JP2004164518A - 情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入力部11を備えた第1の筐体1と、一方面側に画面表示部21を備えた第2の筐体2と、第1の筐体1と第2の筐体2とを連結する連結手段3と、画面表示部21の画面表示を制御する制御部とを備える。そして連結手段3は、画面表示部21が入力部11側を向いた状態で第1の筐体1に対して第2の筐体2が開けられた第1の状態と、第2の筐体の画面表示部21と反対面側が入力部11の面と対向するように第2の筐体2が第1の筐体1と重なっている第2の状態とに選択可能に、第1の筐体1と第2の筐体2とを連結する。第1の状態と第2の状態との装置の状態変化を検知する検知手段S1,S2からの検知信号に基づいて、制御部は、第1の状態と第2の状態とで、その画面表示を90°回転させる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は情報処理装置に関し、より詳細にはPDA(Personal Digital Assistance)などの携帯用の情報処理装置(以下、単に「装置」と記すことがある)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PDAなどの携帯用情報処理装置では装置の小型化が何よりも重要な条件となる。このため、例えば表示画面の周囲や装置の側面にジョグダイヤルやキートップなど操作部を設け、画面に表示される選択項目やメッセージの選択・決定などの操作(以下、「選択・決定操作」と略すことがある)をこの操作部を用いて行うようにして装置の小型化を図っていた。
【0003】
一方、携帯用情報処理装置を用いて受信のみならず送信をも行うことが近年急速に増加してきている。従来の装置において文字入力する場合は、前記選択・決定操作によって文字を選択入力するか、あるいは透明タッチパネルを取付けた表示画面からペンで入力していたが、これらの方法による文字入力は時間が掛かり手間であった。またキーボードによる入力では、装置を小さくしなければならない関係上、キーボードを設けるための充分な領域を装置表面に確保できず、必然的にキーが小さくなると共にキー間ピッチも狭くなり、使用者がキー入力しにくいといった問題があった。
【0004】
そこで特許文献1では、情報処理装置を上ハーフ部と下ハーフ部とから構成し、キーボード部から入力する場合は上ハーフ部と下ハーフ部とを開いた状態とし、選択・決定操作を行う場合は表示画面が外側になるように上ハーフ部と下ハーフ部とを重ねた状態とすることを提案している。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−268613号公報(特許請求の範囲、図1〜図5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、キーボード入力を行う場合には、装置が横長である方がキー配置や入力しやすさ等の点などから好ましく、また入力される文字・記号を表示する画面も横長の方が一般に見やすい。一方、選択・決定操作を行う場合には、これらの操作は通常は装置を片手で持って行うので、縦長の装置の方が手のひらに収まりやすく使い勝手よい。
【0007】
前記提案技術では装置の使用方向が変わらないため、装置を、キーボード入力が行いやすい横長の状態で使用した場合は、選択・決定操作が行いにくくなり、反対に選択・決定操作が行いやすい縦長の状態とした場合は、キーボード入力が行いにくくなるという問題がある。
【0008】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、キーボード入力が行いやすく、しかも選択・決定操作を行う場合には装置を片手で支持でき簡単に操作できる情報処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の情報処理装置では、入力部を備えた第1の筐体と、一方面側に画面表示部を備えた第2の筐体とを有し、この第1の筐体と第2の筐体とを、画面表示部が入力部側を向いた状態で第1の筐体に対して第2の筐体が開けられた第1の状態と、第2の筐体の画面表示部と反対面側が入力部の面と対向するように第2の筐体が前記第1の筐体と重なっている第2の状態とに選択可能に連結手段で連結し、第1の状態と第2の状態との装置の状態変化を検知する検知手段からの検知信号に基づいて、制御部により第1の状態と第2の状態とでその画面表示を90°回転させる構成とした。
【0010】
ここで、装置の一層の小型化の観点からは、連結手段として、第1の筐体の一辺と第2の筐体の一辺とを連結し、第1の筐体に対して、第2の筐体を開閉する開閉軸と、第2の筐体を回転させる、開閉軸に垂直な回転軸とを有するヒンジ機構を用いるのが好ましい。
【0011】
また、使用者の利便性をさらに向上させる観点から、第2の筺体における画面表示部が設けられた反対面側に第2画面表示部をさらに設けてもよい。
【0012】
装置の操作性や携帯性を向上させる観点から、第2の状態における平面視において、第1の筺体の平面領域内に第2の筺体と連結手段とが収まるようにするのが望ましく、さらには第1の筺体の平面視における形状を長方形とし、その短手方向の長さを70〜100mmの範囲、長手方向の長さを110〜150mmの範囲とするのが望ましい。また第2の筺体に加わる回転モーメントの大きさと連結手段の強度との関係を考慮すると、第2の状態における平面視において、連結手段と第2の筺体との短手方向の長さの比を1:5〜1:8の範囲とするのが好ましい。
【0013】
使用者における種々の使用状態を考慮し、画面表示の90°回転機能を禁止させる回転禁止入力部をさらに設けてもよい。
【0014】
第2の状態において、第2の筺体に加わる押圧力によって筺体が撓み、第1の筺体の入力部から誤入力されるのを防止する観点から、第2の状態における入力部の少なくとも一部からの入力信号を無効としてもよく、この場合、第1の筺体の縁辺で且つ連結手段から離れた位置にある入力部分からの入力を無効とするのがよい。
【0015】
画面表示部の表示領域を有効に活用するとともに、画面表示が使用者に見やすくなるように、画面表示部が長方形状の場合には、第1の状態と第2の状態とで画面表示部の縦・横の長さが変化するのに合わせて、画面表示内容の改行処理を行うのが好ましい。
【0016】
また、装置の用途を広くする観点から、検知手段が第2の状態を検知するものであってもよい。
【0017】
使用者の利便性を図る観点から、2以上の検知手段を用いて前記装置の状態変化を検知するとともに、第2の筐体の画面表示部の面が入力部の面と対向するように第2の筐体が第1の筐体と重なっている不使用状態をも検知するようにし、装置が不使用状態の場合には画面表示部を消灯するようにするのが好ましい。
【0018】
ここで、装置の美観を損なわないために、検知手段の設置位置は、使用者の目に付きにくい第1の筐体と第2の筐体との連結部分が好ましい。あるいは検知手段としてホール素子を用いてもよい。
【0019】
操作性の向上や機能追加などの観点から、装置が第1の状態であるときに、正面方向から見て第1の筐体の背面右側部に、画面表示内容の制御に関する操作を行う操作部を設ける共に、装置を第1の状態から第2の状態にしたとき、連結手段から見て画面表示を反時計回りに90°回転させ、第2の状態における装置の使用状態において、操作部が装置の左側面上部に位置するようにしてもよい。
【0020】
また本発明によれば、前記情報処理装置を用いて、画面表示部が入力部側を向いた第1の状態から、画面表示部と反対面側が入力部側を向く方向に画面表示部を回転させて画面表示部を第三者の方へ向け、第三者に情報を伝えることを特徴とする情報処理装置の使用方法が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明者は、キーボード部などの入力部を備えた第1の筐体と、一方面側に画面表示部を備えた第2の筐体を連結手段で連結した情報処理装置において、入力部からの入力が容易にできると共に、選択・決定操作については従来通り片手で簡単に行えることができないか鋭意検討を重ねた結果、入力部から入力を行う場合と、選択・決定操作を行う場合とで装置の使用方向を変えればよいというこれまでにない着想に基づき本発明をなすに至った。
【0022】
すなわち、第1の筐体と第2の筐体とが重なった状態での平面視形状が長方形である装置において、キーボード部などの入力部から入力を行う場合は、装置を横長となるように置いて、装置を開いて入力部から入力を行う。これにより、キー自体を大きくできると共にキー間ピッチも広くでき、一度に複数のキーが押圧されて誤入力されることが回避できる。一方、選択・決定操作を行う場合は、装置を開けた状態から第2の筐体を180°回転させた後、画面表示部が外側となるように第2の筐体と第1の筐体とを重ね、そして装置の向きを90°回転させて縦長方向で装置を使用する。これにより、装置が片手に収まり、しっかりと支持できる。そして従来と同様に、装置を持っている手の親指を動かして操作部からの選択・決定操作、あるいは装置を持っていないもう一方の手による表示画面のタッチ入力やペン入力を行うことができる。
【0023】
以下、本発明の情報処理装置について図に基づいて説明する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0024】
図1は、本発明の装置の不使用状態を示す斜視図である。すなわち、第1の筐体1と第2の筐体2とが、ヒンジ部(連結手段)3を介して、入力部11(図3に図示)の面と画面表示部21(図3に図示)の面とが対向するように重なっている状態にある。このような状態とすることにより、外力などから画面表示部21や入力部11を保護することができる。装置を使用しないときはこの状態とする。図の装置では連結手段として2軸ヒンジを用いているが、本発明で使用できる連結手段はこれに限定されるものではなく、装置を第1の状態と第2の状態に切り替えできるものであれば従来公知のものを使用できる。また、図2に示すように、画面表示部21と反対側面の第2の筺体に第2画面表示部22をさらに設けてもよい。これにより、装置を使用していない状態のときでも第2画面表示部22を介して、例えば現在時刻や受信情報の有無などを情報を使用者に伝えられるようになる。なお、第2画面表示部22は大きさに関係なく、画面表示部21と同様な表示内容の扱いでも可能である。
【0025】
図3は、図1の不使用状態から、第2の筐体2をヒンジ部3のA軸(開閉軸)を中心に回動させて、画面表示部21が入力部11側を向いた状態で、第1の筐体1に対して第2の筐体2が開けられた第1の状態としたときの斜視図である。第1の筐体1の上面には入力部11が配設され、入力部11の左上には凸状スイッチ(検知手段)S1が設けられ、第2の筐体2の画面表示部21の左下に形成されている突起(検知手段)T1による押圧でオン−オフされ、後述するように装置の状態を検知する。また、第1の筐体1の上辺と第2の筐体2の下辺とがヒンジ部3で連結されている。そしてこのヒンジ部3のヒンジカバー31の表面に突起(検知手段)T2が形成され、第2の筐体2が閉まった状態のときにこの突起T2により押圧される位置に凸状スイッチ(検知手段)S2が設けられ、前記凸状スイッチS1と同様に装置の状態を検知する。また第1の筐体1の背面の右側部には、ジョグダイヤル12a及びシーソー型キートップ12bおよび単キートップ12c(いずれも操作部12、図5に図示)が設けられている。図3の装置では入力部11としてキーボードが図示されているが、本発明における入力部はこれに限定されるものではなく、タッチパネルやトラックボール、トラックパッド、ポインティングスティックなど従来公知のものを含む。
【0026】
この第1の状態において使用者は入力部11から入力を行うことができ、入力された信号は画面表示部21に表示される。使用者が装置を両手で支えた状態で入力する場合、第1の筐体1の背面の右手の指が届く位置に操作部12が配置されているので、必要によりこれを用いて入力や決定などの操作を行ってもよい。なお、この操作部12は装置を第2の状態にしたときに選択・決定操作の中心的役割を担う。
【0027】
次に、選択・決定操作を行う場合には、画面表示部21が外側になるように第2の筐体2を第1の筐体1と重ねた第2の状態にする。具体的には、図3のように第2の筐体2を開いた状態から、図4に示すようにヒンジ部3のB軸(回転軸)を中心に第2の筐体2を180°回転させた後、今度はA軸を中心に第2の筐体2を回動させて第1の筐体1と重なった状態(第2の状態)とする。そして、装置の方向を90°回転させて縦長として使用する。このとき、装置の使用方向に合わせて、画面表示部21の表示は第1の状態から90°回転している。これにより縦長の状態で文字などを認識できるようになる。図5に、装置を第2の状態にしたときの斜視図を示す。
【0028】
図5に示すように装置を縦長の状態で使用することにより、使用者の手のひらに装置がすっぽりと収まり、横長の状態に比べ使い勝手が格段によくなる。ここで大人の使用者の手のひらの大きさを考慮すると、長方形であるこの第1の筺体の短手方向の長さを70〜100mmの範囲、長手方向の長さを110〜150mmの範囲とするのが望ましい。また第2の筺体に加わる回転モーメントの大きさと連結手段の強度との関係を考慮すると、第2の状態における平面視において、連結手段と第2の筺体との短手方向の長さの比x:y(図5に図示)を1:5〜1:8の範囲とするのが好ましく、1:6〜1:7の範囲がより好ましい。また、この第2の状態における平面視において、第2の筺体2とヒンジ部3とが第1の筺体1の平面領域内に収まるようにすることも、装置の操作性や携帯性を向上させる上で重要である。特に、第2の状態における平面視において、第2の筺体2とヒンジ部3とが第1の筺体1の平面領域全体を覆うように隙間なく収まるようにするのが望ましい。
【0029】
また図5に示すように、装置の使用方向を変えることに合わせて、画面表示部21の表示を第1の状態から90°回転させて、縦長の状態で文字などを認識できるようにしてある。画面表示部21の表示例を図6に示す。同図(a1)は、装置が横長の状態(第1の状態)のときの、横書きされた文字列の画面表示例である。次に、この状態から装置を時計回りに90°回転させて縦長の状態(第2の状態)で装置を使用するようにした場合、画面表示は反時計回りに90°回転させる。すると、同図(a2)に示すような表示となり、文字は使用者から見て通常方向となるように画面表示部21に表示される。
【0030】
同図(b1)および(b2)は、縦書きされた文字列の、装置が横長の状態と縦長の状態における画面表示例を示したものである。縦書きされた文字列の場合も、前記と同様に、装置を時計回りに90°回転させて横長の状態から縦長の状態にして使用した場合には、画面表示は反時計回りに90°回転されるので、文字は使用者から見て通常方向となるように画面表示部に表示される。なお、第1の状態と第2の状態とでは画面表示部21の幅が異なるので、画面表示部21の表示領域を有効に利用すべく、図6に例示してあるように、画面表示部21の幅に合わせて改行処理などを適宜行うことが推奨される。
【0031】
一方、装置の使用方向を変えたときでも画面表示部21の表示を回転させたくない場合も使用者の種々の使用状況の中にはあり得る。そこで、画面表示の90°回転を禁止させる回転禁止入力部を設け、前記状況に対応できるようにしてもよい。回転禁止入力部として例えば図7に示すような設定画面を設けておき、この設定画面から画面表示部の表示の回転禁止を入力する。あるいは回転禁止入力部として装置の所望の位置にスイッチを設けておき、スイッチの入切により表示の回転禁止を行うようにしてもよい。
【0032】
図5において、縦長の方向で使用する装置の左側面の上部に、ジョグダイヤル12a、シーソー型キートップ12b、単キートップ12c(それぞれ操作部12)が設けられている。これらの操作部12は、使用者が装置を左手で持ったときに主に左手親指で操作可能なように設けられている。ジョグダイヤル12aは、例えばメニュー画面に表示された項目の中から所望の項目を選ぶ際に、印(カーソル)を上下に移動させるのに用い、シーソー型キートップ12bは例えばその一方を「決定」を入力するときに用い、もう一方は「取消」を入力するときに用いる。単キートップ12cは例えば電源キーとして用いる。もちろん、画面表示部21に取り付けた透明タッチパネルからペンや指で入力操作を行ってもよいし、操作部12からの入力とペンや指による入力とを併用してもよい。
【0033】
また前記操作部12は、装置を第1の状態にしたときには、第1の筐体1の背面右端部に位置するので、第1の状態においてキーボード入力する際にこれらの操作部12を右手で操作し前記と同様の機能を発揮させるようにしてもよい。操作部12として前記のものの他、トラックボールやトラックパッド、ポインティングスティックなど従来公知のポインティングデバイスなどを設けても構わない。また、第1の状態と第2の状態とで操作部12の発揮する機能を異なるようにしても構わない。
【0034】
図5に示した第2の状態において、画面表示部21からペン入力やタッチ入力している時あるいは装置を手で把持している時に、それらの押圧力によって第2の筺体2が撓んで、第2の筺体2のちょうど下側に位置する入力部11のキーに接触し誤入力が生じるおそれがある。かかる不具合を未然に防止するためには、装置が第2の状態にあるときは、入力部11の少なくとも一部からの入力信号は無効とするように制御するのが好ましい。ここで言う入力部11の一部とは、第2の状態において第2の筺体が撓みやすい部分の対向位置にある入力部分を意味し、個々の装置において具体的部分は異なるが、一般に第1の筺体の縁辺で且つ連結手段から離れた位置の入力部分である。なお、前記不具合を完全に防止するには、装置が第2の状態にあるときは入力部11の全体について入力を無効とするのがよい。
【0035】
次に、第1の筐体と第2の筐体との装置の状態変化を検知する手段について説明する。検知手段としては押圧スイッチや発光素子・受光素子、ホール素子など従来公知のものを用いることができ、また検知手段の取り付け位置としては、第1の状態と第2の状態との状態変化を検知できる位置であればどこでもよい。例えば、装置が第1の状態あるいは第2の状態であることを検知する位置であってもよいし、第1の状態から第2の状態へ移行していることを検知する位置であってもよい。
【0036】
検知手段を取り付けた本発明の装置の一つの形態を図8に示す。図8の装置では、B軸から見て一方側の第2の筐体2の底面及びこれに対向するヒンジカバー31に、発光素子41と受光素子42とが設けられている。装置が第1の状態にあるときは発光素子41からの光は受光素子42で検知される。他方、第2の筐体2がB軸を中心に回動されると、発光素子41に対向する位置に受光素子42はなくなるため、発光素子41からの光は受光素子42で検知されなくなる。受光素子42によるこのような光検知の有無により、第2の筐体2が第1の状態であるのか、それ以外(第2の状態)であるのかが検知される。
【0037】
また、図示しないが、発光素子と受光素子を検知手段として用いた場合の他の形態として、第2の筐体2の底面およびヒンジカバー31の一方に発光素子41と受光素子42を設け、もう一方に反射部材を設けた形態が例示される。この場合にも、前記と同様に受光素子に光検知の有無により、第2の筐体が第1の状態であるのか、それ以外(第2の状態)であるのかが検知し得る。すなわち、装置が第1の状態にあるときは発光素子からの光が反射部材で反射されて受光素子で検知されるのに対し、第2の筐体が回転軸を中心に回動されると、発光素子からの光は反射部材で反射されないため受光素子で検知されない。なお、これらの場合には、画面表示部の表示の回転は、第2の筐体がB軸を中心に回動して、第1の状態ではなくなったとき又は第1の状態になったときに行われることになる。
【0038】
検知手段を取り付けた本発明の装置の他の形態を図9に示す。図9の装置では、図上、第1の筐体1の右下部にホール素子43を内設すると共に、第2の筐体2の左上部に前記ホール素子43と対となるホール素子44を内設してある。この一対のホール素子43,44は両者が接近すると信号を発する。したがって図9に示すような、装置が第1の状態の場合には検知信号は発せられない。一方、同図の状態からB軸を中心として第2の筐体2を180°回動させた後、A軸の周りに回動させて第2の筐体2が第1の筐体1と重なった第2の状態とした場合には、一対のホール素子43,44がちょうど対向する位置となり、検知信号が発せられる。したがって、この装置では画面表示部21の表示の回転は、第2の筐体2がA軸を中心に回動して、第2の状態ではなくなったとき又は第2の状態になったときに行われることになる。
【0039】
このように第2の状態であるかどうかを検知手段で検知する場合には、画面表示部21をB軸を中心として所望の角度に回動させた状態としても、前記実施形態の場合と異なり画面表示は回転しない。例えば図10に示す状態は、画面表示部21を入力部11と反対側となるように180°回転させた状態である。このような機能を利用すれば、画面表示部21を第三者の方に向けた状態で、使用者が入力部から入力しながらプレゼンテーションや広告宣伝を行うこともできる。
【0040】
以上の実施形態は検知手段を1つ用いるものであったが、検知手段を2つ以上設けてももちろん構わない。この場合、装置の状態変化と共に不使用状態をも検知するようにし、装置が不使用状態の場合には画面表示部を消灯するように制御するのが好ましい。以下に、検知手段を2つ設けた場合の装置例について説明する。
【0041】
図3に示した装置では、前述のように、第1の筐体1における入力部11の左上部およびヒンジカバー31の対向部にそれぞれ凸状スイッチS1,S2が設けられ、第2の筐体2の画面表示部21のこれに対応する位置およびヒンジカバー31にそれぞれ突起T1,T2が設けられている。凸状スイッチS1を含む位置での側断面図を図11、そして凸状スイッチS2を含む位置での側断面図を図12に示す。なお、凸状スイッチ及び突起の設置位置は上記位置に限定されるものではないが、ヒンジカバー31の対向部(連結部分)は使用者から見えにくく、またA軸の位置によっては、ヒンジカバー31の表面に突起を形成しなくても凸状スイッチS2がヒンジカー31で押圧され得るので、この部分に検知手段を設けるのが好ましい。
【0042】
凸状スイッチS1では、図11(a)に示すように、入力部11と画面表示部21とが対向するように第1の筐体1と第2の筐体2とが重ねられた状態(不使用状態)のときには、凸状スイッチS1のピンが突起T1により押圧されて検知信号は”オン”状態となっている。次に、この不使用状態から第2の筐体2をA軸を中心に回動させると、突起T1によるピンの押圧が解除されて凸状スイッチS1は”オフ”となる(同図(b))。そして同図(c)に示すように、画面表示部21を外側にして第2の筐体2を第1の筐体1に重ねた第2の状態とした場合でも、ピンは押圧されないので凸状スイッチS1は”オフ”状態を維持する。
【0043】
一方、凸状スイッチS2では、図12(a)に示すように、第1の筐体1に対して第2の筐体2が閉まった状態のときは、凸状スイッチS2のピンが突起T2により押圧されて”オン”となっている。第2の筐体2がA軸を中心に回動して開くと、同図(b)に示すように、突起T2によるピンへの押圧が解除される。これによりピンは上方に移動し、凸状スイッチS2は”オン”から”オフ”になる。また、同図(c)に示すように、装置が第2の状態である場合にも、ピンは押圧されないので凸状スイッチS2は”オフ”状態を維持する。このような凸状スイッチS1,S2の検知信号と装置の状態との関係を表1にまとめて示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1によれば、装置が不使用状態のときは凸状スイッチS1,S2はどちらも”オン”となり、装置が第1の状態のときは凸状スイッチS1,S2はどちらも”オフ”、そして第2の状態のときは凸状スイッチS1が”オフ”で、凸状スイッチS2が”オン”となる。したがって、この2つの検知手段S1,S2からの検知信号により、装置が第1の状態であるか第2の状態であるかのみならず不使用状態であることまでも検知できることが理解される。
【0046】
これを利用して、画面表示部21の点灯・消灯および画面表示の切替の制御を、表1に示すように制御するのが好ましい。すなわち、装置が不使用状態から第1の状態になった場合には画面表示部21を自動的に点灯し、また装置が第1の状態から第2の状態になった場合には画面表示部21の画面表示を第1の状態から90°回転させる。反対に、装置が第2の状態から第1の状態になった場合には画面表示を前とは逆方向に90°回転させ、第1の状態から不使用状態になった場合には画面表示部21を自動的に消灯させるのである。また、不使用状態になった場合の別の方法としては、画面表示のバックライトのみをオフにしたり、装置の電源をオフにしたり、あるいは通信機能搭載のPDAであれば通信機能以外のアプリケーションをオフにしたりして、無駄な電力消費が抑えられ省エネルギー化が図れる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の情報処理装置では、第1の筐体と第2の筐体とを、画面表示部が入力部側を向いた状態で第1の筐体に対して第2の筐体が開けられた第1の状態と、第2の筐体の画面表示部と反対面側が入力部の面と対向するように第2の筐体が前記第1の筐体と重なっている第2の状態とに選択可能に連結し、第1の状態と第2の状態とでその画面表示を90°回転させるようにしたので、キーボードなどの入力部から入力する場合は装置を横長の状態で使用し、選択・決定操作を行う場合は装置を縦長の状態で使用することができる。これにより、従来に比べキーボードなどからの入力が行いやすく、また選択・決定操作を行う場合に、装置を片手で楽に支持・操作できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報処理装置の不使用状態の一例を示す斜視図である。
【図2】第2の筺体に補助画面表示を設けた装置の斜視図である。
【図3】装置を第1の状態にしたときの一例を示す斜視図である。
【図4】装置を第1の状態から第2の状態へ変化させている斜視図である。
【図5】装置を第2の状態にしたときの一例を示す斜視図である。
【図6】第1の状態から第2の状態にしたときの画面表示部の表示の変化を示す図である。
【図7】設定画面から画面表示の回転禁止を入力する場合の一例を示す図である。
【図8】本発明で使用できる検知手段の一例を示す斜視図である。
【図9】本発明で使用できる検知手段の他の例を示す斜視図である。
【図10】装置の使用形態の一例を示す斜視図である。
【図11】検知手段の検知状態を示す装置の側断面図である。
【図12】他の検知手段の検知状態を示す装置の側断面図である。
【符号の説明】
1 第1の筐体
2 第2の筐体
3 ヒンジ部(連結手段)
11 入力部
12 操作部
12a ジョグダイヤル(操作部)
12b シーソー型キートップ(操作部)
12c 単キートップ(操作部)
21 画面表示部
22 第2画面表示部
31 ヒンジカバー
41 発光素子(検知手段)
42 受光素子(検知手段)
43,44 ホール素子(検知手段)
S1,S2 凸状スイッチ
T1,T2 突起
Claims (16)
- 入力部を備えた第1の筐体と、一方面側に画面表示部を備えた第2の筐体と、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを連結する連結手段と、前記画面表示部の画面表示を制御する制御部とを備えた情報処理装置において、
前記連結手段は、前記画面表示部が入力部側を向いた状態で前記第1の筐体に対して前記第2の筐体が開けられた第1の状態と、前記第2の筐体の画面表示部と反対面側が前記入力部の面と対向するように前記第2の筐体が前記第1の筐体と重なっている第2の状態とに選択可能に、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを連結し、
前記第1の状態と前記第2の状態との装置の状態変化を検知する検知手段からの検知信号に基づいて、前記制御部は、前記第1の状態と前記第2の状態とで、その画面表示を90°回転させることを特徴とする情報処理装置。 - 前記連結手段が、前記第1の筐体の一辺と前記第2の筐体の一辺とを連結し、前記第1の筐体に対して、前記第2の筐体を開閉する開閉軸と、前記第2の筐体を回転させる、前記開閉軸に垂直な回転軸とを有するヒンジ機構である請求項1記載の情報処理装置。
- 前記第2の筺体における前記画面表示部が設けられた反対面側に第2画面表示部をさらに設けた請求項1又は2記載の情報処理装置。
- 前記第2の状態における平面視において、前記第1の筺体の平面領域内に前記第2の筺体と前記連結手段とが収まる請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記第1の筺体の平面視における形状が長方形であって、その短手方向の長さが70〜100mmの範囲、長手方向の長さが110〜150mmの範囲である請求項4記載の情報処理装置。
- 前記第2の状態における平面視において、前記連結手段と前記第2の筺体との前記短手方向の長さの比が1:5〜1:8の範囲である請求項5記載の情報処理装置。
- 画面表示の90°回転機能を禁止させる回転禁止入力部をさらに設けた請求項1〜6のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記第2の状態における前記入力部の少なくとも一部からの入力信号を無効とする請求項1〜7のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記入力部のうち前記第1の筺体の縁辺で且つ前記連結手段から離れた位置にある入力部分からの入力を無効とする請求項8記載の情報処理装置。
- 前記画面表示部が長方形状で、前記第1の状態と前記第2の状態とで前記画面表示部の縦・横の長さが変化するのに合わせて、画面表示内容の改行処理を行う請求項1〜9のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記検知手段が第2の状態を検知するものである請求項1〜10のいずれかに記載の情報処理装置。
- 2以上の検知手段を用いて前記装置の状態変化を検知するとともに、前記第2の筐体の画面表示部の面が前記入力部の面と対向するように前記第2の筐体が前記第1の筐体と重なっている不使用状態をも検知し、
前記不使用状態の場合には前記画面表示部を消灯させる請求項1〜11のいずれかに記載の情報処理装置。 - 前記検知手段の少なくとも1つが、前記第1の筐体と前記第2の筐体との連結部分に設けられている請求項1〜12のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記検知手段の少なくとも1つとしてホール素子を用いる請求項1〜12のいずれかに記載の情報処理装置。
- 装置が前記第1の状態であるときに、正面方向から見て前記第1の筐体の背面右側部に、画面表示内容の制御に関する操作を行う操作部を設けると共に、
装置を前記第1の状態から前記第2の状態にしたとき、前記連結手段から見て前記画面表示を反時計回りに90°回転させ、前記第2の状態における装置の使用状態において、前記操作部が装置の左側面上部に位置するようにした請求項1〜14のいずれかに記載の情報処理装置。 - 請求項11〜15に記載のいずれかの情報処理装置を用いて、前記画面表示部が前記入力部側を向いた前記第1の状態から、画面表示部と反対面側が入力部側を向く方向に前記画面表示部を回転させて前記画面表示部を第三者の方へ向け、第三者に情報を伝えることを特徴とする情報処理装置の使用方法。
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