JP2004162955A - 空気清浄機 - Google Patents
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Abstract
【課題】空気清浄機において、防虫ネットにより通過が阻止された虫やその死骸が吸入通路内に残ることなく除去できるようにする。
【解決手段】空気清浄機のファン26に空気を導入する吸入通路C1に着脱可能に設けられて吸入通路の一部を形成する筒状部材30に、防虫ネットNを設ける。筒状部材は吸入通路を通る空気が通過する開口33を側面に形成したものとし、この開口が開閉されるように吸入通路に連通して形成された挿入穴19aに摺動可能に嵌合し、防虫ネットは開口に設けるのがよい。筒状部材は先端部の外側面にロック用突起34を形成した円筒状とし、挿入穴の内面には円周方向に沿った扇形切欠き37を形成し、この扇形切欠きの円周方向一端から壁板19の表面に達する第1切欠き36を形成し、筒状部材はロック用突起を第1切欠きから扇形切欠き内に入れ、回動した状態で摺動開閉可能に取り付ける。
【選択図】 図2
【解決手段】空気清浄機のファン26に空気を導入する吸入通路C1に着脱可能に設けられて吸入通路の一部を形成する筒状部材30に、防虫ネットNを設ける。筒状部材は吸入通路を通る空気が通過する開口33を側面に形成したものとし、この開口が開閉されるように吸入通路に連通して形成された挿入穴19aに摺動可能に嵌合し、防虫ネットは開口に設けるのがよい。筒状部材は先端部の外側面にロック用突起34を形成した円筒状とし、挿入穴の内面には円周方向に沿った扇形切欠き37を形成し、この扇形切欠きの円周方向一端から壁板19の表面に達する第1切欠き36を形成し、筒状部材はロック用突起を第1切欠きから扇形切欠き内に入れ、回動した状態で摺動開閉可能に取り付ける。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気清浄機、特に建物などの壁に取り付けて使用するのに適した小形でコンパクトな空気清浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の空気清浄機には、室内空気吸引口からの室内空気と室外空気吸引口からの室外空気をファンを備えた空気清浄部に吸入して、空気吹き出し口から室内に吹き出すものがあり、このような室外空気吸引通路に室外空気の吸入と停止を切り替える換気切替弁を設けたものもある(特許文献1)。また、市販のこの種の空気清浄機には、室外空気を吸入する換気運転の際に虫などの異物が室内に侵入するのを防ぐために、取り外し可能な防虫ネットを室外空気吸入通路に設けたものもあるが、その構造を記載した文献は見当たらない。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−23042公報(図1、図2、図10)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術の空気清浄機では、防虫ネットに付着した虫などは防虫ネットを取り外して除去することは可能であるが、ケーシング内の吸入通路などに残った虫やその死骸を取り除くことは手間がかかりまた困難であり、取り除けなかった虫の死骸などが不快な悪臭の発生源になるという問題がある。また防虫ネットと換気切替弁とは別々の部品であるので、この両方を備えた空気清浄機は部品点数が多くなり製造コストが上昇するという問題もある。
【0005】
本発明は防虫ネットを含む関連部分の構造に工夫を加え、また防虫ネットと換気切替弁と結合することにより、空気清浄機におけるこのような各問題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このために、本発明による空気清浄機は、ファンと、空気吸入口から吸入される空気をファンに導く吸入通路と、ファンから吐出される空気を吹き出し口に導く吐出通路と、吸入通路と吐出通路の少なくとも何れか一方にフィルタを設けてなる空気清浄機において、吸入通路にその一部を形成するように筒状部材を着脱可能に配設し、この筒状部材に内部に入った虫などの異物の通過を阻止する防虫ネットを設けたことを特徴とするものである。
【0007】
前項に記載の空気清浄機は、吸入通路に連通する挿入穴を形成し、筒状部材には吸入通路を通る空気が通過する開口を形成するとともにこの開口に防虫ネットを配設し、筒状部材は開口が開閉されるように挿入穴に摺動可能に嵌合することが好ましい。
【0008】
前2項に記載の空気清浄機の筒状部材は先端部の外側面にロック用突起を突出して形成した円筒状とし、筒状部材を挿入する挿入穴の内面には同挿入穴が設けられる吸入通路の壁板の表面から多少入った位置に円周方向に沿った扇形切欠きを形成するとともにこの扇形切欠きの円周方向一端から吸入通路の壁板の表面に達する第1切欠きを形成し、筒状部材は、ロック用突起が第1切欠きを通って扇形切欠き内に入り円周方向に移動して扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置において、開口が挿入穴より外にあって開いた位置と挿入穴内に入って閉じられる位置との間で移動可能とすることが好ましい。
【0009】
また第1項および第2項に記載の空気清浄機の筒状部材は先端部の外側面にロック用突起を突出して形成した円筒状とし、筒状部材を挿入する挿入穴の内面には同挿入穴が設けられる吸入通路の壁板の表面から多少入った位置に円周方向に沿った扇形切欠きを形成するとともにこの扇形切欠きの円周方向一端から壁板の表面に達する第1切欠きを形成し、さらに挿入穴の内面には第1切欠きと異なる角度位置に吸入通路の壁板の表面に開放される第2切欠きを形成するとともに筒状部材の外側面には軸線方向に沿って案内用突起を形成し、筒状部材を、ロック用突起が第1切欠きを通って扇形切欠き内に入り円周方向に移動して同扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置において、開口が挿入穴より外にあって開いた位置と挿入穴内に入って閉じられる位置との間で移動可能とし、さらに案内用突起は、ロック用突起が第1切欠きを通って扇形切欠き内に入った状態では先端が吸入通路の壁板の表面に当接し、次いでロック用突起が扇形切欠き内を円周方向に移動して同扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置では第2切欠きと整列され、次いで開口が開いた位置と閉じられる位置との間で筒状部材が移動する際には、第2切欠き内を通って移動するよう構成することが好ましい。
【0010】
前4項に記載の空気清浄機は建物などの壁の内側に取り付け、防虫ネットを設けた筒状部材は、壁により形成される室内から取り出せるように吸入通路に着脱可能に取り付けることが好ましい。
【0011】
【発明の作用および効果】
上述のように、本発明によれば、吸入通路にその一部を形成するように筒状部材を着脱可能に配設し、この筒状部材に内部に入った虫などの異物の通過を阻止する防虫ネットを設けたので、防虫ネットにより通過が阻止された虫やその死骸などの異物は大部分が筒状部材内に溜まる。従って虫やその死骸などは筒状部材を取り外せば大部分がこれと同時に取り出され、ケーシング内の吸入通路などに残ることはない。このように簡単な手間で虫やその死骸などを取り除くことができるので、取り除けなかった虫の死骸などによる不快な悪臭の発生を防止することができる。
【0012】
前項に記載の空気清浄機は、吸入通路に連通する挿入穴を形成し、筒状部材には吸入通路を通る空気が通過する開口を形成するとともにこの開口に防虫ネットを配設し、筒状部材は開口が開閉されるように挿入穴に摺動可能に嵌合した空気清浄機によれば、防虫ネットを支持する筒状部材の側面に形成されて吸入通路を通る空気が通過する開口は、吸入通路に連通する挿入穴に摺動可能に嵌合されることにより開閉される。このように筒状部材は1個で防虫ネットの支持部材および吸入通路を開閉する換気切替弁の2つの機能を兼ね備えているので、本発明の空気清浄機は防虫ネットおよび換気切替弁の2つの機能を備えているにもかかわらず部品点数が少なくなり、製造コストを低下させることができる。
【0013】
筒状部材は先端部の外側面にロック用突起を突出して形成した円筒状とし、筒状部材を挿入する挿入穴の内面には同挿入穴が設けられる吸入通路の壁板の表面から多少入った位置に円周方向に沿った扇形切欠きを形成するとともにこの扇形切欠きの円周方向一端から吸入通路の壁板の表面に達する第1切欠きを形成し、筒状部材は、ロック用突起が第1切欠きを通って扇形切欠き内に入り円周方向に移動して扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置において、開口が挿入穴より外にあって開いた位置と挿入穴内に入って閉じられる位置との間で移動可能とした空気清浄機によれば、ロック用突起が扇形切欠き内に入り円周方向に移動して円周方向他端に達した角度位置では、筒状部材は開口が開いた位置と閉じられた位置の間で移動可能であるが、この角度位置には第1切欠きは設けられていないので開口を充分開いた状態ではロック用突起が壁板の裏面に当たり、筒状部材がそれ以上移動することはない。従って開口を開く操作の際に筒状部材が不用意に外れたりするおそれはない。
【0014】
また筒状部材は先端部の外側面にロック用突起を突出して形成した円筒状とし、筒状部材を挿入する挿入穴の内面には同挿入穴が設けられる吸入通路の壁板の表面から多少入った位置に円周方向に沿った扇形切欠きを形成するとともにこの扇形切欠きの円周方向一端から壁板の表面に達する第1切欠きを形成し、さらに挿入穴の内面には第1切欠きと異なる角度位置に吸入通路の壁板の表面に開放される第2切欠きを形成するとともに筒状部材の外側面には軸線方向に沿って案内用突起を形成し、筒状部材を、ロック用突起が第1切欠きを通って扇形切欠き内に入り円周方向に移動して同扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置において、開口が挿入穴より外にあって開いた位置と挿入穴内に入って閉じられる位置との間で移動可能とし、さらに案内用突起は、ロック用突起が第1切欠きを通って扇形切欠き内に入った状態では先端が吸入通路の壁板の表面に当接し、次いでロック用突起が扇形切欠き内を円周方向に移動して同扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置では第2切欠きと整列され、次いで開口が開いた位置と閉じられる位置との間で筒状部材が移動する際には、第2切欠き内を通って移動するよう構成した空気清浄機によれば、前項で述べた効果に加えて、筒状部材を吸入通路の壁板に取り付ける際には、先ずロック用突起を第1切欠きに合わせて筒状部材の先端部を挿入穴に挿入し、案内用突起の先端が吸入通路の壁板の表面に当接して止まったところで筒状部材を回転させればロック用突起は扇形切欠き内に入り、ロック用突起が扇形切欠きの円周方向他端に達して止まったところで筒状部材は開口が開いた位置と閉じられる位置との間で移動することが可能になる。このように筒状部材を取り付ける際の動きの切り換え位置は、ロック用突起および案内用突起が壁板の各部分に当接することにより定められるので筒状部材を取り付けるための操作は容易であり、同様に取り外しの際の操作も容易となる。また開口を開閉する筒状部材の移動の際は案内用突起が第2切欠き内に入って案内されるので、開口の開閉操作は円滑に行われる。
【0015】
空気清浄機は建物などの壁の内側に取り付け、防虫ネットを設けた筒状部材は、壁により形成される室内から取り出せるように吸入通路に着脱可能に取り付けた空気清浄機によれば、筒状部材を室内から取り出すことにより筒状部材の清掃を容易に行うことができるので、空気清浄機のメンテナンス性を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、図1〜図8に示す実施の形態により、本発明による空気清浄機の説明をする。先ず図1〜図3により空気清浄機の全体構造を説明し、次に主として図4〜図9により本発明の要部である防虫ネットの支持部材および吸入通路を開閉する換気切替弁の機能を備えた筒状部材およびこれに関連する部分の説明をする。
【0017】
図1〜図3に示すように、この実施の形態の空気清浄機のケーシングA内には遠心ファン(ファン)26が設けられ、ケーシングAの2つの異なる位置に設けられた第1および第2の空気吸入口12,23から吸入した空気を遠心ファン26に供給する第1および第2の吸入通路C1,C2と、遠心ファン26から送り出される空気をケーシングAの正面の両側部に設けた吹き出し口21に導く2つの吐出通路Bが形成されている。第1の空気吸入口12から吸入される外気を遠心ファン26に導く第1吸入通路C1には、防虫ネットNを支持するとともに外気の吸入を開閉する筒状部材30が設けられ、2つの吸入通路C1,C2には遠心ファン26の吸入側の直前となる位置に集塵フィルタ27が設けられ、各吐出通路Bの末端部には脱臭フィルタ28が設けられている。
【0018】
図1〜図3に示すように、ケーシングAは、何れも合成樹脂成形品であるケーシング本体10と、その正面側に設けられる中間カバー15と、この2部材10,15の正面側を覆う正面カバー20を、分離可能に一体的に連結したものである。この実施の形態の使用状態では、図1は水平方向から見たケーシング本体10の正面図であり、図2は図1の矢印2−2に示すように下から上に向かって見たケーシングA全体の断面図であるが、空気清浄機の全体的説明では便宜上、図2における上下を上下として説明する。
【0019】
主として図1および図2に示すように、ケーシング本体10は、上側が開いた横長の長方形の箱状で、内面の四辺の上下方向略中間部には、ほゞ一定幅の段部10aが形成されている。この段部10aより下側の内側には、ケーシング本体10の底板から立ち上がる板状部分により、上下1対のスクロール11a,11bが点対称に形成されている。各スクロール11a,11bは、図1に示すように、遠心ファン26の羽根車26aに最も接近したタング部11cから羽根車26aの回転方向(矢印R参照)に沿って移動した場合、遠心ファン26の羽根車26aの外周からの距離が次第に増大する形状であり、各スクロール11aの先端は段部10aより下側のケーシング本体10の左右の側板に連結されている。スクロール11a,11bと反対側の延長部分11dは、ケーシング本体10の左右の側板と平行に延びて前後の側板に連結されている。
【0020】
図1において左上部分となるスクロール11aと、段部10aより下側となるケーシング本体10の2つの側板の間に形成される三角形の空間部の底板には、上向きの円筒状のフランジ12aが形成された第1の空気吸入口12が設けられている。発泡ポリスチロール製の筒体25は、その内面25aの下部の小径部を第1の空気吸入口12のフランジ12aの外周に嵌合させて取り付けられ、筒体25の上端面は段部10aとほゞ同じ高さとなっている。
【0021】
中間カバー15は、主として図2に示すように、途中に支持段部17が形成された四角い中央凹部16よりも外側となる周辺部が、ケーシング本体10の段部10aとスクロール11a,11bの上面に当接して支持され、各外縁はケーシング本体10の上縁の内面に係合されている。この四角い中央凹部16の底面の中央には大きな丸い開口16aが形成され、この中央凹部16には放射方向および円周方向の多数の支持桟を介して、円形の支持カバー16bが開口16aと同心に支持されている。遠心ファン26のモータ26bはブラケット(図示省略)を介してこの支持カバー16bに同心に取り付けられ、このモータ26bのモータ軸の下端には、羽根車26aが取り付けられている。また中央凹部16の底面より多少上側に位置する支持段部17には、四角い板状の集塵フィルタ27が載置されてクリップ(図示省略)などにより離脱可能に係止されている。
【0022】
正面カバー20は、図2および図3に示すように、ケーシング本体10および中間カバー15の上側全体を覆うもので、その両側(右上と左下)には、多数のスリットよりなる長方形の吹き出し口21が形成されている。正面カバー20の内面から下方に突出する仕切板22は、集塵フィルタ27の上面に当接して正面カバー20と集塵フィルタ27の間の空間を第1吸入通路C1の一部と第2吸入通路C2に分離している。正面カバー20には仕切板22の右側となる中央部分に、第2吸入通路C2に連通される多数のスリットよりなる第2の空気吸入口23が形成され、この第2の空気吸入口23から吸入される室内の空気は第2吸入通路C2から集塵フィルタ27の一部を通って遠心ファン26に導入される。
【0023】
中間カバー15には、図1において左上および右下となる位置に、ケーシング本体10の段部10aおよびスクロール11の上面に当接される棚板19が形成されている(左上のものを図2に示す)。図1において左上となる中間カバー15の棚板19には、図2に示すように、第1の空気吸入口12と対応する位置に、下向きのフランジ19bが形成された円形の挿入穴19aが設けられ、フランジ19bの外周には筒体25の内面25aの上部が嵌合されている。この筒体25の内部空間と、左側の棚板19と正面カバー20の間の空間と、仕切板22により分離された正面カバー20と集塵フィルタ27の間の空間の一方が第1吸入通路C1を形成し、第1の空気吸入口12から吸入される外気は第1吸入通路C1から集塵フィルタ27の一部を通って遠心ファン26に導入される。棚板19はこの第1吸入通路C1の壁板の一部を構成している。また図1において右下となる中間カバー15の棚板19上には、この空気清浄機の作動を制御する制御装置29が設けられている。
【0024】
中間カバー15には、図1にも二点鎖線で示すように、正面カバー20の両側に形成される各吹き出し口21と対応する位置に長方形の吐出口18が形成されている。中間カバー15をケーシング本体10に取り付けた状態では、両スクロール11a,11bの間の空間の上側の大部分は中央凹部16の下面と棚板19により閉じられ、残る部分は吐出口18に連通される。このスクロール11a,11bおよび吐出口18により、遠心ファン26の両側に設けられて羽根車26aから送り出される空気を各吹き出し口21に導く1対の吐出通路Bが形成される。各吐出通路Bの末端部には、脱臭および有害ガスの除去を行う脱臭フィルタ28が設けられている。この実施の形態の脱臭フィルタ28は光触媒を用いたもので、触媒と活性炭とバインダを混入したものを、互いに平行に配置された小さい通路幅を有する多数のセル通路を形成するように押出成形してから所定の厚さに切断したハニカム構造のものである。各脱臭フィルタ28よりも手前側(遠心ファン26側)となる吐出通路B内には、この脱臭フィルタ28を活性化させるための紫外線照射器28aが設けられている。
【0025】
次に図2および図4〜図9により、防虫ネットが設けられるとともに第1吸入通路C1を開閉する換気切替弁の機能を備えた筒状部材30の説明をする。中間カバー15の壁板(棚板)19に形成された丸い挿入穴19aには、側面に開口33を設けた丸い円筒部31と、その正面カバー20側となる一端を閉じる天板部32を有する筒状部材30が摺動可能に挿入されている。この実施の形態の開口33は長手方向のある範囲の全周にわたり形成され、筒状部材30と一体成形されて防虫ネットNを形成する格子状の多数の桟Na,Nbが全面に設けられている。防虫ネットNは、この桟Na,Nbを粗めにして内側に別体の防虫ネットを張ったものとしてもよい。この筒状部材30は、円筒部31が第1の空気吸入口12側、天板部32が遠心ファン26側となるように壁板19に取り付けられて、第1吸入通路C1の一部を形成するものである。
【0026】
円筒部31の外側面には、図4〜図7に示すように、軸線方向において開口33より僅か外側となる各位置に、環状の第1および第2小突起31a,31bが形成されている。さらに円筒部31の外側面には、第2小突起31bより先端側に1対のロック用突起34が180度の間隔をおいて形成され、また第2小突起31bと天板部32の外縁部32aの間にわたり細長い案内用突起35が180度の間隔をおいて形成されている。この両突起34,35は何れも円筒部31の軸線方向に延びる板状で、軸線方向から見て角度αだけ異なる角度位置に設けられている(図4および図5参照)。また天板部32の表側には円筒部31を着脱操作するためのつまみ30aが設けられている。この円筒部31は合成樹脂による一体成型品である。
【0027】
また壁板19の挿入穴19aの内面には、壁板19の表面からフランジ19bの全長にわたり、各ロック用突起34が通過可能な寸法の1対の第1切欠き36が180度の間隔で、また各案内用突起35が通過可能な1対の第2切欠き38が180度の間隔で設けられている。この両切欠き36,38は、軸線方向から見て角度α/2だけ異なる角度位置に設けられている。また図4〜図8に示すように、挿入穴19aの内面には、壁板19の表面からこの壁板19の肉厚だけ入った位置に、各第1切欠き36から始まって第2切欠き38と反対側に向かう円周方向に沿った1対の扇形切欠き37が形成されている。換言すれば、各第1切欠き36は各扇形切欠き37の円周方向一端から壁板19の表面に達するよう形成したものである。この扇形切欠き37はフランジ19bの円周方向の一部を除去することにより形成されるもので、その円周方向の長さは後述するように第1切欠き36を通って扇形切欠き37内に入ったロック用突起34が、角度α/2だけ回動可能な値である。
【0028】
フランジ19bの外周に嵌合される筒体25の内面には、各扇形切欠き37に対応して、扇形切欠き37内に入った各ロック用突起34の前述した回動を許容する1対の扇形逃げ溝37aが形成されている。また筒体25の内面には、第1切欠き36に対し反対側となる各扇形逃げ溝37aの円周方向の他端部から、第1の空気吸入口12側に向かって軸線方向に延びる1対の細長い第1逃げ溝39が形成され、さらに各第2切欠き38と対応する角度位置に、案内用突起35よりも長い軸線方向に延びる1対の第2逃げ溝38aが形成されている。
【0029】
筒状部材30を第1吸入通路C1を形成する壁板19に取り付ける際には、つまみ30aにより筒状部材30を保持して、先ず各ロック用突起34を各第1切欠き36に合わせて筒状部材30の先端部を挿入穴19aに挿入すれば、各案内用突起35の先端が壁板19の表面に当接して止まる(図4、図6および図8参照)。その状態で図4の矢印Sに示すように筒状部材30を回転させれば、ロック用突起34は扇形切欠き37内に入り、角度α/2だけ回動したところでロック用突起34が扇形切欠き37の円周方向他端に達して止まる(図5および図8の二点鎖線参照)。この状態では各ロック用突起34は各第1逃げ溝39と整列され、各案内用突起35は各第2切欠き38および第2逃げ溝38aと整列されるので、筒状部材30は開口33が挿入穴19aより外にあって開いた位置(図7の二点鎖線参照)と挿入穴19a内に入って閉じられる位置(図7の実線参照)との間で移動することが可能になる。
【0030】
このように筒状部材30を取り付ける際における軸線方向と回動方向の動きを切り換える位置は、ロック用突起34や案内用突起35が壁板19の表面や扇形切欠き37の円周方向他端などに当接することにより定められるので、筒状部材30を取り付けるための操作は容易である。同様に取り外しの際の動きを切り換える位置は、ロック用突起34が扇形切欠き37の軸線方向内端面(すなわち壁板19の裏面)や第1切欠き36が接続される扇形切欠き37の円周方向一端などに当接することにより定められるので、筒状部材30を取り外す際の操作も容易である。
【0031】
ロック用突起34と案内用突起35がそれぞれ第1逃げ溝39および第2切欠き38と整列されて、筒状部材30が開口33が開いた位置と閉じられた位置の間で移動される状態では、案内用突起35が第2切欠き38内に入って案内されるので、開口33の開閉操作は円滑に行われる。各小突起31a,31bは弾性変形することにより挿入穴19aの内側を通過可能なものであり、筒状部材30を最も引き出した状態および最も押し込んだ位置では挿入穴19aの外端縁または内端縁に弾性的に係合して、筒状部材30の不用意な移動を拘束するものである。筒状部材30を最も引き出して開口33を完全に開いた状態ではロック用突起34が壁板19の裏面に当たり、筒状部材30がそれ以上挿入穴19aから抜け出ることはないので、開口33を開く操作の際に筒状部材30が不用意に外れたりするおそれはない。筒状部材30を最も押し込んだ状態では、天板部32の外縁部32aが壁板19の表面に当接し、または円筒部31の先端がフランジ12aの先端に当接して、筒状部材30は停止される。
【0032】
この空気清浄機は、図2に示すように、住宅などの建物の壁40の内側に半分埋め込むようにケーシング本体10を取り付けて使用するものである。壁40の内壁板40aには、空気清浄機のケーシング本体10の段部10aより下側の部分を挿入可能な取付開口40cを形成し、ケーシング本体10は段部10aの外面が内壁板40aの表面に当接するようにして内壁板40aに取り付けられる。外壁板40bには第1の空気吸入口12と対応する位置に穴40dが形成され、この穴40dを通して外側から挿入された吸入筒41の先端が第1の空気吸入口12に連結されて、第1吸入通路C1は外気に連通される。防虫ネットNを設けた筒状部材30は、壁40により形成される部屋の室内から取り出せるように第1吸入通路C1に着脱可能に取り付けられている。
【0033】
空気清浄機の換気運転は筒状部材30の開口33を開いた状態で行う。この状態では、第1吸入通路C1を介してケーシング本体10の背面の第1の空気吸入口12から吸入された外気と、第2吸入通路C2を介して正面カバー20の中央部に形成された第2の空気吸入口23から吸入された室内空気は、何れも集塵フィルタ27から吸入口を通って遠心ファン26に吸入される。遠心ファン26から吐出される空気はスクロール11a,11bにより案内されて、両側の吐出通路B内に入り、脱臭フィルタ28を通って、正面カバー20の両側部に形成された吹き出し口21から正面に向けて吹き出される。
【0034】
この換気運転では、吸入筒41および第1の空気吸入口12を通して第1吸入通路C1内に吸入される空気とともに侵入しようとする蠅や蚊などの虫は、筒状部材30内に入ったところで防虫ネットNによりそれより先への侵入が阻止され、そのような虫やその死骸などは大部分が筒状部材30内に溜まる。従って筒状部材30を取り外すことにより虫やその死骸などは大部分が同時に取り出され、ケーシングA内の第1吸入通路C1内に残ることはない。このように簡単な手間で虫やその死骸などを取り除くことができるので、取り除けなかった虫の死骸などによる不快な悪臭の発生を簡単に防止することができる。
【0035】
循環運転は筒状部材30の開口33を閉じた状態で行い、この状態では第2吸入通路C2を介して正面カバー20の中央部に形成された第2の空気吸入口23から吸入された室内空気だけが集塵フィルタ27を通って遠心ファン26により吸入される。従って防虫ネットNは作用しなくなるが、その他の作用は換気運転の場合と同じである。
【0036】
上述のように、この実施の形態によれば、防虫ネットNを有する筒状部材30を第1吸入通路C1に設けたので、防虫ネットNにより通過が阻止された虫やその死骸などは大部分が筒状部材30内に溜まる。従って虫やその死骸などは筒状部材30を取り外すことにより大部分をこれと同時に取り出して取り除くことができ、第1吸入通路C1内に残ることはない。これにより残った虫の死骸などによる不快な悪臭の発生を防止することができる。
【0037】
またこの実施の形態では、筒状部材30の側面に第1吸入通路C1を通る空気が通過する開口33を形成してこの開口33に防虫ネットNを設け、この開口33が開閉されるように第1吸入通路C1の壁板19に形成した挿入穴19aに筒状部材30を摺動可能に嵌合しているので、筒状部材30は防虫ネットNの支持部材と第1吸入通路C1を開閉する換気切替弁の2つの機能を兼ね備えものとなる。このようにこの実施の形態の空気清浄機は、防虫ネットと換気切替弁の2つの機能を備えているにもかかわらず部品点数が少なくなり、製造コストを低下させることができる。
【0038】
またこの実施の形態では、筒状部材30は先端部の外側面にロック用突起34を突出して形成した円筒状とし、挿入穴19aの内面には円周方向に沿った扇形切欠き37を形成するとともにこの扇形切欠き37の円周方向一端から吸入通路の壁板19の表面に達する第1切欠き36を形成し、筒状部材30は、ロック用突起34が第1切欠き36を通って扇形切欠き37内に入り円周方向に移動して扇形切欠き37の円周方向他端に達した角度位置において、開口33が挿入穴19aより外にあって開いた位置と挿入穴19a内に入って閉じられる位置との間で移動可能としている。ロック用突起34が扇形切欠き37内を円周方向に移動して円周方向他端に達した角度位置では、筒状部材30は開口33が開いた位置と閉じられた位置の間で移動可能であるが、この角度位置には第1切欠き36は設けられていないので開口33を充分開いた状態ではロック用突起34が壁板19の裏面に当たり、筒状部材30がそれ以上挿入穴19aから抜け出ることはなく、従って開口33を開く操作の際に筒状部材30が移動し過ぎて不用意に外れたりするおそれはない。
【0039】
さらにこの実施の形態では、挿入穴19aの内面には第1切欠き36と異なる角度位置に第2切欠き38を形成するとともに筒状部材30の外側面には軸線方向に沿って案内用突起35を形成し、この案内用突起35は、ロック用突起34が第1切欠き36を通って扇形切欠き37内に入った状態では先端が吸入通路の壁板19の表面に当接し、この状態からロック用突起34が扇形切欠き37内を円周方向に移動して扇形切欠き37の円周方向他端に達した角度位置では第2切欠き38と整列され、この状態で開口33が開いた位置と閉じられる位置との間で筒状部材30が移動する際には、第2切欠き38内を通って移動するよう構成している。このようにすれば、筒状部材30を第1吸入通路C1の壁板19に取り付ける際には、先ずロック用突起34を第1切欠き36に合わせて筒状部材30の先端部を挿入穴19aに挿入し、案内用突起35の先端が吸入通路C1,C2の壁板19の表面に当接して止まったところで筒状部材30を回転させればロック用突起34は扇形切欠き37内に入り、ロック用突起34が扇形切欠き37の円周方向他端に達して止まったところで筒状部材30は開口33が開いた位置と閉じられる位置との間で移動することが可能になる。このように筒状部材30を取り付ける際における軸線方向および回動方向の動きの切り換え位置は、ロック用突起34および案内用突起35が壁板19の各部分に当接することにより定められるので筒状部材30を取り付けるための操作は容易であり、同様に取り外しのための操作も容易となる。また開口33を開閉する筒状部材30の移動の際は案内用突起35が第2切欠き38内に入って案内されるので、開口33の開閉操作は円滑に行われる。
【0040】
またこの実施の形態では、第1吸入通路C1はケーシング本体10の背面に形成した第1の空気吸入口12から外気を吸入し、第2吸入通路C2はケーシング本体10の側面に形成した第2の空気吸入口23から室内空気を吸入して、それぞれ遠心ファン26に供給するようにし、第1吸入通路C1に設けた筒状部材30を摺動して開口33を開閉しまたは開度を変えることにより、各空気吸入口12,23から吸入される外気と室内空気の吸入量の比率を変更するようにしている。筒状部材30の開口33を閉じれば第1の空気吸入口12から吸入される外気の量は0となり、開口33を全開すれば第2の空気吸入口23から吸入される室内空気の量に対する第1の空気吸入口12から吸入される外気の量の比率は最大となる。筒状部材30の開口33を全開した場合の室内空気と外気の比率は、正面カバー20に設ける仕切板22の位置を異ならせて両吸入通路C1,C2の流路抵抗の比率を変えることにより変化させることができる。しかしながら本発明の空気清浄機は、第2の空気吸入口23および第2吸入通路C2を省略し、全ての空気を第1の空気吸入口12および第1吸入通路C1を介して室外から吸入するようにして実施することも可能である。
【0041】
またこの実施の形態では、空気清浄機のケーシング本体10を建物などの壁40の内側に取り付け、防虫ネットNを設けた筒状部材30は、壁40により形成される室内から取り出せるように第1吸入通路C1に着脱可能に取り付けたので、筒状部材30を室内から取り出すことによりその清掃を容易に行うことができ、これにより空気清浄機のメンテナンス性を向上させることができる。
【0042】
なお上述した実施の形態では、遠心ファン26を使用した場合の例につき説明したが、本発明は遠心ファンの代わりに軸流ファンを使用して実施することも可能であり、その場合は吐出通路は図示のものと異なる形状となるが、吸入通路の形状は実質的に変わることはない。また上述した実施の形態では、円筒状の筒状部材30を使用した例につき説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、四角や六角などの多角形あるいは異形断面形状の筒状部材を使用して実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気清浄機の一実施形態のケーシング本体を示す正面図である。
【図2】上述した実施形態の組立状態における、図1の2−2線に沿った全体断面図である。
【図3】上述した実施形態の組立状態における全体斜視図である。
【図4】上述した実施形態の筒状部材およびその周辺部の取り付け途中における部分拡大正面図である。
【図5】図4に示す筒状部材およびその周辺部の取り付け状態における部分拡大正面図である。
【図6】図4の6−6断面図である。
【図7】図5の7−7断面図である。
【図8】図6の8−8断面図である。
【符号の説明】
12…空気吸入口(第1の空気吸入口)、19…壁板、19a…挿入穴、21…吹き出し口、26…ファン(遠心ファン)、27…フィルタ、30…筒状部材、33…開口、34…ロック用突起、35…案内用突起、36…第1切欠き、37…扇形切欠き、38…第2切欠き、A…ケーシング、B…吐出通路、C1…吸入通路(第1吸入通路)、N…防虫ネット。
【発明の属する技術分野】
本発明は空気清浄機、特に建物などの壁に取り付けて使用するのに適した小形でコンパクトな空気清浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の空気清浄機には、室内空気吸引口からの室内空気と室外空気吸引口からの室外空気をファンを備えた空気清浄部に吸入して、空気吹き出し口から室内に吹き出すものがあり、このような室外空気吸引通路に室外空気の吸入と停止を切り替える換気切替弁を設けたものもある(特許文献1)。また、市販のこの種の空気清浄機には、室外空気を吸入する換気運転の際に虫などの異物が室内に侵入するのを防ぐために、取り外し可能な防虫ネットを室外空気吸入通路に設けたものもあるが、その構造を記載した文献は見当たらない。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−23042公報(図1、図2、図10)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術の空気清浄機では、防虫ネットに付着した虫などは防虫ネットを取り外して除去することは可能であるが、ケーシング内の吸入通路などに残った虫やその死骸を取り除くことは手間がかかりまた困難であり、取り除けなかった虫の死骸などが不快な悪臭の発生源になるという問題がある。また防虫ネットと換気切替弁とは別々の部品であるので、この両方を備えた空気清浄機は部品点数が多くなり製造コストが上昇するという問題もある。
【0005】
本発明は防虫ネットを含む関連部分の構造に工夫を加え、また防虫ネットと換気切替弁と結合することにより、空気清浄機におけるこのような各問題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このために、本発明による空気清浄機は、ファンと、空気吸入口から吸入される空気をファンに導く吸入通路と、ファンから吐出される空気を吹き出し口に導く吐出通路と、吸入通路と吐出通路の少なくとも何れか一方にフィルタを設けてなる空気清浄機において、吸入通路にその一部を形成するように筒状部材を着脱可能に配設し、この筒状部材に内部に入った虫などの異物の通過を阻止する防虫ネットを設けたことを特徴とするものである。
【0007】
前項に記載の空気清浄機は、吸入通路に連通する挿入穴を形成し、筒状部材には吸入通路を通る空気が通過する開口を形成するとともにこの開口に防虫ネットを配設し、筒状部材は開口が開閉されるように挿入穴に摺動可能に嵌合することが好ましい。
【0008】
前2項に記載の空気清浄機の筒状部材は先端部の外側面にロック用突起を突出して形成した円筒状とし、筒状部材を挿入する挿入穴の内面には同挿入穴が設けられる吸入通路の壁板の表面から多少入った位置に円周方向に沿った扇形切欠きを形成するとともにこの扇形切欠きの円周方向一端から吸入通路の壁板の表面に達する第1切欠きを形成し、筒状部材は、ロック用突起が第1切欠きを通って扇形切欠き内に入り円周方向に移動して扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置において、開口が挿入穴より外にあって開いた位置と挿入穴内に入って閉じられる位置との間で移動可能とすることが好ましい。
【0009】
また第1項および第2項に記載の空気清浄機の筒状部材は先端部の外側面にロック用突起を突出して形成した円筒状とし、筒状部材を挿入する挿入穴の内面には同挿入穴が設けられる吸入通路の壁板の表面から多少入った位置に円周方向に沿った扇形切欠きを形成するとともにこの扇形切欠きの円周方向一端から壁板の表面に達する第1切欠きを形成し、さらに挿入穴の内面には第1切欠きと異なる角度位置に吸入通路の壁板の表面に開放される第2切欠きを形成するとともに筒状部材の外側面には軸線方向に沿って案内用突起を形成し、筒状部材を、ロック用突起が第1切欠きを通って扇形切欠き内に入り円周方向に移動して同扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置において、開口が挿入穴より外にあって開いた位置と挿入穴内に入って閉じられる位置との間で移動可能とし、さらに案内用突起は、ロック用突起が第1切欠きを通って扇形切欠き内に入った状態では先端が吸入通路の壁板の表面に当接し、次いでロック用突起が扇形切欠き内を円周方向に移動して同扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置では第2切欠きと整列され、次いで開口が開いた位置と閉じられる位置との間で筒状部材が移動する際には、第2切欠き内を通って移動するよう構成することが好ましい。
【0010】
前4項に記載の空気清浄機は建物などの壁の内側に取り付け、防虫ネットを設けた筒状部材は、壁により形成される室内から取り出せるように吸入通路に着脱可能に取り付けることが好ましい。
【0011】
【発明の作用および効果】
上述のように、本発明によれば、吸入通路にその一部を形成するように筒状部材を着脱可能に配設し、この筒状部材に内部に入った虫などの異物の通過を阻止する防虫ネットを設けたので、防虫ネットにより通過が阻止された虫やその死骸などの異物は大部分が筒状部材内に溜まる。従って虫やその死骸などは筒状部材を取り外せば大部分がこれと同時に取り出され、ケーシング内の吸入通路などに残ることはない。このように簡単な手間で虫やその死骸などを取り除くことができるので、取り除けなかった虫の死骸などによる不快な悪臭の発生を防止することができる。
【0012】
前項に記載の空気清浄機は、吸入通路に連通する挿入穴を形成し、筒状部材には吸入通路を通る空気が通過する開口を形成するとともにこの開口に防虫ネットを配設し、筒状部材は開口が開閉されるように挿入穴に摺動可能に嵌合した空気清浄機によれば、防虫ネットを支持する筒状部材の側面に形成されて吸入通路を通る空気が通過する開口は、吸入通路に連通する挿入穴に摺動可能に嵌合されることにより開閉される。このように筒状部材は1個で防虫ネットの支持部材および吸入通路を開閉する換気切替弁の2つの機能を兼ね備えているので、本発明の空気清浄機は防虫ネットおよび換気切替弁の2つの機能を備えているにもかかわらず部品点数が少なくなり、製造コストを低下させることができる。
【0013】
筒状部材は先端部の外側面にロック用突起を突出して形成した円筒状とし、筒状部材を挿入する挿入穴の内面には同挿入穴が設けられる吸入通路の壁板の表面から多少入った位置に円周方向に沿った扇形切欠きを形成するとともにこの扇形切欠きの円周方向一端から吸入通路の壁板の表面に達する第1切欠きを形成し、筒状部材は、ロック用突起が第1切欠きを通って扇形切欠き内に入り円周方向に移動して扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置において、開口が挿入穴より外にあって開いた位置と挿入穴内に入って閉じられる位置との間で移動可能とした空気清浄機によれば、ロック用突起が扇形切欠き内に入り円周方向に移動して円周方向他端に達した角度位置では、筒状部材は開口が開いた位置と閉じられた位置の間で移動可能であるが、この角度位置には第1切欠きは設けられていないので開口を充分開いた状態ではロック用突起が壁板の裏面に当たり、筒状部材がそれ以上移動することはない。従って開口を開く操作の際に筒状部材が不用意に外れたりするおそれはない。
【0014】
また筒状部材は先端部の外側面にロック用突起を突出して形成した円筒状とし、筒状部材を挿入する挿入穴の内面には同挿入穴が設けられる吸入通路の壁板の表面から多少入った位置に円周方向に沿った扇形切欠きを形成するとともにこの扇形切欠きの円周方向一端から壁板の表面に達する第1切欠きを形成し、さらに挿入穴の内面には第1切欠きと異なる角度位置に吸入通路の壁板の表面に開放される第2切欠きを形成するとともに筒状部材の外側面には軸線方向に沿って案内用突起を形成し、筒状部材を、ロック用突起が第1切欠きを通って扇形切欠き内に入り円周方向に移動して同扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置において、開口が挿入穴より外にあって開いた位置と挿入穴内に入って閉じられる位置との間で移動可能とし、さらに案内用突起は、ロック用突起が第1切欠きを通って扇形切欠き内に入った状態では先端が吸入通路の壁板の表面に当接し、次いでロック用突起が扇形切欠き内を円周方向に移動して同扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置では第2切欠きと整列され、次いで開口が開いた位置と閉じられる位置との間で筒状部材が移動する際には、第2切欠き内を通って移動するよう構成した空気清浄機によれば、前項で述べた効果に加えて、筒状部材を吸入通路の壁板に取り付ける際には、先ずロック用突起を第1切欠きに合わせて筒状部材の先端部を挿入穴に挿入し、案内用突起の先端が吸入通路の壁板の表面に当接して止まったところで筒状部材を回転させればロック用突起は扇形切欠き内に入り、ロック用突起が扇形切欠きの円周方向他端に達して止まったところで筒状部材は開口が開いた位置と閉じられる位置との間で移動することが可能になる。このように筒状部材を取り付ける際の動きの切り換え位置は、ロック用突起および案内用突起が壁板の各部分に当接することにより定められるので筒状部材を取り付けるための操作は容易であり、同様に取り外しの際の操作も容易となる。また開口を開閉する筒状部材の移動の際は案内用突起が第2切欠き内に入って案内されるので、開口の開閉操作は円滑に行われる。
【0015】
空気清浄機は建物などの壁の内側に取り付け、防虫ネットを設けた筒状部材は、壁により形成される室内から取り出せるように吸入通路に着脱可能に取り付けた空気清浄機によれば、筒状部材を室内から取り出すことにより筒状部材の清掃を容易に行うことができるので、空気清浄機のメンテナンス性を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、図1〜図8に示す実施の形態により、本発明による空気清浄機の説明をする。先ず図1〜図3により空気清浄機の全体構造を説明し、次に主として図4〜図9により本発明の要部である防虫ネットの支持部材および吸入通路を開閉する換気切替弁の機能を備えた筒状部材およびこれに関連する部分の説明をする。
【0017】
図1〜図3に示すように、この実施の形態の空気清浄機のケーシングA内には遠心ファン(ファン)26が設けられ、ケーシングAの2つの異なる位置に設けられた第1および第2の空気吸入口12,23から吸入した空気を遠心ファン26に供給する第1および第2の吸入通路C1,C2と、遠心ファン26から送り出される空気をケーシングAの正面の両側部に設けた吹き出し口21に導く2つの吐出通路Bが形成されている。第1の空気吸入口12から吸入される外気を遠心ファン26に導く第1吸入通路C1には、防虫ネットNを支持するとともに外気の吸入を開閉する筒状部材30が設けられ、2つの吸入通路C1,C2には遠心ファン26の吸入側の直前となる位置に集塵フィルタ27が設けられ、各吐出通路Bの末端部には脱臭フィルタ28が設けられている。
【0018】
図1〜図3に示すように、ケーシングAは、何れも合成樹脂成形品であるケーシング本体10と、その正面側に設けられる中間カバー15と、この2部材10,15の正面側を覆う正面カバー20を、分離可能に一体的に連結したものである。この実施の形態の使用状態では、図1は水平方向から見たケーシング本体10の正面図であり、図2は図1の矢印2−2に示すように下から上に向かって見たケーシングA全体の断面図であるが、空気清浄機の全体的説明では便宜上、図2における上下を上下として説明する。
【0019】
主として図1および図2に示すように、ケーシング本体10は、上側が開いた横長の長方形の箱状で、内面の四辺の上下方向略中間部には、ほゞ一定幅の段部10aが形成されている。この段部10aより下側の内側には、ケーシング本体10の底板から立ち上がる板状部分により、上下1対のスクロール11a,11bが点対称に形成されている。各スクロール11a,11bは、図1に示すように、遠心ファン26の羽根車26aに最も接近したタング部11cから羽根車26aの回転方向(矢印R参照)に沿って移動した場合、遠心ファン26の羽根車26aの外周からの距離が次第に増大する形状であり、各スクロール11aの先端は段部10aより下側のケーシング本体10の左右の側板に連結されている。スクロール11a,11bと反対側の延長部分11dは、ケーシング本体10の左右の側板と平行に延びて前後の側板に連結されている。
【0020】
図1において左上部分となるスクロール11aと、段部10aより下側となるケーシング本体10の2つの側板の間に形成される三角形の空間部の底板には、上向きの円筒状のフランジ12aが形成された第1の空気吸入口12が設けられている。発泡ポリスチロール製の筒体25は、その内面25aの下部の小径部を第1の空気吸入口12のフランジ12aの外周に嵌合させて取り付けられ、筒体25の上端面は段部10aとほゞ同じ高さとなっている。
【0021】
中間カバー15は、主として図2に示すように、途中に支持段部17が形成された四角い中央凹部16よりも外側となる周辺部が、ケーシング本体10の段部10aとスクロール11a,11bの上面に当接して支持され、各外縁はケーシング本体10の上縁の内面に係合されている。この四角い中央凹部16の底面の中央には大きな丸い開口16aが形成され、この中央凹部16には放射方向および円周方向の多数の支持桟を介して、円形の支持カバー16bが開口16aと同心に支持されている。遠心ファン26のモータ26bはブラケット(図示省略)を介してこの支持カバー16bに同心に取り付けられ、このモータ26bのモータ軸の下端には、羽根車26aが取り付けられている。また中央凹部16の底面より多少上側に位置する支持段部17には、四角い板状の集塵フィルタ27が載置されてクリップ(図示省略)などにより離脱可能に係止されている。
【0022】
正面カバー20は、図2および図3に示すように、ケーシング本体10および中間カバー15の上側全体を覆うもので、その両側(右上と左下)には、多数のスリットよりなる長方形の吹き出し口21が形成されている。正面カバー20の内面から下方に突出する仕切板22は、集塵フィルタ27の上面に当接して正面カバー20と集塵フィルタ27の間の空間を第1吸入通路C1の一部と第2吸入通路C2に分離している。正面カバー20には仕切板22の右側となる中央部分に、第2吸入通路C2に連通される多数のスリットよりなる第2の空気吸入口23が形成され、この第2の空気吸入口23から吸入される室内の空気は第2吸入通路C2から集塵フィルタ27の一部を通って遠心ファン26に導入される。
【0023】
中間カバー15には、図1において左上および右下となる位置に、ケーシング本体10の段部10aおよびスクロール11の上面に当接される棚板19が形成されている(左上のものを図2に示す)。図1において左上となる中間カバー15の棚板19には、図2に示すように、第1の空気吸入口12と対応する位置に、下向きのフランジ19bが形成された円形の挿入穴19aが設けられ、フランジ19bの外周には筒体25の内面25aの上部が嵌合されている。この筒体25の内部空間と、左側の棚板19と正面カバー20の間の空間と、仕切板22により分離された正面カバー20と集塵フィルタ27の間の空間の一方が第1吸入通路C1を形成し、第1の空気吸入口12から吸入される外気は第1吸入通路C1から集塵フィルタ27の一部を通って遠心ファン26に導入される。棚板19はこの第1吸入通路C1の壁板の一部を構成している。また図1において右下となる中間カバー15の棚板19上には、この空気清浄機の作動を制御する制御装置29が設けられている。
【0024】
中間カバー15には、図1にも二点鎖線で示すように、正面カバー20の両側に形成される各吹き出し口21と対応する位置に長方形の吐出口18が形成されている。中間カバー15をケーシング本体10に取り付けた状態では、両スクロール11a,11bの間の空間の上側の大部分は中央凹部16の下面と棚板19により閉じられ、残る部分は吐出口18に連通される。このスクロール11a,11bおよび吐出口18により、遠心ファン26の両側に設けられて羽根車26aから送り出される空気を各吹き出し口21に導く1対の吐出通路Bが形成される。各吐出通路Bの末端部には、脱臭および有害ガスの除去を行う脱臭フィルタ28が設けられている。この実施の形態の脱臭フィルタ28は光触媒を用いたもので、触媒と活性炭とバインダを混入したものを、互いに平行に配置された小さい通路幅を有する多数のセル通路を形成するように押出成形してから所定の厚さに切断したハニカム構造のものである。各脱臭フィルタ28よりも手前側(遠心ファン26側)となる吐出通路B内には、この脱臭フィルタ28を活性化させるための紫外線照射器28aが設けられている。
【0025】
次に図2および図4〜図9により、防虫ネットが設けられるとともに第1吸入通路C1を開閉する換気切替弁の機能を備えた筒状部材30の説明をする。中間カバー15の壁板(棚板)19に形成された丸い挿入穴19aには、側面に開口33を設けた丸い円筒部31と、その正面カバー20側となる一端を閉じる天板部32を有する筒状部材30が摺動可能に挿入されている。この実施の形態の開口33は長手方向のある範囲の全周にわたり形成され、筒状部材30と一体成形されて防虫ネットNを形成する格子状の多数の桟Na,Nbが全面に設けられている。防虫ネットNは、この桟Na,Nbを粗めにして内側に別体の防虫ネットを張ったものとしてもよい。この筒状部材30は、円筒部31が第1の空気吸入口12側、天板部32が遠心ファン26側となるように壁板19に取り付けられて、第1吸入通路C1の一部を形成するものである。
【0026】
円筒部31の外側面には、図4〜図7に示すように、軸線方向において開口33より僅か外側となる各位置に、環状の第1および第2小突起31a,31bが形成されている。さらに円筒部31の外側面には、第2小突起31bより先端側に1対のロック用突起34が180度の間隔をおいて形成され、また第2小突起31bと天板部32の外縁部32aの間にわたり細長い案内用突起35が180度の間隔をおいて形成されている。この両突起34,35は何れも円筒部31の軸線方向に延びる板状で、軸線方向から見て角度αだけ異なる角度位置に設けられている(図4および図5参照)。また天板部32の表側には円筒部31を着脱操作するためのつまみ30aが設けられている。この円筒部31は合成樹脂による一体成型品である。
【0027】
また壁板19の挿入穴19aの内面には、壁板19の表面からフランジ19bの全長にわたり、各ロック用突起34が通過可能な寸法の1対の第1切欠き36が180度の間隔で、また各案内用突起35が通過可能な1対の第2切欠き38が180度の間隔で設けられている。この両切欠き36,38は、軸線方向から見て角度α/2だけ異なる角度位置に設けられている。また図4〜図8に示すように、挿入穴19aの内面には、壁板19の表面からこの壁板19の肉厚だけ入った位置に、各第1切欠き36から始まって第2切欠き38と反対側に向かう円周方向に沿った1対の扇形切欠き37が形成されている。換言すれば、各第1切欠き36は各扇形切欠き37の円周方向一端から壁板19の表面に達するよう形成したものである。この扇形切欠き37はフランジ19bの円周方向の一部を除去することにより形成されるもので、その円周方向の長さは後述するように第1切欠き36を通って扇形切欠き37内に入ったロック用突起34が、角度α/2だけ回動可能な値である。
【0028】
フランジ19bの外周に嵌合される筒体25の内面には、各扇形切欠き37に対応して、扇形切欠き37内に入った各ロック用突起34の前述した回動を許容する1対の扇形逃げ溝37aが形成されている。また筒体25の内面には、第1切欠き36に対し反対側となる各扇形逃げ溝37aの円周方向の他端部から、第1の空気吸入口12側に向かって軸線方向に延びる1対の細長い第1逃げ溝39が形成され、さらに各第2切欠き38と対応する角度位置に、案内用突起35よりも長い軸線方向に延びる1対の第2逃げ溝38aが形成されている。
【0029】
筒状部材30を第1吸入通路C1を形成する壁板19に取り付ける際には、つまみ30aにより筒状部材30を保持して、先ず各ロック用突起34を各第1切欠き36に合わせて筒状部材30の先端部を挿入穴19aに挿入すれば、各案内用突起35の先端が壁板19の表面に当接して止まる(図4、図6および図8参照)。その状態で図4の矢印Sに示すように筒状部材30を回転させれば、ロック用突起34は扇形切欠き37内に入り、角度α/2だけ回動したところでロック用突起34が扇形切欠き37の円周方向他端に達して止まる(図5および図8の二点鎖線参照)。この状態では各ロック用突起34は各第1逃げ溝39と整列され、各案内用突起35は各第2切欠き38および第2逃げ溝38aと整列されるので、筒状部材30は開口33が挿入穴19aより外にあって開いた位置(図7の二点鎖線参照)と挿入穴19a内に入って閉じられる位置(図7の実線参照)との間で移動することが可能になる。
【0030】
このように筒状部材30を取り付ける際における軸線方向と回動方向の動きを切り換える位置は、ロック用突起34や案内用突起35が壁板19の表面や扇形切欠き37の円周方向他端などに当接することにより定められるので、筒状部材30を取り付けるための操作は容易である。同様に取り外しの際の動きを切り換える位置は、ロック用突起34が扇形切欠き37の軸線方向内端面(すなわち壁板19の裏面)や第1切欠き36が接続される扇形切欠き37の円周方向一端などに当接することにより定められるので、筒状部材30を取り外す際の操作も容易である。
【0031】
ロック用突起34と案内用突起35がそれぞれ第1逃げ溝39および第2切欠き38と整列されて、筒状部材30が開口33が開いた位置と閉じられた位置の間で移動される状態では、案内用突起35が第2切欠き38内に入って案内されるので、開口33の開閉操作は円滑に行われる。各小突起31a,31bは弾性変形することにより挿入穴19aの内側を通過可能なものであり、筒状部材30を最も引き出した状態および最も押し込んだ位置では挿入穴19aの外端縁または内端縁に弾性的に係合して、筒状部材30の不用意な移動を拘束するものである。筒状部材30を最も引き出して開口33を完全に開いた状態ではロック用突起34が壁板19の裏面に当たり、筒状部材30がそれ以上挿入穴19aから抜け出ることはないので、開口33を開く操作の際に筒状部材30が不用意に外れたりするおそれはない。筒状部材30を最も押し込んだ状態では、天板部32の外縁部32aが壁板19の表面に当接し、または円筒部31の先端がフランジ12aの先端に当接して、筒状部材30は停止される。
【0032】
この空気清浄機は、図2に示すように、住宅などの建物の壁40の内側に半分埋め込むようにケーシング本体10を取り付けて使用するものである。壁40の内壁板40aには、空気清浄機のケーシング本体10の段部10aより下側の部分を挿入可能な取付開口40cを形成し、ケーシング本体10は段部10aの外面が内壁板40aの表面に当接するようにして内壁板40aに取り付けられる。外壁板40bには第1の空気吸入口12と対応する位置に穴40dが形成され、この穴40dを通して外側から挿入された吸入筒41の先端が第1の空気吸入口12に連結されて、第1吸入通路C1は外気に連通される。防虫ネットNを設けた筒状部材30は、壁40により形成される部屋の室内から取り出せるように第1吸入通路C1に着脱可能に取り付けられている。
【0033】
空気清浄機の換気運転は筒状部材30の開口33を開いた状態で行う。この状態では、第1吸入通路C1を介してケーシング本体10の背面の第1の空気吸入口12から吸入された外気と、第2吸入通路C2を介して正面カバー20の中央部に形成された第2の空気吸入口23から吸入された室内空気は、何れも集塵フィルタ27から吸入口を通って遠心ファン26に吸入される。遠心ファン26から吐出される空気はスクロール11a,11bにより案内されて、両側の吐出通路B内に入り、脱臭フィルタ28を通って、正面カバー20の両側部に形成された吹き出し口21から正面に向けて吹き出される。
【0034】
この換気運転では、吸入筒41および第1の空気吸入口12を通して第1吸入通路C1内に吸入される空気とともに侵入しようとする蠅や蚊などの虫は、筒状部材30内に入ったところで防虫ネットNによりそれより先への侵入が阻止され、そのような虫やその死骸などは大部分が筒状部材30内に溜まる。従って筒状部材30を取り外すことにより虫やその死骸などは大部分が同時に取り出され、ケーシングA内の第1吸入通路C1内に残ることはない。このように簡単な手間で虫やその死骸などを取り除くことができるので、取り除けなかった虫の死骸などによる不快な悪臭の発生を簡単に防止することができる。
【0035】
循環運転は筒状部材30の開口33を閉じた状態で行い、この状態では第2吸入通路C2を介して正面カバー20の中央部に形成された第2の空気吸入口23から吸入された室内空気だけが集塵フィルタ27を通って遠心ファン26により吸入される。従って防虫ネットNは作用しなくなるが、その他の作用は換気運転の場合と同じである。
【0036】
上述のように、この実施の形態によれば、防虫ネットNを有する筒状部材30を第1吸入通路C1に設けたので、防虫ネットNにより通過が阻止された虫やその死骸などは大部分が筒状部材30内に溜まる。従って虫やその死骸などは筒状部材30を取り外すことにより大部分をこれと同時に取り出して取り除くことができ、第1吸入通路C1内に残ることはない。これにより残った虫の死骸などによる不快な悪臭の発生を防止することができる。
【0037】
またこの実施の形態では、筒状部材30の側面に第1吸入通路C1を通る空気が通過する開口33を形成してこの開口33に防虫ネットNを設け、この開口33が開閉されるように第1吸入通路C1の壁板19に形成した挿入穴19aに筒状部材30を摺動可能に嵌合しているので、筒状部材30は防虫ネットNの支持部材と第1吸入通路C1を開閉する換気切替弁の2つの機能を兼ね備えものとなる。このようにこの実施の形態の空気清浄機は、防虫ネットと換気切替弁の2つの機能を備えているにもかかわらず部品点数が少なくなり、製造コストを低下させることができる。
【0038】
またこの実施の形態では、筒状部材30は先端部の外側面にロック用突起34を突出して形成した円筒状とし、挿入穴19aの内面には円周方向に沿った扇形切欠き37を形成するとともにこの扇形切欠き37の円周方向一端から吸入通路の壁板19の表面に達する第1切欠き36を形成し、筒状部材30は、ロック用突起34が第1切欠き36を通って扇形切欠き37内に入り円周方向に移動して扇形切欠き37の円周方向他端に達した角度位置において、開口33が挿入穴19aより外にあって開いた位置と挿入穴19a内に入って閉じられる位置との間で移動可能としている。ロック用突起34が扇形切欠き37内を円周方向に移動して円周方向他端に達した角度位置では、筒状部材30は開口33が開いた位置と閉じられた位置の間で移動可能であるが、この角度位置には第1切欠き36は設けられていないので開口33を充分開いた状態ではロック用突起34が壁板19の裏面に当たり、筒状部材30がそれ以上挿入穴19aから抜け出ることはなく、従って開口33を開く操作の際に筒状部材30が移動し過ぎて不用意に外れたりするおそれはない。
【0039】
さらにこの実施の形態では、挿入穴19aの内面には第1切欠き36と異なる角度位置に第2切欠き38を形成するとともに筒状部材30の外側面には軸線方向に沿って案内用突起35を形成し、この案内用突起35は、ロック用突起34が第1切欠き36を通って扇形切欠き37内に入った状態では先端が吸入通路の壁板19の表面に当接し、この状態からロック用突起34が扇形切欠き37内を円周方向に移動して扇形切欠き37の円周方向他端に達した角度位置では第2切欠き38と整列され、この状態で開口33が開いた位置と閉じられる位置との間で筒状部材30が移動する際には、第2切欠き38内を通って移動するよう構成している。このようにすれば、筒状部材30を第1吸入通路C1の壁板19に取り付ける際には、先ずロック用突起34を第1切欠き36に合わせて筒状部材30の先端部を挿入穴19aに挿入し、案内用突起35の先端が吸入通路C1,C2の壁板19の表面に当接して止まったところで筒状部材30を回転させればロック用突起34は扇形切欠き37内に入り、ロック用突起34が扇形切欠き37の円周方向他端に達して止まったところで筒状部材30は開口33が開いた位置と閉じられる位置との間で移動することが可能になる。このように筒状部材30を取り付ける際における軸線方向および回動方向の動きの切り換え位置は、ロック用突起34および案内用突起35が壁板19の各部分に当接することにより定められるので筒状部材30を取り付けるための操作は容易であり、同様に取り外しのための操作も容易となる。また開口33を開閉する筒状部材30の移動の際は案内用突起35が第2切欠き38内に入って案内されるので、開口33の開閉操作は円滑に行われる。
【0040】
またこの実施の形態では、第1吸入通路C1はケーシング本体10の背面に形成した第1の空気吸入口12から外気を吸入し、第2吸入通路C2はケーシング本体10の側面に形成した第2の空気吸入口23から室内空気を吸入して、それぞれ遠心ファン26に供給するようにし、第1吸入通路C1に設けた筒状部材30を摺動して開口33を開閉しまたは開度を変えることにより、各空気吸入口12,23から吸入される外気と室内空気の吸入量の比率を変更するようにしている。筒状部材30の開口33を閉じれば第1の空気吸入口12から吸入される外気の量は0となり、開口33を全開すれば第2の空気吸入口23から吸入される室内空気の量に対する第1の空気吸入口12から吸入される外気の量の比率は最大となる。筒状部材30の開口33を全開した場合の室内空気と外気の比率は、正面カバー20に設ける仕切板22の位置を異ならせて両吸入通路C1,C2の流路抵抗の比率を変えることにより変化させることができる。しかしながら本発明の空気清浄機は、第2の空気吸入口23および第2吸入通路C2を省略し、全ての空気を第1の空気吸入口12および第1吸入通路C1を介して室外から吸入するようにして実施することも可能である。
【0041】
またこの実施の形態では、空気清浄機のケーシング本体10を建物などの壁40の内側に取り付け、防虫ネットNを設けた筒状部材30は、壁40により形成される室内から取り出せるように第1吸入通路C1に着脱可能に取り付けたので、筒状部材30を室内から取り出すことによりその清掃を容易に行うことができ、これにより空気清浄機のメンテナンス性を向上させることができる。
【0042】
なお上述した実施の形態では、遠心ファン26を使用した場合の例につき説明したが、本発明は遠心ファンの代わりに軸流ファンを使用して実施することも可能であり、その場合は吐出通路は図示のものと異なる形状となるが、吸入通路の形状は実質的に変わることはない。また上述した実施の形態では、円筒状の筒状部材30を使用した例につき説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、四角や六角などの多角形あるいは異形断面形状の筒状部材を使用して実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気清浄機の一実施形態のケーシング本体を示す正面図である。
【図2】上述した実施形態の組立状態における、図1の2−2線に沿った全体断面図である。
【図3】上述した実施形態の組立状態における全体斜視図である。
【図4】上述した実施形態の筒状部材およびその周辺部の取り付け途中における部分拡大正面図である。
【図5】図4に示す筒状部材およびその周辺部の取り付け状態における部分拡大正面図である。
【図6】図4の6−6断面図である。
【図7】図5の7−7断面図である。
【図8】図6の8−8断面図である。
【符号の説明】
12…空気吸入口(第1の空気吸入口)、19…壁板、19a…挿入穴、21…吹き出し口、26…ファン(遠心ファン)、27…フィルタ、30…筒状部材、33…開口、34…ロック用突起、35…案内用突起、36…第1切欠き、37…扇形切欠き、38…第2切欠き、A…ケーシング、B…吐出通路、C1…吸入通路(第1吸入通路)、N…防虫ネット。
Claims (5)
- ファンと、空気吸入口から吸入される空気を前記ファンに導く吸入通路と、前記ファンから吐出される空気を吹き出し口に導く吐出通路と、前記吸入通路と吐出通路の少なくとも何れか一方にフィルタを設けてなる空気清浄機において、前記吸入通路にその一部を形成するように筒状部材を着脱可能に配設し、前記筒状部材に内部に入った虫などの異物の通過を阻止する防虫ネットを設けたことを特徴とする空気清浄機。
- 請求項1に記載の空気清浄機において、前記吸入通路に連通する挿入穴を形成し、前記筒状部材には前記吸入通路を通る空気が通過する開口を形成するとともにこの開口に前記防虫ネットを配設し、前記筒状部材は前記開口が開閉されるように前記挿入穴に摺動可能に嵌合したことを特徴とする空気清浄機。
- 請求項1または請求項2に記載の空気清浄機において、前記筒状部材は先端部の外側面にロック用突起を突出して形成した円筒状とし、前記筒状部材を挿入する挿入穴の内面には同挿入穴が設けられる前記吸入通路の壁板の表面から多少入った位置に円周方向に沿った扇形切欠きを形成するとともにこの扇形切欠きの円周方向一端から前記壁板の表面に達する第1切欠きを形成し、前記筒状部材を、前記ロック用突起が前記第1切欠きを通って前記扇形切欠き内に入り円周方向に移動して同扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置において、前記開口が前記挿入穴より外にあって開いた位置と前記挿入穴内に入って閉じられる位置との間で移動可能としたことを特徴とする空気清浄機。
- 請求項1または請求項2に記載の空気清浄機において、前記筒状部材は先端部の外側面にロック用突起を突出して形成した円筒状とし、前記筒状部材を挿入する挿入穴の内面には同挿入穴が設けられる前記吸入通路の壁板の表面から多少入った位置に円周方向に沿った扇形切欠きを形成するとともにこの扇形切欠きの円周方向一端から前記壁板の表面に達する第1切欠きを形成し、さらに前記挿入穴の内面には前記第1切欠きと異なる角度位置に前記壁板の表面に開放される第2切欠きを形成するとともに前記筒状部材の外側面には軸線方向に沿って案内用突起を形成し、前記筒状部材を、前記ロック用突起が前記第1切欠きを通って前記扇形切欠き内に入り円周方向に移動して同扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置において、前記開口が前記挿入穴より外にあって開いた位置と前記挿入穴内に入って閉じられる位置との間で移動可能とし、さらに前記案内用突起は、前記前記ロック用突起が前記第1切欠きを通って前記扇形切欠き内に入った状態では先端が前記壁板の表面に当接し、次いで前記ロック用突起が前記扇形切欠き内を円周方向に移動して同扇形切欠きの円周方向他端に達した角度位置では前記第2切欠きと整列され、次いで前記開口が開いた位置と閉じられる位置との間で前記筒状部材が移動する際には、前記第2切欠き内を通って移動するよう構成したことを特徴とする空気清浄機。
- 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の空気清浄機において、前記空気清浄機は建物などの壁の内側に取り付け、前記防虫ネットを設けた筒状部材は、前記壁により形成される室内から着脱可能に前記吸入通路に取り付けたことを特徴とする空気清浄機。
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