JP2004164189A - 車両用報知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】実際の交通状況を考慮した報知を行い、接触可能性の報知の効果を有効にすることができる。
【解決手段】相対速度Vrが0よりも大きく(自車両が前方車両に接近中であり)、かつ前方車両が減速中の場合(ステップS51、ステップS53)、衝突時間用ゲインk_TTCを通常時の値k_0よりも大きい値k_1に設定する(ステップS54)。ここで、衝突時間用ゲインk_TTCは、接触可能性の報知としての制動力の大きさを規定するものである。よって、自車両が前方車両に接近中であり、前方車両が減速中の場合、通常のものよりも大きい制動力を発生させる。
【選択図】 図20

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車両と自車両の前方物体との接触可能性に応じて減速制御を行い接触可能性を報知する車両用報知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自車両が自車両の前方物体(例えば前方車両)に接触するのを防ぐ目的で運転者に接触可能性の報知を行う技術がある(例えば特許文献1参照)。このような接触可能性を報知する技術では、レーザレーダや電波式レーダ等によって前方物体を検出し、その検出した前方物体との接触可能性に基づいて警報音出力や減速制御等により接触可能性の報知を行っている。このように警報音出力や減速制御等の警報動作を行うことで、自車両が前方物体に接触してしまうことを軽減又は防止をしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−286313号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
自車両が前方車両に接触する可能性が高まる場面は実際の交通状況で様々あり、自車速、前方車両との間の車間距離或いは前方車両との相対速度が変化していない場合でも、交通状況や走行している場所等によって接触可能性が異なる。例えば、自車両が前方車両に接近しつつある状況下で、前方車両が減速を行っている場合には、自車両と前方車両とが接触に至る可能性は高いと考えられる。しかし、前述の従来技術では、このような条件にかかわらず一定の強さで作動(減速制御が一様に作動)するため、接触可能性の報知の効果が十分でないことが起こり得る。
【0005】
また、天候条件が降雨、霧、降雪等の場合、前方視界が十分に確保されていないために、運転者が前方車両を確実に認識できていない可能性がある。このような状況下で前方車両が減速した場合、運転者は前方車両の減速挙動を認識するのに遅れてしまう可能性がある。しかし、前述の従来技術では、このような条件にかかわらず一定の強さで作動するため、接触可能性の報知の効果が十分でないことが起こり得る。
【0006】
本発明は、前述の実情に鑑みてなされたものであり、実際の交通状況を考慮した報知を行い、接触可能性の報知の効果を有効にすることができる車両用報知装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述の問題を解決するために、本発明に係る車両用報知装置は、自車両が前方に存在する物体に接触する可能性に基づいて、駆動トルク又は制動トルクの少なくとも一方を変化させて接触可能性の報知を接触可能性報知手段により行い、前記走行環境を走行環境検出手段により検出し、前記走行環境検出手段が検出した走行環境に基づいて、前記接触可能性報知手段の制御量を報知制御手段により変更する。
【0008】
請求項2記載の発明にあるように、走行環境としては前方に存在する物体が挙げられ、報知制御手段は、前方に存在する物体が自車両に接近することを検出した場合、前記接触可能性報知手段の制御量を大きくする。
また、請求項8記載の発明では、報知制御手段は、前記接触可能性報知手段の報知開始タイミングで制御量を不連続に発生させる。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、走行環境に応じて接触可能性の報知の制御量を変更することで、実際の交通状況を考慮した報知を行うことができ、接触可能性の報知の効果を有効にすることができる。
特に請求項8記載の発明によれば、報知開始タイミングの制御量を不連続にすることで、接触可能性を運転者に確実に報知することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、複数の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、第1の実施の形態であって、本発明に係る車両用報知装置が組み込まれている走行制御システムの構成を示す。
【0011】
この走行制御システムは、レーダ装置30、車速センサ1、障害物検出処理装置2、ブレーキペダル3、アクセルペダル4、制動力制御装置20、駆動力制御装置10、コントローラ5及びエンジン6を備えている。なお、特に示すまでもなく、車両は他の構成、例えば操舵角センサ等も有している。
駆動力制御装置10は、アクセル操作手段であるアクセルペダル4の操作状態に応じた駆動力を発生するようにエンジン6を制御するとともに、外部からの指令に応じて、発生させる駆動力を変化させるように構成されている。
【0012】
図2は、その駆動力制御装置10の構成をブロック図として示す。この駆動力制御装置10は、ドライバ要求駆動力算出部11、加算器12及びエンジンコントローラ13を備えている。
ドライバ要求駆動力算出部11は、アクセルの操作量であるアクセルペダル4の踏み込み量(以下、アクセルペダル踏み込み量という。)に応じ運転者が要求する駆動力(以下、ドライバ要求駆動力という。)を算出する。例えば、ドライバ要求駆動力算出部11は、図3に示すようなアクセルペダル踏み込み量とドライバ要求駆動力との関係を定めた特性マップ(以下、ドライバ要求駆動力算出用マップという。)を用いて、アクセルペダル踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力を得ている。そして、ドライバ要求駆動力算出部11は、求めたドライバ要求駆動力を加算器12を介してエンジンコントローラ13に出力する。なお、ドライバ要求駆動力算出用マップはドライバ要求駆動力算出部11が保持している。
【0013】
エンジンコントローラ13は、ドライバ要求駆動力を目標駆動力としてエンジン6への制御指令値を算出する。エンジン6はこの制御指令値に基づいて駆動される。また、駆動力制御装置10には、加算器12に駆動力補正量が入力されており、その駆動力補正量の入力がある場合には、エンジンコントローラ13には、加算器12でこの駆動力補正量が加算された補正後のドライバ要求駆動力からなる目標駆動力が入力される。
【0014】
このように、駆動力制御装置10は、ドライバ要求駆動力算出部11によりアクセルペダル踏み込み量に応じてドライバ要求駆動力を算出し、その一方で、駆動力補正量が別途入力された場合にはこの駆動力補正量を加算器12で加えた目標駆動力を得て、エンジンコントローラ13でその目標駆動力に応じた制御指令値を算出する。
【0015】
制動力制御装置20は、ブレーキ操作手段であるブレーキペダル3の操作状態に応じた制動力を発生するようにブレーキ液圧を制御するとともに、外部からの指令に応じて、発生させる制動力を変化させるように構成されている。
図4は、その制動力制御装置20の構成をブロック図として示す。この制動力制御装置20は、ドライバ要求制動力算出部21、加算器22及びブレーキ液圧コントローラ23を備えている。
【0016】
ドライバ要求制動力算出部21は、ブレーキの操作量であるブレーキペダル3の踏み込み力(以下、ブレーキペダル踏み込み力という。)に応じ運転者が要求する駆動力(以下、ドライバ要求制動力という。)を算出する。例えば、ドライバ要求制動力算出部21は、図5に示すように、ブレーキペダル踏み込み力とドライバ要求制動力との関係を定めた特性マップ(以下、ドライバ要求制動力算出用マップという。)を用いて、ブレーキペダル踏み込み力に対応するドライバ要求制動力を得ている。そして、ドライバ要求制動力算出部21は、求めたドライバ要求制動力を加算器22を介してブレーキ液圧コントローラ23に出力する。なお、ドライバ要求制動力算出用マップはドライバ要求制動力算出部21が保持している。
【0017】
ブレーキ液圧コントローラ23は、ドライバ要求制動力を目標制動力としてブレーキ液圧指令値を算出する。また、制動力制御装置20には、加算器22に制動力補正量が入力されており、その制動力補正量の入力がある場合には、ブレーキ液圧コントローラ23には、加算器22でこの制動力補正量が加算された補正後のドライバ要求制動力からなる目標制動力が入力される。
【0018】
このように、制動力制御装置20は、ドライバ要求制動力算出部21によりブレーキペダル踏み込み力に応じてドライバ要求制動力を算出し、その一方で、制動力補正量が別途入力された場合にはこの制動力補正量を加算器22で加えた目標駆動力を得て、ブレーキ液圧コントローラ23で目標制動力に応じたブレーキ液圧指令値を算出する。
【0019】
レーダ装置30は、図1に示すように、車両前部に搭載されており、前方物体までの距離を算出するように構成されている。
図6はレーダ装置30の構成を示す。レーダ装置30は、赤外線レーザ光を出射する発光部31と、その反射光を受光し、その受光に応じた電圧を出力する受光部32とを備え、発光部31と受光部32とが隣接して配置された構成になっている。ここで、発光部31は、図6中に矢印Aとして示す方向に振れるように構成され、スキャニング機構が組み合わされたものになっている。そして、発光部31は、角度を変化させながら所定角度範囲内で順次発光するようになっている。このレーダ装置30は、当該発光部31のレーザ光の出射から受光部32における受光までの時間差に基づいて自車両から前方障害物200までの距離を計測する。
【0020】
このようなレーダ装置30は、発光部31をスキャニング機構によりスキャニングしながら、各スキャニング位置或いはスキャニング角度について、反射光を受光しているか否かの判定を行い、反射光を受光した場合に前方障害物200までの距離を算出する。さらに、レーダ装置30は、前方障害物200を検出したときのスキャニング角と前記前方障害物200までの距離とに基づき、自車両に対する当該前方障害物200の左右方向の位置も算出する。すなわち、レーダ装置30は、自車両に対する障害物200の相対的な位置をも特定するように構成されている。
【0021】
図7は、このレーダ装置30がスキャニングして得た障害物の検出結果の一例を示す。各スキャニング角で自車両に対しての障害物の相対的な位置を特定することで、図7に示すように、スキャニング範囲内で検出できる複数の物体についての平面的な存在状態図を得ることができる。
なお、レーダ装置30は、発光部31が赤外線を使った光式のものに限定されるものではなく、発光部31がマイクロ波やミリ波等を使った電波式のものであってもよく、また、ビデオ画像を処理することによって前方障害物200を検出するように構成されているものであってもよい。レーダ装置30は、以上のようにして検出した結果を障害物検出処理装置2に出力する。
【0022】
障害物検出処理装置2は、レーダ装置30の検出結果に基づいて前方障害物200の情報を得るように構成されている。具体的には、障害物検出処理装置2は、レーダ装置30からスキャニング周期毎(或いはスキャンニング角度毎)に出力される物体の存在状態同士を比較し、物体の動きを判別するとともに、検出した物体間の近接状態や動きの類似性等の情報に基づいてこれら物体が同一物体であるか異なる物体であるかを判別する。
【0023】
この処理により、障害物検出処理装置2は、自車両からその物体(前方障害物)までの前後方向距離X(m)、自車両に対する物体の左右方向距離Y(m)、その物体の幅W(m)、さらに、自車両の走行速度とその物体の移動速度(走行速度)との相対速度ΔV(m/s)を得ている。そして、障害物検出処理装置2は、複数の物体を特定した場合には、各物体についてそれらの情報を得ている。障害物検出処理装置2は、これら情報を所定の時間周期でコントローラ5に出力する。
【0024】
コントローラ5は、車両について各種制御を行うように構成されている。本実施の形態では、コントローラ5の機能を特に本発明に係るものに限定して説明する。すなわち、コントローラ5は、車速センサ1からの車速情報、前記障害物検出処理装置2の検出結果、及びアクセルペダル4の操作状態情報等といった各種情報が入力されており、これらの情報に基づいて指令信号を演算し、求めた指令信号を前記駆動力制御装置10及び制動力制御装置20にそれぞれに出力する。
【0025】
ここで、図8を用いて、コントローラ5の処理手順を説明する。コントローラ5は、この図8に示す処理をタイマ割り込みによって一定時間毎に呼び出すサブルーチンとして実行している。
先ずステップS1において、コントローラ5は、車速センサ1及び図示しない舵角センサから車速データ及び舵角データを取込む。ここで、車速センサ1及び舵角センサは、それぞれ回転に応じた所定間隔のパルスを出力するエンコーダであり、コントローラ5は、これらセンサからのパルス数をカウントし、これを積算することで操舵角δ(rad)及び自車速Vh(m/s)を算出する。コントローラ5は、この結果を図示しないメモリに格納する。
【0026】
続いてステップS2において、コントローラ5は障害物情報を取り込む。すなわち、コントローラ5は、障害物検出処理装置2の検出結果である前後方向距離X(m)、左右方向距離Y(m)、物体幅W(m)及び相対速度ΔV(m/s)を取込む。コントローラ5は、例えば障害物検出処理装置2との間の情報交換をシリアル通信のような一般的な通信処理で行っている。そして、コントローラ5は、取り込んだこれら情報をメモリに格納する。
【0027】
続いてステップS3において、コントローラ5は、取り込んだ自車速Vh及び操舵角δに基づいて次のような自車進路予測を行う。
自車速Vh及び操舵角δに応じて車両の旋回曲率ρ(1/m)を与える式は一般に下記(1)式として知られている。
ρ={1/(1+A・Vh)}・(δ/N) ・・・(1)
ここで、Lは自車両のホイールベースであり、Aは車両に応じて定められたスタビリティー・ファクタと呼ぶ正の定数であり、Nはステアリングギア比である。
【0028】
ここで、旋回半径Rは、旋回曲率ρを用いて下記(2)式として示すことができる。
R=1/ρ ・・・(2)
この旋回半径Rを用いることで、図9に示すように、自車両300から当該自車両300の方向と鉛直にRだけ離れた位置(図9では右方向に離れている位置)にある点を中心とした半径Rの円弧として、自車両の進路を予測できる。
【0029】
なお、以下の説明では、操舵角δは、右方向に操舵された場合に正値をとり、左方向に操舵された場合に負値をとるものとし、旋回曲率及び旋回半径については、操舵角δが正値をとる場合に右旋回、操舵角δが負値をとる場合に左旋回を意味するものとする。
さらに、このような予測進路を車幅或いは車線幅を考慮したものに変換する。すなわち、前述した予測進路はあくまでも自車の進行方向を予測した軌道にすぎないので、車幅或いは車線幅を考慮して自車両が走行するであろう領域を決定する必要がある。図10は、それらを考慮することで得た予測走路を示す。この図10に示す予測走路は、前述した予測進路に自車両300の幅Twを加えて得たものである。すなわち、前記予測進路と同一点を中心とし半径がR−Tw/2の円弧と半径がR+Tw/2の円弧とで囲まれる領域として、自車両の予測進路を得る。
【0030】
なお、操舵角δを用いる代わりにヨーレートγを用いて、自車両の予測進路を、そのヨーレートγと自車速Vhとの関係として下記(3)式により得てもよい。
R=Vh/γ ・・・(3)
或いは、横加速度Ygと自車速Vhとの関係として自車両の予測進路を下記(4)式により得てもよい。
【0031】
R=Vh/Yg ・・・(4)
なお、以下の説明は、最初に説明した自車速Vhと操舵角δとの関係に基づいて予測進路を求めていた場合を前提にした説明とする。
ステップS3においてこのような自車両の進路予測を行った後、コントローラ5は、ステップS4において、取り込んだ物体(障害物)についての情報からそれらの物体が前記予測走路の走路上にあるか否かを判定する。そして、走路上に障害物がある場合には、その障害物を対象として、ステップS5以降の処理で接触の可能性判断処理を行う。このような処理により、自車両に対して非常に近い位置にある物体であっても、前述のように決定した自車両の予測走路から外れているものは、接触可能性のある対象として取り扱われないようになる。
【0032】
ステップS5では、コントローラ5は、接触の可能性を判断するために、下記(5)式により自車両と障害物との間の車間距離Xを自車速Vhで除した車間時間THWを算出し、また、下記(6)式により自車両と障害物との間の車間距離Xを相対速度Vr(ΔV)で除した衝突時間TTCを算出する。
THW=X/Vh ・・・(5)
TTC=X/Vr ・・・(6)
また、前記ステップS4において前記予測走路の走路上に複数の物体があるとされた場合には、各物体について、車間時間THW及び衝突距離TTCを得る。
【0033】
続いてステップS6において、コントローラ5は、車間距離THWが最小となる物体(障害物)、さらには衝突時間TTCが最小となる物体(障害物)をそれぞれ選択する。
続いてステップS7において、コントローラ5は、前方に存在する物体である前方車両が減速中か否かを判定する。例えば、コントローラ5は、相対速度ΔVに基づいて前方車両が減速中か否かを判定する。
【0034】
続いてステップS8において、コントローラ5は、衝突時間TTCの比較に用いるしきい値(以下、衝突時間用しきい値という。)TTC_Thを算出する。図11は、この衝突時間用しきい値TTC_Thの設定処理の処理手順を示す。先ずステップS21において、コントローラ5は、相対速度Vrが0よりも大きいか否かを判定し、相対速度Vrが0よりも大きい場合(Vr>0、自車両が前方車両に接近中の場合)、前記ステップS23に進み、相対速度Vrが0以下である場合(Vr≦0、自車速が前方車両の速度と同じ、或いは自車両が前方車両から離れていく場合)、ステップS22に進む。
【0035】
ステップS22では、コントローラ5は、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0に設定して(TTC_Th=Th_0)、当該図11に示す処理を終了する。
ステップS23では、コントローラ5は、前記ステップS7の判定結果が前方車両が減速中の場合、ステップS24に進み、前方車両が減速中でない場合、前記ステップS22に進む。
【0036】
ステップS24では、コントローラ5は、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0よりも大きい値Th_1(Th_1>Th_0)に設定して(TTC_Th=Th_1)、当該図11に示す処理を終了する。
以上のように、ステップS8において、コントローラ5は衝突時間用しきい値TTC_Thを設定する。
【0037】
続いて図8のステップS9において、コントローラ5は、車間時間THWが最小である物体の当該車間時間THWとこの車間時間用を比較のためのしきい値(以下、車間時間用しきい値という。)THW_Thとを比較して補正量を算出し、また、衝突時間TTCが最小である物体の当該衝突時間TTCと前記ステップS8で得た衝突時間用しきい値TTC_Thとを比較して補正量を算出する。なお、説明を省略するが、車間時間用しきい値THW_Thも別途求めている。
【0038】
補正量の算出処理では次のような仮定から補正量を算出している。
図12中(A)に示すように、自車両300と前方に存在する物体である前方車両(先行車両)400との間であり、自車両300の前方に、仮想的な弾性体(以下、仮想弾性体という。)500があるモデルを仮定している。そして、このモデルでは、自車両300と前方車両400との間隔がある距離以下になったときに、仮想弾性体500が前方車両400に当たり圧縮され、この圧縮力が仮想弾性体500の反発力として自車両300に擬似的な走行抵抗として作用するようにしている。
【0039】
このモデルにおける仮想弾性体500の長さL_THW(l)は、自車速Vh及び車間時間用しきい値THW_Thに関連付けて下記(7)式として与えている。
L_THW=THW_Th×Vh ・・・(7)
そして、この長さL_THW(l)の仮想弾性体500の弾性係数をk_THW(k)と仮定し、図12中(B)に示すように、自車両300に対して仮想弾性体500の長さL_THW(l)の範囲内に前方車両400が位置された場合に前後方向距離(弾性変位)Xに応じて変化するものとして、仮想弾性体500による第1の反発力F_THWを下記(8)式として与える。
【0040】
F_THW=k_THW×(L_THW−X) ・・・(8)
このモデルによれば、自車両300と前方車両400との間の距離が基準長さL_THW(l)より短い場合、弾性係数k_THWを有する仮想弾性体500により第1の反発力F_THWが発生することになる。ここで、弾性係数k_THWは、制御によって適切な警報効果が得られるように調整される制御パラメータである。
【0041】
以上のような関係から、車間距離が長い、すなわち
X>L_THW
の場合、仮想弾性体500は圧縮されないため、第1の反発力F_THWは発生しない。すなわち、
F_THW=0
となる。一方、車間距離が短い場合、補正量として仮想弾性体500の第1の反発力F_THWは前後方向距離Xに応じて前記(8)式により算出できる。
【0042】
また、前述のモデルでは、仮想弾性体(以下、第1の仮想弾性体という。)500の長さL_THW(l)を自車速Vh及び車間時間用しきい値THW_Thに関連付けて得ているが、これと同様に、衝突時間用しきい値TTC_Thに関連付けて長さがL_TTCである仮想的な弾性体(以下、第2の仮想弾性体という。)のモデルも想定できる。図13には、前記第1の仮想弾性体501を含めてその第2の仮想弾性体502のモデルを示す。
【0043】
この第2の仮想弾性体502については、相対速度Vrに応じて衝突時間用しきい値TTC_Thに関連付けて記(9)式として第2の仮想弾性体の長さL_TTCを与える。
L_TTC=TTC_Th×Vr ・・・(9)
そして、この第2の仮想弾性体502の弾性係数をk_TTC(k)と仮定し、図12中(B)に示すように、自車両300に対して第2の仮想弾性体502の長さL_TTC(l)の範囲内に前方車両400が位置された場合に前後方向距離(弾性変位)Xに応じて変化するものとして、第2の仮想弾性体502による第2の反発力F_TTCを下記(10)式として与える。
【0044】
F_TTC=k_TTC×(L_TTC−X) ・・・(10)
このモデルによれば、自車両300と前方車両400との間の距離が基準長さL_TTC(l)より短い場合、弾性係数k_TTCを有する第2の仮想弾性体502により第2の反発力F_TTCが発生することになる。ここで、弾性係数k_THWは、制御によって適切な警報効果が得られるように調整される制御パラメータである。
【0045】
以上のような関係から、相対速度が小さく、車間距離が長い場合、すなわち、
X>L_TTC
の場合、第2の仮想弾性体502は圧縮されないため、第2の反発力F_TTCは発生しない。すなわち、
F_TTC=0
となる。一方、相対速度が大きく、車間距離が短い場合、
L_TTC>X
となり、補正量として第2の仮想弾性体502の第2の反発力F_TTCは、前後方向距離Xに応じて前記(10)式により算出できる。
【0046】
以上のようにモデルを仮定し、長さL_THWの第1の仮想弾性体501により第1の反発力F_THWを算出し、長さL_TTCの第2の仮想弾性体502により第2の反発力F_TTCを算出している。
そして、以上のように算出した第1及び第2の反発力F_THW,F_TTCのうち、大きい方の値を最終的な補正値Fcとして決定する。
【0047】
図14は、以上のような補量算出処理の処理手順を示す。なお、この処理手順では、基本的には前述の考え方と同様であるが、車間時間THWと車間時間用しきい値THW_Thとの関係、或いは衝突時間TTCと衝突時間用しきい値TTC_Thとの関係に基づいて、最終的な補正値Fcを得るような処理になっている。
【0048】
すなわち、先ずステップS31において、コントローラ5は、車間時間THWが車間時間用しきい値THW_Th未満であるか否かを判定し、車間時間THWが車間時間用しきい値THW_Th未満の場合、ステップS32に進み、車間時間THWが車間時間用しきい値THW_Th以上の場合、ステップS33に進む。
【0049】
ステップS32では、コントローラ5は、前記(8)式から前後方向距離Xに応じた第1の反発力F_THWを算出し、ステップS34に進む。一方、ステップS33では、コントローラ5は、第1の反発力F_THWを0として、ステップS34に進む。
ステップS34では、コントローラ5は、衝突時間TTCが衝突時間用しきい値TTC_Th未満であるか否かを判定し、衝突時間TTCが車間時間用しきい値TTC_Th未満の場合、ステップS35に進み、衝突時間THWが車間時間用しきい値THW_Th以上の場合、ステップS36に進む。
【0050】
ステップS35では、コントローラ5は、前記(10)式から前後方向距離Xに応じた第2の反発力F_TTCを算出し、ステップS37に進む。一方、ステップS36では、コントローラ5は、第2の反発力F_TTCを0として、ステップS37に進む。
ステップS37では、コントローラ5は、以上のように算出した第1及び第2の反発力F_THW,F_TTCのうち、大きい方の値を最終的な補正値Fcとして決定する。
【0051】
以上のように、ステップS9において、コントローラ5は補正量Fcを算出する。
そして、コントローラ5は、ステップS10において、このようにして得た補正量Fcを駆動力制御装置10や制動力制御装置20に出力する。
図15は、その補正量出力処理の処理手順を示す。
【0052】
先ずステップS41において、コントローラ5は、予め読み込んでいるアクセルペダル踏み込み量の情報に基づいてストローク変位量を得る。
続いてステップS42において、コントローラ5は、このストローク変位量に基づいて運転者が要求する駆動力であるドライバ要求駆動力Fdを推定する。具体的には、コントローラ5は、駆動力制御装置10がドライバ要求駆動力算出用に使用しているドライバ要求駆動力算出用マップ(図3)と同一のマップを使用して、アクセルペダル踏み込み量に応じたドライバ要求駆動力Fdを推定する。
【0053】
続いてステップS43において、コントローラ5は、推定したドライバ要求駆動力Fdと前記補正量Fcとを比較して、その大小関係を得る。すなわち、コントローラ5は、ドライバ要求駆動力Fdが補正量Fc以上であるか否かを判定し、ドライバ要求駆動力Fdが補正量Fc以上である場合(Fd≧Fc)、ステップS44に進み、ドライバ要求駆動力Fdが補正量Fc未満である場合(Fd<Fc)、ステップS46に進む。
【0054】
コントローラ5は、ステップS44において、駆動力補正量として前記補正量Fcを駆動力制御装置10に出力し、さらに、ステップS45において、制動力補正量として0を制動力制御装置20に出力する。
一方、コントローラ5は、ステップS46において、駆動力補正量としてドライバ要求駆動力Fdの負値(−Fd)を駆動力制御装置10に出力し、さらに、ステップS47において、前記補正量Fcからドライバ要求駆動力Fdを引いた値(Fc−Fd)を制動力補正量として制動力制御装置20に出力する。
【0055】
このようなコントローラ5の補正量出力処理により、駆動力制御装置10では、コントローラ5からの駆動力補正量をドライバ要求駆動力に加算した値として目標駆動力を得て、制動力制御装置20では、コントローラ5からの制動力補正量をドライバ要求制動力に加算した値として目標制動力を得る。
なお、このように目標駆動力や目標制動力を補正量Fcを用いて得ており、前述したように、その補正量Fcは第1及び第2の反発力F_THW,F_TTCにより決定されている。そして、第1及び第2の反発力F_THW,F_TTCは、前記(8)式や(10)式に示したように、弾性係数k_THW,k_TTCの乗算値として得ている。このようなことから、弾性係数k_THW,k_TTCは目標駆動力や目標制動力、或いは補正量Fcの制御ゲインとなる。
【0056】
以上のようにコントローラ5は種々の処理を行っている。
以上のような構成により、走行制御システムは、駆動力制御装置10によりアクセルペダル4の操作状態に応じた駆動力を発生するようにエンジン6を制御するとともに、制動力制御装置20によりブレーキペダル3の操作状態に応じた制動力を発生するようにブレーキを制御している。
【0057】
その一方で、走行制御システムでは、接触可能性のある障害物の有無に応じてそのような各操作状態に応じた制御量を補正している。すなわち、走行制御システムでは、レーダ装置30の検出状態に応じて障害物検出処理装置2により得た自車両の前方の障害物の情報、車速センサ1からの自車速情報、及び操舵角センサからの操舵角情報に基づいて、接触可能性のある障害物を特定するとともに、図12又は図13に示した制御量補正用のモデルを用いて前記特定した障害物との関係から補正量Fcを求め、その補正量Fcを利用して運転者の操作状態に応じた駆動力補正量及び制動力補正量をそれぞれ得て、これら駆動力補正量及び制動力補正量で補正した目標駆動力及び目標制動力によってエンジン6やブレーキ装置を制御している。
【0058】
次に動作例を説明する。
走行制御システムは、自車進路予測を行い(前記ステップS3)、予測走路の走路上に障害物がある場合には、接触の可能性判断のための障害物を特定する(前記ステップS4〜ステップS6)。具体的には、予測走路の走路上にある障害物について車間時間THWと衝突時間TTCとを算出し、ここで複数の障害物がある場合には、各障害物について車間時間THWと衝突時間TTCとを算出し(前記ステップS4及びステップS5)、その車間時間THWと衝突時間TTCとから、車間距離THWが最小となる障害物、さらには衝突時間TTCが最小となる障害物を特定する(前記ステップS6)。
【0059】
その一方で、走行制御システムは、衝突時間用しきい値TTC_Thの設定を行う。具体的には、走行制御システムは、Vr>0(自車両が前方車両に接近中)、かつ前方車両が減速中の場合、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0より大きい値Th_1に設定する(前記ステップS23、TTC_Th=Th_1)。一方、Vr≦0(自車速が前方車両の速度と同じ、或いは自車両が前方車両から離れていく場合)、又は前方車両が減速中でない場合、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値に設定する(前記ステップS22、TTC_Th=Th_0)。
【0060】
そして、走行制御システムは、車間時間THWが最小である物体の当該車間時間THWと車間時間用しきい値THW_Thとを用いて補正量となる第1の反発力F_THWを求め、さらに衝突時間TTCが最小である物体の当該車間時間THWと前述のように求めた衝突時間用しきい値TTC_Thとを用いて補正量となる第2の反発力F_TTCを求める(前記ステップS9)。
【0061】
具体的には、車間時間THWが車間時間用しきい値THW_Th未満の場合、すなわち車間時間が長い場合(車間距離が距離L_THWに達していない場合)、第1の反発力F_THWを0とし(前記ステップS33)、車間時間THWが車間時間用しきい値THW_Th以上の場合、すなわち車間時間が短い場合(車間距離が距離L_THWに達している場合)、第1の反発力F_THWを前記(8)式からその時の車間距離に応じた値として算出する(前記ステップS32)。また、衝突時間TTCが衝突時間用しきい値TTC_Th未満の場合、すなわち衝突時間が長い場合(車間距離が距離L_TTCに達していない場合)、第2の反発力F_TTCを0とし(前記ステップS36)、衝突時間TTCが衝突時間用しきい値TTC_Th以上の場合、すなわち衝突時間が短い場合(車間距離が距離L_TTCに達している場合)、第2の反発力F_TTCを前記(10)式からその時の車間距離に応じた値として算出する(前記ステップS35)。
【0062】
そして、走行制御システムは、第1及び第2の反発力F_THW,F_TTCのうち、大きい方の値を最終的な補正値Fcとして決定する(前記ステップS37)。走行制御システムは、このようにして得た補正量Fcに基づいて目標駆動力を決定し、エンジン6を駆動している(前記ステップS10)。
すなわち、走行制御システムは、アクセルペダル4が踏み込まれている場合において、アクセルペダル4の踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力Fdが補正量Fc以上である場合、駆動力補正量として補正量Fcの負値−Fcを駆動力制御装置10に出力するとともに、制動力補正量として0を制動力制御装置20に出力する(前記ステップS44及びステップS45)。
【0063】
これにより、駆動力制御装置10側ではドライバ要求駆動力に前記負値−Fc分が加算された目標駆動力が得られ、この目標駆動力になるようにエンジン6が駆動される。この結果、運転者が要求した駆動力に対して実際の駆動力がFc分だけ小さくなり、これにより、運転者によるアクセルペダルの踏み込みに対して車両は鈍い加速挙動を示すようになる。よって、アクセルペダル4を踏んでいるにもかかわらず期待したほどの加速感が得られない状態になるので、このような鈍い加速挙動を接触可能性の報知として、運転者は、自車両が先行車両に接近していることを知ることになる。
【0064】
一方、走行制御システムは、アクセルペダル4の踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力Fdの推定値が補正量Fc未満である場合、駆動力補正量として推定したドライバ要求駆動力Fdの負値−Fdを駆動力制御装置10に出力するとともに、補正量Fcから推定したドライバ要求駆動力Fdを引いた差分値(Fc−Fd)を制動力補正量として制動力制御装置20に出力する(前記ステップS46及びステップS47)。
【0065】
これにより、駆動力制御装置10側ではドライバ要求駆動力に前記負値−Fd分が加算された目標駆動力が得られ、この目標駆動力になるようにエンジン6が駆動され、その一方で、制動力制御装置20側ではドライバ要求制動力に前記差分値(Fc−Fd)が加算された目標制動力が得られ、この目標制動力になるようにブレーキの制御がなされる。これにより、運転者が要求した駆動力に対して実際の駆動力が略0になり、さらに、運転者が要求している制動力に対して実際の制動力が前記差分値(Fc−Fd)分だけ大きくなる。すなわち、ドライバ要求駆動力Fdが補正量Fc未満である場合(Fd<Fc)、駆動力制御装置10の制御のみでは目標とする反発力(補正量Fc)を得ることができないので、駆動力制御装置10にドライバ要求駆動力Fdの負値−Fdを駆動力補正量を出力する一方で、制動力補正装置20にその不足分として差分値(Fc−Fd)を出力して、反発力(補正量Fc)を得るようにしている。つまり、駆動力制御装置10と制動力補正装置20とにおけるそれぞれの過不足分を調整して、駆動力制御装置10と制動力補正装置20とを協働させて、システム全体として所望の反発力(Fc)を得るようにして、その反発力を走行抵抗として車両に作用させている。よって、アクセルペダル踏み込み量が所定量(Fc)に達していない場合には、運転者が要求している制動力に対しその不足分(Fc−Fd)だけ制動力が大きくなり、車両はその制動力により減速挙動を示すようになる。このような減速挙動を接触可能性の報知として、運転者は、自車両が先行車両に接近していることを知ることになる。
【0066】
なお、前述したように、アクセルペダル踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力Fdが補正量Fc以上である場合(Fd≧Fc)、Fd−Fc≧0であるので、補正量Fcを駆動力補正量としてドライバ要求駆動力Fdを補正(減算)してもドライバ要求駆動力の差分が正値として残る。このようなことから、アクセルペダル踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力Fdが補正量Fc以上である場合には、制動力補正量を0にして、制動力制御装置20の補正に頼らずに、補正量Fcの負値を駆動力補正量として与えて駆動力制御装置10のみで補正を行い、システム全体として所望の反発力を発生させて、その反発力を走行抵抗として車両に作用させているといえる。
【0067】
また、前述したように、減速制御の大きさを示すものとなる補正量Fcについては、車間時間に基づいて得た第1の反発力F_THWと衝突時間に基づいて得た第2の反発力F_TTCのうち、大きい方の値を採用している。このようにすることで、車間時間(すなわち車間距離)に起因して自車両が前方車両に接触可能性ある場合には、第1の反発力F_THWが大きくなり、この第1の反発力F_THWを補正量Fcとした接触可能性の報知のための減速制御が働くようになる。一方、衝突時間(すなわち相対速度)に起因して自車両が前方車両に接触可能性ある場合には、第2の反発力F_TTCが大きくなり、この第2の反発力F_TTCを補正量Fcとした接触可能性の報知のための減速制御が働くようになる。これにより、車間時間や衝突時間のいずれかに起因して、自車両が前方車両に接触する可能性がある場合に、接触可能性の報知が作動するようになり、さらには、その作動原因となった車間時間又は衝突時間に応じた反発力が作用するようになる。これにより、車間時間及び衝突時間の両方を基準に、自車両が前方車両に接触する可能性をみて、接触可能性の報知をすることができる。
【0068】
なお、前述したような補正量(反発力)Fcとドライバ要求駆動力(指示トルク)Fdとの関係から得られる車両動作を図16のように図示することができる。なお、アクセル開度を一定に保っていることを前提としている。また、補正量(反発力)Fcは、前記第1の反発力F_THW又は第2の反発力F_TTCである。
【0069】
自車両300が前方車両400に接近していき、その車間距離がある距離に達すると、図16中(B)に示すように、補正量(反発力)Fcが発生するとともに、車間距離の増加に応じて補正量(反発力)Fcが増加するようになる。一方、アクセル開度が一定であるので、ドライバ要求駆動力Fdは、図16中(A)に示すように、車間距離に依らず一定値をとる。
【0070】
この場合、図16中(C)に示すように、ドライバ要求駆動力Fdと補正量(反発力)Fcとの差分値(Fd−Fc)として得られる実制駆動力は、ある車間距離まではドライバ要求駆動力Fdそのものの値となるが、ある車間距離よりも短くなると減少するようになる。さらに、車間距離が短くなると、実制駆動力は負値に至る。このような場合において、実制駆動力が減少する領域で、その値が正値である領域では、駆動力制御装置10での駆動力制御量の補正により駆動トルクを低減し(前記ステップS44及びステップS45)、また、実制駆動力が減少する領域で、その値が負値となる領域では、駆動力制御装置10の制動力制御量を補正し、すなわちブレーキを作動させ、制動力を増加させている(前記ステップS46及びステップS47)。
【0071】
また、図17は、補正量Fcに基づいた補正による駆動力及び制動力の特性を簡便に示す。
この図17に示すように、アクセルペダル踏み込み量が多い場合、このアクセルペダル踏み込み量に応じた駆動力(ドライバ要求駆動力)を反発力算出補正量Fcにより減少方向に補正し(図中Bとして示す特性)、一方、アクセルペダル踏み込み量が少ない場合、このアクセルペダル踏み込み量に応じた駆動力(ドライバ要求駆動力)が発生しないように補正する(ドライバ要求駆動力を0にする)とともに(図中Cとして示す特性)、アクセルペダル踏み込み量の増加に対して減少する制動力が発生するように補正する(図中Dとして示す特性)。さらに、ブレーキペダル3が踏み込まれた場合、補正量Fcに基づいて制動力が増大する方向に補正し(図中Eとして示す特性)、全体として車両の走行抵抗が補正量(反発力)Fcに相当するように増大させる。
【0072】
次に効果を説明する。
前述したように、前方車両への接近状態に応じて仮想的な弾性体の反発力を算出し、この反発力を絶対的な補正量として、この絶対的な補正量を実現するような駆動力補正量及び制動力補正量を駆動力制御装置10及び制動力制御装置20それぞれに出力し、ドライバ要求駆動力及びドライバ要求制動力を補正している。これにより、自車両が前方車両にある程度近づいた場合、反発力に応じて自車両に鈍い加速を与え或いは自車両を大きく減速させ、運転者に接触可能性の報知を行っている。
【0073】
また、前記モデルを自車両が前方車両に近づくにつれて前記反発力が大きくなるようにすることで、自車両が前方車両に近づくにつれて走行抵抗が大きくなるので、自車両が前方車両へ接触する可能性の高まりに応じて走行抵抗を連続的に変化させて運転者に接触可能性を報知することができる。これにより、運転者は、走行抵抗の大きさに応じて前方車両への接触可能性の高さを推測できるようになる。
【0074】
そして、前述したように、Vr>0(自車両が先行車両に接近中)、かつ前方車両が減速中の場合には、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0より大きい値Th_1に設定している(TTC_Th=Th_1)。
よって、衝突時間TTCが衝突時間用しきい値TTC_Thに達した場合、反発力(補正量)が発生することから、Vr>0(自車両が先行車両に接近中)、かつ前方車両が減速中の場合には、図18に示すように、通常の衝突時間よりも長い衝突時間で反発力(補正量)が発生するようになる。これにより、自車両が前方車両に接近中で、かつ前方車両が減速中の場合、早い時期に車両に鈍い加速が与え或いは車両を減速させて、運転者に接触可能性の報知を行うことができる。
【0075】
また、このように接触可能性を早い時期に報知することは、同一の衝突時間(車間距離)での制御量を通常の場合と本発明を適用した場合とを比較した場合に本発明の制御量が多くなる結果、すなわち制御量そのものを増加させた場合と等価の結果になる。よって、自車両が先行車両に接近中で、かつ前方車両が減速中の場合、通常の場合よりも大きな反発力が自車両に作用し、自車両はさらに鈍い加速になり、或いはさらに大きく減速するようになる。
【0076】
自車両が前方車両に接近しつつある状況下で、前方車両が減速を行っている場合には、自車両と前方車両とが接触に至る可能性は高いと考えられるが、このような状況に応じて早い時期に大きい減速度を与えることで、接触可能性を運転者に確実に報知することができるようになる。
次に第2の実施の形態を説明する。
【0077】
第2の実施の形態では、Vr>0(自車両が先行車両に接近中)、かつ前方車両が減速中の場合、制御ゲインである衝突時間TTCについての前記弾性係数(以下、第2の実施の形態の説明では衝突時間用ゲインという。)k_TTCを通常の値よりも大きい値に変更している。すなわち、第1の実施の形態では、Vr>0(自車両が前方車両に接近中)、かつ前方車両が減速中の場合、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常の値よりも大きい値に変更しているところを、第2の実施の形態では、衝突時間用ゲインk_TTCを通常の値よりも大きい値に変更している。
【0078】
図19は、それを実現するコントローラ5の処理手順を示す。前記図8に示した処理との比較でみると、図19の処理では、図8に示したステップS7の衝突時間用しきい値の設定処理に換えて、ステップS50として衝突時間用ゲインの設定処理を行っている。
図20は、その衝突時間用ゲインの設定処理の処理手順を示す。
【0079】
先ずステップS51において、コントローラ5は、前述の第1の実施の形態と同様に相対速度Vrが0よりも大きいか否かを判定する。ここで、コントローラ5は、相対速度Vrが0よりも大きい場合(Vr>0、自車両が先行車両に接近中の場合)、前記ステップS53に進み、相対速度Vrが0以下である場合(Vr≦0、自車速が先行車両の速度と同じ、或いは自車両が先行車両から離れていく場合)、ステップS52に進む。
【0080】
ステップS52では、コントローラ5は、衝突時間用ゲインk_TTCを通常時の値k_0に設定して(k_TTC=k_0)、当該図20に示す処理を終了する。
ステップS53では、コントローラ5は、第1の実施の形態と同様に前記ステップS7の判定結果に基づいて前方車両が減速中の場合、ステップS54に進み、前方車両が減速中でない場合、前記ステップS52に進む。
【0081】
ステップS54では、コントローラ5は、衝突時間用ゲインk_TTCを通常時の値k_0よりも大きい値k_1(k_1>k_0)に設定して(k_TTC=k_1)、当該図20に示す処理を終了する。
以上のように、ステップS50において、コントローラ5は衝突時間用ゲインk_TTCを設定する。
【0082】
第2の実施の形態では、コントローラ5が以上のような処理を行う。
第2の実施の形態では、前述したように、Vr>0(自車両が前方車両に接近中)、かつ前方車両が減速中の場合、衝突時間用ゲインk_TTCを通常の値よりも大きい値k_1に設定している。Vr>0(自車両が前方車両に接近中)、かつ前方車両が減速中の場合には、図21に示すように、衝突時間用ゲインk_TTCを大きい値に設定することで、通常の制御量よりも多い制御量で反発力(補正量)が発生するようになる。これにより、自車両が前方車両に接近中で、かつ前方車両が減速中の場合には、より大きい反発力で自車両に鈍い加速を与え或いは自車両を減速させて、運転者に接触可能性の報知を行うことができる。
【0083】
次に第3の実施の形態を説明する。
第3の実施の形態では、自車両が走行中の道路の種別を考慮して、衝突時間用しきい値TTC_Thの設定を行っている。すなわち、第1の実施の形態では、相対速度Vrと前方車両の減速とに基づいて衝突時間用しきい値TTC_Thを設定しているところを、第3の実施の形態では、自車両が走行中の道路種別を考慮するといった条件を加えて、衝突時間用しきい値TTC_Thを設定している。
【0084】
図22は、それを可能にする第3の実施の形態の走行制御システムの構成を示す。図22に示すように、その構成として、ナビゲーション装置40を備えている。
図23は、そのナビゲーション装置40の構成を示す。この図23に示すように、ナビゲーション装置40は、緯度及び経度算出部41、マップマッチング処理部42、地図ユニット43及び画面表示部44を備えている。
【0085】
緯度及び経度算出部41は、GPSアンテナから送られてくる衛星の位置及び時間情報に基づいて自車両の緯度及び経度を算出する。また、地図ユニット43には、デジタル地図として地図情報が格納されている。ここで、地図ユニット内のデジタル地図は、道路種別を表すデータベースとリンクされている。マップマッチング処理部42では、緯度及び経度算出部41が得た緯度及び経度情報と、地図ユニット43が持つ地図情報とに基づいてマップマッチングを行い、地図上の自車位置を特定する。画像表示部44は、マップマッチング処理部42で特定した地図上の自車位置に基づいて地図及び地図上の自車両の位置を画面表示する。
【0086】
また、ナビゲーション装置40は、マップマッチング処理部42が走行中と判断した道路について、データベースから呼び出した道路種別情報をコントローラ5に送信する。
コントローラ5は、このような構成に対応して図24に示すような処理を行う。前記図8に示した処理手順との比較でみると、図24の処理では、ステップS61として道路種別情報を取り込む処理を加えている。この道路種別情報取り込み処理は、コントローラ5が前記ナビゲーション装置40からの道路種別情報を取り込む処理である。
【0087】
図25は、その道路種別情報取り込み処理で取り込まれる道路種別情報を示す。
道路種別情報では、「高速道路」、「他の有料道路(バイパス路等を含む。)」、「一級国道」、及び「他の一般道路」の4つの道路区分に分類している。さらに、道路種別情報では、そのような道路区分の構造上の特徴に基づいて番号(分類コード)を付して細かく分類している。例えば、「高速道路」を、「11.本線上」、「12.入口車線」、「13.出口車線」、「14.サービスエリア入口車線」、「15.サービスエリア出口車線」及び「16.料金所付近」に分類し、また、「他の有料道路(バイパス路等を含む。)」を、「21.本線上」、「22.入口車線」、「23.出口車線」、「24.サービスエリア入口車線」、「25.サービスエリア出口車線」及び「26.料金所付近」に分類し、また、「一級国道」を、「31.本線上」及び「32.分岐・交差点付近」に分類し、また、「他の一般道路」を、「41.本線上」及び「42.分岐・交差点付近」に分類している。
【0088】
コントローラ5は、ナビゲーション装置40からこのような分類を、分類コードとして取り込む。
そして、コントローラ5は、前述の第1の実施の形態と同様に、ステップS2〜ステップS7の処理として、障害物情報取り込み処理から前方車両の減速判断処理を実施し、ステップS8の処理として、衝突時間用しきい値の設定処理を行う。
【0089】
図26は、第3の実施の形態での衝突時間用しきい値の設定処理の処理手順を示す。前記図11に示した処理手順との比較でみると、図26の処理では、ステップS62の処理を加えている。
すなわち、コントローラ5は、ステップS21において相対速度Vrが0よりも大きく(vr>0、自車両が先行車両に接近中の場合)、ステップS23において前方車両が減速中の場合、ステップS22に進み、前方車両が減速中でない場合、前記ステップS62に進む。
【0090】
コントローラ5は、ステップS62において自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれかに該当するか否かを判定し、道路種別コードが13,14,16,24,26のいずれかである場合、ステップS24に進み、そのいずれでもない場合、ステップS22に進む。
ステップS24では、前述の第1の実施の形態と同様に、コントローラ5は、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0よりも大きい値Th_1に設定して(TTC_Th=Th_1)、当該図26に示す処理を終了する。一方、ステップS22では、前述の第1の実施の形態と同様に、コントローラ5は、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0に設定して(TTC_Th=Th_0)、当該図26に示す処理を終了する。
【0091】
このように衝突時間用しきい値TTC_Thを設定しており、この設定処理による結果は次のようになる。
(1) Vr>0(自車両が先行車両に接近中)、前方車両が減速中であり、かつ道路種別コードが13,14,16,24,26のいずれかに該当する場合、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0より大きい値Th_1に設定する(THW_Th=Th_1)。
【0092】
(2) 前記(1)以外の場合、すなわち、Vr≦0(自車速が前方車両の速度と同じ、或いは自車両が先行車両から離れていく場合)、前方車両が減速中でない、又は道路種別コードが13,14,16,23,24,26以外の場合、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0に設定する(TTC_Th=Th_0)。
【0093】
コントローラ5は、以上のようにステップS8の衝突時間用しきい値の算出処理を行い、このステップS8で得た衝突時間用しきい値TTC_Thを用いて、前述の第1の実施の形態と同様に、ステップS9及びステップS10の処理として、補正量算出処理及び補正量出力処理を行う。
第3の実施の形態では、コントローラ5が以上のような処理を行う。
【0094】
第3の実施の形態では、前述したように、Vr>0(自車両が先行車両に接近中)でありかつ前方車両が減速中であることに加えて、道路種別コードが13,14,16,23,24,26のいずれかに該当する場合に、衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定している。
ここで、道路種別コードが13,14,16,23,24,26である場合とは、自車両が走行している道路が、高速道路の出口車線、高速道路のサービスエリア入口車線、高速道路の料金所付近、他の有料道路(バイパス路等を含む。)の出口車線、他の有料道路(バイパス路等を含む)のサービスエリア入口車線、或いは他の有料道路(バイパス路等を含む。)の料金所付近である場合である。そして、このような高速道路の出口車線や高速道路のサービスエリア入口車線等では車両(前方車両)が減速する可能性も高い。
【0095】
よって、このような走行環境を考慮することで、車両(前方車両)が減速する可能性をより高い確率をもって推定することができ、この結果、運転者に煩わしさを感じさせることなく、運転者に接触可能性の報知を行うことができる。
例えば、前方車両が一時的に減速する場合があるが、前述したように走行環境を考慮することで、そのような前方車両の減速挙動が一時的なものか、或いは継続されるものか、といったことを考慮し、衝突時間用しきい値TTC_Thを設定することができる。すなわち、前方車両が減速挙動を示し、走行路が高速道路の出口車線である場合には、そのような前方車両の減速挙動が継続されるものとして、衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定する。このようにすることで、前方車両が減速挙動を示した場合でも、より最適な場面でのみ衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定するようになり、すなわち、前方車両が減速挙動を示した場合でも、より最適な場面でのみ通常よりも早い時期により大きい反発力で車両に鈍い加速が与えて、運転者に接触可能性の報知を行うことができるようになる。
【0096】
次に第4の実施の形態を説明する。
第4の実施の形態では、前方視界の状態を考慮して、衝突時間用しきい値TTC_Thの設定を行っている。すなわち、前述の第1の実施の形態では、相対速度Vrと前方車両の減速とに基づいて衝突時間用しきい値TTC_Thを設定しているところを、第4の実施の形態では、前方視界の状態を考慮するといった条件を加えて、衝突時間用しきい値TTC_Thを設定している。
【0097】
図27は、それを可能にする第4の実施の形態の走行制御システムの構成を示す。図27に示すように、その構成として、ワイパー51の動作情報がコントローラ5に入力されている。
コントローラ5は、前述の第1の実施の形態と同様に、前記図8に示す処理を行う。そして、コントローラ5は、その図8に示すステップS8の衝突時間用しきい値の算出処理において、図28に示すような処理を行う。前記図20に示す処理手順との比較でみると、図28の処理では、ステップS71の処理を加えている。
【0098】
すなわち、コントローラ5は、ステップS21において相対速度Vrが0よりも大きく(vr>0、自車両が先行車両に接近中の場合)、ステップS23において前方車両が減速中の場合、ステップS24に進み、前方車両が減速中でない場合、前記ステップS71に進む。
ステップS71では、コントローラ5は、ワイパー51のワイパー速度が所定速度(しきい値)よりも大きいか否かを判定する。例えば、コントローラ5は、ワイパー51の操作スイッチの操作状態に基づいてワイパー速度を判定しており、すなわち例えば、ワイパー51の操作スイッチがハイに選択されている場合、ワイパー速度が所定速度よりも大きいと判断する。ここで、コントローラ5は、ワイパー51が所定速度よりも大きい速度で動作している場合、ステップS24に進み、ワイパー51が所定速度以下で動作している場合或いはワイパー51が動作していない場合、ステップS22に進む。
【0099】
ステップS24では、前述の第1の実施の形態と同様に、コントローラ5は、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0よりも大きい値Th_1に設定して(TTC_Th=Th_1)、当該図28に示す処理を終了する。一方、ステップS22では、前述の第1の実施の形態と同様に、コントローラ5は、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0に設定して(TTC_Th=Th_0)、当該図28に示す処理を終了する。
【0100】
コントローラ5は、以上のようにステップS8の衝突時間用しきい値の算出処理を行い、このステップS8で得た衝突時間用しきい値TTC_Thを用いて、前述の第1の実施の形態と同様に、ステップS9及びステップS10の処理として、補正量算出処理及び補正量出力処理を行う。
第4の実施の形態では、コントローラ5が以上のような処理を行う。
【0101】
第4の実施の形態では、前述したように、Vr>0(自車両が先行車両に接近中)でありかつ前方車両が減速中であることに加えて、ワイパー51が所定速度よりも大きい速度で動作している場合、衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定している。
天候条件が降雨、霧、降雪等の場合には、前方視界が十分に確保されていないために、運転者が前方車両を確実に認識できていない可能性がある。このような状況下で前方車両が減速した場合には、運転者が前方車両の減速挙動を認識するのに遅れてしまい、自車両が前方車両に接触してしまう可能性が高くなる。第4の実施の形態では、このような場合に対応して、ワイパー51が所定速度よりも大きい速度で動作している場合には、降雨、霧や降雪等といった視界が悪い環境を自車両が走行しているものとして、衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定している。このように走行環境を考慮することで、前方車両が減速挙動を示した場合でも、その減速挙動に起因して自車両が前方車両に接触する可能性がより高いときだけ、衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定している。
【0102】
このようにすることで、前方車両が減速挙動を示した場合でも、より最適な場面でのみ衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定できるようになり、すなわち、前方車両が減速挙動を示した場合でも、より最適な場面でのみ通常よりも早い時期に、より大きい反発力で車両に鈍い加速が与えて、運転者に接触可能性の報知を行うことができる。これにより、必要な場面で確実に運転者に接触可能性の警報を行うことができる。さらに、運転者に煩わしさを感じさせることなく接触可能性の報知を行うことができる。
【0103】
次に第5の実施の形態を説明する。
第5の実施の形態では、前述の第4の実施の形態と同様に、前方視界の状態を考慮して、衝突時間用しきい値TTC_Thの設定を行っている。前述の第4の実施の形態では、ワイパー51の動作状態に基づいて衝突時間用しきい値TTC_Thを設定しているところを、この第5の実施の形態では、フォグランプ52の点灯状態に基づいて衝突時間用しきい値TTC_Thを設定している。
【0104】
図29は、それを可能にする第5の実施の形態の走行制御システムの構成を示す。図29に示すように、その構成として、フォグランプ52の点灯情報がコントローラ5に入力されている。
コントローラ5は、前述の第4の実施の形態と同様に、前記図8に示す処理を行う。そして、コントローラ5は、その図8に示すステップS8の衝突時間用しきい値の設定処理において、図30に示すような処理を行う。前記図28に示す処理手順との比較でみると、この図30の処理では、ステップS71のワイパー速度の判定処理に換えて、ステップS72としてフォグランプ52の点灯の判定処理を行っている。
【0105】
すなわち、コントローラ5は、ステップS21において相対速度Vrが0よりも大きく(vr>0、自車両が先行車両に接近中の場合)、ステップS23において前方車両が減速中の場合、ステップS24に進み、前方車両が減速中でない場合、前記ステップS72に進む。
ステップS72では、コントローラ5は、フォグランプ52が点灯しているか否かを判定する。例えば、コントローラ5は、フォグランプ52の操作スイッチの操作状態に基づいて判定しており、すなわち、フォグランプ52の操作スイッチがオンされている場合、フォグランプ52が点灯していると判断する。ここで、コントローラ5は、フォグランプ52が点灯している場合、ステップS24に進み、フォグランプ52が点灯していない場合、ステップS22に進む。
【0106】
ステップS24では、前述の第1の実施の形態と同様に、コントローラ5は、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0よりも大きい値Th_1に設定して(TTC_Th=Th_1)、当該図30に示す処理を終了する。一方、ステップS22では、前述の第1の実施の形態と同様に、コントローラ5は、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0に設定して(TTC_Th=Th_0)、当該図30に示す処理を終了する。
【0107】
コントローラ5は、以上のようにステップS8の衝突時間用しきい値の算出処理を行い、このステップS8で得た衝突時間用しきい値TTC_Thを用いて、前述の第1の実施の形態と同様に、ステップS9及びステップS10の処理として、補正量算出処理及び補正量出力処理を行う。
第5の実施の形態では、コントローラ5が以上のような処理を行う。
【0108】
第5の実施の形態では、前述したように、Vr>0(自車両が先行車両に接近中)でありかつ前方車両が減速中であることに加えて、フォグランプ52が点灯している場合、衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定している。
この第5の実施の形態では、前述の第4の実施の形態でワイパー51が動作状態から降雨、霧、降雪等の天候条件を判断する判断しているところを、フォグランプ52の点灯状態からそのような天候条件を判断しており、すなわち、フォグランプ52の点灯している場合には、降雨、霧や降雪等といった視界が悪い環境を自車両が走行しているものとして、衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定している。このように走行環境を考慮することで、前方車両が減速挙動を示した場合でも、その減速挙動に起因して自車両が前方車両に接触する可能性がより高いときだけ、衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定している。
【0109】
このようにすることで、前方車両が減速挙動を示した場合でも、より最適な場面でのみ衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定できるようになり、すなわち、前方車両が減速挙動を示した場合でも、より最適な場面でのみ通常よりも早い時期に、より大きい反発力で車両に鈍い加速が与えて、運転者に接触可能性の報知を行うことができる。これにより、必要な場面で確実に運転者に接触可能性の報知を行うことができる。さらに、運転者に煩わしさを感じさせることなく接触可能性の報知を行うことができる。
【0110】
次に第6の実施の形態を説明する。
第6の実施の形態では、前述の第4の実施の形態や第5の実施の形態と同様に、前方視界の状態を考慮して、衝突時間用しきい値TTC_Thの設定を行っている。この第6の実施の形態では、トラクションコントロールシステム(TCS)の動作状態に基づいて衝突時間用しきい値TTC_Thを設定している。
【0111】
図31は、それを可能にする第6の実施の形態の走行制御システムの構成を示す。図31に示すように、その構成として、TCSコントローラ53の作動情報がコントローラ5に入力されている。
コントローラ5は、前述の第4の実施の形態或いは第5の実施の形態と同様に、前記図8に示す処理を行う。そして、コントローラ5は、その図8に示すステップS8の衝突時間用しきい値の設定処理において、図32に示すような処理を行う。前記図28に示す処理手順との比較でみると、この図32の処理では、ステップS71のワイパー速度の判定処理に換えて、ステップS73としてトラクションコントロールの作動の判定処理を行っている。
【0112】
すなわち、コントローラ5は、ステップS21において相対速度Vrが0よりも大きく(vr>0、自車両が先行車両に接近中の場合)、ステップS23において前方車両が減速中の場合、ステップS24に進み、前方車両が減速中でない場合、前記ステップS73に進む。
ステップS73では、コントローラ5は、TCSコントローラ53からの作動情報に基づいてトラクションコントロールが作動ありか否かを判定する。ここで、コントローラ5は、トラクションコントロールが作動している場合、ステップS24に進み、トラクションコントロールが作動していない場合、ステップS22に進む。
【0113】
ステップS24では、前述の第1の実施の形態と同様に、コントローラ5は、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0よりも大きい値Th_1に設定して(TTC_Th=Th_1)、当該図30に示す処理を終了する。一方、ステップS22では、前述の第1の実施の形態と同様に、コントローラ5は、衝突時間用しきい値TTC_Thを通常時の値Th_0に設定して(TTC_Th=Th_0)、当該図30に示す処理を終了する。
【0114】
コントローラ5は、以上のようにステップS8の衝突時間用しきい値の算出処理を行い、このステップS8で得た衝突時間用しきい値TTC_Thを用いて、前述の第1の実施の形態と同様に、ステップS9及びステップS10の処理として、補正量算出処理及び補正量出力処理を行う。
第6の実施の形態では、コントローラ5が以上のような処理を行う。
【0115】
第6の実施の形態では、前述したように、Vr>0(自車両が先行車両に接近中)でありかつ前方車両が減速中であることに加えて、トラクションコントロールが作動している場合、衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定している。
トラクションコントロールは、多くの場合、降雨、霧や降雪のなかを走行しているときに作動する。すなわち、第6の実施の形態では、このようなトラクションコントロールの作動状態から、前述の第4の実施の形態や第5の実施の形態と同様に降雨、霧、降雪等の天候条件を判断する判断しており、トラクションコントロールが作動している場合には、降雨、霧や降雪等といった視界が悪い環境を自車両が走行しているものとして、衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定している。このように走行環境を考慮し、前方車両が減速挙動を示した場合でも、その減速挙動に起因して自車両が前方車両に接触する可能性がより高いときだけ、衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定するようにしている。
【0116】
このようにすることで、前方車両が減速挙動を示した場合でも、より最適な場面でのみ衝突時間用しきい値TTC_Thを大きい値に設定できるようになり、すなわち、前方車両が減速挙動を示した場合でも、より最適な場面でのみ通常よりも早い時期に、より大きい反発力で車両に鈍い加速が与えて、運転者に接触可能性の報知を行うことができる。これにより、必要な場面で確実に運転者に接触可能性の報知を行うことができる。さらに、運転者に煩わしさを感じさせることなく接触可能性の報知を行うことができる。
【0117】
次に第7の実施の形態を説明する。
第7の実施の形態では、制動力制御装置20(制動力制御)のみで接触可能性の報知を行っている。すなわち、前述の第1乃至第6の実施の形態で、駆動力制御装置10と制動力制御装置20とを協働させて接触可能性の報知を行っているところを、第3の実施の形態では、その報知を制動力制御装置20のみで実現している。
【0118】
図33は、それを可能にする第7の実施の形態の走行制御システムの構成を示す。この図33に示す走行制御システムは、前記図1に示す構成との比較でみると、駆動力制御装置10を除いた構成になっている。
この第7の実施の形態のコントローラ5は、例えば前述の第1の実施の形態と同様に、前記図8に示す処理を行う。例えば、その図8に示すステップS9の補正量算出処理では、第1の実施の形態と同様に、次のような値を得る。
【0119】
第1の仮想弾性体501の長さL_THWを自車速Vh及び車間時間用しきい値THW_Thに関連付けて下記(7)式として得る。
L_THW=THW_Th×Vh ・・・(7)
また、第2の仮想弾性体502の長さL_TTCを相対速度Vr及び衝突時間用しきい値TTC_Thに関連付けて下記(9)式として得る。
【0120】
L_TTC=TTC_Th×Vr ・・・(9)
そして、これら値L_THW,L_TTCと車間距離Xとの差、すなわち、
L_THW−X
L_TTC−X
に基づいて、前記(8)式及び(10)式により補正量となる第1及び第2の反発力F_THW,F_TTCを得る。図34に示すように、長さ(L_THW−X)により変化する第1の反発力F_THWを得ることができ、図35に示すように、長さ(L_TTC−X)により変化する第2の反発力F_TTCを得ることができる。
【0121】
そして、コントローラ5は、このように算出した第1及び第2の反発力F_THW,F_TTCのうち、大きい方の値を最終的な補正値Fcとして決定する(前記ステップS37)。
そして、コントローラ5は、前記ステップS10の補正量出力処理では、図36に示すような処理を行う。
【0122】
先ずステップS81において、コントローラ5は、ブレーキペダル3の操作状態を示す情報を取り込み、続くステップS82において、コントローラ5は、ステップS81で取り込んだブレーキペダル操作状態を示す情報に基づいて、ブレーキ操作中か否かを判定する。ここで、コントローラ5は、ブレーキ操作中である場合、ステップS83に進み、ブレーキ操作中でない場合、ステップS84に進む。
【0123】
ステップS83では、コントローラ5は、制動力補正量として0を制動力制御装置20に出力する。一方、ステップS84において、コントローラ5は、前記ステップS9の補正量算出処理で算出した補正量Fcを、制動力補正量として制動力制御装置20に出力する。ここで、このステップS64で制動力補正量として補正量Fcを出力する場合とは、ブレーキ操作中でない場合であるので、制動力制御装置20では、この補正力Fcそのものを目標制動力とし、この目標制動力になるようにブレーキを制御する。
【0124】
第7の実施の形態では、コントローラ5が以上のような処理を行う。
第7の実施の形態では、前述したように、ブレーキ操作中でない場合、補正量Fcを制動力制御装置20に出力して、制動力制御装置20により補正量Fcの制動力を車両に与えている。これにより、制動力制御装置20だけ、すなわちブレーキだけで、第1及び第2の実施の形態と同様に、制動力による警報報知を運転者に早期に与えることができる。
【0125】
また、ブレーキ操作中である場合、制動力補正量として0を出力している。すなわち、ブレーキ操作中である場合、補正量(反発力)による補正をせずに、運転者が要求しているドライバ要求制動力そのものの値でブレーキを制御している。これにより、制動力を与えることによる接触可能性の報知を抑制している。すなわち、運転者の意思を反映させた接触可能性の報知を実現している。
【0126】
次に第8の実施の形態を説明する。
第8の実施の形態では、接触可能性の報知を開始タイミングで不連続性をもたせている。すなわち、前述の第1の実施の形態等では、接触可能性の報知が滑らかに開始しているが、第8の実施の形態では、接触可能性の報知に不連続性をもたせて発生させている。
【0127】
図37は、第8の実施の形態のコントローラ5の処理手順を示す。例えば前記図24に示した処理手順との比較でみると、図37の処理では、前記図8のステップS8の衝突時間用しきい値の設定処理を削除している。例えば、第8の実施の形態では、衝突時間用しきい値を一定値(通常の値)にしている。
そして、この第8の実施の形態では、図37のステップS9の補正量算出処理として、図38及び図39に示す処理を行っている。
【0128】
先ずステップS91において、コントローラ5は、車間時間THWが車間時間用しきい値THW_Th未満であるか否かを判定し、車間時間THWが車間時間用しきい値THW_Th未満の場合、ステップS92に進み、車間時間THWが車間時間用しきい値THW_Th以上の場合、ステップS98に進む。
ステップS98では、コントローラ5は、第1の反発力F_THWを0として(F_THW=0)、図39のステップS101に進む。
【0129】
ステップS92では、コントローラ5は、車間時間THWの前回値が車間時間用しきい値THW_Th以上であるか否かを判定し、車間時間THWの前回値が車間時間用しきい値THW_Th以上である場合、ステップS93に進み、車間時間THWの前回値が車間時間用しきい値THW_Th未満である場合、ステップS96に進む。
【0130】
ステップS93では、コントローラ5は、図37のステップS61で得た道路種別情報取り込み処理で得た道路種別情報に基づいて、自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれかに該当するか否かを判定する。さらにここで、コントローラ5は、図37のステップS7で得た前方車両の減速判断処理で得た判断結果に基づいて前方車両が減速中か否かを判定する。ここで、コントローラ5は、自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれかに該当する場合、或いは前方車両が減速中の場合、ステップS94に進み、自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれでもなく、かつ前方車両が減速中でもない場合、ステップS96に進む。
【0131】
ステップS94では、車間時間用しきい値補正値ΔTHWを所定値(設定値)T1に設定する(ΔTHW=T1)。
続いてステップS95において、車間時間用しきい値補正値ΔTHWを用いて、次のように第1の反発力F_THWを算出する。
先ず前記(7)式の変形して、自車速Vh、前記車間時間用しきい値THW_Th及び車間時間用しきい値補正値ΔTHWに関連付けて、前記第1の仮想弾性体501の長さL_THW(l)を下記(12)式により得る。
【0132】
L_THW=(THW_Th+ΔTHW)×Vh ・・・(12)
そして、前記(8)式と同様にして下記(13)により、第1の仮想弾性体501による第1の反発力F_THWを得る。
F_THW=k_THW×(L_THW−X) ・・・(13)
コントローラ5は、このように第1の反発力F_THWを得て、図39に示すステップS101の処理に進む。
【0133】
一方、前記ステップS92において車間時間THWの前回値が車間時間用しきい値THW_Th未満である場合、或いは前記ステップS93において自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれでもなく、かつ前方車両が減速中でもない場合に進むステップS96では、コントローラ5は、車間時間用しきい値補正値ΔTHWが0か否かを判定する。ここで、コントローラ5は、車間時間用しきい値補正値ΔTHWが0の場合、前記ステップS95に進み、車間時間用しきい値補正値ΔTHWが0でない場合、ステップS97に進む。
【0134】
ステップS97では、コントローラ5は、車間時間用しきい値補正値ΔTHWを漸減して、前記ステップS95に進む。
前記ステップS95又はステップS98から進む図39に示すステップS101では、コントローラ5は、衝突時間TTCが衝突時間用しきい値TTC_Th未満であるか否かを判定し、衝突時間TTCが衝突時間用しきい値TTC_Th未満の場合、ステップS102に進み、衝突時間TTCが衝突時間用しきい値TTC_Th以上の場合、ステップS109に進む。
【0135】
ステップS109では、コントローラ5は、第2の反発力F_TTCを0として(F_TTC=0)、ステップS106に進む。
ステップS102では、コントローラ5は、衝突時間TTCの前回値が衝突時間用しきい値TTC_Th以上であるか否かを判定し、衝突時間TTCの前回値が衝突時間用しきい値TTC_Th以上である場合、ステップS103に進み、車間時間THWの前回値が車間時間用しきい値THW_Th未満である場合、ステップS107に進む。
【0136】
ステップS103では、コントローラ5は、図37のステップS61で得た道路種別情報取り込み処理で得た道路種別情報に基づいて、自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれかに該当するか否かを判定する。さらにここで、コントローラ5は、図37のステップS7で得た前方車両の減速判断処理で得た判断結果に基づいて前方車両が減速中か否かを判定する。ここで、コントローラ5は、自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれかに該当する場合、或いは前方車両が減速中の場合、ステップS94に進み、自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれでもなく、かつ前方車両が減速中でもない場合、ステップS107に進む。
【0137】
ステップS104では、衝突時間用しきい値補正値ΔTTCを所定値(設定値)T2に設定する(ΔTTC=T2)。そして、コントローラ5は、ステップS105に進む。
一方、前記ステップS102において衝突時間TTCの前回値が衝突時間用しきい値TTC_Th未満である場合、或いは前記ステップS103において自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれでもなく、かつ前方車両が減速中でもない場合に進むステップS107では、コントローラ5は、衝突時間用しきい値補正値ΔTTCが0か否かを判定する。ここで、コントローラ5は、衝突時間用しきい値補正値ΔTTCが0の場合、前記ステップS105に進み、衝突時間用しきい値補正値ΔTTCが0でない場合、ステップS108に進む。
【0138】
ステップS108では、コントローラ5は、衝突時間用しきい値補正値ΔTTCを漸減して、前記ステップS105に進む。
ステップS105では、衝突時間用しきい値補正値ΔTTCを用いて次のように第2の反発力F_TTCを算出する。
先ず前記(9)式の変形して、相対速度Vr、前記衝突時間用しきい値TTC_Th及び衝突時間用しきい値補正値ΔTTCに関連付けて、前記第2の仮想弾性体502の長さL_TTCを下記(14)式により得る。
【0139】
L_TTC=(TTC_Th+ΔTTC)×Vr ・・・(14)
そして、前記(10)式と同様にして下記(15)により、第2の仮想弾性体502による第2の反発力F_TTCを得る。
F_TTC=k_TTC×(L_TTC−X) ・・・(15)
コントローラ5は、このように第2の反発力F_TTCを得て、ステップS106の処理に進む。
【0140】
ステップS107では、コントローラ5は、以上のように算出した第1及び第2の反発力F_THW,F_TTCのうち、大きい方の値を最終的な補正値Fcとして決定する。
以上のように、ステップS9において、コントローラ5は補正量Fcを算出する。
【0141】
そして、コントローラ5は、ステップS10において、このようにして得た補正量Fcを駆動力制御装置10や制動力制御装置20に出力する。
ここで、前記図38及び図39の補正量算出処理で算出する第1及び第2の反発力F_THW,F_TTCの特性を説明する。図40を用いてその特性を説明する。
【0142】
前記図38の処理では、車間時間THWが車間時間用しきい値THW_Th未満であり(前記ステップS91)、車間時間THWの前回値が車間時間用しきい値THW_Th以上であり(前記ステップS92)、かつ自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれかに該当する場合、或いは前方車両が減速中の場合(前記ステップS93)、車間時間用しきい値補正量ΔTHWを所定値T1に設定している(前記ステップS94)。すなわち、車間時間THWが車間時間用しきい値THW_Thを初めて下回り、かつ自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれかに該当する場合、或いは前方車両が減速中の場合、車間時間用しきい値補正量ΔTHWを所定値T1に設定している。そして、この所定値T1を用いて、前記(11)式及び(12)式から第1の反発力F_THWを算出している(前記ステップS95)。
【0143】
この場合、図40中のFとして示すように、第1の反発力F_THWが、ある時点(ある車間時間)で前記所定値T1を不連続な値(具体的にはステップ的な値)として発生する。
一方、前記図38の処理では、車間時間THWの前回値が車間時間用しきい値THW_Th未満であり(前記ステップS92)、又は自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれでもなく、かつ前方車両が減速中でもない場合(前記ステップS93)、車間時間用しきい値補正量ΔTHWが0になるまで、車間時間用しきい値補正量ΔTHWを漸減する(前記ステップS96及びステップS97)。すなわち、車間時間THWが車間時間用しきい値THW_Thを下回っているがそれが初めてではない場合、又は自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれでもなく、かつ前方車両が減速中でもない場合、車間時間用しきい値補正量ΔTHWが0になるまで、車間時間用しきい値補正量ΔTHWを漸減する。
【0144】
この場合、図40中のH(一点破線)として示すように、第1の反発力F_THWがその発生時点(前記所定値T1を不連続値として発生している時点)から距離(車間時間)が短くなると、車間時間用しきい値補正量ΔTHWが0である通常値(実線)まで漸減する。なお、図40中のGの特性(点線)は、漸減しない場合の第1の反発力F_THWの特性を示す。
【0145】
以上より、第1の反発力F_THWは、車間時間THWが車間時間用しきい値THW_Thを初めて下回り、かつ自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれかに該当する場合に、不連続な値(具体的にはステップ的な値)として発生し、その後さらに距離(車間時間)が短くなると、その距離に応じて変化しつつ通常値に収束するようになる。
【0146】
一方、第2の反発力F_TTCについても同様な特性を示す。すなわち、前記図39の処理では、衝突時間TTCが衝突時間用しきい値TTC_Thを初めて下回り、かつ自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれかに該当する場合、或いは前方車両が減速中の場合(前記ステップS101、ステップS102及びステップS103)、衝突時間用しきい値補正量ΔTTCを所定値T2に設定している(前記ステップS104)。そして、この所定値T2を用いて、前記(14)式及び(15)式から第2の反発力F_TTCを算出している(前記ステップS105)。この場合、図40中のFとして示すように、第2の反発力F_TTCが、ある時点(ある衝突時間)で前記所定値T2を不連続な値(具体的にはステップ的な値)として発生する。
【0147】
また、前記図39の処理では、衝突時間TTCが衝突時間用しきい値TTC_Thを下回っているがそれが初めてではない場合、又は自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれでもなく、かつ前方車両が減速中でもない場合、衝突時間用しきい値補正量ΔTTCが0になるまで、衝突時間用しきい値補正量ΔTTCを漸減する。この場合、図40中のH(一点破線)として示すように、第2の反発力F_TTCが、その発生時点(前記所定値T2を不連続値として発生している時点)から距離(衝突時間)が短くなると、衝突時間用しきい値補正量ΔTTCが0である通常値(実線)まで漸減する。なお、図40中のGの特性(点線)は、漸減しない場合の第2の反発力F_TTCの特性を示す。
【0148】
以上より、第2の反発力F_TTCは、衝突時間TTCが衝突時間用しきい値TTC_Thを初めて下回り、かつ自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれかに該当する場合に、不連続な値(具体的にはステップ的な値)として発生し、その後さらに距離(衝突時間)が短くなると、その距離に応じて変化しつつ通常値に収束するようになる。
【0149】
第1及び第2の反発力F_THW,F_TTCの特性は以上のようになる。
そして、走行制御システムは、この第1の反発力F_THW又は第2の反発力F_TTCを発生するように、接触可能性の報知の制動力を発生させる。
これにより、自車両が走行している道路が道路種別コードで13,14,16,24,26のいずれかに該当する場合、すなわち、高速道路の出口車線、高速道路のサービスエリア入口車線、高速道路の料金所付近、他の有料道路(バイパス路等を含む。)の出口車線、他の有料道路(バイパス路等を含む)のサービスエリア入口車線、他の有料道路(バイパス路等を含む。)の料金所付近のいずれかに該当する場合、或いは前方車両が減速中の場合において、自車両が前方車両に接触可能性がある場合には、接触可能性の報知が不連続(ステップ的)に発生するようになる。これにより、走行路が前述の高速道路の出口車線や高速道路のサービスエリア入口車線等を走行する前方車両や減速している前方車両に接触可能性があることを運転者に特にわかり易く報知することができる。
【0150】
また、接触可能性の報知の制動力(反発力)は、さらに距離(衝突時間)が短くなるとその距離に応じて変化しつつ通常値に収束するようになる。これにより、報知開始後さらに自車両が前方車両に近づいたときには、通常の制動力が作用するようになり、必要以上に制動力が作用しなくなる。例えばこれにより運転者に煩わしさを与えてしまうことを防止することができる。
【0151】
なお、ここでの接触可能性の報知として自車両に作用する反発力は第1の反発力F_THW又は第2の反発力F_TTCのいずれかによるものになる。
次に第9の実施の形態を説明する。
第9の実施の形態では、前述の第8の実施の形態で車間時間用しきい値補正量ΔTHWの設定に用いた所定値(設定値)T1及び衝突時間用しきい値補正量ΔTTCの設定に用いた所定値(設定値)T2を自車両や前方車両の減速度で決定するようにしている。
【0152】
図41は、第9の実施の形態のコントローラ5の処理手順を示す。前述の第8の実施の形態の説明で用いた図37の処理手順との比較でみると、図41の処理では、ステップS111として、しきい値補正量設定処理を加えている。このしきい値補正量設定処理で、自車両や前方車両の減速度に基づいて前記所定値T1,T2を設定している。
【0153】
図42及び図43は、そのしきい値補正量設定処理で用いる特性図である。
図42は、自車速に基づいて所定値T1,T2を決定するための特性図である。この図42に示すように、自車速が大きくなるほど、所定値T1,T2を大きくする。このような所定値T1,T2で車間時間用しきい値補正量ΔTHW及び衝突時間用しきい値補正量ΔTTCを設定すると(ΔTHW=T1、ΔTTC=T2)、自車速が大きくなるほど、接触可能性の報知の開始タイミングでの不連続性が大きくなる。これにより、自車速が大きくなるほど、接触可能性があることを、よりわかり易く報知することができる。
【0154】
また、図43は、前方車両の減速度に基づいて所定値T1,T2を決定するための特性図である。この図43に示すように、前方車両の減速度が大きくなるほど、所定値T1,T2を大きくする。このような所定値T1,T2で車間時間用しきい値補正量ΔTHW及び衝突時間用しきい値補正量ΔTTCを設定すると(ΔTHW=T1、ΔTTC=T2)、前方車両の減速度が大きくなるほど、接触可能性の報知の開始タイミングでの不連続性が大きくなる。これにより、前方車両の減速度が大きくなるほど、接触可能性があることを、よりわかり易く報知することができる。
【0155】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施の形態として実現されることに限定されるものではない。
すなわち、前述の実施の形態では、報知の制御量を変更するために検出する走行環境の具体例として、前方車両が減速する場合を説明しているが、これに限定されるものではない。すなわち、先行車両の他の挙動等を走行環境として検出し、接触可能性の報知の制御量を変更してもよい。
【0156】
また、前述の実施の形態では、補正量Fcの算出を、自車両の前方に仮想的な弾性体を設けて行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車間距離を関数にして増加するような量を他の手法を用いて算出するようにしてもよい。
なお、前述の実施の形態の説明において、コントローラ5による前記図8に示すステップS1〜ステップS6の処理、前記レーダ装置30及び障害物検出処理装置2は、自車両が前方に存在する物体に接触する可能性を検出する接触可能性検出手段を実現しており、コントローラ5による前記図8に示すステップS9及びステップS10の処理は、前記接触可能性検出手段が検出した接触可能性に基づいて、駆動トルク又は制動トルクの少なくとも一方を変化させて接触可能性の報知を行う接触可能性報知手段を実現しており、コントローラ5による前記図8に示すステップS720の処理は、前記走行環境を検出する走行環境検出手段を実現しており、コントローラ5による前記図11に示すステップS23及びステップS24の処理(前記図8に示すステップS8の処理)や前記図20に示すステップS53及びステップS54に示す処理(前記図19に示すステップS50の処理)は、前記走行環境検出手段が検出した走行環境に基づいて、前記接触可能性報知手段の制御量を変更する報知制御手段を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の走行制御システムの構成を示す図である。
【図2】前記走行制御システムの駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】アクセルペダル踏み込み量とドライバ要求駆動力との関係を定めた特性マップを示す特性図である。
【図4】前記走行制御システムの制動力制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】ブレーキペダル踏み込み力とドライバ要求制動力との関係を定めた特性マップを示す特性図である。
【図6】前記走行制御システムのレーダ装置の構成を示す図である。
【図7】前記レーダ装置によるスキャニングにより得られる障害物の検出結果を示す図である。
【図8】前記走行制御システムのコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】走行制御システムが行う自車両の予測進路の説明に使用した図である。
【図10】前記予測進路に自車両の幅を考慮した予測走路の説明に使用した図である。
【図11】前記コントローラの処理中の衝突時間用しきい値設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】自車両の前方に仮想的な弾性体を設けた補正量算出のためのモデルの説明に使用した図である。
【図13】車間時間と衝突時間とに対応して仮想的な弾性体を設けたモデルの説明に使用した図である。
【図14】前記コントローラの処理中の補正量算出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】前記コントローラの処理中の補正量出力処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】反発力、指示トルク、及び実制駆力の関係を示す図である。
【図17】補正量Fcに基づいて補正した駆動力及び制動力の特性の説明に使用した図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態の効果の説明に使用した図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態のコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【図20】前記第2の実施の形態のコントローラの処理中の衝突時間用ゲイン定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第2の実施の形態の効果の説明に使用した図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態の走行制御システムの構成を示す図である。
【図23】前記第3の実施の形態の走行制御システムのナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図24】前記第3の実施の形態のコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【図25】道路種別情報のデータ構造を示す図である。
【図26】前記第3の実施の形態のコントローラの処理中の衝突時間用しきい値設定処理を示すフローチャートである。
【図27】本発明の第4の実施の形態の走行制御システムの構成を示す図である。
【図28】前記第4の実施の形態のコントローラの処理中の衝突時間用しきい値設定処理を示すフローチャートである。
【図29】本発明の第5の実施の形態の走行制御システムの構成を示す図である。
【図30】前記第5の実施の形態のコントローラの処理中の衝突時間用しきい値設定処理を示すフローチャートである。
【図31】本発明の第6の実施の形態の走行制御システムの構成を示す図である。
【図32】前記第6の実施の形態のコントローラの処理中の衝突時間用しきい値設定処理を示すフローチャートである。
【図33】本発明の第7の実施の形態の走行制御システムの構成を示す図である。
【図34】仮想的な弾性体の長さ(L_THW−X)により変化する第1の反発力F_THWを示す特性図である。
【図35】仮想的な弾性体の長さ(L_TTC−X)により変化する第2の反発力F_TTCを示す特性図である。
【図36】前記第7の実施の形態のコントローラの処理中の補正量出力処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図37】本発明の第8の実施の形態のコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【図38】前記第8の実施の形態のコントローラの処理中の補正量算出処理の前半の処理手順を示すフローチャートである。
【図39】前記第8の実施の形態のコントローラの処理中の補正量算出処理の後半の処理手順を示すフローチャートである。
【図40】本発明の第8の実施の形態の効果の説明に使用した図である。
【図41】本発明の第9の実施の形態のコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【図42】前記9第9の実施の形態のコントローラの処理中のしきい値補正量設定処理の処理手順を説明するために使用した特性図であって、自車速と所定値T1,T2との関係を示す特性図である。
【図43】前記第9の実施の形態のコントローラの処理中のしきい値補正量設定処理の処理手順を説明するために使用した特性図であって、前方車両の減速度と所定値T1,T2との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 車速センサ
2 障害物検出処理装置
3 ブレーキペダル
4 アクセルペダル
5 コントローラ
6 エンジン
10 駆動力制御装置
11 ドライバ要求駆動力算出部
12 加算器
13 エンジンコントローラ
20 制動力制御装置
21 ドライバ要求制動力算出部
22 加算器
23 ブレーキ液圧コントローラ
30 レーダ装置
31 発光部
32 受光部
40 ナビゲーション装置
41 緯度及び経度算出部
42 マップマッチング処理部
43 地図ユニット
44 画面表示部
200 前方障害物
300 自車両
400 前方車両(先行車両)
500,501,502 仮想弾性体

Claims (16)

  1. 自車両が前方に存在する物体に接触する可能性に基づいて、駆動トルク又は制動トルクの少なくとも一方を変化させて接触可能性の報知を行う接触可能性報知手段と、
    前記走行環境を検出する走行環境検出手段と、
    前記走行環境検出手段が検出した走行環境に基づいて、前記接触可能性報知手段の制御量を変更する報知制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用報知装置。
  2. 前記報知制御手段は、前記走行環境検出手段が自車両が前方に存在する物体に接近中であることを検出した場合、前記制御量を大きくすることを特徴とする請求項1記載の車両用報知装置。
  3. 前記報知制御手段は、前記走行環境検出手段が前記前方に存在する物体が減速したことを検出した場合、前記制御量を大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用報知装置。
  4. 前記報知制御手段は、前記走行環境検出手段が前方視界が悪いことを検出した場合、前記制御量を大きくすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用報知装置。
  5. 前記報知制御手段は、前記走行環境検出手段が料金所があることを検出した場合、前記制御量を大きくすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用報知装置。
  6. 前記報知制御手段は、前記走行環境検出手段が高速道路の出口車線を検出した場合、前記制御量を大きくすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用報知装置。
  7. 前記報知制御手段は、前記走行環境検出手段が高速道路のサービスエリアの入口車線を検出した場合、前記制御量を大きくすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の車両用報知装置。
  8. 前記報知制御手段は、前記接触可能性報知手段の報知開始タイミングで前記制御量を不連続に発生させることを特徴とする請求項1記載の車両用報知装置。
  9. 前記報知制御手段は、前記走行環境検出手段が料金所があることを検出した場合、前記接触可能性報知手段の報知開始タイミングで前記制御量を不連続に発生させることを特徴とする請求項8記載の車両用報知装置。
  10. 前記報知制御手段は、前記走行環境検出手段が高速道路の出口車線を検出した場合、前記接触可能性報知手段の報知開始タイミングで前記制御量を不連続に発生させることを特徴とする請求項8又は9に記載の車両用報知装置。
  11. 前記報知制御手段は、前記走行環境検出手段が高速道路のサービスエリアの入口車線を検出した場合、前記接触可能性報知手段の報知開始タイミングで前記制御量を不連続に発生させることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の車両用報知装置。
  12. 前記報知制御手段は、前記走行環境検出手段が前方に存在する物体が減速したことを検出した場合、前記接触可能性報知手段の報知開始タイミングで前記制御量を不連続に発生させることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の車両用報知装置。
  13. 前記報知制御手段は、自車両の速度が大きいほど、前記不連続の度合いを大きくすることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の車両用報知装置。
  14. 前記報知制御手段は、前方に存在する物体の減速度が大きいほど、前記不連続の度合いを大きくすることを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載の車両用報知装置。
  15. 自車両と先行車両との間の距離を自車両の速度で除して車間時間を算出する車間時間算出手段を備え、
    前記接触可能性報知手段は、前記衝突時間算出手段が算出した衝突時間と第1のしきい値との比較結果に基づいて第1のゲインからなる前記制御量を発生させており、
    前記報知制御手段は、前記第1のしきい値又は第1のゲインの少なくとも一方を変更して前記制御量を変更することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の車両用報知装置。
  16. 自車両と前方に存在する物体との間の距離を当該自車両と前方に存在する物体との間の相対速度で除して衝突時間を算出する衝突時間算出手段を備え、
    前記接触可能性報知手段は、前記衝突時間算出手段が算出した衝突時間と第2のしきい値との比較結果に基づいて第2のゲインからなる前記制御量を発生させており、
    前記報知制御手段は、前記第2のしきい値又は第2のゲインの少なくとも一方を変更して前記制御量を変更することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の車両用報知装置。
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