JP2004165738A - 変調装置、変調方法、記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一つの符号語Cxに続く次の符号語Cyと次の次の符号語Czとを少なくとも先読みし、且つ、少なくとも一つの符号語Cxと次の符号語Cyとの間及び次の符号語Cyと次の次の符号語Czとの間に、rビットによる複数組の結合ビット1bを所定のランレングス制限規則を厳守せずに仮に付加して、少なくとも一つの符号語Cxから次の次の符号語Czまでの符号語列を多数組生成し、多数組の符号語列の各DSV値のうちでDSV値の絶対値が一番零に近い一つの組の符号語列を選択して、この一つの組の符号語列中における一つの符号語Cxと次の符号語Cyとの間に付加した結合ビットを用い、一つの符号語Cxから結合ビットを介して次の符号語Cyまでを結合して最終的に決定した一つの決定符号語列を出力している。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクとかディジタル用磁気テープなどの記録媒体に収録したディジタル情報信号のコピーを未然に防止するための変調装置、変調方法、記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル・マルチメディア時代の到来と共に、大容量のディジタル情報信号が光ディスクとか、ディジタル用磁気テープに収録されている。
【0003】
例えば、音楽情報を収録したCD(Compact Disc)とか、コンピューターデータを収録したCD−ROM(CD−Read Only Memory)などの再生専用型の光ディスクは、円盤状のディスク基板上で螺旋状又は同心円状に形成したトラックに上記した各種のディジタル情報信号を高密度に記録でき、しかも再生時に所望のトラックを高速にアクセスできると共に、大量生産に適し且つ安価に入手できることから多用されている。
【0004】
また、PCM音楽情報などを収録したディジタル用磁気テープは、光ディスクよりも長時間に亘って再生できることから多用されている。
【0005】
尚、以下の説明では、ディジタル情報信号を記録する記録媒体として光ピックアップを用いて記録及び/又は再生する光ディスクについて説明するが、ディジタル用磁気テープの場合には記録及び/又は再生する際に磁気ヘッドを用いる点が大きく異なるだけであるので、ディジタル用磁気テープの場合については説明を省略する。
【0006】
上記したCD,CD−ROMなどの光ディスクは、ディジタル情報信号を凹状のピットと凸状のランドとでディジタル的なピット列に変換して、このピット列を螺旋状又は同心円状の記録トラックとして刻んで信号面が記録されたスタンパ盤を射出成型機内に取り付けた後に、スタンパ盤の信号面を透明な樹脂材を用いて外径120mm又は80mm,中心孔の孔径15mm,基板厚み1.2mmである円盤状の透明ディスク基板に転写させており、更に、転写した信号面上に反射膜,保護膜を順に成膜して、再生専用型に形成されている。
【0007】
そして、再生専用型の光ディスクを再生する時には、光ディスクドライブ内に移動自在に設けた光ピックアップからの再生用レーザービームを透明ディスク基板側から信号面上に照射して、信号面上に成膜した反射膜からのレーザービームの戻り光で信号面を再生している。
【0008】
ところで、CDに収録されている音楽情報とか、CD−ROMに収録されているコンピューターデータは著作権法により著作権を保護されているものの、ディジタル的な情報であるために信号の劣化がなく、ユーザーは著作権者の許諾を得ずにそのまま1回だけ書き込み可能なCD−R(Compact Disc−Recordable)とか、複数回書き込み可能なCD−RW(CompactDisc−ReWritable)などの追記型の光ディスクにコピーすることが可能となっている。
【0009】
上記したCD−R,CD−RWなどの追記型の光ディスクは、外観形状がCD,CD−ROMなどの再生専用型の光ディスクと略同じであるものの、透明ディスク基板上に凹状の溝を螺旋状又は同心円状に形成し、この凹状の溝側に記録層となる有機色素をスピンコートし、更に、この有機色素上に反射膜,保護膜を順に成膜して形成されているものであり、しかも、安価に入手可能になっている。
【0010】
そして、CDに収録されている音楽情報や、CD−ROMに収録されているコンピューターデータを、CD−R又はCD−RWにコピーした場合に、CD,CD−ROMと同じ信号フォーマットで記録されるために、著作権を侵害することになってしまう。
【0011】
以下、周知のCDに収録されている音楽情報の符号語列について説明する。
図1はCDに収録されている音楽情報の信号フォーマットについて説明するための図であり、(a)は音楽元データを示し、(b)はEFM信号を示した図、図2は8−14変調時の符号化テーブルを示した図、
図3(a),(b)は8−14変調時のDSV制御を説明するための図である。
【0012】
まず、音楽情報は、CDの規格書「Red Book」又はIEC(International Electrotechnical Commission)908規格に準拠した信号フォーマットにてCDに記録されている。
【0013】
この際、一般的に、光ディスクに記録されるピット長は、記録再生の光伝送特性や、ピット生成に関わる物理的な制約から最小ランレングス(最小ピット長又は最小ランド長)の制限、クロック再生のしやすさから最大ランレングス(最大ピット長又は最大ランド長)の制限、さらにはサーボ帯域などの保護のために、記録信号の低域成分や直流成分の抑圧特性を持つように記録信号を変調する必要がある。
【0014】
この制限を満たす変調方式のうち、CDに用いられているEFM(Eightto Fourteen Modulation:8−14変調)方式は、最小ランレングスを3T(T=チャネルビットの周期)、最大ランレングスを11Tとしたものである。
【0015】
即ち、図1(a)に示した如く、CDに記録する音楽元データADはディジタルデータであり、上位8ビット(1バイト)+下位8ビット(1バイト)=16ビット(2バイト)で1単位が構成され、この1単位が複数連続して音楽元データADが構成されている。
【0016】
そして、マスタリング時に図1(a)に示した音楽元データADをレーザービームによりガラス原盤に記録する時には、記録に適した信号形態となるように、音楽元データADをEFM方式の信号フォーマットに変換して、図1(b)に示したEFM信号1の形態でガラス原盤上に記録し、この後、ガラス原盤を基にして電鋳処理によりメタルマスター盤,マザー盤,スタンパ盤を順次作製し、この後、スタンパ盤を射出成型機内に取り付けて、スタンパ盤の信号面を透明ディスク基板に転写してCDを作製しているので、CDの信号面はガラス原盤の信号面と等価である。
【0017】
ここで、上記したEFM信号1のフォーマットでは、入力した音楽元データADを上位8ビットの入力データ語Dと下位8ビットの入力データ語Dとに別けて、図2に示した符号化テーブルを参照して、pビット=8ビットの入力データ語Dを最小ランレングスが3T、最大ランレングスが11Tになる所定のランレングス制限規則を満たすようなqビット=14ビットのランレングスリミッテッドコード(以下、符号語Cと記す)に変換し、且つ、図1(b)に示したように、変換した符号語Cと符号語Cとの間にランレングス制限規則保持用及びDSV(Digital Sum Value)制御用としてrビット=3ビットの結合ビット1bを付加して後述する第1,第2符号語列1d,1fを形成したものをEFM信号1として生成している。
【0018】
この際、所定のランレングス制限規則を満たした時に、最小ランレングスが3Tでは符号語C中の論理値「1」と「1」との間に「0」の数が最小でd=2個含まれており、一方、最大ランレングスが11Tでは符号語C中の論理値「1」と「1」との間に「0」の数が最大でk=10個含まれている。言い換えると、ランレングス制限規則RLL(d,k)=RLL(2,10)を満たした時に、このランレングス制限規則RLL(d,k)=RLL(2,10)に基づいて最小ランレングスは(d+1)T=3Tと設定され、且つ、最大ランレングスは(k+1)T=11Tと設定される。そして、隣り合う符号語C,C間に3ビットの結合ビット1bを付加して結合した第1,第2符号語列1d,1fは、最小ランレングス(d+1)T=3T〜最大ランレングス(k+1)T=11Tを満たすことになり、後述するように第1,第2符号語列1d,1fに対してNRZI変換を行った際に、最小ランレングス3Tは最小反転間隔を、一方、最大ランレングス11Tは最大反転間隔を表すことになる。
【0019】
そして、p−q変調=8−14変調されたEFM信号1は、最小ランレングスが3T、最大ランレングスが11Tになるランレングス制限規則RLL(d,k)=RLL(2,10)を満たしながらEFM信号1の直流成分や低周波成分を減少させることができる。
【0020】
更に、第1,第2符号語列1d,1fを含むEFM信号1に対してNRZI(Non Return to Zero Inverted)変換を行っており、NRZI変換は、周知の如く、ビット「1」において極性を反転し、ビット「0」において極性を反転せずに変調を行うものであるから、NRZI変換後の波形がガラス原盤への記録信号Rとなり、この記録信号R中のL(ロー)レベル区間を例えば凹状のピット(又は凸状のランド)に対応させ、記録信号R中のH(ハイ)レベル区間を例えば凸状のランド(又は凹状のピット)に対応させてピット列を形成している。
【0021】
また、図3(a),(b)に示したように、上記したDSVは、EFM信号1中の符号語列の開始時点から現時点までをNRZI変換した後の波形がH(ハイ)レベルの時に“1”(正極性)とし、L(ロー)レベルの時に“−1”(負極性)として積分した積分値である。この際、NRZI変換では、データビット“1”で極性反転を行うために、符号語が同一ビットパターンであっても、符号語を接続する直前のNRZI変換した後の波形状態によって異なり、図3(a)に示したように入力データ語=002に対して直前の波形状態がL(ロー)レベルの時と、図3(b)に示したように入力データ語=002に対して直前の波形状態がH(ハイ)レベルの時とでDSV値が反転するものであり、例えば、入力データ語=002と入力データ語=253とを結合ビットを介して結合した時に図3(a),図3(b)による両者のDSVの絶対値は同じになる。
【0022】
ここで、ランレングス制限規則RLL(d,k)=RLL(2,10)を満たしながらDSVの絶対値が略零に近付くように隣り合う符号語C,C間に3ビットの結合ビット1bとして、(000),(001),(010),(100)の組のうちでいずれかの組を選択して付加することで、記録信号Rの波形の直流成分を少なくし、結果的に記録信号Rの波形を長い期間でみて、H(ハイ)レベル区間とL(ロー)レベル区間とが略同じ割合で現れることにより、凹状のピットの区間と凸状のランドの区間も略同じ割合で現れるようにDSV値を制御している。
【0023】
図1(b)に戻り、上記したEFM信号1の1フレームは、先頭から同期信号1a、結合ビット1b、サブコード1c、結合ビット1b、第1符号語列1d、結合ビット1b、C2エラー訂正コード1e、結合ビット1b、第2符号語列1f、結合ビット1b、C1エラー訂正コード1g、結合ビット1bの順に配置され、且つ、この1フレーム合計で588個のチャンネルビットで構成されている。
【0024】
ここで、先頭に配置した同期信号1aは、24ビットを用いてフレームの先頭を示すために11T,11T,2Tの信号として上記した各信号1b〜1gに対して識別できるようになっている。
【0025】
また、同期信号1aの後で3ビットの結合ビット1bを介して配置したサブコード1cは、CDへの再生制御を行うための信号となっている。
【0026】
また、サブコード1cの後に3ビットの結合ビット1bを介して配置した第1符号語列1dは、p=8ビットの各入力データ語D(各音楽元データ)を図2に示した符号化テーブルを参照してq=14ビットの各符号語Cに変換し、且つ、隣り合う符号語C,C間に3ビットの結合ビット1bを付加することで、12個の符号語C(12シンボル)と11個の結合ビット1bとで構成されている。
【0027】
また、第1符号語列1dの後に3ビットの結合ビット1bを介して配置したC2エラー訂正コード1eは、CD再生時にEFM信号1の第1符号語列1dと第2符号語列1fとに対してエラー訂正を行うものである。
【0028】
また、C2エラー訂正コード1eの後に3ビットの結合ビット1bを介して配置した第2符号語列1fは、上記した第1符号語列1dと同様に12個の符号語C(12シンボル)と11個の結合ビット1bとで構成されている。
【0029】
更に、第2符号語列1fの後に3ビットの結合ビット1bを介して配置したC1エラー訂正コード1gは、CD再生時にEFM信号1の第1符号語列1dと第2符号語列1fとC2エラー訂正コード1eとに対してエラー訂正を行うものである。
【0030】
そして、上記したEFM信号1の1フレームに対してNRZI変換した後の記録信号を、98個(=98フレーム)連続させることで音楽の単位となる1ブロックが構成されており、この1ブロックは1/75秒の期間に相当するものである。
【0031】
尚、コンピューターデータを収録したCD−ROMの場合には、図1(a)に示した音楽元データをコンピューター元データに名称を変更すれば良いだけであるので、説明を省略する。
【0032】
ここで、従来の変調装置について図4及び図5を用いて説明する。
【0033】
図4は従来の変調装置を説明するために模式的に示したブロック図、
図5(a)〜(c)は従来の変調装置を用いて所定のランレングス制限規則を厳守しながら一つの符号語とこれに続く次の符号語との間に結合ビットを付加して符号語列を生成する場合に、結合ビットとして(000),(001),(010),(100)を仮に付加した時に、複数組の符号語列のDSV値を演算した状態を説明するための図である。
【0034】
図4に示した従来の変調装置20は、CDを作製するためのガラス原盤記録機(図示せず)と、CDに収録された音楽情報をCD−RにコピーするためのCD−Rドライブ(図示せず)とに適用されているものであり、8−14変調回路21と、結合ビット付加回路22と、DSV値演算回路23と、DSV値比較回路・結合ビット選択回路24とで概略構成されている。
【0035】
そして、従来の変調装置20では、16ビットの音楽元データADを上位8ビットと下位8ビットとに別けて8ビットの各入力データ語Dを14ビットの各符号語Cに変換して、例えば一つの符号語Cxとこれに続く次の符号語Cyとの間にランレングス制限規則RLL(2,10)を満たすような3ビットによる複数組の結合ビット1bを仮に付加して複数組の符号語列を生成し、これら複数組の符号語列の各DSV値のうちでDSVの絶対値が一番零に近い一つの組の符号語列を選択することで、この一つの組の符号語列を最終的に決定した一つの決定符号語列として出力するようになっている。
【0036】
より具体的に説明すると、従来の変調装置20では、16ビットの音楽元データADが8−14変調回路21に時系列順に入力されている。
【0037】
上記した8−14変調回路21内では、入力した音楽元データADを先に図1(a)で説明したように上位8ビットの入力データ語Dと下位8ビットの入力データ語Dとに時系列順に分離して、8ビットの各入力データ語Dを図2に示した符号化テーブルに基づいて14ビットの符号語Cに順次変換する際に、例えば一つの符号語Cxと、一つの符号語Cxに続く次の符号語Cyとを順に読み込んでいる。そして、一つの符号語Cxと次の符号語Cyとを8−14変調回路21から結合ビット付加回路22に入力している。
【0038】
次に、結合ビット付加回路22は、CD規格上のランレングス制限規則RLL(2,10)に基づいて設定された最小ランレングス3T〜最大ランレングス11Tを厳守して隣り合う符号語C,C間に3ビットの結合ビット1bを付加する機能を備えており、この結合ビット付加回路22内には3ビットの結合ビット1bの候補として、(000),(001),(010),(100)の4組が用意されている。尚、3ビットの結合ビット1bは8通りあるものの、上記した4組以外の組(011),(101),(110),(111)は“1”が2個以上連続して現れたり、あるいは、“1”と“0”とが交互に現れるためにランレングス制限規則RLL(2,10)を満たさないので利用できないものである。
【0039】
そして、結合ビット付加回路22内に順次入力された符号語Cxと符号語Cyとを結合するために、符号語Cx,Cy間に4組の結合ビット(000),(001),(010),(100)を仮に付加して複数組の符号語列を生成している。
【0040】
この際、図5に示したように、例えば、一つの符号語Cxは12ビット目から14ビット目が「010」であり、一方、次の符号語Cyは「00100010000010」である。そして、一つの符号語Cxの13ビット目が“1”であり、次の符号語Cyの3ビット目が“1”であるので、上記した4組の結合ビット1bのうちで第1〜第3組の結合ビット(000),(001),(010)はランレングス制限規則RLL(2,10)を厳守できるものの、第4組の結合ビット(100)はランレングス制限規則RLL(2,10)を満足しないのでこの結合ビット(100)の付加を中止する。
【0041】
そして、符号語Cx,Cy間に3組の結合ビット(000),(001),(010)を付加した後に、3組の符号語列{Cx(000)Cy},{Cx(001)Cy},{Cx(010)Cy}をDSV値演算回路23に入力して3組の符号語列の各DSV値を演算すると、図5(a)に示したケース1のように符号語Cx,Cy間に結合ビット(000)を付加した場合には符号語列{Cx(000)Cy}のDSV値が+2となり、図5(b)に示したケース2のように符号語Cx,Cy間に結合ビット(001)を付加した場合には符号語列{Cx(001)Cy}のDSV値が−4となり、図5(c)に示したケース3のように符号語Cx,Cy間に結合ビット(010)を付加した場合には符号語列{Cx(010)Cy}のDSV値が−6となる。
【0042】
この後、DSV値演算回路23からの3組の符号語列とこれらに対応した各DSV値がDSV値比較回路・結合ビット選択回路24に入力され、このDSV値比較回路・結合ビット選択回路24で3組の符号語列の各DSV値のうちでDSVの絶対値が一番零に近付くようなDSV値=+2を有する一つの組の符号語列{Cx(000)Cy}を選択して、この一つの組の符号語列{Cx(000)Cy}を一つの決定符号語列としてDSV値比較回路・結合ビット選択回路24から出力している。言い換えると、DSV値比較回路・結合ビット選択回路24では、DSVの絶対値が一番零に近い一つの決定符号語列{Cx(000)Cy}と対応した結合ビット(000)を選択したことになる。以下、次の符号語Cyに続けて上記手順を繰り返して、一つの決定符号語列{Cx(000)Cy………}を得ている。
【0043】
この後、DSV値を制御された一つの決定符号語列{Cx(000)Cy………}を記録に適した記録信号R(図1)に生成して、レーザービームによりCD用のガラス原盤又はCD−Rに記録している。
【0044】
そして、CD用のガラス原盤を基にしてスタンパ盤(図示せず)を作製し、このスタンパ盤を用いてCDを作製している。
【0045】
上記からユーザーは、図示しないパソコン内のハードディスク(図示せず)に記憶させたコピー用ソフトに従ってコピーしたい音楽情報を収録したCDをCDドライブ(図示せず)で再生し、このCDドライブから出力され且つCD−Rに記録したい音楽情報をCD−Rドライブ(図示せず)に入力して、CD−Rドライブ内に設けた従来の変調装置20によりコピーしたい音楽情報を著作権者の許諾を得ずにそのままCD−Rにコピーすることが可能となっている。
【0046】
従って、CDドライブから出力された16ビットの音楽元データADをCD−Rドライブ内に設けた従来の変調装置20で符号化した場合に、CD−Rに記録された音楽情報はCDに収録された音楽情報と全く同じEFM信号形態となるので、コピーしたCD−Rは更にコピー可能となり、世の中に大量に出回ってしまう。
【0047】
そこで、上記したように、CDに収録した音楽情報とか、CD−ROMに収録したコンピューターデータを、記録再生可能なCD−R,CD−RWにコピーすることを防止することができる光ディスクの一例がある(例えば、特許文献1参照)。
【0048】
【特許文献1】
特開2001−357536号公報(第4−5頁、第4図)
【0049】
図6は従来例の一例として、コピー防止対策を施した光ディスクを示した縦断面図である。
【0050】
図6に示した従来の光ディスク100は、上記した特許文献1(特開2001−357536号公報)に開示されているものであり、同号公報を参照して簡略に説明すると、CD−ROM,DVD−ROMなどの光ディスクに対してコピー防止対策を施した従来の光ディスク100では、通常、ランレングス制限規則(同号公報中にはランレングス抑制型符号化方式と記載されている)に基づいて3T〜14T(Tは0.133μm)の連続長さを有する凹凸部列が形成されているものの、この途中に、ランレングス制限規則に基づく最小ランレングスよりもさらに短い連続長さを有する凹部又は凸部が記録されていることを特徴とするものである。
【0051】
具体的には、図6に示した如く、ピットAは1T〜2Tの長さで凸状に形成され、このピットAからX離れた位置にピットBが1T〜2Tの長さで凹状に形成されており、ピットA及びピットBの長さはランレングス制限規則に基づかない値である。
【0052】
従って、従来の光ディスク100では、最小ランレングス3Tと最大ランレングス14Tとによるランレングス制限規則のうちで、最小ランレングス3T側を厳守せずに、これより小さな値である1T〜2Tに設定することで、光ディスク100上の最小ピット長(又は最小ランド長)が通常より小さく形成されている。
【0053】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上記した従来の光ディスク100の技術的思想を、CD規格上のランレングス制限規則RLL(2,10)に基づいて3T〜11Tの連続長さを有する凹凸部列(ピット列)が形成された周知のCDに適用してCDの信号形態の一部を改変するには、例えば図2に示した符号化テーブルにおいて、入力データ語D=255に対する符号語Cは“00100000010010”となっているが、1Tのような短い凹凸部列(ピット列)を形成したいときには、これに代えて“00100110010010”といった符号語Cを用いることによって、改変したCDを作製することができる。
【0054】
このように改変したCDを市販の光ディスクドライブで再生した時には、データ中の1T〜2Tという短い連続長からなる証明用ピットは、3T〜11Tという通常のピット長(ランド長)より短いために、光ピックアップを用いて読み取った際のRF信号は、十分な明レベル、又は、十分な暗レベルに達せず、RF信号から得られる2値化信号には1T〜2Tの証明用ピット信号が含まれないので、再生している光ディスクがオリジナルか否かの判定ができない。さらに、改変したCDに記録されている音楽データを市販の光ディスクドライブで再生し、この再生データをCD−Rドライブに入力してCD−Rにコピーしたときには、問題なく音楽データがコピーされてしまう。
【0055】
従って、光ディスク100のように証明用ピットを検出できる新たなプレーヤの普及を前提としたコピー防止の手段は、CDのように、既に市場にプレーヤやCD−Rドライブが数多く出回っている状況においては適用できないといった問題を抱えている。
【0056】
また、光ディスクの場合と同様に、ディジタル用磁気テープに収録したディジタル情報信号もコピーされるといった問題を抱えている。
【0057】
そこで、所定のランレングス制限規則を厳守せずに符号語列を生成した場合に、この符号語列を記録したオリジナル記録媒体を既に市販されているプレーヤで確実に再生できる一方、このオリジナル記録媒体をコピーしたコピー記録媒体では再生不良となるようにすることで、光ディスクとかディジタル用磁気テープなどの記録媒体に収録したディジタル情報信号のコピーを未然に防止できる変調装置、変調方法、記録媒体が望まれている。
【0058】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、pビットの入力データ語をqビットの符号語に変換し、且つ、隣り合う符号語間にrビットの結合ビットを付加して符号語列を生成し、この符号語列を出力する変調装置において、
pビットの前記入力データ語をqビットの前記符号語に変換する際に、一つの符号語に続く次の符号語と、次の次の符号語とを少なくとも先読みする変調手段と、
前記一つの符号語と前記次の符号語との間に前記rビットによる複数組の結合ビットを所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守せずに仮に付加して複数組の符号語列を生成し、更に、前記複数組の符号語列中の前記次の符号語と少なくとも前記次の次の符号語との間にも前記rビットによる複数組の結合ビットを所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守せずに仮に付加して、少なくとも前記一つの符号語から前記次の次の符号語までの符号語列を多数組生成する結合ビット付加手段と、
前記結合ビット付加手段で生成した多数組の前記符号語列の各DSV値を演算するDSV値演算手段と、
前記DSV値演算手段で得られた多数組の前記符号語列の各DSV値のうちで、DSV値の絶対値が一番零に近い一つの組の前記符号語列を選択する比較・選択手段と、
前記比較・選択手段で選択した前記一つの組の前記符号語列中における前記一つの符号語と前記次の符号語との間に付加した結合ビットを用い、前記一つの符号語から前記結合ビットを介して前記次の符号語までを結合して最終的に決定した一つの決定符号語列を出力する決定符号語列出力手段とを備えことを特徴とする変調装置である。
【0059】
第2の発明は、上記した第1の発明の変調装置において、
前記符号語列に対してランレングス制限規則RLL(d,k)に基づいて設定された最大ランレングス(k+1)Tを厳守せずに最大ランレングス(k+2)Tを許容して前記隣り合う符号語間に前記rビットの結合ビットを付加することを特徴とする変調装置である。
【0060】
また、第3の発明は、上記した第1ないしは第2の発明の変調装置において、ランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守して出力される符号語列には特定の周波数の成分を含むことになる特定データを、前記入力データ語として所定の期間に亘って入力し、且つ、その期間は前記符号語列に対してランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守せずに出力することを特徴とする変調装置である。
【0061】
また、第4の発明は、上記した第3の発明の変調装置において、
前記特定データは聴感上判別できない交流信号データ又は直流信号データであることを特徴とする変調装置である。
【0062】
また、第5の発明は、上記した第3の発明の変調装置において、
前記入力データ語を音楽情報とし、且つ、聴感上判別できない前記特定データを所定の期間に亘って入力する場合に、前記特定データを曲と曲との間に形成される無音区間内に挿入したことを特徴とする変調装置である。
【0063】
また、第6の発明は、上記した第3の発明の変調装置において、
前記入力データ語を音楽情報とし、且つ、聴感上判別できない前記特定データを所定の期間に亘って入力する場合に、前記特定データを曲と曲との間に形成される無音区間内にあって、且つ、インデックス番号00の区間を除いた区間内に挿入したことを特徴とする変調装置である。
【0064】
また、第7の発明は、pビットの入力データ語をqビットの符号語に変換し、且つ、隣り合う符号語間にrビットの結合ビットを厳守せずに付加して符号語列を生成し、この符号語列を出力する変調方法において、
pビットの前記入力データ語をqビットの前記符号語に変換する際に、一つの符号語に続く次の符号語と、次の次の符号語とを少なくとも先読みする第1ステップと、
前記一つの符号語と前記次の符号語との間に前記rビットによる複数組の結合ビットを所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守せずに仮に付加して複数組の符号語列を生成し、更に、前記複数組の符号語列中の前記次の符号語と少なくとも前記次の次の符号語との間にも前記rビットによる複数組の結合ビットを所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守せずに仮に付加して、少なくとも前記一つの符号語から前記次の次の符号語までの符号語列を多数組生成する第2ステップと、
前記第2ステップで生成した多数組の前記符号語列の各DSV値を演算する第3ステップと、
前記第3ステップで得られた多数組の前記符号語列の各DSV値のうちで、DSV値の絶対値が一番零に近い一つの組の前記符号語列を選択する第4ステップと、
前記第4ステップで選択した前記一つの組の前記符号語列中における前記一つの符号語と前記次の符号語との間に付加した結合ビットを用い、前記一つの符号語から前記結合ビットを介して前記次の符号語までを結合して最終的に決定した一つの決定符号語列を出力する第5ステップとからなることを特徴とする変調方法である。
【0065】
また、第8の発明は、上記した第7の発明の変調方法において、
前記符号語列に対してランレングス制限規則RLL(d,k)に基づいて設定された最大ランレングス(k+1)Tを厳守せずに最大ランレングス(k+2)Tを許容して前記隣り合う符号語間に前記rビットの結合ビットを付加することを特徴とする変調方法である。
【0066】
また、第9の発明は、上記した第7ないしは第8の発明の変調方法において、ランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守して出力される符号語列には特定の周波数の成分を含むことになる特定データを、前記入力データ語として所定の期間に亘って入力し、且つ、その期間は前記符号語列に対してランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守せずに出力することを特徴とする変調方法である。
【0067】
また、第10の発明は、上記した第9の発明の変調方法において、
前記特定データは聴感上判別できない交流信号データ又は直流信号データであることを特徴とする変調方法である。
【0068】
また、第11の発明は、上記した第9の発明の変調方法において、
前記入力データ語を音楽情報とし、且つ、聴感上判別できない前記特定データを所定の期間に亘って入力する場合に、前記特定データを曲と曲との間に形成される無音区間内に挿入したことを特徴とする変調方法である。
【0069】
また、第12の発明は、上記した第9の発明の変調方法において、
前記入力データ語を音楽情報とし、且つ、聴感上判別できない前記特定データを所定の期間に亘って入力する場合に、前記特定データを曲と曲との間に形成される無音区間内にあって、且つ、インデックス番号00の区間を除いた区間内に挿入したことを特徴とする変調方法である。
【0070】
また、第13の発明は、上記した第1〜第6の変調装置、ないしは上記した第7〜第12の変調方法のいずれかによって符号化した前記符号語列を記録した記録媒体である。
【0071】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る変調装置、変調方法、記録媒体の本実施例を図7乃至図19を参照して詳細に説明する。
【0072】
本発明に係る変調装置、変調方法、記録媒体では、例えばCD規格に対応させた場合に、pビット=8ビットの入力データ語をqビット=14ビットの符号語Cに変換し、且つ、隣り合う符号語C,C間にrビット=3ビットの結合ビット1bを付加して図1(b)に示したEFM信号1を生成する際に、一つの符号語に続く次の符号語と次の次の符号語とを少なくとも先読みし、且つ、CD規格上のランレングス制限規則RLL(d,k)=RLL(2,10)に基づいて設定された最小ランレングス(d+1)T=3T〜最大ランレングス(k+1)T=11Tを厳守せずに、これに代えて最小ランレングス(d+1)T=3T〜最大ランレングス(k+2)T=12Tを許容して、一つの符号語から次の符号語を経て少なくとも次の次の符号語までの符号語列のDSV値を考慮しながら一つの符号語と次の符号語との間の結合ビット1bを選択して付加した上で、一つの符号語から結合ビッ1bを介して次の符号語までの符号語列を最終的に決定した一つの決定符号語列として出力することを特徴とするものであり、更に、このEFM信号1を記録したオリジナル記録媒体を再生した時には、とくに後述する特定データからなるEFM信号1の第1,第2符号語列1d,1fに対しても何等の支障もなく再生できる一方、このオリジナル記録媒体をコピーしたコピー記録媒体を再生した時には、コピーした特定データからなる第1,第2符号語列1d,1fの再生信号には特定の周波数の成分が増加し再生不能におちいることを特徴とするものである。
【0073】
ところで、とくに特定データからなる第1,第2符号語列1d,1fを記録したオリジナル記録媒体では、従来のCD規格を満足しない最大ランレングス12Tによって形成されるピット(又はランド)を含んでいても、符号語C自体には影響がないのでデータの読取り誤りが発生することはない。
【0074】
尚、以下に説明する本実施例では、ディジタル情報信号を収録した記録媒体の一例としてCD,CD−ROMなどの光ディスクの場合について説明するが、前述したようにディジタル情報信号を収録したディジタル用磁気テープの場合にも本実施例の技術的思想を適用できるものである。
【0075】
<本実施例>
図7は本発明に係る本実施例の変調装置、変調方法を説明するために模式的に示したブロック図、
図8〜図10は本発明に係る本実施例の変調装置を用いて一つの符号語とこれに続く次の符号語との間に結合ビットを付加して符号語列を生成する場合に、CD規格上のランレングス制限規則を満足しない最大ランレングス12Tを許容しながら、一つの符号語に続く次の符号語と次の次の符号語とを先読みして、多数組の符号語列の各DSV値を演算した状態を説明するための図、
図11は本発明に係る本実施例のオリジナルCDの場合と、オリジナルCDをコピーしたCD−Rの場合とで、符号語列のDSV値変動に伴う周波数スペクトラムの差を示した図である。
【0076】
図7に示した本発明に係る本実施例の変調装置30は、CDを作製するためのガラス原盤記録機(図示せず)に適用されているものであり、8−14変調回路31と、第1結合ビット付加回路32Aと、第1DSV値演算回路33Aと、第2結合ビット付加回路32Bと、第2DSV値演算回路33Bと、DSV値比較回路・結合ビット選択回路34と、決定符号語列出力回路35とで概略構成されている。
【0077】
尚、第1,第2結合ビット付加回路32A,32Bは内部構造が同じであり、また、第1,第2DSV値演算回路33A,33Bも内部構造が同じであるので、本実施例の変調装置30を動作させる制御ソフト次第で第1,第2結合ビット付加回路32A,32Bと、DSV値演算回路33A,33Bとをそれぞれ別々に分離させずに結合ビット付加回路(32…図示せず)とDSV値演算回路(33…図示せず)として構成することも可能であるものの、ここでは説明を分かり易くするために上記のように分離させているものである。
【0078】
そして、本実施例の変調装置30では、16ビットの音楽元データADを上位8ビットと下位8ビットとに別けて8ビットの各入力データ語Dを14ビットの各符号語Cに変換して、例えば一つの符号語Cxとこれに続く次の符号語Cyとの間に3ビットの結合ビット1bを付加してEFM信号1を生成する際に、一つの符号語Cxに続く次の符号語Cyと次の次の符号語Czとを少なくとも先読みし、且つ、一つの符号語Cxと次の符号語Cyとの間にランレングス制限規則RLL(2,10)を厳守せずに最小ランレングス3T〜最大ランレングス12Tを許容しながら3ビットによる複数組の結合ビット1bを仮に付加して複数組の符号語列を生成し、更に、前記した複数組の符号語列中の次の符号語Cyと少なくとも次の次の符号語Czとの間にもランレングス制限規則RLL(2,10)を厳守せずに最小ランレングス3T〜最大ランレングス12Tを許容しながら3ビットによる複数組の結合ビット1bを仮に付加して、一つの符号語Cxから次の符号語Cyを経て少なくとも次の次の符号語Czまでの符号語列を多数組生成し、これら多数組の符号語列のうちでDSVの絶対値が一番零に近い一つの組の符号語列を選択し、この一つの組の符号語列中における一つの符号語Cxと次の符号語Cyとの間に付加した結合ビット1bを用い、一つの符号語Cxから上記結合ビット1bを介して次の符号語Cyまでを結合して最終的に決定した一つの決定符号語列を出力している。
【0079】
より具体的に説明すると、本実施例の変調装置30では、16ビットの音楽元データADが8−14変調回路31に時系列順に入力されている。
【0080】
上記した8−14変調回路31内では、入力した音楽元データADを先に図1(a)で説明したように上位8ビットの入力データ語Dと下位8ビットの入力データ語Dとに時系列順に分離して、8ビットの各入力データ語Dを図2に示した符号化テーブルに基づいて14ビットの符号語Cに順次変換する際に、先に図4で説明した従来例とは異なって、例えば一つの符号語Cxを読み込むと共に、一つの符号語Cxに続く次の符号語Cyと次の次の符号語Czとを少なくとも先読みしている。
【0081】
尚、以下では、一つの符号語Cxに続く次の符号語Cyと次の次の符号語Czまで先読みする場合の実施例について説明するが、これに限ることなく、ここでの図示を省略するものの、次の次の符号語Czよりも更に先の符号語を先読みすることも可能である。
【0082】
そして、一つの符号語Cxと次の符号語Cyとを8−14変調回路31から第1結合ビット付加回路32Aに入力すると共に、次の符号語Cyが出力された後に次の次の符号語Czを8−14変調回路31から後述する第2結合ビット付加回路32Bに入力している。
【0083】
次に、第1結合ビット付加回路32A内には、CD規格上のランレングス制限規則RLL(2,10)に基づいて設定された最小ランレングス3T〜最大ランレングス11Tを厳守せずに、ここでは最小ランレングス3T〜最大ランレングス12Tを許容しながら3ビットの結合ビット1bの候補として、(000),(001),(010),(100)の4組が用意されている。この実施例でも、従来例と同様に、上記した4組以外の組(011),(101),(110),(111)は“1”が2個以上連続して現れたり、あるいは、“1”と“0”とが交互に現れるために最小ランレングス3Tを満たさないので削除されている。
【0084】
そして、第1結合ビット付加回路32A内に入力された一つの符号語Cxと、これに続く次の符号語Cyとを結合するために、符号語Cx,Cy間に4組の結合ビット(000),(001),(010),(100)を仮に付加して複数組の符号語列を生成している。
【0085】
この際、図8〜図10に示したように、本発明の要旨をわかり易く説明するために一つの符号語Cx及び次の符号語Cyを従来と同じ値にそれぞれ設定した場合に、一つの符号語Cxは12ビット目から14ビット目が「010」であり、一方、次の符号語Cyは「00100010000010」である。そして、一つの符号語Cxの13ビット目が“1”であり、次の符号語Cyの3ビット目が“1”であるので、上記した4組の結合ビット1bのうちで第1〜第3組の結合ビット(000),(001),(010)は最小ランレングス3T〜最大ランレングス12Tを満足しているので成立し、第4組の結合ビット(100)は最小ランレングス3Tを満足しないので付加を中止する。
【0086】
そして、符号語Cx,Cy間に3組の結合ビット(000),(001),(010)を付加した後に、3組の符号語列{Cx(000)Cy},{Cx(001)Cy},{Cx(010)Cy}を第1DSV値演算回路33Aに入力して3組の符号語列の各DSV値を演算すると、図8〜図10に示したように符号語Cx,Cy間に結合ビット(000)を付加した場合には符号語列{Cx(000)Cy}のDSV値が+2となり、結合ビット(001)を付加した場合には符号語列{Cx(001)Cy}のDSV値が−4となり、結合ビット(010)を付加した場合には符号語列{Cx(010)Cy}のDSV値が−6となる。この段階までは先に図4及び図5を用いて説明した従来例と同じであり、従来例ではこの段階でDSVの絶対値が一番零に近い一つの組の符号語列{Cx(000)Cy}を最終的に決定した一つの決定符号語列として選択しているものの、本実施例では前述したように一つの符号語Cxに続く次の符号語Cyと次の次の符号語Czとを先読みしているので、一つの符号語Cxから次の符号語Cyを経て次の次の符号語Czまでを結合した時のDSV値を考慮しながら一つの符号語Cxと次の符号語Cyとの間の結合ビット1bを選択して付加した上で、一つの符号語Cxから結合ビット1bを介して次の符号語Cyまでの符号語列を最終的に決定している。
【0087】
そこで、第1DSV値演算回路33Aで各DSV値を演算した3組の符号語列{Cx(000)Cy},{Cx(001)Cy},{Cx(010)Cy}を第2結合ビット付加回路32Bに入力している。
【0088】
上記した第2結合ビット付加回路32Bも第1結合ビット付加回路32Aと同様に、最小ランレングス3T〜最大ランレングス12Tを満たす3ビットの結合ビット1bの候補として、(000),(001),(010),(100)の4組が用意されている。
【0089】
そして、第2結合ビット付加回路32B内では、ここに入力した3組の符号語列{Cx(000)Cy},{Cx(001)Cy},{Cx(010)Cy}と、ここに入力した次の次の符号語Czとの間に、4組の結合ビット(000),(001),(010),(100)をそれぞれ仮に付加して、第1結合ビット付加回路32Aの場合よりも組数が多い多数組の符号語列を生成している。この際、多数組の符号語列は、枝別れ構造(ツリー構造)に符号化されることで、全て共通して一つの符号語Cxから次の符号語Cyを経て次の次の符号語Czまでの符号語列となる。
【0090】
ここで、図8〜図10に示したように、次の符号語Cyは前述したように「00100010000010」であり、一方、次の次の符号語Czは「00000001000001」である。そして、次の符号語Cyの13ビット目が“1”であり、次の次の符号語Czの8ビット目が“1”であるので、上記した4組の結合ビット1bのうちで第1〜第3組の結合ビット(000),(001),(010)は最小ランレングス3T〜最大ランレングス12Tを満たすものの、第4組の結合ビット(100)は最小ランレングス3Tを満足しないので付加を中止する。
【0091】
そして、3組の符号語列{Cx(000)Cy},{Cx(001)Cy},{Cx(010)Cy}と、ここに入力した次の次の符号語Czとの間に、3組の結合ビット(000),(001),(010)をそれぞれ付加した後に、合計で9組の符号語列{Cx(000)Cy(000)Cz},{Cx(000)Cy(001)Cz},{Cx(000)Cy(010)Cz},{Cx(001)Cy(000)Cz},{Cx(001)Cy(001)Cz},{Cx(001)Cy(010)Cz},Cx(010)Cy(000)Cz},{Cx(010)Cy(001)Cz},{Cx(010)Cy(010)Cz}を第2DSV値演算回路33Bに入力して9組の符号語列の各DSV値を演算すると、
図8(a)に示したケース11の符号語列{Cx(000)Cy(000)Cz}の場合には、符号語Cyの13ビット目から結合ビット(000)を介して符号語Czの7ビット目までの“0”の数が11個連続するので最大ランレング12Tを含むことになり、且つ、符号語列{Cx(000)Cy(000)Cz}のDSV値が−3となり、
図8(b)に示したケース12の符号語列{Cx(000)Cy(001)Cz}の場合には、最大ランレング12Tを含まずに、符号語列{Cx(000)Cy(001)Cz}のDSV値が+3となり、
図8(c)に示したケース13の符号語列{Cx(000)Cy(010)Cz}の場合も、最大ランレング12Tを含まずに、符号語列{Cx(000)Cy(010)Cz}のDSV値が+5となる。
【0092】
また、図9(a)に示したケース21の符号語列{Cx(001)Cy(000)}Czの場合には、符号語Cyの13ビット目から結合ビット(000)を介して符号語Czの7ビット目までの“0”の数が11個連続するので最大ランレング12Tを含むことになり、且つ、符号語列{Cx(001)Cy(000)Cz}のDSV値が+1となり、
図9(b)に示したケース22の符号語列{Cx(001)Cy(001)Cz}の場合には、最大ランレング12Tを含まずに、符号語列{Cx(001)Cy(001)Cz}のDSV値が−5となり、
図9(c)に示したケース23の符号語列{Cx(001)Cy(010)Cz}の場合も、最大ランレング12Tを含まずに、符号語列{Cx(001)Cy(010)Cz}のDSV値が−7となる。
【0093】
更に、図10(a)に示したケース31の符号語列{Cx(010)Cy(000)Cz}の場合には、符号語Cyの13ビット目から結合ビット(000)を介して符号語Czの7ビット目までの“0”の数が11個連続するので最大ランレング12Tを含むことになり、且つ、符号語列{Cx(010)Cy(000)Cz}のDSV値が−1となり、
図10(b)に示したケース32の符号語列{Cx(010)Cy(001)Cz}の場合には、最大ランレング12Tを含まずに、符号語列{Cx(010)Cy(001)Cz}のDSV値が−7となり、
図10(c)に示したケース33の符号語列{Cx(010)Cy(010)Cz}の場合も、最大ランレング12Tを含まずに、符号語列{Cx(010)Cy(010)Cz}のDSV値が−9となる。
【0094】
この後、第2DSV値演算回路33Bからの9組の符号語列及びこれらに対応した各DSV値がDSV値比較回路・結合ビット選択回路34に入力され、このDSV値比較回路・結合ビット選択回路34で9組の符号語列の各DSV値のうちでDSVの絶対値が一番零に近いDSV値=+1を有する符号語列{Cx(001)Cy(000)Cz}、又はDSV値=−1を有する符号語列{Cx(010)Cy(000)Cz}のいずれか一方の組を選択して、決定符号語列出力回路35に入力している。この際、DSVの絶対値が一番零に近い組は、図8(a),図9(a),図10(a)のように最大ランレング12Tを含んだ組から選択されていることは明らかである。
【0095】
尚、DSV値比較回路・結合ビット選択回路34で符号語列を選択する際に、符号語列のDSVの絶対値が同じ値である場合には、+側のDSV値の符号語列を採用するか、それとも、−側のDSV値の符号語列を採用するかを変調装置30内で予め決めておけば自動的に+側又は一側のいずれか一方側だけの符号語列を選択でき、且つ、一方側だけの符号語列に対応した結合ビット1bを選択できる。
【0096】
次に、決定符号語列出力回路35は、DSV値比較回路・結合ビット選択回路34で選択した一つの組の符号語列中における一つの符号語Cxと次の符号語Cyとの間に付加した結合ビット1bを用い、一つの符号語Cxから上記結合ビット1bを介して次の符号語Cyまでを結合して最終的に決定した一つの決定符号語列{Cx(001)Cy}、又は一つの決定符号語列{Cx(010)Cy}のいずれか一方を出力している。言い換えると、DSV値比較回路・結合ビット選択回路34で選択した一つの組の符号語列中から符号語Cy,Cz間の結合ビット1bと、符号語Czとを取り除いた状態と等価である。
【0097】
即ち、決定符号語列出力回路35に入力されたDSV値=+1を有する符号語列{Cx(001)Cy(000)Cz}、又はDSV値=−1を有する符号語列{Cx(010)Cy(000)Cz}は、符号語Cx,Cy間に付加した結合ビット1bが(001)又は(010)であり、且つ、一つの符号語Cxから次の符号語Cyを経て次の次の符号語Czまでの符号語列のDSV値を考慮した時のDSVの絶対値が一番零に近くなるように、符号語Cx,Cy間に付加する結合ビット1bを選択したものとなる。
【0098】
これに対して、図4で説明した従来例のように、一つの符号語Cxと次の符号語Cyのみを先読みする従来の変調装置20を用いて符号語Cx,Cy間に付加した結合ビット1bが(000)の場合には、図7及び図8(a)〜(c)に示したように、一時的にはDSV値が小さくなっても、先々は次の次の符号語Czまで先読みする本実施例の場合よりもDSV値が+側又は−側に大きくなってしまう。
【0099】
ところで、符号語Cと結合ビット1bの組み合わせにおいて、最大ランレングス12Tを発生させるためには、図8〜図10での「CyとCz」のように、結合ビット1bを挟んで隣り合う2つの符号語Cが、結合ビット1bを付加した時に結合ビット1bを含めて“0”の数が11個連続できるものであれば良い。
【0100】
この後、本実施例ではDSV値が最良となるように制御された決定符号語列{Cx(001)Cy……}、又は決定符号語列{Cx(010)Cy……}を記録に適した記録信号R(図1)に変換して、レーザービームによりCD用のガラス原盤(図示せず)に記録している。そして、CD用のガラス原盤を基にしてスタンパ盤(図示せず)を作製し、このスタンパ盤を用いて後述の図12(a),(b)に示したような本発明に係る本実施例の記録媒体となる光ディスク(CD)10を作製している。
【0101】
以上、本発明に係わる変調装置、変調方法の基本動作について具体例を示しながら説明した。但し、ここでは説明を分かり易くするために、DSV値の演算に当たっては、符号語列{Cx(000)Cy}、{Cx(000)Cy(000)Cz}、{Cx(000)Cy(000)Cz……}といったように、既に決定された符号語列についても再度の演算を行うような表現をした。その結果、全ての符号語Cx,Cy,Cz……が入力されないとDSV値の演算が出来ないだけでなく、決定符号語列も出力することが出来ないように受け取れるが、実際の回路では既に決定された符号語列のDSV値についてはDSV値演算回路33A,33BないしはDSV値比較回路34内に図示されていないDSV値記憶回路を設けており、DSV値演算の重複を避けると共に少なくとも三つの符号語が入力されれば一つの決定符号語列を得ることが出来る構成となっている。
【0102】
上記から隣り合う符号語C,C間にDSV値が最良となるような3ビットの結合ビット1bを付加して符号語列を生成するにあたって、最大ランレングス12Tを発生可能な本発明の変調装置30を用いると、図8〜図10に示したように最大ランレングス12Tを含む符号語列でDSV値が一番小さな値を取ることができる。
【0103】
これに対して、最大ランレングス12Tを許容しない従来の変調装置20(図4)を用いた場合には、図8〜図10に示したように最大ランレングス12Tを許容した場合よりもDSV値が大きくなることが上記から明らかである。ここでは、CD規格上のランレングス制限規則を厳守しない例として、最大ランレングス12Tについて説明したが、さらに13T以上の長いランレングスや、逆に2T以下の短いランレングスなどについても、本実施例の変調装置30へ適用可能であり、符号語列のDSV値を従来の変調装置20を用いた場合に比べて小さな値とする事ができる。但し、従来技術の項で説明したように伝送特性の観点から極端に短いランレングスや極端に長いランレングスを許容することは好ましくない。
【0104】
ところで、上記の最大ランレングス12Tが利用可能な符号語列がある期間に亘って連続する場合、従来の変調装置20では例えば図8の(b)ないしは(c)に示されるようなDSV値の増加が連続して発生するため、その連続する期間において符号語列のDSV値が周期的に大きく変動する場合がある。何故ならば、図8の(b)ないしは(c)ではDSV値が右肩上がり、即ちプラスの増加傾向の例を示したが、入力した符号語Cx,Cy,Cz……が同じであっても、最初の符号語Cxに対応する決定符号語列の極性が逆であれば、DSV値は右肩下がり、即ちマイナスの増加傾向となる。この結果、従来の変調装置20を用いて記録した信号を再生する際に符号語列の再生信号には特定の周波数の成分が増加し、安定な再生を損なうことになる。この一方で本実施例の変調装置30を適用した場合には安定した再生が維持されることは明らかである。以降、このような差異を生ずる特定の符号語に対応する入力データを特定データと呼ぶ。
【0105】
この技術的思想を応用して、ある一つの符号語Cxから次の符号語Cyを経て少なくとも次の次の符号語Czまでを先読みし、且つ、最小ランレングス3T〜最大ランレングス12Tを許容して特定データから生成した符号語列をオリジナル記録媒体に記録した場合、記録されている符号語列のDSV値は極めて小さいので再生不良は発生しないが、このオリジナル記録媒体をコピーしたコピー記録媒体では、上記したオリジナル記録媒体からの再生データを従来の変調装置20(図4)によりCD規格上のランレングス制限規則RLL(2,10)に基づいて設定された最小ランレングス3T〜最大ランレングス11Tを厳守するように隣り合う符号語C,C間に3ビットの結合ビット1bを付加して符号語列を記録しているために、オリジナル記録媒体上で最大ランレングス12Tを許容した特定データ部分が、コピー記録媒体ではDSV値の変動が大きくなるため再生信号には特定の周波数の成分が増加することは明らかである。
【0106】
この様子を図11に示す。図11に示したように、オリジナル記録媒体(CD)に記録されている最大ランレングス12Tを許容した特定データ部分の符号語列の再生周波数スペクトラムは、低域部分ではなだらかに減衰しいているのに対し、オリジナル記録媒体(CD)により従来の変調装置20によってコピーしたコピー記録媒体(CD−R)を再生したときの特定データ部分の符号語列の再生周波数スペクトラムは、低域部分で特定の周波数の成分が増加しており、コピー記録媒体(CD−R)の再生は不安定となるのである。
【0107】
尚、本実施例の技術的思想をコンピューターデータを収録したCD−ROMに適用する場合には、図7に示した音楽元データADをコンピューター元データに名称を変更すれば良いだけであるので、説明を省略する。
【0108】
次に、本発明に係る本実施例の記録媒体となる光ディスクについて図12を用いて説明する。図12(a),(b)は本発明に係る本実施例の記録媒体となる光ディスクを説明するための斜視図,縦断面である。
【0109】
図12(a),(b)に示した如く、本発明に係る本実施例の記録媒体となる光ディスク(以下、オリジナルCDと記す)10は、音楽情報を収録したCD(Compact Disc)とか、コンピューターデータを収録したCD−ROM(CD−Read Only Memory)などの再生専用型の光ディスクに適用されており、このオリジナルCD10に収録したディジタル情報信号は、EFM(Eight to Fourteen Modulation:8−14変調)方式により、最小ランレングスが3T、最大ランレングスが12Tを最優先で満たすように先に説明した本実施例の変調装置30を用いて符号化されている。
【0110】
上記したオリジナルCD10は、外径120mm又は80mm,中心孔の孔径15mm,基板厚み1.2mmである円盤状の透明ディスク基板11の一方の面11aにディジタル情報信号を凹状のピットと凸状のランドとでディジタル的なピット列に変換して、このピット列を螺旋状又は同心円状の記録トラック12として刻んで信号面が記録されている。
【0111】
ここで、記録トラック12は、先に説明した本実施例の変調装置30を用いてある符号語Cx,Cy,Cz……の間で、最小ランレングス3T〜最大ランレングス12Tを満足し、且つ、一つの符号語Cxに続く次の符号語Cyと次の次の符号語Czとを少なくとも先読みしてDSV値が最良となるような結合ビット1bを付加して一つの決定符号語列を生成し、この一つの決定符号語列に対応して凹凸状のピット列を全面に亘って予め形成しているものである。更に、オリジナルCD10の信号面上に金属反射膜14,保護膜15を順に成膜して、オリジナルCD10が再生専用型に形成されている。そして、透明ディスク基板11の一方の面11aと反対側の面11b側が再生用のレーザービームLpを照射する側となっている。
【0112】
そして、オリジナルCD10に記録された記録トラック12を市販のCDプレーヤないしはCD−ROMドライブにより再生した時に、CD規格外のランレングス12Tを含んでいても14ビットの符号語C自体は規格を満たしているので、再生データに誤りは生じない。一方、図8(b),(c)及び図9(b),(c)並びに図10(b),(c)に示したようなCD規格上のランレングス制限規則を守ると大きなDSV値を生じる特定データが入力データ語Dとしてある期間生じたような場合、従来の変調装置20によって作製された光ディスクでは符号語列のDSV値は変動量が大きく、且つ符号語列の1フレーム長ないしは2フレーム長を基本とした周期で変動するため再生不良を生じてしまうが、これに対して本実施例ではCD規格外の最大ランレングス12Tを許容することで符号語列のDSV値の変動が改善され、安定な再生が得られる。
【0113】
同様に、ユーザーが上記した特定データを含む音楽元データAD(図7)を記録したオリジナルCD10をCD−Rドライブ(図示せず)を用いてコピー記録媒体(CD−R)にコピーした場合には、前述したようにCD−Rドライブ内には従来の変調装置20(図4)が設けられているために、オリジナルCD10を再生して得られる音楽元データAD(図7)をCD−Rドライブに入力すれば、従来の変調装置20(図4)内でCD規格上のランレングス制限規則RLL(d,k)=RLL(2,10)に基づいて設定された最小ランレングス(d+1)T=3T〜最大ランレングス(k+1)T=11Tを厳守して3ビットの結合ビット1bを付加して符号語列を生成しているために、コピーした符号語列のDSV値は本実施例の変調装置30(図7)を用いた場合よりも変動量が大きく、且つ符号語列の1フレーム長ないしは2フレーム長を基本とした周期で変動している。従って、このコピー記録媒体(CD−R)を市販のCDプレーヤ或いはCD−ROMドライブにより再生した時には、その再生信号には2値化回路の動作や、トラッキングないしはフォーカスサーボなどに悪影響を与える特定の周波数の成分が増加し、再生が不安定になったり、或いは再生不能となる。これにより、オリジナルCD10をコピー記録媒体(CD−R)にコピーした時にディジタル情報信号への著作権侵害を未然に防ぐことができる。尚、前述した符号語列のDSV値の変動量が大きいと、再生機の安定性に悪影響を与えることは、特開平6−197024号公報の従来技術の項に記載されているように、公知の事実であるので詳細は省く。
【0114】
次に、音楽元データADとして、聴感上判別できない交流信号又は直流信号の特定データを符号化して用いればより一層コピー防止対策に効果的であり、この場合について図13及び図14を用いて説明する。
【0115】
図13(a)は音楽元データADとして聴感上判別できない交流信号の特定データを符号化して作製した本発明のオリジナルCDを再生した場合を示し、(b)は本発明のオリジナルCDをコピーしたCD−Rを再生した場合を示した図、図14(a)は音楽元データADとして聴感上判別できない直流信号の特定データを符号化して作製した本発明のオリジナルCDを再生した場合を示し、(b)は本発明のオリジナルCDをコピーしたCD−Rを再生した場合を示した図である。
【0116】
まず、図13(a)に示した如く、音楽元データADとして聴感上判別できない信号、例えば22.05KHz程度の交流信号からなる特定データを、所定の期間に亘って図7に示した本実施例の変調装置30内に設けた8−14変調回路31に入力する。そして、例えば22.05KHz程度の交流信号からなる特定データを14ビットの符号語Cに変換する際、ランレングス制限規則を厳守せずに最小ランレングス3T〜最大ランレングス12Tを許容し、且つ、一つの符号語Cxに続く次の符号語Cyと次の次の符号語Czとを少なくとも先読みしてDSV値が最良となるような結合ビット1bを付加して一つの決定符号語列を生成し、この一つの決定符号語列を本発明に係る記録媒体となるオリジナルCD10(図12)に適用している。そして、このオリジナルCD10を再生した場合には、符号語列の再生信号には特定の周波数の成分が増加することがないので何等の支障もなく、且つ、聴感上判別できない交流信号データとして再生されるのでユーザーは全く気がつかない。尚、交流信号からなる特定データは、その前後での雑音の発生を防止するために、図13(a)に示した如く、所定の期間の前後でフェードイン、フェードアウトの処理がなされていることも特徴の一つである。また、上記した交流信号の特定データを挿入する所定の期間としては、音楽データの場合に曲と曲との間の無音区間内が適している。
【0117】
一方、図13(b)に示した如く、交流信号からなる特定データを記録したオリジナルCD10をCD−Rにコピーし、このCD−Rを再生した場合に、上記した所定の期間に亘る符号語列の再生信号には特定の周波数の成分が増加するので、読取不能区間が発生してしまい、再生機でのデータ補間によって低い周波数成分の雑音が発生し、例えば、“ギー音”とか“ギャー音”など耳ざわりな音が聞こえるので、このCD−Rが異常な光ディスクであることをユーザーに知らせることができると共に、コピーしたCD−R上でのディジタル情報信号への著作権侵害を未然に防ぐことができる。
【0118】
次に、図14(a)では図13(a)の交流信号データに対して音楽元データADとして聴感上判別できない直流信号からなる特定データに置換した例であり、これを適用して作製した本発明に係る記録媒体となるオリジナルCD10(図12)を再生した場合には、符号語列の再生信号には特定の周波数の成分が増加することがないので何等の支障もなく、且つ、聴感上判別できない直流信号データとして再生されるのでユーザーは全く気がつかない。尚、直流信号からなる特定データは、その前後での雑音の発生を防止するために、図14(a)に示した如く、所定の期間の前後でフェードイン、フェードアウトの処理がなされていることも特徴の一つである。また、上記した直流信号の特定データを挿入する所定の期間としては、音楽データの場合に曲と曲との間の無音区間内が適している。
【0119】
一方、図14(b)に示した如く、直流信号からなる特定データを記録したオリジナルCD10をCD−Rにコピーした場合でも、上記と同じように所定の期間中で読取不能区間が発生してしまう。従って、この場合でもコピーしたCD−Rは再生不可能となるので、コピーしたCD−R上でのディジタル情報信号への著作権侵害を未然に防ぐことができる。
【0120】
ここで、p−q変調すべき入力データ語Dを音楽情報とし、且つ、pビットの入力データ語Dをqビットの符号語Cに変換する際に、前述したように一つの符号語Cxに続く次の符号語Cyと次の次の符号語Czとを少なくとも先読みして符号語列を生成した時に、上記したような聴感上判別できない交流信号又は直流信号の特定データを、音楽情報中の曲と曲との間に形成される無音区間内に挿入する場合について、図15〜図19を用いてより具体的に説明する。
【0121】
図15は一般的なCDにおける曲間の無音区間について説明するための模式図、
図16は本発明に係る記録媒体において、聴感上判別できない特定データを曲間の無音区間内に挿入する特定データ挿入形態1の場合について説明するための模式図、
図17は本発明に係る記録媒体において、聴感上判別できない特定データを曲間の無音区間内に挿入する特定データ挿入形態2の場合について説明するための模式図、
図18は本発明に係る記録媒体において、聴感上判別できない特定データを曲間の無音区間内に挿入する特定データ挿入形態3の場合について説明するための模式図、
図19は本発明に係る記録媒体において、聴感上判別できない特定データを曲間の無音区間内に挿入する特定データ挿入形態4の場合について説明するための模式図である。
【0122】
ここで、聴感上判別できない特定データを、本発明に係る記録媒体となるオリジナルCD10(図12)上で曲と曲との間に形成される無音区間内に挿入して記録する場合を説明する前に、これに対する参考資料として音楽情報を収録した一般的なCD(Compact Disc)の場合における無音区間について先に説明する。
【0123】
即ち、図15に示した如く、音楽情報を収録した一般的なCDの場合には、CDの規格書「Red Book」に従って、内周側に形成された不図示のリードイン領域内のTOC(Table of Contents)に、音楽情報の目次情報として各曲のスタートアドレスが予め記録されている。更に、CDのトラック上のデータ領域に記録された複数の曲にも各曲ごとに曲番号,インデックス番号,アドレスなどが図示した如くに記録されている。
【0124】
より具体的には、CD上に記録された複数の曲に対してn(但しnは2以上の自然数)を用いて一般化して表示した場合に、複数の曲のうちで例えばn−1番目の曲と、n番目の曲との間に無音区間が形成されている。
【0125】
また、n−1番目の曲に対応した曲番号n−1が、不図示のn−2番目の曲の演奏が終了した直後の演奏終了位置(図示せず)からn−1番目の曲の演奏が終了した直後の演奏終了位置までに亘って記録され、且つ、n−1番目の曲に対応した曲番号n−1の演奏終了位置はn−1番目の曲とn番目の曲との間に形成される無音区間内に設定されている。更に、n−1番目の曲に対応した曲番号n−1の演奏終了位置に続いてn番目の曲に対応した曲番号nが記録されている。
【0126】
また、n−1番目の曲及びn番目の曲にはそれぞれの曲内の楽章順番などを示すためのインデックス番号が01から最大で99まで付与可能になっており、n−1番目の曲内のインデックス番号01(〜99)はn−1番目の曲のスタートアドレス(図示せず)の位置からこの曲の曲番号n−1の演奏終了位置までの間に亘って記録され、一方、n番目の曲内のインデックス番号01(〜99)はn番目の曲のスタートアドレスの位置からこの曲の曲番号nの演奏終了位置(図示せず)までの間に亘って記録されている。この際、n−1番目の曲のスタートアドレス(図示せず)及びn番目の曲のスタートアドレスは、曲間の無音区間内にあってそれぞれの曲の演奏が開始する先端部より前の位置に記録されている。
【0127】
また、n−1番目の曲とn番目の曲との間に形成された無音区間内には、それぞれの曲とは関係がないインデックス番号00が記録されている区間があり、このインデックス番号00が記録される区間はn−1番目の曲の曲番号n−1の演奏終了位置とn番目の曲のスタートアドレスの位置との間に設定されている。
【0128】
上記により、n−1番目の曲は、この曲の曲番号n−1の演奏終了位置で終了するようになっている。一方、n番目の曲は、この曲のスタートアドレスの位置から開始されるようになっている。
【0129】
ここで、上記したCDのように、トラック上のデータ領域に記録された複数の曲に対応して各曲ごとに曲番号,インデックス番号,スタートアドレスが記録される場合に、本発明に係る記録媒体となるオリジナルCD10(図12)では、例えば、n−1番目の曲とn番目の曲との間に形成される無音区間内に、聴感上判別できない交流信号又は直流信号の特定データを図16〜図19に示した特定データ挿入形態1〜4のいずれかに基づいて挿入して記録している。
【0130】
まず、図16に示した如く、本発明に係る記録媒体における特定データ挿入形態1の場合では、オリジナルCD10(図12)上で、例えば、n−1番目の曲とn番目の曲との間に形成される無音区間内にあって、且つ、先に説明したような位置に付与されるインデックス番号00の区間内に上記した特定データを挿入して記録している。
【0131】
これにより、インデックス番号00の区間内に特定データを挿入して記録したオリジナルCD10をCD−R(コピー記録媒体)に丸ごとコピーした場合には、コピーしたCD−Rにもn−1番目の曲とn番目の曲との間に形成される無音区間内にあって、且つ、インデックス番号00の区間内に特定データが記録されてしまうために、コピーしたCD−Rを再生した時には先に説明したと同様にコピーした特定データによって読取不能区間が発生してCD−Rが再生不可能となるので、コピーしたCD−R上でのディジタル情報信号への著作権侵害を未然に防ぐことができる。
【0132】
しかしながら、インデックス番号00の区間内に特定データを挿入して記録したオリジナルCD10をCD−Rにコピーする際に、ユーザーがオリジナルCD10に対して各曲間の無音区間を避けてランダムアクセスにより各曲のスタートアドレスの位置から複数の曲をつめてCD−Rにコピーすることも考えられ、この場合には各曲間の無音区間がCD−R上にコピーされないためにオリジナルCD10上で各曲間に設定される各インデックス番号00の区間内に記録した各特定データもコピーされず、これによりコピーしたCD−Rを再生しても読み取り不能区間が発生しなくなってしまい、オリジナルCD10上での特定データによるコピー防止機能がコピーしたCD−R上で機能しないことになってしまう。これを避けるために、本発明では、オリジナルCD10に対してユーザーが各曲のスタートアドレスの位置から複数の曲をつめてCD−Rにコピーした場合でも各曲間の無音区間内に記録した各特定データが必ずコピーされるように下記する図17〜図19に示した特定データ挿入形態2〜4のいずれかを採用することで、オリジナルCD10でのコピー防止機能をより一層向上させることができるものである。
【0133】
即ち、図17に示した如く、本発明に係る記録媒体における特定データ挿入形態2の場合では、オリジナルCD10上で、例えば、n−1番目の曲とn番目の曲との間に形成される無音区間内に設定するn−1番目の曲の曲番号n−1の演奏終了位置を、図16に示した場合の曲番号n−1の演奏終了位置よりもn番目の曲のスタートアドレス側に延長して、n−1番目の曲の終端部とここで延長した曲番号n−1の演奏終了位置との間に上記した特定データを挿入して記録している。これに伴って、インデックス番号00が記録される区間は短縮される。
【0134】
また、ここでの図示を省略するものの、n−1番目の曲の曲番号n−1の演奏終了位置をn番目の曲のスタートアドレスの位置と一致するまで延長して、n−1番目の曲の終端部とここでスタートアドレスの位置まで延長した曲番号n−1の演奏終了位置との間に特定データを挿入して記録しても良く、この場合にはインデックス番号00が記録される区間が削除されるものの、曲番号n−1の演奏終了位置でn−1番目の曲が終了し、この位置と同じ位置となるn番目の曲のスタートアドレスの位置からn番目の曲が開始されるので何等の支障もきたさない。
【0135】
従って、図17に示したような特定データ挿入形態2の技術的思想を採用してオリジナルCD10を作製した場合に、聴感上判別できない特定データは曲間に形成される無音区間内にあって、且つ、インデックス番号00の区間を除いた区間内に挿入して記録することになり、このオリジナルCD10に対してユーザーが各曲のスタートアドレスの位置から複数の曲をつめてCD−Rにコピーした場合でも、例えば、n−1番目の曲は曲番号n−1の演奏終了位置まで必ずコピーされるために、オリジナルCD10上でn−1番目の曲の終端部とこの曲の曲番号n−1の演奏終了位置との間に記録した特定データもCD−R上に必ずコピーされるので、コピーしたCD−Rを再生すれば特定データによってCD−Rが再生不能におちいることは前述した通りである。勿論、図17に示したような特定データ挿入形態2の技術的思想を採用したオリジナルCD10をCD−Rに丸ごとコピーしてもn−1番目の曲の終端部に続いて特定データがコピーされることは明白である。
【0136】
次に、図18に示した如く、本発明に係る記録媒体における特定データ挿入形態3の場合では、オリジナルCD10上で、例えば、n−1番目の曲とn番目の曲との間に形成される無音区間内に設定するn番目の曲のスタートアドレスの位置を、図16に示した場合のn番目の曲のスタートアドレスの位置よりもn−1番目の曲の曲番号n−1の演奏終了位置側に移動して、n番目の曲のスタートアドレスの位置とこの曲の先端部との間に上記した特定データを挿入して記録している。これに伴って、インデックス番号00が記録される区間は短縮される。更に、この場合には、n番目の曲のスタートアドレスの位置がn−1番目の曲側に移動されるので、n番目の曲のスタートアドレスの位置からn番目の曲の先頭部に至るまでに無音状態が少し長く続く傾向があるものの、この際にn番目の曲のスタートアドレスの位置からn番目の曲の先頭部に至るまでの区間をユーザーが無音状態を許容できる時間範囲内に設定すれば何等の支障もきたさない。
【0137】
また、ここでの図示を省略するものの、n番目の曲のスタートアドレスの位置をn−1番目の曲の曲番号n−1の演奏終了位置に一致させて、曲番号n−1の演奏終了位置に一致させたn番目の曲のスタートアドレスの位置とn番目の曲の先端部との間に特定データを挿入して記録しても良く、この場合にもインデックス番号00が記録される区間が削除されるものの、曲番号n−1の演奏終了位置でn−1番目の曲が終了し、この位置と同じ位置となるn番目の曲のスタートアドレスの位置からn番目の曲が開始されるので何等の支障もきたさない。
【0138】
従って、図18に示したような特定データ挿入形態3の技術的思想を採用してオリジナルCD10を作製した場合に、聴感上判別できない特定データは曲間に形成される無音区間内にあって、且つ、インデックス番号00の区間を除いた区間内に挿入して記録することになり、このオリジナルCD10に対してユーザーが各曲のスタートアドレスの位置から複数の曲をつめてCD−Rにコピーした場合でも、例えば、n番目の曲のスタートアドレスの位置から必ずコピーされるために、オリジナルCD10上でn番目の曲のスタートアドレスとこの曲の先端部との間に記録入した特定データもCD−R上に必ずコピーされるので、コピーしたCD−Rを再生すれば特定データによってCD−Rが再生不能におちいることは前述した通りである。勿論、図18に示したような特定データ挿入形態3の技術的思想を採用したオリジナルCD10をCD−Rに丸ごとコピーしてもn番目の曲のスタートアドレスに続いて特定データがコピーされることは明白である。
【0139】
次に、図19に示した如く、本発明に係る記録媒体における特定データ挿入形態4の場合は、図16に示した特定データ挿入形態1と、図17に示した特定データ挿入形態2と、図18に示した特定データ挿入形態3とを組み合わせてオリジナルCD10を作製しており、例えば、n−1番目の曲の終端部とこの曲の曲番号n−1の演奏終了位置との間に上記した特定データを挿入して記録し、且つ、インデックス番号00の区間内にも特定データを挿入して記録し、更に、n番目の曲のスタートアドレスの位置とこの曲の先端部との間に特定データを挿入して記録している。
【0140】
尚、図19では上記した特定データ挿入形態1〜3の3組を組み合わせた場合を図示しているが、これに限ることなく、特定データ挿入形態1〜3のうちで少なくとも2組以上を組み合わせてオリジナルCD10を作製しても良いものである。
【0141】
従って、上記した特定データ挿入形態1〜3のうちで少なくとも2組以上を組み合わせて作製したオリジナルCD10をCD−Rに丸ごとコピーしたり、あるいは、ユーザーが各曲のスタートアドレスの位置から複数の曲をつめてCD−Rにコピーした場合でも、CD−R上の曲間に少なくとも一つ以上の特定データが必ずコピーされるので、コピーしたCD−Rを再生すれば少なくとも一つ以上の特定データによってCD−Rが再生不能におちいることは前述した通りである。
【0142】
尚、以上詳述した本発明に係る変調装置、変調方法、記録媒体では、CDに用いられているEFM変調(8−14変調)方式の場合について説明したが、CD規格に限定されることなく、pビットの入力データ語Dをqビットの符号語Cに変換する際に、一つの符号語Cxに続く次の符号語Cyと次の次の符号語Czとを少なくとも先読みし、且つ、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)基づいて設定された最小ランレングス(d+1)T〜最大ランレングス(k+1)Tを厳守せずに、最小ランレングス(d+1)T〜最大ランレングス(k+2)Tを許容するように隣り合う符号語C,C間にDSV値が最良となるようなrビットの結合ビット1bを付加して符号語列を生成するp−q変調ならばいかなるものでも上記した技術的思想を適用できる。
【0143】
更に尚、p−q変調すべき入力データ語Dを音楽情報とし、且つ、pビットの入力データ語Dをqビットの符号語Cに変換する際に、一つの符号語Cxに続く次の符号語Cyと次の次の符号語Czとを少なくとも先読みし、且つ、所定のランレングス制限規則RLL(d,k)に基づいて設定された最小ランレングス(d+1)T〜最大ランレングス(k+1)Tを厳守せずに、最小ランレングス(d+1)T〜最大ランレングス(k+2)Tを許容するように隣り合う符号語C,C間にDSV値が最良となるようなrビットの結合ビット1bを付加して符号語列を生成して、p−q変調した音楽情報をオリジナルCD10(図12)に記録する時に、聴感上判別できない交流信号又は直流信号の特定データを音楽情報中の曲と曲との間に形成される無音区間内に挿入して記録すれば良く、更に、コピー防止機能の性能をより一層高めるためには、上記した特定データを曲間に形成される無音区間内にあって、且つ、インデックス番号00の区間を除いた区間内に挿入して記録すれば良いものである。
【0144】
【発明の効果】
以上詳述した本発明に係る変調装置、変調方法、記録媒体によれば、pビットの入力データ語をqビットの符号語に変換し、且つ、隣り合う符号語間にrビットの結合ビットを所定のランレングス制限規則を厳守せずに付加して符号語列を生成する際に、とくに、一つの符号語に続く次の符号語と次の次の符号語とを少なくとも先読みし、且つ、一つの符号語と次の符号語との間にrビットによる複数組の結合ビットを所定のランレングス制限規則を厳守せずに仮に付加して複数組の符号語列を生成し、更に、複数組の符号語列中の次の符号語と少なくとも次の次の符号語との間にもrビットによる複数組の結合ビットを所定のランレングス制限規則をせずに仮に付加して、少なくとも一つの符号語から次の次の符号語までの符号語列を多数組生成し、この後、多数組の符号語列の各DSV値のうちでDSV値の絶対値が一番零に近い一つの組の符号語列を選択して、この一つの組の符号語列中における一つの符号語と次の符号語との間に付加した結合ビットを用い、一つの符号語から結合ビットを介して次の符号語までを結合して最終的に決定した一つの決定符号語列を出力しているので、この決定符号語列を多数連ねて記録した記録媒体では何等の支障も生じることなく正常に再生できると共に、この記録媒体をコピーしたコピー記録媒体を再生した時に、多数連ねてコピーした決定符号語列の再生信号には特定の周波数の成分が増加し且つDSV値も破綻をきたして再生できなくなるので、コピーしたコピー記録媒体上でのディジタル情報信号への著作権侵害を未然に防ぐことができる。
【0145】
また、本発明の変調装置又は本発明の変調方法により、入力データ語として聴感上判別できない交流信号データ又は直流信号データを所定の期間に亘って入力し、この入力データ語をp−q変調により符号化して記録媒体に記録した場合に、この記録媒体をコピーしたコピー記録媒体を再生すれば、DSV制御不良による読取不能区間中に“ギー音”とか“ギャー音”など耳ざわりな音が発生するために、コピー記録媒体が異常な記録媒体であることをユーザーに知らせることができると共に、コピーした記録媒体上でのディジタル情報信号への著作権侵害を未然に防ぐことができる。
【0146】
更に、本発明に係る変調装置、変調方法、記録媒体によれば、入力データ語を音楽情報とし、且つ、聴感上判別できない交流信号又は直流信号の特定データを所定の期間に亘って入力する場合に、前記した特定データを曲と曲との間に形成される無音区間内に挿入したり、又は、特定データを曲と曲との間に形成される無音区間内にあって、且つ、インデックス番号00の区間を除いた区間内に挿入して記録媒体に記録することにより、この記録媒体をコピーしたコピー記録媒体を再生した時に、コピーした特定データによって読取不能区間が発生してコピー記録媒体が再生不可能となるので、コピー記録媒体上でのディジタル情報信号への著作権侵害を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CDに収録されている音楽情報の信号フォーマットについて説明するための図であり、(a)は音楽元データを示し、(b)はEFM信号を示した図である。
【図2】8−14変調時の符号化テーブルを示した図である。
【図3】(a),(b)は8−14変調時のDSV制御を説明するための図である。
【図4】従来の変調装置を説明するために模式的に示したブロック図である。
【図5】(a)〜(c)は従来の変調装置を用いて所定のランレングス制限規則を厳守しながら一つの符号語とこれに続く次の符号語との間に結合ビットを付加して符号語列を生成する場合に、結合ビットとして(000),(001),(010)を仮に付加した時に、複数組の符号語列のDSV値を演算した状態を説明するための図である。
【図6】従来例の一例として、コピー防止対策を施した光ディスクを示した縦断面図である。
【図7】本発明に係る本実施例の変調装置、変調方法を説明するために模式的に示したブロック図である。
【図8】(a)〜(c)は本実施例の変調装置を用いてCD規格上のランレングス制限規則を厳守せずに一つの符号語とこれに続く次の符号語との間に結合ビットを付加して符号語列を生成する場合に、一つの符号語に続く次の符号語と次の次の符号語とを先読みして、一つの符号語と次の符号語との間に1組の結合ビット(000)を仮に付加すると共に、次の符号語と次の次の符号語との間に3組の結合ビット(000),(001),(010)を仮に付加した時に、多数組の符号語列の各DSV値を演算した状態を説明するための図である。
【図9】(a)〜(c)は本実施例の変調装置を用いてCD規格上のランレングス制限規則を厳守せずに一つの符号語とこれに続く次の符号語との間に結合ビットを付加して符号語列を生成する場合に、一つの符号語に続く次の符号語と次の次の符号語とを先読みして、一つの符号語と次の符号語との間に1組の結合ビット(001)を仮に付加すると共に、次の符号語と次の次の符号語との間に3組の結合ビット(000),(001),(010)を仮に付加した時に、多数組の符号語列の各DSV値を演算した状態を説明するための図である。
【図10】(a)〜(c)は本実施例の変調装置を用いてCD規格上のランレングス制限規則を厳守せずに一つの符号語とこれに続く次の符号語との間に結合ビットを付加して符号語列を生成する場合に、一つの符号語に続く次の符号語と次の次の符号語とを先読みして、一つの符号語と次の符号語との間に1組の結合ビット(010)を仮に付加すると共に、次の符号語と次の次の符号語との間に3組の結合ビット(000),(001),(010)を仮に付加した時に、多数組の符号語列の各DSV値を演算した状態を説明するための図である。
【図11】本発明に係る本実施例のオリジナルCDの場合と、オリジナルCDをコピーしたCD−Rの場合とで、符号語列のDSV値変動に伴う周波数スペクトラムの差を示した図である。
【図12】(a),(b)は本発明に係る本実施例の記録媒体となる光ディスクを説明するための斜視図,縦断面である。
【図13】(a)は音楽元データADとして聴感上判別できない交流信号の特定データを符号化して作製した本発明のオリジナルCDを再生した場合を示し、(b)は本発明のオリジナルCDをコピーしたCD−Rを再生した場合を示した図である。
【図14】(a)は音楽元データADとして聴感上判別できない直流信号の特定データを符号化して作製した本発明のオリジナルCDを再生した場合を示し、(b)は本発明のオリジナルCDをコピーしたCD−Rを再生した場合を示した図である。
【図15】一般的なCDにおける曲間の無音区間について説明するための模式図である。
【図16】本発明に係る記録媒体において、聴感上判別できない特定データを曲間の無音区間内に挿入する特定データ挿入形態1の場合について説明するための模式図である。
【図17】本発明に係る記録媒体において、聴感上判別できない特定データを曲間の無音区間内に挿入する特定データ挿入形態2の場合について説明するための模式図である。
【図18】本発明に係る記録媒体において、聴感上判別できない特定データを曲間の無音区間内に挿入する特定データ挿入形態3の場合について説明するための模式図である。
【図19】本発明に係る記録媒体において、聴感上判別できない特定データを曲間の無音区間内に挿入する特定データ挿入形態4の場合について説明するための模式図である。
【符号の説明】
1…EFM信号、
1a…同期信号、1b…結合ビット、1c…サブコード、
1d…第1符号語列、1e…C2エラー訂正コード、
1f…第2符号語列、1g…C1エラー訂正コード、
10…本発明に係る本実施例の記録媒体となる光ディスク、
11…透明ディスク基板、12…記録トラック、
20…従来の変調装置、
21…8−14変調回路、22…結合ビット付加回路、
23…DSV値演算回路、24…DSV値比較回路・結合ビット選択回路、
30…本実施例の変調装置、
31…8−14変調回路、
32A…第1結合ビット付加回路、32B…第2結合ビット付加回路、
33A…第1DSV値演算回路、33B…第2DSV値演算回路、
34…DSV値比較回路・結合ビット選択回路、
35…決定符号語列出力回路。
Claims (13)
- pビットの入力データ語をqビットの符号語に変換し、且つ、隣り合う符号語間にrビットの結合ビットを付加して符号語列を生成し、この符号語列を出力する変調装置において、
pビットの前記入力データ語をqビットの前記符号語に変換する際に、一つの符号語に続く次の符号語と、次の次の符号語とを少なくとも先読みする変調手段と、
前記一つの符号語と前記次の符号語との間に前記rビットによる複数組の結合ビットを所定のランレングス制限規則を厳守せずに仮に付加して複数組の符号語列を生成し、更に、前記複数組の符号語列中の前記次の符号語と少なくとも前記次の次の符号語との間にも前記rビットによる複数組の結合ビットを所定のランレングス制限規則を厳守せずに仮に付加して、少なくとも前記一つの符号語から前記次の次の符号語までの符号語列を多数組生成する結合ビット付加手段と、
前記結合ビット付加手段で生成した多数組の前記符号語列の各DSV値を演算するDSV値演算手段と、
前記DSV値演算手段で得られた多数組の前記符号語列の各DSV値のうちで、DSV値の絶対値が一番零に近い一つの組の前記符号語列を選択する比較・選択手段と、
前記比較・選択手段で選択した前記一つの組の前記符号語列中における前記一つの符号語と前記次の符号語との間に付加した結合ビットを用い、前記一つの符号語から前記結合ビットを介して前記次の符号語までを結合して最終的に決定した一つの決定符号語列を出力する決定符号語列出力手段とを備えことを特徴とする変調装置。 - 請求項1記載の変調装置において、
前記符号語列に対してランレングス制限規則RLL(d,k)に基づいて設定された最大ランレングス(k+1)Tを厳守せずに最大ランレングス(k+2)Tを許容して前記隣り合う符号語間に前記rビットの結合ビットを付加することを特徴とする変調装置。 - 請求項1ないしは請求項2記載の変調装置において、
ランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守して出力される符号語列には特定の周波数の成分を含むことになる特定データを、前記入力データ語として所定の期間に亘って入力し、且つ、その期間は前記符号語列に対してランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守せずに出力することを特徴とする変調装置。 - 請求項3記載の変調装置において、
前記特定データは聴感上判別できない交流信号データ又は直流信号データであることを特徴とする変調装置。 - 請求項3記載の変調装置において、
前記入力データ語を音楽情報とし、且つ、聴感上判別できない前記特定データを所定の期間に亘って入力する場合に、前記特定データを曲と曲との間に形成される無音区間内に挿入したことを特徴とする変調装置。 - 請求項3記載の変調装置において、
前記入力データ語を音楽情報とし、且つ、聴感上判別できない前記特定データを所定の期間に亘って入力する場合に、前記特定データを曲と曲との間に形成される無音区間内にあって、且つ、インデックス番号00の区間を除いた区間内に挿入したことを特徴とする変調装置。 - pビットの入力データ語をqビットの符号語に変換し、且つ、隣り合う符号語間にrビットの結合ビットを付加して符号語列を生成し、この符号語列を出力する変調方法において、
pビットの前記入力データ語をqビットの前記符号語に変換する際に、一つの符号語に続く次の符号語と、次の次の符号語とを少なくとも先読みする第1ステップと、
前記一つの符号語と前記次の符号語との間に前記rビットによる複数組の結合ビットを所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守せずに仮に付加して複数組の符号語列を生成し、更に、前記複数組の符号語列中の前記次の符号語と少なくとも前記次の次の符号語との間にも前記rビットによる複数組の結合ビットを所定のランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守せずに仮に付加して、少なくとも前記一つの符号語から前記次の次の符号語までの符号語列を多数組生成する第2ステップと、
前記第2ステップで生成した多数組の前記符号語列の各DSV値を演算する第3ステップと、
前記第3ステップで得られた多数組の前記符号語列の各DSV値のうちで、DSV値の絶対値が一番零に近い一つの組の前記符号語列を選択する第4ステップと、
前記第4ステップで選択した前記一つの組の前記符号語列中における前記一つの符号語と前記次の符号語との間に付加した結合ビットを用い、前記一つの符号語から前記結合ビットを介して前記次の符号語までを結合して最終的に決定した一つの決定符号語列を出力する第5ステップとからなることを特徴とする変調方法。 - 請求項7記載の変調方法において、
前記符号語列に対してランレングス制限規則RLL(d,k)に基づいて設定された最大ランレングス(k+1)Tを厳守せずに最大ランレングス(k+2)Tを許容して前記隣り合う符号語間に前記rビットの結合ビットを付加することを特徴とする変調方法。 - 請求項7ないしは請求項8記載の変調方法において、
ランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守して出力される符号語列には特定の周波数の成分を含むことになる特定データを、前記入力データ語として所定の期間に亘って入力し、且つ、その期間は前記符号語列に対してランレングス制限規則RLL(d,k)を厳守せずに出力することを特徴とする変調方法。 - 請求項9記載の変調方法において、
前記特定データは聴感上判別できない交流信号データ又は直流信号データであることを特徴とする変調方法。 - 請求項9記載の変調方法において、
前記入力データ語を音楽情報とし、且つ、聴感上判別できない前記特定データを所定の期間に亘って入力する場合に、前記特定データを曲と曲との間に形成される無音区間内に挿入したことを特徴とする変調方法。 - 請求項9記載の変調方法において、
前記入力データ語を音楽情報とし、且つ、聴感上判別できない前記特定データを所定の期間に亘って入力する場合に、前記特定データを曲と曲との間に形成される無音区間内にあって、且つ、インデックス番号00の区間を除いた区間内に挿入したことを特徴とする変調方法。 - 請求項1〜請求項6記載の変調装置、ないしは請求項7〜請求項12記載の変調方法のいずれかによって符号化した前記符号語列を記録した記録媒体。
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