JP2004162655A - エンジンの液体燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】LPGなど気化しやすい液体燃料も高温の再始動時にエンジン要求流量を狭いダイナミックレンジの噴射弁で液体の状態で噴射できるようにする。
【解決手段】液体燃料1の供給管路4の噴射弁8接近個所と戻し管路9の遮断弁11下流側とを圧力解放管路16で接続し、エンジン停止時に開閉弁17を開弁して封入液体燃料1がエンジン熱で加熱され蒸発して生じた気相燃料を圧力解放管路16に導入する。 設定圧力以上で高圧逃がし弁18が気相燃料を放出し、圧力低下によって液体燃料1の蒸発を促進させその気化熱を液体燃料1から得ることにより温度上昇、即ち圧力上昇を抑制し再始動を良好に行なわせる。
【選択図】 図1
【解決手段】液体燃料1の供給管路4の噴射弁8接近個所と戻し管路9の遮断弁11下流側とを圧力解放管路16で接続し、エンジン停止時に開閉弁17を開弁して封入液体燃料1がエンジン熱で加熱され蒸発して生じた気相燃料を圧力解放管路16に導入する。 設定圧力以上で高圧逃がし弁18が気相燃料を放出し、圧力低下によって液体燃料1の蒸発を促進させその気化熱を液体燃料1から得ることにより温度上昇、即ち圧力上昇を抑制し再始動を良好に行なわせる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はLPGのように気化しやすい液体燃料を噴射弁より吸気管に噴射してエンジンに供給するのに特に適した液体燃料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体燃料を吸気管に噴射弁により計量噴射してエンジンに供給するシステムは周知である。 ガソリンについては、図2に示すように燃料タンク52に貯留されている液体燃料51をポンプ53で加圧して燃料供給管54より噴射弁55に分配供給し、余剰燃料は圧力調整器57を設けた戻し管56を経て燃料タンク52に戻るようにすることが普通である。一方、気化しやすい液体燃料であるLPGについても、例えば実開昭61−138860号公報、実開昭62−87162号公報、特開昭63−18172号公報に記載されているように、基本的に図2に示したものと同じシステムを使用している。
【0003】
圧力調整器57は吸気管負圧と燃料圧力との圧力差に応じて余剰燃料流量を制御し、噴射弁55の燃料圧力を一定に調整するが、国際公開00−00732号公報に記載されているように燃料タンク圧力や雰囲気圧力に応じて電子制御することにより噴射弁55の燃料圧力を調整することも提案されている。
【0004】
ここで、前記システムにおける噴射弁55に働く燃料圧力を一定とするために、気化しやすい液体燃料であるLPGを使用するものとしている前記国際公開00−00732号公報記載のシステムでは、温度が高く従って燃料タンク52内の圧力が高いときは燃料ポンプ53で加圧した液体燃料51の圧力を低下させ、温度が低く従って燃料タンク52内の圧力が低いときは燃料ポンプ53で加圧した液体燃料51の圧力を上昇させるように圧力調整器57を電子制御し、液体燃料51を気化させることなく液体の状態で噴射弁55より噴射させるようにしている。
【0005】
加えて、前記国際公開00−00732号公報記載のシステムでは、温度によって噴射弁55に働く燃料圧力の変化率を燃料タンク52内の圧力の変化率よりも小さくしていることにより、噴射弁55としてガソリン用噴射弁と同程度のダイナミックレンジをもったものを使用して高い精度の燃料制御が行なえるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記周知の燃料噴射システムをLPGのように気化しやすい液体燃料の噴射に適用した場合、特に燃料タンク52の温度が低く噴射弁55の周囲温度が高い状態でのエンジン再始動時に液体の状態で噴射させるためには燃料ポンプ53で高圧に加圧する必要があり、そのために噴射弁55に働く燃料圧力の変動幅が大きくなって広いダイナミックレンジが要求される、という問題がある。また、LPGを使用する場合、その組成分であるプロパンとブタンとの比率によって大幅に異なる飽和蒸気圧に対処して高温時でも液体の状態で噴射させようとすると、噴射弁55に働く燃料圧力の変動幅が大きくなることを避けられず、従って噴射弁55として広いダイナミックレンジをもつことが要求される。
【0007】
噴射弁55の負担を軽減させる一つの手段として圧力調整器57は有用であるが、燃料圧力を吸気管負圧で制御するものはもとより、電子制御するものによっても燃料圧力の大幅な上昇を押えて狭いダイナミックレンジで要求流量の燃料を液体の状態で噴射させることはきわめて困難である。
【0008】
本発明は噴射弁周囲温度が高く、従って燃料温度が高い状態でエンジンを始動させるとき、燃料を液体の状態で噴射させることがきわめて困難である、という前記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは前記周知の燃料噴射システムに若干の部品を付加する、というきわめて簡単な手段で殊に噴射弁周囲の燃料温度の上昇を抑制し、従って狭いダイナミックレンジの噴射弁を用いてエンジン要求流量の燃料を液体の状態で噴射させることができ、殊にLPGのように気化しやすい液体燃料の噴射を容易に可能とすることに在る。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は燃料タンクの液体燃料を加圧するポンプと、加圧された液体燃料を噴射弁に送る供給管路と、圧力調整器および遮断弁を有し供給管路から分岐して燃料タンクに至る戻し管路とを具えてなるエンジンの液体燃料供給装置がもっている前記課題を次のようにして解決した。
【0010】
即ち、供給管路と戻し管路の遮断弁下流側とを接続した圧力解放管路と、圧力解放管路の供給管路との接続個所近傍に設置した開閉弁と、圧力解放管路の開閉弁下流側に設置した高圧逃し弁とを有する気相保持手段を具えさせた。 そして、開閉弁はエンジン停止時に開弁して供給管路内の液体燃料が気化して生じた気相燃料を圧力解放管路に導入し、高圧逃し弁は気相燃料が設定圧力以上のとき開弁して燃料タンクに放出するが圧力が低下すると閉弁して上流側に気相領域を常時形成するものとした。
【0011】
エンジン運転時に圧力解放管路の殊に開閉弁と高圧逃し弁との間の領域は気相状態であり、エンジンを停止して開閉弁が開弁すると液体燃料が封入されている供給管路と圧力解放管路とが連直する。噴射弁周囲の温度が上昇して液体燃料が加熱され、設定圧力以上になると高圧逃し弁が開弁することによって圧力を低下する。 この圧力低下によって液体燃料の蒸発が行なわれ、気相燃料の発生によって上昇した圧力は気相燃料を高圧逃し弁から放出することによって低下する。蒸発の際の気化熱が供給管路や噴射弁内の液体燃料から与えられるので、前記の繰り返しによってエンジン停止後の燃料温度上昇が抑制される。このことにより、LPGのように気化しやすい液体燃料の殊にエンジン再始動時における噴射を容易なものとする、という目的が達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、図1は液体燃料にLPGを使用する場合についての配置図であって、液体燃料1を貯留した燃料タンク2に内蔵させたポンプ3から延びる燃料導管5の先端が燃料ギャラリ6に接続され、エンジン22の各気筒に接続された吸気管23、即ち吸気マニホルドの各枝管に設置した噴射弁8が燃料ギャラリ6に並列配備されている。燃料導管5と燃料ギャラリ6とは供給管路4を構成するものであり、燃料導管5に遮断弁7が設置されている。
【0013】
燃料ギャラリ6と燃料タンク2の気相部分とを接続する戻し管路9には圧力調整器10と遮断弁11とが設置されている。 圧力調整器10は吸気管負圧により、または電子式制御装置21からの信号により燃料ギャラリ6から噴射弁8に分配供給する液体燃料を所定圧力に調整し、余剰燃料を燃料タンク2に戻すように働く。 また、二つの遮断弁7、11は電磁駆動であって、エンジン22の運転時に開弁し停止時に閉弁するように電子式制御装置21からの信号により作動する。 尚、電子式制御装置21はエンジン22の運転状態に応じたデューティサイクルの駆動信号を噴射弁8に送る。
【0014】
以上は図2に示した従来のものと実質的に同一であって、殊に自動車エンジンの液体燃料噴射システムとして周知である。
【0015】
図1に示した実施の形態において、燃料ギャラリ6と戻し管路9の遮断弁11下流側とは配管16によって接続されている。 この配管16は圧力解放管路であって、燃料ギャラリ6に隣接する部位、即ち配管16の入口に開閉弁17が設置されているとともに、その下流側適所に高圧逃し弁18が設置されている。
これらの圧力解放管路16、開閉弁17、高圧逃し弁18は気相保持手段15を構成するものであり、開閉弁17はエンジン22の運転時に閉弁し停止時に開弁するように電子式制御装置21からの信号により作動する。
【0016】
また、本実施の形態では供給管路4の最も高い個所であって噴射弁8に近い領域である燃料ギャラリ6の頂部に圧力解放管路16を接続しており、後に詳述する液体燃料1が蒸発して発生する気相燃料が円滑に導入されるようになっている。
【0017】
エンジン22が運転されているとき、開閉弁17が閉弁しているため気相保持手段15はポンプ3で加圧した液体燃料を圧力調整器10で所定圧力に調整し噴射弁8から液体の状態で吸気管23に噴射する、という燃料供給機能に何の影響も与えない。 一方、圧力解放管路16の開閉弁17と高圧逃し弁18との間の領域は気相状態であり、高圧逃し弁18の下流側領域は戻し管路9に連直していて一般的には液相と気相との共存状態である。
【0018】
エンジン22を停止すると二つの遮断弁7、11が閉弁し、供給管路4の遮断弁7下流側、噴射弁8、戻し管路9の遮断弁11上流側に液体燃料1が封入される。 また、開閉弁17が開弁することによって燃料ギャラリ6から圧力解放管路16に液体燃料1が流入し、高圧逃し弁18の上流側領域は封入されていた気相と流入した液相とが圧力平衡状態で共存することとなる。
【0019】
エンジン22の停止後はその余熱で噴射弁8などが加熱され、殊に自動車にあってはエンジンルーム内に設置されている燃料ギャラリ6などの配管系も高温下に置かれるので、封入されている液体燃料1が加熱され圧力が上昇する。 この圧力が高圧逃し弁18の設定圧力以上になると高圧逃し弁18が開弁し、液体燃料1の流入によって高圧逃し弁18の入口側に押されていた気体が放出される。圧力が低下すると高圧逃し弁18が閉弁するが、高温の液体燃料1は圧力が低下したことによって蒸発気化し、発生した気相燃料は供給管路4に留ることなくその高所に接続されている圧力解放管路16に流入する。二つの遮断弁7、11と高圧逃し弁18とによって区画された閉鎖領域の圧力は気相燃料の発生と依然として高温であることとによって再び上昇し、高圧逃し弁18が開弁して気相燃料を放出し圧力低下することによって再び液体燃料1の蒸発気化が行なわれる。
【0020】
液体燃料1が蒸発するときの気化熱は供給管路4や噴射弁8に封入されている液体燃料1自身から与えられるので、蒸発と放出を繰り返すことによってエンジン停止後の燃料温度上昇が抑制され、或いは更に燃料温度の低下が促進される。
【0021】
このように、圧力解放管路16の高圧逃し弁18上流側に気相領域を常時形成し、液体燃料1が蒸発して発生した気相燃料を気相領域に導入し燃料タンク1に向けて放出させることにより、気化熱を利用した液体燃料1の温度上昇抑制が自然発生的に行なわれ、従ってエンジン再始動時に温度および圧力が適度に低下した液体燃料1を、噴射弁8として狭いダイナミックレンジのものを使用して安定した液体の状態でエンジン要求流量を噴射させることができるものである。この場合、燃料噴射系を外部から断熱された場所に配備することが望ましい。
【0022】
尚、エンジン停止後に液体燃料1が加熱されることによって到達する最高温度を予測し、この予測最高温度付近に対応する圧力以下で開弁するように高圧逃し弁18を設定することにより、その上流側に気相領域を常時形成し、気相燃料のみを放出して液体燃料1の温度の上昇抑制更には低下を適確に行なわせることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると配管および開閉弁、高圧逃し弁という少ない部品で構成される気相保持手段を付加するだけで、エンジンの高温再始動にあたって狭いダイナミックレンジの噴射弁により要求流量の燃料を液体の状態で噴射しエンジンに供給することができるものであり、殊に気化しやすい液体燃料を使用するエンジンの再始動性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す配置図。
【図2】従来例の概略配置図。
【符号の説明】
1 液体燃料、 2 燃料タンク、 3 ポンプ、 4 供給管路、 8 噴射弁、 9 戻し管路、 10 圧力調整器、 11 遮断弁、 15 気相保持手段、 16 圧力解放管路、 17 開閉弁、 18 高圧逃し弁、 22
エンジン、 23 吸気管
【発明の属する技術分野】
本発明はLPGのように気化しやすい液体燃料を噴射弁より吸気管に噴射してエンジンに供給するのに特に適した液体燃料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体燃料を吸気管に噴射弁により計量噴射してエンジンに供給するシステムは周知である。 ガソリンについては、図2に示すように燃料タンク52に貯留されている液体燃料51をポンプ53で加圧して燃料供給管54より噴射弁55に分配供給し、余剰燃料は圧力調整器57を設けた戻し管56を経て燃料タンク52に戻るようにすることが普通である。一方、気化しやすい液体燃料であるLPGについても、例えば実開昭61−138860号公報、実開昭62−87162号公報、特開昭63−18172号公報に記載されているように、基本的に図2に示したものと同じシステムを使用している。
【0003】
圧力調整器57は吸気管負圧と燃料圧力との圧力差に応じて余剰燃料流量を制御し、噴射弁55の燃料圧力を一定に調整するが、国際公開00−00732号公報に記載されているように燃料タンク圧力や雰囲気圧力に応じて電子制御することにより噴射弁55の燃料圧力を調整することも提案されている。
【0004】
ここで、前記システムにおける噴射弁55に働く燃料圧力を一定とするために、気化しやすい液体燃料であるLPGを使用するものとしている前記国際公開00−00732号公報記載のシステムでは、温度が高く従って燃料タンク52内の圧力が高いときは燃料ポンプ53で加圧した液体燃料51の圧力を低下させ、温度が低く従って燃料タンク52内の圧力が低いときは燃料ポンプ53で加圧した液体燃料51の圧力を上昇させるように圧力調整器57を電子制御し、液体燃料51を気化させることなく液体の状態で噴射弁55より噴射させるようにしている。
【0005】
加えて、前記国際公開00−00732号公報記載のシステムでは、温度によって噴射弁55に働く燃料圧力の変化率を燃料タンク52内の圧力の変化率よりも小さくしていることにより、噴射弁55としてガソリン用噴射弁と同程度のダイナミックレンジをもったものを使用して高い精度の燃料制御が行なえるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記周知の燃料噴射システムをLPGのように気化しやすい液体燃料の噴射に適用した場合、特に燃料タンク52の温度が低く噴射弁55の周囲温度が高い状態でのエンジン再始動時に液体の状態で噴射させるためには燃料ポンプ53で高圧に加圧する必要があり、そのために噴射弁55に働く燃料圧力の変動幅が大きくなって広いダイナミックレンジが要求される、という問題がある。また、LPGを使用する場合、その組成分であるプロパンとブタンとの比率によって大幅に異なる飽和蒸気圧に対処して高温時でも液体の状態で噴射させようとすると、噴射弁55に働く燃料圧力の変動幅が大きくなることを避けられず、従って噴射弁55として広いダイナミックレンジをもつことが要求される。
【0007】
噴射弁55の負担を軽減させる一つの手段として圧力調整器57は有用であるが、燃料圧力を吸気管負圧で制御するものはもとより、電子制御するものによっても燃料圧力の大幅な上昇を押えて狭いダイナミックレンジで要求流量の燃料を液体の状態で噴射させることはきわめて困難である。
【0008】
本発明は噴射弁周囲温度が高く、従って燃料温度が高い状態でエンジンを始動させるとき、燃料を液体の状態で噴射させることがきわめて困難である、という前記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは前記周知の燃料噴射システムに若干の部品を付加する、というきわめて簡単な手段で殊に噴射弁周囲の燃料温度の上昇を抑制し、従って狭いダイナミックレンジの噴射弁を用いてエンジン要求流量の燃料を液体の状態で噴射させることができ、殊にLPGのように気化しやすい液体燃料の噴射を容易に可能とすることに在る。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は燃料タンクの液体燃料を加圧するポンプと、加圧された液体燃料を噴射弁に送る供給管路と、圧力調整器および遮断弁を有し供給管路から分岐して燃料タンクに至る戻し管路とを具えてなるエンジンの液体燃料供給装置がもっている前記課題を次のようにして解決した。
【0010】
即ち、供給管路と戻し管路の遮断弁下流側とを接続した圧力解放管路と、圧力解放管路の供給管路との接続個所近傍に設置した開閉弁と、圧力解放管路の開閉弁下流側に設置した高圧逃し弁とを有する気相保持手段を具えさせた。 そして、開閉弁はエンジン停止時に開弁して供給管路内の液体燃料が気化して生じた気相燃料を圧力解放管路に導入し、高圧逃し弁は気相燃料が設定圧力以上のとき開弁して燃料タンクに放出するが圧力が低下すると閉弁して上流側に気相領域を常時形成するものとした。
【0011】
エンジン運転時に圧力解放管路の殊に開閉弁と高圧逃し弁との間の領域は気相状態であり、エンジンを停止して開閉弁が開弁すると液体燃料が封入されている供給管路と圧力解放管路とが連直する。噴射弁周囲の温度が上昇して液体燃料が加熱され、設定圧力以上になると高圧逃し弁が開弁することによって圧力を低下する。 この圧力低下によって液体燃料の蒸発が行なわれ、気相燃料の発生によって上昇した圧力は気相燃料を高圧逃し弁から放出することによって低下する。蒸発の際の気化熱が供給管路や噴射弁内の液体燃料から与えられるので、前記の繰り返しによってエンジン停止後の燃料温度上昇が抑制される。このことにより、LPGのように気化しやすい液体燃料の殊にエンジン再始動時における噴射を容易なものとする、という目的が達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、図1は液体燃料にLPGを使用する場合についての配置図であって、液体燃料1を貯留した燃料タンク2に内蔵させたポンプ3から延びる燃料導管5の先端が燃料ギャラリ6に接続され、エンジン22の各気筒に接続された吸気管23、即ち吸気マニホルドの各枝管に設置した噴射弁8が燃料ギャラリ6に並列配備されている。燃料導管5と燃料ギャラリ6とは供給管路4を構成するものであり、燃料導管5に遮断弁7が設置されている。
【0013】
燃料ギャラリ6と燃料タンク2の気相部分とを接続する戻し管路9には圧力調整器10と遮断弁11とが設置されている。 圧力調整器10は吸気管負圧により、または電子式制御装置21からの信号により燃料ギャラリ6から噴射弁8に分配供給する液体燃料を所定圧力に調整し、余剰燃料を燃料タンク2に戻すように働く。 また、二つの遮断弁7、11は電磁駆動であって、エンジン22の運転時に開弁し停止時に閉弁するように電子式制御装置21からの信号により作動する。 尚、電子式制御装置21はエンジン22の運転状態に応じたデューティサイクルの駆動信号を噴射弁8に送る。
【0014】
以上は図2に示した従来のものと実質的に同一であって、殊に自動車エンジンの液体燃料噴射システムとして周知である。
【0015】
図1に示した実施の形態において、燃料ギャラリ6と戻し管路9の遮断弁11下流側とは配管16によって接続されている。 この配管16は圧力解放管路であって、燃料ギャラリ6に隣接する部位、即ち配管16の入口に開閉弁17が設置されているとともに、その下流側適所に高圧逃し弁18が設置されている。
これらの圧力解放管路16、開閉弁17、高圧逃し弁18は気相保持手段15を構成するものであり、開閉弁17はエンジン22の運転時に閉弁し停止時に開弁するように電子式制御装置21からの信号により作動する。
【0016】
また、本実施の形態では供給管路4の最も高い個所であって噴射弁8に近い領域である燃料ギャラリ6の頂部に圧力解放管路16を接続しており、後に詳述する液体燃料1が蒸発して発生する気相燃料が円滑に導入されるようになっている。
【0017】
エンジン22が運転されているとき、開閉弁17が閉弁しているため気相保持手段15はポンプ3で加圧した液体燃料を圧力調整器10で所定圧力に調整し噴射弁8から液体の状態で吸気管23に噴射する、という燃料供給機能に何の影響も与えない。 一方、圧力解放管路16の開閉弁17と高圧逃し弁18との間の領域は気相状態であり、高圧逃し弁18の下流側領域は戻し管路9に連直していて一般的には液相と気相との共存状態である。
【0018】
エンジン22を停止すると二つの遮断弁7、11が閉弁し、供給管路4の遮断弁7下流側、噴射弁8、戻し管路9の遮断弁11上流側に液体燃料1が封入される。 また、開閉弁17が開弁することによって燃料ギャラリ6から圧力解放管路16に液体燃料1が流入し、高圧逃し弁18の上流側領域は封入されていた気相と流入した液相とが圧力平衡状態で共存することとなる。
【0019】
エンジン22の停止後はその余熱で噴射弁8などが加熱され、殊に自動車にあってはエンジンルーム内に設置されている燃料ギャラリ6などの配管系も高温下に置かれるので、封入されている液体燃料1が加熱され圧力が上昇する。 この圧力が高圧逃し弁18の設定圧力以上になると高圧逃し弁18が開弁し、液体燃料1の流入によって高圧逃し弁18の入口側に押されていた気体が放出される。圧力が低下すると高圧逃し弁18が閉弁するが、高温の液体燃料1は圧力が低下したことによって蒸発気化し、発生した気相燃料は供給管路4に留ることなくその高所に接続されている圧力解放管路16に流入する。二つの遮断弁7、11と高圧逃し弁18とによって区画された閉鎖領域の圧力は気相燃料の発生と依然として高温であることとによって再び上昇し、高圧逃し弁18が開弁して気相燃料を放出し圧力低下することによって再び液体燃料1の蒸発気化が行なわれる。
【0020】
液体燃料1が蒸発するときの気化熱は供給管路4や噴射弁8に封入されている液体燃料1自身から与えられるので、蒸発と放出を繰り返すことによってエンジン停止後の燃料温度上昇が抑制され、或いは更に燃料温度の低下が促進される。
【0021】
このように、圧力解放管路16の高圧逃し弁18上流側に気相領域を常時形成し、液体燃料1が蒸発して発生した気相燃料を気相領域に導入し燃料タンク1に向けて放出させることにより、気化熱を利用した液体燃料1の温度上昇抑制が自然発生的に行なわれ、従ってエンジン再始動時に温度および圧力が適度に低下した液体燃料1を、噴射弁8として狭いダイナミックレンジのものを使用して安定した液体の状態でエンジン要求流量を噴射させることができるものである。この場合、燃料噴射系を外部から断熱された場所に配備することが望ましい。
【0022】
尚、エンジン停止後に液体燃料1が加熱されることによって到達する最高温度を予測し、この予測最高温度付近に対応する圧力以下で開弁するように高圧逃し弁18を設定することにより、その上流側に気相領域を常時形成し、気相燃料のみを放出して液体燃料1の温度の上昇抑制更には低下を適確に行なわせることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると配管および開閉弁、高圧逃し弁という少ない部品で構成される気相保持手段を付加するだけで、エンジンの高温再始動にあたって狭いダイナミックレンジの噴射弁により要求流量の燃料を液体の状態で噴射しエンジンに供給することができるものであり、殊に気化しやすい液体燃料を使用するエンジンの再始動性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す配置図。
【図2】従来例の概略配置図。
【符号の説明】
1 液体燃料、 2 燃料タンク、 3 ポンプ、 4 供給管路、 8 噴射弁、 9 戻し管路、 10 圧力調整器、 11 遮断弁、 15 気相保持手段、 16 圧力解放管路、 17 開閉弁、 18 高圧逃し弁、 22
エンジン、 23 吸気管
Claims (3)
- 燃料タンクの液体燃料を加圧するポンプと、加圧された液体燃料を噴射弁に送る供給管路と、圧力調整器および遮断弁を有し前記供給管路から分岐して前記燃料タンクに至る戻し管路とを具えてなるエンジンの液体燃料供給装置において、
前記供給管路と前記戻し管路の遮断弁下流側とを接続した圧力解放管路と、前記圧力解放管路の前記供給管路との接続個所近傍に設置した開閉弁と、前記圧力解放管路の開閉弁下流側に設置した高圧逃し弁とを有する気相保持手段を具えており、
前記開閉弁はエンジン停止時に開弁して前記供給管路内の液体燃料が気化して生じた気相燃料を前記圧力解放管路に導入し、前記高圧逃し弁は前記気相燃料が設定圧力以上のとき開弁して前記燃料タンクに放出するが圧力が低下すると閉弁して上流側に気相領域を常時形成するものとされている、
ことを特徴とする液体燃料供給装置。 - 前記圧力解放管路は前記噴射弁に接近し且つ供給管路の最も高い個所に接続されている請求項1に記載したエンジンの液体燃料供給装置。
- 前記高圧逃し弁はエンジン停止後に液体燃料が到達すると予測した最高温度付近に対応する圧力以下で開弁するように設定されている請求項1に記載したエンジンの液体燃料供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002331536A JP2004162655A (ja) | 2002-11-15 | 2002-11-15 | エンジンの液体燃料供給装置 |
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---|---|---|---|---|
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CN100464070C (zh) * | 2005-08-25 | 2009-02-25 | 爱三工业株式会社 | 燃料供给装置 |
KR101252774B1 (ko) | 2011-10-20 | 2013-04-09 | 주식회사 현대케피코 | 연료 공급 시스템 및 그 방법 |
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-
2002
- 2002-11-15 JP JP2002331536A patent/JP2004162655A/ja active Pending
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