以下、本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。
<遊技機の基本構成>
本発明の実施形態に係る遊技機は、以下に説明する構成要素を備えている。
すなわち、本発明の実施形態に係る遊技機は、遊技結果を表示するとともに演出表示を行うための遊技結果表示手段と、該遊技結果表示手段に特定の遊技結果が表示された場合に遊技者にとって有利な利益状態を発生させるための利益状態発生手段と、前記遊技結果表示手段における表示制御を行うための表示制御手段とを備えている。
前記遊技結果表示手段は、第1表示手段と、該第1表示手段の遊技機前面側において該第1表示手段に重なるようにして配設された第2表示手段を含んでいる。
また、本発明の実施形態に係る遊技機は、遊技者による操作が可能な遊技開始指令手段と、該遊技開始指令手段の出力に基づいて遊技を開始するための遊技開始手段とを備えており、該遊技開始手段の作動毎に遊技結果表示手段が作動する。
また、本発明の実施形態に係る遊技機は、遊技者の操作に応じて遊技結果を導出するための遊技結果導出手段を有しており、該遊技結果導出手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が前記遊技結果表示手段における表示制御を行う。
また、本発明の実施形態に係る遊技機は、前記遊技開始指令手段の出力に基づいて、複数の当選役から1又は複数の当選役を選択するための当選役選択手段を有しており、該当選役選択手段の出力に基づいて、前記表示制御手段が作動する。この場合、前記当選役選択手段における選択結果を報知するための当選役選択結果報知手段を備えることができる。該当選役選択結果報知手段における報知では、視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的等、どのような報知方法を採用してもよい。
前記表示制御手段は、第1表示手段を制御するための第1表示制御手段と、第2表示手段を制御するための第2表示制御手段とを含んでいる。
前記第2表示制御手段は、前記第1表示制御手段から前記第1表示手段の表示態様に関する表示関連情報信号を受信可能である表示関連情報受信手段、又は前記当選役選択手段から当選役の選択結果に関する当選役情報信号を受信可能である当選役情報受信手段の少なくとも一方を含んでいる。そして、前記表示関連情報受信手段により受信した表示関連情報信号、あるいは前記当選役情報受信手段により受信した当選役情報信号に基づいて、前記第2表示手段において前記第1表示手段の表示態様と関連した表示制御を行う。なお、前記表示関連情報受信手段及び前記当選役情報受信手段を別個に構成するのではなく、1つの受信手段により前記表示関連情報及び前記当選役情報を受信するように構成してもよい。
前記第1表示制御手段の制御に基づいて第1表示手段に表示された画像は、前記第2表示制御手段の制御に基づいて第2表示手段に表示された画像と重合されて、遊技状態を表示可能となっている。ここで、前記第1表示手段と前記第2表示手段とを別体として設け、両者を所定の間隔を隔てて配設することができる。また、前記第1表示手段と前記第2表示手段とを一体的に構成することができる。
前記第1表示手段は、1又は複数の画像を可変表示するとともに停止可能な複数の図柄表示部を含んでいる。
前記第2表示手段は、前記第1表示手段の図柄表示部の領域に対応するようにして、図柄表示部に表示された図柄を透過表示可能な透過表示部を備えている。ここで、図柄表示部の数は特に限定されるものではなく、1つ、2つ、3つ等、いくつ設けてもよい。また、図柄表示部に表示される図柄数は特に限定されるものではなく、1つ、縦並びに3つ、横並びに3つ、斜めに3つ等、いくつであってもよい。また、前記第2表示手段は、複数の図柄表示部に跨るようにして設けてもよい。この場合、前記第2表示手段は、前記第1表示手段よりも大きな面積を有するように構成することができる。
前記第1表示制御手段は、前記第1表示手段において特定の題材、例えば特定のキャラクタに基づいた演出表示の制御を行うことができる。この場合、前記第2表示手段において前記特定の題材に基づいた演出表示の制御を行う通常状態と、前記特定の題材以外の題材に基づいた演出表示を行う特別状態とを切換可能とすることができる。そして、前記第2表示制御手段が前記特別状態に切り換えられている場合には、前記通常状態と比較して遊技者にとって有利な利益状態を高確率で発生させることができる。遊技者にとって有利な利益状態とは、前記利益状態発生手段により発生させる利益状態のことである。また、通常状態と比較した高確率とは、いたずらに遊技者の射幸心を煽るものでなければ、どのような確率に設定してもよい。
また、前記第2表示制御手段は、前記当選役選択手段により選択された当選役に対応する図柄が前記第1表示手段に停止表示された場合に、前記第2表示手段において前記図柄の停止表示位置に対応させて、前記図柄と同等の図柄を表示させる。例えば、第1表示手段に表示されたキャラクタに重ねて、第2表示手段に略同様のキャラクタを表示させることができる。
また、前記第2表示制御手段は、前記第2表示手段において前記第1表示手段の外形に対応した形状で図柄を表示させる制御を行うことができる。例えば、第1表示手段が回転リールである場合には、第2表示手段において略同様の回転リールを表示させることができる。
さらに、第1表示手段及び第2表示手段の他に、第3表示手段を備えて構成することもできる。この場合、前記第1表示手段、前記第2表示手段、及び第3表示手段の配設順序は、どのような順序であってもよい。
また、本発明の実施形態に係る遊技機は、前記第1表示手段と前記第2表示手段の少なくとも一方に特別遊技結果が表示された場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるための特別遊技発生手段を備えている。ここで、該特別遊技発生手段と前記第2表示手段とを一体的に構成することができる。例えば、前記第2表示手段の演出表示において所定の条件が成立すると、前記第2表示手段における演出表示に重ねて前記図柄表示部に特定図柄を表示したり、あるいは前記図柄表示部に特定図柄が表示されないようにすることができる。
また、本発明の実施形態に係る遊技機は、第1表示手段を遊技機前面側から照明するための前方照明手段を備えるとともに、前記第1表示手段を遊技機背面側から照明するための後方照明手段を備えている。ここで、前記前方照明手段又は前記後方照明手段は、前記図柄表示部毎に設けることができる。
<各手段等の具体例>
次に、前記各手段等の具体例を説明する。なお、以下に示す具体例は、本発明に係る遊技機における各手段の一例であり、これらの具体例に限定されるものではない。
前記遊技機とは、例えば、パチスロ遊技機、パチンコ機(第1種、第2種、第3種)、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、ビデオスロットゲームマシン、ビデオポーカゲームマシン、スロットマシン等、遊技結果を表示する遊技結果表示部とその遊技結果表示部に特定表示がなされた場合に、遊技者に有利な状態に遊技状態を変換制御する機能を有していればどのような遊技機であってもよい。
また、前記遊技結果表示手段とは、遊技結果を表示するための表示装置であり、第1表示手段及び第2表示手段とからなり、例えば、CRT、LCD、プラズマディスプレイ、7セグメント表示器、ドットマトリクス表示器、ランプ、LED、蛍光灯、EL(エレクトロルミネッセンス)表示器、回転リール、回転ディスク表示器、フレキシブルLED、フレキシブル液晶表示器、液晶プロジェクタ等、どのような表示装置であってもよい。
前記遊技結果表示手段に表示される遊技結果とは、遊技開始指令手段の操作又は遊技結果導出手段の操作に応じて表示されるものであり、静止画像、動画像、あるいはこれらの組合せとして表示される。
弾球遊技機の場合の遊技結果は、遊技盤に設けられた所定の入賞口に遊技球又はコインなどの遊技媒体が入球又は通過した場合に表示されるものも含める。
前記利益状態発生手段により発生する利益状態とは、例えば、パチスロ遊技機においては、小役入賞、リプレイゲーム、フリーゲーム、アシストゲーム、リプレイ抽選高確率ゲーム、BB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)、AT(アシストタイム)、CT(チャレンジタイム)、等のことであり、またパチンコ機においては、小当たり(大入賞口の開放)、中当たり(大入賞口の開放)、大当たり(大入賞口が所定条件の充足により連続的に開放する状態)、当たり(図柄始動口の開放又は拡大)、特図確変(大当たり出現確率変動)、特図変短(特別図柄の変動時間短縮)、普図確変(当たりの出現確率変動)、普図変短(普通図柄の変動時間短縮)、普電開放延長(図柄始動口の開放又は拡大時間延長)、特電開放延長(大入賞口の開放又は拡大時間延長)等のことである。また、前記各利益状態を複合的に発生させてもよい。さらに、前記各利益状態の継続回数を増加させてもよい。
前記遊技開始指令手段とは、例えば、パチスロ遊技機におけるスタートスイッチ、ベットスイッチ、遊技媒体の投入等のことをいう。また、パチンコ機における遊技盤に設けられた所定の図柄始動口又は所定の図柄始動ゲート等のことをいう。
前記遊技開始手段とは、例えば、遊技を制御するための制御装置及びその制御プログラムのことをいう。
前記表示制御手段とは、例えば、表示制御装置及びその制御プログラムのことをいう。また、前記表示制御手段を、第1表示制御手段と第2表示制御手段とにより構成することもできる。ここで、例えば、第1表示手段が回転リールである場合には、第1表示制御手段とは、回転リールの回転及び停止を制御するための制御装置及びその制御プログラムのことをいう。また、例えば、第2表示手段が液晶表示装置である場合には、第2表示制御手段とは、ビデオプロセッサ等を有する制御装置及びその制御プログラムのことをいう。
前記表示関連情報受信手段及び前記当選役情報受信手段とは、例えば、前記第2表示制御手段である制御装置内に形成された受信回路及びその制御プログラムのことをいう。
前記遊技結果導出手段とは、例えば、パチスロ遊技機におけるストップスイッチのことをいう。この場合、ストップスイッチの数は特に限定されるものではない。
前記当選役選択手段とは、例えば、乱数抽選に基づいて「当選」を選択するための制御装置及びその制御プログラムのことをいう。この場合、「当選」には、「ハズレ」、「リプレイ」等、乱数抽選の結果として導出される種々の遊技状態を含む。
特別遊技発生手段とは、例えば、パチスロ遊技機において、「ビッグボーナス」、「レギュラーボーナス」等を発生させるための制御装置及びその制御プログラムのことをいい、また、パチンコ機において、「大当たり」、「特図確変」等を発生させるための制御装置及びその制御プログラムのことをいう。
前記第1表示手段とは、例えば、パチスロ遊技機における回転リールのことをいう。なお、回転リールが回転中には、所定の条件に基づいてストップスイッチが有効とならない場合がある。
前記第2表示手段とは、例えば、液晶表示装置のことをいう。この場合、液晶表示装置の所定領域には、回転リールの図柄表示を透過して表示可能な透過表示部を含んでいる。すなわち、該透過表示部以外の領域は、液晶表示装置のバックライトからの光線を拡散するための拡散部を有しており、一方、該透過表示部は、この拡散部を有していない。
前記第3表示手段とは、例えば、パチスロ遊技機におけるベット数表示器、演出専用回転リール等のことをいう。さらに、この第3表示手段を当選役選択結果報知手段として機能させることもできる。
また、各表示手段における表示とは、視覚的な表示に限られず、聴覚的な表示、嗅覚的な表示、ランプ点灯態様による表示、これらの表示を複合的に行う表示であってもよい。さらに、視覚的な表示を行う場合には、色彩、模様、形状、あるいはこれらを組み合わせて表示することができる。また、当選確率等を表示する場合には、その信頼度を変化させることができる。この場合、遊技に投入する遊技媒体数等に応じて信頼度を変化させてもよい。すなわち、遊技に投入した遊技媒体数が所定数以上である場合、あるいはクレジットされた遊技媒体数が所定数以上である場合には、信頼度を高めるような演出を行うことができる。
前記前方照明手段とは、例えば、パチスロ遊技機、パチンコ機において、回転リールを遊技機前方側から照明するためのランプ、LED等のことをいう。
前記後方照明手段とは、例えば、パチスロ遊技機、パチンコ機において、回転リールを内面側から照明するためのバックランプ等のことをいう。
また、前記各手段の動作は、所定の抽選結果に基づいて行われるように構成することができる。さらに、前記各手段の動作状態は、店員の操作、遊技者の操作、及び営業員の操作等に基づいて設定できるように構成してもよい。
また、現在主流のパチンコ機を補足的に説明すると、現在主流のパチンコ機は発射装置(図示せず)により遊技球を発射して遊技を行うための遊技盤を備えている。この遊技盤には、ガイドレールで囲まれた略円形の遊技部を備えており、遊技部内には、複数の障害釘や風車等の障害部材を配設するとともに、複数の特別図柄を変動表示するための特別図柄表示装置として機能する画像表示装置と、赤及び緑の2個の普通図柄表示LEDを内蔵する普通図柄表示装置と、複数の入賞口と、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技部内から排出するためのアウト口とを備えている。
また、遊技球の入賞を条件として画像表示装置における図柄の変動表示を開始させるための特別図柄始動口と、遊技球の通過を条件として、普通図柄表示装置の変動表示を開始させるための普通図柄始動口とを備えている。
また、画像表示装置における図柄の停止表示態様が所定の賞態様を構成した場合に、所定時間及び所定回数だけ遊技球を受け入れ易い状態(例えば、大当たり状態、中当たり状態、小当たり状態等)に切り換えられる大入賞口を備えている。
また、普通図柄表示装置に所定の表示結果が表示されると、特別図柄始動口を開放又は拡大させる(例えば当たり状態等)。
なお、前記特別図柄が特定図柄(確率変動図柄)である場合には、当該特別遊技が終了した後の遊技において、「大当たり」となる確率が高くなる、いわゆる確率変動遊技が行なわれる。
この特定図柄(確率変動図柄)としては、例えば「0」〜「11」の数字により表現される「大当たり」図柄のうちの奇数の図柄が特定図柄(確率変動図柄)となる。
<パチスロ遊技機の外観>
以下、図面を参照して、本発明に係る遊技機の具体的な実施形態を説明する。なお、以下に示す実施形態では、代表的な遊技機としてパチスロ遊技機を例にとって説明を行うが、本発明に係る遊技機はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るパチスロ遊技機の外観を示す斜視図である。
本発明の実施形態に係るパチスロ遊技機は、図1に示すように、遊技機筐体1の前面のほぼ中央より上部に、遊技機筐体1内に配設した回転リール2a,2b,2cの表面が臨む3個の表示窓3a,3b,3cが横並びに設けられており、表示窓3a,3b,3cの下方には、遊技に供する遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口4、クレジットされた範囲内で遊技に供する遊技メダルを投入するためのベットスイッチ5、クレジットされた遊技メダルを払い出すための貯留メダル精算スイッチ6、回転リール2a,2b,2cの回転を一斉に開始させるためのスタートスイッチ7、及び各回転リール2a,2b,2cの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ8a,8b,8c等が設けられている。
前記3個の表示窓3a,3b,3cには、表示窓3a,3b,3cを横断するようにして合計5本の有効ライン表示9a,9b,9c,9d,9eが施されている。この有効ライン表示は、横3本の有効ライン表示9b,9c,9d、及びこれらと交差する斜め2本の有効ライン表示9a,eからなり、遊技に供された遊技メダル数によって有効となるライン数が変化する。また、表示窓3aの左側には、遊技に供された遊技メダル数と有効ライン表示9a,9b,9c,9d,9eとの対応関係を表示するための3つの有効ラインランプ10a,10b,10cが設けられている。この有効ラインランプの前面には、例えば、「壱」、「弐」、「参」等の数字が表示されており、点灯した有効ラインランプ10a,10b,10cに対応して、投入した遊技メダル数及び有効ライン表示9a,9b,9c,9d,9eが明示されるようになっている。さらに、有効ラインランプ10a,10b,10cの上下には、パチスロ遊技機における遊技情報を表示するための複数の表示ランプ11a,11b,11cが設けられている。この表示ランプ11a,11b,11cは、第3表示部として機能するもので、例えば、遊技メダルの投入許可、遊技開始許可、ボーナス遊技の内部当選、遊技禁止、打ち止め等、種々の表示に用いることができる。
前記遊技機筐体1の前面下部には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口12が設けられているとともに、遊技メダル払出口12に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿13が設けられている。また、遊技機筐体1の前面上部には、装飾部14、及び一対のスピーカ15a,15bが設けられている。
なお、図示しないが、遊技機筐体1内には、所定の賞態様が構成された場合に遊技メダルを払い出すためのホッパが設けられている。
<回転リール>
回転リール2a,2b,2cは、本実施形態において第1表示手段として機能する部材であり、横並びに3個配設されている。各回転リール2a,2b,2cはそれぞれステッピングモータ等の駆動により回転する。また、各回転リール2a,2b,2cは透光性を有する部材により構成されており、その表面には、透光性を有し複数の図柄が表示されたリールテープ(図示せず)が貼り付けられている。
なお、回転リール2a,2b,2cの数は3個に限定されるものではなく、2個、4個等、何個配設されていてもよい。また、各回転リール2a,2b,2cに表示される図柄の種類は特に限定されるものではなく、例えば、「7」、「ベル」、「オレンジ」、「チェリー」、「JAC」、「BAR」、「人物」、「動物」、「魚」、「乗り物」等、種々の図柄を採用することができる。
図2を参照して、回転リール2a,2b,2cを説明する。図2は回転リール(2aを代表させて示す)及び液晶表示装置16の縦断面を示す模式図である。
この回転リール2aは、図2に示すように、その内部に、回転リール2aを内部から照明するための3個のバックライト17a,17b,17cが配設されている。なお、バックライトの数は3個に限られず、表示窓3a内に停止表示される図柄の個数に応じて、1個、2個、あるいは4個以上であってもよい。また、バックライト17a,17b,17cとしては、ランプ、LED等を用いることができる。
また、回転リール2a,2b,2cの前方側には、液晶表示装置16を背面側から照明するとともに、回転リール2a,2b,2cを表面側から照明するための前方照明装置18a,18bが上下にそれぞれ1個ずつ配設されている。この前方照明装置18a,18bとしては、例えば、蛍光灯、ランプ、LED等を用いることができる。なお、前方照明装置18a,18bを上下に一対設けるのではなく、上側あるいは下側だけに設けてもよい。
<液晶表示装置>
液晶表示装置16は、本実施形態において第2表示手段として機能する部材であり、図2に示すように、回転リール2a,2b,2cに対してパチスロ遊技機の前面側に位置するように重ねて配設されている。
図3及び図4を参照して、液晶表示装置16を説明する。図3は液晶表示装置16を縦断面とした模式図、図4は液晶表示装置16を正面から見た状態の模式図である。
液晶表示装置16は、図3に示すように、パチスロ遊技機の前方側から順に、液晶パネル19、導光板20、及び反射板21が配設されており、導光板20の上下には、蛍光灯、ランプ、LED等からなる光源22a,22bが配設されている。
また、図4に示すように、回転リール2a,2b,2cの表示窓3a,3b,3cに対応する部分は、回転リール2a,2b,2cの外周表面に描かれた図柄を透過表示可能な透過表示部23a,23b,23cとなっている。すなわち、透過表示部23a,23b,23c以外の不透過領域24は、前方照明装置18a,18bからの光線を拡散するための拡散部を有しており、一方、透過表示部23a,23b,23cはこの拡散部を有していない。さらに、液晶表示装置16の全体は、導光板20の上下に配設した光源22a,22bにより照明される。
本実施形態に係る液晶表示装置16では、透過表示部23a,23b,23cを通して回転リール2a,2b,2cに表示される図柄を視認することができ、さらに、透過表示部23a,23b,23c及び不透過領域24を含む画面全体に演出画像を表示することができる。
<主制御基板及び表示制御装置>
図5を参照して、回転リール2a,2b,2cにおける表示制御を行うための主制御基板、及び液晶表示装置16の画面における表示制御を行うための表示制御装置50について説明する。図5は主制御基板60及び表示制御装置50の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るパチスロ遊技機を制御するための制御装置は、主制御基板60と、主制御基板60の制御の下に、液晶表示装置16の画面における表示制御、スピーカ15a,15bからの音声の発生、及びランプ70の点灯・点滅等の制御を行う表示制御装置50とを備えている。ここで、主制御基板60が第1表示制御手段として機能し、表示制御装置50が第2表示制御手段として機能する。
表示制御装置50は、図5に示すように、主制御基板60と接続されたサブCPU51により制御が行われる装置で、制御プログラム等を記憶したROM52、一時記憶領域であるRAM53を備えている。また、液晶表示装置16の画面における表示制御を行う部分として、VDP(ビデオプロセッサ)54、VRAM(ビデオRAM)55、及びCROM(キャラクタROM)56を備えており、サブCPU51の制御の下にVDP54が動作して液晶表示装置16の画面における表示制御が行われる。さらに、スピーカ15a,15bから発生する音声を制御するための部分として、音源IC57、SRAM(サウンドRAM)58を備えており、サブCPU51の制御の下に音源IC57が動作してスピーカ15a,15bから効果音等が発生される。さらに、サブCPU51は、ランプ70の点灯・点滅等の制御も行う。なお、図5に示すランプ70とは、パチスロ遊技機に搭載された種々のランプ、LED等のように、装飾及び演出に用いられる光源部の総称である。
主制御基板60には、回転リール2a,2b,2cの回転を制御するためのモータ駆動回路80、回転リール位置検出回路90、及び回転リール停止信号回路100が接続されている。
モータ駆動回路80は、回転リール2a,2b,2cをそれぞれ駆動するためのステッピングモータ110a,110b,110cを制御するための回路である。また、回転リール位置検出回路90は、回転リール2a,2b,2cの回転位置を検出するための回路である。また、回転リール停止信号回路100には、ストップスイッチ8a,8b,8cが接続されており、ストップスイッチ8a,8b,8cが操作されると、主制御基板60に対して回転リール停止信号を送信する。
主制御基板60では、回転リール位置検出回路90により検出された回転リール2a,2b,2cの回転位置に基づいてモータ駆動回路80を制御し、回転リール2a,2b,2cの回転及び停止を制御する。そして、回転リール停止信号回路100からの回転リール停止信号を受信すると、モータ駆動回路80及び回転リール位置検出回路90を制御して、回転リール2a,2b,2cを所望の位置に停止させる。
なお、回転リール2a,2b,2cの停止制御は、所定の抽選結果に基づく場合と、抽選結果とは関係なく遊技者によるストップスイッチ8a,8b,8cの操作のみに基づく場合とがある。
また、図示しないが、主制御基板60には、種々の制御を行うための複数のスイッチ等が接続されている。
<表示制御装置における制御手順>
図6〜図10を参照して、表示制御装置50における画像表示処理の手順を説明する。図6は表示制御装置50における画像表示処理の手順を示すフローチャート、図7は主割込処理の手順を示すフローチャート、図8はVDP割込処理の手順を示すフローチャート、図9は同期割込処理の手順を示すフローチャート、図10はタイマ割込処理の手順を示すフローチャートである。
表示制御装置50における画像表示処理では、図6に示すように、サブCPU51、RAM53等の初期化を行い(S1)、バッファに対してチェックサムを算出してバックアップを行い(S2)、チェックサムが不正であった場合には、バックアップしたバッファを復帰させる(S3)。
続いて、コマンド処理(S4)を行い、バッファが完成しているか否かを判断する(S5)。ここで、バッファが完成していない場合には、データ更新処理(S6)を行うとともに、取得したデータをバッファとして蓄積する(S7)。
一方、バッファが完成している場合には、タイマフラグがオンとなっているか否かを判断し(S8)、タイマフラグがオンとなって画面更新の準備が整っていれば、VDPフラグがオンとなっているか否かを判断する(S9)。
ここで、VDPフラグがオンとなって描画準備が整っていれば、タイマフラグ及びVDPフラグをリセットし(S10,S11)、バッファをVDP54へ送信した後(S13)、バッファをクリアする(S14)。
なお、タイマフラグがオンとなっていない場合には、ステップS9の処理は行われず、また、VDPフラグがオンとなっていない場合には、ステップS10〜ステップS14の処理は行われない。
続いて、バッファに対してチェックサムを算出してバックアップを行い(S15)、ステップS3の処理へ戻り、以降の処理を繰り返して行う。
この画像表示処理に対しては、種々の割込処理がなされる。
主制御基板60からの主割込処理は、表示制御装置50に対して制御コマンドを送信するための割込処理で、図7に示すように、コマンド記憶が行われる(S21)。なお、パチスロ遊技機の場合には、ストローブ信号が20msecと比較的長いため、主割込処理を行わずに、画像表示処理におけるコマンド処理(S4)において主制御基板60からの信号を取り込んでもよい。
VDP割込処理は、VDP54における描画準備が整った旨を通知するための割込処理で、図8に示すように、VDPフラグがセットされる(S31)。画像表示制御処理では、このVDPフラグに基づいてステップS9の判断処理が行われる。
同期割込処理は、液晶表示装置16の画面における描画タイミングを制御するための割込処理で、図9に示すように、1000/60ms毎にタイマフラグがセットされる(S41)。画像表示制御処理では、このタイマフラグに基づいてステップS8の判断処理が行われる。本実施形態では、液晶表示装置16の画面において1000/30ms毎に描画が行われ画像が変化するようになっている。
タイマ割込処理は、ソフト的にタイマを更新するための割込処理で、図10に示すように、2ms毎にカウンタ更新が行われる(S51)。なお、タイマ割込処理のタイミングは2msに限られず、例えば2ms〜10msの範囲内のいずれかの値であってもよい。
<回転リール及び液晶表示装置における表示例>
図11〜図15を参照して、第1表示手段である回転リール2a,2b,2c及び第2表示手段である液晶表示装置16の画面における具体的な表示例について説明する。図11は表示例のパターン1を示す説明図、図12は表示例のパターン2を示す説明図、図13は表示例のパターン3を示す説明図、図14は表示例のパターン4を示す説明図、図15は表示例のパターン5を示す説明図である。
なお、図11〜図15において、図中の下矢印は回転リール2a,2b,2cが回転して図柄が変動中であることを示し、黒丸で表示されるストップスイッチ8a,8b,8cは停止操作が行われていない状態を示し、白丸で表示されるストップスイッチ8a,8b,8cは停止操作が行われた後の状態を示す。
表示例のパターン1は、回転リール2a,2b,2cに表示される図柄と、液晶表示装置16の画面に表示される図柄とをほぼ同様なものとするとともに、ビッグボーナスが内部当選した旨を告知するようにしたものである。
すなわち、表示例のパターン1は、図11に示すように、回転リール2a,2b,2cが停止した状態から(a)、遊技に供する遊技メダルが投入される等、遊技の開始条件が整った後にスタートスイッチ7が操作されると、3つの回転リール2a,2b,2cの回転が開始し、複数の図柄が縦方向に変動表示される。このとき、主制御基板60において当選役の抽選が行われる。
そして、ビッグボーナスに内部当選すると、液晶表示装置16の画面に、回転リール2a,2b,2cを模した演出表示が立体的に表示されるとともに、各回転リール2a,2b,2cにおいてビッグボーナスとなる図柄を停止させるべき有効ラインの位置に重なるようにして、各回転リール2a,2b,2cとほぼ同様な図柄が表示される(b)。
ここで、液晶表示装置16の画面に表示される模擬的な回転リールは、左右に広がりを見せるようにして立体的に表現される。
続いて、液晶表示装置16の画面に表示される模擬的な回転リールにおいて図柄の変動表示が開始され(c)、所定の順序、例えば、左側、右側、中央の順に模擬的な回転リールにおける図柄が停止表示される(d,e)。このような演出表示が行われるとともに、所定時間が経過するとストップスイッチ8a,8b,8cが有効化される。
続いて、液晶表示装置16の画面における模擬的な回転リールの表示が終了し、透過表示部23a,23b,23cに実際の各回転リール2a,2b,2cが表示される(f)。そして、各ストップスイッチ8a,8b,8cが操作されると、各ストップスイッチ8a,8b,8cに対応した各回転リール2a,2b,2cが停止する(g)。
ここでは、ストップスイッチ8a,8b,8cが有効化されるのに続いて、模擬的な回転リールの表示が終了しているが、各ストップスイッチ8a,8b,8cの1部又は全ての操作が行われるまで模擬的な回転リールを表示していてもよいし、1又は複数の透過表示部23a,23b,23cに、又はそれら透過表示部23a,23b,23cに跨って表示していた模擬的な回転リールの画像を、別の表示部、例えば透過表示部23a,23b,23c以外の表示部に移動するようにしてもよい。これらの場合、第1表示手段の表示と第2表示手段の表示を両方楽しむことができるので、著しく演出効果を高めることができる。
また、模擬的な回転リールを、遊技開始指令手段からの複数回の遊技開始指令信号に亘って、第2表示手段に表示してもよい。この場合には、1ゲームの間だけでなく、所定の又は特定の利益状態の発生に対する期待感を、持続して遊技者に持たせることができる。
図11(g)に示す例では、中央横ラインに男性のキャラクタ(ドンチャン)が3つ並んで停止表示されたため、ビッグボーナスが開始する。
なお、ビッグボーナスに内部当選した場合であっても、ストップスイッチ8a,8b,8cの操作タイミング、あるいはストップスイッチ8a,8b,8cの押し順に応じて、ビッグボーナスの発生を制御するように構成してもよい。
表示例のパターン2は、前記パターン1と同様に、回転リール2a,2b,2cに表示される図柄と、液晶表示装置16の画面に表示される図柄とをほぼ同様なものとするとともに、ビッグボーナスが内部当選した旨を告知するようにしたものであるが、液晶表示装置16の画面に表示される模擬的な回転リールの表現方法が異なっている。
すなわち、表示例のパターン2は、図12に示すように、液晶表示装置16の画面に表示される模擬的な回転リールは、左側へ向かって傾くようにして立体的に表現される。
その他の制御手順は、上記表示例のパターン1の場合と同様である。すなわち、パターン2において、図12(a)〜(g)に示す表示は、それぞれ図11(a)〜(g)に示す表示に対応している。
表示例のパターン3は、回転リール2a,2b,2cに表示される図柄と、液晶表示装置16の画面に表示される図柄とを異ならせるとともに、ビッグボーナスが内部当選した旨を告知するようにしたものである。
すなわち、表示例のパターン3は、図13に示すように、回転リール2a,2b,2cが停止した状態から(a)、遊技に供する遊技メダルが投入される等、遊技の開始条件が整った後にスタートスイッチ7が操作されると、3つの回転リール2a,2b,2cの回転が開始し、複数の図柄が縦方向に変動表示される。このとき、主制御基板60において当選役の抽選が行われる。
そして、ビッグボーナスに内部当選すると、液晶表示装置16の画面に、回転リール2a,2b,2cを模した演出表示が立体的に表示されるとともに、各回転リール2a,2b,2cにおいてビッグボーナスとなる図柄を停止させるべき有効ラインの位置に重なるようにして、各回転リール2a,2b,2cとほぼ同様な図柄が表示される(b)。
ここで、液晶表示装置16の画面に表示される模擬的な回転リールは、左右に広がりを見せるようにして立体的に表現される。
続いて、液晶表示装置16の画面に表示される模擬的な回転リールにおいて図柄の変動表示が開始され(c)、所定の順序、例えば、左側、右側、中央の順に模擬的な回転リールにおける図柄が停止表示される(d,e)。このような演出表示が行われるとともに、所定時間が経過するとストップスイッチ8a,8b,8cが有効化される。
なお、パターン3では、模擬的な回転リールに停止表示される図柄は、実際の回転リール2a,2b,2cに表示されるものとは異なっており、鷹のキャラクタ(クランキーコンドル)となっている。
続いて、液晶表示装置16の画面における模擬的な回転リールの表示が終了し、透過表示部23a,23b,23cに実際の各回転リール2a,2b,2cが表示される(f)。そして、各ストップスイッチ8a,8b,8cが操作されると、各ストップスイッチ8a,8b,8cに対応した各回転リール2a,2b,2cが停止する(g)。
図13(g)に示す例では、中央横ラインに男性のキャラクタ(ドンチャン)が3つ並んで停止表示されたため、ビッグボーナスが開始する。
なお、パターン1及びパターン2と同様に、ビッグボーナスに内部当選した場合であっても、ストップスイッチ8a,8b,8cの操作タイミング、あるいはストップスイッチ8a,8b,8cの押し順に応じて、ビッグボーナスの発生を制御するように構成してもよい。
表示例のパターン4は、前記パターン3と同様に、回転リール2a,2b,2cに表示される図柄と、液晶表示装置16の画面に表示される図柄とを異ならせるとともに、ビッグボーナスが内部当選した旨を告知するようにしたものであるが、液晶表示装置16の画面に表示される模擬的な回転リールの表現方法が異なっている。
すなわち、表示例のパターン4は、図14に示すように、液晶表示装置16の画面に表示される模擬的な回転リールは、左側へ向かって傾くようにして立体的に表現される。
その他の制御手順は、上記表示例のパターン3と同様である。すなわち、パターン4において、図14(a)〜(g)に示す表示は、それぞれ図13(a)〜(g)に示す表示に対応している。
なお、パターン3及びパターン4において、液晶表示装置16の画面に表示される図柄は、実際の回転リール2a,2b,2cに表示される図柄と全く異なるように構成してもよい。
表示例のパターン5は、回転リール2a,2b,2cに表示される図柄に重ねて、液晶表示装置16の画面において関連する図柄を表示して演出表示を行うとともに、当選役が発生した旨を告知するようにしたものである。なお、図15に示す例では、演出表示として火山のキャラクタ30a,30b,30c,30dが表示される。
すなわち、表示例のパターン5は、図15に示すように、回転リール2a,2b,2cが停止した状態から、遊技に供する遊技メダルが投入される等、遊技の開始条件が整った後にスタートスイッチ7が操作されると、3つの回転リール2a,2b,2cの回転が開始し、複数の図柄が縦方向に変動表示される(a)。このとき、主制御基板60において当選役の抽選が行われる。ここでは、所定の当選役(例えば「火山」役)に内部当選したものとする。
続いて、所定時間が経過するとストップスイッチ8a,8b,8cが有効化され、左側のストップスイッチ8aが操作されると、左側の回転リール2aが停止する(b)。図15(b)に示す例では、左側の回転リール2aにおいて、上段に火山のキャラクタ30aが停止表示されている。
続いて、中央のストップスイッチ8bが操作されると、中央の回転リール2bが停止する(c)。図15(c)に示す例では、中央の回転リール2bにおいて、中段に火山のキャラクタ30aが停止表示されている。この状態では、右側の回転リール2cにおいて、下段に火山のキャラクタ30aが停止表示されると、左上から右下への斜めラインにおいて当選役が成立するいわゆる、テンパイ状態となる。
続いて、右側のストップスイッチ8cが操作されると、右側の回転リール2cが停止する(d)。図15(d)に示す例では、右側の回転リール2cにおいて、下段に火山のキャラクタ30aが停止表示されているので左上から右下への斜めラインにおいて当選役が成立したこととなる。
続いて、当選役が成立したことを遊技者に告知する演出表示として、液晶表示装置16において、火山が徐々に噴火するような演出表示が行われる。すなわち、液晶表示装置16において、キャラクタ30aに重ねて火山から少し噴煙等が噴出した状態が表示されてキャラクタ30bとなり(e)、続いて、キャラクタ30aに重ねて火山からさらに噴煙等が噴出した状態が表示されてキャラクタ30cとなり(f)、続いて、キャラクタ30aに重ねて火山から猛烈に噴煙等が噴出した状態が表示されてキャラクタ30dとなる(g)。そして、液晶表示装置16における演出表示が終了して、最終的に火山の噴火が収まった状態のキャラクタ30aが表示される(h)。
なお、所定の当選役に内部当選した場合であっても、ストップスイッチ8a,8b,8cの操作タイミング、あるいはストップスイッチ8a,8b,8cの押し順に応じて、当該当選役の発生を制御するように構成してもよい。
このように、液晶表示装置16の画面において、内部当選した当選役に対応する図柄を表示することにより、ビッグボーナス等が発生することへの期待感を高めて、遊技の面白さを向上させることができる。さらに、当選役が成立した場合に、当該当選役が成立した図柄に重ねて、当該図柄が動作するような演出表示を行うことにより、当選役が成立したことへの喜びが増して、遊技の面白さを向上させることができる。
また、液晶表示装置16の画面に、実際の回転リール2a,2b,2cに対応した形状で図柄を表示させることにより、遊技者は違和感なく演出表示を楽しむことができる。
また、実際の回転リール2a,2b,2cを用いた表示から液晶表示装置16の画面における模擬的な回転リールの表示へ移行する際、あるいは液晶表示装置16の画面における模擬的な回転リールの表示から実際の回転リール2a,2b,2cを用いた表示へ移行する際に、ラスタ、モーフィング、クロスフェード、拡大、縮小等の特殊な演出効果を持たせるようにすることもできる。
また、パターン1及びパターン2のような表示が行われた場合と、パターン3及びパターン4のような表示が行われた場合とで、ビッグボーナスの発生確率を異ならせるように構成することができる。
すなわち、パターン1及びパターン2のような表示が行われた場合には、ほぼ確実にビッグボーナスを発生させ、一方、パターン3及びパターン4のような表示が行われた場合には、必ずビッグボーナスが発生するとは限らないようにする。
このように、液晶表示装置16の画面において、回転リール2a,2b,2cに表示される特定の図柄(題材)に基づいた演出表示の制御を行う通常状態と、特定の題材以外の題材に基づいた演出表示を行う特別状態とを切換可能とすることにより、演出効果を高めて遊技の面白さを向上させることができる。
また、上記各表示例のパターンにおける説明とは異なるが、ビッグボーナスゲームあるいは他の当選役に内部当選した場合に限らず、ビッグボーナスゲームあるいは他の当選役に非当選の場合にも、上記各パターンの表示を行うように構成してもよい。この場合、各パターン毎にビッグボーナス等の発生に対する信頼度を異ならせて告知することができる。例えば、パターン1の表示が行われた場合には、100%の信頼度でビッグボーナス等が発生し、パターン2の表示が行われた場合には、50%の信頼度でビッグボーナス等が発生し、パターン3の表示が行われた場合には、20%の信頼度でビッグボーナス等が発生し、パターン4の表示が行われた場合にはビッグボーナス等が発生しないように構成して、ビッグボーナス等の発生に対する信頼度を告知することができる。
このような構成とすることにより、ビッグボーナス等が発生することへの遊技者の期待感を高めて、遊技の面白さを向上させることができる。
さらに、上述した各演出表示は、AT(アシストタイム)等の特定の利益状態が発生している場合にのみ行うように構成してもよい。特にATにおいて上記演出表示を行う場合には、液晶表示装置16の画面において、停止させるべき図柄番号を表示するように構成してもよい。ここで、図柄番号とは、各回転リール2a,2b,2cに表示される複数の図柄にそれぞれ対応した番号のことである。この場合、遊技者は、パチスロ遊技機の装飾部、遊技店内の案内表示、攻略本等に示された図柄番号対応表等に基づいて図柄番号を知ることができる。
<図柄等を立体的に見せるための表示方法>
図柄等を立体的に見せるためには、仮想的なカメラ位置とフォーカス位置とを割り当て、仮想的なカメラ位置からフォーカス位置に向かって遠近感を生じさせる手法を利用する。
ここで、図柄等が立体的に見える状態とは、図柄等が遠方に見える状態、あるいは図柄等が飛び出して見える状態のことをいう。
具体的には、所定のプログラムを用いた演算処理により、モデル空間をビューポートと称される窓を通して見るような状態とすることにより遠近感を生じさせることができる。この場合、カメラ位置(ビューポート)は、常に原点に置かれているようにすることができる。また、フォーカス位置を指定せずに、カメラ位置からのベクトルを指定し、当該ベクトルの方向に図柄等が位置するように構成することができる。また、モデル空間、ビューポート、ベクトル、及び拡大率を指定すると、遠近感を有する演出画像を演算して生成する画像生成手段を備えて構成することもできる。
なお、フォーカス位置を決定するに当たって、回転リール2a,2b,2cにおける表示を制御するための表示制御手段から、液晶表示装置16の画面における表示を制御するための表示制御手段に対して情報信号を送信して、情報信号に基づいて前記フォーカス位置を決定してもよい。
さらに具体的に説明すると、代表的な遠近法描画技術として、以下の3つの方法が考えられる。
第1の方法は、スプライトの4頂点変形を利用する方法である。すなわち、第1の方法では、所定のスプライトに表示する図形を指定し、仮想的な消失点を考慮して該消失点に対して遠近法が成立するように、そのスプライトの4つの頂点位置を変化させることにより、図形に遠近感を持たせる。
第2の方法は、図形、消失点、及び奥行きを指定する方法である。すなわち、第2の方法では、断面形状と該断面形状の位置、該断面形状に対応する消失点、及び該断面形状の奥行きを指定することにより、図形に遠近感を持たせる。
第3の方法は、モデル空間、ビューポート、ベクトル、及び角度又は消失点を指定する方法である。すなわち、第3の方法では、モデル空間に1又は複数の物体を3次元でモデリングし、該モデリング空間を遊技者に視認させる位置と方向及び縮尺を指定するとともに消失点を指定することにより、図形に遠近感を持たせる。
このような構成とすることにより、回転リール2a,2b,2cにおける表示と液晶表示装置16の画面における表示との関係がより密接なものとなり、演出効果を高めることができる。
また、フォーカス位置を複数割り当てることも可能である。このような構成とすることにより、複雑な演出表示を行うことができ、遊技の面白さをさらに高めることができる。
<他の実施形態>
また、本発明に係る遊技機は、遊技結果を表示するとともに演出表示を行う遊技結果表示手段と、
該遊技結果表示手段に特定の遊技結果が表示された場合に遊技者にとって有利な利益状態を発生させる利益状態発生手段と、
前記遊技結果表示手段における表示制御を行う表示制御手段と、
遊技開始を指令する遊技開始指令手段と、
該遊技開始指令手段からの遊技開始指令信号に応じて、複数の当選役の中から少なくとも1つの当選役を選択する当選役選択手段とを備えた遊技機において、
前記遊技結果表示手段は、第1表示手段と、遊技機を正面から見た場合に該第1表示手段の手前側に配設された第2表示手段を含むとともに、前記第2表示手段は、前記第1表示手段の表示を透過して表示可能な透過表示部を有し、
前記表示制御手段は、前記第1表示手段における表示を制御する第1表示制御手段と、前記第2表示手段における表示を制御する第2表示制御手段とを含み、
前記第2表示制御手段は、前記当選役選択手段から当選役の選択結果に関する当選役情報信号を受信可能である当選役情報受信手段を含み、該当選役情報受信手段により受信した当選役情報信号に基づいて、前記第2表示手段において前記第1表示手段の表示態様と関連した表示制御を行うように構成することが可能である。
このような構成とすることにより、当選役情報信号に基づいて、第2表示手段において第1表示手段の表示態様と関連した表示を行うことができ、やみくもに第1表示手段の表示態様と関連した表示が行われるわけではなく、当選役選択手段が所定の当選役を当選した場合に高い確率で、関連した表示を行うので、遊技者はそのような表示があった場合に、そのような表示がない場合よりも高い確率で所定の又は特定の当選役が入賞するかもしれないという期待感を持つことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1表示制御手段は、前記第1表示手段において特定の題材に基づいた演出表示の制御を行い、
前記第2表示制御手段は、前記第2表示手段において前記特定の題材に基づいた演出表示の制御を行う通常状態と、前記特定の題材以外の題材に基づいた演出表示を行う特別状態とを切換可能に構成することが可能である。
このような構成とすることにより、通常状態と特別状態とが存在し、通常状態のみの表示に較べて、ワンパターンな表示ではなく多彩な表示を遊技者に提供することができ、遊技者が遊技に飽きることがなくなる。もちろん特別状態を複数備えて、選択して表示するように構成することにより、さらに多彩な演出が可能となり、また、その際に所定の又は特定の当選役の期待度に合わせて選択する特別状態を発生させるようにしておくと、所定の又は特定の当選役が入賞するかもしれないという種々の期待感を持つことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第2表示制御手段が前記特別状態に切り換えられている場合には、前記通常状態と比較して遊技者にとって有利な利益状態を高確率で発生させるように構成することが可能である。
このような構成とすることにより、通常状態よりも特別状態の方が高い確率で利益状態を発生させることができるので、遊技者に利益状態発生の可能性を感じさせることができ、ゲーム性に広がりを持たせることが可能となる。
また、本発明に係る遊技機において、前記当選役選択手段における選択結果を報知する当選役選択結果報知手段を備え、
前記第2表示制御手段は、前記当選役選択手段により選択された当選役に対応する図柄が前記第1表示手段に停止表示された場合に、前記第2表示手段において前記図柄の停止表示位置に対応させて、前記図柄と同等の図柄を表示させる制御を行うように構成することが可能である。
このような構成とすることにより、第1表示手段と同等の図柄を表示する場合に、いきなり第2表示手段に図柄が表示される場合と比較して、遊技者が違和感なくアニメーションなどの動作を楽しむことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第2表示制御手段は、前記第2表示手段において前記第1表示手段の外形に対応した形状で図柄を表示させる制御を行うように構成することが可能である。
このような構成とすることにより、第1表示手段の外形に対応した形状で図柄を表示することができ、第2表示手段の奥にある表示装置が飛び出してくるような感覚を遊技者に与えることができる。さらに、このような演出を違和感なく遊技者に伝えることができるので、さらに多彩な演出を行うことが可能となる。
さらに、本発明に係る遊技機では、遊技者は視線を移動させることなく第1表示手段における表示と第2表示手段における表示を同時に視認することができるので、遊技に集中することが可能であるとともに、演出表示を楽しむことが可能となる。
また、上述した実施形態では、複数の図柄を回転表示する回転リール毎に、透過表示部を設けていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2表示手段に対して、複数の図柄を回転表示する複数の回転リール(複数の可変表示部)の1つ、複数又は全てに対して1つの透過表示部を設けてもよい。また。第2表示手段全体が透過表示部であってもよい。さらに、透過表示部の大きさが変化してもよい。
また、透過表示部は、第1表示手段の表示を透過して表示可能であればよく、その部分に液晶を設けずに、透過性を有する部材など(透明ガラス、透明樹脂など)だけで構成されていてもよい。
また、第3表示手段として採用するものとしては、第1表示手段及び第2表示手段として採用し得る具体例として記載したものであってもよい。例えば、第3表示手段として、1又は複数の主に演出表示(例えば内部当選役の予告や、特別な利益状態発生の予告・報知等)を行う回転リールを採用してもよい。
また、第2表示手段の裏又は裏側に、第1表示手段及び第3表示手段を設けるようにしてもよい。もちろん、この場合に、第2表示手段に対して、第3表示手段の表示を遊技者に視認しやすくする又は視認するための透過表示部を設けてもよい。また、第2表示手段の画像と第3表示手段の画像との重合画像を遊技者に視認させるように制御してもよく、その制御が発生した場合は、制御が発生しない場合に較べて高い確率で利益状態が発生するように構成してもよい。このような構成とすることにより、遊技者の期待感を増大させるような演出をさらに含めることが可能となる。
また、第1表示手段、第2表示手段又は第3表示手段のいずれかを、キャラクタ、図形、人形、動物、昆虫、構造物、魚、乗物などの形状をした1又は複数の可動物としてもよい。例えば、特定の役に内部当選した場合、特定の入賞が発生した場合、未だ入賞してない特定の内部当選した同一役が所定個数以上の場合、特定の画像がその可動物とは異なる表示手段に表示された場合等に、その可動物が回転、揺動、往復、振動などの可動を行うようにしてもよい。また、可動物を複数の部材から構成し、可動物の一部が可動するようにしてもよい。この場合、画像表示装置以外の表示により、さらに一層多彩な演出効果を期待することができる。さらに、可動物による表示と、画像など可変表示との融合という新たな演出を追加することができる。
また、第1表示制御手段と、第2表示制御手段とを別々の基板により構成してもよい。この場合、基板に異常がある場合、又は破損した場合、いずれか一方の基板のみを交換すればよいので、作業効率および部品費用を低減することができる。なお、両基板を同一の基板として構成してもよく、その場合には一部の電子部品の共通利用などが可能となる。
また、第1表示制御手段と当選役選択手段とを同じ基板上に構成し、その基板からコマンド信号を送信することにより、第2表示制御手段に指令を出すように構成してもよい。この場合、第1表示制御手段と当選役選択手段とを構成した基板は非常に多数の処理を行わなければならないが、第2表示制御手段は別基板構成となっているので、その分処理に余裕がでる事になり、制御手段に潜むバグを減らすことができる。
また、表示関連情報信号は、例えば第1表示手段に遊技結果として表示された図柄の一部又は全てを識別可能であれば充分である。具体的には、第1表示手段を複数の回転リールとした場合には、1つの回転リールの下段に、ボーナス図柄が遊技結果として停止表示したという情報を含んでいればよい。また、回転リールに描かれた各図柄に識別番号をつけておき、その番号を含むようにしてもよい。回転リールとは異なる可変表示手段の場合にも、その表示部に表示されている図柄などの態様を識別できれば充分である。さらに、当該図柄などの表示位置を含めることにより、第1表示手段の表示と第2表示手段の表示をさらに融合させることができる。
また、第3表示手段の表示制御を行う第3表示制御手段を備え、第3表示手段に可変表示又は停止表示している表示態様も同様に第2表示制御手段に知らせるように構成してもよい。
もちろん、第2表示制御手段、第3表示制御手段を同一の基板により構成してもよい。
また、第1表示手段又は第3表示手段は、上下左右前後方向への移動、往復、誘導振動又は回転など可動してもよい。この場合、透過表示部がその可動に合わせて移動するように構成してもよい。これらの動作により、一層奥の深い演出効果を期待することができ、また、ゲーム性との関連にも応用することができる。
また、遊技開始指令手段からの複数回の遊技開始指令信号に亘って第1表示手段の表示態様と関連した表示制御を行ってもよい。この場合、特定の利益状態発生への期待感が徐々に近づいてくるように遊技者に感じさせることができ、遊技者が特定の利益状態発生への期待を持続することができる。
また、通常状態から特別状態に切り替えたゲーム又はそのゲームから所定ゲーム間は「当り」が発生し易くしてもよい。
また、特定の題材又は特定以外の題材に基づいた演出は、何らかの特徴に少しでも関連している演出であれば、どのようなものであってもよい。例えば、「花火」という題材であれば、三尺玉、一尺玉などの花火そのもの、花火職人などを題材とすることができる。さらに、花火は夏の風物詩であることから、お祭りに関するものなどを含めてもよい。ここでは、特定の題材と遊技者が観念可能であり、しかも特定の題材と、特定の題材以外の題材とを区別して観念できる程度であれば充分に演出効果が得られる。例えば、過去に「コンドル」を題材にした遊技機があり、「花火」を題材にした遊技機に、その「コンドル」を題材にした遊技機の登場キャラクタが表示されれば、遊技者は少し違和感を覚えると思われるが、そのような違和感を覚えさせる程度で充分である。
また、当選役に対応する図柄が第1表示手段に停止表示された場合に、第2表示手段において前記図柄の停止位置に対応させて、前記図柄と同等の図柄を表示させる場合の対応位置は、前記図柄の停止位置の近傍など、遊技者が関連させて観念できる位置であればどこであってもよい。例えば、第1表示手段を模した画像を、第1表示手段表示とは場所的に離して表示していても、その模した画像の近傍又は画像に含めて前記図柄を表示すれば、遊技者は充分にその画像と、前記図柄の対応関係を認識することが可能と思われる。そのような対応関係を持たせて表示すれば、十分に演出効果を持たせることが可能となる。また、同等の範囲についても、遊技者が認識可能な範囲で関連付けられれば充分であり、例えば、複数のボーナス図柄を備えた遊技機の場合、一つのボーナス図柄が停止表示した際に、そのボーナス図柄とは異なるボーナス図柄を表示するようにしてもよいし、「ボーナス」などの文字、ボーナスをイメージさせる図柄・図形・キャラクタなどを表示してもよい。このような構成とすることにより、さらに演出的効果を増して多彩さを表現できる。
また、第1表示手段の外形に対応した図形も、遊技者にその画像が第1表示手段に似ていると観念させれば充分であり、大きさ、細かい差異などに左右されるものではない。例えば、第1表示手段が内部に空洞部を有する回転リールである場合には、第2表示手段に内部に空洞のない円筒を表示しても遊技者は充分に観念できる場合がある。
このように、遊技者が観念可能と考えられる範囲の画像であれば充分であり、また、少し差異を持たせた方が演出が多彩になり好適な場合もある。
また、第1表示手段の外形に対応した図形が、第2表示手段において弾性を持たせたような変形、拡大、縮小、移動、回転速度変化などを可変表示すれば、遊技者が遊技に飽きることがない。
もちろんその可変表示態様を複数用意しておき、ゲームの局面(所定の又は特定の当選役が内部当選している場合、当選していなくても演出選択で選ばれた場合、又は所定の利益状態の発生中)に応じていずれかを選択するように構成しても演出が多彩になり好適である。
また、遊技者により所定の操作がなされる以前に、所定の停止順を決め、その所定の停止順どおりに遊技者がストップスイッチを操作した場合に、内部当選役選択手段が選択した内部当選役に関連した遊技結果を遊技結果表示手段に表示するように制御する場合には、その所定の停止順を報知するために模擬的な回転リールを表示してもよい。例えば、左リール、中リール、右リールの3つの回転リールを有する場合に、その左・中・右リールに対応した3つの模擬的な回転リールを表示し、最終的に内部当選役に関連した遊技結果を遊技結果表示手段に表示させるために、その時点で停止操作しなければならない回転リールに対応した模擬的な回転リールを他の模擬的な回転リールとは異なる態様で表示するようにしてもよい。または、その時点で停止操作しなければならない回転リールに対応した模擬的な回転リールだけを表示してもよい。このような構成とすることにより、遊技者にとってさらに分かりやすいゲーム性を提供することができる。
また、表示例のパターン1〜4では、模擬的な回転リール夫々に対して一つの図柄しか表示させていないが、複数の図柄を可変表示させるような模擬的な回転リールを表示してもよい。