JP2004159588A - 無細胞タンパク質合成用胚芽の選別方法及び無細胞タンパク質合成用胚芽抽出物の製造方法 - Google Patents

無細胞タンパク質合成用胚芽の選別方法及び無細胞タンパク質合成用胚芽抽出物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工業的に効率よく無細胞タンパク質合成用胚芽を選別する方法、及
び、合成効率の高い無細胞タンパク質合成用胚芽抽出物を効率よく製造する方
法を提供する。
【解決手段】胚芽及び胚乳粉砕物を含む植物種子粉砕物から、近赤外吸光特性の違いに基づいて胚芽の選別を行うことを特徴とする無細胞タンパク質合成用胚芽の選別方法、及び、植物種子の粉砕、植物胚芽の選別、洗浄、微粉砕及び抽出工程を有する無細胞タンパク質合成用胚芽抽出物の製造方法であって、該選別工程において、植物種子粉砕物から近赤外吸光特性の違いに基づいて胚芽の選別が行われることを特徴とする無細胞タンパク質合成用胚芽抽出物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無細胞タンパク質合成用胚芽の選別方法及び無細胞タンパク質合成用胚芽抽出物の製造方法に関し、更に詳しくは、近赤外吸光特性に基づいて工業的に効率よく無細胞タンパク質合成用胚芽を選別する方法及び合成効率の高い無細胞タンパク質合成用胚芽抽出物を効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
細胞内でおこなわれているタンパク質の合成反応は、まず遺伝情報をもつDNAからその情報がmRNAに転写され、そしてリボソームがそのmRNAの情報を翻訳して、タンパク質を合成するという工程で進行している。現在、この細胞内におけるタンパク質合成を試験管等の生体外で行う方法としては、例えばリボソームを生物体から抽出し、これらを用いて試験管内で無細胞タンパク質合成法の研究が盛んに行われている(特許文献1〜5等参照)。これらの方法には、リボソームの原料として、大腸菌、胚芽、家兎網状赤血球などが用いられてきた。
【0003】
無細胞タンパク質合成系は、ペプチド合成反応速度と翻訳反応の正確性において生細胞に匹敵する性能を保持し、かつ目的とするタンパク質を複雑な精製工程を実施することなく得ることができる有用な方法である。そのため、該合成系をより有用に産業上に適用するため、合成効率の向上に関するいくつかの発明が開示されてきた。しかし、産業上の有用性向上のためには、合成効率のみならず、合成系に使用する各種の物質を安定に高品質を保持して大量に供給することが必要である。
【0004】
従来、無細胞系におけるタンパク質の合成効率低下現象については、主に次の三つの原因が考えられている。すなわち、(1)生物体からの細胞液抽出操作に伴うタンパク質合成因子の活性低下、(2)in vitro合成反応中に、タンパク質合成に関与する種々因子の活性や基質濃度の低下、(3)上記(1)と(2)で生じる結果が複合して翻訳活性が低下する等である。
【0005】
スピリン(A. S. Spirin)らは、従来の方法で調製した無細胞タンパク質合成系に、原料であるアミノ酸とATP、GTPを限外ろ過膜を介して連続的に供給することによって(連続式無細胞系)、反応時間を20時間以上にわたって持続させることに成功し、従来の20倍を越えるタンパク質合成収量を達成したと報告している(非特許文献1)。また、横山らは、濃縮した大腸菌抽出液を含む反応液を透析膜を用いる連続式無細胞合成を試み、CATやRasなど比較的小分子のタンパク質を反応系1ml当たり3〜5mgの高収量で合成することに成功している(非特許文献2)。
【0006】
これらの成果は、上記(2)の基質濃度の低下が無細胞系におけるタンパク質合成効率低下現象の一因であることを示している。言い換えると、アミノ酸やエネルギー源の低下を防ぐ(反応中の基質濃度低下には混在するそれら基質の代謝酵素群も関与すると考えられる)と同時に、AMPやGMPなどの代謝産物の蓄積を排除することによって、タンパク質合成効率が上昇したものと説明できる。
【0007】
一方、ヒマ種子に含まれる細胞毒素タンパク質であるライシンのリボソーム不活性化機構の研究から、植物の産生している一群の抗ウイルスタンパク質がライシンA鎖と同一のRNA N−グリコシダーゼであることが判明している(非特許文献3)。この酵素は、リボソームに作用し、そのRNA(大腸菌では23SrRNA、真核生物では28S rRNA)のペプチド鎖伸長因子が結合する特定部位に存在する1個のN−グリコシド結合の加水分解を触媒するリボソーム不活性化酵素(RIP)で、この反応の結果、リボソームは1分子のアデニンの解離によってペプチド鎖伸長機能を消失する(非特許文献4)。コムギ種子の胚乳にはトリチンと名付けられたRNA N−グリコシダーゼが大量に存在している(非特許文献5)。また、抗菌物質として単離されたチオニンと呼ばれるタンパク質がムギをはじめ植物界に広く分布することが知られていたが、最近コムギチオニンが胚乳に局在すること、このタンパク質が翻訳開始反応を阻害することによって、タンパク質合成を強く阻害することが明らかにされた(非特許文献6及び7)。更に、小麦種子の胚乳には、RNA分解酵素、DNA分解酵素やタンパク質分解酵素等が高濃度に含まれている。
【0008】
従来、無細胞タンパク質合成用のコムギ胚芽の調製は、エリクソンとブローベルら(非特許文献8)の方法によって行われていたが、この方法では、タンパク質合成阻害物質を含む胚乳の混入が不可避であった。
そこで、上記(1)の改善手段として、特許文献6には、無細胞タンパク質合成系において、細胞破壊に伴って誘発される活性阻害因子であって、核酸合成及び/又はタンパク質合成の活性を阻害する因子である活性阻害因子の活性化を抑制することにより、反応効率を上昇させたタンパク質の合成方法が記載されている。この公報では、活性阻害因子の活性化を抑制する方法として、それをタンパク質合成系から除去する手段、タンパク質合成系内でその活性化を阻害する手段が例示されているが、一般にタンパク質合成系から活性阻害因子を選択的に除去することは困難であることから、特異的阻害剤を使用する手段を推奨している。具体的には、コムギ胚芽に存在するトリチンと呼ばれる阻害因子をトリチン抗体によって抑制している。
【0009】
また、特許文献7には、コムギ種子の胚乳に局在するタンパク質合成反応を阻害する上記の様な内因性の特異的阻害物質を、機械的、化学的処理により排除することが記載されている。この方法では、胚乳を含まない胚芽を得るために、水溶液中で超音波処理を行っている。
植物種子から無細胞タンパク質合成用細胞抽出物を得る方法としては、通常、植物種子を粉砕し、篩、重液選別、目視等により外皮、胚乳画分を取り除いて粗胚芽画分を取得し、洗浄により胚乳成分を除去した後、粉砕、抽出分離する方法が行われている。
【0010】
しかしながら、植物種子粉砕物には胚芽や細かく粉砕された外皮や胚乳が混在しているため、目視等により胚芽のみを選別することは難しく、また時間がかかり、大量の胚芽を短時間で大量に取得することは困難である。
短時間で大量の胚芽選別を可能とするための方法として、本発明者らは、色彩の違い、あるいは形状の違いによる胚芽の選別方法を開発し先に提案した(特許文献8)。しかしながら、色彩選別により胚芽を選別するためには、胚芽の色彩と胚芽以外の種子粉砕物(胚乳、外皮等の粉砕物)の色彩にある程度以上の差があることが必要である。したがって、胚芽の色彩と胚芽以外の種子粉砕物との色彩の差が小さい品種の種子に対しては色彩の違いによる胚芽選別は困難である。また、形状選別により胚芽を選別するためには胚芽の形状と胚芽以外の種子粉砕物(胚乳、外皮等の粉砕物)の形状にある程度以上の差があることが必要である。しかし、植物の品種によっては両者に顕著な差が現れるような粉砕条件が得られない場合があり、そのような場合には精度の良い選別は困難である。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−98790号公報
【特許文献2】
特開平6−225783号公報
【特許文献3】
特開平7−194号公報
【特許文献4】
特開平9−291号公報
【特許文献5】
特開平7−147992号公報
【特許文献6】
特開平7−203984号公報
【特許文献7】
特開2000−236896号公報
【特許文献8】
特願2002−141141号明細書
【非特許文献1】
A. S. Spirin et al. (1988), Science, 242, 1162−1164 )
【非特許文献2】
木川ら、第21回日本分子生物学会、WID6
【非特許文献3】
Y. Endo et al. (1988) Biochim. Biophys. Acta, 954, 224−226
【非特許文献4】
Y. Endo et al. (1992), TIBS, 17, 266−269
【非特許文献5】
W. K. Roberts et al.(1989) Biochemistry, 18, 2615−2621
【非特許文献6】
J. Brummer et al. (1994) Eur. J. Biochem., 219, 425−433,
【非特許文献7】
P. Hughes et al. (1997) Plant Physiol., 114, 1568
【非特許文献8】
A. H. Erikson and G. Blobel(1983), Methods in Enzymol., 96, 38−50
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、無細胞タンパク質合成系に使用する胚芽細胞抽出物の効率的かつ工業的な製造方法の提供等を目的としてなされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、近赤外吸光特性の違いに基づいて植物胚芽の選別を行うことにより、植物種子の粉砕物から胚芽を短時間で精度よく大量に取得でき、これにより無細胞タンパク質合成用の細胞抽出物が効率的に製造可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明の要旨の第1は、(1)胚芽及び胚乳粉砕物を含む植物種子粉砕物から、近赤外吸光特性の違いに基づいて胚芽の選別を行うことを特徴とする無細胞タンパク質合成用胚芽の選別方法に存する。
また本発明の要旨の第2は、(2)植物種子の粉砕、植物胚芽の選別、洗浄、微粉砕及び抽出工程を含む無細胞タンパク質合成用胚芽抽出物の製造方法であって、該選別工程において、植物種子粉砕物から近赤外吸光特性の違いに基づいて胚芽の選別が行われることを特徴とする方法に存する。
【0015】
これらの発明の好ましい態様によれば、(3)近赤外吸光特性の違いに基づく胚芽の選別が、近赤外選別機を用いて行われる上記方法、(4)近赤外選別機が、少なくとも、植物種子破砕物片の近赤外吸光特性を取得する手段、得られた吸光特性から植物種子破砕物片の近赤外吸光特性の違いを判別する手段、得られた近赤外吸光特性の違いに基づいて基準値より外れたもの又は基準値内のものを選別排除する手段を有する装置である上記(3)に記載の方法が提供される。
【0016】
これらの発明において、近赤外吸光特性の違いは、(5)植物種子破砕物の波長700nm乃至2500nm迄の近赤外線反射スペクトルの違いである、または、(6)植物種子破砕物の波長700nm乃至2500nm迄の近赤外線透過スペクトルの違いであることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明に使用することができる植物種子としては、通常、コムギ、オオムギ、イネ等のイネ科の植物から選択される植物の種子が挙げられる。これらの中でも、本発明に好適な植物種子として、コムギ又はオオムギが挙げられ、特に好適なものとしてコムギが挙げられる。
【0018】
本発明においては、植物種子から無傷の胚芽を主成分とする胚芽画分を取得する。ここで、無傷の胚芽とは、少なくとも発芽能を有する胚芽を意味し、胚芽画分とは、無傷の胚芽を主要成分とするものであり、これを用いて無細胞タンパク質合成に使用しうる胚芽抽出物が調製可能なものを意味する。植物種子に含まれる胚芽の量は少なく、種子から胚芽を効率的に取得するためには、胚芽以外の部分をできるだけ除去しておくことが好ましい。通常、まず、植物種子に機械的な力を加えることにより種子粉砕物、即ち胚芽、胚乳破砕物、外皮破砕物を含む混合物を得、該混合物から、胚乳破砕物、外皮破砕物等を取り除いて粗胚芽画分(胚芽を主成分とし、胚乳破砕物、外皮破砕物を含む混合物)を得る。
【0019】
植物種子に加える機械的な力は、植物種子から胚芽を分離することができる程度の強さであればよい。通常は、公知の粉砕装置を用いて、植物種子を粉砕することにより、胚芽、胚乳破砕物、外皮破砕物を含む混合物を得る。なお、本明細書において、これら各成分やそれらの混合物を単に「植物種子粉砕物」と称することがある。
【0020】
植物種子の粉砕は、通常公知の粉砕装置を用いて行うことができるが、ピンミル、ハンマーミル等の被粉砕物に対して衝撃力を加えるタイプの粉砕装置を用いることが好ましい。粉砕の程度は、使用する植物種子胚芽の大きさに応じて適宜選択すればよい。例えばコムギ種子の場合は、通常、最大長さ4mm以下、好ましくは最大長さ2mm以下の大きさに粉砕する。また、粉砕は乾式で行うのが好ましい。
【0021】
次いで、得られた植物種子粉砕物から、通常公知の分級装置、例えば、篩を用いて粗胚芽画分を取得する。例えば、コムギ種子の場合、通常、メッシュサイズ0.5mm〜2.0mm、好ましくは0.7mm〜1.4mmの粗胚芽画分を取得する。さらに、必要に応じて、得られた粗胚芽画分に含まれる外皮、胚乳、ゴミ等を風力、静電気力を利用して除去してもよい。
【0022】
また、胚芽と外皮、胚乳の比重の違いを利用する方法、例えば重液選別により、粗胚芽画分を得ることもできる。より多くの胚芽を含有する粗胚芽画分を得るために、上記の方法を複数組み合わせてもよい。
胚芽は、胚芽以外の部分よりも硬いために、上記粉砕処理の際も胚芽以外の部分は粉砕されるが、胚芽は粉砕されずその形状を保ったまま分離される。
【0023】
本発明においては、上記のようにして得られた胚芽、胚乳破砕物、外皮破砕物等を含む粗胚芽画分から、近赤外吸光特性の違いに基づいて胚芽を選別することが好ましい。粗胚芽画分を得ずに種子粉砕物から直接胚芽を選別することもできるが、種子粉砕物は胚芽以外の成分を大量に含んでいるため、効率的ではない。
【0024】
粗胚芽画分、例えばコムギ種子の粗胚芽画分の場合、図1に示すように、胚芽と胚芽以外の粉砕物とではその近赤外吸光特性が異なっているため、この違いを利用して、胚芽と胚芽以外の粉砕物とを分別することができる。
図1は胚芽と胚芽以外の粉砕物を分光光度計(ニレコ、NIR Systems 6500)を用いて近赤外吸光特性を測定した結果である。測定は石英ガラスセルを用いた反射測定であり、グラフの縦軸は見かけの吸光度である。胚芽は胚芽以外の粉砕物と比較して、例えば図1中矢印で示す位置(例えば波長:1734nm、2180nm、2320nm等)に特に特徴のある吸光特性を持っている。これらはそれぞれ脂質あるいは蛋白質に由来する吸光特性であるが、胚芽は胚乳や外皮と比較して脂質や蛋白質の含有率が高いためこれらの波長域に吸光度のピークが現れると考えられる。したがって、この吸光特性の違いを判別してそれに基づき胚芽と胚芽以外の粉砕物を選別することができる。
【0025】
ここで、近赤外吸光特性の違いは、近赤外反射スペクトルの違いであても、近赤外透過スペクトルの違いであってもよい。これら吸光特性の違いを判別するための波長帯域は、通常700nm乃至2500nm、好ましくは1700nm乃至2500nmが適当である。
上記した近赤外吸光特性に基づく胚芽の選別は、通常近赤外選別機を用いて行われる。これにより植物種子の粉砕物から胚芽を短時間で精度よく大量に選別することができる。
【0026】
使用することのできる近赤外選別機としては、近赤外吸光特性の違いを利用して胚芽を選別する機能を有するものであれば如何なるものであってもよい。例えば、少なくとも、植物種子粉砕物片の近赤外吸光特性を取得する手段、得られた吸光特性から植物種子破砕物片の近赤外吸光特性の違いを判別する手段、得られた近赤外吸光特性の違いに基づいて基準値より外れたもの又は基準値内のものを選別排除する手段を有する装置を挙げることができる。
【0027】
具体的には、例えば、粗胚芽画分をベルト上に供給し、ベルトによって搬送されている粗胚芽画分に対して、ハロゲンランプ等により近赤外光を照射し、粗胚芽画分からの反射光をInGaAsアレイセンサー等の受光センサーにより吸光特性を取得する。この場合、搬送用のベルトは吸光度測定のバックグランドとなるため、ベルトの材質には近赤外光の反射率の低いものを使用する。
【0028】
得られた吸光特性から植物種子粉砕物の吸光特性の違いを判別する。得られた吸光特性から信号処理により、吸光特性を表す検出値を求め、この検出値を予め設定しておいた基準値と比較することにより吸光特性の違いを判別する。吸光特性を表す検出値としては、単一波長における吸光度でもよいが、アレイセンサーにより分光測定する場合には複数の波長における吸光度、すなわち吸光スペクトル、または、1次微分あるいは2次微分等の前処理を施した吸光スペクトルを組み合わせて使用してもよい。その際測定する波長帯域は、上記の通り、通常700nm乃至2500nm、好ましくは1700nm乃至2500nmである。
【0029】
植物種子粉砕物が小さく、形状が大きくばらついている場合には吸光度測定にばらつきが現れやすいが、この場合には複数の波長における吸光度を組み合わせて、差吸光度や吸光度比をとる等の正規化を施した値を検出値として多変量解析を用いることにより粒度や形状、表面状態の影響の少ない選別ができる。
【0030】
多変量解析を適用するためには、例えば次のような手順により行うことができる。あらかじめ複数の胚芽および排除されるべき胚芽以外の画分に対して近赤外吸光スペクトル測定を行い、得られるm個の波長における吸光度等の検出値を用いて下記回帰式(1)を作る。
【0031】
【数1】
Figure 2004159588
【0032】
ここで、回帰式(1)において、Yは例えば近赤外吸光スペクトル測定を行ったサンプルが、胚芽の場合は1、胚芽以外の場合は0として回帰を行い、各検出値の回帰係数となるC1〜Cmおよび定数項C0を求める。
回帰の方法は線形重回帰として知られる方法を用いても良いが、PLS( Partial Least Squares )として知られる部分最小2乗法を用いると選別の精度さらに向上する。
【0033】
C0〜Cmを決定した後、未知のサンプルに対し近赤外吸光スペクトル測定を行い、上記回帰式(1)からYを求めた場合、そのサンプルが胚芽である場合には1に近い値となり、胚芽でない場合には0に近い値を示すため選別が可能となる。これら近赤外吸光特性の違いの解析は、適当なコンピュータシステムを用いて行うことができる。
【0034】
以上の様にして得られた吸光特性の違いに基づいて、基準値より外れたもの又は基準値内のものを選別排除することにより、胚芽以外の部分が除去された胚芽画分を取得する。
基準値より外れたもの又は基準値内のものを選別排除する手段としては、例えば空気等の流体の噴射又は吸引により選別排除を実施する手段を用いることができる。
【0035】
図2は、粗胚芽画分から胚芽を選別する装置の一例を模式的に示した概略図である。図2において、1は粗胚芽画分供給手段、2は粗胚芽画分、3はベルト、4は光源、5は2分岐拡散反射プローブ、6は2分岐光ファイバ、7は近赤外分光計、8は演算装置、9は吸引ノズルを示す。例えば、粗胚芽画分供給手段1からベルト3上に供給され、ベルト3によって搬送されている粗胚芽画分2に対して近赤外光を光ファイバ6を経由して2分岐拡散反射プローブ5より照射し、反射光を2分岐拡散反射プローブ5と光ファイバ6を経由して近赤外分光計7に取り入れ、吸光データを取得し、演算装置8により吸光データから得られた検出値と基準値とを比較して基準値より外れたものを吸引ノズル9によって吸引排除することにより、胚芽を選別することができる。この際、近赤外分光計7は数ミリ秒以内でのスペクトル測定が可能なアレイセンサーを用いたマルチチャンネル分光方式のものが好ましい。また、測定対象となる植物種子粉砕物が小さい場合には反射光強度を大きく取れるようにするため、高出力の光源を使用し、プローブ5を測定対象にできるだけ近づける必要がある。
【0036】
必要に応じて、この選別操作を複数回繰り返してもよい。また、胚芽のみを選別回収してもよい。
コムギ胚芽は、縦約2mm、横約1mm、厚み約0.5mm、重さ約0.5〜0.6mg程度と非常に小さくて軽量である。従って、選別精度を向上するために、植物種子粉砕物、好ましくは粗胚芽画分をベルト上に供給し、ベルトによって通常5〜100m/分、好ましくは10〜90m/分の速度で搬送されている粗胚芽画分に対して近赤外光を照射し、選別する方法が好ましい。また、ベルト上に供給する粗胚芽画分の量は特に限定されないが、供給量の下限は通常10粒/m、好ましくは1000粒/m、上限は通常10000粒/m、好ましくは7000粒/m、より好ましくは5000粒/m程度である。供給量の具体的な範囲は上記下限と上限の組合せであればよいが、通常10〜10000粒/m、好ましくは1000〜7000粒/m、より好ましくは1000〜5000粒/m程度が適当である。これにより、選別精度を更に向上させることができる。
【0037】
吸引排除はできるだけ短い時間で瞬間的に行うことにより除去物の周辺にある胚芽の誤吸引を避け、選別精度を向上させることができる。この際の吸引力は、例えば電磁弁等を用いてエゼクターに空気圧を供給することにより発生させることができる。エゼクターの動作時間、すなわち電磁弁を空ける時間は、できるだけ短くすることが好ましく、電磁弁への開信号は通常0.5〜10ミリ秒、好ましくは0.5〜2ミリ秒とすると良い。また応答の速い電磁弁を使用することも必要である。
【0038】
以上のように、近赤外選別機を用いることにより、効率的に精度よく大量に胚芽を選別することができる。
かくして得られた胚芽画分には、胚乳成分が付着している場合があるため、通常、胚芽純化のために更に洗浄処理することが好ましい。
洗浄処理としては、通常10℃以下、好ましくは4℃以下に冷却した水又は水溶液に胚芽画分を分散・懸濁させ、洗浄液が白濁しなくなるまで洗浄することが好ましい。また、通常10℃以下、好ましくは4℃以下で、界面活性剤に胚芽画分を分散・懸濁させて、洗浄液が白濁しなくなるまで洗浄することがより好ましい。用いられる界面活性剤としては、非イオン性の界面活性剤が好ましく、それらの中で、好適なものとして、例えばポリオキシエチレン誘導体であるブリッジ(Brij)、トリトン(Triton)、ノニデット(Nonidet)P40、ツイ−ン(Tween)等が例示される。なかでも、ノニデット(Nonidet)P40が最適である。これらの非イオン性界面活性剤は、例えば0.5%程度の濃度で使用することができる。
【0039】
水又は水溶液による洗浄処理および界面活性剤による洗浄処理は、どちらか一方でもよいし、両方実施してもよい。また、これらの洗浄処理は、超音波処理との組み合わせで実施してもよい。
以上のようにして得られた胚芽を、洗浄、微粉砕及び抽出処理することにより胚芽抽出物を得る。胚芽抽出物を得る方法は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、液体窒素で凍結した胚芽を微粉砕し、抽出溶媒を加えて攪拌した後、胚芽抽出物含有液を遠心分離等により回収する。その後、必要に応じてゲルろ過等により精製してもよい。
【0040】
抽出溶媒としては、緩衝液、カリウムイオン、マグネシウムイオン及び/又はチオール基の酸化防止剤を含む水溶液を用いることができる。また、必要に応じて、カルシウムイオン、L型アミノ酸等をさらに添加してもよい。例えば、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)−KOH、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、L型アミノ酸及び/又はジチオスレイトールを含む溶液や、Pattersonらの方法を一部改変した溶液(HEPES−KOH、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、塩化カルシウム、L型アミノ酸及び/又はジチオスレイトールを含む溶液)を抽出溶媒として使用することができる。抽出溶媒中の各成分の組成・濃度はそれ自体既知であり、無細胞タンパク質合成用の胚芽抽出物の製造法に通常用いられるものを採用すればよい。
【0041】
ゲルろ過としては、例えば予め溶液(HEPES−KOH、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、ジチオスレイトール又はL型アミノ酸を含む溶媒)で平衡化しておいたゲルろ過装置を用いて行うことができる。ゲルろ過溶液中の各成分の組成・濃度もそれ自体既知であり、無細胞タンパク質合成用の胚芽抽出物の製造法に通常用いられるものを採用すればよい。
【0042】
ゲルろ過は、例えば予め溶液(HEPES−KOH、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、ジチオスレイトール又はL型アミノ酸を含む溶媒)で平衡化しておいたゲルろ過装置を用いて行うことができる。ゲルろ過溶液中の各成分の組成・濃度もそれ自体既知であり、無細胞タンパク質合成用の胚芽抽出物の製造法に通常用いられるものを採用すればよい。
【0043】
ゲルろ過後の胚芽抽出物含有液には、微生物、特に糸状菌(カビ)などの胞子が混入していることがあり、これら微生物を排除しておくことが好ましい。特に長期(1日以上)の無細胞タンパク質合成反応中に微生物の繁殖が見られることがあるので、これを阻止することは重要である。微生物の排除手段は特に限定されないが、ろ過滅菌フィルターを用いるのが好ましい。フィルターのポアサイズとしては、通常0.1乃至1マイクロメーター、好ましくは0.2乃至0.5マイクロメーターが適当である。ちなみに、小さな部類の枯草菌の胞子のサイズは0.5μmx1μmであることから、0.20マイクロメーターのフィルター(例えばSartorius社製のMinisartTM等)を用いるのが胞子の除去にも有効である。ろ過に際して、先ずポアサイズが大きめのフィルターを用いてろ過し、次に混入する可能性のある微生物が排除可能なポアサイズのフィルターを用いてろ過するのが好ましい。
【0044】
得られた胚芽抽出物は、原料胚芽自身が含有する又は保持するタンパク質合成機能を抑制する物質、即ちトリチン、チオニン、RNA分解酵素、DNA分解酵素、タンパク質分解酵素等のリボソームに作用してその機能を抑制する物質を含む胚乳成分がほぼ完全に取り除かれ純化されている胚乳成分を含まない胚芽抽出物である。ここで、胚乳成分を含まない胚芽抽出物とは、胚乳部分を取り除いた胚芽抽出物のことであり、これはリボソームがトリチンによって実質的に脱アデニン化されないことから判別できる。また、「リボソームが実質的に脱アデニン化されない」とは、リボソームの脱アデニン化率が7%未満、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下、最も好ましくは脱アデニン化率が検出限界以下になっていることをいう。
【0045】
無細胞タンパク質合成系によるタンパク質の合成は、上記のようにして得られた胚芽抽出物を使用する点を除き、従来と同様の方法で行うことができる。この方法は、公知のバッチ法であってもよいし、前記したスピリンらの連続式無細胞系タンパク質合成システムのようなアミノ酸、エネルギー源の連続供給系であってもよい。
【0046】
バッチ法ではタンパク質合成を長時間行うと反応が停止することがあるため、後者のアミノ酸、エネルギー源の連続供給系を使用することにより、反応を長時間維持させることができ、更なる効率化が可能となる。
また、連続供給系でタンパク質を合成する場合には、透析法を使用することもできる。例えば、本発明の胚芽抽出物を透析内液に、エネルギー源やアミノ酸を含む混合液を透析外液に用いた限外濾過膜透析系では、タンパク質を連続的に大量調製することが可能である。透析法においては、透析膜を介して、エネルギー源やアミノ酸などの合成基質が透析内液に供給され、反応副生物等が透析外液へ排除される。透析膜は、それ自体既知の通常用いられるものを使用することができる。透析膜の分子量限界は、合成するタンパク質の分子量に応じて、適当なものを用いれば良い。
【0047】
ここで、エネルギー源としては、アデノシン5’−三リン酸(ATP)、グアノシン5’−三リン酸(GTP)、クレアチンリン酸等が挙げられ、アミノ酸としては20種類のL型アミノ酸が挙げられる。
無細胞系で合成されたタンパク質は、必要に応じて、それ自体既知の通常用いられる方法により反応系から分離・精製することもできる。タンパク質の分離・精製は、例えばアフィニティクロマトグラフィ、ゲルろ過クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ等により行えばよい。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、下記の実施例は本発明についての具体的認識を得る一助とみなすべきものであり、本発明の範囲は下記の実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1 胚芽の選別
北海道産のホクシンコムギ種子を1分間に100gの割合でミル(Fritsch社製Rotor Speed Mill pulverisette 14型)に添加し、回転数8,000rpmで種子を温和に破砕した。1回の破砕では胚芽が分離されていないコムギが多く残るため、繰り返し3回の破砕を行った。篩いで発芽能を有する胚芽を含む画分(メッシュサイズ0.71mm〜1.00mm)を回収した後、トウミを用いた風力選別により種皮等の不純物を除去した。次に四塩化炭素とシクロヘキサンの混合液[四塩化炭素:シクロヘキサン=2.4:1(容量比)]を用いた重液選別によって、発芽能を有する胚芽を含む浮上画分を回収し、室温乾燥によって有機溶媒を除去した後、再びトウミを用いた風力選別により種皮等の不純物を除去して粗胚芽画分を得た。以上の手順により、粗胚芽画分中の胚芽の占める割合は重量で6割程度となった。得られた粗胚芽画分は目視により胚芽とそれ以外の外皮、胚乳、外皮付き胚乳とに選別し、それぞれ評価用のサンプルとした。
【0049】
次に、マルチチャンネル近赤外分光計(相馬光学、S−2810)を用いて、図3のような測定環境下において胚芽サンプル40粒とそれ以外の粗胚芽画分サンプル120粒の合計160粒サンプルの波長域1300nm乃至2500nmにおける近赤外吸光スペクトルを以下の測定条件で測定し、近赤外吸光特性の違いを評価した。
測定条件;露光時間:1ms、積算回数:10回、積算方式:平均
【0050】
図4〜図7に測定した吸光スペクトルの例を示す。図4〜図7のグラフの縦軸は見かけの吸光度であり、リファレンスに反射率20%の白板を使用し、下記式(2)に従い計算された値である。
【0051】
【数2】
Figure 2004159588
【0052】
図4〜7はそれぞれ胚乳、胚芽、外皮付き胚乳、外皮の吸光度スペクトルである。測定時の波長の分解能は約6nmであり、1スペクトルあたり206点で構成されている。それぞれ3粒づつの測定結果を重ねて表示しているが、各図からわかるとおり同種のサンプルでも吸光スペクトルにばらつきが見られる。このばらつきにはサンプルの粒径や形状、表面状態の違いによるスペクトルの乗算的散乱因子と加算的ベースライン変動が大きく影響していると考えられる。乗算的散乱因子と加算的ベースライン変動を除去するためにここでは下記式(3)による正規化を行った。
【0053】
【数3】
Figure 2004159588
【0054】
ここでA(λ)は波長λにおける吸光度、An(λ)は波長λにおける正規化された吸光度、
Figure 2004159588
【0055】
は全測定波長における吸光度の平均値、σAは全測定波長における吸光度の標準偏差である。全サンプルの全波長について式(3)の演算を行い、正規化された吸光スペクトルを得た。
つぎにこの正規化された吸光スペクトルを検出値として回帰式(1)を演算した。
【0056】
回帰の方法はつぎのとおりである。まず近赤外吸光スペクトル測定を行った160粒のサンプルが胚芽の場合はY=1、胚芽以外の場合はY=0とした。検出値には正規化された全206点の波長における吸光度を検出値とした。これをPLSとして知られる部分最小2乗法により回帰式(1)に回帰した。PLSの演算にはUmetrics社の多変量解析ツールSimca−P7.01を使用した。PLSの潜在変数の数は3個とし、得られた回帰係数から全160粒についてYを計算したところ図8のようになった。図8よりYの値は胚芽の場合1に近い値になり、胚芽以外の場合ゼロに近い値になっていることがわかる。ここで例えばYの基準値を0.6とすればYが基準値より大きいものは胚芽であり、小さいものは胚芽以外であるというように選別が可能となる。
【0057】
つづいて全206点の波長のうちPLS回帰への寄与の大きかった33点の波長を選択し、これら33点の波長の吸光度のみを検出値として再度PLSを行い、回帰式(1)へ回帰した。ここで選択した波長は、1700、1717、1735、1747、1758、1770、1881、1974、1998、2021、2044、2050、2091、2102、2126、2143、2166、2190、2213、2236、2259、2283、2306、2329、2352、2375、2398、2410、2445、2456、2468、2485、2497nmである。
【0058】
PLSの潜在変数の数は2個とし、得られた回帰係数から全160粒についてYを計算したところ図9のようになった。図9は図8と見比べて大差なく、検出値を6分の1に減らしたにもかかわらず選別性能はほとんど損なわれていない。即ち、少ない検出値で選別ができれば演算速度が上がるため、高速の選別をするためには有利となる。なお、上記解析は、富士通社製コンピュータFMV6667CL6Cを用いて行った。
【0059】
以上により、コムギ粉砕物1粒の近赤外吸光特性から胚芽の選別が可能であることが示された。
【0060】
【発明の効果】
本発明の無細胞タンパク質合成用胚芽の選別方法によれば、効率的に精度よく大量に胚芽を選別することができるので、タンパク質の無細胞系での大量調製、たとえば、進化分子工学の分野での新しい酵素や抗体の大量調製に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】コムギ種子の胚芽と胚芽以外の粉砕物(胚乳、外皮、外皮付き胚乳)の近赤外吸光スペクトルを比較した図である。
【図2】粗胚芽画分から胚芽を選別する装置の一例を模式的に示した概略図である。
【図3】評価用近赤外吸光スペクトル測定装置を模式的に示した概略図である。
【図4】胚乳の近赤外吸光スペクトル測定結果である。
【図5】胚芽の近赤外吸光スペクトル測定結果である。
【図6】外皮付き胚乳の近赤外吸光スペクトル測定結果である。
【図7】外皮の近赤外吸光スペクトル測定結果である。
【図8】全206点の波長における吸光度を用いたPLSによるコムギ粉砕物の回帰結果である。
【図9】選択された33点の波長における吸光度を用いたPLSによるコムギ粉砕物の回帰結果である。
【符号の説明】
1 粗胚芽画分供給手段
2 粗胚芽画分
3 ベルト
4 光源
5 2分岐拡散反射プローブ
6 2分岐光ファイバ
7 近赤外分光計
8 演算装置
9 吸引ノズル
10 フード
11 黒色布
12 データ収集、解析用パソコン

Claims (6)

  1. 胚芽及び胚乳粉砕物を含む植物種子粉砕物から、近赤外吸光特性の違いに基づいて胚芽の選別を行うことを特徴とする無細胞タンパク質合成用胚芽の選別方法。
  2. 植物種子の粉砕、植物胚芽の選別、洗浄、微粉砕及び抽出工程を含む無細胞タンパク質合成用胚芽抽出物の製造方法であって、該選別工程において、植物種子粉砕物から近赤外吸光特性の違いに基づいて胚芽の選別が行われることを特徴とする方法。
  3. 近赤外吸光特性の違いに基づく胚芽の選別が、近赤外選別機を用いて行われる請求項1または2に記載の方法。
  4. 近赤外選別機が、少なくとも、植物種子破砕物片の近赤外吸光特性を取得する手段、得られた吸光特性から植物種子破砕物片の近赤外吸光特性の違いを判別する手段、得られた近赤外吸光特性の違いに基づいて基準値より外れたもの又は基準値内のものを選別排除する手段を有する装置である請求項3に記載の方法。
  5. 近赤外吸光特性の違いが、植物種子破砕物の波長700nm乃至2500nm迄の近赤外線反射スペクトルの違いである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 近赤外吸光特性の違いが、植物種子破砕物の波長700nm乃至2500nm迄の近赤外線透過スペクトルの違いである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
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