JP2004158979A - 受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、受信装置に関し、受信装置を小型化することを課題とする。
【解決手段】入力された選局信号に応答して特定の発振周波数を持つ局部発振信号を生成する局部発振器と、前記選局信号と通過帯域周波数とが関係づけられた周波数情報を記憶した記憶部と、記憶部から読み出した周波数情報および入力された選局信号を利用して通過帯域周波数を選択する通過周波数制御部と、選択された通過帯域周波数に対応する帯域制限用制御信号が、通過周波数制御部から与えられ、入力されたRF信号のうち前記選択通過帯域周波数に対応する部分の信号のみを帯域通過させる入力フィルタと、入力フィルタから出力される帯域信号を、前記局部発振信号に基づいて周波数変換する変換器とを備え、少なくとも入力フィルタの一部と局部発振器とが1つのICに内蔵されたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】入力された選局信号に応答して特定の発振周波数を持つ局部発振信号を生成する局部発振器と、前記選局信号と通過帯域周波数とが関係づけられた周波数情報を記憶した記憶部と、記憶部から読み出した周波数情報および入力された選局信号を利用して通過帯域周波数を選択する通過周波数制御部と、選択された通過帯域周波数に対応する帯域制限用制御信号が、通過周波数制御部から与えられ、入力されたRF信号のうち前記選択通過帯域周波数に対応する部分の信号のみを帯域通過させる入力フィルタと、入力フィルタから出力される帯域信号を、前記局部発振信号に基づいて周波数変換する変換器とを備え、少なくとも入力フィルタの一部と局部発振器とが1つのICに内蔵されたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、受信装置に関し、特にテレビ受信機に使用され、いわゆるチューナ機能を有する受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビ受信機は、放送されてくるVHFやUHFのテレビ信号を選択的に受信する受信装置を備えている。
図5に、従来の受信装置の概略構成図を示す。
図5において、テレビ信号などのRF信号11を受信して所定の帯域制限をする入力フィルタ1、帯域制限した信号を増幅するRFアンプ2、受信すべき信号を選択する段間フィルタ3、周波数変換により局部発振信号14に応じた出力信号(IF信号)を生成するミキサ4、および局部発振信号14を生成するための局部発振器10とから構成される。局部発振器10は、入力される選局信号13に応じた制御電圧V15を生成するPLL回路5と、制御電圧15に応じた局部発振信号14を生成するVCO回路6とから構成される。
ここで、入力フィルタ1と段間フィルタ3は、コイルと容量可変コンデンサからなる同調フィルタである。
【0003】
この受信装置では、次のようにして、入力されたRF信号11の中から、選局信号13に同調した出力信号12が選択出力される。
まず、選局信号13がPLL回路5に与えられると、PLL回路5は、選局信号に応じた制御電圧V15をVCO回路6に与える。
VCO回路6は、与えられた制御電圧V15により、選局信号に応じた周波数を持つ局部発振信号14を、ミキサ4に出力する。PLL回路5から出力された制御電圧V15は、入力フィルタ1と段間フィルタ3にも与えられ、両フィルタの通過帯域が決定される。この通過帯域は、局部発振信号14の周波数に同期して変化する。
【0004】
一方、RF信号11は、入力フィルタ1に入力され、入力フィルタ1によって設定された所定の通過帯域外の信号が減衰されて、RFアンプ2に出力される。RFアンプ2では、通過帯域内の信号が増幅され、段間フィルタ3に出力される。
段間フィルタ3では、入力された信号のうち、制御電圧V15により設定された通過帯域外の信号がさらに減衰され、ミキサ4に出力される。ミキサ4は、VCO回路6から与えられた局部発振信号14を利用して、段間フィルタ3から与えられた信号を周波数変換し、受信映像出力信号12として出力する。
【0005】
たとえば、テレビチューナでは、入力フィルタ1の通過周波数を選局信号に対応した局部発振信号により変化させ、所望の受信チャネルの出力信号12を得る。テレビチューナで受信されるRF信号11の受信周波数f(RF)は93MHzから767MHzの帯域幅を持っているが、ミキサ4の出力信号12の周波数f(IF)は57MHzに固定されている。そのため、ミキサ4で周波数変換を行う基準となる局部発振信号14の発振周波数f(lo)は、150MHzから833MHzの範囲を持つ必要がある。
【0006】
ところで、入力フィルタ1がないと、周波数f(RF)を持つRF信号11がそのままミキサ4で周波数変換され、周波数[f(lo)−f(RF)]を持つ信号12が出力される。
しかし、これと同時に、周波数2×f(lo)−f(RF)を持つイメージ信号も周波数変換され、同じ周波数[f(lo)−f(RF)]を持ったイメージ信号として出力されることになる。このイメージ信号は表示のためには不要な信号であるので、ミキサ4に入力される前に減衰させておく必要がある。
【0007】
また、テレビチューナの受信周波数は高周波帯域(93MHz〜767MHz)にあるので、この帯域をすべて通過させてしまうと、周波数f(RF)と[f(lo)−f(RF)]の両方ともが通過帯域に含まれてしまうことになり、イメージ信号を減衰させることができない。
そこで、イメージ信号を減衰させるために、入力フィルタ1がイメージ信号の減衰のために設けられるが、入力フィルタ1の通過周波数帯域を受信周波数f(RF)の帯域よりも狭くし、かつ局部発振信号に応じて変化させる必要がある。
【0008】
本願の受信装置に関連する技術としては、IF周波数またはIF帯域幅の異なる信号を同一のチューナで受信し、IFフィルタ等の回路を集積小型化したチューナ回路がある(たとえば、特許文献1)。
また、チューナ回路の高周波回路部分にRF増幅用ICとAGCミクサ回路用ICを用いて、チューナの全回路を平衡形の回路で構成することにより、部品点数を少なくし、歪特性を改善したIC化受信装置がある(たとえば、特許文献2)。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−218894号公報(段落[0016]〜[0019])
【特許文献2】
特開平6−69829号公報(段落[0010]、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、今日、このような受信装置を携帯機器に搭載するために、受信装置の小型化と低消費電力化が要望されている。そこで、従来のテレビチューナ等で用いられる受信装置では、ミキサ部分のIC化等により装置の小型化が図られているが、入力フィルタ自体はディスクリート部品で構成されているので、部品点数も多く、回路構成が複雑であり、さらなる小型化の要望に対応するのは困難であった。
【0011】
また、小型化のためにいわゆるアップダウン方式を採用した受信装置も開発されているが、これは消費電力が大きいので、携帯機器への採用は難しい。さらに、前記したように、イメージ信号を減衰させるために、局部発振信号に応じて、入力フィルタの通過周波数帯域を変化させる必要があるが、この変化のための制御回路が必要であるため、さらなる小型化は難しい。
そこで、この発明は、入力フィルタの通過周波数情報を予め記憶し、この情報を読み出して通過周波数の変換を行うことにより、小型化を図った受信装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
入力された選局信号に応答して特定の発振周波数を持つ局部発振信号を生成する局部発振器と、前記選局信号と通過帯域周波数とが関係づけられた周波数情報を記憶した記憶部と、記憶部から読み出した周波数情報および入力された選局信号を利用して通過帯域周波数を選択する通過周波数制御部と、選択された通過帯域周波数に対応する帯域制限用制御信号が、通過周波数制御部から与えられ、入力されたRF信号のうち前記選択通過帯域周波数に対応する部分の信号のみを帯域通過させる入力フィルタと、入力フィルタから出力される帯域信号を、前記局部発振信号に基づいて周波数変換する変換器とを備え、少なくとも入力フィルタの一部と局部発振器とが1つのICに内蔵されたことを特徴とする受信装置を提供するものである。
【0013】
ここで、前記記憶部は、書き換え可能な不揮発性素子からなり、前記周波数情報が、記憶部に書き換え可能なように記憶されるようにしてもよい。
また、前記入力フィルタが、1つのコイルと、複数個のコンデンサと、各コンデンサに直列に接続されたスイッチとからなり、前記コイルと各コンデンサは、入力されるRF信号と接地端子に対して並列に接続され、前記帯域制御用制御信号により前記スイッチの開閉が制御されるようにしてもよい。
【0014】
さらに、前記入力フィルタが、1つのコイルと、MOSトランジスタと抵抗素子とで形成された容量可変コンデンサとからなり、前記コイルと容量可変コンデンサは、入力されるRF信号に対して並列に接続され、前記帯域制限用制御信号により前記容量可変コンデンサの容量が変化させられるようにしてもよい。
【0015】
また、この発明は、前記局部発振器が、入力された選局信号に対応した制御電圧を生成するPLL回路と、前記制御電圧を受けて所定の局部発振信号を生成するVCO回路とからなり、前記通過周波数制御部が、前記制御電圧を受けて選択された通過帯域周波数を調整し、調整後の通過帯域周波数に対応する帯域制限用制御信号を出力する受信装置を提供するものである。
これによれば、記憶部に記憶される周波数情報を変更するだけで、容易に通過周波数の変更,更新ができる。また、入力フィルタを構成する素子を集積回路化できるので、受信装置の小型化をすることができる。
【0016】
また、この発明において、前記記憶部は、使用環境温度ごとに分類された周波数情報を記憶するようにしてもよい。
ここで、使用環境温度を検出し、温度情報を通過周波数制御部に出力する温度検出部をさらに備え、通過周波数制御部が、検出された温度情報に対応する周波数情報を記憶部から読み出すようにしてもよい。
【0017】
さらに、前記記憶部は、入力フィルタを構成する素子の特性のばらつきごとに分類された周波数情報を記憶するようにしてもよい。
ここで、前記入力フィルタを構成する素子の特性のばらつきを検出し、ばらつき情報を通過周波数制御部に出力する素子ばらつき検出部をさらに備え、通過周波数制御部が、検出されたばらつき情報に対応する周波数情報を記憶部から読み出すようにしてもよい。
【0018】
以下の実施例では、帯域制限用制御信号を、単に制御信号と呼ぶ。また、記憶部に記憶される周波数情報を、テーブルデータと呼ぶ。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定されるものではない。
<実施例1>
図1に、この発明の実施例1の受信装置の構成図を示す。
図1において、受信装置は、従来と同様の機能を有する入力フィルタ103、ミキサ104、局部発振器105の他に、通過周波数制御装置101、記憶装置102とを備える。記憶装置102は、たとえばRAM、ROM、ハードディスク、ICカードメモリなどの不揮発性メモリを用いることができる。
また、ミキサ104は、前記した変換器に相当する。
【0020】
記憶装置102には、入力フィルタの通過帯域周波数に関する情報(以下、テーブルデータと呼ぶ)が記憶されている。テーブルデータとは、通過帯域の周波数に対応する情報と、選局信号SG4の値とを対にして記憶したものである。たとえば、周波数に対応する情報として、図6に示すように、入力フィルタを構成するスイッチのon/off情報が記憶される。
また、後述する図3のような入力フィルタの場合は、各選局信号に対応する制御電圧が記憶される。
【0021】
また、種々の周波数や選択信号に対応するために、記憶装置102は書き換え可能なメモリ(たとえばRAM、フラッシュメモリ)を用いることが好ましい。さらに、記憶装置102は、図示していないCPUや、外部パソコンやキーボードなどの入力装置に接続されて容易に書きかえられるようにすることが好ましい。あるいは、ICカードメモリの場合は、予め異なるデータが書き込まれたICカードメモリと変換すればよい。
【0022】
通過周波数制御装置101は、記憶装置102に記憶されたテーブルデータの数値を読み込んで、入力された選局信号SG4と照合することにより選局信号SG4と対応する周波数を選択し、さらにこの周波数に対応する制御信号SG3を入力フィルタ103に出力する装置である。
制御信号SG3は、従来の制御電圧V15に相当する信号であり、この信号SG3を利用して、入力フィルタ103に入力されたRF信号SG1の通過周波数の帯域が制限される。
【0023】
選局信号SG4は、図示していない外部の選局装置から与えられるアナログ信号であり、通過周波数制御装置101とPLL回路107に同時に与えられる。局部発振信号SG2は、従来と同様に、PLL回路107からの制御電圧Vに基づいてVCO回路106によって生成される信号であり、ミキサ104に与えられるアナログ信号である。
【0024】
RF信号SG1は、図示していない外部のLNA(Low noise amp)やAGC(Auto gain controller)等から入力フィルタ103に与えられるアナログ信号である。
帯域信号SG5は、入力フィルタ103によって所定の帯域外の周波数成分が減衰されたRF信号であり、入力フィルタ103からミキサ104に出力される信号である。
出力信号SG6は、従来と同様に、ミキサ104で帯域信号SG5を周波数変換したアナログ信号であり、図示していない次段の回路ブロック、たとえばバンドパスフィルタ,AGC,増幅回路等に与えられる。
【0025】
以下に、この実施例1の受信装置の動作について説明する。
まず、選局信号SG4が受信装置に入力されると、この信号SG4は、通過周波数制御装置101とPPL回路107に与えられる。通過周波数制御装置101は、選局信号SG4が与えられると、記憶装置102のデーブルデータを読み出して選局信号SG4に対応する周波数を選択し、この選択周波数に対応づけられた制御信号SG3を入力フィルタ103に出力する。
【0026】
一方、選局信号SG4が与えられたPLL回路107は、選局信号SG4をもとに、制御電圧Vを生成し、VCO回路106に与える。
そして、VCO回路106は、与えられた制御電圧Vに対応させた局部発振信号SG2をミキサ104に出力する。
また、入力フィルタ103では、入力されたRF信号SG1の周波数帯域を、通過周波数制御装置101から与えられた制御信号SG3に基づいて制御し、帯域制限されたRF信号である帯域信号SG5をミキサ104に出力する。
そして、ミキサ104では、局部発振信号SG2と、帯域信号SG5を掛け合わせることにより周波数変換し、出力信号SG6を出力する。
【0027】
次に、図2に、図1に示した実施例1の入力フィルタ103の一実施例の構成図を示す。
入力フィルタ103は、主として1つのコイルL1と、コンデンサ(C1〜Cn)とからなり、このコイルとコンデンサとが、入力端子INおよび出力端子OUTと、接地端子GNDとの間に並列に接続されてなるいわゆる同調フィルタである。
【0028】
さらに、制御信号SG3により種々の帯域制限が可能となるように、複数のコンデンサ(C1〜Cn)が並列に接続され、これらのコンデンサ(C1〜Cn)のそれぞれと直列に、スイッチ(SW1〜SWn)が接続される。
図示したコイル、コンデンサおよびスイッチは、1つのICの内部に集積化して組み込まれる。
【0029】
また、スイッチ(SW1〜SWn)のONまたはOFFを制御するために、制御信号SG3が通過周波数制御装置101から与えられる。
制御信号SG3の値に基づいてオンされるスイッチの組み合わせを異ならせることにより、したがって、コンデンサ全体の容量を可変させる。
制御信号SG3によりコンデンサ容量を可変にすれば、コイルL1とコンデンサとで決定される通過周波数が変化させられる。
【0030】
図2の入力フィルタ103では、その基本的な構成要素として、コイルL1、コンデンサ(C1〜Cn)およびスイッチ(SW1〜SWn)とを含むものであるが、これらは、ディスクリート部品を用いずに、1つのIC素子の内部に集積化して組み込むことができる。
すなわち、入力フィルタ103の一部分の素子を集積化することにより基板上に搭載する部品点数を減らすことができるので、受信装置の回路基板全体のサイズを小型化することができる。
【0031】
次に図3に、この発明の実施例1の入力フィルタ103の他の実施例の構成図を示す。
この入力フィルタ103は、図2のコンデンサ(C1〜Cn)を、MOSトランジスタを利用した「容量可変コンデンサCa」に置換して構成した同調フィルタである。この容量可変コンデンサCaも、コイルL1とともに、1つのICに集積化する。
また、入力信号SG1と出力信号SG5は、差動入出力となっている。
【0032】
図3において、容量可変コンデンサCaは、2つのMOSトランジスタT1,T2と、抵抗R1,R2およびR3とから構成される。通過周波数制御装置101から与えられる制御信号SG3は、抵抗R2の一端に入力される。
制御信号SG3の値を変化させることにより、容量可変コンデンサCaの容量が変化し、入力フィルタ103の出力である帯域信号SG5の通過周波数が制御される。
【0033】
図3では、入力フィルタ103の容量成分としてMOSトランジスタを用いているが、MOSトランジスタをICに組み込んだ場合にMOSトランジスタはコンデンサよりも小面積ですむので、IC内での入力フィルタの占有面積をより小さくできる。
【0034】
また、入力フィルタに一部の素子を1つのICに組み込むだけでなく、入力フィルタの全部の素子を1つのICに組み込んでもよい。また、入力フィルタに加えて、VCO回路106とPLL回路107とを1つのICに組み込んでもよい。さらに、この1つのICに、ミキサ104を組み込んでもよい。
【0035】
<実施例2>
図4に、この発明の実施例2の受信装置の構成図を示す。
PLL回路107からVCO回路106に与えられる制御電圧Vが、通過周波数制御装置101にも与えられる点が、実施例1の図1の構成と異なる。
ここで、制御電圧Vを通過周波数制御装置101に与えるのは、ICを構成する個々の素子について特性のばらつきを検出して、制御信号SG3を調整するためである。ここで、ICは、少なくとも入力フィルタ103の一部の素子とPLL回路107を構成する素子を含むものとする。
【0036】
図1に示した通過周波数制御装置101は、記憶装置102に予め記憶された設計値どおりのテーブルデータに基づいて制御信号SG3を出力していたので、PLL回路107等を構成する素子が設計値どおりの特性を有する場合は、入力フィルタ103において所望の帯域信号SG5が出力されていた。
しかし、PLL回路107などにおいて素子特性にばらつきがある場合は、単に設計値どおりの制御信号SG3を出力していたのでは、所望の帯域信号SG5が得られない場合がある。
そこで、PLL回路107などを構成する素子のばらつきを考慮した制御信号SG3を得るために、PLL回路107からの制御電圧Vを通過周波数制御装置101に入力させる。
ICを構成する素子の特性がばらついた場合、PLL回路107から出力される制御電圧Vは、この特性のばらつきに対応して変化するので、制御電圧Vの設計時の標準的な値Voと、通過周波数制御装置101に入力された実際の制御電圧Vとを比較することにより、制御信号SG3を調整することができる。
【0037】
この実施例2では、通過周波数制御装置101の内部には、PLL回路107から与えられる制御電圧Vを検出する回路が設けられる。
また、設計時の標準的な制御電圧Voは予めわかっているので、この2つの電圧VとVoとの比較あるいは差を検出する比較部が設けられる。
さらに、入力された選局信号SG4と、読み出したテーブルデータとから決定された通過周波数を、比較部の出力結果により調整するための調整部が、通過周波数制御装置内に設けられる。
【0038】
以下に、これらの比較部,調整部によりどのように通過周波数を調整するかについて具体例を説明する。
図6に、この発明の実施例2で用いるテーブルデータを示す。
ここで、テーブル1は、入力された選局信号(ch1,2…)SG4に対応した標準的な制御電圧Voの値を記憶したものである。
テーブル2は、標準的な制御電圧の値Voと入力された制御電圧Vとの差ごとに予め決められたスイッチのon/off情報を記憶したものである。
このスイッチのon/off情報が、制御信号SG3として図2の入力フィルタ103に与えられる。テーブル2は、一実施例としてスイッチが4つの場合を示しているがこれに限るものではない。
実施例2では、このスイッチのon/off情報が、記憶部に記憶される周波数情報に相当する。
【0039】
まず、通過周波数制御装置101は、テーブル1を用いて入力された選局信号SG4から選局信号に対応した標準的な制御電圧Voを読み出す。
次に、比較部において、読み出した制御電圧Voと、入力された実際の制御電圧Vの値とを比較する。たとえばVo−Vの値を算出する。次に、調整部において、テーブル2を用いて、選局信号SG4と、Vo−Vの値との組合せに対応するスイッチのon/off情報を読み出す。
【0040】
たとえば、選局信号SG4がch1で、Vo−Vが負であった場合は、4つのスイッチ(SW1〜SW4)についてすべてoffという情報が読み出される。
そして、この読み出されたスイッチのon/off情報が、制御信号SG3として、入力フィルタ103に出力される。
制御電圧V=Voのときに出力される制御信号SG3と、V≠Voのときに出力される制御信号SG3に含まれるon/off情報とは異なるので、制御電圧を検出することにより、入力フィルタにおいて通過周波数が調整されることになる。
【0041】
以上のようにして通過周波数を調整しているので、PLL回路等を構成する素子に特性のばらつきがある場合でも、個別に最適な通過周波数を選択することができる。
なお、実施例2において、入力されたRF信号SG1が入力フィルタ103で帯域制限され、さらにミキサ104で局部発振信号に基づいて周波数変換された出力信号SG6を出力する点は、実施例1と同様である。
【0042】
<実施例3>
ここでは、入力フィルタ103の温度特性を考慮して周波数を調整する場合について説明する。
入力フィルタ103は、動作する環境温度によってもその周波数特性が変化する。そこで、テーブルデータに、温度によるばらつきを考慮したデータを記憶するようにすれば、温度に対する通過周波数の調整ができる。
【0043】
図7に、この発明の実施例3で用いるテーブルデータを示す。ここでは、温度の項目を設け、温度ごとに分類された周波数情報、すなわちスイッチのon/off情報を記憶する。温度としては、たとえば「低温」,「常温」,「高温」という3種類を設ける。ただし、これに限るものではなく、それぞれ所定の温度範囲を規定してもよい。たとえば、「低温」とは−20℃〜20℃、「常温」とは20℃〜50℃という数値を記憶してもよい。
【0044】
そして、この発明の受信装置を使用する際に、使用環境の温度が、このテーブルデータの温度分類のどれに対応するかを予め利用者が設定又は入力し、通過周波数制御装置に与えればよい。
この実施例では、通過周波数制御装置101が、図7のテーブルデータを参照し、選局信号SG4と設定された環境温度とから一意的に定められるスイッチのon/off情報からなる制御信号SG3を出力する。局部発振器105や入力フィルタ103等の動作は実施例1と同様である。
このように温度変化に対応させた情報をテーブルデータとして記憶すれば、動作環境の温度に対応した適切な通過周波数を選択することができる。
【0045】
<実施例4>
ここでは、図8に示すように、新たに温度検出装置108を設ける。すなわち、実施例3のように予め設定記憶された温度情報に基づくのではなく、実際の使用環境の温度を測定し、その測定温度に対応した制御信号SG3を出力するようにする。
【0046】
図8に、この発明の実施例4の受信装置の構成図を示す。温度検出装置108は、集積化された入力フィルタ103などの表面温度を検出し、温度自体をデジタル化した数値、あるいは温度に対応した情報等を通過周波数制御装置101へ出力するものである。
【0047】
この実施例4でも、実施例3で示したような温度の項目を設けたテーブルデータを記憶装置102に記憶するようにすればよい。
通過周波数制御装置101は、温度検出装置108から与えられる温度情報が、テーブルデータのどの温度分類に属するかを判断する。
そして、この実施例では、通過周波数制御装置101は、選局信号SG4と、温度検出装置108から与えられた温度情報とから一意的に定められ、かつスイッチのon/off情報からなる制御信号SG3を入力フィルタ103に出力する。
この実施例4によれば、温度検出装置108を設けているので、より実際の動作環境の温度に対応した適切な通過周波数を選択することができる。
【0048】
<実施例5>
ここでは、受信装置の素子のばらつきを考慮して、通過周波数を調整する場合の実施例について説明する。
受信装置を構成する素子は所定の設計値を基準に製造されるが、物理的に完全に同一のものは製造することはできず、必ず製造上のばらつきが発生する。
ここで、製造上のばらつきとは、素子の寸法上のずれ,コンデンサ容量のずれ,抵抗の抵抗値のずれ,トランジスタの閾値電圧のずれなどを意味する。この製造上のばらつきによって、通過周波数が変化し、所望の受信特性が得られない場合もある。
したがって、この製造上のばらつきがあること、およびどの程度ばらつきがあるかが、動作する前や実際の動作時にわかれば、通過周波数を適切に調整することが可能となる。
【0049】
実施例2では、PLL回路107から出力される制御電圧Vを考慮して、通過周波数制御装置101で制御信号SG3を決定する場合を示したが、ここでは、データテーブルに、素子のばらつきを考慮したデータを予め記憶することにより制御信号SG3を決定する。
この実施例5では、受信装置の中で対象とする素子は、入力フィルタとする。また、素子のばらつきとしては、たとえば、コンデンサ容量の絶対ばらつき,抵抗の抵抗値の絶対ばらつきを意味するものとする。
ただし、素子のばらつきはこれに限るものではなく、通過周波数の変化に影響を及ぼすおそれのある他の素子のばらつきを考慮してもよい。
【0050】
図9に、この発明の実施例5で用いるデータテーブルを示す。
ここで、図7に示した「温度」の項目のかわりに、「ばらつき」の項目を設けている。たとえば、入力フィルタを構成する素子特性のばらつきごとに分類された周波数情報を記憶し、「ばらつき」の程度により、on又はoffするスイッチを代える。
【0051】
図9において「ばらつき」としては、ばらつきのない設計時どおりの場合を「0」、設計値よりもばらつきが高い場合を「+」、設計値よりもばらつきが低い場合を「−」として示している。
これは、ばらつきの程度により各スイッチのon/off状態を変化させることを示したものであり、ばらつきの程度がより具体的に数値化でき、そのばらつきの数値と通過周波数の調整量との関係が、さらに詳細にわかる場合は、他のデータを用いてもよい。
【0052】
この実施例5では、「素子のばらつき」に関する情報を(すなわち「0」、「+」、「−」のいずれか)利用者が設定あるいは入力して、通過周波数制御装置101に与えるようにする。そして、通過周波数制御装置101が、図9のテーブルデータを参照し、選局信号SG4と設定された「素子のばらつき」とから一意的に定められるスイッチのon/off情報からなる制御信号SG3を出力する。
なお、入力フィルタ103等の動作は実施例1と同様である。この実施例5によれば、素子のばらつきを考慮した通過周波数の調整が可能となる。
また、使用前に利用者が素子のばらつきがあるか否かわからない場合でも、利用者が必要に応じて、ばらつきに関する情報を「+」や「−」に設定変更してやることにより、適切な通過周波数を選択できる。
【0053】
<実施例6>
ここでは、図10に示すように、新たに素子ばらつき検出装置109を設ける。
すなわち、実施例5のように、予め設定された素子のばらつき情報に基づくのではなく、実際の受信装置固有の素子のばらつきを測定し、その測定ばらつきに対応した制御信号SG3を出力するようにする。
【0054】
図10に、この発明の実施例6の受信装置の構成図を示す。素子ばらつき検出装置109は、たとえば、入力フィルタ103のコンデンサについてのばらつきを検出する回路から構成され、ばらつきに対応する情報を通過周波数制御装置101へ出力するものである。
そして予め定められた設計値と検出されたばらつきに関する情報との差異を求めれば、ばらつきの有無及びばらつきの量が検出できる。
【0055】
この実施例6でも、図9に示したような「ばらつき」の項目を設けたテーブルデータを用いればよい。
そして、選局信号SG4と、素子ばらつき検出装置109から与えられたばらつき情報とから一意的に定められ、かつスイッチのon/off情報からなる制御信号SG3を入力フィルタ103に出力すればよい。
この実施例6によれば、素子ばらつき検出装置109を設けているので、実際の受信装置固有の素子のばらつきに対応したより適切な通過周波数を選択することができる。
【0056】
【発明の効果】
この発明によれば、入力フィルタを構成する素子を集積回路化しているので、受信装置の部品点数を減らし、小型化することができる。また、PLL回路から出力される制御電圧を通過周波数制御装置に与えて入力フィルタの帯域制限用制御信号を調整しているので、PLL回路を構成する素子のばらつきを考慮した通過周波数の選択が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の受信装置の構成図である。
【図2】この発明の実施例1の入力フィルタの構成図である。
【図3】この発明の実施例1の入力フィルタの他の構成図である。
【図4】この発明の実施例2の受信装置の構成図である。
【図5】従来の受信装置の構成図である。
【図6】この発明の実施例2で用いるテーブルデータの説明図である。
【図7】この発明の実施例3で用いるテーブルデータの説明図である。
【図8】この発明の実施例4の受信装置の構成図である。
【図9】この発明の実施例5で用いるテーブルデータの説明図である。
【図10】この発明の実施例6の受信装置の構成図である。
【符号の説明】
101 通過周波数制御装置
102 記憶装置
103 入力フィルタ
104 ミキサ
105 局部発振器
106 VCO回路
107 PLL回路
SG1 RF信号
SG2 局部発振信号
SG3 制御信号
SG4 選局信号
SG5 帯域信号
SG6 出力信号
【発明の属する技術分野】
この発明は、受信装置に関し、特にテレビ受信機に使用され、いわゆるチューナ機能を有する受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビ受信機は、放送されてくるVHFやUHFのテレビ信号を選択的に受信する受信装置を備えている。
図5に、従来の受信装置の概略構成図を示す。
図5において、テレビ信号などのRF信号11を受信して所定の帯域制限をする入力フィルタ1、帯域制限した信号を増幅するRFアンプ2、受信すべき信号を選択する段間フィルタ3、周波数変換により局部発振信号14に応じた出力信号(IF信号)を生成するミキサ4、および局部発振信号14を生成するための局部発振器10とから構成される。局部発振器10は、入力される選局信号13に応じた制御電圧V15を生成するPLL回路5と、制御電圧15に応じた局部発振信号14を生成するVCO回路6とから構成される。
ここで、入力フィルタ1と段間フィルタ3は、コイルと容量可変コンデンサからなる同調フィルタである。
【0003】
この受信装置では、次のようにして、入力されたRF信号11の中から、選局信号13に同調した出力信号12が選択出力される。
まず、選局信号13がPLL回路5に与えられると、PLL回路5は、選局信号に応じた制御電圧V15をVCO回路6に与える。
VCO回路6は、与えられた制御電圧V15により、選局信号に応じた周波数を持つ局部発振信号14を、ミキサ4に出力する。PLL回路5から出力された制御電圧V15は、入力フィルタ1と段間フィルタ3にも与えられ、両フィルタの通過帯域が決定される。この通過帯域は、局部発振信号14の周波数に同期して変化する。
【0004】
一方、RF信号11は、入力フィルタ1に入力され、入力フィルタ1によって設定された所定の通過帯域外の信号が減衰されて、RFアンプ2に出力される。RFアンプ2では、通過帯域内の信号が増幅され、段間フィルタ3に出力される。
段間フィルタ3では、入力された信号のうち、制御電圧V15により設定された通過帯域外の信号がさらに減衰され、ミキサ4に出力される。ミキサ4は、VCO回路6から与えられた局部発振信号14を利用して、段間フィルタ3から与えられた信号を周波数変換し、受信映像出力信号12として出力する。
【0005】
たとえば、テレビチューナでは、入力フィルタ1の通過周波数を選局信号に対応した局部発振信号により変化させ、所望の受信チャネルの出力信号12を得る。テレビチューナで受信されるRF信号11の受信周波数f(RF)は93MHzから767MHzの帯域幅を持っているが、ミキサ4の出力信号12の周波数f(IF)は57MHzに固定されている。そのため、ミキサ4で周波数変換を行う基準となる局部発振信号14の発振周波数f(lo)は、150MHzから833MHzの範囲を持つ必要がある。
【0006】
ところで、入力フィルタ1がないと、周波数f(RF)を持つRF信号11がそのままミキサ4で周波数変換され、周波数[f(lo)−f(RF)]を持つ信号12が出力される。
しかし、これと同時に、周波数2×f(lo)−f(RF)を持つイメージ信号も周波数変換され、同じ周波数[f(lo)−f(RF)]を持ったイメージ信号として出力されることになる。このイメージ信号は表示のためには不要な信号であるので、ミキサ4に入力される前に減衰させておく必要がある。
【0007】
また、テレビチューナの受信周波数は高周波帯域(93MHz〜767MHz)にあるので、この帯域をすべて通過させてしまうと、周波数f(RF)と[f(lo)−f(RF)]の両方ともが通過帯域に含まれてしまうことになり、イメージ信号を減衰させることができない。
そこで、イメージ信号を減衰させるために、入力フィルタ1がイメージ信号の減衰のために設けられるが、入力フィルタ1の通過周波数帯域を受信周波数f(RF)の帯域よりも狭くし、かつ局部発振信号に応じて変化させる必要がある。
【0008】
本願の受信装置に関連する技術としては、IF周波数またはIF帯域幅の異なる信号を同一のチューナで受信し、IFフィルタ等の回路を集積小型化したチューナ回路がある(たとえば、特許文献1)。
また、チューナ回路の高周波回路部分にRF増幅用ICとAGCミクサ回路用ICを用いて、チューナの全回路を平衡形の回路で構成することにより、部品点数を少なくし、歪特性を改善したIC化受信装置がある(たとえば、特許文献2)。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−218894号公報(段落[0016]〜[0019])
【特許文献2】
特開平6−69829号公報(段落[0010]、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、今日、このような受信装置を携帯機器に搭載するために、受信装置の小型化と低消費電力化が要望されている。そこで、従来のテレビチューナ等で用いられる受信装置では、ミキサ部分のIC化等により装置の小型化が図られているが、入力フィルタ自体はディスクリート部品で構成されているので、部品点数も多く、回路構成が複雑であり、さらなる小型化の要望に対応するのは困難であった。
【0011】
また、小型化のためにいわゆるアップダウン方式を採用した受信装置も開発されているが、これは消費電力が大きいので、携帯機器への採用は難しい。さらに、前記したように、イメージ信号を減衰させるために、局部発振信号に応じて、入力フィルタの通過周波数帯域を変化させる必要があるが、この変化のための制御回路が必要であるため、さらなる小型化は難しい。
そこで、この発明は、入力フィルタの通過周波数情報を予め記憶し、この情報を読み出して通過周波数の変換を行うことにより、小型化を図った受信装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
入力された選局信号に応答して特定の発振周波数を持つ局部発振信号を生成する局部発振器と、前記選局信号と通過帯域周波数とが関係づけられた周波数情報を記憶した記憶部と、記憶部から読み出した周波数情報および入力された選局信号を利用して通過帯域周波数を選択する通過周波数制御部と、選択された通過帯域周波数に対応する帯域制限用制御信号が、通過周波数制御部から与えられ、入力されたRF信号のうち前記選択通過帯域周波数に対応する部分の信号のみを帯域通過させる入力フィルタと、入力フィルタから出力される帯域信号を、前記局部発振信号に基づいて周波数変換する変換器とを備え、少なくとも入力フィルタの一部と局部発振器とが1つのICに内蔵されたことを特徴とする受信装置を提供するものである。
【0013】
ここで、前記記憶部は、書き換え可能な不揮発性素子からなり、前記周波数情報が、記憶部に書き換え可能なように記憶されるようにしてもよい。
また、前記入力フィルタが、1つのコイルと、複数個のコンデンサと、各コンデンサに直列に接続されたスイッチとからなり、前記コイルと各コンデンサは、入力されるRF信号と接地端子に対して並列に接続され、前記帯域制御用制御信号により前記スイッチの開閉が制御されるようにしてもよい。
【0014】
さらに、前記入力フィルタが、1つのコイルと、MOSトランジスタと抵抗素子とで形成された容量可変コンデンサとからなり、前記コイルと容量可変コンデンサは、入力されるRF信号に対して並列に接続され、前記帯域制限用制御信号により前記容量可変コンデンサの容量が変化させられるようにしてもよい。
【0015】
また、この発明は、前記局部発振器が、入力された選局信号に対応した制御電圧を生成するPLL回路と、前記制御電圧を受けて所定の局部発振信号を生成するVCO回路とからなり、前記通過周波数制御部が、前記制御電圧を受けて選択された通過帯域周波数を調整し、調整後の通過帯域周波数に対応する帯域制限用制御信号を出力する受信装置を提供するものである。
これによれば、記憶部に記憶される周波数情報を変更するだけで、容易に通過周波数の変更,更新ができる。また、入力フィルタを構成する素子を集積回路化できるので、受信装置の小型化をすることができる。
【0016】
また、この発明において、前記記憶部は、使用環境温度ごとに分類された周波数情報を記憶するようにしてもよい。
ここで、使用環境温度を検出し、温度情報を通過周波数制御部に出力する温度検出部をさらに備え、通過周波数制御部が、検出された温度情報に対応する周波数情報を記憶部から読み出すようにしてもよい。
【0017】
さらに、前記記憶部は、入力フィルタを構成する素子の特性のばらつきごとに分類された周波数情報を記憶するようにしてもよい。
ここで、前記入力フィルタを構成する素子の特性のばらつきを検出し、ばらつき情報を通過周波数制御部に出力する素子ばらつき検出部をさらに備え、通過周波数制御部が、検出されたばらつき情報に対応する周波数情報を記憶部から読み出すようにしてもよい。
【0018】
以下の実施例では、帯域制限用制御信号を、単に制御信号と呼ぶ。また、記憶部に記憶される周波数情報を、テーブルデータと呼ぶ。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定されるものではない。
<実施例1>
図1に、この発明の実施例1の受信装置の構成図を示す。
図1において、受信装置は、従来と同様の機能を有する入力フィルタ103、ミキサ104、局部発振器105の他に、通過周波数制御装置101、記憶装置102とを備える。記憶装置102は、たとえばRAM、ROM、ハードディスク、ICカードメモリなどの不揮発性メモリを用いることができる。
また、ミキサ104は、前記した変換器に相当する。
【0020】
記憶装置102には、入力フィルタの通過帯域周波数に関する情報(以下、テーブルデータと呼ぶ)が記憶されている。テーブルデータとは、通過帯域の周波数に対応する情報と、選局信号SG4の値とを対にして記憶したものである。たとえば、周波数に対応する情報として、図6に示すように、入力フィルタを構成するスイッチのon/off情報が記憶される。
また、後述する図3のような入力フィルタの場合は、各選局信号に対応する制御電圧が記憶される。
【0021】
また、種々の周波数や選択信号に対応するために、記憶装置102は書き換え可能なメモリ(たとえばRAM、フラッシュメモリ)を用いることが好ましい。さらに、記憶装置102は、図示していないCPUや、外部パソコンやキーボードなどの入力装置に接続されて容易に書きかえられるようにすることが好ましい。あるいは、ICカードメモリの場合は、予め異なるデータが書き込まれたICカードメモリと変換すればよい。
【0022】
通過周波数制御装置101は、記憶装置102に記憶されたテーブルデータの数値を読み込んで、入力された選局信号SG4と照合することにより選局信号SG4と対応する周波数を選択し、さらにこの周波数に対応する制御信号SG3を入力フィルタ103に出力する装置である。
制御信号SG3は、従来の制御電圧V15に相当する信号であり、この信号SG3を利用して、入力フィルタ103に入力されたRF信号SG1の通過周波数の帯域が制限される。
【0023】
選局信号SG4は、図示していない外部の選局装置から与えられるアナログ信号であり、通過周波数制御装置101とPLL回路107に同時に与えられる。局部発振信号SG2は、従来と同様に、PLL回路107からの制御電圧Vに基づいてVCO回路106によって生成される信号であり、ミキサ104に与えられるアナログ信号である。
【0024】
RF信号SG1は、図示していない外部のLNA(Low noise amp)やAGC(Auto gain controller)等から入力フィルタ103に与えられるアナログ信号である。
帯域信号SG5は、入力フィルタ103によって所定の帯域外の周波数成分が減衰されたRF信号であり、入力フィルタ103からミキサ104に出力される信号である。
出力信号SG6は、従来と同様に、ミキサ104で帯域信号SG5を周波数変換したアナログ信号であり、図示していない次段の回路ブロック、たとえばバンドパスフィルタ,AGC,増幅回路等に与えられる。
【0025】
以下に、この実施例1の受信装置の動作について説明する。
まず、選局信号SG4が受信装置に入力されると、この信号SG4は、通過周波数制御装置101とPPL回路107に与えられる。通過周波数制御装置101は、選局信号SG4が与えられると、記憶装置102のデーブルデータを読み出して選局信号SG4に対応する周波数を選択し、この選択周波数に対応づけられた制御信号SG3を入力フィルタ103に出力する。
【0026】
一方、選局信号SG4が与えられたPLL回路107は、選局信号SG4をもとに、制御電圧Vを生成し、VCO回路106に与える。
そして、VCO回路106は、与えられた制御電圧Vに対応させた局部発振信号SG2をミキサ104に出力する。
また、入力フィルタ103では、入力されたRF信号SG1の周波数帯域を、通過周波数制御装置101から与えられた制御信号SG3に基づいて制御し、帯域制限されたRF信号である帯域信号SG5をミキサ104に出力する。
そして、ミキサ104では、局部発振信号SG2と、帯域信号SG5を掛け合わせることにより周波数変換し、出力信号SG6を出力する。
【0027】
次に、図2に、図1に示した実施例1の入力フィルタ103の一実施例の構成図を示す。
入力フィルタ103は、主として1つのコイルL1と、コンデンサ(C1〜Cn)とからなり、このコイルとコンデンサとが、入力端子INおよび出力端子OUTと、接地端子GNDとの間に並列に接続されてなるいわゆる同調フィルタである。
【0028】
さらに、制御信号SG3により種々の帯域制限が可能となるように、複数のコンデンサ(C1〜Cn)が並列に接続され、これらのコンデンサ(C1〜Cn)のそれぞれと直列に、スイッチ(SW1〜SWn)が接続される。
図示したコイル、コンデンサおよびスイッチは、1つのICの内部に集積化して組み込まれる。
【0029】
また、スイッチ(SW1〜SWn)のONまたはOFFを制御するために、制御信号SG3が通過周波数制御装置101から与えられる。
制御信号SG3の値に基づいてオンされるスイッチの組み合わせを異ならせることにより、したがって、コンデンサ全体の容量を可変させる。
制御信号SG3によりコンデンサ容量を可変にすれば、コイルL1とコンデンサとで決定される通過周波数が変化させられる。
【0030】
図2の入力フィルタ103では、その基本的な構成要素として、コイルL1、コンデンサ(C1〜Cn)およびスイッチ(SW1〜SWn)とを含むものであるが、これらは、ディスクリート部品を用いずに、1つのIC素子の内部に集積化して組み込むことができる。
すなわち、入力フィルタ103の一部分の素子を集積化することにより基板上に搭載する部品点数を減らすことができるので、受信装置の回路基板全体のサイズを小型化することができる。
【0031】
次に図3に、この発明の実施例1の入力フィルタ103の他の実施例の構成図を示す。
この入力フィルタ103は、図2のコンデンサ(C1〜Cn)を、MOSトランジスタを利用した「容量可変コンデンサCa」に置換して構成した同調フィルタである。この容量可変コンデンサCaも、コイルL1とともに、1つのICに集積化する。
また、入力信号SG1と出力信号SG5は、差動入出力となっている。
【0032】
図3において、容量可変コンデンサCaは、2つのMOSトランジスタT1,T2と、抵抗R1,R2およびR3とから構成される。通過周波数制御装置101から与えられる制御信号SG3は、抵抗R2の一端に入力される。
制御信号SG3の値を変化させることにより、容量可変コンデンサCaの容量が変化し、入力フィルタ103の出力である帯域信号SG5の通過周波数が制御される。
【0033】
図3では、入力フィルタ103の容量成分としてMOSトランジスタを用いているが、MOSトランジスタをICに組み込んだ場合にMOSトランジスタはコンデンサよりも小面積ですむので、IC内での入力フィルタの占有面積をより小さくできる。
【0034】
また、入力フィルタに一部の素子を1つのICに組み込むだけでなく、入力フィルタの全部の素子を1つのICに組み込んでもよい。また、入力フィルタに加えて、VCO回路106とPLL回路107とを1つのICに組み込んでもよい。さらに、この1つのICに、ミキサ104を組み込んでもよい。
【0035】
<実施例2>
図4に、この発明の実施例2の受信装置の構成図を示す。
PLL回路107からVCO回路106に与えられる制御電圧Vが、通過周波数制御装置101にも与えられる点が、実施例1の図1の構成と異なる。
ここで、制御電圧Vを通過周波数制御装置101に与えるのは、ICを構成する個々の素子について特性のばらつきを検出して、制御信号SG3を調整するためである。ここで、ICは、少なくとも入力フィルタ103の一部の素子とPLL回路107を構成する素子を含むものとする。
【0036】
図1に示した通過周波数制御装置101は、記憶装置102に予め記憶された設計値どおりのテーブルデータに基づいて制御信号SG3を出力していたので、PLL回路107等を構成する素子が設計値どおりの特性を有する場合は、入力フィルタ103において所望の帯域信号SG5が出力されていた。
しかし、PLL回路107などにおいて素子特性にばらつきがある場合は、単に設計値どおりの制御信号SG3を出力していたのでは、所望の帯域信号SG5が得られない場合がある。
そこで、PLL回路107などを構成する素子のばらつきを考慮した制御信号SG3を得るために、PLL回路107からの制御電圧Vを通過周波数制御装置101に入力させる。
ICを構成する素子の特性がばらついた場合、PLL回路107から出力される制御電圧Vは、この特性のばらつきに対応して変化するので、制御電圧Vの設計時の標準的な値Voと、通過周波数制御装置101に入力された実際の制御電圧Vとを比較することにより、制御信号SG3を調整することができる。
【0037】
この実施例2では、通過周波数制御装置101の内部には、PLL回路107から与えられる制御電圧Vを検出する回路が設けられる。
また、設計時の標準的な制御電圧Voは予めわかっているので、この2つの電圧VとVoとの比較あるいは差を検出する比較部が設けられる。
さらに、入力された選局信号SG4と、読み出したテーブルデータとから決定された通過周波数を、比較部の出力結果により調整するための調整部が、通過周波数制御装置内に設けられる。
【0038】
以下に、これらの比較部,調整部によりどのように通過周波数を調整するかについて具体例を説明する。
図6に、この発明の実施例2で用いるテーブルデータを示す。
ここで、テーブル1は、入力された選局信号(ch1,2…)SG4に対応した標準的な制御電圧Voの値を記憶したものである。
テーブル2は、標準的な制御電圧の値Voと入力された制御電圧Vとの差ごとに予め決められたスイッチのon/off情報を記憶したものである。
このスイッチのon/off情報が、制御信号SG3として図2の入力フィルタ103に与えられる。テーブル2は、一実施例としてスイッチが4つの場合を示しているがこれに限るものではない。
実施例2では、このスイッチのon/off情報が、記憶部に記憶される周波数情報に相当する。
【0039】
まず、通過周波数制御装置101は、テーブル1を用いて入力された選局信号SG4から選局信号に対応した標準的な制御電圧Voを読み出す。
次に、比較部において、読み出した制御電圧Voと、入力された実際の制御電圧Vの値とを比較する。たとえばVo−Vの値を算出する。次に、調整部において、テーブル2を用いて、選局信号SG4と、Vo−Vの値との組合せに対応するスイッチのon/off情報を読み出す。
【0040】
たとえば、選局信号SG4がch1で、Vo−Vが負であった場合は、4つのスイッチ(SW1〜SW4)についてすべてoffという情報が読み出される。
そして、この読み出されたスイッチのon/off情報が、制御信号SG3として、入力フィルタ103に出力される。
制御電圧V=Voのときに出力される制御信号SG3と、V≠Voのときに出力される制御信号SG3に含まれるon/off情報とは異なるので、制御電圧を検出することにより、入力フィルタにおいて通過周波数が調整されることになる。
【0041】
以上のようにして通過周波数を調整しているので、PLL回路等を構成する素子に特性のばらつきがある場合でも、個別に最適な通過周波数を選択することができる。
なお、実施例2において、入力されたRF信号SG1が入力フィルタ103で帯域制限され、さらにミキサ104で局部発振信号に基づいて周波数変換された出力信号SG6を出力する点は、実施例1と同様である。
【0042】
<実施例3>
ここでは、入力フィルタ103の温度特性を考慮して周波数を調整する場合について説明する。
入力フィルタ103は、動作する環境温度によってもその周波数特性が変化する。そこで、テーブルデータに、温度によるばらつきを考慮したデータを記憶するようにすれば、温度に対する通過周波数の調整ができる。
【0043】
図7に、この発明の実施例3で用いるテーブルデータを示す。ここでは、温度の項目を設け、温度ごとに分類された周波数情報、すなわちスイッチのon/off情報を記憶する。温度としては、たとえば「低温」,「常温」,「高温」という3種類を設ける。ただし、これに限るものではなく、それぞれ所定の温度範囲を規定してもよい。たとえば、「低温」とは−20℃〜20℃、「常温」とは20℃〜50℃という数値を記憶してもよい。
【0044】
そして、この発明の受信装置を使用する際に、使用環境の温度が、このテーブルデータの温度分類のどれに対応するかを予め利用者が設定又は入力し、通過周波数制御装置に与えればよい。
この実施例では、通過周波数制御装置101が、図7のテーブルデータを参照し、選局信号SG4と設定された環境温度とから一意的に定められるスイッチのon/off情報からなる制御信号SG3を出力する。局部発振器105や入力フィルタ103等の動作は実施例1と同様である。
このように温度変化に対応させた情報をテーブルデータとして記憶すれば、動作環境の温度に対応した適切な通過周波数を選択することができる。
【0045】
<実施例4>
ここでは、図8に示すように、新たに温度検出装置108を設ける。すなわち、実施例3のように予め設定記憶された温度情報に基づくのではなく、実際の使用環境の温度を測定し、その測定温度に対応した制御信号SG3を出力するようにする。
【0046】
図8に、この発明の実施例4の受信装置の構成図を示す。温度検出装置108は、集積化された入力フィルタ103などの表面温度を検出し、温度自体をデジタル化した数値、あるいは温度に対応した情報等を通過周波数制御装置101へ出力するものである。
【0047】
この実施例4でも、実施例3で示したような温度の項目を設けたテーブルデータを記憶装置102に記憶するようにすればよい。
通過周波数制御装置101は、温度検出装置108から与えられる温度情報が、テーブルデータのどの温度分類に属するかを判断する。
そして、この実施例では、通過周波数制御装置101は、選局信号SG4と、温度検出装置108から与えられた温度情報とから一意的に定められ、かつスイッチのon/off情報からなる制御信号SG3を入力フィルタ103に出力する。
この実施例4によれば、温度検出装置108を設けているので、より実際の動作環境の温度に対応した適切な通過周波数を選択することができる。
【0048】
<実施例5>
ここでは、受信装置の素子のばらつきを考慮して、通過周波数を調整する場合の実施例について説明する。
受信装置を構成する素子は所定の設計値を基準に製造されるが、物理的に完全に同一のものは製造することはできず、必ず製造上のばらつきが発生する。
ここで、製造上のばらつきとは、素子の寸法上のずれ,コンデンサ容量のずれ,抵抗の抵抗値のずれ,トランジスタの閾値電圧のずれなどを意味する。この製造上のばらつきによって、通過周波数が変化し、所望の受信特性が得られない場合もある。
したがって、この製造上のばらつきがあること、およびどの程度ばらつきがあるかが、動作する前や実際の動作時にわかれば、通過周波数を適切に調整することが可能となる。
【0049】
実施例2では、PLL回路107から出力される制御電圧Vを考慮して、通過周波数制御装置101で制御信号SG3を決定する場合を示したが、ここでは、データテーブルに、素子のばらつきを考慮したデータを予め記憶することにより制御信号SG3を決定する。
この実施例5では、受信装置の中で対象とする素子は、入力フィルタとする。また、素子のばらつきとしては、たとえば、コンデンサ容量の絶対ばらつき,抵抗の抵抗値の絶対ばらつきを意味するものとする。
ただし、素子のばらつきはこれに限るものではなく、通過周波数の変化に影響を及ぼすおそれのある他の素子のばらつきを考慮してもよい。
【0050】
図9に、この発明の実施例5で用いるデータテーブルを示す。
ここで、図7に示した「温度」の項目のかわりに、「ばらつき」の項目を設けている。たとえば、入力フィルタを構成する素子特性のばらつきごとに分類された周波数情報を記憶し、「ばらつき」の程度により、on又はoffするスイッチを代える。
【0051】
図9において「ばらつき」としては、ばらつきのない設計時どおりの場合を「0」、設計値よりもばらつきが高い場合を「+」、設計値よりもばらつきが低い場合を「−」として示している。
これは、ばらつきの程度により各スイッチのon/off状態を変化させることを示したものであり、ばらつきの程度がより具体的に数値化でき、そのばらつきの数値と通過周波数の調整量との関係が、さらに詳細にわかる場合は、他のデータを用いてもよい。
【0052】
この実施例5では、「素子のばらつき」に関する情報を(すなわち「0」、「+」、「−」のいずれか)利用者が設定あるいは入力して、通過周波数制御装置101に与えるようにする。そして、通過周波数制御装置101が、図9のテーブルデータを参照し、選局信号SG4と設定された「素子のばらつき」とから一意的に定められるスイッチのon/off情報からなる制御信号SG3を出力する。
なお、入力フィルタ103等の動作は実施例1と同様である。この実施例5によれば、素子のばらつきを考慮した通過周波数の調整が可能となる。
また、使用前に利用者が素子のばらつきがあるか否かわからない場合でも、利用者が必要に応じて、ばらつきに関する情報を「+」や「−」に設定変更してやることにより、適切な通過周波数を選択できる。
【0053】
<実施例6>
ここでは、図10に示すように、新たに素子ばらつき検出装置109を設ける。
すなわち、実施例5のように、予め設定された素子のばらつき情報に基づくのではなく、実際の受信装置固有の素子のばらつきを測定し、その測定ばらつきに対応した制御信号SG3を出力するようにする。
【0054】
図10に、この発明の実施例6の受信装置の構成図を示す。素子ばらつき検出装置109は、たとえば、入力フィルタ103のコンデンサについてのばらつきを検出する回路から構成され、ばらつきに対応する情報を通過周波数制御装置101へ出力するものである。
そして予め定められた設計値と検出されたばらつきに関する情報との差異を求めれば、ばらつきの有無及びばらつきの量が検出できる。
【0055】
この実施例6でも、図9に示したような「ばらつき」の項目を設けたテーブルデータを用いればよい。
そして、選局信号SG4と、素子ばらつき検出装置109から与えられたばらつき情報とから一意的に定められ、かつスイッチのon/off情報からなる制御信号SG3を入力フィルタ103に出力すればよい。
この実施例6によれば、素子ばらつき検出装置109を設けているので、実際の受信装置固有の素子のばらつきに対応したより適切な通過周波数を選択することができる。
【0056】
【発明の効果】
この発明によれば、入力フィルタを構成する素子を集積回路化しているので、受信装置の部品点数を減らし、小型化することができる。また、PLL回路から出力される制御電圧を通過周波数制御装置に与えて入力フィルタの帯域制限用制御信号を調整しているので、PLL回路を構成する素子のばらつきを考慮した通過周波数の選択が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の受信装置の構成図である。
【図2】この発明の実施例1の入力フィルタの構成図である。
【図3】この発明の実施例1の入力フィルタの他の構成図である。
【図4】この発明の実施例2の受信装置の構成図である。
【図5】従来の受信装置の構成図である。
【図6】この発明の実施例2で用いるテーブルデータの説明図である。
【図7】この発明の実施例3で用いるテーブルデータの説明図である。
【図8】この発明の実施例4の受信装置の構成図である。
【図9】この発明の実施例5で用いるテーブルデータの説明図である。
【図10】この発明の実施例6の受信装置の構成図である。
【符号の説明】
101 通過周波数制御装置
102 記憶装置
103 入力フィルタ
104 ミキサ
105 局部発振器
106 VCO回路
107 PLL回路
SG1 RF信号
SG2 局部発振信号
SG3 制御信号
SG4 選局信号
SG5 帯域信号
SG6 出力信号
Claims (9)
- 入力された選局信号に応答して特定の発振周波数を持つ局部発振信号を生成する局部発振器と、前記選局信号と通過帯域周波数とが関係づけられた周波数情報を記憶した記憶部と、記憶部から読み出した周波数情報および入力された選局信号を利用して通過帯域周波数を選択する通過周波数制御部と、選択された通過帯域周波数に対応する帯域制限用制御信号が、通過周波数制御部から与えられ、入力されたRF信号のうち前記選択通過帯域周波数に対応する部分の信号のみを帯域通過させる入力フィルタと、入力フィルタから出力される帯域信号を、前記局部発振信号に基づいて周波数変換する変換器とを備え、少なくとも入力フィルタの一部と局部発振器とが1つのICに内蔵されたことを特徴とする受信装置。
- 前記記憶部が、書き換え可能な不揮発性素子からなり、前記周波数情報が、記憶部に書き換え可能なように記憶されることを特徴とする請求項1の受信装置。
- 前記入力フィルタが、1つのコイルと、複数個のコンデンサと、各コンデンサに直列に接続されたスイッチとからなり、前記コイルと各コンデンサとは、入力されるRF信号と接地端子に対して並列に接続され、前記帯域制御用制御信号により前記スイッチの開閉が制御されることを特徴とする請求項1または2の受信装置。
- 前記入力フィルタが、1つのコイルと、MOSトランジスタと抵抗素子とで形成された容量可変コンデンサとからなり、前記コイルと容量可変コンデンサとは、入力されるRF信号に対して並列に接続され、前記帯域制限用制御信号により前記容量可変コンデンサの容量が変化させられることを特徴とする請求項1または2の受信装置。
- 前記局部発振器が、入力された選局信号に対応した制御電圧を生成するPLL回路と、前記制御電圧を受けて所定の局部発振信号を生成するVCO回路とからなり、前記通過周波数制御部が、前記PLL回路から与えられる制御電圧に基づいて選択された通過帯域周波数を調整し、調整後の通過帯域周波数に対応する帯域制限用制御信号を出力することを特徴とする請求項1の受信装置。
- 前記記憶部が、使用環境温度ごとに分類された周波数情報を記憶していることを特徴とする請求項1または2の受信装置。
- 使用環境温度を検出し、温度情報を通過周波数制御部に出力する温度検出部をさらに備え、通過周波数制御部が、検出された温度情報に対応する周波数情報を記憶部から読み出すことを特徴とする請求項6の受信装置。
- 前記記憶部が、入力フィルタを構成する素子の特性のばらつきごとに分類された周波数情報を記憶していることを特徴とする請求項1または2の受信装置。
- 前記入力フィルタを構成する素子の特性のばらつき特性を検出し、ばらつき情報を通過周波数制御部に出力する素子ばらつき検出部をさらに備え、通過周波数制御部が、前記検出されたばらつき情報に対応する周波数情報を記憶部から読み出すことを特徴とする請求項8の受信装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007141932A1 (ja) * | 2006-06-02 | 2007-12-13 | Neuro Solution Corp. | アンテナ入力同調回路 |
JP2008511204A (ja) * | 2004-08-20 | 2008-04-10 | エクシーヴ コーポレーション | 集積化帯域選択フィルタを備えるテレビジョン信号受信機 |
CN106452640A (zh) * | 2015-08-10 | 2017-02-22 | 三菱电机株式会社 | 广播接收装置和广播接收方法 |
-
2002
- 2002-11-05 JP JP2002321349A patent/JP2004158979A/ja active Pending
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