JP2004161984A - ポリカルボジイミドのディスパージョン及びその製造法 - Google Patents

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Keisuke Yoshii
敬介 喜井
Takashi Yamamura
隆 山村
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Abstract

【課題】長期にわたり粒子の沈降や分離がなく、安定性に優れたポリカルボジイミドのディスパージョンを提供することを目的とする。
【解決手段】ポリカルボジイミドを分散質とするディスパージョンであって、該ポリカルボジイミドが平均厚さ5μm以下の板状粒子であることを特徴とするディスパージョン。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリカルボジイミドを分散質とする安定なディスパージョンに関する。このディスパージョンは塗料、顔料等として用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
ポリカルボジイミドを分散質とするディスパージョンを得るには、ポリカルボジイミドの製造にあたって得られる反応溶液を貧溶剤に添加し、ポリカルボジイミドの粉末を媒体中に析出させる方法を用いることができる。また、ポリカルボジイミドの乾燥粉末を得て、これをトルエンなどの貧溶剤に分散しディスパージョンとしてもよい。しかしながら、このようなディスパージョンは系の安定性が低く、分散粒子は短時間のうちに沈降して貧溶媒と分離し、一旦沈降した粒子は凝集し再びこれを分散させることは困難である。従来、短時間に沈降や凝集が生ずることなく、長時間にわたり安定なポリカルボジイミドのディスパージョンは得られていない。
【0003】
【発明の目的及び概要】
本発明の目的は、長時間にわたり粒子の沈降や分離がなく安定性に優れたポリカルボジイミドのディスパージョンを提供することにある。本発明者らは、ポリカルボジイミドのディスパージョンについて種々検討を行った結果、分散質であるカルボジイミド粒子を所定の粒子寸法・形状とすることにより安定したディスパージョンが得られることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0004】
すなわち、本発明は分散質が平均厚さ5μm以下の板状のポリカルボジイミド粒子であるディスパージョンを提供するものである。このポリカルボジイミド粒子は、直径が1〜100μmであり、厚さが0.1〜3μmの扁平粒子であるのが好ましい。このポリカルボジイミドは、下式:
【0005】
【化2】
Figure 2004161984
(式中、Rは有機基、nは1〜10000の整数を意味する。)
にて表されるカルボジイミド単位を有するポリマーであるのが好ましい。
【0006】
【発明の詳述】
本発明のディスパージョンの分散質であるポリカルボジイミドは、前記式(I)にて表されるポリカルボジイミドが好ましい。前記式(I)において、Rは芳香族系または脂肪族系の有機基である。
(i)上記の芳香族系有機基としては
【0007】
【化3】
Figure 2004161984
(式中、pは0〜10の整数であり、qは0〜5の整数を意味する。)
で表される置換基が挙げられる。また、上記式中、Xは
【0008】
【化4】
Figure 2004161984
である。また、Xは繰り返し単位中において同一であってもよく、異なっていてもよい。a、b、cおよびdは−H、−CH、−OCH、−CFまたは−OCFであり、同一であってもよく、異なっていてもよい。
(ii)一方、Rが脂肪族系有機基である場合としては
【0009】
【化5】
Figure 2004161984
(式中、rは0〜10の整数を意味する。)
で表される置換基が挙げられる。また、上記式中、Yは
【0010】
【化6】
Figure 2004161984
である。また、Yは繰り返し単位中において同一であってもよく、異なっていてもよい。a、b、c及びdは−H,−CH,−OCH,−CF又は−OCFであり、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0011】
また、式(I)中、nは1〜10,000である。nが10,000を越えると室温ではゲル化時間が短く作業性が低下し好ましくない。
【0012】
(ポリカルボジイミドの製造法)
このようなポリカルボジイミドを得るには、公知の方法を採用し得る。例えばT.W.Campbell et a1. , J.0rg. Chem., 28,2069(l963)、L.M.A1berino etal., J.App1.Po1ym.Sci.,21,1999(l977)、特開平2−292316号、特開平4−275359号などに記載のように有機溶媒中にて有機ジイソシアネートをカルボジイミド化触媒の存在下で反応させることにより容易に得られる。
【0013】
上記ポリカルボジイミドの合成に用いる有機ジイソシアネートとしては、具体的には2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2−ビス[4−(4−イソシアナトフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−イソシアナトフェノキシ)メチル]プロパン、2,2−ジメチル−1,3−ビス (4−イソシアナトフェノキシ)プロパンなどを用いることができる。これらは一種もしくは二種以上を併用(共重合体が得られる)することができる。また、疎水性を与える目的で、一部フッ素基と置換した有機ジイソシアネートを用いてもよい。
【0014】
有機溶媒としては、具体的にはトルエン、キシレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類などを用いることができ、これらは一種もしくは二種以上を併用することができる。
【0015】
カルボジイミド化触媒としては、具体的には、3−メチル−1−フェニルホスホレン−1−オキシド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3−ホスホレン異性体などのホスホレンオキシドを用いることができる。これらは一種もしくは二種以上を併用することができる。
【0016】
また重合反応の末期、中間、初期のいずれか、もしくは全般にわたり、モノイソシアネートを加えて末端封鎖処理をしてもよい。このようなモノイソシアネートとしては、フェニルイソシアネート、p−ニトロフェニルイソシアネート、p−及びm−トリルイソシアネート、p−ホルミルフェニルイソシアネート、p−イソプロピルフェニルイソシアネートなどを用いることができる。
【0017】
(ディスパージョンの調製)
本発明のディスパージョンは、このようにして得られたポリカルボジイミドを微細な分散質として、貧溶剤を含む分散媒中に分散させたものである。
【0018】
分散処理
分散媒にポリカルボジイミドの分散質を安定的に分散するには、ポリカルボジイミドを平均厚さ5μm以下の板状の粒子とする。このポリカルボジイミド粒子は、より好ましくは直径が1〜100μmであり、厚さが0.1〜3μmの扁平粒子である。このような形状の粒子からなるディスパージョンを得るには、ボールミルなどの粉砕装置を用いて適宜の方法により処理することができる。
【0019】
すなわち、合成により得られたポリカルボジイミド溶液を、貧溶剤に添加して粉末を析出させるなどしてディスパージョンを得る。あるいは、これらの溶媒を一旦加熱などにより除去して乾燥粉末を得て、再度この粉末を貧溶媒に分散しディスパージョンを得る。これをボールミル用のビーズと共に粉砕装置で処理して粉末を押し潰し、前記の形状を有する扁平な粒子を含むディスパージョンとする。
ボールミル用ビーズは、アルミナ、ジルコニアなどのセラミック、または金属などの球状粒子からなる。かかるビーズの大きさは種々で一般には直径0.1〜10mmのものが用いられるが、本発明のディスパージョンの製造には直径0.5〜10mmのものが好ましい。
【0020】
ディスパージョンをかかるボールミルにて処理する具体的な操作の一例としては、円筒形の容器に、ポリカルボジイミド粒子、貧溶剤、ボールミル用ビーズを投入し、回転機により回転数30〜300rpmにて1時間〜5日間の処理を行う。また、湿式攪拌粉砕・分散機などの装置を用いて、衝撃力と剪断力により高速かつ高度に粉砕してもよい。このような湿式攪拌粉砕・分散機の具体例としては、日本アイリッヒ社製アドバンティスVCR200、コトブキ技研工業社製ケムコ・アペックスミルV型、シンマルエンタープライゼス社のDYNO-MILLなどの装置を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
ディスパージョン中のポリカルボジイミド濃度は、用いる貧溶剤の種類にもよるが、1〜70重量%が好ましく、より好ましくは5〜60重量%である。これよりポリマー濃度が低いとディスパージョンが不安定となり、粉末が沈降して系が分離する。一方、濃度がこれより高いとディスパージョンの流動性が損なわれる。
粉砕処理は1〜10時間行うのが好ましい。粉砕の過程の観察によれば、処理前には球形又は回転楕円体で表面のいびつな粒子が衝撃によりつぶされて円盤状となっていく。その後、徐々に円盤状の粒子の厚さが減少し、次第にこの円盤が割れるように微粒子化する。処理時間が1時間より短いと、粉砕が充分でなく粗大な粒子が残る。また、10時間以上処理しても、それ以上の微細化は困難である。
【0022】
貧溶剤
ここで用いる貧溶剤は特に限定されず、前記の有機溶媒以外の溶剤が用いられる。好ましくは水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの非プロトン性極性溶媒などを単独あるいは混合して用いることができる。
【0023】
(分散剤)
また、ディスパージョンの安定性向上のため、分散剤を併用してもよい。このような分散剤としては、有機スルホン酸塩類、分子内にエーテル結合またはカルボニル基を有する重合体などを用いることができる。
【0024】
かかる有機スルホン酸塩としては、アルカンスルホン酸類,アルカンジスルホン酸類、アルカントリスルホン酸類などの脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩や、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸類、アルキルベンゼンジスルホン酸類、アルキルベンゼントリスルホン酸類、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸類、アルキルジナフタレンスルホン酸類、アルキルトリナフタレンスルホン酸類などの芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩や、ポリビニルスルホン酸やその共重合体、ポリスチレンスルホン酸やその共重合体などのポリマースルホン酸のアルカリ金属塩などが使用できる。
【0025】
また、分子内にエーテル結合またはカルボニル基を有する重合体としては、ポリエーテル類やその共重合体、あるいはポリビニルピロリドンまたはその共重合体などが挙げられる。
【0026】
ディスパージョン中の分散剤の濃度は、用いる貧溶剤の種類によるが、0.01〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜5重量%である。これより濃度が小さいと、ディスパージョンの安定性が向上しない。逆に濃度がこれより高いと、泡立ちなどにより良好なディスパージョンを得ることが困難である。分散剤は合成したポリカルボジイミド溶液に予め添加してもよく、使用する貧溶剤に予め添加してもよい。また、調製したディスパージョンに後から添加してもよい。
【0027】
また、ディスパージョン中のポリカルボジイミド粒子の粒径を制御するため、得られたディスパージョンを濾過し粗大な粒子を除去してもよい。
本発明のディスパージョンに含まれる粒子の平均厚さは5μm以下であり、好ましくは直径1〜100μm、厚さ0.1〜3μmの扁平粒子である。なお、所望によりポリカルボジイミドを架橋してもよい。
ポリカルボジイミド粒子の直径が100μmを超えると、ディスパージョン中の粒子が沈降しやすくなり、ディスパージョンの安定性が損なわれる。また、厚さが3μmを超えると、やはり、ディスパージョン中の粒子が沈降しやすくなり、ディスパージョンの安定性が損なわれる。なお、直径1μm以下、厚さ0.1μm以下のポリカルボジイミド粒子を作製することは困難である。
このディスパージョンは塗料、顔料等に用いることができ、ハケ塗り、スプレー塗布、対象物を浸漬する方法などが採用できる。
【0028】
【実施例】
つぎに本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明する。
(実施例I−1)
タケネート80(武田薬品工業(株)製:2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート混合物)1000gをカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニルホスホレン−1−オキシド)0.6gとイソプロピルフェニルイソシアネート100gと共にトルエン5000g中に投入し、100℃にて6時間反応させ、ポリカルボジイミド溶液を得た。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により分子量を測定したところ、n=25であった。この溶液を攪拌下、水(5000g)中に滴下し、ポリカルボジイミドを析出させ、ついで、分液ロートを用いてトルエン成分を除去した。分離して得た原料液4000gを湿式攪拌粉砕・分散機(アドバンティスVCR200、日本アイリッヒ社製)を用いて、ローター回転数1280rpm、ボールミル用ビーズをジルコニア粒子(直径0.5mm、4000g)として30分間分散処理し、ポリカルボジイミドのディスパージョンを得た。なお、ディスパージョン中における水とポリカルボジイミド粒子の重量割合は75:25であった。
【0029】
得られたディスパージョンは1日後も安定に分散状態を保っていた。さらに1週間後ディスパージョン中の粒子の沈降が見られたが、攪拌により容易に良好な分散状態に復元した。
このディスパージョン中の粒子をSEM(走査型電子顕微鏡;日立製作所製S−4000)で観察したところ、直径5〜40μm、平均厚さ約1μmのほぼ円形の板状粒子が観察された(図1)。
【0030】
(実施例I−2)
タケネート80に代えて4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いた以外は実施例1と同様の操作を行いディスパージョンを得た。得られたディスパージョンは1日後も安定で、実施例1と同様にSEM観察を行ったところ、平均厚さ1〜2μmのほぼ円形の板状粒子が観察された。なお、このディズパージョン中における水とポリカルボジイミド粒子の重量割合は75:25であった。
【0031】
(実施例I−3)
実施例I−1において、分散処理を3時間まで行いディスパージョンを得た。得られたディスパージョンは1日後も安定であった。実施例1と同様にSEM観察を行ったところ、平均厚さ約1μmのほぼ円形の板状粒子が観察された(図2)。
【0032】
(実施例I−4)
実施例I−1にて得られたポリカルボジイミドを含む原液200gをポリエチレン製の円筒サンプル瓶(1000ml用)に投入した。これに、アルミナ粒子(直径2mm)200g投入し、ふたをしてボールミルにより3日間回転(2rpm)させて粉砕処理した。得られたディスパージョンは1日後も安定であった。前記と同様にSEM観察を行ったところ、平均厚さ3μmのほぼ円形の板状粒子が観察された。
【0033】
(実施例II―1)
実施例I−1と同様にしてディスパージョンを得た。ただし、湿式攪拌分散機として日本アイリッヒ社製、アドバンティスVCR200を用い、ボールミル用ビーズとして直径0.75mmのジルコニア粒子を4000g用い、ローター回転数を1280rpmにて3時間の処理を行いポリカルボジイミドのディスパージョンを得た。得られたディスパージョンは1日後も安定に分散状態を保っていた。さらに1週間後ディスパージョン中の粒子の沈降が見られたが、攪拌により容易に良好な分散状態に復元した。このディスパージョン中の粒子をSEM(走査型電子顕微鏡;日立製作所製S−4000)で観察したところ、直径1〜40μm、平均厚さ約0.5〜1μmの扁平な粒子が観察された(図3)。
【0034】
(実施例II−2)
実施例II−1にて得られたポリカルボジイミドを含む原液から水分を乾燥させ、ポリカルボジイミドの粉末を得た。このポリカルボジイミド粉末200gを、イオン交換水1500gに入れ、これを湿式攪拌・分散機(シンマルエンタープライゼス社製 DYNO−MILL TYPE KDL)を用いて、直径1.5mmのジルコニア粒子を1730g用いた。ローター回転数は4500rpmとした。この処理を4時間行い、ポリカルボジイミドからなるディスパージョンを得た。得られたディスパージョンは1日後も安定に分散状態を保っていた。さらに1週間後ディスパージョン中の粒子の沈降が見られたが、攪拌により容易に良好な分散状態に復元した。このディスパージョン中の粒子をSEM観察(日立製作所製 S-4000)で観察したところ、直径1.5〜15μm、厚さ約0.2〜1μmの扁平状の粒子が観察された(図4)。
【0035】
(比較例II−1)
実施例II−1で、分散処理を行わずに得たディスパージョンは、1日後には粒子と水が分離していた。SEM観察したところ、2μm〜100μmの径の塊状の粒子が観察された(図5)。
【0036】
(比較例II−2)
実施例II−1で得られたポリカルボジイミドを含む原液から水分を乾燥させ、ポリカルボジイミドの粉末を得た。このポリカルボジイミド粉末200gを、イオン交換水1500gに入れ、これを湿式撹拌・分散機(シンマルエンタープライゼス社製 DYNO−MILL TYPE KDL)を用いて、直径1.0mmのジルコニア粒子を1730g用いた。ローター回転数は4500rpmとした。この処理を2分間行い、ポリカルボジイミドからなるディスパージョンを得た。得られたディスパージョンは30分後に水相とディスパージョン相に分離を始め、安定な状態のディスパージョンとはいえないものであった。このディスパージョン中の粒子をSEM観察(日立製作所製 S-4000)で観察したところ、直径10〜130μm、厚さ約1〜4μmの扁平状の粒子が観察された。
【0037】
【発明の効果】
本発明のポリカルボジイミドのディスパージョンは長期間にわたり沈降、凝集が生ずることなく安定である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例I−1のディスパージョン中の粒子状態を示すSEM写真である。
【図2】実施例I−3のディスパージョン中の粒子状態を示すSEM写真である。
【図3】実施例II−1のディスパージョン中の粒子状態を示すSEM写真である。
【図4】実施例II−2のディスパージョン中の粒子状態を示すSEM写真である。
【図5】比較例II−1のディスパージョン中の粒子状態を示すSEM写真である。

Claims (4)

  1. 分散質が平均厚さ5μm以下の板状のポリカルボジイミド粒子であるディスパージョン。
  2. ポリカルボジイミド粒子の直径が1〜100μmであり、厚さが0.1〜3μmの扁平粒子である請求項1のディスパージョン。
  3. ポリカルボジイミドが下式(I):
    Figure 2004161984
    (式中、Rは有機基、nは1〜10000の整数を意味する。)
    にて表されるカルボジイミド単位を有する請求項1又は2のディスパージョン。
  4. 溶媒中にて製造したポリカルボジイミドを貧溶媒にて処理してポリカルボジイミドを析出させ、得られた粒子を分散粉砕処理することを特徴とする請求項1又は2のディスパージョンの製造法。
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