JP2004162892A - ケーブル駆動装置 - Google Patents

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Hiroyuki Takaoka
宏幸 高岡
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C1/00Flexible shafts; Mechanical means for transmitting movement in a flexible sheathing
    • F16C1/10Means for transmitting linear movement in a flexible sheathing, e.g. "Bowden-mechanisms"
    • F16C1/12Arrangements for transmitting movement to or from the flexible member
    • F16C1/18Arrangements for transmitting movement to or from the flexible member in which the end portion of the flexible member is laid along a curved surface of a pivoted member

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Abstract

【課題】従来のケーブル駆動装置に比して部品点数が少なく、ドラムの回転が安定しており、組み立ての自動化が容易なケーブル駆動装置を提供する。
【解決手段】ハウジング11と、ハウジングの底部から立ち上がるシャフト12と、そのシャフト12の廻りに回転自在に設けられ、ウォーム17を介してモータMによって回転駆動されるホイールギヤ13と、ホイールギヤと隣接してシャフト12の廻りに回転自在に設けられ、上面と側面にケーブル用の係止部59、61を有するドラムと、ホイールギヤ13とドラム14との間に介在されるダンパ15と、シャフト12の先端に取り付けられる抜け止め用のリテーナ16とを備えているケーブル駆動装置10。ホイールギヤ13のフランジ54とハウジングの段部39の間にはシールリング41が介在されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はケーブル駆動装置に関する。さらに詳しくは、とくにパワーウインドレギュレータ用に好適に用いられるケーブル駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平6−173529号公報
【特許文献2】特開2002−96635号公報
【0003】
従来のパワーウインドレギュレータ用のケーブル駆動装置は、たとえば図12に示すように、モータアセンブリ101と、モータアッセンブリに取り付けられるケーブルアッセンブリ102と、モータアッセンブリ101の出力軸103にトルク伝達可能に連結されるケーブルドラム(以下、単にドラムという)104と、ハウジングキャップ(カバー)105とから構成されている。この駆動装置ではモータアッセンブリ101のギヤハウジング106の上面は平坦で、出力軸103の周囲にドラムおよびその周囲に巻き付けたケーブル保護のための周壁107が設けられている。その周壁107にはケーブルの取り付けを容易にするために切り欠き部108が設けられ、その切り欠き部108に前記ケーブルアッセンブリ102を取り付けるためのモータジョイント109が嵌合されている。
【0004】
ケーブルアッセンブリ102は、アウターケーシング110と、そのアウターケーシング110から出てくるインナーケーブル(以下、単にインナーという)111と、アウターケーシングの端部に嵌合されるアウターエンド112と、インナー111の端部に固着されるケーブルエンド113とを備えている。上下のインナー111は、ドラム104に巻き付けられた上で、その端部のケーブルエンド113がドラム104の上面および下面にそれぞれ開口する係止部114、114に係止されている。なお図12の符号112aはインナー111の永久伸びを補償するためのスプリングである。アウターケーシング110とインナー111とはプルコントロールケーブルを構成している。
【0005】
図13は前記モータアッセンブリ101を裏面側から見た組み立て前の斜視図であり、前述のギヤハウジング106は円筒状の外周部114を有する有底筒状に形成されている。そしてその中心には出力軸103を回転自在に支持するためのボス115が設けられ、出力軸103の周囲にウォーム減速機のホイールギヤ116が回転自在に設けられている。そして出力軸103の上端には、円板状のハブ117が係止され、ハブ117とホイールギヤ116との間にはゴム製のダンパ118が介在されている。ギヤハウジング106の外周部114の上端には溝が形成され、その溝にブチルゴムからなるシーラント119が充填され、その上にギヤハウジングのカバー120が取り付けられている。なお、出力軸103の端部にはホイールギヤ116等の抜け止めのためのCリング121が取り付けられ、出力軸103の根元部にはOリング122が取り付けられている。なお図12および図13の符号Mはウォームを介してホイールギヤ116を駆動するためのモータである。
【0006】
図12、図13のケーブル駆動装置100は、ホイールギヤ116が収容される部位とドラム104が収容される部位とがギヤハウジング106の底面106aで区画され、ギヤハウジング106の内部はブチルゴムのシーラント119やOリング122でシールされている。そのためインナー111が持ち込む雨水などはギヤハウジング106内に浸入するおそれが少ない。また、ダンパ118が回転方向の衝撃を緩和するので、ウォーム減速機のウォームを回転させるモータMおよびインナー111が保護される利点がある。そのため図12および図13のケーブル駆動装置100は、自動車のウインドレギュレータ用のケーブル駆動装置として長く用いられている。特許文献1には、図12、図13の装置に対し、さらに取り付けブラケットに改良を加えた同様のケーブル駆動装置が開示されている。しかしこれらのケーブル駆動装置は、ギヤハウジング106の底面106aによって上下に部品が分割されているので、部品点数が増え、組み立て作業が繁雑である。
【0007】
他方、特許文献2には、図14に示すような、有底筒状のギヤハウジング123の底部中央に枢軸部124を一体に設け、ハブ125を一体に成形したドラム126をホイールギヤ127およびカバー128で回転自在に保持しているケーブル駆動装置129が開示されている。このものは出力軸が不要であるため、部品点数が少なく、ハブと出力軸の間や出力軸とドラムの間に機械的ガタ生ずることがない利点がある。しかしこのものはホイールギヤ127に形成した円筒状の凹部130とハブ125の外周面との嵌合、さらにドラム126の根元部の外周とカバー128に形成した円状の開口の内周縁の嵌合でドラム126を回転自在に支持するので、ドラム126の支持が不安定である。
【0008】
さらに上記いずれの駆動装置も、ドラム104、126を取り付けたままケーブルをドラムに巻き付けて係止することができないため、組み立て後にケーブルを装着することはできない。仮に組み立て後にケーブルを装着しようとすれば、カバー105、128を外してドラム104、126を取り外す必要があるが、カバー105、128でドラム104、126の抜け止めを行っているので、ドラムを取り外すこと自体が煩雑である。また図14の装置ではホイールギヤ127とドラム126を同じ部位に挿入しているので、ドラム126とホイールギヤ127の間のシールがしにくい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来の一般的なケーブル駆動装置に比して部品点数が少なく、しかもドラムが安定して回転することができ、組み立て・分解作業が容易なケーブル駆動装置を提供することを技術課題としている。さらに本発明は、上記の利点を備え、しかもホイールギヤの歯の側のシールがし易いケーブル駆動装置を提供することを技術課題としている。さらに本発明は、部品点数が少なく、しかも自動組み立てが容易なケーブル駆動装置を提供することを技術課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のケーブル駆動装置(請求項1)は、有底筒状のハウジングと、基端がそのハウジングの底部に固定され、ハウジングの軸心方向に延びるシャフトと、そのシャフトの廻りに回転自在に設けられ、モータによって回転駆動されるホイールギヤと、そのホイールギヤと隣接するように前記シャフトの廻りに回転自在に設けられ、一対のケーブルの端部を係止する係止部およびケーブルを巻き付ける外周面を有するドラムと、前記ホイールギヤとドラムとの間に介在されるダンパと、前記シャフトの先端に取り付けられるドラムおよびホイールギヤの抜け止め部材とを備えていることを特徴としている。
【0011】
このようなケーブル駆動装置においては、前記ハウジングが合成樹脂製であり、前記シャフトがそのハウジングにインサート成型される金属部材であるものが好ましい(請求項2)。さらに前記ドラムのケーブル巻き取り部の側からホイールギヤの歯部側への水の浸入を防止するためのシールリングが設けられているものが好ましい(請求項3)。その場合、シャフトとドラムないしホイールギヤとの間にOリングを介在させるのがさらに好ましい。前記抜け止め部材は、両端が前記ハウジングに取り付けられ、中央部がシャフトの先端に係止される抜け止めリテーナであるものが好ましい(請求項4)。また前記抜け止め部材はシャフトの先端に係止される抜け止めリングとすることもできる(請求項5)。さらに前記ドラムに設けられる一対のケーブルの係止部の内、下側の係止部が、ドラムの外周面に開口しているものが好ましい(請求項6)。
【0012】
本発明のケーブル駆動装置の第2の態様(請求項7)は、有底筒状のハウジングと、そのハウジング内に回転自在に設けられ、モータによって回転駆動されるホイールギヤと、そのホイールギヤと同心状に回転自在に設けられ、一対のケーブルの端部を係止する係止部およびケーブルを巻き付ける外周面を有するドラムと、前記ホイールギヤとドラムとの間に介在されるダンパと、前記ドラムのケーブル巻き取り部の側からホイールギヤの歯部側への水の浸入を防止するためのシールリングとを備えていることを特徴としている。このようなケーブル駆動装置では、前記ホイールギヤの上端からフランジが突出しており、前記ハウジングにそのフランジと対向する段部が設けられると共に、その段部にフランジとハウジングの間をシールするシールリングが設けられているものがさらに好ましい(請求項8)。
【0013】
本発明のケーブル駆動装置の第3の態様(請求項9)は、有底筒状のハウジングと、そのハウジング内に回転自在に設けられ、モータによって回転駆動されると共に、一対のケーブルの端部を係止する係止部およびケーブルを巻き付ける外周面を有するドラムとを有し、前記ドラムに設けられる一対のケーブルの係止部の内、少なくとも一方の係止部が、ドラムの外周面に開口していることを特徴としている。そのような駆動装置では、前記ハウジング内に、ドラムと同心状に設けられるホイールギヤが回転自在に設けられており、前記ドラムとホイールギヤとの間にダンパが介在されているものが好ましい(請求項10)。また前記ドラムの外周面に開口している係止部に係止されるケーブルの端部に連結されるケーブルエンドが、前記ドラムの外周面の開口から挿入できる幅および厚さを有し、開口から抜け出ない長さを有する縦長扁平な形状を備えているものが好ましい(請求項11)。また、前記ケーブルエンドのケーブルとの接続側の端部が円弧状の係止面を有し、前記係止部がその係止面と対応する円弧状の凹面部を有するものが好ましい(請求項12)。さらに前記ケーブルエンドが、ケーブルとの接続側の端部とは反対側の端部近辺で、先端に向かって薄くなるテーパ状に形成されているものが一層好ましい(請求項13)。
【0014】
【作用および発明の効果】
本発明のケーブル駆動装置(請求項1)は、ハウジングの底部にシャフトが固定され、そのシャフトにホイールギヤとドラムが回転自在に設けられ、両者の間にダンパが介在されている。ここでいう「両者の間」とは、回転方向に関してダンパを介してトルク伝達できるように介在されている意味であり、そのためホイールギヤとドラムとは相対的に回動自在である。このような装置では、ホイールギヤが一方向に回転すると、ダンパを介してドラムを回転させることができ、それにより一対のケーブルの一方をドラムに巻き取り、他方をドラムから送り出すことができる。そしてケーブルに加わる衝撃はダンパで吸収され、ホイールギヤ側には伝わりにくい。
【0015】
そしてこの装置では、伝統的なケーブル駆動装置と異なり、ハウジングの一方の開口からホイールギヤ、ダンパおよびドラムを組み立てることができる。そのため部品点数が少なく、組立作業も容易である。さらにホイールギヤだけでなく、ドラムもシャフトで支持されているので、ドラムの回転はスムーズであり、安定して回転する。そのためケーブルの巻き取り・送り出しがスムーズである。またさらに1本のシャフトに対し、あらかじめ組み立てたホイールギヤ、ダンパおよびドラムを一緒に装着することができるので、組み立て作業が容易であり、自動化しやすい。さらにシャフトの先端に抜け止め部材を取り付けるだけで、ホイールギヤ、ダンパおよびドラムをシャフトから抜けないように取り付けることができる。
【0016】
このようなケーブル駆動装置において、前記ハウジングが合成樹脂製であり、前記シャフトがそのハウジングにインサート成型される金属部材である場合(請求項2)は、シャフトがハウジングにしっかりと固定される。しかもシャフトをハウジングに固定するための部品が少なくて済み、組み立て作業が簡単である。
【0017】
さらに前記ドラムのケーブル巻き取り部の側からホイールギヤの歯部側への水の浸入を防止するためのシールリングが設けられているケーブル駆動装置(請求項3)では、回転するホイールギヤおよびドラムの上面を境界にして上下が確実にシールされる。それによりホイールギヤのフランジの下面側にある歯の側に水が入り込むことがない。このようなシールリングは、ドラムとハウジングの間に介在させるシールリングと、シャフトとドラムないしホイールギヤとの間に介在させるOリングによって実現することができ、それによって一層ホイールギヤの下面側への浸水防止機能が高くなる。
【0018】
さらに前記抜け止め部材が所定の抜け止めリテーナである場合(請求項4)は、シャフトが倒れにくく、ドラムをしっかりと保持することができる。また前記抜け止め部材がシャフトの先端に係止される抜け止めリングであるもの(請求項5)は、一層組み立て作業が容易である。また、一対のケーブルの係止部の内、下側の係止部がドラムの外周面に開口しているもの(請求項6)は、ドラムを取り外さなくてもケーブルをドラムに係止して巻き付けることができる。そのためケーブルを取り付ける前の状態、すなわち抜け止め部材をシャフトの先端に設けた状態までケーブル駆動装置を組み立てる作業を自動化することができる。したがってケーブルをドラムに取り付ける作業のみを手作業で行えばよく、組立作業の全体を低コストにすることができる。
【0019】
本発明のケーブル駆動装置の第2の態様(請求項7)は、前記ドラムのケーブル巻き取り部の側からホイールギヤの歯部側への水の浸入を防止するためのシールリングが設けられているので、ホイールギヤの下面側、すなわちモータとつながる側に水が入り込むことがない。さらに前記ホイールギヤの上端からフランジが突出しており、前記ハウジングにそのフランジと対向する段部が設けられると共に、その段部にフランジとハウジングの間をシールするシールリングが設けられているもの(請求項8)は、シールリングの保持が確実で、シール作用が一層確実である。
【0020】
本発明のケーブル駆動装置の第3の態様(請求項9)は、一対のケーブルの係止部の内、少なくとも一方の係止部がドラムの外周面に開口しているので、その係止部に対しては、ケーブルをドラムに係止して巻き付ける作業が容易である。そのためケーブルを取り付ける前の状態までケーブル駆動装置を組み立てる作業を自動化しておき、その後、その係止部にケーブルを係止させて手作業でケーブルをドラムに取り付けることができる。したがって組立作業の全体を低コストにすることができる。
【0021】
前記ハウジング内に、ドラムと同心状に設けられるホイールギヤが回転自在に設けられており、前記ドラムとホイールギヤとの間にダンパが介在されているケーブル駆動装置(請求項10)では、ダンパによって衝撃を緩和することができる。前記ドラムの外周面に開口している係止部に係止されるケーブルの端部に連結されるケーブルエンドが、前記ドラムの外周面の開口から挿入できる幅および厚さを有し、開口から抜け出ない長さを有する縦長扁平な形状を備えている場合(請求項11)は、縦方向でケーブルエンドを開口に挿入し、係止部内で横方向に向きを変えて係止させることにより、ケーブルエンドが開口から抜けなくなる。したがってケーブルの張力がいくらか小さくなった状態でも、ケーブルエンドが係止部から抜けにくくなる。また、前記ケーブルエンドのケーブルとの接続側の端部が円弧状の係止面を有し、前記係止部がその係止面と対応する円弧状の凹面部を有する場合(請求項12)は、ケーブルエンドを係止部に挿入した後、ケーブルを引っ張りながらケーブルエンドの向きを容易に変えることができる。
【0022】
前記ケーブルエンドが、係止端部の反対側の端部近辺で、先端に向かって薄くなるテーパ状に形成されている場合(請求項13)は、ケーブルエンドを斜め下向きにしてドラムの外周面の開口に挿入することができるので、一層挿入作業が容易である。
【0023】
【発明の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本発明のケーブル駆動装置の実施の形態を説明する。図1は本発明のケーブル駆動装置の一実施形態を示す組み立て前の斜視図、図2はそのケーブル駆動装置の組み立て後の平面図、図3は図2のIII-III線断面図、図4および図5は図1の装置におけるドラムの一部断面平面図および側面図、図6aおよび図6bはそれぞれ図1の装置におけるシールリングの拡大断面図、図7a、図7bおよび図7cはそれぞれ本発明のケーブル駆動装置の他の実施形態を示す断面図、図8は本発明に関わるドラムの他の実施形態を示す斜視図、図9aはそのドラムの一部断面平面図、図9bは図9aのIX-IX線断面図、図10aおよび図10bはそれぞれそのドラムに用いられるケーブルエンドの平面図および側面図、図11はそのドラムにケーブルエンドを取り付ける状態を示す要部断面図である。
【0024】
図1に示すケーブル駆動装置10は、ハウジング11と、そのハウジングの底部中央に固定されているシャフト12と、そのシャフトの廻りにそれぞれ回転自在に設けられるホイールギヤ13およびドラム14と、ホイールギヤ13に設けた凹部52内に収容され、ホイールギヤ13とドラム14の間のトルク伝達の衝撃を緩和するダンパ15と、前記シャフト12の先端に取り付けられるリテーナ16とを備えている。ハウジング11には、ウォーム17を介してホイールギヤ13を回転駆動するためのモータMが取り付けられている。
【0025】
前記ハウジング11は、ホイールギヤ13とドラム14とを一緒に収容するための円筒状の凹所21を有し、外側には3個所の取り付け脚22を有する。さらにハウジング11の外側にはブロック状のモータ取り付け部23および凹所21の接線方向に延びる円柱状のウォーム収容部24が設けられている(図2および図3参照)。ハウジング11はたとえばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの合成樹脂から成形される。ウォーム収容部24には、前述のウォーム17が回転自在に収容され、その中央部は凹所21の内側面に設けられる開口から凹所内に露出している。ウォーム17とホイールギヤ13とは、両者でウォーム減速機を構成しており、ウォーム17の基端はモータMの出力軸と連結されている。
【0026】
図2に示すように、ハウジング11の外側にはさらに一対のインナーケーブル(以下、単にケーブルという)31、32をドラム14の接線方向に案内するためのケーブル保持部30、30が一体に設けられている。2個のケーブル保持部30、30同士は鈍角で開いており、上部にケーブルを通すための溝33が形成されている。なお一対のケーブル保持部30は、図12の従来の駆動装置と同様に、ハウジング11とは別個のモータジョイント(図12の符号109)に設けることもできるが、ハウジング11に一体に成形する方が部品コストが低くなる。それぞれのケーブル保持部30内には、図1に示すように、ケーブル31、32を摺動自在に案内するアウターケーシング34、35の端部に嵌合されたアウターエンド36、37が軸方向摺動自在に収容されており、各アウターエンド36、37はスプリング36a、37aで外向きに付勢されている。
【0027】
図3に示すように、ハウジング11の凹所21の下部はホイールギヤ13の外周と摺動する内径を有し、上部はそれよりいくらか内径が大きくされ、それにより途中に段部39が設けられている。そしてその段部39には、上向きに開口する環状のシール溝40が形成されており、そのシール溝40に図6aに示す断面C字状のシールリング41が嵌入保持されている。このシールリング41は、ホイールギヤ13の上端外周に設けたフランジ54とハウジング11の内周面との間およびフランジ54と段部39との間をシールするためのものである。シールリング41の上部内周にはフランジ54の外周面と摺動自在に当接する断面略台形状の環状突起42が設けられている(図6b参照)。さらに下部内周には、湾曲しながら上部に延びるリップ43が設けられている。リップ43は図6bに示すように内向きに撓んでフランジ54の下面と摺接する部位である。それによりシールリング41にはラジアル方向のシール圧および軸方向のシール圧が加わる。シールリング41はたとえばクロロプレンゴムなどのゴム材料で製造することができる。
【0028】
図3に示すように、前記シャフト12は外径が大きい基部44を有し、かつ、基部よりいくらか上にOリング溝45が形成されている。Oリング溝45内には、シャフト12とホイールギヤ13の内周面との間をシールするOリング46が嵌合している。シャフト12はインサート成形によりハウジング11に一体にされ、前記基部44はハウジング11の底部に埋め込まれている。ただしハウジング11を合成樹脂で成形した後にシャフト12を圧入することもできる。シャフト12はたとえば炭素鋼などの鋼材など、金属で形成するほうがドラムなどの支持が安定する。ただし合成樹脂を用いることもできる。なおOリング46は、ホイールギヤ13の下面とハウジング11の内底面との間に介在させることもできる。ただしシャフト12の周囲に設ける方が、シール圧が半径方向に加わるため、好ましい。
【0029】
前記ホイールギヤ13は従来のものとほぼ同じであり、シャフト12に回転自在に嵌合されるボス47と、ウォーム17と噛み合う歯48を備えた外輪49と、それらを底部で連結する底板50とを有する。さらに図1に示すように、ボス47と外輪49とは、ダンパ15と係合する係合リブ51で連結されている。係合リブ51の間に設けられる扇状の凹部52は、ダンパ15を収容するための空所である。係合リブ51の外側の端部には、ダンパ15の連結片15bを通すための浅い溝51aが形成されている。
【0030】
さらにホイールギヤ13の外輪49の上端には、前述のようにシールリング41を介してハウジング11の段部39と係合する薄板厚のフランジ54が形成されている。フランジ54の下面は、図6bに示すようにシールリング41の撓んだ状態のリップ43の先端と摺接する部位である。ホイールギヤ13はポリオキシメチレン(POM:ポリアセタール)などの合成樹脂から製造することができる。
【0031】
前記ダンパ15は図1に示すように、6個の扇状の本体15aと、隣接する2個の扇状の本体15aの外端の上部同士あるいは下部同士を連結する連結片15b、15cとからなる公知のものである。複数の連結片15b、15cは、本体の上部同士と下部同士を交互に連結して、ダンパ全体を一体的に取り扱えるようにすると共に、本体15a同士の隙間15dの間隔を定めるためのものである。上部同士を連結する連結片15bはホイールギヤ13の係合リブ51の上端の浅い溝51aに通すことができ、下部同士を連結する連結片15cはドラム14の下面に突出する係合突起56の下側に通すことができる。ダンパ15はたとえばクロロプレンゴムなどの合成ゴムなど、ゴム系の弾性材料で構成することができる。
【0032】
前記ドラム14は図4および図5に示すように、円柱状の本体14aと、その下面に突出する3枚の板状の係合突起56とからなる。係合突起56はダンパ15の隙間15dの内、下側の連結片15cで連結される隙間に介在される部分であり、ダンパの本体15aを介してホイールギヤ13の係合リブ51とトルク伝達可能に係合するものである。係合突起56の外側の下端には、下側の連結片15cを通すための切り欠き56aが設けられている。ドラム14はたとえばポリアミドなどの合成樹脂で形成することができる。
【0033】
ドラムの本体14aの外周にはケーブル31、32を巻き付けるための案内溝57が螺旋状に形成されている。図4に示すように、ドラムの本体14aの上面には上側のケーブル31の端部に固着されるケーブルエンド58を挿入し、係止するための係止部59が開口している。その係止部59は、本体14aの上面に形成される引き込み溝60によって案内溝57と連通している(図4参照)。なお、このケーブル31のケーブルエンド58は、先端がテーパ状に細くされた円柱状を呈しており、その基端側に軸心方向に延びるようにケーブル31が連結されている。前記係止部59およびその開口はケーブルエンド58を横向きに通すことができる大きさを備えている。
【0034】
さらにこのドラム14では、図5に示すように、本体14aの外周面で、ドラム螺旋状の案内溝57の下側の端部に、案内溝よりいくらか幅が広い横長の係止部61が開口している。この係止部61の内部は図4に示すように、小判型の空所62に達しており、さらに案内溝57の底部に形成される湾曲した引き込み溝63によって、ガイド溝57と滑らかに連続している。引き込み溝63の幅は案内溝57とほぼ同じ幅である(図5参照)。また小判型の空所62は金型による成形のために本体14aの上面側に開口している(図1参照)。この下側の係止部61は、下側のケーブル32のケーブルエンド64を係止するためのものである。ケーブルエンド64は開口61aの幅とほぼ同じ厚さ、すなわちケーブル32の径よりいくらか大きい厚さを有する薄い円柱状を呈しており、前記小判型の空所62の端部の半径と実質的に同じ半径を備えている。そしてケーブル32はケーブルエンド64の半径方向に連結されている。そのため、ケーブルエンド64をドラムの側面の係止部61の開口61aから横向きに挿入して、空所62の端部内面にケーブルエンド64を係止させることができる。
【0035】
上記のように構成されるドラム14にケーブル31、32を取り付ける場合、まず下側のケーブル32のケーブルエンド64を空所62に嵌合させる。そしてその状態で下側のケーブル32を引き込み溝63に通し、案内溝57に沿ってドラム14の外周に巻き付ける。ついでモータMを回転させ、ドラム14を回転させることにより、下側のケーブル32をドラム14に巻き取る。ついで緊張した状態の上側のケーブル31を引き込み溝60に掛け、専用冶具を用いてケーブルエンド58を係止部59へ嵌合させる。それによりドラム14を外すことなく、両方のケーブル31、32をドラム14に取り付けることができる。
【0036】
前記リテーナ16は、図2の想像線で示すように、ハウジング11の円筒状の周壁68を直径方向に跨ぐように取り付けられる部材であり、両端を周壁68の外面にカシメて取り付ける。ただしネジなどで着脱自在に設けてもよい。リテーナ16の中心部には、シャフト12の先端を挿入するためのU字状の切り欠き69が形成されている。図1に示すように、リテーナ16の側縁には補強のためのリブ70が形成されている。このリテーナ16は、ホイールギヤ13およびドラム14が抜けないようにするための抜け止めであり、その下面はドラム14の上面と摺接する。そしてこのリテーナ16による抜け方向に抗する力により、シールリング41に軸方向のシール圧を与えることができる。そしてシール圧の反力が軸方向に加わるので、リテーナ16にはそれに相当する強度が必要である。
【0037】
図1の実施形態では直線状のリテーナ16は、図2に想像線で示すように、一対のケーブル保持部30、30を結ぶ直線とほぼ平行に設けている。そのため、ケーブル31、32の引き力に基づくシャフト12の倒れに抗する作用がある。なお、直線状のリテーナのほか、プロペラのような3本の放射状に延びる板材からなるリテーナや、十文字状のリテーナを採用することもできる。その場合はU字状の切り欠きではなく、シャフト12の先端に嵌合する孔を有するものが好ましい。それにより種々の方向へのシャフト12の倒れを防止することができる。ただしシャフト12とハウジング11の取り付け強度が高い場合はリテーナの半径方向の強度は要求されない。その場合は、シャフト12の先端近辺に環状の係止溝を形成し、たとえばいわゆるEリングやCリングなどの着脱容易な軸端金具(抜け止めリング)を嵌合させることにより、ドラム14の抜け止めを行うこともできる。
【0038】
上記のように構成されるケーブル駆動装置10は、モータMが一方向に回転すると、ウォーム17を介してホイールギヤ13が回転する。それによりダンパ15を介してドラム14が一方向に回転する。そしてたとえば上側のケーブル31がドラム14に巻き取られ、下側のケーブル32がほどき出される。モータMが逆方向に回転すると、上記とは逆に下側のケーブル32がドラム14に巻き取られ、上側のケーブル31がほどき出される。そしてこのような作用において、モータMが回転を開始するときの衝撃、あるいはケーブルで駆動する相手の部材がストッパなどで停止されたときの衝撃は、ダンパ15の圧縮撓みにより吸収され、ケーブルやモータに与える悪影響が緩和される。
【0039】
さらにホイールギヤ13およびドラム14は、ハウジング11に固定されているシャフト12の廻りに回転自在に嵌合しているので、両者の回転はスムーズで安定している。そしてホイールギヤ13およびドラム14の回転中心がずれにくいので、ダンパ15を介したトルク伝達作用も安定している。さらにこのものは、ハウジング11に設けた一つの開口部からホイールギヤ13とドラム14を収容することができる。そのため、上下の開口から組み立てる従来の装置(図12、図13参照)に比して、部品点数が少なく、組み立て作業が容易である。さらに1本のシャフト12の周囲にホイールギヤ13、ダンパ15およびドラム14を順に嵌合させていけばよいので、組み立て作業の自動化に好適である。
【0040】
さらにドラム14に設けたケーブルの係止用の上下の係止部59、61のうち、上側の開口59は上面に開口しており、下側の係止部61はドラムの外周面に開口しているので、ドラム14をシャフト12から取り外さなくても上下のケーブル31、32の装着が可能である。そのため、ケーブルを除く各部品を自動装置で組み立てて、残りを手作業で組み立てることができ、それにより一層効率的に組み立てることができる。なお、ドラム14はリテーナ16やEリングの軸端金具で抜け止めをしているので、その軸端金具を外せばドラム14を容易に取り外すことができる。そのため、下側の係止部61をドラム14の下面に形成する場合でも、ドラム14を取り外してケーブル31、32を取り付ける作業が比較的容易である。
【0041】
また、ホイールギヤ13とハウジング11の隙間は、ホイールギヤ13の上端のフランジ54とシールリング41で摺動自在にシールされており、ホイールギヤ13とシャフト12とはOリング56で摺動自在にシールされている。そのためケーブル31、32を伝わってくる雨水などは、ホイールギヤ13の下面側に漏れない。そのためウォーム17やモータMが水の浸入から保護される。それによって一方の開口からホイールギヤとドラムを挿入する形態を採用しても、水漏れのおそれが少ない。
【0042】
しかも上記の防水構造を採用することにより、従来の装置のようなカバー(図13の符号120)やハウジングキャップ(図12の符号105)を省略することができる。そのため部品が少なくなり、組み立て作業が少なくて済む。ただし後述するように、カバーを設けることもできる(図7b、図7c参照)。
【0043】
図1のケーブル駆動装置10では、ホイールギヤ13とハウジング11との間にシールリング41を介在させているが、たとえば図7aに示すケーブル駆動装置72のように、ドラム73とハウジング11の間にシールリング41を介在させることもできる。このケーブル駆動装置72では、ドラム73の下端に円板状のフランジ74を設け、そのフランジ74の外周面を、段部39に取り付けたシールリング41の環状突起42と摺接させ、フランジ74の下面をシールリング41のリップ43と摺接させている。
【0044】
このケーブル駆動装置72では、さらにシャフト12の上部にOリング46を取り付け、ドラム73の内面とシャフト12の外面の間をシールしている。他の構成は図1の場合と同様である。このようにこのケーブル駆動装置72では、ドラム73の外周および内周をシールすることにより、ハウジング11内への水の浸入を防止している。なお、このような下端にフランジ74を有するドラム73では、下側のケーブル32をドラム73の下面側に係止することは困難であるが、ドラム73の外周面に係止部(図5の符号61参照)を設けることにより、下側のケーブルを容易に取り付けることができる。
【0045】
図7bの駆動装置76は、ハウジング11の上部開口にカバー77を被せている。カバー77にはドラム14を通す開口78が形成され、その開口78の内面にシールリング41が取り付けられている。そしてドラム14の下部外周面79は、シールリング41と摺接する円筒面としている。また、このものもドラム14とシャフト12の間にOリング46を介在させている。他の構成は図1の場合と同様である。このものもハウジング11内への水の浸入を防ぐことができる。ただしこのようにカバー77を設ける場合は、カバー77とハウジング11の間にもシールが必要になる。
【0046】
図7cのケーブル駆動装置80では、ホイールギヤ81の上面に円筒状の突出部82を設けている。そしてハウジング11の上部開口を塞ぐカバー77の内周面にシールリング41を取り付けて、その内周と突出部82の外周面とを摺接させている。またホイールギヤ81とシャフト12の間にOリング46を介在させている。このものはホイールギヤ81の外周と内周をシールすることにより、ハウジング11内への水の浸入を塞ぐことができる。なおこのものもカバー77とハウジング11の間にシールが必要である。
【0047】
図8に示すドラム84は、下側の係止部85の断面形状が、ドラムの上端の開口85aの形状からわかるように、「だるま」状ないし「繭」状を呈している。また、その係止部85に係止される下側のケーブル32のケーブルエンド86は扁平な小判状を呈している。他の点、たとえばドラム84の下面側に、ダンパと係合する係合突起56が放射状に配列されている点、および上側のケーブルの端部を係止するための係止部59が設けられている点などについては、図4、図5のドラム14と実質的に同じである。
【0048】
図9aに示すように、ドラムの下側の係止部85の平面形状は、全体として小判状を呈している。しかもその係止部85の一方の側面に突条87が設けられ、中央部の幅が狭くなっている。それにより「だるま」ないし「繭」の平面形状となっている。詳細にいえば、両端は円弧状であり、下側のケーブル32が引き込まれる引き込み溝63の側(ドラムの中心側)の側面では、両端の円弧がそのまま重なり合った形状であり、そのため円弧が交わる部位に前記突条87が形成される。なお反対側の側面は、成形が容易なように円弧の接線同士が連続する直線状に形成されている。
【0049】
それによりドラム84には、片側に突条87が設けられた、断面「だるま」ないし「繭」状の上下方向に延びる空所85bが形成され、その上端は前述のようにドラム84の上面に開口している。空所85bの下端は図9bに示すように薄い板状の部分により、閉じている。さらにその空所85bは、ケーブルエンド86を縦向きに通すことができる溝85cを介してドラムの外周面に開口している。その開口85dは、図8に示すように、ドラムの円周方向に細長くなっている。図9aに示すように、溝85cの向きは、引き込み溝63の底面とほぼ直角あるいは鈍角になるように、ドラム84の半径方向に対していくらか傾斜している(図9aの角度θ)。それによりケーブルエンドの引っかかりが安全になる。溝85cの幅Bは、ケーブルエンド86の幅(図10aの符号B2)よりも大きく、長さ(図10aの符号L)より小さい。溝85cの深さ(ドラムの軸方向の寸法。開口85dの幅)Dは、ケーブルエンド86の厚さTより大きい。
【0050】
前記下側のケーブル32の端部に取り付けられているケーブルエンド86は、図10aに示すように平面視で小判状を呈している。すなわち両端では半円状で、中央部はそれらの半円同士を接線で結んだ形状を呈している。半円の半径は前記係止部85のケーブルの引き込み溝63側の円弧状の凹面部85e(図11参照)の半径と摺動自在に嵌合する寸法にしている。下側のケーブル32は、一方の端部(係止面)86aの半円の中心近辺に固着され、小判型の中心線に沿って延び出している。自由端86bの半円の半径は、係止部85の他方の円弧状の凹面部85fの半径と摺動自在に嵌合する寸法にしている。通常は両方の半円の半径は同じにする。さらにこのケーブルエンド86は、図10bに示すように、自由端86bの側では先端に向かって薄くなるテーパ状に形成されている。
【0051】
上記のように構成されるドラム84にケーブルエンド86を係止する場合、図8に示すように、ケーブルエンド86の自由端86b側を先にして、縦向きでドラム84の外周面側の開口85dに挿入する。すなわち図11の想像線F1に示すように、ケーブルエンド86の幅B2が係止部の溝85cの幅Bより小さいので、この向きで挿入することができる。そのとき、自由端86bの先端が薄いので、挿入しやすい。さらにテーパ状であるので、斜め下向きにして挿入することができ、ドラム84をハウジング(図3の符号11参照)に取り付けた状態でも、挿入作業が容易である。
【0052】
ケーブルエンド86の自由端86bが溝85cの底部、すなわち前記他方の凹面部85fに当接すると、その状態でケーブル32を反時計方向(矢印S1)に旋回させ、想像線F2、F3の状態を経由して引き込み溝63内に挿入する。そのときケーブルエンドの自由端86bが円弧状の凹面部85fに嵌合しているので、旋回操作が容易である。ついでケーブル32を矢印S2方向に引っ張りながら、ドラム84の案内溝57に巻き付ける。それによりケーブルエンド86も追従して回動し、円弧状の係止面86aが係止溝側の凹面部85eに嵌合する。それにより図4の場合と同様に、円筒面同士の嵌合となり、ケーブル32を引っ張る方向が変わるのに応じてケーブルエンド86が円弧の中心周りに回動する。そのためケーブル32の根元部に曲げ力が加わることを防止することができる。
【0053】
その状態では、引き込み溝63の幅よりもケーブルエンド86の係止面86a側の厚さのほうが大きいので、図4、図5のドラム14の場合と同様に、ケーブルエンド86を係止させることができる。そのとき図11の実線で示すように、ケーブルエンド86が溝85cに対して横方向を向き、溝85cの幅Bより長い面が溝85cに対向することになる。そのため、ケーブル32に弛みが生じても、ケーブルエンド86が溝85cから抜け出ることがない。さらに係止部85の突条87があるので、ケーブル32にある程度張力が残っている状態では、ケーブルエンド86は時計方向に回動しにくい。そのため、ケーブルエンド86が係止部85から抜け出ることがより確実に防止される。なお、意図的にケーブル32をドラム84から外す場合は、ケーブル32を想像線F3、F2の順に旋回させ、ケーブルエンド86をドラム外周面の開口(85d)から縦向きにして抜き出す(想像線F1参照)。
【0054】
図1のケーブル駆動装置10では、ケーブル保持部30、30をハウジング11に一体に成形しているので、従来の装置のようなモータジョイント(図12の符号109)は不要である。そのため部品が少ない。ただし必要に応じてモータジョイントを用いるようにしてもよい。
【0055】
上記のケーブル駆動装置は、たとえば自動車のドアの窓ガラスを昇降させるケーブル式ウインドレギュレータにおけるケーブル駆動装置として好適に用いられる。さらにケーブル式のサンルーフ開閉装置や、スライドドアの開閉駆動装置のケーブル駆動装置など、ループ状に配索したケーブルの往復循環駆動のための駆動源として、広く採用することができ、前述の作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケーブル駆動装置の一実施形態を示す組み立て前の斜視図である。
【図2】そのケーブル駆動装置の組み立て後の平面図である。
【図3】図2のIII-III線断面図である。
【図4】図1の装置におけるドラムの一部断面平面図である。
【図5】図1の装置におけるドラムの側面図である。
【図6】図6aおよび図6bはそれぞれ図1の装置におけるシールリングの拡大断面図である。
【図7】図7a、図7bおよび図7cはそれぞれ本発明のケーブル駆動装置の他の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明に関わるドラムの他の実施形態を示す斜視図である。
【図9】図9aはそのドラムの一部断面平面図、図9bは図9aのIX-IX線断面図である。
【図10】図10aおよび図10bはそれぞれそのドラムに用いられるケーブルエンドの平面図および側面図である。
【図11】そのドラムにケーブルエンドを取り付ける状態を示す要部断面図である。
【図12】従来のケーブル駆動装置の一例を示す組み立て前の斜視図である。
【図13】図12のケーブル駆動装置のモータ側を示す組み立て前の斜視図である。
【図14】従来のケーブル駆動装置の他の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 ケーブル駆動装置
11 ハウジング
12 シャフト
13 ホイールギヤ
14 ドラム
14a 本体
15 ダンパ
15a 本体
15b、15c 連結片
15d 隙間
16 リテーナ
17 ウォーム
M モータ
21 凹所
22 取り付け脚
23 モータ取り付け部
24 ウォーム収容部
30 ケーブル保持部
31、32 ケーブル
33 溝
34、35 アウターケーシング
36、37 アウターエンド
36a、37a スプリング
39 段部
40 シール溝
41 シールリング
42 環状突起
43 リップ
44 基部
45 Oリング溝
46 Oリング
47 ボス
48 歯
49 外輪
50 底板
51 係合リブ
51a 浅い溝
52 凹部
54 フランジ
56 係合突起
56a 切り欠き
57 案内溝
58 ケーブルエンド
59 係止部
60 引き込み溝
61 係止部
62 空所
63 引き込み溝
64 ケーブルエンド
68 周壁
69 切り欠き
70 リブ
72 ケーブル駆動装置
73 ドラム
74 フランジ
76 ケーブル駆動装置
77 カバー
78 開口
79 下部外周面
80 ケーブル駆動装置
81 ホイールギヤ
82 突出部
84 ドラム
85 係止部
85a ドラム上面の開口
85b だるま状の空所
85c 溝
B 溝の幅
D 溝の深さ
85d ドラム外周面の開口
85e 凹面部(係止面が係止される側)
85f 凹面部(自由端が当接する側)
86 ケーブルエンド
B2 ケーブルエンドの幅
L ケーブルエンドの長さ
T ケーブルエンドの厚さ
86a 係止面
86b 自由端
87 突条

Claims (13)

  1. 有底筒状のハウジングと、
    基端がそのハウジングの底部に固定され、ハウジングの軸心方向に延びるシャフトと、
    そのシャフトの廻りに回転自在に設けられ、モータによって回転駆動されるホイールギヤと、
    そのホイールギヤと隣接するように前記シャフトの廻りに回転自在に設けられ、一対のケーブルの端部を係止する係止部およびケーブルを巻き付ける外周面を有するドラムと、
    前記ホイールギヤとドラムとの間に介在されるダンパと、
    前記シャフトの先端に設けられる、ドラムおよびホイールギヤの抜け止め部材とを備えているケーブル駆動装置。
  2. 前記ハウジングが合成樹脂製で、前記シャフトがハウジングにインサート成型された金属部材である請求項1記載のケーブル駆動装置。
  3. 前記ドラムのケーブル巻き取り部の側からホイールギヤの歯部側への水の浸入を防止するためのシールリングが設けられている請求項1記載のケーブル駆動装置。
  4. 前記抜け止め部材が、両端が前記ハウジングに取り付けられ、中央部がシャフトの先端に係止される抜け止めリテーナである請求項1記載のケーブル駆動装置。
  5. 前記抜け止め部材がシャフトの先端に係止される抜け止めリングである請求項1記載のケーブル駆動装置。
  6. 前記ドラムに設けられる一対のケーブルの係止部の内、下側の係止部が、ドラムの外周面に開口している請求項1記載のケーブル駆動装置。
  7. 有底筒状のハウジングと、
    そのハウジング内に回転自在に設けられ、モータによって回転駆動されるホイールギヤと、
    そのホイールギヤと同心状に回転自在に設けられ、一対のケーブルの端部を係止する係止部およびケーブルを巻き付ける外周面を有するドラムと、
    前記ホイールギヤとドラムとの間に介在されるダンパと、
    前記ドラムのケーブル巻き取り部の側からホイールギヤの歯部側への水の浸入を防止するためのシールリングとを備えているケーブル駆動装置。
  8. 前記ホイールギヤの上端からフランジが突出しており、前記ハウジングにそのフランジと対向する段部が設けられると共に、その段部にフランジとハウジングの間をシールするシールリングが設けられている請求項7記載のケーブル駆動装置。
  9. 有底筒状のハウジングと、
    そのハウジング内に回転自在に設けられ、モータによって回転駆動されると共に、一対のケーブルの端部を係止する係止部およびケーブルを巻き付ける外周面を有するドラムとを有し、
    前記ドラムに設けられる一対のケーブルの係止部の内、少なくとも一方の係止部がドラムの外周面に開口しているケーブル駆動装置。
  10. 前記ハウジング内に、ドラムと同心状に設けられるホイールギヤが回転自在に設けられており、前記ドラムとホイールギヤとの間にダンパが介在されている請求項9記載のケーブル駆動装置。
  11. 前記ドラムの外周面に開口している係止部に係止されるケーブルの端部に連結されるケーブルエンドが、前記ドラムの外周面の開口から挿入できる幅および厚さを有し、開口から抜け出ない長さを有する縦長扁平な形状を備えている請求項9記載のケーブル駆動装置。
  12. 前記ケーブルエンドのケーブルとの接続側の端部が円弧状の係止面を有し、前記係止部がその係止面と対応する円弧状の凹面部を有する請求項11記載のケーブル駆動装置。
  13. 前記ケーブルエンドが、ケーブルとの接続側の端部とは反対側の端部近辺で、先端に向かって薄くなるテーパ状に形成されている請求項11記載のケーブル駆動装置。
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