JP2004161511A - 溶融金属浴中の軸受 - Google Patents

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Shigesada Sugiyama
茂禎 杉山
Shigeyuki Hamayoshi
繁幸 濱吉
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信悟 野上
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Abstract

【課題】耐熱衝撃性、強度に優れ、高速通板に対しても小さい摺動抵抗で追従することができる溶融金属浴中の軸受を提供する。
【解決手段】溶融金属浴中に浸漬配置される軸受において、窒化ケイ素を主成分とする焼結体からなり、該焼結体はアルミニウムの含有量が0.2重量%以下、酸素の含有量が5.0重量%以下であり、常温における熱伝導率が60W/(m・K)以上であることを特徴とする。窒化ケイ素を主成分とする焼結体は、常温における4点曲げ強度が700MPa以上である。また摩擦係数が0.2以下であることが望ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板に亜鉛やアルミニウム等の溶融金属めっきを施す際に連続溶融金属浴中に浸漬して用いられるロール、特にシンクロールやサポートロールの軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から連続溶融金属めっきラインのめっき浴としては、図1に示す装置が用いられている。図1において、溶融金属めっき浴1内には、めっきを施す鋼板2を連続して通板するためのシンクロール3、及び一対のサポートロール4が設置されている。シンクロール3は、溶融金属めっき浴1の底部に配置され、浴中に送られてきた鋼板2の進行方向を上方の浴面側に変えるものである。通常、シンクロール3の回転動力は、鋼板の走行移動によって駆動トルクが付与される。一対のサポートロール4は、シンクロール3を通過した後の浴面に近い位置に設けられ、外部のモーターによりスピンドルを介して駆動される。この一対のサポートロール4は、鋼板2を挟み込んで鋼板2のパスラインを保ち、シンクロール3を通過した際に生じる鋼板2の反りを矯正する作用を行う。溶融金属めっき浴1の上方部には、めっき厚を均一に制御するために一対のノズル5が設置されている。
【0003】
シンクロール3やサポートロール4の軸受としては、滑り軸受や転がり軸受が用いられている。図2は、シンクロール3の軸受として用いられている滑り軸受の一例を示す図であり、シンクロール3のロール軸3aは、アーム6に設けた軸受7で支持する構成になっている。そして、ロール軸3aは、円筒状の軸受7の内周面と幅Eにわたって接触しながら摺動回転する。軸受7は、溶融金属を潤滑剤として使用するために、軸受7の内径はロール軸3aの外径より大きくして、ロール軸3aと隙間Dが生じるようにしている。また、ロール軸3aと摺動接触する軸受7は、溶融金属に対して耐食性、かつ耐摩耗性のある材質から作られている。この軸受7としては、Cr鋼,Ni−Cr鋼、低炭素鋼等の溶融金属に対する耐食性の高い合金鋼やセラミックスを使用したり、あるいはこれらの材質の表面に耐食性合金やセラミックスを溶射したものが使用されていた。なお、ロール軸3aの材質は、一般にはステンレス鋼が用いられている。
【0004】
軸受7は溶融金属による侵食と機械的すべりとの相乗作用により、実質的に負荷を受ける上部の摩耗が著しく早いため、通常2週間程度の短周期でロール3を溶融金属めっき浴1から引き上げて軸受7の交換が行われおり、生産性低下、保守費用増大を招いていた。さらに、軸受7の摩耗により回転振動が発生すると、ノズル5と鋼板2との間隔を一定に保つことができなくなり、鋼板2に均一な膜厚のめっきを施すことができなくなるという課題があった。また、サポートロール4の軸受にガタツキが発生すると、その回転中心軸が偏心しながら回転するために鋼板2に振動を与え、この振動によりノズル5と鋼板2との間隔が変動し、均一なめっき層を形成できなくなる不具合も発生していた。特に、近年のめっき速度の高速化に対して、このようなめっき品質の低下は大きな課題となっていた。
【0005】
上記の課題に対して、軸受のセラミックス化が検討され、耐摩耗性の点において性能の向上が図られている。
【0006】
例えば、特許文献1には、溶融金属中で軸受に支持されて回転するロールにおいて、軸及び軸受の摺動面の少なくとも一方が溶融金属と濡れるセラミックスで構成されている連続溶融金属めっき用装置が記載されている。そのセラミックスとして窒化ケイ素、サイアロン、炭化ケイ素などが挙げられている。
【0007】
また、特許文献2には、軸と摺動する内面側の形状を曲面としたブロック状のセラミックスを、軸受が負荷を受ける方向にのみ部分的に配置した連続溶融金属めっき浴中ロール用すべり軸受が記載されている。そのセラミックスとして窒化ケイ素、サイアロンなどが挙げられている。
【0008】
【特許文献1】
特開平3−79746号公報
【特許文献2】
特開平6−306560号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような溶融金属浴中で用いられる従来のセラミックス製軸受は、特に耐熱衝撃性が十分といえず、軸受が破壊しやすく耐用寿命が短いという問題があった。そこで、本発明は耐熱衝撃性、強度に優れ、高速通板に対しても小さい摺動抵抗で追従することができる溶融金属浴中の軸受を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶融金属浴中に浸漬配置される軸受において、窒化ケイ素を主成分とする焼結体からなり、該焼結体はアルミニウムの含有量が0.2重量%以下、酸素の含有量が5.0重量%以下であり、常温における熱伝導率が60W/(m・K)以上であることを特徴とする。
【0011】
前記本発明において、窒化ケイ素を主成分とする焼結体は、常温における4点曲げ強度が700MPa以上であることを特徴とする。また、窒化ケイ素を主成分とする焼結体は、摩擦係数が0.2以下であることを特徴とする。
【0012】
本発明は溶融金属浴中の軸受を形成する材料自体の熱伝導率を高めることにより、実際の浴中での使用において急昇温、急冷却による熱が軸受の表面を経て内部まで速く到達して耐熱衝撃性が高まる。通常の窒化ケイ素系焼結体は、常温における熱伝導率が高々30W/(m・K)程度であるが、本発明における窒化ケイ素系焼結体は、焼結体中に不純物として存在するアルミニウムおよび酸素の含有量を低減することにより、好ましくは焼結体中のアルミニウムの含有量が0.2重量%以下、酸素の含有量が5.0重量%以下とすることにより、常温における熱伝導率が60W/(m・K)以上を達成することができる。焼結体中の酸素の含有量は3.0重量%以下がより好ましい。
【0013】
窒化ケイ素系焼結体中に不純物として存在する異種イオン、特にアルミニウム、酸素はフォノン散乱源となり熱伝導率を低減させる。窒化ケイ素系焼結体は、窒化ケイ素粒子相とその周囲の粒界相とから構成され、アルミニウムおよび酸素はこれら二相にそれぞれ含有される。アルミニウムは、窒化ケイ素の構成元素であるケイ素のイオン半径に近いため窒化ケイ素粒子内に容易に固溶する。アルミニウムの固溶により窒化ケイ素粒子自身の熱伝導率が低下し、結果として焼結体の熱伝導率が著しく低下する。
【0014】
また、焼結助剤として主に酸化物を添加するため、酸素の多くは粒界相成分として存在する。焼結体の高熱伝導化を達成するには、主相の窒化ケイ素粒子に比べて熱伝導率が低い粒界相の量を低減することが肝要であり、焼結助剤成分の添加量を相対密度85%以上の焼結体が得られる量を最小限とし、酸素量を低減させることが必要である。
【0015】
また、窒化ケイ素系焼結体中の窒化ケイ素粒子の性状を最適化することにより、使用中の機械的応力および衝撃に十分に耐えられる曲げ強度を得ることができる。窒化ケイ素系焼結体中のβ型窒化ケイ素粒子のうち、短軸径5μm以上のβ型窒化ケイ素粒子の割合が、10体積%以上では焼結体の熱伝導率は向上するが、組織中に導入された粗大粒子が破壊の起点として作用するため破壊強度が著しく低下し、700MPa以上の曲げ強度が得られない。したがって、窒化ケイ素系焼結体中のβ型窒化ケイ素粒子のうち、短軸径5μm以上のβ型窒化ケイ素粒子の割合が10体積%未満であることが好ましい。同様に、組織中に導入された粗大粒子が破壊の起点として作用することを抑えるために、β型窒化ケイ素粒子のアスペクト比が15以下であることが好ましい。
【0016】
軸受を形成する窒化ケイ素を主成分とする焼結体は、摩擦係数が0.2以下であることが望ましい。摩擦係数を0.2以下とすることにより、高速通板に対しても小さい摺動抵抗で追従することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の溶融金属浴中用の軸受の製造方法について説明する。平均粒径0.5μmの窒化ケイ素粉末に、焼結助剤として、平均粒径0.2μmの酸化マグネシウム粉末を3.0重量%、平均粒径2.0μmの酸化イットリウム粉末を3.0重量%添加し、適量の分散剤を加えエタノール中で粉砕、混合した。ついで、噴霧乾燥後、篩を通して造粒した後、ゴム型に充填し、静水圧により冷間静水圧プレス(CIP)を行い、所定形状の軸受となる成形体を作製した。この成形体を1950℃、60気圧の窒素ガス雰囲気中で5時間焼成し、本発明の窒化ケイ素系セラミックス焼結体からなる溶融金属浴中用の軸受を得た。
【0018】
得られた窒化ケイ素系焼結体から、直径10mm×厚さ3mmの熱伝導率および密度測定用の試験片、縦3mm×横4mm×長さ40mmの4点曲げ試験片を採取した。密度はJIS R2205に基づいてアルキメデス法から求めた。相対密度はJIS R2205に準拠したアルキメデス法により実測密度を求めこれを計算により算出した理論密度で除した値とした。熱伝導率はレーザーフラッシュ法JIS R1611に準拠して常温での比熱および熱拡散率を測定し熱伝導率を算出した。4点曲げ強度は常温にてJIS R1601に準拠して測定を行った。また、窒化ケイ素粒子の体積%は、焼結体をフッ化水素酸にて粒界ガラス相を溶出することにより、窒化ケイ素粒子を個々に取り出しSEM観察して求めた。本発明では、面積%の値を体積%として評価した。窒化ケイ素質焼結体中のアルミニウム含有量は誘導プラズマ発光分析法(略称ICP法)により、酸素含有量は赤外線吸収法により測定した。
【0019】
本発明の窒化ケイ素系焼結体からなる溶融金属浴中用の軸受は、相対密度が99.2%、常温における熱伝導率が70W/(m・K)、常温における4点曲げ強度が940MPaであった。また、窒化ケイ素系焼結体中のアルミニウムの含有量が0.01重量%、酸素の含有量が0.01重量%、窒化ケイ素系焼結体中のβ型窒化ケイ素粒子のうち短軸径が5μm以上のβ型窒化ケイ素粒子の割合が2体積%であった。
【0020】
この本発明の窒化ケイ素系焼結体からなる溶融金属浴中用の軸受をシンクロール用軸受として、連続溶融金属めっき装置において、板厚が2mm、板幅が1300mmのSUS300系ステンレス鋼板を亜鉛めっき処理したところ、約1ヶ月の連続使用後、軸受は侵食、摩耗が殆ど見られなく耐用寿命が著しく向上したことを確認できた。また、ロール軸との摺動抵抗を低減できロールが回転しやすく、起動および鋼板の走行速度の変化に良好に追従し、さらに摩耗によるロールや鋼板の振動の発生を抑えられるので高品質なめっき特性の鋼板が得られた。また、耐溶損性が良好であるとともに、熱伝導率が60W/(m・K)以上であるため軸受の表面に亀裂は見られず耐熱衝撃性に優れることを確認できた。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、高い熱伝導率を有する窒化ケイ素系材料で溶融金属浴中に浸漬配置される軸受を構成することにより、軸受が破壊し難く耐用寿命の長い軸受を提供することができる。そして、高速通板速度に正常に追従することができるので鋼板のめっき品質の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融金属めっき浴の構成を示す説明図である。
【図2】溶融金属めっき浴に使用されている滑り軸受の構造の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1:溶融金属めっき浴、 2:鋼板、 3:シンクロール、
3a:ロール軸、 4:サポートロール、 5:ノズル、
6:アーム、 7:軸受、 8:軸受

Claims (3)

  1. 溶融金属浴中に浸漬配置される軸受において、窒化ケイ素を主成分とする焼結体からなり、該焼結体はアルミニウムの含有量が0.2重量%以下、酸素の含有量が5.0重量%以下であり、常温における熱伝導率が60W/(m・K)以上であることを特徴とする溶融金属浴中の軸受。
  2. 前記窒化ケイ素を主成分とする焼結体は、常温における4点曲げ強度が700MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属浴中の軸受。
  3. 前記窒化ケイ素を主成分とする焼結体は、摩擦係数が0.2以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶融金属浴中の軸受。
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