラーフィルタ製造以外の各種のデバイスの製造プロセスでは、基板そのもの以外の要素、例えば、インクを基板に対して吐出するための装置部品や、インクそのものが帯電する場合があり、特に、インクの帯電はヘッドから吐出される液滴の飛行曲がりを生じさせるのみならず、インクジェットヘッド(吐出ヘッド)の駆動素子や基板上に既設された電気回路等の破壊の原因となるおそれがある。
しかして、このような基板そのもの以外の要素に対しては、これの帯電を防止する技術が提供されていないのが現状である。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、液状体を吐出される基板そのものではなく、液状体吐出装置の構成要素が帯電することによる不都合を防止することができる液状体吐出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の液状体吐出装置は、基板を保持する基板保持部と、該基板上に液状体を吐出する吐出ヘッドとを備え、前記基板保持部及び吐出ヘッドが、外部から前記基板を操作するための基板ハンドリング手段を有するグローブボックス内に収容されてなる液状体吐出装置において、前記グローブボックス壁面から延設された基板ハンドリング手段に向けてイオン風を送るイオン発生手段を備えたことを特徴としている。
上記構成の液状体吐出装置によれば、吐出ヘッドから液状体を吐出される基板をハンドリングするためにグローブボックスに設けられた基板ハンドリング手段に向けてイオン風を送るようになっているので、この基板ハンドリング手段の帯電を効果的に防止することができ、前記吐出ヘッドの素子部や液状体を吐出される基板に設けられた素子等の静電破壊が防止される。従って、液状体吐出装置による製品の生産性を向上することができるとともに、その信頼性を高めることができる。
【0009】
本発明の液状体吐出装置は、前記基板ハンドリング手段が、ゴムグローブであることを特徴とする。
本発明は、基板ハンドリング手段が帯電しやすいゴムグローブである場合にも、効率的にゴムグローブの除電を行うことができるので、使用感に優れるゴムグローブを使用して基板をハンドリングすることができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0010】
本発明の液状体吐出装置は、前記グローブボックスの内部に複数のイオン発生手段を備えたことを特徴としている。この構成によれば、上記基板ハンドリング手段のみならず、基板やグローブボックスの本体、あるいは基板保持部、吐出ヘッドの帯電を防止することができるので、液状体吐出装置による製品の生産性をさらに向上することができるとともに、その信頼性を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の液状体吐出装置の一実施形態における全体構成を示す図であり、この図に示す液状体吐出装置10は、吐出装置本体30と、この吐出装置本体30を内部に収容してなるグローブボックス11とを備えて構成されている。前記グローブボックス11は、その一壁面に設けられた窓部12と、この窓部12に開口端を固定された2本のゴムグローブ13,13とを備えており、窓部12の周囲、及び窓部に固定されたゴムグローブ13の開口端が封止されることでグローブボックスと外気とを遮断している。そして、ゴムグローブ13,13へ使用者Oの両腕を挿入することで、グローブボックス10内部を大気解放せずに、吐出装置本体30の操作等を行えるようになっている。
【0012】
図2は、図1に示す吐出装置本体30の斜視構成図である。この吐出装置本体30は、図2に示すように、ベース31、基板移動手段32、ヘッド移動手段33、吐出ヘッド34、液状体タンク35、イオン発生手段50等を有して構成されたもので、吐出ヘッド34より基板Sに対して液状体を吐出するものである。なお、本実施形態の吐出装置本体30では、前記基板Sとして易帯電性の構成要素が設けられたものも好適に用いることができ、また前記液状体として易帯電性の材料を用いることもできる。さらに、基板Sの形状や寸法等に特に限定はなく、図示した平板状のもの以外を用いたとしても本発明の技術範囲を逸脱するものではない。
【0013】
ベース31は、その上に前記基板移動手段32、ヘッド移動手段33を設置したものである。
基板移動手段32は、本発明における基板保持部、すなわち基板Sを保持するための基板保持部として機能するもので、Y軸方向に沿ってガイドレール36を有したものである。このような構成のもとに、基板移動手段32は例えばリニアモータにより、スライダ37をガイドレール36に沿って移動させるようになっている。スライダ37には、θ軸用のモータが備えられている。このモータは、例えばダイレクトドライブモータからなるものであり、これのロータはテーブル39に固定されている。このような構成のもとに、モータに通電するとロータおよびテーブル39は、θ方向に沿って回転し、テーブル39をインデックス(回転割り出し)するようになっている。
【0014】
テーブル39は、基板Sを位置決めし、保持するものである。すなわち、このテーブル39は、公知の吸着保持手段(図示せず)を有し、この吸着保持手段を作動させることにより、基板Sをテーブル39の上に吸着保持するようになっている。基板Sは、テーブル39の位置決めピン(図示せず)により、テーブル39上の所定位置に正確に位置決めされ、保持されるようになっている。テーブル39には、吐出ヘッド34がインクを捨打ちあるいは試し打ちするためのフラッシング領域41が設けられている。このフラッシング領域41は、Y軸方向に延びて形成されたもので、基板SのX軸方向の側方側に設けられたものである。
【0015】
ヘッド移動手段33は、ベース31の後部側に立てられた一対の架台33a、33aと、これら架台33a、33a上に設けられた走行路33bとを備えてなるもので、走行路33bをX軸方向、すなわち前記の基板移動手段32のY軸方向と直交する方向に沿って配置したものである。走行路33bは、架台33a、33a間に渡された保持板33cと、この保持板33c上に設けられた一対のガイドレール33d、33dとを有して形成されたもので、ガイドレール33d、33dの長さ方向に吐出ヘッド34を保持させるスライダ42を移動可能に保持したものである。スライダ42は、リニアモータ(図示せず)等の作動によってガイドレール33d、33d上を走行し、これにより吐出ヘッド34をX軸方向に移動させるよう構成されたものである。
【0016】
吐出ヘッド34には、揺動位置決め手段としてのモータ43、44、45、46が接続されている。そして、モータ43を作動させると、吐出ヘッド34はZ軸に沿って上下動し、Z軸上での位置決めが可能になっている。なお、このZ軸は、前記のX軸、Y軸に対しそれぞれに直交する方向(上下方向)である。また、モータ44を作動させると、吐出ヘッド34は図1中のβ方向に沿って揺動し、位置決め可能になり、モータ45を作動させると、吐出ヘッド34はγ方向に揺動し、位置決め可能になり、モータ46を作動させると、吐出ヘッド34はα方向に揺動し、位置決め可能になる。
【0017】
このように吐出ヘッド34は、スライダ42上において、Z軸方向に直線移動して位置決め可能となり、かつ、α、β、γに沿って揺動し、位置決め可能となっている。したがって、吐出ヘッド34のインク吐出面を、テーブル39側の基板Sに対する位置あるいは姿勢を、正確に制御することができるようになっている。
ここで、吐出ヘッド2は、図3(a)に示すように例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数のキャビティ15…とリザーバ16とが形成されており、これらキャビティ15…とリザーバ16とは流路17を介して連通している。
【0018】
各キャビティ15とリザーバ16の内部とは液状体で満たされるようになっており、これらの間の流路17はリザーバ16からキャビティ15に液状体を供給する供給口として機能するようになっている。また、ノズルプレート12には、キャビティ15から液状体を噴射するための孔状のノズル18が縦横に整列した状態で複数形成されている。一方、振動板13には、リザーバ16内に開口する孔19が形成されており、この孔19には液状体タンク35が供給チューブ24(図2参照)を介して接続されている。
【0019】
また、振動板13のキャビティ15に向く面と反対の側の面上には、図3(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21、21間に挟持され、通電により外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたもので、本発明における液状体の吐出手段として機能するものである。
【0020】
このような構成のもとに圧電素子20が接合された振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲し、これによりキャビティ15の容積を増大させる。すると、キャビティ15内とリザーバ16内とが連通しており、リザーバ16内に液状体が充填されている場合には、キャビティ15内に増大した容積分に相当する液状体が、リザーバ16から流路17を介して流入する。
そして、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。よって、キャビティ15も元の容積に戻ることから、キャビティ15内部の液状体の圧力が上昇し、ノズル18から液状体の液滴22が吐出される。
【0021】
なお、吐出ヘッドの吐出手段としては、前記の圧電素子(ピエゾ素子)20を用いた電気機械変換体以外でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式や、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式、さらにはレーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液状体を吐出させる方式を採用することもできる。
【0022】
液状体タンク35は、図2に示したように吐出ヘッド34の近傍に配置されたもので、吐出によって形成する構成要素の液状材料(液状体)を貯留したものである。この液状体タンク35には、その内部、あるいはその外側にヒータ(図示せず)が設けられていてもよい。このヒータは、貯留している液状体を加熱するためのもので、特に液状体が高粘性のものの場合などに、加熱することで粘度を低くし、液状体タンク35から吐出ヘッド34への液状体の流入を容易にできるようにするものである。
【0023】
本実施形態の液状体吐出装置10には、図1に示すように、イオン発生手段50が設けられている。このイオン発生手段50は、イオン風を発生させるもの、例えばイオナイザーやイオン送風機によって構成することができる。ここで、イオン風とは、放電針先端でコロナ放電により生じたイオンに、空気やN2を吹き付けてイオンの流れとしたものである。なお、本発明におけるイオン発生手段50は、上記の放電針を多数備えることで、十分な量のイオンを送ることができるように構成されている。
このイオン発生手段50によれば、基板Sをハンドリングするために窓部12に設けられたゴムグローブ13,13の除電を効率よく行うことができるので、電荷を溜めやすい材料から構成されるゴムグローブ13の帯電を効果的に防止でき、ゴムグローブ13に滞留した電荷によって基板Sや吐出ヘッド34に設けられた素子が静電破壊されるのを効果的に防止することができる。この構成により、本実施形態の構成による液状体吐出装置は、長時間稼働に耐える、信頼性の高い液状体吐出装置とされている。
【0024】
イオン発生手段50については、前記各部材に対して十分均等にイオン風を吹き付けることができるよう、これを移動させる移動手段に取り付けておき、この移動手段の動作によりゴムグローブ13の長さ方向に沿って移動させるようにしてもよい。
また、前記イオン発生手段50の配置は、図示した位置に限定されず、ゴムグローブ13,13に適切にイオン風を送ることができるならば、グローブボックス11内の任意の位置に配置することができる。また、本発明に係る吐出装置10では、グローブボックス11内の複数の位置にイオン発生手段を設けることができ、このような構成とするならば、ゴムグローブ13のみならず、吐出装置本体30や基板Sの帯電も効果的に抑えることができ、これらの部材の帯電による吐出ヘッド34や基板Sの素子の静電破壊が極めて生じ難い液状体吐出装置とすることができる。
【0025】
また、イオン発生手段50のイオン風による除電は、ゴムグローブ13,13に対して非接触であることから、基板Sのハンドリングに支障を来すことがなく、極めて好ましい除電方法となる。また、イオン風を送る(吹き付ける)ことによる電荷の中和は、ゴムグローブ13による基板Sのハンドリングを行う前に行うのはもちろん、ハンドリング中にも行うようにするのが好ましい。
【0026】
上記構成の液状体吐出装置を用いることで、基板Sのハンドリング時にゴムグローブの電荷により基板Sが帯電するのを効果的に防止することができるので、基板Sの帯電により基板S上にアクティブ素子等が設けられている場合には、その素子の静電破壊を防止することができる。また、易帯電性の液状体を用いて基板S上の構成要素が形成されている場合にも、その構成要素が帯電され難くすることができる。したがって、易帯電性の液状体によって形成される構成要素、例えば金属配線が帯電するのも効果的に防止することができ、従って、この構成要素(金属配線)の帯電に起因して吐出ヘッド34が破壊されてしまうなどの不都合が生じることもない。
【0027】
なお、前記実施形態では、基板Sに設けられる易帯電性の構成要素としてTFTなどのアクティブ素子を、また易帯電性の材料からなる液状体として金属コロイド材料などの金属配線材料を例示したが、本発明はこれらに限定されることなく、易帯電性の構成要素、あるいは易帯電性の材料からなる液状体として他の種々のものも適用することができる。具体的には、易帯電性の構成要素としては、前記した金属配線や各種のメモリ素子、有機EL素子、有機TFT素子などを挙げることができ、易帯電性の材料からなる液状体としては、導電性微粒子を分散させてなる液状体や、導電性の樹脂材料、例えば導電性カラーフィルタ材料などを挙げることができる。また、本発明は、前記構成要素や液状体として、易帯電性のものを用いた場合に大きな効果を得ることができるが、それ以外の構成要素や液状体に用いても良いのは勿論である。
【0028】
次に、本発明の液状体吐出装置の適用例として、有機EL装置の製造例について説明する。
図4は、前記吐出装置により一部の構成要素が製造された有機EL装置の側断面図であり、まずこの有機EL装置の概略構成を説明する。
図4に示すようにこの有機EL装置本体301は、基板311、回路素子部321、画素電極331、バンク部341、発光素子351、陰極361(対向電極)、および封止基板371から構成された有機EL素子本体302に、フレキシブル基板(図示略)の配線および駆動IC(図示略)を接続したものである。回路素子部321は、TFT等からなるアクティブ素子が基板311上に形成され、複数の画素電極331が回路素子部321上に整列して構成されたものである。そして、各画素電極331間にはバンク部341が格子状に形成されており、バンク部341により生じた凹部開口344に、発光素子351が形成されている。陰極361は、バンク部341および発光素子351の上部全面に形成され、陰極361の上には封止用基板371が積層されている。
【0029】
有機EL素子を含む有機EL装置本体301の製造プロセスは、バンク部341を形成するバンク部形成工程と、発光素子351を適切に形成するためのプラズマ処理工程と、発光素子351を形成する発光素子形成工程と、陰極361を形成する対向電極形成工程と、封止用基板371を陰極361上に積層して封止する封止工程とを備えている。
【0030】
発光素子形成工程は、凹部開口344、すなわち画素電極331上に正孔注入層352および発光層353を形成することにより発光素子351を形成するもので、正孔注入層形成工程と発光層形成工程とを具備している。そして、正孔注入層形成工程は、正孔注入層352を形成するための第1組成物(液状体)を各画素電極331上に吐出する第1吐出工程と、吐出された第1組成物を乾燥させて正孔注入層352を形成する第1乾燥工程とを有し、発光層形成工程は、発光層353を形成するための第2組成物(液状体)を正孔注入層352の上に吐出する第2吐出工程と、吐出された第2組成物を乾燥させて発光層353を形成する第2乾燥工程とを有している。
【0031】
この発光素子形成工程において、正孔注入層形成工程における第1吐出工程と、発光層形成工程における第2吐出工程とで前記の吐出装置本体30を用いている。
この有機EL装置本体301の製造において、各構成要素形成のための吐出に先立ち、基板311、すなわち回路素子部321や画素電極331といった易帯電性の構成要素を形成した基板311を基板保持部32に対して配置する作業を行うに際して、ゴムグローブ13,13にイオン発生手段50からイオン風を送りゴムグローブ13,13の除電を行ってから、あるいは除電を行いながら基板311のハンドリングを行う。これにより、基板311が帯電するのを防止することができ、また基板の帯電による吐出ヘッド34の静電破壊を防止することができるので、得られる有機EL装置本体301の生産性を向上し、かつその信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の液状体吐出装置の概略構成図である。
【図2】図2は、本発明の吐出装置本体の斜視構成図である。
【図3】図3は、吐出ヘッドの概略構成図である。
【図4】図4は、有機EL装置の側断面図である。
【符号の説明】
10…液状体吐出装置、11…グローブボックス、13…ゴムグローブ(基板ハンドリング手段)、30…吐出装置本体、32…基板移動手段(基板保持部)、34…吐出ヘッド、50…イオン発生手段、S…基板(基板)
Claims (3)
- 基板を保持する基板保持部と、該基板上に液状体を吐出する吐出ヘッドとを備え、
前記基板保持部及び吐出ヘッドが、外部から前記基板を操作するための基板ハンドリング手段を有するグローブボックス内に収容されてなる液状体吐出装置において、
前記グローブボックス壁面から延設された基板ハンドリング手段に向けてイオン風を送るイオン発生手段を備えたことを特徴とする液状体吐出装置。 - 前記基板ハンドリング手段が、ゴムグローブであることを特徴とする請求項1記載の液状体吐出装置。
- 前記グローブボックスの内部に複数のイオン発生手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の液状体吐出装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002333458A JP2004167303A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | 液状体吐出装置 |
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JP2002333458A JP2004167303A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | 液状体吐出装置 |
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JP2002333458A Pending JP2004167303A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | 液状体吐出装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100671124B1 (ko) | 2004-10-19 | 2007-01-17 | 제일모직주식회사 | 이온화모듈을 구비한 글로브박스, 및 이를 이용한 반도체및 유기el 소자의 평가방법 |
-
2002
- 2002-11-18 JP JP2002333458A patent/JP2004167303A/ja active Pending
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