JP2004166610A - 生鮮食品の低温貯蔵方法と冷蔵装置 - Google Patents
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- F25D2400/00—General features of, or devices for refrigerators, cold rooms, ice-boxes, or for cooling or freezing apparatus not covered by any other subclass
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Abstract
【解決手段】生鮮食品の低温貯蔵方法は、生鮮食品を10〜−1.9℃の温度範囲に設定している非凍結温度まで冷却する急速冷却工程の後、生鮮食品を冷却する冷蔵庫2の設定温度を−0.015℃/時間以下の温度勾配として、生鮮食品を0℃以下であって凍結させない長期保存温度まで冷却する凝固点降下冷却工程で生鮮食品を貯蔵する。
【効果】生鮮食品を急速冷却工程した後、凝固点降下冷却工程において冷蔵庫の設定温度を極めて制限された範囲に特定することにより、生鮮食品を凍結させることなく、理想的な低温で保存して、極めて長い期間にわたって新鮮な状態で保存できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生鮮な果実、野菜、食肉等を冷蔵して長期保存する冷蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷蔵装置にとって特に大切な性能は、生鮮食品をいかに長い期間にわたって新鮮な状態で保存できるかにある。このことを実現するために、生鮮食品は、氷結温度に近い温度で、凍結させないで保存される。この冷蔵環境は、生鮮食品をもっとも長い期間、新鮮な状態で保存できる。この温度に冷却された生鮮食品の生理活性が低下して変質を最小にできるからである。このことをするために種々の冷蔵装置が開発されている。たとえば、特開平3−47034号、特開平5−161449号に氷結温度に近い温度で保存する冷蔵装置が記載される。これ等の公報は、できるかぎり低温に冷却しながら、氷結されるまでの時間を長くする冷蔵装置を記載している。このことを実現するために、生鮮食品はプラスチック製袋に包装される。この生鮮食品を、冷却の設定温度低下勾配を小さくしながら氷結温度まで冷却する。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−47034号公報
【特許文献2】
特開平5−161449号公報
【0004】
これらの公報に記載される低温貯蔵方法は、できるかぎり低温に冷蔵しながら氷結させないように、プラスチック製袋に入れて包装している。この方法は、プラスチック製袋で氷結を防止できるのが数日であるから、数日の保存には適している。しかしながら、数週間から数カ月もの長期間にわたる低温貯蔵には使用できない。プラスチック製の袋に入れた生鮮食品も、低温で保存すると氷結してしまうからである。
【0005】
本発明者は、この低温貯蔵方法では考えられないほどの長期間にわたって、生鮮食品を新鮮な状態で保存できる低温貯蔵方法を目的として、冷蔵庫に貯蔵している生鮮食品の凝固点降下温度を検出し、検出した生鮮食品の凝固点降下温度に基づいて、冷蔵庫内の冷却温度を設定する方法を開発した。この方法は、生鮮食品の凝固点降下温度を所定の時間毎に検出し、検出した凝固点降下温度に基づいて、設定温度を変更しながら生鮮食品を低温貯蔵する。
【0006】
生鮮食品の凝固点降下温度は、ラウールの法則により検出することができる。ラウールの法則とは「溶液の凝固点降下温度は、一定量の溶媒に溶けている溶質のモル濃度に比例し、溶質の種類には関係しない。」との法則である。
水に溶質が溶けて凝固点が降下する温度は、以下の式で計算される。
凝固点降下温度=K(1000m)/Mn
ただし、この式においてKは定数で水の場合は1.86
mは溶質の重量
Mは溶媒の重量
nは溶質の分子量である。
この式におい溶媒を1000gの水とすれば、式は以下のように簡単になる。
凝固点降下温度=1.86m/n
m/nは1000gの水に溶ける溶質のモル数であるから、1000gの水に溶ける溶質のモル数、すなわちモル濃度をx(mol/l)とすれば、凝固点降下温度は1.86×(モル濃度)となる。すなわち、1000gの水に1モルの溶質が溶解されると、凝固点降下温度は0℃から1.86℃低下して−1.86℃となり、2モルの溶質が溶解されると、凝固点降下温度は−3.7℃となる。
【0007】
したがって、生鮮食品の凝固点降下温度は、生鮮食品に溶解されている糖度や有機酸のモル濃度を検出して検出できる。糖度と有機酸の両方のモル濃度、または一方のモル濃度を赤外線センサーで検出することができる。また、凝固点降下温度は、生鮮食品の浸透圧を検出して検出することもできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上の方法は、低温貯蔵する生鮮食品の凝固点降下温度を検出して冷却する温度を設定するので、種々の生鮮食品を氷結させることなく、理想的な低温で保存して、長い期間にわたって新鮮な状態で保存できる。しかしながら、この方法は、生鮮食品の凝固点降下温度を検出するので、その機構が複雑になる欠点がある。また、この方法は、生鮮食品の氷結を防止しながら長期保存することはできるが、必ずしも全ての生鮮食品を充分に満足できる期間まで長期保存できるわけではない。理想的な低温貯蔵方法は、収穫した生鮮食品を次の年の収穫まで保存できることである。生鮮食品をこの期間貯蔵できると、1年を通じていつも生鮮食品を出荷できるからである。本発明は、さらに保存期間を延長することを目的として開発されたもので、本発明の重要な目的は、さらに長い期間にわたって新鮮な状態で生鮮食品を保存できる低温貯蔵方法と冷蔵装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の生鮮食品の低温貯蔵方法は、生鮮食品を10〜−1.9℃の温度範囲に設定している非凍結温度まで冷却する急速冷却工程の後、生鮮食品を冷却する冷蔵庫2の設定温度を−0.015℃/時間以下の温度勾配として、生鮮食品を0℃以下であって凍結させない長期保存温度まで冷却する凝固点降下冷却工程で生鮮食品を貯蔵する。
【0010】
本明細書において、負の温度勾配の大小は、絶対値で表示するものとする。したがって、温度勾配が−0.015℃/時間以下とは、絶対値が0.015℃/時間以下となるような負の温度勾配を意味し、温度勾配が−0.05℃/時間以上とは、絶対値が0.05℃/時間以上となるような負の温度勾配を意味している。
【0011】
非凍結温度は、5〜−1℃、好ましくは、3〜−0.5℃とすることができる。さらに、本発明の低温貯蔵方法は、凝固点降下冷却工程における冷蔵庫2の設定温度の温度勾配を−0.0001〜−0.015℃/時間として、生鮮食品を長期保存温度まで冷却することができる。さらに、本発明の低温貯蔵方法は、急速冷却工程において、生鮮食品を非凍結温度まで冷却する冷蔵庫2の設定温度の温度勾配を、−0.05℃/時間以上とすることができる。
【0012】
さらに、本発明の低温貯蔵方法は、非凍結温度を3〜−1.9℃として、急速冷却工程を常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程とに分離し、常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程の境界温度を10℃以下で3℃よりも高くして、常温帯冷却工程における冷蔵庫2の設定温度の温度勾配を−0.5℃以上として、耐寒帯冷却工程における冷蔵庫2の設定温度の温度勾配を−0.03〜−0.5℃/時間とすることができる。常温帯冷却工程における冷蔵庫2の設定温度の温度勾配は、−2℃/時間以上とすることもできる。
【0013】
さらに、本発明の低温貯蔵方法は、生鮮食品を冷蔵庫2から取り出す前に、庫内温度を次第に上昇させる温度上昇工程を設けて、庫内温度を長期保存温度から上昇させた後、冷蔵庫2から取り出すことができる。
【0014】
さらに、本発明の請求項9の生鮮食品の冷蔵装置は、冷蔵庫2に入れた生鮮食品を、8〜−1.9℃の温度範囲に設定している非凍結温度まで急速冷却した後、設定温度を−0.015℃/時間以下の温度勾配として生鮮食品を凍結させない長期保存温度まで冷却する冷却機構1を備える。この冷却機構1は、冷媒を液化させて冷蔵庫2内を冷却する蒸発器3と、この蒸発器3で気化された冷媒を加圧するコンプレッサ4と、コンプレッサ4で加圧された冷媒を冷却し液化させる凝縮器5と、この凝縮器5と蒸発器3の間に連結されて凝縮器5から蒸発器3に冷媒を供給する膨張弁6と、コンプレッサ4を駆動するモーター7と、このモーター7の回転速度を制御するインバータ8と、庫内温度を検出してインバータ8を介してモーター7の回転速度を制御する制御器9を備える。この冷蔵装置は、インバータ8がモーター7の回転速度を制御して、庫内温度が非凍結温度よりも高い状態と低い状態とで温度勾配を設定範囲として生鮮食品を冷却する。
【0015】
さらに、本発明の請求項10の生鮮食品の冷蔵装置は、冷蔵庫2に入れた生鮮食品を、8〜−1.9℃の温度範囲に設定している非凍結温度まで急速冷却した後、設定温度を−0.015℃/時間以下の温度勾配として生鮮食品を凍結させない長期保存温度まで冷却する冷却機構1を備える。この冷却機構1は、冷媒を液化させて冷蔵庫2内を冷却する蒸発器3と、この蒸発器3で気化された冷媒を加圧するコンプレッサ4と、コンプレッサ4で加圧された冷媒を冷却し液化させる凝縮器5と、この凝縮器5と蒸発器3の間に連結されて凝縮器5から蒸発器3に冷媒を供給する膨張弁6と、コンプレッサ4を駆動するモーター7と、このモーター7の運転をオンオフに制御する制御器9を備える。この冷蔵装置は、制御器9が庫内温度を検出し、モーター7の運転をオンオフに切り換えるデューティを変更して、庫内温度が非凍結温度よりも高い状態と低い状態とで設定された温度勾配となるようにして生鮮食品を冷却する。
【0016】
さらに、本発明の冷蔵装置は、冷蔵庫2の庫内温度を上昇させる加温機構12を備えることができる。この冷蔵装置は、生鮮食品を冷蔵庫2から取り出すときに、加温機構12で庫内温度を長期保存温度よりも上昇させて、庫内温度を上昇させた状態で冷蔵庫2から生鮮食品を取り出す。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための生鮮食品の低温貯蔵方法と冷蔵装置を例示するものであって、本発明は低温貯蔵方法と冷蔵装置を下記のものに特定しない。
【0018】
さらに、この明細書は、理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0019】
図1と図2に示す生鮮食品の冷蔵装置は、冷却機構1で冷蔵庫2内を冷却する。冷却機構1は、冷蔵庫2に生鮮食品を入れた後、冷蔵庫2内の設定温度を所定の設定温度低下勾配で低下させて、長期保存温度で貯蔵する。冷却機構1は、冷蔵庫2の庫内温度を検出して、庫内温度が設定温度となるように運転される。冷却機構1は、冷蔵庫2に入れられた生鮮食品を、急速冷却工程の後、凝固点降下冷却工程で長期保存温度まで冷却して貯蔵する。冷蔵庫2に入れられた生鮮食品は、図3〜図5のグラフに示すように、急速冷却工程で非凍結温度まで冷却した後、凝固点降下冷却工程で長期保存温度まで冷却して保存される。冷却機構1は、急速冷却工程において生鮮食品を非凍結温度まで冷却した後、凝固点降下冷却工程において冷蔵庫2の庫内温度の設定値を特定の温度勾配で低下させる。凝固点降下冷却工程においては、生鮮食品を0℃以下であって凍結させない長期保存温度まで冷却し、この状態で生鮮食品を貯蔵する。
【0020】
図3と図4は、生鮮食品を冷却する急速冷却工程を、より急速に冷却する常温帯冷却工程と、常温帯冷却工程よりもゆっくりと冷却する耐寒帯冷却工程とに分離している。急速冷却工程をこのように分離して生鮮食品を冷却する場合、生鮮食品の耐寒性を向上しながら非凍結温度まで冷却できる。急速冷却工程を常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程に分離する場合、非凍結温度を3〜−1.9℃として、常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程の境界温度を10℃以下で3℃よりも高くする。さらに、常温帯冷却工程における冷蔵庫2の設定温度の温度勾配を−0.5℃/時間以上とし、耐寒帯冷却工程における冷蔵庫2の設定温度の温度勾配−0.03〜−0.5℃/時間とする。耐寒帯冷却工程は、生鮮食品の耐寒性を向上させながらゆっくりと冷却する。したがって、耐寒帯冷却工程においては、庫内温度を低下させる設定温度低下勾配を、常温帯冷却工程において庫内温度を低下させる設定温度低下勾配よりも小さくする。このように、急速冷却工程において、生鮮食品を常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程とで非凍結温度まで冷却し、その後、凝固点降下冷却工程で長期保存温度まで冷却する方法は、速やかに生鮮食品を冷却しながら長期保存できる特長がある。それは、急速冷却工程で速やかに、しかも耐寒性を向上した後、長期保存温度に冷却して保存するからである。
【0021】
急速冷却工程を常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程とに分離する場合、常温帯冷却工程で庫内温度を低下させる設定温度を−0.5℃/時間以上とし、耐寒帯冷却工程においては−0.03〜−0.5℃/時間に設定する。常温帯冷却工程の設定温度を低下させる温度勾配は、好ましくは−0.5〜−2℃/時間とする。さらに常温帯冷却工程の設定温度低下勾配は、−2℃/時間よりも大きくすることもできる。それは、常温帯冷却工程において、生鮮食品が急速に冷却されても悪い影響を受けないからである。理想的には常温帯冷却工程における設定温度を低下させる温度勾配は−0.5〜−1℃/時間とする。
【0022】
耐寒帯冷却工程で庫内温度を低下させる設定温度の温度勾配は、−0.03〜−0.5℃/時間とする。耐寒帯冷却工程の設定温度低下勾配が−0.03℃/時間よりも小さいと、生鮮食品を速やかに冷却できなくなる。またこの設定温度低下勾配が−0.5℃/時間よりも大きいと、生鮮食品に耐寒性を付与しながら冷却するのが難しくなる。耐寒帯冷却工程は、図3に示すように、途中で設定温度を低下させる温度勾配を変更することができる。この場合、常温帯冷却工程に近い温度領域の設定温度の低下する勾配を、凝固点降下冷却工程に近い温度領域の設定温度低下勾配の1.5〜4倍、好ましくは約2倍とする。耐寒帯冷却工程の途中で設定温度を低下させる温度勾配を変更する方法は、生鮮食品に耐寒性を付与しながら速やかに冷却できる特長がある。
【0023】
冬期に収穫される青果物のように、すでに耐寒性のある生鮮食品は、必ずしも耐寒帯冷却工程を通過させる必要がない。したがって、図5に示すように、温度勾配を一定とする急速冷却で非凍結温度まで冷却することができる。図5に示すように、生鮮食品を急速冷却工程で非凍結温度まで急速冷却した後、凝固点降下冷却工程で長期保存温度まで連結する場合、非凍結温度を10℃〜−1.9℃の範囲に設定する。
【0024】
凝固点降下冷却工程において、設定温度を低下させる温度勾配は、−0.015℃/時間以下、好ましくは−0.0001〜−0.015℃/時間とする。凝固点降下冷却工程における設定温度を低下する温度勾配は、生鮮食品を凍結させないで0℃以下に冷却する温度勾配に設定される。生鮮食品は0℃で凍結するわけではない。生鮮食品は、前述の凝固点降下温度があって凍結する温度が時間と共に変化する。冷却機構1は、生鮮食品を冷却する設定温度が凝固点降下温度よりも低くならないように、凝固点降下冷却工程における設定温度の低下勾配を前述の範囲に特定する。凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配は、設定温度が凝固点降下温度よりも低くなることなく、できるかぎり凝固点降下温度に近い温度となるのを理想とする。設定温度が凝固点降下温度よりも低くならないように、凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配を−0.015℃/時間以下とする。凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配が小さすぎると、生鮮食品を冷却するのに時間がかかって高品質な状態で長期保存するのが難しくなる。このため、長期保存しながら凍結させないように、凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配を前述の範囲に設定する。凝固点降下冷却工程においても、途中で設定温度低下勾配を変更して、生鮮食品をより高品質な状態で長期保存することができる。この場合、非凍結温度から限界温度である−1℃〜−1.9℃までの間の設定温度低下勾配を−0.01〜−0.015℃/時間とし、限界温度である−1℃〜−1.9℃以下の温度領域における設定温度低下勾配を−0.0001〜−0.01℃/時間とする。
【0025】
凝固点降下冷却工程において、生鮮食品は設定温度低下勾配で長期保存温度まで冷却される。長期保存温度は、生鮮食品を保存して凍結させない温度である。長期保存温度は、非凍結温度よりも低温であって、かつ0℃以下であり、たとえば−1〜−2℃に設定される。長期保存温度を凝固点降下温度に極めて近い低温に設定する場合、長期保存温度を時間と共に変化させる。凝固点降下冷却工程で保存される生鮮食品の凝固点降下温度が変化するからである。
【0026】
本発明は、凝固点降下冷却工程において、冷蔵庫2内の設定温度が凝固点降下温度よりも低くならないように、また長期保存温度においても設定温度が凝固点降下温度よりも低くならないようにする。生鮮食品の凝固点降下温度は、含有される糖分、有機酸、デンプン、タンパク質等のモル濃度で特定される。生鮮食品は、含まれる分子のモル濃度が増加すると、ほぼモル濃度に比例して凝固点は降下する。たとえば、糖度が10度である生鮮食品は凝固する温度が約−1℃であるが、糖度が20度になると凝固する温度は約−2℃になる。したがって、モル濃度を検出して生鮮食品の凝固点降下温度を特定できる。冷蔵する生鮮食品の種類が特定されると、各々の生鮮食品におけるモル濃度の範囲は特定される。特定されるモル濃度の範囲から、凝固点降下温度を演算できる。演算される凝固点降下温度から、凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配と長期保存温度とを特定できる。理想は、冷蔵する生鮮食品のモル濃度を検出して、検出したモル濃度から凝固点降下温度を演算して設定温度低下勾配と長期保存温度とを特定する方法であるが、生鮮食品の種類が特定されると、モル濃度の範囲が特定されるので、特定された範囲から凝固点降下温度を演算して、凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配と長期保存温度を特定することができる。本発明の方法は、保存する生鮮食品のモル濃度を検出することなく、あらかじめ検出したモル濃度を基準にして凝固点降下温度を特定して設定温度低下勾配と長期保存温度を特定する。
【0027】
生鮮食品の凝固点降下温度は、時間と共に変化する。生鮮食品が氷結されない0℃以下の温度、たとえば、0℃〜氷結温度の間の温度で長期保存されると、時間が経過するにしたがって生鮮食品のモル濃度が高くなって凝固点が降下する。たとえば、青果物をこの温度で保存すると、デンプンが糖分に、タンパク質がアミノ酸に分解される。糖分はデンプンに比較してひとつの分子量が小さく、アミノ酸はタンパク質に比較してひとつの分子量が小さい。このため、ひとつの分子がより多数の分子に分解されて、生鮮食品に含まれるモル濃度が高くなる。生鮮食品のモル濃度が高くなるのは、低温で保存される温度環境に対応して、自身で凍結するのを防止するためである。モル濃度が増加すると、生鮮食品はモル濃度の増加に比例して凝固点が降下するので、生鮮食品を低温で貯蔵すると、凝固点が降下する。一般的には、日数が経過するにしたがって凝固点は次第に低下し、約45〜60日で最低になる。タンパク質やデンプンが小さい分子に分解されるからである。このため、凝固点降下冷却工程において、長期保存温度まで冷却した後、長期保存温度を極めて小さい設定温度低下勾配でさらに低下させて、生鮮食品をより理想的な状態で低温貯蔵できる。この場合、冷蔵を開始してから2〜10日、好ましくは3〜10日で長期保存温度まで冷却し、その後は、冷蔵を開始してから45日〜60日までは、長期保存温度を低下して低温貯蔵する。長期保存温度を低下させる設定温度低下勾配は、凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配よりも小さく、かつ、−0.0001〜−0.001℃/時間とする。凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配は、−0.0001〜−0.015℃/時間に設定されるので、長期保存温度まで冷却した後、さらに長期保存温度を低下させる場合、凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配を長期保存温度の設定温度を低下させる勾配よりも大きくする。長期保存温度を低下させる方法は、凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配を比較的大きくして、生鮮食品を長期保存温度まで速やかに冷却できる。
【0028】
生鮮食品は、凝固点が最低の温度まで降下した後は、ゆっくりと上昇する傾向がある。それは、分解した糖分やアミノ酸を消耗するからである。したがって、長期保存温度を極減まで低下させる方法は、最低温度まで低下させた後は、ゆっくりと上昇させるのがよい。
【0029】
図1と図2の冷蔵装置は、冷蔵庫2に入れた生鮮食品を、急速冷却工程と凝固点降下冷却工程とで長期保存温度まで冷却する冷却機構1を備えている。この冷却機構1は、冷蔵庫2の設定温度を低下させる設定温度低下勾配を、急速冷却工程と凝固点降下冷却工程とで変更すると共に、凝固点降下冷却工程において庫内温度を低下させる設定温度低下勾配を急速冷却工程よりも小さくして、凝固点降下冷却工程において、0℃以下であって生鮮食品を凍結させない長期保存温度まで冷却して生鮮食品を貯蔵する。
【0030】
図1と図2の冷蔵装置に装備される冷却機構1は、冷媒を液化させて冷蔵庫2内を冷却する蒸発器3と、この蒸発器3で気化された冷媒を加圧するコンプレッサ4と、コンプレッサ4で加圧された冷媒を冷却して液化させる凝縮器5と、この凝縮器5と蒸発器3の間に連結されて凝縮器5から蒸発器3に冷媒を供給する膨張弁6と、コンプレッサ4を駆動するモーター7とを備える。この冷却機構1は、コンプレッサ4で加圧されたガス状の冷媒を冷却して凝縮器5で液化させる。液化された冷媒は膨張弁6で断熱膨張されて蒸発器3で気化する。膨張弁6は開口面積を調整できる開閉弁、あるいは細いパイプのキャピラリーチューブである。膨張弁6を通過して蒸発器3の内部で気化される冷媒は、周囲から熱を奪って蒸発器3を冷却する。冷却される蒸発器3は、強制送風されて冷蔵庫2の庫内温度を低下させる。したがって、この冷却機構1は、モーター7がコンプレッサ4を運転すると、冷媒が図の実線の矢印Aで示す方向に循環されて冷蔵庫2内を冷却する。
【0031】
図1の冷却機構1は、このモーター7の回転速度を制御するインバータ8と、庫内温度を検出してインバータ8を介してモーター7の回転速度を制御する制御器9を備えている。冷蔵庫2の設定温度を所定の設定温度低下勾配で低下させるために、制御器9は庫内温度を温度センサー10で検出し、庫内温度を低下させる設定温度低下勾配が、急速冷却工程よりも凝固点降下冷却工程で小さくなるようにインバータ8を介してモーター7の回転速度を制御する。すなわち、制御器9は、設定温度低下勾配を大きくして速やかに庫内温度を低下させるときには、インバータ8でモーター7の回転速度を速くし、設定温度低下勾配を小さくしてゆっくりと庫内温度を低下させるときには、インバータ8を介してモーター7の回転速度を遅くする。コンプレッサ4は、モーター7の回転速度に比例して冷媒を加圧し、加圧した冷媒で冷蔵庫2内を冷却する。したがって、制御器9は、冷蔵庫2の庫内温度が設定温度低下勾配で低下されて長期保存温度で保持されるように、インバータ8を介してモーター7の回転を制御する。この冷却機構1は、モーター7の回転を無段階に変更できるので、庫内温度をスムーズに設定温度低下勾配で低下できる。
【0032】
図2の冷蔵装置に装備される冷却機構1は、制御器9でもってモーター7の運転をオンオフに制御する。この制御器9は、モーター7の回転速度を変更するのではなく、モーター7の運転と停止を繰り返して、冷蔵庫2を冷却する。したがって、制御器9は、温度センサー10で庫内温度を検出し、冷蔵庫2内の温度が設定温度低下勾配で低下して長期保存温度となるように、モーター7の運転をオンオフに切り換えて制御する。この冷却機構1は、簡単な構造で冷蔵庫2内の温度を設定温度低下勾配で低下させる。
【0033】
設定温度低下勾配と長期保存温度は、図1と図2の冷却機構1の制御器9に記憶され、あるいは外部制御器11から制御器9に入力される。設定温度低下勾配と長期保存温度は、生鮮食品の種類によって異なる。したがって、種々の生鮮食品を低温貯蔵する設定温度低下勾配と長期保存温度は制御器9に記憶され、あるいは外部制御器11から入力される。
【0034】
制御器9は、生鮮食品を冷蔵庫2に入れると、庫内温度を設定温度低下勾配で低下させるようにモーター7の運転を制御する。設定温度低下勾配で庫内温度を低下させて長期保存温度まで庫内温度を冷却する。制御器9は、生鮮食品の凝固点降下温度+0.1℃を加算する温度を長期保存温度とする。所定の設定温度低下勾配でこの長期保存温度となるように、制御器9はモーター7を介してコンプレッサ4の運転を制御する。時間が経過して生鮮食品の凝固点降下温度が低下すると、低下した凝固点降下温度に+0.1℃を加算して長期保存温度を変更し、変更された長期保存温度となるように、モーター7でコンプレッサ4の運転を制御して冷蔵庫2内を長期保存温度に保持する。
【0035】
ただし、制御器9は、長期保存温度を貯蔵する生鮮食品の凝固点温度以下に設定することもできる。それは、生鮮食品の種類によっては、庫内温度を凝固点温度以下に設定しても、生鮮食品の全体が凍結しないこともあるからである。
【0036】
さらに、図1と図2に示す冷蔵装置は、生鮮食品を出荷するときに庫内温度を上昇させる加温機構12を備える。加温機構12は、所定の設定温度上昇勾配で庫内温度を上昇させる。設定温度上昇勾配は、長期保存温度から最終温度まで一定の温度勾配とし、あるいは途中で設定温度を上昇させる温度勾配を変更する。この場合、5℃までの温度勾配を、0.05℃/時間以下、好ましくは0.01〜0.05℃/時間、さらに好ましくは0.015〜0.25℃/時間とする。5℃以上の温度勾配は、1.5℃/時間以下、好ましくは0.05〜0.15℃/時間、さらに好ましくは0.05〜0.1℃/時間とする。
【0037】
図1に示す冷蔵装置は、冷却機構1を加温機構12に併用している。この冷却機構1は、コンプレッサ4の供給側と排出側を、制御弁13を介して冷媒の循環路に連結しており、この制御弁13を制御器9で制御して冷媒の循環方向を逆転できるようにしている。すなわち、冷却機構1として動作させるときは、制御弁13を図に示す位置として、図の実線の矢印Aで示す方向に冷媒を循環させて庫内を冷却し、加温機構12として動作させるときは、制御弁13を逆転させて、図の鎖線の矢印Bで示す方向に冷媒を循環させて庫内を加温する。この加温機構12は、制御器9が温度センサー10で庫内温度を検出しながら、インバータ8を介してモーター7の回転速度を制御して、冷蔵庫2内の設定温度を所定の設定温度上昇勾配で上昇させる。この加温機構12は、冷却するときと同様に、インバータ8でモーター7の回転速度を制御して設定温度上昇勾配を調整できるので、庫内温度をスムーズに設定温度上昇勾配で上昇できる。以上のように、冷却機構1を加温機構12に併用する冷蔵装置は、簡単な構造で庫内を冷却し、また加温できる特長がある。
【0038】
図2に示す冷蔵装置は、加温機構12としてヒータ13を備える。ヒータ13は、制御器9でオンオフに制御されて冷蔵庫2内を加温する。この加温機構12は、制御器9が温度センサー10で庫内温度を検出しながらヒータ13を制御して、冷蔵庫2内の設定温度を所定の設定温度上昇勾配で上昇させる。
【0039】
以上の加温機構12は、冷蔵庫2内を強制的に加温できるので、庫内温度を短時間で確実に上昇できる特長がある。これらの加温機構12は、冷蔵庫2内の設定温度を大きな設定温度上昇勾配で上昇させるのに最適である。ただ、冷蔵装置は、生鮮食品の種類によっては、必ずしも大きな設定温度上昇勾配で設定温度を上昇させるとは限らない。とくに、0℃以下から5℃ぐらいの温度までは、小さな温度上昇勾配で、すなわち長時間かけて庫内温度を上昇させる。ちなみに、0℃以下に冷却された冷蔵庫2内の温度は、冷却機構1の運転を停止しても、すぐには常温まで上昇せずに、小さな温度上昇勾配で上昇する。したがって、このときの温度上昇勾配よりも小さな設定温度上昇勾配で庫内温度を上昇させるときには、加温機構12を使用することなく、冷却機構1の運転を制御して冷蔵庫2内の温度を設定温度上昇勾配で上昇させることができる。また、冷却機構1の停止状態における温度上昇勾配よりも大きな温度上昇勾配で庫内温度を上昇させるときには、加温機構12を使用して速やかに庫内温度を上昇できる。
【0040】
【実施例】
[実施例1]
冷蔵庫2にモモを入れて低温貯蔵する。冷蔵庫2の庫内温度を図3に示す設定温度低下勾配で低下して長期保存温度で保存し、出荷するときに設定温度上昇勾配で庫内温度を上昇させる。図3の設定温度低下勾配は、急速冷却工程を常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程として、常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程と凝固点降下冷却工程とで設定温度低下勾配を変更している。さらに、耐寒帯冷却工程においては途中で設定温度低下勾配を変更している。また、設定温度を上昇させる勾配も0℃と5℃で変更している。急速冷却工程である常温帯冷却工程と、耐寒帯冷却工程と、凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配を以下のように設定している。長期保存温度は、−1.5℃から−1.8℃に変更して、−1.8℃で保存する。
(1) 設定温度低下勾配
常温帯冷却工程(常温→5℃)…………………0.625℃/時間
耐寒帯冷却工程(5℃→2.5℃→0℃)……0.10→0.05℃/時間
凝固点降下冷却工程(0℃→−1.5℃)……0.016℃/時間
(2) 長期保存温度………………−1.5℃→−1.8℃
長期保存温度を低下させる設定温度低下勾配は−0.00057℃/時間
(3) 設定温度上昇勾配
長期保存温度→0℃……0.019℃/時間
0→5℃…………………0.069℃/時間
5→10℃………………0.21℃/時間
【0041】
以上の温度条件は、モモを冷蔵庫2に入れてから、1日かけて5℃まで庫内温度を低下し(常温帯冷却工程)、その後、入庫してから2日後に2.5℃(耐寒帯冷却工程)、入庫から4日後に0℃(耐寒帯冷却工程)、入庫から8日後に長期保存温度である−1.5℃まで冷却し(凝固点降下冷却工程)、さらに、入庫してから30日後に長期保存温度を−1.8℃まで低下させる。以上の温度条件でモモを長期保存すると、約8カ月と極めて長い期間にわたって新鮮な状態で保存できた。モモは、通常の冷蔵庫での低温貯蔵では約1週間、環境と温度の両方を正確に制御するCA貯蔵においても4週間が最大であるから、本発明は極めて長い期間にわたって新鮮に保存できる。
【0042】
[実施例2]
冷蔵庫2にメロンを入れて低温貯蔵する。冷蔵庫2の庫内温度を図4に示す設定温度低下勾配で低下して長期保存温度で保存し、出荷するときに設定温度をゆっくりと上昇させる。図4の設定温度低下勾配は、急速冷却工程を常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程として、常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程と凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配を変更している。各々の温度領域における設定温度低下勾配と設定温度上昇勾配を以下のように設定している。長期保存温度は、−1.5℃から−1.8℃に変更して、−1.8℃で保存する。
(1) 設定温度低下勾配
常温帯冷却工程(常温→5℃)………………0.625℃/時間
耐寒帯冷却工程(5→0℃)…………………0.069℃/時間
凝固点降下冷却工程(0→−1.5℃)……0.0125℃/時間
(2) 長期保存温度………………−1.5℃→−1.8℃
長期保存温度を低下させる設定温度低下勾配は0.00060℃/時間
(3) 設定温度上昇勾配
長期保存温度→5℃……0.040℃/時間
5→10℃………………0.21℃/時間
【0043】
以上の温度条件は、メロンを冷蔵庫2に入れてから、1日かけて5℃まで庫内温度を低下し(常温帯冷却工程)、その後、入庫してから4日後に0℃(耐寒帯冷却工程)、入庫から9日後に長期保存温度である−1.5℃まで冷却し(凝固点降下冷却工程)、さらに長期保存温度を低下させて、入庫から30日後に−1.8℃まで庫内温度を低下させる。以上の温度条件でメロンを長期保存すると、約7カ月と極めて長い期間にわたって新鮮な状態で保存できた。メロンは、通常の冷蔵庫での低温貯蔵では1〜2週間、環境と温度の両方を正確に制御するCA貯蔵においても1カ月が最大であるから、本発明は極めて長い期間にわたって新鮮に保存できる。
【0044】
[実施例3]
冷蔵庫2にブドウを入れて低温貯蔵する。冷蔵庫2の庫内温度を図5に示す設定温度低下勾配で低下して長期保存温度で保存し、出荷するときに設定温度上昇勾配で庫内温度を上昇させる。図5の設定温度低下勾配は、急速冷却工程を常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程とに区分することなく一定の勾配として、急速冷却工程と凝固点降下冷却工程とで設定温度低下勾配を変更している。また、設定温度を上昇させる勾配も4℃で変更している。急速冷却工程である常温帯冷却工程と、耐寒帯冷却工程と、凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配を以下のように設定している。長期保存温度は、−1.5℃から−1.8℃に変更して、−1.8℃で保存する。
(1) 設定温度低下勾配
常温帯冷却工程(常温→0℃)………………0.417℃/時間
凝固点降下冷却工程(0→−1.5℃)……0.0078℃/時間
(2) 長期保存温度………………−1.5℃→−1.8℃
長期保存温度を低下させる設定温度低下勾配は0.00063℃/時間
(3) 設定温度上昇勾配
長期保存温度→4℃……0.060℃/時間
4→10℃………………0.25℃/時間
【0045】
以上の温度条件は、ブドウを冷蔵庫2に入れてから、急速冷却工程で2日かけて0℃まで庫内温度を低下し、その後、凝固点降下冷却工程で、入庫から10日後に長期保存温度である−1.5℃まで冷却し、さらに長期保存温度を低下させて、入庫から30日後に−1.8℃まで庫内温度を低下させる。以上の温度条件でブドウを長期保存すると、約10カ月と極めて長い期間にわたって新鮮な状態で保存できた。ブドウは、通常の冷蔵庫での低温貯蔵では3カ月であるから、本発明は極めて長い期間にわたって新鮮に保存できる。
【0046】
[実施例4]
冷蔵庫2にホウレンソウを入れて低温貯蔵する。冷蔵庫2の庫内温度を図6に示す設定温度低下勾配で低下して長期保存温度で保存し、出荷するときに設定温度上昇勾配で庫内温度を上昇させる。図6の設定温度低下勾配は、急速冷却工程を常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程として、常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程と凝固点降下冷却工程とで設定温度低下勾配を変更している。各々の温度領域における設定温度低下勾配と設定温度上昇勾配を以下のように設定している。長期保存温度は、−0.3℃としている。
(1) 設定温度低下勾配
常温帯冷却工程(常温→3℃)………………2.83℃/時間
耐寒帯冷却工程(3→0℃)…………………0.17℃/時間
凝固点降下冷却工程(0→−0.3℃)……0.0063℃/時間
(2) 長期保存温度………………−0.3℃
(3) 設定温度上昇勾配
長期保存温度→3℃……0.069℃/時間
3→10℃………………0.29℃/時間
【0047】
以上の温度条件は、ホウレンソウを冷蔵庫2に入れてから、6時間かけて3℃まで庫内温度を低下し(常温帯冷却工程)、その後、入庫してから1日後に0℃(耐寒帯冷却工程)、入庫から3日後に長期保存温度である−0.3℃まで冷却する(凝固点降下冷却工程)。以上の温度条件でホウレンソウを長期保存すると、約4〜5カ月と極めて長い期間にわたって新鮮な状態で保存できた。ホウレンソウは、通常の冷蔵庫での低温貯蔵では10日〜2週間、環境と温度の両方を正確に制御するCA貯蔵においても1カ月が最大であるから、本発明は極めて長い期間にわたって新鮮に保存できる。
【0048】
さらに、本発明は、ホウレンソウに代わって、コマツナ、ネギ、シュンギクを実施例4と同じ温度条件で低温貯蔵して、極めて長い期間にわたって新鮮な状態で保存できた。
【0049】
[実施例5]
冷蔵庫2にキャベツを入れて低温貯蔵する。冷蔵庫2の庫内温度を図7に示す設定温度低下勾配で低下して長期保存温度で保存し、出荷するときに設定温度上昇勾配で庫内温度を上昇させる。図7の設定温度低下勾配は、急速冷却工程を常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程として、常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程と凝固点降下冷却工程とで設定温度低下勾配を変更している。各々の温度領域における設定温度低下勾配と設定温度上昇勾配を以下のように設定している。長期保存温度は、−0.8℃としている。
(1) 設定温度低下勾配
常温帯冷却工程(常温→5℃)………………0.625℃/時間
耐寒帯冷却工程(5→0℃)…………………0.10℃/時間
凝固点降下冷却工程(0→−0.8℃)……0.011℃/時間
(2) 長期保存温度………………−0.8℃
(3) 設定温度上昇勾配
長期保存温度→5℃……0.081℃/時間
5→10℃………………0.21℃/時間
【0050】
以上の温度条件は、キャベツを冷蔵庫2に入れてから、1日かけて5℃まで庫内温度を低下し(常温帯冷却工程)、その後、入庫してから3日後に0℃(耐寒帯冷却工程)、入庫から6日後に長期保存温度である−0.8℃まで冷却する(凝固点降下冷却工程)。以上の温度条件でキャベツを長期保存すると、約6カ月と極めて長い期間にわたって新鮮な状態で保存できた。ホウレンソウは、通常の冷蔵庫での低温貯蔵では3〜5週間、環境と温度の両方を正確に制御するCA貯蔵においても3カ月が最大であるから、本発明は極めて長い期間にわたって新鮮に保存できる。
【0051】
さらに、本発明は、キャベツに代わって、ハクサイを実施例5と同じ温度条件で低温貯蔵して、極めて長い期間にわたって新鮮な状態で保存できた。
【0052】
[実施例6]
冷蔵庫2に牛肉を入れて低温貯蔵する。冷蔵庫2の庫内温度を図8に示す設定温度低下勾配で低下して長期保存温度で保存し、出荷するときに設定温度上昇勾配で庫内温度をゆっくりと上昇させる。図8の設定温度低下勾配は、急速冷却工程を常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程として、常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程と凝固点降下冷却工程における設定温度低下勾配を変更している。各々の温度領域における設定温度低下勾配と設定温度上昇勾配を以下のように設定している。長期保存温度は、−1.7℃から−2.2℃に変更して、−2.2℃で保存する。
(1) 設定温度低下勾配
常温帯冷却工程(常温→1℃)…………………0.792℃/時間
耐寒帯冷却工程(1→−1.0℃)……………0.021℃/時間
凝固点降下冷却工程(−1.0→−1.7)…0.058℃/時間
(2) 長期保存温度………………−1.7℃→−2.2℃
長期保存温度を低下させる設定温度低下勾配は0.0010℃/時間
(3) 設定温度上昇勾配
長期保存温度→1℃……0.019℃/時間
1→5℃…………………0.17℃/時間
【0053】
以上の温度条件は、牛肉を冷蔵庫2に入れてから、1日かけて1℃まで庫内温度を低下し(常温帯冷却工程)、その後、入庫してから5日後に−1.0℃(耐寒帯冷却工程)、入庫から10日後に−1.7℃(凝固点降下冷却工程)、さらに長期保存温度を低下させて、入庫から30日後に−2.2℃まで庫内温度を低下させる。以上の温度条件で牛肉を長期保存すると、約3カ月と極めて長い期間新鮮な状態で保存できた。牛肉は、通常の冷蔵庫での低温貯蔵では、約6週間であるから、本発明は極めて長い期間にわたって新鮮に保存できる。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、生鮮食品を急速冷却工程した後、凝固点降下冷却工程において冷蔵庫の設定温度を極めて制限された範囲に特定することにより、生鮮食品を凍結させることなく、理想的な低温で保存して、極めて長い期間にわたって新鮮な状態で保存できる特長が実現される。とくに、本発明は、生鮮食品を袋に入れる等の余分な手間をかける必要がないにもかかわらず、袋に入れて冷却保存する方法とは比較にならないほど極めて長い期間に新鮮な状態で保存できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる生鮮食品の冷蔵装置の概略構成図
【図2】本発明の他の実施例にかかる生鮮食品の冷蔵装置の概略構成図
【図3】本発明の実施例1にかかる低温貯蔵方法で生鮮食品を長期保存する状態を示すグラフ
【図4】本発明の実施例2にかかる低温貯蔵方法で生鮮食品を長期保存する状態を示すグラフ
【図5】本発明の実施例3にかかる低温貯蔵方法で生鮮食品を長期保存する状態を示すグラフ
【図6】本発明の実施例4にかかる低温貯蔵方法で生鮮食品を長期保存する状態を示すグラフ
【図7】本発明の実施例5にかかる低温貯蔵方法で生鮮食品を長期保存する状態を示すグラフ
【図8】本発明の実施例6にかかる低温貯蔵方法で生鮮食品を長期保存する状態を示すグラフ
【符号の説明】
1…冷却機構
2…冷蔵庫
3…蒸発器
4…コンプレッサ
5…凝縮器
6…膨張弁
7…モーター
8…インバータ
9…制御器
10…温度センサー
11…外部制御器
12…加温機構
13…制御弁
14…ヒータ
Claims (11)
- 生鮮食品を10〜−1.9℃の温度範囲に設定している非凍結温度まで冷却する急速冷却工程の後、生鮮食品を冷却する冷蔵庫(2)の設定温度を−0.015℃/時間以下の温度勾配として、生鮮食品を0℃以下であって凍結させない長期保存温度まで冷却する凝固点降下冷却工程とで生鮮食品を貯蔵する生鮮食品の低温貯蔵方法。
- 非凍結温度が5〜−1℃である請求項1に記載される生鮮食品の低温貯蔵方法。
- 非凍結温度が3〜−0.5℃である請求項1に記載される生鮮食品の低温貯蔵方法。
- 凝固点降下冷却工程における冷蔵庫(2)の設定温度の温度勾配を、−0.0001〜−0.015℃/時間として、生鮮食品を長期保存温度まで冷却する請求項1に記載される生鮮食品の低温貯蔵方法。
- 急速冷却工程において、生鮮食品を非凍結温度まで冷却する冷蔵庫(2)の設定温度の温度勾配が、−0.05℃/時間以上である請求項1に記載される生鮮食品の低温貯蔵方法。
- 非凍結温度が3〜−1.9℃で、急速冷却工程を常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程とに分離し、常温帯冷却工程と耐寒帯冷却工程の境界温度を10℃以下で3℃よりも高くして、常温帯冷却工程における冷蔵庫(2)の設定温度の温度勾配を−0.5℃/時間以上として、耐寒帯冷却工程における冷蔵庫(2)の設定温度の温度勾配を−0.03〜−0.5℃/時間としている請求項1に記載される生鮮食品の低温貯蔵方法。
- 常温帯冷却工程における冷蔵庫(2)の設定温度の温度勾配が、−2℃/時間以上である請求項6に記載される生鮮食品の低温貯蔵方法。
- 生鮮食品を冷蔵庫(2)から取り出す前に、庫内温度を次第に上昇させる温度上昇工程を設けて、庫内温度を長期保存温度から上昇させた後、冷蔵庫(2)から取り出す請求項1に記載される生鮮食品の低温貯蔵方法。
- 冷蔵庫(2)に入れた生鮮食品を、8〜−1.9℃の温度範囲に設定している非凍結温度まで急速冷却した後、設定温度を−0.015℃/時間以下の温度勾配として生鮮食品を凍結させない長期保存温度まで冷却する冷却機構(1)を備えており、
冷却機構(1)が、冷媒を液化させて冷蔵庫(2)内を冷却する蒸発器(3)と、この蒸発器(3)で気化された冷媒を加圧するコンプレッサ(4)と、コンプレッサ(4)で加圧された冷媒を冷却し液化させる凝縮器(5)と、この凝縮器(5)と蒸発器(3)の間に連結されて凝縮器(5)から蒸発器(3)に冷媒を供給する膨張弁(6)と、コンプレッサ(4)を駆動するモーター(7)と、このモーター(7)の回転速度を制御するインバータ(8)と、庫内温度を検出してインバータ(8)を介してモーター(7)の回転速度を制御する制御器(9)を備えており、
インバータ(8)がモーター(7)の回転速度を制御して、庫内温度が非凍結温度よりも高い状態と低い状態とで温度勾配を設定範囲として生鮮食品を冷却する生鮮食品の冷蔵装置。 - 冷蔵庫(2)に入れた生鮮食品を、8〜−1.9℃の温度範囲に設定している非凍結温度まで急速冷却した後、設定温度を−0.015℃/時間以下の温度勾配として生鮮食品を凍結させない長期保存温度まで冷却する冷却機構(1)を備えており、
冷却機構(1)が、冷媒を液化させて冷蔵庫(2)内を冷却する蒸発器(3)と、この蒸発器(3)で気化された冷媒を加圧するコンプレッサ(4)と、コンプレッサ(4)で加圧された冷媒を冷却し液化させる凝縮器(5)と、この凝縮器(5)と蒸発器(3)の間に連結されて凝縮器(5)から蒸発器(3)に冷媒を供給する膨張弁(6)と、コンプレッサ(4)を駆動するモーター(7)と、このモーター(7)の運転をオンオフに制御する制御器(9)を備えており、
制御器(9)が庫内温度を検出し、モーター(7)の運転をオンオフに切り換えるデューティを変更して、庫内温度が非凍結温度よりも高い状態と低い状態とで設定された温度勾配となるようにしてなる生鮮食品の冷蔵装置。 - 冷蔵庫(2)に入れた生鮮食品を、8〜−1.9℃の温度範囲に設定している非凍結温度まで急速冷却した後、設定温度を−0.015℃/時間以下の温度勾配として生鮮食品を凍結させない長期保存温度まで冷却する冷却機構(1)と、冷蔵庫(2)の庫内温度を上昇させる加温機構(12)とを備えており、
生鮮食品を冷蔵庫(2)から取り出すときに、加温機構(12)が、庫内温度を長期保存温度よりも上昇させ、庫内温度を上昇させた状態で冷蔵庫(2)から生鮮食品を取り出すようにしてなる請求項9又は10に記載される生鮮食品の冷蔵装置。
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