【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CBN、ダイヤなどの硬質砥粒を帯状の帯鋼からなる工具本体の一辺に固着保持することによって、切断加工に使用する電着バンドソーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコンインゴットなどの高価な被削材を加工する場合、切断代が小さくかつ薄く切れる工具が要求される。従来工具としては、丸刃タイプの内局刃あるいは外周刃にダイヤ砥粒を電着したダイヤモンドソーが良く使用される。一般に丸刃タイプの内周刃の直径は、被削材の大きさの3倍を要するので、主として小形の被削物の切断に用いられてきた。また、電着バンドソーは、セラミックスなどの高脆材や焼き入れ鋼などの高硬度材を切断するのに用いられている。また、シリコンインゴットの大径化(例えば、従来直径8インチから12インチへの拡大)に伴い、設備コストの観点より、電着バンドソーによる加工が注目を浴びている。刃部にダイヤモンド又はCBN等の硬質砥粒を固着した電着バンドソーはSKS、SUS等の薄い帯鋼を歪み取り、腰入れ、背盛り等を行った後、所定長さに切断して端部をプラズマ溶接等で無端のバンド状にしている。さらには、バンドソーの長手方向に曲率を与える等している(例えば、特許文献1参照)。しかし、従来の電着バンドソーの加工は、小形の被削物の切断に用いられており、大形被削物は、加工精度が得られないという問題があった。
【0003】
【特許文献1】
特許第2681106号公報(従来の技術、作用)
【0004】
電着バンドソーによる加工は、電着バンドソーを一対のプーリーもしくは、3点のプーリに巻架し、張力を加え高速(周速1000m/min)に走行させ、被削材を切断する方法である。シリコンインゴットなどの高価な被削材を加工する場合、切断代を小さくするために、バンドソー10の厚みを薄くしなければならないことや被削材が難削であること及び大径化することにより、従来に比べ数倍もの加工応力が加わるため、剛性向上のため帯鋼の幅を広くする必要がある。図4(a)に示すように、電着バンドソー10を巻架する一組のプーリー11,12は、高速走行の安定性を図るため、図4(c)に示すようにプーリー11,12外周面13の中央13aの径が大きくなるように所定のクラウン14が設けられている。このときのバンドソーにかかる応力を考えると図4(d)のようになる。なお、図4は誇張してある。
【0005】
図4(b)(d)において、ダイヤバンドソー10に加わる応力はσAは、σA=σt+σb+σuと表され、σt:トルク伝達のための引っ張り応力、σb:プーリの曲げによる曲げ応力、σu:プーリのクラウンにより発生する付加的集中応力である。引っ張り応力と曲げ応力は機械の諸元で決まるが、クラウン14による集中応力はバンドソー10の幅Wが幅広になる程幅方向のσuの差が大きくなり、幅方向端である刃部15の応力(テンション)が小さくなる。すなわち、帯鋼の幅Wが大きくなる程、刃部15とプーリー11,12中心位置13aでの応力の差が大きくなり、中央部の応力は強く、刃部15は弱くなり、刃部での張りがなくなり加工精度が出ないという問題があった。加えてシリコンインゴットは難削で大径のため、従来の電着バンドソーに比ベプーリーとの密着力を向上させる必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、前述したように、バンドソー10を幅方向に湾曲形状となる腰入れ、即ち、帯鋼(バンド)の中央部を長くして、刃部15及び刃部の反対側の辺である背側16にテンションを集中してかけ、プーリー11,12への密着性をあげ高負荷に耐えるようにする腰入れを行い、バンドソーがプーリーのクラウンに沿うようにして、幅方向の応力を均一にするのがよい。また、背側16を刃部15より長手方向に長くして、刃部側にさらにテンションをかけ精度のよい切断をするいわゆる背盛りを行い、背側の張りを弱め、刃部の張りを強めるようにし、さらには特許文献1のようにプーリーに沿うように長手方向に曲率を与えるのがよい。
【0007】
しかしながら、腰入れ作業は、ローラ等でバンドソーの中央を長手方向に押し当てる等して行うが、この腰入れ作業は、断面が円弧でもあり、さらに、手作業であり、熟練が必要とされ、また、ばらつきも大きく、適切な寸法で精度のよい均一な形状とすることが非常に困難であった。本発明の課題はかかる従来の問題点に鑑みて、適切な寸法で精度のよい均一な形状の腰入れを行った電着バンドソーを提供し、さらには、幅広のシリコンインゴットの切断に適した電着バンドソーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
本発明においては、帯鋼の一辺に硬質砥粒を固着した電着バンドソーにおいて、前記帯鋼の一方の面の幅方向中央部の長手方向に沿って凹部を設けた電着バンドソーを提供することにより前述した課題を解決した。即ち、バンドソーを湾曲させるのではなく凹部を設けることにより、中央部の肉厚を薄くして、あたかも腰入れにより湾曲させた場合と同様の応力状態を得ることができる。設けられた凹部の形状は幅と深さにより容易に決定でき、かつ測定できるので、機械加工も可能であり、特に、帯鋼の幅が30mm以上幅広のものでも加工が容易で加工精度も高いものができる。プーリーへの取り付けにあたっては、凹部側がプーリー外周面に接触するようにすることによりバンドソーに無理な内部応力がかからない。
【0008】
前記凹部は、一方の面でなく両方の面でもよい(請求項2)。帯鋼の厚みが厚い場合等には両面とすることにより加工が容易、応力が均一化し、変形も均一化する。また、使用にあたって、プーリーへの取付の際の表裏を考慮する必要がない。また、適当なタイミングで表裏を裏返して使用することにより寿命を延ばすことも可能である。
【0009】
前記凹部の幅は前記帯鋼の幅の30%以上50%以下、かつ、前記凹部の深さは前記帯鋼の板厚の10%以上20%以下、(両方の面を加工する場合は両面の合計)とするのが好ましい(請求項3(請求項4))。凹部の幅が帯鋼の幅の30%未満では、ほとんど変形せず、50%超では、全体の強度が下がり、腰入れの効果がない。また、凹部の深さが板厚の10%未満では、ほとんど変形せず、20%超では、引っ張り応力が下がり所定の強度を保てないからである。
【0010】
さらに、従来と同様に背盛りを行うのがよい。そこで、請求項3に記載の発明においては、前記硬質砥粒が固着された帯鋼の刃部と反対側の背側を長手方向に沿って0.05%以上0.2%以下延ばした背盛りを行うのがよい。延びが0.05%未満では、引っ張り応力が小さく、0.2%超では刃部側に過大な力がかかるからである。なお、凹部の断面形状は四角断面が好ましいが、台形、三角、円弧断面等でもよいことは言うまでもない。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態を示す帯鋼の一方の面に凹部を有する電着バンドソーの概略図で、(a)は両端を省略した凹部側からみた電着バンドソーの側面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。電着バンドソー1は、帯状のばね鋼あるいは、ステンレス鋼を指定長さに切り出し本体2とし、両端を溶接してエンドレス状とし、刃部を形成させるために、一側端より長手方向に対して直角方向に向けて、適当な幅に硬質砥粒3をニッケルめっき等にて本体である帯鋼の一辺2aに固着させ、刃部4とする。刃部4を形成後にプーリーに巻架し、加工をおこなう。特に、本発明においては、硬質砥粒3の固着後(あるいは固着前)にプーリーに巻架される電着バンドソー1の本体2の幅方向中央部の長手方向に沿って凹部5を設けている。この凹部5は、例えば、電着バンドソーの刃部4を形成後に本体2の中央部を長手方向に渡り、ローラで押しつけることにより得られる。さらに、本体2の刃部側4と反対側の背側6を伸ばす背伸ばしが施されている。
【0012】
図3は、電着バンドソーをプーリーにかけた場合の電着バンドソーにかかる応力の説明図であり、(a)は従来の矩形断面の電着バンドソー、(b)及び(c)は本発明の電着バンドソーにかかる応力の概念図である。前述した図4(d)で述べたように凹部を有しない断面矩形の従来の電着バンドソーの応力はプーリー11,12のクラウニング14により中央にテンション(応力)がかかり、図3(a)に示すように、刃部側15、背側16共にテンションが低くなっている。これに対し、本発明の凹部を有する電着バンドソーでは、図3(b)に示すように、応力は刃部4と背側6で中央部(凹部5)より大きくなり、プーリーヘの密着力が向上する。更に、本体の背側6を軽くローラで押しつけ背伸ばしをした場合は、図3(c)に示すようになり、テンションがさらに刃部側4で大きくなり被削材を精度良く切断できる。特に、被削材が難削の場合や大径品の場合、効果は顕著である。
【0013】
【実施例】
かかる、電着バンドソー1において、帯鋼(本体)2の板厚Tを0.5mm、幅Wを50mm、全長3480mm、刃部の高さHを2.5mm、凹部5の幅Aを20mm、凹部5の深さBを0.08mmとし、さらに、本体2の背側6を刃部側4の長手方向長さより0.1%延ばした本発明品と、同寸法、同材質で凹部及び背のばし、腰入れを行わない従来の電着バンドソーとを用いて比較切断試験をおこなった。その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
表1に示すように、従来の電着バンドソーでは切断中のバンドの振れが0.06mmであるのに対し、本発明品においては、0.01mmと振れが1/6と、小さくなり、プーリーへの密着性が向上している。また、テンションが大きくなり、加工面形状(うねり)は、従来品が0.5mmに対し、本発明品は0.06mmと、うねりが約1/8となり、加工精度が向上している。図2は電着バンドソーの本体の両側の面に凹部を形成した場合の断面図である。前述した図1と同様なので同符号を付し説明を省略する。
【0016】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明においては、電着バンドソーの一方の面の幅方向中央部の長手方向に沿って凹部を設けることにより、容易に従来の腰入れと同様の効果を得られ、しかも、凹部の形状は幅と深さにより容易に決定、測定でき、機械加工も可能であり、経験と感による従来の熟練作業を要しないものとなった。さらに、加工、測定が容易なので、所望の腰入れに必要な寸法を容易に特定でき、適切な寸法で、均一な形状、精度の電着バンドソーを提供するものとなった。さらに、電着バンドソーの幅が30mm以上の幅広のものでも確実に加工でき、シリコンインゴットの切断に適した幅広の電着バンドソーを提供するものとなった。また、加工負荷によるバンドの変動を軽減させることができ、寿命向上の効果を奏することができるものとなった。
【0017】
凹部を両方の面に設ければ、加工容易、応力、変形が均一化し、表裏を考慮する必要がなく、より作業が容易となる。また、凹部の幅、深さを所定の寸法に確実に加工できるので、均一あるいは安定した切断加工ができる。さらに、従来の背盛り等を行うことにより、電着バンドソーの刃部側のテンションを上げ、切断精度を向上できる等の効果を奏するものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す帯鋼の一方の面に凹部を有する電着バンドソーの概略図で、(a)は両端を省略した凹部側からみた電着バンドソーの側面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す帯鋼の両方の面に凹部を有する電着バンドソーの断面図である。
【図3】電着バンドソーをプーリーにかけた場合の電着バンドソーにかかる応力の概念図であり、(a)は従来の矩形断面の電着バンドソー、(b)及び(c)は本発明の電着バンドソーにかかる応力の概念図である。
【図4】電着バンドソーに加わる応力の説明図であり、(a)はバンドソーを2ヶのプーリーに懸架した状態の力の説明図、(b)は幅方向からみたバンドソーに加わる応力の説明図、(c)はプーリーの断面説明図(特に誇張している)、(d)は長手方向から見たバンドソーの断面の応力状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電着バンドソー
2 帯鋼(本体)
2a 帯鋼の一辺
2b 帯鋼の一方の面
3 硬質砥粒
4 刃部
5 凹部
6 背側
A 凹部の幅
B 凹部の深さ
T 帯鋼(本体)の板厚
W 帯鋼(本体)の幅[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an electrodeposited band saw used for cutting by fixing and holding hard abrasive grains such as CBN and diamond to one side of a tool body made of a strip-shaped steel strip.
[0002]
[Prior art]
When processing an expensive work material such as a silicon ingot, a tool that has a small cutting margin and can be cut thinly is required. As a conventional tool, a diamond saw in which diamond abrasive grains are electrodeposited on a round blade type internal or external blade is often used. Generally, the diameter of the inner peripheral blade of the round blade type needs to be three times the size of the work material, and therefore, it has been mainly used for cutting small work pieces. Electroplated band saws are used to cut highly brittle materials such as ceramics and hard materials such as hardened steel. In addition, with the increase in the diameter of the silicon ingot (for example, the conventional diameter is increased from 8 inches to 12 inches), processing using an electrodeposited band saw has attracted attention from the viewpoint of equipment cost. An electrodeposited band saw with a hard abrasive grain such as diamond or CBN fixed to the blade is used to remove a thin strip of steel such as SKS or SUS, insert it into the back, perform back embossing, etc., cut it to a predetermined length, and cut the end. Is formed into an endless band by plasma welding or the like. Furthermore, a curvature is given in the longitudinal direction of the band saw (for example, see Patent Document 1). However, the conventional processing of an electrodeposited band saw is used for cutting a small work, and there is a problem that a large work cannot obtain the processing accuracy.
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 2681106 (conventional technology and operation)
[0004]
The processing by the electrodeposited band saw is a method of winding the electrodeposited band saw on a pair of pulleys or three pulleys, applying tension, and running at a high speed (a peripheral speed of 1000 m / min) to cut the work material. When processing an expensive work material such as a silicon ingot, the thickness of the band saw 10 must be reduced in order to reduce the cutting margin, and the work material is difficult to cut and the diameter is increased. Since several times more processing stress is applied than in the past, it is necessary to increase the width of the steel strip in order to improve rigidity. As shown in FIG. 4 (a), a pair of pulleys 11 and 12 around which the electrodeposited band saw 10 is wound have outer periphery of the pulleys 11 and 12 as shown in FIG. A predetermined crown 14 is provided so that the diameter of the center 13a of the surface 13 is increased. FIG. 4D shows the stress applied to the band saw at this time. FIG. 4 is exaggerated.
[0005]
4 (b) and 4 (d), the stress applied to the diamond band saw 10 is expressed as σA = σt + σb + σu, σt: tensile stress for torque transmission, σb: bending stress due to bending of the pulley, σu: pulley of the pulley The additional concentrated stress generated by the crown. Although the tensile stress and the bending stress are determined by the specifications of the machine, the difference in the σu in the width direction increases as the width W of the band saw 10 increases as the concentrated stress due to the crown 14 increases. (Tension) is reduced. That is, as the width W of the steel strip increases, the difference in stress between the blade portion 15 and the center position 13a of the pulleys 11 and 12 increases, the stress at the central portion increases, the blade portion 15 decreases, and the blade portion 15 decreases. There is a problem that the tension is lost and the processing accuracy cannot be obtained. In addition, since silicon ingots are difficult to cut and have large diameters, it is necessary to improve the adhesion between the conventional electrodeposition band saw and the pulley.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, as described above, the band saw 10 is bent into a curved shape in the width direction, that is, the central portion of the steel band (band) is lengthened, and the blade portion 15 and the dorsal side opposite to the blade portion are provided. A tension is applied to the pulleys 16 so that the pulleys 11 and 12 are firmly attached to the pulleys 11 and 12 so as to withstand a high load. Is good. In addition, the back side 16 is made longer in the longitudinal direction than the blade section 15, so-called back embossing is performed to further apply tension to the blade section side and perform accurate cutting, thereby reducing the back side tension and increasing the blade section tension. It is preferable to provide a curvature in the longitudinal direction along the pulley as in Patent Document 1.
[0007]
However, the waist-in work is performed by pressing the center of the band saw in the longitudinal direction with a roller or the like, but this waist-in work is also an arc-shaped cross section, and is also a manual work, and requires skill, In addition, the dispersion is large, and it is very difficult to form a precise and uniform shape with appropriate dimensions. In view of the conventional problems, an object of the present invention is to provide an electrodeposited band saw in which an appropriate size and accuracy and a uniform shape are set, and furthermore, an electrode suitable for cutting a wide silicon ingot. To provide a band saw.
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, there is provided an electrodeposited band saw in which hard abrasive grains are fixed to one side of a band steel, wherein a concave portion is provided along a longitudinal direction of a width direction central portion of one surface of the band steel. Solved the above-mentioned problem. That is, by providing the concave portion instead of bending the band saw, the thickness of the central portion can be reduced, and the same stress state as when the band saw is bent by sitting down can be obtained. Since the shape of the provided concave portion can be easily determined and measured by the width and depth, machining is also possible. Particularly, even when the width of the strip is 30 mm or more, the processing is easy and the processing accuracy is high. Things can be done. When attaching the band saw to the pulley, the concave side is brought into contact with the outer peripheral surface of the pulley, so that unnecessary internal stress is not applied to the band saw.
[0008]
The recess may be on both surfaces instead of one surface (claim 2). When the thickness of the steel strip is large, for example, by using both sides, processing is easy, stress is uniform, and deformation is uniform. Moreover, in use, it is not necessary to consider the front and back when attaching to the pulley. In addition, the life can be extended by turning over the front and back at an appropriate timing.
[0009]
The width of the concave portion is 30% or more and 50% or less of the width of the steel strip, and the depth of the concave portion is 10% or more and 20% or less of the thickness of the steel band. Is preferable (claim 3 (claim 4)). If the width of the concave portion is less than 30% of the width of the steel strip, it hardly deforms, and if it exceeds 50%, the overall strength is reduced and there is no stiffening effect. Further, when the depth of the concave portion is less than 10% of the plate thickness, it hardly deforms, and when it exceeds 20%, the tensile stress decreases and the predetermined strength cannot be maintained.
[0010]
Further, it is preferable to perform the back embossing as in the related art. Therefore, in the invention according to claim 3, the back side opposite to the blade portion of the steel strip to which the hard abrasive grains are fixed is extended along the longitudinal direction by 0.05% or more and 0.2% or less. It is good to serve. If the elongation is less than 0.05%, the tensile stress is small, and if it exceeds 0.2%, an excessive force is applied to the blade portion side. The cross-sectional shape of the concave portion is preferably a square cross-section, but it goes without saying that a trapezoidal, triangular, circular-arc cross-section, or the like may be used.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a schematic view of an electrodeposited band saw having a concave portion on one surface of a steel strip according to an embodiment of the present invention. FIG. 1A is a side view of the electrodeposited band saw viewed from the concave side with both ends omitted. () Is a sectional view taken along line AA of (a). The electrodeposited band saw 1 is formed by cutting a band-shaped spring steel or stainless steel into a specified length to form a main body 2 and welding both ends to an endless shape to form a blade portion. Hard abrasive grains 3 having a suitable width are fixed to one side 2a of the steel strip, which is the main body, by nickel plating or the like toward the right angle direction to form blade portions 4. After forming the blade portion 4, it is wound around a pulley and processed. In particular, in the present invention, after the hard abrasive grains 3 are fixed (or before fixing), the concave portion 5 is provided along the longitudinal direction of the center portion in the width direction of the main body 2 of the electrodeposited band saw 1 wound around the pulley. . The concave portion 5 can be obtained, for example, by forming the blade portion 4 of the electrodeposited band saw, pressing the central portion of the main body 2 in the longitudinal direction, and pressing with a roller. Further, the back is extended so as to extend the back side 6 opposite to the blade side 4 of the main body 2.
[0012]
3A and 3B are explanatory diagrams of stress applied to the electrodeposited band saw when the electrodeposited band saw is applied to the pulley, wherein FIG. 3A shows a conventional electrodeposited band saw having a rectangular cross section, and FIGS. It is a conceptual diagram of the stress applied to a wearing band saw. As described above with reference to FIG. 4D, the stress of the conventional electrodeposited band saw having a rectangular cross section without a concave portion is tensioned at the center by the crowning 14 of the pulleys 11 and 12, and as shown in FIG. As shown, both the blade portion side 15 and the back side 16 have low tension. On the other hand, in the electrodeposited band saw having the concave portion according to the present invention, as shown in FIG. 3B, the stress is larger at the blade portion 4 and the back side 6 than at the central portion (recess portion 5), and the adhesion force to the pulley is reduced. improves. Further, when the back side 6 of the main body is gently pressed by a roller and stretched out, the state becomes as shown in FIG. 3C, the tension further increases on the blade side 4 and the work material can be cut with high precision. In particular, when the work material is difficult-to-cut or a large-diameter product, the effect is remarkable.
[0013]
【Example】
In such an electrodeposited band saw 1, the thickness T of the steel strip (body) 2 is 0.5 mm, the width W is 50 mm, the total length is 3480 mm, the height H of the blade portion is 2.5 mm, the width A of the concave portion 5 is 20 mm, The depth B of the concave portion 5 is set to 0.08 mm, and the back side 6 of the main body 2 is extended by 0.1% from the longitudinal length of the blade portion side 4. A comparative cutting test was performed using a conventional electrodeposited band saw that did not extend or sit down. Table 1 shows the results.
[0014]
[Table 1]
[0015]
As shown in Table 1, the runout of the band during cutting was 0.06 mm in the conventional electrodeposited band saw, whereas the runout in the product of the present invention was 0.01 mm and the runout was reduced to 1/6. The adhesion to the surface has been improved. Further, the tension is increased, and the processed surface shape (undulation) is 0.5 mm for the conventional product and 0.06 mm for the product of the present invention. FIG. 2 is a sectional view in the case where concave portions are formed on both sides of the main body of the electrodeposited band saw. Since it is the same as that of FIG.
[0016]
【The invention's effect】
As described above, in the present invention, by providing the concave portion along the longitudinal direction of the central portion in the width direction of one surface of the electrodeposited band saw, it is possible to easily obtain the same effect as the conventional squatting, and The shape of the concave portion can be easily determined and measured based on the width and the depth, and can be machined, so that the conventional skill work based on experience and feeling is not required. Furthermore, since processing and measurement are easy, dimensions required for desired squatting can be easily specified, and an electrodeposited band saw having appropriate dimensions, uniform shape and accuracy has been provided. Furthermore, even a wide electrodeposited band saw having a width of 30 mm or more can be reliably processed, and a wide electrodeposited band saw suitable for cutting a silicon ingot has been provided. Further, the fluctuation of the band due to the processing load can be reduced, and the effect of improving the life can be achieved.
[0017]
If the concave portions are provided on both surfaces, workability, stress and deformation are made uniform, and there is no need to consider the front and back sides, and the work becomes easier. In addition, since the width and depth of the recess can be reliably processed to predetermined dimensions, uniform or stable cutting can be performed. Further, by performing conventional back embossing and the like, the tension on the blade portion side of the electrodeposited band saw is increased, and effects such as an improvement in cutting accuracy are achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of an electrodeposited band saw having a concave portion on one surface of a steel strip according to an embodiment of the present invention. FIG. 1 (a) is a side view of the electrodeposited band saw viewed from the concave side with both ends omitted. (b) is a sectional view taken along line AA of (a).
FIG. 2 is a cross-sectional view of an electrodeposited band saw having concave portions on both surfaces of a steel strip according to another embodiment of the present invention.
3A and 3B are conceptual diagrams of stress applied to an electrodeposited band saw when the electrodeposited band saw is applied to a pulley, where FIG. 3A is a conventional electrodeposited band saw having a rectangular cross section, and FIGS. It is a conceptual diagram of the stress applied to a wearing band saw.
4A and 4B are explanatory diagrams of stress applied to an electrodeposited band saw. FIG. 4A is an explanatory diagram of a force in a state where the band saw is suspended on two pulleys, and FIG. 4B is an explanatory diagram of a stress applied to the band saw viewed from a width direction. FIG. 1C is an explanatory view (particularly exaggerated) of a cross section of the pulley, and FIG. 2D is an explanatory view showing a stress state of a cross section of the band saw viewed from the longitudinal direction.
[Explanation of symbols]
1 Electroplated band saw 2 Strip steel (body)
2a One side of the strip 2b One surface of the strip 3 Hard abrasive grains 4 Blade 5 Recess 6 Back side A Width of the recess B Depth T of the recess T Thickness of the strip (main body) W Width of the strip (main body)