JP2004163613A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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昭宏 伊藤
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Abstract

【課題】フィルム加熱方式と同様の効果を得ることが可能であるとともに、定着装置の寿命が長く、かつ、長期的に安定した定着処理を実現することである。
【解決手段】定着装置に転写紙Pが搬送されると、その搬送を一旦停止し、その転写紙Pを平面ヒータ11と押圧板12との間の挟み込む。この構成では、平面ヒータで発生した熱を転写紙上の未定着トナーTに直接的に伝搬させることができるので、小さな熱容量で定着に必要な熱量を確保でき、待機時間の短縮及び消費電力の低減を図ることができる。しかも、定着処理時には平面ヒータを移動させる必要がないので、平面ヒータに対して導線等による直接な電力供給が可能となり、安定した電力供給が可能となる。更に、フィルム加熱方式では、定着フィルムを発熱体に摺擦させていたが、本定着装置では、このような摺擦はなく、フィルム加熱方式のように定着フィルムの走行が不安定になることもない。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録材上の未定着トナーを加熱することで、その未定着トナーを記録材に定着させる定着装置及びこれを備える複写機、プリンタ、ファクシミリ、印刷機等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の定着装置としては、例えば、管状ランプヒータを内部に備える加熱ローラと、この加熱ローラに圧接して定着ニップを形成する加圧ローラとを備えたものが知られている。この定着装置では、トナー像を担持した状態の記録材を定着ニップに送り込んで、そのトナー像を構成する未定着トナーを熱と圧力により記録材上に定着させる。このように熱を利用する定着装置では、未定着トナーを記録材上に定着させるのに必要な熱量を確保する必要がある。ヒータを内部に備える加熱ローラの場合、輻射熱によって加熱ローラ表面を昇温させるので、定着処理の期間中にわたって必要な熱量を確保するために、一般には、熱容量の大きな加熱ローラが利用される。このような加熱ローラであれば、定着処理の期間にわたって必要となる熱量を予め蓄えておくことができるので、定着処理の最後まで十分な熱量で未定着トナーを加熱することができる。しかし、この場合には、加熱ローラを定着に必要な温度まで昇温させるまでの待機時間が長くなるという欠点がある。この欠点を解消するには加熱ローラを常時暖めておけばよいが、これでは待機時間中に無駄な電力を消費することになり、近年の省エネルギー化の要求に反する結果となる。
【0003】
一方、例えば薄肉な円筒状基体に抵抗発熱体を貼り付け又は塗布した加熱ローラを利用した定着装置も提案されている(特許文献1、特許文献2等参照)。この定着装置においては、抵抗発熱体で発生した熱が加熱ローラ表面に直接伝搬するので、加熱ローラ表面が失った熱量をすぐに補うことができる。よって、加熱ローラの熱容量が小さくても、定着処理の期間にわたって必要な熱量を十分に確保することができる。したがって、この定着装置によれば、加熱ローラの熱容量を小さくできる結果、上記待機時間を短縮し、かつ、消費電力を低減させることができる。このように熱容量を小さくした定着装置においては、加熱ローラに設けられる抵抗発熱体も回転することになるので、この回転する抵抗発熱体(回転発熱体)に対して電力供給を行うための給電方式が必要になる。このような給電方式としては、一般に、回転発熱体に電気接続された加熱ローラ上の電極部材に、外部電源に電気接続された導電部材を接触させて電力供給を行う接触給電方式が採用されている(特許文献1、特許文献2等参照)。しかし、この接触給電方式の場合、電力供給経路上に、2つの導電部材が互いに接触する部分が存在してしまう。そのため、その接触部分で接触不良が起きやすく、その接触不良によるノイズが発生して電力供給が不安定になるという不具合がある。
【0004】
他方、固定配置された抵抗発熱体に対して薄肉な定着フィルム(記録材搬送部材)を摺動させ、その定着フィルムを介して記録材上の未定着のトナーを加熱し、定着処理を行うフィルム加熱方式が提案されている(特許文献3、特許文献4等参照)。この方式によれば、抵抗発熱体で発生した熱が記録材に接触する定着フィルム表面に直接伝搬するので、小さな熱容量で定着に必要な熱量を確保することができ、上記待機時間を短縮し、かつ、消費電力を低減させることができる。更に、抵抗発熱体が回転しないため、上述した接触不良は発生せず、安定した電力供給が可能である。したがって、このフィルム加熱方式によれば、上述した不具合のすべてを解消することが可能となるという効果が得られる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−64439号公報
【特許文献2】
特開平9−44018号公報
【特許文献3】
特開平9−16004号公報
【特許文献4】
特開2001−85140号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、フィルム加熱方式の場合、固定配置された抵抗発熱体に対して定着フィルムを摺動させる構成であるので、その摺動により抵抗発熱体及び定着フィルムが互いを摺擦し合うことになる。そのため、抵抗発熱体及び定着フィルムの寿命が短く、定着装置の寿命が短くなるという問題があった。また、その摺擦により抵抗発熱体及び定着フィルムが劣化して摺動がスムーズに行われなくなると、定着フィルムの走行が不安定になる。そのため、長期的に安定した定着処理を行うことができないという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、上述したフィルム加熱方式と同様の効果を得ることが可能であるとともに、定着装置の寿命が長く、かつ、長期的に安定した定着処理を行うことができる定着装置及び画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、搬送されてくる記録材上の未定着トナーを加熱することで、該未定着トナーを該記録材上に定着させる定着装置において、電力供給を受けることで発熱する発熱体と、該発熱体に対向する位置に配置される対向部材とを設け、該記録材の搬送を停止させた後、該記録材の定着処理対象部分を該発熱体と該対向部材との間に挟み込んだ状態で、該定着処理対象部分に対して定着処理を行うことを特徴とするものである。
この定着装置においては、搬送されてきた記録材が停止した状態で発熱体と対向部材との間に挟み込まれ、その発熱体からの熱によって記録材上の未定着のトナーに対して熱が供給される。よって、発熱体が記録材に直接接触する構成の場合には、その発熱体で発生した熱は記録材上の未定着トナーに直接伝搬する。また、発熱体が搬送ベルト等の中間部材を介して記録材に接触する構成の場合でも、その発熱体で発生した熱は中間部材を介して記録材上の未定着トナーに直接的に伝搬することになる。よって、小さな熱容量で定着に必要な熱量を確保することが可能となり、発熱体を定着に必要な温度まで昇温させるまでの待機時間を短縮し、かつ、消費電力を低減させることが可能となる。また、本定着装置では、記録材を停止させた状態で定着処理を行うので、少なくとも定着処理時には発熱体を移動させる必要がなく、発熱体を固定配置することが可能となる。この場合、その発熱体に電力を供給するための電力供給経路上に複数の導電部材が互いに接触する部分を設ける必要がなくなり、発熱体に対して導線等による直接な電力供給が可能となる。よって、上述した接触給電方式に比べて、発熱体に電力を安定して供給することが可能となる。
このように、本定着装置においては、上述したフィルム加熱方式と同様の効果を得ることが可能である。これに加えて、本定着装置では、上述したように記録材を停止させた状態で定着処理を行うので、少なくとも定着処理の間は、発熱体と対向部材との間に挟み込まれた記録材と接触する発熱体側の面を移動させる必要がない。よって、発熱体を直接記録材に接触させる構成はもとより、固定配置された発熱体が搬送ベルト等の中間部材を介して記録材に接触する構成であっても、上記フィルム加熱方式のように定着装置を構成する発熱体や定着フィルム等の構成部材が摺擦されることがない。したがって、これらの構成部材が摺擦によって劣化することがなく、また、上記フィルム加熱方式のように定着フィルムの走行が不安定になることもない。
なお、発熱体側に向く記録材の面は、未定着トナーを担持した側の面でも未定着トナーを担持していない側の面でもよい。後者の場合には、発熱体からの熱が記録材を介して未定着トナーに伝達されることになる。また、本定着処理による1回の定着処理で処理される記録材の定着処理対象部分は、記録材の全面であっても記録材の一部の面であってもよい。また、ここでいう発熱体には、発熱材料で形成される発熱体本体上に、離型層等の発熱しない材料を設けたものも含む。また、発熱体は、必ずしも固定配置される必要はなく、従来のように回転発熱体などの無端移動するものでなければ、発熱体に対して導線等による直接な電力供給が可能となる。このような発熱体であれば、上述したように、安定した電力供給を実現できる。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の定着装置において、上記発熱体とは接触しない状態で、該発熱体と上記対向部材との対向領域を記録材搬送方向に移動するベルト状の記録材搬送部材を設け、上記定着処理の際、該記録材搬送部材の移動を停止させた状態で、該記録材搬送部材及び該記録材の定着処理対象部分を、該発熱体と該対向部材との間に挟み込むことを特徴とするものである。
この画像形成装置においては、記録材搬送部材と一緒に記録材を挟み込んで定着を行うので、発熱体と対向部材との対向領域への記録材の搬入及び搬出を容易かつスムーズに行うことができる。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の定着装置において、上記対向部材との間で上記記録材を挟み込む上記発熱体の挟込面は平面であることを特徴とするものである。
この定着装置においては、発熱体の挟込面が平面であるので、記録材を平面状態で発熱体側に押し付けて定着処理を行うことができる。よって、その定着処理時に記録材がカールしたり、シワになったりするのを抑制することができる。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1又は2の定着装置において、上記対向部材との間で上記記録材を挟み込む上記発熱体の挟込面は湾曲面であることを特徴とするものである。
この定着装置においては、発熱体の挟込面が湾曲面であるので、挟込面が平面である場合に比べて、少なくとも一方向については定着処理に必要なスペースを狭くすることができる。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の定着装置において、上記定着処理の際、上記発熱体と上記対向部材との間に上記記録材の定着処理対象部分を順次部分的に挟み込むことを特徴とするものである。
この定着装置においては、発熱体と対向部材との間に記録材の定着処理対象部分を順次部分的に挟み込みながら定着処理を行う。よって、記録材の定着処理対象部分の全体を一度に挟み込む場合に比べて、その挟込面積を小さくすることができる。したがって、挟み込む力が同じでも、記録材の定着処理対象部分の全体を一度に挟み込む場合に比べて強い押圧力で、記録材を発熱体側に押し付けることができる。これにより、記録材に接触する発熱体側の面と記録材との間の密着性を容易に高めることができる。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5の定着装置において、上記対向部材を加熱させる加熱手段を設けたことを特徴とするものである。
この定着装置においては、加熱手段によって対向部材も加熱されるため、記録材上の未定着トナーは、記録材の両面から熱の供給を受けることができる。このように記録材の両面から加熱する両面加熱方式であれば、発熱体の加熱面の設定温度を低めに抑えることが可能となり、発熱体を定着に必要な温度まで昇温させるまでの待機時間をより短縮することが可能となる。また、このように両面加熱方式であるので、片面加熱方式に比べて定着性も向上する。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の定着装置において、外部電源とともに上記発熱体に電力を供給する蓄電装置を設けたことを特徴とするものである。
この定着装置においては、発熱体への電力供給を外部電源と蓄電装置とから供給する。通常、発熱体に対しては外部電源のみから電力供給を行うが、本定着装置では、外部電源に加えてその外部電源とは別個の蓄電装置からも電力供給を行うことができる。この場合、外部電源のみから電力供給に比べて、発熱体に供給される単位時間あたりの電力量を増加させることができる。よって、例えば、発熱体を定着に必要な温度まで昇温させる立ち上がり時に外部電源と蓄電装置の両方から電力供給を行えば、待機時間を更に短縮することができる。なお、発熱体への電力供給は、常に外部電源と蓄電装置の両方から行う必要はなく、上述のように立ち上がり時にのみ蓄電装置を利用するようにしてもよい。また、蓄電装置は、2次電池であれば長期間蓄電装置の交換が不要となり、メンテナンス性が向上する。なお、蓄電装置として2次電池を使用する場合、例えば、外部電源から発熱体への電力供給が行われないときに、その外部電源によって蓄電装置を充電するようにする。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6又は7の定着装置において、上記発熱体と上記対向部材との間に挟み込まれた記録材と接触する該発熱体側の面に付着した付着物を除去する付着物除去手段を設けたことを特徴とするものである。
記録材と接触する発熱体側の面は、紙粉やトナーなどの付着物が付着することがある。このような付着物は、記録材上の未定着トナーへの熱伝達を妨げるおそれがあり、定着性を低下させる要因となる。そこで、本定着装置では、付着物除去手段を設け、このような付着物を除去することとしている。これにより、定着性を維持することができる。なお、記録材と接触する発熱体側の面に未定着トナーを担持した記録材面が接触する構成の場合には、その発熱体側の面に離型剤を塗布してトナーが付着しにくくするのが好ましい。このような離型剤を塗布すれば、発熱体側の面に対するトナーの付着力が小さくなり、付着物除去手段による除去が容易になる。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の定着装置において、上記発熱体からの熱によって上記記録材上の未定着トナーが加熱される加熱領域を変更する加熱領域変更手段を設けたことを特徴とするものである。
発熱体の挟込面よりも小さいサイズの記録材に対して定着処理を行う場合、定着処理に寄与しない挟込面が存在することになる。このような挟込面に対応する発熱体部分が発熱しても、その挟込面から伝達される熱は定着処理に貢献することはないので、その発熱のために消費される電力は無駄なものである。また、同一サイズの記録材であっても、形成すべき画像によってはその記録材上のごく一部にしかトナーが付着していないことがある。このように一部にしかトナーが付着していない記録材に対して記録材全体に対する定着処理を行う場合にも、定着処理に寄与しない発熱体部分が存在し、無駄に電力を消費することになる。そこで、本請求項の定着装置では、加熱領域変更手段により、発熱体からの熱によって記録材上の未定着トナーが加熱される加熱領域を変更することとしている。具体的には、例えば、上記発熱体を、複数の発熱体部分に分割し、各発熱体部分についての電力供給のON/OFF制御を行う。これにより、定着処理に貢献する部分の発熱体部分には電力供給し、定着処理に貢献しない部分の発熱体部分には電力供給しないような制御が可能となる。
【0017】
また、請求項10の発明は、記録材上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該トナー像形成手段によって記録材上に形成されたトナー像を構成する未定着トナーを加熱することで、該未定着トナーを該記録材上に定着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、上記定着手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の定着装置を用いたことを特徴とするものである。
この画像形成装置においては、定着手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の定着装置を用いることで、これらの定着装置がもつ有用な効果をもって定着処理を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、電子写真式の画像形成装置であるレーザプリンタ(以下、「プリンタ」という。)に適用した実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係るプリンタ全体の概略構成図である。このプリンタは、潜像担持体としての感光体ドラム1を有している。感光体ドラム1は、図中矢印A方向に回転駆動されながら、感光体ドラム1に接触する帯電手段としての帯電ローラ2により、その表面が一様に帯電される。その後、潜像形成手段としての光書込ユニット3により画像情報に基づき走査露光されて、感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される。なお、帯電手段及び潜像形成手段としては、帯電ローラ2及び光書込ユニット3とは異なるものを用いることもできる。感光体ドラム1上に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置4により現像され、感光体ドラム1上にトナー像が形成される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、転写ベルト5を備えた転写手段としての転写ユニットにより、給紙カセット6から給紙ローラ7a及びレジストローラ対7bを経て搬送される記録材としての転写紙P上に転写される。転写終了後の転写紙Pは、定着手段としての定着装置10によりトナー像が定着され、機外に排出される。なお、転写されずに感光体ドラム1上に残留した転写残トナーは、クリーニング手段としてのクリーニングユニット8により感光体ドラム1の表面から除去される。また、感光体ドラム1上の残留電荷は、除電手段としての除電ランプ9で除去される。
【0019】
次に、本実施形態における定着装置10の構成について説明する。
図1は、本実施形態における定着装置10の概略構成図である。この定着装置10は、主に、発熱体である平面ヒータ11と、対向部材である押圧板12とから構成されている。この押圧板12は、転写紙Pを搬送する記録材搬送部材としての無端状の搬送ベルト13の内側に固定配置されている。押圧板12は、金属、ガラス、セラミック、耐熱プラスチックなどを平面に形成したものである。本実施形態で使用する押圧板12は、厚さが1.0mmのアルミニウム平板で構成されている。
【0020】
搬送ベルト13は、転写ベルト5によって搬送されてきた転写紙Pを受け取って定着装置10を通過させるためのものである。この搬送ベルト13は、2つの支持ローラ14a,14bによって図中矢印Bの方向に回転駆動される。この搬送ベルト13は、ニッケル、ポリイミド等の耐熱性樹脂や、炭素鋼、ステンレス鋼などによって形成される薄肉の無端ベルトであり、その表層には、フッ素系樹脂やシリコンゴム等の耐熱離型層が被覆されている。
【0021】
平面ヒータ11は、シート状の抵抗発熱体11aを支持板11bに貼り付けたものを用いている。この支持板11bは、抵抗発熱体11aの強度を補強するためのものであり、金属、ガラス、セラミック、耐熱プラスチックなどを平面に形成したものである。本実施形態で使用する支持板11bは、厚さが1.0mmのアルミニウム平板で構成されている。また、抵抗発熱体11aは、主にシート状基材と発熱材料とから形成される。このシート状基材としては、例えば、シリコンゴム、ポリイミド等の絶縁体フィルムや、ポリエステル不織布などの絶縁体材料を用いることができる。また、発熱材料としては、鋼ニッケル、ニクロム線等の金属抵抗体からなる線材や、SUS箔、アルミ箔、ステンレス鋼箔等の金属箔抵抗体などを用いることができる。このような抵抗発熱体11aのほか、ガラス芯、シリコンゴム芯等の基材にニクロム線等の金属抵抗線を巻きつけ、シリコンゴム、フッ素樹脂等で被覆したコード状ヒータを用いることもできる。また、セラミックヒータなども、抵抗発熱体11aとして用いることができる。
【0022】
本実施形態で使用する抵抗発熱体11aは、厚さが1.0mmのシート状シリコーンゴム基材にニクロム線を設けたものである。この抵抗発熱体11aのワット密度は2.0W/cmである。なお、抵抗発熱体11aのワット密度は、定着性に関する諸条件に応じて任意に設定、調整する。また、本実施形態では、抵抗発熱体11aの表面に、トナーに対する剥離性及び耐熱性を有するシリコンゴム層などの保護層を設けてある。そして、この抵抗発熱体11aには、外部電源15からの電力供給線が固定されており、この電力供給線から抵抗発熱体11aに対して電力供給が行われる。
【0023】
また、平面ヒータ11は、平面ヒータ11と押圧板12との間を接離させる接離手段としての接離機構16によって、図中矢印Cの方向に往復移動することができる。この接離機構16による接離動作は、転写紙Pの搬送すなわち搬送ベルト13の駆動が停止しているときに行われる。そして、搬送ベルト13が駆動している転写紙Pの搬送中には、平面ヒータ11と押圧板12との間は離間した状態にする。
【0024】
搬送ベルト13によって転写紙Pが平面ヒータ11と押圧板12との対向領域に搬送され、転写紙Pの搬送方向における平面ヒータ11の下流側部分に、その転写紙Pの先端が到達すると、これが図示しないセンサによって検知される。この検知信号は、図示しない制御部に送られ、その制御部は図示しないベルト駆動装置によって搬送ベルト13の駆動を停止させる。その後、制御部は接離機構16によって平面ヒータ11を押圧板12側に移動させ、押圧板12と平面ヒータ11との間に、搬送ベルト13とともに転写紙Pを挟み込む。これにより、平面ヒータ11のヒータ面(挟込面)と転写紙Pとが密着し、平面ヒータ11による熱処理を受けてトナーが溶融し、定着処理がなされる。定着処理が終了したら、平面ヒータ11は、接離機構16によって押圧板12から離間され、搬送ベルト13及び転写紙Pは平面ヒータ11及び押圧板12からの圧力から開放される。そして、再び、搬送ベルト13が駆動し、転写紙Pは定着装置10の外部に搬出され、平面ヒータ11は次の転写紙Pの定着処理に備える。
【0025】
本実施形態では、平面ヒータ11のヒータ面を、A4版サイズより少し大きめのサイズ、具体的には220mm×300mmのサイズに形成されたものを用いている。よって、このサイズを超えない転写紙であれば、一度の定着処理によって転写紙全面に定着処理を施すことができる。すなわち、この場合には、転写紙全面が定着処理対象部分となる。一方、このサイズを超える転写紙については、まず転写紙の一部について定着処理を施し、その後搬送ベルト13を駆動させて残りの部分について更に定着処理を施すようにして、定着処理を複数回に分けて行う。この場合、各定着処理が施される転写紙の一部分が定着処理対象部分となる。なお、平面ヒータ11のサイズを大きくすれば、定着処理時間を短縮できるという利点があるのに対し、平面ヒータ11のサイズを小さくすれば、定着装置10の小型化を図ることができるという利点がある。よって、平面ヒータ11のサイズは、これらの利点を比較考量し、適宜設定する。
【0026】
ここで、例えば、転写紙Pが水分を多く含んだ状態であったり、厚みがあったりする場合、通常の転写紙に比べて、平面ヒータ11からの熱の多くが転写紙側に奪われやすい。そのため、このような転写紙に対する定着時間が、通常の転写紙と同じでは、未定着トナーに供給すべき熱量が不足し、定着能力が低下してしまう。よって、転写紙Pの種類、使用環境の温度や湿度、あるいは転写紙P上の画像面積などの諸条件に応じて定着時間を変更するのが望ましい。しかし、転写紙Pを搬送しながら定着処理を行う従来の定着装置において定着時間を変更する場合には、転写紙Pの搬送速度を変更したり、定着ニップの圧力を変更して定着ニップの幅を変更したりするなど、通常の定着動作とは異なる動作が必要となる。これに対し、転写紙Pを停止させた状態で定着処理を行う本実施形態の定着装置において定着時間を変更する場合、平面ヒータ11と押圧板12との間の挟み込み時間を変更するだけでよい。すなわち、本実施形態の定着装置によれば、定着時間の変更に際して、通常の定着動作とは異なる動作は必要ない。よって、本実施形態の定着装置によれば、上述した従来の定着装置に比べて、定着時間の変更を容易に行うことができる。
【0027】
〔変形例1〕
次に、上記実施形態における定着装置の変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
本変形例1における定着装置の基本構成及び動作は、上記実施形態と同様であるが、上記搬送ベルト13とともに転写紙Pを搬送する機能を果たす記録材搬送部材である定着ベルト113を設けた点で、上記実施形態とは異なっている。以下、上記実施形態とは異なる点についてのみ説明する。
【0028】
図3は、本変形例1における定着装置の概略構成図である。この定着装置では、平面ヒータ11と押圧板12との対向領域で、押圧板側の搬送ベルト13に対向するように定着ベルト113が設けられている。この定着ベルト113は、転写ベルト5によって搬送されてきた転写紙Pを受け取って、搬送ベルト13と協働して定着装置10を通過させるためのものである。定着ベルト113は、2つの支持ローラ114a,114bによって図中矢印Dの方向に回転駆動される。よって、上記対向領域において、搬送ベルト13と定着ベルト113は互いに連れ回り方向に回転駆動する。未定着トナーを載せた転写紙Pは、搬送ベルト13と定着ベルト113との間に挟み込まれた状態で定着装置内に搬入され、定着装置外に搬出される。このような転写紙Pの搬送中においては、図示のように、接離機構16によって平面ヒータ11と押圧板12との間が離間した状態となっている。そして、搬送ベルト13と定着ベルト113は、それぞれ押圧板12、平面ヒータ11に接触しない状態で回転駆動し、転写紙Pの搬送を行う。
【0029】
搬送ベルト13及び定着ベルト113によって転写紙Pが平面ヒータ11と押圧板12との対向領域に搬送されると、上記実施形態と同様に、接離機構16によって平面ヒータ11を押圧板12側に移動させる。これにより、転写紙Pは、搬送ベルト13及び定着ベルト113とともに押圧板12と平面ヒータ11との間に挟み込まれる。これにより、平面ヒータ11のヒータ面(挟込面)からの熱は、定着ベルト113を介して転写紙Pに直接的に伝達される。なお、定着ベルト113は、搬送ベルト13と同様に、ニッケル、ポリイミド等の耐熱性樹脂や、炭素鋼、ステンレス鋼などによって形成される薄肉の無端ベルトであり、その表層には、フッ素系樹脂やシリコンゴム等の耐熱離型層が被覆されている。
【0030】
本変形例1において、定着ベルト113は、転写紙Pを搬送する際には平面ヒータ11と接触しない状態で回転駆動し、定着の際にはその回転駆動を停止させた状態で平面ヒータ11と転写紙Pとの間に挟み込まれる。よって、本変形例の定着装置は、上述した従来のフィルム加熱方式の場合とは異なり、摺擦による平面ヒータ11や定着ベルト113の劣化が生じない上、定着ベルト113の走行も安定する。しかも、定着時には平面ヒータ11からの熱が定着ベルト113を介して直接的に転写紙P上の未定着トナーに伝達することができる。よって、待機時間を短縮し、電力の無駄な消費を少なくすることができる。
【0031】
〔変形例2〕
次に、上記実施形態における定着装置の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
本変形例2における定着装置の基本構成及び動作は、上記実施形態と同様であるが、発熱体の形状及び定着動作が上記実施形態とは異なっている。以下、上記実施形態とは異なる点についてのみ説明する。
【0032】
図4は、本変形例2における定着装置の概略構成図である。この定着装置の発熱体は、転写紙搬送方向に対して直交する方向の断面が弓形である板状の湾曲ヒータ211であり、その挟込面が湾曲面になっている。この湾曲ヒータ211の構造は、上記実施形態における平面ヒータ11と同様のシート状の抵抗発熱体211aを湾曲した支持板211bに貼り付けたものを用いている。湾曲ヒータ211の支持板211bにおける抵抗発熱体211aが貼り付けられた面とは反対面には、その転写紙搬送方向両端部部に、接離機構216a,216bを取り付るための取付部217a,217bが設けられている。
【0033】
未定着トナーを載せた転写紙Pの搬送中は、接離機構216a,216bの両方が湾曲ヒータ211を押圧板12から離間させる方向に駆動し、湾曲ヒータ211と押圧板12との間が離間した状態となる。そして、搬送ベルト13によって転写紙Pが湾曲ヒータ211と押圧板12との対向領域に搬送されると、上記実施形態と同様に、接離機構216a,216bによって湾曲ヒータ211を押圧板12側に移動させる。これにより、転写紙Pは、搬送ベルト13とともに、湾曲ヒータ211のヒータ面の一部と押圧板12との間に挟み込まれる。
【0034】
本変形例2においては、各接離機構216a,216bが互いに協働することで、湾曲ヒータ211のヒータ面が停止状態にある転写紙Pと転がり接触するように、湾曲ヒータ211が図中矢印Eの方向に往復移動することができる。本変形例の定着処理では、まず、転写紙搬送方向下流側のヒータ面部分を転写紙Pに当接させる。その後、転写紙搬送方向上流側のヒータ面部分が転写紙Pに当接するまで、転写紙搬送方向上流に向かってヒータ面を転写紙Pに対して転がり接触させる。このようにして定着処理が終了したら、湾曲ヒータ211全体を押圧板12から離間する方向に移動させる。これにより、搬送ベルト13及び転写紙Pは、湾曲ヒータ211及び押圧板12からの圧力から開放される。そして、再び、搬送ベルト13が駆動し、転写紙Pを定着装置10の外部に搬出する。
【0035】
本変形例2によれば、ヒータ面の面積が同じであっても、上記実施形態のように平面ヒータ11に比べて、転写紙搬送方向におけるヒータの設置スペースを狭くすることができる。よって、本定着装置を小型化でき、本定着装置の設置の自由度を高めることができる。
また、本変形例2によれば、上記実施形態のように転写紙Pの全体を一度に挟み込む場合に比べて挟込面積が小さいため、転写紙Pを強い力でヒータ面に押し付けることが可能となる。よって、ヒータ面と転写紙Pとの密着性を高めることができ、ヒータ面からの熱を転写紙P上の未定着トナーに効率的に伝達することができるとともに、高い圧力で未定着トナーを転写紙Pに押し付けることができる。したがって、定着性を向上させることができる。なお、本変形例2では、転写紙Pと接触している湾曲ヒータ211のヒータ面部分と転写紙Pとの間では滑り摩擦が生じないので、そのヒータ面部分によって転写紙P上の未定着トナーが乱されることもない。
【0036】
なお、定着処理時における接離機構216a,216bによる湾曲ヒータ211の移動方法は、転写紙Pを部分的に挟込するものであれば、本変形例で例示したものとは異なるものであってもよい。例えば、最初に転写紙搬送方向上流側のヒータ面部分や上記対向領域の中央に位置するヒータ面部分を転写紙Pに当接させた後、転写紙全体にヒータ面が転がり接触するようにしてもよい。
また、本変形例では、発熱体側のヒータ面を湾曲面に形成することで、転写紙Pを順次部分的に挟み込む構成について説明したが、対向部材側の面を湾曲面に形成しても同様の効果を得ることができる。また、上記実施形態のように発熱体として平面ヒータ11を用い、対向部材として転写紙搬送方向に搬送ベルト13の裏面に対して転がり接触する対向ローラを用いても同様の効果を得ることができる。
【0037】
〔変形例3〕
次に、上記実施形態における定着装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
本変形例3における定着装置の基本構成及び動作は、上記実施形態と同様であるが、押圧板側からも転写紙P上の未定着トナーを加熱する構成を有する点で、上記実施形態とは異なっている。以下、上記実施形態とは異なる点についてのみ説明する。
【0038】
図5は、本変形例3における定着装置の概略構成図である。この定着装置の対向部材は、上記実施形態と同じ形状を有する押圧板312であるが、この押圧板312の構造は平面ヒータ11と同じものである。すなわち、本変形例3における押圧板312は、加熱手段としてのシート状の抵抗発熱体312aを支持板312bに貼り付けたものを用いている。この押圧板312として利用できる材料や構造は、上記平面ヒータ11と同様である。なお、本変形例3では、対向部材と加熱手段を一体に形成した構成について説明したが、これらを別体に構成してもよい。
【0039】
本変形例3の構成によれば、転写紙P上の未定着トナーは、転写紙両面から熱の供給を受けることができるので、上記実施形態の構成に比べて平面ヒータ11のヒータ面の設定温度を低めに抑えることができる。よって、平面ヒータ11を定着に必要な温度まで昇温させるまでの待機時間を短縮することができる。
【0040】
〔変形例4〕
次に、上記実施形態における定着装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
本変形例4における定着装置の基本構成及び動作は、上記実施形態と同様であるが、平面ヒータ11への電力供給方法が上記実施形態とは異なっている。以下、上記実施形態とは異なる点についてのみ説明する。
【0041】
図6は、本変形例4における定着装置の概略構成図である。この定着装置には、外部電源15とともに平面ヒータ11に電力を供給する蓄電装置418が設けられている。本変形例4では、定着処理前に平面ヒータ11を必要な定着温度まで昇温させる立ち上がり時には、外部電源15だけではなく、別途充電しておいた蓄電装置418からも平面ヒータ11に対して電力供給を行う。この蓄電装置418としては、電力を蓄える機能を有し、かつ、その蓄えられた電力を必要に応じて外部電源15とともに平面ヒータ11に供給できるものであれば、どのようなものでも利用することができる。例えば、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電池などの化学反応を利用した2次電池、電気二重層コンデンサ等の大容量キャパシタなどを利用することができる。特に、平面ヒータ11に供給する電力量を制御できるものであるのがより好ましい。
【0042】
本変形例4によれば、上記実施形態のように外部電源15のみから電力供給する場合に比べて、平面ヒータ11に供給される単位時間あたりの電力量を増加させることができる。よって、上記実施形態に比べて、立ち上がり時間を短くでき、待機時間の短縮を図ることができる。なお、蓄電装置418の充電は、定着装置待機時に行われる。また、蓄電装置418の配置場所は、画像形成装置内のどこでもよく、定着装置の内部でも外部でもよいが、外部電源15と同じ場所に配置するのが好ましい。
【0043】
〔変形例5〕
次に、上記実施形態における定着装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例5」という。)について説明する。
本変形例5における定着装置の基本構成及び動作は、上記実施形態と同様であるが、平面ヒータ11のヒータ面をクリーニングする付着物除去手段としてのクリーニングユニット519を有する点で、上記実施形態とは異なっている。以下、上記実施形態とは異なる点についてのみ説明する。
【0044】
図7は、本変形例5における定着装置の概略構成図である。この定着装置のクリーニングユニット519は、ヒータ面にトナーに対する離型剤を塗布するオイル塗布ローラ519aと、そのヒータ面に付着したトナーや紙粉等の付着物を取り除くクリーニングローラ519bとを備えている。このクリーニングユニット519は、定着処理の間は、平面ヒータ11の転写紙搬送方向上流側に待機している。定着処理が終了すると、接離機構16によって平面ヒータ11が押圧板12から離間される。これにより、平面ヒータ11と搬送ベルト13との間には、オイル塗布ローラ519a及びクリーニングローラ519bをヒータ面に接触させながらクリーニングユニット519を移動させるためのスペースが形成される。クリーニングユニット519は、このように形成されたスペースを、図示しない駆動手段によって図中矢印Fに往復移動することができる。
【0045】
オイル塗布ローラ519aは、その内部に離型剤としてのジメチルシリコンオイルが充填されており、クリーニングユニット519の移動に伴い、ヒータ面に接触しながら従動回転する。このとき、オイル塗布ローラ519aの表層からオイルが滲み出して、ヒータ面に微量のオイルが塗布される。このように、定着処理時に転写紙P上の未定着トナーが接触するヒータ面に微量のオイルを塗布することで、そのヒータ面のトナーに対する離型性を向上させることができる。よって、そのヒータ面にトナーが付着しにくくなり、クリーニングローラ519bによるクリーニングが容易になる。なお、オイル塗布ローラ519aとしては、例えば、内部に離型剤が充填された多数の孔を有するアルミニウムパイプの外側にフェルトを巻いたものを使用することができる。
なお、本変形例5では、オイルが内部に充填されたオイル塗布ローラ519aによってヒータ面に離型剤を塗布する方法について説明したが、他の方式を採用してもよい。例えば、貯留されたオイルに浸されたローラの表面に付着したオイルをヒータ面に塗布する方式などを利用することもできる。また、本変形例5では、離型剤としてジメチルシリコンオイルを用いているが、他の離型剤を用いることもできる。
【0046】
クリーニングローラ519bは、クリーニングユニット519の移動に伴い、その表面をヒータ面に接触させながら従動回転する。この従動回転の際、クリーニングローラ519bの表面にはヒータ面上の付着物が付着し、ヒータ面から付着物が除去される。クリーニングローラ519bの表面に付着した付着物は、そのクリーニングローラ519bに当接するスクレーパ519cによって掻き落とされ、掻き落とされた付着物はケース519d内に落下し、回収される。このスクレーパ519cは、図示しない装置側板に固定されたブラケットに固定されている。このスクレーパ519cは、例えば、SUSなどで形成された板部材やポリイミド系樹脂などの耐熱に優れた樹脂板などで構成することができる。また、クリーニングローラ519bとしては、例えば、アルミニウム、炭素鋼、ステンレス鋼等の金属製の円筒状部材の表面にフッ素系樹脂等の耐熱性離型層を有するものを用いることができる。このようにクリーニングローラ519bの表面に離型層を形成すれば、クリーニングローラ表面に付着した付着物をスクレーパ519cによって除去しやすくなる。
【0047】
本変形例5によれば、クリーニングローラ519bによってヒータ面に付着したトナーや紙粉等の付着物を定期的に除去して、そのヒータ面に付着物が付着していない状態に維持することができる。これにより、そのヒータ面からの熱を付着物によって妨げられることなく転写紙P上の未定着トナーに伝えることができ、付着物による定着性の低下を抑制することができる。
なお、本変形例5は、定着処理を終えた後、毎回クリーニングする構成であるが、複数回の定着処理ごとにクリーニングする構成としてもよい。また、平面ヒータ11の使用状況や、転写紙P上の画像面積(トナー付着量)などに応じて、クリーニング頻度を設定するようにすることも可能である。
【0048】
〔変形例6〕
次に、上記実施形態における定着装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例6」という。)について説明する。
本変形例6における定着装置の基本構成及び動作は、上記実施形態と同様であるが、平面ヒータ11が有する抵抗発熱体が複数に分割されている点で、上記実施形態とは異なっている。以下、上記実施形態とは異なる点についてのみ説明する。
【0049】
図8は、本変形例6における定着装置の概略構成図である。この定着装置の平面ヒータ611は、複数の抵抗発熱体部分611aを、転写紙搬送方向に沿って支持板11bに貼り付けたものを用いている。各抵抗発熱体部分611aは、それぞれスイッチ部615aを介して外部電源15に接続されている。このスイッチ部615aはスイッチ切替部615bにより制御されている。このスイッチ切替部615bは、各抵抗発熱体部分611aへの電力供給を個別にON/OFF制御することができる。このスイッチ部615aとスイッチ切替部615bにより加熱領域変更手段が構成されている。具体的には、スイッチ切替部615bには定着処理の対象となる転写紙Pのサイズ情報が入力され、そのサイズ情報に応じて、どの抵抗発熱体部分611aに電力供給を行うかを決定する。そして、その決定に基づいてスイッチ部615aを制御する。
【0050】
本変形例6では、平面ヒータ11のヒータ面よりも小さいサイズの転写紙Pに対して定着処理を行う場合、その転写紙Pとは接触しないヒータ面に対応する抵抗発熱体部分611aには、電力供給を行わない。これにより、定着処理に貢献することがないヒータ面の抵抗発熱体部分611aを発熱させる無駄な電力消費を抑制することができる。
【0051】
なお、上述した各変形例の構成を互いに組み合わせることで、より有用な定着装置を得ることができる。
【0052】
以上、本実施形態によれば、転写紙Pを停止させた状態で、その転写紙P上の未定着トナーに平面ヒータ11,611や湾曲ヒータ211のヒータ面からの熱を、直接又は定着ベルト113を介して直接的に伝達させる構成であるので、上述したフィルム加熱方式と同様の効果を得ることが可能である。しかも、本実施形態では、上記フィルム加熱方式のように定着装置を構成する発熱体や定着フィルム等の構成部材が互いに摺擦することもないので、これらの構成部材が摺擦によって劣化することがなく、また、上記フィルム加熱方式のように定着フィルムの走行が不安定になることもない。
【0053】
【発明の効果】
請求項1乃至10の発明によれば、上述したフィルム加熱方式と同様の効果を得ることが可能であるとともに、定着装置の寿命が長く、かつ、長期的に安定した定着処理を行うことができるという優れた効果がある。
特に、請求項2の発明によれば、簡単な構成で画像形成スピードを向上させることができるという優れた効果がある。
また、請求項3の発明によれば、記録材がカールしたり、シワになったりするのを抑制することができるという優れた効果がある。
また、請求項4の発明によれば、本定着装置の設置の自由度を高めることができるという優れた効果がある。
また、請求項5の発明によれば、記録材上の未定着トナーへの熱伝達効率を高めて容易に定着性を向上させることができるという優れた効果がある。
また、請求項6の発明によれば、両面加熱方式を採用するので、発熱体を定着に必要な温度まで昇温させるまでの待機時間をより短縮することが可能となるという優れた効果がある。
また、請求項7の発明によれば、発熱体に供給される単位時間あたりの電力量を一時的に増加させることができるので、例えば待機時間を更に短縮させるなどの優れた効果を得ることができる。
また、請求項8の発明によれば、長期的に高い定着性を維持することができるという優れた効果がある。
また、請求項9の発明によれば、無駄な電力消費を抑えることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るプリンタの定着装置を示す概略構成図。
【図2】同プリンタ全体の概略構成図。
【図3】変形例1における定着装置の概略構成図。
【図4】変形例2における定着装置の概略構成図。
【図5】変形例3における定着装置の概略構成図。
【図6】変形例4における定着装置の概略構成図。
【図7】変形例5における定着装置の概略構成図。
【図8】変形例6における定着装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
10 定着装置
11,611 平面ヒータ
11a,211a,312a 抵抗発熱体
11b,211b,312b,611b 支持板
12,312 押圧板
13 搬送ベルト
15 外部電源
16,216a,216b 接離機構
113 定着ベルト
211 湾曲ヒータ
418 蓄電装置
519 クリーニングユニット
519a オイル塗布ローラ
519b クリーニングローラ
611a 抵抗発熱体部分
615a スイッチ部
615b スイッチ切替部

Claims (10)

  1. 搬送されてくる記録材上の未定着トナーを加熱することで、該未定着トナーを該記録材上に定着させる定着装置において、
    電力供給を受けることで発熱する発熱体と、
    該発熱体に対向する位置に配置される対向部材とを設け、
    該記録材の搬送を停止させた後、該記録材の定着処理対象部分を該発熱体と該対向部材との間に挟み込んだ状態で、該定着処理対象部分に対して定着処理を行うことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1の定着装置において、
    上記発熱体とは接触しない状態で、該発熱体と上記対向部材との対向領域を記録材搬送方向に移動するベルト状の記録材搬送部材を設け、
    上記定着処理の際、該記録材搬送部材の移動を停止させた状態で、該記録材搬送部材及び該記録材の定着処理対象部分を、該発熱体と該対向部材との間に挟み込むことを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2の定着装置において、
    上記対向部材との間で上記記録材を挟み込む上記発熱体の挟込面は平面であることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1又は2の定着装置において、
    上記対向部材との間で上記記録材を挟み込む上記発熱体の挟込面は湾曲面であることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1、2、3又は4の定着装置において、
    上記定着処理の際、上記発熱体と上記対向部材との間に上記記録材の定着処理対象部分を順次部分的に挟み込むことを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1、2、3、4又は5の定着装置において、
    上記対向部材を加熱させる加熱手段を設けたことを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6の定着装置において、
    外部電源とともに上記発熱体に電力を供給する蓄電装置を設けたことを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7の定着装置において、
    上記発熱体と上記対向部材との間に挟み込まれた記録材と接触する該発熱体側の面に付着した付着物を除去する付着物除去手段を設けたことを特徴とする定着装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の定着装置において、
    上記回転発熱体からの熱によって上記記録材上の未定着トナーが加熱される加熱領域を変更する加熱領域変更手段を設けたことを特徴とする定着装置。
  10. 記録材上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    該トナー像形成手段によって記録材上に形成されたトナー像を構成する未定着トナーを加熱することで、該未定着トナーを該記録材上に定着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、
    上記定着手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の定着装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012113153A (ja) * 2010-11-25 2012-06-14 Casio Electronics Co Ltd 消色装置
KR101831787B1 (ko) * 2012-09-11 2018-02-23 에스프린팅솔루션 주식회사 정착 장치 및 정착 방법

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