JP2004162806A - ダイヤフラム型電磁駆動弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体圧力の増加に比例して流体流量を直線的に増加させることができ、しかも高耐久性と流体の清浄性を保持できる電磁駆動弁を開発する。
【解決手段】本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁2は、流体を弁室29に流入させる入口孔6aと、流体を弁室29から流出させる出口孔10aと、入口孔6aと出口孔10aが共に開口する弁室29を外部から液密又は気密に画成するダイヤフラム32と、出口孔10a又は入口孔6aの周囲に形成された弁座27と、この弁座27に対しダイヤフラム32が着離して流体を断続制御するダイヤフラム型駆動弁において、ダイヤフラム32に磁気力を作用させる電磁石装置3を弁室外に配置し、電磁石装置3の励磁と消磁によりダイヤフラム32を弁座27に対し着離させることを特徴とする。流体が弁室29に流入すると流体圧によりダイヤフラム32が更に開くため、弁開時の流体制御の線形性を発現でき、電磁石装置3が流体と接触しないから高耐久性と流体の清浄性を確保できる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁2は、流体を弁室29に流入させる入口孔6aと、流体を弁室29から流出させる出口孔10aと、入口孔6aと出口孔10aが共に開口する弁室29を外部から液密又は気密に画成するダイヤフラム32と、出口孔10a又は入口孔6aの周囲に形成された弁座27と、この弁座27に対しダイヤフラム32が着離して流体を断続制御するダイヤフラム型駆動弁において、ダイヤフラム32に磁気力を作用させる電磁石装置3を弁室外に配置し、電磁石装置3の励磁と消磁によりダイヤフラム32を弁座27に対し着離させることを特徴とする。流体が弁室29に流入すると流体圧によりダイヤフラム32が更に開くため、弁開時の流体制御の線形性を発現でき、電磁石装置3が流体と接触しないから高耐久性と流体の清浄性を確保できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば自動販売機等で使用される冷媒液等の流体を断続制御するダイヤフラム型駆動弁に関し、更に詳細には、入口孔から弁室を介して出口孔に流体を流通制御する場合に、電磁石装置の励磁と消磁を通してダイヤフラムを開閉制御して、電力消費量を低減させると同時に弁開時における入口側流体圧力と流体流量の直線性を確保し、耐久性の向上と流体の清浄性を保持できるダイヤフラム型電磁駆動弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種飲料の自動販売機は24時間連続運転しながら飲料ボトルを需要者に提供するため、照明や冷媒制御用に消費される電力は過剰になりがちである。自動販売機の総数は年々増大しているから、1台あたりの電力消費量を少しでも低減できれば、電力の省エネルギー化に貢献することができる。
【0003】
そこで、冷媒制御に消費される電力を低減させるために、弁装置全体の容積を低減させ、しかも開閉制御の機構を簡素化する技術開発が行なわれている。その一つとして特開2001−27350に示されるリード型電磁駆動弁が開示されている。
【0004】
図7はこの従来のリード型電磁駆動弁の非通電時における流体遮断状態の断面図である。強磁性材料で形成されたケーシング102の中は弁チャンバ(弁室)Cとなっており、この弁チャンバCの中には中央支持部121に巻回されたコイル101が配置されている。コイル101には通電用の電極端子T、Tが接続されている。
【0005】
ケーシング102には大径の入口通路103と小径の出口通路104が穿設されており、出口通路104の内端は弁チャンバCに連通する出口孔141となっている。この出口孔141を閉鎖するように配置されたリード107は弾性板状の金属片で形成されている。
【0006】
リード107の一端(固定部)はボルト108により弁座表面109に固定され、リード107の他端(自由端)には強磁性材料から形成されたピストン106が固定され、このピストン106は凹状のシリンダ105の中を出入自在に配置されている。
【0007】
図8は従来のリード型電磁駆動弁の通電時における流体流通状態の断面図である。前記電極端子T、Tに電圧を印加してコイル101に電流を流すと、中央支持部121及びケーシング102の中を矢印方向に磁束が流れ、中央支持部121の吸引端121aは電磁石の磁極となる。
【0008】
強磁性金属からなるピストン106は電磁石の前記吸引端121aに電磁吸引され、シリンダ105の中を吸引端121aに接触する位置まで移動する。その結果、リード107と出口孔141の間に流体流通用の隙間が形成されて、電磁弁は開放される。
【0009】
流体は入口通路103から矢印IN方向に流入し、前記隙間から出口孔141へと流通して出口通路104から矢印OUT方向に流出してゆく。つまり、このリード型電磁駆動弁は非通電状態ではリード107の弾性力により出口孔141を密着閉鎖して流体を遮断し、通電状態ではリード107を電磁吸引して出口孔141を開放し流体を流通させる開閉作用を奏する。
【0010】
このリード型電磁駆動弁は電磁石の励磁(オン)と消磁(オフ)によりリード107を開閉制御するから、リード107のサイズを小さく設計することにより小電力で流体を断続制御できる利点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のリード型電磁駆動弁は次のような弱点を有している。リード107は金属片から形成された弾性板をボルト108により固定した片持ち梁であり、ボルト108を支点として湾曲することにより隙間が形成される。
【0012】
吸引端121aを電磁吸引できるように吸引端121aとリード107の間隔は小さく設計されており、しかもリード107は等しい厚みを有した金属弾性板であるから本来湾曲し難い性質を有している。従って、通電時に出口孔141の近傍に形成される隙間は容積的に極めて小さい。
【0013】
通電によってこの小さな隙間が形成されると、流体はこの隙間に流入して弁は開放され流通状態となる。しかし、流体はリード107の上面にある大きな空間、即ち電磁石側にも流入し、この流体圧によりリード107の上面が押圧され、流通状態にある出口孔141を同時に閉鎖しようとする作用も働いている。つまり完全な流通状態が保証されないと考えられる。
【0014】
図9は従来のリード型電磁駆動弁による流体流量と入口側流体圧力の関係図である。リード107が完全に理想的に開放されていれば、流体圧力Pを増加させてゆくとそれに比例して流体流量Qは直線的に増加すると考えられる。この理想直線(Ideal)は想像線で画かれている。
【0015】
このリード型電磁駆動弁を用いて実際に流体制御を行なった。流体圧力PをMPa単位で増加させながら流通する流体流量QをLPM単位(リットル毎分)で測定したところ、実線で示される曲線が得られた。
【0016】
流体の圧力Pが小さい領域では、流量Qは圧力Pに比例して増加している。ところが、圧力Pが大きくなるに従って、流量Qが理想直線よりかなり小さくなり、圧力Pが大きな領域では期待される直線特性は全く得られないことが分った。
【0017】
この理由は、前述したように、圧力が大きくなると、流体が出口孔141の小さな隙間に流入するだけでなく、大量の流体がリード107の上側に流入し、リード107の上下面の圧力差により出口孔141を閉鎖方向に移動させる傾向を有することに起因している。
【0018】
更に、従来のリード型電磁駆動弁の欠点は、コイル101や中央支持部121が弁チャンバCの中に配置されていることである。この弁チャンバCには流体が流入するから、清浄であるべき流体がコイル101や中央支持部121と常時接触することになる。
【0019】
この接触過程でコイルが流体によって腐食されると、コイルの材料成分が流体中に溶解し、清浄であるべき流体中に不純物が混入するため、冷媒などの流体の安定動作が低下する。しかも通電作用によってコイルの腐食が急速に進行し、リード型電磁駆動弁の耐久性も急速に低下する。
【0020】
本発明は、弁体をリードからダイヤフラムに変更し、このダイヤフラムを磁気駆動することによって、流体の断続制御を確実に行なうだけでなく、流体圧力の増加に比例して流体流量を直線的に増加させることができ、しかも高耐久性を保証しながら流体の清浄性を保持できる電磁駆動弁を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁は上記課題を達成するためになされたものであり、第1の発明は、流体を弁室に流入させる入口孔と、流体を弁室から流出させる出口孔と、入口孔と出口孔が共に開口する弁室を外部から隔離的に画成する板弾性を有するダイヤフラムと、出口孔又は入口孔の周囲に形成された弁座と、この弁座に対しダイヤフラムが着離して流体の流れを断続制御するダイヤフラム型駆動弁を構造的に採用し、ダイヤフラムに対し磁気力を作用させるように電磁石装置を配置し、ダイヤフラムが離座したときに形成される隙間が流体圧により拡張される構成にすることにより、流体圧力の増加に対し流体流量の比例的増加を確保し、また電磁石装置を弁室外に配置して電磁石装置が流体と接触しないようにして、装置の高耐久性を保証しながら流体の清浄性を保証することを可能にする。
【0022】
第2の発明は、ダイヤフラムに強磁性材料からなるヘッドを固着させ、このヘッドを電磁石装置により磁気吸引してダイヤフラムに磁気力を作用させる構成とし、電磁石装置からの磁力を強力に作用させてダイヤフラムの開閉を確実にするものである。
【0023】
第3の発明は、消磁状態ではダイヤフラムの板弾性によりダイヤフラムが自発的に弁座に着座して流体の流れを遮断し、励磁状態では磁気力によりダイヤフラムが弁座から離座して流体を出口孔から流出させる構成とするから、省エネルギータイプのダイヤフラム型電磁駆動弁を提供するものである。
【0024】
第4の発明は、ダイヤフラムに永久磁石からなるヘッドを固着させ、このヘッドを電磁石装置により磁気吸引又は磁気反発させてダイヤフラムに磁気力を作用させる構成とするから、電磁石と永久磁石の間に発生する大きな磁力によりダイヤフラムの開閉をより確実にするダイヤフラム型電磁駆動弁を提供するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の実施形態を添付する図面に従って詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の第1実施形態における流通状態の断面図である。ダイヤフラム型電磁駆動弁2は電磁石装置3と弁本体4から構成される。弁本体4には、大径の入口孔6aを有する入口通路6が形成され、この入口通路6にはフィルタ作用をするストレーナ9を介して供給管8が配管されている。また、弁本体4には小径の出口孔10aを有する出口通路10が形成され、この出口通路10には送出管12が配管されている。
【0027】
弁本体4の右端には逆L字型のヨーク14がボルト16、16により固定されている。このヨーク14には強磁性材料から形成された軸18がボルト20により固定され、軸18の下端は電磁石装置3の吸引端18aとなっている。上部フランジ22aと下部フランジ22bを有するコイルケース22にはコイル24が巻回され、このコイルケース22は軸18に外嵌されて、吸引端18aとヨーク14の間に固定配置されている。下部フランジ22bには保持体26が垂下固定され、保持筒26の中には弾性体28が上下に伸縮できるように内装されている。
【0028】
弁本体4の上方には内側に段部30aを有した環状突起30が突設されており、段部30aの上にはダイヤフラム32が載置されている。ダイヤフラム32の周縁上部には環状の押えリング34が配置され、その上に筒状のボンネット36が内嵌されている。
【0029】
このボンネット36の上部外周には突起36aが突設され、この突起36aに係合したボンネットナット38により外側から締付固定される。即ち、前記環状突起30の外周面とボンネットナット38の内周面にはネジが形成され、両者の螺合によりボンネットナット38を締め付けると、ボンネットナット38により突起36aが下方に押圧され、ダイヤフラム32の周縁が前記押えリング34により確実に固定される。
【0030】
ダイヤフラム32はステンレスなどの弾性を有した強磁性材料から形成されるから、それ自体で電磁石装置3により電磁吸引される性質を有する。この実施形態では、電磁吸引力を強くするために、ダイヤフラム32の上面に強磁性材料から形成されたヘッド40を固着する。固着方法はダイヤフラム32と一体に強磁性材料から成形してもよいし、接着剤や融着・電着など有効な種々の手段で固定される。
【0031】
このヘッド40の上部には板状のヘッドプレート40aが形成されており、このヘッドプレート40aに前述した弾性体28の下端が当接するように配置されている。つまり、ヘッドプレート40aは弾性体28により常に下方に押圧付勢されている。
【0032】
前記出口孔10aの上側開口部の周りには環状の弁座27が設けられ、弁座の内部空間は弁室29になっている。非通電時には電磁石装置3は消磁状態にあり、ダイヤフラム32は弾性体28の弾性力によって下方に押圧され、ダイヤフラム32が環状の弁座27に着座して流体は遮断状態にある。
【0033】
コイル24に電流を流して通電すると、電磁石装置3は励磁され、軸18の吸引端18aが電磁石の磁極となる。この磁力により強磁性材料から形成されたヘッド40は磁気吸引され、ダイヤフラム32は上方に吊り上げられて、ダイヤフラム32は弁座27から離座して大きな隙間44が開いて電磁弁は開放状態になる。
【0034】
このとき、供給管8から矢印IN方向に流体が流入し、ストレーナ9により不純物が除去された後、入口通路6から入口孔6aを介して矢印a方向に流体が流入する。この流体は離間形成された隙間44を通して弁室29に流れ込み、出口孔10aから出口通路10へと矢印b方向に流出してゆく。更に、流体は送出管12から矢印OUT方向に送出される。
【0035】
隙間44から流体が弁室29に流入すると、この流体の流体圧によりダイヤフラム32は上方へと押圧され、隙間44を更に大きくするようにして流通状態が確保される。
【0036】
従来のリード型電磁駆動弁では、リードが開放されて流通状態になっても、逆に流体圧によりリードが閉鎖方向に移動するのと全く対照的な相違点を有する。ダイヤフラム型電磁駆動弁では流体圧が電磁吸引力と同一方向に作用するため、流体圧がダイヤフラムを開放して流通状態を強化する方向に働くので、入口側の流体圧力を増大させるとそれに直線的に比例して流体流量が調節できる利点を有している。
【0037】
図2は本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の遮断状態の断面図である。コイル24に電流が流れない場合には電磁石装置3は消磁され、吸引端18aの磁極は消失する。その結果、ダイヤフラム32はその材料自体が有する弾性復帰力と弾性体28の弾性力により押下され、ダイヤフラム32が弁座27に着座して、ダイヤフラム型電磁駆動弁2は閉鎖状態となって流体の流れを遮断する。
【0038】
図3は第1実施形態のダイヤフラム型電磁駆動弁による流体流量Qと流体圧力Pの関係図である。流体の入口側圧力Pを変化させた場合に出口孔10aを通過する流体の流量Qが測定された。●は実測点を示し、流体流量Qと流体圧力Pとが線形関係にあることが分り、本発明が目的とする効果を発揮することが確認された。
【0039】
また、本発明では、電磁石装置3を弁室29の外側に配置したから、流体が電磁石装置3と接触することがなく、電磁石装置3が流体を原因として腐食することが無く、高耐久性を有すること保証される。また、非接触であるので流体中に不純物が混入することもないから、流体の清浄性を保持することができる。
【0040】
図4は第1実施形態の弁座の変形例を示す遮断状態の断面図である。弁座27は内部に空間を有しない凸状部に形成され、その頂点に開口を有するように出口孔10aが形成されている。電磁石装置3が消磁状態では、ダイヤフラム32は出口孔10aの開口を閉鎖し、流体は遮断状態になる。このとき、弁室29は入口孔6aが開口した位置に形成される。その他は図2と同様であるから、それ以上の説明は省略する。
【0041】
前述した実施形態では、ヘッド40にヘッドプレート40aを形成したが、押圧用の弾性体28が不要の場合には、ヘッドプレート40aは無くても構わない。また、ダイヤフラム32に十分な磁力が作用し、吸引端18aがダイヤフラム32を磁気吸引して隙間44を形成できる場合には、強磁性材料から形成されるヘッド40は必ずしも必要ではない。
【0042】
図5は本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の第2実施形態における遮断状態の断面図である。この実施形態では、ダイヤフラム32は下に凸に配置されており、ダイヤフラム32の周縁を受けリング33の上に載置し、その上をボンネット36により押圧して弁室29を液密又は気密に保持している。
【0043】
ダイヤフラム32の上面に固着されたヘッド40は永久磁石で形成されている点で第1実施形態と異なっている。永久磁石のヘッド40にはヘッドプレートは形成されず、電磁石装置3を励磁して、吸引端18aを例えばN極に励磁して同極間反発力によりダイヤフラム32を環状の弁座27に着座させて遮断状態を構成している。
【0044】
図6は本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の第2実施形態における流通状態の断面図である。電流を図5とは逆方向に通電させて電磁石装置3を逆方向に励磁する。その結果、吸引端18aが例えばS極になり、ヘッド40を異極間吸引力により磁気吸引し、ダイヤフラム32は弁座27から離座して隙間44が形成され、隙間44により流体は流通状態となる。
【0045】
隙間44の形成により、流体が弁室29に流通し、流体圧力がダイヤフラム32を上方に押し上げる作用をするから、流体の流通状態が強力に保持される点では第1実施形態と同様の効果が発揮できる。その他の作用効果も同様であるから、その詳細は省略する。
【0046】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例・設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることはことは云うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ダイヤフラムに対し磁力を作用させるように電磁石装置を配置し、ダイヤフラムが弁座から離座したときに、弁座とダイヤフラムの間に形成される隙間は磁力と流体圧により拡張されるから、隙間は常に開放状態に安定して保持され、流体圧力の増加に対し流体流量を直線的に増加させることが可能となる。また、電磁石装置を弁室外に配置するから、電磁石装置が流体と接触せず、電磁石装置の腐食を防止して耐久性を向上でき、しかも流体の清浄性を確保できる利点がある。
【0048】
第2の発明によれば、ダイヤフラムに強磁性材料からなるヘッドを固着させるから、ダイヤフラムに対する磁気吸引力だけでなく、このヘッドに対しても電磁石装置により磁気吸引力を作用させ、電磁石装置からの磁力をダイヤフラムに強力に作用させてダイヤフラムの開閉を確実にする効果がある。
【0049】
第3の発明によれば、消磁状態ではダイヤフラムの板弾性によりダイヤフラムが自発的に弁座に着座して流体の流れを遮断し、励磁状態では磁気力によりダイヤフラムが弁座から離座して流体を出口孔から流出させる構成とするから、流体の流通状態にのみエネルギー消費が生起するので、省エネルギータイプのダイヤフラム型電磁駆動弁を提供できる効果がある。
【0050】
第4の発明によれば、ダイヤフラムに永久磁石からなるヘッドを固着させるから、電磁石と永久磁石の間に発生する大きな磁力によりダイヤフラムの開閉を確実にするダイヤフラム型電磁駆動弁を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の第1実施形態における流通状態の断面図である。
【図2】本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の遮断状態の断面図である。
【図3】第1実施形態のダイヤフラム型電磁駆動弁による流体流量Qと流体圧力Pの関係図である。
【図4】第1実施形態の弁座の変形例を示す遮断状態の断面図である。
【図5】本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の第2実施形態における遮断状態の断面図である。
【図6】本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の第2実施形態における流通状態の断面図である。
【図7】従来のリード型電磁駆動弁の非通電時における遮断状態の断面図である。
【図8】従来のリード型電磁駆動弁の通電時における流通状態の断面図である。
【図9】従来のリード型電磁駆動弁による流量と入口側圧力の関係図である。
【符号の説明】
2はダイヤフラム型電磁駆動弁、3は電磁石装置、4は弁本体、6は入口通路、6aは入口孔、8は供給管、9はストレーナ、10は出口通路、10aは出口孔、12は送出管、14はヨーク、16はボルト、18は軸、18aは吸引端、20はボルト、22はコイルケース、22aは上部フランジ、22bは下部フランジ、24はコイル、26は保持体、27は弁座、28は弾性体、29は弁室、30は環状突起、30aは段部、32はダイヤフラム、34は押えリング、36はボンネット、36aは突起、38はボンネットナット、40はヘッド、40aはヘッドプレート、44は隙間。
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば自動販売機等で使用される冷媒液等の流体を断続制御するダイヤフラム型駆動弁に関し、更に詳細には、入口孔から弁室を介して出口孔に流体を流通制御する場合に、電磁石装置の励磁と消磁を通してダイヤフラムを開閉制御して、電力消費量を低減させると同時に弁開時における入口側流体圧力と流体流量の直線性を確保し、耐久性の向上と流体の清浄性を保持できるダイヤフラム型電磁駆動弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種飲料の自動販売機は24時間連続運転しながら飲料ボトルを需要者に提供するため、照明や冷媒制御用に消費される電力は過剰になりがちである。自動販売機の総数は年々増大しているから、1台あたりの電力消費量を少しでも低減できれば、電力の省エネルギー化に貢献することができる。
【0003】
そこで、冷媒制御に消費される電力を低減させるために、弁装置全体の容積を低減させ、しかも開閉制御の機構を簡素化する技術開発が行なわれている。その一つとして特開2001−27350に示されるリード型電磁駆動弁が開示されている。
【0004】
図7はこの従来のリード型電磁駆動弁の非通電時における流体遮断状態の断面図である。強磁性材料で形成されたケーシング102の中は弁チャンバ(弁室)Cとなっており、この弁チャンバCの中には中央支持部121に巻回されたコイル101が配置されている。コイル101には通電用の電極端子T、Tが接続されている。
【0005】
ケーシング102には大径の入口通路103と小径の出口通路104が穿設されており、出口通路104の内端は弁チャンバCに連通する出口孔141となっている。この出口孔141を閉鎖するように配置されたリード107は弾性板状の金属片で形成されている。
【0006】
リード107の一端(固定部)はボルト108により弁座表面109に固定され、リード107の他端(自由端)には強磁性材料から形成されたピストン106が固定され、このピストン106は凹状のシリンダ105の中を出入自在に配置されている。
【0007】
図8は従来のリード型電磁駆動弁の通電時における流体流通状態の断面図である。前記電極端子T、Tに電圧を印加してコイル101に電流を流すと、中央支持部121及びケーシング102の中を矢印方向に磁束が流れ、中央支持部121の吸引端121aは電磁石の磁極となる。
【0008】
強磁性金属からなるピストン106は電磁石の前記吸引端121aに電磁吸引され、シリンダ105の中を吸引端121aに接触する位置まで移動する。その結果、リード107と出口孔141の間に流体流通用の隙間が形成されて、電磁弁は開放される。
【0009】
流体は入口通路103から矢印IN方向に流入し、前記隙間から出口孔141へと流通して出口通路104から矢印OUT方向に流出してゆく。つまり、このリード型電磁駆動弁は非通電状態ではリード107の弾性力により出口孔141を密着閉鎖して流体を遮断し、通電状態ではリード107を電磁吸引して出口孔141を開放し流体を流通させる開閉作用を奏する。
【0010】
このリード型電磁駆動弁は電磁石の励磁(オン)と消磁(オフ)によりリード107を開閉制御するから、リード107のサイズを小さく設計することにより小電力で流体を断続制御できる利点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のリード型電磁駆動弁は次のような弱点を有している。リード107は金属片から形成された弾性板をボルト108により固定した片持ち梁であり、ボルト108を支点として湾曲することにより隙間が形成される。
【0012】
吸引端121aを電磁吸引できるように吸引端121aとリード107の間隔は小さく設計されており、しかもリード107は等しい厚みを有した金属弾性板であるから本来湾曲し難い性質を有している。従って、通電時に出口孔141の近傍に形成される隙間は容積的に極めて小さい。
【0013】
通電によってこの小さな隙間が形成されると、流体はこの隙間に流入して弁は開放され流通状態となる。しかし、流体はリード107の上面にある大きな空間、即ち電磁石側にも流入し、この流体圧によりリード107の上面が押圧され、流通状態にある出口孔141を同時に閉鎖しようとする作用も働いている。つまり完全な流通状態が保証されないと考えられる。
【0014】
図9は従来のリード型電磁駆動弁による流体流量と入口側流体圧力の関係図である。リード107が完全に理想的に開放されていれば、流体圧力Pを増加させてゆくとそれに比例して流体流量Qは直線的に増加すると考えられる。この理想直線(Ideal)は想像線で画かれている。
【0015】
このリード型電磁駆動弁を用いて実際に流体制御を行なった。流体圧力PをMPa単位で増加させながら流通する流体流量QをLPM単位(リットル毎分)で測定したところ、実線で示される曲線が得られた。
【0016】
流体の圧力Pが小さい領域では、流量Qは圧力Pに比例して増加している。ところが、圧力Pが大きくなるに従って、流量Qが理想直線よりかなり小さくなり、圧力Pが大きな領域では期待される直線特性は全く得られないことが分った。
【0017】
この理由は、前述したように、圧力が大きくなると、流体が出口孔141の小さな隙間に流入するだけでなく、大量の流体がリード107の上側に流入し、リード107の上下面の圧力差により出口孔141を閉鎖方向に移動させる傾向を有することに起因している。
【0018】
更に、従来のリード型電磁駆動弁の欠点は、コイル101や中央支持部121が弁チャンバCの中に配置されていることである。この弁チャンバCには流体が流入するから、清浄であるべき流体がコイル101や中央支持部121と常時接触することになる。
【0019】
この接触過程でコイルが流体によって腐食されると、コイルの材料成分が流体中に溶解し、清浄であるべき流体中に不純物が混入するため、冷媒などの流体の安定動作が低下する。しかも通電作用によってコイルの腐食が急速に進行し、リード型電磁駆動弁の耐久性も急速に低下する。
【0020】
本発明は、弁体をリードからダイヤフラムに変更し、このダイヤフラムを磁気駆動することによって、流体の断続制御を確実に行なうだけでなく、流体圧力の増加に比例して流体流量を直線的に増加させることができ、しかも高耐久性を保証しながら流体の清浄性を保持できる電磁駆動弁を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁は上記課題を達成するためになされたものであり、第1の発明は、流体を弁室に流入させる入口孔と、流体を弁室から流出させる出口孔と、入口孔と出口孔が共に開口する弁室を外部から隔離的に画成する板弾性を有するダイヤフラムと、出口孔又は入口孔の周囲に形成された弁座と、この弁座に対しダイヤフラムが着離して流体の流れを断続制御するダイヤフラム型駆動弁を構造的に採用し、ダイヤフラムに対し磁気力を作用させるように電磁石装置を配置し、ダイヤフラムが離座したときに形成される隙間が流体圧により拡張される構成にすることにより、流体圧力の増加に対し流体流量の比例的増加を確保し、また電磁石装置を弁室外に配置して電磁石装置が流体と接触しないようにして、装置の高耐久性を保証しながら流体の清浄性を保証することを可能にする。
【0022】
第2の発明は、ダイヤフラムに強磁性材料からなるヘッドを固着させ、このヘッドを電磁石装置により磁気吸引してダイヤフラムに磁気力を作用させる構成とし、電磁石装置からの磁力を強力に作用させてダイヤフラムの開閉を確実にするものである。
【0023】
第3の発明は、消磁状態ではダイヤフラムの板弾性によりダイヤフラムが自発的に弁座に着座して流体の流れを遮断し、励磁状態では磁気力によりダイヤフラムが弁座から離座して流体を出口孔から流出させる構成とするから、省エネルギータイプのダイヤフラム型電磁駆動弁を提供するものである。
【0024】
第4の発明は、ダイヤフラムに永久磁石からなるヘッドを固着させ、このヘッドを電磁石装置により磁気吸引又は磁気反発させてダイヤフラムに磁気力を作用させる構成とするから、電磁石と永久磁石の間に発生する大きな磁力によりダイヤフラムの開閉をより確実にするダイヤフラム型電磁駆動弁を提供するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の実施形態を添付する図面に従って詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の第1実施形態における流通状態の断面図である。ダイヤフラム型電磁駆動弁2は電磁石装置3と弁本体4から構成される。弁本体4には、大径の入口孔6aを有する入口通路6が形成され、この入口通路6にはフィルタ作用をするストレーナ9を介して供給管8が配管されている。また、弁本体4には小径の出口孔10aを有する出口通路10が形成され、この出口通路10には送出管12が配管されている。
【0027】
弁本体4の右端には逆L字型のヨーク14がボルト16、16により固定されている。このヨーク14には強磁性材料から形成された軸18がボルト20により固定され、軸18の下端は電磁石装置3の吸引端18aとなっている。上部フランジ22aと下部フランジ22bを有するコイルケース22にはコイル24が巻回され、このコイルケース22は軸18に外嵌されて、吸引端18aとヨーク14の間に固定配置されている。下部フランジ22bには保持体26が垂下固定され、保持筒26の中には弾性体28が上下に伸縮できるように内装されている。
【0028】
弁本体4の上方には内側に段部30aを有した環状突起30が突設されており、段部30aの上にはダイヤフラム32が載置されている。ダイヤフラム32の周縁上部には環状の押えリング34が配置され、その上に筒状のボンネット36が内嵌されている。
【0029】
このボンネット36の上部外周には突起36aが突設され、この突起36aに係合したボンネットナット38により外側から締付固定される。即ち、前記環状突起30の外周面とボンネットナット38の内周面にはネジが形成され、両者の螺合によりボンネットナット38を締め付けると、ボンネットナット38により突起36aが下方に押圧され、ダイヤフラム32の周縁が前記押えリング34により確実に固定される。
【0030】
ダイヤフラム32はステンレスなどの弾性を有した強磁性材料から形成されるから、それ自体で電磁石装置3により電磁吸引される性質を有する。この実施形態では、電磁吸引力を強くするために、ダイヤフラム32の上面に強磁性材料から形成されたヘッド40を固着する。固着方法はダイヤフラム32と一体に強磁性材料から成形してもよいし、接着剤や融着・電着など有効な種々の手段で固定される。
【0031】
このヘッド40の上部には板状のヘッドプレート40aが形成されており、このヘッドプレート40aに前述した弾性体28の下端が当接するように配置されている。つまり、ヘッドプレート40aは弾性体28により常に下方に押圧付勢されている。
【0032】
前記出口孔10aの上側開口部の周りには環状の弁座27が設けられ、弁座の内部空間は弁室29になっている。非通電時には電磁石装置3は消磁状態にあり、ダイヤフラム32は弾性体28の弾性力によって下方に押圧され、ダイヤフラム32が環状の弁座27に着座して流体は遮断状態にある。
【0033】
コイル24に電流を流して通電すると、電磁石装置3は励磁され、軸18の吸引端18aが電磁石の磁極となる。この磁力により強磁性材料から形成されたヘッド40は磁気吸引され、ダイヤフラム32は上方に吊り上げられて、ダイヤフラム32は弁座27から離座して大きな隙間44が開いて電磁弁は開放状態になる。
【0034】
このとき、供給管8から矢印IN方向に流体が流入し、ストレーナ9により不純物が除去された後、入口通路6から入口孔6aを介して矢印a方向に流体が流入する。この流体は離間形成された隙間44を通して弁室29に流れ込み、出口孔10aから出口通路10へと矢印b方向に流出してゆく。更に、流体は送出管12から矢印OUT方向に送出される。
【0035】
隙間44から流体が弁室29に流入すると、この流体の流体圧によりダイヤフラム32は上方へと押圧され、隙間44を更に大きくするようにして流通状態が確保される。
【0036】
従来のリード型電磁駆動弁では、リードが開放されて流通状態になっても、逆に流体圧によりリードが閉鎖方向に移動するのと全く対照的な相違点を有する。ダイヤフラム型電磁駆動弁では流体圧が電磁吸引力と同一方向に作用するため、流体圧がダイヤフラムを開放して流通状態を強化する方向に働くので、入口側の流体圧力を増大させるとそれに直線的に比例して流体流量が調節できる利点を有している。
【0037】
図2は本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の遮断状態の断面図である。コイル24に電流が流れない場合には電磁石装置3は消磁され、吸引端18aの磁極は消失する。その結果、ダイヤフラム32はその材料自体が有する弾性復帰力と弾性体28の弾性力により押下され、ダイヤフラム32が弁座27に着座して、ダイヤフラム型電磁駆動弁2は閉鎖状態となって流体の流れを遮断する。
【0038】
図3は第1実施形態のダイヤフラム型電磁駆動弁による流体流量Qと流体圧力Pの関係図である。流体の入口側圧力Pを変化させた場合に出口孔10aを通過する流体の流量Qが測定された。●は実測点を示し、流体流量Qと流体圧力Pとが線形関係にあることが分り、本発明が目的とする効果を発揮することが確認された。
【0039】
また、本発明では、電磁石装置3を弁室29の外側に配置したから、流体が電磁石装置3と接触することがなく、電磁石装置3が流体を原因として腐食することが無く、高耐久性を有すること保証される。また、非接触であるので流体中に不純物が混入することもないから、流体の清浄性を保持することができる。
【0040】
図4は第1実施形態の弁座の変形例を示す遮断状態の断面図である。弁座27は内部に空間を有しない凸状部に形成され、その頂点に開口を有するように出口孔10aが形成されている。電磁石装置3が消磁状態では、ダイヤフラム32は出口孔10aの開口を閉鎖し、流体は遮断状態になる。このとき、弁室29は入口孔6aが開口した位置に形成される。その他は図2と同様であるから、それ以上の説明は省略する。
【0041】
前述した実施形態では、ヘッド40にヘッドプレート40aを形成したが、押圧用の弾性体28が不要の場合には、ヘッドプレート40aは無くても構わない。また、ダイヤフラム32に十分な磁力が作用し、吸引端18aがダイヤフラム32を磁気吸引して隙間44を形成できる場合には、強磁性材料から形成されるヘッド40は必ずしも必要ではない。
【0042】
図5は本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の第2実施形態における遮断状態の断面図である。この実施形態では、ダイヤフラム32は下に凸に配置されており、ダイヤフラム32の周縁を受けリング33の上に載置し、その上をボンネット36により押圧して弁室29を液密又は気密に保持している。
【0043】
ダイヤフラム32の上面に固着されたヘッド40は永久磁石で形成されている点で第1実施形態と異なっている。永久磁石のヘッド40にはヘッドプレートは形成されず、電磁石装置3を励磁して、吸引端18aを例えばN極に励磁して同極間反発力によりダイヤフラム32を環状の弁座27に着座させて遮断状態を構成している。
【0044】
図6は本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の第2実施形態における流通状態の断面図である。電流を図5とは逆方向に通電させて電磁石装置3を逆方向に励磁する。その結果、吸引端18aが例えばS極になり、ヘッド40を異極間吸引力により磁気吸引し、ダイヤフラム32は弁座27から離座して隙間44が形成され、隙間44により流体は流通状態となる。
【0045】
隙間44の形成により、流体が弁室29に流通し、流体圧力がダイヤフラム32を上方に押し上げる作用をするから、流体の流通状態が強力に保持される点では第1実施形態と同様の効果が発揮できる。その他の作用効果も同様であるから、その詳細は省略する。
【0046】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例・設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることはことは云うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ダイヤフラムに対し磁力を作用させるように電磁石装置を配置し、ダイヤフラムが弁座から離座したときに、弁座とダイヤフラムの間に形成される隙間は磁力と流体圧により拡張されるから、隙間は常に開放状態に安定して保持され、流体圧力の増加に対し流体流量を直線的に増加させることが可能となる。また、電磁石装置を弁室外に配置するから、電磁石装置が流体と接触せず、電磁石装置の腐食を防止して耐久性を向上でき、しかも流体の清浄性を確保できる利点がある。
【0048】
第2の発明によれば、ダイヤフラムに強磁性材料からなるヘッドを固着させるから、ダイヤフラムに対する磁気吸引力だけでなく、このヘッドに対しても電磁石装置により磁気吸引力を作用させ、電磁石装置からの磁力をダイヤフラムに強力に作用させてダイヤフラムの開閉を確実にする効果がある。
【0049】
第3の発明によれば、消磁状態ではダイヤフラムの板弾性によりダイヤフラムが自発的に弁座に着座して流体の流れを遮断し、励磁状態では磁気力によりダイヤフラムが弁座から離座して流体を出口孔から流出させる構成とするから、流体の流通状態にのみエネルギー消費が生起するので、省エネルギータイプのダイヤフラム型電磁駆動弁を提供できる効果がある。
【0050】
第4の発明によれば、ダイヤフラムに永久磁石からなるヘッドを固着させるから、電磁石と永久磁石の間に発生する大きな磁力によりダイヤフラムの開閉を確実にするダイヤフラム型電磁駆動弁を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の第1実施形態における流通状態の断面図である。
【図2】本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の遮断状態の断面図である。
【図3】第1実施形態のダイヤフラム型電磁駆動弁による流体流量Qと流体圧力Pの関係図である。
【図4】第1実施形態の弁座の変形例を示す遮断状態の断面図である。
【図5】本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の第2実施形態における遮断状態の断面図である。
【図6】本発明に係るダイヤフラム型電磁駆動弁の第2実施形態における流通状態の断面図である。
【図7】従来のリード型電磁駆動弁の非通電時における遮断状態の断面図である。
【図8】従来のリード型電磁駆動弁の通電時における流通状態の断面図である。
【図9】従来のリード型電磁駆動弁による流量と入口側圧力の関係図である。
【符号の説明】
2はダイヤフラム型電磁駆動弁、3は電磁石装置、4は弁本体、6は入口通路、6aは入口孔、8は供給管、9はストレーナ、10は出口通路、10aは出口孔、12は送出管、14はヨーク、16はボルト、18は軸、18aは吸引端、20はボルト、22はコイルケース、22aは上部フランジ、22bは下部フランジ、24はコイル、26は保持体、27は弁座、28は弾性体、29は弁室、30は環状突起、30aは段部、32はダイヤフラム、34は押えリング、36はボンネット、36aは突起、38はボンネットナット、40はヘッド、40aはヘッドプレート、44は隙間。
Claims (4)
- 流体を弁室に流入させる入口孔と、流体を弁室から流出させる出口孔と、入口孔と出口孔が共に開口する弁室を外部から隔離的に画成する板弾性を有するダイヤフラムと、出口孔又は入口孔の周囲に形成された弁座と、この弁座に対しダイヤフラムが着離して流体の流れを断続制御するダイヤフラム型駆動弁において、前記ダイヤフラムに磁気力を作用させる電磁石装置を弁室外に配置し、電磁石装置の励磁と消磁によりダイヤフラムを弁座に対し着離させる構成により流体の流れを断続制御することを特徴とするダイヤフラム型電磁駆動弁。
- 前記ダイヤフラムに強磁性材料からなるヘッドを固着させ、このヘッドを電磁石装置により磁気吸引してダイヤフラムに磁気力を作用させる請求項1に記載のダイヤフラム型電磁駆動弁。
- 消磁状態ではダイヤフラムの板弾性によりダイヤフラムが弁座に着座して流体の流れを遮断し、励磁状態では磁気力によりダイヤフラムが弁座から離座して流体を出口孔から流出させる請求項2に記載のダイヤフラム型電磁駆動弁。
- 前記ダイヤフラムに永久磁石からなるヘッドを固着させ、このヘッドを電磁石装置により磁気吸引又は磁気反発させてダイヤフラムに磁気力を作用させる請求項1に記載のダイヤフラム型電磁駆動弁。
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- 2002-11-13 JP JP2002329370A patent/JP2004162806A/ja active Pending
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