JP2001501828A - 顆粒内にワキシータンパク質を含有するワキシー小麦デンプンの型 - Google Patents

顆粒内にワキシータンパク質を含有するワキシー小麦デンプンの型

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キーリング,ピーター・エル
ダンラップ,フランシー・ジー
チャン,ミン
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Abstract

(57)【要約】 概括的には、本発明は倍数体穀物におけるデンプン遺伝子の変異に関する。特に、本発明は変異型小麦植物、変異型小麦穀物、およびそれら由来のデンプンに関する。

Description

【発明の詳細な説明】 顆粒内にワキシータンパク質を含有するワキシー小麦デンプンの型 本明細書は米国仮出願第60/028264号(1996年10月08日出願)のTitle 35 U.S.St ates Code section 119(e)による優先権を主張するものである。 発明の分野 概括的には、本発明は倍数体穀物種子(cereal grains)におけるデンプン遺 伝子の変異に関する。特に、本発明は変異型小麦植物、変異型小麦穀物種子、お よびそれら由来のデンプンに関する。 背景 世界中の人々が、米、小麦、トウモロコシ、および大麦のような穀物種子を食 料としている。これらの穀物は、世界中の人々の基本食料の大きな割合を構成し ている。これらの穀物種子は加工されてパン、シリアル、パスタ、小麦粉などに なる。加工された穀物種子は異なる特性を有するため、種々の製品に使用される 。小麦穀物種子は栄養の宝庫である小麦粉に加工される。デンプン、タンパク質 、脂質、酵素、および栄養物は、異なる程度で小麦粉製品に影響を与える。小麦 粉製品中のデンプンはその特性に大きな影響を及ぼす。小麦粉の消化性、加工温 度、調理特性は、全て使用するデンプンの型の影響を受ける。 デンプンは2つの成分、アミロースとアミロペクチンで構成される。これらの 成分のうち少なくとも1つは多くの2倍体種子において変化を起こしており、そ れらは変異型のデンプンを含有する。デンプンの変異の1つはワキシー(waxy)変 異と呼ばれる。ワキシー変異を有する穀物種子はアミロースデンプンが少ない。 自然に発生するワキシー変異体は米およびトウモロコシでよく知られているが、 それらは両者とも2倍体種である。しかしながら、倍数体種において、自然発生 型のデンプンの変異体は知られていない。倍数体種においてデンプンを変化させ るためにはいくつかの独立した変異が必要である。デュラム小麦は4倍体である が、軟質および硬質小麦は共に6倍体であるため、小麦では自然発生型の変異体 はほとんど見られない。自然発生型のワキシー小麦はこれまで発見されていない 。 小麦(Triticum aestivum L.)は3つの異なる種に由来する3組の染色体を有 する。それぞれの染色体組はA、B、またはDのゲノムレターを持つ。小麦のワ キシー変異体はA、B、およびD染色体のそれぞれにホモ接合のワキシー対立遺 伝子を有すると考えられる。小麦における変異は、個々のA、B、およびDゲノ ムにおけるタンパク質のキャラクタリゼーションによって同定されてきた。19 92年までは、これらのタンパク質のキャラクタリゼーションでは、単一のワキ シータンパク質のバンドしか検出されなかった。その分析では、3つのゲノムの それぞれのタンパク質のバンドを識別することはできなかった。仮に3つのゲノ ムのうちの1つがタンパク質を生成しなかったとしても、この分析ではそれを検 出することはできなかったであろう。低濃度のBISアクリルアミドによるSD S−PAGEを用いた変更型検出システムおよび2次元ゲル電気泳動(2−D PAGE)により、予期される3つのタンパク質のバンドのうち2つが明らかと なった。第3のバンドは、第一次元に等電点電気泳動(IEF)、そして第2次 元に変更型SDS−PAGEを使用することによって検出された。この変更型検 出システムにより3つのタンパク質のバンドが検出された。タンパク質のバンド はそれぞれ、A、B、およびD染色体組の1つに相当する。個々のタンパク質の 検出により、小麦系統のヌル(null)ワキシー対立遺伝子をスクリーニングする ことができた。ヌル対立遺伝子は、特定の染色体上にあるその対立遺伝子で特定 のタンパク質を生成しない。ヌル変異体はいずれかの染色体で特定のタンパク質 を生成しない。これは、タンパク質は生成するが不活性状態である、非ヌル(no n-null)変異体と対照的である。 分析により3つのバンドが同定されると、多くの研究者がワキシー小麦のヌル 対立遺伝子をスクリーニングし始めた。個々のデンプンタンパク質が小麦デンプ ンから欠落している場合、1(single)ヌル対立遺伝子が存在する。1ヌルワキ シー小麦対立遺伝子は、米国の冬小麦の胚質(germplasm)の約10%でしか同 定されなかった。残りの小麦は、3つの機能性wx座を有する野生型であった。R. A.Grayboschは、AおよびBゲノムの両者におけるいくつかの1ヌルワキシー対 立遺伝子について報告した。Dゲノムに存在することが知られているのは2つの 1ヌルだけである。Dゲノムの1ヌルワキシー対立遺伝子の一つは日本で、一つ はカナダで報告された。 近年、研究者は小麦において4つの独立した2(double)ヌルワキシー対立遺 伝子を発見した。これらの2ヌルワキシー対立遺伝子(部分変異体)はそれぞれ 、AおよびBゲノムのワキシー対立遺伝子がヌルである。日本人によりKant o系統79、107、Saikai 173が報告され、R.A.GrayboschはIK Eを報告した。IKEはカンザス大学の育種プログラムによって開発された公的 系統(public line)である。これらの2ヌルワキシー部分変異体が、唯一存在 が知られているものである。しかしながら、変更型スクリーニング法により、研 究者は更なる1および2ヌル対立遺伝子の発見を期待できる。1ワキシーヌルの ように、これらの新たに発見された2ヌルワキシー部分変異体はD対立遺伝子で ワキシータンパク質をなお生成するため、アミロースをなおかなりの量含有する 。しかしながら、2ヌルワキシー部分変異体のアミロース含量は1ワキシーヌル より有意に少ない。 2ヌルの発見後もなお、3つのゲノム全てにワキシー変異を有するワキシー小 麦変異型植物が必要とされていた。1994年、ワキシータンパク質を含有しな いワキシー小麦植物が作られた。ワキシータンパク質を含有しない中国の栽培品 種Bai HuoをKanto 107およびSaikai 173と交配した 。720個のF2種子のうち14個はWxタンパク質を含有しなかった。 部分ヌル変異体の1ヌル対立遺伝子との従来型の交配により、ワキシー小麦を 生成した。また、生じたワキシー小麦の染色体内で、全く新規の遺伝子の組合せ も生じた。生じたワキシー小麦植物から有用な系統を作るために育種を行った。 ワキシー小麦を自家受粉させ、育種生成を通して農地制御学的特性(agronomics trait)およびワキシー特性によって選別した。ワキシー変異を有する従来型の 育種植物はヨード試験により容易に同定されるが、農地制御学的特性は同定する のがはるかに困難である。農地制御学的特性はしばしば複数の遺伝子によるもの であり、小麦においては、3組の独立した染色体により、更に複雑となる。従来 の育種による(またはジハプロイド(dihaploidy)によるものでも)3つの染色 体の再構築は時間と多くの交配を要する。多くの交配後でも、ワキシー小麦は一 方の親と本質的に同一ではなく、親に類似しているにすぎない。 親植物と本質的に同一である植物は同質遺伝子型系統である。同質遺伝子型系 統は遺伝子が本質的に同一であることに特徴がある。親と同質遺伝子型であるワ キシー小麦の生成により、従来の育種の問題は回避される。ワキシー小麦の染色 体内で遺伝子の全く新しい組合せを生じないようなワキシー小麦の生成法が必要 とされている。倍数体穀物における、2染色体変異体からの完全(full)変異体 の生成、または1染色体変異体からの2染色体変異体の生成のための効果的な方 法が必要とされている。言い換えれば、変異を有する同質遺伝子型の倍数体系統 の生成法が必要とされている。 同質遺伝子型のデンプン変異体が流通すると、更なる必要性が生じる。育種者 はこの同質遺伝子型の胚質を用いて、デンプン変異体を他の胚質に導入するため に育種するであろう。胚質の安全確保のために、変異の同定法が必要である。変 異が同定されれば、胚質の誤用を確認することができる。 発明の概要 本発明の目的は、デンプン変異体であるという点で親と異なる倍数体の同質遺 伝子型の種子および植物を生成する方法である。 本発明の別の目的は、ワキシーデンプンを生成する同質遺伝子型の小麦の種子 および植物である。 本発明の更なる目的は、同質遺伝子型の系統を、その系統が生成する修飾型デ ンプンをフィンガープリント法で分析することにより同定する方法である。 本発明の更に別の目的は、ワキシー座の少なくとも1つに不活性タンパク質を 含有するワキシー小麦デンプンである。 更に、本発明の別の目的は、倍数体穀物を変異させて修飾型デンプンを生成す る方法である。 本発明は、概括的には、完全変異型対立遺伝子を有する倍数体穀物の種子を生 成する方法を含有する。この方法は以下の段階を含む。倍数体植物原料の2変異 型対立遺伝子を変異誘発物質で処理する。これにより処理済みの植物原料が得ら れる。次いで、処理済みの植物原料をスクリーニングし、完全変異型対立遺伝子 を有する植物原料を同定する。完全変異型対立遺伝子を有する植物原料を選別す る。本法はまた、1変異型対立遺伝子を有する倍数体植物原料を選別してこれを 変異誘発物質で処理し、次いで植物原料をスクリーニングして2変異型対立遺伝 子を含有する植物原料を同定するという、更なる段階を含むことができる。その 後、この植物原料を先の方法に使用して、完全変異型対立遺伝子を生成する。多 くの変異誘発物質を使用することができるが、EMS変異誘発物質は点変異を起 こすので好ましい。この方法は小麦種子のような植物原料に実施できる。この方 法では、2変異型対立遺伝子は2ヌル対立遺伝子であることができ、または2ヌ ル対立遺伝子は2ヌルワキシー対立遺伝子であってもよい。スクリーニングには 不透明度の試験が含まれてもよい。またスクリーニングの段階にはヨウ素を使用 したデンプンの試験が含まれてもよい。ヨウ素で試験すると、完全変異型対立遺 伝子を有する種子は赤く着色する。 また本発明は生成物も包含する。タンパク質を含有しないか、または全ての組 の染色体の対立遺伝子の1つで生成される不活性なタンパク質を含有し、対立遺 伝子の少なくとも1つが変異誘発物質の適用による点変異を含む、倍数体植物原 料である。また、この植物原料は1組の染色体に上記の点変異による不活性なタ ンパク質を生成する対立遺伝子を少なくとも1つ含有してもよい。 本発明に係る倍数体植物原料は、少なくとも1組の染色体にある特定の対立遺 伝子中に変異誘発物質で誘発された少なくとも1つの点変異を含有し、別の組の 染色体にある同じ特定の対立遺伝子中に少なくとも1つの自然発生型変異を含有 する同質遺伝子型倍数体植物原料を含む。更に本発明はそれらから生成されるデ ンプンを含む。この植物原料の子孫は本発明の範囲内である。 更に明確には、本発明は、変異誘発物質により完全変異型対立遺伝子となる、 倍数体植物原料の2ヌル変異型対立遺伝子を包含する。特に本発明は、ワキシー 60変異型植物原料およびそれら由来のデンプンを含む。このワキシー60変異 体は多くのワキシー部分変異体から生成できる。特にIKEから生成することが できる。本発明は、完全変異型ワキシー対立遺伝子を含有する、小麦の親系統と 同質遺伝子型である系統を含む。特に本発明は、完全変異型ワキシー対立遺伝子 を含有するIKE、Kanto系統 79、107、Saikai 173、お よびBia Huoと同質遺伝子型である系統と、それら由来のワキシーデンプ ンを包含する。また本発明は、完全変異型デンプン対立遺伝子および少なくとも 1つのフィンガープリントタンパク質を有する同質遺伝子型の小麦植物を含む。 また、本発明はデンプンのフィンガープリントタンパク質の単離により倍数体 原料の祖先を同定する方法を含む。更に本発明は、ワキシー小麦のデンプン中の フィンガープリントタンパク質を同定する方法を含む。 発明の説明 定義 1ヌル*対立遺伝子 − 1組の染色体中の1つの対立遺伝子でタンパク質が生 成されない 2ヌル*対立遺伝子 − 2組の染色体中の1つの対立遺伝子でタンパク質が生 成されない 完全ヌル*対立遺伝子 − 全ての組の染色体中の1つの対立遺伝子でタンパク 質が生成されない 1不活性*対立遺伝子 − 1組の染色体中の1つの対立遺伝子で不活性なタン パク質が生成される 2不活性*対立遺伝子 − 2組の染色体中の1つの対立遺伝子で不活性なタン パク質が生成される 完全不活性*対立遺伝子 − 全ての組の染色体中の1つの対立遺伝子で不活性 なタンパク質が生成される 1変異体*対立遺伝子 − 1組の染色体中の1つの対立遺伝子でタンパク質が 生成されないか、または1組の染色体中の1つの対立遺伝子で不活性なタンパク 質が生成される 2変異体*対立遺伝子 − 2組の染色体中の1つの対立遺伝子でタンパク質が 生成されないか、または2組の染色体中の1つの対立遺伝子で不活性なタンパク 質が生成される 完全変異体*対立遺伝子 − 全ての組の染色体中の1つの対立遺伝子でタンパ ク質が生成されないか、または全ての組の染色体中の1つの対立遺伝子で不活性 なタンパク質が生成される ワキシー部分変異体 − 2組の染色体中の1つの対立遺伝子でワキシータンパ ク質が生成されないか、または不活性ワキシータンパク質が生成される ワキシー60変異体 − 全ての組の染色体中の1つの対立遺伝子でワキシータ ンパク質が生成されないか、または不活性ワキシータンパク質が生成されるが、 少なくとも1組の染色体中の1つの対立遺伝子は不活性ワキシータンパク質を生 成する 新規の完全変異体 − 全ての組の染色体中の1つの対立遺伝子でタンパク質が 生成されないか、または不活性タンパク質が生成されるが、少なくとも1組の染 色体中の1つの対立遺伝子は不活性タンパク質を生成する* 関係する用語には、デンプン、ワキシー、ae、dull、sugary2などが付加されう る。 概括的には、本発明は倍数体穀物において、変異誘発により変異型デンプン植 物を生成する。それらの新しいデンプン変異型植物は、従来の育種やバイオテク ノロジーで促進される育種によって生成されるデンプン変異型植物より効率的に 生成される。本発明の変異型植物はデンプンが変化している。変化したデンプン の型の一つはワキシーデンプンである。本発明は特にワキシー倍数体植物の生成 を含む。より明確には、本発明はワキシー小麦植物を含む。更に明確にはワキシ ー60変異型倍数体穀物である。 本発明のワキシー小麦植物は、メタンスルホン酸エチル(EMS)で変異させ た2ヌルワキシー対立遺伝子小麦から生成される。生ずるワキシー60変異型小 麦植物から60kDaの結合型デンプン合成タンパク質を含有するワキシーデン プンが得られる(これは3つのワキシー対立遺伝子全てに対してヌルでない)。 この不活性な60kDaの結合型デンプン合成酵素タンパク質は本発明を同定す るものである。本発明は、デンプン抽出物中のこの不活性な60kDaの結合型 デンプン合成酵素タンパク質の存在により、既存のワキシー小麦と識別できる。 全てのワキシー小麦デンプンのように、本発明の小麦デンプンはヨウ素で赤く着 色する。この赤い着色により、デンプンがワキシーデンプンであることが同定で きる。全ての既存のワキシー小麦デンプンと異なり、本発明は、デンプンタンパ ク質を抽出してSDS−ゲル電気泳動で分離した場合に現れる、60kDaのワ キシータンパク質のバンドを有する。また、本発明のこのフィンガープリントタ ンパク質はワキシータンパク質に特異的な抗体を使用することにより同定できる 。 稀に、EMS変異により、デンプン中で60kDaのタンパク質の生成が停止 しうる。この稀な植物はフィンガープリントを有しないワキシー対立遺伝子で3 ヌルである。3ヌルワキシー植物と、ワキシー対立遺伝子中に不活性な60kD aのタンパク質を有する2ヌルの植物は、後者のデンプン中には60kDaのタ ンパク質が存在すること以外は同一のワキシーデンプンを生成する。この稀な例 ではワキシーデンプンは従来技術によるデンプンと同一であるように見えるが、 植物は全く異なる。同質遺伝子型の植物は、本質的に同一の遺伝子を有する植物 である。本発明の植物は同質遺伝子型であり、育種と一倍体(haploidy)により 生成される植物は2つのソースからの遺伝子の混合である。植物という用語は、 細胞、葉、根、分裂組織、茎、花、種子、および花粉を含む、植物の全ての部分 を包含する。 一度生成された本発明の同質遺伝子型の系統は、従来の育種法またはマーカー 育種法によって育種をし、デンプン変異型対立遺伝子を異なる小麦の胚質に移行 するか、あるいは異なる対立遺伝子をデンプン変異型小麦に移行することができ る。ヨウ素で赤色に染まれば、育種の過程でワキシー性は保持されている。 本発明は、倍数体植物を変異させてデンプン変異を有する同質遺伝子型の植物 を生成する、反復可能な方法である。少なくとも1つのデンプン変異を1組の染 色体に有する倍数体植物を選別する。この植物をEMSで変異させる。この変異 誘発法により点変異を有する同質遺伝子型植物が生成する。生じた植物を所望の デンプンが得られるような所望の点変異でスクリーニングする。ワキシー変異が 所望の変異である場合は、種子の不透明度でスクリーニングする。これらの種子 のデンプンをヨウ素で染色して更にスクリーニングすることができる。赤色に染 まるデンプンを有する種子はワキシーである。 一般的に、本発明の方法では更に、少なくとも1組の染色体にデンプン変異が 存在するかどうかで倍数体植物を選別し、選別した植物を変異させ、そして他の 組の染色体中の変異についてスクリーニングする。この方法の各段階は、わずか に変更することができる。例えば、変更型SDS−PAGEのようなタンパク質 単離試験、または表現型試験によって選別を行うことができる。選別を行った後 は胚質を増やして変異段階に十分な植物原料を得る必要がありうる。 変異段階は多くの変異誘発法によって行うことができる。これらの方法は好適 な変異誘発物質で植物原料を変異させる。これらの変異誘発物質は種々の植物の 花粉、果実、葯、種子、および卵(ovum)に使用することができる。最も好まし い方法では種子または花粉を変異誘発物質で処理する。変異誘発物質は、化学的 でも物理的でもよい。化学物質にはメタンスルホン酸エチル、ジアゾ試薬、N− ニトロソ、N−メチルグリシン、ソラレンがあり、また物理的には紫外線、X− 線、ガンマ線、および同様の効果を有する他の作因を使用してもよいが、それら に限定されるものではない。更に好ましい変異誘発物質には、アジ化ナトリウム やニトロソグアニジン、またはメタンスルホン酸エチル(EMS)のようなアル キル化剤の使用がある。最も好ましいのはEMSである。EMS法は、Neuffer 誌のMaize Genetic Newsletter 45 146ページ(1971)に概説されている。 EMS法では遺伝子の核酸配列に点変異が生じる。他の方法のいくつかでは、 点変異よりむしろ遺伝子の崩壊を起こす。EMSはより特異的に変異を起こし、 植物のほとんどのゲノムには変化を与えない。従って本発明は親の系統と同質遺 伝子型であり新たな点変異を有する系統を生成する。点変異は植物のDNAにお ける遺伝的な遺伝子の変化である。遺伝子の変化は誘発型変異対立遺伝子と呼ば れ、これは、形質転換ではなく変異誘発物質の適用によって植物または植物の祖 先に導入された植物ゲノムにおける変異を意味する。 最終段階は、更なる染色体組にデンプン変異を有する変異型種子から生育した 植物を同定するためのスクリーニングである。スクリーニングは表現型の特性、 デンプン成分、デンプンの特性などに基づいて行うことができる。 倍数体穀物から同質遺伝子型系統を生成するこの一般法を使用して、IKEと 同質遺伝子型であるワキシー小麦を生成した。方法のこのような特定の使用では 、IKE、2ヌルワキシー対立遺伝子(A、B2ヌル小麦種子)を選別した。I KEの種子を播種し、自家受粉させた種子を採取した。収穫した穀物(または種 子)をEMSで変異させた。処理した種子の数は所望の変異を起こさせるのに十 分であった。所望の変異が起こる予想数は遺伝的性質および倍数体性の関数であ る。この数は当該分野の通常の技術の一つで計算することができる。IKEを変 異させた場合、所望の事象、すなわちDゲノムのワキシー対立遺伝子における点 変異が600植物に1つの割合で発生した。これらの植物は1不活性ワキシー対 立遺伝子および2ヌルワキシー対立遺伝子を有した。ワキシー60変異植物(D ゲノムのワキシー対立遺伝子に更なる変異を有する)を最大化するために、15 ポンドのIKE種子をEMS溶液中で16時間変異させ、次いで洗浄した。処理 した 種子を播種した。小麦種子を生育させ、肥料を与え、除草剤および殺虫剤で処理 した(それが適当であったためである)。収穫できるようになった時点で、小麦 を手作業で収穫した。機械で収穫することもできるが、使用できる種子が少なく なりうる。種子をスクリーニングするために、種子の殼を除去した。ライトボッ クスにのせた種子を観察して所望のデンプン特性を有する種子をスクリーニング し、少数の種子から約60個の不透明な種子を選別した。次いでこれらの選別し た種子をヨウ素で染めた。剃刀を用いて、胚から離れた所で種子を切断した。種 子の切断片にヨウ素を適用した。赤色に染まれば種子はワキシー小麦であり、赤 色に染まらない場合は種子を廃棄した。選別したワキシー60変異型IKE種子 を播種し、種子を増やした。 実験1 IKEの変異 15ポンドのIKE小麦種子を、15.4リットルの水に混合した77グラム の液体EMSに浸潤した。まず9リットルの水に77グラムのEMSを添加した 。EMSは容器の底に沈下した。EMSを均一に混合するため、空気管で溶液を 泡立たせた。次いで更に6.4リットルを溶液に添加した。EMS溶液の濃度は 77g/15400ml=0.5%であった。その後、15ポンドのIKE種子 を溶液に添加した。種子あたりのEMSの量は77,000mg/24,160 =0.32mg/種子であった。 溶液中の種子を20時間、空気で泡立たせた。ふるいを用いて種子を溶液から 採取した。種子を粒子の粗い砂(型番#97591、サイズL、中国製)と混合 して表面の水を吸収させ、種子を乾燥させた。 種子を、水から除去して6時間以内に直接畑に播種した。処理した種子の発芽 率は良好であった。成熟した時点で小麦の穂先を手作業で収穫した以外は、通常 の冬小麦の方法で種子を播種および処理した。手作業による収穫により、穂先へ の過剰な損傷を回避した。 この実験は、2ヌル小麦系統のいずれを用いても繰り返すことができる。この 方法により、点変異の加わった同質遺伝子型の種子が得られる。次いで同質遺伝 子型の種子を点変異でスクリーニングしてワキシー変異体を得た。 実験2 ワキシーのスクリーニング 実験1に記載した処理の後、収穫した小麦を個別に脱穀した。脱穀機(Almaco 社;同方向に異なる速さで回転する2つのベルトによって生じる摩擦運動を利用 したものである)を用いて脱穀した。もみ殻を吹き飛ばし、同時にそれぞれの穂 先から得られた種子をコインエンベロープ(coin envelope)に貯蔵した。 種子を不透明度でスクリーニングし、ワキシーデンプンについて分析した。種 子の不透明度は偏光した蛍光灯を用いて観察した。蛍光灯ボックスと偏光シート を使用し、個々の穂先から得た種子を目視でスクリーニングした。半透明ではな い種子を同定した。次いで更なる試験のためにこれらの不透明な種子を選別した 。 ヨウ素染色法を使用して不透明な種子を試験した。胚乳部分を切断し、2μL のヨウ化カリウム溶液(1LのH2Oに2gのI2、20gのKIを混合)に10 秒間暴露した。低倍率顕微鏡でこの胚乳部分の色の変化を観察した。赤褐色は胚 乳デンプンの約100%がアミロペクチン(ワキシー)であることを示し、青色 はワキシーでないことを示す。これら2つのスクリーニングにより、変異させた 小麦の種子中のワキシー変異体の存在を確認した。 本発明で生成されるワキシー小麦はワキシーデンプンを生成する。これまでの ように2A、Bヌル植物をDヌル植物と交配させて育種する従来の技術もワキシ ー小麦を生成する。しかしながら、本発明と従来の技術には多くの相違点がある 。相違点の一つは、本発明ではほとんどヌル変異を起こさないことである。本発 明の変異は非ヌルである。従来技術は全てヌル変異である。 本発明は同質遺伝子型の植物および種子を生成する。言い換えれば、本発明は 本質的にその親と同一であるが、点変異を有する。対照的に、従来技術では同質 遺伝子型の植物を生成しない。従来技術の植物は両方の親に類似するものである 。 本発明はデンプン中に不活性なタンパク質を生成する。従来技術は生成しない 。本発明の不活性なタンパク質はそのデンプン中にあるフィンガープリントであ る。言い換えれば、本発明の同質遺伝子型植物はそのデンプンで従来技術と識別 することができる。識別は胚質を保護するために有用である。本発明の同質遺伝 子型系統を育種プログラムに使用してワキシー特性を新しい系統に移入した場合 、フィンガープリントタンパク質が存在すると考えられる。従って、ワキシー変 異のソースが本発明の同質遺伝子型系統に由来するものであると同定できる。胚 質の誤用はフィンガープリントタンパク質で追跡できる。フィンガープリントタ ンパク質を使用して胚質を更に厳密に同定することができる。タンパク質のアミ ノ酸配列は、野生型のアミノ酸配列に関係する点変異を有する。従って疑いのあ る植物のデンプン中のアミノ酸配列が変異型植物由来のデンプンと同一のアミノ 酸を含有していれば、植物の系統が本発明に由来することがわかる。 フィンガープリントには2つの主要な使用法があり、1つはフィンガープリン ト法による系統の同定であり、もう1つは所望のデンプン変異の同定である。本 発明が同質遺伝子型のIKEワキシーであれば、デンプンは1つの不活性な60 kDaのタンパク質しか含有しない。1つのタンパク質しか存在しないことがわ かれば、標準的なSDS−PAGEを使用してタンパク質を単離できる。標準的 なSDS−PAGEを以下に概説する。可能なタンパク質が1より多く存在すれ ば、変更型SDS−PAGEと、MAKOTO YAMAMORIおよびTOSHIKI NAKAMURA(199 4)の“Wxタンパク質の遺伝的除去によるワキシー小麦の生成(Production of a Waxy Wheat by Genetically Eliminating Wx Proteins)”(Gamma Field Sy mposia No.33 Institute of Radiation Breeding NIAR,MAFF Japan 63-74ページ )に記載される2D−PAGEを使用する。(これらの従来法の詳細は、KAGAWA ,H.,HIRANO,H.,およびKIKUCHI,F.(1988)、“米(oryza sativa L.)中の種子 貯蔵タンパク質グルテリンの変異(Variation of glutelin seed storage prote in in rice(oryza sativa L.))”、Jpn.J.Breed.38: 327-332、および、O'FARRELL,P.H.(1975)、“タンパク質の高分解能2次元電 気泳動(High resolution two-dimensional electrophoresis of proteins)”、J .Biol.Chem.250:4007-4021に、より詳しく記載されている。)所望のデンプン変 異が簡単な目視検査で同定されれば、タンパク質の単離はおそらく必要ないであ ろう。しかし、倍数体穀物における多くのデンプン変異は目視では同定できない 。これらのデンプン変異体は、種子のタンパク質を単離および同定することがで きる。デンプン顆粒からのタンパク質の単離法を以下に示す: デンプン顆粒タンパク質の単離: 25mlの抽出バッファー(50mM Tris酢酸塩(pH7.5)、1mM EDTA、1mM DTT)に混合した12.5gの穀物を、ワーリングブレ ンダーで3x20秒間、撹拌の間に1分間の間隔をおいてホモジナイズする。サ ンプルを氷上に保持する。 ミラクロス(mira cloth)を通して濾過し、6,000rpmで30分間遠心分 離する。 上清を廃棄し、白色のデンプンペレットの上を覆う変色した固形物をかき取る。 ペレットを25mlのバッファーに再懸濁し、再度遠心分離する。更に2回、洗 浄を繰り返す。 洗浄したペレットを−20℃のアセトンに再懸濁し、ペレットを−20℃にする 。 繰り返す。 気流下でデンプンを乾燥する(−20℃で貯蔵する)。 タンパク質の抽出: エッペンドルフ内で50mgのデンプンを1mlの2%SDSと混合する。 ボルテックス処理し、18,000rpm、5分間、4℃で遠心分離する。上清 を注ぎ出す。2回繰り返す。 1mlのサンプルバッファー(4ml 蒸留水、1ml 0.5M Tris− HCl(pH6.8)、0.8ml グリセロール、1.6ml 10% SD S、0.4ml B−メルカプトエタノール、0.2ml 0.5% ブロモフ ェノールブルー)を添加する。 エッペンドルフのふたに穴を開け、10分間煮沸する。 冷却し、10,000rpmで10分間遠心分離する。上清を別のエッペンドル フにデカントする。4分間煮沸する。冷却する。 SDS−PAGEゲル: 10%分離ゲル 4%スタッキングゲル アクリル/ビス40%ストック 2.5ml 1.0ml 1.5M Tris pH8.8 2.5ml − 0.5M Trip pH8.8 − 2.5ml 10% SDS 100μl 100μl 水 4.845ml 6.34ml 脱気 15分間 10% 過硫酸アンモニウム 50μl 50μl TEMED 5μl 10μl ミニプロティーンIIデュアルスラブセル(Mini-Protean II Dual Slab Cell)ゲ ルにつき3.5mlの10%アクリルアミド分離バッファー。4%アクリルアミ ドスタッキングゲルを重層。200V定電圧。 10x泳動バッファー(250mM Tris、1.92M グリシン、1% SDS、pH8.3)。 結合型デンプン合成酵素1.抽出液の調製 a) 組織濃度 100mg/2ml 抽出バッファー。 b) フルスピードで20秒間、4℃でポリトロン処理する。 c) SM24ローターを用い、17500rpm、20分間、4℃で遠心分離 する。 d) 抽出液を可溶性酵素アッセイのために保存し、ペレットは2mlの抽出バ ッファーに再懸濁して上記のように処理する。 e) 更に2回洗浄を繰り返し、再懸濁して最終容量を1mlとする。2.アッセイ(200μl) 試薬 濃度 ビシン(pH8.3) 100mM 20μモル EDTA 4.5mM 0.9μモル KCL 25mM 5μモル グルタチオン 10mM 2μモル グリコーゲン 10mg/ml 2mg ADPG[14C] 7.5mM 1500nモル (444dpm/nmol) (88,800dpm)3.ストック溶液 A) バッファー 50mlに対して 200mM ビシン(pH8.3) 1.632g 9mM EDTA.Na2 167mg 50mM KCL 186mg 20mM GSH 307mg* * 5mlにつき30.7mgの割合で使用の都度添加した。 B) グリコーゲン 160mg/2ml(カキに対してウサギ肝臓が好ましい) C) ADPG[14C] 1.25mlに対して 60.0mM ADPG 53.5mg ADPG (純度および理論分子量を確認) 理論分子量=684.9、純度=96% +77μl/2μCi ADPG[14C] +1.173ml H2O。 −20℃で貯蔵。4.方法 A) エッペンドルフチューブに以下を添加する: 100μl バッファー(アッセイ温度にプレインキュベート) 25μl グリコーゲン 50μl 抽出液 B) チューブを必要とされる温度で2分間インキュベートする。 C) 25μlのADPG[14C]を添加して反応を開始する。 D) 20分後、以下を添加して反応を停止させる: 100μl .025N NaOH 1.0ml メタノール E) −氷上に5分間保持し、 −フルスピード、4℃で5分間、マイクロフュージで遠心分離し、 −上清を吸引して廃棄し、 −ペレットを300μlの0.1N NaOHに溶解して2回洗浄し、 −1.0mlのメタノールで再沈殿させる。 F) ペレットを1mlの1.0M HCLに溶解し、10分間煮沸する。 G) 溶液を冷却して0.9mlの反応混液をバイアルに加え、10mlの“レ ディーセーフ(Ready Safe)”カクテルを添加する。5.計算 0.9ml(計算される部分)x2(希釈率)x1000μl(抽出液の総容 量)x1000mg 1.0ml(総容量)x50μl(アッセイの抽出液の容量)x50mg(組 織の重量)x20(分) 他の実施態様 部分ワキシー小麦−−説明 いくつかの1ヌル対立遺伝子小麦が知られており、6倍体小麦のA、B、また はDゲノム由来のワキシータンパク質でデンプンをスクリーニングすることによ り見出すことができる。そのような1ヌル対立遺伝子の遺伝子型は、ここに2ヌ ル対立遺伝子の遺伝子型について概説したのと同様の方法および技術を使用した 変異により、部分ワキシー型に変換することができる。 1ヌル対立遺伝子を変異させて2ヌル対立遺伝子を生成する方法は、最終産物 のスクリーニングが異なる他は、同様である。この1つのデンプン変異が加わっ た同質遺伝子型系統は、通常、変更型SDS−PAGEでは同定できない。点変 異を有する新しい同質遺伝子型系統は、非EMS処理植物由来のデンプンと同一 のタンパク質が結合するデンプンを生成すると考えられる。異なる染色体のワキ シー対立遺伝子に点変異を有する1ヌル対立遺伝子を同定するには、異なる試験 が必要である。ワキシーデンプン変異では、所望の変異を有するEMS処理植物 のデンプン中のアミロースの割合の低下で同定試験を行う。もちろん、EMS法 を使用して部分変異を起こした後は、部分変異体を使用して完全ワキシー変異体 を生成することができる。部分ワキシーを変異させ、上記のライトボックスとヨ ード試験を使用してスクリーニングする。 従って、この繰り返し可能な方法により、多様でアミロース含量の少ない小麦 が得られると考えられる。そのようなワキシー小麦デンプンは、種々の食物およ び餌への適用に有用である。ワキシー小麦デンプンは、多くの食物および餌への 適用(例えば、種々のベーカリー製品の貯蔵寿命の延長やパイのゲル化)におい て、ワキシートウモロコシの代替となりうる。 上記の説明は実施例を含むが、これらは本発明の範囲を制限するものとして解 釈すべきではない。それらは本発明の現時点での好ましい態様のいくつかを例証 するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 チャン,ミン アメリカ合衆国アイオワ州50014―3760, エームズ,イリノイ・アベニュー 1419

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 以下の段階: 非完全変異型対立遺伝子を含有する倍数体植物原料を変異誘発物質で処理して 処理済み植物原料を生成し; 処理済み植物原料の子孫をスクリーニングして完全変異型対立遺伝子を含有す る植物原料を同定し; 同定した完全変異型対立遺伝子を含有する子孫を選別する; を含む、完全変異型対立遺伝子を含有する倍数体植物原料を生成する方法。 2. 倍数体が6倍体である、請求項1記載の方法。 3. 以下の段階: 1変異型対立遺伝子を含有する倍数体植物原料を選別し、 該植物原料を変異誘発物質で処理し、 該処理済み植物原料の該子孫をスクリーニングして2変異型対立遺伝子を含有 する植物原料を同定し、そして、 請求項1記載の処理段階のための該子孫を選別する、 を含む、請求項2記載の方法。 4. 該植物原料が小麦である、請求項1記載の方法。 5. 該変異がEMSである、請求項1記載の方法。 6. 該非完全変異型対立遺伝子が:2ヌル対立遺伝子、2ヌルワキシー対立遺 伝子、からなる群から選択される、請求項1記載の方法。 7. スクリーニングの段階が不透明度のスクリーニングを含む、請求項1記載 の方法。 8. スクリーニングの段階が子孫へのヨウ素の適用を含む、請求項1記載の方 法。 9. 完全変異型対立遺伝子を含有する子孫が、該ヨウ素を使用した試験で赤色 に染まるデンプンを含有する、請求項8記載の方法。 10. 該植物原料が:種子、花粉、および卵、からなる群から選択される、請 求項1記載の方法。 11.以下のもの: その親植物と同質遺伝子型の染色体、そして 完全変異型対立遺伝子が変異型植物に存在する、少なくとも1組の染色体に 少なくとも1つの変異誘発物質で誘発された変異、 を含む該変異型植物である親植物から生成される該変異型植物である、完全変異 型対立遺伝子を含有する倍数体植物およびその子孫。 12. 該完全変異型対立遺伝子がヌルである変異を少なくとも1つ含有する、 請求項11記載の完全変異型対立遺伝子を含有する倍数体植物。 13. 該完全変異型対立遺伝子が不活性なタンパク質を生成する変異を少なく とも1つ含有する、請求項11記載の完全変異型対立遺伝子を含有する倍数体植 物。 14. 該完全変異型対立遺伝子が該植物によって生成されるデンプンを変更す る、請求項11記載の完全変異型対立遺伝子を含有する倍数体植物。 15. 該植物によって生成される該変更型デンプンがワキシーデンプンである 、請求項14記載の変更型デンプンを含有する倍数体植物。 16. 該完全変異型対立遺伝子が不活性なタンパク質を生成する変異を少なく とも1つ含有するワキシー完全変異型対立遺伝子である、請求項11記載の完全 変異型対立遺伝子を含有する倍数体植物。 17. 該完全変異型対立遺伝子がヌルである変異を少なくとも1つ含有するワ キシー完全変異型対立遺伝子である、請求項11記載の完全変異型対立遺伝子を 有する倍数体植物。 18. 以下のもの: ヌル系統の染色体組と同質遺伝子型であり、該ワキシー小麦の該染色体に少な くとも1つの更なるワキシー対立遺伝子変異を有する染色体組、 を含む、2ヌルワキシー対立遺伝子系統と同質遺伝子型のワキシー小麦。 19. 該ヌル系統が、以下:Saikai 173、Kanto 79、10 7、およびIKE、からなる群から選択される、請求項18記載のワキシー小麦 。 20. 更なる変異がヌル変異である、請求項18記載のワキシー小麦。 21. 更なる変異が不活性なタンパク質を生成する変異である、請求項18記 載のワキシー小麦。 22. 植物が以下のもの: 倍数体染色体組、 変異の少なくとも一つが不活性なタンパク質を生成する、該染色体のそれぞれ の組のデンプン対立遺伝子における変異、 を含む、完全デンプン変異型対立遺伝子を含有する倍数体植物。 23. 該植物が小麦である、請求項22記載の完全デンプン変異型対立遺伝子 を含有する倍数体植物。 24. 該デンプン対立遺伝子がワキシー対立遺伝子である、請求項23記載の 完全デンプン変異型対立遺伝子を含有する小麦植物。 25. 以下の段階: デンプンを生成する植物原料を選択し、 選択したデンプン原料から該デンプンタンパク質を単離し、 デンプン中の該フィンガープリント不活性型タンパク質の位置を特定し、 いずれのデンプン生成植物が該フィンガープリント不活性型タンパク質を生成 したかを同定する、 を含む、該変異型植物が生成するフィンガープリント不活性型デンプンタンパク 質の単離による、変異型デンプンを生成する植物の同定法。
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