JP2004165820A - スピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】取り付けパネルの音響的な欠点を補うことで、容易に適切な音響特性を得ることができるスピーカ装置を提供すること等を目的とする。
【解決手段】動吸振器31は、弾性部材31aを介して磁気回路2に取り付けられるとともに、動吸振器31の重量体31bはスピーカユニット10の放音側に露出されている。動吸振器31の共振周波数は、スピーカユニット10が取り付けパネル20に取り付けられた状態で振動板6の振動の反作用が磁気回路2およびフレーム1を伝播することにより発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定されている。
【選択図】 図1
【解決手段】動吸振器31は、弾性部材31aを介して磁気回路2に取り付けられるとともに、動吸振器31の重量体31bはスピーカユニット10の放音側に露出されている。動吸振器31の共振周波数は、スピーカユニット10が取り付けパネル20に取り付けられた状態で振動板6の振動の反作用が磁気回路2およびフレーム1を伝播することにより発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカユニットを取り付けパネルに取り付けて構成されたスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、スピーカ装置はスピーカユニットをスピーカボックス等に取り付けて構成される。この場合には、スピーカボックス等の構造や材質に対して、スピーカ装置の音響特性を考慮した設計を施すことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば、車載用オーディオシステムでは、車両の構成部材を取り付けパネルとして用いるため、その構造や材質を自由に選択することができず、例えば、音響的に考慮された充分な強度を取り付けパネルに付与できない場合などがある。このため、スピーカユニットの振動系以外の部分が振動し、このような振動に基づく不要な音響が付加されるおそれがある。
【0004】
本発明は、取り付けパネルの音響的な欠点を補うことで、容易に適切な音響特性を得ることができるスピーカ装置を提供すること等を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を駆動する磁気回路と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記磁気回路に取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系の振動の反作用が構造体を伝播することにより発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定されていることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を駆動する磁気回路と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記磁気回路に取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系の振動の反作用が構造体を伝播することにより発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定されていることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を駆動する磁気回路と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記磁気回路に取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系の振動の反作用が構造体を伝播することにより発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定されていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を駆動する磁気回路と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記磁気回路に取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系の振動の反作用が構造体を伝播することにより発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を振動可能に支持する支持部と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは前記支持部を介して取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記取り付けパネルに取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系から放射された音圧により発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定されていることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を振動可能に支持する支持部と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは前記支持部を介して取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記取り付けパネルに取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系から放射された音圧により発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を振動可能に支持する支持部と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは前記支持部を介して取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記取り付けパネルに取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系から放射された音圧により発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を振動可能に支持する支持部と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは前記支持部を介して取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記取り付けパネルに取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系から放射された音圧により発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
−第1の実施形態−
以下、図1〜図4を参照して、本発明によるスピーカ装置を車載用スピーカ装置に適用した第1の実施形態について説明する。図1(a)は第1の実施形態のスピーカ装置を示す断面図である。
【0014】
図1(a)に示すように、第1の実施形態のスピーカ装置100を構成するダイナミック型スピーカユニット10は、外周部においてクッション材1aを介して取り付けパネル20に締結されたフレーム1と、フレーム1に取り付けられた磁気回路2と、磁気回路2の磁気ギャップ内に収容されたボイスコイル3と、ボイスコイル3とフレーム1との間に設けられ、ボイスコイル3を振動可能に支持するダンパー5と、ボイスコイル3に接続された振動板6と、振動板6の外周部とフレーム1との間に設けられ、振動板6を振動可能に支持するエッジ7とを備える。
【0015】
図1(a)に示すように、磁気回路2はリング状の磁石2aを備え、外磁型の磁気回路を構成している。ボイスコイル3の巻線3aに電流を流すことにより、振動板6を含む振動系を図1において左右方向に振動させて音響出力を発生させることができる。
【0016】
図1(a)に示すように、磁気回路2には、弦巻ばね形状の弾性部材31aの一端が取り付けられ、弾性部材31aの他端には球状の錘部材31bが取り付けられている。弾性部材31aおよび錘部材31bは動吸振器31を構成しており、その共振周波数は、錘部材31bの質量および弾性部材31aのコンプライアンスにより定まる。本実施形態では、この共振周波数を適切に設定することにより、スピーカ装置100の音響特性を向上させている。
【0017】
取り付けパネル20は車両のドアを構成する部材であり、とくに音響的な性能を考慮して設計されたものではなく、取り付けパネル20は比較的振動しやすい。このため本実施形態では、動吸振器31を設けることにより、取り付けパネル20等の振動を抑制し、スピーカ装置100全体として良好な音響特性を得るようにしている。
【0018】
図2〜図4には、弾性部材31aおよび錘部材31bを設けない場合における取り付けパネル20の振動加速度レベルが示されている。図2は取り付けパネル20を示す図、図3は図2に示すA点における取り付けパネル表面の振動加速度レベルを示す図、図4は図2に示すB点における取り付けパネル表面の振動加速度レベルを示す図である。
【0019】
図3および図4は、取り付けパネル20に通常のスピーカユニット(高コンプライアンス部が設けられていないスピーカユニット)を取り付けた状態で、加速度ピックアップをA点あるいはB点に取り付け、A点およびB点の振動加速度レベルを測定した結果をそれぞれ示している。このような振動特性は、スピーカユニット10の振動板6から放射されて空気を伝わった音圧により取り付けパネル20を振動させるものと、振動板6の振動の反作用が磁気回路2に発生し、これがフレーム1を介して取り付けパネル20に伝播したものとの両者が合成されたものと考えられる。
【0020】
図3および図4に示すように、取り付けパネル20表面は、広い周波数帯域にわたって振動し、振動加速度レベルは1kHz前後で最大値をとる特性を示している。なお、振動加速度レベルは音圧に対応する(比例する)パラメータであるが、車両にドアを取り付けたときの車内の音圧レベルとしては、図3および図4に示す特性よりも低域のレベルが上昇した特性を示す。
【0021】
本実施形態では、弾性部材31aおよび錘部材31bによる動吸振器31を設けることにより、このような取り付けパネル20の振動による影響を効果的に抑制することができる。上記のように動吸振器の共振周波数は、錘部材31bの質量と、弾性部材31aのコンプライアンスと、により定まる。
【0022】
本実施形態において、この共振周波数を、磁気回路2が受ける振動板6の振動の反作用がフレーム1を伝播することによって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最も大きな振動加速度を呈する周波数に設定することができる。
【0023】
本実施形態において、上記共振周波数を、磁気回路2が受ける振動板6の振動の反作用がフレーム1を伝播することによって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0024】
本実施形態において、上記共振周波数を、磁気回路2が受ける振動板6の振動の反作用がフレーム1を伝播することによって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定することもできる。
【0025】
本実施形態において、上記共振周波数を、磁気回路2が受ける振動板6の振動の反作用がフレーム1を伝播することによって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0026】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧によって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定することもできる。
【0027】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧によって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0028】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧によって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定することもできる。
【0029】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧によって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0030】
このように、本実施形態では、所望の周波数の振動を抑制するため、その周波数に合致した共振周波数が得られるように弾性部材31aおよび錘部材31bによる動吸振器31を設けている。このため、その周波数の振動を抑制することができ、これにより音響特性を効果的に向上させることができる。
【0031】
なお、スピーカ装置100は車両内で実際に再生した場合の特性が問題となるため、車両にドアを実装した状態での取り付けパネル20の振動加速度レベルに基づいて、上記共振周波数を設定することが好ましい。
【0032】
弾性部材31aの変形に伴う錘部材31bの振動を速やかに減衰させるため、損失正接(Tanδ)の値がフレーム1または取り付けパネル20の損失正接の値よりも大きい材料で弾性部材31aを形成することが望ましい。また、弾性部材31aに損失正接の値がフレーム1または取り付けパネル20の損失正接の値よりも大きな材料を塗布、充填し、あるいは貼り付けることで弾性部材31aをダンピングしてもよい。
【0033】
図1(a)では、球状の錘部材31bを、弾性部材31aを介して取り付ける例を示したが、図1(b)に示すように、錘部材31bに代えて音響レンズ32bを使用し、音響レンズ32bを、弾性部材32aを介して磁気回路2に取り付けてもよい。この場合には、振動板6から放射される高音を音響レンズ32bにより拡散することで、高音の指向性を向上させることができる。弾性部材32aおよび音響レンズ32bにより構成される動吸振器32の共振周波数は、音響レンズ32bの質量と、弾性部材32aのコンプライアンスと、により定まる。この共振周波数は、図1(a)に示した場合と同様の周波数に設定することができる。なお、音響レンズ以外の所定形状の重量体によって、指向性を制御するようにしてもよい。
【0034】
また、図1(c)に示すように、錘部材31bに代えて高域用スピーカユニット33bを使用し、スピーカユニット33bを、弾性部材33aを介して磁気回路2に取り付けてもよい。この場合には、スピーカユニット33bから高音域の音声を出力し、振動板6から低音域の音声を出力することで、2ウェイのスピーカ装置を構成することができる。弾性部材33aおよびスピーカユニット33bにより構成される動吸振器33の共振周波数は、スピーカユニット33bの質量と、弾性部材33aのコンプライアンスと、により定まる。この共振周波数は、図1(a)に示した場合と同様の周波数に設定することができる。
【0035】
以上のように、本実施形態では、動吸振器が弾性部材を介して磁気回路2に取り付けられるとともに、動吸振器の錘部材等がスピーカユニット10の放音側に露出され、動吸振器の共振周波数は、スピーカユニット10が取り付けパネル20に取り付けられた状態で振動板6の振動の反作用が磁気回路2およびフレーム1を伝播することにより発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で所望の周波数に設定されている。このため、振動加速度の大きな周波数帯域や音質改善に必要な周波数帯域について、動吸振器によって振動を効果的に抑制できる。したがって、良好な音響特性を得ることができる。
【0036】
−第2の実施形態−
以下、図5を参照して、本発明によるスピーカ装置を車載用スピーカ装置に適用した第2の実施形態について説明する。図5は第2の実施形態のスピーカ装置を示す断面図である。図5では、第1の実施形態と同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
【0037】
図5に示すように、第2の実施形態のスピーカ装置200を構成するダイナミック型スピーカユニット10は、フレーム1の外周部を介して取り付けパネル20に締結されている。
【0038】
図5に示すように、取り付けパネル20には、スピーカユニット10を跨ぐように、クッション材1aを介して弾性部材34aが取り付けられ、弾性部材34aの中央部には高域用スピーカユニット34bが取り付けられている。
【0039】
弾性部材34aおよびスピーカユニット34bは動吸振器34を構成しており、その共振周波数は、スピーカユニット34bの質量および弾性部材34aのコンプライアンスにより定まる。本実施形態では、この共振周波数を適切に設定することにより、スピーカ装置200の音響特性を向上させている。
【0040】
上記のように、取り付けパネル20は車両のドアを構成する部材であり、とくに音響的な性能を考慮して設計されたものではなく、取り付けパネル20は比較的振動しやすい。このため本実施形態では、動吸振器34を設けることにより、取り付けパネル20等の振動を抑制し、スピーカ装置200全体として良好な音響特性を得るようにしている。
【0041】
本実施形態では、弾性部材34aおよびスピーカユニット34bによる動吸振器34を設けることにより、このような取り付けパネル20の振動による影響を効果的に抑制することができる。上記のように動吸振器の共振周波数は、スピーカユニット34bの質量と、弾性部材34aのコンプライアンスと、により定まる。
【0042】
本実施形態において、この共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最も大きな振動加速度を呈する周波数に設定することができる。
【0043】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0044】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定することもできる。
【0045】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0046】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定することもできる。
【0047】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0048】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定することもできる。
【0049】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0050】
このように、本実施形態では、所望の周波数の振動を抑制するため、その周波数に合致した共振周波数が得られるように弾性部材34aおよびスピーカユニット34bによる動吸振器34を設けている。このため、その周波数の振動を抑制することができ、これにより音響特性を効果的に向上させることができる。
【0051】
なお、スピーカ装置200は車両内で実際に再生した場合の特性が問題となるため、車両にドアを実装した状態での取り付けパネル20の振動加速度レベルに基づいて、上記共振周波数を設定することが好ましい。
【0052】
弾性部材34aの変形に伴うスピーカユニット34bの振動を速やかに減衰させるため、損失正接(Tanδ)の値がフレーム1または取り付けパネル20の損失正接の値よりも大きい材料で弾性部材34aを形成することが望ましい。また、弾性部材34aに損失正接の値がフレーム1または取り付けパネル20の損失正接の値よりも大きな材料を塗布、充填し、あるいは貼り付けることで弾性部材34aをダンピングしてもよい。
【0053】
以上のように、本実施形態では、動吸振器34は、弾性部材34aを介して取り付けパネル20に取り付けられるとともに、動吸振器34のスピーカユニット34bはスピーカユニット10の放音側に露出され、動吸振器34の共振周波数は、スピーカユニット10が取り付けパネル20に取り付けられた状態で振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で所望の周波数に設定されている。このため、振動加速度の大きな周波数帯域や音質改善に必要な周波数帯域について、動吸振器34によって振動を効果的に抑制できる。したがって、良好な音響特性を得ることができる。
【0054】
なお、弾性部材34aの形状は限定されない。振動板6から放射される音を妨害しない形状であれば、そのようなものであってもよい。また、上記実施形態におけるスピーカユニット34bに代えて、錘部材あるいは音響レンズ等を設けてもよい。
【0055】
−第3の実施形態−
以下、図6を参照して、本発明によるスピーカ装置を車載用スピーカ装置に適用した第3の実施形態について説明する。図6は第3の実施形態のスピーカ装置を示す断面図である。図6では、第1の実施形態と同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
【0056】
図6に示すように、第3の実施形態のスピーカ装置300を構成するダイナミック型スピーカユニット10は、フレーム1の外周部を介して取り付けパネル20に締結されている。
【0057】
図6に示すように、取り付けパネル20には、クッション材1aを介して弾性部材35aが取り付けられ、弾性部材35aの中央部には錘部材35aが取り付けられている。弾性部材35aには音を透過させるための複数の開口が形成され、スピーカユニット10の振動板6を覆う保護ネットとして機能する。
【0058】
弾性部材35aおよび錘部材35bは動吸振器35を構成しており、その共振周波数は、錘部材35bの質量および弾性部材35aのコンプライアンスにより定まる。本実施形態では、この共振周波数を適切に設定することにより、スピーカ装置300の音響特性を向上させている。
【0059】
上記のように、取り付けパネル20は車両のドアを構成する部材であり、とくに音響的な性能を考慮して設計されたものではなく、取り付けパネル20は比較的振動しやすい。このため本実施形態では、動吸振器35を設けることにより、取り付けパネル20等の振動を抑制し、スピーカ装置300全体として良好な音響特性を得るようにしている。
【0060】
本実施形態では、弾性部材35aおよび錘部材35bによる動吸振器35を設けることにより、このような取り付けパネル20の振動による影響を効果的に抑制することができる。上記のように動吸振器の共振周波数は、錘部材35bの質量と、弾性部材35aのコンプライアンスと、により定まる。
【0061】
本実施形態において、この共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最も大きな振動加速度を呈する周波数に設定することができる。
【0062】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0063】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定することもできる。
【0064】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0065】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定することもできる。
【0066】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0067】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定することもできる。
【0068】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0069】
このように、本実施形態では、所望の周波数の振動を抑制するため、その周波数に合致した共振周波数が得られるように弾性部材35aおよび錘部材35bによる動吸振器35を設けている。このため、その周波数の振動を抑制することができ、これにより音響特性を効果的に向上させることができる。
【0070】
なお、スピーカ装置300は車両内で実際に再生した場合の特性が問題となるため、車両にドアを実装した状態での取り付けパネル20の振動加速度レベルに基づいて、上記共振周波数を設定することが好ましい。
【0071】
弾性部材35aの変形に伴う錘部材35bの振動を速やかに減衰させるため、損失正接(Tanδ)の値がフレーム1または取り付けパネル20の損失正接の値よりも大きい材料で弾性部材35aを形成することが望ましい。また、弾性部材35aに損失正接の値がフレーム1または取り付けパネル20の損失正接の値よりも大きな材料を塗布、充填し、あるいは貼り付けることで弾性部材35aをダンピングしてもよい。
【0072】
以上のように、第3の実施形態では、動吸振器35は、弾性部材35aを介して取り付けパネル20に取り付けられるとともに、動吸振器35の錘部材35bはスピーカユニット10の放音側に露出され、動吸振器35の共振周波数は、スピーカユニット10が取り付けパネル20に取り付けられた状態で振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で所望の周波数に設定されている。このため、振動加速度の大きな周波数帯域や音質改善に必要な周波数帯域について、動吸振器35によって振動を効果的に抑制できる。したがって、良好な音響特性を得ることができる。
【0073】
なお、上記実施形態における錘部材35bに代えて、音響レンズあるいは高域用スピーカユニット等を設けてもよい。
【0074】
上記実施形態および特許請求の範囲の記載において、フレーム1および磁気回路2は「支持部」に、振動板6は「振動系」に、錘部材31bは「重量体」に、音響レンズ32bは「重量体」および「拡散手段」に、高域用スピーカユニット33bは「重量体」に、高域用スピーカユニット34bは「重量体」に、錘部材35bは「重量体」に、それぞれ対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のスピーカ装置を示す断面図。
【図2】取り付けパネルを示す図。
【図3】図2に示すA点における取り付けパネル表面の振動加速度レベルを示す図。
【図4】図2に示すB点における取り付けパネル表面の振動加速度レベルを示す図。
【図5】第2の実施形態のスピーカ装置を示す断面図。
【図6】第3の実施形態のスピーカ装置を示す断面図。
【符号の説明】
1 フレーム(支持部)
2 磁気回路(支持部)
6 振動板(振動系)
10 スピーカユニット
20 取り付けパネル
31〜35 動吸振器
31a〜35a 弾性部材
31b 錘部材(重量体)
32b 音響レンズ(重量体、拡散手段)
33b 高域用スピーカユニット(重量体)
34b 高域用スピーカユニット(重量体)
35b 錘部材(重量体)
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカユニットを取り付けパネルに取り付けて構成されたスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、スピーカ装置はスピーカユニットをスピーカボックス等に取り付けて構成される。この場合には、スピーカボックス等の構造や材質に対して、スピーカ装置の音響特性を考慮した設計を施すことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば、車載用オーディオシステムでは、車両の構成部材を取り付けパネルとして用いるため、その構造や材質を自由に選択することができず、例えば、音響的に考慮された充分な強度を取り付けパネルに付与できない場合などがある。このため、スピーカユニットの振動系以外の部分が振動し、このような振動に基づく不要な音響が付加されるおそれがある。
【0004】
本発明は、取り付けパネルの音響的な欠点を補うことで、容易に適切な音響特性を得ることができるスピーカ装置を提供すること等を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を駆動する磁気回路と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記磁気回路に取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系の振動の反作用が構造体を伝播することにより発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定されていることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を駆動する磁気回路と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記磁気回路に取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系の振動の反作用が構造体を伝播することにより発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定されていることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を駆動する磁気回路と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記磁気回路に取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系の振動の反作用が構造体を伝播することにより発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定されていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を駆動する磁気回路と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記磁気回路に取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系の振動の反作用が構造体を伝播することにより発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を振動可能に支持する支持部と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは前記支持部を介して取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記取り付けパネルに取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系から放射された音圧により発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定されていることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を振動可能に支持する支持部と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは前記支持部を介して取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記取り付けパネルに取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系から放射された音圧により発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を振動可能に支持する支持部と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは前記支持部を介して取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記取り付けパネルに取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系から放射された音圧により発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載のスピーカ装置は、振動系と、前記振動系を振動可能に支持する支持部と、を具備するスピーカユニットと、重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、前記スピーカユニットは前記支持部を介して取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記取り付けパネルに取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系から放射された音圧により発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
−第1の実施形態−
以下、図1〜図4を参照して、本発明によるスピーカ装置を車載用スピーカ装置に適用した第1の実施形態について説明する。図1(a)は第1の実施形態のスピーカ装置を示す断面図である。
【0014】
図1(a)に示すように、第1の実施形態のスピーカ装置100を構成するダイナミック型スピーカユニット10は、外周部においてクッション材1aを介して取り付けパネル20に締結されたフレーム1と、フレーム1に取り付けられた磁気回路2と、磁気回路2の磁気ギャップ内に収容されたボイスコイル3と、ボイスコイル3とフレーム1との間に設けられ、ボイスコイル3を振動可能に支持するダンパー5と、ボイスコイル3に接続された振動板6と、振動板6の外周部とフレーム1との間に設けられ、振動板6を振動可能に支持するエッジ7とを備える。
【0015】
図1(a)に示すように、磁気回路2はリング状の磁石2aを備え、外磁型の磁気回路を構成している。ボイスコイル3の巻線3aに電流を流すことにより、振動板6を含む振動系を図1において左右方向に振動させて音響出力を発生させることができる。
【0016】
図1(a)に示すように、磁気回路2には、弦巻ばね形状の弾性部材31aの一端が取り付けられ、弾性部材31aの他端には球状の錘部材31bが取り付けられている。弾性部材31aおよび錘部材31bは動吸振器31を構成しており、その共振周波数は、錘部材31bの質量および弾性部材31aのコンプライアンスにより定まる。本実施形態では、この共振周波数を適切に設定することにより、スピーカ装置100の音響特性を向上させている。
【0017】
取り付けパネル20は車両のドアを構成する部材であり、とくに音響的な性能を考慮して設計されたものではなく、取り付けパネル20は比較的振動しやすい。このため本実施形態では、動吸振器31を設けることにより、取り付けパネル20等の振動を抑制し、スピーカ装置100全体として良好な音響特性を得るようにしている。
【0018】
図2〜図4には、弾性部材31aおよび錘部材31bを設けない場合における取り付けパネル20の振動加速度レベルが示されている。図2は取り付けパネル20を示す図、図3は図2に示すA点における取り付けパネル表面の振動加速度レベルを示す図、図4は図2に示すB点における取り付けパネル表面の振動加速度レベルを示す図である。
【0019】
図3および図4は、取り付けパネル20に通常のスピーカユニット(高コンプライアンス部が設けられていないスピーカユニット)を取り付けた状態で、加速度ピックアップをA点あるいはB点に取り付け、A点およびB点の振動加速度レベルを測定した結果をそれぞれ示している。このような振動特性は、スピーカユニット10の振動板6から放射されて空気を伝わった音圧により取り付けパネル20を振動させるものと、振動板6の振動の反作用が磁気回路2に発生し、これがフレーム1を介して取り付けパネル20に伝播したものとの両者が合成されたものと考えられる。
【0020】
図3および図4に示すように、取り付けパネル20表面は、広い周波数帯域にわたって振動し、振動加速度レベルは1kHz前後で最大値をとる特性を示している。なお、振動加速度レベルは音圧に対応する(比例する)パラメータであるが、車両にドアを取り付けたときの車内の音圧レベルとしては、図3および図4に示す特性よりも低域のレベルが上昇した特性を示す。
【0021】
本実施形態では、弾性部材31aおよび錘部材31bによる動吸振器31を設けることにより、このような取り付けパネル20の振動による影響を効果的に抑制することができる。上記のように動吸振器の共振周波数は、錘部材31bの質量と、弾性部材31aのコンプライアンスと、により定まる。
【0022】
本実施形態において、この共振周波数を、磁気回路2が受ける振動板6の振動の反作用がフレーム1を伝播することによって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最も大きな振動加速度を呈する周波数に設定することができる。
【0023】
本実施形態において、上記共振周波数を、磁気回路2が受ける振動板6の振動の反作用がフレーム1を伝播することによって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0024】
本実施形態において、上記共振周波数を、磁気回路2が受ける振動板6の振動の反作用がフレーム1を伝播することによって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定することもできる。
【0025】
本実施形態において、上記共振周波数を、磁気回路2が受ける振動板6の振動の反作用がフレーム1を伝播することによって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0026】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧によって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定することもできる。
【0027】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧によって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0028】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧によって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定することもできる。
【0029】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧によって取り付けパネル20に発生する振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0030】
このように、本実施形態では、所望の周波数の振動を抑制するため、その周波数に合致した共振周波数が得られるように弾性部材31aおよび錘部材31bによる動吸振器31を設けている。このため、その周波数の振動を抑制することができ、これにより音響特性を効果的に向上させることができる。
【0031】
なお、スピーカ装置100は車両内で実際に再生した場合の特性が問題となるため、車両にドアを実装した状態での取り付けパネル20の振動加速度レベルに基づいて、上記共振周波数を設定することが好ましい。
【0032】
弾性部材31aの変形に伴う錘部材31bの振動を速やかに減衰させるため、損失正接(Tanδ)の値がフレーム1または取り付けパネル20の損失正接の値よりも大きい材料で弾性部材31aを形成することが望ましい。また、弾性部材31aに損失正接の値がフレーム1または取り付けパネル20の損失正接の値よりも大きな材料を塗布、充填し、あるいは貼り付けることで弾性部材31aをダンピングしてもよい。
【0033】
図1(a)では、球状の錘部材31bを、弾性部材31aを介して取り付ける例を示したが、図1(b)に示すように、錘部材31bに代えて音響レンズ32bを使用し、音響レンズ32bを、弾性部材32aを介して磁気回路2に取り付けてもよい。この場合には、振動板6から放射される高音を音響レンズ32bにより拡散することで、高音の指向性を向上させることができる。弾性部材32aおよび音響レンズ32bにより構成される動吸振器32の共振周波数は、音響レンズ32bの質量と、弾性部材32aのコンプライアンスと、により定まる。この共振周波数は、図1(a)に示した場合と同様の周波数に設定することができる。なお、音響レンズ以外の所定形状の重量体によって、指向性を制御するようにしてもよい。
【0034】
また、図1(c)に示すように、錘部材31bに代えて高域用スピーカユニット33bを使用し、スピーカユニット33bを、弾性部材33aを介して磁気回路2に取り付けてもよい。この場合には、スピーカユニット33bから高音域の音声を出力し、振動板6から低音域の音声を出力することで、2ウェイのスピーカ装置を構成することができる。弾性部材33aおよびスピーカユニット33bにより構成される動吸振器33の共振周波数は、スピーカユニット33bの質量と、弾性部材33aのコンプライアンスと、により定まる。この共振周波数は、図1(a)に示した場合と同様の周波数に設定することができる。
【0035】
以上のように、本実施形態では、動吸振器が弾性部材を介して磁気回路2に取り付けられるとともに、動吸振器の錘部材等がスピーカユニット10の放音側に露出され、動吸振器の共振周波数は、スピーカユニット10が取り付けパネル20に取り付けられた状態で振動板6の振動の反作用が磁気回路2およびフレーム1を伝播することにより発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で所望の周波数に設定されている。このため、振動加速度の大きな周波数帯域や音質改善に必要な周波数帯域について、動吸振器によって振動を効果的に抑制できる。したがって、良好な音響特性を得ることができる。
【0036】
−第2の実施形態−
以下、図5を参照して、本発明によるスピーカ装置を車載用スピーカ装置に適用した第2の実施形態について説明する。図5は第2の実施形態のスピーカ装置を示す断面図である。図5では、第1の実施形態と同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
【0037】
図5に示すように、第2の実施形態のスピーカ装置200を構成するダイナミック型スピーカユニット10は、フレーム1の外周部を介して取り付けパネル20に締結されている。
【0038】
図5に示すように、取り付けパネル20には、スピーカユニット10を跨ぐように、クッション材1aを介して弾性部材34aが取り付けられ、弾性部材34aの中央部には高域用スピーカユニット34bが取り付けられている。
【0039】
弾性部材34aおよびスピーカユニット34bは動吸振器34を構成しており、その共振周波数は、スピーカユニット34bの質量および弾性部材34aのコンプライアンスにより定まる。本実施形態では、この共振周波数を適切に設定することにより、スピーカ装置200の音響特性を向上させている。
【0040】
上記のように、取り付けパネル20は車両のドアを構成する部材であり、とくに音響的な性能を考慮して設計されたものではなく、取り付けパネル20は比較的振動しやすい。このため本実施形態では、動吸振器34を設けることにより、取り付けパネル20等の振動を抑制し、スピーカ装置200全体として良好な音響特性を得るようにしている。
【0041】
本実施形態では、弾性部材34aおよびスピーカユニット34bによる動吸振器34を設けることにより、このような取り付けパネル20の振動による影響を効果的に抑制することができる。上記のように動吸振器の共振周波数は、スピーカユニット34bの質量と、弾性部材34aのコンプライアンスと、により定まる。
【0042】
本実施形態において、この共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最も大きな振動加速度を呈する周波数に設定することができる。
【0043】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0044】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定することもできる。
【0045】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0046】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定することもできる。
【0047】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0048】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定することもできる。
【0049】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0050】
このように、本実施形態では、所望の周波数の振動を抑制するため、その周波数に合致した共振周波数が得られるように弾性部材34aおよびスピーカユニット34bによる動吸振器34を設けている。このため、その周波数の振動を抑制することができ、これにより音響特性を効果的に向上させることができる。
【0051】
なお、スピーカ装置200は車両内で実際に再生した場合の特性が問題となるため、車両にドアを実装した状態での取り付けパネル20の振動加速度レベルに基づいて、上記共振周波数を設定することが好ましい。
【0052】
弾性部材34aの変形に伴うスピーカユニット34bの振動を速やかに減衰させるため、損失正接(Tanδ)の値がフレーム1または取り付けパネル20の損失正接の値よりも大きい材料で弾性部材34aを形成することが望ましい。また、弾性部材34aに損失正接の値がフレーム1または取り付けパネル20の損失正接の値よりも大きな材料を塗布、充填し、あるいは貼り付けることで弾性部材34aをダンピングしてもよい。
【0053】
以上のように、本実施形態では、動吸振器34は、弾性部材34aを介して取り付けパネル20に取り付けられるとともに、動吸振器34のスピーカユニット34bはスピーカユニット10の放音側に露出され、動吸振器34の共振周波数は、スピーカユニット10が取り付けパネル20に取り付けられた状態で振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で所望の周波数に設定されている。このため、振動加速度の大きな周波数帯域や音質改善に必要な周波数帯域について、動吸振器34によって振動を効果的に抑制できる。したがって、良好な音響特性を得ることができる。
【0054】
なお、弾性部材34aの形状は限定されない。振動板6から放射される音を妨害しない形状であれば、そのようなものであってもよい。また、上記実施形態におけるスピーカユニット34bに代えて、錘部材あるいは音響レンズ等を設けてもよい。
【0055】
−第3の実施形態−
以下、図6を参照して、本発明によるスピーカ装置を車載用スピーカ装置に適用した第3の実施形態について説明する。図6は第3の実施形態のスピーカ装置を示す断面図である。図6では、第1の実施形態と同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
【0056】
図6に示すように、第3の実施形態のスピーカ装置300を構成するダイナミック型スピーカユニット10は、フレーム1の外周部を介して取り付けパネル20に締結されている。
【0057】
図6に示すように、取り付けパネル20には、クッション材1aを介して弾性部材35aが取り付けられ、弾性部材35aの中央部には錘部材35aが取り付けられている。弾性部材35aには音を透過させるための複数の開口が形成され、スピーカユニット10の振動板6を覆う保護ネットとして機能する。
【0058】
弾性部材35aおよび錘部材35bは動吸振器35を構成しており、その共振周波数は、錘部材35bの質量および弾性部材35aのコンプライアンスにより定まる。本実施形態では、この共振周波数を適切に設定することにより、スピーカ装置300の音響特性を向上させている。
【0059】
上記のように、取り付けパネル20は車両のドアを構成する部材であり、とくに音響的な性能を考慮して設計されたものではなく、取り付けパネル20は比較的振動しやすい。このため本実施形態では、動吸振器35を設けることにより、取り付けパネル20等の振動を抑制し、スピーカ装置300全体として良好な音響特性を得るようにしている。
【0060】
本実施形態では、弾性部材35aおよび錘部材35bによる動吸振器35を設けることにより、このような取り付けパネル20の振動による影響を効果的に抑制することができる。上記のように動吸振器の共振周波数は、錘部材35bの質量と、弾性部材35aのコンプライアンスと、により定まる。
【0061】
本実施形態において、この共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最も大きな振動加速度を呈する周波数に設定することができる。
【0062】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0063】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定することもできる。
【0064】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0065】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定することもできる。
【0066】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0067】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定することもできる。
【0068】
本実施形態において、上記共振周波数を、振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定することもできる。
【0069】
このように、本実施形態では、所望の周波数の振動を抑制するため、その周波数に合致した共振周波数が得られるように弾性部材35aおよび錘部材35bによる動吸振器35を設けている。このため、その周波数の振動を抑制することができ、これにより音響特性を効果的に向上させることができる。
【0070】
なお、スピーカ装置300は車両内で実際に再生した場合の特性が問題となるため、車両にドアを実装した状態での取り付けパネル20の振動加速度レベルに基づいて、上記共振周波数を設定することが好ましい。
【0071】
弾性部材35aの変形に伴う錘部材35bの振動を速やかに減衰させるため、損失正接(Tanδ)の値がフレーム1または取り付けパネル20の損失正接の値よりも大きい材料で弾性部材35aを形成することが望ましい。また、弾性部材35aに損失正接の値がフレーム1または取り付けパネル20の損失正接の値よりも大きな材料を塗布、充填し、あるいは貼り付けることで弾性部材35aをダンピングしてもよい。
【0072】
以上のように、第3の実施形態では、動吸振器35は、弾性部材35aを介して取り付けパネル20に取り付けられるとともに、動吸振器35の錘部材35bはスピーカユニット10の放音側に露出され、動吸振器35の共振周波数は、スピーカユニット10が取り付けパネル20に取り付けられた状態で振動板6から放射された音圧により発生する取り付けパネル20の振動のうち、50Hzから3000Hzの間で所望の周波数に設定されている。このため、振動加速度の大きな周波数帯域や音質改善に必要な周波数帯域について、動吸振器35によって振動を効果的に抑制できる。したがって、良好な音響特性を得ることができる。
【0073】
なお、上記実施形態における錘部材35bに代えて、音響レンズあるいは高域用スピーカユニット等を設けてもよい。
【0074】
上記実施形態および特許請求の範囲の記載において、フレーム1および磁気回路2は「支持部」に、振動板6は「振動系」に、錘部材31bは「重量体」に、音響レンズ32bは「重量体」および「拡散手段」に、高域用スピーカユニット33bは「重量体」に、高域用スピーカユニット34bは「重量体」に、錘部材35bは「重量体」に、それぞれ対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のスピーカ装置を示す断面図。
【図2】取り付けパネルを示す図。
【図3】図2に示すA点における取り付けパネル表面の振動加速度レベルを示す図。
【図4】図2に示すB点における取り付けパネル表面の振動加速度レベルを示す図。
【図5】第2の実施形態のスピーカ装置を示す断面図。
【図6】第3の実施形態のスピーカ装置を示す断面図。
【符号の説明】
1 フレーム(支持部)
2 磁気回路(支持部)
6 振動板(振動系)
10 スピーカユニット
20 取り付けパネル
31〜35 動吸振器
31a〜35a 弾性部材
31b 錘部材(重量体)
32b 音響レンズ(重量体、拡散手段)
33b 高域用スピーカユニット(重量体)
34b 高域用スピーカユニット(重量体)
35b 錘部材(重量体)
Claims (10)
- 振動系と、前記振動系を駆動する磁気回路と、を具備するスピーカユニットと、
重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、
前記スピーカユニットは取り付けパネルに取り付けられ、
前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記磁気回路に取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、
前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系の振動の反作用が構造体を伝播することにより発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定されていることを特徴とするスピーカ装置。 - 振動系と、前記振動系を駆動する磁気回路と、を具備するスピーカユニットと、
重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、
前記スピーカユニットは取り付けパネルに取り付けられ、
前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記磁気回路に取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、
前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系の振動の反作用が構造体を伝播することにより発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定されていることを特徴とするスピーカ装置。 - 振動系と、前記振動系を駆動する磁気回路と、を具備するスピーカユニットと、
重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、
前記スピーカユニットは取り付けパネルに取り付けられ、
前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記磁気回路に取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、
前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系の振動の反作用が構造体を伝播することにより発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定されていることを特徴とするスピーカ装置。 - 振動系と、前記振動系を駆動する磁気回路と、を具備するスピーカユニットと、
重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、
前記スピーカユニットは取り付けパネルに取り付けられ、
前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記磁気回路に取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、
前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系の振動の反作用が構造体を伝播することにより発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定されていることを特徴とするスピーカ装置。 - 振動系と、前記振動系を振動可能に支持する支持部と、を具備するスピーカユニットと、
重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、
前記スピーカユニットは前記支持部を介して取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記取り付けパネルに取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、
前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系から放射された音圧により発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数に設定されていることを特徴とするスピーカ装置。 - 振動系と、前記振動系を振動可能に支持する支持部と、を具備するスピーカユニットと、
重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、
前記スピーカユニットは前記支持部を介して取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記取り付けパネルに取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、
前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系から放射された音圧により発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で最大の振動加速度を呈する周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定されていることを特徴とするスピーカ装置。 - 振動系と、前記振動系を振動可能に支持する支持部と、を具備するスピーカユニットと、
重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、
前記スピーカユニットは前記支持部を介して取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記取り付けパネルに取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、
前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系から放射された音圧により発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数に設定されていることを特徴とするスピーカ装置。 - 振動系と、前記振動系を振動可能に支持する支持部と、を具備するスピーカユニットと、
重量体と、前記重量体に取り付けられた弾性部材と、を具備する動吸振器と、を備え、
前記スピーカユニットは前記支持部を介して取り付けパネルに取り付けられ、前記動吸振器は、前記弾性部材を介して前記取り付けパネルに取り付けられるとともに、前記動吸振器の前記重量体は前記スピーカユニットの放音側に露出され、
前記動吸振器の共振周波数は、前記スピーカユニットが前記取り付けパネルに取り付けられた状態で前記振動系から放射された音圧により発生する前記取り付けパネルの振動のうち、50Hzから3000Hzの間で音質上減衰させるべき周波数を中心とする上下1オクターブの範囲内に設定されていることを特徴とするスピーカ装置。 - 前記振動系から放射される音を拡散する拡散手段を前記重量体として用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のスピーカ装置。
- 高域用スピーカユニットを前記重量体として用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のスピーカ装置。
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-
2002
- 2002-11-11 JP JP2002327055A patent/JP2004165820A/ja not_active Abandoned
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