JP2004162730A - 磁気浮上回転装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】あらゆるガス圧で短時間かつオーバーシュートが少ない回転数応答を可能とする磁気浮上回転装置を提供する。
【解決手段】この磁気浮上回転装置は、装置本体6と制御部7とを備える。制御部7は、回転数指令発生器25で指令された指令回転数および回転加速時間によって予め定められた速度指令パターンに従って、回転軸4の回転数が増大するようにモータ12を駆動制御する開ループ制御を行ない、速度指令パターンが終了すると、回転センサ15によって検出された回転軸4の回転数が目標回転数に一致するようにモータ12を駆動制御する閉ループ制御に切換える。これにより、あらゆるガス圧で短時間かつオーバーシュートが少ない回転数応答が実現できる。
【選択図】 図2
【解決手段】この磁気浮上回転装置は、装置本体6と制御部7とを備える。制御部7は、回転数指令発生器25で指令された指令回転数および回転加速時間によって予め定められた速度指令パターンに従って、回転軸4の回転数が増大するようにモータ12を駆動制御する開ループ制御を行ない、速度指令パターンが終了すると、回転センサ15によって検出された回転軸4の回転数が目標回転数に一致するようにモータ12を駆動制御する閉ループ制御に切換える。これにより、あらゆるガス圧で短時間かつオーバーシュートが少ない回転数応答が実現できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁気浮上回転装置に関し、特に回転体を非接触で回転させる磁気浮上回転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気浮上回転装置は、数万回転以上の高速回転の工作機用スピンドルやターボ分子ポンプなどでよく使用される。この磁気浮上回転装置は、特に高速回転領域における磁気軸受の共振モードや主軸回転数の曲げモードなどが問題とされており、広い回転数領域に渡って安定性の高い制御をするための数多くの技術が報告されている。
【0003】
磁気浮上回転装置の磁気軸受制御の方法として、ノッチフィルタの中心周波数を変化させることにより、磁気軸受に大きな位相進み特性(減衰特性)を与え、安定制御を可能にしたものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、DSP(デジタル信号処理プロセッサ)を用いた磁気軸受のデジタル制御系において、回転体の回転数に応じた制御パラメータを予めメモリに記録することによって、磁気軸受を安定制御するものもある(たとえば、特許文献2参照)。
【0005】
また、モータ駆動装置の出力を制限する電流制限回路を設け、低回転領域での駆動トルクを小さくし、高回転領域では徐々に駆動トルクが大きくなるようにモータ制御することによって、磁気軸受剛性不足の問題を解決するものもある(たとえば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−231428号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平11−210750号公報
【0008】
【特許文献3】
特許第3268322号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般的な磁気浮上回転装置が数万回転以上の高回転用に使用されるのに対して、半導体の製造プロセスに必要なステッパー装置に搭載されるエキシマレーザ装置は、5000回転以下(回転軸の一次曲げモード以下)で運転されるため、同じモータ出力でもモータの負荷トルクは高く、十数N・mにもなる。そのため、モータからの吸引力の影響が大きく、磁気軸受の安定制御が難しい。
【0010】
また、通常のモータ駆動装置(汎用インバータなど)を使用する場合、低回転領域での磁気軸受剛性が低いためモータ駆動装置の出力を小さくして低トルクでゆっくりと回転体を安定加速させる必要があり、回転加速時間が長くなる傾向がある。回転加速中は、磁気軸受の共振モードや主軸回転数の曲げモードに伴い回転軸の振れまわりが大きくなるため、回転軸がモータの吸引力を強く受けてタッチダウンしてしまうことがあった。
【0011】
さらに、エキシマレーザ用の磁気浮上回転装置は、真空から数気圧までのガス圧環境において、磁気軸受の安定制御を確保しながら回転体を迅速に定格回転に到達させる必要がある。ガス圧や回転数によって大きな負荷変動が生じ、モータの回転数制御系の制御モデルが大きく変わってしまう。このため、すべての条件下でオーバーシュートを少なく、かつ短時間で定格回転に到達させる速度サーボ系を実現することは非常に困難である(ファン負荷は回転数の二乗に比例し、本質的に強い非線形性を示すため)。さらに、レーザ出力の向上に伴って要求される最大負荷が増加してきているため、最大ガス圧および最大回転数が高くなってきている。したがって、オーバーシュートを避け、かつ磁気軸受の安定制御を優先させるため、加速時間を長くせざるを得なかった。
【0012】
さらに、一般的な回転同期ノッチフィルタによる振れまわりの補償は、ファンが制御帯域内で運転されるため磁気軸受の不安定化を招き、使用が困難である。モータ駆動装置を特別なものにすれば前述の特許文献3で示されるように加速特性を改善することはできるが、通常はコスト低減のためモータ駆動装置に汎用インバータを使用する。汎用インバータは、出力周波数制御を外部から行なうことができるが、V/F(電圧/周波数)パターンは予め決められたパターンに沿って出力するものがほとんどであり、運転中にV/Fパターンが変更可能なものは見受けられなかった。
【0013】
また、運転サイクルによっては回転軸の温度むらが生じ(回転軸浮上中は非接触のため全体的に熱くなり、浮上停止時は接触している部分から冷えていくことに起因すると考えられている)、回転軸の振れまわりが大きくなってしまうことがある。この振れまわりを押さえるために、磁気軸受ゲインを大きくしすぎると回転同期付近での振動が大きくなってタッチダウンしてしまい、磁気軸受ゲインを小さくしすぎると磁気軸受剛性不足でタッチダウンしてしまっていた。
【0014】
それゆえに、この発明の主たる目的は、あらゆるガス圧で短時間かつオーバーシュートが少ない回転数応答を可能とする磁気浮上回転装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る磁気浮上回転装置は、回転体を非接触で回転させる磁気浮上回転装置であって、回転体を非接触で支持する磁気軸受と、回転体の主軸位置変位を検出する位置センサと、位置センサの検出結果に基づいて磁気軸受を制御する磁気軸受制御手段と、回転体を回転させるモータと、回転体の回転数を検出する回転センサと、モータを駆動制御するモータ制御手段とを備える。このモータ制御手段は、回転加速時間および指令回転数によって予め定められた速度指令パターンに従って回転体の回転数が増大するようにモータを駆動制御する開ループ制御手段と、回転センサによって検出された回転体の回転数が目標回転数に一致するようにモータを駆動制御する閉ループ制御手段と、および開ループ制御手段から閉ループ制御手段に切換える切換手段とを含む。
【0016】
好ましくは、切換手段は、予め定められた速度指令パターン終了時に切換動作を行なう。
【0017】
また、好ましくは、切換手段は、速度偏差が予め定められた値以下になった時に切換動作を行なう。
【0018】
また、好ましくは、モータ制御手段は、モータを駆動制御するための積分手段を含む。このモータ制御手段は、切換手段が切換動作を行なうときに積分手段の出力が連続的になるように、積分手段の初期値を予め定める。
【0019】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上になった場合、予め定められた下限値を限度に、予め定められた値だけ磁気軸受ゲインを小さくすることによって回転同期成分の大きさを小さくする。
【0020】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、磁気軸受ゲインを予め定められた下限値まで小さくしても、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上である場合、回転体の回転加速を停止し、同じ回転数もしくはそれより低い回転数で回転させる。
【0021】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、磁気軸受ゲインを予め定められた下限値まで小さくしても、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上である場合、モータ制御手段の積分手段の初期値をゼロに設定して、切換手段が切換動作を行なう。
【0022】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上になった場合、回転同期成分の大きさがある一定の大きさになるように磁気軸受ゲインを制御する。
【0023】
また、好ましくは、回転同期成分の大きさは、フーリエ変換理論に基づいて、回転同期の周波数成分のみの畳み込み演算によって算出される。
【0024】
また、好ましくは、畳み込み演算は、制御周期ごとに計算され、フーリエ変換を計算するデータ長を常に(回転周波数の整数倍の周期)/(制御周期)とする。
【0025】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段およびモータ制御手段による制御処理をソフトウエアによって行なう。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施の形態によるエキシマレーザ装置の要部を示す図である。図1において、このエキシマレーザ装置は、真空状態にされた後に所定のガスが導入されるチャンバ1と、チャンバ1内のガスを冷却させるためのラジエータ2と、チャンバ1内のガスを循環させるためのファン3と、ファン3を回転させるための回転軸4とを備える。
【0027】
回転軸4の端部には、回転軸4を回転させる磁気浮上回転装置5が設けられている。磁気浮上回転装置5は、装置本体6と、装置本体6を制御する制御部7とを含む。装置本体6は、回転軸4を非接触で支持するための磁気軸受8と、回転軸4の位置変位を検出するための位置センサ11と、回転軸4を回転させるためのモータ12と、回転軸4の回転数を検出するための回転センサ15とを含む。
【0028】
磁気軸受8は、回転軸4の外周面に設けられたリング状のターゲット9と、ターゲット9の外周面に対向して設けられた複数の電磁石10とを含む。位置センサ11の検出結果に基づいて各電磁石10とターゲット9との間の吸引力(または、反発力)を制御することにより、回転軸4を非接触で支持することができる。
【0029】
モータ12は、回転軸4に固定されたロータ13と、ロータ13に対向して設けられた複数のステータ14とを含む。回転センサ15の検出結果に基づいて、ステータ14の電流を制御して回転磁界を発生させることにより、回転軸4を所望の回転数で回転させることができる。
【0030】
図2は、図1で説明した磁気浮上回転装置5の概略構成を示すブロック図である。図2において、この磁気浮上回転装置5は、装置本体6と制御部7とを備える。制御部7の制御アルゴリズムは、CPU(中央演算処理装置)を使用したソフトウエア制御を利用することが望ましい。
【0031】
装置本体6は、図1で説明した回転軸4、磁気軸受8、位置センサ11、モータ12、および回転センサ15を含む。制御部7は、オフセット出力器20、加算器21,26、回転同期検出器22、磁気軸受フィードバック制御器23、アンプ24、回転数指令発生器25、モータ駆動フィードバック制御器27、およびモータ駆動装置28を含む。
【0032】
オフセット出力器20は、オフセット調整信号を加算器21に出力する。加算器21は、オフセット出力器20から入力されたオフセット調整信号より、位置センサ11から入力された位置変位信号を減算し、オフセット調整された位置変位信号を回転同期検出器22および磁気軸受フィードバック制御器23に出力する。回転同期検出器22は、加算器21から入力された位置変位信号および回転センサ15の検出結果に基づいて、回転同期成分の大きさを算出して磁気軸受フィードバック制御器23に出力する。ここで、回転同期成分とは、回転軸の主軸重心と回転中心とのずれに起因する遠心力によって生じる、回転数に同期した主軸の振れまわりのことである。磁気軸受フィードバック制御器23は、加算器21から入力された位置変位信号および回転同期検出器22から入力された回転同期成分の大きさに基づいて磁気軸受ゲインを調節し、電流指令信号Irefをアンプ24に出力する。電流フィードバックループを持つアンプ24が電流指令信号Irefによって指令された電流を磁気軸受8のコイルに流すと、磁気軸受8は回転軸4を非接触で支持して磁気浮上させる。
【0033】
回転数指令発生器25は、回転数指令信号を生成して加算器26に出力する。加算器26は、回転数指令発生器25から入力された回転数指令信号より、回転センサ15の検出結果を減算してモータ駆動フィードバック制御器27に出力する。モータ駆動フィードバック制御器27は、加算器26からの入力信号に基づいて、回転数指令発生器25で指令された回転数と回転軸4の回転数との差が小さくなるようにする制御信号をモータ駆動装置28に出力する。モータ駆動装置28は、制御信号に従ってモータ12を駆動させる。
【0034】
図3は、この磁気浮上回転装置5の動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートにおいて、回転加速開始時の時間をゼロ秒(t=0)とし、所定の時点T秒(t=T)で開ループ制御(定加速度制御)から閉ループ制御(モータ駆動フィードバック制御)に切換えるものとする。
【0035】
ステップS1において、設定された速度指令パターンによる開ループ制御が行なわれ、回転軸4は定加速度で回転駆動される。ここで、設定された速度指令パターンとは、時間と回転数とで決められる速度指令パターンである。図4は、回転加速開始後T秒で回転数Nrpmに到達する速度指令パターンを示すグラフである。このような速度指令パターンは汎用インバータで設定できるので、制御部7は比較的単純な構造にすることができる。
【0036】
回転加速中は、回転同期検出器22によって常に回転同期成分の大きさが計算されている。ステップS2において、回転同期成分の大きさが設定値Aよりも小さい場合はステップS7へ移り、回転同期成分の大きさが設定値A以上の場合はステップS3へ移る。
【0037】
ステップS3において、磁気軸受フィードバック制御器23の磁気軸受ゲインが下限値Gminよりも大きければステップS4へ移る。ステップS4において、磁気軸受ゲインを大きさgだけ下げることによって回転同期成分の大きさを小さくし、ステップS5へ移る。ステップS5において、回転同期成分の大きさが設定値Aよりも小さくなっていればステップS1へ戻り、回転同期成分の大きさが設定値A以上であればステップS3へ戻る。ステップS3〜ステップS5の動作を繰り返し、ステップS3において、回転軸4の温度むらなどに起因して、磁気軸受ゲインが下限値Gminまで下がっても回転同期成分の大きさが設定値Aよりも小さくならない場合はステップS6へ移り、回転加速を停止させる。次に、ステップS5へ移り、その回転数もしくはそれより低い回転数で回転同期成分の大きさが設定値Aよりも小さくなるまで一定回転させる。
【0038】
ステップS7において、加速時間がT秒となった時点でステップS8へ移り、磁気軸受ゲインが標準値に戻された後、ステップS9において、開ループ制御から閉ループ制御(モータ駆動フィードバック制御)に切換えられる。
【0039】
なお、回転同期検出器22は、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)のようにすべての周波数成分を計算する必要はなく、回転同期のみの周波数成分の計算を行なうだけでよいため、単なる畳み込み演算になる。制御周期に比べて加速時間は十分に遅い(回転周波数の変化が遅い)ので、1回の制御周期内に1回の畳み込み演算を行なうだけでよい。これにより、計算時間の短縮とメモリの節約が可能となる。たとえば、1回の制御周期内にN点のフーリエ変換を行なう場合、N個のデータを常にメモリに保持する必要があり、各制御周期内に2N回の畳み込み演算をする必要がある。しかし、2N回の制御周期内に2N回の畳み込み演算を行なう、つまり1回の制御周期内に1回の畳み込み演算を行なうことによって、各制御周期内の計算時間は1/2Nに短縮される。また、畳み込まれるデータのみを保持すればよいのでメモリ消費量も少なくなる。ここで、フーリエ変換によって計算するデータ長を常に(回転周波数の整数倍の周期)/(制御周期)となるようにし、回転数が高くなるほど周波数成分の評価間隔が小さくなるようにしている。
【0040】
モータ12が誘導電動機の場合、真空中での運転を仮定すると、滑りがほぼゼロであるため回転軸4の回転数は回転数指令発生器25で指令された回転数とほぼ等しくなるが、チャンバ1内にガスが入っていた場合は、滑りが存在するため開ループ/閉ループ制御切換え時の回転軸4の回転数は回転数指令発生器25で指令された回転数よりも低くなる。この速度偏差分は、閉ループ制御(モータ駆動フィードバック制御)によって補償される。したがって、定格回転数よりも高い回転数指令におけるオーバーシュートによる曲げモードの励起が防止される。
【0041】
また、モータ駆動フィードバック制御器27の積分器の初期値を適切な値に設定することで、開ループ/閉ループ制御切換えをスムーズに行なうことができる。以下に、その理由となる数式を示す。
【0042】
モータ駆動フィードバック制御器27を一般的なPI(比例・積分)制御器とした場合、ラプラス領域で次式が成り立つ。
【0043】
C(s)=KP(1+KI/s) …(1)
ただし、C(s)はPI制御器の伝達関数、KPは比例ゲイン、KIは積 分ゲイン、sはラプラス演算子である。
【0044】
次に、速度偏差をEとすると、次式が成り立つ。
UC=KP(1+KI/s)E …(2)
ただし、UCはPI制御器の出力である。
【0045】
また、時間領域では次式が成り立つ。
【0046】
【数1】
【0047】
次にこの式をサンプリング周期Tで離散化すると、次式が成り立つ。
UC(k)=KPE(k)+KPKIX(k) …(4)
X(k+1)=X(k)+E(k)T …(5)
開ループ制御時は、PI制御器の出力はEに関係なく常に一定値(UC=u)が与えられ、モータは予め定められた速度指令パターンで駆動制御される。したがって、開ループ/閉ループ制御切換え時(k=0)にPI制御器の出力変動がない条件は、以下のようになる。
【0048】
u=UC(0)=KPE(0)+KPKIX(0) …(6)
ゆえに、
X(0)=(u−KPE(0))/KPKI …(7)
仮に、積分器の初期値がゼロ(X(0)=0)に設定されたとすると、開ループ/閉ループ制御切換え時の積分器の出力UCはKPEとなるため、uとの連続性が保証されない。ほとんどの場合は切換えた瞬間に出力が小さくなり、瞬間的に減速してしまう。しかし、積分器の初期値X(0)を上式(7)の値に設定することによって、積分器の出力の連続性が保証され、開ループ/閉ループ制御切換えをスムーズに行なうことができる。図5は、この場合の速度系の応答特性を示すグラフである。回転数は、ガス圧の大小に係らず、オーバーシュートなしで迅速に指令回転数に到達している。これにより、ワインドアップによる不安定化が防止される。
【0049】
図示していないが、開ループ/閉ループ制御切換えの基準を、速度指令パターン終了時に代わって、速度偏差がある一定値以下になった時点としてもよい。
【0050】
また、ステップS2〜ステップS6の代わりに、回転同期成分がある一定の大きさになるように、磁気軸受フィードバック制御してもよい。
【0051】
また、ステップS6で回転加速を停止する代わりに、積分器の初期値をゼロに設定して開ループ/閉ループ制御切換えを行ない、より低い回転数から再加速させてもよい。
【0052】
したがって、この実施の形態では、あらゆるガス圧で短時間かつオーバーシュートが少ない回転数応答の磁気浮上回転装置が実現できる。
【0053】
図6は、この実施の形態の変更例を示すブロック図である。図6を参照して図2と異なる点は、制御部7の磁気軸受フィードバック制御器23およびモータ駆動フィードバック制御器27に代わって、ステップ状の外乱モデルを推定できオブザーバ29,30、およびオブザーバ29,30によって監視制御される状態フィードバックゲイン回路31,32が追加されている点である。この場合も同様に、あらゆるガス圧で短時間かつオーバーシュートが少ない回転数応答が実現できる。
【0054】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る磁気浮上回転装置は、回転体を非接触で回転させる磁気浮上回転装置であって、回転体を非接触で支持する磁気軸受と、回転体の主軸位置変位を検出する位置センサと、位置センサの検出結果に基づいて磁気軸受を制御する磁気軸受制御手段と、回転体を回転させるモータと、回転体の回転数を検出する回転センサと、モータを駆動制御するモータ制御手段とを備える。このモータ制御手段は、回転加速時間および指令回転数によって予め定められた速度指令パターンに従って回転体の回転数が増大するようにモータを駆動制御する開ループ制御手段と、回転センサによって検出された回転体の回転数が目標回転数に一致するようにモータを駆動制御する閉ループ制御手段と、開ループ制御手段から閉ループ制御手段に切換える切換手段とを含む。したがって、あらゆるガス圧で短時間かつオーバーシュートが少ない回転数応答が実現できる。また、このような速度指令パターンは汎用インバータによって設定できるので、モータ駆動装置に汎用インバータを使用することで装置全体の構造を比較的単純にすることができる。
【0056】
好ましくは、切換手段は、予め定められた速度指令パターン終了時に切換動作を行なう。この場合、予め適切な速度指令パターンを設定することによって、サイクル時間が短くかつ安定な制御が実現できる。
【0057】
また、好ましくは、切換手段は、速度偏差が予め定められた値以下になった時に切換動作を行なう。この場合、速度偏差を一定の範囲内に収めることによって、サイクル時間が短くかつ安定な制御が実現できる。
【0058】
また、好ましくは、モータ制御手段は、モータを駆動制御するための積分手段を含む。このモータ制御手段は、切換手段が切換動作を行なうときに積分手段の出力が連続的になるように、積分手段の初期値を予め定める。この場合、開ループ制御から閉ループ制御への切換えがスムーズに行なわれ、さらに安定な制御が実現できる。
【0059】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上になった場合、予め定められた下限値を限度に、予め定められた値だけ磁気軸受ゲインを小さくすることによって回転同期成分の大きさを小さくする。この場合、回転体の振れまわりをある一定の範囲内に収めることによってタッチダウンが防止される。
【0060】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、磁気軸受ゲインを予め定められた下限値まで小さくしても、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上である場合、回転体の回転加速を停止し、同じ回転数もしくはそれより低い回転数で回転させる。この場合、回転加速を一旦停止することによって、さらに条件が悪い場合でもタッチダウンが防止され、安定性が向上する。
【0061】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、磁気軸受ゲインを予め定められた下限値まで小さくしても、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上である場合、モータ制御手段の積分手段の初期値をゼロに設定して、切換手段が切換動作を行なう。この場合、積分手段の初期値をゼロに設定することによって、より低い回転数から再加速させることでタッチダウンが防止される。
【0062】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上になった場合、回転同期成分の大きさがある一定の大きさになるように磁気軸受ゲインを制御する。この場合、回転体の振れまわりをある一定の範囲内に収めることによってタッチダウンが防止される。
【0063】
また、好ましくは、回転同期成分の大きさは、フーリエ変換理論に基づいて、回転同期の周波数成分のみの畳み込み演算によって算出される。この場合、計算時間の短縮とメモリの節約が可能になる。
【0064】
また、好ましくは、畳み込み演算は、制御周期ごとに計算され、フーリエ変換を計算するデータ長を常に(回転周波数の整数倍の周期)/(制御周期)とする。この場合、回転数が高くなるほど回転同期の周波数成分の評価間隔が小さくなるようにすることで、効率的な計算が可能になる。
【0065】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段およびモータ制御手段による制御処理をソフトウエアによって行なう。この場合、制御アルゴリズムを適した内容に容易に書きかえることができ、適切な制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態によるエキシマレーザ装置の要部を示す図である。
【図2】図1に示した磁気浮上回転装置5の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した磁気浮上回転装置5の動作を示すフローチャートである。
【図4】図2に示した磁気浮上回転装置5の速度指令パターンを示すグラフである。
【図5】図2に示した磁気浮上回転装置5の速度系の応答特性を示すグラフである。
【図6】この実施の形態の変更例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 チャンバ、2 ラジエータ、3 ファン、4 回転軸、5 磁気浮上回転装置、6 装置本体、7 制御部、8 磁気軸受、9 ターゲット、10 電磁石、11 位置センサ、12 モータ、13 ロータ、14 ステータ、15 回転センサ、20 オフセット出力器、21,26 加算器、22 回転同期検出器、23 磁気軸受フィードバック制御器、24 アンプ、25 回転数指令発生器、27 モータ駆動フィードバック制御器、28 モータ駆動装置、29,30 オブザーバ、31,32 状態フィードバックゲイン回路。
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁気浮上回転装置に関し、特に回転体を非接触で回転させる磁気浮上回転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気浮上回転装置は、数万回転以上の高速回転の工作機用スピンドルやターボ分子ポンプなどでよく使用される。この磁気浮上回転装置は、特に高速回転領域における磁気軸受の共振モードや主軸回転数の曲げモードなどが問題とされており、広い回転数領域に渡って安定性の高い制御をするための数多くの技術が報告されている。
【0003】
磁気浮上回転装置の磁気軸受制御の方法として、ノッチフィルタの中心周波数を変化させることにより、磁気軸受に大きな位相進み特性(減衰特性)を与え、安定制御を可能にしたものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、DSP(デジタル信号処理プロセッサ)を用いた磁気軸受のデジタル制御系において、回転体の回転数に応じた制御パラメータを予めメモリに記録することによって、磁気軸受を安定制御するものもある(たとえば、特許文献2参照)。
【0005】
また、モータ駆動装置の出力を制限する電流制限回路を設け、低回転領域での駆動トルクを小さくし、高回転領域では徐々に駆動トルクが大きくなるようにモータ制御することによって、磁気軸受剛性不足の問題を解決するものもある(たとえば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−231428号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平11−210750号公報
【0008】
【特許文献3】
特許第3268322号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般的な磁気浮上回転装置が数万回転以上の高回転用に使用されるのに対して、半導体の製造プロセスに必要なステッパー装置に搭載されるエキシマレーザ装置は、5000回転以下(回転軸の一次曲げモード以下)で運転されるため、同じモータ出力でもモータの負荷トルクは高く、十数N・mにもなる。そのため、モータからの吸引力の影響が大きく、磁気軸受の安定制御が難しい。
【0010】
また、通常のモータ駆動装置(汎用インバータなど)を使用する場合、低回転領域での磁気軸受剛性が低いためモータ駆動装置の出力を小さくして低トルクでゆっくりと回転体を安定加速させる必要があり、回転加速時間が長くなる傾向がある。回転加速中は、磁気軸受の共振モードや主軸回転数の曲げモードに伴い回転軸の振れまわりが大きくなるため、回転軸がモータの吸引力を強く受けてタッチダウンしてしまうことがあった。
【0011】
さらに、エキシマレーザ用の磁気浮上回転装置は、真空から数気圧までのガス圧環境において、磁気軸受の安定制御を確保しながら回転体を迅速に定格回転に到達させる必要がある。ガス圧や回転数によって大きな負荷変動が生じ、モータの回転数制御系の制御モデルが大きく変わってしまう。このため、すべての条件下でオーバーシュートを少なく、かつ短時間で定格回転に到達させる速度サーボ系を実現することは非常に困難である(ファン負荷は回転数の二乗に比例し、本質的に強い非線形性を示すため)。さらに、レーザ出力の向上に伴って要求される最大負荷が増加してきているため、最大ガス圧および最大回転数が高くなってきている。したがって、オーバーシュートを避け、かつ磁気軸受の安定制御を優先させるため、加速時間を長くせざるを得なかった。
【0012】
さらに、一般的な回転同期ノッチフィルタによる振れまわりの補償は、ファンが制御帯域内で運転されるため磁気軸受の不安定化を招き、使用が困難である。モータ駆動装置を特別なものにすれば前述の特許文献3で示されるように加速特性を改善することはできるが、通常はコスト低減のためモータ駆動装置に汎用インバータを使用する。汎用インバータは、出力周波数制御を外部から行なうことができるが、V/F(電圧/周波数)パターンは予め決められたパターンに沿って出力するものがほとんどであり、運転中にV/Fパターンが変更可能なものは見受けられなかった。
【0013】
また、運転サイクルによっては回転軸の温度むらが生じ(回転軸浮上中は非接触のため全体的に熱くなり、浮上停止時は接触している部分から冷えていくことに起因すると考えられている)、回転軸の振れまわりが大きくなってしまうことがある。この振れまわりを押さえるために、磁気軸受ゲインを大きくしすぎると回転同期付近での振動が大きくなってタッチダウンしてしまい、磁気軸受ゲインを小さくしすぎると磁気軸受剛性不足でタッチダウンしてしまっていた。
【0014】
それゆえに、この発明の主たる目的は、あらゆるガス圧で短時間かつオーバーシュートが少ない回転数応答を可能とする磁気浮上回転装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る磁気浮上回転装置は、回転体を非接触で回転させる磁気浮上回転装置であって、回転体を非接触で支持する磁気軸受と、回転体の主軸位置変位を検出する位置センサと、位置センサの検出結果に基づいて磁気軸受を制御する磁気軸受制御手段と、回転体を回転させるモータと、回転体の回転数を検出する回転センサと、モータを駆動制御するモータ制御手段とを備える。このモータ制御手段は、回転加速時間および指令回転数によって予め定められた速度指令パターンに従って回転体の回転数が増大するようにモータを駆動制御する開ループ制御手段と、回転センサによって検出された回転体の回転数が目標回転数に一致するようにモータを駆動制御する閉ループ制御手段と、および開ループ制御手段から閉ループ制御手段に切換える切換手段とを含む。
【0016】
好ましくは、切換手段は、予め定められた速度指令パターン終了時に切換動作を行なう。
【0017】
また、好ましくは、切換手段は、速度偏差が予め定められた値以下になった時に切換動作を行なう。
【0018】
また、好ましくは、モータ制御手段は、モータを駆動制御するための積分手段を含む。このモータ制御手段は、切換手段が切換動作を行なうときに積分手段の出力が連続的になるように、積分手段の初期値を予め定める。
【0019】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上になった場合、予め定められた下限値を限度に、予め定められた値だけ磁気軸受ゲインを小さくすることによって回転同期成分の大きさを小さくする。
【0020】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、磁気軸受ゲインを予め定められた下限値まで小さくしても、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上である場合、回転体の回転加速を停止し、同じ回転数もしくはそれより低い回転数で回転させる。
【0021】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、磁気軸受ゲインを予め定められた下限値まで小さくしても、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上である場合、モータ制御手段の積分手段の初期値をゼロに設定して、切換手段が切換動作を行なう。
【0022】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上になった場合、回転同期成分の大きさがある一定の大きさになるように磁気軸受ゲインを制御する。
【0023】
また、好ましくは、回転同期成分の大きさは、フーリエ変換理論に基づいて、回転同期の周波数成分のみの畳み込み演算によって算出される。
【0024】
また、好ましくは、畳み込み演算は、制御周期ごとに計算され、フーリエ変換を計算するデータ長を常に(回転周波数の整数倍の周期)/(制御周期)とする。
【0025】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段およびモータ制御手段による制御処理をソフトウエアによって行なう。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施の形態によるエキシマレーザ装置の要部を示す図である。図1において、このエキシマレーザ装置は、真空状態にされた後に所定のガスが導入されるチャンバ1と、チャンバ1内のガスを冷却させるためのラジエータ2と、チャンバ1内のガスを循環させるためのファン3と、ファン3を回転させるための回転軸4とを備える。
【0027】
回転軸4の端部には、回転軸4を回転させる磁気浮上回転装置5が設けられている。磁気浮上回転装置5は、装置本体6と、装置本体6を制御する制御部7とを含む。装置本体6は、回転軸4を非接触で支持するための磁気軸受8と、回転軸4の位置変位を検出するための位置センサ11と、回転軸4を回転させるためのモータ12と、回転軸4の回転数を検出するための回転センサ15とを含む。
【0028】
磁気軸受8は、回転軸4の外周面に設けられたリング状のターゲット9と、ターゲット9の外周面に対向して設けられた複数の電磁石10とを含む。位置センサ11の検出結果に基づいて各電磁石10とターゲット9との間の吸引力(または、反発力)を制御することにより、回転軸4を非接触で支持することができる。
【0029】
モータ12は、回転軸4に固定されたロータ13と、ロータ13に対向して設けられた複数のステータ14とを含む。回転センサ15の検出結果に基づいて、ステータ14の電流を制御して回転磁界を発生させることにより、回転軸4を所望の回転数で回転させることができる。
【0030】
図2は、図1で説明した磁気浮上回転装置5の概略構成を示すブロック図である。図2において、この磁気浮上回転装置5は、装置本体6と制御部7とを備える。制御部7の制御アルゴリズムは、CPU(中央演算処理装置)を使用したソフトウエア制御を利用することが望ましい。
【0031】
装置本体6は、図1で説明した回転軸4、磁気軸受8、位置センサ11、モータ12、および回転センサ15を含む。制御部7は、オフセット出力器20、加算器21,26、回転同期検出器22、磁気軸受フィードバック制御器23、アンプ24、回転数指令発生器25、モータ駆動フィードバック制御器27、およびモータ駆動装置28を含む。
【0032】
オフセット出力器20は、オフセット調整信号を加算器21に出力する。加算器21は、オフセット出力器20から入力されたオフセット調整信号より、位置センサ11から入力された位置変位信号を減算し、オフセット調整された位置変位信号を回転同期検出器22および磁気軸受フィードバック制御器23に出力する。回転同期検出器22は、加算器21から入力された位置変位信号および回転センサ15の検出結果に基づいて、回転同期成分の大きさを算出して磁気軸受フィードバック制御器23に出力する。ここで、回転同期成分とは、回転軸の主軸重心と回転中心とのずれに起因する遠心力によって生じる、回転数に同期した主軸の振れまわりのことである。磁気軸受フィードバック制御器23は、加算器21から入力された位置変位信号および回転同期検出器22から入力された回転同期成分の大きさに基づいて磁気軸受ゲインを調節し、電流指令信号Irefをアンプ24に出力する。電流フィードバックループを持つアンプ24が電流指令信号Irefによって指令された電流を磁気軸受8のコイルに流すと、磁気軸受8は回転軸4を非接触で支持して磁気浮上させる。
【0033】
回転数指令発生器25は、回転数指令信号を生成して加算器26に出力する。加算器26は、回転数指令発生器25から入力された回転数指令信号より、回転センサ15の検出結果を減算してモータ駆動フィードバック制御器27に出力する。モータ駆動フィードバック制御器27は、加算器26からの入力信号に基づいて、回転数指令発生器25で指令された回転数と回転軸4の回転数との差が小さくなるようにする制御信号をモータ駆動装置28に出力する。モータ駆動装置28は、制御信号に従ってモータ12を駆動させる。
【0034】
図3は、この磁気浮上回転装置5の動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートにおいて、回転加速開始時の時間をゼロ秒(t=0)とし、所定の時点T秒(t=T)で開ループ制御(定加速度制御)から閉ループ制御(モータ駆動フィードバック制御)に切換えるものとする。
【0035】
ステップS1において、設定された速度指令パターンによる開ループ制御が行なわれ、回転軸4は定加速度で回転駆動される。ここで、設定された速度指令パターンとは、時間と回転数とで決められる速度指令パターンである。図4は、回転加速開始後T秒で回転数Nrpmに到達する速度指令パターンを示すグラフである。このような速度指令パターンは汎用インバータで設定できるので、制御部7は比較的単純な構造にすることができる。
【0036】
回転加速中は、回転同期検出器22によって常に回転同期成分の大きさが計算されている。ステップS2において、回転同期成分の大きさが設定値Aよりも小さい場合はステップS7へ移り、回転同期成分の大きさが設定値A以上の場合はステップS3へ移る。
【0037】
ステップS3において、磁気軸受フィードバック制御器23の磁気軸受ゲインが下限値Gminよりも大きければステップS4へ移る。ステップS4において、磁気軸受ゲインを大きさgだけ下げることによって回転同期成分の大きさを小さくし、ステップS5へ移る。ステップS5において、回転同期成分の大きさが設定値Aよりも小さくなっていればステップS1へ戻り、回転同期成分の大きさが設定値A以上であればステップS3へ戻る。ステップS3〜ステップS5の動作を繰り返し、ステップS3において、回転軸4の温度むらなどに起因して、磁気軸受ゲインが下限値Gminまで下がっても回転同期成分の大きさが設定値Aよりも小さくならない場合はステップS6へ移り、回転加速を停止させる。次に、ステップS5へ移り、その回転数もしくはそれより低い回転数で回転同期成分の大きさが設定値Aよりも小さくなるまで一定回転させる。
【0038】
ステップS7において、加速時間がT秒となった時点でステップS8へ移り、磁気軸受ゲインが標準値に戻された後、ステップS9において、開ループ制御から閉ループ制御(モータ駆動フィードバック制御)に切換えられる。
【0039】
なお、回転同期検出器22は、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)のようにすべての周波数成分を計算する必要はなく、回転同期のみの周波数成分の計算を行なうだけでよいため、単なる畳み込み演算になる。制御周期に比べて加速時間は十分に遅い(回転周波数の変化が遅い)ので、1回の制御周期内に1回の畳み込み演算を行なうだけでよい。これにより、計算時間の短縮とメモリの節約が可能となる。たとえば、1回の制御周期内にN点のフーリエ変換を行なう場合、N個のデータを常にメモリに保持する必要があり、各制御周期内に2N回の畳み込み演算をする必要がある。しかし、2N回の制御周期内に2N回の畳み込み演算を行なう、つまり1回の制御周期内に1回の畳み込み演算を行なうことによって、各制御周期内の計算時間は1/2Nに短縮される。また、畳み込まれるデータのみを保持すればよいのでメモリ消費量も少なくなる。ここで、フーリエ変換によって計算するデータ長を常に(回転周波数の整数倍の周期)/(制御周期)となるようにし、回転数が高くなるほど周波数成分の評価間隔が小さくなるようにしている。
【0040】
モータ12が誘導電動機の場合、真空中での運転を仮定すると、滑りがほぼゼロであるため回転軸4の回転数は回転数指令発生器25で指令された回転数とほぼ等しくなるが、チャンバ1内にガスが入っていた場合は、滑りが存在するため開ループ/閉ループ制御切換え時の回転軸4の回転数は回転数指令発生器25で指令された回転数よりも低くなる。この速度偏差分は、閉ループ制御(モータ駆動フィードバック制御)によって補償される。したがって、定格回転数よりも高い回転数指令におけるオーバーシュートによる曲げモードの励起が防止される。
【0041】
また、モータ駆動フィードバック制御器27の積分器の初期値を適切な値に設定することで、開ループ/閉ループ制御切換えをスムーズに行なうことができる。以下に、その理由となる数式を示す。
【0042】
モータ駆動フィードバック制御器27を一般的なPI(比例・積分)制御器とした場合、ラプラス領域で次式が成り立つ。
【0043】
C(s)=KP(1+KI/s) …(1)
ただし、C(s)はPI制御器の伝達関数、KPは比例ゲイン、KIは積 分ゲイン、sはラプラス演算子である。
【0044】
次に、速度偏差をEとすると、次式が成り立つ。
UC=KP(1+KI/s)E …(2)
ただし、UCはPI制御器の出力である。
【0045】
また、時間領域では次式が成り立つ。
【0046】
【数1】
【0047】
次にこの式をサンプリング周期Tで離散化すると、次式が成り立つ。
UC(k)=KPE(k)+KPKIX(k) …(4)
X(k+1)=X(k)+E(k)T …(5)
開ループ制御時は、PI制御器の出力はEに関係なく常に一定値(UC=u)が与えられ、モータは予め定められた速度指令パターンで駆動制御される。したがって、開ループ/閉ループ制御切換え時(k=0)にPI制御器の出力変動がない条件は、以下のようになる。
【0048】
u=UC(0)=KPE(0)+KPKIX(0) …(6)
ゆえに、
X(0)=(u−KPE(0))/KPKI …(7)
仮に、積分器の初期値がゼロ(X(0)=0)に設定されたとすると、開ループ/閉ループ制御切換え時の積分器の出力UCはKPEとなるため、uとの連続性が保証されない。ほとんどの場合は切換えた瞬間に出力が小さくなり、瞬間的に減速してしまう。しかし、積分器の初期値X(0)を上式(7)の値に設定することによって、積分器の出力の連続性が保証され、開ループ/閉ループ制御切換えをスムーズに行なうことができる。図5は、この場合の速度系の応答特性を示すグラフである。回転数は、ガス圧の大小に係らず、オーバーシュートなしで迅速に指令回転数に到達している。これにより、ワインドアップによる不安定化が防止される。
【0049】
図示していないが、開ループ/閉ループ制御切換えの基準を、速度指令パターン終了時に代わって、速度偏差がある一定値以下になった時点としてもよい。
【0050】
また、ステップS2〜ステップS6の代わりに、回転同期成分がある一定の大きさになるように、磁気軸受フィードバック制御してもよい。
【0051】
また、ステップS6で回転加速を停止する代わりに、積分器の初期値をゼロに設定して開ループ/閉ループ制御切換えを行ない、より低い回転数から再加速させてもよい。
【0052】
したがって、この実施の形態では、あらゆるガス圧で短時間かつオーバーシュートが少ない回転数応答の磁気浮上回転装置が実現できる。
【0053】
図6は、この実施の形態の変更例を示すブロック図である。図6を参照して図2と異なる点は、制御部7の磁気軸受フィードバック制御器23およびモータ駆動フィードバック制御器27に代わって、ステップ状の外乱モデルを推定できオブザーバ29,30、およびオブザーバ29,30によって監視制御される状態フィードバックゲイン回路31,32が追加されている点である。この場合も同様に、あらゆるガス圧で短時間かつオーバーシュートが少ない回転数応答が実現できる。
【0054】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る磁気浮上回転装置は、回転体を非接触で回転させる磁気浮上回転装置であって、回転体を非接触で支持する磁気軸受と、回転体の主軸位置変位を検出する位置センサと、位置センサの検出結果に基づいて磁気軸受を制御する磁気軸受制御手段と、回転体を回転させるモータと、回転体の回転数を検出する回転センサと、モータを駆動制御するモータ制御手段とを備える。このモータ制御手段は、回転加速時間および指令回転数によって予め定められた速度指令パターンに従って回転体の回転数が増大するようにモータを駆動制御する開ループ制御手段と、回転センサによって検出された回転体の回転数が目標回転数に一致するようにモータを駆動制御する閉ループ制御手段と、開ループ制御手段から閉ループ制御手段に切換える切換手段とを含む。したがって、あらゆるガス圧で短時間かつオーバーシュートが少ない回転数応答が実現できる。また、このような速度指令パターンは汎用インバータによって設定できるので、モータ駆動装置に汎用インバータを使用することで装置全体の構造を比較的単純にすることができる。
【0056】
好ましくは、切換手段は、予め定められた速度指令パターン終了時に切換動作を行なう。この場合、予め適切な速度指令パターンを設定することによって、サイクル時間が短くかつ安定な制御が実現できる。
【0057】
また、好ましくは、切換手段は、速度偏差が予め定められた値以下になった時に切換動作を行なう。この場合、速度偏差を一定の範囲内に収めることによって、サイクル時間が短くかつ安定な制御が実現できる。
【0058】
また、好ましくは、モータ制御手段は、モータを駆動制御するための積分手段を含む。このモータ制御手段は、切換手段が切換動作を行なうときに積分手段の出力が連続的になるように、積分手段の初期値を予め定める。この場合、開ループ制御から閉ループ制御への切換えがスムーズに行なわれ、さらに安定な制御が実現できる。
【0059】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上になった場合、予め定められた下限値を限度に、予め定められた値だけ磁気軸受ゲインを小さくすることによって回転同期成分の大きさを小さくする。この場合、回転体の振れまわりをある一定の範囲内に収めることによってタッチダウンが防止される。
【0060】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、磁気軸受ゲインを予め定められた下限値まで小さくしても、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上である場合、回転体の回転加速を停止し、同じ回転数もしくはそれより低い回転数で回転させる。この場合、回転加速を一旦停止することによって、さらに条件が悪い場合でもタッチダウンが防止され、安定性が向上する。
【0061】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、磁気軸受ゲインを予め定められた下限値まで小さくしても、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上である場合、モータ制御手段の積分手段の初期値をゼロに設定して、切換手段が切換動作を行なう。この場合、積分手段の初期値をゼロに設定することによって、より低い回転数から再加速させることでタッチダウンが防止される。
【0062】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段は、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上になった場合、回転同期成分の大きさがある一定の大きさになるように磁気軸受ゲインを制御する。この場合、回転体の振れまわりをある一定の範囲内に収めることによってタッチダウンが防止される。
【0063】
また、好ましくは、回転同期成分の大きさは、フーリエ変換理論に基づいて、回転同期の周波数成分のみの畳み込み演算によって算出される。この場合、計算時間の短縮とメモリの節約が可能になる。
【0064】
また、好ましくは、畳み込み演算は、制御周期ごとに計算され、フーリエ変換を計算するデータ長を常に(回転周波数の整数倍の周期)/(制御周期)とする。この場合、回転数が高くなるほど回転同期の周波数成分の評価間隔が小さくなるようにすることで、効率的な計算が可能になる。
【0065】
また、好ましくは、磁気軸受制御手段およびモータ制御手段による制御処理をソフトウエアによって行なう。この場合、制御アルゴリズムを適した内容に容易に書きかえることができ、適切な制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態によるエキシマレーザ装置の要部を示す図である。
【図2】図1に示した磁気浮上回転装置5の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した磁気浮上回転装置5の動作を示すフローチャートである。
【図4】図2に示した磁気浮上回転装置5の速度指令パターンを示すグラフである。
【図5】図2に示した磁気浮上回転装置5の速度系の応答特性を示すグラフである。
【図6】この実施の形態の変更例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 チャンバ、2 ラジエータ、3 ファン、4 回転軸、5 磁気浮上回転装置、6 装置本体、7 制御部、8 磁気軸受、9 ターゲット、10 電磁石、11 位置センサ、12 モータ、13 ロータ、14 ステータ、15 回転センサ、20 オフセット出力器、21,26 加算器、22 回転同期検出器、23 磁気軸受フィードバック制御器、24 アンプ、25 回転数指令発生器、27 モータ駆動フィードバック制御器、28 モータ駆動装置、29,30 オブザーバ、31,32 状態フィードバックゲイン回路。
Claims (11)
- 回転体を非接触で回転させる磁気浮上回転装置であって、
前記回転体を非接触で支持する磁気軸受、
前記回転体の主軸位置変位を検出する位置センサ、
前記位置センサの検出結果に基づいて前記磁気軸受を制御する磁気軸受制御手段、
前記回転体を回転させるモータ、
前記回転体の回転数を検出する回転センサ、および
前記モータを駆動制御するモータ制御手段を備え、
前記モータ制御手段は、
回転加速時間と指令回転数によって予め定められた速度指令パターンに従って前記回転体の回転数が増大するように前記モータを駆動制御する開ループ制御手段、
前記回転センサによって検出された前記回転体の回転数が目標回転数に一致するように前記モータを駆動制御する閉ループ制御手段、および
前記開ループ制御手段から前記閉ループ制御手段に切換える切換手段を含む、磁気浮上回転装置。 - 前記切換手段は、前記予め定められた速度指令パターン終了時に切換動作を行なう、請求項1に記載の磁気浮上回転装置。
- 前記切換手段は、速度偏差が予め定められた値以下になった時に切換動作を行なう、請求項1に記載の磁気浮上回転装置。
- 前記モータ制御手段は、前記モータを駆動制御するための積分手段を含み、
前記モータ制御手段は、前記切換手段が切換動作を行なうときに前記積分手段の出力が連続的になるように、前記積分手段の初期値を予め定める、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の磁気浮上回転装置。 - 前記磁気軸受制御手段は、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上になった場合、予め定められた下限値を限度に、予め定められた値だけ磁気軸受ゲインを小さくすることによって回転同期成分の大きさを小さくする、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の磁気浮上回転装置。
- 前記磁気軸受制御手段は、磁気軸受ゲインを予め定められた下限値まで小さくしても、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上である場合、回転体の回転加速を停止し、同じ回転数もしくはそれより低い回転数で回転させる、請求項5に記載の磁気浮上回転装置。
- 前記磁気軸受制御手段は、磁気軸受ゲインを予め定められた下限値まで小さくしても、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上である場合、モータ制御手段の積分手段の初期値をゼロに設定して前記切換手段が切換動作を行なう、請求項5に記載の磁気浮上回転装置。
- 前記磁気軸受制御手段は、回転同期成分の大きさが予め定められた値以上になった場合、回転同期成分の大きさがある一定の大きさになるように磁気軸受ゲインを制御する、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の磁気浮上回転装置。
- 前記回転同期成分の大きさは、フーリエ変換理論に基づいて、回転同期の周波数成分のみの畳み込み演算によって算出される、請求項5から請求項8までのいずれかに記載の磁気浮上回転装置。
- 前記畳み込み演算は、制御周期ごとに計算され、フーリエ変換を計算するデータ長を常に(回転周波数の整数倍の周期)/(制御周期)とする、請求項9に記載の磁気浮上回転装置。
- 前記磁気軸受制御手段および前記モータ制御手段による制御処理をソフトウエアによって行なう、請求項1から請求項10までのいずれかに記載の磁気浮上回転装置。
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2002
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015115324A1 (ja) * | 2014-01-28 | 2015-08-06 | Ntn株式会社 | ブレーキ付減速機 |
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