JP2004166696A - Gata−3遺伝子導入アトピー性皮膚炎モデル動物 - Google Patents

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秀一 玉内
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Abstract

【課題】 臨床症状を反映し、アトピー性皮膚炎の発症や治療方法の解明に役立つモデル動物および当該動物を用いたアトピー性皮膚炎の治療剤のスクリーニング方法等を提供する。
【解決手段】 GATA−3遺伝子またはその変異遺伝子を導入し、T細胞またはB細胞でGATA−3を高発現してなるアトピー性皮膚炎モデル動物、前記アトピー性皮膚炎モデル動物に薬剤を適用することを特徴とするアトピー性皮膚炎の治療剤のスクリーニング方法、前記アトピー性皮膚炎モデル動物から単離されてなる臓器、組織、細胞または細胞株、および前記アトピー性皮膚炎モデル動物由来のT細胞もしくはB細胞またはその細胞株を同種または同系の動物に移入することを特徴とするアトピー性皮膚炎モデル動物の作出方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、転写因子GATA−3遺伝子導入アトピー性皮膚炎モデル動物に関する。
接触性皮膚炎は、Th1型サイトカインが関与する炎症であり、そのモデル動物が作製されている。一方、アトピー性皮膚炎は、臨床上Th1型サイトカインとTh2型サイトカインが混在して関与する炎症であり、そのほとんどの患者で高血清IgE値と好酸球増多が認められる(非特許文献1および2を参照) が、現在適当なモデルがなく、接触性皮膚炎を起こす薬剤を数カ月繰り返し適用することにより急性炎症から慢性炎症へと移行させることで、Th1型の炎症からTh2型サイトカインも関与する炎症モデルができるようになった(非特許文献3および4を参照)。
Th2型サイトカイン産生を全体として制御する転写因子としてGATA−3が報告されている(非特許文献5を参照)。GATA−3は、Th2型サイトカイン遺伝子発現に必須な正の転写因子であることが知られている(非特許文献6 を参照)。また、喘息患者の気道においてGATA−3の発現が亢進していることが報告されている(非特許文献7を参照)。しかし、生体においてGATA−3による各Th2型サイトカイン産生がどのように制御されているかはまだ予測できない状況である。
現在、GATA−3遺伝子を導入したトランンスジェニックマウスがいくつか知られており(非特許文献5、特許文献1および2を参照)、これらのトランスジェニックマウスを種々の免疫疾患モデル動物として利用することが期待されている。しかしながら、これらのトランスジェニックマウスでは、皮膚局所での抗原刺激に対するサイトカイン誘導能ならびにその種類、さらに炎症を惹起する浸潤細胞に関して未知であった。
一方、気管支喘息、アレルギー性鼻炎のようなアレルギー性疾患の病態研究が進展し、アレルギー性疾患の発症には、Th1型サイトカイン産生とTh2型サイトカイン産生のバランス変化が大きく影響すると報告されている(非特許文献8を参照)。アレルギー性疾患の中でもうひとつ問題となっているアトピー性皮膚炎は、最近難治化傾向にあり、成人のアトピー患者が増加しつつある。アトピー性皮膚炎患者ではその約8割に血清IgE値高値例がみられ、しかもアレルゲン特異的IgE抗体保有率と力価が高い。急性病変では、真皮上層血管周囲にCD4陽性T細胞、単核球(リンパ球および組織球)、好酸球の浸潤が認められる。慢性病変では、真皮にCD4陽性T細胞、単核球浸潤のほか多数の肥満細胞を認める。この状態では、通常好酸球を見出すことは稀とされるが、好酸球由来化学伝達物質に対する抗体で陽性反応を得ることからその存在が確認できる。皮疹部でのサイトカイン発現パターンは、発症初期にはTh2型サイトカインが主体で、皮疹が完成するとTh1型サイトカインの発現が加わり、両者が複雑に関係しつつ皮膚炎を維持していることが推察されている。さらに、慢性皮疹では、IL−4発現と相関しないという報告もみられる(非特許文献9および10を参照)。アトピー性皮膚炎の原因の解明や治療法の確立に対する要望が高まっているが、上記の臨床所見を充分満たすような有用なモデル動物は未だ報告例がなかった。
特開2002−112666号公報 特開2002−112781号公報 炎症と免疫、第7 巻 p19〜26(1999) Biotherapy 第13巻、p335-339 (1999) Journal of Investigative Dermatology 105 p749-755 (1995) Journal of Immunology 159 p2484-2491 (1997) Cell, 89, p587-596 (1997) 臨床免疫、30, p839-842 (1998) J Allergy Clin Immunol, 103, p215-222 (1999) Science, 275, p77-79 (1997) Medicina 34 :220-223 (1997) 炎症と免疫 7:237-244 (1999)。
本発明の目的は、臨床症状を反映し、アトピー性皮膚炎の発症や治療方法の解明に役立つモデル動物および当該動物を用いたアトピー性皮膚炎の治療剤のスクリーニング方法等を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討の結果、転写因子GATA−3を高発現する動物が容易かつ短期間でアトピー性皮膚炎様症状を発症することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、
[1] GATA−3遺伝子またはその変異遺伝子を導入し、T細胞またはB細胞でGATA−3を高発現してなるアトピー性皮膚炎モデル動物、
[2] 抗原刺激によりTh1型サイトカインおよびTh2型サイトカインの産生率が上昇している前記[1]に記載の動物、
[3] 抗原刺激前後のTh1型サイトカインの産生率よりTh2型サイトカインの産生率が上昇している前記[1]に記載の動物、
[4] 前記Th1型サイトカインがIFN−γであり、前記Th2型サイトカインがIL−4、IL−5またはIL−13である前記[2]または[3]に記載の動物、
[5] 前記動物がマウスである前記[1]〜[4]いずれかに記載の動物、
[6] 前記[1]〜[5]いずれかに記載のアトピー性皮膚炎モデル動物に薬剤を適用することを特徴とするアトピー性皮膚炎の治療剤のスクリーニング方法、
[7] 前記[1]〜[5]いずれかに記載のアトピー性皮膚炎モデル動物から単離されてなる臓器、組織または細胞、
[8] 前記[1]〜[5]いずれかに記載のアトピー性皮膚炎モデル動物または前記[7]に記載の臓器、組織もしくは細胞から得られる細胞株、
[9] 前記細胞または細胞株がT細胞もしくはB細胞またはそれらの細胞株である前記[7]または[8]に記載の細胞または細胞株、
[10] 前記[9]に記載の細胞または細胞株を同種または同系の動物に移入することを特徴とするアトピー性皮膚炎モデル動物の作出方法、
[11] 前記細胞または細胞株がT細胞またはその細胞株であり、前記動物がマウスである前記[10]に記載の作出方法、および
[12] 前記[10]または[11]に記載の作出方法により得られたアトピー性皮膚炎モデル動物
に関する。
本発明のアトピー性皮膚炎モデル動物は、抗原刺激により容易かつ短期間でアトピー性皮膚炎様症状を発症することができる。本発明のモデル動物は、臨床症状を良好に反映し、アトピー性皮膚炎の発症や治療方法の解明に役立つものである。本発明のモデル動物を用いたアトピー性皮膚炎の治療剤のスクリーニング方法によれば、動物での治療効果を確認することでこれまでにない有用な治療剤を提供することができる。本発明のモデル動物由来の臓器、組織、細胞または細胞株は、アトピー性皮膚炎の発症または治療の解明をより詳細に行なうために有用である。特に、本発明のモデル動物由来の細胞または細胞株を同種(同系)の動物に移入することにより、容易にアトピー性皮膚炎モデルを作出することができる。
本発明におけるGATA−3遺伝子とは、動物由来のGATA−3遺伝子であれば特に限定されるものではなく、導入する動物の種に応じて適宜選択することができる。好ましくは、ヒトまたはマウスのGATA−3遺伝子を挙げることができる。より好ましくは、マウスGATA−3のcDNA(配列番号:1)を挙げることができる。
マウスのGATA−3遺伝子は、例えば文献 J Immunol.,136, 2348-2357 (1986) 記載の方法で取得することができる。また、ヒトのGATA−3遺伝子は、例えば文献 Immunol. Today, 12, 256-257 (1991) 記載の方法で取得することができる。
本発明におけるGATA−3遺伝子の変異遺伝子とは、マウスを例にとると、配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、1または2以上のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入または置換の少なくとも1つの変異を生じさせたポリペプチドをコードする遺伝子や、配列番号:1に記載の塩基配列において、1または2以上の塩基の欠失、付加、挿入または置換の少なくとも1つの変異を生じさせた遺伝子であって、転写因子GATA−3と同等の活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子をいう。
ここで、転写因子GATA−3と同等の活性とは、前記変異遺伝子をT細胞またはB細胞で発現させた場合にIL−4、IL−5またはIL−13などのTh2型サイトカインの産生を亢進させることをいう。前記サイトカインの産生は、ELISA等により確認することができる。
したがって、本発明において転写因子GATA−3とは、GATA−3変異遺伝子によりコードされるタンパク質をも含むものである。
前記アミノ酸配列もしくは塩基配列に変異を導入することは、例えば部位特異的突然変異誘発(Methods in Enzymology, 100, 448- (1983))やPCR法(Molecular Cloning 2nd Edt. 15 章,Cold Harbor Laboratory Press (1989)、"PCR APractical Approach" IRL Press 200-210(1991))等により、当業者ならば容易に行うことができる。
本発明のアトピー性皮膚炎モデル動物とは、前記GATA−3遺伝子またはその変異遺伝子が導入され、T細胞またはB細胞でGATA−3を高発現しているものであれば特に限定されるものではなく、GATA−3遺伝子またはその変異遺伝子が導入されて得られた動物そのもの、前記動物から得られる子孫、モデル動物と同種の動物との交配により得られた動物、および後述する本発明のアトピー性皮膚炎モデル動物の作出方法により得られたアトピー性皮膚炎モデル動物を含む概念である。
交配対象の動物としては、同種の動物であれば特に限定されるものではないが、モデル動物の作製の容易さから、アトピー性皮膚炎に罹りやすい性質を有する動物、またはアトピー性皮膚炎を誘発しやすくするようにGATA−3以外の遺伝子をさらに導入または欠失させた動物が好ましく、前者の例としてはNC/Ngaマウス(H. Matsudaら、Int. Immunol. 1997, 9: 461-466) があげられ、後者の例としては、卵白アルブミン(OVA)特異的T細胞レセプター遺伝子導入マウス(T.Satoら、Eur. J. Immunol. 1994, 24: 1512-1516) やTNP特異的IgE遺伝子導入マウス(K. Matsuoka ら、Int. Immunol. 1999, 11: 987-994)があげられる。
本発明のアトピー性皮膚炎モデル動物は、前記GATA−3遺伝子またはその変異遺伝子を人為的に生殖細胞に導入させることにより作製することができる。
導入する動物は、ヒト以外の動物であれば特に限定されるものではなく、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ等の実験動物およびウシ、ブタ等の家畜等が挙げられるが、遺伝子工学、細胞工学的な技術開発が目覚ましいマウスが好適に用いられる。
本発明のアトピー性皮膚炎モデル動物は、T細胞またはB細胞でGATA−3を高発現するものであり、特にT細胞で高発現するものが好ましい。
前記特性を有するモデル動物を作出するためには、GATA−3遺伝子またはその変異遺伝子を所定のベクターに連結させて発現ベクターを作製し、次いで、当該ベクターを生殖細胞に導入することが好ましい。
したがって、T細胞またはB細胞での発現に適したプロモーター、エンハンサーを含むベクターを選択し、GATA−3遺伝子またはその変異遺伝子を作動可能に連結することが好ましい。連結方法は、当該技術分野で周知であり、例えば、モレキュラークローニング(Molecular Cloning )第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989))に記載されている。
前記プロモーターとしては、例えば、恒常型プロモーターの例として、CAG プロモーター、CMV プロモーター、EF-1αプロモーター、SRαプロモーター、SV40プロモーター、RSV プロモーター、Lck キナーゼの遠位プロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター(MLP )などが挙げられる。また、誘導型のプロモーターの例としては、メタロチオネイン遺伝子プロモーター、マウス乳ガンウイルス(MMTV)プロモーターなどが挙げられる。以上のようなプロモーターを有する発現ベクターは、いずれも市販されているか、あるいは公的な機関から入手できる。市販されている場合は、例えば Invitrogen 社、Clontech社などから購入することができる。より好ましいものとして、SRαプロモーター、Lck キナーゼの遠位プロモーター、CAG プロモーター等を挙げることができる。
一方、エンハンサーとしては、例えば、SV40エンハンサー、ポリオーマウイルスエンハンサー、MoMuLVエンハンサー、MoMuSV エンハンサー、AKV エンハンサー、SL3-3 エンハンサー、HPVのIE2あるいはIE6エンハンサー、HBVエンハンサー、HCMVエンハンサー等のウイルスエンハンサー、例えば、IgHエンハンサー、IgLエンハンサー、T細胞レセプターα鎖エンハンサー、HLADQ αおよびβ遺伝子エンハンサー、β−IFNエンハンサー、IL−2エンハンサー、IL−2Rエンハンサー等の免疫系遺伝子のエンハンサー、例えば、β−アクチンエンハンサー、MCKエンハンサー、プレアルブミン遺伝子エンハンサー、エラスターゼI遺伝子エンハンサー、メタロチオネイン遺伝子エンハンサー等の細胞エンハンサーが挙げられる。好ましくは、IgHエンハンサー(Eμ)等を挙げることができる。
遺伝子導入マウスを例にとって、遺伝子導入動物の作製方法を簡単に述べる。第1の方法は、マウスの受精卵の前核中に前記発現ベクターをマイクロインジェクションする方法、第2の方法は、8細胞期胚に組換えレトロウイルスの形で感染させることにより、前記発現ベクターを導入する方法、第3の方法は、全能性を有する胚性幹細胞(ES細胞)に、エレクトロポレーション法等により前記発現ベクターを導入し、これを他の胞胚に注入して、キメラを作製する方法が知られている(ビー=ホーガンらの編纂によるマニピュレーション オブ マウス エンブリオ 1986 年 コールドスプリングハーバーラボラトリー、相澤慎一著 ジーンターゲッティング 1995年羊土社)。
このようにして得られた遺伝子導入モデル動物は、T細胞またはB細胞においてGATA−3が高発現している。GATA−3の高発現は、GATA−3遺伝子またはその変異遺伝子を導入しない同種の動物と比べてmRNAまたはタンパク質がより多く発現していることをいう。GATA−3の高発現は、PCR法、ノーザンブロッティング法またはウェスタンブロッティング法により確認することができる。
前記モデル動物は、抗原刺激によりTh1型サイトカインおよびTh2型サイトカインの産生率が上昇していることが好ましい。
前記抗原としては、例えば、卵白アルブミン(OVA)もしくは卵白アルブミン由来のペプチド、インシュリン由来のペプチド、ミエリン由来のペプチド、チトクロームC由来のペプチド、リゾチーム由来のペプチド、H−Y抗原等のタンパク質抗原、核酸抗原、炭水化物抗原、脂質抗原、または、2,4,6−トリニトロ−1−クロロベンゼン(TNCB)、4−エトキシメチレン−2−フェニル−2−オキサゾリン−5−オン (OX) 、2, 4−ジニトロフルオロベンゼン (DNFB) 、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)等のハプテンが挙げられる。
前記モデル動物は、抗原刺激前後のTh1型サイトカインの産生率よりTh2型サイトカインの産生率が上昇していることが好ましい。この特性により、Th1型サイトカインとTh2型サイトカインとのバランスが崩れ、アトピー性皮膚炎の症状をより良く反映することができる。
前記Th1型サイトカインとしてはIL−2、IFN−γ、TNF−βなどが挙げられるが、IFN−γが好ましい。一方、前記Th2型サイトカインとしてはIL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10またはIL−13などが挙げられるが、IL−4、IL−5またはIL−13が好ましく、IL−5またはIL−13がより好ましい。
前記モデル動物を抗原刺激する方法は、特に制限がないが、例えば、前記抗原を適用な溶媒に溶解し、動物の皮膚に塗布(感作)し、一定の期間(例えば、数日間)を置いて2回目の塗布を行う(誘発、チャレンジ)方法が挙げられる。感作部位と誘発部位とは同一または異なっていてもよい。
誘発部位の皮膚は、アトピー性皮膚炎特有の症状(発疹、腫脹など)が短期間に現れる。また、誘発部位の皮膚細胞からは、抗原刺激しない対照動物では認められないTh1型サイトカインおよびTh2型サイトカインの産生が認められる。Th2型サイトカイン、特にIL−5およびIL−13については、トランスジーンを持たない対照動物と比べて抗原誘発後に産生量が増加し、一方、Th1型サイトカイン、特にIFN−γについては、対照動物と同じく産生される。また、誘発部位には、好酸球、単核球(リンパ球および組織球)または肥満細胞の浸潤がトランスジーンを持たない対照動物より有意に多く観察される。さらに、血清中のIgE(総IgE)量は、抗原誘発後一定期間に顕著な上昇が見出される。これらの特徴は、アトピー性皮膚炎の皮膚局所の臨床所見に極めて類似しており、本発明の実施例から初めて得られた知見で、GATA−3トランスジェニックマウスというだけでは類推できなかった特徴である。これらの特徴は、以下の本発明のスクリーニング方法に有利に利用することができる。
本発明のアトピー性皮膚炎の治療剤のスクリーニング方法は、本発明のアトピー性皮膚炎モデル動物に薬剤を適用することを特徴とする。
前記モデル動物への薬剤の適用方法は、特に制限がないが、前記モデル動物を抗原刺激してアトピー性皮膚炎の症状を誘発した後、当該誘発部位に目的の薬剤を常法により適用する方法などが挙げられる。この際に、薬剤を含まない陰性対照および/または既知の薬効を有する陽性対照(抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、ステロイド、免疫抑制剤など)も準備し、前記薬剤と同様に適用する。
薬剤適用後、所定の期間に誘発部位における発疹、腫脹などを観察し、対照と比較して薬剤の治療効果を評価する。あるいは、薬剤適用後の誘発部位におけるTh1型およびTh2型サイトカインの変動や、好酸球、肥満細胞などの浸潤の程度を調べることによっても治療効果を評価することができる。
薬剤の適用は、抗原刺激の後であってもよいが、抗原刺激の前であってもよい。
目的の薬剤の長期投与による影響を評価するためには、抗原刺激を繰り返しながらアトピー性皮膚炎を再発させ、薬剤投与を続けることもできる。
また、本発明は、前記アトピー性皮膚炎モデル動物から単離された臓器、組織または細胞に関する。これらの単離物は、適当な条件下で流通または保存することができ、アトピー性皮膚炎の原因の解明を分子レベルで研究するためのツールとして有用であり、治療法の確立の検証にも役立つものである。
前記臓器または組織としては、肝臓、肺、腎臓、心臓、膵臓、胃、小腸、大腸、生殖器等の臓器、または脳組織、神経組織、皮膚、皮下組織、上皮組織、骨、筋、毛、爪、骨髄、血管、血液、リンパ組織、リンパ液等の組織が含まれるが、これらに限定されるものではない。
前記細胞としては、前記モデル動物から直接単離した細胞または前記臓器もしくは組織から得られるあらゆる細胞が含まれる。
また、本発明は、前記臓器、組織または細胞から得られる細胞株に関する。前記細胞株は、由来する臓器、組織または細胞に応じて不死化することにより、あるいは自然発生的に得られるものであり、継代培養することができるので、好ましい。
前記細胞または細胞株の中でも、下記モデル動物の作出方法に用いるためにはGATA−3を高発現しているT細胞もしくはB細胞またはそれらの細胞株が特に有用であり、好ましい。
さらに、本発明は、前記T細胞もしくはB細胞またはそれらの細胞株を同種または同系の動物に移入することを特徴とするアトピー性皮膚炎モデル動物の作出方法に関する。前記細胞または細胞株を同種または同系の動物に移入する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、皮内、皮下または静脈から注入する方法があげられる。
移入する細胞または細胞株は、GATA−3が高発現しており、アトピー性皮膚炎を誘導しやすい点からT細胞またはその細胞株が好ましく、CD4陽性細胞またはその細胞株がより好ましい。移入対象の動物は、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ等の実験動物およびウシ、ブタ等の家畜等があげられるが、移入した細胞等の生着率の高い免疫不全動物が好ましく、その種類が豊富なマウスが好ましい。好ましい免疫不全マウスとしては、市販されており、容易に入手可能であるヌードマウス、SCIDマウス、NOD/SCIDマウス、RAG2ノックアウトマウス、NOD/SCID/γc nullマウス(M. Itoら、Blood 2002, 100: 3175-3182) 等があげられる。
移入された動物は、抗原刺激により接触性皮膚炎を惹起させる。刺激後所定の時間経過後に遅発型の炎症が確認された場合、アトピー性皮膚炎を発症したモデル動物となる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
[動物の維持、飼育]
下記実施例で作出したトランスジェニックマウスおよび週齢の一致した野生型(WT)同腹子対照マウス(C57BL/6マウス、日本クレア)は、特定の病原体のない条件下に収容し、市販の飼料と水を自由に与えた。前記マウスは、8〜15週齢で用いた。各実験群は、少なくとも5匹のマウスからなるものであった。
[刺激用ハプテン]
2,4,6−トリニトロ−1−クロロベンゼン(TNCB)は、東京化成株式会社より購入し、アセトンに溶解して、感作剤および誘発剤として使用した。
[ハプテンによるマウスの感作手法および誘発手法]
マウスの腹部を剃毛し、その皮膚上に、100μlの7重量%TNCB溶液を1回局所塗布し、接触感作した。7日後、左耳介に裏表に10μlずつ(合計20μl)1重量%TNCB溶液を塗布(チャレンジ)し、TNCBに対する感作を誘発した。
[統計学的解析]
実験データは、平均±SDで表した。図中では明確性のため平均+SDで示す。統計学的解析は、Student's t検定を用いて行った。
実施例1
マウスGATA−3高発現トランスジェニックマウスの作製
マウスGATA−3cDNA(配列番号:1)をLckキナーゼ遠位プロモーターと連結した発現ベクターを構築し、トランスジーンを作製した。これをC57BL/6マウスの受精卵に注入して、遺伝子導入マウスを得た。導入遺伝子の子孫への伝播は、PCR法に加え、ノーザンブロッティングによりmRNAの発現とウェスタンブロッティングにより蛋白質の発現を確認した。ノーザンブロッティングの結果によれば、GATA−3トランスジーンを持つマウスと持たない同胞子マウスの胸腺、脾臓、腎臓におけるGATA−3mRNAの発現量を比較したところ、トランスジェニックマウスの脾臓における発現量が、同腹子マウスより顕著に増大していた。ウェスタンブロッティングの結果によれば、トランスジェニックマウスと同胞子マウスの胸腺、脾臓、リンパ節におけるGATA−3蛋白質の発現量を比較したところ、トランスジェニックマウスの胸腺における発現量が、同腹子マウスより顕著に増大していた。
実施例2
実施例1において、Lckキナーゼ遠位プロモーターの代わりにSRαプロモーター/Eμエンハンサーを含む発現ベクターにマウスGATA−3cDNAに連結してトランスジーンを構築したこと以外は実施例1と同様にして、トランスジェニックマウスを作出した。
実施例3
皮膚組織抽出物からのRT−PCR
実施例1で作出したGATA−3トランスジェニックマウスおよび同腹子(WT)にハプテンを適用した後、経時的にマウスを脛骨脱臼により屠殺し、両耳介を切断した。前記耳介をISOGEN(ニッポンジーン株式会社製)でホモジナイズし、製造業者の指示に従って全RNAを抽出した。得られたRNAをcDNAに逆転写した。逆転写の条件は、1×RT緩衝液(GIBCO BRL)、0.5mMのdNTP(タカラバイオ株式会社製)、0.15μgのランダムプライマー、40UのRNアーゼインヒビター(ロシュダイアグノスティックス社製)、200UのM−MLV逆転写酵素(GIBCO BRL)および10mMのDTT(GIBCO BRL)を含む20μlの反応混合液中で行った。
得られたcDNAを43℃で1時間次いで95℃で3分間インキュベートした後、IL−5、IFN−γまたはβアクチン増幅用に2μlのcDNA標品をそれぞれ用いてcDNAを増幅させた。増幅反応は、10mMのTris−HCl(pH9.0)、50mMのKCl、2.5mMのMgCl2 、0.1%(W/V)ゼラチン、0.2mMのdNTP、各25pMの5’および3’オリゴヌクレオチドプライマーならびに2.5UのTaqポリメラーゼ(パーキンエルマー社製)を含む25μlの反応混合液中で行った。DNAサーモサイクラー480(パーキンエルマーシータス社製)を用いて、94℃で30秒の変性、55℃で30秒のアニーリング、および72℃で1分の伸長を32サイクル(IL−5の場合)または、94℃で45秒の変性、60℃で45秒のアニーリング、および72℃で2分の伸長を40サイクル(IFN−γおよびβアクチンの場合)を行った。最終のサイクル後、温度を72℃で7分間維持した。前記cDNA増幅に使用したプライマーを下記に示す。
IL−5:Sense primer 5'-ATGACTGTGCCTCTGTGCCTGGAGC(配列番号3)
Antisense primer 5'-CTGTTTTTCCTGGAGTAAACTGGGG(配列番号4)
IFN−γ:Sense primer 5'-TGAACGCTACACACTGCATCTTGG (配列番号5)
Antisense primer 5'-CGACTCCTTTTCCGCTTCCTGAG (配列番号6)
βアクチン:Sense primer 5'-TGGAATCCTGTGGCATCCATGAAAC(配列番号7)
Antisense primer 5'-TAAAACGCAGCTCAGTAACAGTCCG(配列番号8)
前記PCR産物を、1.5%アガロースゲル電気泳動に付し、臭化エチジウムで染色して可視化した。結果を図1に示す。
図1より、トランスジェニックマウスは、野生型マウスに比べて、ハプテンをチャレンジ後6〜18時間でTh2型サイトカインのIL−5の発現が亢進しており、特に12〜18時間後で顕著であった。一方、Th1型サイトカインであるIFN−γは、トランスジェニックマウスと野生型マウスとでは同程度の発現レベルであった。
実施例4
皮膚組織抽出物におけるサイトカインレベルの定量
ELISA用の耳介組織抽出物の試料は、Fergusonら(J Exp Med. 179:1597-1604 (1994)) に記載の方法により調製した。要約すると、TNCBのチャレンジ後18時間目に、上記と同様にして耳介を切断し、直ちに0.1%Tween20のPBS溶液を500μl加えてホモジナイズした。得られたホモジネートを液体窒素−水浴(37℃)で凍結融解し、15秒間超音波処理を行い、13000gで5分間遠心分離し、上清をELISAに供した。上清は、使用直前まで−80℃で保存した。IL−4、IL−5およびIFN−γに関するELISAは、ELISAキット(Endogen 社製) を用いて製造業者の指示に従って行った。IL−13に関するELISAは、IL−13Quantikine kit(R&D Systems製) を用いて製造業者の指示に従って行った。結果を図2に示す。
図2より、トランスジェニックマウスは、野生型マウスに比べて、Th2型サイトカインのIL−5およびIL−13の発現が亢進していることがわかる。しかし、IL−4とTh1型サイトカインのIFN−γについては有意差はなかった。
実施例5
耳介の肥厚の測定
前記したように、TNCBの適用によりトランスジェニックマウスおよび同腹子マウスを感作およびチャレンジした。耳介の肥厚は、実験期間中経時的に、軽いエーテル麻酔下でダイヤル厚さ計(尾崎製作社製)により測定した。耳介の腫脹反応の経時分析の場合、耳介の肥厚は、各誘発後6、12、18、24および48時間で測定した。結果を図3に示す。
図3より、トランスジェニックマウスは、TNCBのチャレンジ後6時間目にはすでに有意な耳介の肥厚化が観察され、24時間後まで持続した。耳介の肥厚は、野生型マウスの約2〜3倍に達した。
実施例6
病理組織学的実験
TNCBのチャレンジ後18時間目に、耳介の皮膚検体を切出し、10%ホルマリン溶液で固定し、次いで切片を作製してヘマトキシリン−エオシン染色またはトルイジンブルー染色を行った。単核細胞ならびに皮膚に浸潤した好中球および好酸球などの顆粒球の数は、ヘマトキシリン−エオシン溶液で皮膚検体を染色することにより評価した。皮膚に浸潤した肥満細胞の数は、トルイジンブルー溶液で皮膚検体を染色することにより評価した。切片を400倍の倍率で顕微鏡観察した。各片につき、少なくとも10個の視野を調べた。細胞数を計数し、1mm2 当たりの細胞数で表した。結果を図4に示す。
図4より、トランスジェニックマウスの病理組織中の浸潤細胞は、好酸球および単核球(リンパ球および組織球)ばかりでなく、肥満細胞も有意に増加していることがわかる。このことから、本トランスジェニックマウスは、アトピーの臨床病態をよりよく反映したものであるといえる。
実施例7
IgEの血清濃度の測定
TNCBのチャレンジ後24時間目に、静脈洞から血液を採取し、1500gで10分間遠心分離することにより血清を得た。血清中の総IgEレベルは、ELISAにより測定した。結果を図5に示す。
図5より、トランスジェニックマウスは、野生型マウスに比べて非常に高いIgEレベルを保持していることがわかる。
実施例8
本発明トランスジェニック・マウスを用いるアトピー性皮膚炎治療薬のスクリーニング方法
グルココルチコイド軟膏やプロトピック軟膏は免疫反応を全般的に抑制するのではなく、低濃度ではより選択的にTh1リンパ球を抑制するため、ストレス下ではTh2リンパ球が優位となり、アトピー性皮膚炎の病態をさらに悪化させる方向に働く可能性がある。本発明のトランスジェニック・マウスと野生型マウスを用いてハプテン塗布による接触性皮膚炎を惹起し、薬剤を事前投与することで、よりトランスジェニック・マウスにおける耳介浮腫を抑制する薬剤をスクリーニングすれば、グルココルチコイドやタクロリムスと異なる薬剤を得ることができる。また、抗ヒスタミン作用が中心の抗アレルギー薬は、即時型の浮腫にしか効果を示さないため、抗原チャレンジ18〜24時間後の遅発型の浮腫において効果を示す薬剤は、従来の抗アレルギー薬とも差別化できる。本スクリーニング方法において、以下の実験を行なった。
トランスジェニックマウスおよび同腹子(野生型)マウスの腹側部に、7%TNCB溶液(アセトン溶解)100μ1を塗布し、1週間後にタクロリムス(プログラフ注射液にて調製)1mg/kgを1%TNCB耳介チャレンジの6時間前に腹腔内投与した。1%TNCB耳介チャレンジの後、経時的に耳介の腫脹を測定した。遅発型の耳介腫脹のピークを示すチャレンジ18時間後にて、腫脹を評価した。結果を図6に示す。
図6より、タクロリムスは、トランスジェニックマウスに比べて野生型マウスの耳介腫脹抑制効果が大きいことがわかる。したがって、本スクリーニング方法によって野生型マウスよりもトランスジェニックマウスの耳介腫脹抑制効果を示す薬剤は、従来の治療薬とは異なって、アトピー性の炎症に対してより治療効果を奏する候補薬となりうる。
実施例9
免疫不全マウスへの移入実験プロトコール
トランスジェニックマウスおよび同腹子(野生型)マウスの腹側部に、7%TNCB溶液(アセトン溶解)100μ1を塗布し、1週間後に各々の処置マウスから脾臓を摘出して細胞浮遊液を調製した。調製された細胞にマウス抗CD4抗体結合マグネットビーズを反応させ、CD4陽性T細胞を回収した。免疫不全マウスとしてRAG2ノックアウトマウス(実験動物中央研究所より入手し、自家繁殖させたもの)に対して、一匹当たり2×106 個のCD4陽性細胞を尾静脈から注入(i.v.)し、翌日、免疫不全マウスの耳介に1%TNCB溶液を裏表に10μlずつ塗布して、経時的に耳介の腫脹を測定した(図7)。TNCB塗布24時間後に耳介の皮膚検体を切出し、10%ホルマリン溶液で固定し、次いで切片を作製してヘマトキシリン−エオシン染色またはトルイジンブルー染色を行った。単核細胞ならびに皮膚に浸潤した好中球および好酸球などの顆粒球の数は、ヘマトキシリン−エオシン溶液で皮膚検体を染色することにより評価した。皮膚に浸潤した肥満細胞の数は、トルイジンブルー溶液で皮膚検体を染色することにより評価した。切片を400倍の倍率で顕微鏡観察した。各片につき、少なくとも10個の視野を調べた。細胞数を計数し、1mm2 当たりの細胞数で表した。結果を図8に示す。
図7より、本発明のTNCB感作トランスジェニックマウスから得られたCD4陽性T細胞を免疫不全マウスに移入した場合、野生型マウスから得られたCD4陽性T細胞を用いて同様に行なった場合と比べて、耳介の腫脹応答がより強く惹起された。
図8より、GATA−3トランスジェニックマウス由来の細胞を移入したマウスは、野生型マウス由来の細胞を移入したマウスに比べて、耳介の皮膚組織に好酸球および肥満細胞が有意に浸潤していることがわかる。
これらの結果から、本発明のトランスジェニックマウス由来の細胞を同種マウスに移入することにより、容易にアトピー性モデル動物を作出することができることがわかる。
実施例10
抗原塗布実験プロトコール
本実施例においては、卵白アルブミン特異的T細胞レセプター(TCR)遺伝子およびGATA−3遺伝子を導入したトランスジェニックマウスGATA−3/TCRと、TCR遺伝子のみを導入したWT/TCRトランスジェニックマウスを用いた。前記トランスジェニックマウスは、特開2002−112666号公報に記載の方法により作出した。前記トランスジェニックマウスそれぞれに、1週間に1回の割合で卵白アルブミン(OVA(50)) とアラム(Alum、1mg) を計3回腹腔に投与した。下記AおよびBの実験を行なった。
A.最終免疫より1週間後に、50μg/10μlのOVA溶液を耳介皮内に摂取して、耳介の腫脹を経時的に測定した。対照にはPBSを同量摂取した。結果を図9に示す。
B.最終免疫より1週間後に10μg/10μlのOVA溶液をしみ込ませたろ紙をfinn chamber(大正製薬株式会社製)に入れて、剃毛腹側部にバンドに接着させ、18時間後、その部位の組織学的検査を行った。結果を図10に示す。
図9より、本発明のトランスジェニックマウスはタンパク質抗原刺激によっても、対照マウスと比べて耳介腫脹応答を強く惹起することがわかる。図10より、皮内接種だけでなく、皮膚に接触させただけでも卵白アルブミンによって皮膚炎が惹起され、その部位には、アトピー性皮膚炎の臨床病態を反映する好酸球と肥満細胞の浸潤が観察されたことがわかる。
トランスジェニックマウス(GATA−3)および同腹子(WT)にハプテンを適用した後の耳組織におけるIL−5およびIFN−γの発現をPCR法により調べた結果を示す電気泳動写真である。 トランスジェニックマウス(GATA−3)および同腹子(WT)にハプテンを適用した後の耳組織における種々のサイトカインの発現をELISAにより調べた結果を示すグラフである。 トランスジェニックマウス(GATA−3)および同腹子(WT)にハプテンを適用した後の耳介の肥厚を調べた結果を示すグラフである。 トランスジェニックマウス(GATA−3)および同腹子(WT)にハプテンを適用した後の耳介の皮膚に浸潤した種々の細胞の数を調べた結果を示すグラフである。 トランスジェニックマウス(GATA−3)および同腹子(WT)にハプテンを適用した後の血清中の総IgE量を示すグラフである。 実施例8のスクリーニング方法において、タクロリムスを投与した後のトランスジェニックマウス(GATA−3)および同腹子(WT)の耳介の肥厚の減少を調べた結果を示すグラフである。 トランスジェニックマウス(GATA−3)または同腹子(WT)由来のCD4陽性T細胞を移入した免疫不全マウスにおいて、ハプテンを適用した後の耳介の肥厚を調べた結果を示すグラフである。 トランスジェニックマウス(GATA−3)または同腹子(WT)由来のCD4陽性T細胞を移入した免疫不全マウスにおいて、ハプテンを適用した後の耳介の皮膚に浸潤した種々の細胞の数を調べた結果を示すグラフである。 トランスジェニックマウス(GATA−3)および同腹子(WT)に抗原(卵白アルブミン)を適用した後の耳介の肥厚を調べた結果を示すグラフである。 トランスジェニックマウス(GATA−3)および同腹子(WT)に抗原(卵白アルブミン)を適用した後の耳介の皮膚に浸潤した種々の細胞の数を調べた結果を示すグラフである。

Claims (12)

  1. GATA−3遺伝子またはその変異遺伝子を導入し、T細胞またはB細胞でGATA−3を高発現してなるアトピー性皮膚炎モデル動物。
  2. 抗原刺激によりTh1型サイトカインおよびTh2型サイトカインの産生率が上昇している請求項1に記載の動物。
  3. 抗原刺激前後のTh1型サイトカインの産生率よりTh2型サイトカインの産生率が上昇している請求項1に記載の動物。
  4. 前記Th1型サイトカインがIFN−γであり、前記Th2型サイトカインがIL−4、IL−5またはIL−13である請求項2または3に記載の動物。
  5. 前記動物がマウスである請求項1〜4いずれかに記載の動物。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載のアトピー性皮膚炎モデル動物に薬剤を適用することを特徴とするアトピー性皮膚炎の治療剤のスクリーニング方法。
  7. 請求項1〜5いずれかに記載のアトピー性皮膚炎モデル動物から単離されてなる臓器、組織または細胞。
  8. 請求項1〜5いずれかに記載のアトピー性皮膚炎モデル動物または請求項7に記載の臓器、組織もしくは細胞から得られる細胞株。
  9. 前記細胞または細胞株がT細胞もしくはB細胞またはそれらの細胞株である請求項7または8に記載の細胞または細胞株。
  10. 請求項9に記載の細胞または細胞株を同種または同系の動物に移入することを特徴とするアトピー性皮膚炎モデル動物の作出方法。
  11. 前記細胞または細胞株がT細胞またはその細胞株であり、前記動物がマウスである請求項10に記載の作出方法。
  12. 請求項10または11に記載の作出方法により得られたアトピー性皮膚炎モデル動物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006009297A1 (ja) * 2004-07-20 2006-01-26 Yasumitsu Nagao Es細胞を用いたキメラ作製
WO2009037439A3 (en) * 2007-09-18 2009-06-04 Medical Res Council Methods of switching the phenotype of t cells by transgenic lineage factor foxp3
US8350118B2 (en) 2008-05-16 2013-01-08 Keio University Allergic disease model animals

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