JP2004166773A - 脱臭装置 - Google Patents

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浩朗 新田
Koichi Nakano
幸一 中野
Yoshifumi Moriya
好文 守屋
Motomichi Mishima
基道 三島
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Abstract

【課題】生ゴミやトイレの臭気を除去する脱臭装置において、シーズヒータの周りにフィンを多段に配置する構成では、構成が複雑になり部品点数が多くなることで組み立て工程が多くなる、ヒータと触媒体の距離が近くヒータを高温にできない、筐体放熱が大きいなどの製造上、性能上の課題があった。
【解決手段】端面に吸気口2と排気口3を有し内部に加熱手段4と触媒部6とを有する筐体1を備え、吸気口2から吸入された臭気を含んだ気体は、加熱手段4で加熱された後、吸入方向と平行である加熱手段4の中心軸のまわりに配置された触媒部6を通過した後、排気口3から排出される構成とした。これにより、脱臭装置内に導かれた臭気を含んだ気体は加熱手段4と触媒部6にて効率よく脱臭され、また構成も簡単になるものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ゴミやトイレの臭気を除去する脱臭装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の脱臭装置として、シーズヒータなど筒型ヒータの外周に触媒を担持させたフィンを多段に配置して触媒体を形成し、この触媒体を容器に収納し、フィンと容器の隙間を臭気を含んだ気体が筒型ヒータと平行方向に通過することにより脱臭する方法があげられる(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−319487号公報
【特許文献2】
特開2002−126452号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにフィンを多段に配置して触媒体を形成する構成では、構成が複雑になり部品点数が多くなることで組み立て工程が多くなるなどの問題点や、ヒータと触媒体の距離が近くヒータを高温にできない、筐体放熱が大きいなどの製造上、性能上の課題やコスト高になるなどの課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するもので、脱臭装置を、端面に吸気口と排気口を有し内部に加熱手段と触媒部とを有する筐体を備え、前記吸気口から吸入された臭気を含んだ気体は、前記加熱手段で加熱された後、吸入方向と平行である加熱手段の中心軸のまわりに配置された触媒部を通過した後、排気口から排出される構成とした。
【0006】
上記発明によれば、脱臭装置内に導かれた臭気を含んだ気体は加熱手段と触媒部にて効率よく脱臭される。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、端面に吸気口と排気口を有し内部に加熱手段と触媒部とを有する筐体を備え、前記吸気口から吸入された臭気を含んだ気体は、前記加熱手段で加熱された後、吸入方向と平行である加熱手段の中心軸のまわりに配置された触媒部を通過した後、排気口から排出される構成とすることで、臭気を加熱手段および触媒部にて効率的に除去できるものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、加熱手段と触媒部との間に遮へい板を設置する構成とすることで、加熱空間でのヒータ表面と臭気を含んだ気体との接触効率を上げるとともに、ヒータ近傍の触媒部の温度上昇による触媒劣化を抑制させることができるものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、触媒部の温度は300℃〜600℃の範囲となるようにすることにより、触媒を劣化させることなく最適な触媒活性温度に設定することで脱臭性能を維持することができるものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、遮へい板の温度は800℃より低くなるようにすることにより、加熱空間における臭気成分の十分な酸化分解温度を確保しつつ遮へい版の高温酸化による劣化を防ぐことができるものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、触媒部の上面および底面と筐体との間に断熱材を設ける構成とすることにより、筐体放熱を低減し低入力電力で触媒部の温度を触媒活性温度に保つことができ、エネルギロスを少なくすることができるものである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、断熱材と触媒部との間に金属板を設ける構成とすることにより、断熱材の劣化を防ぐことができるものである。
【0013】
請求項7に記載の発明は、金属板に触媒を担持することにより触媒面積が増加し、より脱臭性能を向上させることができるものである。
【0014】
請求項8に記載の発明は、触媒部の外周面と筐体との間に空間を設ける構成とすることにより、触媒部から筐体への熱の移動を最小限にとどめ、筐体側面に近い部分の触媒温度を触媒活性温度に保つことができるものである。
【0015】
請求項9に記載の発明は、触媒部は、金属の基材と、前記基材の表面に形成したアンダーコート層と、アンダーコート層の表面に形成した触媒層とから成る構成とすることにより、触媒層と基材との密着性をより強固にすることができるものである。
【0016】
請求項10に記載の発明は、触媒層は白金またはパラジウムの少なくとも1種類を含有する貴金属触媒層より形成することにより、高活性な貴金属触媒の性質により、低沸点分子の臭気成分を効率よく酸化分解することができるものである。
【0017】
請求項11に記載の発明は、臭気を含んだ空気が加熱手段を通過する際に流速が大きくなるような構成とすることで、加熱空間での放熱を低減し触媒体での脱臭効率を向上させることができるものである。
【0018】
請求項12に記載の発明は、脱臭装置を断熱材で覆う構成とすることで、熱損失を低減し脱臭効率を向上させることができるものである。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施例1)
図1、図2は、本発明の第1の実施例における脱臭装置の断面図を示すものである。
【0021】
図1において、1は筐体であり、その一方には吸気口2が設けられ、他方には排気口3が設けられている。4はヒータ(加熱手段)で、ガイシ5により筐体1に固定されている。6は触媒部で吸入方向に平行かつ加熱空間を形成するヒータ4の中心を通る軸を中心軸として円周方向に配置されている。筐体1は、耐熱性、耐食性、耐孔食性に優れたSUS316を用いた。
【0022】
また、ヒータ4は小型で温度の立ち上がり特性に優れ、ヒータ表面温度は1000℃程度の高温まで昇温可能な窒化珪素ヒータを用いた。触媒部6の基材には、より耐熱性、耐食性、耐孔食性に優れ、高温での熱膨張係数が小さく応力腐食割れに強いSUS444ハニカム体を用いた。以上のハニカム基材にアルミナを主成分とするアンダーコート層を塗布し焼成した後、白金―パラジウムからなる触媒を塗布し焼成を行うことにより触媒層の作製を行った。
【0023】
以上のように構成された脱臭装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0024】
脱臭装置の窒化珪素ヒータ4の両端端子部に通電して、加熱状態にする。同時に、触媒部6も加熱される。この状態で、臭気を含んだ気体Aを吸気口2から脱臭装置内に導入すると、まず臭気を含んだ気体は約1000℃に熱せられた窒化珪素ヒータ4の表面と接触することにより酸化分解され、その後、触媒部6にて残りの臭気が酸化分解され、排気口3から脱臭された気体Bが排出される。
【0025】
この実施例の効果について、図3を参照しながら説明する。
【0026】
図3は、本発明の脱臭装置、および従来の脱臭装置の浄化性能を評価した結果を示すグラフである。この試験において、試験ガスとしては野菜などから発生する臭気成分の一つである硫化ジメチル(CHSを用い、初期濃度は500ppmとした。空間速度は、市販の生ごみ処理機と同レベルの4000h−1とした。測定は、吸気口直前と排気口直後の濃度をガスクロマトグラフのFIDを用い、除去率を求めた。
【0027】
また、従来例として、図4に示した脱臭装置を用いた。すなわち、臭気を含んだ気体Aを吸気口aから脱臭装置内に導入すると、臭気を含んだ気体はシーズヒータbにより加熱された触媒部cにて臭気が酸化分解された後、排気口dから脱臭された気体Bが排出される。触媒担持量、試験ガス、初期濃度、空間速度、および測定方法は本実施例と同条件とした。
【0028】
図3に示すように、従来例では約140Wの入力電力で99.5%の除去率を示したのに対し、本実施例では約100Wの入力電力で99.5%の除去率を示した。これは、本実施例の脱臭装置では従来例と比較して、ヒータの高温化による脱臭性能の向上と、構成上の違いによる筐体放熱の低減によって触媒部温度が上昇したことによるものであると考えられる。
【0029】
(実施例2)
図5、図6は、本発明の第2の実施例における脱臭装置の断面図を示すものである。
【0030】
図5、図6において、遮へい板17を設置した他は、実施例1に示した脱臭装置と同等とした。遮へい板17は厚さ0.4mmのSUS444を用いた。SUS444平板に2mmの孔をランダムに空け、これをパイプ状に丸めることにより作製した。
【0031】
以上のように構成された脱臭装置について、以下その動作、作用を説明する。脱臭装置の窒化珪素ヒータ14の両端端子部に通電して、加熱状態にする。同時に、触媒部16も加熱される。この状態で、臭気を含んだ気体Aを吸気口12から脱臭装置内に導入すると、まず臭気を含んだ気体は約1000℃に熱せられた窒化珪素ヒータ14の表面および窒化珪素ヒータと遮へい板17とで囲まれた高温加熱空間にて酸化分解され、その後、遮へい板に空けられた孔から円周方向に設置された触媒部16にて残りの臭気が酸化分解され、排気口13から脱臭された気体Bが排出される。
【0032】
この実施例の効果について、図7を参照しながら説明する。
【0033】
図7は、本発明の脱臭装置、および実施例1における脱臭装置の浄化性能を評価した結果を示すグラフである。この試験において、試験ガスとしては野菜などから発生する臭気成分の一つである硫化ジメチル(CHSを用い、初期濃度は500ppmとした。空間速度は、市販の生ごみ処理機と同レベルの4000h−1とした。測定は、吸気口直前と排気口直後の濃度をガスクロマトグラフのFIDを用い、除去率を求めた。
【0034】
図7に示すように、実施例1では約100Wの入力電力で99.5%の除去率を示したのに対し、本実施例では約90Wの入力電力で99.5%の除去率を示した。これは、本実施例の脱臭装置では従来例と比較して、窒化珪素ヒータ14と遮へい板17とで囲まれた高温加熱空間により臭気成分が酸化分解されているものと考えられる。
【0035】
次に、耐久試験の結果を示す。本実施例における脱臭装置と実施例1における脱臭装置の耐久試験を行った。試験条件としては、ヒータ入力電力は100Wとし、触媒部を通過する気体として空気10%水蒸気90%とし、30分間隔でヒータのON−OFFを繰り返した。実施例1では、10時間経過後には、ヒータ近傍の触媒部のアンダーコート層に剥れが見られた。一方、本実施例では1000時間経過後においてもアンダーコート層に剥れは見られなかった。
【0036】
以上の結果より、加熱空間と触媒部との間に遮へい板を設置する構成とすることで、加熱空間での臭気成分の酸化分解性能を上げるとともに、ヒータ近傍の触媒部の温度上昇による触媒劣化を抑制することができるものである。
【0037】
(実施例3)
本発明の第3の実施例の効果を示すため、実施例1に示す脱臭装置を用いて、脱臭性能試験および触媒部の耐久試験を行った。各試験方法および試験条件、測定方法などは実施例1と同等とした。
【0038】
図8は、触媒部の温度と硫化ジメチル除去性能の関係を示したものである。図8に示すように、触媒部温度が300℃〜700℃の範囲において、硫化ジメチル除去率は99.5%以上となった。
【0039】
次に、触媒部の耐久試験を行った。試験としては、触媒部の温度300℃、500℃、600℃、700℃、800℃、触媒部を通過する気体としては空気10%水蒸気90%とし、30分間隔でヒータのON−OFFを繰り返した。図9は、以上の温度において耐久試験を行った結果、硫化ジメチル除去率が95%を下回った時点での積算時間をプロットしたものである。図9に示すように、触媒温度が600℃より大きくなると急激に触媒劣化が進む結果となった。
【0040】
以上の結果より、触媒部の温度は300℃〜600℃の範囲となるようにすることにより、触媒を劣化させることなく最適な触媒活性温度に設定することで脱臭性能を維持することができるものである。
【0041】
次に、実施例2に示す脱臭装置を用いて、遮へい板の耐久試験を行った。試験としては、遮へい板の温度500℃、600℃、700℃、800℃、900℃、1000℃とし、遮へい板を通過する気体としては空気10%水蒸気90%とし、30分間隔でヒータのON−OFFを繰り返した。図10は、以上の温度において耐久試験を行った結果、遮へい板から発生した錆が脱臭装置の外部に流出し始めた時点での積算時間をプロットしたものである。図10に示すように、触媒温度が800℃より大きくなると急激に錆の発生時間が早まる結果となった。
【0042】
以上の結果より、遮へい板の温度は800℃より低くなるようにすることにより、加熱空間における臭気成分の十分な燃焼温度を確保しつつ遮へい版の高温酸化による劣化を防ぐことができるものである。
【0043】
(実施例4)
図11は、本発明の第4の実施例における脱臭装置の断面図を示すものである。図11において、断熱材27と金属板28を設置した他は、実施例1に示した脱臭装置と同等とした。断熱材27はセラミック繊維からなる断熱材を用いた。金属薄板は厚さ0.1mmのSUS444を用いた。
【0044】
次に、本実施例に示す脱臭装置を用いて、脱臭性能試験を行った。各試験方法および試験条件、測定方法などは実施例1と同等とした。
【0045】
図12は、ヒータ入力電力と硫化ジメチル除去性能の関係を示したものである。図12に示すように、実施例1では約100Wの入力電力で99.5%の除去率を示したのに対し、本実施例では約80Wの入力電力で99.5%の除去率を示した。
【0046】
以上の結果より、触媒部の上面および底面と筐体との間に断熱材を設けた構成とすることにより、筐体放熱を低減し低入力電力で触媒部の温度を触媒活性温度に保つことができ、エネルギロスを少なくすることができるものである。
【0047】
また、金属薄板を設けない構成の場合、水蒸気を含んだ高温の気体によって断熱材が劣化するため、断熱材と触媒部との間に金属板を設けた構成とすることにより、断熱材の劣化を防ぐことができるものである。
【0048】
次に、図11に示す脱臭装置の金属板28の表面に触媒層を設け、脱臭性能試験を行った。各試験方法および試験条件、測定方法などは実施例1と同等とした。
【0049】
図13は、ヒータ入力電力と硫化ジメチル除去性能の関係を示したものである。図13に示すように、実施例1では約100Wの入力電力で99.5%の除去率を示したのに対し、本実施例では約90Wの入力電力で99.5%の除去率を示した。以上の結果より、金属薄板に触媒を担持することにより触媒面積が増加し、より脱臭性能を向上させることができるものである。
【0050】
次に、触媒部26と筐体21との間に設けた空間の効果を示すため、図1に示す脱臭装置の触媒部の温度分布の測定を行った。測定条件としては、通過する気体を空気10%水蒸気90%、空間速度は4000h−1とし、ヒータ近傍から排気口近傍までの温度分布を熱電対により測定した。比較例としては、図1において触媒部と筐体が接触したものを用いた。
【0051】
図14は、ヒータ近傍から排気口近傍までの温度分布を示したものである。図14に示すように、本実施例での触媒部温度はほぼ全領域において100℃近く比較例よりも高かった。以上の結果より、触媒部の外周面と筐体との間に空間を設けた構成とすることにより、触媒部から筐体への熱伝導を最小限にとどめ、筐体側面に近い部分の触媒温度を触媒活性温度に保つことができるものである。
【0052】
(実施例5)
図15は、本発明の第5の実施例における触媒体の断面図を示すものである。図15において、31は基材、32はアンダーコート層であり、33は触媒層である。基材31は、耐熱性、耐食性、耐孔食性に優れ、高温での熱膨張係数が小さく応力腐食割れに強いSUS444を用いた。アンダーコート層32は、水酸化アルミニウム720重量部、硝酸セリウム6水和物217重量部、炭酸バリウム38重量部、イオン交換水1520重量部を攪拌、混合して形成しているものである。このスラリーを、100℃で乾燥し、さらに1000℃で60分間焼結した後、粉砕する。こうして得られた焼結酸化物を400重量部、硝酸アルミニウム9水和物50重量部、コロイド状アルミナ80重量部、イオン交換水460重量部を混合した後、ボールミルで粉砕し、粘度105cP、平均粒径4.1μmに調製したものをアンダーコートスラリーとしている。このアンダーコートスラリーを、基材31に塗布した後、130℃で20分間乾燥させ、600℃で20分焼成してアンダーコート層32を形成している。
【0053】
触媒層33は、6.5wt%ジニトロジアミンパラジウム硝酸水溶液と、6.5wt%ジニトロジアミン白金硝酸水溶液を1:1の割合で混合したものを、アンダーコート層22の上に塗布して、130℃で20分間乾燥した後、600℃で20分間焼成することにより形成している。アンダーコート層32は、基材31と触媒層33のつなぎの役割をしており、基材31上に触媒層33を強固にとどめるとともに、触媒層33の比表面積を大きくする役割もある。
【0054】
以上の触媒層を図1に示す触媒部に設けた。
【0055】
この実施例の効果について、以下に説明する。本実施例の効果を示すため、触媒部の耐久試験を行った。試験条件としては、ヒータ入力電力は100Wとし、触媒部を通過する気体として空気10%水蒸気90%とし、30分間隔でヒータのON−OFFを繰り返した。比較例としては、水酸化アルミニウム、硝酸セリウム、炭酸バリウムの焼結酸化物を添加しないアンダーコート層を用いた。
【0056】
比較例では、50時間経過後には、触媒層1の吸気口2に近い部分とヒータ近傍の触媒層2のアンダーコート層に剥れが見られた。一方、本実施例では1000時間経過後においてもアンダーコート層に剥れは見られなかった。
【0057】
以上の結果より、水酸化アルミニウム、硝酸セリウム、炭酸バリウムの焼結酸化物を添加することにより、基材と触媒層との密着性を高め、基材の熱膨張と熱収縮の繰り返しにも耐えうるものである。
【0058】
次に、脱臭性能評価を行った。比較例としては、触媒層として▲1▼白金のみ、▲2▼パラジウムのみ、▲3▼酸化マンガン・酸化銅を用いた。この試験において、試験ガスとしては野菜などから発生する臭気成分の一つである硫化ジメチル(CHSを用い、初期濃度は500ppmとした。空間速度は、市販の生ごみ処理機と同レベルの4000h−1とした。測定は、吸気口直前と排気口直後の濃度をガスクロマトグラフのFIDを用い、除去率を求めた。
【0059】
図16に示すように、▲1▼白金のみでは入力電力110Wで99.5%の除去率、▲2▼パラジウムのみでは入力電力120Wで99.5%の除去率、▲3▼酸化マンガン・酸化銅では入力電力160Wで99.5%の除去率であった。本実施例では100Wの入力電力で99.5%の除去率であった。
【0060】
本実施例のように触媒層は白金またはパラジウムの少なくとも1種類を含有する貴金属触媒層とすることにより、脱臭性能を高めることができるものである。
【0061】
(実施例6)
図17は、本発明の第6の実施例における脱臭装置の断面図を示すものである。図17において、41は筐体であり、その一方には吸気口42が設けられ、他方には排気口43が設けられている。44はヒータで、ガイシ45により筐体41に固定されている。46は触媒部で吸入方向に平行かつ加熱空間の中心を通る軸を中心軸として遠心方向に配置されている。筐体41は、耐熱性、耐食性、耐孔食性に優れたSUS316を用いた。
【0062】
また、ヒータ44は小型で温度の立ち上がり特性に優れ、ヒータ表面温度は1000℃程度の高温まで昇温可能な窒化珪素ヒータを用いた。触媒部46の基材には、より耐熱性、耐食性、耐孔食性に優れ、高温での熱膨張係数が小さく応力腐食割れに強いSUS444ハニカム体を用いた。以上のハニカム基材にアルミナを主成分とするアンダーコート層を塗布し焼成した後、白金―パラジウムからなる触媒を塗布し焼成を行うことにより触媒層の作製を行った。断熱材47は、1000℃以上の耐熱性を有するセラミック繊維からなる断熱材を筐体が収納できるように加工した。
【0063】
以上のように構成された脱臭装置の動作、作用は実施例1と同様である。
【0064】
次に本実施例の効果について、図18を参照しながら説明する。図18は、本発明の脱臭装置、および実施例1の脱臭装置の浄化性能を評価した結果を示すグラフである。この試験において、試験条件などは実施例1と同様である。
【0065】
図18に示すように、実施例1では約100Wの入力電力で99.5%の除去率を示したのに対し、本実施例では約70Wの入力電力で99.5%の除去率を示し、30%の省エネとなった。これは、筐体を断熱材で覆う構成とすることで筐体放熱が大幅に少なくなったためであると考えられる。
【0066】
以上のことより、本発明のように脱臭装置を断熱材で覆う構成とすることで、熱損失を低減し脱臭効率を向上させることができるものである。
【0067】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従来のようにシーズヒータの周りにフィンを多段に配置した構成と比較して、エネルギロスを少なくすることができる。また、構成が簡素であるため、部品点数が少なく組み立て工程を少なくすることができ、触媒体のメンテナンスも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における脱臭装置の縦断面図
【図2】同脱臭装置の横断面図
【図3】同脱臭装置のヒータ入力電力と硫化ジメチル除去率との関係を示すグラフ
【図4】本発明の第1の実施例における比較例の断面図
【図5】本発明の第2の実施例における脱臭装置の縦断面図
【図6】同脱臭装置の横断面図
【図7】同脱臭装置のヒータ入力電力と硫化ジメチル除去率との関係を示すグラフ
【図8】同脱臭装置における触媒部の温度と硫化ジメチル除去性能との関係を示すグラフ
【図9】同脱臭装置における触媒部の温度と触媒劣化時間との関係を示すグラフ
【図10】同脱臭装置における触媒部の温度と遮へい板の劣化時間との関係を示すグラフ
【図11】本発明の第4の実施例における脱臭装置の縦断面図
【図12】同脱臭装置のヒータ入力電力と硫化ジメチル除去率との関係を示すグラフ
【図13】同脱臭装置で、金属板に触媒を担持したタイプのヒータ入力電力と硫化ジメチル除去性能の関係を示すグラフ
【図14】同脱臭装置のヒータ近傍から排気口近傍までの温度分布を示すグラフ
【図15】本発明の第5の実施例における脱臭装置の断面図
【図16】同脱臭装置のヒータ入力電力と硫化ジメチル除去性能の関係を示すグラフ
【図17】本発明の第6の実施例における脱臭装置の縦断面図
【図18】同脱臭装置のヒータ入力電力と硫化ジメチル除去性能の関係を示すグラフ
【符号の説明】
1 筐体
2 吸気口
3 排気口
4、14、24、44 窒化珪素ヒータ(加熱手段)
6、16、26、46 触媒部
17 遮へい板
27、47 断熱材
28 金属板

Claims (12)

  1. 端面に吸気口と排気口を有し内部に加熱手段と触媒部とを有する筐体を備え、前記吸気口から吸入された臭気を含んだ気体は、前記加熱手段で加熱された後、吸入方向と平行である加熱手段の中心軸のまわりに配置された触媒部を通過した後、排気口から排出される構成とした脱臭装置。
  2. 加熱手段と触媒部との間に、遮へい板を設置する構成とした請求項1に記載の脱臭装置。
  3. 触媒部の温度は300℃〜600℃の範囲となるようにした請求項1または2に記載の脱臭装置。
  4. 遮へい板の温度は800℃より低くなるようにした請求項2または3に記載の脱臭装置。
  5. 触媒部の上面および底面と筐体との間に、断熱材を設ける構成とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の脱臭装置。
  6. 断熱材と触媒部との間に金属板を設ける構成とした請求項5に記載の脱臭装置。
  7. 金属板に触媒を担持した請求項6に記載の脱臭装置。
  8. 触媒部の外周面と筐体との間に、空間を設ける構成とした請求項1〜7のいずれか1項に記載の脱臭装置。
  9. 触媒部は、金属の基材と、前記基材の表面に形成したアンダーコート層と、アンダーコート層の表面に形成した触媒層とから成る請求項1〜8のいずれか1項に記載の脱臭装置。
  10. 触媒層は白金またはパラジウムの少なくとも1種類を含有する貴金属触媒層である請求項9に記載の脱臭装置。
  11. 臭気を含んだ気体が加熱手段を通過する際に、流速が大きくなるような構成とした請求項1〜10のいずれか1項に記載の脱臭装置。
  12. 脱臭装置を断熱材で覆う構成とした請求項1〜11のいずれか1項に記載の脱臭装置。
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