JP6155034B2 - 定着装置およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
このとき、熱伝導部材の曲率が大きいほど、熱伝導部材の厚みを薄くして熱容量を最小限に留めることが可能となるが、熱伝導部材両端のエッジが立つため、定着ベルトの摺動性が損なわれて回転不良を引き起こし易くなると共に、定着ベルトの摩耗による耐久性の低下が懸念される。
前記伝熱板は、バネ性を有する金属板からなると共に、前記発熱体を円弧状に挟み込む円弧板部を有し、前記円弧板部にて前記定着ベルトの内周面を外周面側へ付勢するように構成され、
前記伝熱板は、前記定着ローラの回転軸方向から見て、相互に離間した両端に一対の前記円弧板部を有し、かつ前記両端の間の中間に前記一対の円弧板部を連結する連結板部を有し、前記一対の円弧板部の自由端の間が開放した形状に形成されており、
前記伝熱板上を摺動しながら回転する前記定着ベルトに前記発熱体の熱が前記伝熱板を介して伝達されると共に、未定着トナー像を有する記録用紙が前記ニップ部に搬送されることにより、未定着トナー像を記録用紙に定着させるように構成され、
前記定着ベルトの内周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部をさらに備えた定着装置が提供される。
よって、本発明の定着装置およびそれを備えた画像形成装置によれば、消費電力が小さく、多種多様な記録用紙に対してトナーを良好に定着することができる。また、伝熱効率の向上により発熱体の過熱による周辺部材の破損が防止されると共に、周辺部材の材料として耐熱性能が低い安価な材料を用いることができてコストダウンに繋がる。
(画像形成装置について)
図1は本発明の定着装置を備えた画像形成装置の実施形態1を示す構成図である。
図1に示された画像形成装置100は、4つの画像形成ユニットK、C、M、Yと、中間転写ベルトユニット8と、定着装置12と、記録用紙搬送路Sと、給紙トレイ10と、排紙トレイ15と、図示しない制御部とを備え、外部から伝達された画像データに応じて、所定の記録用紙に対して多色または単色の画像を形成する。
感光体ドラム3は、画像形成装置100の上部に配設されている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、ここではローラ型の帯電器が用いられている。ただし、帯電器5として、ブラシ型の帯電器や、チャージャー型の帯電器を用いてもよい。
現像器2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像をトナーにより顕像化する。
クリーナユニット4は、トナー画像の転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去し回収する。
中間転写ベルト7は、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルトテンションローラ、中間転写ローラ6および中間転写ベルト従動ローラ72に張架され、図1の矢印B方向に回転駆動される。
中間転写ベルト7は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されており、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。また、中間転写ベルト7は、その表面に多色トナー像を担持する機能を有しており、各色のトナー像が各感光体ドラム3から順次転写される。
中間転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属軸(例えば、ステンレス製)をベースとし、その表面は、導電性弾性材(例えば、EPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性弾性材は、中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加するために用いられている。また、本実施の形態では、転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなどを用いてもよい。
各感光体3上で各色相に応じて形成されたトナー像(現像剤像)は中間転写ベルト7で積層される。続いて、積層されたトナー像は、中間転写ベルト7の回転によって記録用紙と中間転写ベルト7の接触位置に導かれ、転写ローラ11に印加される転写バイアスによって記録用紙上に転写される。なお、転写バイアスは、トナーの帯電極性とは逆極性の正極性である。
転写ローラ11によって記録用紙上に転写が行われず中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるため、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去・回収される。
中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレードが備えられている。なお、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト7は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72で支持されている。
画像形成装置100の側面に配設される手差しトレイ17は、給紙トレイ10内の記録用紙以外の記録用紙に印刷したい場合に用いられる。
本画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みの記録用紙をフェイスダウンで載置するためのトレイである。
本画像形成装置100には、給紙トレイ10の記録用紙を転写ローラ11や定着装置12を経由させて排紙トレイ15に送るための、略垂直方向に延びる記録用紙搬送路Sが形成されている。
ピックアップローラ16aは、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10から記録用紙を1枚ずつ記録用紙搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
レジストローラ16bは、記録用紙搬送路Sを搬送されている記録用紙を一旦保持し、感光体ドラム3上のトナー像の先端と記録用紙の先端を合わせるタイミングで記録用紙を転写ローラ11と中間転写ベルト駆動ローラ71との間に搬送する。
図2は図1の画像形成装置に備えられた本発明の定着装置を示す構成図である。
図1および図2に示すように、定着装置12は、回転可能な定着ローラ121と、定着ローラ121の外周近傍に配置された加熱部122と、定着ローラ121と加熱部122とに回転可能に懸架された定着ベルト123と、定着ローラ121に対向する位置に回転可能に配置されて定着ベルト123を介して定着ローラ121とニップ部Nを形成する加圧ローラ124とを備える。
加熱部122は、フィルム状の発熱体122aと、発熱体122aを円弧状に挟み込む伝熱板122bとを有する。
加圧ローラ124は、中空の金属製芯金(例えば、ステンレス鋼製)と、その外周面を覆うシリコンゴムなどの弾性層と、その外周面を覆うPFAチューブなどの離型層とを有してなる。実施形態1では、直径28mmの中空の芯金に厚さ1mmのシリコンゴムおよび厚さ30μmのPFAチューブを被覆している。
なお、定着ローラ121および加熱ローラ124は、画像形成装置100の図示しないフレームに回転可能に支持され、加熱ローラ124のみ図示しないモータに連結されている。
基材には、ポリイミドといった樹脂材料、ステンレスやニッケルなどの金属材料等を用いることができる。なお、基材としてのポリイミドにはカーボンブラックなどが内添されていてもよい。
弾性層としては、耐熱性および弾性に優れたエラストマー材料(例えば、シリコンゴム)を用いることができる。
ヒータユニットとしての加熱部122において、前記発熱体122aとしては、例えば、厚さ約30μmのステンレス鋼箔などからなる発熱フィルム(抵抗発熱体)を厚さ約25μmのポリイミドフィルムで挟んだ構成のフィルムヒータが用いることができる。なお、前記発熱フィルムの代わりに、銀・パラジウム系の合金やカーボンナノチューブを配合したペーストなどを用いることもできる。
このように構成された第1部材122b1によれば、金属板のしなり(バネ性)を利用して定着ベルト123にテンションを付与することができる。これにより、個別のベルトテンション機構を定着装置12に設ける必要がなく簡素化できるため、定着装置12の小型化や低コスト化が可能となる。なお、第1部材122b1において、例えば、連結板部122b12および/または上の円弧板部122b11が画像形成装置100の図示しないフレームに支持部材を介して固定されている。
また、この第1部材122b1によれば、の円弧板部122b11の周方向の長さおよび/または曲率を変更すれば容易に加熱幅Lを調整することが可能であり、狭いスペースであっても広い加熱幅Lを得ることも容易である。実施形態1では、各第1部材122b1の加熱幅Lを23mmに設定している。
さらに、伝熱板122bにおける定着ベルト123との接触面、すなわち、第1部材122b1の円弧板部122b11の外面は、低摩擦材料122dにてコーティングされていてもよい。この低摩擦材料122dとしては、例えば、PFAやPTFEなどのフッ素樹脂を用いることができる。
図5は実施形態1の定着装置の制御方法を説明する図である。この場合、定着ベルト123を中心角度30°毎に第1〜12領域に分け、各発熱体122aの加熱幅をそれぞれ3領域分加熱できる幅(中心角度90°の範囲)に設定している。
定着装置12を立ち上げる際、省エネ化およびウォームアップ短縮を図るために、画像形成装置100の前記制御部は、定着ベルト123が静止と回転を繰り返しながら1回転する間にウォームアップ温度まで加熱されるよう、加圧ローラ124と発熱体122aを制御することができる。
このように、前記第1の制御方法では、定着ベルト123全体を均一にウォームアップ温度まで加熱するために、定着ベルト123を1回移動させる。なお、その後は、加圧ローラ124を回転させて記録用紙Pをニップ部Nに通して未定着トナーの定着を行う。
すなわち、この第1の制御方法において、制御部は、定着ベルト123の第1〜3領域と第6〜第9領域が第1の温度まで加熱された後、定着ベルト123が移動し、定着ベルト123の第3〜5領域と第10〜12領域が第2の温度まで加熱されることにより、定着装置12のウォームアップを完了させるよう制御する。このとき、最初の加熱温度(第1の温度)を後の加熱温度(第2の温度)よりも高く設定することにより、ウォームアップ完了時点で定着ベルト123全体がウォームアップ温度に達することができ、ウォームアップ時間の短縮化に繋がる。
前記第2の制御方法では、定着ベルト123全体を均一にウォームアップ温度まで加熱するために、定着ベルト123を2回移動させる。
前記第1の制御方法では、定着ベルト123全体を均一にウォームアップ温度まで加熱するために、定着ベルト123を4回移動させる。
図6は実施形態2における定着ベルトが取り外された加熱部222を示す側面図である。なお、図6において、図3中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態2の場合、加熱部222の伝熱板222bは、実施形態1の伝熱板122bにおける第1部材122b1の一対の円弧板部122b11と一対の第2部材122b2とが連結一体化した構成であり、実施形態2におけるその他の構成は実施形態1と同様である。
実施形態2の伝熱板222bは、一対の発熱体122aを挟み込むように湾曲加工した金属板の両端を折り返して形成される。
実施形態1および2における加熱体122、222の一対の発熱体122aのうち、いずれか一方を省略してもよい。この場合、図5に示された定着ベルト123の第6〜8領域に位置する下の発熱体122aよりも、第1〜3領域に位置する上の発熱体122aを省略する方がよい。
このように、第4の制御方法では、定着ベルト123全体を均一にウォームアップ温度まで加熱するために、定着ベルト123を3回移動させる。
本発明の定着装置は、回転可能な定着ローラと、前記定着ローラの外周近傍に配置された加熱部と、前記定着ローラと前記加熱部とに回転可能に懸架された定着ベルトと、前記定着ローラに対向する位置に回転可能に配置されて前記定着ベルトを介して前記定着ローラとニップ部を形成する加圧ローラとを備え、前記加熱部は、フィルム状の発熱体と、前記発熱体を円弧状に挟み込む伝熱板とを有してなり、
前記伝熱板は、バネ性を有する金属板からなると共に、前記発熱体を円弧状に挟み込む円弧板部を有し、前記円弧板部にて前記定着ベルトの内周面を外周面側へ付勢するように構成され、
前記伝熱板は、前記定着ローラの回転軸方向から見て、相互に離間した両端に一対の前記円弧板部を有し、かつ前記両端の間の中間に前記一対の円弧板部を連結する連結板部を有し、前記一対の円弧板部の自由端の間が開放した形状に形成されており、
前記伝熱板上を摺動しながら回転する前記定着ベルトに前記発熱体の熱が前記伝熱板を介して伝達されると共に、未定着トナー像を有する記録用紙が前記ニップ部に搬送されることにより、未定着トナー像を記録用紙に定着させるように構成され、
前記定着ベルトの内周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部をさらに備えている。
この構成によれば、前記効果に加えて、次の効果を奏する。
すなわち、個別のベルトテンション機構を設ける必要がなく、定着装置を簡素化できるため、定着装置の小型化および低コスト化が可能となる。
また、フィルム状の発熱体を挟み込んだバネ性を有する金属板(伝熱板)を略対称位置に配置することができ、それによりバランス良くベルトテンションをかけることが可能となる。この結果、金属板に対する定着ベルトの片当たりや浮きを防止できると共に、定着ベルトと金属板との密着性が向上して伝熱効率が向上する。
さらに、伝熱板と定着ベルトとの摩擦抵抗が低減するため、定着ベルトの良好な回転性能を得ることができると共に、定着ベルトの摩耗が低減してロングライフ化を図ることができる。
(1)定着ベルト123の曲率が定着ローラ121の曲率より小さくなるように、定着ベルト123が定着ローラ121と加熱部122とに懸架されてもよい。
このようにすれば、加熱部の伝熱板が受ける単位面積当たりの定着ベルトからの圧力が減少するため、伝熱板を薄くすることができ、その結果、伝熱板の伝熱効率を向上させることができる。その上、定着ベルトと伝熱板との摩擦抵抗が減少するため、定着ベルトの寿命を延ばすことができて好都合である。
このようにすれば、発熱体と伝熱板との密着度が増すため、伝熱板の伝熱効率が向上すると共に、発熱体単体の過熱を防ぐことができる。
このようにすれば、伝熱板と定着ベルトとの摩擦抵抗が低減するため、定着ベルトの良好な回転性能を得ることができると共に、定着ベルトの摩耗が低減してロングライフ化を図ることができる。
(I)定着装置12の動作を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、定着ベルト123が静止と回転を繰り返しながら1回転する間にウォームアップ温度まで加熱されるよう、加圧ローラ124と発熱体122aを制御してもよい。
このようにすれば、発熱体が対称位置にあってもなくても、定着ベルト全周を均等にムラ無く加熱することができるため、未定着トナーの記録用紙への良好な定着性を得ることができる。
このような立ち上げ制御を行うことにより、定着ローラおよび加圧ローラへの不要な伝熱を防ぐことができると共に、定着ベルトの広い範囲を加熱するため、ウォームアップ時間の大幅な短縮に繋がる。
このようにすれば、第1の加熱温度を高くして定着ベルトの最初の部分を加熱することで、残りの部分を加熱している間であっても最初の部分は定着に必要な温度が保持されるため、良好な定着性を得ることができる。
2a〜2d 現像装置(現像器)
3a〜3d 感光体ドラム
4a〜4d 帯電装置(帯電器)
8 転写装置(中間転写ベルトユニット)
12 定着装置
121 定着ローラ
122 加熱部
122a 発熱体
122b 伝熱板
122b11 円弧板部
122b12 連結板部
122c 熱伝導グリス
122d 低摩擦材料
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 潤滑剤塗布部
N ニップ部
P 記録用紙
T 未定着トナー像
Claims (5)
- 回転可能な定着ローラと、前記定着ローラの外周近傍に配置された加熱部と、前記定着ローラと前記加熱部とに回転可能に懸架された定着ベルトと、前記定着ローラに対向する位置に回転可能に配置されて前記定着ベルトを介して前記定着ローラとニップ部を形成する加圧ローラとを備え、前記加熱部は、フィルム状の発熱体と、前記発熱体を円弧状に挟み込む伝熱板とを有してなり、
前記伝熱板は、バネ性を有する金属板からなると共に、前記発熱体を円弧状に挟み込む円弧板部を有し、前記円弧板部にて前記定着ベルトの内周面を外周面側へ付勢するように構成され、
前記伝熱板は、前記定着ローラの回転軸方向から見て、相互に離間した両端に一対の前記円弧板部を有し、かつ前記両端の間の中間に前記一対の円弧板部を連結する連結板部を有し、前記一対の円弧板部の自由端の間が開放した形状に形成されており、
前記伝熱板上を摺動しながら回転する前記定着ベルトに前記発熱体の熱が前記伝熱板を介して伝達されると共に、未定着トナー像を有する記録用紙が前記ニップ部に搬送されることにより、未定着トナー像を記録用紙に定着させるように構成され、
前記定着ベルトの内周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部をさらに備えたことを特徴とする定着装置。 - 前記定着ベルトの曲率が前記定着ローラの曲率より小さくなるように、前記定着ベルトが前記定着ローラと前記加熱部とに懸架されている請求項1に記載の定着装置。
- 前記潤滑剤塗布部が、回転する前記定着ベルトの内周面に摺接するように前記伝熱板の前記連結板部の外面に設けられている請求項1または2に記載の定着装置。
- 表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、該感光体ドラムの表面を帯電させる帯電装置と、前記感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する露光装置と、前記感光体ドラムの表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、前記感光体ドラムの表面のトナー像を記録用紙に転写する転写装置と、記録用紙に転写された未定着トナー像を記録用紙に定着させる請求項1〜3のいずれか1つに記載の定着装置とを備えた画像形成装置。
- 前記定着装置の動作を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記定着ベルトが静止と回転を繰り返しながら1回転する間にウォームアップ温度まで加熱されるよう、前記加圧ローラと前記発熱体を制御するように構成された請求項4に記載の画像形成装置。
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