JP2004152371A - オーディオデータ加工方法、プログラム、記録媒体およびオーディオデータ - Google Patents

オーディオデータ加工方法、プログラム、記録媒体およびオーディオデータ Download PDF

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Abstract

【課題】加工後のオーディオデータを記録処理して媒体に記録した場合、DSVが発散することによって、正常に再生できなくする。
【解決手段】オリジナルデータに対してCIRCエンコード処理がなされ(ST1)、ST2でエンコード済みのデータに対して下位8ビットに相当する部分およびC2パリティのデータを変更し、EFM変調した場合にDSVが発散するようなデータに置換する加工を行う。オーディオデータのみが変更されている部分について、C2パリティを再計算する(ST3)。C2符号語単位で見たときに、C2パリティを含んで変更されている部分について、一部のデータを変更することによってC2パリティが正しいものとなるようにする(ST4)。C1符号語単位で見たときに、変更されたデータを含む部分に対してC1パリティを再計算する(ST5)。CIRCデコード処理を行い加工済みデータを得る(ST6)。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばCD方式の記録処理に対して適用されるオーディオデータ加工方法、プログラム、記録媒体およびオーディオデータに関する。
【0002】
【従来の技術】
CD(Compact Disc )やCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory) 等の光ディスクは、取り扱いが容易で、製造コストも比較的安価なことから、データを保存しておくための記録媒体として、広く普及している。また、近年、データを追記録可能なCD−R(Compact Disc Recordable)ディスクや、データの再記録が可能なCD−RW(Compact Disc ReWritable)ディスクが登場してきており、このような光ディスクにデータを記録することも簡単に行えるようになってきてきる。このことから、CD−DAディスクや、CD−ROMディスク、CD−Rディスク、CD−RWディスク等、CD規格に準拠した光ディスクは、データ記録媒体の中核となってきている。更に、近年、MP3(MPEG1 Audio Layer−3 )やATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding) 3でオーディオデータを圧縮して、CD−ROMディスクやCD−Rディスク、CD−RWディスク等に記録することが行われている。
【0003】
ところが、CD−RディスクやCD−RW(Compact Disc ReWritable)ディスクの登場により、CDのディスクに記録されているデータは簡単にコピーできるようになってきている。このため、著作権の保護の問題が生じてきており、CDのディスクにコンテンツデータを記録する際に、コンテンツデータを保護するための対策を講じる必要性がある。
【0004】
典型的なコピー処理は、オリジナルのCDからの再生データをパーソナルコンピュータとCD−ROMドライブによってCD−Rに記録することである。このようなコピー処理によって、オリジナルのCDからコピーディスクを作成することを防ぐ方法の1つが下記の特許文献1に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−288864号公報
【0006】
この特許文献1には、オリジナルのディスクを作成するための特殊なエンコーダによって符号化した場合には、DSV(Digital Sum Variation) が収束し、オリジナルディスクからの再生データを正常に読み取ることができる特定のパターンのデータを使用することが記載されている。すなわち、オリジナルディスクの再生データを標準的エンコーダによって再符号化してコピーディスクを作成した場合には、特定のパターンのデータの部分でDSVが大きく累積し、アナログ再生回路がDSVの偏りに影響されて正常に再生データを読み取ることができない。オリジナルディスクのコピーは、CD−Rへの記録動作において、標準のエンコーダによる再符号化を伴うので、オリジナルディスクに記録されているデータに対して上述した処理が施されていれば、コピーディスクを再生した場合には、正常にデータを読み取れず、実質的にコピーを防止することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法では、EFMストリームにおいて、DSVが発散するようなデータパターンを用いて、再生回路に対するデータの偏りの影響によって、再生動作が正常に行えなくなることを利用している。このように特定のパターンのデータを使用しており、通常、特定のパターンのデータは、音楽データとして再生すると、異音となるために、音楽等のオーディオデータに対して適用できない問題があった。
【0008】
したがって、この発明の目的は、任意の音楽等のオーディオデータに対して、元のデータを大きく損なうことなく加工を行い、且つ加工後のオーディオデータを記録した場合には、DSVが発散するようなオーディオデータ加工方法、プログラム、記録媒体およびオーディオデータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、所定の記録処理を介して記録媒体に記録されるオーディオデータの加工方法であって、
所定の記録処理がオーディオデータを上位ビットのシンボルと下位ビットのシンボルとに分割し、複数のシンボルに対して第1のエラー訂正符号の符号化を行い、複数のシンボルと第1のエラー訂正符号のパリティとをインターリーブ処理し、インターリーブ後のデータに対して第2のエラー訂正符号の符号化を行うエラー訂正符号化処理と、複数のシンボルと第1のエラー訂正符号のパリティと第2のエラー訂正符号のパリティとをランレングスが制限されたディジタル変調方式で変調する処理とからなり、
記録処理後のデータストリームにおいて、DSVが発散するように、オーディオデータの下位ビットのシンボルを他のデータへ置き換えるオーディオデータ加工方法である。
【0010】
請求項3の発明は、所定の記録処理を介して記録媒体に記録されるオーディオデータの加工方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
所定の記録処理がオーディオデータを上位ビットのシンボルと下位ビットのシンボルとに分割し、複数のシンボルに対して第1のエラー訂正符号の符号化を行い、複数のシンボルと第1のエラー訂正符号のパリティとをインターリーブ処理し、インターリーブ後のデータに対して第2のエラー訂正符号の符号化を行うエラー訂正符号化処理と、複数のシンボルと第1のエラー訂正符号のパリティと第2のエラー訂正符号のパリティとをランレングスが制限されたディジタル変調方式で変調する処理とからなり、
記録処理後のデータストリームにおいて、DSVが発散するように、オーディオデータの下位ビットのシンボルを他のデータへ置き換えるオーディオデータ加工方法のプログラムである。
【0011】
請求項4の発明は、所定の記録処理を介して記録媒体に記録されるオーディオデータの加工方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
所定の記録処理がオーディオデータを上位ビットのシンボルと下位ビットのシンボルとに分割し、複数のシンボルに対して第1のエラー訂正符号の符号化を行い、複数のシンボルと第1のエラー訂正符号のパリティとをインターリーブ処理し、インターリーブ後のデータに対して第2のエラー訂正符号の符号化を行うエラー訂正符号化処理と、複数のシンボルと第1のエラー訂正符号のパリティと第2のエラー訂正符号のパリティとをランレングスが制限されたディジタル変調方式で変調する処理とからなり、
記録処理後のデータストリームにおいて、DSVが発散するように、オーディオデータの下位ビットのシンボルを他のデータへ置き換えるオーディオデータ加工方法のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0012】
請求項5の発明は、所定の記録処理を介して記録媒体に記録されるオーディオデータであって、
所定の記録処理がオーディオデータを上位ビットのシンボルと下位ビットのシンボルとに分割し、複数のシンボルに対して第1のエラー訂正符号の符号化を行い、複数のシンボルと第1のエラー訂正符号のパリティとをインターリーブ処理し、インターリーブ後のデータに対して第2のエラー訂正符号の符号化を行うエラー訂正符号化処理と、複数のシンボルと第1のエラー訂正符号のパリティと第2のエラー訂正符号のパリティとをランレングスが制限されたディジタル変調方式で変調する処理とからなり、
記録処理後のデータストリームにおいて、DSVが発散するように、オーディオデータの下位ビットのシンボルを他のデータへ置き換えられたオーディオデータである。
【0013】
この発明では、オーディオデータ等の情報信号を大きく損なうことなく、オーディオデータを加工し、加工済みのオーディオデータをCIRCおよびEFM変調して記録媒体例えばCD−Rに記録した場合には、記録されたEFMストリームがDSVが発散したものとなる。このように、DSVが発散したデータは、直流分のないものとして設計されている再生系の回路に対して影響し、再生時に読み取りエラー、読み取り不能を生じさせ、正常に再生することができない。それによって、CD−R等の記録媒体へのコピーを抑える効果がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について説明する。最初に、この発明の理解の容易のために、CDの記録方式等について説明する。図1は、CDを作成するためのマスタリング装置の構成の一例を示す。マスタリング装置は、例えばArイオンレーザ、He−CdレーザやKrイオンレーザ等のガスレーザや半導体レーザであるレーザ1と、このレーザ1から出射されたレーザ光を変調する音響光学効果型または電気光学型の光変調器2と、この光変調器2を通過したレーザ光を集光し、感光物質であるフォトレジストが塗布されたディスク状のガラス原盤4のフォトレジスト面に照射する対物レンズ等を有する記録手段である光ピックアップ3を有する。
【0015】
光変調器2は、記録信号にしたがって、レーザ1からのレーザ光を変調する。そして、マスタリング装置は、この変調されたレーザ光をガラス原盤4に照射することによって、データが記録されたマスタを作成する。また、光ピックアップ3をガラス原盤4との距離が一定に保つように制御したり、トラッキングを制御したり、スピンドルモータ5の回転駆動動作を制御するためのサーボ部(図示せず)が設けられている。ガラス原盤4がスピンドルモータ5によって回転駆動される。
【0016】
光変調器2には、EFM変調器12からの記録信号が供給される。入力端子6からは、記録するメインのディジタルデータが供給される。メインのディジタルデータは、例えば2チャンネルステレオのディジタルオーディオデータである。入力端子7からは、現行のCD規格に基づいたチャンネルP〜Wのサブコードが供給される。さらに、入力端子8からは、フレームシンクが供給される。
【0017】
メインディジタルデータは、CIRC(Cross Interleave Reed−Solomon Code)エンコーダ9に供給され、エラー訂正用のパリティデータ等を付加するエラー訂正符号化処理やスクランブル処理が施される。すなわち、1サンプルあるいは1ワードの16ビットが上位8ビットと下位8ビットとに分割されてそれぞれシンボルとされ、このシンボル単位で、例えばCIRCによるエラー訂正用のパリティデータ等を付加するエラー訂正符号化処理やスクランブル処理が施される。入力端子7からのサブコードがサブコードエンコーダ10にてサブコードのEFMフレームフォーマットを有するサブコードに変換される。
【0018】
CIRCエンコーダ9の出力、サブコードエンコーダ10の出力およびフレームシンクがマルチプレクサ11に供給され、所定の順序に配列される。マルチプレクサ11の出力データがEFM変調器12に供給され、変換テーブルにしたがって8ビットのシンボルが14チャンネルビットのデータへ変換される。EFM変調器12の出力が光変調器2に供給される。
【0019】
EFM変調12からCDのEFMフレームフォーマットの記録信号が発生する。この記録信号が光変調器2に供給され、光変調器2からの変調されたレーザビームによってガラス原盤4上のフォトレジストが露光される。このように記録がなされたガラス原盤4を現像し、電鋳処理することによってメタルマスタを作成し、次に、メタルマスタからマザーディスクが作成され、さらに次に、マザーディスクからスタンパが作成される。スタンパーを使用して、圧縮成形、射出成形等の方法によって、光ディスクが作成される。
【0020】
図2は、CDの1EFMフレームのデータ構成を示す。CDでは、2チャンネルのディジタルオーディオデータ合計12サンプル(24シンボル)から各4シンボルのパリティQおよびパリティPが形成される。この合計32シンボルに対してサブコードの1シンボルを加えた33シンボル(264データビット)をひとかたまりとして扱う。つまり、EFM変調後の1フレーム内に、1シンボルのサブコードと、24シンボルのデータと、4シンボルのQパリティと、4シンボルのPパリティとからなる33シンボルが含まれる。
【0021】
EFM変調方式(eight to fourteen modulation: EFM)では、各シンボル(8データビット)が14チャンネルビットへ変換される。EFM変調の最小時間幅(記録信号の1と1との間の0の数が最小となる時間幅)Tmin が3Tであり、3Tに相当するピット長が0.87μm となる。Tに相当するピット長が最短ピット長である。また、各14チャンネルビットの間には、3ビットのマージビット(結合ビットとも称される)が配される。さらに、フレームの先頭にフレームシンクパターンが付加される。フレームシンクパターンは、チャンネルビットの周期をTとする時に、11T、11Tおよび2Tが連続するパターンとされている。このようなパターンは、EFM変調規則では、生じることがないもので、特異なパターンによってフレームシンクを検出可能としている。1EFMフレームは、総ビット数が588チャンネルビットからなるものである。フレーム周波数は、7.35kHzとされている。
【0022】
このようなEFMフレームを98個集めたものは、サブコードフレーム(またはサブコードブロック)と称される。98個のフレームを縦方向に連続するように並べ換えて表したサブコードフレームは、サブコードフレームの先頭を識別するためのフレーム同期部と、サブコード部と、データおよびパリティ部とからなる。なお、このサブコードフレームは、通常のCDの再生時間の1/75秒に相当する。
【0023】
このサブコード部は、98個のEFMフレームから形成される。サブコード部における先頭の2フレームは、それぞれ、サブコードフレームの同期パターンであるとともに、EFMのアウトオブルール(out of rule)のパターンである。また、サブコード部における各ビットは、それぞれ、P,Q,R,S,T,U,V,Wチャンネルを構成する。
【0024】
図3は、上述したマスタリングおよびスタンピングによって作成された光ディスク(CD)を再生する再生装置の構成の一例を示す。図3において、参照符号21がマスタリング、スタンピングの工程で作成されたディスクを示す。参照符号22がディスク21を回転駆動するスピンドルモータであり、23がディスク21に記録された信号を再生するための光ピックアップである。光ピックアップ23は、レーザ光をディスク21に照射する半導体レーザ、対物レンズ等の光学系、ディスク21からの戻り光を受光するディテクタ、フォーカスおよびトラッキング機構等からなる。さらに、光ピックアップ23は、スレッド機構(図示しない)によって、ディスク21の径方向に送られる。
【0025】
光ピックアップ23の例えば4分割ディテクタからの出力信号がRF部24に供給される。RF部24は、アシンメトリ補正装置を有し、再生RF信号を2値化する。また、RF部24は、4分割ディテクタの各ディテクタの出力信号を演算することによって、再生(RF)信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号を生成する。再生信号がシンク検出部25に供給される。シンク検出部25は、各EFMフレームの先頭に付加されているフレームシンクを検出する。検出されたフレームシンク、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号がサーボ部26に供給される。サーボ部26は、RF信号の再生クロックに基づいてスピンドルモータ22の回転動作を制御したり、光ピックアップ23のフォーカスサーボ、トラッキングサーボを制御する。
【0026】
フレームシンク検出部25から出力されるメインデータがEFM復調器27に供給され、EFM復調の処理を受ける。EFM復調器27からのメインディジタルデータは、CIRCデコーダ28に供給され、エラー訂正の処理を受ける。さらに、補間回路29によって補間され、出力端子30に再生データとして取り出される。EFM復調器27からのサブコードデータがシステムコントローラ32に供給される。
【0027】
システムコントローラ32は、マイクロコンピュータによって構成されており、再生装置全体の動作を制御する。システムコントローラ32と関連して、操作ボタンおよび表示部33が設けられている。システムコントローラ32は、ディジタル21の所望の位置にアクセスするために、サーボ部26を制御するようになされている。
【0028】
図4は、EFM変調器12における8ビットのデータビット(適宜データシンボルと称する)を14ビットのチャンネルビット(適宜コードシンボルと称する)へ変換する規則を示す変換テーブルの一部である。図4では、データビットが16進表記(00〜FF)と、10進表記(0〜255)と、2進表記とで示されている。また、コードシンボルの14ビット中の”1” は、値が反転する位置を示している。データシンボルが8ビットであるので、256通りのコードシンボルのパターンが存在する。14ビットのコードシンボルの全ては、最小時間幅(記録信号の1と1との間の0の数が最小となる時間幅)Tminが3Tであり、最大時間幅(記録信号の1と1との間の0の数が最大となる時間幅)Tmaxが11TであるEFMの規則(以下、適宜ランレングスリミット条件と呼ぶ)を満たしている。
【0029】
14ビットのコードシンボル同士を接続する場合でも、上述したTmin=3T、Tmax=11Tのランレングスリミット条件を満たすためにマージビットが必要とされる。マージビットとして、(000)、(001),(010),(100)の4種類のパターンが用意されている。14ビット同士の接続のためにマージビットが使用される一例について図5を参照して説明する。なお、以下の例は、「コンパクトディスク読本(改定3版)」(平成13年3月25日、オーム社発行)に記載されているものである。
【0030】
図5Aに示すように、前の14ビットのパターンが(010)で終わり、次のデータシンボルが(01110111)(16進表記では、77、10進表記では、119)の場合を考える。このデータシンボルは、14ビットのパターン(00100010000010)に変換される。タイミングtで前の14ビットのパターンが終わり、マージビットの間隔の後のタイミングtで次の14ビットのパターンが始まり、タイミングt で次の14ビットのパターンが終わるものとしている。
【0031】
上述した4種類のマージビットとして、(100)を適用した場合では、Tmin=3Tという条件が満たさなくなるので、このマージビットは、使用されない。後の3個のマージビットは、使用可能である。3個のマージビットの内で実際に使用するマージビットとして、DSVを減少させるものが選択される。DSVは、波形がハイレベルであれば+1を与え、波形がローレベルであれば、−1を与えることで求められるものである。一例として、タイミングtにおけるDSVが(−3)であると仮定する。
【0032】
図5Bは、マージビットとして(000)を使用した場合の波形を示す。期間(t−t)のDSVが+3であり、期間(t−t)のDSVが+2であるので、タイミングt におけるDSVは、(−3+3+2=+2)となる。図5Cは、マージビットとして(010)を使用した場合の波形を示す。期間(t−t)のDSVが−1であり、期間(t−t)のDSVが−2であるので、タイミングt におけるDSVは、(−3−1−2=−6)となる。図5Dは、マージビットとして(001)を使用した場合の波形を示す。期間(t−t)のDSVが+1であり、期間(t−t)のDSVが−2であるので、タイミングt におけるDSVは、(−3+1−2=−4)となる。結局、タイミングtにおけるDSVが最も0に近くなるマージビット(000)が選択される。
【0033】
マージビット選択部は、EFM変調器12(図1参照)内に備えられており、上述したように、マージビット選択部は、EFM変調のランレングスリミット条件である、Tmin=3、Tmax=11を満たすマージビットを選択し、その中で、DSVを収束させるものを選択している。
【0034】
図6および図7は、CIRC方式の符号化の流れに沿って表されたブロック図である。オーディオ信号の1ワードが上位8ビットと下位8ビットとに分割されてなる24シンボル(W12n,A,W12n,B,・・・,W12n+11, A,W12n+11,B)(上位8ビットがA、下位8ビットがBで示されている)が2シンボル遅延/スクランブル回路41に供給される。2シンボル遅延は、偶数ワードのデータL6n, R6n, L6n+2, R6n+2, ・・・に対して実行され、C2符号器42で該当する系列が全てエラーとなった場合でも、補間ができるようにされている。スクランブルは、最大のバーストエラー補間長が得られるように施されている。
【0035】
2シンボル遅延/スクランブル回路41からの出力がC2符号器42に供給される。C2符号器42は、GF(28 )上の(28,24,5)リード・ソロモン符号の符号化を行い、4シンボルのQパリティQ12n,Q12n+1,Q12n+2,Q12n+3 が発生する。
【0036】
C2符号器42の出力の28シンボルがインターリーブ回路43に供給される。インターリーブ回路43は、単位遅延量をDとすると、0、D、2D、・・・と等差的に変化する遅延量を各シンボルに与えることによって、シンボルの第1の配列を第2の配列へ変更するものである。
【0037】
インターリーブ回路43の出力がC1符号器44に供給される。GF(28 )上の(32,28,5)リード・ソロモン符号がC1符号として使用される。C1符号器44から4シンボルのPパリティP12n,P12n+1,P12n+2,P12n+3 が発生する。C1符号、C2符号の最小距離は、共に5である。したがって、2シンボルエラーの訂正、4シンボルエラーの消失訂正(エラーシンボルの位置が分かっている場合)が可能である。
【0038】
C1符号器44からの32シンボルが1シンボル遅延回路45に供給される。1シンボル遅延回路45は、隣接するシンボルを離すことにより、シンボルとシンボルの境界にまたがるエラーにより2シンボルエラーが生じることを防止するためである。また、Qパリティがインバータによって反転されているが、これは、データおよびパリティが全て零になったときでも、エラーを検出できるようにするためである。
【0039】
CIRC4方式の場合とCIRC7方式の場合とでは、インターリーブ回路43の単位遅延量Dが異なっている。このインターリーブ回路43によって、バーストエラーが分散される。すなわち、D=4フレームとされ、隣接するシンボルが4フレームずつ離されている。この場合には、最大遅延量が27D(=108フレーム)となり、総インターリーブ長が109フレームとなる。
【0040】
図8および図9は、復号化の流れに沿って表されたブロック図である。復号化の処理は、上述した符号化の処理と逆の順序でなされる。まず、EFM復調回路からの再生データが1シンボル遅延回路51に供給される。符号化側の1シンボル遅延回路45で与えられた遅延がこの回路51においてキャンセルされる。
【0041】
1シンボル遅延回路51からの32シンボルがC1復号器52に供給される。C1復号器52の出力がデインターリーブ回路53に供給される。デインターリーブ回路53は、インターリーブ回路43により与えられた遅延量をキャンセルするように、28シンボルに対して27D、26D、・・・、D、0の等差的に変化する遅延量を与える。
【0042】
デインターリーブ回路53の単位遅延量は、D=4フレームとされる。デインターリーブ回路53の出力がC2復号器54に供給され、C2符号の復号がなされる。C2復号器54の24シンボルの出力が2シンボル遅延/ディスクランブル回路55に供給される。この回路55から24シンボルの復号データが得られる。
【0043】
このように、CIRCでは、垂直方向にC1系列でエラー訂正符号化が行われると共に、斜め方向にC2系列でエラー訂正符号化が行われ、2重にエラー訂正符号化が行われている。図10に示すように、単位遅延量Dが(D=4)であり、総インターリーブ長が109(=108+1)フレームであり、1セクタより少し大きくなる。総インターリーブ長は、ディスク上に付着した指紋、ディスクの傷等によって多数のデータが連続的に誤る、バーストエラーに対する訂正能力を規定するものとなり、それが長いほどバーストエラー訂正の能力が高い。
【0044】
上述したCDに対してこの発明を適用した一実施形態についてさらに説明する。この発明は、任意の音楽等のオーディオデータに対して、元の楽曲を大きく損なうことなく加工を行い、且つ加工後のオーディオデータをCDに記録した場合に、記録されるEFMストリームにおいてDSVが発散するようにする。
【0045】
図11は、この一実施形態におけるオーディオデータの加工の流れを示す。最初のステップST1において、オリジナルオーディオデータに対してCIRCエンコード処理がなされる。CIRCエンコード処理は、図6および図7を参照して説明したように、スクランブル、C2エンコード、インターリーブ、C1エンコード、1シンボル(奇数)遅延およびパリティ反転の処理である。
【0046】
元のオーディオデータを全て0(無音)と仮定した場合、上述した通常のCIRCエンコード処理後のデータは、図12に示すものとなる。なお、サブコードについては、省略しているが、以下に説明するオーディオデータの加工方法は、サブコードがどのような値であっても成り立つものである。C1符号化で発生したC1パリティおよびC2符号化で発生したC2パリティは、(00)の値となるが、パリティ反転の処理によって(FF)となる。なお、(FF)は、8ビットのシンボル(以下、単にデータと適宜称する)の16進表記である。以下の説明および図中のデータの値も、同様に16進表記で表されている。図12において1行に含まれる32個のデータが図7の出力に現れる32個のデータに対応している。なお、列番号が奇数のものが下位側のデータである。
【0047】
次に、ステップST2において、データ置換処理がなされる。CIRCエンコード済みのデータストリームに対して、オーディオデータの下位8ビットに相当する部分およびC2パリティの部分のデータを変更し、EFM変調した場合にDSVが発散するようなデータに置換する加工を行う。変更されたデータの位置に対してデータが元のものから変化していることを示すフラグをセットする。
【0048】
この置換処理の例について説明する。例えば加工したいデータの前後のデータが共に(00)であった場合、EFMのようなRLL(Run Length Limited)符号の特性上、マージビットによるレベル反転の有無が一意に決定されるようなデータがいくつか存在する。この内で、DSVが変化させたい方向になるようなデータを選択することによって、DSVを発散させるデータを選択することができる。
【0049】
図12に示したデータに対して置換処理を行った後のデータの一例を図13に示す。図13は、オーディオデータの下位側のデータとC2パリティとを置換し、各行においてDSVを負側に発散させる例である。例えば加工場所のデータを(9E)に置換する。その結果、データが(00−9E−00)と順に並ぶことになる。この例は、EFM変調すると、マージビットによるレベル反転の有無が一意に決定され、(00:−4、Mrg:+3、9E:−6、Mrg:+3、00:−4)と各データのDSVが決まるので、累積DSVは、最良の場合でも−8となる。Mrgは、マージビットを意味する。
【0050】
前後のデータが何であっても、この例と同様に、マージビットによるレベル反転の有無を一意に決定するようなデータが最低1個は、存在する。このことを利用して、CIRCエンコード済みのデータストリームに対して最低1バイト(1シンボル)おきにデータを置換することによって、ある程度の長さ例えば1EFMフレームで見たときに、DSVが発散するようにすることが可能である。
【0051】
図13の例では、第2番目の行から第11番目の行までの10個のEFMフレームに対して置換処理がなされている。オーディオデータの下位8ビットのシンボルに対して置換処理がなされ、(00−9E−00)以外に(00−16−00)、(00−65−FF)等のデータの順序が形成されている。オーディオデータの1サンプルが16ビットであるので、オリジナルデータの下位8ビットを置換した時に生じる振幅の最大の変化は、オリジナルデータの最大振幅の1/256以下であり、オリジナルのオーディオデータが損なわれることを防止できる。
【0052】
図13に例示したデータがCIRCエンコーダから出力され、EFM変調器に供給されると仮定すれば、DSVが発散し、しかも、オーディオデータが損なわれる割合を少ないCD方式のディジタルデータを得ることができる。言い換えると、図13に示すディジタルデータを生じさせるようなオリジナルのオーディオデータを取得すれば良い。そのために、以下の処理がなされる。
【0053】
ステップST3において、C2パリティの第1の再計算処理がなされる。C2符号の符号語単位(以下、適宜C2符号語単位と称する)で見たときに、オーディオデータのみが変更されている部分について、C2パリティの再計算を行う。C2パリティの再計算は、通常のC2パリティ生成処理と同様の演算である。C2符号語単位とは、図7中のC2符号器42から出力される28シンボルの単位のことである。再計算されたC2パリティの位置に対してフラグをセットする。図13に示されるデータに対して第1の再計算処理を行った後のC2符号語単位でのデータの一例を図14中のA部に示す。太線61で囲んだ8×4の範囲が第1の再計算処理で再計算されたC2パリティを示す。図14のデータ配列の各行に含まれる28シンボルは、C2符号器42の出力で見たときのもので、未だC1パリティが再計算されていない段階のものである。
【0054】
図14において、太線62で囲んで範囲が置換されたデータを示している。行番号0から行番号7までの8行のC2符号語単位は、オーディオデータのみが加工されている部分であり、上述した第1の再計算処理がなされる。再計算されたC2パリティが示されている。なお、図14と図13にそれぞれ示されるデータの間には、インターリーブ処理が存在するので、図14は、図13に示されるデータの一部に対応している。
【0055】
次にステップST4において、C2パリティの第2の再計算処理がなされる。第2の再計算処理は、C2符号語単位で見たときにC2パリティが置換されている部分に対しなされる処理である。図13においては、行番号(2−11)の範囲のC2パリティが置換されており、図14においては、行番号で(8−14)のC2パリティの部分に置換されたデータが含まれているので、これらの行、すなわち、C2符号語単位に対して、第2の再計算処理がそれぞれなされる。
【0056】
第2の再計算処理では、C2符号語単位で見たときに、C2パリティを含んでデータにフラグがセットされている部分について、こまでの段階でフラグがセットされていないC2パリティまたはオーディオデータの下位8ビットに相当する部分の一部を変更することによって、正しいC2符号語となるようにする。これにより、オーディオデータの下位8ビットに相当する部分の内で最大4バイトが加工される。加工されたデータの位置にフラグをセットする。
【0057】
図13に示されるデータに対して第2の再計算処理を行った後のC2符号語単位でのデータの一例を図14中のB部に示す。行番号で(8−14)の中で、太線が囲んで示す範囲であって、置換されたデータの範囲(太線62で囲んだ範囲)を除いた太線で囲まれた範囲が第2の再計算処理で変更された部分である。なお、図14の例では、C2パリティ部分において置換されていないデータを0に変更している。
【0058】
次に、ステップST5において、C1パリティの再計算処理がなされる。C1符号語単位で見たときに、フラグがセットされているデータを含む部分に対してC1パリティの再計算を行う。図14に例示したデータに対して再計算処理を行った後のC1符号語単位でのデータの一例を図15に示す。C1符号語単位は、図7中のC1符号器44の出力側の32シンボルである。したがって、図14に示すデータ配列と、図15に示すデータ配列との間では、インターリーブ処理がなされている。
【0059】
図15において、太線64で囲んで示す列番号(28−31)の範囲が再計算されたC1パリティを示す。また、太線61で囲まれた範囲、すなわち、列番号15で行番号0および1の(CA)の値の2シンボルと、列番号12で行番号11−14の4シンボル(9C、9C、9C、1B)が上述したC2パリティの第2の再計算処理で生成されたC2パリティのシンボルである。太線63で囲まれた範囲、すなわち、列番号11で行番号1の(9B)の値の1シンボル、列番号12−14で行番号0の(00)の値の3シンボル、列番号13で行番号1の(00)の値の1シンボル、列番号13−15で行番号12−14の3×3の9シンボル、列番号14で行番号11の(00)の値の1シンボルが上述したC2パリティの第1の再計算処理で生成されたC2パリティのシンボルである。図14において太線61、63および64で囲んで範囲以外の太線で囲んだ範囲が置換されたデータである。
【0060】
図15に示す配列のデータを1シンボル遅延回路45(図6参照)を介することによって、図13に示すのと同様のCIRCの出力データが得られる。1シンボル遅延の処理を行うことは、図15において、例えば行番号2のシンボルと行番号3のシンボルとを交互に選択することを意味し、C2パリティ部分に注目した場合に、行番号2のシンボルが(FE−62−A1−83−9A)と並んでおり、行番号3のシンボルが(FE−62−B1−E2−9A)と並んでいるので、1シンボル遅延の処理後のデータの並びは、(FE−62−B1−83−9A)となる。そして、このCIRCの出力データがEFM変調の処理を受ける。図13のデータ配列について説明したように、EFM変調後のストリームにおいて、図15に示すデータ配列を1シンボル遅延処理したものは、DSVの発散が生じるものである。
【0061】
さらに、図11のステップST6において、上述したように生成されたCIRCの出力データに対してCIRCデコード処理を行う。CIRCのデコード出力が加工済みオーディオデータとして得る。図15に例示したデータに対してデコード処理を行った結果の一部を図16に示す。図16において、太線62で囲んで示す範囲、すなわち、列番号5で、行番号2−11の(9E)の値を持つ10シンボル、列番号13で、行番号0−2の(9E)の値を持つ3シンボルが元のデータを置換したデータを示す。また、図16において、その他の太線で囲んで示す範囲のデータがC2パリティの再計算処理(ステップST4)において、正しいC2符号語単位が形成されるように、再計算されたデータを示す。
【0062】
以上のように加工されたオーディオデータは、図16に示す例から分かるように、オリジナルのオーディオデータに対して下位8ビットの部分のみが変更されたものであり、オリジナルのデータに対する変化量の最大値がオリジナルのオーディオデータの最大振幅の1/256以下に制限されている。したがって、オリジナルオーディオデータと加工済みオーディオデータとの間でデータの相違が小さいものとなる。また、加工されたオーディオデータをCIRCの符号化およびEFM変調の処理を行った結果は、DSVが発散するEFMストリームとなる。このようにDSVが発散したEFMストリームは、再生装置によって正常に読み取ることが困難となる。
【0063】
図17は、加工済みオーディオデータをCD方式で符号化した結果のEFMストリームのDSVが発散することを示すものである。図17Aは、オリジナルオーディオデータのDSVの制御を説明するものである。図12に示したデータの1行分の32シンボルに対して、フレーム同期信号(SYNC)とサブコードの1シンボル((00)と仮定する)とを加えた1EFMフレームのDSVが説明されている。
【0064】
フレーム同期信号は、11Tおよび11Tの反転した波形に2Tの波形が続くものとされている。フレーム同期信号の部分では、DSV=+2となる。シンボル(00)は、図4に示す変換テーブルにしたがって(01001000100000)のコードシンボルに変換される。このコードシンボルは、1の位置でレベルが反転するものであり、コードシンボル自身のDSVが−4である。マージビットの選択規則にしたがって、ランレングスリミット条件を満たし、DSVを最小とするマージビットである、(100)が選択される。その結果、累積DSVが(+2−4+3=+1)となる。なお、上述した説明では、(000)、(001),(010),(100)のように、反転位置を1で表した4種類のパターンと表記しているが、以下の説明および図17では、反転後のパターンとである、(000)(001)(011)(111)の0または1の連続を示す表記をマージビットに対して使用している。
【0065】
図17Aに拡大して示すように、サブコードシンボルの後の最初の(00)のシンボルの部分のEFM出力のDSVが−4となり、累積DSVが(+1−4=−3)となるので、マージビットとして、(000)(001)(011)(111)の中で、累積DSVを最小にする(111)が選択され、累積DSVが0となる。次の(00)のシンボルで累積DSVが−4となるので、その後のマージビットとしては、(000)(001)(011)(111)の中で、累積DSVを最小にする(000)が選択される。このように、オリジナルデータの場合では、EFMフレーム内での累積DSVをほぼ0に抑えるようなマージビットの選択が可能である。
【0066】
図17Bは、加工済みオーディオデータの一例に関して、EFMのDSVの変化を示す。加工済みオーディオデータは、図15に示すデータに対して1シンボル遅延処理を施したものである。サブコードの後の最初のデータが(00)であり、その後に(16)(00)(9E)(00)(9E)(00)・・・とデータが続いている。最初のデータの(00)の次のデータが(16)に置換されたので、その後のマージビットとしては、(001)(011)(111)のみが選択可能である。(000)は、ランレングスリミットの規則を満たすことができない。その内でDSVを最小にする(001)が選択される。
【0067】
(16)の値の置換されたデータの後のマージビットとしては、(100)(110)(000)のみが選択可能であり、その中でDSVを最小にする(000)が選択される。
【0068】
(16)の後の(00)の値のデータの後のマージビットとしては、(100)(110)(000)のみが選択可能であり、その中でDSVを最小にする(100)が選択される。(00)の後の置換された(9E)の値のデータの後のマージビットとしては、(000)のみが選択可能である。
【0069】
このように、加工後のオーディオデータ中の置換されたシンボル部分では、マージビットの選択の自由度が減少し、DSVを0に収束させることができない。図17Bの例では、1EFMフレームの終端での累積DSVが+43となっている。このようにDSVが発散したEFMストリームは、再生装置によって正常に読み取ることが困難となる。
【0070】
加工済みオーディオデータは、例えばEMD(Electronic Music Distribution) によってネットワークを介してユーザに対して配信される。ユーザは、配信された加工済みオーディオデータを端末のハードディスク等に保存し、視聴することができる。ユーザが保存している加工済みオーディオデータをCDドライブによってCD方式の信号に変換して例えばCD−Rに記録すると、加工部分では、DSVが発散する。すなわち、CD−Rから再生されたEFM信号に直流成分が含まれることになり、直流成分が無いものとして設計されている再生系の回路に対して影響し、正常な再生を行うことができない。
【0071】
なお、加工済みオーディオデータをマスタリング装置によって原盤に記録し、原盤に基づいてオリジナルCDを作成することもできる。但し、マスタリング装置におけるCIRCエンコーダとして標準的なものを使用すると、上述したCD−Rへのコピーと同様に、DSVが発生したEFMストリームが記録されたものが作成される。そこで、マスタリング装置におけるEFM変調処理としては、例えばランレングスリミットの制約を変更することによって、DSVを発散しないようにするものが使用される。
【0072】
この発明は、上述したこの発明の一実施形態等に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば上述した説明では、オーディオデータとしてゼロデータを例にしたが、ゼロデータ以外の任意のデータであっても、加工する対象のデータの値が既知であれば、上述した説明と同様に、この発明によって加工処理を行うことができる。また、オリジナルオーディオデータに対してどの程度の加工部分を生じさせるかは、任意に選ぶことができる。さらに、加工済みオーディオデータを取得するための処理は、ハードウエアおよびソフトウェアの何れによって行うこともできる。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、オーディオデータ等の情報信号を大きく損なうことなく、オーディオデータを加工し、加工済みのオーディオデータを生成できる。この加工済みオーディオデータをCIRCおよびEFM変調して記録媒体例えばCD−Rに記録した場合には、記録されたEFMストリームのDSVが発散したものとなる。このように、DSVが発散したデータは、直流分のないものとして設計されている再生系の回路に対して影響し、再生時に読み取りエラー、読み取り不能を生じさせ、正常に再生することができない。それによって、CD−R等の記録媒体へのコピーを抑える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用できるCDのマスタリング装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】CDのEFMフレームフォーマットを説明するための略線図である。
【図3】CDの再生装置の構成を示すブロック図である。
【図4】EFM変換テーブルの一部を示す略線図である。
【図5】マージビットの選択方法を説明するための略線図である。
【図6】CDにおけるCIRCのエンコーダの全体の構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】CIRCのエンコーダの全体の構成をより詳細に示すブロック図である。
【図8】CIRCのデコーダの全体の構成を概略的に示すブロック図である。
【図9】CIRCのデコーダの全体の構成をより詳細に示すブロック図である。
【図10】CIRCの符号化の説明に用いる略線図である。
【図11】この発明によるオーディオデータを加工する処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】CIRCエンコード済みのデータの一例を示す略線図である。
【図13】データ置換処理後のデータの一例を示す略線図である。
【図14】C2パリティ再計算処理後のデータの一例を示す略線図である。
【図15】C1パリティ再計算処理後のデータの一例を示す略線図である。
【図16】CIRCデコード処理後のデータの一例を示す略線図である。
【図17】オリジナルデータによるDSVの変化の一例と加工済みデータによるDSVの変化の一例とを示す略線図である。
【符号の説明】
1・・・レーザ、3・・・光ピックアップ、4・・・ガラス原盤、11・・・マルチプレクサ、12・・・EFM変調器、ST2・・・データ置換処理、ST3・・・第1のC2パリティ再計算処理、ST4・・・第2のC2パリティ再計算処理、ST5・・・C1パリティ再計算処理、ST6・・・CIRCデコード処理

Claims (5)

  1. 所定の記録処理を介して記録媒体に記録されるオーディオデータの加工方法であって、
    所定の記録処理がオーディオデータを上位ビットのシンボルと下位ビットのシンボルとに分割し、複数の上記シンボルに対して第1のエラー訂正符号の符号化を行い、複数の上記シンボルと上記第1のエラー訂正符号のパリティとをインターリーブ処理し、インターリーブ後のデータに対して第2のエラー訂正符号の符号化を行うエラー訂正符号化処理と、複数の上記シンボルと上記第1のエラー訂正符号のパリティと上記第2のエラー訂正符号のパリティとをランレングスが制限されたディジタル変調方式で変調する処理とからなり、
    上記記録処理後のデータストリームにおいて、DSVが発散するように、上記オーディオデータの上記下位ビットのシンボルを他のデータへ置き換えるオーディオデータ加工方法。
  2. 請求項1において、
    オリジナルオーディオデータに対して上記記録処理を行った後のデータに対して、DVDが発散するように、データを置換し、置換後のデータにおいて上記第1および第2のエラー訂正符号のそれぞれのパリティを再計算する処理を行うオーディオデータ加工方法。
  3. 所定の記録処理を介して記録媒体に記録されるオーディオデータの加工方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    所定の記録処理がオーディオデータを上位ビットのシンボルと下位ビットのシンボルとに分割し、複数の上記シンボルに対して第1のエラー訂正符号の符号化を行い、複数の上記シンボルと上記第1のエラー訂正符号のパリティとをインターリーブ処理し、インターリーブ後のデータに対して第2のエラー訂正符号の符号化を行うエラー訂正符号化処理と、複数の上記シンボルと上記第1のエラー訂正符号のパリティと上記第2のエラー訂正符号のパリティとをランレングスが制限されたディジタル変調方式で変調する処理とからなり、
    上記記録処理後のデータストリームにおいて、DSVが発散するように、上記オーディオデータの上記下位ビットのシンボルを他のデータへ置き換えるオーディオデータ加工方法のプログラム。
  4. 所定の記録処理を介して記録媒体に記録されるオーディオデータの加工方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    所定の記録処理がオーディオデータを上位ビットのシンボルと下位ビットのシンボルとに分割し、複数の上記シンボルに対して第1のエラー訂正符号の符号化を行い、複数の上記シンボルと上記第1のエラー訂正符号のパリティとをインターリーブ処理し、インターリーブ後のデータに対して第2のエラー訂正符号の符号化を行うエラー訂正符号化処理と、複数の上記シンボルと上記第1のエラー訂正符号のパリティと上記第2のエラー訂正符号のパリティとをランレングスが制限されたディジタル変調方式で変調する処理とからなり、
    上記記録処理後のデータストリームにおいて、DSVが発散するように、上記オーディオデータの上記下位ビットのシンボルを他のデータへ置き換えるオーディオデータ加工方法のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  5. 所定の記録処理を介して記録媒体に記録されるオーディオデータであって、
    所定の記録処理がオーディオデータを上位ビットのシンボルと下位ビットのシンボルとに分割し、複数の上記シンボルに対して第1のエラー訂正符号の符号化を行い、複数の上記シンボルと上記第1のエラー訂正符号のパリティとをインターリーブ処理し、インターリーブ後のデータに対して第2のエラー訂正符号の符号化を行うエラー訂正符号化処理と、複数の上記シンボルと上記第1のエラー訂正符号のパリティと上記第2のエラー訂正符号のパリティとをランレングスが制限されたディジタル変調方式で変調する処理とからなり、
    上記記録処理後のデータストリームにおいて、DSVが発散するように、上記オーディオデータの上記下位ビットのシンボルを他のデータへ置き換えられたオーディオデータ。
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